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Date: 2015/0430 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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渡米中の安部首相とオバマ大統領とのホワイトハウスにおける晩餐会でフリーマンのシャルドネが供されました(Barack Obama honors Japan’s Shinzo Abe with White House state dinner - POLITICO)。フリーマンのワインメーカーは日本人のアキコ・フリーマンさん(写真)。日本にゆかりのワインということで選ばれたものだと思われます。また、乾杯には日本酒の獺祭「純米大吟醸」が使われました。
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シェフとしては料理の鉄人で知られる森本正治氏が招かれ、ホワイトハウスのシェフと共同で料理を作ったとのこと。下の写真は1皿目として作られた「トロ・タルタル」(写真は森本氏のインスタグラムから)。


この料理に合わせて提供されたのがフリーマンのシャルドネ「涼風」2013です。

このほか、メインの和牛(ただし米国産)の料理にはモルレ・ファミリーのジョリ・クール・ピノ・ノワールが出されました。アイアン・ホースのロシアン・リバー・キュヴェも提供されたそうです。

ワインがどれもソノマ産というのも興味深いところです。

Date: 2015/0429 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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僕が受験したときも参考書として使った『英語で日本紹介ハンドブック』の改訂版が、本日限りの特価になっています。紙の本より1000円以上安いです。お薦め。

Date: 2015/0428 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2011年は近年の中では雨が多くて気温が低く、難しいヴィンテージと言われています。ナパのカベルネも、あまり高い評価は得ていないヴィンテージですが、実際のところはどうなのでしょうか(Wine: Re-evaluating Napa's 2011 cabs)。

サンノゼ・マーキュリーの記事によると、多くのワインはナパのビッグなスタイルではないですが、繊細さとバランスがあって美味しい物もたくさんあるとのことです。

ただ、すべてのワインがいいとは言えないので、慎重に選ぶ必要があります。例えば水はけがあまりよくない畑は選ばない方がいいでしょう。新樽をふんだんにつかったものも避けた方が良さそうです。

一方で、斜面の畑はいいものが多いようです。

お薦めとして上げられているのは
2011 Ladera Howell Mountain Reserve Cabernet Sauvignon ($90)
2011 Smith-Madrone Spring Mountain District Cabernet Sauvignon ($48)
2011 Spottswoode "Family Estate" Cabernet Sauvignon ($150)
2011 DominusおよびNapanook
です。

Date: 2015/0427 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日、カリフォルニアワインあとりえで入荷があったものの「瞬殺」になってしまった、ヴァーナー/ニーリーのピノ・ノワールが柳屋に入荷しています。

すべて自社畑ですが、ヴァーナーは単一ブロック、ニーリーは3ブロックのブレンドになっています。
Date: 2015/0427 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IPOBの試飲会会場でのミニミニインタビューをまとめました。

●ブラッドリー・ブラウン/ビッグ・ベイスン・ヴィンヤーズ
――バランスの取れたワインをどう定義しますか。
ブラッドリー:香りが複雑であること、いきいきとした果実味があること、を大事にしています。
――それを実現するのに大事なことは何でしょう。
ブラッドリー:収穫のタイミングはとても重要です。それが数日異なるだけでワインは全く違った味わいになってしまいます。
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●スティーブ・マサイアソン/マサイアソン・ファミリー・ヴィンヤード
――バランスの取れたワインとはどういうものですか。
スティーブ:いろいろな味わいの調和が取れていることです。食事と合わせて飲んでおいしいことも大事です。
――ナパのワインを作っていますが、シャルドネにとっては暑すぎることはないですか。
スティーブ:シャルドネの畑があるオーク・ノールのあたりは海からの霧の影響が強いので、シャルドネも大丈夫です。また、フレッシュさを保つため、マロラクティック発酵は全く行わないか、行っても少しにしています。
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●ジェイソン・ジャーディン/ハンゼル・ヴィンヤーズ
――バランスの取れたワインには何が重要ですか。
ジェイソン:テクスチャとハーモニーです。ハンゼルにはカリフォルニアで最も古いピノ・ノワールの樹があるなど、古い畑も多くあります。その歴史を引き出すことも大事です。
――具体的な手法は何かありますか
ジェイソン:やり方はいろいろありますが、大事なのは「信じること」です。
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●ジェームス・オンティヴェロス/ネイティブ9
――ネイティブ9はどういうワイナリーですか
ジェームス:ネイティブ9とは9世代目という意味です。牧場をやっていたところを1997年にブドウ畑にしてワイナリーを始めました。
――バランスの取れたワインには何が必要ですか。
ジェームス:味わいの調和ですね。そのためには適切な畑が大事だと思っています。
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●キャロル・ケンプ/レッド・カー
――レッド・カーは最初はLA近辺のワイナリーでしたね。ソノマに移転したのはなぜですか。
キャロル:最初に何年かワインを作ってから、自分で畑を持つことが大事だと思うようになりました。それで見つけたのがソノマ・コーストでした。
――ワインの味わいも以前はもっと濃い、いわゆるカリフォルニア的なものだったと思います。
キャロル:そうですね。そういう意味では最初と比べるとすべてが変わったと言えると思います。
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Date: 2015/0426 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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柳屋で不定期開催のアウトレット・セールを行っています。ラベルの傷など、ワインの内容には問題のない「訳あり」ワインを集めたもの。当然、本数は極めて限定されています。

今回のワインの目玉はファイラ(Failla)。先日から紹介しているIPOB(In Pursuit of Balance)のメンバーです。希望小売価格9000円のハドソン・ヴィンヤードのシャルドネが税抜き5980円など、かなりの割安です。

このほか、シャスールの「リッチー」のシャルドネなど、白ワイン好きには見逃せないワインが出ています。

一方、赤ワインではレイヴンズウッドのフラグシップ「オールド・ヒル」が特価。ワイナリー価格60ドルのワインが税抜き4500円になっています。樹齢100年を超える古木の畑のワインです。



Date: 2015/0424 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IPOBミニインタビューシリーズの最後はペイ・ヴィンヤーズのニック・ペイ、ヴァネッサ・ウォン夫妻です。おしどり夫婦という言葉が似合うとても仲の良いお二人でした。

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――ペイ・ヴィンヤーズについて教えて下さい。
ニック:私とヴァネッサは1990年にUCデイヴィスで知り合いました。その後、ヴァネッサはピーター・マイケルなどで働き有名なワインメーカーになりました。

96年にソノマ・コーストの最も北のアナポリスというところの、海から6kmほど離れた場所で土地を買いました。98年に12ヘクタールの畑を作り、今は21ヘクタールまで広がっています。ヴァネッサは2001年からペイに専念しています。

――ヴァネッサさんはとても有名なワインメーカーですが、ピーター・マイケルから、このような小さなプロジェクトに移った理由は何でしょうか。
ヴァネッサ:自分で様々なことをコントロールできるからです。ただ、天気だけは自分でコントロールできないので大変です(笑)。

