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Date: 2023/0630 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Paul Dolan
メンドシーノのフェッツァー(Fetzer、現Bonterra)で有機栽培やバイオダイナミクスの栽培などを立ち上げたワインメーカーのポール・ドーラン(Paul Dolan)が亡くなりました。長年、ガンで闘病していたとのことです。

ポール・ドーランは母方の先祖に、ソノマで19世紀から20世紀にかけて大きなワイン会社だった「イタリアン・スイス・コロニー」の創設者ピエトロ・カルロ・ロッシがいるという家系。本人は1976年にフレスノ大学で醸造の修士号を得ています。

そして、まだできたばっかりだったメンドシーノのフェッツァーにワインメーカーとして就職。有機栽培の認証制度ができる前の1980年代に有機栽培を始めています。

1992年にフェッツァーがブラウン・フォーマンに売却された後も副社長として残り、2004年まで同社にいました。

2002年にはサスティナビリティの活動を始め、サスティナビリティの最初の書籍『True to Your Roots: Fermenting a Business Revolution』を執筆しています。また、バイオダイナミクスの認証団体デメターの米国代表も務めました。

その後はポール・ドーラン・ワインを立ち上げるも、喧嘩別れしてしまいました。ソノマで始めた Truett-Hurst は今も続いておりバイオダイナミクスの先駆者となっています。

2018年にデメターをやめた後は「Regenerative Organic Alliance」で、ワイン業界からの唯一のボードメンバーとして貢献するなど、一貫して有機栽培などの先駆者としての活動を続けたまさにパイオニアの人生でした。

ご冥福をお祈りします。
Date: 2023/0628 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのオーク・ノールにあるワイナリー「アッシュ&ダイヤモンド(Ashes & Diamonds)」がSO2を添加せず、天然酵母しか使わない「ゼロ-ゼロ」ワインを発売しました。ナパのワインとしては初めてと言われています。
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ワインメーカーはスティーブ・マサイアソン。すでに自身のワイナリーで「Tendu」というブレンドワインを「ゼロ-ゼロ」で作っていました。

アッシュ&ダイヤモンドは以前にもゼロ-ゼロを試したことがありましたが、出荷後に瓶内で発酵が進んでしまい、ボトルが爆発するなどの事故が頻発したといいます。

今回「ゼローゼロ」にしたワインはシャルドネと「Rosa」というサンジョベーゼ、カベルネ・フラン、メルロー、シラーのブレンドです。Rosaの方はこれで3年めになるとのことですが、スキンコンタクトを5日だけで終わらせたロゼワインとなっています。シャルドネは2022年が最初のヴィンテージ。どちらも「クリーンな味わい」を保っているそうです。

シャルドネの方は、逆に通常行わないスキンコンタクトを4日間行うことで、グリップの効いた味わいになっているとのこと。通常のSO2を添加したシャルドネと比べると酸のきれいさなどはなくなり、そのかわりにナッツや花梨などの風味がますそうです。

ナパのワインは「ナチュラルワイン」のブームからは一線を画していますが、それが若いユーザーが入ってくるのを妨げている面も否定できません。今回のワインはそういった飲み手が少しでもナパのワインに馴染むきっかけになるかもしれませんん。
Date: 2023/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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久しぶりに自分主催でワイン会を開きました。セラー整理が一つの目的ですが、裏の目的として「コラヴァンで開けたワインはその後どうなったか」を検証したいというのもありました。

サンプルとしていただいたワインで1杯試飲してそのままセラーに入っているというワインが何本かあったのです。コロナ禍が始まった3年前に飲んだものもあり、さすがに大丈夫かちょっと不安でした(以前、アルゴンガスが使えなかったころに窒素ガスで試したときは2ヶ月後でも結構酸化してしまっていました)。

元々サンプルのワインですし、その分のワイン代はいただかない格安のワイン会、ただし状態悪かったらごめんね、という条件でお集まりいただきました。

特に不安だったのはシャルドネです。「どれもレベル高い、デュモルのシャルドネ・ピノ・カベルネ」の記事で試飲したもので記事が2020年5月27日公開ですから確実に3年は超えています。

以前、ある人に相談してみたら「1杯だけしか飲んでいないのだったら案外大丈夫かも」ということでおそるおそる飲んでみたら…

はい、なんの問題もありませんでした。以前飲んだときより樽の風味が少し強く感じましたが、少なくとも酸化のニュアンスは全くありませんでした。

ほかのワインも全く状態に問題なく、ほっとしました。

というわけで「コラヴァンで1杯だけ試飲したワイン、3年後も全く問題ない」というのが今回の結論です。すごいね。
Date: 2023/0623 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今週は、アカデミー・デュ・ヴァンの講座「カリフォルニアの銘醸畑探訪」でナパのハイドとハドソンを扱いました。カリフォルニアのシャルドネのトップ・クラスを支える畑といって過言ではない両畑。どちらも緊張感ある素晴らしい味わいで、甲乙付けがたいワインばかりでした。


