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Date: 2026/0206 Category: 業界ニュース
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今回、メリーヴェールのセミナーのメモをグーグルのNotebookLMに入れて、ブログ記事を作らせてみたところ、予想をはるかに超えるものが出てきました。自分のライティングスタイルとはかけ離れていますが、こういう記事の方が一般には読まれるのだろうと感じました。そのままコピペします。

ナパ・ヴァレー。この地名を聞いて多くの愛好家が想起するのは、かつての黄金時代を築いた「濃厚で力強いカベルネ・ソーヴィニヨン」のイメージでしょう。しかし、気候変動の波が押し寄せる現代、この聖地は大きな転換期を迎えています。

今回スポットを当てるのは、スイス出身のシュラッター(Schlatter)家が率いる名門「メリーヴェール(Merryvale)」です。1983年、後にカルトワインの頂点を極めるビル・ハーランらとの共同経営で幕を開けたこのワイナリーは、1996年からはシュラッター家が単独オーナーとなり、スイス人らしい「真面目さと頑固さ」をもってナパのテロワールに向き合ってきました。家族経営のワイナリーが希少となった今、彼らがなぜ「涼しさ」を求め、伝統の枠を超えて進化を続けているのか。その知られざる5つの真実を、ナパの歴史と醸造の最前線から紐解きます。

1. 禁酒法後、ナパで最初に再建された「聖地」としての誇り

メリーヴェールのセラーに足を踏み入れることは、ナパ・ヴァレーの歴史そのものに触れることを意味します。現在のワイナリーが建設されたのは1933年。アメリカで禁酒法が廃止されたまさにその年、ナパで最初に再建されたワイナリーとしての歴史を刻んでいます。

この場所が「聖地」と呼ばれる理由は、その年月だけではありません。かつてここを拠点としてワインを造っていた顔ぶれが、あまりにも衝撃的なのです。ロバート・モンダヴィ、クリスチャン・ブラザーズ、名匠リック・フォーマン、そしてパールマイヤー。ナパのDNAを形作ってきた伝説的な造り手たちが、かつてこの壁の中で切磋琢磨していました。ここは単なる醸造所ではなく、ナパ・ワインの復興と隆盛、そして進化を見守り続けてきた象徴的な場所なのです。

2. 「シガーバレル」と熟練の技:伝統の中に息づく科学的革新

メリーヴェールのワイン造りは、極めてイノヴェーティブです。特にソーヴィニヨン・ブランに用いられる「シガーバレル」の導入は、その象徴と言えるでしょう。

葉巻のような細長い形状を持つこの樽は、通常の樽に比べてワインと澱(リー)の接触面積を劇的に増やします。これにより、過度なオークの風味を抑えつつ、豊かなテクスチャーと複雑味を引き出すことが可能になります。さらに、小さなRieger(リーガー)社のタンクやコンクリートファーメンターの使い分け、重力を利用したグラヴィティ・フローなど、醸造設備への投資には一切の妥協がありません。

しかし、真の品質を支えているのは、最新の設備を使いこなす「人」の力だと彼らは断言します。

「セラーで働く人が何より大切なのです。ここには20年、30年と勤め続けているプロフェッショナルたちがいます。彼らの経験こそが、メリーヴェールの品質の根幹なのです」

また、2年前からはコンサルタントにジャン・ハフリンガー氏を招聘しました。以前のフィリップ・メルカ氏がフラッグシップの「プロファイル」に特化していたのに対し、ニュートン等での経験も豊富なハフリンガー氏は、ワイナリー全体のポートフォリオを俯瞰し、一貫した品質向上を目指す「ホリスティック(包括的)」な視点をもたらしています。

3. 理想の「フレッシュネス」を求めて:ソノマ・コーストへの戦略的シフト

今、メリーヴェールが最も情熱を注いでいるのが「フレッシュネス(鮮やかさ)」と「フェノールの成熟」の両立です。
これまでピノ・ノワールの主要拠点だったカーネロスは、近年の気温上昇により、皮が薄く繊細なピノ・ノワールにとって日中の暑さが課題となりつつあります。そこで彼らが下した決断は、より冷涼な「ソノマ・コースト(ペタルマ・ギャップ)」への戦略的なシフトでした。海からの風と霧がもたらす冷気が、ブドウの酸を保ちながらゆっくりと成熟を促します。

