ワイン・サーチャーが恒例?の「最高のワイントップ10」のリストを発表しています(The World's Best Wines)。「?」を付けたのはまだ2018年に続いて2回めだからですが、おそらく年末恒例になっていくのでしょう。
評論家の得点を独自のアルゴリズムで平均して決めたとのことですが、結果はやっぱりね、という感じではあります。
1 Domaine Leroy Chambertin Grand Cru 97 $8966
2 Domaine de la Romanée-Conti Romanée-Conti Grand Cru 97 $20,571
3 Domaine Leroy Romanée-Saint-Vivant Grand Cru 97 $5275
4 Domaine Leroy Musigny Grand Cru 97 $17,831
5 Leroy Domaine d'Auvenay Chevalier-Montrachet Grand Cru 97 $7137
6 Château d'Yquem, Sauternes 96 $451
7 Screaming Eagle Cabernet Sauvignon, Napa Valley 96 $3522
8 Schrader Cellars Old Sparky Beckstoffer To Kalon Vineyard Cabernet 96 $615
9 Domaine de la Romanée-Conti La Tache Grand Cru Monopole 96 $4804
10 Harlan Estate, Napa Valley 96 $1074
カリフォルニアワインでは昨年10位に入っていたエイブリューのトレヴィロスが落ちて、シュレーダーのオールド・スパーキーとハーラン・エステートが入っています。
こうやって世界の(といってもフランスとカリフォルニアだけですが)トップを見ると、高いと思うカリフォルニアワインもそうでもないですね。オールド・スパーキーなんて安い方から2番目ですし、これでマグナム(オールド・スパーキーはマグナムしか作られない)であることを考えたら一番安いといってもいいくらいです。
スクリーミング・イーグルもこの中では価格7番目。ハーランは8番目です。
ちなみに1月から開講するアカデミー・デュ・ヴァンの「カリフォルニアの超一流ワイナリー」ではハーランとシュレーダーどちらも飲めます。シュレーダーのオールド・スパーキーはマグナムしかないので出せませんが、同じベクストファー・ト・カロンのCCS(クローン4のみ)とRBS(クローン337のみ)を飲み比べます。ソノマのボアズ・ビューとアストンも!
ハーランの回はハーランもボンドもプロモントリーも並べて飲めるという超贅沢をします。
あと1回はコルギンでこれもエイブリューの畑と自社畑と両方飲めます。
と、とにかく出し惜しみしないセミナーです。
まだ数席空いてますのでぜひご参加ください。
カリフォルニアの超一流ワイナリー | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
評論家の得点を独自のアルゴリズムで平均して決めたとのことですが、結果はやっぱりね、という感じではあります。
1 Domaine Leroy Chambertin Grand Cru 97 $8966
2 Domaine de la Romanée-Conti Romanée-Conti Grand Cru 97 $20,571
3 Domaine Leroy Romanée-Saint-Vivant Grand Cru 97 $5275
4 Domaine Leroy Musigny Grand Cru 97 $17,831
5 Leroy Domaine d'Auvenay Chevalier-Montrachet Grand Cru 97 $7137
6 Château d'Yquem, Sauternes 96 $451
7 Screaming Eagle Cabernet Sauvignon, Napa Valley 96 $3522
8 Schrader Cellars Old Sparky Beckstoffer To Kalon Vineyard Cabernet 96 $615
9 Domaine de la Romanée-Conti La Tache Grand Cru Monopole 96 $4804
10 Harlan Estate, Napa Valley 96 $1074
カリフォルニアワインでは昨年10位に入っていたエイブリューのトレヴィロスが落ちて、シュレーダーのオールド・スパーキーとハーラン・エステートが入っています。
こうやって世界の(といってもフランスとカリフォルニアだけですが)トップを見ると、高いと思うカリフォルニアワインもそうでもないですね。オールド・スパーキーなんて安い方から2番目ですし、これでマグナム(オールド・スパーキーはマグナムしか作られない)であることを考えたら一番安いといってもいいくらいです。
スクリーミング・イーグルもこの中では価格7番目。ハーランは8番目です。
ちなみに1月から開講するアカデミー・デュ・ヴァンの「カリフォルニアの超一流ワイナリー」ではハーランとシュレーダーどちらも飲めます。シュレーダーのオールド・スパーキーはマグナムしかないので出せませんが、同じベクストファー・ト・カロンのCCS(クローン4のみ)とRBS(クローン337のみ)を飲み比べます。ソノマのボアズ・ビューとアストンも!
ハーランの回はハーランもボンドもプロモントリーも並べて飲めるという超贅沢をします。
あと1回はコルギンでこれもエイブリューの畑と自社畑と両方飲めます。
と、とにかく出し惜しみしないセミナーです。
まだ数席空いてますのでぜひご参加ください。
カリフォルニアの超一流ワイナリー | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
米ブルームバーグでワインの記事を書いており、ロバート・パーカーの本を書いたことでも知られているジャーナリストのエリン・マッコイが今年飲んだワインのトップ10を書いています(The Top 10 Wines of 2019 Hail from France, Germany, Even Japan)。
あくまで今年飲んだワインなので、オークション価格で2万ドル以上する1959年のラフィットなんかも入っていますが、カリフォルニアから2本、そして何と日本からも1本選ばれています。
カリフォルニアはキスラーとスミス・マドローン。キスラーは未リリースの2017キスラー・ヴィンヤード シャルドネ。ソノマのムーン・マウンテンの自社畑のワインです。
2017年は大火事で知られていますが、それ以外にも9月に熱波があり、なかなか難しかった年。それでもこれだけ評価されるのはさすがです(収穫が熱波の前だったのか知りたいところ)。
スミス・マドローンは2ヴィンテージめとなる1979年のカベルネ・ソーヴィニヨン。もちろん市販品ではなくワイナリーに保管してあったものです。
そして日本ワインとしてはグレイスワイン(中央葡萄酒)のブラン・ド・ブラン エキストラ・ブリュット2014。焼き立てのブリオッシュに柑橘の風味、繊細なミネラル感で、素晴らしいグロワー・シャンパーニュのようだと評しています。7000円という価格は選ばれたワインの中で安い方から2番目。
日本ワインが選ばれたのは快挙といっていいでしょう。
あくまで今年飲んだワインなので、オークション価格で2万ドル以上する1959年のラフィットなんかも入っていますが、カリフォルニアから2本、そして何と日本からも1本選ばれています。
カリフォルニアはキスラーとスミス・マドローン。キスラーは未リリースの2017キスラー・ヴィンヤード シャルドネ。ソノマのムーン・マウンテンの自社畑のワインです。
2017年は大火事で知られていますが、それ以外にも9月に熱波があり、なかなか難しかった年。それでもこれだけ評価されるのはさすがです(収穫が熱波の前だったのか知りたいところ)。
スミス・マドローンは2ヴィンテージめとなる1979年のカベルネ・ソーヴィニヨン。もちろん市販品ではなくワイナリーに保管してあったものです。
そして日本ワインとしてはグレイスワイン(中央葡萄酒)のブラン・ド・ブラン エキストラ・ブリュット2014。焼き立てのブリオッシュに柑橘の風味、繊細なミネラル感で、素晴らしいグロワー・シャンパーニュのようだと評しています。7000円という価格は選ばれたワインの中で安い方から2番目。
日本ワインが選ばれたのは快挙といっていいでしょう。
オーパス・ワン2016が国内に入り始めています。「オーパス・ワン2016年の出荷が始まる」という記事で書いているように、フランスのネゴシアンへの出荷は9月初頭に始まっているので、3ヵ月半ほど経っています。例年は11月終わりくらいに入ってきていたと思うので、ちょっと遅めな気がします。船便のスケジュールの関係でしょうか。
他の多くのワインと異なり、オーパス・ワンは決まったインポーターはありません。おそらく10社くらいが入れていると思います。なので、国内入荷の価格も時期もインポーターによって変わってくることになります。ちょっとわかりにくいところです。
ただ、ネゴシアンへの出荷価格自体が2015年のものより値上げしているので、基本的に2015年より安くなることはないと思っていいでしょう。
また、ワインの評価もヴィナスで96+、ワイン・アドヴォケイトは98(昨年は97+ですが今年上方修正されました)。ジェームズ・サックリングは99点と非常に高いです。
2017年は9月に猛烈な暑さがあり、やや難しいヴィンテージという評判ですので、2016年は「買い」でしょう。
他の多くのワインと異なり、オーパス・ワンは決まったインポーターはありません。おそらく10社くらいが入れていると思います。なので、国内入荷の価格も時期もインポーターによって変わってくることになります。ちょっとわかりにくいところです。
ただ、ネゴシアンへの出荷価格自体が2015年のものより値上げしているので、基本的に2015年より安くなることはないと思っていいでしょう。
また、ワインの評価もヴィナスで96+、ワイン・アドヴォケイトは98(昨年は97+ですが今年上方修正されました)。ジェームズ・サックリングは99点と非常に高いです。
2017年は9月に猛烈な暑さがあり、やや難しいヴィンテージという評判ですので、2016年は「買い」でしょう。
ワインスペクテーターの2019年ベスト100で2位(カリフォルニアではトップ)となったマヤカマスのカベルネ・ソーヴィニヨン2015が国内入荷しています。
このワインが年間2位というのはかなりエポックメイキングなことです。
マヤカマスといえば、ナパのいわゆる「山カベ」として、クラシックな作りで有名なワイナリー。「パリスの審判」にも出たナパでは伝統あるワイナリーです。これまでワインスペクテーターで高評価を得てきたようなモダンな作りのカベルネ・ソーヴィニヨンは対極の位置にあります。これが96点を得て年間2位というのは、ワインスペクテーターも変わりつつあるのかもしれません。
ちなみに、ヴィナスでは97+とさらに高い評価になっています。ヴィナスでは2014年は98と過去最高評価、2016は97-100と、高評価が続いています。2013年からコンサルティングにアンディ・エリクソンが入ったおり、そのあたりも関係するのかもしれません。
ちなみに今期絶好調のNBAスター、レブロン・ジェームズもマヤカマスのファンとして知られており、誕生祝いをここでしたこともあります。
このワインが年間2位というのはかなりエポックメイキングなことです。
マヤカマスといえば、ナパのいわゆる「山カベ」として、クラシックな作りで有名なワイナリー。「パリスの審判」にも出たナパでは伝統あるワイナリーです。これまでワインスペクテーターで高評価を得てきたようなモダンな作りのカベルネ・ソーヴィニヨンは対極の位置にあります。これが96点を得て年間2位というのは、ワインスペクテーターも変わりつつあるのかもしれません。
ちなみに、ヴィナスでは97+とさらに高い評価になっています。ヴィナスでは2014年は98と過去最高評価、2016は97-100と、高評価が続いています。2013年からコンサルティングにアンディ・エリクソンが入ったおり、そのあたりも関係するのかもしれません。
ちなみに今期絶好調のNBAスター、レブロン・ジェームズもマヤカマスのファンとして知られており、誕生祝いをここでしたこともあります。
ヴィナスのアントニオ・ガッローニがサンタ・クルーズ・マウンテンズのマウント・エデンでピノ・ノワールの垂直試飲結果を公開しています。
1984年から2016年までという幅広いヴィンテージの試飲。91年が96点など初期のものも高い評価でしたが、近年のヴィンテージにもかなり高い点が付いています。
一番評価がよかったのは1996年と2005年、2011年の97点。2011年は冷涼な年で、ブドウの完熟に多くのワイナリーが苦労しましたが、その中での97点は貴重です。
96点は91年、2000年、2006年、2010年、2012年、2014年。一般的な好ヴィンテージとはずれているのが面白いところです。
クオリティからすると、まだこのワインは知られておらず、お買い得だとガッローニは言っています。
1984年から2016年までという幅広いヴィンテージの試飲。91年が96点など初期のものも高い評価でしたが、近年のヴィンテージにもかなり高い点が付いています。
一番評価がよかったのは1996年と2005年、2011年の97点。2011年は冷涼な年で、ブドウの完熟に多くのワイナリーが苦労しましたが、その中での97点は貴重です。
96点は91年、2000年、2006年、2010年、2012年、2014年。一般的な好ヴィンテージとはずれているのが面白いところです。
クオリティからすると、まだこのワインは知られておらず、お買い得だとガッローニは言っています。
英デカンター誌のテイスティング・パネルが2019年のトップ・ワインを選びました(Decanter’s top panel tasting wines of 2019)。ブラインド・テイスティングで95点以上を付けた64本のワインが選ばれています。
テイスティングした月順で並んでいるので、順位は特についていません。新世界のワインが数多く選ばれており、フランスはシャンパーニュ以外ほとんど選ばれていないあたりが面白いところ。
カリフォルニアで選ばれたのは以下のワイン。
Barnett, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Spring Mountain 2015
Corley, State Lane Vineyard Cabernet Sauvignon, Napa Valley, 2015
Lobo, Wulff Vineyards Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Oak Knoll 2015
Michael Mondavi Family, Emblem Cabernet Sauvignon 2015
Miner Family Vineyards, Cabernet Sauvignon, Napa Valley 2015
Nellcôte, Chevaux 500 Cabernet Sauvignon, Napa Valley, 2015
Paradigm, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Oakville, 2015
Ridge Vineyards, Monte Bello, San Francisco Bay, Santa Cruz Mountains, 2010
Ridge Vineyards, Monte Bello, San Francisco Bay, Santa Cruz Mountains 2015
Ridge Vineyards, Estate Cabernet Sauvignon, 2015
Ulysses, Napa Valley, California, USA, 2015
11本のうち3本がリッジです。以前からデカンター誌ではリッジのワインの評価は高いですが、それにしても1ワイナリーで3本はリッジだけです。2015年のモンテベロはジェームズ・サックリングも100点を付けていて、同氏の昨年のトップ100に選んでいます。
マイケル・モンダヴィのエンブレムは、実はかなりお買い得なワイン。米国40ドルで日本では税込み4000円台売っているところもあります。それでこの評価は「買い」ですね。
テイスティングした月順で並んでいるので、順位は特についていません。新世界のワインが数多く選ばれており、フランスはシャンパーニュ以外ほとんど選ばれていないあたりが面白いところ。
カリフォルニアで選ばれたのは以下のワイン。
Barnett, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Spring Mountain 2015
Corley, State Lane Vineyard Cabernet Sauvignon, Napa Valley, 2015
Lobo, Wulff Vineyards Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Oak Knoll 2015
Michael Mondavi Family, Emblem Cabernet Sauvignon 2015
Miner Family Vineyards, Cabernet Sauvignon, Napa Valley 2015
Nellcôte, Chevaux 500 Cabernet Sauvignon, Napa Valley, 2015
Paradigm, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, Oakville, 2015
Ridge Vineyards, Monte Bello, San Francisco Bay, Santa Cruz Mountains, 2010
Ridge Vineyards, Monte Bello, San Francisco Bay, Santa Cruz Mountains 2015
Ridge Vineyards, Estate Cabernet Sauvignon, 2015
Ulysses, Napa Valley, California, USA, 2015
11本のうち3本がリッジです。以前からデカンター誌ではリッジのワインの評価は高いですが、それにしても1ワイナリーで3本はリッジだけです。2015年のモンテベロはジェームズ・サックリングも100点を付けていて、同氏の昨年のトップ100に選んでいます。
マイケル・モンダヴィのエンブレムは、実はかなりお買い得なワイン。米国40ドルで日本では税込み4000円台売っているところもあります。それでこの評価は「買い」ですね。
ソノマ郡のスーパーバイザーが、マリファナ栽培の申請の認証手続きを簡略化することにOKを出しました(Sonoma County supervisors OK changes to speed up cannabis farm reviews)。
マリファナの合法化はアンダーグラウンドでのマリファナ流通をなくし、ちゃんと税金などを払って他の農産物と同じような扱いにするというのが目的でしたが、栽培申請があまりにも大変なため、アンダーグラウンドでのマーケットが続く事態になっています。
そこで、手続きを簡略化することで非合法な栽培をなくそうというのが目的のようです。
以前に報じたように、サンタ・バーバラではマリファナ農園が増えすぎての問題も起こっています。なかなか折り合いを付けるのが難しいところではあります。
マリファナの合法化はアンダーグラウンドでのマリファナ流通をなくし、ちゃんと税金などを払って他の農産物と同じような扱いにするというのが目的でしたが、栽培申請があまりにも大変なため、アンダーグラウンドでのマーケットが続く事態になっています。
そこで、手続きを簡略化することで非合法な栽培をなくそうというのが目的のようです。
以前に報じたように、サンタ・バーバラではマリファナ農園が増えすぎての問題も起こっています。なかなか折り合いを付けるのが難しいところではあります。
インポーターのオルカ・インターナショナルがワシントンのチャールズスミスのワインラベルと同じ柄のエコバッグをノベルティにしています。
対象はワインショップ、レストラン、ワインバーですが、お店によってはワインを買った人へのプレゼントもあるでしょう。
チャールズスミスのラインアップはこの5本。一番左のカンフーガールがリースリング。以下、順にシャルドネのイブ、メルローのベルベット・デビル、シラーのブーン・ブーン、カベルネ・ソーヴィニヨンのシャトー・スミスとなっています。どれも希望小売価格で2000円台というのはさすがワシントンのコスト・パフォーマンスです。
この機会にぜひ。
対象はワインショップ、レストラン、ワインバーですが、お店によってはワインを買った人へのプレゼントもあるでしょう。
チャールズスミスのラインアップはこの5本。一番左のカンフーガールがリースリング。以下、順にシャルドネのイブ、メルローのベルベット・デビル、シラーのブーン・ブーン、カベルネ・ソーヴィニヨンのシャトー・スミスとなっています。どれも希望小売価格で2000円台というのはさすがワシントンのコスト・パフォーマンスです。
この機会にぜひ。
柳屋にアイアン・ホースの「ウェディング・キュベ」「ロシアン・キュベ」「クラシック・ヴィンテージ・ブリュット」の3つが入っています。以前はカリフォルニア泡の定番的ワインでしたが、最近はあまり入荷がなくちょっとさびしかったところ、3つまとめては驚きでした。
ウェディング・キュベはいわゆるブラン・ド・ノワールでピノ・ノワールの比率が高く、薄いピンク色をしています。今回の2014年は今年のワイン・エンスージアストで年間トップ100の28位。95点がついています。
ロシアン・キュベはレーガン元米大統領とゴルバチョフ元ロシア書記長の首脳会議時に供されたことから名付けられたワインで、ピノ・ノワール75%とウェディング・キュベより高い比率。ドサージュも多く、甘いとまではいきませんがリッチな味わいが特徴のスパークリング。
クラシック・ヴィンテージ・ブリュットは4年間の瓶塾後に販売される長期熟成もの。ワイン・アドヴォケイトで90点。
泡ついでにもう一つ載せておきます。
今、一番手に入らないカリフォルニアワインの一つが「ウルトラマリン」。マイケル・クルーズがチャールズ・ハインツのブドウで作るスパークリングです。レアなのでお薦めしたいところではありますが、ちょっと値段は高すぎると思います。それでもほしい人には。
ウェディング・キュベはいわゆるブラン・ド・ノワールでピノ・ノワールの比率が高く、薄いピンク色をしています。今回の2014年は今年のワイン・エンスージアストで年間トップ100の28位。95点がついています。
ロシアン・キュベはレーガン元米大統領とゴルバチョフ元ロシア書記長の首脳会議時に供されたことから名付けられたワインで、ピノ・ノワール75%とウェディング・キュベより高い比率。ドサージュも多く、甘いとまではいきませんがリッチな味わいが特徴のスパークリング。
クラシック・ヴィンテージ・ブリュットは4年間の瓶塾後に販売される長期熟成もの。ワイン・アドヴォケイトで90点。
泡ついでにもう一つ載せておきます。
今、一番手に入らないカリフォルニアワインの一つが「ウルトラマリン」。マイケル・クルーズがチャールズ・ハインツのブドウで作るスパークリングです。レアなのでお薦めしたいところではありますが、ちょっと値段は高すぎると思います。それでもほしい人には。
2019年4月に発表されたコンステレーション・ブランズからガロへのブランド売却で、一部に差し戻しの命令がくだされました。
差し戻しになったのはスパークリング・ワイン、ブランデー、デザート・ワインそして濃縮液(?、concentrate)の分野。スパークリング・ワインではクックス、Jロジェ、ブランデーではポール・マソンがその対象となり、ブランド売却の対象外となりました。金額にすると11億ドルに相当するそうです。
これとは別に、コンステレーションはニュージーランドのノビロをガロに売却すると決めました。
いずれも日本ではメジャーなブランドではないのでピンと来ない感じはありますが、あんまりブランドへの愛が感じられないやり取りで、なんだかなあと思います。
差し戻しになったのはスパークリング・ワイン、ブランデー、デザート・ワインそして濃縮液(?、concentrate)の分野。スパークリング・ワインではクックス、Jロジェ、ブランデーではポール・マソンがその対象となり、ブランド売却の対象外となりました。金額にすると11億ドルに相当するそうです。
これとは別に、コンステレーションはニュージーランドのノビロをガロに売却すると決めました。