このときに、ワイナリーで購入したハドソンのシャルドネの限定版「リトル・ビット」を出したのですが、限定版のシャルドネ2種と、カベルネ・フランのブレンド「オールド・マスター」がごく少量、スポットで国内入荷しています。3月にリー・ハドソン夫妻が来日した際にこれらのワインがワイン会などで提供されており、インポーターからお願いして特別に出してもらったもののようです。
参考:絶妙なシャルドネにエレガントな赤、ハドソン・ヴィンヤーズ

実はハドソンのワインでパーカーポイントが一番高いのが、この限定版シャルドネ2種です。ワイナリーでリトルビットを飲んだ際にも「コシュデュリのムルソーより美味しい」と言っていた人もいました。
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ともかく、次にいつ入荷するかは全くわからないワインです。特にトップクラスのシャルドネを確保したい人にはお薦めです。
ショップはカリフォルニアワインあとりえです。




Date: 2023/0622 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパワインクイズの3回目です。今回はあまりひねらずストレートな質問です。

Quiz
Quiz
Quiz
Quiz

ちょっと簡単すぎかもしれないけど、そういう問題も必要だよね。
次はちょっと難し目になると思います。
Date: 2023/0621 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Hahn
E.J&ガロがモントレーのハーン・ファミリーのワイン・ブランドを買収しました(E. & J. Gallo Expands its Premium Wine Portfolio With Acquisition of the Hahn Family Wines Collection of Brands)。金額は明らかになっていません。

買収したブランドはHahn、Hahn SLHのほかSmith & Hookも含まれます。Smith & Hookでは、パソロブレスなどのブドウでカベルネ・ソーヴィニヨンやボルドー系のブレンドワインを作っています。

ただし、この買収にはHahn家の所有する畑は含まれていません。Hahnはサンタ・ルシア・ハイランズに650エーカー、アロヨ・セコに450エーカーとかなりの畑を持っています。

このニュースはかなり驚きました。ハーンは家族経営でその名前のブランドを手放すと思っていなかったし、ワインもいいものをコスパ良く作っており安定しているブランドに感じていたからです。背景の理由が気になります。

また、今回の買収には畑が含まれないとのことで、買収後のガロによるHahn、特に高級価格帯に入るHahn SLHのブランドの品質が維持できるのかどうかも気になります。Hahn家からガロにブドウを供給することになるのか、それともHahn家が新たなブランドを立ち上げるのか、いろいろと疑問が尽きません。
Date: 2023/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのラザフォードにあるワイナリー「Peju Provence(ペジュー・プロヴァンス)」の創設者であるトニー・ペジューが亡くなりました。85歳でした。

トニー・ペジューは1937年フランスの生まれ。1950年代に米国に移住しました。南カリフォルニアで花屋と苗木屋を営んでいましたが、ワイナリーを作りたいという気持ちを強く持ち、Calvin Straubという人のデザインによるブランドのロゴを携え1981年にナパに来ました。
Peju

1980年当時、カリフォルニアではブドウの生産者がワインを作って売ることが許されていましたが、ナパでは郡の法律によってそれが自由にできませんでした。トニーは裁判所に訴えそれに勝利したことで、ブドウの生産者がワイナリーになるという現在への道筋を開きました。

このほか、現在のDtC(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)の先駆けとして、ワインの大部分をワイナリーのお客さんなど消費者に直接販売するモデルを築きました。

ワインメーカーとしては正式な教育を受けたことはありませんが近所のワインメーカーとの協力などによって美しいカベルネ・ソーヴィニヨンを作り、1988年にはワイン・スペクテーターでトップ15のカベルネ・ソーヴィニヨンに選ばれるほどになりました。

また、1987年には白ワインと赤ワインをブレンドしたユニークなロゼワイン「プロヴァンス」を作りました。当時、シャルドネを中心とする白ワインの人気が高く、赤ワインは苦手という人が多く、そういった人に赤ワインへの「橋渡し」になることを狙ったワインでした。冷やして飲むスタイルのロゼワインで非常に人気を博し、現在に至ります。

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2003年には当初から描いていたタワーが実際に完成し、夢がかないました。

Pejuは妻のハータ(Herta)が引き継いでいます。

安らかにお眠りください。
Date: 2023/0617 Category: 業界ニュース
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ナパのスタッグス・リープ・ディストリクトにあるロバート・シンスキー(Robert Sinskey)が6月18日でテイスティング・ルームの営業を終了します。

ロバート・シンスキーは2022年12月にザ・ワンダフル・カンパニー(The Wonderful Company)にワイナリーを売却しました。ザ・ワンダフル・カンパニーはFIJIブランドの水やナパのルイス・セラーズ、ソノマのランドマークなどを保有しています。テイスティング・ルームの閉鎖は新オーナーの意向です。

テイスティング・ルームを閉じた後を何に使うかはまだ発表されていません。また、ロバート・シンスキーのブランド自体は継続するため、醸造場所を変えて今後も作り続けます。

