カリフォルニアワイン協会はキャップストーン(Capstone)と名付けられた認定プログラムについて日本における対応の説明会を開きました。
キャップストーンとは頂点や最高点という意味があり、WSETのディプロマやマスター・オブ・ワインを補完するような高度なプログラムになっています。「カリフォルニアワインの資格認定、カリフォルニアワイン協会とナパがそれぞれ開始」の記事で書いたように、レベル1から4(4はさらに2段階に分かれています)の認定プログラムとなっていますが、このうち1~3の3段階については日本でも日本語による教育を行う予定です。カリフォルニアワイン協会の扇谷さんによると、初級でJSAのワインエキスパート、あるいはWSETの2と3の中間程度のレベルとのことです。
また、このプログラムは基本的にはオンラインで実施するのですが、日本ではワインスクールにおける授業も行います。ワインの試飲についてはリアルのセミナーの方が優れているため、そうした形を取ったそうです。
またエデュケーターのリードとなるのが山本香奈さん、そして東京での講義ではソムリエの世界大会にも出場した森覚さん、大阪での講義は、こちらもソムリエ世界大会にも出場している岩田渉さんと、極めて優れた講師陣になっています。
山本香奈さんによる模擬授業もあり、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランのカリフォルニアにおける歴史などを簡単に勉強しました。とはいえ、カリフォルニアにおけるこれらの品種の歴史(持ち込んだ人やエポックメイキングなできごとなど)も入っており、その品種の元々の由来などカリフォルニアに限定されない内容も含んでいます。非常に好奇心をそそられるものでした。
また、ワインの試飲はマスターソムリエ協会の「演繹的テイスティング」に基づいた方法を採用しています。
写真のようなシートを使って試飲しながらポイントを抑えていくもので、「WSETの試飲法を勉強した人にはなじみやすい」と扇谷さん。
ただ、認定には試飲の能力は問われず(一番上のレベルを覗いては)、毎回授業後に受ける小テストと最後の認定テストに合格すれば認定されます。クラスで授業を受けた場合もこれらのテストはオンラインで受けることになります。
東京でのクラスは10月28日(木)と30日(土)に開講。全4回となっています。
申し込みはこちらから。
青山校 カリフォルニアワイン協会公認教育プログラム キャップストーン・カリフォルニア(Capstone California)レベル1資格認定講座 | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
大阪は1月からの予定です。また、来年にはレベル2も開講される予定です。
ちなみに、この認定とは全く関係ありませんが、私が教えるオンラインの講座も募集が始まっています。
オンラインライブ配信 【ライブ配信】カリフォルニアワインの魅力と魔力(全2回) | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
全2回で気軽に参加できる内容になっています。試飲のワインは毎回6種類。小瓶に入れて配送します、ワインの銘柄も公開していますので御覧ください。教室の講座で使うワインと比べるとややカジュアルですが、いいものを選んでいます。
教室に通えるかたはこちらをぜひ。
対決・カリフォルニアの名門ワイナリー
カリフォルニアワイン ベーシックマスター
どちらも内容には自信を持っております。楽しくカリフォルニアワインを学びましょう。
楽天のCAVE de L NAOTAKAでクリアランスセールを開催しています。カリフォルニアワインもいくつか出ていますが、有名なところではジョセフ・フェルプスのインシグニア2017が2万円台になっているのが目に付きました。2割引の価格です。
このほかにもナパのカベルネやサンタ・バーバラのシャルドネ、オレゴンのピノ・ノワールなどかなりの高級ワインが3割引などになっています。
その他のセールワインはこちら
このほかにもナパのカベルネやサンタ・バーバラのシャルドネ、オレゴンのピノ・ノワールなどかなりの高級ワインが3割引などになっています。
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米国で娯楽用のマリファナが合法化された州および地区は18にまで増えました。この4月にはニューヨーク州でも合法化されています。コロナ禍においても、この業界は「エッセンシャル」なものとされ、小売店やレストランなどを解雇された人たちの受け皿となっています(Marijuana jobs boom: The cannabis industry has become a refuge for retail and restaurant workers - The Washington Post)。
「Leafly Jobs Report」によると、2020年には8万人の雇用を生み出し32万1000人がこの業界で働くようになりました。この人数は歯科医や救急隊員、電気技師を上回るものとなっています。
マリファナを扱う薬局の時給は小売店や倉庫の仕事などと同等レベルですが、転職してきた人は、自由になる時間などが増えたと感じているようです。また、アマゾンが従業員のマリファナ使用を調べるのをやめたなど、より市民権を得る方向に動いているのは間違いありません。
今回引用した記事には言及がありませんでしたが、ワイン業界にとっては収穫などの畑作業の人材の取り合いという問題もあります。コロナ禍で収穫の人を集めるのが難しくなっていますが、マリファナ業界に人を取られているのも影響しているかもしれません。
先日、「「山カベ」の真髄、ヘスのマウント・ヴィーダーが3割引、なんと日本割当は当面ゼロ」という記事で、ヘスについて書いたところですが、実はこのワイナリー、ヘス・コレクション(Hess Collection)からヘス・パーズソン・エステート(Hess Persson Estates)へと改名したところでした(9月16日発表)。その記事を書くときに、実はサイトの名前が変わっていて「あれ?」と思ったのですが、そのときは調べないで見過ごしてしまっていました。反省。
ヘス・コレクションはスイス人のドナルド・ヘスが創設したワイナリー。ワイナリーに美術館を併設しており、おそらく「コレクション」の名前はそこから来ているのだと思います。ドナルド・ヘスの2人めの妻ウルスラの娘サブリナとその夫のティモシー・パーズソンが現在のオーナーとなっています。
この10年間の最大の変化が「ヘス・コレクション」ブランドのワインだけでなく「ライオンズ・ヘッド」と呼ぶ新たなラグジュアリーブランドを始めたこと。「LION TAMER」と「PANTHERA」という名前のワインがこちらに相当します。
今回は、この2つのブランドがあることをより明らかにするため、総称としてのワイナリー名をヘス・パーズソンとしたようです。
ヘスのワインで今買うべきは、このエステートです。
ヘス・コレクションはスイス人のドナルド・ヘスが創設したワイナリー。ワイナリーに美術館を併設しており、おそらく「コレクション」の名前はそこから来ているのだと思います。ドナルド・ヘスの2人めの妻ウルスラの娘サブリナとその夫のティモシー・パーズソンが現在のオーナーとなっています。
この10年間の最大の変化が「ヘス・コレクション」ブランドのワインだけでなく「ライオンズ・ヘッド」と呼ぶ新たなラグジュアリーブランドを始めたこと。「LION TAMER」と「PANTHERA」という名前のワインがこちらに相当します。
今回は、この2つのブランドがあることをより明らかにするため、総称としてのワイナリー名をヘス・パーズソンとしたようです。
ヘスのワインで今買うべきは、このエステートです。
終売で特別価格になり、大人気の「セニス」。このブログでも「現地価格より4割引!? パーカー94点、ヴェリテの弟格」の記事を皮切りに何度も取り上げています。特に今月は楽天のスーパーセールがあったり、しあわせワイン倶楽部でセニスが送料無料になっていたりで、購入した人がたくさんいたようです。
しあわせワイン倶楽部のセニスのリンクはこちら
というわけで、これをみんなで飲もうと、なんと19人で宴会してしまいました。
もちろん、オンラインです。
少なくともこれだけの人がセニスを買っているのだからすごいですね。
参加された人などは「安ワイン道場師範」の記事に記載されております。輸入元である都光の戸塚直孝社長も途中まで参加されました。
2021年9月:稽古日誌
一次会で2時間、二次会は途中で退出しましたが、1時間半くらい盛り上がっていたようです。もちろんセニスの話だけをしていたわけではありませんがいろいろな人と一つのワインの話ができるのもいいですね。
