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Date: 2017/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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前の記事「これはすごい、カリフォルニアワインの親子鷹、ピーターソン父の新作」以外で、中川ワインの試飲会から、お薦めのワイン、気になったワインを紹介します。なお、価格は希望小売価格(税別)です。

中川ワイン
ワシントン州のグラマシー・セラーズのヴィオニエ(4000円)です。2016年のヴィンテージになりました。すごくエレガントなヴィオニエ。ここのヴィオニエを試飲するのはこれで3、4回めだと思いますが、個人的にはおいしいヴィオニエのスタンダード的な位置づけになっています。

中川ワイン
ホーニッグのソーヴィニヨン・ブラン(3500円)。非常に香り豊か。ソーヴィニヨン・ムスクが入っているのかと思いましたが、そうではなさそう。おいしいです。

中川ワイン
ロドニー・ストロングのシャルドネ(3000円)。この価格帯にしては、複雑さがありレベルの高いシャルドネです。

中川ワイン
ルイスのシャルドネ(9800円)。樽のしっかり効いたシャルドネ。最近また、こういうタイプがおいしく感じられるようになってきています。やりすぎず、バランスはしっかり取れています。

中川ワイン
トアーのデュレル・ヴィンヤード シャルドネ(1万2500円)。この値段ですからまずかったら困りますが、文句なくおいしいです。

中川ワイン
中川ワイン向けに作られているオー・ボン・クリマの「ミッション・ラベル」シャルドネ(3980円)。海苔の風味がサンタ・バーバラらしいところ。バランスいいです。

中川ワイン
50ドル未満のすばらしいピノ・ノワール15選」で紹介したドメーヌ・ド・ラ・コートのピノ・ノワール(8000円)。日本ではさすがに50ドルとはいきませんが、おいしいピノ・ノワール。果実味とスパイシーさのバランスが高いレベルで取れています。

中川ワイン
中村倫久さんの作るピノ・ノワール(7500円)。やわらかい果実味。やさしい味わい。

中川ワイン
リヴァース・マリーのオキシデンタル・リッジ ピノ・ノワール(8800円)。トーマス・リヴァース・ブラウンの作るワインにはずれなし、と思います。バランスいいワイン。

中川ワイン
解散してしまったIPOBの中心メンバーだったリオコのピノ・ノワール ハーシュ・ヴィンヤード(1万2000円)。IPOBのワインというと、酸が強いというイメージを持つ人も多いかもしれませんが、ハーシュ・ヴィンヤードのワインは、パワーがあり、そのバランスが高いレベルで達成できているものが多いように思います。

中川ワイン
トーマス・リヴァース・ブラウンが作るアストンのピノ・ノワール(1万7000円)。ここは上記の逆で、非常にパワフルなんだけど、酸がきれいなので嫌味にならないワイン。「トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)」でも紹介していますが、個人的には大絶賛中のワインです。できれば試飲会でなくゆっくり飲みたいワイン。

中川ワイン
リースのホースシュー・ヴィンヤード シャルドネ(2万3000円)。フルーツにスパイス。美味しいです。ちょっと値段が高いですが…

中川ワイン
三ツ星レストラン「フレンチ・ランドリー」のハウスワインとして有名になったシフレット。その後継となるのがこの8687ワインズです。8687とは後を継いだ姉弟の生まれ年である86年、87年から付けたものだとか。カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーが50%ずつというレッド・ブレンド(5400円)。面白くておいしい。親しみやすいワイン。

中川ワイン
ヴィオニエを紹介したグラマシー・セラーズ(ワシントン州)のカベルネ・ソーヴィニヨン(8000円)。骨格がしっかりしたワイン。おいしいです。

中川ワイン
派手さではだれにも負けないJCBことジャン・シャルル・ボワセのレッド・ブレンド「パッション」(1万円)。ボトルデザインも派手ですが、ワインもカラフルな味わいで飲んで楽しいワイン。元気が出ます。

中川ワイン中川ワイン中川ワイン
最後はアミューズ・ブーシュ3連発(2013年~2015年、いずれも3万8000円》。ハイジ・バレットが作るプレミアムなメルロー。その昔、このワインが最初に作られたころは「こんな高いメルローだれが買うの?」と思いましたが、カベルネ・ソーヴィニヨンのプレミアムが、これくらいの価格になっていますから、今となっては納得できる値付けです。ラベルも含めてワインはアートだなあと思いました。

Date: 2017/0830 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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中川ワインの試飲会に参加してきました。全体からのお薦めワインは次回に紹介する予定ですが、今日はその中からまず、新入荷になるワンス&フューチャー(Once & Future)のワインを紹介します。

ジンファンデルの「3R」あるいは「4R」と言われた名門ワイナリーの1つがレイヴンズウッド(Ravenswood)。その創設者であるジョエル・ピーターソンが70歳を迎えて、新たに作ったブランドがワンス&フューチャーです。

ジョエル・ピーターソンの息子がベッドロックのモーガン・ピーターソンであることは、何度も書いているのでご存知の方が多いと思いますが、ワンス&フューチャーは息子の活躍に触発されたのでしょう。ベッドロックの畑からのワインも作るなど、まさに親子競演の状態です。

ちなみに、ベッドロックとワンス&フューチャーについては、以下の記事もご参考になさってください。
Bedrock Wine: 5歳からワインを作る天才の夢を載せるワイナリ
ついに来た!「天才」Morganが作るBedrockが国内正式輸入開始
古木の畑の謎に迫るベッドロックのモーガン・ピーターソン
ベッドロックの新作、圧巻の自社畑
レイヴンズウッドのジョエル・ピーターソン、原点に返って新ワイナリー設立
44年かけて、夢見ていたワイン作りができると語るジョエル・ピーターソン

今回試飲したのは4種類のワイン。ヴィンテージはどれも2015年です。

まず、いきなりベッドロック・ヴィンヤードのジンファンデルです。
Once & Future Bedrock Vineyard Zinfandel
一口飲むと、プラムの風味が口の中に広がります。いかにもジンファンデルという味わい。そしてブラックペッパーなどのスパイスが味を引き締めています。心地よい酸味。第一印象はトラディッショナルなジンファンデルなのですが、重かったりくどかったり甘すぎたりといった、昔のジンファンデルの悪いところは取らず、引き締めるべきところは引き締まった味わい。クラシックだけどモダン。ジンファンデルを知り尽くしたジョエル・ピーターソンの底力を感じます。