いずれも日本ではメジャーなブランドではないのでピンと来ない感じはありますが、あんまりブランドへの愛が感じられないやり取りで、なんだかなあと思います。
リトライ(Littorai)やニュージーランドのクスダ・ワインなどで修行した平林園枝さんのワイナリー「シックス・クローヴズ(Six Cloves)」の2ヴィンテージ目となるワインが登場し、平林さん自ら日本でセミナーを開催しました。
既にインポーターの布袋ワインズの試飲会で試飲しており「これはお薦め、平林園枝さんシックス・クローヴズの第2作」という記事を書いていますが、改めて前ヴィンテージも含め、じっくり試飲させていただきました。
最初の2017年のヴィンテージについては「リトライなどで修行した日本人の造るワインデビュー作」という記事で取り上げていますが、この年は9月初頭に気温40度を超えるような熱波が到来したため、それより前に収穫すべきか、あとに収穫すべきかはシャルドネやピノ・ノワールの生産者にとっては重要な問題でした。平林さんはエレガントさを求め、先に収穫したため、かなり酸が強い仕上がりになっていました。
今回、改めて試飲したところ、昨年よりも酸が落ち着き、よりこなれた味わいになっていました。
そして、新ヴィンテージの2018年は、シャルドネがナパのスティーブ・マサイアソンのオーガニックの畑「リンダ・ヴィスタ」になり、新たに始めたピノ・ノワールがソノマのペタルマ・ギャップ(AVA表記はソノマ・コースト)のものになっています。
スティーブ・マサイアソンはナパでは近年有名になったカリスマ的人気を持つ生産者です。平林さんは以前マサイアソンのところで働いたことがあり、その縁もあって今回ブドウの供給を受けました。
2018年のシャルドネは、2017年よりもバランスの取れた味わいで、柔らかさと繊細さのあるワイン。オレンジやマーマレード、ナッツやミネラルの風味があります。今飲んでも美味しいし、数年熟成させてもいいと思います。
ペタルマ・ギャップはとても風が強いところで、平林さんが最初に働いたニュージーランドのクスダさんのところも風が強く、その共通感から選んだとのことでした。20%全房発酵しているとのこと。
ミディアム・ボディでラズベリーなどの赤系果実、クローヴやバニラの風味など。ペタルマ・ギャップのワインは、かなり強い味わいになる傾向があるそうですが、これは押し出しの強すぎない、柔らかな味わい。食事によく合うワインだと思います。
今回、ラベルも一新。よりエレガントでやわらかさがあるデザインになりました。赤がシャルドネで青がピノ・ノワールというところがちょっと取り違えそうになるところではありますが。
ラベルをデザインした鐘江美沙紀さん(右)と平林さん。
2018年のシックス・クローヴズのワイン、大人気のようです。生産量はかなり少ないので、お早めに。次年度以降のさらなる進化も期待させる今回のワインです。
既にインポーターの布袋ワインズの試飲会で試飲しており「これはお薦め、平林園枝さんシックス・クローヴズの第2作」という記事を書いていますが、改めて前ヴィンテージも含め、じっくり試飲させていただきました。
最初の2017年のヴィンテージについては「リトライなどで修行した日本人の造るワインデビュー作」という記事で取り上げていますが、この年は9月初頭に気温40度を超えるような熱波が到来したため、それより前に収穫すべきか、あとに収穫すべきかはシャルドネやピノ・ノワールの生産者にとっては重要な問題でした。平林さんはエレガントさを求め、先に収穫したため、かなり酸が強い仕上がりになっていました。
今回、改めて試飲したところ、昨年よりも酸が落ち着き、よりこなれた味わいになっていました。
そして、新ヴィンテージの2018年は、シャルドネがナパのスティーブ・マサイアソンのオーガニックの畑「リンダ・ヴィスタ」になり、新たに始めたピノ・ノワールがソノマのペタルマ・ギャップ(AVA表記はソノマ・コースト)のものになっています。
スティーブ・マサイアソンはナパでは近年有名になったカリスマ的人気を持つ生産者です。平林さんは以前マサイアソンのところで働いたことがあり、その縁もあって今回ブドウの供給を受けました。
2018年のシャルドネは、2017年よりもバランスの取れた味わいで、柔らかさと繊細さのあるワイン。オレンジやマーマレード、ナッツやミネラルの風味があります。今飲んでも美味しいし、数年熟成させてもいいと思います。
ペタルマ・ギャップはとても風が強いところで、平林さんが最初に働いたニュージーランドのクスダさんのところも風が強く、その共通感から選んだとのことでした。20%全房発酵しているとのこと。
ミディアム・ボディでラズベリーなどの赤系果実、クローヴやバニラの風味など。ペタルマ・ギャップのワインは、かなり強い味わいになる傾向があるそうですが、これは押し出しの強すぎない、柔らかな味わい。食事によく合うワインだと思います。
今回、ラベルも一新。よりエレガントでやわらかさがあるデザインになりました。赤がシャルドネで青がピノ・ノワールというところがちょっと取り違えそうになるところではありますが。
ラベルをデザインした鐘江美沙紀さん(右)と平林さん。
2018年のシックス・クローヴズのワイン、大人気のようです。生産量はかなり少ないので、お早めに。次年度以降のさらなる進化も期待させる今回のワインです。
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーをピノ・ノワールの名産地として有名にした立役者がウイリアムズ・セリエム(Williams-Selyem)。その共同創設者の一人で初代ワインメーカーだったバート・ウイリアムズが亡くなりました。79歳。パーキンソン病だったということです。
バート・ウイリアムズはソノマの生まれ。1979年から近隣に住むエド・セリエムと自宅のガレージでワインを作り始めます。マルティネリ(Martinelli)やロキオリ(Rochioli)といった、ロシアン・リバー・ヴァレーの優秀な畑のオーナーと緊密な関係を築き、ブドウの供給を受けました。特にピノ・ノワールではロキオリやアレンなどの畑のワインが高い評価を受け、カリフォルニアのピノ・ノワールの生産者としては最初のカルト的存在になりました。
しかし、絶頂期の1998年にワイナリーを売却(といっても、畑も生産設備も持っていなかったため、実質的にはブランドの売却といえます)。その後はアンダーソン・ヴァレーでブドウを栽培していました。
2015年には畑も売却、その後病気が判明して闘病していましたが、亡き人になってしまいました。
ご冥福をお祈りいたします。
バート・ウイリアムズはソノマの生まれ。1979年から近隣に住むエド・セリエムと自宅のガレージでワインを作り始めます。マルティネリ(Martinelli)やロキオリ(Rochioli)といった、ロシアン・リバー・ヴァレーの優秀な畑のオーナーと緊密な関係を築き、ブドウの供給を受けました。特にピノ・ノワールではロキオリやアレンなどの畑のワインが高い評価を受け、カリフォルニアのピノ・ノワールの生産者としては最初のカルト的存在になりました。
しかし、絶頂期の1998年にワイナリーを売却(といっても、畑も生産設備も持っていなかったため、実質的にはブランドの売却といえます)。その後はアンダーソン・ヴァレーでブドウを栽培していました。
2015年には畑も売却、その後病気が判明して闘病していましたが、亡き人になってしまいました。
ご冥福をお祈りいたします。
クリスマスから年末年始は泡を開ける機会も増える季節。泡だけはシャンパーニュだよ、という人も目にはしますが、今年はやっぱりワイン・スペクテーターで世界年間5位になった。ロデレール・エステートのブリュット・エルミタージュ2012を飲みたいところです。
シャルドネとピノ・ノワールはほぼ半々。マロラクティック発酵を行い、オークの大樽で熟成させて風味を与えています。さらにディスゴージメントまで5年間澱と接触した形で味わいを深めています。また2007年のリザーブのワインを4パーセントほど加えています。
エルミタージュが付かないブリュットは一つランクが下、カルテットと名前が付いたのは、2つランクが下になるのでお気をつけてください。
また、エルミタージュのロゼもあり、フラッグシップはそちらになります。現行ヴィンテージは2011 でスペクテーターでは93点と、今回5位になったワインの95点と比べるとちょっと下。
ただ、米国ではエルミタージュとエルミタージュ・ロゼは30ドルくらい価格差があるのに対し、日本はわずか2000円弱。お買い得さで言えばロゼの圧勝です。
シャルドネとピノ・ノワールはほぼ半々。マロラクティック発酵を行い、オークの大樽で熟成させて風味を与えています。さらにディスゴージメントまで5年間澱と接触した形で味わいを深めています。また2007年のリザーブのワインを4パーセントほど加えています。
エルミタージュが付かないブリュットは一つランクが下、カルテットと名前が付いたのは、2つランクが下になるのでお気をつけてください。
また、エルミタージュのロゼもあり、フラッグシップはそちらになります。現行ヴィンテージは2011 でスペクテーターでは93点と、今回5位になったワインの95点と比べるとちょっと下。
ただ、米国ではエルミタージュとエルミタージュ・ロゼは30ドルくらい価格差があるのに対し、日本はわずか2000円弱。お買い得さで言えばロゼの圧勝です。
2017年の大火事で焼失してしまったソノマのパラダイス・リッジ(Paradise Ridge)のサンタローザのロケーションが再オープンしました(Santa Rosa’s Paradise Ridge Winery reopens from ashes of the 2017 wildfires)。
火災後もケンウッドにあるテイスティング・ルームはオープンしていましたが、本拠地が復活したことで復興にもはずみがつきそうです。幸い、自社畑は火災の被害を逃れたため、この2年間は設備を借りてワインを作ってきました。それも、ここに戻るかとになります。
また、ここは有名な「LOVE」の字のサインがあり、これも焼失を免れました。これもあって年間70件もの結婚式の会場となっていましたが、それも再開するとのことです。
パラダイス・リッジの場所は、19世紀末から20世紀初頭にかけて「グレープ・キング」と呼ばれた長沢鼎(ながさわ・かなえ)のワイナリー「ファウンテングローブ」があったところ。唯一残っていた「ラウンドバーン」という建物は火事で焼け落ち、長沢の記念館も焼けてしまいました。記念館の焼け跡から見つかった長沢の刀は今回も展示されているそうです。
ソノマに行かれた際は、ぜひ立ち寄ってほしいワイナリーです。長沢の名前の付いたワインもあります。
火災後もケンウッドにあるテイスティング・ルームはオープンしていましたが、本拠地が復活したことで復興にもはずみがつきそうです。幸い、自社畑は火災の被害を逃れたため、この2年間は設備を借りてワインを作ってきました。それも、ここに戻るかとになります。
また、ここは有名な「LOVE」の字のサインがあり、これも焼失を免れました。これもあって年間70件もの結婚式の会場となっていましたが、それも再開するとのことです。
パラダイス・リッジの場所は、19世紀末から20世紀初頭にかけて「グレープ・キング」と呼ばれた長沢鼎(ながさわ・かなえ)のワイナリー「ファウンテングローブ」があったところ。唯一残っていた「ラウンドバーン」という建物は火事で焼け落ち、長沢の記念館も焼けてしまいました。記念館の焼け跡から見つかった長沢の刀は今回も展示されているそうです。
ソノマに行かれた際は、ぜひ立ち寄ってほしいワイナリーです。長沢の名前の付いたワインもあります。
昨日のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに続き、注目のワインメーカー6人を紹介します。例年のように、かなり尖ったセレクションになっています。
一人目はオレゴンのブライアンヌ・デイ(Brianne Day)。ウィラメット・ヴァレーのデイ・ワインズ(Day Wines)でプリミティーボのペットナットやタナとマルベックのロゼといったかなりオタクなワインを作っています。もちろんそれだけではなく、ピノ・ノワールは究極の目標だと言っており、オレゴンの南部の畑からはシラーを作っています。親しみやすいところでは24ドルの「ヴァン・ドゥ・デイズ・ルージュ(Vin de Days Rouge)というピノ・ノワールとピノ・ムニエとピノ・グリのブレンドもあります。
次はマーティ・ウインターズ(Marty Winters)とアレックス・ピッツ(Alex Pitts)の二人、カリフォルニアのバークレーで「メートル・ド・チャイ」というワイナリーをやっています。二人はシェフで、ウインターズはヒールズバーグのレストラン「サイラス(Cyrus)」で働き、ピッツはフレンチ・ランドリーで働いた後、スコリウム・プロジェクトでアシスタント・ワインメーカーを務めています。いわゆるニュー・カリフォルニアに属する彼らですが、ワインはマイナー品種ではなく、古い畑に向かっています。
4人目はシャリーニ・セカー(Shalini Sekhar)。サンフランシスコで優秀なピノ・ノワールを作っています。ウイリアムズ・セリエムやロアーなどの著名なワイナリーで働き、現在はウエイツ・マスト(Waits-Mast)やニーリー(Neely)でワインメーカーをしています。
5人目はニコール・ベロッティ・ポープ(Nicole Bertotti Pope)。カンブリアにあるストーロ(Stolo)ヴィンヤーズでワインを作っています。特に得意とするのはシラーです。海に近い涼しい畑で取れたシラーを作っています。
最後はバイロン・エルメンドルフ(Byron Elmendorf)。シエラフット・ヒルズのベーガー(Boeger)とクライム・ワインズ(Clime Wines)でワインを作っています。イタリア品種などにこだわりをもっています。
一人目はオレゴンのブライアンヌ・デイ(Brianne Day)。ウィラメット・ヴァレーのデイ・ワインズ(Day Wines)でプリミティーボのペットナットやタナとマルベックのロゼといったかなりオタクなワインを作っています。もちろんそれだけではなく、ピノ・ノワールは究極の目標だと言っており、オレゴンの南部の畑からはシラーを作っています。親しみやすいところでは24ドルの「ヴァン・ドゥ・デイズ・ルージュ(Vin de Days Rouge)というピノ・ノワールとピノ・ムニエとピノ・グリのブレンドもあります。
次はマーティ・ウインターズ(Marty Winters)とアレックス・ピッツ(Alex Pitts)の二人、カリフォルニアのバークレーで「メートル・ド・チャイ」というワイナリーをやっています。二人はシェフで、ウインターズはヒールズバーグのレストラン「サイラス(Cyrus)」で働き、ピッツはフレンチ・ランドリーで働いた後、スコリウム・プロジェクトでアシスタント・ワインメーカーを務めています。いわゆるニュー・カリフォルニアに属する彼らですが、ワインはマイナー品種ではなく、古い畑に向かっています。
4人目はシャリーニ・セカー(Shalini Sekhar)。サンフランシスコで優秀なピノ・ノワールを作っています。ウイリアムズ・セリエムやロアーなどの著名なワイナリーで働き、現在はウエイツ・マスト(Waits-Mast)やニーリー(Neely)でワインメーカーをしています。
5人目はニコール・ベロッティ・ポープ(Nicole Bertotti Pope)。カンブリアにあるストーロ(Stolo)ヴィンヤーズでワインを作っています。特に得意とするのはシラーです。海に近い涼しい畑で取れたシラーを作っています。
最後はバイロン・エルメンドルフ(Byron Elmendorf)。シエラフット・ヒルズのベーガー(Boeger)とクライム・ワインズ(Clime Wines)でワインを作っています。イタリア品種などにこだわりをもっています。
SFクロニクル紙が2019年のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを発表しました(2019 Winemaker of the Year: Francoise Peschon - San Francisco Chronicle)。
今年はフランソワーズ・ペション(Francoise Peschon)。ヴァインヒルランチ(Vine Hill Ranch)などでコンサルティング・ワインメーカーをしています。今年はVine Hill Ranchがヴィナスで100点を取って話題になりました(ついに満点、しかもガッローニが付けたヴァインヒルランチ)。フランソワーズ・ペションはフランスの生まれ。アラウホのワインメーカーを経て、現在の地位につきました。
今年はフランソワーズ・ペション(Francoise Peschon)。ヴァインヒルランチ(Vine Hill Ranch)などでコンサルティング・ワインメーカーをしています。今年はVine Hill Ranchがヴィナスで100点を取って話題になりました(ついに満点、しかもガッローニが付けたヴァインヒルランチ)。フランソワーズ・ペションはフランスの生まれ。アラウホのワインメーカーを経て、現在の地位につきました。
2019年はワイナリーの在庫発掘など掘り出し物で安くなっているワインが例年になく数多く登場しました。熟成ものや現地よりもずっと安いものなど、在庫限定ですが、お買い得度はかなり高いです。
コスパで選ぶ高級ナパワイン4選でも、アリルのカベルネ・ソーヴィニヨンとコン・クリークのカベルネ・ソーヴィニヨンがそのタイプでした。
まずは熟成ものの発掘で「トロワ・ヴォワイエル」。カベルネ・ソーヴィニヨンなどは売り切れ、いまはソーヴィニヨン・ブランとシラーがわずかに残っているようです。
2012年や2015年など少しだけ前のヴィンテージで、かなり安いのがアルタ・マリア。シャルドネとソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールが入ってきていますが、どれも素直に美味しくコスパは抜群。私も今年何回かこのワイン飲みましたが、いずれも良かったです。
ペタルマ・ギャップの優良生産者、ケラー・エステートのシャルドネとピノ・ノワールも大特価。これも超絶お薦めで、シャルドネやピノ・ノワールファンにとっては嬉しい1年となりました。
さらにピノ・ノワールとシャルドネが続きます。ダックホーン傘下のマイグレーション。AVAものは3000円台で普通に売っており、これもコスパは相当なものですが、普通は入荷しない自社の単一畑ものが現地価格より安く入荷しています。ピノ・ノワールは現地80ドル台ですから超お買い得。普段は買えないことも含めて貴重です。
コスパで選ぶ高級ナパワイン4選でも、アリルのカベルネ・ソーヴィニヨンとコン・クリークのカベルネ・ソーヴィニヨンがそのタイプでした。
まずは熟成ものの発掘で「トロワ・ヴォワイエル」。カベルネ・ソーヴィニヨンなどは売り切れ、いまはソーヴィニヨン・ブランとシラーがわずかに残っているようです。
2012年や2015年など少しだけ前のヴィンテージで、かなり安いのがアルタ・マリア。シャルドネとソーヴィニヨン・ブラン、ピノ・ノワールが入ってきていますが、どれも素直に美味しくコスパは抜群。私も今年何回かこのワイン飲みましたが、いずれも良かったです。
ペタルマ・ギャップの優良生産者、ケラー・エステートのシャルドネとピノ・ノワールも大特価。これも超絶お薦めで、シャルドネやピノ・ノワールファンにとっては嬉しい1年となりました。
さらにピノ・ノワールとシャルドネが続きます。ダックホーン傘下のマイグレーション。AVAものは3000円台で普通に売っており、これもコスパは相当なものですが、普通は入荷しない自社の単一畑ものが現地価格より安く入荷しています。ピノ・ノワールは現地80ドル台ですから超お買い得。普段は買えないことも含めて貴重です。
ソノマの著名ワインメーカーであるリチャード・アローウッドが、自身のワイナリーであるアマポラ・クリーク(Amapola Creek)を売却、引退することが判明しました(B. Wise Vineyards of Sonoma Valley buys Amapola Creek from legendary vintner)。
リチャード・アローウッドは73歳。今後はアイダホに引っ越し、釣りや狩猟を楽しみたいとのこと。
リチャード・アローウッドはソノマのサンタ・ローザの生まれ。コーベルのワインメーカーとしてワインを作り始め、その後はシャトー・セント・ジーンで当時は珍しかった単一畑のシャルドネなどを作りました。1985年に自身のアローウッド・ワイナリーをソノマ・ヴァレーに設立。カベルネ・ソーヴィニヨンなどが高く評価されました。
2000年にワイナリーをモンダヴィに売却。現在はジャクソン・ファミリー傘下になっています。2005年にムーン・マウンテンにアマポラを設立しました。
購入したのは同じムーン・マウンテンでBワイズ・ワイナリーを営むブライオン・ワイズ。家族経営のワイナリーでカベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。リチャード・アローウッドと食事をしたのをきっかけに今回の購入にいたりました。
近年、ワイナリーをジャクソン・ファミリーなど大手に売却するケースが目立っていました。こういった家族経営のワイナリーに売るのは珍しいとおもいます。
リチャード・アローウッドは73歳。今後はアイダホに引っ越し、釣りや狩猟を楽しみたいとのこと。
リチャード・アローウッドはソノマのサンタ・ローザの生まれ。コーベルのワインメーカーとしてワインを作り始め、その後はシャトー・セント・ジーンで当時は珍しかった単一畑のシャルドネなどを作りました。1985年に自身のアローウッド・ワイナリーをソノマ・ヴァレーに設立。カベルネ・ソーヴィニヨンなどが高く評価されました。
2000年にワイナリーをモンダヴィに売却。現在はジャクソン・ファミリー傘下になっています。2005年にムーン・マウンテンにアマポラを設立しました。
購入したのは同じムーン・マウンテンでBワイズ・ワイナリーを営むブライオン・ワイズ。家族経営のワイナリーでカベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。リチャード・アローウッドと食事をしたのをきっかけに今回の購入にいたりました。
近年、ワイナリーをジャクソン・ファミリーなど大手に売却するケースが目立っていました。こういった家族経営のワイナリーに売るのは珍しいとおもいます。
アントニオ・ガッローニが主宰するワイン・レビュー・サイト「ヴィナス(Vinous)」が、ワインのセカンダリー・マーケット情報を扱うライブEX(Liv-ex)から、ワインの在庫の価値管理を行うセラーウォッチを買い取りました。
セラーウォッチは、自分の在庫を登録して、その市場価格を調べたり、ワインの価格を調べるなどの機能を提供しています。Liv-exが提供するセカンダリー・マーケットの情報とも連携しており、それは今後も続きます。
ヴィナスは、アントニオ・ガッローニのほか、ステファン・タンザーやニール・マーティンといった著名なレビュアーを抱えるワイン・レビュー・サイト。こういったプロのレビュアーによる評価のほか、一般ユーザーの集合知による評価を行うDelectableというアプリも運営しています。
セラーウォッチは、自分の在庫を登録して、その市場価格を調べたり、ワインの価格を調べるなどの機能を提供しています。Liv-exが提供するセカンダリー・マーケットの情報とも連携しており、それは今後も続きます。
ヴィナスは、アントニオ・ガッローニのほか、ステファン・タンザーやニール・マーティンといった著名なレビュアーを抱えるワイン・レビュー・サイト。こういったプロのレビュアーによる評価のほか、一般ユーザーの集合知による評価を行うDelectableというアプリも運営しています。
オンラインワインショップwine.comが30ドル以下のワインの売上トップ10を発表しています(Top 10 Favorite Wines Under $30)。
1位はワシントンの「Intrinsic Red Blend 2017」。ジェームズ・サックリングが93点を付けているワインですが、価格は22ドル(現在は17.99ドルでセール中)。ワシントン州はコスパワインの宝庫です。特にカベルネ系はいいものが多いと思います。日本では未発売。
2位はイーラス(Erath)のピノ・ノワール2017。オレゴンのワインです。19ドルですが、日本でも3000円程度と安く売っています。これはお薦め。
カリフォルニアでは唯一9位にエクスペリエンスのカベルネ・ソーヴィニヨンが入りました。これも日本で売っています。数年前にナパ・ハイランズをテレビで明石家さんまさんが褒めたことでブームになり、ナパ・ハイランズが枯渇した際、ナパ・ハイランズと同等の価格帯で味わい的にも負けていないものとしてラインアップに加わった一つです。日本ではさすがに3000円以下にはなりませんが、コスパは素晴らしいワインの一つです。
