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Date: 2014/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の214号が発表されました。8月の号はセントラル・コーストの特集が定番ですが、今回はセントラル・コーストもサンタ・バーバラとパソ・ロブレスに分かれていました。分量が多いので、まずはサンタ・バーバラをチェックです。なお、レビュアーは昨年から担当しているJeb Dunnuckです。

100点が付いたワインは2つ。Sine Qua Nonのシラーとグルナッシュ2010。名前はどちらもStockholm Syndrome。Sine Qua Nonのシラーとグルナッシュのシリーズは分かりにくいのですが、基本的には2つあって、通常のものと、熟成期間を長く取ったExtended Barrel Aging(EBA)となっています。今回の100点のものはEBAで、こちらは日本にはあまり入ってきません。

通常のものだとDark Blossomのシラーが昨年の96-98から上がって99点。こちらは日本でも販売されています。2万円台というのは米国内の価格と遜色なく、むしろ割安です。


Sine Qua Nonに続くのはポール・ラトー。今回ピノ・ノワールで高得点が多く、ソロモン・ヒルズ2012が96点。ヒリヤード・ブルース012が95点など。



また、以前紹介したポール・ラトーの「心」ワイン(Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲)は、予想通りシャルドネに高得点96点が付きました。ピノ・ノワールも93となかなかの点数でした。ただし、このワインは日米ともに売り切れています。ただし、このワインは米国では売り切れ、日本でも在庫僅少となっています(10月に残り分を販売するそうです)。

人気のカレラもなぜかサンタ・バーバラに入っています。2011年のピノ・ノワールの評価はセレックが94、ジェンセン、ド・ヴィリエ、ライアンが93、ミルズが92、リードが91と今年も安定していました。最後発のド・ヴィリエは毎年安定して上位得点です。コスト・パフォーマンスはこれかライアンがベストです。

また、カレラのマウント・ハーラン・シャルドネ2012も94点と高い評価。これ、3000円台ですからちょっとびっくりです。セントラル・コーストのシャルドネとピノ・ノワールも両方90点。価格を考えたらとてもいいできです。


このほか、IPOB(バランス追求派)のサンディも最高95点という高得点がつきました。パーカーを初めとするWine Advocate誌のメンバーはIPOBには否定的とこれまで伝えられてきたので、これはちょっと意外(いい意味で)な結果でした。日本にも入っていますが、今回レビューされた2012年のものは未入荷です。
Date: 2014/0829 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ編が500円、ナパ・ソノマ編が800円のところ、今日から1週間はナパ編が400円、ナパ・ソノマ編が700円とさせていただきます。なおこの価格はKindleストアだけです。他のブックストアはこれまでどおりの価格です。



Date: 2014/0828 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが今回の地震についてプレスリリースを出しています。日本事務所から日本語訳が出ているので転載します。


【ナパヴァレー・ヴィントナーズ、
日曜日の地震後、地域の支援を継続】
2014年8月26日 – カリフォルニア州セントヘレナ– 日曜日の地震を受け、ナパヴァレー・ヴィントナーズ (NVV) 非営利生産者団体は地元とナパヴァレーのワイン産業の支援・支持のために奔走を続けています。
ナパ郡からの要請により、NVVは加盟ワイナリーに対して今週のワイナリーの稼働状態と地震による被害状況の報告を求めました。大半のワイナリーからは営業を行っているとの報告を受けていますが、被害を受けたワイナリーは「試飲ルームのワイングラスに数脚破損があった」というものからワイナリーの建物やタンク・設備の損傷、樽貯蔵のワインに甚大な損失を被ったというものまで規模はさまざまで、ワインボトルの破損についても数本というところから数千本というところまでありました。損失の推定額はまだ明らかではありません。
被害状況の収集とあわせてNVVは、ナパヴァレーの助け合い精神にもとづき、協会のウェブサイト上に専用のセクションを設けて近隣のワイナリー同士の助け合いも促しています。ワインの造り手が緊急に回答を必要とする質問に対応できるよう外部リソースのリストも掲載しました。主に必要とされているのは臨時圧搾設備や樽の貯蔵、ワイナリー設備の貸与、法律・会計・保険のアドバイスです。NVVは今週の後半、地震の被害を受けたワイナリーに対してこうしたビジネスに関連する情報提供を行うセッションを予定しています。
日曜日に地震に見舞われたばかりでありながらも、ナパヴァレーでは2014年の収穫作業が続いています。甚大な被害を受けたワイナリーでもぶどうの収穫作業に戻り、今年も高品質のぶどうが豊富に収穫される見通しです。地震や最近の干ばつも、近い将来のナパヴァレーのワインの供給や価格には大きく影響しないと予想されています。
加盟ワイナリーに情報を提供する役割に加え、NVVは毎年恒例のオークション・ナパヴァレーで集めた基金を活用して広く地域を支援する方法についても検討を行っています。向こう数日間でこの支援策の情報を公開していきます。NVVはオークション・ナパヴァレーを始めてから1億2千万ドル以上を地元に寄付してきました。NVVはこうした基金の一部を地震などの地域の緊急事態に備えて蓄えています。
最新の情報はNVVの地震情報のページ(http://napavintners.com/earthquake/)に掲載してまいります。
<このニュース・リリースに関するお問い合わせ先>
ナパヴァレー・ヴィントナーズ 日本事務所 窓口:若下静
Email: Japan@napavintners.com
Date: 2014/0828 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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地震の話題が続いたので、息抜きに。