ちなみに、隣にはベッドロックの「ザ・ベッドロック ヘリテージ・レッド・ワイン」もありました。ワンス&フューチャーのベッドロックがジンファンデル85%なのに対し、こちらは同じ畑ですがジンファンデル55%。父親のワインよりもバランスや複雑さを出すことを中心にしているように感じました。ここのワイン作りは極めてクラシカルな手法を使っていますが、味わいの出し方はやはりモダン。同じ畑でありながら、父親との方向性の違いもまた面白いところです。

Once & Future Petite Sirah Palisades Vineyard
2番目はプティ・シラー。畑はカリストガにあります。パリサデス・ヴィンヤードは50年ほどの歴史を持つ畑。ナパでは珍しくなったプティ・シラーであり、Torやカーライルなどのワイナリーがここのブドウを使っています。

これはパワフル。爆発的な果実味としっかりした酸。最初のジンファンデルよりもスパイシーで、タンニンもすごい。久しぶりに口がすぼまるほどのタンニンを感じました。しかし、これもパワフルなのだけどやり過ぎになっていないところがとても上手。これはもしかしたら、今まで飲んだプティ・シラーの中でもベストかも。

Once & Future Tekdeschi Vineyard Zinfandel
3本目はまたジンファンデルに戻ります。畑はドライ・クリーク・ヴァレーのテルデスキ。ベッドロックではロレンツォズ・ヘリテージがここの畑。またオールド・ヴァイン・ジンファンデルにもブレンドされています。

これも美味しい。味の作り方は前述のジンファンデルに似ています。このとき既に20本以上試飲していたので、僕の試飲能力ではこれより細かい違いは味わいきれませんでした。

Once & Future Mataro
最後はマタロ(ムールヴェードル)。熟成肉のような独特の風味があります。これもスパイシーですが、果実味は他のワインに比べると少し弱く感じました。

久しぶりに、興奮するワインに出会いました。ただ、残念ながら日本への入荷はかなり少ないようです。まあ、元々も数百ケースしか作っていないのですが。おそらくショップへの割当も初回のみで限定本数になるのでしょう。買えるようになった際にはまた紹介したいと思います。

それから、写真を撮り損ねたのですが、ベッドロックでは、前述の「ザ・ベッドロック ヘリテージ」に加え、定番のオールド・ヴァイン・ジンファンデルや安価なブレンド品のシェバングの赤、白がありました。

気の置けないパーティワイン的なシェバングもいいのですが、ワンス&フューチャーの強烈なワインの後で試飲するオールド・ヴァイン・ジンファンデルもまたよかったです。複数の畑のブレンドなので、個性を出すというよりはバランスを重視したワインですが、定価4000円台でこれだけのレベルのワインを出せるのはやはりすごい。これも何回も書いてますが、ベッドロックって本当においしいの? って思っている人はまずはオールド・ヴァイン・ジンファンデルを飲んでください。

これが美味しいと思うなら、ベッドロックの他のワインの魅力も分かると思いますし、美味しいと思わないのであれば、多分高いのに手を出す必要はないと思います。

Date: 2017/0829 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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タブラス・クリークはフランスはローヌ地方の名門、シャトー・ド・ボーカステルがカリフォルニアのセントラル・コーストに作ったワイナリーです。有機農法のぶどう作りやワイン作りなど、ボーカステルをなぞったような内容になっています。

エスプリ・ブラン・ド・タブラス

今回飲んだのはその白ワインブレンド「エスプリ・ブラン・ド・タブラス」。

酸味は穏やか。白桃のような柔らかい果実の味わい。グイグイ押してくるワインと言うより、控えめに受け止めるようなワイン。飲みやすく、すいすい飲んでしまいそう。ちょっと危険です。

ラベル見ていなかったらヴィオニエかなあという感じ。実際はルーサンヌが64%でグルナッシュ・ブランが26%など。ルーサンヌとか普段飲まない品種はわからないですね。
Date: 2017/0828 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「50ドル未満のすばらしいピノ・ノワール15選」という記事がブルームバーグに掲載されています(15 Great Pinot Noirs for Less Than 50 Dollars - Bloomberg)。

そりゃ50ドルもだすなら美味しいピノはたくさんあるよねえと思いましたが、さすがにそこは40~50ドル、30~40ドル、20~30ドルの3つのカテゴリーにわけてバランスを取っていました。ちなみにこの記事を書いているのは、先日「味は素晴らしいのにラベルが台無しにしているワイン6選」で紹介した記事と同じ人でした。

オレゴンのワインが結構選ばれていたので、リストの中からカリフォルニアとオレゴンのワインを紹介します。

40~50ドル
2014 Kelley Fox Momtazi Vineyard Pinot Noir
2014 Domaine de la Cote Santa Rita Hills Pinot Noir
2014 Flowers Winery Pinot Noir
2014 Domaine Drouhin Pinot Noir Dundee Hills

オレゴンのドメーヌ・ドルーアンとか、ソノマ・コーストのフラワーズといった、もはや老舗と言ってもいいようなワイナリーが入っているのが目立ちます。ドメーヌ・ド・ラ・コートは美味しいです。単一畑ものが目立つワイナリーではありますが、AVAものもレベルは高いと思います。


30~40ドル
2014 Tyler Pinot Noir Santa Barbara County
2015 Sarah’s Vineyard Santa Lucia Highlands Pinot Noir
2014 Carpe Diem Pinot Noir Anderson Valley
2014 Maison L’Envoye Two Messengers


ここは5本中3本がカリフォルニアで1本がオレゴン。実は残りの1本も気になるワインです。
2014 Burn Cottage Cashburn
ニュージーランドのワインですが、リトライのテッド・レモンが畑やワイン作りを指導しているそうです。