オンラインワイン会はワインの量も自分でコントロールできるし、リアルとはまた違った面白さや良さがあるなあと改めて思っています。
ソノマ・カウンティ・ワイン・オークションが2021年9月16~18日に開催されました。昨年はオンラインでのライブオークションでしたが、今年はワクチン接種済みか、検査で陰性を条件にしてリアル(一部オンライン)での開催となりました。また、シャトルバスとトイレではマスクが必要となっていました。会場は「ラ・クレマ」のサラリー・ヴィンヤードでオークション自体は屋外で開かれました。
過去の落札額は2014年が400万ドル、2015年が450万ドル、2016年が470万ドル、2017年が520万ドル、2018年が570万ドル、2019年が610万ドルと増えていっていましたが、2020年はオンライン開催で117万ドル。今年は170万ドルを超える落札額と、2019年までには届きませんが昨年を超える落札額となりました。
収益はソノマの子どもたちのために使われます。
過去の落札額は2014年が400万ドル、2015年が450万ドル、2016年が470万ドル、2017年が520万ドル、2018年が570万ドル、2019年が610万ドルと増えていっていましたが、2020年はオンライン開催で117万ドル。今年は170万ドルを超える落札額と、2019年までには届きませんが昨年を超える落札額となりました。
収益はソノマの子どもたちのために使われます。
米国の下院は山火事や干ばつ、ハリケーンなどの被害を受けた週を対象に災害支援法案を可決しました。トータルで286億ドルの支援を行い、うち100億ドルは農業に充てられます。
支援の対象は2020年または2021年に災害によって被害を受けた様々な作物。最近のハリケーンなどの被害を受けたところも含んでいます。ワイン業界にとって大きいのは山火事による煙の被害でワイン造りを行わなかったワイナリーなども対象になることです。また、干ばつによる被害も対象です。2021年は干ばつのため、収穫量が少なくなることが想定されていますが、そういったものも支援対象になるようです。
米国はこういったときに思い切った支援を行うところは強いですね。
支援の対象は2020年または2021年に災害によって被害を受けた様々な作物。最近のハリケーンなどの被害を受けたところも含んでいます。ワイン業界にとって大きいのは山火事による煙の被害でワイン造りを行わなかったワイナリーなども対象になることです。また、干ばつによる被害も対象です。2021年は干ばつのため、収穫量が少なくなることが想定されていますが、そういったものも支援対象になるようです。
米国はこういったときに思い切った支援を行うところは強いですね。
カリフォルニアワイン協会とナパ・ヴァレー・ヴィントナーズがワインの資格認定をそれぞれ始めます。
カリフォルニアワイン協会が始めるのはCapstone Californiaという4レベルのプログラム。 Introductory, Intermediate, Advanced and Expert/Ambassadorの4レベルにまだ日本では正式発表していませんが、米国のWine Instituteが発表しており、その中で2021年秋に日本でも導入予定とされています(New Capstone California Global Education Program Focuses Exclusively ...)。
【追記】日本でも正式発表されました。10月下旬にレベル1が開講です。オンラインだけでも受けられます。
カリフォルニアワイン協会公認教育プログラム「キャップストーン・カリフォルニア」この秋から日本でも受講可能に | カリフォルニアワイン協会
アカデミー・デュ・ヴァンでのリアル講座はこちら
青山校 カリフォルニアワイン協会公認教育プログラム キャップストーン・カリフォルニア(Capstone California)レベル1資格認定講座 | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
サイトによるとIntroductory Level 1は6時間で175ドル。Intermediate Level 2は20時間で375ドル。Advanced 3は50時間で975ドル。Expert Level 4は125時間で3750ドル。Ambassador Level 4は125時間とカリフォルニアでのツアーで4250ドルとなっています。Ambassador Levelはブラインドテイスティングなども含んでおり、相当高度な知識が必要になります。その代わり、ここまで取得するとこのプログラムの講師としての資格も得られます。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが始めるのは「NAPA VALLEY WINE EXPERT PROGRAM」という日本オリジナルのプログラムで日本ソムリエ協会との協力で実施します。1st STAGEはNAPA VALLEY WINE EXPERT、NAPA VALLEY WINE EDUCATORという資格を得るもので60分のオンラインテストで認定します。WINE EXPERTは70点以上、WINE EDUCATORは85点以上で合格です。
これらの中から成績上位者は2nd STAGEに進むことができ、この中からNAPA VALLEY WINE BEST EDUCATOR 2022とNAPA VALLEY WINE BEST SOMMELIER AMBASSADOR 2022を一人ずつ選出します。ここではテイスティングと面接の試験があります。
また、これに伴い11月に試飲付きのオンラインセミナーを開催します。
詳しくは
NAPA VALLEY WINE EXPERT PROGRAM 2022 | ナパヴァレー・ヴィントナーズ
どちらも、とても本格的な認定試験のようです。こういった認定を行っていくのはいいですね。カリフォルニアワインについて勉強するモチベーションができると思います。私が今年オレゴンとワシントンの認定試験(カリフォルニアワイン協会のレベル1相当と思われます)を受けたときも、ちゃんとした基礎知識が得られたのと同時に、これらの地域への興味と関心もアップしたのを感じました。同じようにカリフォルニアワインに詳しく、親しみを感じ、興味を持つ人が増えてくれたら素晴らしいことです。
私もがんばってチャレンジしてみたいと思います。
カリフォルニアワイン協会が始めるのはCapstone Californiaという4レベルのプログラム。 Introductory, Intermediate, Advanced and Expert/Ambassadorの4レベルにまだ日本では正式発表していませんが、米国のWine Instituteが発表しており、その中で2021年秋に日本でも導入予定とされています(New Capstone California Global Education Program Focuses Exclusively ...)。
【追記】日本でも正式発表されました。10月下旬にレベル1が開講です。オンラインだけでも受けられます。
カリフォルニアワイン協会公認教育プログラム「キャップストーン・カリフォルニア」この秋から日本でも受講可能に | カリフォルニアワイン協会
アカデミー・デュ・ヴァンでのリアル講座はこちら
青山校 カリフォルニアワイン協会公認教育プログラム キャップストーン・カリフォルニア(Capstone California)レベル1資格認定講座 | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
サイトによるとIntroductory Level 1は6時間で175ドル。Intermediate Level 2は20時間で375ドル。Advanced 3は50時間で975ドル。Expert Level 4は125時間で3750ドル。Ambassador Level 4は125時間とカリフォルニアでのツアーで4250ドルとなっています。Ambassador Levelはブラインドテイスティングなども含んでおり、相当高度な知識が必要になります。その代わり、ここまで取得するとこのプログラムの講師としての資格も得られます。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが始めるのは「NAPA VALLEY WINE EXPERT PROGRAM」という日本オリジナルのプログラムで日本ソムリエ協会との協力で実施します。1st STAGEはNAPA VALLEY WINE EXPERT、NAPA VALLEY WINE EDUCATORという資格を得るもので60分のオンラインテストで認定します。WINE EXPERTは70点以上、WINE EDUCATORは85点以上で合格です。