この「理想のクーラースポット」を求める姿勢は、ナパ国内の自社畑の拡大にも見て取れます。標高1000フィートに位置する「プロファイル・エステート」に加え、2021〜22年にはマウント・ヴィーダー、2023年にはクームズヴィルと、より涼しく、あるいは標高の高い場所へ自社畑を広げています。気候変動を先読みし、産地の多様性を確保すること。これこそが、彼らが描く未来への航路図なのです。

4. 「Profile」の進化:30年の歳月をかけた「エステート」への到達

メリーヴェールの象徴であるフラッグシップ「Profile(プロファイル)」の変遷は、真のテロワール・ワインへと至る長い旅路そのものです。

かつて2000年ヴィンテージまでは、意外にも「Profile」はすべて買いブドウで造られていました。1996年に待望の自社畑(プロファイル・エステート)を取得し、2001年から徐々にその比率を上げ、2010年にようやく「100%自社畑」という金字塔を打ち立てたのです。

この進化はラベルの変遷にも表れています。95〜98年の「ゴールドラベル」、その後の「ホワイトラベル」、そして現在の洗練されたデザインへ。2018年ヴィンテージを味わえば、カシスや黒鉛のニュアンスと共に、凛とした酸と洗練されたタンニンが共存していることに驚くはずです。それは、かつての「重厚さ」に代わる、現代のナパが到達すべき「優雅なバランス」の証明です。

5. 星座に刻まれた創業の記憶:スターモントが告げる「新たな航海」

最後に、カジュアルラインである「スターモント(Starmont)」に訪れた劇的な変化に触れないわけにはいきません。
刷新されたラベルに描かれているのは、美しい星座の物語です。1989年のファーストリリース当時、ナパの夜空に輝いていた9月・10月の星座がデザインされています。また、ラベルに配された「六分儀(Sextant)」のモチーフは、海での位置を測る道具であり、「新たな産地への旅」を象徴しています。

この六分儀が指し示すのは、サンタバーバラ、モントレー、メンドシーノといった、より広域で冷涼な沿岸部の産地です。現在、先行してソーヴィニヨン・ブランにこの新ラベルが採用されていますが、2023年ヴィンテージ以降、シャルドネやピノ・ノワール、カベルネも順次このデザインへと統合されます。スターモントは今、ナパという枠を超え、カリフォルニアの「涼しさ」を巡る壮大な航海へと漕ぎ出したのです。

結び:家族経営が守り抜く「変えないための、変化」

大手資本による買収が相次ぐナパ・ヴァレーにおいて、シュラッター家のように「欧州的な真面目さ」を貫き、家族経営を守り続けるワイナリーは今や稀有な存在となりました。

彼らが「涼しさ」を求めて産地を広げ、醸造技術を磨き続けるのは、単なる流行への追随ではありません。それは、自分たちが信じる「エレガンス」という本質を、次の100年も変えずに守り抜くための、必然的な挑戦なのです。

次にあなたがメリーヴェールのワインを手に取る時、そのラベルの裏側にある「温度」と「歴史」を感じてみてください。そこには、伝統という重力に安住することなく、常に「未来の羅針盤」を見つめ続ける人々の、静かな情熱が息づいています。
Date: 2026/0206 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのメリーヴェール(Merryvale)から社長のレネ・シュラッターさんが来日し、セミナーに参加しました。
メリーヴェールのセミナーは2024年5月以来です。
モンダヴィとハーランの故郷、メリーヴェールの現在地


右はお嬢さん。レネさんは家では奥さんと3人の娘の4人の女性に囲まれているとか。

ロバート・モンダヴィの最初のワイナリーであるサニー・セント・ヘレナに端を発したメリーヴェール。ハーラン・エステートのビル・ハーランの最初のワイナリーでもありました。1996年からはシュラッター家が単独オーナーとして家族経営を続けています。輸入元である中川ワインの中川誠一郎社長によると「家族経営のワイナリーがどんどん減っていく中で貴重なワイナリー」だと言います。