20~30ドル
意外なことに5本中3本がブルゴーニュ。あとはアルゼンチンとオレゴン。オレゴンのモンティノレは日本で買っても安いです。
2014 Montinore Red Cap Pinot Noir

Date: 2017/0827 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2017年8月24日、ソノマのドライ・クリーク・ヴィンヤードがワイナリー設立の許可を得てから45周年を祝いました(Dry Creek Vineyard Celebrates 45 Years Of Family Winemaking - Tucson News Now)。
Dry Creek Vineyard

その軌跡を改めて見ると、いかにこのワイナリーがパイオニアであるか、よくわかります。

・禁酒法以降でドライ・クリーク・ヴァレーに作られた最初のワイナリー
・ドライ・クリーク・ヴァレーにソーヴィニヨン・ブランを植えた最初のワイナリー
・ドライ・クリーク・ヴァレーをAVAにするのに貢献
・「オールド・ヴァイン」ジンファンデルを初めてラベルに表記
・「メリテージ」(Meritage)を最初にラベルに記したワイナリー

創設者のデイヴ・ステアは今も健在ですが、娘のキム・ステア・ワレスが社長になっています。家族経営を引き継いでいるのもすばらしいですね(先日のカレラのニュースを思うと)。

ちなみにドライ・クリーク・ヴィンヤードというと、ラベルのヨットが印象的ですが、ヨットのロゴは1982年から使っています。

Date: 2017/0826 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのカーネロスにあるハイド・ワイナリーがテイスティングルームをオープンしました(Hyde Estate Winery opens | Wine | napavalleyregister.com)。

オープンは木曜日から月曜日、テイスティングは予約で40ドル。シャルドネとピノ・ノワール、それからライブラリーのワイン1杯を含んでいます。

詳しくはHyde Vineyards | King of Carneros
Date: 2017/0825 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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著名評論家のジェームス・サックリングが100点をつけて年間1位にも選んだオーパス・ワン2013。他の評論家も軒並み高い評価をつけています。それがポイントアップで実質2万円台になっています。価格コントロールがしっかりした近年ではポイント分とはいえ、この価格は限界といってもいいでしょう。

ジェームス・サックリング、オーパス・ワン2013に100点献上
年間トップなど、高評価続くオーパス・ワン2013

価格は3万9800円(税別)ですが、楽天のポイントが11940ポイントつきます。

ショップが10倍を付けているのに加え、ショップ限定ポイント20倍のキャンペーンにエントリーする必要があります。

なお、期間は8月28日(月)9時59分までなのでお早めに

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Date: 2017/0825 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴィナスのアントニオ・ガッローニが、シネ・クア・ノンのマンフレッド・クランクルが作るもう1つのブランド「ネクスト・オブ・キン」の全ヴィンテージをレビューしています(Next of Kyn – The First Seven Years: 2007-2013 (Aug 2017) | Vinous - Explore All Things Wine)。

ネクスト・オブ・キンは、シネ・クア・ノンとは別ワイナリーという位置づけで、メーリング・リストも分かれています。畑は、サンタ・バーバラの近くにあるマンフレッド・クランクルの家の近くの自社畑「キュミュラス(Cumulus)」。2004年にブドウを植樹しました。シラーが多いですが、他にも多くの品種が植えられています。特にシラーは自根で栽培されているとのこと。

ネクスト・オブ・キンは2007年だ最初のヴィンテージ。当初はシラーがほとんど(2007年で92%)でしたが、近年はシラーとグルナッシュがほぼ同じで合わせて80%程度、あとはプティ・シラーやムールヴェードルが含まれています。

パッケージングもユニークで、750mlのボトル3本と1.5Lのマグナムボトル1本という構成でだけ売られています。

ガッローニによるとデビュー・ヴィンテージの2007年からすばらしいできのようで、「一言で言えば荘厳」と書いています。収穫時点でブドウの樹齢がわずか3年であることを考えるとすごいです。また、熟成能力も高いとガッローニは評しています。

2008年はやや閉じていますが、2009年は2007年の芳醇さと2008年の内省的な雰囲気を併せ持っているとのこと。

2010年のワインはまだ飲み頃というには若すぎるとのこと。2011年も若すぎるが、この年は比較的軽い年なので、まだ飲みやすいようです。2012年は2007年や2009年のように芳醇さを持っており、2013年はガッローニがこの垂直テイスティングのベストとしています。

なお、参考までにWine Advocate誌のレイティングでは2007年から順に、96+、96、96+、98、97、99、98-100となっています。

なかなか飲む機会も目にする機会もないワインではありますが、カリフォルニアのローヌ系品種のワインとしては最高峰の1つであることは間違いないでしょう。シネ・クア・ノンのワインとどう違うのかも気になりますね。

Date: 2017/0824 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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マリン郡のサン・ラファエルと、ソノマのサンタ・ローザを結ぶ電車「SMART(Sonoma-Marin Area Rail Transit)」が8月25日、ついに就航します(Sonoma-Marin Area Rail Transit | Home
SMART

参考:
ソノマについに電車が走る!将来はSFから接続も

基本的に通勤のための電車で、現在のところ1日25編成が予定されています。サン・ラファエルから、サンタ・ローザの北にあるソノマ・カウンティ・エアポートまでの時間は1時間7分。料金は11.5ドルです。

ウーバーなどと併用すれば、サンタ・ローザ付近にいくのに、便利になるのかもしれません。
Date: 2017/0823 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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しあわせワイン倶楽部でソーター・ヴィンヤーズのミネラル・スプリングス・ランチ ピノ・ノワール2012がセールになっています。

ソーター・ヴィンヤーズのトニー・ソーターといえば、1990年台にはスポッツウッドやダッラ・ヴァッレ、アラウホなどのワインメーカーとして一世を風靡した人。自身のブランド「エチュード」ではピノ・ノワールやすばらしいカベルネ・ソーヴィニヨンを作っていましたが、2000年代に入ったころからはオレゴンでのワイン作りに専念するようになりました。

参考
ワインメーカーの系譜(3)――トニー・ソーター&ミア・クライン「最強コンビ」

ミネラル・スプリングス・ランチは自社畑で2012年のピノ・ノワールはWine Spectatorで95点、2014年の年間トップ100で17位という高い評価。Wine Advocateでも92点です。