――畑はとても涼しそうなところにありますね。
ニック:ここの畑は標高200~250mくらいのところにあります。ここの気候で面白いのは、標高が低いほど霧などの影響が大きくて気温が低くなることです。また、ある標高を超えると今度は標高が高いほど気温が低くなります。ペイの畑はちょうど霧が届く限界くらいにあります。

――ワイン作りの特徴を教えて下さい。
ヴァネッサ:除梗をせず、天然酵母だけを使っています。

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試飲したワインの中ではソノマ・コーストのシャルドネは花の香りが愛らしく、何度も飲みたくなるようなワイン。一方エステートのシャルドネはミネラル豊かで芳醇な味わい。

ピノ・ノワールもソノマ・コーストのものは香りの豊かさが特徴的でした。また「アマ」というエステートのピノ・ノワールは、うまみを強く感じるワイン。どのワインもさすがの出来栄えでした。

Date: 2015/0423 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2019年までにすべてのブドウ畑を「持続可能」な形にすると、2014年に宣言したSonoma County Winegrowersが中間報告を公表しました(Sonoma Countys Vineyards Reach Halfway Mark Towards Becoming 100% ...)。

それによると、持続可能な畑は現在自己申告で58%。宣言から1年、目標まで4年にして早くも過半数に達しました。

ちなみに、今年1月に公表された年次報告では自己申告で43%、サードパーティーの認証済みで33%。そのときと比べても15ポイントと急激に増えています。

Sonoma Country Winegrowersはさらに、次世紀に向けた『100年ビジネスプラン』を策定するとのこと。

これまで地域のプランディングについては大きくナパの後塵を拝してきたソノマですが、この分野では、かなり頑張っている印象です。
Date: 2015/0422 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オー・ボン・クリマはサンタ・バーバラの開拓者としても有名です。90年代から日本での人気は高く、フラグシップのピノ・ノワール「イザベル」はなかなか入手できないワインでした。また、IPOBが話題になるよりずっと前からエレガントなワインを作り続けています。

オーナーのジム・クレンデネンは日本びいきで、数えきれないほど日本に来ています。また、長女でワイン名に名前が使われているイザベルさんは、日本のマンガが大好きだそうです。

インタビューは白ワイン3種(2013ミッション・ラベル・シャルドネ、2011ニュイ・ブランシュ、2012ヒルデガード)、ピノ・ノワール3種(2012ミッション・ラベル、2011ノックス・アレキサンダー、2011イザベル)を試飲しながら行いました。

なお、このインタビューのスピンオフとして「オー・ボン・クリマのラベルはなぜ三角形なのか」という記事を書いています。併せてお読みください。

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――最初はミッション・ラベルのシャルドネですね。
ジム:ミッション・ラベルは中川ワイン用に専用で作っているワインです。ドリュー・カタオカさんという墨絵の画家にラベルを描いてもらっています。ブドウはビエン・ナシードです。

――ほかのビエン・ナシードのワインと、ラベル以外にも違いがあるのですか。
ジム:作るときから別々です。ミッション・ラベルでは保存・熟成用の樽は、新樽を使いません。寿司に合うワインです。

――次はヒルデガードですね。
ジム:これはピノ・グリ50%、ピノ・ブラン30%、アリゴテ20%のブレンドです。ピノ・グリとピノ・ブランはビエン・ナシードから、アリゴテはル・ボン・クリマという自社畑のものです。

――白ワインの最後はニュイ・ブランシュです。
ジム:ブドウはビエン・ナシードとル・ボン・クリマが半々です。ビエン・ナシードの分は、すべてディジョン・クローンのシャルドネを使っています。また、ル・ボン・クリマのブドウは繊細さを出しています。

――ニュイ・ブランシュは以前は「新樽200%」などといってカリフォルニア・スタイルのワインでした。今は大分エレガントになった気がします。
ジム:はい。このワインは最初、評論家がオー・ボン・クリマのワインを高く評価しないのに対抗するために、評論家好みのスタイルで作ったのでした。しかし、2000年ころに作り方を変えて、今のスタイルになっています。名前を、ただのニュイ・ブランシュから「ニュイ・ブランシュ・オー・バージュ」と変えたのが、そのときからでした。

――ピノ・ノワールのミッション・ラベルも作り方は違うのですか。
ジム:ピノ・ノワールのミッション・ラベルでは茎を全く入れないで作っています。やや土っぽく、スパイシーなニュアンスのあるワインです。
Date: 2015/0421 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえに、先日IPOBミニインタビューで紹介したヴァーナー/ニーリーのピノ・ノワールが入荷しています(IPOBミニインタビューその3――ロバート・ヴァーナー/ヴァーナー・ワイン)。

ピノ・ノワールの場合、自社畑の3つのブロックがそれぞれニーリー、それらをブレンドしたものにヴァーナーという名前が付いています。

コスト・パフォーマンスでは最高の部類に入るのではないでしょうか。IPOBのワインを知るためにもいいワインだと思います。

Date: 2015/0421 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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リオコ(LIOCO)のマット・リクライダーは昨年、IPOBを紹介する日本でのセミナーにラジャ・パーと並んで参加していたIPOBの中心的メンバーです。
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――リオコのワイン作りについて簡単に教えて下さい。
マット:テロワールを意識したワインを作っていきたいと考えています。現在、メンドシーノ、ソノマ、サンタ・クルーズの畑からワインを作っています。

――自社畑はありますか。
マット:いいえ、自社畑はありません。いい畑を探して契約しています。畑のハンティングでドライブをして回るのは楽しいですよ。

――(ピノ・ノワール ソノマ・コースト ラグーナ2012を試飲して)このワインの特徴を教えて下さい。
マット:ラグーナというのは、このワインの畑のあたりがロシアン・リバーの沼地が点々とする地域であることを示しています。ワインは明るく、フレッシュで赤い果実のピリッとした感じがあります。これがソノマ・コーストのピノ・ノワールの特徴でもあります。

――(ピノ・ノワール ソノマ・コースト ハーシュ・ヴィンヤード2012を試飲して)ハーシュの味わいはとても好きです。これもいいワインですね。
マット:ハーシュは、先ほど言ったソノマ・コーストの特徴に加え、可愛らしさもあり、またパワフルでもあります。

――(シャルドネ ハンゼル・ヴィンヤード2012を試飲して)これも美味しいですね。ハンゼルが他社にブドウを分けているとは知らなかったです。
マット:リオコはワインのインポーターをしていた私と、有名なレストラン「スパゴ」のワイン・ディレクターであるケビン・オコナーによるワイナリーです。「スパゴ」はハンゼルにとっては大お得意様。そこでワイン作りを始めると決めたときに、このブドウを使いたいと考えて電話してみました。その結果、うちだけがハンゼルの畑のブドウを購入するようになりました。

――IPOBのセミナーでハンゼルの2000年のシャルドネを試飲しました。とてもいいワインでした。熟成についてはどう考えていますか。
マット:熟成に耐えるワインであることも大事にしています。

――今回のイベントは大盛況でしたが、米国でIPOBはどのように受けとめられていますか。
マット:毀誉褒貶いろいろあります。ワインを売るためだけにやっているのだろう、と言われることもあります。