もう半月ほどで敬老の日ですが、プレゼントに何をあげるか結構悩みますよね。ワインを飲まれるおじいちゃん、おばあちゃんだったら、こんなギフトはどうでしょう。

まずはワインオープナー。意外と昔ながらのT字型のオープナーしか使っていないという家は多いのではないでしょうか。

ソムリエナイフタイプはかっこいいですが、結構こつも要ります。こつ要らずで、力も要らないものだったら敬老の日にぴったりでしょう。

簡単に抜けると言われているものは大きく分けて3種。ガス式、電動式、レバー式です。

このうちガス式はガスを吹き込んでコルクを上げるので、個人的にはお薦めしません。ボトルの破損の恐れがあるからです。失敗してワインをまき散らすといったこともあるようです。

電動式は、使ったことないのですが、最近のものは結構評判いいようです。手が不自由だったりすると、これがベストかも。若干味気ないような気はしないでもないです。


レバー式は個人的にも持っていますが、びっくりするほど簡単に素早く抜けます。力があまり要らないのもいいところ。使ったら感動しますよ。

ルクレーゼのこれは、レバー式のパイオニア。世界で一番速くコルクが抜けるオープナーとしてギネスブックに載っています。フォイルカッターもここのが一番使いやすく思います。値段は張りますが、実力は折り紙付きです。


ラビットシリーズもこのタイプの老舗。デザインがおしゃれです。私としてはこれを一押しします。


オープナー以外ならワイングラスはどうでしょう。いいワイングラスで飲むと、ワインの味や香りは全く別物と言ってもいいくらい変わります。

一押しはリーデルのオー・シリーズ。ステムがなくて洗うのが簡単だし割りにくいです。グラスとしての実力もステム付きのものと変わりません。

赤ワインを飲むことが多いならカベルネ用。白ワインを飲むことが多いならシャルドネ用がいいでしょう。どちらとも決めかねる場合は、小ぶりで持ちやすいシャルドネ用の方をお薦めします。

Date: 2014/0827 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ市にある集合テイスティングルームVintner's Collective。ここの建物が今回の地震で大きな被害を受けています。フェンスで囲まれていることから、おそらく立入禁止になっているのだと思います。

20140826-vintnerscollective.jpg

ただ、そのフェンスに貼ってある言葉を見てください。

“We're down but not out!”

ビジネスは近くに場所を借りて続けているようです。

ここでは20のワイナリのワインをテイスティングできます。Melka(メルカ)やLamborn Family(ランボーン・ファミリー)、Mi Sueno(ミ・スエーノ)、Clark-Claudon(クラーク-クロードン)などのワインがあります。

ナパに行かれる際は、ぜひ、頑張っている彼らを応援してあげてください。
現状の営業時間などは、以下のテイスティングルーム・スタッフにメールすれば教えてもらえると思います。

andy@vcnv.com
nick@vcnv.com
adam@vcnv.com.
Date: 2014/0826 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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3月24日の地震で被害が大きかったナパ市の中心部で、クアッドコプター(リモコンで操作する4枚ローターの小型ヘリコプター、ドローンと呼ばれることもあります)を使って被害を空撮したビデオがYouTubeに上がっていました。



これは、クアッドコプターが被害の把握にどれだけ役立つかを示すことや教育目的で撮られたビデオとのこと。全部許可をもらって撮影しているそうです。

撮影の範囲では、大破した建物はないですが、レンガ作りの部分を中心に建物の破損はかなり多くありそうです。窓ガラスが割れている物件もあります。

破損は屋根部分が多いため、クアッドコプターの威力は絶大です。かなり近づいた撮影もできますから、人が直接上に登らなくても被害の状況をかなり細かく調べられます。

なお、今回の撮影に使ったのはDJI Phantom 2 Vision +という機種。最初から空撮用のカメラをセットしており、こういった空撮をする人にとっては、今はこれしかないといっても過言ではない機種のようです。撮影中の画像が手元のスマートフォンでリアルタイムで確認できたり、クアッドコプターを見失ったときに、飛ばした場所に戻ってくる機能などがあるとのこと(ただしバッテリー切れには注意)。


Date: 2014/0826 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ市の南American Canyonを震源地とするM6.1(6.0という情報も)の地震が現地時間の8月25日3時20分に起こりました。今のところ亡くなった方はないもようですが、けが人が100人以上出ており、全壊した家が6軒以上、一部が壊れた家は多数あるようです。ナパのTrefethen Family Vineyards(トレフェセン)では古い建物が傾いてしまい、立入禁止になっています。

停電や断水も広範囲で起こっています。

今回の地震の強さを1989年の「ロマ・プリエタ地震」と比較したのが下の図。日本の「震度」とは値が違いますが、概ね6が震度4、8が震度6弱に相当しそうです。


今回の地震は、強さ、広さとも大分違いますが、震源に近いナパ市のあたりでは震度5から6弱程度の揺れがあったものと思われます。

また、ワイナリではボトルやタンクの破損などにより、多くのワインに被害が出ています。今まで報道されている内容を以下にまとめます。

ソノマのSebastiani(セバスティアニーニ)ではタンク14個が破損。スプリンクラーのようにワインをまき散らしたタンクもあったとのことです。

ナパのHess Collection(ヘス・コレクション)では2万ガロンのタンク2つが壊れ、ワインが流れでてしまいました。2013年のカベルネ・ソーヴィニヨン1万5000ケース相当を失ったとのことです。また、60ドルのワイン2000ケースに相当するハイエンドのワインも含まれているとのこと。ワイナリの美術品にもいくつか被害があるようです。