リリース価格は60ドルだったようですが、現在の流通価格は80ドル台。それが税込みで6458円ですから、流通価格はおろか、リリース価格よりも大分安くなっています。これはかなりのお買い得です。


このショップでは今、インポーター協賛セールとしてロバート・ビアーレ(ビアレ)のジンファンデルも安くなっています。今では少なくなってしまったジンファンデルをメインとするワイナリー。中でも高品質で知られたところの1つです。

Date: 2017/0822 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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メルヴィル(Melville)/サムサラ(Samsara、正しくはSAMsARAと書くらしい)のオーナーであるチャド・メルヴィルがサムサラを売却しました(Santa Barbara County's SAMsARA wine brand sold)。チャド・メルヴィルは、メルヴィルの創設者であるロン・メルヴィルの息子で、創設以来のワインメーカーだったグレッグ・ブリュワーが2015年に退任した後はメルヴィルのワインメーカーを務めています。
Chad Melville
サムサラは彼が奥さんと2002年に始めたワイナリー。メルヴィルが自社畑のブドウを使ったいわゆる「エステート」のワインだけを作っているのに対し、サムサラはすべて購入したブドウでワインを作っています。サンタ・バーバラの著名な畑から、優秀なピノ・ノワールやシラーを生産しています。

この2つは車の両輪のようなもので、両方続けていくつもりなのだと思っていましたが…

売却した相手はスクータック夫妻。長年に渡るサムサラの顧客でした。夫婦からワイン・ビジネスを始めたいという相談を受けたチャド・メルヴィルに、サムサラを譲るという案が浮かんだのだそうです。

折しも、Jaffurs Cellarsのワインメーカーだったマット・ブレイディがやめたという話があり、期せずしてチャドもスクータック夫妻もマットがサムサラの新しいワインメーカーにふさわしいのではないかという同じ意見を持ち、彼を採用することになったとか。

マットはバランスやストラクチャー、テクスチャを大事にしているとのことで、除梗なしでテクスチャやストラクチャーのしっかりしたワインを作ってきたサムサラとは相性がよさそうです。

というわけで、チャドがサムサラを売却したのは驚きでしたが、それは納得できるものでもありました。新生サムサラに一層期待したいと思います。

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Date: 2017/0821 Category: グルメ
Posted by: Andy
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「伝説のすた丼屋」をご存知でしょうか。かなりB級グルメ的な存在でありますが、首都圏を中心に近年かなり店舗を増やしているチェーン店です。にんにく醤油風味の「すた丼」はガッツリ系が好きな男子には、たまらない味わいですが、最近ここのたれがコストコで売っているのを発見しました。

試しに買ってみたところ、これがなかなか使い勝手がいい。肉と野菜にこれをかけ(分量も適当)、炒めるだけでそこそこの味わいになります。何味にするか迷っていたり、調味料をいろいろと混ぜるのが面倒なときなど、簡単料理派には強い味方です。

味はちょっと辛め(ホットな方じゃなくて、醤油辛い感じ)なので、少し砂糖やみりんを入れるとバランスがよくなります。

本家でも通販で売っていますが、コストコと比べるとちょっと高いですね。

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【常温品】 名物すた丼屋 すたみな焼きのタレ
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その代わり、4種類のフレーバーがあって、それらの詰め合わせもあるのはちょっと惹かれます。


先日コストコに行ったときには、心置きなく使えるように2本購入。我が家では完全に常備品リストに入りました。

ちなみにこれもコストコ定番品
カレーが手間がかかると思っている人に試して欲しい「印度の味」
Date: 2017/0820 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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クラウドファンディングのIndiegogoで英国製のデキャンタetoが出資者を募集しています。2017年7月6日から募集を始め、現在のところ93万7093英ポンド(約1億3118万円)と目標額の14倍以上に達しています。



仕組みは以下の動画をご覧ください


ワインをこのデキャンタに移し、グラスに注ぎます。デキャンタの中にはワインの表面を覆うような内蓋があり、それを押し下げてワインと密着させることによってワインの酸化を防ぐという仕組みです。
eto

酸化の度合いを研究室で調べてもらったところ、アルゴンガスによる保存(コラヴァンと思われる)よりも優秀な結果が出ています。
テスト結果

保存期間は控えめに最低一週間としか言っていませんが、数週間はいけそうな感じがします。

繰り返し使うので洗いやすさが気になったのですが、上の金属部は下のガラス部から取り外せるので、比較的メンテナンスしやすそうです。

Indiegogoでの出資は、ステンレスのeto1つが得られるものが59英ポンド(約8259円)。日本に送る場合、送料は20英ポンドかかるので79英ポンド(約11059円)。銅製のものは10ドル高くなります。またIndiegogoの出資が終了後は、それぞれ79ポンド、89ポンドで販売される予定です。

コラヴァンと比べると本体価格が安く、ランニングコストがかからないのが大きなメリットです。

逆に一度に1つのワインにしか使えない、保存は立てておく必要があるというところが欠点でしょうか。

なかなか興味深い製品です。
Date: 2017/0819 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパを代表する、というよりカリフォルニア最高の、あるいは世界でも最高の1つとなる畑がトカロン・ヴィンヤード(To-Kalon Vineyard)です。現在、その大部分を保持するコンステレーション・ブランズが「トカロン」ブランドのワインを作り始めます(With new To Kalon brand, Constellation revives legendary Napa wine dispute - San Francisco Chronicle)。

元記事はかなり長く、大半は以前「トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】」で書いたことと重なっているので、その部分は省略します。
Napa Valley
写真:ナパのソーヴィニヨンブランの代表的な畑であるトカロンの「I-ブロック」

今年はトカロンにまつわることがいろいろと登場する年のようで、ほかにも「ベクストファー・トカロンの畑、植替えへ」、「特報:コンステレーションがシュレーダーを買収」といった記事を書いています。