これらの中から成績上位者は2nd STAGEに進むことができ、この中からNAPA VALLEY WINE BEST EDUCATOR 2022とNAPA VALLEY WINE BEST SOMMELIER AMBASSADOR 2022を一人ずつ選出します。ここではテイスティングと面接の試験があります。
また、これに伴い11月に試飲付きのオンラインセミナーを開催します。
詳しくは
NAPA VALLEY WINE EXPERT PROGRAM 2022 | ナパヴァレー・ヴィントナーズ
どちらも、とても本格的な認定試験のようです。こういった認定を行っていくのはいいですね。カリフォルニアワインについて勉強するモチベーションができると思います。私が今年オレゴンとワシントンの認定試験(カリフォルニアワイン協会のレベル1相当と思われます)を受けたときも、ちゃんとした基礎知識が得られたのと同時に、これらの地域への興味と関心もアップしたのを感じました。同じようにカリフォルニアワインに詳しく、親しみを感じ、興味を持つ人が増えてくれたら素晴らしいことです。
私もがんばってチャレンジしてみたいと思います。
ナパでも最高級のシャルドネやシラーなどを作るコングスガード。そのジェネラル・マネージャーである副ワインメーカーでもあるエヴァン・フレイジャー氏の個人ブランド「ファーディナンド(Ferdinand)」のセミナーを聴講しました。
ファーディナンドというのは、絵本に出てくる闘牛のキャラクター。フレイジャー氏のニックネームだったそうです。
大学で哲学を学んだというフレイジャー氏とコングスガードをつないだのが、スコリウム・プロジェクトのエイブ・ショーナー氏。スコリウム・プロジェクトはカリフォルニアでもかなり異端な自然派のワイナリーですが、エイブ・ショーナー氏も哲学を専攻しており、またワイン造りをジョン・コングスガード氏に教わっていたのでした。セントジョンズカレッジという大学でフレイジャー氏とショーナー氏も学び、ショーナー氏はその後教授になっていました。
その後、ショーナー氏はフランスのラングドック・ルーションにあるモーリーに畑を買って移り住み、フレイジャー氏もそこに行きました。当時はそのあたりは非常に土地が安かったそうですが、グルナッシュやカリニャンなど、フィロキセラ以前の100年を超えるような樹齢のブドウもあったそうです。また、ここはピレネー山脈に近く、スペインのプリオラートと共通する土壌もあったとのこと。そういったことから自身のブランドではスペイン品種を作ろうと思ったのでした。
2010年にファーディナンドを始め、最初はグルナッシュとカリニャンのブレンド(1ヴィンテージのみ醸造)とアルバリーニョを作りました。本当はグルナッシュ・ブランを作りたかったそうなのですが、ロウダイのBorden Ranchにあったグルナッシュ・ブランは他のワイナリーで使われており、やむなく同じ畑のアルバリーニョを作ったとのこと。
アルバリーニョはカリフォルニアでは、かなりマイナーな品種で2019年の収穫量で3600トン程度。白ワイン全体のわずか0.2%ほどにすぎません。ただ、個人的にはこれから人気が上がってくるのではないかと思っています。
栽培上の特徴としては、温暖なところでも酸を保持すること。ファーディナンドのアルバリーニョも温かいロウダイで作られていますが、非常にバランスのいい味わいです。また、房がややバラけておりカビ病になりにくいことから有機栽培にしやすい品種でもあるそうです。Borden Ranchも2018年からは有機栽培認定されています。
フレイバーの特徴はフレイジャー氏によると「リースリングとソーヴィニヨン・ブランとシャルドネで三角形を作ったらその中央に位置する」とのこと。シャルドネのボディほど強くなく、リースリングやソーヴィニヨン・ブランほどアロマが突出しないそうです。
また、カリフォルニアのアルバリーニョはスペインと比べるとやや芳醇なアロマで桃や白桃の香りが強いとのこと。
試飲しました。
確かに酸はかなりしっかりとしています。スイカズラや濡れた石、白桃、オレンジピール、レモンの風味。非常にバランスよく、グラスをついつい重ねたくなるワインです。日本人初のマスターソムリエで、世界最年少のマスターソムリエでもある高松亨さんによると、酵母っぽさや塩味もアルバリーニョの特徴で、それが出ているとのことでしたが、そこはよくわかりませんでした。
ファーディナンドのアルバリーニョ、2~3年ほど前から個人的にはプッシュしているつもりのワインです。本当に美味しいのでぜひ飲んでほしい。
ちなみにコングスガードでもナパのブドウでアルバリーニョを作っていますが、価格は2万円近く。彼はこれとは違って手に入って飲みやすい価格帯のものを自身のブランドではやりたいそうです。
そして、2018年からはついに念願のグルナッシュ・ブランを作り始めたそうです。こちらは未試飲ですが非常に気になります。
ファーディナンドというのは、絵本に出てくる闘牛のキャラクター。フレイジャー氏のニックネームだったそうです。
大学で哲学を学んだというフレイジャー氏とコングスガードをつないだのが、スコリウム・プロジェクトのエイブ・ショーナー氏。スコリウム・プロジェクトはカリフォルニアでもかなり異端な自然派のワイナリーですが、エイブ・ショーナー氏も哲学を専攻しており、またワイン造りをジョン・コングスガード氏に教わっていたのでした。セントジョンズカレッジという大学でフレイジャー氏とショーナー氏も学び、ショーナー氏はその後教授になっていました。
その後、ショーナー氏はフランスのラングドック・ルーションにあるモーリーに畑を買って移り住み、フレイジャー氏もそこに行きました。当時はそのあたりは非常に土地が安かったそうですが、グルナッシュやカリニャンなど、フィロキセラ以前の100年を超えるような樹齢のブドウもあったそうです。また、ここはピレネー山脈に近く、スペインのプリオラートと共通する土壌もあったとのこと。そういったことから自身のブランドではスペイン品種を作ろうと思ったのでした。
2010年にファーディナンドを始め、最初はグルナッシュとカリニャンのブレンド(1ヴィンテージのみ醸造)とアルバリーニョを作りました。本当はグルナッシュ・ブランを作りたかったそうなのですが、ロウダイのBorden Ranchにあったグルナッシュ・ブランは他のワイナリーで使われており、やむなく同じ畑のアルバリーニョを作ったとのこと。
アルバリーニョはカリフォルニアでは、かなりマイナーな品種で2019年の収穫量で3600トン程度。白ワイン全体のわずか0.2%ほどにすぎません。ただ、個人的にはこれから人気が上がってくるのではないかと思っています。
栽培上の特徴としては、温暖なところでも酸を保持すること。ファーディナンドのアルバリーニョも温かいロウダイで作られていますが、非常にバランスのいい味わいです。また、房がややバラけておりカビ病になりにくいことから有機栽培にしやすい品種でもあるそうです。Borden Ranchも2018年からは有機栽培認定されています。
フレイバーの特徴はフレイジャー氏によると「リースリングとソーヴィニヨン・ブランとシャルドネで三角形を作ったらその中央に位置する」とのこと。シャルドネのボディほど強くなく、リースリングやソーヴィニヨン・ブランほどアロマが突出しないそうです。
また、カリフォルニアのアルバリーニョはスペインと比べるとやや芳醇なアロマで桃や白桃の香りが強いとのこと。
試飲しました。
確かに酸はかなりしっかりとしています。スイカズラや濡れた石、白桃、オレンジピール、レモンの風味。非常にバランスよく、グラスをついつい重ねたくなるワインです。日本人初のマスターソムリエで、世界最年少のマスターソムリエでもある高松亨さんによると、酵母っぽさや塩味もアルバリーニョの特徴で、それが出ているとのことでしたが、そこはよくわかりませんでした。
ファーディナンドのアルバリーニョ、2~3年ほど前から個人的にはプッシュしているつもりのワインです。本当に美味しいのでぜひ飲んでほしい。
ちなみにコングスガードでもナパのブドウでアルバリーニョを作っていますが、価格は2万円近く。彼はこれとは違って手に入って飲みやすい価格帯のものを自身のブランドではやりたいそうです。
そして、2018年からはついに念願のグルナッシュ・ブランを作り始めたそうです。こちらは未試飲ですが非常に気になります。
ヘス・コレクションというと最近は安価なシャーテイル・ランチなどが話題になっていますが、元々はナパのマウント・ヴィーダーを代表する「山カベ」(ナパのヴァレーフロアでなく山地で作られるカベルネのこと)のプロデューサーです。この「マウント・ヴィーダー カベルネ・ソーヴィニヨン」がなんと日本への割当無期限ゼロになってしまったとのこと。カリフォルニアワインあとりえでは最後の在庫の3割引セールをしています。