ソノマのB.R.Cohnではワインのおよそ半分を失ったおそれがあるとのこと。主に樽の破損によるものだそうです。

ナパのMattiasson(マティアソン)のSteve Mattiassonは、彼のワインを保管している倉庫にかけつけたところ、樽が散乱している状況だったとのこと。ワインが流れ出ているものはあまりなかったようですが、元の状態に戻すのは相当大変と思われます。

ナパのLagier Meredith(ラギア・メレディス)も倉庫にワインを預けていましたが、見に行ったところ、樽が散乱しているとともに、ワインが流れでたものも多数あったとのこと。かなりの被害があったようです。

震源地に近いナパのカーネロスにあるSaintsbury(セインツベリー)では、これから出荷するワインや樽の被害はほとんどなかったものの、ワイナリに保管しているライブラリワインが400本失われたそうです。貴重な1980年代や90年代のワインがなくなってしまいました。

ナパのSilver Oak(シルバーオーク)では数百本のワインが失われたとのこと。主にテイスティングや内部におけるブレンド用のもので、市販ワインではないようです。

震源地American CanyonにあるCustom Wine Servicesという倉庫では保管している数千ケースのワインのうち、数百ケースが失われたとのこと。影響を受けたワイナリは不明です。

ナパのヨントヴィルにあるDahl Vineyards(ダール)では1万6000ドル相当のピノ・ノワールが入った樽が壊れたとのこと。

同じくヨントヴィルにあるRobert Biale(ロバート・バイアル)ではジンファンデルとサンジョベーゼの樽1つずつが壊れたそうです。

一部を除き、クリティカルな被害にあったところはなさそうですが、今後さらに被害状況は明らかになると思います。わかったものは追記していきます。
Date: 2014/0825 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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8月24日早朝3時20分にナパで大地震がありました(California winemakers cleaning up after quake | www.ktvu.com)。震源地はナパの南5km。各地の震度は不明です。

けが人が100人以上出ているほか、家が4軒壊れたという情報があります。

また、ワイナリではちょうど秋の出荷シーズンでボトル詰めをしているところが多く、ナパだけでなくソノマでも大きな被害が出ている模様です。

例えばソノマのB.R. Cohnでは半分のワインを失ってしまったほか、オークヴィルのSilver Oakでは数百本のワインを失ったとのこと。

詳しくは続報の予定です。
Date: 2014/0825 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの玄関口」をオープンしたのは1999年8月16日でした。今年の周年記念日からはもう1週間も経っていますが、すっかり忘れてました。^^;

実は日付もうろ覚えで8月18日くらいかと思っていたのですが、Internet Archiveで見てみたら、更新履歴のページが残っていて、確認できました。

15年経ってもやっていることはあまり変わらないような気もしますが、積み重ねたものは何かしらあるのだろうと思っています。

本当は15周年を機会にデザインをリニューアルしたかったのですが、今年は試験(ワインではありません)を受けようとしているので、時間のかかるリニューアル作業はあきらめてしまいました。

ちなみに、ブログを始めたのは2003年3月25日です。こちらは古いデータを残してあるので今でも確認できます。

悔やまれてならないのは2004年4月から2006年1月までの第2世代ブログのデータを失ってしまったこと。当時のプロバイダが誤ってデータをすべて消してしまったのですが、ちゃんとバックアップを取っていなかった自分もダメでした。バックアップ大切です。

何はともあれ、いつも見てくださる方も、たまたまこのページをご覧に鳴った方も、ありがとうございます。こんごともご贔屓にしていただければありがたいです。
Date: 2014/0824 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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インポーター紹介で取り上げたilovecalwine取り扱いのワインから、サンドラー(Sandler)を紹介します。

サンドラーは人気ワインメーカーのエド・カーツマンによるプライベート・ブランド。エド・カーツマンは1990年代はテスタロッサのワインメーカーとして活躍しました。その後サンタ・ルシア・ハイランズの著名畑Garys'、Rosella'sなどのオーナーであるゲイリー・フランシオーニらとオーガスト・ウエスト(August West)を設立。サイドウェイズによるピノ・ノワールのブームなどにも乗って、ピノ・ノワールの新星ワイナリーの1つとして人気を博すようになりました。

2008年には米国でもコアなワインマニアが集結するロバート・パーカーの掲示板で、カリフォルニアでピノ・ノワールを作るワインメーカー人気投票で見事1位に輝いており、その人気ぶりがわかります。

その後、ゲイリー・フランシオーニのメインとなるワイナリROARのワインメーカーも務めました。

エド・カーツマンには私も会ったことがありますが、本当にいい人で、ワインも彼の性格を物語るかのように、素直でのびのびとして、魅力的です。

サンドラーは彼のワインの中でもプライベート・ブランドですから、誰に気兼ねするでもなく好きなように作っているワイン。ilovecalwine社長の海老原さん一押しのワインでもあります。このレベルのピノ・ノワールで5000円台というのも魅力的です。

Date: 2014/0822 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ilovecalwineで取り扱っているワインからジョージを紹介します。

参考:George Wine Company: 金融業から飛び込んだ異色のワイナリ

インタビューやワイナリ紹介にもあるように、ジョージ・レヴコフ氏は金融業界からワイン作りに飛び込んだ異色の経歴の持ち主です。unfiltered/濾過処理をしない、unfined/清澄処理をしない、unpumped/パンチダウンをしない、unpushed/プレスをしない、unadultered/混ぜ物をしない、unblend/ブレンドしない、unracked/澱引きをしない、という5つの「un」をポリシーとしています。このポリシーから想像できるように、とてもきれいなピノ・ノワールです。