ナパでは珍しくピノ・ノワールをメインとするワイナリー(畑はカーネロスにあります)で、テイスティング・ルームでは料理とのペアリングに早い時期から力を入れるなど、個性的で魅力のある場所でした。閉鎖はちょっと残念な気がします。
Date: 2023/0616 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマはLGBTQ+の人々が過ごしやすく、オアシスのような場所になっています(Here’s how Sonoma County became an LGBTQ wine oasis)。

アウト・イン・ザ・ヴィンヤードというLGBTQ+の人々向けのワインカントリーツアー会社を2008年に立ち上げたゲイリー・セイパースタイン氏は2000年初頭からワイン・カントリーを訪れるゲイなどの人が年々増えていることに気づいていました。

それに対して迎える側が冷たすぎるとも感じていたのですが、いろいろな人に話を聞いた結果、冷たいのではなくマーケティングの対象として認識されていないだけなことが判明しました。そこで専用の旅行会社を立ち上げて今にいたるわけです。

元々サンフランシスコはLGBTQ+の人たちが多いことで知られており、人口の6.2%がLGBTQ+という統計もあります。アウト・イン・ザ・ヴィンヤードはそういった人がワイン・カントリーまで足を伸ばすことにつながっているだけでなく、受け入れ側がLGBTQ+の人に目を向けることにもつながっています。

アウト・イン・ザ・ヴィンヤードはイベントも年に数回開催しており、一番大きな「ゲイ・ワイン・ウイークエンド」は3日間のイベントで700人が参加します。
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6月はプライド月間であり、ちょうど上記のゲイ・ワイン・ウイークエンドも14日から16日に開催されているところです。
Date: 2023/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパヴァレーのワインクイズNo.2です。第1回に続き、AVA関連の出題です。
Quiz
ちょっとひねりを入れてみました。

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これは頻出なので、必ず覚えておきましょう。

answer


地図で実際のAVAを見て覚えましょう。
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Date: 2023/0614 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの南東に接しているソラノ(Solano)郡。ケイマスが進出したサスーン・ヴァレーなどを含み、近年注目が高まっています。私も4月にナパに行った際、空き時間に訪問してきました。

参考:ナパツアー初日ーーお隣のサスーン・ヴァレーに寄り道

ソラノ郡の一部はかつてナパヴァレーに属していたという話もあるのですが、まだまだマイナーであり、高級ワインの生産地としては認められていないと感じている地元の人も多いようです。例えば、カリフォルニアのブドウ収穫や価格の統計である「Crush Report」ではソラノ郡が属する「ディストリクト5」のブドウ価格は、大量生産地域であるセントラル・ヴァレーに近いレベルにとどまっています。

その状況を払拭しようという動きが出ています。具体的には上記の地域分類を変更し、ディストリクト5の領域を狭くしようとしています。
ソラノ
ソラノ
上の地図がDisrrict5と隣接するDistrict17、そして境界変更案を示しています。下は境界変更しようとしている部分の拡大です。

Ryer Islandという地域がDistrict 5から外そうとしているところですが、ここは温暖で水が豊富、肥沃な土地で大量生産向けのワインが作られています。これによってDistrict 5のブドウ価格が統計上上がることが期待でき、ソラノ郡全体のワインのイメージアップにもつながるとのことです。栽培家にとってはこれまでよりも高い価格でブドウを売れることが期待されます。

North Bay Business Journalの記事「Effort to elevate prestige of Solano County wine grapes nears key stage」によると、8月11日にサクラメントでこの変更案に対する公聴会が行われるとのこと。まだどう決着するかはわかりませんが、大きな前進になりそうです。
Date: 2023/0613 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロス・カーネロスのソノマ側にあるワイナリー「ドナム(Donum)」がアンダーソン・ヴァレーにあるサヴォイ(Savoy)ヴィンヤードを買い取りました。Savoyのこれまでのオーナーはナパのクリフ・レイディで、Felというブランドでサヴォイのワインを作っていました。Felのブランドは2022年で終了する予定です。Savoyの畑のシャルドネとピノ・ノワールは高品質で知られており、リトライ(Littorai)などが使っています。アンダーソン・ヴァレーで最も有名な畑といっても過言ではないでしょう。また、今後も他のワイナリーとの協業は続けていくとのことです。

サヴォイの畑は有機栽培の認証を得ており、今後はリジェネレーティブへと発展させる予定。

一方、ナパのスタッグス・リープ・ディストリクトにあるシェーファーは、アトラス・ピークAVAにある4ヘクタールの畑「Altimeter」を買収しました。すべてカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。

AltimeterはAileronというワイナリーのオーナーであるシャノン・オショネシー(ナパのオショネシーの家族の一員)が2019年に購入した畑。Aileronはフィリップ・メルカやメイヤン・コスチスキーが参画しているワイナリー。まだ購入してから4年しか経っていない畑を手放すというのはなにか事情があるのでしょうか。