1位はワシントンの「Intrinsic Red Blend 2017」。ジェームズ・サックリングが93点を付けているワインですが、価格は22ドル(現在は17.99ドルでセール中)。ワシントン州はコスパワインの宝庫です。特にカベルネ系はいいものが多いと思います。日本では未発売。
2位はイーラス(Erath)のピノ・ノワール2017。オレゴンのワインです。19ドルですが、日本でも3000円程度と安く売っています。これはお薦め。
カリフォルニアでは唯一9位にエクスペリエンスのカベルネ・ソーヴィニヨンが入りました。これも日本で売っています。数年前にナパ・ハイランズをテレビで明石家さんまさんが褒めたことでブームになり、ナパ・ハイランズが枯渇した際、ナパ・ハイランズと同等の価格帯で味わい的にも負けていないものとしてラインアップに加わった一つです。日本ではさすがに3000円以下にはなりませんが、コスパは素晴らしいワインの一つです。
ウメムラでも恒例の福袋の販売が始まっています。ここは柳屋の福袋とは異なり、最初から内容が決まっているのではなく、顧客のリクエストでワインを選ぶというもの。例えば「カリフォルニアのピノ・ノワールだけ」とか「●●の●●は必ず入れてください」といった中身のお願いができます(もちろん、1万円の福袋に2万円のワインを入れてもらうといった無理なものは除きます)。
ということは実質的に何割引かでワインを買っているのと似たような感じで注文できるので、損になることは絶対にありません。この期間にウメムラで買うならこれを使わない手はありません。
価格は4本で1万1000円(税込み)から6本で55万円まで。
今なら3万円以上で2000円引き、1万円以上で500円引きなどのクーポンも利用できます。
ウメムラの福袋一覧
6本で2万2000円あたりが使い勝手がよさそうな感じがします。
ということは実質的に何割引かでワインを買っているのと似たような感じで注文できるので、損になることは絶対にありません。この期間にウメムラで買うならこれを使わない手はありません。
価格は4本で1万1000円(税込み)から6本で55万円まで。
今なら3万円以上で2000円引き、1万円以上で500円引きなどのクーポンも利用できます。
ウメムラの福袋一覧
6本で2万2000円あたりが使い勝手がよさそうな感じがします。
カリフォルニア大学デーヴィス校(UCデーヴィス)はカリフォルニア州食糧農業局(CDFA)にピアス病(ピアス氏病)に耐性を持つブドウ品種5つを開発したと報告しました(New PD-Resistant Wine Grape Varieties Named and Released)。5つの品種は特許を申請中で、それが認められて正式に名前が付いたらCDFA Grapevine Registration and Certification Programに参加しているナーサリーに卸して販売されるようになります。
ピアス病はブドウを枯れ死させる病気で、シャープシューターと呼ばれるヨコバイ科の昆虫によって媒介されて伝染ります。特効薬はなく、テメキュラ・ヴァレーでは60%のブドウが死ぬなど多くの被害があり2000年ころから対策が研究されています。現在はナーサリーでシャープシューター(特に飛翔力が高いガラス羽シャープシューター)の卵が付いていないかを1本1本厳しくチェックして蔓延を防いでいます。
今回開発されたブドウは、ヴィティス・アンゾニカというブドウ品種と、ワインで一般に使われているヴィティス・ヴィニフィラ種をかけ合わせて作られています。何世代もの掛け合わせによって、ヴィティス・ヴィニフィラを97%にまで高めて、ワイン用として優れたものにしました。
赤ワインのブドウが3種と白ワインのブドウが2種あり、それぞれ以下のような比率となっています。
Camminare Noir—50% Petite Sirah, 25% Cabernet Sauvignon
Paseante Noir—50% Zinfandel, 25% Petite Sirah, 12.5% Cabernet Sauvignon
Errante Noir—50% Sylvaner, 12.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Carignane, 12.5% Chardonnay
Ambulo Blanc—62.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Carignane, 12.5% Chardonnay
Caminante Blanc—62.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Chardonnay, 12.5% Carignane
ピアス病はブドウを枯れ死させる病気で、シャープシューターと呼ばれるヨコバイ科の昆虫によって媒介されて伝染ります。特効薬はなく、テメキュラ・ヴァレーでは60%のブドウが死ぬなど多くの被害があり2000年ころから対策が研究されています。現在はナーサリーでシャープシューター(特に飛翔力が高いガラス羽シャープシューター)の卵が付いていないかを1本1本厳しくチェックして蔓延を防いでいます。
今回開発されたブドウは、ヴィティス・アンゾニカというブドウ品種と、ワインで一般に使われているヴィティス・ヴィニフィラ種をかけ合わせて作られています。何世代もの掛け合わせによって、ヴィティス・ヴィニフィラを97%にまで高めて、ワイン用として優れたものにしました。
赤ワインのブドウが3種と白ワインのブドウが2種あり、それぞれ以下のような比率となっています。
Camminare Noir—50% Petite Sirah, 25% Cabernet Sauvignon
Paseante Noir—50% Zinfandel, 25% Petite Sirah, 12.5% Cabernet Sauvignon
Errante Noir—50% Sylvaner, 12.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Carignane, 12.5% Chardonnay
Ambulo Blanc—62.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Carignane, 12.5% Chardonnay
Caminante Blanc—62.5% Cabernet Sauvignon, 12.5% Chardonnay, 12.5% Carignane
ワインを飲む機会も増える年末年始、ちょっと高級なワインに手を出したくなる時期でもあります。ナパの高級カベルネとなると2万円を超えるのが当たり前のような感じになりつつありますが、今回は訳ありで安く売っているカベルネ2つと、王道だけど安いカベルネ2つを紹介します。
今年は訳あり系ワインの当たり年でもありますが、中でもこりゃ安いわと思ったのがアリル(Aril)のカベルネ・ソーヴィニヨン。ワイナリーを売却するとかしないとか、真偽ははっきりしませんが、とにかくワイナリー価格150ドルがほぼ半額になっているという安さです。
次のコン・クリークは定価1万1000円だったのが6000円と、これもほぼ半額に。
掘り出し物系ではナパ・ハイランズのリザーブというのもありましたが、これはもう売り切れてしまったようです。
次は王道系2本ですが、まずはシャトー・モンテリーナのエステート・カベルネ・ソーヴィニヨン。
モンテリーナというとパリスの審判で買ったシャルドネのイメージがあるかもしれませんが、カベルネ・ソーヴィニヨンでは古くからナパの一流です。エステートと普通のカベルネ・ソーヴィニヨンがありますが、品質はエステートがずっと上です。アカデミー・デュ・ヴァンの講座でも毎期試飲していますが、クラシックな味わいでカベルネ・ソーヴィニヨンらしいカベルネ・ソーヴィニヨン。最新の2015年ならワイナリー価格で175ドルしますが、日本での価格(2014年ヴィンテージ)だと1万5000円程度。実は日本の方が安いくらいの価格設定になっています。
最後に紹介するのは王道中の王道。ロバート・モンダヴィのト・カロン・リザーブ カベルネ・ソーヴィニヨンです。ワイナリー価格は175ドル程度。日本では税込みで1万7000円台とワイナリー価格より安くなっています。おそらく「ト・カロン」の名を冠したカベルネとしても最安でしょう。このワインもアカデミー・デュ・ヴァンの講座で毎期試飲していますが、ナパのカベルネとしてはとても酸が豊かでエレガントな作り。ガツンとしたナパのイメージとはちょっと違うかもしれませんが、非常に良質なカベルネ・ソーヴィニヨンです。2014年はワイン・アドヴォケイトで95点。
モンテリーナやモンダヴィなどは20年前と比べても、価格はそれほど大きく変わっていません(ベリンジャーあたりもそうですね)。かといって品質が落ちたわけではないので、すごく狙い目になっていると思います。
モンダヴィとかモンテリーナ、有名すぎて見過ごしているかもしれませんが、実はこのように日本の価格がすごく安いので狙い目なのです。お薦めです。
今年は訳あり系ワインの当たり年でもありますが、中でもこりゃ安いわと思ったのがアリル(Aril)のカベルネ・ソーヴィニヨン。ワイナリーを売却するとかしないとか、真偽ははっきりしませんが、とにかくワイナリー価格150ドルがほぼ半額になっているという安さです。
次のコン・クリークは定価1万1000円だったのが6000円と、これもほぼ半額に。
掘り出し物系ではナパ・ハイランズのリザーブというのもありましたが、これはもう売り切れてしまったようです。
次は王道系2本ですが、まずはシャトー・モンテリーナのエステート・カベルネ・ソーヴィニヨン。
モンテリーナというとパリスの審判で買ったシャルドネのイメージがあるかもしれませんが、カベルネ・ソーヴィニヨンでは古くからナパの一流です。エステートと普通のカベルネ・ソーヴィニヨンがありますが、品質はエステートがずっと上です。アカデミー・デュ・ヴァンの講座でも毎期試飲していますが、クラシックな味わいでカベルネ・ソーヴィニヨンらしいカベルネ・ソーヴィニヨン。最新の2015年ならワイナリー価格で175ドルしますが、日本での価格(2014年ヴィンテージ)だと1万5000円程度。実は日本の方が安いくらいの価格設定になっています。
最後に紹介するのは王道中の王道。ロバート・モンダヴィのト・カロン・リザーブ カベルネ・ソーヴィニヨンです。ワイナリー価格は175ドル程度。日本では税込みで1万7000円台とワイナリー価格より安くなっています。おそらく「ト・カロン」の名を冠したカベルネとしても最安でしょう。このワインもアカデミー・デュ・ヴァンの講座で毎期試飲していますが、ナパのカベルネとしてはとても酸が豊かでエレガントな作り。ガツンとしたナパのイメージとはちょっと違うかもしれませんが、非常に良質なカベルネ・ソーヴィニヨンです。2014年はワイン・アドヴォケイトで95点。
モンテリーナやモンダヴィなどは20年前と比べても、価格はそれほど大きく変わっていません(ベリンジャーあたりもそうですね)。かといって品質が落ちたわけではないので、すごく狙い目になっていると思います。
モンダヴィとかモンテリーナ、有名すぎて見過ごしているかもしれませんが、実はこのように日本の価格がすごく安いので狙い目なのです。お薦めです。
柳屋で毎年恒例の福袋が始まっています。税抜き9999円で5本。実質平均2000円です。
そのうち2本は定価2000円弱の南アフリカのカベルネブレンドとニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランですが、残り3本はカリフォルニアで2000円を大きく上回る価格のものです。
目玉は定価5500円のナパのカベルネ。今年の秋に出合ったワインで、柳屋では店頭でもネットでも扱っていません。
次は3000円のシャルドネ。有名ブランドだけどスペシャルなワインとのこと。
最後は3000円弱のピノ・ノワール。有名なワイナリーのものだそうです。
カベルネはあのへんかなあという想像はしていますが正解かどうかは分かりません。定価ベースでは合計1万5000円になるとのことで、損した感はないだろうと思います。
そのうち2本は定価2000円弱の南アフリカのカベルネブレンドとニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランですが、残り3本はカリフォルニアで2000円を大きく上回る価格のものです。
目玉は定価5500円のナパのカベルネ。今年の秋に出合ったワインで、柳屋では店頭でもネットでも扱っていません。
次は3000円のシャルドネ。有名ブランドだけどスペシャルなワインとのこと。
最後は3000円弱のピノ・ノワール。有名なワイナリーのものだそうです。
カベルネはあのへんかなあという想像はしていますが正解かどうかは分かりません。定価ベースでは合計1万5000円になるとのことで、損した感はないだろうと思います。
「ワインセラー パリ16区」が独占販売しているセンシーズ(Senses)のシャルドネとピノ・ノワールを検証させていただきました。せっかくなのでカリフォルニアワイン好きな方々とご一緒し、センシーズのワインメーカーであるトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベート・ブランド「リヴァース・マリー(Rivers-Marie)」と合わせてみました。
最初のシャルドネはセンシーズのチャールズ・ハインツ(Charles Heintz)シャルドネ2017です。パイナップルやマンゴーなどのトロピカル・フルーツのリッチさとレモン、オレンジなど柑橘系の冷涼感を併せ持ったワイン。非常にきれいで美味しいシャルドネです。
シャルドネのあと2本はリヴァース・マリーで、2012年のソノマ・コーストと2010年のシエリオ(Thieriot、今までティエリオットだと思ってましたが、シエリオが実際の発音に近いそうです)。シエリオはセンシーズの共同オーナーの一人であるクリス(この人は俳優もやっています)の実家の畑で、センシーズでもシエリオのワインを作っています。
2012年のソノマ・コーストは少し熟成が始まってきた感じ。オレンジやパイナップルに、ナッティな風味が少し加わり、非常にいいです。AVAものでこのレベルはすごい。
2010年のシエリオは、さらに熟成が進み、黄金色になってきています。果実味よりもバニラやブリオッシュの風味やマーマレード、ナツメグの味わいが目立ってきています。重層的な味わいで素晴らしい。バランス的にはこれくらいがピークかもしれません。熟成好きな方なら20年くらいまでいけるかもしれませんが。
ピノ・ノワールの3本はいずれもセンシーズ。2017年のソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレー、2016年のテラ・デ・プロミシオ(Terra de Promisio、約束の土地の意味)です。テラ・デ・プロミシオはペタルマ・ギャップ(Petaluma Gap)の畑。ペタルマの町外れでペタルマ・ギャップのほぼ中央にあります。ここは太平洋からサン・パブロ湾に向かって冷たい海風が吹き抜ける冷涼な地域。
AVAものでヴィンテージも同じソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレーですが、味わいは対照的。ソノマ・コーストは酸が豊かでラズベリーやチェリーなどの赤系の果実にバニラ、イチジク、ナツメグなどの風味。ミディアム・ボディでソノマ・コーストらしい冷涼感があります。一方、ロシアン・リバー・ヴァレーはフルボディとまではいかないまでも、ソノマ・コーストよりボリューム感のある味わい。果実味もダークチェリーなど、少し濃い感じのするものが中心になります。
単一畑のテラ・デ・プロミシオは素晴らしいでき。色は若干薄め。ラズベリー、ストロベリーなど赤系の果実味に、リコリスやナツメグ、土っぽい味わいなど複雑な風味が増します。
センシーズのワイン。単に美味しいだけでなく、ちゃんとそれぞれの畑や地域の個性が出た味わいに仕上がっています。また、リヴァース・マリーがこれだけきれいに熟成しているのだから、同じワインメーカーのセンシーズも熟成力に期待できると思います。
今回のレストランは神保町のガーブ・ピンティーノというイタリアン。それぞれの料理も美味しく、ワインごとにグラスを替えてサーブしてくれました。締めの「オマール海老のカレーライス」、美味しかった。これだけは量が1口から10口まで選べるのですが、一番多くしてよかった(笑)。満足です。
最初のシャルドネはセンシーズのチャールズ・ハインツ(Charles Heintz)シャルドネ2017です。パイナップルやマンゴーなどのトロピカル・フルーツのリッチさとレモン、オレンジなど柑橘系の冷涼感を併せ持ったワイン。非常にきれいで美味しいシャルドネです。
シャルドネのあと2本はリヴァース・マリーで、2012年のソノマ・コーストと2010年のシエリオ(Thieriot、今までティエリオットだと思ってましたが、シエリオが実際の発音に近いそうです)。シエリオはセンシーズの共同オーナーの一人であるクリス(この人は俳優もやっています)の実家の畑で、センシーズでもシエリオのワインを作っています。
2012年のソノマ・コーストは少し熟成が始まってきた感じ。オレンジやパイナップルに、ナッティな風味が少し加わり、非常にいいです。AVAものでこのレベルはすごい。
2010年のシエリオは、さらに熟成が進み、黄金色になってきています。果実味よりもバニラやブリオッシュの風味やマーマレード、ナツメグの味わいが目立ってきています。重層的な味わいで素晴らしい。バランス的にはこれくらいがピークかもしれません。熟成好きな方なら20年くらいまでいけるかもしれませんが。
ピノ・ノワールの3本はいずれもセンシーズ。2017年のソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレー、2016年のテラ・デ・プロミシオ(Terra de Promisio、約束の土地の意味)です。テラ・デ・プロミシオはペタルマ・ギャップ(Petaluma Gap)の畑。ペタルマの町外れでペタルマ・ギャップのほぼ中央にあります。ここは太平洋からサン・パブロ湾に向かって冷たい海風が吹き抜ける冷涼な地域。
AVAものでヴィンテージも同じソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレーですが、味わいは対照的。ソノマ・コーストは酸が豊かでラズベリーやチェリーなどの赤系の果実にバニラ、イチジク、ナツメグなどの風味。ミディアム・ボディでソノマ・コーストらしい冷涼感があります。一方、ロシアン・リバー・ヴァレーはフルボディとまではいかないまでも、ソノマ・コーストよりボリューム感のある味わい。果実味もダークチェリーなど、少し濃い感じのするものが中心になります。
単一畑のテラ・デ・プロミシオは素晴らしいでき。色は若干薄め。ラズベリー、ストロベリーなど赤系の果実味に、リコリスやナツメグ、土っぽい味わいなど複雑な風味が増します。
センシーズのワイン。単に美味しいだけでなく、ちゃんとそれぞれの畑や地域の個性が出た味わいに仕上がっています。また、リヴァース・マリーがこれだけきれいに熟成しているのだから、同じワインメーカーのセンシーズも熟成力に期待できると思います。
今回のレストランは神保町のガーブ・ピンティーノというイタリアン。それぞれの料理も美味しく、ワインごとにグラスを替えてサーブしてくれました。締めの「オマール海老のカレーライス」、美味しかった。これだけは量が1口から10口まで選べるのですが、一番多くしてよかった(笑)。満足です。
トニー・ソーターがオレゴンで作るソーター・ヴィンヤーズ(Soter Vineyards)の普及ライン「プラネット・オレゴン(Planet Oregon)」のピノ・ノワールとシャルドネが特価で現地価格並みになっています。
プラネット・オレゴンはソーターがサステナブルの認証を受けている畑から購入したブドウで作り、サステナブルの認証を受けているワイナリーでボトル詰めしたワインで、地球を大事にというメッセージが込められています。
ピノ・ノワールもシャルドネも現地価格22ドル(税抜き)がピノ・ノワールが税込み2508円、シャルドネが2178円となっています。さらにクレジットカードで支払えば5%の還元対象となります(楽天カードの場合は楽天スーパーポイントで還元)。なので実質的には現地価格以下といってもいいくらいの安さです。
プラネット・オレゴンはソーターがサステナブルの認証を受けている畑から購入したブドウで作り、サステナブルの認証を受けているワイナリーでボトル詰めしたワインで、地球を大事にというメッセージが込められています。
ピノ・ノワールもシャルドネも現地価格22ドル(税抜き)がピノ・ノワールが税込み2508円、シャルドネが2178円となっています。さらにクレジットカードで支払えば5%の還元対象となります(楽天カードの場合は楽天スーパーポイントで還元)。なので実質的には現地価格以下といってもいいくらいの安さです。
ナパの東にあるススーン・ヴァレー(Suisan Valley)で年間500ケースにも満たない小さなワイナリーサンセット・セラーズ(Sunset Cellars)を、サンフランシスコで働いている日本人エンジニアの夫婦と友人が購入したという話が話題になっています。
エンジニアだけど米国でワイナリーを買った話 – SF Tech-Tech
サンセット・セラーズは1997年設立。創業者の奥さんが日本人(カツコさん)、ご主人のダグさんは早稲田大学に留学していたという日本に縁の深い夫婦で営んでいました。フラッグシップのワインは、このあたりでは珍しいバルベーラ。爆発的な果実味が特徴で、現行ヴィンテージが2010年という、かなりこだわった作りをしているようです。
ただ、後継者がおらず、70歳を超えてこれから閉鎖も考えているということから、近所に住む日本人が、このエンジニア夫婦に声をかけ、購入を検討することになりました。
とはいえワイン造りは完全に素人の4人。ダグさんに教えを請うたところ「まずはガレージで失敗して来な!」と言われてしまいます。そこでめげずに実際に自分たちでガレージでワイン造りに挑戦し、ダグさんに認めてもらって今回の購入にいたったとか。
非常に面白い話なので、ぜひ読んでみてください。
さらに、この4人、ワインを日本のユーザーに届けるため、「Vine Owner’s Club (バイン・オーナーズ・クラブ) 」という一種の頒布会を作りました。4半期ごとにワインを3本ずつ送る代わりに、ブドウの「ツタ」を所有するというイメージです。
今回の記事が話題になり、当初予定していた100人の申し込みが瞬時になくなり、現在追加の申し込みを受け始めているそうです。
SUNSET CELLARS (サンセット・セラーズ) - カリフォルニアのマイクロ・ファミリー・ワイナリー
エンジニアだけど米国でワイナリーを買った話 – SF Tech-Tech
サンセット・セラーズは1997年設立。創業者の奥さんが日本人(カツコさん)、ご主人のダグさんは早稲田大学に留学していたという日本に縁の深い夫婦で営んでいました。フラッグシップのワインは、このあたりでは珍しいバルベーラ。爆発的な果実味が特徴で、現行ヴィンテージが2010年という、かなりこだわった作りをしているようです。
ただ、後継者がおらず、70歳を超えてこれから閉鎖も考えているということから、近所に住む日本人が、このエンジニア夫婦に声をかけ、購入を検討することになりました。
とはいえワイン造りは完全に素人の4人。ダグさんに教えを請うたところ「まずはガレージで失敗して来な!」と言われてしまいます。そこでめげずに実際に自分たちでガレージでワイン造りに挑戦し、ダグさんに認めてもらって今回の購入にいたったとか。
非常に面白い話なので、ぜひ読んでみてください。
さらに、この4人、ワインを日本のユーザーに届けるため、「Vine Owner’s Club (バイン・オーナーズ・クラブ) 」という一種の頒布会を作りました。4半期ごとにワインを3本ずつ送る代わりに、ブドウの「ツタ」を所有するというイメージです。
今回の記事が話題になり、当初予定していた100人の申し込みが瞬時になくなり、現在追加の申し込みを受け始めているそうです。
SUNSET CELLARS (サンセット・セラーズ) - カリフォルニアのマイクロ・ファミリー・ワイナリー
ソノマのアレキサンダー・ヴァレーの生産者団体「アレキサンダー・ヴァレー・ワイングロワーズ」が10月のキンケード・ファイヤーの影響についてコメントを発表しました。
78の栽培家と31のワイナリーからなるこの団体ですが、火事でワイナリーが燃えた2つのワイナリーを除いては、畑やワイナリーに大きな損害はなかったとのこと。
燃えたのは大部分が北東の山麓を中心とするエリアだったので、亡くなった方もおらず、負傷者も消防士が数名と最小限にとどまりました。
収穫は90%ほど終わっでおり、発電機などの利用で停電の影響もさほどなかったといいます。
火事の規模や避難勧告の規模の割には実被害がそれほど大きくなさそうでよかったです。