年間の総生産量は1000ケース足らず。1本ずつ通し番号が振られています。

これだけ生産量が少ないのに、300を超えるレストランから引き合いがあって、卸しているのですから、一般での入手は難しいワインです。

今は、2012年のヴィンテージの輸入が始まっています。

セレモニアルはマルティネリ家所有の畑で、ジョージでは2004年から作っています。一方、ブエナ・ティエラは、ロキオリから川を挟んだ向かい側にある畑で、これが最初のヴィンテージとなっています。PinotFileでは2012年のセレモニアルに92点、ブエナ・ティエラに94点をつけています。

Date: 2014/0821 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ボニー・ドゥーン(Bonny Doon)のランドール・グラーム(Randall Grahm)といえば、カリフォルニアワイン業界の中でも一番の変わり者として知られています。ローヌ品種を手がけた先駆けであり、奇抜なワインの名前(例えばBig House《刑務所の意》)とラベル・デザインで人気を博しました。

ところが2006年にはBig HouseとCardinal Zinを売却。その後はバイオダイナミクス(ビオディナミ)に注力していました。

そして、今は交雑によって気候の変化に耐えられるような新しい品種を作ることを夢見て、取り組み始めています(Bonny Doon's Randall Grahm scales back, forges ahead)。

ランドールとしては、過去の人物とみなされてしまうことが我慢できないようです。

個人的にもカリフォルニアワイン業界で尊敬する一人であり、頑張ってほしいと思います。
Date: 2014/0820 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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サンタ・マリアにあるアルタ・マリアのピノ・ノワールがタカムラでほぼ現地価格で出ています。米国で27ドルのものが税抜き2980円。

アルタ・マリアはバランス重視派(IPOB)にも入っているワイナリ。今や入るのも大変というグループですから、ここに入っているというだけで一定以上のクオリティは期待できるでしょう。

Date: 2014/0820 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ilovecalwineは、数あるカリフォルニアワインのインポーターの中でもピノ・ノワールの「目利き」として知られています。
20140818-ebihara.jpg

現在扱っているのは以下の10ワイナリ。どれもピノ・ノワールを中心とするワイナリです。特に注目に値するのが、サンタ・ルシア・ハイランズを名実ともに代表する2つのワイナリPisoni(ピゾーニ)とROAR(ロアー)を扱っていること。さらには、Pisoniからブドウを購入しているワイナリの中でも今一番注目されているPaul Lato(ポール・ラトー)までも取り扱っています。
・August West Wine
・Cobb Family Wines
・George Wine Company
・Kutch Wines
・Luli Wines
・Paul Lato Wines
・Pence Ranch
・Pisoni Vineyards & Winery
・ROAR Wines
・Sandler Wine Company

社長の海老原さんは脱サラしてインポーターを始めた人。私はサラリーマン時代から存じあげていますが、ものすごい勢いでワインにのめり込んで、その勢いのまま仕事も変えてしまった、というような印象がありました。

――カリフォルニアワインを飲み始めた経緯を教えてください。
海老原:初めてワイナリーに行ったのは2000年11月のことでした。ナパでケイマスのカベルネを飲み、とても美味しかったのがワインにはまるきっかけになりました。それまではお酒はあまり飲まなかったのですが、調べればもっと美味しいワインがいろいろあるだろうと思って、ワインを飲むようになりました。
 日本で、どこに行ったらカリフォルニアワインが飲めるだろうかを調べて麻布十番にあったCWG(カリフォルニア・ワイン・ガーデン)に通ったり、フランスのワインが飲めるレストランに通ったりしていました。
 当初はカベルネ・ソーヴィニヨンやボルドー・ブレンドを飲むことが多かったです。

――現在はピノ・ノワールを中心に扱っていますが、最初はカベルネ・ソーヴィニヨンだったのですね。ピノ・ノワールはいつ頃から飲むようになったのですか。
海老原:あるレストランでワイン会があり、そこでラ・ターシュを飲んだのがきっかけでした。2004年くらいのことです。ブルゴーニュのワインに惹かれたのですが、当時からブルゴーニュのいいものは入手が困難でした。ネットで発売されても一瞬で売り切れるということがよくありました。また、せっかく買ったものも飲んでみると、若すぎてあまり美味しくないこともありました。
 そのころ、キスラーのメーリング・リストに申し込んでみたら、意外とすぐに入れたんです。ソノマ・コーストのピノ・ノワールを飲んだのがとても美味しかったのを覚えています。リリースから半年くらいと早い時期に飲んでも美味しいというのも魅力でした。
 それからカリフォルニアのピノ・ノワールをいろいろと飲むようになりました。パーカーの掲示板などで、「~~のピノ・ノワールがすごく美味しかった」などと書かれているのを見ると、ワイナリに連絡して取り寄せていました。「どこでうちのワインを知ったのか」と驚かれたり、「海外からの購入は初めてだからたくさん売ってあげるよ」と言われたりすることもありました。
 当時はブログを書いていたので、それに載せるために飲むようなところもあり、2日に1本は飲んでいたと思います。
 また、Pinot Daysなど、カリフォルニアで開かれるピノ・ノワールのイベントに参加するようになり、それに合わせてワイナリーめぐりをしていました。そうしていろいろなワイナリーの方々とも知り合いになりました。