――売るためにIPOBに入るのなら、ラベルにロゴを入れたりすることもありえますか。
マット:(笑)。それはありません。そもそもIPOBは2年に1回の審査があるので、2年後も会員かどうかは分からないのです。
Date: 2015/0420 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IPOB発案者の一人であるラジャ・パーはサンタ・バーバラでサンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コートというワイナリーの共同オーナーです(写真上)。共同オーナーでありワインメーカーでもあるサシ・ムーアマン(写真下)と共に話を伺いました。サシ・ムーアマンは自身のプロジェクトであるピエドロサッシでもシラーを中心にワインを作っています。
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――IPOB最初の海外イベントとして日本を選んだ理由は何ですか。
ラジャ:日本人はすべてにおいて、バランスが取れています。食事は特にそうです。また、日本人は洗練されていますし、IPOBのようなフィロソフィーを理解してくれます。

――ドメーヌ・ド・ラ・コートとサンディについて説明してください。
サシ:サンタ・リタ・ヒルズでは246号線沿いとサンタ・イネズ川沿いに畑があります。我々はその中でもサンタ・イネズ川沿いの畑に興味を持っています。246号線沿いは砂地の土壌が中心になるのに対し、サンタ・イネズ川沿いでは粘土と海の堆積物が中心となります。また、川を挟んで北と南で斜面の向きなど、いろいろな違いが出るところも面白いです。

ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑はその中でも最も海に近い西側の土地で、この地域では珍しい石灰質の土壌があります。

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――地図を見ると、川の南側に意外と多くの畑がありますね。北斜面になるので日照的には不利なような気がしますが。
サシ:そうですね。我々は川の南側の畑はシャルドネに適していると考えています。

――ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑は海に近いので、風も相当きついと思います。畑の列は風が抜けるように東西(風は西側から吹く)方向に作るのですか。
サシ:いいえ、南北方向に作ります。一番海側の1列で風を受け止めるのです。したがって、その1列だけはブドウのできは悲惨なものになります。また、風からブドウの樹を守るために、1エーカーに4000本の密植をしています。

――ほかには何か特徴がありますか。
サシ:クローンですね。ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑ではディジョン・クローンは使っていません。マウント・エデン、カレラ、スワンといったカリフォルニアで昔から使われているクローンを使っています。特に、ブルームス・フィールドという畑では、これら3つのクローンを1列ごとに植える形になっています。

――サンディではサンフォード&ベネディクトの畑のワインを作っています。他のワイナリーとの違いをどのように出していますか。
ラジャ:うちでは特に古い樹のブロックを使わせてもらっています。

――ピエドラサッシのシラーも美味しいですね。
サシ:ピエドラサッシでは、ワインのスタイルがビッグになりすぎないように、早い時期に収穫をします。また、アロヨ・グランデにあるリム・ロックという畑は非常に珍しい自根によるシラーが植わってます。樹齢も30年を超えています。

――IPOBが最初のイベントをサンフランシスコで開いてから4年経ちました。米国のワイン愛好者の好みは変わってきていると思いますか。
ラジャ:少しずつ変わってきています。特に、若い人はIPOBをよく受け入れています。古くからワインを飲んできた人の好みは正直に言ってなかなか変わりません。それでも若い世代に受け入れられているのはいい徴候だと思います。

Date: 2015/0419 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オー・ボン・クリマといえば、特徴的なのが正三角形のラベルです。IPOBでオー・ボン・クリマのジム・クレンデネンさんにインタビューする機会があり、そこでかねてから聞いてみたかった、三角形のラベルにした理由を、質問してみました。本来はミニインタビューシリーズに入れる内容ですが、面白かったので、この部分だけ独立して記事を書いておきます。

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1982年にジム・クレンデネンが現オーハイのアダム・トルマックとワイナリーを立ち上げたとき、まだワイナリーの名前が決まっていませんでした。そこで2人で100個もの名前を考えました。

アダムはフランス語の名前は嫌だといって、スペイン語やドイツ語などの名前を候補として挙げていました。一方で、ジム・クレンデネンが挙げた候補の1つがAu Bon Climatでした。

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ラベルのデザインはアダムの兄のリチャード(もしかしたら名前聞き間違えかも)が担当していました。彼が考えたのが正三角形のラベルです。

そのラベルにAu Bon Climatの文字を3段に配列すると、とてもきれいに並びました。また、頭文字の「ABC」というのもアメリカ人にとっては分かりやすく響きます。そこでリチャードが、この名前に決めた、と言って名前が決定したそうです。

名前が先にあって、ラベルを作ったのかと思っていましたが、実はそうではなかったのですね。ちょっと意外な話でした。

これ以外の話については、別途ミニインタビューを掲載する予定です。
Date: 2015/0418 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IPOBミニインタビュー第3段はサンタ・クルーズ・マウンテンズの実力派ヴァーナー/ニーリー(Varner/Neely)のロバート・ヴァーナーです。
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――ヴァーナーの畑について教えて下さい。
ロバート:自社畑は6ヘクタールあり、それを3つのブロックに分けています。標高は200m~300mで、海からの霧が覆う場所です。土壌の上部が粘土層になっています。

――3つのブロックはどう違うのですか。
表面の土壌の深さや、涼しい風の入り方、気温が異なります。

――ワイン作りについて教えて下さい。
我々のワイン作りは極めてシンプルです。灌漑はありません。カバー・クロップ(地表を覆う草)はありません。酵母も野生のものです。

――シンプルですが、とても難しそうです。
ロバート:確かにそうです。一番重要なのは準備です。冬の間の剪定でほとんどが決まります。

多くの畑では、ブドウの樹が育ってきてから、こっちの枝を残すとか、こっちを落とすとか、ここの葉っぱは日当たりに影響するから取ってしまおうといったことをします。

うちではそういったこともしません。極めて慎重によく考えて剪定をしておくことで、実をつけるブドウの枝が適切な方向に伸びるのです。したがってブドウが伸び始めてからはほとんど何もしません。

――それはすごいですね。クローンは何を使っていますか。
ロバート:シャルドネはクローン4とウェンテです。ピノ・ノワールはディジョン・クローンの150と777です。

――ディジョン・クローンは濃いワインになりすぎるという意見もありますが。
ロバート:その通りです。環境によっては濃いワインになってしまいます。ディジョン・クローンでいいワインを作るためには、適切な日光と冷たい空気が必要です。ヴァーナーの畑はその条件を満たしているのです。

――ところで、ワインの名前がヴァーナーだったり、ニーリーだったり分かりにくいのですが。
ロバート:ヴァーナーは生産者の名前で、ニーリーは土地の持ち主の名前なのです。

――フォックスグローブもありますね。
フォックスグローブは自社畑ではなく購入したブドウで作っています。畑はセントラル・コーストでいくつかの畑と契約しています。

ワイン作りもヴァーナー/ニーリーとは全く別の方法です。ヴァーナー/ニーリーであれば高価な樽を使いますが、フォックスグローブでは樽を使いません。どうやって最小限のコストで、美味しいワインを作れるか考えて取り組んでいます。