シェーファーにとっては昨年8月にワイナリーのすぐ脇にある9ヘクタールの「Woldfoote」ヴィンヤードを買収して以来、半年で2件目の畑の購入となります。

ワインメーカーのイライアス・フェルナンデスは「ワインメーカーとしてトップの畑から一番いいブドウだけを選べるというのは夢みたいなことだ。今回の購入で、どんなヴィネテージでも最高の状態のカベルネ・ソーヴィニヨンを手に入れられる。この買収の意味は品質に尽きる」と語っています。
Date: 2023/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジンファンデルの雄「ターリー・ワイン・セラーズ(Turley Wine Cellars)」から創設者ラリー・ターリーの娘のクリスティーナ・ターリーが来日、日本で初めてというセミナーを開きました。

1993年に設立されたターリーは今年創設30周年。古木の畑のジンファンデルにこだわりを持ち、30を超える単一畑のジンファンデルを作っています。
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セミナーの前半はジンファンデルについての解説が中心。ジンファンデルはクロアチアのCrljenak Kaštelanski(クルリェナク・カステランスキ)が起源となっており、イタリアでは1799年からプリミティーボとして栽培され、米国には19世紀に渡ってきました。1820年代のニューヨークのカタログで初めて「Zinfandel」という記載があったようです。

19世紀なかばには「クラレット」に似たワインを作る品種として農務省が栽培を推奨し、広く広がります。その後、禁酒法の時代にワイナリーは激減しますが、ジンファンデルは自家製ワイン用のブドウとして人気があり、生きながらえて、新たな畑が作られることにもなりました。

1970年代にはサター・ホームが「ホワイト・ジンファンデル」を作って大ヒットしました。「アメリカ文化への貢献」としてスミソニアン博物館に所蔵されている数少ないワインの1つだということです。ホワイト・ジンファンデル用にジンファンデルのニーズが高まったことで、古い畑が引き抜かれずに維持できたという面もあります。

2011年にヒストリック・ヴィンヤード・ソサイアティが設立され、樹齢50年以上の畑が登録されるようになりました。ターリーの現在のワインメーカーであるティーガン・パサラクアはその発起人の一人として貢献しています。

ターリーの創設者のラリー・ターリーはERの医師として20年以上働いた後、1981年にジョン・ウィリアムズとともにフロッグス・リープを立ち上げました。ERの経験から「どんな患者(古い樹)でも命をとりとめる」と冗談でよく言うそうです。「古いブドウ畑のすべてを愛する」と公言しており、1993年にターリー・ワイン・セラーズを立ち上げてからは古木の畑からの単一畑ワインを積極的に作っています。

現在のワインメーカーのティーガン・パサラクアは2003年に収穫のインターンとして働き、ニュージーランドやローヌなどでも経験を積んでいます。2015年には「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」に選ばれています。また2009年からは自身の「サンドランズ」というワイナリーをやっており、ローダイにキルシェンマンという畑を持っています。


試飲のワインに入っていきましょう。

最初は2021年のホワイト・ジンファンデル・ロゼです。ナパのエステート・ヴィンヤードとアマドールのバック・コブ(Buck Cobb)ヴィンヤード、パソ・ロブレスのアマデオズ(Amadeo's)・ヴィンヤードのブレンド。19Brixというかなり低めの糖度で収穫し、6時間果皮に漬け込んだ後、ステンレスタンクで天然酵母発酵します。その後フレンチオークの樽で半年ほど熟成して瓶詰めします。サター・ホームのとは違いドライなスタイルのロゼです。酸は豊かですが柑橘系というより、白桃などストーンフルーツの風味やローズペタルを感じます。コクが有りちょっとグリップ感もあります。美味しい。

次は2020年のリナルディ(Rinaldi)ヴィンヤード・ジンファンデル。シエラ・フット・ヒルズのフィドルタウンAVAにある畑です。1910年植樹の畑ですが、一部には1860年に植えられた樹もあるそうです。ジンファンデルのほかミッションやカリニャン、グルナッシュ、サンソーもフィールドブレンドで植えられています。土壌は鉄分の多い花崗岩の砕けたもの。接ぎ木なしで植えられており、灌漑もありません。

醸造は天然酵母で、熟成はフレンチオーク80%、アメリカンオーク20%。新樽率は20%。樽で15カ月熟成してフィルターや清澄なしで瓶詰めしています。このあたりの醸造のスペックはすべての赤ワイン共通であり、テロワールの違いだけが味に出てきます。

レッド・チェリーやザクロといった赤系果実に加えてブルーベリーのニュアンスもあります。甘草の甘やかさも。酸は中程度、ボディも中程度ですが、タンニンはジンファンデルにしてはかなりしっかりあり、ストラクチャーも感じます。このあたりは冬に雪も降る寒いところであり、タンニンの強さはその寒さから来ているのではないかという話でした。

3本目は2021年のペセンティ(Pesenti)ヴィンヤード・ジンファンデル。パソ・ロブレスのウィロー・クリークAVAの畑です。石灰質の土壌で畑には白い石がごろごろしています。1000万~1500万年前のクジラの化石が出たこともあるそうです。植樹は1922~24年ですからちょうど100年くらいの樹齢。無灌漑で有機認定の畑です。品種はジンファンデルのほかカリニャンとグルナッシュ。