ワインメーカーは前回来日したジェフ・クロフォードで、このほかコンサルタントとしてジャン・ホーフリガーが参加しています。ジャン・ホーフリガーはレネさんと同じスイスの出身で長年の友人。以前はフィリップ・メルカがコンサルタントをしていましたが、メルカは多くの顧客を抱え、メリーヴェールではフラッグシップのプロファール・シリーズしか見られなかったため、全体を見てもらえるコンサルタントを依頼したとのことでした。

醸造では複数の発酵容器を組み合わせて使っています。Rieger社製の小型のステンレスタンク、オープントップのコンクリート、樽などを使用しています。

メリーヴェールのワイナリーはセント・ヘレナの中心地にあり、プロファイルの畑はワイナリーから東側の斜面にあります。標高300m以上と霧のかからない高さです。2021年から2023年にかけては、マウント・ヴィーダーに二つの畑、クームズヴィルに一つの畑と畑を拡充しています。山の畑は昼間の気温が上がりにくいことと、夜間は逆に温度があまり下がらず穏やかな気候になります。クームズヴィルもナパではカーネロスの次くらいに海に近く比較的冷涼です。気候変動への対応として、こういった涼しいところの畑を開拓しているとのことです。
サスティナビリティの取り組みとして、醸造設備では「ナパ・グリーン・サーティファイド・ワイナリー」を、また4つの畑全部でで「フィッシュ・フレンドリー・ファーミング」を取得しています。

また、ピノ・ノワールはこれまでナパのカーネロスのスタンリー・ランチとブラウン・ランチを使ってきましたが、2022年からはソノマ・コースト(ペタルマ・ギャップ)の畑に変えます。カーネロスは冷涼ですが、暑い日もあり、皮が薄いピノ・ノワールはその影響を受けやすいので、さらに涼しいところを探したました。メリーヴェールでは、ワインのフレッシュな味わいを大事にしているので、涼しい地域の畑は重視しているとのころです。

試飲に移ります。ポイントは私の主観です。


最初はソーヴィニヨン・ブラン2023。ポープヴァレーやヨントヴィル、ソノマのブドウ(10%未満)を使っています。発酵槽はシガーバレル、コンクリート、ステンレススティールの樽を併用しています。シガーバレルは澱との接触を増やすのが目的です。
黄金色で柑橘や熟したリンゴを感じます。クリアで伸びる酸、スイカズラ、蜜っぽさもあり美味しいソーヴィニヨン・ブラン。92pt

2本目はシャルドネのシルエット2022
カーネロス スタンレーランチのブロック2Aのブドウを使っています。バニラの香り、蜜、グアバ、カモミール、柔らかいがしっかりした酸、さすがレベルの高いシャルドネです。92pt


2021 カーネロス ピノ・ノワール
カーネロスの銘醸畑スタンリーランチとブラウンランチのピノ・ノワールを使っています。スタンリーランチに植わっているクローンはディジョン667で赤系果実やハーブの風味が特徴、ブラウンランチはポマール・クローンでより濃く、凝縮感があり、アーシーな風味が特徴となります。
赤系果実の風味がありますが、ラズベリーのような軽やかな味ではなく、ザクロのような少し重量感のある味わい。シナモンや紅茶、五香粉など、スパイス系の風味も特徴。89pt

2023 メルロー ナパ・ヴァレー
この年は100%ナパのクームズヴィルの畑のメルローを使っています。一つは前述のクームズヴィルの畑で、もう一つはFaustの畑です。50%新樽で15カ月熟成しています。新樽は樽の風味を付けるためというよりも、タンニンを和らげる効果のためだとのこと。2023年は涼しい年だったので冷涼感のあるメルローに仕上がっているといいます。
ナパのメルローというとちょっと甘やかさを感じるものが多いですが、このワインはハーブの香りなど「セイバリー」な風味が比較的前面に出ています。少しピラジンを感じ、レッド・チェリーなどの赤果実もあります。タンニンは柔らかく、優しい味わい。88pt