収穫時期はヴァーナー/ニーリーよりも早くなります。畑が暖かいところにあるからです。

――私もフォックスグローブはすごく好きなワインです。
ヴァーナーとは異なりますが、これはこれでとても楽しいです。

Date: 2015/0418 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IPOBミニインタビュー第2弾はコパン(Copain)のワインメーカーであるウェルズ・ガスリーさんです。
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――バランスの取れたワインとはどのようなものだと考えていますか
ウェルズ:アルコール度が高すぎず、煮詰めたような味わいにならないことは必要だと考えています。繊細で、土地の感覚が得られるようなワインにしたいです。また、畑とヴィンテージの違いが表現できるようなワインであることも重要だと考えています。

――コパンはアンダーソン・ヴァレーに畑を持っていますね。どうしてアンダーソン・ヴァレーを選んだのでしょうか。
ウェルズ:ワイナリーを始める前、サンフランシスコでWine Spectator誌の試飲コーディネーターをしていました。そのときにリトライ(Littorai)のテッド・レモンによるアンダーソン・ヴァレーのワインをテイスティングしました。それがとても美味しく、アンダーソン・ヴァレーのワインを作りたいと思いました。

――今回のイベントはピノ・ノワールとシャルドネに品種を絞っていますが、コパンはいいシラーも作っていますね。
ウェルズ:シラーは北ローヌのスタイルが好きで、シャプティエでワイン作りを学びました。甘くなく、果実味も抑えめのシラーで、カリフォルニアの一般的なスタイルとは異なっています。個人的にはすごくシラーが好きですが、売るのは大変です。

――今でもシラーを売るのは難しいのですか。
ウェルズ:ピノ・ノワールは映画『サイドウェイズ』以降、よく売れるようになり、放っておいても売れていきますが、シラーはそうではないです。

――今回、日本食もいろいろ試されたと思いますが、コパンのワインに合う食事は何だと思いますか。
ウェルズ:しゃぶしゃぶはピノにもシャルドネにも合うように思いました。マグロの刺し身は古いシャルドネに合わせたいですね。

Date: 2015/0418 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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4月16日に開催されたIPOBジャパン・ツアーで来日した生産者へのインタビューを紹介していきます。最初はハーシュ・ヴィンヤーズ(Hirsch Vineyards)のジャスミン・ハーシュさんです。創設者デイビッド・ハーシュの次女であり、ワイナリーのスポークス・パーソンを務めています。また、IPOB発案者の一人であり、サンディ/ドメーヌ・ド・ラ・コートのラジャ・パーと並んでIPOBの顔でもあります。

今回はハーシュ・ヴィンヤーズについて聞くとともに、IPOBについても伺いました。
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――今回はIPOB初の米国外でのイベント開催です。最初の国外のイベントとして日本を選んだのはなぜですか。
ジャスミン:日本人はいろいろな意味で洗練されています。料理も洗練されていますし、ワインの知識も豊富です。味覚も優れています。「うまみ」を生み出したのも日本です。

――お父さんのデイビッド・ハーシュがソノマ・コーストに土地を買ったのは1978年だったと聞いています。当時は近隣には全くブドウ畑もなかったわけですが、どうしてこの土地を選んだのでしょうか。
ジャスミン:ワインを作ろうと思っていたわけではなく、その場所が気に入ったから買ったのです。実際、最初からブドウを植えていたわけではなく、最初にブドウを植えたのは1980年でした。結果的にはとてもラッキーでした。

――ハーシュとしてワインを作り始めたのは2000年代になってからですね。その理由を教えて下さい。
ジャスミン:デイビッドは根っから農作業が好きで、ブドウを作っていました。いいブドウを作るためにはワインを作る経験も必要だと考えてワイン作りを始めました。

――今でもワイン作りよりも他のワイナリーへのブドウ供給が中心ですか。
ジャスミン:今は半々です。

――現在はピノ・ノワールとシャルドネを作っていますが、他の品種は作らないのでしょうか。
ジャスミン:個人的にはシラーやシュナン・ブランもすごく好きです。ですが作り手としてはピノ・ノワールとシャルドネにフォーカスしていきます。

――今回のイベントは大盛況でした。これほど大きなイベントになることを予想していましたか。
ジャスミン:いえ、まったく。ラジャ・パーとIPOBを始めたきっかけは、ただのおしゃべりでした。今回はとても驚きました。

――米国のワイン愛好者の好みも変わってきていますか。
ジャスミン:少しずつ変わってきているのを感じています。

――最後に、昨年大怪我をされたお父さんの現在の状況を教えていただけますか。
ジャスミン:ひどい怪我でしたが、大分回復してきて、今は退院しています。現在は病院に近いヒールズバーグにいますが、もうじき家に帰れると思います。

――それは良かったです。
ジャスミン:父のことを聞いてくれてありがとうございます。
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Date: 2015/0417 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジョセフ・フェルプス(Joseph Phelps)の創設者でありオーナーだったジョセフ・フェルプスさんがなくなりました。享年87歳だったそうです(Joseph Phelps, Pioneering California Wine Producer, Dies at 87 | News | News & Features | Wine Spectator)。

コロラド州で建築会社を経営した後、ナパで1973年にジョセフ・フェルプス・ワイナリーを立ち上げます。1974年にはボルドータイプのブレンド「インシグニア(Insignia)」を作り始めます。このタイプのワインとしては最初のものであり、オーパス・ワンを5年先んじていました。

このほか、今は売却してしまいましたがローヌ系品種にもいち早く取り組んでいました。

近年ではソノマにフリーストーン(Freestone)を立ち上げ、ピノ・ノワールとシャルドネを作っています。

2005年に息子に後を譲り、引退生活を送っていました。

ロバート・モンダヴィなど創設者名を冠したワイナリーの多くが人手に渡るなか、ここは極めて安定して経営している感があります。

また、インシグニアを筆頭にワインも常に高い評価を受けています。

安らかに


Date: 2015/0417 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアのワイナリーの集まりの中でも一番注目されているIPOBのイベントに参加してきました。33の加盟ワイナリーの中で24のワイナリーのワインが試飲できるという盛り沢山なもの。しかも米国以外での開催は初めてです。

試飲会以外に開催されたセミナーではオーハイ、ハーシュ、オー・ボン・クリマ、ハンゼルの4ワイナリーの代表者がワインにおけるバランスについて語り合いました。コーディネーターは西麻布「ルエ ヴェル ロール」のソムリエである千葉和外さんでした。

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セミナーでの試飲ワインはピノ・ノワール8種
オーハイが2013年と2007年のフェ・シエガ
ハーシュが2011年のリザーブ・エステートと2007年の「サン・アンドレアス・フォールト」
オー・ボン・クリマが2011年と2005年の「ノックス・アレキサンダー」
ハンゼルが2012年と2000年のエステートでした。
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IPOBはIn Pursuit of Balanceの略。「バランスを追求」したワインを作ろうとするグループなわけです。