――そしてサラリーマンからインポーターに転身されたわけですね。
 びっくりするような美味しいワインを多く知り、そういったワインを日本に紹介したいと思うようになりました。特に仲が良かったエド・カーツマン(オーガスト・ウエスト《August West》やサンドラー《Sandler》のワインメーカー)さんが「インポーターをするんだったら、うちのワインを取り扱ってくれていいよ」と言ってくれたのが後押しとなってインポーターを始める決断をしました。2009年9月に登記をし、11月に酒販免許を得ています。
 インポーターを始める前にワインスクールに通っていたのですが、
そのときの仲間をはじめ知り合いの方々が酒販免許取得など様々な手続きを手伝ってくれました。それらも力強いバックアップとなりました。
 これら様々なことがあり、神様が背中を押してくれているのかな、と思いました。

――最初に扱ったワインはオーガスト・ウエストとサンドラーだけでしたか。
 このほか、ナパのハウエル・マウンテンにあるランボーン・ファミリー(Lamborn Family)のカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルもありました。ハイジ・バレットがワインメーカーをやっているワイナリーです。残念ながらこのワインは今は扱っていません。その後、メイソン・セラーズのポメロというソーヴィニヨン・ブランも扱うようになりましたが、これも今は離れてしまいました。

――ピノ・ノワールだけではなかったんですね。
 はい。お客さんにラインナップをパッケージで示したいと思っていたので、当初はいろいろな種類のワインを扱おうとしていました。今でもカベルネ・ソーヴィニヨンは探していますよ。価格の問題だったり、ナパのワインはあらかた発掘済みだったりして、いいものが見つかっていませんが。

――その後、ピゾーニ(Pisoni)などを扱うようになりました。
 エドさんがロアー(Roar)のワインメーカーをしていたので、ロアーも扱えたらなあとは思っていました。そうしたところ、ピゾーニも紹介してもらえ、両方とも扱えるようになりました。一時はサンタ・ルシア・ハイランズ専門みたいな感じになっていました。
 ピゾーニを扱いたいインポーターはほかにもあったと思うのですが、大手にとっては本数が少なすぎたのかもしれません。ピゾーニとの会話の中で、マニア時代に様々なピゾーニを集めて飲んだ話をして驚かれたというようなこともありました。そういったこともプラスの効果があったかもしれません。

――Pisoni Estateの現在の輸入量はどれくらいですか。
 100本くらいです。

――その後、ソノマのピノ・ノワールが増えましたね。
 ピノ・ノワールの中でもビッグなピノ・ノワールから優しい感じのものまで揃えたいという気持ちがありました。
 ちょうどバランス重視派(IPOB)が出てきたころでしたが、コブ(Cobb)やクッチ(Kutch)は前からいいなあと思っていました。そこで、会いに行って取り扱うようになりました。

――ポール・ラトー(Paul Lato)やジョージ(George)はどのようにして扱うようになりましたか。
 ポール・ラトーはピゾーニからの紹介です。ここは、米国の需要だけで十分だったと思うのですが、ポール・ラトーさんが日本の文化に関心があったこともあって、輸出を許可してもらえました。
 ジョージは以前、他のインポーターが輸入していたのですが、取り扱いがなくなっていたので交渉してみました。彼も日本で飲まれることを喜んでおり、今年初めて来日もしました。
 ジョージさんは、ニューヨークでディーラーをしていたのをやめてウィリアムズ・セリエム(Williams-Selyem)に弟子入りしたときに、もう40代だったんです。当時、コブのロス・コブもウィリアムズ・セリエムにいたのですが、彼を含めて周りは20代。大丈夫かと思われながらもやりとげたわけで、すごい人だと思います。

――これからラインナップをどうしていく考えですか。
 いたずらにワイナリを増やすよりも、まずは今扱っているところをもっとたくさん売っていきたいです。もう輸出する分がないと言われるくらい売りたいですね。

――異業種からの転身で、販路を広げるのは大変ではなかったですか。
 大変です。ロアーなどは名前が通っているだろうと思っていたのですが、意外とそうでもなく、試飲会などに何回も出して行って、ようやく覚えてもらっているという感じです。

――小売とレストランの比率はどれくらいですか。
 ほぼ半々です。
 ポール・ラトーさんはソムリエの出身なので、どういうレストランで扱ってもらっているかはすごく気にしています。彼の期待に合うようなところに入れてもらうようにしています。例えば、三つ星レストランの「かんだ」や、ほかにも三つ星のレストランで扱ってもらっているところがあります。東京ベイコート倶楽部でも採用してもらっています。

――3000円~5000円くらいのワインのお薦めを教えてください。
 現在扱っているワインではルリ(Luli)がその価格帯です。ルリはピゾーニのジェフ・ピゾーニがワインメーカーをしており、ブドウはマーク・ピゾーニがサンタ・ルシア・ハイランズの自社でない畑から調達して作っています。
 ここのワインを飲むと、ジェフ・ピゾーニは本当に才能がある人だなと思います。彼がカベルネ・ソーヴィニヨンを作ってくれたらと思っているのですが、それを告げたところ、「ブドウの調達先がない」と一蹴されてしまいました(笑)。

――数あるピノ・ノワールの中で、敢えてどれか1つをお薦めするとしたらどれでしょう。
 それぞれ好みがありますから、何かキーワードをいただけないと難しいですね。
 その中でどうしてもどれかといえば、エドさんのサンドラーのワインは、優しい味わいで、グラスワインで1杯だけ飲むのにも向いていると思います。どの店でも出せる価格帯のワインではありませんが、価格もなるべく抑えて出しています。