これからは観光客を取り戻すことが課題になってきそうです。
78の栽培家と31のワイナリーからなるこの団体ですが、火事でワイナリーが燃えた2つのワイナリーを除いては、畑やワイナリーに大きな損害はなかったとのこと。
燃えたのは大部分が北東の山麓を中心とするエリアだったので、亡くなった方もおらず、負傷者も消防士が数名と最小限にとどまりました。
収穫は90%ほど終わっでおり、発電機などの利用で停電の影響もさほどなかったといいます。
火事の規模や避難勧告の規模の割には実被害がそれほど大きくなさそうでよかったです。
これからは観光客を取り戻すことが課題になってきそうです。
ソノマのワイナリー「ポール・ホブズ」のオーナーのポール・ホブズが先日来日し、セミナー兼食事会に参加しました。カリフォルニアのワイナリー、特にカベルネ・ソーヴィニヨンに強いワイナリーの場合、ステーキハウスを使うことが普通ですが、今回は珍しく中華。
「空飛ぶワインメーカー」として世界各地でコンサルタントを務めていることでも知られているポール・ホブズ氏。栽培よりも醸造よりの人というイメージがありましたが、現在はポール・ホブズ・ワイナリーで作るワインの大部分は自社畑になっています。ナパのハイドや、ベクストファーのト・カロン、ドクター・クレーンなど一部(といってもどれもすごい畑ばかりなので目立ってしまう面はあります)だけが契約畑です。自社畑の栽培はほとんどがオーガニックで、もちろんサスティナブルの認証を得ています。
試飲したワインは6種。ピノ・ノワールが3つとカベルネ・ソーヴィニヨンが3つです。
ピノ・ノワールは2017年のハイド・ヴィンヤード、2016年のキャスリン・リンゼー・エステート、2016年のゴールドロック・エステート。キャスリン・リンゼーはロシアン・リバー・ヴァレー、ゴールドロックはソノマコーストのAVAになります。ピノ・ノワールについて、ポール・ホブズ氏はかつてアンリ・ジャイエに学んだことがあり、すべて除梗して作っていましたが、最近はホール・クラスターを増やしているそうです。
この中で一番暖かいのはハイド、一番寒いのはゴールドロックですが、ワインは暖かいところほど色が薄くなり、寒いところほど濃くなるとのこと。ハングタイムの違いなどが影響しているのでしょうか。
実際、ハイドが一番色が薄く、味わいも濃厚というよりも軽やかさを感じるもの。イチゴやラズベリーなどの赤系の果実に少しカシスの風味もあります。きめ細かいタンニンがあり、意外とボディもしっかりしています。
キャスリン・リンゼーもガーネット色で、かなり濃い目の色。ラズベリーに、ブルーベリー、紅茶の風味、酸とボディのバランスが良く、個人的にはすごく好きなピノ・ノワールでした。
ゴールドロックはミネラル感が強く、ミントやチョークのような風味もあります。複雑さではこれが一番でした。
カベルネ・ソーヴィニヨンは3本いずれもナパのもの。2015年のベクストファー・ドクター・クレーン、2015年のベクストファー・ト・カロン、2014年のネイサン・クームズ・エステートの3つです。ドクター・クレーンはセント・ヘレナ、ベクストファー・ト・カロンはオークヴィル、ネイサン・クームズはクームズヴィルの畑です。暖かさもこの順で上ほど暖かいところになり、やはり寒いところほどワインの色は濃くなります。
ドクター・クレーンは太陽の暖かさを感じるワイン。ブルーベリーやブラックベリーの風味、ちょっと甘さを感じるようなふくよかさ。きれいな酸にチョーク。ドクター・クレーンはブロックによっては、ポール・ホブズ氏的にはあまり品質が高くないところもあるそうですが、ポール・ホブズでは一番条件のいいブロックを使っているとのこと。
ベクストファー・ト・カロンは素晴らしいバランス。ストラクチャーあり、きめ細かいタンニン。濃厚でパワフルですが、重すぎず軽やかささえ感じます。統一感がすごい。料理とか関係なく、ずっと飲んでいたい(笑)。ポール・ホブズ氏はこの著名畑も初期から利用しているため、中央あたりの非常にいいブロックを使っています。
ネイサン・クームズは一番タニックでパワーあふれるワイン。杉の風味など複雑さもあり熟成しても美味しそうなワインです。クームズヴィルはナパの中では新しい産地で、オークヴィルあたりと比べるとかなり冷涼なはずですが、カベルネ・ソーヴィニヨンでも高いポテンシャルがあることを、このワインは示していると思います。
ところで、中華との相性ですが、スパイスの効いた料理などに、ピノ・ノワールがよく合っていました。カベルネ・ソーヴィニヨンはやはり肉には最高です。中華は味わいがはっきりした料理が覆いので、メリハリのきいたカリフォルニアワインとの相性はいいと思います。
「空飛ぶワインメーカー」として世界各地でコンサルタントを務めていることでも知られているポール・ホブズ氏。栽培よりも醸造よりの人というイメージがありましたが、現在はポール・ホブズ・ワイナリーで作るワインの大部分は自社畑になっています。ナパのハイドや、ベクストファーのト・カロン、ドクター・クレーンなど一部(といってもどれもすごい畑ばかりなので目立ってしまう面はあります)だけが契約畑です。自社畑の栽培はほとんどがオーガニックで、もちろんサスティナブルの認証を得ています。
試飲したワインは6種。ピノ・ノワールが3つとカベルネ・ソーヴィニヨンが3つです。
ピノ・ノワールは2017年のハイド・ヴィンヤード、2016年のキャスリン・リンゼー・エステート、2016年のゴールドロック・エステート。キャスリン・リンゼーはロシアン・リバー・ヴァレー、ゴールドロックはソノマコーストのAVAになります。ピノ・ノワールについて、ポール・ホブズ氏はかつてアンリ・ジャイエに学んだことがあり、すべて除梗して作っていましたが、最近はホール・クラスターを増やしているそうです。
この中で一番暖かいのはハイド、一番寒いのはゴールドロックですが、ワインは暖かいところほど色が薄くなり、寒いところほど濃くなるとのこと。ハングタイムの違いなどが影響しているのでしょうか。
実際、ハイドが一番色が薄く、味わいも濃厚というよりも軽やかさを感じるもの。イチゴやラズベリーなどの赤系の果実に少しカシスの風味もあります。きめ細かいタンニンがあり、意外とボディもしっかりしています。
キャスリン・リンゼーもガーネット色で、かなり濃い目の色。ラズベリーに、ブルーベリー、紅茶の風味、酸とボディのバランスが良く、個人的にはすごく好きなピノ・ノワールでした。
ゴールドロックはミネラル感が強く、ミントやチョークのような風味もあります。複雑さではこれが一番でした。
カベルネ・ソーヴィニヨンは3本いずれもナパのもの。2015年のベクストファー・ドクター・クレーン、2015年のベクストファー・ト・カロン、2014年のネイサン・クームズ・エステートの3つです。ドクター・クレーンはセント・ヘレナ、ベクストファー・ト・カロンはオークヴィル、ネイサン・クームズはクームズヴィルの畑です。暖かさもこの順で上ほど暖かいところになり、やはり寒いところほどワインの色は濃くなります。
ドクター・クレーンは太陽の暖かさを感じるワイン。ブルーベリーやブラックベリーの風味、ちょっと甘さを感じるようなふくよかさ。きれいな酸にチョーク。ドクター・クレーンはブロックによっては、ポール・ホブズ氏的にはあまり品質が高くないところもあるそうですが、ポール・ホブズでは一番条件のいいブロックを使っているとのこと。
ベクストファー・ト・カロンは素晴らしいバランス。ストラクチャーあり、きめ細かいタンニン。濃厚でパワフルですが、重すぎず軽やかささえ感じます。統一感がすごい。料理とか関係なく、ずっと飲んでいたい(笑)。ポール・ホブズ氏はこの著名畑も初期から利用しているため、中央あたりの非常にいいブロックを使っています。
ネイサン・クームズは一番タニックでパワーあふれるワイン。杉の風味など複雑さもあり熟成しても美味しそうなワインです。クームズヴィルはナパの中では新しい産地で、オークヴィルあたりと比べるとかなり冷涼なはずですが、カベルネ・ソーヴィニヨンでも高いポテンシャルがあることを、このワインは示していると思います。
ところで、中華との相性ですが、スパイスの効いた料理などに、ピノ・ノワールがよく合っていました。カベルネ・ソーヴィニヨンはやはり肉には最高です。中華は味わいがはっきりした料理が覆いので、メリハリのきいたカリフォルニアワインとの相性はいいと思います。
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズのオーナー/ワインメーカーとして、1976年の「パリスの審判」で赤ワイントップとなったカベルネ・ソーヴィニヨンを作ったウォーレン・ウィニアルスキ(Warren Winiarski)がスミソニアン協会が与える「ジェームズ・スミソン200年記念」メダルを受賞しました。
このメダルは、遺産をすべて寄付してスミソニアン協会の設立の源となったジェームズ・スミソン(実はこの人は米国には足を踏み入れたことがなかったそうです)生誕200年を記念して1965年に作られたメダルで、スミソニアン協会が卓越した業績を挙げたとみなした人に授与されています。映画監督などエンターテインメント業界の人が多く受賞していますが、ワイン業界からはウォーレン・ウィニアルスキが初のようです。グルメ業界からはジュリア・チャイルドが受賞しています。
このメダルは、遺産をすべて寄付してスミソニアン協会の設立の源となったジェームズ・スミソン(実はこの人は米国には足を踏み入れたことがなかったそうです)生誕200年を記念して1965年に作られたメダルで、スミソニアン協会が卓越した業績を挙げたとみなした人に授与されています。映画監督などエンターテインメント業界の人が多く受賞していますが、ワイン業界からはウォーレン・ウィニアルスキが初のようです。グルメ業界からはジュリア・チャイルドが受賞しています。
ワイン・アドヴォケイトがレビュアーが選出した、今年発見した「coup de coeur(クー・ド・クー、一目惚れの意)」ワイン10本を発表しました。
2017 Lismore Estate Reserve Chardonnay, Western Cape, South Africa
2017 Scar of the Sea Chardonnay Seven Leagues, Santa Maria Valley, California
2015 Charles Perez Côtes du Roussillon Les Aspres MVD MMXV, Roussillon, France
Chambers Rosewood Vineyards Rare Muscat (Multi-Vintage), Rutherglen, Australia
2016 Poesia, Saint Emilion, Bordeaux
2015 Domaines Lupier La Dama, Navarra, Spain
2011 Kir-Yianni Diaporos Block 5, Macedonia, Greece
2017 Planeta Sicilia Carricante Eruzione 1614, Etna, Sicily, Italy
2017 Martin Muthenthaler Riesling Viesslinger Stern, Wachau, Austria
2013 NV Ulysse Collin Extra Brut Blanc de Blancs Les Roises, Champagne, France
世界各地に分かれていますが、カリフォルニアからは1本だけ「スカー・オブ・ザ・シー(Scar of the Sea)」のシャルドネ「セブン・リーグズ」だけが選ばれています。このワイン、畑は有名なビエン・ナシードで、Block 11、Block I、block Wの3つのブロックのブドウを使っているとのこと。38ドルで93点という評価はそれほど突出した印象はありませんが、何か残るものがあったのでしょうね。ちなみにレビュアーはエリン・ブルックス。長年レストラン業界で働きながらワイン・ジャーナリストにもなり、2017年からレビュアーになっています。
10本の中で日本に輸入されているのは最後の「ユリス・コラン レ・ロワゼ ブラン・ド・ブラン」だけのようです。ギリシャのキル・ヤンニ ディアボロスももっと新しいヴィンテージはありますが、2011年は入っていないようです。
2017 Lismore Estate Reserve Chardonnay, Western Cape, South Africa
2017 Scar of the Sea Chardonnay Seven Leagues, Santa Maria Valley, California
2015 Charles Perez Côtes du Roussillon Les Aspres MVD MMXV, Roussillon, France
Chambers Rosewood Vineyards Rare Muscat (Multi-Vintage), Rutherglen, Australia
2016 Poesia, Saint Emilion, Bordeaux
2015 Domaines Lupier La Dama, Navarra, Spain
2011 Kir-Yianni Diaporos Block 5, Macedonia, Greece
2017 Planeta Sicilia Carricante Eruzione 1614, Etna, Sicily, Italy
2017 Martin Muthenthaler Riesling Viesslinger Stern, Wachau, Austria
2013 NV Ulysse Collin Extra Brut Blanc de Blancs Les Roises, Champagne, France
世界各地に分かれていますが、カリフォルニアからは1本だけ「スカー・オブ・ザ・シー(Scar of the Sea)」のシャルドネ「セブン・リーグズ」だけが選ばれています。このワイン、畑は有名なビエン・ナシードで、Block 11、Block I、block Wの3つのブロックのブドウを使っているとのこと。38ドルで93点という評価はそれほど突出した印象はありませんが、何か残るものがあったのでしょうね。ちなみにレビュアーはエリン・ブルックス。長年レストラン業界で働きながらワイン・ジャーナリストにもなり、2017年からレビュアーになっています。
10本の中で日本に輸入されているのは最後の「ユリス・コラン レ・ロワゼ ブラン・ド・ブラン」だけのようです。ギリシャのキル・ヤンニ ディアボロスももっと新しいヴィンテージはありますが、2011年は入っていないようです。
アマゾンが今年から始めたブラックフライデーセールで、ソノマのワイナリー「マクファイル(MacPhail)」のピノ・ノワール2種が激安になっています。ワイナリー直販のようです。
いずれも単一畑でトゥールーズ(Toulouse)とプラット(Pratt)。トゥールーズはアンダーソン・ヴァレーの畑。ワイナリーによると「暖かさ」を感じるワインだそう。ワイナリー価格49ドルが、税込み送料込みで5113円。
プラットはソノマ・コーストの畑。ワイナリー価格は不明ですが、ワイン・サーチャーの最低価格で57ドルが税込み送料込みで5113円。
マクファイル"トゥールーズ ヴィンヤード" ピノノワール アンダーソンヴァレー 750ml
マクファイル"プラット ヴィンヤード" ピノノワール ソノマコースト 750ml
いずれも単一畑でトゥールーズ(Toulouse)とプラット(Pratt)。トゥールーズはアンダーソン・ヴァレーの畑。ワイナリーによると「暖かさ」を感じるワインだそう。ワイナリー価格49ドルが、税込み送料込みで5113円。
プラットはソノマ・コーストの畑。ワイナリー価格は不明ですが、ワイン・サーチャーの最低価格で57ドルが税込み送料込みで5113円。
マクファイル"トゥールーズ ヴィンヤード" ピノノワール アンダーソンヴァレー 750ml
マクファイル"プラット ヴィンヤード" ピノノワール ソノマコースト 750ml
ワイン産地に観光客が最も押し寄せるのは秋の収穫シーズン。しかし、ソノマでは3年連続で山火事のために観光に大きな影響が及んでいます。
2017年は9月にパラダイス・リッジなどのワイナリーや、サンタ・ローザの町近くまでも大きな被害にあった火事が起こり、延焼を完全に食い止めるまで3週間もかかりました。死者も26人、焼失した建物が5300軒以上と、過去最大の被害となりました。
2018年は170km以上離れたところで起こった火災のために、2週間もの間、煙った空気がソノマを覆いました。
そして、2019年は先日の大火事でワイナリー2軒が焼失したほか、ソノマのほぼ全域に避難命令が出る事態に陥りました。また、火事の前から長期間の計画停電で観光にも大きな影響が出ています。
こういった事態を受け、ソノマ郡の観光担当は、火事が覆い秋から他の季節へと観光客をシフトしていく必要を感じているとのことです(Sonoma County tourism sector attempts to lure visitors back following wildfires)。また、火事が大きく報道されることによって、無事な地域までも観光が冷え込んでしまうことも懸念されています。
ソノマの観光収入は22億ドルにものぼり、まだ火事の影響がどれだけあるかは算定中なものの、大きな影響があることは間違いありません。
特に深刻なのはレストランで、他の業種と比べて利益のマージンが低いため、キャッシュフローが回らなくなるところも出てきそうだとのことです。
まずは、火事が落ち着いた今、どんどんソノマに出かけていくのが当地の救済のためにも必要なことかと思います。
2017年は9月にパラダイス・リッジなどのワイナリーや、サンタ・ローザの町近くまでも大きな被害にあった火事が起こり、延焼を完全に食い止めるまで3週間もかかりました。死者も26人、焼失した建物が5300軒以上と、過去最大の被害となりました。
2018年は170km以上離れたところで起こった火災のために、2週間もの間、煙った空気がソノマを覆いました。
そして、2019年は先日の大火事でワイナリー2軒が焼失したほか、ソノマのほぼ全域に避難命令が出る事態に陥りました。また、火事の前から長期間の計画停電で観光にも大きな影響が出ています。
こういった事態を受け、ソノマ郡の観光担当は、火事が覆い秋から他の季節へと観光客をシフトしていく必要を感じているとのことです(Sonoma County tourism sector attempts to lure visitors back following wildfires)。また、火事が大きく報道されることによって、無事な地域までも観光が冷え込んでしまうことも懸念されています。
ソノマの観光収入は22億ドルにものぼり、まだ火事の影響がどれだけあるかは算定中なものの、大きな影響があることは間違いありません。
特に深刻なのはレストランで、他の業種と比べて利益のマージンが低いため、キャッシュフローが回らなくなるところも出てきそうだとのことです。
まずは、火事が落ち着いた今、どんどんソノマに出かけていくのが当地の救済のためにも必要なことかと思います。
ワイン・エンスージアスト誌が2019年のトップ100を発表しました(The Enthusiast Top 100 Wines of 2019 | Wine Enthusiast Magazine)。
同誌のトップ100はセラー・セレクションという熟成向きのワイン、バリューというコストパフォーマンスに優れたワイン、それからこのトップ100と3種類発表されます。
このトップ100は今飲んで美味しいワインであり、ワイン・スペクテーターと比べると、より広い地域でワインのバラエティも富んでいる感じがします。最近のトレンドも加味しているように思います。また価格も比較的抑えめです。
そんな中でカリフォルニアからは2位にウイリアムズ・セリエムのソノマ・カウンティ ピノ・ノワール2017がランクイン。39ドルで98点は立派です。
日本には入ってないかと思っていたらありました。さすがに価格は高いですが。
7位にはナパのマシカンのアニア・ホワイトという白ワイン。トカイ・フリウラーノなどを使った、今っぽいブレンドです。こういうのがトップ10に入るのは面白いです。
もう一つ注目はロアーのシエラ・マー・ヴィンヤード ピノ・ノワール2017が15位に入ったこと。これ、全く同じワインがワイン・スペクテーターでも43位に入っていました。両方で上位に入るのはかなりレアで快挙といってもいいと思います。
同誌のトップ100はセラー・セレクションという熟成向きのワイン、バリューというコストパフォーマンスに優れたワイン、それからこのトップ100と3種類発表されます。
このトップ100は今飲んで美味しいワインであり、ワイン・スペクテーターと比べると、より広い地域でワインのバラエティも富んでいる感じがします。最近のトレンドも加味しているように思います。また価格も比較的抑えめです。
そんな中でカリフォルニアからは2位にウイリアムズ・セリエムのソノマ・カウンティ ピノ・ノワール2017がランクイン。39ドルで98点は立派です。
日本には入ってないかと思っていたらありました。さすがに価格は高いですが。
7位にはナパのマシカンのアニア・ホワイトという白ワイン。トカイ・フリウラーノなどを使った、今っぽいブレンドです。こういうのがトップ10に入るのは面白いです。
もう一つ注目はロアーのシエラ・マー・ヴィンヤード ピノ・ノワール2017が15位に入ったこと。これ、全く同じワインがワイン・スペクテーターでも43位に入っていました。両方で上位に入るのはかなりレアで快挙といってもいいと思います。
E&Jガロがナパのワイナリー、パルメイヤー(Pahlmeyer)を買収しました(E&J Gallo Winery Acquires Pahlmeyer Winery; Includes Pahlmeyer and ...)。
買収内容にはパルメイヤーとジェイソン(Jayson)のブランド、ナパの南端にあるリゾート「The Village at Vista Collina Resort」にあるテイスティングルームを含みます。また、アトラス・ピークにあるWaters Ranchヴィンヤードをリースすることにも同意しました。Waters Ranchはシャルドネなどパルメイヤーのワインの多くで使われています。
パルメイヤーは1986年に設立したワイナリー。ラグジュアリーなブランドとして知られ、特にシャルドネは映画「ディスクロージャー」で重要な役割を果たして注目されました。近年では2017年にシャルドネがワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれています。
なお、パルメイヤーがソノマ・コーストで作るシャルドネとピノ・ノワールのブランド「ウェイフェアラー(Wayfarer)」は買収対象には含まれていません。
買収内容にはパルメイヤーとジェイソン(Jayson)のブランド、ナパの南端にあるリゾート「The Village at Vista Collina Resort」にあるテイスティングルームを含みます。また、アトラス・ピークにあるWaters Ranchヴィンヤードをリースすることにも同意しました。Waters Ranchはシャルドネなどパルメイヤーのワインの多くで使われています。
パルメイヤーは1986年に設立したワイナリー。ラグジュアリーなブランドとして知られ、特にシャルドネは映画「ディスクロージャー」で重要な役割を果たして注目されました。近年では2017年にシャルドネがワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれています。
なお、パルメイヤーがソノマ・コーストで作るシャルドネとピノ・ノワールのブランド「ウェイフェアラー(Wayfarer)」は買収対象には含まれていません。
先週のトップ10発表に続き(ちなみに1位はやはりカリフォルニアではなくボルドーでした)、11位から100位が発表されました。
カリフォルニアワインをピックアップしてみましょう。
12 Carlisle Zinfandel Russian River Valley Papera Ranch 2016
14 Tensley Syrah Santa Barbara County Colson Canyon Vineyard 2017
18 Denner Dirt Worshipper Central Coast 2016
20 Sans Liege The Offering Santa Barbara County 2016
22 Saxum James Berry Vineyard Paso Robles Willow Creek District 2016
31 Quivira Sauvignon Blanc Dry Creek Valley Alder Grove Vineyard 2017
