みなさま、あけましておめでとうございます。

2015年最初の記事として、2014年の本ブログ的10大ニュースを取り上げます。

10位 ガロの調査
米国の若者は「モスカート」と「シャンパーニュ」を好む
12月に多くのアクセスをもらった記事です。調査の内容も面白かったですが、インフォグラフィックスによる見せ方も参考になりました。また、アクセスの大部分がソーシャルメディア、特にFacebookから。Facebookの力を感じた記事でもありました。

9位 長沢鼎
カリフォルニアの「ワイン王」になった長沢鼎などを紹介する「薩摩藩英国留学生記念館」が開館
アカデミー・デュ・ヴァンで長澤鼎のセミナー開催
「ワイン王」長沢鼎の「Fountaingrove」、AVAとして復活なるか?
2014年は鹿児島のいちき串木野市に「薩摩藩英国留学生記念館」が開かれるなど、長沢鼎の功績が見直された年でもありました。伝記本が複数出版され、アカデミー・デュ・ヴァンでセミナーが開催されました。また、米国ではゆかりの名前を持つFountaingrove AVAが申請されました。

8位 IPOB
全カリフォルニアが注目するIPOB、創設者ラジャ・パーが語る
IPOBのLiocoとSandhi、Domane de la Côteを試飲
読書感想――「The New California Wine」ジョン・ボネ、バランス追求派はカリフォルニアワインを変えるのか
物議を醸すSFクロニクルの年間トップ100
2013年ころから台頭してきたIPOB(In Pursuit of Balance)が、日本でもプレゼンスを増してきました。2014年には初めて国内でセミナーが開かれました。米国ではSFクロニクルのジョン・ボネによる『The New California Wine』が大きな話題になりました。SFクロニクルの年間トップ100発表にも、その影響から、さまざまな意見が出ています。

7位 旱魃
カリフォルニアの旱魃、ナパでは軽減されたもよう
そうは言ってもまだまだ旱魃は深刻そうです
カリフォルニアの旱魃は消費者にとっても人事ではない
カリフォルニアの地下水利用制限条例がついに施行
カリフォルニアに恵みの大雨、ただし旱魃の解消にはほど遠く
カリフォルニアは100年に一度と呼ばれるような旱魃に見舞われました。最近の大雨で大分解消したという話もありますが、まだ予断は許さない状況だと思います。今すぐワインに影響するというものではありませんが、長期的な気候変化は気になります。

6位 心ワイン
Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲
WA214号発表、ポール・ラトー、カレラなどに高得点
ポール・ラトーの「心」、完全限定36セットを販売
2014年に試飲したワインの中でも特に印象的だったのがポール・ラトーの「心」でした。ワインライフの杉本さんとのコラボで作ったワインで、通常単一畑しか作らないポール・ラトーが初めてブレンド品として作ったものです。特にシャルドネは「柑橘系の香りが素晴らしく、味わうとパイナップルなどトロピカルフルーツのフレーバーも感じます。ミネラルもしっかり。それでいて全くくどさがなく、爽やかささえ感じるワイン」でした。WAでも96点と高得点でした(個人的にはもっと高い点が付くのではないかと思っていましたが)。ワインライフの杉本さんのワインとしてはシャトー・イガイ・タカハのピノ・ノワール「園」も素晴らしく、こちらはアントニオ・ガッローニのVinousで94点が付いています。
アントニオ・ガッローニがシャトー・イガイ・タカハのワインを高評価

5位 オキシデンタル(キスラー)
キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ
スティーブ・キスラーの新ワイナリは、ちょっとガセっぽかった
キスラーの新ワイナリ、さらに続報
キスラーの新プロジェクト「オキシデンタル」来ました!
「ガセネタ」ではなかったケスナーのキスラー・ワインメーカー就任(で記念セール継続)
スティーブ・キスラーの新しいプロジェクトがオキシデンタル。2013年末に発表されたWine Advocate誌のレビュー中に記されていたものですが、意外と米国の記事でも取り上げたものがなく、周辺の情報を聴きこんで記事にしたものです。大きな記事ではないかもしれませんが、あまりほかでは取り上げられていない話を書いているつもりです。

4位 ベッドロック国内輸入開始
ついに来た!「天才」Morganが作るBedrockが国内正式輸入開始
最近飲んだワイン――ベッドロック、オールド・ヴァイン・ジンファンデル2012
ベッドロック3本目は「パガニ・ランチ」
ロバート・パーカーの2014年ベストワイン、「コスパ賞」にベッドロックの廉価版
2010年に「今後「カルト」になるかもしれない三つのワイナリ」という記事で初めて取り上げたBedrock。2014年早々には「Bedrockは、今いちばん気になっているワイナリの1つなんだけど、どこか日本に輸入しないのだろうか」とつぶやいており、3月に輸入開始後も、いろいろ取り上げています。ワイン自体期待を裏切らないものでした。

3位 ナパの地震
速報:ナパでM6の大地震。ワインに大きな被害が出た模様
ナパでM6の地震、ワインの被害まとめ
地震被害のナパ市ダウンタウンをクアッドコプターで空撮、被害が一目瞭然
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが地域支援へ
オバマ大統領、ナパの地震を「大規模災害」と宣言
次に起こるナパの大地震はマグニチュード7クラスも!
ナパの地震、地震国日本に住む身にとっては全く人事ではないです。人的被害がほとんどなかったのが不幸中の幸いでした。

2位 インポーター紹介記事
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
5月末から、概ね月1回のペースでのんびり輪を広げていっています。ちょっと間が開いてしまいましたが、次の紹介記事も近々公開できると思います。

1 ネッド・グッドウィンによる日本のワイン市場の記事
日本が唯一のマスター・オブ・ワインを失ったわけ【追記あり】
ネッド・グッドウィン氏の記事にいただいた感想から
日本のワインシーンは本当に閉鎖的か? ネッド・グッドウィンの記事に米ライターが反論
3月29日に公開した「日本が唯一のマスター・オブ・ワインを失ったわけ」は、元々英語のサイトに掲載された記事でした。重要な内容を含んでいると思ったのですが、英語だと読む人が限られるだろうと思って、翻訳許可をもらい掲載したものでした。時間優先で訳したため、だいぶ拙い部分や誤訳(本質的なところではないです)もありましたが、ソーシャルメディア(TwitterおよびFacebook、はてなブックマークなど)を中心に、かなり多くの反響を得ました。この記事だけでトータル3万以上のページビューがあり、記事単位のページビューでももちろんトップでした。

個人的にも、この記事の掲載を契機に、自分のスタンスをそれまでよりももう少しジャーナリスティックなところに置くようになっています。インポーター紹介を始めたのもその1つですし、業界向けの場所にも時間と許可があれば、出席するようになりました。米国ではVinographyのAlder YarrowやGray ReportのW. Blake Grayなど、ジャーナリスティックな活動をしているブロガーが何人もいますが、そのスタンスを目指したいと思っています。なので、最近は「ブロガーのAndyです」と自己紹介するようになりました。


さてさて、2015年はどういう年になりますでしょうか。楽しい記事がたくさん書けるといいな、と思っています。