――エドさんのオーガスト・ウエストはどうですか。
 オーガスト・ウエストは艶っぽいというか、仕事で疲れた後を癒してくれるような感じがしています。

――今後の目標は何ですか。
 毎年何か新しいことをトライしていこうとは思っています。2013年は名古屋や大阪の試飲会に出るようになりました。営業拠点も千葉から渋谷のワインアパートメントに移しました。

関連サイト:
ilovecalwine
ilovecalwine(Facebookページ)

インタビューを終えて:
飾り気なく語る海老原社長。インポーターの社長というよりは、ワイナリーのワインメーカーといった印象です。そのあたりが名だたるピノ・ノワールのプロデューサーからワインを託される理由の1つなのではないかと感じました。

過去のインポーター(とショップ)インタビュー記事
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
Date: 2014/0818 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのピノ・ノワール/シャルドネ/シラーのプロデューサーとして、一躍トップレベルになったポール・ラトー。ポール・ラトー氏は日本文化への関心も高く、それが日本にも輸出している理由だと聞きます。

実際、氏のワインを飲むと、力強さとエレガントさが両立しており、日本文化のミニマリズムと共通するところがあるようにも思います(グレッグ・ブリュワー氏のワインにも感じるところではあります)。

そろそろ2012年のワインも入荷が始まってますが、市中にはまだ一部2011年も残っています。今ならどちらを選ぶのがいいでしょう?

Wine Advocate誌を見ると、まだ2011年までしか評価は出ていません。2012年は難しい年で収量も少なかった2011年と比べると、豊作で質も高いというのが一般的な評価だと思います。ただ、ポール・ラトーのワインは2011年でも最低93点最高97点という高評価ですから、2011年だからといって避ける理由はないように思います。

特に、ポール・ラトーのエレガントさを味わいたいなら、2012年よりも2011年の方が向いているかもしれません。まだ2012年の輸入が始まっていない希少なピゾーニのワイン(ランスロットとイースト・オブ・エデン)が残っていることからも、今は2011推しとしておきましょう。

Date: 2014/0817 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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TTB(アルコール・タバコ税貿易管理局)は8月1日、カリフォルニアに新しいAVA「Manton Valley」を認可しました(Manton Valley AVA: Get to Know Us - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。



Mantonといってもほとんどの人はどこだかイメージできないと思います(私も全く知らなかったです)。場所はサクラメントからオレゴンの方にHighway5をずっと北上していき、Mt. Lassenの近くです。メンドシーノから山脈を1つ超えた内陸側と言ってもいいです。ただ、メンドシーノとの交流はほとんどないようです。

人口347人という本当に小さな町でガソリンスタンドもなく、小さなレストランが1つあるだけとか。ワイナリも年産数百ケース程度など、ごくごく小さなところが大半です。Mt. Lassenに行く観光客が行き帰りにワイナリに立ち寄って買っていくという形態が中心なようです。

Date: 2014/0816 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日亡くなった俳優のロビン・ウィリアムズはナパに豪邸を持っていました。今年4月に2990万ドルで売りに出していましたが、亡くなった今も売却予定は変わっていないとのことです(Robin Williams' Luxurious Napa Winery Still For Sale)。



この豪邸、敷地面積が640エーカー(約2.6平方キロ)、すなわち1マイル(1.6km)四方もあります。東京ドーム55個分です。うち18.4エーカーはブドウ畑になっています。建物は2万平方フィート(約1860平方メートル、562坪)。ベッドルームは5つ。ホームシアターやワインショップ並みの広さのセラーなどがあります。もちろんプール付き。

普通に想像する豪邸の規模をかなり超えています。さすがに金持ちが多い米国でもここまで来るとなかなか売れないのでしょうね。

名優の死を悼みつつも感嘆してしまったのでした。
Date: 2014/0813 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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シャルドネではWine Advocate誌で最高98点、ピノ・ノワールでは同誌最高96点と高得点の生産者であるVarner/Neely。ここのセカンドにあたるのがFoxgloveです。

Varner/Neelyでも実売6000円台と、かなりお買い得ですが、Foxgloveにいたっては税抜きだと1000円台でも売っているところがあります。こちらの品種はシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルとなっており、中でもシャルドネはWine Advocate誌で毎年90点か91点を取っている安定優良銘柄となっています。

Foxgloveのシャルドネは樽を使わず、マロラクティック発酵も行わないというスタイル。カリフォルニアのシャルドネのイメージである、樽香がしっかりついて、バターのような風味があるスタイルとは真逆です。こういった作りでありながら、薄くもなければ弱くもだれた感じもない、個人的にもすごく好きなワインです。特に暑い夏、しっかり冷やして飲むのにも合っていると思います。

柳屋で1000円台のセールで出ているので取り上げましたが、ほかの店でも同価格でいくつか出ています。特にパシフィックワインセラーズではポイント3倍に加えて1万円以上で送料無料。また、カリフォルニアワインあとりえではカベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルも安いです。



Date: 2014/0813 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Jackson Family傘下のブランドLa Cremaが、ワイン作りのオプションを登録したユーザー投票で決める「仮想ワインメーカー(Virtual Winemaker)」を開始しました(News Briefs for August 12, 2014 | Shanken News Daily)。できたワインは2015年秋に発売する予定です。

20140812-virtualwinemaker.jpg

同じような機能はワシントン州のコロンビア・クレストが既に開始しており、そちらは「クラウドソース」と呼んでいました(コロンビア・クレスト、ネット投票でワイン作りの方法を決める“クラウドソース”のワインを醸造へ)。