37 La Jota Merlot Howell Mountain 2016
41 Carol Shelton Coquille Blanc Paso Robles 2017
43 Roar Pinot Noir Santa Lucia Highlands Sierra Mar Vineyard 2017
52 Aubert Pinot Noir Sonoma Coast UV-SL Vineyard 2017
55 Failla Pinot Noir Russian River Valley Keefer Ranch 2017
61 Cambria Chardonnay Santa Maria Valley Katherine's Vineyard 2017
64 Dry Creek Zinfandel Sonoma County Heritage Vines 2017
66 RouteStock Pinot Noir Sonoma Coast 116 2017
69 Farella Cabernet Sauvignon Coombsville 2015
79 Macdonald Cabernet Sauvignon Oakville 2016
91 Snowden Cabernet Sauvignon Napa Valley Brothers Vineyard 2016
94 Favia Cabernet Sauvignon Coombsville 2016
トップ10の4本を入れると22本がカリフォルニアということで、だいたい例年通りな感じです。
12位のカーライルはトップ100の常連。14位から22位の4本はいずれもセントラル・コーストのシラー系ワイン。評価高くコスパもいいセントラル・コーストのシラーですが、販売面では苦戦しているという話も。おいしいんですけどねえ、シラー。
43位にはロアーのシエラ・マー、52位にはオーベールのUV-SL、55位はファイラ(フェイラ)のキーファー・ランチと実力派ワイナリーの著名畑ピノ・ノワールが続きました。66位のRouteStockは知らなかった銘柄。
60位と94位にクームズヴィルのカベルネ・ソーヴィニヨンが入りました。クームズヴィルはナパの南東にあるAVAでナパの中では比較的冷涼な地域。かなり涼しいところですが、最近は良質なカベルネ・ソーヴィニヨンを輩出しています。まだ比較的開発が進んでいないので、今後に要注目な地域です。
79位のマクドナルドのカベルネ・ソーヴィニヨンはヴィナスのアントニオ・ガッローニが毎年買っていると公言する銘柄。畑は19世紀にハミルトン・クラブが作ったオリジナルのト・カロン・ヴィンヤードに属するところの自社畑。本来ト・カロンと名乗れるはずですが、コンステレーション・ブランズがト・カロンの商標をもっているため、そう名乗れないワインです。
このほか、気になったところでは「実売2000円台とは思えないスーパーお買い得なカベルネ」や「あの超コスパ・カベルネの新ヴィンテージ、さらに評価上がった!」で紹介したワシントンのワインズ・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨンが49位。もっと上位でもいいと思いますが、このコスパの高さはただものではありません。
カリフォルニアワインをピックアップしてみましょう。
12 Carlisle Zinfandel Russian River Valley Papera Ranch 2016
14 Tensley Syrah Santa Barbara County Colson Canyon Vineyard 2017
18 Denner Dirt Worshipper Central Coast 2016
20 Sans Liege The Offering Santa Barbara County 2016
22 Saxum James Berry Vineyard Paso Robles Willow Creek District 2016
31 Quivira Sauvignon Blanc Dry Creek Valley Alder Grove Vineyard 2017
37 La Jota Merlot Howell Mountain 2016
41 Carol Shelton Coquille Blanc Paso Robles 2017
43 Roar Pinot Noir Santa Lucia Highlands Sierra Mar Vineyard 2017
52 Aubert Pinot Noir Sonoma Coast UV-SL Vineyard 2017
55 Failla Pinot Noir Russian River Valley Keefer Ranch 2017
61 Cambria Chardonnay Santa Maria Valley Katherine's Vineyard 2017
64 Dry Creek Zinfandel Sonoma County Heritage Vines 2017
66 RouteStock Pinot Noir Sonoma Coast 116 2017
69 Farella Cabernet Sauvignon Coombsville 2015
79 Macdonald Cabernet Sauvignon Oakville 2016
91 Snowden Cabernet Sauvignon Napa Valley Brothers Vineyard 2016
94 Favia Cabernet Sauvignon Coombsville 2016
トップ10の4本を入れると22本がカリフォルニアということで、だいたい例年通りな感じです。
12位のカーライルはトップ100の常連。14位から22位の4本はいずれもセントラル・コーストのシラー系ワイン。評価高くコスパもいいセントラル・コーストのシラーですが、販売面では苦戦しているという話も。おいしいんですけどねえ、シラー。
43位にはロアーのシエラ・マー、52位にはオーベールのUV-SL、55位はファイラ(フェイラ)のキーファー・ランチと実力派ワイナリーの著名畑ピノ・ノワールが続きました。66位のRouteStockは知らなかった銘柄。
60位と94位にクームズヴィルのカベルネ・ソーヴィニヨンが入りました。クームズヴィルはナパの南東にあるAVAでナパの中では比較的冷涼な地域。かなり涼しいところですが、最近は良質なカベルネ・ソーヴィニヨンを輩出しています。まだ比較的開発が進んでいないので、今後に要注目な地域です。
79位のマクドナルドのカベルネ・ソーヴィニヨンはヴィナスのアントニオ・ガッローニが毎年買っていると公言する銘柄。畑は19世紀にハミルトン・クラブが作ったオリジナルのト・カロン・ヴィンヤードに属するところの自社畑。本来ト・カロンと名乗れるはずですが、コンステレーション・ブランズがト・カロンの商標をもっているため、そう名乗れないワインです。
このほか、気になったところでは「実売2000円台とは思えないスーパーお買い得なカベルネ」や「あの超コスパ・カベルネの新ヴィンテージ、さらに評価上がった!」で紹介したワシントンのワインズ・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨンが49位。もっと上位でもいいと思いますが、このコスパの高さはただものではありません。
コンステレーション・ブランズからE.J.ガロへのブランド売却で日本のインポーター業務終了に伴うラストセールを柳屋が続けています。まだレイヴェンズウッドなど出ていませんが、現状のセール製品をまとめておきます。
▽シミ・シャルドネ 【2983円→2082円】
▼シミ・カベルネ 【3930円→2709円】
▼フランシスカン赤 【3628円→1999円】
▽フランシスカン白 【3628円→1999円】
▼ワイルドホース・ピノ 【3058円→1800円】
▽クロ・デュ・ボワ白 【3168円→1999円】
▽クロ・デュ・ボワ ピノ 【3411円→1999円】
個人的お薦めはやっぱりフランシスカンのカベルネですが、クロ・デュ・ボワのシャルドネとピノ1000円台というのもかなりいいと思います。
▽シミ・シャルドネ 【2983円→2082円】
▼シミ・カベルネ 【3930円→2709円】
▼フランシスカン赤 【3628円→1999円】
▽フランシスカン白 【3628円→1999円】
▼ワイルドホース・ピノ 【3058円→1800円】
▽クロ・デュ・ボワ白 【3168円→1999円】
▽クロ・デュ・ボワ ピノ 【3411円→1999円】
個人的お薦めはやっぱりフランシスカンのカベルネですが、クロ・デュ・ボワのシャルドネとピノ1000円台というのもかなりいいと思います。
ワインスペクテーターのトップ10は2位まで発表されました。カリフォルニアはあと1本くらいかと思っていましたが、なんと2位と4位もカリフォルニア。しかもどちらもナパのクラシックなカベルネ・ソーヴィニヨンです。
先日、過小評価されているナパのワイナリーとしてヴァインヒルランチを紹介しましたが。2位と4位も昔から畑を作ってやっていて、価格も周りのワインと比べたらそれほど値上がりしていない、優良なワイナリーです。
4位はグロース(Groth)。ナパの中でも一等地中の一等地であるオークヴィルに121エーカーの畑をもっています。超有名畑がひしめく東の斜面や西の斜面ではなく、ヴァレー・フロアと呼ばれる一番低いあたりではありますが、隣にはプランプジャックやオショネシー、ターンブルといった人気ワイナリーの畑があります。1990年代末には植え替えを余儀なくされ、一時期「リザーブ」ワインを作っていなかったこともありますが、そのリザーブ用の畑27.5エーカーが成熟して、今回のワイン「グロース カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ 2016」になりました。リザーブでも150ドルというのは、昨今のナパでは安い方です。レイティングは96。ワインスペクテーターのレビューによると、完全にドライになる前に発酵を止めて、ちょっと甘いフルーツの味を残しているそうです。ちなみにヴィナスのアントニオ・ガッローニは91-94でバランスを評価していますが、ワイン・アドヴォケイトのリサ・ペロッティ・ブラウンは85点と酷評しています。
2位はマヤカマス(Mayacamas)。その名の通り、ナパの西にあるマヤカマス山脈にワイナリーを構えており、昔からいわゆる「山カベ」で長熟の味わいを特徴にしているワインです。今回のワインは「マヤカマス カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」で125ドル。96点となっています。いまどき「リザーブ」も作らずカベルネ・ソーヴィニヨンはこれ1本で勝負するというのも珍しいワイナリーです。2017年の大火では、この地域は「ナンズ・ファイヤー」と呼ばれる火事が広がり、マヤカマスではテイスティング・ルームが全焼するという不幸もありました。なお、ヴィナスのアントニオ・ガッローニはこのワインを97+と非常に高く評価。次の2016にも97-100を付けています。
クラシカルな谷カベの代表と山カベの代表が4位と2位というのはナパとしては嬉しいことですね。
さて、明日は1位の発表。さすがにカリフォルニアではないだろうと思いますが楽しみです。
グロースは日本未輸入。マヤカマスはまだ2013年が日本の現行ヴィンテージ。2015は入ってこないかもしれないですね。ただ、2013年もガッローニはやはり97点と高評価です。
先日、過小評価されているナパのワイナリーとしてヴァインヒルランチを紹介しましたが。2位と4位も昔から畑を作ってやっていて、価格も周りのワインと比べたらそれほど値上がりしていない、優良なワイナリーです。
4位はグロース(Groth)。ナパの中でも一等地中の一等地であるオークヴィルに121エーカーの畑をもっています。超有名畑がひしめく東の斜面や西の斜面ではなく、ヴァレー・フロアと呼ばれる一番低いあたりではありますが、隣にはプランプジャックやオショネシー、ターンブルといった人気ワイナリーの畑があります。1990年代末には植え替えを余儀なくされ、一時期「リザーブ」ワインを作っていなかったこともありますが、そのリザーブ用の畑27.5エーカーが成熟して、今回のワイン「グロース カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブ 2016」になりました。リザーブでも150ドルというのは、昨今のナパでは安い方です。レイティングは96。ワインスペクテーターのレビューによると、完全にドライになる前に発酵を止めて、ちょっと甘いフルーツの味を残しているそうです。ちなみにヴィナスのアントニオ・ガッローニは91-94でバランスを評価していますが、ワイン・アドヴォケイトのリサ・ペロッティ・ブラウンは85点と酷評しています。
2位はマヤカマス(Mayacamas)。その名の通り、ナパの西にあるマヤカマス山脈にワイナリーを構えており、昔からいわゆる「山カベ」で長熟の味わいを特徴にしているワインです。今回のワインは「マヤカマス カベルネ・ソーヴィニヨン 2015」で125ドル。96点となっています。いまどき「リザーブ」も作らずカベルネ・ソーヴィニヨンはこれ1本で勝負するというのも珍しいワイナリーです。2017年の大火では、この地域は「ナンズ・ファイヤー」と呼ばれる火事が広がり、マヤカマスではテイスティング・ルームが全焼するという不幸もありました。なお、ヴィナスのアントニオ・ガッローニはこのワインを97+と非常に高く評価。次の2016にも97-100を付けています。
クラシカルな谷カベの代表と山カベの代表が4位と2位というのはナパとしては嬉しいことですね。
さて、明日は1位の発表。さすがにカリフォルニアではないだろうと思いますが楽しみです。
グロースは日本未輸入。マヤカマスはまだ2013年が日本の現行ヴィンテージ。2015は入ってこないかもしれないですね。ただ、2013年もガッローニはやはり97点と高評価です。
ワインスペクテーターの恒例の年間トップ10の発表が始まっています。日本時間の12日に始まり、10位から2つずつ発表されています。5今で発表されたところでカリフォルニアは5位tと7位の2本入っています。
Wine No. 5 of 2019 | Wine Spectator's Top 100
Wine No. 7 of 2019 | Wine Spectator's Top 100
5位に入ったのはロデレール・エステート(Roederer Estate)のブリュット レルミタージュ 2012。ロデレール・エステートのスパークリングのフラッグシップです。カリフォルニアのスパークリングで上位に入るのは珍しく、快挙といっていいでしょう。米国で48ドル(税別)が日本だと税込み6000円前後で売っており、ほぼ現地価格。
7位はレイミー(Ramey)のシャルドネ、ハイド・ヴィンヤード 2016。65ドルで95点。シャルドネのマスターとして有名なワイナリーですが、それでも年間トップ10入りは初めてだと思います。
米国ではミレニアル世代を中心に、ワインよりクラフトビールやジンの方が人気になっています。マスター・オブ・ブランズという会社がミレニアル世代を対象に調査したところ、ワイン業界が学ぶべきポイントが5つ浮かび上がってきました(Five key lessons that wine can learn from craft beer)。
1. 何より大事なのは味のアピール
消費者が一番大事に思っているポイントは味です。当たり前といえば当たり前ですが、クラフトビールは味をアピールするために、ラベルにテイスティングコメントを細かく記しているような製品もあります。どういう味なのかをしっかりとわかりやすく消費者に伝えることが必要です。
2. もっと斬新であれ
ワイン業界はもっとリスクを取ってチャレンジしないといけないとしています。例えばシェリー樽などの樽を試すとか、様々なものをブレンドするとか。製品にバリエーションを作り、興味を引くために冒険を恐れてはいけません。
3. 製品や味に結びつくストーリーを語れ
ワイナリーの歴史を語るのはワイン業界の得意とするところではありますが、ただそれだけではだめです。「5世代続く名門?だから?」と思われるだけです。そのストーリーが製品やその味に結びついて初めて消費者に刺さるのです。
4. 魅力的なラベルやパッケージングを
ワインのパッケージングは「良い〜とても良い」に分類する人が一番多かったのですが、「とても良い」の評価はもう一つでした。白い壁紙のようなラベルも依然としてたくさんあります。もっとバリエーションが必要でしょう。棚の中で埋もれさせないためにも。
5. 限定版を作れ
ミレニアル世代は限定版が大好きだという調査結果が出ています。クラフトビールは山ほど限定版があります。ワインもそれに倣うべきでしょう。
1. 何より大事なのは味のアピール
消費者が一番大事に思っているポイントは味です。当たり前といえば当たり前ですが、クラフトビールは味をアピールするために、ラベルにテイスティングコメントを細かく記しているような製品もあります。どういう味なのかをしっかりとわかりやすく消費者に伝えることが必要です。
2. もっと斬新であれ
ワイン業界はもっとリスクを取ってチャレンジしないといけないとしています。例えばシェリー樽などの樽を試すとか、様々なものをブレンドするとか。製品にバリエーションを作り、興味を引くために冒険を恐れてはいけません。
3. 製品や味に結びつくストーリーを語れ
ワイナリーの歴史を語るのはワイン業界の得意とするところではありますが、ただそれだけではだめです。「5世代続く名門?だから?」と思われるだけです。そのストーリーが製品やその味に結びついて初めて消費者に刺さるのです。
4. 魅力的なラベルやパッケージングを
ワインのパッケージングは「良い〜とても良い」に分類する人が一番多かったのですが、「とても良い」の評価はもう一つでした。白い壁紙のようなラベルも依然としてたくさんあります。もっとバリエーションが必要でしょう。棚の中で埋もれさせないためにも。
5. 限定版を作れ
ミレニアル世代は限定版が大好きだという調査結果が出ています。クラフトビールは山ほど限定版があります。ワインもそれに倣うべきでしょう。
ナパのヨントヴィル(Yountville)はフレンチ・ランドリーを初めとするナパの美食エリアとして知られており、いくつかのホテルも集まっています。そのヨントヴィルの街中のテイスティングルームはアンティークを売っていたり、アートギャラリーになっていたり、カフェをやっていたりと、普通のテイスティングルームと比べて、多様なものを売る場所になっています(A café, an art gallery and a cigar bar: these are Yountville's tasting rooms )。
ヨントヴィルでは2000年代半ばからテイスティングルームが増え、地域の商業施設が減っていっていました。それを食い止めたいと2009年にできた法律で、施設の4分の1を他の目的に使わなくてはいけないことになりました。
その結果、予想以上にユニークな業態が広がってきたということです。例えば、Beau Vigneはシガーバーにもなっています。ラルフ・ローレンの家具を売るSilver Trident、Jessup Cellarsはアート・ギャラリー、Stewart Cellarsはナパのカフェに一部を貸してカフェを営んでいます。
こういった施策によって、ヨントヴィルのテイスティングルームは観光客だけでなく、地域の住民が集う場所にもなってきているとのこと。
観光客と地域の住民の対立というのはよく見られることですが、ここのようにうまく解決できるといいですね。
ヨントヴィルでは2000年代半ばからテイスティングルームが増え、地域の商業施設が減っていっていました。それを食い止めたいと2009年にできた法律で、施設の4分の1を他の目的に使わなくてはいけないことになりました。
その結果、予想以上にユニークな業態が広がってきたということです。例えば、Beau Vigneはシガーバーにもなっています。ラルフ・ローレンの家具を売るSilver Trident、Jessup Cellarsはアート・ギャラリー、Stewart Cellarsはナパのカフェに一部を貸してカフェを営んでいます。
こういった施策によって、ヨントヴィルのテイスティングルームは観光客だけでなく、地域の住民が集う場所にもなってきているとのこと。
観光客と地域の住民の対立というのはよく見られることですが、ここのようにうまく解決できるといいですね。
ボーグル(Bogle)がワイン・エンスージアスト誌による2019年のアメリカン・ワイナリー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました(Wine Enthusiast’s 20th Annual Wine Star Award Nominees | Wine Enthusiast Magazine)。
昨年、創立50周年を迎えたボーグルは米国ではコスパブランドの代表格。ワイン・エンスージアストでは過去4年に20本もの「ベスト・バイ」を得ており、生産量は250万ケースに達しています。環境にも力を入れていて、カリフォルニア・グリーン・メダルを受賞しています。
個人的にはここのシュナン・ブランやジンファンデル、「ファントム」という赤ブレンドあたりが好きですが、おしなべて品質は高いので安心して買えるブランドだと思います。
各種入ったセットもあります。
昨年、創立50周年を迎えたボーグルは米国ではコスパブランドの代表格。ワイン・エンスージアストでは過去4年に20本もの「ベスト・バイ」を得ており、生産量は250万ケースに達しています。環境にも力を入れていて、カリフォルニア・グリーン・メダルを受賞しています。
個人的にはここのシュナン・ブランやジンファンデル、「ファントム」という赤ブレンドあたりが好きですが、おしなべて品質は高いので安心して買えるブランドだと思います。
各種入ったセットもあります。
ナパの高級ワインの中にもまだまだ過小評価されているものがあります。その一つがヴァインヒルランチ(Vine Hill Ranch、VHR)だと言っても過言ではないでしょう。ワイナリーとしてもまだまだ知られていないし、ワインのラベルもかなり地味で「VHR」という字が目立つくらい。もしかするとそれがヴァインヒルランチの略であることも知られていないかもしれません。
ヴァインヒルランチの畑はオークヴィルの西側山麓。ちょっと北側に行けばハーラン・エステートがあり、ちょっと南に行けばドミナスがあります。ドミナスの新しいワイン「ユリシーズ」の畑や、ベクストファーの「ミズーリ・ホッパー」とも接するところ。
実はハーラン・ファミリーの2つめのワイナリー「ボンド(Bond)」のヴァシーナ(Vecina)で使っているのもこの畑。ヴァシーナはワイン・アドヴォケイトで100点を4回も取っています。
元々、19世紀から続いている由緒ある畑で、長らく栽培専門としてやっていました。だったヴァインヒルランチが自身のワインとして作り始めたのはこの10年ほど。ワインメーカーとしてアラウホ(現在のアイズリー・エステート)にいたフランソワ・ペションを迎え、品質も向上しています。
そのヴァインヒルランチのカベルネ・ソーヴィニヨン2016年が昨年末にアントニオ・ガッローニのヴィナスで100点を獲得。ヴィナスで100点を取ったカリフォルニアワインはまだ27本。200本近くに達しているワイン・アドヴォケイトと比べると、かなりレアです。ちなみにボンドのヴァシーナも2013年が100点を取っており畑としては2回めの栄誉となります。
その2016年のVHRカベルネ・ソーヴィニヨンが入荷してきています。
ヴァインヒルランチの畑はオークヴィルの西側山麓。ちょっと北側に行けばハーラン・エステートがあり、ちょっと南に行けばドミナスがあります。ドミナスの新しいワイン「ユリシーズ」の畑や、ベクストファーの「ミズーリ・ホッパー」とも接するところ。
実はハーラン・ファミリーの2つめのワイナリー「ボンド(Bond)」のヴァシーナ(Vecina)で使っているのもこの畑。ヴァシーナはワイン・アドヴォケイトで100点を4回も取っています。
元々、19世紀から続いている由緒ある畑で、長らく栽培専門としてやっていました。だったヴァインヒルランチが自身のワインとして作り始めたのはこの10年ほど。ワインメーカーとしてアラウホ(現在のアイズリー・エステート)にいたフランソワ・ペションを迎え、品質も向上しています。
そのヴァインヒルランチのカベルネ・ソーヴィニヨン2016年が昨年末にアントニオ・ガッローニのヴィナスで100点を獲得。ヴィナスで100点を取ったカリフォルニアワインはまだ27本。200本近くに達しているワイン・アドヴォケイトと比べると、かなりレアです。ちなみにボンドのヴァシーナも2013年が100点を取っており畑としては2回めの栄誉となります。
その2016年のVHRカベルネ・ソーヴィニヨンが入荷してきています。