山カベといってもナパの東側のハウエル・マウンテンあるいはプリチャード・ヒルあたりのものと、西側のマウント・ヴィーダー、スプリング・マウンテン、ダイヤモンド・マウンテンのものとありますが、いかにも山カベらしい、でタニックで引き締まった味わいのものというと、斜度の大きな土地が多く、東の山よりも気温がやや低くなる西のもの、特に一番南で冷涼なマウント・ヴィーダーが一番イメージにぴったりします。ここを代表するのが近年高評価続きのマヤカマスと、このヘス・コレクションといっていいでしょう。
ヘスのワインの中でもアローミなどはナパのポープ・ヴァレーと呼ばれる別の地域の畑のブドウで作られていますし、ヘス・セレクトなどより安価なラインは、AVAが「ノース・コースト」になりますから、より広いエリアからの買いブドウを使っています。ヘスのヘスらしいワインといえばやっぱりマウント・ヴィーダーのカベルネ・ソーヴィニヨンというのは衆目の一致するところです。
一方のマヤカマスは近年の高評価もあって価格が2万を超えてしまいますが、カリフォルニアワインあとりえでのヘスは税込みでも1万円切り。しかも2014年はパーカーポイントで94点と、このワインの長い歴史の中でも上から2番めの評価。アントニオ・ガッローニも92点を付けています。
山カベの真髄をぜひ味わってください。
山カベといってもナパの東側のハウエル・マウンテンあるいはプリチャード・ヒルあたりのものと、西側のマウント・ヴィーダー、スプリング・マウンテン、ダイヤモンド・マウンテンのものとありますが、いかにも山カベらしい、でタニックで引き締まった味わいのものというと、斜度の大きな土地が多く、東の山よりも気温がやや低くなる西のもの、特に一番南で冷涼なマウント・ヴィーダーが一番イメージにぴったりします。ここを代表するのが近年高評価続きのマヤカマスと、このヘス・コレクションといっていいでしょう。
ヘスのワインの中でもアローミなどはナパのポープ・ヴァレーと呼ばれる別の地域の畑のブドウで作られていますし、ヘス・セレクトなどより安価なラインは、AVAが「ノース・コースト」になりますから、より広いエリアからの買いブドウを使っています。ヘスのヘスらしいワインといえばやっぱりマウント・ヴィーダーのカベルネ・ソーヴィニヨンというのは衆目の一致するところです。
一方のマヤカマスは近年の高評価もあって価格が2万を超えてしまいますが、カリフォルニアワインあとりえでのヘスは税込みでも1万円切り。しかも2014年はパーカーポイントで94点と、このワインの長い歴史の中でも上から2番めの評価。アントニオ・ガッローニも92点を付けています。
山カベの真髄をぜひ味わってください。
塩尻ワインサークルの試飲付きオンラインセミナーに参加しました。日本ワインは、年々良くなっているという話は聞いていますが、なかなか自分で試す機会はなく、こういうセミナーはありがたいです。
解説はメルシャンの高瀬秀樹さん。桔梗ヶ原で醸造と最愛を担当されています。メルシャンの桔梗ヶ原メルローといえば、日本を代表する赤ワインですから、当然そこで作られているものと思っていたのですが、実は醸造設備ができたのは2018年と新しく、それまでは山梨の勝沼で醸造していたのだそうです。
桔梗ヶ原のあたりは標高700~900メートルとかなり高く、「黒ぼく土」(色が黒くてぼくぼくした感じの土だそうです)が多く柔らかくて水はけのよい土壌がメルローに向いているようです。
桔梗ヶ原のワイナリーのすぐ脇には「箱庭ヴィンヤード」という畑があり、今回は貴重なそこのブドウのワインも試飲アイテムに入っています。
最初のワインは北信シャルドネ2017。千曲川流域の北信地区(長野市・須坂市・高山村)のブドウを使っています。
おだやかで温かさを感じるシャルドネです。濡れた石や白桃、ネクタリンなど熟した果実の風味がします。芳醇で美味しいですが、個人的にはもう少し酸がほしい感じもしました。
2つ目のワインは桔梗ヶ原メルローロゼ2019。セニエ(赤ワインとして発酵途中の果汁を抜き取ってロゼに使う)を40%とダイレクト(白ワインのように除梗破砕してプレスする)を60%使っています。ダイレクトの比率が高いためか、かなり色が薄めのロゼです。バナナや白桃の風味。
3つ目と4つ目はメルロー。塩尻メルロー2018は桔梗ヶ原を含む塩尻のメルローで、桔梗ヶ原から北東方向にあるメルシャンの片丘ヴィンヤードのブドウも今回始めて使っているそうです。とてもエレガントで黒鉛やカシス、甘草などの風味。ちょっと青っぽさもありますが良質なメルローです。
最後は箱庭ヴィンヤードメルロー。メルシャンが塩尻で初めて垣根式栽培を始めた畑だとのこと。メルローのほか少量のカベルネ・フランもうわっており、このワインにも1%ほどブレンドされています。380本しか作られておらず、通常ではなかなか飲めないワインです。酸もタンニンもかなりしっかりしています。カシスや黒鉛、ミンティな風味もあり硬質でバランス良く美味しい。これはとてもいいですね。
セミナーではワイナリーや畑を歩き回っての映像もあり、とても楽しく勉強になりました。
9月27日にはオンラインでのブラインドワイン会も開催されるそうです。
【塩尻ワインパーティーオンライン/ブラインドワイン会】参加申込書
解説はメルシャンの高瀬秀樹さん。桔梗ヶ原で醸造と最愛を担当されています。メルシャンの桔梗ヶ原メルローといえば、日本を代表する赤ワインですから、当然そこで作られているものと思っていたのですが、実は醸造設備ができたのは2018年と新しく、それまでは山梨の勝沼で醸造していたのだそうです。
桔梗ヶ原のあたりは標高700~900メートルとかなり高く、「黒ぼく土」(色が黒くてぼくぼくした感じの土だそうです)が多く柔らかくて水はけのよい土壌がメルローに向いているようです。
桔梗ヶ原のワイナリーのすぐ脇には「箱庭ヴィンヤード」という畑があり、今回は貴重なそこのブドウのワインも試飲アイテムに入っています。
最初のワインは北信シャルドネ2017。千曲川流域の北信地区(長野市・須坂市・高山村)のブドウを使っています。
おだやかで温かさを感じるシャルドネです。濡れた石や白桃、ネクタリンなど熟した果実の風味がします。芳醇で美味しいですが、個人的にはもう少し酸がほしい感じもしました。
2つ目のワインは桔梗ヶ原メルローロゼ2019。セニエ(赤ワインとして発酵途中の果汁を抜き取ってロゼに使う)を40%とダイレクト(白ワインのように除梗破砕してプレスする)を60%使っています。ダイレクトの比率が高いためか、かなり色が薄めのロゼです。バナナや白桃の風味。
3つ目と4つ目はメルロー。塩尻メルロー2018は桔梗ヶ原を含む塩尻のメルローで、桔梗ヶ原から北東方向にあるメルシャンの片丘ヴィンヤードのブドウも今回始めて使っているそうです。とてもエレガントで黒鉛やカシス、甘草などの風味。ちょっと青っぽさもありますが良質なメルローです。
最後は箱庭ヴィンヤードメルロー。メルシャンが塩尻で初めて垣根式栽培を始めた畑だとのこと。メルローのほか少量のカベルネ・フランもうわっており、このワインにも1%ほどブレンドされています。380本しか作られておらず、通常ではなかなか飲めないワインです。酸もタンニンもかなりしっかりしています。カシスや黒鉛、ミンティな風味もあり硬質でバランス良く美味しい。これはとてもいいですね。
セミナーではワイナリーや畑を歩き回っての映像もあり、とても楽しく勉強になりました。
9月27日にはオンラインでのブラインドワイン会も開催されるそうです。
【塩尻ワインパーティーオンライン/ブラインドワイン会】参加申込書
私もお手伝いさせていただいている「しあわせワイン倶楽部」さんが10周年を迎えました。全く畑違いからワインが好きだという思いだけで始められたショップ。最初は1年半も全く売上がないという状況から、今ではカリフォルニアワインといえば、というほどのショップに成長されました。ワインを買うと、水やワインの資料などおまけもおおく、本当に、買った人を幸せにしたいという気持ちが伝わってくるショップです。
その10周年記念としてワインを5本以上買えば必ず1本のワインをプレゼントするというキャンペーンを9月中行っています(なくなり次第終了、お一人様1回限り)。
プレゼントになるのは「絆」という意味のフランス産スパークリングワイン。ボルドー5級シャトーのオーナーであるボリー・マヌー家が手掛けているそうです。
このほか、5人に1人にワイナリーグッズをプレゼント、先着500人にハーブティまたはドライフルーツをプレゼントといつもに増しておまけ満載となっています。
今のおすすめワインとしては、今月中送料無料のセニスはぜひ抑えたいところ。
ロウアーのヴィオニエ、一時ほど話題になっていませんですが、このコスパはすごいです。
セインツベリーの熟成シラーはコスパ度で言えばセニスを上回るかもしれません。
サクラアワードでダイヤモンドトロフィーを取ったそのものです。