前のワインより色濃くスパイシー。ミントのような清涼感もあります。赤黒系果実の風味。酸豊かでフルボディ。うまいねえ。

4本目は2021年のキルシェンマン(Kirschenmann)ヴィンヤード・ジンファンデル。ローダイのモクレム・リバーAVAの畑です。前述のようにワインメーカーのティーガンが自身で持っている畑。温暖なローダイですが川が近くにあることで冷涼感がもたらされているとのこと。1915年に植樹され、自根の畑です。ここも無灌漑。土壌は4ftほどは砂ですがその下は石灰岩だそうです。品種はジンファンデルのほかモンドゥーズ・ノワール、サンソー、カリニャン。

ブルーベリーや甘草、オリエンタルスパイス。シルキーなテクスチャを感じます。クリスティーナによると「いいワインはテクスチャに現れる」とのこと。ここだけは誤魔化しが効かないそうです。濃厚ですがタンニンはそれほど強くないので、飲みやすい。

5本目はナパのハウエル・マウンテンにある自社畑のドラゴン(Dragon)ヴィンヤード。2021年のジンファンデルです。畑の標高2250ftというのはハウエル・マウンテンの中でもかなり高い方(ハウエルマウンテンは1400~2500ftくらいの標高)。ちなみに隣にはターリーのラトルスネイク・ヴィンヤードがあり、すぐ近くにBlack Sears(トーマス・リヴァース・ブラウンが醸造を手掛けるワイナリー)があります。ドラゴンは東向き、ラトルスネイクは西向きの斜面なので、ラトルスネイクの方がより温暖だそうです。栽培はオーガニックですが無灌漑ではありません。

ハウエルマウンテンは火山性土壌で表土が薄く、基本的に霧がかからないので太陽が当たる時間も長く、パワフルでタニックなワインになります。そういう意味ではブラインドで飲んでも一番認識しやすいとのこと。

確かに青黒系果実の風味が濃厚でスパイス感も強くあります。タンニンも強くフルボディで余韻も長い。すみれの花の香り。チューイーなテクスチャがあります。ラリー・ターリーはこのワインが一番好きだとのこと。

最後はライブラリーワインで2012年のエステート・ヴィンヤード プティ・シラー。プティ・シラーは濃厚なワインを作るブドウで長期熟成にも向いています。1996年の2011年に植樹された畑。

プティ・シラーらしくタンニン強く、フルボディで余韻も長いですが、果実味は意外と赤果実系も感じます。マッシュルームや森の下草など熟成の風味もあります。

エステート
ところで、上はナパのセントヘレナにあるターリーのエステート・ヴィンヤードのブロック図。品種の後ろに「HT」と描いてあるのはヘッド・トレインド(Head Trained)、ゴブレットやヘッド・プルーンなどとも言われる仕立て方です。それ以外のところはいわゆる垣根仕立て。

ターリーの畑の中でドラゴンとエステートは灌漑を行っているのですが、その理由を聞いたところ、垣根仕立ての畑では灌漑が必要だとのこと。エステートでもヘッド・トレインドのブロックは灌漑していません。そこで、ターリーではエステートの畑は今後全部ヘッド・トレインドに変えて無灌漑にするとのこと。カベルネ・ソーヴィニヨンもジンファンデルの畑に変えていく予定です。フィールドブレンドでカリニャンやトゥルソー・ノワールも植えられるとのことで、これからどうなっていくのか楽しみです。

ただ、ドラゴンの畑は、畑を入手したときにすべて垣根仕立てになっていたので、しばらくはそのままでいくことになりそうでう。

ヘッド・トレインドにすることで、剪定や収穫の手間は増えますし、生産量は減ります。それでもワインの複雑味は増し、品質が高くなるので、やっていく意味は大きいと考えているそうです。

最後にターリーのボトルにまつわる話を2つ。ターリーのボトルはユニークな形状をしていますが、なぜその形になったのかという質問がありました。実はこのボトルはラリー・ターリーが自身でデザインしたもの。ボルドー系やブルゴーニュ系のワインにはそれぞれボトルのデザインがあるのにジンファンデルにはない。それでオリジナルの形を作ろうとしたそうです。また、ラリーのおばさんがブルゴーニュのワインの輸入をしていたので、どちらかというとブルゴーニュに近いようなデザインにしたのではないかとのことでした。

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もう一つはボトルのキャップに描かれている4つの★。これはターリーの4姉妹を表しているそうです。実はボトルの底にも★のデザインがあります。こちらは幼くして亡くなった弟を表しているものだそうです。こんなところに家族の絆が入っていたことも初めて知りました。
Date: 2023/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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バレルオークション
Photo by Steven Chester Cooley

6月初頭にナパのオークション「コレクティブ・ナパヴァレー」が開かれました。落札額は380万ドルに達し、若者にメンタルヘルスのために寄付されます。

コレクティブ・ナパヴァレーはコロナ前まで開催されていたオークション・ナパヴァレーの後継となるイベント。オークション・ナパヴァレーはワインのオークションというよりも旅行やワイナリーでのディナーなどのパッケージがメインになり、年々派手になっていましたが、それらを落ち着かせてよりワインのイベントになっています。