で、これらを読むのがめんどくさい人のために、トカロンについて、箇条書きで簡単にまとめておきます。

・トカロンの畑の大部分はコンステレーションが持っているが、評論家の評価の高いワインの大半はベクストファーが保有する「ベクストファー・トカロン」の畑からのもの

・現在トカロンの名称を付けてワインを作っているのはコンステレーション傘下のロバート・モンダヴィと、ベクストファー・トカロンのブドウを使っているワイナリー
・トカロンの商標はコンステレーションが持っており、ベクストファーは裁判を経て和解して名前を使えるようになった
・実はオーパス・ワンもかなりの量トカロンのブドウを使っている
・ベクストファー・トカロンからのワインで一世を風靡したシュレーダーがコンステレーションに買収され、今後はコンステレーションのトカロンのブドウも使うのではと噂されている

想像ですが、コンステレーションには「うちがトカロンの商標を持っていて、畑も大半を所有しているのに、もてはやされるのはベクストファーからブドウ買っている連中ばかりでくやしい」といった思いがあるのではないでしょうか。

ベクストファー・トカロンで名を馳せ、いっときはトカロンの名称をめぐって提訴した相手でもあるシュレーダーを金銭的にはあまりメリットなさそうな高額で買収したのも、そのくやしさの現れのような気がします。

そして、コンステレーションとしてトカロンを最大限に活用するのが、「トカロン」ブランドのワインを作ることなのでしょう。

このワイナリー、現在のところ「トカロン・ワイン・カンパニー」および「トカロン・ヴィンヤード・カンパニー」という名称で商標申請されているとのこと。ただ、異議申し立ての期間が当初の7月期限から10月期限に伸びたので、暫定的に別の名前も考えているそうです。

ワインメーカーは著名なコンサルタントのアンディ・エリクソン。スクリーミング・イーグルのワインメーカーとして注目を浴び、現在は自身のファヴィア(Favia)のほかダッラ・ヴァッレ(Dalla Valle)やオーヴィッド(Ovid)などでワインを作っています。

詳しくは
ワインメーカーの系譜(8)――アンディ・エリクソン「ナパのわらしべ長者」

アンディ・エリクソンはコンステレーションから、「トカロンのどこのブドウを使ってもいい」というお墨付きをもらっているとのこと。

なお、最初のヴィンテージは2016年。2019年の発売が見込まれています。

どんなワインになるのか注目です。個人的にはトカロンのカベルネ・フランを作ってほしいです。
Date: 2017/0818 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2017年春についに日本で正式に発売されたコラヴァン(Coravin)。ちょっと書く時期を逃してしまって記事にしそびれていましたが、既に高級レストランなどでも採用されています。日本版ではアルゴンガスでなく窒素ガスを使うことになったので、長期保存への耐性には若干不安がありますが、おそらく数カ月というレベルであれば問題ないでしょう。

参考:
3週間後でも抜きたてワイン 風味落ちない魔法の道具

日本版のコラヴァン、税抜きで6万5000円(コラヴァン モデル2)からと、価格が高いのが最大のネックでしたが、税抜き3万円台と大幅に安くなった「コラヴァン モデル1」が8月10日に発売されました。
コラヴァン モデル1
本体はプラスチック製でモデル2の重厚感はありませんが、肝心のワインの保存性能に関しては全く違いはありません。

この価格だったら、欲しい!と思う人も結構いるのでは。



Date: 2017/0816 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「カリフォルニアのロマネコンティ」の異名を持つカレラ(Calera)が、ナパのメルローで知られるダックホーン(Duckhorn)に売却されました(Duckhorn Wine Company buys Central Coast Pinot pioneer Calera - San Francisco Chronicle)。

カレラの創設者であるジョシュ・ジェンセンは現在73歳。3人の子供がいますがいずれもワイナリーを継ぐ意志はなく、将来を見据えて売却先を探していたのだそうです。ダックホーンの創設者であるダン・ダックホーンとはワイナリーの設立時期が同じだったこともあり、古くからの友人関係にあり、今回の売却にいたったとのこと。

Calera

売却にはカレラのワイナリーやブランド、畑、在庫などすべてが含まれています。ワインメーカーを含めてスタッフはすべて現状維持となります。なお、売却額は明らかにしていません。

ジョシュ・ジェンセンはダックホーンの取締役になり、4年間のコンサルタント契約を結んでいます。今後もカレラのワイナリーではこれまでと同じように活動するとのことです。

1960年代~1970年代にかけて設立されたワイナリーの多くで、創設者が引退の時期を迎えています。後継者に悩むワイナリーもかなりあるようです。似たような売却は今後も出てくることでしょう。ダックホーンとカレラとは共通点が少なく意外に感じましたが、安定して運営してくれそうなところに売却できたのは幸せなのではないかという気がします。

あと気になるのがカレラの日本へのインポーターに影響があるかどうかという点ですが、おそらく急に変わることはないでしょうね。数年後はわかりませんが。
Date: 2017/0816 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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101 Best Wineries in America 2017」という記事がThe Daily Mealに載っていました。

2年前に「米国のベスト・ワイナリー101は?」という記事を掲載していますが、基本的にはそれの2017年版ということです。

前回の記事にならって20位~1位を紹介します。

20. Heitz Cellar, St. Helena, Calif.
19. Linden Vineyards, Linden, Va.
18. Macari Vineyards, Mattituck, NY
17. Shafer Vineyards, Napa, Calif.
16. Cayuse Vineyards, Walla Walla, Wash.
15. Robert Sinskey Vineyards, Napa, Calif.
14. Leonetti Cellar, Walla Walla, Wash.
13. Domaine Drouhin Oregon, Dayton, Ore.
12. Calera Wine, Hollister, Calif.
11. Quilceda Creek Vintners, Snohomish, Wash.
10. Caymus Vineyards, Rutherford, Calif.
9. Littorai Wines, Sebastopol, Calif.
8. Barboursville Vineyards, Barboursville, Va.
7. Daou, Paso Robles, Calif.
6. Smith-Madrone Vineyards and Winery, St. Helena, Calif.
5. Sine Qua Non, Oak View, Calif.
4. Au Bon Climat Winery, Santa Barbara, Calif.
3. Corison Winery, St. Helena, Calif.
2. Tablas Creek Vineyard, Paso Robles, Calif.
1. Ridge Vineyards, Cupertino, Calif.