柳屋でフランシスカンのカベルネ・ソーヴィニヨンが税込み1999円という衝撃的な価格になっています。参考希望小売価格3990円(税込み)の半額、実売でもこれまで安いところで2800円台でしたから一気に1000円近く下がっています。
理由は、輸入元の変更による在庫処分。今年はじめにフランシスカンの親会社であったコンステレーション・ブランズがEJガロに数十ものブランドを売却しました。レイヴェンズウッドやシミなど、馴染み深いブランドも含まれておりその中にフランシスカンも入っていたのです。今後日本での取り扱いもガロに変わるとのことで、特別価格になりました。
ということで、年内限りとのことですが輸入元の在庫がなくなればもっと早く終了する可能性もあります、というか多分そうなるでしょうから早めに買い込んでおいた方が良さそうです。
以前は「オーパス・ワンの隣の畑」を売りにしていたフランシスカンですが、最新のヴィンテージでは「ナパ・カウンティ&モントレー・カウンティ」となっており、ナパ以外のブドウもかなり使われています。それでも価格から見て良質のカベルネ・ソーヴィニヨンであることは変わりなく、3000円前後のカリフォルニアワインの代表的存在だったと言って過言ではありません。
ブランドがガロに移ってこれからどうなるのか(ちなみに、畑はガロに売却されていないので、ナパのブドウは今後使われなくなるだろうと私は見ています)。気になるところではありますが、まずはこの価格をありがたく受け止めておくのがいいでしょう。
なお、今後他のショップでも追随した価格になっていくことが予想されます。また機会を見て報告します。
理由は、輸入元の変更による在庫処分。今年はじめにフランシスカンの親会社であったコンステレーション・ブランズがEJガロに数十ものブランドを売却しました。レイヴェンズウッドやシミなど、馴染み深いブランドも含まれておりその中にフランシスカンも入っていたのです。今後日本での取り扱いもガロに変わるとのことで、特別価格になりました。
ということで、年内限りとのことですが輸入元の在庫がなくなればもっと早く終了する可能性もあります、というか多分そうなるでしょうから早めに買い込んでおいた方が良さそうです。
以前は「オーパス・ワンの隣の畑」を売りにしていたフランシスカンですが、最新のヴィンテージでは「ナパ・カウンティ&モントレー・カウンティ」となっており、ナパ以外のブドウもかなり使われています。それでも価格から見て良質のカベルネ・ソーヴィニヨンであることは変わりなく、3000円前後のカリフォルニアワインの代表的存在だったと言って過言ではありません。
ブランドがガロに移ってこれからどうなるのか(ちなみに、畑はガロに売却されていないので、ナパのブドウは今後使われなくなるだろうと私は見ています)。気になるところではありますが、まずはこの価格をありがたく受け止めておくのがいいでしょう。
なお、今後他のショップでも追随した価格になっていくことが予想されます。また機会を見て報告します。
スターレーン(Star Lane)はサンタ・バーバラのサンタ・イネズ・ヴァレーで一番太平洋から遠い場所になるハッピー・キャニオンにあるワイナリーです。ピノ・ノワールやシャルドネで人気の「ディアバーグ(Dierberg)」も同じワイナリー。ボルドー系の品種はスターレーン、ブルゴーニュ系の品種はディアバーグとなっています。
ディアバーグのカベルネ・ソーヴィニヨンは5000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはベストの一つ。カリフォルニアらしいしっかりとした果実味があり、芳醇で美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンです。もし、飲んだことない人がいたら、これは飲んでおくべきワインです。
で、これは大定番なのですが、そのスターレーンのメルローがワッシーズに限定入荷しています。ワッシーズの独占販売で、しかも送料無料とのこと。僕もメルローは飲んでことないのですが、メルローに向くと言われている粘土質ベースの砂質土壌で育てているので、ハズレはないだろうと思います。
同梱ワイン12本まで送料無料になるので、これに他のワインを組み合わせて注文するのが良さそうです。
カベルネはこちら。
フラッグシップのアストラルも美味しいです。
ディアバーグのカベルネ・ソーヴィニヨンは5000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはベストの一つ。カリフォルニアらしいしっかりとした果実味があり、芳醇で美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンです。もし、飲んだことない人がいたら、これは飲んでおくべきワインです。
で、これは大定番なのですが、そのスターレーンのメルローがワッシーズに限定入荷しています。ワッシーズの独占販売で、しかも送料無料とのこと。僕もメルローは飲んでことないのですが、メルローに向くと言われている粘土質ベースの砂質土壌で育てているので、ハズレはないだろうと思います。
同梱ワイン12本まで送料無料になるので、これに他のワインを組み合わせて注文するのが良さそうです。
カベルネはこちら。
フラッグシップのアストラルも美味しいです。
ソノマで10月23日に発生したキンケード・ファイヤーは11月1日時点での7万7758エーカー(3万1468ヘクタール)の延焼面積から変わらず、コンテイン率は80%に達し、概ね収束してきました。避難命令も解除になっています。壊れた建物は372に達しましたが、亡くなった方はおらず、けが人も4人にとどまっています。
ワイナリーではヒールズバーグのソーダ・ロック・ワイナリーがほぼ完全に焼失しましたが、唯一焼け残った納屋を使って、復活の第一歩となるテイスティングが開催されました(Soda Rock Winery in Healdsburg holds tastings despite all but one building burning down in Kincade Fire | abc7news.com)。ワイン自体は別の場所にある倉庫に保管されていたため、特に影響はなかったようです。
とはいえ、今年のワインはすべて焼失してしまったでしょうから、これから大変だと思いますが、ぜひ復活してほしいものです。
ワイナリーではヒールズバーグのソーダ・ロック・ワイナリーがほぼ完全に焼失しましたが、唯一焼け残った納屋を使って、復活の第一歩となるテイスティングが開催されました(Soda Rock Winery in Healdsburg holds tastings despite all but one building burning down in Kincade Fire | abc7news.com)。ワイン自体は別の場所にある倉庫に保管されていたため、特に影響はなかったようです。
とはいえ、今年のワインはすべて焼失してしまったでしょうから、これから大変だと思いますが、ぜひ復活してほしいものです。
ワイン・アドヴォケイトで20回を超える満点のワインを作っているトーマス・リヴァース・ブラウン。先日も「トーマス・ブラウンが作るソノマの『センシーズ』が国内入荷」で紹介しましたが、このひとの凄みは、ただ濃くてインパクトのあるワインを作るだけでなく、エレガントなワインも素晴らしいものを作ること。プライベートなブランドであるリヴァース・ブラウンのワインを飲むと、むしろそっちの方が得意なのではと思うほどです。
そのトーマス・リヴァース・ブラウンがコンサルタントを務めるワイナリーの一つがラウンド・ポンド。そこのキス・アンド・キン(Kith & Kyn)というカベルネ・ソーヴィニヨンが税込みでも4000円台という安さになっています。どうしてこんなに安いのかというと、購入したブドウを使っているから。とはいえナパ・ヴァレー産ではあるし、ワイン自体も高く評価されています。
今回売られている2013年はワイン・アドヴォケイトとワイン・アンド・スピリッツ誌で90点。2016年にはワイン・スペクテーターでナパの傑出したカベルネ8選の一つにも選ばれています。現地35ドルが税込み4000円台というのはそれだけでもかなり安いです。テイスティングのコメントを読むとバランスの高さが評価されているようです。
そのトーマス・リヴァース・ブラウンがコンサルタントを務めるワイナリーの一つがラウンド・ポンド。そこのキス・アンド・キン(Kith & Kyn)というカベルネ・ソーヴィニヨンが税込みでも4000円台という安さになっています。どうしてこんなに安いのかというと、購入したブドウを使っているから。とはいえナパ・ヴァレー産ではあるし、ワイン自体も高く評価されています。
今回売られている2013年はワイン・アドヴォケイトとワイン・アンド・スピリッツ誌で90点。2016年にはワイン・スペクテーターでナパの傑出したカベルネ8選の一つにも選ばれています。現地35ドルが税込み4000円台というのはそれだけでもかなり安いです。テイスティングのコメントを読むとバランスの高さが評価されているようです。
ワイン・エンスージアストは毎年複数のトップ100リストを公表しています。その一つが「セラー・セレクション」熟成させる価値があるワインのリストです。ただ、単に熟成する価値だけで言うと、どうしても高額なカベルネ・ソーヴィニヨン系などに偏ってしまうので、価格なども考慮して選ばれています。
10位から1位は以下のワイン。
10位 Ciacci Piccolomini d'Aragona 2013 Pianrosso (Brunello di Montalcino) TUSCANY 98 Points $80
9位 Yangarra 2016 Ovitelli Grenache (McLaren Vale) SOUTH AUSTRALIA 95 Points $50
8位 Freeman 2016 Gloria Estate Pinot Noir (Green Valley) SONOMA 96 Points $68
7位 Joh. Jos. Prüm 2017 Graacher Himmelreich Auslese Riesling (Mosel) GERMANY 95 Points $32
6位 Pieropan 2016 Calvarino (Soave Classico) VENETO 96 Points $40
5位 Stony Hill 2016 Chardonnay (Spring Mountain District) NAPA 96 Points $54
4位 Cayuse 2016 God Only Knows Armada Vineyard Red (Walla Walla Valley (OR)) OREGON OTHER 98 Points $100
3位 Castello di Neive 2016 Barbaresco PIEDMONT 96 Points $40
2位 Château Pontet-Canet 2016 Pauillac BORDEAUX 100 Points $159
1位 Sandeman 2017 Quinta do Seixo (Port) PORTUGAL 100 Points $70
カリフォルニアでは5位に昔から熟成系のシャルドネとして知られているストーニー・ヒルのシャルドンが入り、その次がフリーマンの「グロリア」ピノ・ノワール2016です。ロシアン・リバー・ヴァレーの自社畑で、スワンやカレラなどの「ヘリテージ」系クローンを使っています。
このワインを含めてフリーマンのワインの記事は「ソノマのエレガンス、フリーマンのワインを堪能」をご覧ください。
熟成したフリーマンのワインはまだ飲んだことないですが、飲んでみたいですね。
それで一つ思い出したのは、フリーマンのアキコさんと同じく、エド・カーツマン(オーガスト・ウエスト、サンドラーのワインメーカー)にワイン造りを教わった桃井さん(アーサー・セラーズ)がおっしゃっていた「僕らはエドから、熟成して美味しいワインの作り方しか教わってないんですよ」という言葉。図らずもそれが証明された形ですね。おめでとうございます。
最後にキンケード・ファイヤーの状況ですが、コンテイン率が60%とかなり上がり、延焼面積もほとんど変わっていません。また吹くと言われていた強風が幸いなことにそれほど吹かず、ようやく収束が見えてきた感じです。多くの地域で停電も解消し、避難命令も解除されました。
10位から1位は以下のワイン。
10位 Ciacci Piccolomini d'Aragona 2013 Pianrosso (Brunello di Montalcino) TUSCANY 98 Points $80
9位 Yangarra 2016 Ovitelli Grenache (McLaren Vale) SOUTH AUSTRALIA 95 Points $50
8位 Freeman 2016 Gloria Estate Pinot Noir (Green Valley) SONOMA 96 Points $68
7位 Joh. Jos. Prüm 2017 Graacher Himmelreich Auslese Riesling (Mosel) GERMANY 95 Points $32
6位 Pieropan 2016 Calvarino (Soave Classico) VENETO 96 Points $40
5位 Stony Hill 2016 Chardonnay (Spring Mountain District) NAPA 96 Points $54
4位 Cayuse 2016 God Only Knows Armada Vineyard Red (Walla Walla Valley (OR)) OREGON OTHER 98 Points $100
3位 Castello di Neive 2016 Barbaresco PIEDMONT 96 Points $40
2位 Château Pontet-Canet 2016 Pauillac BORDEAUX 100 Points $159
1位 Sandeman 2017 Quinta do Seixo (Port) PORTUGAL 100 Points $70
カリフォルニアでは5位に昔から熟成系のシャルドネとして知られているストーニー・ヒルのシャルドンが入り、その次がフリーマンの「グロリア」ピノ・ノワール2016です。ロシアン・リバー・ヴァレーの自社畑で、スワンやカレラなどの「ヘリテージ」系クローンを使っています。
このワインを含めてフリーマンのワインの記事は「ソノマのエレガンス、フリーマンのワインを堪能」をご覧ください。
熟成したフリーマンのワインはまだ飲んだことないですが、飲んでみたいですね。
それで一つ思い出したのは、フリーマンのアキコさんと同じく、エド・カーツマン(オーガスト・ウエスト、サンドラーのワインメーカー)にワイン造りを教わった桃井さん(アーサー・セラーズ)がおっしゃっていた「僕らはエドから、熟成して美味しいワインの作り方しか教わってないんですよ」という言葉。図らずもそれが証明された形ですね。おめでとうございます。
最後にキンケード・ファイヤーの状況ですが、コンテイン率が60%とかなり上がり、延焼面積もほとんど変わっていません。また吹くと言われていた強風が幸いなことにそれほど吹かず、ようやく収束が見えてきた感じです。多くの地域で停電も解消し、避難命令も解除されました。
「ワインセラー パリ16区」がソノマの「センシーズ(Senses)」のワインを輸入開始、独占販売しています。
センシーズはソノマ・コーストで育った3人の若者が始めたワイナリー。そのうちの一人マックス・ティエリオット(シエリオット)は、ソノマ・コーストの銘醸畑B.A.ティエリオットの創設者の息子。俳優として人気ドラマ「SEAL Team」などに出演しています。同じく創設者の一人のマイルス・ローレンス・ブリッグスも両親がヒルクレストという畑の創設者で、これらの畑やチャールズ・ハインツ、シルバー・イーグルといった有名な畑のブドウを使ってシャルドネとピノ・ノワールを作っています。
ワインメーカーはかのトーマス・リヴァース・ブラウン。トーマス・リヴァース・ブラウンの顧客はほとんどがナパであり、ソノマで作っているワインは自身のリヴァース・マリー、シュレーダー傘下のボアズ・ビューとアストン、それ以外ではこのセンシーズだけとなっています。
既にワイン・アドヴォケイトでは最高95点と高く評価されています。
米国ではほとんどメーリングリストで販売されていますが、このワインにほれこんだパリ16区のオーナーが交渉して日本への輸入にこぎつけたそうです。
なお、キンケイド・ファイヤーは30%コンテインと少し消火活動が実ってきています。ただ、昨日も報じたように、ほかの地域でも火事が次々と起こっています。ロスアンゼルスの「イージー・ファイヤー」でも避難命令がでています。
センシーズはソノマ・コーストで育った3人の若者が始めたワイナリー。そのうちの一人マックス・ティエリオット(シエリオット)は、ソノマ・コーストの銘醸畑B.A.ティエリオットの創設者の息子。俳優として人気ドラマ「SEAL Team」などに出演しています。同じく創設者の一人のマイルス・ローレンス・ブリッグスも両親がヒルクレストという畑の創設者で、これらの畑やチャールズ・ハインツ、シルバー・イーグルといった有名な畑のブドウを使ってシャルドネとピノ・ノワールを作っています。
ワインメーカーはかのトーマス・リヴァース・ブラウン。トーマス・リヴァース・ブラウンの顧客はほとんどがナパであり、ソノマで作っているワインは自身のリヴァース・マリー、シュレーダー傘下のボアズ・ビューとアストン、それ以外ではこのセンシーズだけとなっています。
既にワイン・アドヴォケイトでは最高95点と高く評価されています。
米国ではほとんどメーリングリストで販売されていますが、このワインにほれこんだパリ16区のオーナーが交渉して日本への輸入にこぎつけたそうです。
なお、キンケイド・ファイヤーは30%コンテインと少し消火活動が実ってきています。ただ、昨日も報じたように、ほかの地域でも火事が次々と起こっています。ロスアンゼルスの「イージー・ファイヤー」でも避難命令がでています。
ソノマの大火事キンケード・ファイヤーの猛威が続いています。2日前の記事では3万エーカーほどとなっていた延焼面積は7万5415エーカーと2倍以上に広がりました。当初広がった南西のドライクリーク方面は食い止められたものの、南に広がりアレキサンダー・ヴァレーからチョークヒルのあたりまでになりつつあります。
コンテイン率は15%と2日前の5%より改善しました。建物は124破壊されました。その中には全焼したソーダ・ロック・ワイナリー、それからフィールド・ロックというワイナリーも被害を受けたという報告があります。
今年の収穫はだいぶ終わっているという報告もありますが、アレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは収穫が遅い地域なので、まだブドウが畑に残っているところもあるようです。また多くの地域で停電しているため、タンクの温度管理などができなくなっているワイナリーも多数出ている可能性があります。ちなみにセバストポールにあるポール・ホブズのワイナリーも電気がなく、運任せの部分があるとのことです(来日中の本人から聞いた話です)。
また、太平洋に近いセバストポールなどの地域は避難命令から避難勧告へと変わりました。
キンケード・ファイヤーだけでなく、この数日間でカリフォルニアで起こった山火事は300件超にもなっています。ロスアンゼルスではゲッティ・センターの近くで起こったゲッティ・ファイアーで避難勧告も出ています。避難した人の中には前カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーやNBAスターのレブロン・ジェームズなども含まれています。
コンテイン率は15%と2日前の5%より改善しました。建物は124破壊されました。その中には全焼したソーダ・ロック・ワイナリー、それからフィールド・ロックというワイナリーも被害を受けたという報告があります。
今年の収穫はだいぶ終わっているという報告もありますが、アレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンは収穫が遅い地域なので、まだブドウが畑に残っているところもあるようです。また多くの地域で停電しているため、タンクの温度管理などができなくなっているワイナリーも多数出ている可能性があります。ちなみにセバストポールにあるポール・ホブズのワイナリーも電気がなく、運任せの部分があるとのことです(来日中の本人から聞いた話です)。
また、太平洋に近いセバストポールなどの地域は避難命令から避難勧告へと変わりました。
キンケード・ファイヤーだけでなく、この数日間でカリフォルニアで起こった山火事は300件超にもなっています。ロスアンゼルスではゲッティ・センターの近くで起こったゲッティ・ファイアーで避難勧告も出ています。避難した人の中には前カリフォルニア州知事のアーノルド・シュワルツェネッガーやNBAスターのレブロン・ジェームズなども含まれています。
予想されていた強風によってキンケード・ファイヤーの勢いが止まりません。アレキサンダー・ヴァレーのソーダ・ロック・ワイナリー(Soda Rock Winery)はワイナリーが全焼しました。1869年に設立され、今年150年を迎えた歴史あるワイナリーで、当時からの石造りの建物も焼け落ちています。
風速は最大秒速40メートルほどにもなっており、台風並みの強風が吹き荒れています。ヒールズバーグに住む布袋ワインズのオーナー、ビル・キャンベル氏も避難しており、氏によると消防士たちの奮闘によってHighway128で炎をなんとか食い止めているとのこと。頭が下がります。現在の予報では月曜日の午前まで強風は続く見込みです。
火事の面積は3万エーカーほどに広がっており、コンテイン率は10%と変わっていません。現在のところ11月7日までに完全にコンテイン(それ以上火災が外に広がらない状態にすること)したいとしています。
避難命令も10の地域に広がっており、18万人が対象と過去で最大になっています。10の地域を以下に挙げます。
1: Geyserville;
2: Knights Valley;
3: Healdsburg and Windsor;
4: Dry Creek Valley;
5: Mark West, Larkfield, Wikiup;
6: NE Santa Rosa including Fountaingrove, Oakmont, Rincon Valley;
7: Forestville, Guerneville, Duncans Mills, Jenner, Bodega Bay, Occidenta;
8: Sebastopol and Valley Ford;
9: Coffey Park and Santa Rosa north of Guerneville Rd-Steele Lane and
10: West of Stony Point Road between Guerneville Rd. and Ludwig Ave.
追記:カリフォルニアのニューサム州知事は非常事態宣言を発令しました。
風速は最大秒速40メートルほどにもなっており、台風並みの強風が吹き荒れています。ヒールズバーグに住む布袋ワインズのオーナー、ビル・キャンベル氏も避難しており、氏によると消防士たちの奮闘によってHighway128で炎をなんとか食い止めているとのこと。頭が下がります。現在の予報では月曜日の午前まで強風は続く見込みです。
火事の面積は3万エーカーほどに広がっており、コンテイン率は10%と変わっていません。現在のところ11月7日までに完全にコンテイン(それ以上火災が外に広がらない状態にすること)したいとしています。
避難命令も10の地域に広がっており、18万人が対象と過去で最大になっています。10の地域を以下に挙げます。
1: Geyserville;
2: Knights Valley;
3: Healdsburg and Windsor;
4: Dry Creek Valley;
5: Mark West, Larkfield, Wikiup;
6: NE Santa Rosa including Fountaingrove, Oakmont, Rincon Valley;
7: Forestville, Guerneville, Duncans Mills, Jenner, Bodega Bay, Occidenta;
8: Sebastopol and Valley Ford;
9: Coffey Park and Santa Rosa north of Guerneville Rd-Steele Lane and
10: West of Stony Point Road between Guerneville Rd. and Ludwig Ave.