今回はライブ・オークションとバレル・オークションが行われ、ライブ・オークションの方では上記のようなパッケージも出ていました。最高額で落札されたのはアフリカの旅行を含んだスタッグリンのロットで50万ドルでした。ライブ・オークションは全部で10ロットとロット数はかなり絞られていました。

今回の中心はバレル・オークションで82のワイナリーが10ケースのワインを出展しました。ビッダーは1ケース単位で入札し、最終的に上位10名のビッダーが落札することになります。入札数が少ない場合、かなり安く落札できる可能性が出ます。今回のバレル・オークションでは実際に1ケース200ドルで落札されたロットもありました。

オークションの入札はオンラインでもできるので、次回以降トライしてみる価値があるかもしれません。


Date: 2023/0608 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・モンダヴィの親会社であるコンステレーション・ブランズが、最高の銘醸畑ト・カロンで最高のワインを作るというト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーを始めたのが2016年。元スクリーミング・イーグルのワインメーカーで、ファヴィアやマヤカマスなどのワインメーカーを務めているアンディ・エリクソンがワインメーカーとなっていました。

その2代目のワインメーカーとしてトニー・ビアージ(Tony Biagi)が2023年6月2日付けで就任しました。トニー・ビアージはUCデーヴィスを卒業し、25年以上もナパでワインメーカーをしています。これまで携わったワイナリーはプランプジャックやアワーグラス、ダックホーン、アミーチ・セラーズなど。2020年にはヴィナスでワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれています。
トニー・ビアージ

トニーは就任後も自身のPatriaやアワーグラスなどのワインメーカーを続けます。また、当面はアンディ・エリクソンからの引き継ぎ期間として共同で働きます。

ワインメーカーが変わってワインの造りがどうなっていくのかも気になるところです。
Date: 2023/0607 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Twitter Spaceを使ったトーク配信も4回を重ねました。一応「ナパワイントーク」と銘打っていますが、ナパの話はそのときどきで、ガッツリ話したり、ちょっとだけ出てきたりといった感じです。個人的にはバラエティに富んだ方に出ていただいてなかなか面白いと自賛しています。

録音データはポッドキャストに載せて聴きやすくしようと思っているのですが、なかなか作業時間が取れず、データだけが溜まっています。とりあえずTwitterの上ではログオンしなくても聴けますので、そちらで聴いていただけたらと思います。

第1回は5月15日。ゲストはナパヴァレー・ワイン・ベスト・ソムリエ・アンバサダーの山田琢馬君。4月の旅行の感想などを語り合いました。

琢馬君とはこの後インスタライブも1回やっており、Youtubeでも見られるようにしています


第2回は5月22日。ゲストは「カツミ」さん。ナパを舞台にした映画「サイドウェイズ日本語版」や「ボトル・ドリーム」の話をしました。ボトル・ドリームで出てきたワインの茶変は、別のヴィンテージですが実際にシャトー・モンテレーナのワインで起こったことだそうです。


第3回は5月31日。「ますたや」さんがゲスト。「ワ活」と称してワインの様々な活動をしており、最近は同人誌も発行しました。私も寄稿しています。「ワ旅」でぜひナパに行ってほしいと思います。



第4回は6月5日で「ワイン商えいじ」さんがゲスト。ボルドーのネゴシアンやシャトー・ラフィットのアンバサダーなどで働いている方です。今のボルドーの話などを中心に伺いました。ボルドーも新しい動きがいろいろあるようで興味深いです。ナパとしても学ぶことはあるように思います。


ゲスト候補(と勝手に思っている人)はまだ10数人いるので、日程さえあえばしばらくこんな感じで続けていきたいと思っています。
ゲストの自薦他薦も大歓迎です。よろしくお願いします。
Date: 2023/0606 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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楽天スーパーセールで割引になっているおすすめワインを紹介します。

まずはこれ。是非物といってもいいです。デコイのセルツァー4本セットが半額。しあわせワイン倶楽部です。
半額なだけじゃなくて、送料無料。しかも同梱ワイン11本まで送料無料になります。送料分も考えたら無茶苦茶お得だし、逆に言うと、合わせ買いが必須です。



合わせ買いとしては、まずはこれは必須ですね。7月からは希望小売価格2万円近くになってしまうというドメーヌ・カーネロスのル・レーヴ。


バリュー系シャルドネとして人気の高い「Foxglove」も2割引になっています。


リカオーも楽天スーパーセールで大胆な割引をするショップです。前回も大幅安だったモンダヴィのナパ・シャルドネやBVのタペストリー・リザーブは今回も安いです。モンダヴィのナパ・シャルドネは「のー」さんが5月に飲んだワインベスト3に挙げてくださいました。
5月に飲んだワインBEST3!! | 『のー』のワイン日記



そして、高級ワインになりますが、クインテッサの2017年が1万円台! これは世界一安い価格だと思います。ボルドースタイルのエレガントなカベルネ・ソーヴィニヨンが飲みたい人には太鼓判付きでお薦めします。