2021 カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー
プロファイル・エステートとオークノールにあるHardman Vineyardという畑のブドウを使っています。メルローの柔らかさと比べると、こちらはタンニンと堅さを感じる味わい。少しピラジンの風味もあります。ミントやディルのようなハーブや、グラファイトといった果実味以外の要素が多く感じられます。現時点の評価としては88ptとしますが、熟成するとすごく良くなりそうなカベルネ・ソーヴィニヨンです。2021年は干ばつの年で、ブドウの実が小さくなったことが、味わいの堅さにつながっているようです。

最後にフラッグシップであるプロファイルの2018年と2010年(蔵出し)です。2018年は国内での現行のヴィンテージです。プロファイルの畑は認証は取っていませんがオーガニックで栽培。前述のようにフィッシュ・フレンドリー・ファーミングの認証は得ています。

2018 Profile
カベルネ・ソーヴィニヨン82%でカベルネ・フランが17%、プティ・ヴェルドが1%。比較的カベルネ・フランが多い年となっています。
カシスなどの熟した果実に黒鉛、リッチでフルボディで酸も豊かです。しなやかなタンニンでバランスよく素晴らしいワイン。94pt

2010 Profile
プロファイルは従来は買いブドウで造っていましたが、この年からすべて自社畑になっています。
黒系果実にマッシュルームや腐葉土といった熟成による香り。ハーブも感じます。素晴らしくきれいに熟成しています。96pt

セミナーはここまでですが、それ以外のワインも試飲ができました。セカンド的な位置付けになるスターモントはラベルを新しくしています。星座の模様をあしらっていますが、品種ごとに最初にリリースされた年の星空の配置をなぞったものになっています。ソーヴィニヨン・ブランは2024年から、シャルドネとピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンは2023年から変わっています。

2024 スターモント ソーヴィニヨン・ブラン
青リンゴやハーブの風味。穏やかな酸味 86pt

2022 スターモント シャルドネ
柔らかくバランスのいい味わい 88pt

2020 スターモント・ロゼ・ピノ・ノワール
チャーミングな味わい 88pt

2021 スターモント ピノ・ノワール
ピノ・ノワールとしてはややしっかりした系統。青果実の風味もあります 87pt

2019 スターモント カベルネ・ソーヴィニヨン
少し堅さがありますが、フレッシュでバランスの良さは秀逸 90pt

2022 メリーヴェール シャルドネ・ソノマ・コースト
ソノマ・コーストに変わった最初のヴィンテージです。酸がきれいでバランスがいい 91pt

NV  アンティグア
酒精強化によるデザートワインです。リッチで甘く、焦がし麦の風味があります。 89pt

Date: 2026/0205 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパでは初めてのワイン・マラソンが5月9日に開催されます。名称は「The Wine Half Marathon - Napa Edition」。ナパでは毎年3月に「Napa Valley Marathon」が開催されていますが、Napa Valley Marathonはシリアス・ランナー向けで、ランナーの憧れであるボストン・マラソンへの参加資格を得やすい(コースが基本的に下り基調で、カーブも少ない)マラソンとして知られています。

それに対して、今回のThe Wine Half Marathonは記録を出すよりも、ワインを楽しみながら走ることを主眼としています。また、フルマラソンはなくハーフマラソンのみとなります。クインテッサのワイナリーがスタート地点で、コース上にはフロッグス・リープやシルバーオークなどのワイナリーがあります。これらのワイナリーがワインを提供することになるのでしょう。
マップ
ゴールしたところにもワインのブースが出されるようです。

初回の今回はランナー1000人に限定します。我こそはと思う方はお早めに申し込みください。

サイトはこちら
The Wine Marathon Napa Edition
Date: 2026/0201 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シリコンバレー・バンクによるワイン業界の分析レポートが発表されました。ワイナリーへのアンケート調査などを通じて、現状を分析するレポートです。総じて厳しい状況が続いていますが、2026年が「底」で、これから良くなっていくのではないかという見方もあります。また、今回のレポートでは成功するワイナリーのためのポイントを明らかにしており、これらは日本のワイナリーにとっても参考になるのではないかと思いました。

昨年のレポートの記事
低迷続く米国のワイン消費、若年層への訴求はいかに

how was last year
まず、2025年の状況についてですが、「最も難しい年だった」という回答が7%と過去4年で最も多く、厳しい状況がより進んでいることがうかがえます。