元記事にはどうやって選んだか(ソムリエなどのパネルメンバーが投票)、いろいろと説明していますが、ただ投票結果というだけなので、かえって選択基準はよくわからない気がします。2年前のトップ20とは7割ほどが今年も残っている形。1位と2位は順位が逆転しましたが、リッジとタブラス・クリークが強い支持を受けています。

あまり有名とは言えないようなSmith-Madrone(6位)やDaou(7位)、などが入っているのも面白いところ。

カリフォルニア以外のワイナリーも散見されますが、運営側が意図的にそのあたりを入れようとしている感じもあります。
Date: 2017/0815 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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天才ワインメーカー、トーマス・リヴァース・ブラウンのプライベート・ブランド「リヴァース・マリー」のシャルドネが現地価格とほぼ同じと安いです。


トーマス・リヴァース・ブラウンについては、以下の記事をご覧ください。
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)

リヴァース・マリーの「マリー」の方は奥さんのジュヌビエーブ・マリー・ウェルシュさんの名前から取っていますが、シャルドネにはより奥さんの意向が入っているとのこと。

ティエリオット(あるいはBティエリオット、シエリオット、B Thieriot)はかのリトライもシャルドネを作っている銘醸畑。ロバート・パーカーは、2014年のシャルドネについて「グラン・クリュのシャブリのよう」として94点を付けています。

米国の価格も80ドル~とほぼ同等。生産量はわずか125ケース。日本に正式輸入されているだけでもありがたいワインです。

Date: 2017/0814 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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しあわせワイン倶楽部でメルヴィルのエステート・シャルドネ2013がセールになっています。税抜きでは3780円(税込み4082円)というのは相場より1000円ほども安い価格。

Wine Advocate誌では91点、Wine Enthusiast誌では93点という高い評価がついています。樽発酵し、ニュートラルな樽で8カ月熟成した「ピュアでクリーンなスタイル」(WA誌のジェブ・ダナック(当時))とのこと。ヴィンテージ的にはまだグレッグ・ブリュワーがワインメーカーだった時代のワインです。

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メルヴィル ”エステート” シャルドネ サンタリタヒルズ
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Date: 2017/0812 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カナダ産ワインの専門店「ヘブンリー・バインズ」の試飲会に参加してきました。場所は恵比寿のガーデンプレイスの近くです。

カナダのワインの知識はほとんどなかったのですが、カリフォルニアとはまた違っていて面白かったです。

カナダのワイン産地は大きく分けると東と西があります。西はブリティッシュコロンビア州。米国ワシントン州の北になります。主要な産地であるオカナガン・ヴァレーはやや内陸に入っているので、ワシントン州のワイン産地との共通点が多くあります。比較的温暖で、夏場は非常に長い日照時間が得られるため、ボルドー系品種もかなり作られています。

東はオンタリオ州のナイアガラなどが代表的な産地。五大湖の周辺で、夏場の気温は意外と高くなります。白ではシャルドネなど、赤ではピノ・ノワールやカベルネ・フランなどが作られています。

全般的に言えばやはりカリフォルニアのような強い日照はないためか、果実味は比較的低め。その分デリケートな味わいのワインが多いように感じました。

試飲したワインは13種。

カナダワインカナダワインカナダワイン


(1)サーティーンスストリート キュヴェ13 ロゼ スパークリングNV(4000円)
ドライなロゼ・スパークリング。トーストの風味。おいしい

(2)ブルーマウンテン・ヴィンヤーズ ブリュット ゴールドラベルNV(3800円)
これもかなりおいしい。スパークリングワインのレベルはかなり高く感じました

(3)ブルーマウンテン・ヴィンヤーズ ピノ・グリ2015(3600円)
オレンジの風味。酸味はおだやかで飲みやすい

(4)ケンテワイナリー&ヴィンヤーズ ヴォヤジュール シャルドネ2013(3120円)
柑橘系の味わい。個人的にはもう少しリッチな味が好き

(5)バロウイング アウル エステート カリオペ ヴィオニエ2016(3000円)
スミレの花の香り、白桃の風味。ヴィオニエはカリフォルニアよりもワシントンやカナダの方がいいかもしれません。

(6)フラット ロック セラーズ ツイステッド2015(2700円)
リースリング、ゲヴェルツトラミネール、シャルドネのブレンド。酸味と甘みのバランスがよく、後味にちょっとアクセントがある。おいしい。

(7)クロッソン チェース ヴィンヤーズ KJワトソン ピノ・ノワール2014(4100円)
ロゼのような色合いのピノ・ノワール。果実味は少なく杉やきのこなどノンフルーツの風味が目立つ。熟成してどう変わるのか興味深いが、いわゆるカリピノとは真逆のピノ・ノワール。

(8)ノーマンハーディワイナリー ガメイ2014(4300円)
ガメイ100%のワイン。イチゴの風味などが心地よい。アルコール度数は10.5%とびっくりするような低さ。ガメイというと、ボージョレのイメージしかないが、これはおいしい。

(9)トーズワイナリー グロワーズブレンド ピノ・ノワール2011(4600円)
これも色は薄めのピノ・ノワール。ラズベリーの風味。

(10)フォックストロット ヴィンヤーズ ワルツ ピノ・ノワール2013(8000円)
オレンジやベリー、スパイスの風味。ピノ・ノワールの中では個人的にはこれが一番好きだった(値段も高いですが)。

(11)ローズウッド エステート ワイナリー ロング ロウズレッド2015(2400円)
ボルドー品種とガメイのブレンド。イチゴの風味。

(12)ポンドビュー エステート ワイナリー ロット74 カベルネメルロー2015(2500円)
非常にお買い得感があるブレンド。果実味プラススパイスの風味でおいしい。

(13)バロウイング アウル エステート ワイナリー カベルネ・フラン2014(5200円)
シルキーなテクスチャに、杉やベリー、スパイスの風味。かなりレベル高いカベルネ・フラン。アルコール度数は14.7%とカナダワインとしてはびっくりするほど高いが、熱っぽさは全くなく飲みやすい。