追記:カリフォルニアのニューサム州知事は非常事態宣言を発令しました。
ソノマで発生した山火事「キンケイド・ファイアー」(Kincade Fire)の勢いが衰えません(Kincade fire now at 25,000 acres, 10% containment as officials stage backup plan for evacuees)。2日前には1万エーカーだった焼失面積は2万5455エーカー(約103平方キロメートル)にまで広がりました。コンテイン率は10%とまだまだ少なく、コントロールできている状態ではありません。ちなみに2年前のナパ・ソノマなどの大火は3つの山火事が同時並行で起こったものですが、中でもソノマで被害の大きかったタブズ・ファイアーによる焼失面積は36807エーカーであり、かなり近づいています。ただ、このときは全部で250ほどの山火事がカリフォルニアで起こっており、全部合わせると24万エーカーを超えています。
上記の数字は現地時間で土曜日の朝7:30時点で発表されたもの(10時の発表でも同じ数字)ですが、この後土曜日の夜にかけて西向きの風が強まるという予報が出ており、さらに広がることが懸念されています。この半日前のレポートでは燃えた建物が21、危険にさらされているのが約700とされていました。ガイザーヴィルに加え、新たにヒールズバーグとウインザーの5万人に避難命令が出ています。サンタローザ・フェアグラウンドでは家畜に避難勧告が出ました。
南西端はアレキサンダー・ヴァレーに入っており、リッジのガイザーヴィルの畑もかなり近いところにあります。ただ、この1日で見ると北東方向に広がっており、畑の多い南西方向は今の所止まった状態です。ガイザーヴィルからも近いリッジのリットン・スプリングスのワイナリーは金曜日は閉じていましたが、土曜日はオープンするとのことです(これについてはヒールズバーグに避難命令が出たのでクローズにしますとのこと)。
上記の数字は現地時間で土曜日の朝7:30時点で発表されたもの(10時の発表でも同じ数字)ですが、この後土曜日の夜にかけて西向きの風が強まるという予報が出ており、さらに広がることが懸念されています。この半日前のレポートでは燃えた建物が21、危険にさらされているのが約700とされていました。ガイザーヴィルに加え、新たにヒールズバーグとウインザーの5万人に避難命令が出ています。サンタローザ・フェアグラウンドでは家畜に避難勧告が出ました。
南西端はアレキサンダー・ヴァレーに入っており、リッジのガイザーヴィルの畑もかなり近いところにあります。ただ、この1日で見ると北東方向に広がっており、畑の多い南西方向は今の所止まった状態です。ガイザーヴィルからも近いリッジのリットン・スプリングスのワイナリーは金曜日は閉じていましたが、土曜日はオープンするとのことです(これについてはヒールズバーグに避難命令が出たのでクローズにしますとのこと)。
サンタ・クルーズ・マウンテンズの生産者団体サンタ・クルーズ・マウンテンズ・ワイングロワーズ・アソシエーション(SCMWA)がマウンテン・コレクションという地域を代表するワインのセットを販売しています(Mountain Collection - Santa Cruz Mountains Winegrowers Association)。
このセットはマスター・ソムリエのデイビッド・グランシーが選定したものでシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンそれぞれ3本からなります。2019年のマウンテン・コレクションは11月15日まで999ドルで販売されています。
ワインリストは
2012 Mount Eden Vineyards Estate Chardonnay
2015 Big Basin Vineyards Bald Mountain Vineyard Chardonnay
2017 Rhys Vineyards Horseshoe Vineyard Chardonnay
2014 Partage Saveria Vineyard Pinot Noir
2014 Thomas Fogarty Winery Will’s Cabin Pinot Noir
2014 Clos de la Tech Sunny Slope Pinot Noir
2012 Kathryn Kennedy Estate Cabernet Sauvignon
2015 Ridge Vineyards Monte Bello Cabernet Sauvignon
2016 Eden Estate Wines Reserve Cabernet Sauvignon
サンタ・クルーズ・マウンテンズは48万エーカーと地域はかなり広いですが、ナパやソノマのように畑が広がっているのではなく、山地の中に畑がポツポツと点在している感じです。畑はわずか1300エーカーあまりしかありません。例えばナパのステージコーチ・ヴィンヤードはそれだけで1300エーカー(うちブドウが植えられているのは600エーカー)ありますから、いかにサンタ・クルーズ・マウンテンズが小さい生産者から成り立っているかわかると思います。
ただ、ここは太平洋に面していて冷たい空気が直接当たるのと、標高の高さによる日照の良さなどがあり、冷涼系のシャルドネやピノ・ノワールに関してはソノマ・コーストなどにも負けないポテンシャルがある地域だと思います。また、冷たい空気から遠い山頂付近で作られるカベルネ・ソーヴィニヨンでも、リッジのモンテベッロなど世界に名だたるワインができています。個人的にも注目している産地の一つであり、このコレクションも興味深いものになっています。
シャルドネでは日本にも輸入されているマウント・エデン(Mount Eden)とリース(Rhys)のホースシュー(Horseshoe)が選ばれています。もう1つのビッグ・ベイスン(Big Basin)も以前は輸入されていましたが最近は見かけませんね…
ピノ・ノワールで選ばれているトーマス・フォガティ(Thomas Fogarty)も輸入されていますが、ピノ・ノワールは見たことないような。残りのクロ・ドゥ・ラ・テック(Clos de la Tech)とパータージュ(Partage)は初めて見ました。パータージュのサヴェリア(Saveria)はヴィナスで92点ついているようです。58ドルと比較的価格も抑えめで気になるワインです。
カベルネ・ソーヴィニヨンではリッジのモンテベッロにキャスリン・ケネディはこの地域の老舗。この2本だけで500ドル近くになるので、実はこの9本セット、かなりお得な価格になっています。もう一つのエデン・エステート(Eden Estate)はマウント・エデンの近くにある畑のようです。このワインも気になります。
このセットはマスター・ソムリエのデイビッド・グランシーが選定したものでシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンそれぞれ3本からなります。2019年のマウンテン・コレクションは11月15日まで999ドルで販売されています。
ワインリストは
2012 Mount Eden Vineyards Estate Chardonnay
2015 Big Basin Vineyards Bald Mountain Vineyard Chardonnay
2017 Rhys Vineyards Horseshoe Vineyard Chardonnay
2014 Partage Saveria Vineyard Pinot Noir
2014 Thomas Fogarty Winery Will’s Cabin Pinot Noir
2014 Clos de la Tech Sunny Slope Pinot Noir
2012 Kathryn Kennedy Estate Cabernet Sauvignon
2015 Ridge Vineyards Monte Bello Cabernet Sauvignon
2016 Eden Estate Wines Reserve Cabernet Sauvignon
サンタ・クルーズ・マウンテンズは48万エーカーと地域はかなり広いですが、ナパやソノマのように畑が広がっているのではなく、山地の中に畑がポツポツと点在している感じです。畑はわずか1300エーカーあまりしかありません。例えばナパのステージコーチ・ヴィンヤードはそれだけで1300エーカー(うちブドウが植えられているのは600エーカー)ありますから、いかにサンタ・クルーズ・マウンテンズが小さい生産者から成り立っているかわかると思います。
ただ、ここは太平洋に面していて冷たい空気が直接当たるのと、標高の高さによる日照の良さなどがあり、冷涼系のシャルドネやピノ・ノワールに関してはソノマ・コーストなどにも負けないポテンシャルがある地域だと思います。また、冷たい空気から遠い山頂付近で作られるカベルネ・ソーヴィニヨンでも、リッジのモンテベッロなど世界に名だたるワインができています。個人的にも注目している産地の一つであり、このコレクションも興味深いものになっています。
シャルドネでは日本にも輸入されているマウント・エデン(Mount Eden)とリース(Rhys)のホースシュー(Horseshoe)が選ばれています。もう1つのビッグ・ベイスン(Big Basin)も以前は輸入されていましたが最近は見かけませんね…
ピノ・ノワールで選ばれているトーマス・フォガティ(Thomas Fogarty)も輸入されていますが、ピノ・ノワールは見たことないような。残りのクロ・ドゥ・ラ・テック(Clos de la Tech)とパータージュ(Partage)は初めて見ました。パータージュのサヴェリア(Saveria)はヴィナスで92点ついているようです。58ドルと比較的価格も抑えめで気になるワインです。
カベルネ・ソーヴィニヨンではリッジのモンテベッロにキャスリン・ケネディはこの地域の老舗。この2本だけで500ドル近くになるので、実はこの9本セット、かなりお得な価格になっています。もう一つのエデン・エステート(Eden Estate)はマウント・エデンの近くにある畑のようです。このワインも気になります。
ソノマの北部で大規模な山火事が発生し、約1万エーカーが既に燃えたと推察されています(Kincade Fire: Sonoma County blaze explodes to 10,000 acres, forces evacuations | abc7news.com)。
キンケイド(Kincade)ファイアーと呼ぶこの火事は、ソノマのガイザーヴィル(Geyserville)付近で起こっており、西に進んでいます。幸い一時に比べて風は収まってきているようですが、ガイザーヴィルでは避難勧告が出ています。AVAで言うとアレキサンダー・ヴァレーからドライ・クリーク・ヴァレーにかけて影響が出ている可能性があります。
折しもPG&Eは大規模山火事の恐れありとして計画停電を実施しており、この地域も停電中でした。火元などについては明らかになっていません。
キンケイド(Kincade)ファイアーと呼ぶこの火事は、ソノマのガイザーヴィル(Geyserville)付近で起こっており、西に進んでいます。幸い一時に比べて風は収まってきているようですが、ガイザーヴィルでは避難勧告が出ています。AVAで言うとアレキサンダー・ヴァレーからドライ・クリーク・ヴァレーにかけて影響が出ている可能性があります。
折しもPG&Eは大規模山火事の恐れありとして計画停電を実施しており、この地域も停電中でした。火元などについては明らかになっていません。
ヘレン・ターリーやハイジ・バレットなど著名なワインメーカーに女性は珍しくないし、日本人でもフリーマンのアキコさんや、シックス・クローヴズの平林園枝さんなど、カリフォルニアのワイン業界は女性に開かれているような気がします。
しかし、実際にはカリフォルニアにおいて女性ワインメーカーは10パーセント、女性のワイナリーオーナーは4パーセントに過ぎないのだそうです。米国の他の産業と比べて男女差が大きなこの状態を変えたいと、エイミー・ベス・クックという人がウーマン・オウンド・ワイナリーズ(WOW)という団体を2年前に立ち上げました(Women-owned wineries on the rise in Wine Country - SFChronicle.com)。
活動は大きく分けて2つ。女性ワインメーカーや女性オーナーのディレクトリーを作ることと、それらのワイナリーのワインの頒布会です。
今年の2月にはイベントを開催し、女性オーナーなどとのディナーとディスカッションを行いました。
2020年には正式な業界団体の立ち上げも目指すとのこと。地道な活動が続きます。
しかし、実際にはカリフォルニアにおいて女性ワインメーカーは10パーセント、女性のワイナリーオーナーは4パーセントに過ぎないのだそうです。米国の他の産業と比べて男女差が大きなこの状態を変えたいと、エイミー・ベス・クックという人がウーマン・オウンド・ワイナリーズ(WOW)という団体を2年前に立ち上げました(Women-owned wineries on the rise in Wine Country - SFChronicle.com)。
活動は大きく分けて2つ。女性ワインメーカーや女性オーナーのディレクトリーを作ることと、それらのワイナリーのワインの頒布会です。
今年の2月にはイベントを開催し、女性オーナーなどとのディナーとディスカッションを行いました。
2020年には正式な業界団体の立ち上げも目指すとのこと。地道な活動が続きます。
PG&Eが再び計画停電を予定しています(PG&E Says 209,000 Customers in 16 Counties May Have Power Turned off ...)。
今回は水曜日(23日)午後開始で16郡の20万世帯が対象となりそうです。ナパやソノマ、レイク、シエラ・フットヒルズといったワイン産地も対象に入っています。
停電は数日間続く可能性があります。ワイナリー自体にとっても大変ですが、観光で行く場合もお目当てのワイナリーが開いていない可能性もあるので、よく情報を収集する必要があります。
計画停電の効果はわかりませんが、とりあえず今年は今の所大規模な山火事は発生していなさそうです。
今回は水曜日(23日)午後開始で16郡の20万世帯が対象となりそうです。ナパやソノマ、レイク、シエラ・フットヒルズといったワイン産地も対象に入っています。
停電は数日間続く可能性があります。ワイナリー自体にとっても大変ですが、観光で行く場合もお目当てのワイナリーが開いていない可能性もあるので、よく情報を収集する必要があります。
計画停電の効果はわかりませんが、とりあえず今年は今の所大規模な山火事は発生していなさそうです。
ナパのワイナリーとしては異例なほどのコストパフォーマンスの高さを誇るのがカモミ(Ca'Momi)。そこのエントリーレベルの赤ブレンド、白ブレンドがワイナリー価格より安くなっています。
赤ブレンドのロッソ・ディ・カモミはカベルネ・ソーヴィニヨンにジンファンデル、メルロー、プティシラーのブレンド。白のビアンコ・ディ・カモミはシャルドネにソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ピノ・グリジオのブレンド。どちらもアルコール度数は13.5%と比較的抑えめです。バランス良く飲みやすいワイン。なお、エントリーレベルのこれら2本はナパ以外のブドウを使っています。
どちらもワイナリー価格は14.99ドルが、今回は1300円台とかなりのお買い得。デイリー用にお薦めです。
しあわせワイン倶楽部
柳屋です。
赤ブレンドのロッソ・ディ・カモミはカベルネ・ソーヴィニヨンにジンファンデル、メルロー、プティシラーのブレンド。白のビアンコ・ディ・カモミはシャルドネにソーヴィニヨン・ブラン、セミヨン、ピノ・グリジオのブレンド。どちらもアルコール度数は13.5%と比較的抑えめです。バランス良く飲みやすいワイン。なお、エントリーレベルのこれら2本はナパ以外のブドウを使っています。
どちらもワイナリー価格は14.99ドルが、今回は1300円台とかなりのお買い得。デイリー用にお薦めです。
しあわせワイン倶楽部
柳屋です。
エノテカでハロウィーン時期などに開催する人気企画、宝探し「トレジャーハンティング」をやっています。3000円(税別)でワインを購入すると、特賞から6等までの23種のワインのどれかが送られてくるというもので、6等でも3500円以上のワインなので損はないはず。
今回は特賞がオーパス・ワンで2本。2等の一つにはオクシデンタル(スティーブ・キスラーのワイナリー)のSWKヴィンヤード ピノ・ノワールがあります。
オーパス・ワンももちろんいいけど、オクシデンタルのSWKも素晴らしい。いや、捕らぬ狸の皮算用ですが…。
25日までの限定発売ですが、予定数に達すると終了なのでお早めに。
なお、送料無料にするには税込みで1万円以上が必要で、これ3つだと9900円でちょっとだけ届かないのがちょっと残念なところ。
今回は特賞がオーパス・ワンで2本。2等の一つにはオクシデンタル(スティーブ・キスラーのワイナリー)のSWKヴィンヤード ピノ・ノワールがあります。
オーパス・ワンももちろんいいけど、オクシデンタルのSWKも素晴らしい。いや、捕らぬ狸の皮算用ですが…。
25日までの限定発売ですが、予定数に達すると終了なのでお早めに。
なお、送料無料にするには税込みで1万円以上が必要で、これ3つだと9900円でちょっとだけ届かないのがちょっと残念なところ。
「ワイン・ピナクル・アワード」という、マスター・オブ・ワインやマスター・ソムリエなどの有識者の投票のみで決める賞が今年初めて開催され、10月10日にシンガポールで授賞式が行われました。有識者の投票で選ぶという点では映画のアカデミー賞と同様であり、こういったスタイルの賞が今後受け入れられるのかも気になるところです。
最も優れたワイナリーに贈られるグランド・ジュリー賞はドメーヌ・コシュ・デュリが受賞しました。
その他の受賞者は以下の通り。
Grand Jury Award: Domaine Coche-Dury
Best 1996 Vintage Bordeaux: 1996 Château Latour, Pauillac, France
Best 1999 Vintage Barolo: 1999 Giacomo Conterno, Monfortino, Barolo Riserva DOCG, Italy
Best 2002 Vintage Champagne: 2002 Salon, Cuvée 'S' Le Mesnil Blanc de Blancs, Champagne, France
Best 2005 Vintage Burgundy Red: 2005 Domaine de la Romanée-Conti, Romanee-Conti Grand Cru, Côte de Nuits, France
Best 2005 Vintage Rioja/Ribera Del Duero: 2005 Vega Sicilia, Unico Gran Reserva, Ribera del Duero, Spain
Best 2007 Vintage Tuscan Red: 2007 Tenuta San Guido, Sassicaia Bolgheri, Tuscany, Italy
Best 2008 Vintage Australian Shiraz/Syrah: 2008 Henschke, Hill of Grace Shiraz, Eden Valley, Australia
Best 2008 Vintage Burgundy White: 2008 Domaine Coche-Dury, Corton-Charlemagne Grand Cru, Côte de Beaune, France
Best 2009 Vintage Cabernet Based California Wine: 2009 Screaming Eagle, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, USA
Best Recent Release: New World Pinot Noir: Ata Rangi, Pinot Noir, Martinborough, New Zealand
Best Recent Release: Non-Burgundy Chardonnay: Kumeu River, Mate's Vineyard Chardonnay, Auckland, New Zealand
Best Recent Release: Non-Champagne Sparkling Wine: Gusbourne Brut Reserve, Kent, England
Best Recent Release: Sauvignon Blanc: Didier Dagenneau, Pouilly Fume Silex, Loire Valley, France
Best Recent Release: South American Red: Almaviva, Puente Alto, Chile
Hidden Treasure: Australia: Tyrrell's Wines, Vat 1 Semillon, Hunter Valley, Australia
Hidden Treasure: Bordeaux: Château Roc de Combe, Bordeaux, France
Hidden Treasure: Burgundy: Mark Haisma, Bonnes-Mares Grand Cru
Hidden Treasure: Piedmont: G.D. Vajra, Petracine Langhe Riesling, Piedmont, Italy
Best Chinese Red: Ao Yun, Yunnan, China
Best Organic/Natural Wine Of The Year: Domaine Marcel Lapierre, Cuvée Marcel Lapierre, Beaujolais, France
Best Rosé In The World: Lopez de Heredia Vina Tondonia, Gran Reserva Rosado, Rioja DOCa, Spain
Black Swan Of The Year (Most Thought Provoking Wine): Gravner, Anfora Pinot Grigio Venezia Giulia IGT, Friuli-Venezia Giulia, Italy
Best Friend Of The Earth (Most Environmentally-Conscious): Miguel Torres, Familia Torres, Spain
Best Young Winemaker Of The Year (Under 40): Morgan Twain-Peterson MW (Mr.), Bedrock Wine Co., USA
Top Wine Influencer (Under 45): Pascaline Lepeltier MS (Ms.), Racines NY, USA
Unsung Hero: István Szepsy (Mr.), Szepsy, Hungary
カリフォルニアワインに関連するのはあまりありませんが、2009年のカベルネ・ベースのベスト・カリフォルニアワインはスクリーミング・イーグル、シェーファー ヒルサイド・セレクト、ダイヤモンド・クリーク ヴォルカニック・ヒル、 スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ CASK23、シャトー・モンテリーナがノミネートされ、スクリーミング・イーグルが受賞しました。
また、40歳以下のベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにはベッドロックのモーガン・トウェイン・ピーターソンが選ばれています。
ユニークな賞としては「ブラック・スワン」という賞があり、最も挑発的なワイナリーが選ばれました。残念ながら受賞にはいたりませんでしたが、アルノー・ロバーツがノミネートされています。
最も優れたワイナリーに贈られるグランド・ジュリー賞はドメーヌ・コシュ・デュリが受賞しました。
その他の受賞者は以下の通り。
Grand Jury Award: Domaine Coche-Dury
Best 1996 Vintage Bordeaux: 1996 Château Latour, Pauillac, France
Best 1999 Vintage Barolo: 1999 Giacomo Conterno, Monfortino, Barolo Riserva DOCG, Italy
Best 2002 Vintage Champagne: 2002 Salon, Cuvée 'S' Le Mesnil Blanc de Blancs, Champagne, France
Best 2005 Vintage Burgundy Red: 2005 Domaine de la Romanée-Conti, Romanee-Conti Grand Cru, Côte de Nuits, France
Best 2005 Vintage Rioja/Ribera Del Duero: 2005 Vega Sicilia, Unico Gran Reserva, Ribera del Duero, Spain
Best 2007 Vintage Tuscan Red: 2007 Tenuta San Guido, Sassicaia Bolgheri, Tuscany, Italy
Best 2008 Vintage Australian Shiraz/Syrah: 2008 Henschke, Hill of Grace Shiraz, Eden Valley, Australia
Best 2008 Vintage Burgundy White: 2008 Domaine Coche-Dury, Corton-Charlemagne Grand Cru, Côte de Beaune, France
Best 2009 Vintage Cabernet Based California Wine: 2009 Screaming Eagle, Cabernet Sauvignon, Napa Valley, USA
Best Recent Release: New World Pinot Noir: Ata Rangi, Pinot Noir, Martinborough, New Zealand
Best Recent Release: Non-Burgundy Chardonnay: Kumeu River, Mate's Vineyard Chardonnay, Auckland, New Zealand
Best Recent Release: Non-Champagne Sparkling Wine: Gusbourne Brut Reserve, Kent, England
Best Recent Release: Sauvignon Blanc: Didier Dagenneau, Pouilly Fume Silex, Loire Valley, France
Best Recent Release: South American Red: Almaviva, Puente Alto, Chile
Hidden Treasure: Australia: Tyrrell's Wines, Vat 1 Semillon, Hunter Valley, Australia
Hidden Treasure: Bordeaux: Château Roc de Combe, Bordeaux, France
Hidden Treasure: Burgundy: Mark Haisma, Bonnes-Mares Grand Cru
Hidden Treasure: Piedmont: G.D. Vajra, Petracine Langhe Riesling, Piedmont, Italy
Best Chinese Red: Ao Yun, Yunnan, China