ウェンテのモーニング・フォグはカリフォルニアのシャルドネの原点と呼べるウェンテの中でも完成度の高いワイン。カリフォルニアワインファンだったら一度は飲んでおくべきワインです。
その10周年記念としてワインを5本以上買えば必ず1本のワインをプレゼントするというキャンペーンを9月中行っています(なくなり次第終了、お一人様1回限り)。
プレゼントになるのは「絆」という意味のフランス産スパークリングワイン。ボルドー5級シャトーのオーナーであるボリー・マヌー家が手掛けているそうです。
このほか、5人に1人にワイナリーグッズをプレゼント、先着500人にハーブティまたはドライフルーツをプレゼントといつもに増しておまけ満載となっています。
今のおすすめワインとしては、今月中送料無料のセニスはぜひ抑えたいところ。
ロウアーのヴィオニエ、一時ほど話題になっていませんですが、このコスパはすごいです。
セインツベリーの熟成シラーはコスパ度で言えばセニスを上回るかもしれません。
サクラアワードでダイヤモンドトロフィーを取ったそのものです。
ウェンテのモーニング・フォグはカリフォルニアのシャルドネの原点と呼べるウェンテの中でも完成度の高いワイン。カリフォルニアワインファンだったら一度は飲んでおくべきワインです。
ブリュワー・クリフトン、ダイアトム、シャトー・イガイタカハの漢字シリーズなどのワインで知られるグレッグ・ブリュワーが、シラーを作り始めています。「Ex Post Facto(エクス ポスト ファクト)」というのは「After the fact」という意味で、ブリュワー・クリフトンの枠から外れたワインを作ってみたいという意味合いがあるそうです。とはいっても別のワイナリーを作ったわけではなく、あくまでブリュワー・クリフトンのワインの一つとして売られています。
2016年のヴィンテージから作られていますが、国内輸入は2018年のヴィンテージから。このヴィンテージはヴィナスで94点、ワイン・エンスージアストでも94点と高い評価を得ています。
非常に冷涼な産地ですが、45~60日のスキンコンタクトと全房発酵によって、濃厚で個性あふれる仕上がりになったようです。
メルヴィルのワインメーカーだったころは秀逸なシラーをかなり作っていましたが、自身のブランドとしては初めてのシラー、興味深いワインです。
なお、輸入量はごく少量のようですので、買うなら早めに動くのが吉です。
2016年のヴィンテージから作られていますが、国内輸入は2018年のヴィンテージから。このヴィンテージはヴィナスで94点、ワイン・エンスージアストでも94点と高い評価を得ています。
非常に冷涼な産地ですが、45~60日のスキンコンタクトと全房発酵によって、濃厚で個性あふれる仕上がりになったようです。
メルヴィルのワインメーカーだったころは秀逸なシラーをかなり作っていましたが、自身のブランドとしては初めてのシラー、興味深いワインです。
なお、輸入量はごく少量のようですので、買うなら早めに動くのが吉です。
ひと目見たら忘れられない骸骨のラベルが印象的なクロニック・セラーズ。ラベルが派手なだけの色物のように見えてしまうかもしまいませんが、パソ・ロブレスの秀逸な生産者の一つです。先日コストコにいったら2種類入荷していたので飲んでみました。
左が2019年の「パープル・パラダイス」。セパージュはジンファンデルが70%、プティ・シラー17%、シラー9%、グルナッシュ4%です。ちょっと甘やかで、濃厚。甘草やスミレ、ブルーベリー、ドライプラムなどの味わいです。やわらかでふくよかなワイン。
右が2018年の「ソファ・キング・ブエノ」。セパージュはシラー58%、プティ・シラー27%、グルナッシュ10%、タナ4%、ムールヴェードル1%。スパイシーでやや硬質。フルボディで余韻も長い。個人的にはこちらの方が好みの味わいですが、ちょっと甘やかでふくよかなワインが好きならパープル・パラダイスをおすすめします。
ちなみにパープル・パラダイス2019はワイン・エンスージアストで88点、ソファ・キング・ブエノ2018は同じく90点でした。
今コストコでワイン買うならこれかマイケル・デイヴィッド、ヘスあたりが特にお薦めです。
左が2019年の「パープル・パラダイス」。セパージュはジンファンデルが70%、プティ・シラー17%、シラー9%、グルナッシュ4%です。ちょっと甘やかで、濃厚。甘草やスミレ、ブルーベリー、ドライプラムなどの味わいです。やわらかでふくよかなワイン。
右が2018年の「ソファ・キング・ブエノ」。セパージュはシラー58%、プティ・シラー27%、グルナッシュ10%、タナ4%、ムールヴェードル1%。スパイシーでやや硬質。フルボディで余韻も長い。個人的にはこちらの方が好みの味わいですが、ちょっと甘やかでふくよかなワインが好きならパープル・パラダイスをおすすめします。
ちなみにパープル・パラダイス2019はワイン・エンスージアストで88点、ソファ・キング・ブエノ2018は同じく90点でした。
今コストコでワイン買うならこれかマイケル・デイヴィッド、ヘスあたりが特にお薦めです。
Wine-Searcherに世界で一番コスパの高い8ピノ・ノワールのトップ10を選んだ記事が載っていました(The World's Best Value Pinot Noirs | Wine-Searcher News & Features)。
ここでコスパの指標としては単純に評論家などのスコアを価格で割った数字を採用しています。また、スコアは91点以上のものだけ。あまりに入手しにくいものはリストから除外されています。
結果はこれです。
1 2017 Tabali Vetas Blancas Reserva Especial Pinot Noir, Limari Valley 6.06
2 2019 Errazuriz Aconcagua Costa Pinot Noir, Aconcagua Valley 4.97
3 2017 Tabali Talinay Pinot Noir, Limari Valley 4.89
4 2015 White Rose Estate Pinot Noir, Dundee Hills 3.39
5 2018 Domaine Nico Soeur et Freres Grand Pere, Mendoza 3.20
6 2017 Domaine Nico Soeur et Freres Grand Pere, Mendoza 3.17
7 2017 Cantina Terlano-Kellerei Terlan Monticol Pinot Nero Riserva, Alto Adige 3.10
8 2017 Hartford Family Winery Land's Edge Vineyards, Sonoma Coast 2.16
9 2018 Domaine Nico Soeur et Freres La Savante, Mendoza 2.02
10 2018 Anthill Farms Campbell Ranch Vineyard, Sonoma Coast 1.84
チリのリマーリ・ヴァレーにあるTabaliが1位と3位に入りました。アルゼンチンのDomaine Nicoが5、6、9位と3つランクイン。米国から3つ、イタリアから1つと、南北アメリカが優勢となる結果でした。カリフォルニアからはハートフォードのランズ・エッジ ピノ・ノワール 2017とアントヒル・ファームズのキャンベル・ランチ 2018が入っています。ちなみに2019年の同じリストではニュージーランドが9つはいっていましたが今回はゼロとなりました。
ヴィンテージ不明のものもありますが、日本で購入できるのは以下のワインです。
1位のタバリ ヴェタスブランカス Resエスペシアルです。
2位のエラスリス アコンカグア・コースタ。チリのジュヴレ・シャンベルタンという異名があるとか。
3位のタバリ タリネイ。
10位のアントヒル・ファームズ。ヴィンテージも一致しています。コスパの高さで知られていましたが、今回数字でもそれが実証されました。
ここでコスパの指標としては単純に評論家などのスコアを価格で割った数字を採用しています。また、スコアは91点以上のものだけ。あまりに入手しにくいものはリストから除外されています。
結果はこれです。
1 2017 Tabali Vetas Blancas Reserva Especial Pinot Noir, Limari Valley 6.06
2 2019 Errazuriz Aconcagua Costa Pinot Noir, Aconcagua Valley 4.97
3 2017 Tabali Talinay Pinot Noir, Limari Valley 4.89
4 2015 White Rose Estate Pinot Noir, Dundee Hills 3.39