カナダワインに興味がある方は、お店に行ってみるといいと思います。おすすめです。

Date: 2017/0811 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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夏はロゼも飲みたくなりますよね。世界的にロゼ・ブームが続いていますが、カリフォルニアでもまだまだマイナーながら、優秀なロゼも作られています。

そんなロゼの1つがカレラの「ヴァン・グリ・オブ・ピノ・ノワール」。年産800ケースあまりとジェンセンよりも少ない生産量です。日本にも毎年は入ってきませんが、2016年ものはわずかに入荷しています。ただし、追加入荷はないワインだとのことなので、売り切れごめん状態です。見つけたら買っておかないとすぐ売り切れる可能性が高いです。


これが売り切れたときのために、いくつかお薦めのロゼも紹介しておきます。

味ではピゾーニのロゼも負けていないと思います。


ポール・ラトーもロゼを作っています。これは値段からしても別格な感じです。


ピノ・ノワールのロゼが好きですが、ロゼといえばグルナッシュも捨てがたいものがあります。

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2015 シャトー・イガイタカハ ジ ユン ロゼ
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カリフォルニアの最先端を走るワイナリーの1つブロック・セラーズも、いいロゼを作ります。これはヴァルディギエが中心。

Date: 2017/0810 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オレゴン最大のピノ・ノワール生産者であるウィラメット・ヴァレー・ヴィンヤーズ(Willamette Valley Vineyards)。その創設者でありワインメーカーも務めるジム・バーノー(Jim Bernau)がバイオダイナミクスの畑でスパークリングワインを作る新しいワイナリーを作ろうとしています。
ジム・バーノー
というだけであれば、珍しい話でもなんでもないですが、そこが一般の出資者を募集しているというのがユニークです(Willamette Valley Vineyards - Ownership Invitation)。

詳しくは、リンク先をご覧になった方がいいですが、一株4.45ドルで350株から出資できます。最低1557.50ドルですから日本円で17万円あまりと、意外としきいは低いです。配当は年率5%。2017年10月以降は一株4.55ドルになるとのこと。

こういう形でワインにかかわるのも面白そうです。

Date: 2017/0809 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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某所で小耳に挟んだ話。

とあるワインバーが、得意客に出すワインを探しているとのこと。
そのお客さん、「癖のないワイン」が好きなのだそうですが、そこのワインバーではもっぱらハーランを飲んでいるそう。

ん、まあ、確かに変な癖はないかもしれない。素直に美味しい、というかむちゃくちゃ美味しいですからね、ハーラン。この味が苦手っていうワイン好きは多分いないのではないかと。

とはいえ、いつもいつもハーランというわけにはいかないので、「ハーランみたいに癖がない」ほかのワインを探しているという話でした。

ちなみに、ハーランは「週2回くらい」飲みに来ているとか。ちょっと口あんぐり。

ボトルで開けているのだろうか、グラスだったら残りはどうするのだろう、コラヴァン使っているのかな、などといろいろなことが気になってしまいました。お値段は、グラスでも2万円くらいはしますよね、いや2万円じゃボトル代とそんな変わらないか。

ハーランの代わり、何がいいでしょうね。あのシルキーな感じを持っているワインはまずないですよね。
メイデンじゃやっぱり見劣りしちゃうのかな? スポッツウッドとか、インシグニアとかはどうでしょうか?
いっそカベルネから離れてBoar's Viewなんていうのも面白いかも。

ちなみに、Wine Cellar KATSUDAでは10日の1時59分まで、ハーランなどセールになっています。ハーラン2006は税抜きなら7万円台。

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メイデンなら税抜き2万円台。


レアさでは上を行く、スクリーミング・イーグルのセカンドワイン「セカンド・フライト」もセール。

Date: 2017/0808 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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旱魃の間、7月にずれこんでいた収穫の開始ですが、2017年のナパの収穫は8月9日と平年並みに戻りました(Napa Kicks Off Another "Classic" Harvest)。

口火を切ったのは例年通りマム(Mumm)。スパークリングワイン用のブドウを収穫しました。

ちなみにカリフォルニア全体を見ると、ロウダイのマイケル・デイヴィッドが7月24日と昨年並みの早さでした。こちらもスパークリングワインに使うシャルドネです。

ただ、スティル・ワイン用のブドウの収穫は例年通りとのことです。
Date: 2017/0807 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日紹介した、マイケル・クルーズのワイン「モンキー・ジャケット」、最新ヴィンテージがWassy'sにも入荷しています。ヴァルディギエ、シラー、プティ・シラー、タナを中心にしたブレンドという、カリフォルニアの新しいムーブメントの最先端にいるワインと言っていいでしょう。新しい動きを知りたい人はぜひ。

Date: 2017/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラのサンディ(Sandhi)、ドメーヌ・ド・ラ・コート(Domaine de la Cote)、オレゴンのイヴニング・ランド(Evening Land)でワイン作りをするラジャ・パーとサシ・ムーアマンが行っている醸造技術についての記事がWine Business Monthlyに載っていました(Winemakers use Pied de Cuve instead of Sulfur | Hawk Wakawaka Wine Reviews、リンク先は途中まで。Wine Businessのサイトからユーザー登録(無料)すれば、PDFやHTMLで記事が読めます)。

これらのワイナリーでは亜硫酸(二酸化窒素)をボトル詰めのときにしか加えていないとのこと。また、酵母は自然のものしか使っていません。

と書くのは簡単ですが、実際には醸造中に亜硫酸を使わないと、腐敗菌が入ってしまう恐れなどが非常に高くなってしまうので、かなりリスクが高まります。

そういった欠点のあるワインを作らないようにするため、彼等は「Pied de Cuve」と呼ばれるものを使っているそうです。これはブドウの一部を先に収穫して、畑で発酵させ、それを培養しておくというもの。従来からの自然酵母による発酵と、培養酵母を使った発酵の折衷的な方法と言えばいいのでしょうか。これによって自然な酵母を増やしておけるので、腐敗の恐れが少なく発酵・醸造できるようになるそうです。結果として、ワインの複雑味が増しておいしくなったそうです。