では、そのバランスとは何か。セミナーではそこを中心に4人が語りました。

オーハイのアダム・トルマックは、オー・ボン・クリマをジム・クレンデネンとともに立ち上げたという経歴がある重鎮。彼の話で面白かったのは、バランスが取れたワインの特徴を語るときに「アルコール度数が低い」とか「果実味が強くない」といった「~が低い、足りない」という要素を取り上げる傾向があるが、そうではなくて「もっと~」といったプラスの表現をしていきたい。具体的に言うと、もっとテロワールをよく表現したワインであることを目指しているようです。

オーハイのワインは今回のセミナーの4つのワイナリーの中では最も力強いものでした。特に2007年の方はそれが目立っていましたが、そのころはまだバランスよりも味を強く引き出すことを中心に考えていたようです。

ハーシュのオーナー、デービッド・ハーシュの次女であるジャスミン・ハーシュは、IPOBはIPOT(In Pursuit of Terroir)の方が良かったのかもしれないとコメントしていました。確かに、このセミナー以外にもいろいろな方に話を伺ったのですが、土地を表現するということは多くの人が共通して語っていたことでした。

ハーシュのワインは、個人的には今回の4ワイナリーの中では一番好きでした。2011年は香りが素晴らしく、2007年は熟成して旨味が出てきていました。

オー・ボン・クリマのジム・クレンデネンはビエン・ナシードの畑のブドウで作っているノックス・アレキサンダーを提供。2011年はとても酸がきれいでエレガントなワイン、2005年は結構熟成していい感じになってきていました。

1990年に畑の植え替えを決断して畑を作りなおしたのが今のワインにつながっているとのことでした。

最後のハンゼルは1950年代からピノ・ノワールを作ってきたカリフォルニアでは歴史t機なワイナリー。今回試飲に提供した2012年と2000年のピノ・ノワールは、作り方は全く同じとのことでした。違いはヴィンテージだけ。しかし、味わいは相当に違います。

2012年は優等生的な美味しいワイン。一方「15年が一区切りになる」(ジェイソン・ジャーディン社長)というように2000年は紹興酒のような熟成した味わいになっていました。

セミナー以外にもいろいろな方から少しずつ話うかがったので、それらは別記事で紹介していきます。
Date: 2015/0416 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オーストラリアのクイーンズランド大学での研究によると、ピノ・ノワールは3000万年以上前のウイルスから遺伝子を取り込んで進化した形跡があるとのことです(Pinot Noir’s Diversity May Come from a 30 Million-Year-Old Battle with Viruses | News | News & Features | Wine Spectator)。

通常、生物の進化、すなわち遺伝子の変化は雌雄の交配によって起こります。ところが、今回の発見では、遠くはなれた種であるウイルスによって、遺伝子が変化しています。通常の進化というよりも、遺伝子操作による変化に近いそうです。

ウイルスは生物の細胞に寄生して増殖します。寄生された生物がそれを持ちこたえられないと死んでしまいますが、生き残る過程でそのウイルスを自らの遺伝子に取り込んで、傷を塞ぐ役目を果たすそうです。

ブドウは通常、雌雄の交配ではなく、接ぎ木によって増やします。接ぎ木の場合は遺伝子の変化がありません。それでも品種が多様化する理由の1つがここにあるのかもしれないと考えられているようです。
Date: 2015/0415 Category: 業界ニュース
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2月9日にTTB(アルコール・タバコ税貿易管理局)が提案した、ラベルにおける「州」の表記ルールの変更にオレゴン州、ワシントン州が反対を表明しています(Washington, Oregon wine leaders oppose proposed AVA rule - Great Northwest Wine)。

このルールは、ワインがAVAに表記する州に隣接する州で醸造や瓶詰めなどを行った場合にも、その州名を付けていいというもの。例えば、カリフォルニア州のワインをオレゴンやネバダなどで醸造してもカリフォルニアと名乗れることになります。

なお、州名を名乗るためには、州内のブドウを75%以上使っていないといけないというルールについては変更ありません。

新しいルールが提案された背景には、オレゴンとワシントンの州境に近いオレゴン州の「Rocks District of Milton-Freewater」AVA策定時の意見があるとのこと。近くにあるワシントン州内のカスタム・クラッシュを使って醸造したいというワインメーカーからルールの緩和を求められたそうです。

昨日までがコメントの期限でしたが、42個のコメントの中では反対がやや賛成よりも多いといったところのようです(Regulations.gov - Docket Folder Summary)。

ちょっとルールを緩めすぎのような気もしますが、どういう決定になるでしょうか。
Date: 2015/0414 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロウダイで大規模な雹の害がありました。竜巻のような暴風を伴うもので、被害の地域も竜巻のように、同じ道沿いでも、ひどいところと、ほとんど被害がなかったところに別れたようです(Vines Shredded in Lodi Hail Storm - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

被害が大きかったHeritage Oakワイナリーでは、ジンファンデルの収穫が30〜50%も減る恐れがあるとのこと。暴風による影響が今後に響くならばさらに減るかもしれないそうです。

残念なのは、旱魃解消にはなんの助けにもならなかったとのこと。
Date: 2015/0413 Category: 業界ニュース
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今週はついにIPOBのイベントです。ということで、先週のジャスミン・ハーシュに引き続き、IPOBの立ち上げメンバーであるラジャ・パーのインタビュー動画です。

一番興味深い「バランスの取れたワインとは何か」という質問に対しては、「アルコール、酸、果実味、タンニンのハーモニーだ」と答えています。したがって、アルコール度が15%でバランスが取れたワインもあるのだと。

Date: 2015/0412 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアにプレミアムなワインは数ありますが、その中でも知名度では圧倒的なのがオーパス・ワン。近年は品質的にも安定している感があります。

そのオーパス・ワンでワイン作りに携わった2人が作るワインに新ヴィンテージが出ています。

1つはポートフォリオ。元オーパス・ワンで現在もロバート・モンダヴィでワインメーカーを勤めるジュヌビエーヴ・ジャンセンズさんによるプライベートな作品です。リレー・インタビューでも紹介しています(ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長)。

生産量はオーパス・ワンの100分の1程度の200ケース。それだけ手をかけて作っているワインです。画家のご主人が描いたラベルも味わいがあり、オーパス・ワンと並べても全く引けをとらないワインです。



もう1つはコンティニュアム。故ロバート・モンダヴィの次男であるティム・モンダヴィのワインです。ティムはモンダヴィ、オーパス・ワン両方のワインメーカーを勤めていましたが、モンダヴィがコンステレーション・ブランズに買われたことで、新たにコンティニュアムを立ち上げました。ロバート・モンダヴィが最後に携わったワイナリーでもあります。

当初はモンダヴィの銘醸畑トカロンのブドウを使っていましたが、最新ヴィンテージではプリチャード・ヒルにある自社畑のブドウに100%切り替わっています。こちらも生産量は少ないですが、品質ではオーパス・ワンに全く引けを取りません。