個人的には「クラウドソース」よりは「仮想ワインメーカー」の方が、どのようなものかイメージしやすいように思います。

Date: 2014/0811 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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旅行雑誌として人気があるコンデナスト・トラベラーの読者が選ぶ、米国の小都市トップ10が発表されていました(The 10 Best Small Cities in America)。

10位 キー・ウエスト(フロリダ)
9位 セドナ(アリゾナ)
8位 アスペン(コロラド)
7位 ジャクソン・ホール(ワイオミング)
6位 サンタ・バーバラ(カリフォルニア)
5位 ニューポート(ロードアイランド)
4位 テルライド(コロラド)
3位 ナパ(カリフォルニア)
2位 カーメル・バイ・ザ・シー(カリフォルニア)
1位 サンタフェ(ニューメキシコ)
というのが結果。カリフォルニア州からは3つの街が入選しています。ワインカントリーど真ん中なのはナパだけですが、サンタ・バーバラ(街自体は海沿いなのでブドウ畑はありません)もサンタ・リタ・ヒルズなどのワイン産地にほど近く、カーメル・バイ・ザ・シーもサンタ・ルシア・ハイランズからさほど距離がありません。

どこも素敵な街であることは間違いありません。機会があればぜひ訪れてください。
Date: 2014/0810 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年から大きなニュースになっていた米国での大規模なワイン偽造事件(過去記事「世界を揺るがす大ワイン偽造事件のまとめ」、「3分でわかるルディ・クルニアワン「ワイン偽造」事件」参照)の判決がくだされました(Wine Dealer Sentenced to 10 Years for Defrauding Clients)。当初は4月に判決の予定でしたが数回の延期を経て、ようやく判決に至りました。

懲役10年に加え、追徴金が200万ドル、被害者への賠償金が280万ドル。また、ルディ・クルニアワンは不法滞在者であり、懲役後はインドネシアに強制送還されます。

懲役は、最長40年と言われていたので、予想よりも短かったようです。裁判官は、「誰も亡くなっておらず、誰も職を失っていない」ことをその理由としています。

ただ、弁護側は懲役が出たことにショックを受けており、上告する構えだとのことです。
Date: 2014/0808 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Spottswoodeのソヴィニョン・ブランといえば、香りの高い「ソヴィニョン・ムスク」をいち早く取り入れ、カリフォルニアのソヴィニョン・ブランでは常にトップクラスの評価を得ています。

その中では比較的価格も抑えめであり、近年はレア感も割と少なく優良銘柄になっていました。

今回はそれが柳屋で税抜3500円と、ワイナリ価格の税抜38ドルよりも安くなっています。

インポーターの在庫は既にないそうなので、柳屋の在庫限り。お早めにどうぞ。

【追記】船橋の山城屋さんでは3200円とのこと。ただし残り僅少。お問い合せはinfo@cheers-californiawine.comまで。

Date: 2014/0808 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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TTB(アルコール・タバコ税貿易管理局)は8月6日、サンタ・バーバラのAVAであるサンタ・リタ・ヒルズ(Sta. Rita Hills)の拡大を申請し、2カ月間のパブリックコメントを募集しています(An In-Depth Look at the Proposed Sta Rita Hills AVA Expansion | Hawk Wakawaka Wine Reviews)。ところがSta. Rita Hills Winegrowers Allianceが拡大案に反対を表明するなど不穏な状況になっています。

今回の拡大案は東側の境界線を広げるもの。現在の33380エーカーから2296エーカー広くなります。新領域に含まれる畑はJohn Sebastiano Vineyards、Rio Vista Vineyard、Pence Ranch Vineyardの3つです。

拡大派のリーダーはPence RanchのBlair Pence。彼の作るブドウの多くは、Sta. Rita Hillsのワイナリに売られ、Sta. Rita HillsのAVAワインにブレンドされています(15%まではエリア外のブドウを入れられます)。Sta. Rita Hills外のブドウであることで1トンあたり1000ドルほど安く売らざるをえないとBlair Penceは試算しています。

また、John Sebastiano Vineyardsの場合は畑の中に境界線があるため、同じ畑なのに1列違いでAVAの中か外か変わってくるという状況になっているとのことです。

一方、Sta. Rita Hills Winegrowers Allianceによると、現在のAVAが東西の斜面であるのに対し、拡大案は南北の斜面であり、土壌も違うとのこと。

こういった議論が起こるのは、Sta. Rita HillsというAVAの人気が高いからというのが背景にあります。おそらく2000年以降にできたAVA(Sta. Rita Hillsは2001年策定)の中で一番成功しているのではないでしょうか。

同じようなことはソノマのRussian River Valleyでも起こっています。AVAの名前がブランド化するのは望ましいことではありますが、むやみな拡大は個性を失う原因になってしまいかねないので、難しい判断が求められます。

参考までに、最近のAVA策定にまつわる記事のリンクを貼っておきます。
「ワイン王」長沢鼎の「Fountaingrove」、AVAとして復活なるか?
カリフォルニアに新しいAVA「Malibu Coast」が誕生
ソノマのRussian River Valley、分割に向けて一歩を踏み出すか
Date: 2014/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、「フライング情報? ジェイソン・ケスナーがキスラーワインメーカー就任で「あとりえ」がセール」という記事を載せましたが、輸入元が本人に確認し、事実であることが判明したとのことです。スティーブ・キスラーは、今後はオキシデンタルに注力することになるのでしょう。数年後にはオキシデンタルは完全にキスラーから分離するのだろうと思います。