また、それだけでなくVA(ボラタイル・アシッド、揮発酸)のレベルも下がるとのこと。

自然派なワイン作りは、言うは易く行うは難しの典型例だと思いますが、このようなテクニックを使うことで、美味しい自然派が増えるのはいいですね(個人的には自然派という言葉には特別なありがたみを感じない方ですが)。

Date: 2017/0805 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectatorのトップ100に6回も選出されているランドマークのシャルドネ、オーバールックが25周年を迎えました。

以前はAVA指定はカリフォルニアでしたが、現在はロシアン・リバー・ヴァレーの自社畑のほか、ソノマ内の畑からブドウを調達しているそうで、ソノマ・カウンティの指定に代わっています。

価格も1999年以降ほぼ同じという優秀さ。

近年増えているエレガント系のシャルドネではなく、しっかり樽も効かせたタイプのシャルドネです。ロンバウアーもそうですが、たまに飲むと実においしいんですよねえ。

Date: 2017/0804 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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古木の畑からのジンファンデルなどを得意とするベッドロックが、コントラコスタ郡にあるエヴァンジェロ(Evangelho)ヴィンヤードを購入しました(Bedrock Wine Co. takes over Contra Costa’s old-vine Evangelho Vineyard - San Francisco Chronicle)。

エヴァンジェロは130年の歴史を持つ畑でベッドロックは2011年からここのワインを作っています。砂地の土壌でフィロキセラに強く、自根で育っているという貴重な畑。

実はコントラコスタにはほかにも古い畑がいくつもあるのですが、サンフランシスコからのアクセスの良さなどから、近年は宅地にしてしまう例がかなり多いとか。エヴァンジェロも相続するものがおらず、このままだと畑がなくなってしまうということでベッドロックが購入したようです。

36エーカーある畑のうち、ベッドロックが購入したのは10エーカー分。残りはPG&E(ガスと電力の会社)
が所有してベッドロックにリースする形になるそうです。

畑の管理は従来の体制が継続するとのこと。

カリフォルニアワインあとりえには、ここのワインについてベッドロックのオーナーであるモーガン・ピーターソンの次のようなコメントが載っています。

「ph値が低くアルコールも穏やかな酒質。それはつまりジンファンデル固有の美点が余さず表わされるとも意味する。ジンの華やかさに、混植混醸のカリニャンからは赤いクランベリーがはじける感、ムールヴェードルからは薫り高さを得ている。明るく華やかな味わいには一体感があり、ピノノワールのそれにも似たフィネスが存在する。様々な食事と合わせる事の出来るZINを選ぶならこの一本。」


Date: 2017/0803 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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味は素晴らしいのにラベルが台無しにしているワイン6選の記事がなかなか公表だったので、今度は私自身のセレクションで4つ選びました。

まずはFacebookでもおすすめがあったZinzilla。ワインはいたってまともなのですが、ラベルはちょっとねえ…。インパクトがあって覚えやすいとは言えますが。


次はカユースの「バイオニック・フロッグ」。

Bionic Frog

コミカルで面白いラベルだとは思いますが、これがカユースのフラグシップで、Wine Advocateの満点を2回も取っているようには見えないですよね。ワインの中身と比べてラベルはカジュアルすぎる気がします。

次はどんどんどんどんと4つ並べますが、ワインはいずれも同じクロニック・セラーズのものです。


個人的には嫌いではないです。むしろ好きなラベルです。ワインもコスパ高いです。ただ、どうしてもこのラベルはハロウィーンを連想してしまいます。どうもほかの季節には向かない気がしてしまうんですよね。なのでラベルで損している面もあるのではないかなあと思っています。

最後はこれ。レッド・カー。

Weekend must have.

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このラベルもいやではないのですが、レッド・カーといえばやっぱりこっちですよね。

せっかくいいラベルだったのにもったいないなあと思ってしまうのです。

ほかにも「損している」ラベルがあったらおしえてくださいませ
Date: 2017/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハーシュ・ヴィンヤード(Hirsch Vineyards)がソノマのヒールズバーグ(Healdsburg)にテイスティング・ルームを開きました。畑やワイナリーがあるいわゆる「True Sonoma Coast」は人里離れたところであり、例えばサンタ・ローザの町からドライブした場合、2時間くらいかかりました。周りに店なども全くないようなところであり、訪問は一日がかりになってしまいます。

そこで、より観光客などが訪問しやすいヒールズバーグにテイスティング・ルームを開くことにしたようです。

訪問は予約のみ。VinoVisit - Hirsch Vineyards Profile Information, Winery Events and Reservations in Healdsburg, Californiaから予約できます。

現在のところ、火曜日と水曜日が定休日、金曜日が10時~16時、それ以外の日が11時~16時オープンとなっています。

57 Front St ,
Healdsburg, California,
95448, United States



Much gratitude to our friends and community who came out to support us for the opening of the Hirsch Tasting Room!

Jasmine Hirschさん(@jasminehirsch)がシェアした投稿 -



Date: 2017/0801 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの生活のメリットとデメリットについて、ナパ在住のワイン・マーケターであるトム・ワーク氏が記事を書いています(The Pros and Cons of Living in Napa Valley - Fermentation)。

まず、良い点は気候、自然の美しさ、カルチャー、ショッピング、すべてが近くにあること。確かに、これらはうなずけますね。特に最初の2つについては、すばらしいと思います。

一方、悪い点は、家が高い、車が混む(サンフランシスコなど、近隣の地域との間の移動が大変)、車が混む(ナパ内の移動が大変)、チャイルドケア、ワイン以外の仕事がない。

家のコストについては、45万ドルから55万ドルで買える家について、ナパとオレゴンのヤムヒル・カウンティとを比較しています。

確かにナパの方が同じ価格で買える家はずっと小さいのですが、それでも50万ドルくらいで3ベッドルームの一軒家が買えるというのは、ベイエリアに比べるとまだましでは、という気もしました。ただ、家賃だけでなく物価や食費も高いので生活は大変でしょうね。

というわけで、お金があればナパはいい場所ですが、そうでないと大変そうです。