5 2018 Domaine Nico Soeur et Freres Grand Pere, Mendoza 3.20
6 2017 Domaine Nico Soeur et Freres Grand Pere, Mendoza 3.17
7 2017 Cantina Terlano-Kellerei Terlan Monticol Pinot Nero Riserva, Alto Adige 3.10
8 2017 Hartford Family Winery Land's Edge Vineyards, Sonoma Coast 2.16
9 2018 Domaine Nico Soeur et Freres La Savante, Mendoza 2.02
10 2018 Anthill Farms Campbell Ranch Vineyard, Sonoma Coast 1.84
チリのリマーリ・ヴァレーにあるTabaliが1位と3位に入りました。アルゼンチンのDomaine Nicoが5、6、9位と3つランクイン。米国から3つ、イタリアから1つと、南北アメリカが優勢となる結果でした。カリフォルニアからはハートフォードのランズ・エッジ ピノ・ノワール 2017とアントヒル・ファームズのキャンベル・ランチ 2018が入っています。ちなみに2019年の同じリストではニュージーランドが9つはいっていましたが今回はゼロとなりました。
ヴィンテージ不明のものもありますが、日本で購入できるのは以下のワインです。
1位のタバリ ヴェタスブランカス Resエスペシアルです。
2位のエラスリス アコンカグア・コースタ。チリのジュヴレ・シャンベルタンという異名があるとか。
3位のタバリ タリネイ。
10位のアントヒル・ファームズ。ヴィンテージも一致しています。コスパの高さで知られていましたが、今回数字でもそれが実証されました。
ボーグルの最上級ワイン「ジャガーナット(Juggernaut)」が国内に入荷しています。ただし、非常に少量しか入っていないようなので入手は早いもの勝ち状態です。そして、最上級といっても税込み4000円前後なのがさすがボーグルといったところです。
輸入元のオルカ・インターナショナルの説明では以下のように書かれています。
品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワール。ピノ・ノワールはロシアン・リバー・ヴァレーのAVA表記となっています。ラベルはかなりワイルドな感じ。
シマヤ酒店です。
Wassy'sです。
輸入元のオルカ・インターナショナルの説明では以下のように書かれています。
カリフォルニアの超人気ワインBOGLEが保有する800ha以上の自社畑+91の契約農家のブドウ畑の中の最高ランクのブドウ、丘陵地の斜面/ヒルサイドのブドウのみを使用して造った ”Juggernaut~ジャガーナット”
ジャガーナット:絶対的な力、不可抗力的なもの、人を犠牲にするもの
品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワール。ピノ・ノワールはロシアン・リバー・ヴァレーのAVA表記となっています。ラベルはかなりワイルドな感じ。
シマヤ酒店です。
Wassy'sです。
トーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーを務める新しいプロジェクトがまた公開になりました(Napa Winery Project Finally Opens | Wine-Searcher News & Features)。が、今回は彼の入れ込み方も他のワイナリーと大きく異なっています。
このワイナリー「エルーサ(Elusa)」はナパのカリストガのフォーシーズンズホテルの中にあります。とはいえ現状ホテルはオープンしておらず、ワイナリーだけができた状態です。
このワイナリーのこだわりはカリストガ。自社畑もありますが、近隣の畑からもブドウを買い、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ソーヴィニヨン・ブランを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンはカリストガらしい温かくジンファンデルやプティ・シラー、シャルボノといったカリストガらしい品種にも挑戦するようです。
特筆すべきなのは、このワイナリーはホテル開業に合わせて形だけ作ったようなものではないことです。なんと9年前の2012年からワインを作っています。カベルネ・フランなどは2013年まで自社畑で醸造、その後中断を経て2018年から別のブドウ畑から調達して再び作り始めたとのことです。
トーマス・リヴァース・ブラウン本人がカリストガに住んでおり、本人の入れ込み方も半端ではないようです。オフのときも、ホテルのバーでくつろぐ姿が見られそうです。
このワイナリー「エルーサ(Elusa)」はナパのカリストガのフォーシーズンズホテルの中にあります。とはいえ現状ホテルはオープンしておらず、ワイナリーだけができた状態です。
このワイナリーのこだわりはカリストガ。自社畑もありますが、近隣の畑からもブドウを買い、カベルネ・ソーヴィニヨン、カベルネ・フラン、ソーヴィニヨン・ブランを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンはカリストガらしい温かくジンファンデルやプティ・シラー、シャルボノといったカリストガらしい品種にも挑戦するようです。
特筆すべきなのは、このワイナリーはホテル開業に合わせて形だけ作ったようなものではないことです。なんと9年前の2012年からワインを作っています。カベルネ・フランなどは2013年まで自社畑で醸造、その後中断を経て2018年から別のブドウ畑から調達して再び作り始めたとのことです。
トーマス・リヴァース・ブラウン本人がカリストガに住んでおり、本人の入れ込み方も半端ではないようです。オフのときも、ホテルのバーでくつろぐ姿が見られそうです。
オレゴンワインの業界団体であるオレゴン・ワイン・ボードは2020年のレポートを公開しました(New Oregon wine industry report exposes effects of COVID and 2020 wildfires - Oregon Wine Industry)。天候不順や山火事の影響で収穫は大きく減りました。販売面では横ばいでしたが、海外への輸出は24%も増えています。
面積あたりの収穫量は24%減。これは晩春が冷え込んでブドウの房のサイズが小さかったことによります。
トータルの収穫量は秋の蒸気の収穫減と山火事の影響で29%減でした。
販売量は0.7%と微増。コロナの影響でテイスティングルームが開かれなかったため、消費者への直接販売(DtC)は27%減でした。
販売額は4%と販売量を上回る増加。単価が上がっているのがオレゴンの成長にとっては大きくなっています。例えばDtCで送付したワインの平均額は1本41.88ドル。ナパの59.92ドルの次に高い地域となっています。
海外への販売は24%増。おしなべてすべてのエリアで増えています。カナダへの輸出が輸出全体の46%と依然として多く、このほかメキシコ、英国、欧州、香港、日本が主要なマーケットです。
面積あたりの収穫量は24%減。これは晩春が冷え込んでブドウの房のサイズが小さかったことによります。
トータルの収穫量は秋の蒸気の収穫減と山火事の影響で29%減でした。
販売量は0.7%と微増。コロナの影響でテイスティングルームが開かれなかったため、消費者への直接販売(DtC)は27%減でした。
販売額は4%と販売量を上回る増加。単価が上がっているのがオレゴンの成長にとっては大きくなっています。例えばDtCで送付したワインの平均額は1本41.88ドル。ナパの59.92ドルの次に高い地域となっています。
海外への販売は24%増。おしなべてすべてのエリアで増えています。カナダへの輸出が輸出全体の46%と依然として多く、このほかメキシコ、英国、欧州、香港、日本が主要なマーケットです。
リッジのブログに、エステートのカベルネ・ソーヴィニヨンの記事が出ていました(An Elegant Version of Monte Bello Made from Select Parcels - Ridge Vineyards)。リッジといえばフラッグシップのモンテ・ベッロのカベルネ・ソーヴィニヨンが有名ですが、この「エステート・カベルネ・ソーヴィニヨン」はセカンドワインではなく、ファーストワインとして作っています。
以前は作ったワインの中から樽ごとに比べていいものをモンて・ベッロ、残りをエステートという形でファーストとセカンド・ワインという位置づけになっていましたが、現在は、最初からエステート用のぶどうを分けて作っており、どちらも「ファースト・ワイン」だといいます。