写真ないですが、カレラのヴィオニエ。自社畑のワインがこの価格はすごい。ほかの店より1000円以上安いです。

Date: 2023/0602 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラのドメーヌ・ド・ラ・コートとサンディ、ピエドラ・サッシ、オレゴンのイヴニングランドでワインメーカーを務めるサシ・ムーアマンが5月に来日し、セミナーに参加しました。

今回の来日の目的はサシの母親の「モーマン行世」さんが、春の叙勲で旭日章を受けたこと。行世さんは米国の公立高校で40年近く日本語教育に携わっており、その功績が称えられました。サシはその付添として来日しました。短い滞在時間の中でのセミナーであり、彼のワインを輸入している2つのインポーター、中川ワインとWine to Styleの共同開催という珍しい形態になっています。



セミナーで試飲したワインは上の4本。左から
イヴニングランド ピノ・ノワール ラ・スルス 2019
サンディ シャルドネ ロマンス 2021
ドメーヌ・ド・ラ・コート ピノ・ノワール ラ・コート 2021
ピエドラ・サッシ シラー リムロック・ヴィンヤード 2020
いずれも各ワイナリーのトップと言っていいワインです。



4つのワイナリーのうちイヴニングランドとドメーヌ・ド・ラコートは自社畑のブドウからワインを作るドメーヌタイプのワイナリーで、サンディとピエドラ・サッシは買いブドウで作るネゴシアンタイプのワイナリーです。その中でも今回は自社で栽培も手掛けているワインを試飲します。それぞれのブランドを象徴するスタイルのワインとなっています。

サシ・ムーアマンによると、共通しているのは醸造で人の介入を少なくしている点。SO2の添加も非常に少ないレベルです。SO2を減らすと、ワインの表現がより強く出るようになります。香りも味わいも強くなるとのこと。SO2を添加することが悪いというわけではなく、ワインが若い段階では少ない方がよりわかりやすいという意味だそうです。基本的には醸造時にはSO2を加えず瓶詰めのときだけわずかに加えています。

栽培も手掛ける2つのワイナリーのうちイヴニングランドはビオディナミで、ドメーヌ・ド・ラ・コートはオーガニックで栽培しています。イヴニングランドがビオディナミなのは創設者であるコント・ラフォンがビオディナミに取り組んで認証まで受けたため、それを引き継いでいる形です。サシの考えではビオディナミかオーガニックかの違いはそれほど大きくなく、それよりもこれらの栽培方法で認められているボルドー液を撒くか撒かないかが大事だといいます。ボルドー液には硫酸銅が含まれています。それ自体が人体に害を及ぼすわけではないといいますが、土壌のためには良くないと考えています。

ちょっと脱線しましたが、イヴニングランドの土地は全部で85エーカーあり、ブドウ以外の果樹の植樹も増やしています。他の果樹を加えることでブドウの健康が維持でき、ワインも良くなります。イヴニングランドの畑は森や小川にも囲まれており、動物も多く、生物多様性が保たれています。

サンディとドメーヌ・ド・ラ・コートはどちらもサンタ・バーバラにあり、サンディは基本買いブドウ、ドメーヌ・ド・ラ・コートは自社畑のみという棲み分けがありますが、今回のロマンス・ヴィンヤードは実はドメーヌ・ド・ラ・コートの畑であり、自社畑という位置づけになります。2015年に植樹した畑で、ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑の中でも一番海に近い西側の端にあり、シャルドネの一番寒い畑となっています。アルコール低く、凝縮感強いワインができるとのこと。エネルギーとフレッシュさが両立する畑です。

ピエドラサッシはサシ夫妻とワシントンDCでイタリアン・レストランのシェフをしているピーター・パスタン夫妻によるワイナリー。冷涼な地区の畑から、北ローヌのスタイルのシラーをメインで作っています。温暖化によってローヌではアルコール度数14%以下は非常に難しいと言いますが、ピエドラサッシではアルコール度数が低く、スパイシーで冷涼感のあるシラーを作っています。ここも基本は買いブドウですが、今回の「リム・ロック・ヴィンヤード」は栽培をピエドラ・サッシが任されているとのこと。実質的には自社畑です。


イヴニングランドのスルス2019は3分の1、全房発酵を使っています。発酵時にはパンチングダウンを1回、ポンプオーバーを2回くらいとごくごくわずかしか果帽の管理もやっていません。オレゴンの方がタンニンが多く、丁寧に作ることが必要になります。ブルゴーニュに例えるとボーヌのようなところで、土壌は粘土質が多く、果実味が前面に出てきます。赤い果実の風味がイヴニングランドの特徴だといいます。

クランベリーやレッド・チェリーの風味。酸はやや強く。ボディもタンニンも比較的高い、かなりしっかりとしたピノ・ノワールです。果実味からくるふくよかさや全房から来たと思われるちょっと青い風味もあり、リッチで複雑さもある素晴らしいピノ・ノワールでした。