あんまり紹介しない、高額ワインを取り上げたついでに、今カリフォルニアでも最もプレミアム度が高いかもしれないワインを挙げておきます。

それはスケアクロウ。ワイナリー自体は新しいですが、畑はナパの中でも最も古いと言われています。かつてはイングルヌックに使われていた畑です。既にWine Advocate誌でも100点を取っており(2007年)、品質も折り紙つきです。

Date: 2015/0410 Category: おすすめワイン
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オレゴンのレメルソンというワイナリーのピノ・ノワールがインポーター終売とのことで柳屋でセールになっています。通常6000円のところが3980円(税抜き)。

このワイナリーについてはほとんど知識がありませんが、ジャンシス・ロビンソンが「Who makes the best Pinot Noir?」という記事においてLemelson, Six Vineyards 2006 Willamette Valley, Oregonを65本のピノ・ノワールの中から好きだったもの5本の一つに選んでします。

なお、柳屋ではウェンテのヘイズ・ランチというシャルドネを1500円2本で送料無料にしています。同梱ワインも合計12本まで送料無料になるので、併せ買いをお薦めします。


Date: 2015/0410 Category: 業界ニュース
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ナパのダイヤモンド・マウンテンにあるワイナリーであるフォン・ストラッサー(von Strasser)が、醸造設備やケーブ、15エーカーの自社畑などを売却したことが明らかになりました(Diamond Mountain Winery Sold - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

ブランドや在庫、一部の畑は対象外であり、今後もフォン・ストラッサーとして、ワインを作っていくそうです。また当面は売却した醸造設備を借りる形で場所も変わらないとのこと。また、売却した畑のブドウも購入して作るとのことですが、その部分は契約外なので、ずっと続くかどうかは不明です。なお、売却先は明らかにしていません。

オーナーのルビー・フォン・ストラッサーは今後、コンサルティングワインメーカーに仕事を増やすとしています。

状況から想像すると、資金繰りが厳しくなったか、マーケティングに疲れたか、という感じを受けてしまったのですが、どうなのでしょうね。

先日のキュヴェソンの売却は既に軸足をカーネロスに移しているので、当然の帰結と思いましたが、今回はあまり前向きではなさそうな気がします。

Date: 2015/0409 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国ではワイナリーがソーシャルメディアを使うときのルールがいろいろあります。それを4問のクイズで解説した記事がありました(How Well Do You Know Legal Regulations for Winery Social Media?)。

クイズを挙げておきましょう。いずれも○か×かで答えてください。
1.TTBはソーシャルメディアを広告チャネルと考えている
2.ワイナリーが使うソーシャルメディアは、21歳以上が8割を超えていないといけない
3.ワイナリーがブロガーに無料サンプルを渡して記事を書いてもらった場合、ブロガー試供品であることを書かないと、ワイナリーも罰せられる
4.ワイナリーは自身のワインが買えるショップを一つだけソーシャルメディアに載せていい

こたえはどうだと思いますか?

1は○、2は×、3は○、4は×。が正解です。

1は正しいです。したがって広告メディアへの出稿と同じ制限が課せられます。例えば「ワインを飲むと健康にいい!」みたいなことは書いてはいけません。

2は×。正解は80%ではなく71.6%でした。TwitterやFacebookはこの制限をクリアしています。

3は○。正解。ブロガーもワイナリーも罰せられます。

4は×。一つだけではなくリストで挙げればOKです。

結構いろいろ厳しいですね。関心がある方は目的レベルなどが変わるところなので頑張ってください。
Date: 2015/0407 Category: インタビュー
Posted by: Andy
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カリフォルニアでワインを作っている日本人は何人かいらっしゃいます。その中でも2010年からと、新しいのがノリア(ナカムラ・セラーズ)です。最近では故中村勘三郎さんが好きだったワインとして、テレビ番組で紹介されています(「鶴瓶の!型破り偉人伝!」で江川卓さんが紹介したワイン)。
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オーナーの中村倫久(のりひさ)さんは、元はホテルで働いていました。仕事でサンフランシスコに行ったのがきっかけでワイン作りを志すようになり、ついにその夢を実現しました。この3月に一時帰国されていたときに、話を伺いました。
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――ワインとの出会いについて教えてください。
中村:オペラ歌手の五十嵐喜芳(きよし)が私の伯父でした。伯父は西麻布に「マリーエ」というイタリアンのレストランを持っており、子供の頃からお祝いごとというと、このレストランに行くのが通例でした。その席には必ず藁で包まれたキャンティのボトルがあり、私にとってはそれが楽しい時間の象徴でした。

卒業旅行のときに実際にイタリアで1カ月貧乏旅行をしました。帰国間際にミラノで兄に飲ませてもらった1981年のバルバレスコは思い出に残っています。新鮮な果実が詰まった感じがして、ワインはただの飲み物ではないと、初めて感じました。

――サンフランシスコにはホテル日航の仕事でいらしたのでしたよね。
中村:はい、ホテル日航に就職し、1999年にサンフランシスコに行きました。ワインへの入り口がイタリアだったこともあり、最初はカリフォルニアワインを低く見る気持ちもあったのですが、週末ごとにワイナリーを回っているうちに、魅力を感じるようになりました。1年間で170くらいのワイナリーを見学しました。

――ワインの勉強はいつ頃始めたのですか。
中村:ワイナリー巡りをするうちに、だんだん作ることに興味を持つようになってきました。そして、UCデイヴィスで勉強することがワイン業界への入り口だと考えました。UCデイヴィスの専門課程に入学し、2002年から2004年まで通いました。

――ワイン作りには化学や生物などの知識などが必要だと思いますが、専門だったのですか。
中村:いえ。大学は文系だったので、全然勉強したことがありませんでした。専門課程に入る前に履修している必要があったので、最初の1年はその勉強に使いました。日本の大学のときよりも相当勉強しましたね。

UCデイヴィスのワイン学科は1学年25人位。最終的には、ある教授に気に入ってもらえたのが入学できた理由の1つかと思います。

――そしてワイナリーで働き始めた。
中村:在学中にKoves NewlanとPine Ridgeで収穫時期に働きました。卒業する年にはNapa Wine Companyの実験室に働き口を見つけ、フルタイムで働くようになりました。

Napa Wine Companyはカスタム・クラッシュと呼ばれる業態で、様々なワイナリーに施設を貸してワインの醸造を行います。ここは特に「カルト・ワイン」と呼ばれるようなワイナリーのワインも数多く作っています。勤めていたのは1年半ですが、通常のワイナリーの5年分くらいの経験ができたと思います。

実験室には常にいろいろなサンプルが運び込まれます。それを分析し、結果を元に試飲し、検討するといった作業を続けました。ワイナリーによってワイン作りの考え方はやアプローチは様々であり、それらを詳細に見られたのはいい経験でした。とても楽しかったです。