ではモンて・ベッロとの違いはなにかというと、熟成に要する時間です。モンテ・ベッロは長い期間熟成させてから飲むことを想定しているのに対し、エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンは最初から美味しく飲めるように醸造しています。
リッジのエステート・カベルネ、1万円程度のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストの一つだと思います。長期熟成向けではないといいっう、10年から20年くらいは余裕で熟成します。非常にすばらしいワインです。
以前は作ったワインの中から樽ごとに比べていいものをモンて・ベッロ、残りをエステートという形でファーストとセカンド・ワインという位置づけになっていましたが、現在は、最初からエステート用のぶどうを分けて作っており、どちらも「ファースト・ワイン」だといいます。
ではモンて・ベッロとの違いはなにかというと、熟成に要する時間です。モンテ・ベッロは長い期間熟成させてから飲むことを想定しているのに対し、エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンは最初から美味しく飲めるように醸造しています。
リッジのエステート・カベルネ、1万円程度のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストの一つだと思います。長期熟成向けではないといいっう、10年から20年くらいは余裕で熟成します。非常にすばらしいワインです。
今期は6回の講座を2本と単発講座3本を出しています。
6回の講座の1つ目は「カリフォルニアワイン ベーシックマスター」。ナパ、ソノマなどカリフォルニアの代表的なワイン産地の特徴を学び、その地域を代表するようなワインを試飲します。4月から9月まで行った講座とタイトルは同じですが内容はブラッシュアップしています。試飲のワインもより面白く満足度が高いようなものを選んでいます(そのせいで受講料もちょっと上がってしまいましたが)。タイトルはベーシックですが、試飲のワインはベーシックレベルを超えているとのもっぱらの評判。フラッグシップ級のワインが必ず試飲に入ります。多少お勉強モードも入りますが、地域の特徴がよりよく分かると思います。
もうひとつは「対決・カリフォルニアの名門ワイナリー」
第1回 ロバート・モンダヴィとオーパス・ワン、コンティニュアム
第2回 リッジとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ
第3回 カレラとオー・ボン・クリマ
第4回 シェーファーとジョセフ・フェルプス
第5回 キスラーとオーベール
第6回 ターリーとベッドロック
という構成で、毎回2つのワイナリーを学んでそのワインを比較試飲するという面白く勉強になる講座です。カリフォルニアワインファンなら絶対楽しめます。
単発の講座は以前「カリフォルニアの超一流ワイナリー」として開講した3回のコースを1回ずつに分けたもの。この講座はワインがかなり高額で受講料も高くなるので、来られない回があるとかなりもったいない(他の講座に振替はできますが)。そこで、より申し込みやすいように1回ずつで申し込める形にしました。コルギン編が12月8日、シュレーダー編が1月19日、ハーラン編が3月2日です。
ワクチン接種が進めば、ワイン会などもできるようになるかなと思っていましたが、デルタ株の登場などで、まだしばらくは難しそうな状況が続きます。ワインスクールではマスク着用はもちろんのこと、換気も十分に行い、不必要な会話もなしで安全にワインが楽しめます。この状況だからこそぜひ受講いただけらばと思います。
6回の講座の1つ目は「カリフォルニアワイン ベーシックマスター」。ナパ、ソノマなどカリフォルニアの代表的なワイン産地の特徴を学び、その地域を代表するようなワインを試飲します。4月から9月まで行った講座とタイトルは同じですが内容はブラッシュアップしています。試飲のワインもより面白く満足度が高いようなものを選んでいます(そのせいで受講料もちょっと上がってしまいましたが)。タイトルはベーシックですが、試飲のワインはベーシックレベルを超えているとのもっぱらの評判。フラッグシップ級のワインが必ず試飲に入ります。多少お勉強モードも入りますが、地域の特徴がよりよく分かると思います。
もうひとつは「対決・カリフォルニアの名門ワイナリー」
第1回 ロバート・モンダヴィとオーパス・ワン、コンティニュアム
第2回 リッジとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ
第3回 カレラとオー・ボン・クリマ
第4回 シェーファーとジョセフ・フェルプス
第5回 キスラーとオーベール
第6回 ターリーとベッドロック
という構成で、毎回2つのワイナリーを学んでそのワインを比較試飲するという面白く勉強になる講座です。カリフォルニアワインファンなら絶対楽しめます。
単発の講座は以前「カリフォルニアの超一流ワイナリー」として開講した3回のコースを1回ずつに分けたもの。この講座はワインがかなり高額で受講料も高くなるので、来られない回があるとかなりもったいない(他の講座に振替はできますが)。そこで、より申し込みやすいように1回ずつで申し込める形にしました。コルギン編が12月8日、シュレーダー編が1月19日、ハーラン編が3月2日です。
ワクチン接種が進めば、ワイン会などもできるようになるかなと思っていましたが、デルタ株の登場などで、まだしばらくは難しそうな状況が続きます。ワインスクールではマスク着用はもちろんのこと、換気も十分に行い、不必要な会話もなしで安全にワインが楽しめます。この状況だからこそぜひ受講いただけらばと思います。
ナパのラザフォードにある名門ワイナリー「クインテッサ(Quintessa)」の2018年を試飲し、ワイナリーの方々に話を伺いました。昨年に続くインタビューです。
昨年のインタビューはこちら。
進化を遂げつつあるナパの隠れた自然派「クインテッサ」の魅力
クインテッサの説明を全部再掲すると長くなりすぎるので、簡単にまとめておきます。
クインテッサはチリのコンチャ・イ・トロのCEOだったアグスティン・ヒューネウスが1990年に設立。当初から有機栽培、現在はバイオダイナミクスでブドウを栽培しています。ワイナリーの名の付いたカベルネ・ソーヴィニヨン系ワイン1つだけを作っており、セカンドワインも出していません。200エーカーを超える自社畑は斜面や土壌など多様な環境。ほとんど米国内にしか出荷していませんでしたが、2019年からはオーパス・ワンなどと同様に、ボルドーのネゴシアン経由で世界市場にも販売しています。
初めに、昨年の火事の影響(クインテッサはグラスファイアーでワイナリーの直接被害があったところからあまり距離がありません)を聞きました。
2020年はシェーファーなどワインの醸造を諦めたワイナリーも少なからずありましたがクインテッサでは収穫・醸造をしています。一番の理由は「火事はこの年だけでなくまた起こる」から。そのときにどうやって対処するのがいいのかを学ぶために収穫も醸造もしたとのこと。したがって最終的にどういう形でワインになるのか、あるいはならないのかはまだわからないようです。
また、2021年のヴィンテージについては干ばつの影響が大きく、ブドウの木が十分に育たず、タンニンがハードになりがちだとのこと。気温は温暖だが暑くはなく、早めの収穫になりそうだとのことでした。
コロナの影響で収穫の労働力確保が大変という話もありますが、クインテッサでは自社で収穫のチームを持っているため、そういった問題はなさそうです。
クインテッサでは現ジェネラル・マネージャーのロドリゴ・ソト氏の就任以降、畑をより精緻に調べ、最適な栽培法などを追い求めています。昨年話を聞いたときには土壌の影響を調べるために畑に穴を掘って根の張り方などを見ているといったことがありました。例えば火山性の灰が固まった「モン・カリース」という土壌では、想像以上に水を保持せず、それがここの区域のブドウのタンニンをきついものにしていることがわかりました。そこでカバークロップを増やしたり、灌漑の水を増やすことで、やわらかいタンニンに変わりました。それまではブレンドから除外されることも多かったブロックですが、今では最重要なブロックの一つだそうです。
2018年のヴィンテージではイタリアから剪定の専門家を呼んで剪定についても調べているとのことでした。その結果、太い幹を横には這わせないコルドンの方が合っていることがわかってきたそうです。ただ単にバイオダイナミクスで栽培すればそれでいいというわけではなく、ブドウ栽培のいろいろな要素がワインに複雑に絡み合っていることが伺えます。