Sales channel
その中で、セールスチャンネルとしては、テイスティングルームとワイン・クラブといったいわゆるDtC(消費者との直接のコネクションによる販売)が半分を超え、卸売りは合計3割となっています。昨今、DtCによる販売が低迷しているという記事も見かけるのですが、とはいえ重要度が減っているわけではなく、最重視しなければいけないチャンネルであることは変わりません。

地域別
現在の状態を「ポジティブ」と見る数字から「ネガティブ」と見る数字を引いたインデックスを地域別に見ると、ネガティブの割合が一番多いのがソノマで次がナパでした。12ドル以下の安ワイン市場が減っていると言われていますが、プレミアムが多いこれらの地域でネガティブが多いのは意外でした。逆にネガティブが少ないのはワシントン州とヴァージニア州。ワシントンはカナダへの輸出がほぼなくなったことが影響しているのではないかと思っていたのですが、意外とネガティブは少ないようです。

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こういった状況で、うまく行っているワイナリーにどういう特徴があるかをまとめたのが上の表です。ほかのページの情報も含め、成功のための条件をまとめると以下のようになります。

1. 「受動的需要」からの決別
最大のメッセージは、「待っていても客は来ない」ということです。観光客任せのテイスティングルーム運営、ディストリビューター依存の販売モデルはもはや機能しません。成功しているワイナリーは、消費者の生活圏や価値観に積極的に入り込み、関係性を設計しています。

2. ワインクラブを中核としたリテンション戦略
成長しているワイナリーに最も強く共通する要素は、ワインクラブを重視していることでする。新規獲得よりも既存顧客の継続率を重視し、クラブを「単なる定期販売」ではなく、ブランドとの関係基盤として位置づけています。特に、離脱予備軍への再エンゲージメントが重要視されています。

3. ホスピタリティの再定義
成功しているワイナリーは、テイスティングルームを「バー」ではなく「舞台」と捉え、予約制・少人数・パーソナライズされた体験を提供しています。重要なのは回転率ではなく、体験の質と記憶への残り方であり、それがクラブ加入率と長期的収益につながっています。

4. SKUの整理とブランドの明確化
上位層のワイナリーほど、SKU数が少なく、メッセージが明確です。品揃えの拡大ではなく、「何のためのワインか」を消費者に伝える力が価格維持と差別化を可能にしています。

5. デジタルは「代替」ではなく「増幅装置」
SNSやメールは、単独で売上を生む魔法のツールではありません。成功事例では、デジタルはあくまでリアルな体験やイベント、クラブ活動を増幅する役割を担っています。無差別な配信ではなく、目的と測定指標を持った運用が不可欠です。

6. 成長の再定義
「成長」とは、量的拡大ではなく、価値密度の向上です。生産量を抑え、需要に見合った供給を行い、顧客一人当たりの価値を高めることが、2026年以降の安定と回復への唯一の道になるでしょう。

今後成長に改めて転換する可能性はあるものの、それには上記のような戦略の変化を推し進めることが必要になってくるでしょう。現状のまま変化しないワイナリーは淘汰されていくのではないかと思います。特に中小規模のワイナリーにとってはDtCのチャンネルが命でもあり、うまくいくワイナリーとそうでないワイナリーが明確に分かれていくのが今年以降ではないでしょうか。
Date: 2026/0131 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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UCデーヴィスの研究者が再生可能型のブドウ栽培(Regenerative Agricuture)と従来型の栽培の経済性を比較した研究結果が、American Journal of Enology and Viticulture(AJEV)に掲載されています。

従来型といってもいわゆる慣行栽培ではなく、サスティナブルな栽培との比較になります。
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調査対象はソノマ郡内の4つの中規模なブドウ畑で、ピノ・ノワール、シャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンについて調べています。再生可能型では不耕起、カバークロップの常在化、堆肥施用、化学除草剤の不使用、羊の放牧による雑草管理と養分循環などが採用しています。一方、従来型では、交互耕起、合成肥料や除草剤の使用、機械による草刈りを行っています。両者の経済比較は、ブドウ畑の寿命を30年と仮定し、正味現在価値(NPV)を用いて行いました。