サンディのシャルドネはエネルギーを感じるワイン。酸は高いがそれよりも果実の凝縮感が第一印象としては強いです。ミネラル感や蜜の香りなどを感じます。シャルドネは土壌に粘土が多いと重い味わいになるので、砂利質の土壌を選んでいます。

ラ・コートはドメーヌ・ド・ラ・コートでは新しい世代の畑。2007年に植樹しており密植のスタイルです。非常に冷涼で糖の上がるのが遅いところです。今ではブルゴーニュより涼しいといいます。

100%全房発酵。サンタ・リタ・ヒルズのシグニチャーとも言える、ちょっと塩味を感じるワインです。全房発酵らしい、ちょっと青臭さを感じるような味わい。イヴニングランドと比べてよりボディを強く感じます。

ピエドラサッシの今回のシラーの畑はアロヨ・グランデ・ヴァレーの非常に冷涼なところにあります。海から5kmほど。元々シャルドネが自根で植わっていました。そこにシラーを接ぎ木しています。アルコール度数は12.8%と非常に低いです。エレガンスはワインの最重要要素だと考えています。100%全房発酵です。

シラーとしては珍しいほど酸が高く、タンニンも強いワイン。黒鉛やクランベリー、カシスなど噛みしめるような味わい。非常にエレガントですが力強さもあります。

Q&Aでは全房発酵についての話が多くでました。最近はブルゴーニュでも全房発酵するところが増えているとのこと。従来使っていなかたワイナリーでも増えています。一般論としてはコート・ド・ニュイではステムを入れるところが多く、コート・ド・ボーヌでは少なくなります。砂利の土壌ではブドウの茎が細くなるため、全房にしやすいとのこと。
全房発酵は魔法のレシピではなく、いいところと悪いところがあります。悪いのは酸が低くなること。いいのはアルコール度数が低くなることだそうです。

最後にフリー試飲で、上記以外の様々なワインを試飲しました。
印象に残ったワインを名前だけ載せておきます。
2019 イヴニングランド スルス シャルドネ
2019 イヴニングランド スマム ピノ・ノワール
2020 サンディ シャルドネ セントラル・コースト
2021 サンディ ピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ
2021 ドメーヌ・ド・ラ・コート ブルムーズ・フィールド ピノ・ノワール
2020 ピエドラ・サッシ シラー サンタ・バーバラ
どれも非常にレベル高く、またテロワールを感じさせるワインでした。
ドメーヌ・ド・ラ・コートは先日の記事でも書きましたが、生産量少なく、最近はブルゴーニュファンも探すワインになってきているので、市場から消える早さがどんどん高まっています。

カリフォルニアワインあとりえです。


柳屋です。


Wassy'sです。なんとブルームズ・フィールドもあります。



Date: 2023/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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5月29日に、ナパヴァレー・ベスト・ソムリエ・アンバサダーの山田琢馬君とインスタライブをしました。

Youtubeにもアップしたのでこちらからどうぞ。

今回はナパのベーシックな話と、お薦めワインを琢馬君と私からいくつか紹介しました。
そこで取り上げたお薦めワインをあげておきます。

琢馬君が紹介したのは
シルヴァラード ソーヴィニヨン・ブラン
ニュートン・シャルドネ・アンフィルタード
デコイ・リミテッド・カベルネ・ソーヴィニヨン・ナパ・ヴァレー

私が紹介したのは
シックス・エイト・ナイン(689)セラーズ レッド・ワイン ナパ・ヴァレー
シックス・エイト・ナイン(689)セラーズ ホワイト・ワイン ナパ・ヴァレー
ナパ・ハイランズ カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー
トレフェッセン エシュコル シャルドネ オーク・ノール・ディストリクト

シルヴァラードのソーヴィニヨン・ブランはロワールのソーヴィニヨン・ブランとニュージーランドの中間的な味わい。これからの暑い季節にぴったりのワインです。


ニュートンのアンフィルタード・シャルドネはフィルターを使わないことによる旨味のあるシャルドネ。最近流行りのあっさりしたタイプではなくしっかりと樽も効かせたクラシックな味わいです。


デコイはダックホーンのカジュアルラインですが、「リミテッド」のシリーズはその中でも高級版。ダックホーンに近い品質をデコイに近い価格で提供しているコスパ高いワインです。普通のデコイは「カリフォルニア」ですが、リミテッドのカベルネ・ソーヴィニヨンはナパのブドウでできています。


689(シックス・エイト・ナイン)は赤も白もまろやかで飲みやすい味わいが特徴。ナパのワインの入門に最適です。



ナパ・ハイランズはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの定番。この価格でこの品質は驚きます。酸やタンニンもしっかりあってバランスもものすごくいい。


トレフェッセンのエシュコル・シャルドネはセカンドラベルでありながらすべて自社畑のブドウを使ったコスパ高いワイン。トレフェッセンはシャルドネ世界一になったこともあるワイナリーです。


このほか、「推しAVA」として私はクームズヴィル、琢馬君はマウント・ヴィーダーを挙げていました。
琢馬君とのインスタライブは月1くらいで続けていくつもりです。
よろしくお願いします。