ということで、カリフォルニアワインあとりえでのケスナーのセールが継続しています。キスラーとはまた違ったいいワインなので、今後キスラーがどう変わっていくのかも興味深いところです。

参考:Kesner Wines: Kistlerのアシスタント・ワインメーカーが作るピノ、シャルドネ
参考:Kistler Vineyards: 高級ピノ/シャルドネの代名詞

Date: 2014/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワシントン州の人気ワイナリ「コロンビア・クレスト」が“クラウドソース”によってワイン作りをする「ClowdResource」を開始すると発表しました(Columbia Crest Becomes the First Winery to Crowdsource a Wine from Vineyard to Table - Yahoo Finance)。



このプロジェクトでは、ワイン作りの過程で起こるさまざまな事象をネット投票で決めていきます。最終的にできたワインは雑誌でレビューしてもらうなど、他のワインと同じ扱いになります。

普通、クラウドソースというとネット上で出資をしてもらって、専用の製品を作るといったものをイメージしますが、今回のは無料でだれでも投票できるので、それとは大分違うようです。これをクラウドソースと呼んでいいのかどうか、ちょっと疑問ではありますが、消費者を巻き込むということでは思想的に重なる部分があるということでしょうか。

プロジェクトの状況はcrowdsourcedcabernet.comで見られます。投票もできるし、メール登録も可能です。

Date: 2014/0805 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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旅行ガイドのFodor'sのサイトで、世界のワインカントリーにおける豪華なホテルトップ10が挙げられていました(World's Most Luxurious Wine Country Hotels)。

順位は付いていませんが、挙げられているのは
ニュージーランドのホークス・ベイにある「The Farm at Cape Kidnappers」
ナパにある「Meadowood」
アルゼンチンのカファヤテにある「Grace Cafayate」
南アフリカのフランシュホークにある「Le Quartier Francais」
スペインのエルシエゴにある「Hotel Marqués de Riscal」
オーストリアにある「LOISIUM Wine & Spa Resort」
オーストラリアのヤリンガップにある「Cape Lodge」
アルゼンチンのメンドーサにある「The Vines Resort & Spa」
フランスのボルドーにある「Les Sources De Caudalie」
イタリアのトスカーナにある「Castello Banfi—Il Borgo」

カリフォルニアからはMeadowoodが選ばれていますが、妥当なところでしょう。MeadowoodとAuberge du Soleilが2大豪華ホテルということで衆目が一致すると思います。ちなみに1泊最低でも10万円はします。

他のホテルで興味深かったのは「Hotel Marqués de Riscal」と「Castello Banfi—Il Borgo」。

前者はフランク・ゲーリーがデザインしたホテルで、かなり斬新な建物です。


後者はまさにお城。ここに14室しかないというから、贅沢きわまりありません。


どこに泊まるにしてもワインカントリーに滞在するというだけで、気持ちいいですね。豪華じゃなくても行きたいものです。
Date: 2014/0803 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2014年上半期の一番の目玉?となったのがベッドロックの輸入開始でした。今、そして今後のカリフォルニアワインを担う若手の筆頭であるモーガン・トウェイン・ピーターソン(レイヴンズウッドのジョエル・ピーターソンの息子)が作るワインです。

そのモーガンが作る安価なブランドがシェバン(シャバング、Shebang)です。米国の俗語の「whole shabang」(いっさいがっさい)から取った名前です。

その名の通り、雑多なブレンドで白はピノ・グリ40%を中心に、セミヨン、ミュスカデ、アルバリーニョ、ソーヴィニヨン・ブランなどをブレンドしたもの。赤はジンファンデル46%、グルナッシュ40%など。

ベッドロックのワインとは違い、気軽に楽しく飲めるワインを目指したもの。「こんなのもありなんだな」と飲む方もおおらかに飲むのがいいと思います。重い赤を飲む気にはなかなかならないこの季節にもいいのではないでしょうか。



「本物の」ベッドロックを飲むならこれが一押し。
Date: 2014/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Napa Valley Grapegrowersが後援する有機栽培の会議がナパで開かれました。一番注目されたのがフロッグス・リープによる灌漑なしの栽培についてのセッションでした(Tales From the Dry Farmed Vineyard - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

灌漑なしの栽培と有機栽培は必ずしも関係はありませんが、実際には灌漑なしの畑の大部分は有機栽培も採用しているそうです。フロッグス・リープは「灌漑しないのは水を節約するためではなく、より高品質なワインを作り、ブドウの木を長生きさせるためである」としています。また、1972年にドリップ・イリゲーションが開発されるまでは、灌漑なしの栽培が普通であったといいます。

フロッグス・リープの畑ではSt. Georgeという根(ルートストック)を利用しています。地中深く根を伸ばす性質を持っているからだといいます。植え替えの前18カ月は土地を休ませ、灌漑なしで育つカバークロップを生やします。植え替えた後、4月と6月には手作業で5ガロンの水を与えます。その後は次の夏まで水はあげません。次の夏に水をあげてからはもう水は撒きません。

フロッグス・リープのRossi Ranchの場合、ナパのヴァレー・フロアにあり、夏場は水があるところまで7.5mも地中根を伸ばす必要があります。冬場は1.5mで水に到達するとのこと。

年間16~18インチの雨が降れば大丈夫であり、平年の降水量の30インチも不要であるとしています。

果たしてナパで灌漑なしの畑は広がるでしょうか。