分析の結果、長期的な収益性は非常に近い水準でした。再生型のNPVは従来型より平均約5%低くなりましたが、経営判断を大きく左右するほどの差ではありませんでした。品種別ではシャルドネでは差が小さく、カベルネ・ソーヴィニヨンでは差が大きいという結果が出ています。

コスト構造を見ると、再生型では堆肥や羊の放牧に追加費用が発生するため、オペレーションのコストは従来型より1ヘクタールあたり約300ドル高くなりました。しかし同時に、耕起、草刈り、除草剤が不要となることでコスト削減が生じるほか、堆肥や家畜糞尿による養分価値、土壌侵食防止効果、炭素隔離による潜在的価値といった間接的な利益があります。これらを換算すると、実質的なコスト差は小さくなることが分かりました。

さらに、再生型では堆肥や羊を外注する場合と、自社でもつ場合も比較しています。ワイン造りの副産物(搾りかす、茎、澱など)を活用した自家堆肥生産は、購入堆肥と比べて約6割のコスト削減が可能であり、長期的には経済的メリットが大きくなります。また、羊を自社保有する場合、飼料費削減や肉製品販売による副収入が得られ、初期投資は必要なものの、外注より有利になる可能性が示唆されています。

感度分析では、再生型導入による収量低下や価格変動の影響が検討されています。最大40%の収量減や±20%の価格変動を想定した場合でも、多くのシナリオで再生型は従来型と同程度の経済性を維持しています。特に、価格プレミアムがあったり、収量低下がわずかであれば、再生型のNPVが上回る可能性があることが分かりました。

Date: 2026/0130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのカリストガにあるダイヤモンド・クリーク(Diamond Creek)。ナパの中でも古くから高品質で知られ、入手困難なワインとして知られてきました。このほどナパ郡に醸造設備の新築や生産量の増加、ビジターの増加などを認められました。ダイヤモンド・クリークが水使用量の削減など、サスティナブルなワイン造りのために努力してきたことが評価された形です。

生産量はこれまで1万ガロン(約4000ケース)が認めらてきたのに対し、倍以上の2万5000ガロン(約1万ケース)が認められるようになりました。ワイナリーのビジターは年間520人から3120人、従業員は5人のフルタイムから8人のフルタイムと2人のパートタイムへと拡張できるようになります。

Diamond Creek
新しいワイナリーは2000平米を超えるもので、貯蔵設備を兼ねます。従来のワイナリーは住居として使用される予定です。

ダイヤモンド・クリークは、2019年に創設者のアル・ブラウンスタインが亡くなり、2020年にルイ・ロデレールが買収しています。
Date: 2026/0127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Arista
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーで素晴らしいピノ・ノワールとシャルドネを作るアリスタ(Arista)がワイン造りをやめると発表しました。2025年2月に畑とワイナリーを売却し、その後もブランドは維持する方向でしたが、2024年が最終ヴィンテージになりました。

アリスタはアルとジャニスのマックウイリアムズ夫妻が2002年に立ち上げたワイナリー。少量生産のピノ・ノワールとシャルドネに特化し、ワイン・アドヴォケイトでは最高99点、ワイン・スペクテーターでは最高96点など、非常に高い評価を得ていました。

ただ、夫妻が2025年で80歳を迎えるため、ワイナリーをダウンサイズしたいと息子のマークに相談。前述のように、畑とワイナリーを売却してブランドだけを維持する方向になりました。ただ、実際に当事者となると、ブランドを維持してワインを造っていくためには借金が必要など、ハードルが高いことが分かってきました。本業の不動産ビジネスもあることから、両方を維持するのは困難であると、ブランド継続を断念しました。

ただし、2026年には最終ヴィンテージとなる2024年のワインをリリースする予定であり、その後も倉庫に残ったワインを少しずつ放出していくとのこと。テイスティングなども受け入れを続けると表明しています。
Date: 2026/0124 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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しあわせワイン倶楽部に入っている「リース・フィッチ」が激安です。ピノ・ノワールとソーヴィニヨン・ブランでどちらも1188円。ワイナリー価格は15ドルで、実売でも11ドルくらいするワインです。現地価格より4割近く安い計算になります。現地の価格帯で言うと、Decoyなどが近いレベルですから、この安さが分かるでしょう。