――その後Artesaに移られたのですね。その理由は何ですか。
中村:カスタム・クラッシュだと、どうしても第三者的になってしまい、作るワインに対する愛情が欠けてしまうんです。それで1つのワイナリーで働きたいと思いました。2005年にラボのマネージャーとして入り、翌年には運良くアシスタント・ワインメーカーになりました。

Artesaは8万ケースくらい作っていました。カーネロス、アトラス・ピーク、アレキサンダー・ヴァレーと3つの別々の地域に自社畑があるのが魅力でした。

2010年からNoriaを始めましたが、そのかたわら2012年から2014年にはJamieson Ranch Vineyardsでワインメーカーとして働きました。ただ、Noriaの生産量が当初の300ケースから2014年には1300ケースに増えたこともあり、今年からはNoriaを再優先として仕事をすることにしています。

実は、今年からLarson Familyというワイナリーのワインメーカーもするのですが、あくまでもNoriaが中心でということで了解をもらっています。

――Noriaを始めたきっかけは何ですか。
中村:米国にはNapa Wine Companyのようなカスタム・クラッシュがあるので、設備を持たなくてもワインを作るチャンスがあります。そこで機会をうかがっていたのですが、リーマン・ショックによって米国の景気が悪くなり、いいブドウが手に入る状況ができました。

サンジャコモの畑はArtesaでも使っており、共感できて信頼できるところとして選びました。

――最初からピノ・ノワールとシャルドネで行くつもりだったのですか。
中村:いえ、最初にどういうワインを作りたいか考えました。マーケティングも考えないといけないし、日本の食文化も強く意識しました。特に海外に出てからは日本文化を意識することが増え、日本食に合うワインを作りたいと思いました。その結果、ピノ・ノワールとシャルドネになりました。

――醸造はNapa Wine Companyを使っているのですか。
中村:Napa Wine Companyは、うちのような小さなところでは利用できません。ワイナリーの中には生産設備を有効利用するために、自社で使わない分を他社に貸しているところがあります。そうようなワイナリーの中から、ドミナリーというワイナリーを選びました。

ところが、ここが翌年破綻してしまい、今はSilenus Vintnersというところを使っています。最初に働いたKoves Newlanとジェネラル・マネージャーが同じ人なのです。ドミナリーのワインメーカーとは人間関係をうまく作れなかったこともあり、よりよい人間関係を作れることを重視しました。

――破綻したワイナリーで、ワインが差し押さえられるようなことはなかったのですか。
中村:そうなんですよ。先方としては顧客を離したくないので、ワインを引き上げようとしたら拒否されたんです。最後は弁護士をたてて解決しましたが、一週間くらいは眠れない日々が続きました。

――Noriaを中川ワインで扱うようになったのはいつからですか。
中村:最初の2010年のワインを発売した2012年2月からです。Artesaが日本進出を検討したことがあり、そのときに中川ワインの社長とお会いしました。残念ながら話がまとまらなかったのですが、その後もナパにいらしたときにお会いしたり、中川ワインの社員旅行のときに話をする機会をもらったりと、交流が続いていました。

そこで、初めてワインを作ったときにも連絡を取りました。試飲したいということだったのでワインを送りました。「ぜひやりましょう」と扱ってもらえることになりました。

現在は75%くらいが日本で販売、残りは米国で5つくらいのレストランとショップ1軒に卸しています。当初は日本は30%くらいと考えていたのですが、中川ワインがたくさん売ってくれました。逆に、米国分はあまり残らないという状況でした。

昨年増産して米国のマーケットにもこれからはもっと足を運ぶ必要があります。円安によって日本でのワインの価格は上がります。日本は大事ですが、ビジネス面ではメインのマーケットではいけないと考えています。今後は米国70%くらいに持っていきたいです。

――これからは米国での販売活動もしないといけないとなると大変ですね。
中村:そうなんですよ。一番頭が痛いのはセールスですね。ワインはブランドが大事ですよね。どこに売ってもいいというものではなく、イメージを上げないといけないのです。例えば、高級レストランで採用されたら、それをWebサイトで宣伝できます。将来は流通業者を使うことも考えていますが、最初は自分でセールスやマーケティング活動をしていくつもりです。2015年がその元年となります。

Silenusは自身のブランドのワインも作っており、テイスティング・ルームを持っています。そこではカスタム・クラッシュの顧客のワインも注いでいるのですが、これまでは余ったワインがなかったので、Noriaは入れていませんでした。現在、許可を申請しており、それが認められれば、SilenusでNoriaを試飲できるようになります。

――マーケティングは専門なのでしょうか。
中村:実は違うのです。セールスはまだホテルでの経験がありますが、マーケティングは本当に大変です。

最近はWebサイトをリニューアルしたり、知り合いに協力してもらってFacebookの更新をしたりと、SNS方面にも力を入れています。妻にも手伝ってもらっています。

――これまで会って印象的だった人を教えてください。
中村:Noriaに専念することを決めたときに、今一番輝いているワインメーカーのトーマス・リバーズ・ブラウンとセリア・ウェルチに会いに行ったんです。成功しているワインメーカーの中には、1つのワイナリーに腰を据えて取り組んでいる人と、どんどん新しいところに挑戦する人がいますが、この2人はどちらも後者にあたります。

どうして彼らがそこまで突き進めるのかを聞いてみると、お金がほしいからではなく、とにかくワインが心から好きなんです。評論家のスコアもほとんど気にしていなくて、好きなことをやって、それが結果になるとさらに自分が好きな方向に行ける。ワイン作りへの情熱のすごさを感じました。それで、自分が今後進むべき方向も明らかになりました。

――Noriaではシャルドネとピノ・ノワール以外に作ることを考えていますか。
中村:昨年増産したときにソーヴィニヨン・ブランとフリーストーン産のピノ・ノワールを始めました。自分の中ではソーヴィニヨン・ブランは大吟醸というイメージでずっとやりたかったものでした。フリーストーンはオキシデンタル/フリーストーンということで最近注目されている地域です。とても涼しく、ラズベリー系のピュアな味わいのピノ・ノワールができるので、日本食に合わせたいというNoriaのコンセプトにも合います。

将来はナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを作ることも考えています。そうなると、Noriaのコンセプトには合わないので、別のブランドで作ることになります。Nakamura Cellarsという会社の下で複数のブランドをやっていきたいと思います。2015年には、現在人気が高まっている赤ワイン・ブレンドのワインを作る予定です。

関連サイト:
Noria Wines

インタビューを終えて:
中村さんにお会いするのはこれで2度めです(参考「中村さんの作る「ノリア」のワイン会に行って来ました」)。とても気さくで、よくしゃべる方で、ノリアの親しみやすい味にも、その人柄が現れているような気がします。これまでは、ノリアは副業的な位置付けでしたが、今年からはメイン。米国での販売も増やします。その分、責任もやらなければいけないことも多くなります。これがさらなる成功に結実すると信じています。

なお、インポーター・インタビューとして始めたこの連載ですが、インポーター比率が大分下がったので「リレー・インタビュー」という名称に変更いたします。カテゴリーも新設しました。