さて、2018年のワインですが、2017年には入っていなかったカベルネ・フランが加わりました。92%CS、2%Merlot、3%CF、2%Carmenere、1%PVという構成です。カルメネールが入っているのが、コンチャ・イ・トロ出身の創設者のこだわりの一つです。
カベルネ・フランは温かいヴィンテージはあまりよくなく2017年には入れてなかったのですが、2018年は涼しかったので加えたそうです。
カシスやブラックベリー、ブルーベリーといった青黒系の果実未に加え、杉やコーヒー、トースト、タバコといったフレーバーが顕著に見られます。緻密なタンニン。酸はやや高め、フルボディで非常に長い余韻。素晴らしいワインです。モダンナパ系というよりも、CASK23やアイズリー、リッジのモンテ・ベッロのようなクラシックなスタイルに近いワイン。20年30年の熟成でむちゃくちゃ美味しくなると思いますが今も十分に楽しめます。
ちなみにジェームズ・サックリングはこのヴィンテージに99点を付けています。2018年は今月出荷が始まっているので日本市場にも年内には入ってくると思います。リッジのモンテ・ベッロやCASK23、アイズリーと比べれば1万円以上安いですから、このスタイルのワインが好きな人には狙い目のワインの一つです。
こちらは前ヴィンテージの2017。
昨年のインタビューはこちら。
進化を遂げつつあるナパの隠れた自然派「クインテッサ」の魅力
クインテッサの説明を全部再掲すると長くなりすぎるので、簡単にまとめておきます。
クインテッサはチリのコンチャ・イ・トロのCEOだったアグスティン・ヒューネウスが1990年に設立。当初から有機栽培、現在はバイオダイナミクスでブドウを栽培しています。ワイナリーの名の付いたカベルネ・ソーヴィニヨン系ワイン1つだけを作っており、セカンドワインも出していません。200エーカーを超える自社畑は斜面や土壌など多様な環境。ほとんど米国内にしか出荷していませんでしたが、2019年からはオーパス・ワンなどと同様に、ボルドーのネゴシアン経由で世界市場にも販売しています。
初めに、昨年の火事の影響(クインテッサはグラスファイアーでワイナリーの直接被害があったところからあまり距離がありません)を聞きました。
2020年はシェーファーなどワインの醸造を諦めたワイナリーも少なからずありましたがクインテッサでは収穫・醸造をしています。一番の理由は「火事はこの年だけでなくまた起こる」から。そのときにどうやって対処するのがいいのかを学ぶために収穫も醸造もしたとのこと。したがって最終的にどういう形でワインになるのか、あるいはならないのかはまだわからないようです。
また、2021年のヴィンテージについては干ばつの影響が大きく、ブドウの木が十分に育たず、タンニンがハードになりがちだとのこと。気温は温暖だが暑くはなく、早めの収穫になりそうだとのことでした。
コロナの影響で収穫の労働力確保が大変という話もありますが、クインテッサでは自社で収穫のチームを持っているため、そういった問題はなさそうです。
クインテッサでは現ジェネラル・マネージャーのロドリゴ・ソト氏の就任以降、畑をより精緻に調べ、最適な栽培法などを追い求めています。昨年話を聞いたときには土壌の影響を調べるために畑に穴を掘って根の張り方などを見ているといったことがありました。例えば火山性の灰が固まった「モン・カリース」という土壌では、想像以上に水を保持せず、それがここの区域のブドウのタンニンをきついものにしていることがわかりました。そこでカバークロップを増やしたり、灌漑の水を増やすことで、やわらかいタンニンに変わりました。それまではブレンドから除外されることも多かったブロックですが、今では最重要なブロックの一つだそうです。
2018年のヴィンテージではイタリアから剪定の専門家を呼んで剪定についても調べているとのことでした。その結果、太い幹を横には這わせないコルドンの方が合っていることがわかってきたそうです。ただ単にバイオダイナミクスで栽培すればそれでいいというわけではなく、ブドウ栽培のいろいろな要素がワインに複雑に絡み合っていることが伺えます。
さて、2018年のワインですが、2017年には入っていなかったカベルネ・フランが加わりました。92%CS、2%Merlot、3%CF、2%Carmenere、1%PVという構成です。カルメネールが入っているのが、コンチャ・イ・トロ出身の創設者のこだわりの一つです。
カベルネ・フランは温かいヴィンテージはあまりよくなく2017年には入れてなかったのですが、2018年は涼しかったので加えたそうです。
カシスやブラックベリー、ブルーベリーといった青黒系の果実未に加え、杉やコーヒー、トースト、タバコといったフレーバーが顕著に見られます。緻密なタンニン。酸はやや高め、フルボディで非常に長い余韻。素晴らしいワインです。モダンナパ系というよりも、CASK23やアイズリー、リッジのモンテ・ベッロのようなクラシックなスタイルに近いワイン。20年30年の熟成でむちゃくちゃ美味しくなると思いますが今も十分に楽しめます。
ちなみにジェームズ・サックリングはこのヴィンテージに99点を付けています。2018年は今月出荷が始まっているので日本市場にも年内には入ってくると思います。リッジのモンテ・ベッロやCASK23、アイズリーと比べれば1万円以上安いですから、このスタイルのワインが好きな人には狙い目のワインの一つです。
こちらは前ヴィンテージの2017。
ナパのカーネロスをピノ・ノワールの有力生産地として有名にした立役者であるセインツベリー。昨年はピノ・ノワールのほか、シャルドネ、シラーで10数年熟成したワインが格安で入荷していました。個人的にはその中でもシラーが優秀と感じていましたが、新たにシラーで別の畑のものが登場しました。
参考:セインツベリーのオールド・ヴィンテージ単一畑が格安で
今回はソノマ・ヴァレーのサウィ(Sawi)ヴィンヤードという標高の高いところにある冷涼な畑。検索すると女性ワインメーカーのカレン・キュラーのワイナリーでここのシラーを作っていますが、様々なメディアで90点前後の点を取っている優良な畑です。
ヴィンテージは2006年で、15年熟成。こちらも期待できそうです。
柳屋
こちらはもうひとつのシラーです。ショップはしあわせワイン倶楽部。
参考:セインツベリーのオールド・ヴィンテージ単一畑が格安で
今回はソノマ・ヴァレーのサウィ(Sawi)ヴィンヤードという標高の高いところにある冷涼な畑。検索すると女性ワインメーカーのカレン・キュラーのワイナリーでここのシラーを作っていますが、様々なメディアで90点前後の点を取っている優良な畑です。
ヴィンテージは2006年で、15年熟成。こちらも期待できそうです。
柳屋
こちらはもうひとつのシラーです。ショップはしあわせワイン倶楽部。
パソ・ロブレスで最大級のワイナリーであるジャスティン(Justin)の親会社が、ナパの人気ワイナリーであるルイス(Lewis)を買収することが明らかになりました(Exclusive: Paso Robles' Justin Vineyards and Winery Buys Napa's Lewis Cellars)。買収金額は公表されていません。
ルイスはレーシングドライバーだったランディ・ルイスが1999年に設立したワイナリー。2016年には2013年のカベルネ・ソーヴィニヨンでワインスペクテーターのワインオブ・ザ・イヤーを獲得しています。果実味濃厚で、しっかりした味わいのワインとして人気を誇っています。
ジャスティンの親会社であるワンダフル・カンパニーはフィジィ・ウオーターやピスタチオ、アーモンドの会社など幅広く手掛けており、ソノマのランドマーク・ワイナリーも保有しています。
今回の買収の真意については不明ですが、敵対的なものではなく、ルイス側も歓迎しており、ランディ・ルイスや現社長でランディの亡き妻デビーの息子であるデニス・ベル以下全ての従業員もこれまで通りであるとしています。また、ルイスの輸入元である中川ワインにも変更ありません。
ルイスのインタビュー
ルイスはレーシングドライバーだったランディ・ルイスが1999年に設立したワイナリー。2016年には2013年のカベルネ・ソーヴィニヨンでワインスペクテーターのワインオブ・ザ・イヤーを獲得しています。果実味濃厚で、しっかりした味わいのワインとして人気を誇っています。
ジャスティンの親会社であるワンダフル・カンパニーはフィジィ・ウオーターやピスタチオ、アーモンドの会社など幅広く手掛けており、ソノマのランドマーク・ワイナリーも保有しています。
今回の買収の真意については不明ですが、敵対的なものではなく、ルイス側も歓迎しており、ランディ・ルイスや現社長でランディの亡き妻デビーの息子であるデニス・ベル以下全ての従業員もこれまで通りであるとしています。また、ルイスの輸入元である中川ワインにも変更ありません。
ルイスのインタビュー