特にソーヴィニヨン・ブランは前のヴィンテージがWine Enthusiastでベストバイに選ばれています。





3本目はブレッド&バターのレッド・ブレンドです。めったに見かけないレッド・ブレンドですが、残念ながらこのキュベは輸入停止になってしまったそうで、そのために安くなっています。メルローやシラーなど、様々なブドウをブレンドしています。


こちらのショップは柳屋です。


Date: 2026/0113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジンファンデルの普及促進団体ZAP(Zinfandel Advocates & Producers)が2026年に設立35年を迎えます。1月29日から31日にはナパヴァレーで「ZinEX 2026: Weekend Classic」というイベントを開催。試飲会のほかワインメーカーディナーやブドウ畑の見学、セミナーなどが行われます。

ZAPは古木の畑の研究やなどを行うオールド・ヴァイン・カンファレンス(OVC)との関係も深めており、2025年にはOVCのリアル会議をカリフォルニアで開催しました。カリフォルニアで古木の畑を登録するHVS(Histric Vineyard Society)との連携も深めています。

Jake Beckett
一方、悲しいニュースはピーチー・キャニオンの創設者の子供でジェネラルマネージャーを務めていたジェイク・ベケットが急死したという知らせが舞い込んできたことです。2024年のAliveテイスティングではパソ・ロブレスがテーマになっており、ジェイクさんも来日していました。

写真の右から3人目がジェイクさんです。

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ジェイクさんは、これまでの型を破りたいと2004年にピーチー・キャニオンを一度やめてクロニック・セラーズを立ち上げました。2019年にクロニックを売却し、ピーチー・キャニオンに戻っていました。

ピーチー・キャニオンといえば定番はインクレディブル・レッド。ジンファンデルを中心にしたコスパの高いブレンドです。


上が旧ラベルで下が新ラベル。個人的には旧ラベルが好きですが、新ラベルも美味しさは変わりません。
Date: 2026/0110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年夏に、ソノマなどで「ワイン産業改善地区計画」が検討されている話を書きました。
参考:
物議を醸すソノマの「ワイン産業改善地区計画」
賛否渦巻く「ワイン産業改善地区計画」

これは、ワイナリーのテイスティング・ルームでの売り上げの一部(1~2%)を地域のマーケティング費用に充て、ワイン産業の底上げを図ろうというもの。
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ソノマの計画は一回ペンディングになったようですが、ローダイは2025年11月にローダイ・ワイナリー事業改善地区(Lodi Winery Business Improvement District=LWBID)が設立されています。ローダイはこれまで栽培家がローダイ・ワイングレープ・コミッションを通じて地域をサポートしてきましたが、今回のLWBIDはワイナリーの出費になります。ローダイ・ワイングレープ・コミッションとは互いに補完しあうような関係をめざしています。ローダイではワイナリーは1.5%支払うことになっています。この1.5%を消費者から徴収するか、消費者の負担は変えずにワイナリーが出すかは自由とされています。

この基金を使って、以下のようなことを予定しています。
・統合広告とアウトリーチキャンペーン
・ビデオ、印刷物、デジタルコンテンツの作成
・メディア、インフルエンサー、旅行ライターとの関わりを拡大
・顧客基盤を拡大するために、ロディと主要市場で特色あるイベントを開催
・貿易および産業アウトリーチ
・地域の標識と観光情報
・ローダイワイングレープコミッションと連携したマーケティング
・あらゆるコミュニケーションチャネルを通じてローダイワインのアイデンティティを強化する

例えば、この基金の前に実施したものでは「予約不要」のキャンペーンで、ワイナリーを訪問する人のしきいを下げるプロモーションを行っています。

これからの時代、消費者に選んでもらえるようにするためには、地域としての情報発信などが重要になってきます。ローダイのプロモーションがどのように成果を上げるのかが注目されています。
Date: 2026/0109 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国農務省が「Dietary Guidelines for Americans」を5年ぶりに更新しました。従来のガイドラインは164ページもありましたが、今回は表紙を除いて9ページと、極めてシンプルな形になりました。

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今回一番強調しているのは「本物の食べ物を食べましょう」というシンプルなメッセージ。具体的には「適切な量を食べる」「毎食においてタンパク質摂取を優先する」、「一日を通して野菜や果物を摂取する」、「高度に加工された食品、添加糖、精製炭水化物を制限する」といったことです。