●過去のリレー・インタビュー
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
好きなワインを選んでいったら自然派に行き着きました――オーシャンワイン 早坂恵美社長
ロバート・モンダヴィさんに畑で叱られました――桑田士誉(あきたか)さん
プリチャードヒルとメルカに注目しています――ワイン蔵TOKYO中川正光オーナー

Date: 2015/0406 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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もう1つ方向性が定まっていないこのコーナーです。先週は投稿すら忘れていましたが、まだ続ける予定ではあります。

さて、来週には日本で初のIPOB(In Pursuit of Balance)のイベントが開かれます。事前の申し込みは相当たくさん来ているようで、僕もとても楽しみにしています。

今回、会ってみたい人の一人が、IPOBの設立に携わったハーシュ・ヴィンヤーズ(Hirsch Vineyards)のジャスミン・ハーシュさん。

そろそろ質問項目の準備とかもしなきゃなあと思いながら、昔のインタビューの動画を見ております。


彼女、結構早口なので(往々にして女性は早口なのですが)、ちゃんと聴き取れるか若干不安です。

で、この動画は2011年ですから4年前のもの。このブログでIPOBを最初に紹介したのは2012年ですから、それよりもさらに1年前です。当時は、ここまで大きなものになるとは思わなかったでしょうね。

参考:IPOBって知ってますか? 知らなかったら覚えておきましょう
Date: 2015/0406 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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毎年恒例の「カリフォルニアワイン バイザグラス キャンペーン」が始まっています。

4月と5月の2カ月間、さまざまなレストランでカリフォルニアワインをグラスワインとして提供します。今年で19回目。優秀店に選ばれた店舗はカリフォルニアへのワイン研修がプレゼントされるので、参加店舗は結構がんばります。

今年は関東と関西で合わせて約230の店舗が参加しているとのこと。

カリフォルニアワイン バイザグラス キャンペーンのリンクから参加店舗や開催時期(店舗によって異なります)をご確認ください。
Date: 2015/0405 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの人気ワイナリー「キュヴェソン(Cuvaison)」がカリストガにある醸造設備とテイスティング・ルームを売却しました(Cuvaison sells Calistoga winery, tasting room – North Bay Business Journal - North San Francisco Bay Area, Sonoma, Marin, Napa counties - Archive)。

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カリストガのテイスティング・ルーム

キュヴェソンは2004年からカーネロスにも醸造設備を持っており、近年完成したカーネロスのテイスティング・ルームは自社畑に隣接したもので、景色の素晴らしさで高く評価されています。

20120202-cuvaison-carneros.jpg
courtesy of Deb Harkness

キュヴェソンはカーネロスに醸造を移して以降、カリストガの設備は「カスタム・クラッシュ」として他のワイナリーに賃貸ししており、売却後もカスタム・クラッシュはそのまま続くとのこと。

カリストガの設備の新しいオーナーは、デベロッパーのクリスウェル・ラドヴォン社。今後はフェアウインズ・エステート・ワイナリーという名前に変更するそうです。
Date: 2015/0404 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのメンドシーノにある「メンドシーノ・ワイン・カンパニー」がWines That Rockというシリーズのワインを作っています。ロックの名盤をセラーに流して熟成させたというワイン。名前もラベルも名盤のものをそのまま使っています。

ラインナップは以下のものですが、今回日本にピンク・フロイドの『狂気』のものが入ってきています。

1) ピンク・フロイド 「ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン」(狂気)
Pink Floyd The Dark Side of the Moon Cabernet Sauvignon
2) ローリングストーンズ 「フォーティ・リックス」
Rolling Stones Forty Licks Merlot
3) ポリス 「シンクロニシティー」
The Police Synchronicity Red Wine Blend
4) グレイトフル・デッド 「凍てついた肖像」
Grateful Dead Steal Your Face Red Wine Blend
5) ウッドストック
Woodstock Chardonnay

価格も手頃だし、ラベルも元のアルバムの世界観をそのまま活かしています。

個人的にも中学生高校生のころ、何度聴いたか分からないくらい好きだったアルバムのものなので、かなり心惹かれています。



ロック関係というとストーンズのワインは以前からありました。高いです。
Date: 2015/0403 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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クラウドファウンディングでテイスティング・ルームを作ろうと試みるソノマのワイナリー」という記事を先日書きました。その記事ではクラウドファウンディングのプラットフォームとして有名なKickstarterを使っていましたが、ワイン専用のクラウドファウンディングのプラットフォームができています。


Cruzuというこのクラウドファウンディングのサービスによると、ワインでクラウドファウンディングを使うことには3つのメリットがあります。

1つはワイナリーと顧客との関係が緊密になること、2つめには顧客にとって通常よりも条件のいいサービスが受けられること、3つめには顧客にとってワイン作りのプロセスに、より関与できたり体験できたりすること。

いくつか公開されているプロジェクトの中には既に目標額を達成しているものもあります。「2013 Napa Valley Cabernet Sauvignon by Kian Tavakoli - Cruzu」というプロジェクトは7500ドルの目標で、現在7835ドル。残りは1000ドルのナパツアーを含むものがあるだけです。

このプロジェクトの場合、60ドル以上するワインが作られている畑のカベルネ・ソーヴィニヨンが25ドルで入手できます。それが人気の理由と思われます。


なお、ワインが国外へも送付してもらえるかどうかは不明です。多分難しそうな気がします。
Date: 2015/0402 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1857年にオープンしたカリフォルニア最古のワイナリーであるブエナ・ヴィスタがワイン作りの道具の博物館を始めました(Buena Vista Winery Opens Californias First Historic Wine Tool Museum)。

これはワイナリーに併設したもので20分間のショーを見ながら、見学する。

入場料は25ドル。

ブエナ・ヴィスタの現在のオーナーはジャン・シャルル・ボワセ。オーナーになって以降、ワイナリーの修復に務め、歴史的価値を伝えることにも力を入れています。
Date: 2015/0401 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Drinks Business誌の記事に、ロバート・パーカーの影響力が以前と比べて下がっているということが出ていました(Figures reveal Parker’s declining influence)。

パーカーは先日、ボルドーの「プリムール」の評価から引退することを発表しました。これまで、プリムールの評価がその価格に大きな影響を与えており、さらにワインの実際のリリース後に評価が変わることで、また影響がでていました。


Photo courtesy of winestem

記事では、パーカーが評価を変えたことによる価格の増減に注目し、その割合が以前より下がっているとしています。

また、2009年のプリムールの評価では90点未満だったワインと100点のワインとで、プリムール価格は7倍近くの差があったのが、2014年のプリムール評価では5倍近くと、差が小さくなっています。

このようなことから、記事ではパーカーの影響力が下がっているとしています。

とはいえ、絶大な影響力があるという点では今も昔も変わっていません。今年からプリムールを担当するニール・マーチンがどのような評価をするのか、またその影響力がどうなるのか、あるいはアントニオ・ガッローニのヴィナスなどの新メディアがもっと影響力を持つのか――。パーカーのプリムールからの引退は、ワイン評価誌の混沌の時代の始まりになるのでしょうか。