アルコールについては最後に登場し「アルコールを制限すること」としています。より具体的には
・より良い健康状態のためにアルコール摂取量を減らしましょう。
・アルコールを完全に避けるべき人々は妊婦、アルコール依存症からの回復期にある人、飲酒量を制御できない人、アルコールと相互作用する可能性のある薬を服用中または持病がある人です。アルコール依存症の家族歴がある人は、アルコール摂取量と関連する依存行動に注意を払ってください。
という表現になりました。

実は、このガイドラインは2024年のバイデン政権時代に内容の検討が始まっていたのですが、そこでは「アルコール摂取に安全な量はない」といった表現が入る方針になっていました。アルコール業界にとってはかなりの逆風になることが予想されており、また科学的なエビデンスから見て、強すぎる表現であることが懸念されていました。

トランプ政権になったことで、これらの検討はリセットされ、今回の内容に落ち着いたようです。アルコールについては付けたし的な感じであり、これまでのガイドラインと比べてもマイナス面はほとんどないのではないかと考えられています。

とはいえ、「Dry January」として1月は禁酒するといった動きもますます広がっており、ガイドラインとは別にアルコール摂取量が減り続けている状況は変わりません。先日もノンアルをテイスティングメニューに入れたワイナリーの記事を書きましたが、ワイン業界として「No-Lo」(ノーアルコールまたはローアルコール)に対応していくことは一層大事になってくるでしょう。
Date: 2026/0108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・エンスージアストに、米国のマルベックについての記事が出ていました(American Malbec Producers Are Onto Something)。

正直言って、マルベックのバラエタル・ワインはほとんど飲んだことないです。昔ワイナリーで買ったことがありますが、遠い昔過ぎてよく覚えていません。近年だとソノマの注目ワインメーカー「ジェシー・カッツ」がデヴィル・プルーフ(Devil Proof)でマルベックとして初の100点をとったことくらいしか記憶に残っていません。

記事によると「西海岸産のアメリカ産マルベックは、力強さと精密さ、構造と飲みやすさを兼ね備えており、そしておそらく最も重要なのは、本格的な品質と、それでもかなりお財布に優しい価格を兼ね備えている」とのこと。

地域ではナパやパソ・ロブレスで広がっており、アルゼンチンやフランスとは異なるスタイルになってきているとか。

日本では飲む機会があまりないかもしれませんが、気になりますね。
Date: 2026/0106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのラザフォードにあるベラ・オークス(Bella Oaks)と、同じオーナーでセント・ヘレナでワイナリー兼カスタム・クラッシュなどを営むウィーラー・ファームズ(Wheeler Farms)がノンアルコールのテイスティングを始めました。
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ベラ・オークスのツアーでは、オーガニックの畑や、ワイナリーのアート・コレクション(草間彌生さんの作品など)を楽しみ、ウィーラー・ファームズのホスピタリティ・センターでワインの試飲あるいはスパークリング・ティーの試飲ができます。スパークリング・ティーはSUSURRUS(ススラス)というナパの会社のもので、ベラ・オークスの元社員が手掛けています。
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ウィーラーファームは「ゼロ・プルーフ・エクスペリエンス」という名前で季節限定のシェフ特製ドリンク4種類を提供します。いずれも敷地内の菜園と果樹園で採れた食材を使用しています。1月に始まった初回のフライトは、エステート・ソーヴィニヨン・スプリッツ(ノンアルコールのソーヴィニヨン・ブラン果汁、ハーブ、レモン果汁、炭酸水)、オーチャード・ペア・スパイス(洋梨のシュラブの漬け込み、シナモン、ライム果汁、炭酸水)、ジンジャー・タンジェリン・ツイスト(搾りたてのガーデン・タンジェリンとライム果汁、オレンジビターズ、シロップ、ジンジャービール)、そしてキュウリ・フィズ(泡立てたキュウリ果汁、マイヤーレモンとライム果汁、卵白、塩)です。これらの特注ドリンクは、エグゼクティブ シェフのトム ハーダーによる季節の料理とペアリングしています。