Best Organic/Natural Wine Of The Year: Domaine Marcel Lapierre, Cuvée Marcel Lapierre, Beaujolais, France
Best Rosé In The World: Lopez de Heredia Vina Tondonia, Gran Reserva Rosado, Rioja DOCa, Spain
Black Swan Of The Year (Most Thought Provoking Wine): Gravner, Anfora Pinot Grigio Venezia Giulia IGT, Friuli-Venezia Giulia, Italy
Best Friend Of The Earth (Most Environmentally-Conscious): Miguel Torres, Familia Torres, Spain
Best Young Winemaker Of The Year (Under 40): Morgan Twain-Peterson MW (Mr.), Bedrock Wine Co., USA
Top Wine Influencer (Under 45): Pascaline Lepeltier MS (Ms.), Racines NY, USA
Unsung Hero: István Szepsy (Mr.), Szepsy, Hungary
カリフォルニアワインに関連するのはあまりありませんが、2009年のカベルネ・ベースのベスト・カリフォルニアワインはスクリーミング・イーグル、シェーファー ヒルサイド・セレクト、ダイヤモンド・クリーク ヴォルカニック・ヒル、 スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ CASK23、シャトー・モンテリーナがノミネートされ、スクリーミング・イーグルが受賞しました。
また、40歳以下のベスト・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにはベッドロックのモーガン・トウェイン・ピーターソンが選ばれています。
ユニークな賞としては「ブラック・スワン」という賞があり、最も挑発的なワイナリーが選ばれました。残念ながら受賞にはいたりませんでしたが、アルノー・ロバーツがノミネートされています。
UCデーヴィスを卒業し、リトライなどで修行した平林園枝さんのブランド「シックス・クローヴズ」の2ヴィンテージ目が入荷してきています。
最初のヴィンテージはソノマの中井章恵(あきよし)さんの畑のシャルドネでした。これもエレガントでよかったのですが、カリフォルニアのシャルドネとしては驚くほどの酸の強さがあったので、万人向けというより、酸っぱいシャルドネ好きな人向けといった感がありました。
ナパでスター生産者スティーブ・マサイアソンのリンダ・ヴィスタのシャルドネとなった2ヴィンテージ目はバランスもよくミネラル感もあり、エレガント系のシャルドネとして相当のレベルになりました。「濃くて甘い」シャルドネではありませんが、とても美味しいです。
ソノマのペタルマ・ギャップのカラ・ヴィンヤードのブドウを使ったピノ・ノワールもラインアップに追加。こちらもバランスのよい味わいです。
新しくなったラベルも素敵で女性に喜ばれそう。
最初のヴィンテージはソノマの中井章恵(あきよし)さんの畑のシャルドネでした。これもエレガントでよかったのですが、カリフォルニアのシャルドネとしては驚くほどの酸の強さがあったので、万人向けというより、酸っぱいシャルドネ好きな人向けといった感がありました。
ナパでスター生産者スティーブ・マサイアソンのリンダ・ヴィスタのシャルドネとなった2ヴィンテージ目はバランスもよくミネラル感もあり、エレガント系のシャルドネとして相当のレベルになりました。「濃くて甘い」シャルドネではありませんが、とても美味しいです。
ソノマのペタルマ・ギャップのカラ・ヴィンヤードのブドウを使ったピノ・ノワールもラインアップに追加。こちらもバランスのよい味わいです。
新しくなったラベルも素敵で女性に喜ばれそう。
ナパの栽培者団体ナパ・ヴァレー・グレープグロワーズは今週、今年のワイン用ブドウの収穫が75パーセント終了したと発表しました(Napa Countys wine grape harvest is about 75 percent completed)。
今年は6月が2006年以来、8月が2003年以来という高温に見舞われましたが、秋に入ってからは順調でほとんど問題のない収穫となっています。
100パーセント自社畑のブドウを使っているトレフェセンでは既に90パーセント収穫を終了。先週はこのブログでも報じたPG&Eの大規模計画停電がありましたが、発電機を準備して乗り切ったとのことです。
クリフ・レイディは今週、すべての収穫を終了。気候がマイルドだったので、最後数日間収穫を遅らせて、味わいがさらに良くなったと今年の出来に自信を示します。
ランチョ・キミレスという栽培家は現在約半分を収穫。カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫真っ最中とのことです。
停電を除いては大きな問題の起こっていない今年の収穫、2018年に続いていい年になりそうです。
今年は6月が2006年以来、8月が2003年以来という高温に見舞われましたが、秋に入ってからは順調でほとんど問題のない収穫となっています。
100パーセント自社畑のブドウを使っているトレフェセンでは既に90パーセント収穫を終了。先週はこのブログでも報じたPG&Eの大規模計画停電がありましたが、発電機を準備して乗り切ったとのことです。
クリフ・レイディは今週、すべての収穫を終了。気候がマイルドだったので、最後数日間収穫を遅らせて、味わいがさらに良くなったと今年の出来に自信を示します。
ランチョ・キミレスという栽培家は現在約半分を収穫。カベルネ・ソーヴィニヨンの収穫真っ最中とのことです。
停電を除いては大きな問題の起こっていない今年の収穫、2018年に続いていい年になりそうです。
人気ワイン漫画『神の雫』全44巻がデジタル漫画としてフル英語化されると発表されました(Beloved 'Drops of God' Wine Manga Gets Full English Translation)。
まず過去に英語化された8巻分と新たに訳した3巻分が配信開始しました。
欧米でも「グラフィック・ノベル」(ストーリー漫画の意味でしょうか)の人気は上がっており、グルメ系の出版も好調なことからこのタイミングでの英語化になったようです。
また、これとは別に「神の雫ワインサロン」が発表されています。これは会員を対象としたワインの頒布会のようなもので、作者の樹林姉弟が選んだバランスが取れて食事に合うワインを提供するとともにワインゲームというアプリを使ってブラインドテイスティングで能力を高められるようです。今月、ナパとビバリーヒルズで発表会を開きます。
ワイナリーのパートナーとしてはマサイアソン、マシカン、カンパイ、ノリア、マリエッタ、スクライブが発表されています。
まず過去に英語化された8巻分と新たに訳した3巻分が配信開始しました。
欧米でも「グラフィック・ノベル」(ストーリー漫画の意味でしょうか)の人気は上がっており、グルメ系の出版も好調なことからこのタイミングでの英語化になったようです。
また、これとは別に「神の雫ワインサロン」が発表されています。これは会員を対象としたワインの頒布会のようなもので、作者の樹林姉弟が選んだバランスが取れて食事に合うワインを提供するとともにワインゲームというアプリを使ってブラインドテイスティングで能力を高められるようです。今月、ナパとビバリーヒルズで発表会を開きます。
ワイナリーのパートナーとしてはマサイアソン、マシカン、カンパイ、ノリア、マリエッタ、スクライブが発表されています。
ナパの実力派ワイナリー「ホワイトホール・レーン」。カベルネ・ソーヴィニヨンやそのブレンドでナパのワインとしてはコストパフォーマンスの高いワインを数多く作っています。そのホワイトホール・レーンが一度だけのワインとして4割引の破格な価格で出しているのが「フレンズ・アンド・ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン 2017」。
1997年の10月にナパやソノマ、メンドシーノなどを襲った大きな山火事。大半のワインに影響はなかったのですが、ホワイトホール・レーンでは一部のカベルネ・ソーヴィニヨンで煙の風味が付いてしまいました。
それを取り除く措置を取って作られたのがこのワイン。名前を「フレンズ・アンド・ファミリー」とし、ラベルも家族や友人たちとワインを飲み交わす絵になっています。
私も試飲しましたが、煙くさいかというとそんなことはまったくなく、ミディアム・ボディでとても飲みやすいカベルネ・ソーヴィニヨンです。
ただ、飲み残して2日め、3日めとなると煙の風味を感じやすくなるようなことはあるそうです。家族や友人と一緒に飲んで1日で空けてしまったほうがいいかもしれません。
ワイン・エンスージアスト誌が2019年のパーソン・オブ・ザ・イヤーを発表しました(Wine Enthusiast's 2019 Wine Star Award Winners | Wine Enthusiast Magazine)。選ばれたのはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのプレジデント兼CEOのリンダ・ライフ(Linda Reiff)。1995年から長らく任に着いています。
リンダ・ライフの3本柱は農業保護区としてのステータスを維持すること、ナパ・ヴァレーのブランドを守ること、住民のコミュニティーを強化するために資金集めをすること。近年ではナパ・ヴァレー・グリーンと呼ぶサステナビリティのプログラムを作り、2020年までに100%サスティナブルになることを目指すなどの功績があります。
リンダ・ライフの3本柱は農業保護区としてのステータスを維持すること、ナパ・ヴァレーのブランドを守ること、住民のコミュニティーを強化するために資金集めをすること。近年ではナパ・ヴァレー・グリーンと呼ぶサステナビリティのプログラムを作り、2020年までに100%サスティナブルになることを目指すなどの功績があります。
タイトルはできるだけ短くを心がけているのですが、何だか長くなってしまいました。それだけ書きたい要素が多いということですが、カリフォルニアワインあとりえで、限定オファーがあります。
マイグレーションはダックホーン傘下のワイナリーの中で冷涼地のピノ・ノワールとシャルドネを担当しています。似たようなコンセプトのワイナリーとしてゴールデンアイもありますが、ゴールデンアイはメンドシーノのアンダーソン・ヴァレー専任。それに対してマイグレーションではロシアン・リバー・ヴァレーやソノマ・コースト、サンタ・バーバラといったカリフォルニアの様々な冷涼地の畑のブドウを使っています。
通常はAVAものだけが輸入されていますが、今回はカリフォルニアワインあとりえ限定で、自社畑の単一畑ものが入荷しています。しかもピノ・ノワール、
シャルドネともにワイナリー価格より安いという大サービスです。
畑はランニングクリーク。あとりえによると周囲にはキスラーのトレントンロードやバインヒル、ロシアン・リバー・ヴァレーを代表する畑の一つリッチーなどがある1等地です。
ワイナリー価格はピノ・ノワールが83ドル、シャルドネが56ドルに対し、今回はどちらも税抜き5300円の安さ。ワイン・アドヴォケイトの評価はピノ・ノワールが91+、シャルドネが92と上々です。
入荷数限りなのでお早めに。
マイグレーションはダックホーン傘下のワイナリーの中で冷涼地のピノ・ノワールとシャルドネを担当しています。似たようなコンセプトのワイナリーとしてゴールデンアイもありますが、ゴールデンアイはメンドシーノのアンダーソン・ヴァレー専任。それに対してマイグレーションではロシアン・リバー・ヴァレーやソノマ・コースト、サンタ・バーバラといったカリフォルニアの様々な冷涼地の畑のブドウを使っています。
通常はAVAものだけが輸入されていますが、今回はカリフォルニアワインあとりえ限定で、自社畑の単一畑ものが入荷しています。しかもピノ・ノワール、
シャルドネともにワイナリー価格より安いという大サービスです。
畑はランニングクリーク。あとりえによると周囲にはキスラーのトレントンロードやバインヒル、ロシアン・リバー・ヴァレーを代表する畑の一つリッチーなどがある1等地です。
ワイナリー価格はピノ・ノワールが83ドル、シャルドネが56ドルに対し、今回はどちらも税抜き5300円の安さ。ワイン・アドヴォケイトの評価はピノ・ノワールが91+、シャルドネが92と上々です。
入荷数限りなのでお早めに。
米国のワイン市場で今一番注目されているのは「缶入りワイン」だと言っても過言ではありません。2018年から2019年にかけても年間34%という急成長を遂げています。このブログでも何度となく取り上げているので、最近の記事から2本挙げておきましょう。
急成長遂げた缶入りワイン(2019/5/24)
急増止まらない缶入りワイン(2019/8/15)
これに伴い、日本にも少しずつ缶入りワインが輸入されるようになってきています。その一つが今回紹介する「ヘッド・ハイ」。 Price Family Vineyards & Estates ディレクター・オブ・セールスのクリス・マットソンが来日して、紹介しました。
ヘッド・ハイのオーナーはビル・プライス。実業界で成功した後、ワインビジネスに入り、デュレルやギャップス・クラウンといった畑を所有するほか、キスラーやスリー・スティックスといったワイナリーのオーナーでもあります。また、サーフィン好きでもあり、ヘッド・ハイとは頭の高さの波というサーフィン用語から付けられています。当初はスリー・スティックスの中のワインの名前として付けられたヘッド・ハイでしたが現在は独立しています。
今回ヘッド・ハイで輸入されるようになったワインは2つ。一つはピノ・ノワール ソノマ・カウンティ 2018(3600円)。もう一つは250ml缶入りのピノ・ノワール カリフォルニア NV(900円)です。
スリー・スティックスがハイエンドのピノ・ノワールを目指しているのに対し、ヘッド・ハイはコストパフォーマンスの高いピノ・ノワールを提供しようとしています。畑はビル・プライスが所有するデュレルやギャップス・クラウンなどのブドウを使っています。
クリス・マットソンによると、缶入りワインはミレニアル世代と呼ばれる若い人たちに受け入れられています。手軽さや価格、アウトドアのライフスタイルにマッチしているということに加え、分量が適切だということも理由になっています。また、缶の方がリサイクルしやすく地球環境にも優しいと言われています。
ワイン造りの観点からすると、缶入りワインはボトルのワインと違うアプローチが必要になるといいいます。ワインを缶に入れるためにはワインの酸との作用を防ぐために缶の内側にライナーを入れますが、現在のところこれがどれだけ保つのかは不明とのこと。一応保証としては5カ月程度なので、熟成には不向きです。缶入りワインは基本的に買ってすぐ飲まれることを想定しているのでそれで美味しいワインにする必要があります。また、ミレニアル世代は缶入りワインをグラスに移すことなく直接飲むことが多いので、それで美味しいことも必要です。
急増止まらない缶入りワイン(2019/8/15)の記事で書いたように、コンシューマーは250mlのサイズを好むという調査結果が出ています。米国ではこのサイズは4本パックで売らなければいけないという制限がありますが、現在TTBにはたらきかけてこの制限を変えようとしているところです。ヘッド・ハイは規制緩和も見越して最初から250ml専用で作っており、規制のない日本ではパックではなく缶単位で販売します。
ボトルとの造りの違いで見ると、ボトルのヘッド・ハイは新樽も3割り程度使っていますが、缶入りの方は新樽は使っていないとのこと。果実味を中心にした味に仕上げています。また、缶入りはヴィンテージを入れていません。実際には現在販売しているのは2018年のものですが、ヴィンテージを入れると逆に「若すぎる」と思われるのを避けたいのだそうです。
実際に試飲してみましょう。写真で右がボトルのヘッド・ハイ、左が缶のヘッド・ハイです。明らかに色が違います。味わいもボトルの方が濃くしっかりとしていて、普通にワインを評価するならばやはりボトルのものの方が美味しいと思う人が多いでしょう。
ただ、缶入りの方もチャーミングな造りで、普通にピノ・ノワールとして美味しいワインです。また面白いのが缶から直接飲むとまた味わいが変わること。当然香りは感じにくくなりますが、逆にタンニンなどのストラクチャーは缶から飲むほうがはっきりします。ボトルと同じ味わいのものを缶から直接飲んだら重すぎるだろうと思います。缶から直接飲むのは「意外と美味しい」というのは一つの発見でした。実は、このワインをアカデミー・デュ・ヴァンの授業の後にも試飲してもらったのですが、そこでも同じような感想でした。
缶入りのヘッド・ハイは250mlで900円。750mlに換算すれば2700円です。2000円台のピノ・ノワールとして納得できる味わいですが、缶入りワインの中では少し高めの値付け。ただ缶入りワインでちゃんとしたピノ・ノワールはまだほとんどないので、そこは大きな魅力になるでしょう。余談ですが、米国の価格は4本で28ドルなので1本7ドル。日本のインポーター価格はずいぶん頑張っていますね。
いろいろな意味で今後が気になるワインです。
急成長遂げた缶入りワイン(2019/5/24)
急増止まらない缶入りワイン(2019/8/15)
これに伴い、日本にも少しずつ缶入りワインが輸入されるようになってきています。その一つが今回紹介する「ヘッド・ハイ」。 Price Family Vineyards & Estates ディレクター・オブ・セールスのクリス・マットソンが来日して、紹介しました。
ヘッド・ハイのオーナーはビル・プライス。実業界で成功した後、ワインビジネスに入り、デュレルやギャップス・クラウンといった畑を所有するほか、キスラーやスリー・スティックスといったワイナリーのオーナーでもあります。また、サーフィン好きでもあり、ヘッド・ハイとは頭の高さの波というサーフィン用語から付けられています。当初はスリー・スティックスの中のワインの名前として付けられたヘッド・ハイでしたが現在は独立しています。
今回ヘッド・ハイで輸入されるようになったワインは2つ。一つはピノ・ノワール ソノマ・カウンティ 2018(3600円)。もう一つは250ml缶入りのピノ・ノワール カリフォルニア NV(900円)です。
スリー・スティックスがハイエンドのピノ・ノワールを目指しているのに対し、ヘッド・ハイはコストパフォーマンスの高いピノ・ノワールを提供しようとしています。畑はビル・プライスが所有するデュレルやギャップス・クラウンなどのブドウを使っています。
クリス・マットソンによると、缶入りワインはミレニアル世代と呼ばれる若い人たちに受け入れられています。手軽さや価格、アウトドアのライフスタイルにマッチしているということに加え、分量が適切だということも理由になっています。また、缶の方がリサイクルしやすく地球環境にも優しいと言われています。
ワイン造りの観点からすると、缶入りワインはボトルのワインと違うアプローチが必要になるといいいます。ワインを缶に入れるためにはワインの酸との作用を防ぐために缶の内側にライナーを入れますが、現在のところこれがどれだけ保つのかは不明とのこと。一応保証としては5カ月程度なので、熟成には不向きです。缶入りワインは基本的に買ってすぐ飲まれることを想定しているのでそれで美味しいワインにする必要があります。また、ミレニアル世代は缶入りワインをグラスに移すことなく直接飲むことが多いので、それで美味しいことも必要です。
急増止まらない缶入りワイン(2019/8/15)の記事で書いたように、コンシューマーは250mlのサイズを好むという調査結果が出ています。米国ではこのサイズは4本パックで売らなければいけないという制限がありますが、現在TTBにはたらきかけてこの制限を変えようとしているところです。ヘッド・ハイは規制緩和も見越して最初から250ml専用で作っており、規制のない日本ではパックではなく缶単位で販売します。
ボトルとの造りの違いで見ると、ボトルのヘッド・ハイは新樽も3割り程度使っていますが、缶入りの方は新樽は使っていないとのこと。果実味を中心にした味に仕上げています。また、缶入りはヴィンテージを入れていません。実際には現在販売しているのは2018年のものですが、ヴィンテージを入れると逆に「若すぎる」と思われるのを避けたいのだそうです。
実際に試飲してみましょう。写真で右がボトルのヘッド・ハイ、左が缶のヘッド・ハイです。明らかに色が違います。味わいもボトルの方が濃くしっかりとしていて、普通にワインを評価するならばやはりボトルのものの方が美味しいと思う人が多いでしょう。
ただ、缶入りの方もチャーミングな造りで、普通にピノ・ノワールとして美味しいワインです。また面白いのが缶から直接飲むとまた味わいが変わること。当然香りは感じにくくなりますが、逆にタンニンなどのストラクチャーは缶から飲むほうがはっきりします。ボトルと同じ味わいのものを缶から直接飲んだら重すぎるだろうと思います。缶から直接飲むのは「意外と美味しい」というのは一つの発見でした。実は、このワインをアカデミー・デュ・ヴァンの授業の後にも試飲してもらったのですが、そこでも同じような感想でした。
缶入りのヘッド・ハイは250mlで900円。750mlに換算すれば2700円です。2000円台のピノ・ノワールとして納得できる味わいですが、缶入りワインの中では少し高めの値付け。ただ缶入りワインでちゃんとしたピノ・ノワールはまだほとんどないので、そこは大きな魅力になるでしょう。余談ですが、米国の価格は4本で28ドルなので1本7ドル。日本のインポーター価格はずいぶん頑張っていますね。
いろいろな意味で今後が気になるワインです。
リッジの前ワインメーカーであるポール・ドレーパーがブログで、リッジが今も使っている珍しいテクニックを紹介しています(Submerged Cap Fermentation - Ridge Vineyards)。
赤ワインの発酵過程において、ブドウの果皮は発生する二酸化炭素の泡で浮かび上がり、上に溜まります(果帽)。それをそのまま置いておくと、果皮と果汁の接触が不十分で、色や味わいがあまり出なくなります。
そのため、普通は果皮を上から押して中に沈める「パンチダウン」、あるいは果汁を下から抜き取り、上からかける「ポンプオーバー」をします。
ピノ・ノワールなどは果汁に優しいパンチダウン、カベルネソーヴィニヨンなどはより味を引き出すポンプオーバーを使うことが多いようです。
リッジの使う「サブマージド・キャップ」は上から網で押さえつけて果帽を浮かび上がらないように沈める方法。昔からフランスで使われていたそうですが、現在はあまり聞かない方法です。
これを使い始めたきっかけがユニーク。最初のワインメーカーだったデイブ・ベニオンが、発酵の期間中に奥さんと2週間旅行に行くため、これを導入したとのこと。
当初、リッジのメンバーはスタンフォード大学の研究所で働いており、毎日ワイナリーに来られなかったため、その後もこのテクニックは使われていました。
その後、カベルネソーヴィニヨンは、よりタンニンをコントロールしやすいポンプオーバーに変わったものの、ジンファンデルでは今でも一部、このテクニックを使っているそうです。
赤ワインの発酵過程において、ブドウの果皮は発生する二酸化炭素の泡で浮かび上がり、上に溜まります(果帽)。それをそのまま置いておくと、果皮と果汁の接触が不十分で、色や味わいがあまり出なくなります。
そのため、普通は果皮を上から押して中に沈める「パンチダウン」、あるいは果汁を下から抜き取り、上からかける「ポンプオーバー」をします。
ピノ・ノワールなどは果汁に優しいパンチダウン、カベルネソーヴィニヨンなどはより味を引き出すポンプオーバーを使うことが多いようです。
リッジの使う「サブマージド・キャップ」は上から網で押さえつけて果帽を浮かび上がらないように沈める方法。昔からフランスで使われていたそうですが、現在はあまり聞かない方法です。
これを使い始めたきっかけがユニーク。最初のワインメーカーだったデイブ・ベニオンが、発酵の期間中に奥さんと2週間旅行に行くため、これを導入したとのこと。
当初、リッジのメンバーはスタンフォード大学の研究所で働いており、毎日ワイナリーに来られなかったため、その後もこのテクニックは使われていました。
その後、カベルネソーヴィニヨンは、よりタンニンをコントロールしやすいポンプオーバーに変わったものの、ジンファンデルでは今でも一部、このテクニックを使っているそうです。
PG&Eによる大規模計画停電でワイナリービジネスにも大きな影響が出ています(What mass power outages mean for California wineries - Decanter)。
収穫の真っ只中の状況で、ブドウのプレスやタンクに入れるためのポンプ、パンチダウン、タンクの温度管理など、現在の醸造に電気は欠かせないものになっています。
今回の計画停電は突然起こったわけではなく、7月頃からアナウンスされていたため、発電機を用意しているワイナリーが多かったようです。ただ、ソノマのあるカスタム・クラッシュではそのレンタルだけで月に100万円以上かかるとのことで、かなりの出費になりそうです。
観光客用のテイスティングルームを閉じたワイナリーも多数あります。ロバート・モンダヴィもその一つ。観光客を大事にしてきた同ワイナリーとしては苦渋の決断だったでしょう。
この週末にワイナリーに行く計画の人はまずオープンしているかを確認してからでかけましょう。
収穫の真っ只中の状況で、ブドウのプレスやタンクに入れるためのポンプ、パンチダウン、タンクの温度管理など、現在の醸造に電気は欠かせないものになっています。
今回の計画停電は突然起こったわけではなく、7月頃からアナウンスされていたため、発電機を用意しているワイナリーが多かったようです。ただ、ソノマのあるカスタム・クラッシュではそのレンタルだけで月に100万円以上かかるとのことで、かなりの出費になりそうです。
観光客用のテイスティングルームを閉じたワイナリーも多数あります。ロバート・モンダヴィもその一つ。観光客を大事にしてきた同ワイナリーとしては苦渋の決断だったでしょう。
この週末にワイナリーに行く計画の人はまずオープンしているかを確認してからでかけましょう。
カリフォルニアの電気会社PG&Eは10月9日、山火事の恐れが高まったとして大規模な計画停電を開始しました(PG&E: Massive power shut-off to hit 800,000 customers, could extend nearly a week - SFChronicle.com)。最大で1週間近く停電する可能性があります。
2017年にナパやソノマなどで起こった大規模山火事からちょうど2年経ちました。火事の火元については、乾燥した木が大風で倒れ、それ電線を切断し、そのときの火花が燃え移ったとされています。PG&Eはこの問題で破綻寸前にまで追い込まれました。
今回、高温と強風という条件が重なり、大規模山火事が再び発生する恐れが高まったとして、計画停電に踏み切ったわけです。
エリアにはナパやソノマ、またシリコンバレーの大半が含まれており、日常生活のみならず、経済活動にも大きな影響がありそうです。
2017年にナパやソノマなどで起こった大規模山火事からちょうど2年経ちました。火事の火元については、乾燥した木が大風で倒れ、それ電線を切断し、そのときの火花が燃え移ったとされています。PG&Eはこの問題で破綻寸前にまで追い込まれました。
今回、高温と強風という条件が重なり、大規模山火事が再び発生する恐れが高まったとして、計画停電に踏み切ったわけです。
エリアにはナパやソノマ、またシリコンバレーの大半が含まれており、日常生活のみならず、経済活動にも大きな影響がありそうです。
ソノマのチョーク・ヒルでパーカー100点など非常に評価の高いボルドー系ブレンドを作るヴェリテ(Vérité)がワイナリーを新築することを明らかにしました(Verite Announces a New Home for Its Iconic Wines)。
住所はヒールズバーグ(Healdsburg)ですが、ヒールズバーグの街からは車で約20分かかるチョークヒル・ロード沿いです。現在のワイナリーの隣になります。
ワインメーカーであるピエール・セランの息子で、親会社であるジャクソン・ファミリー・ワインズ副社長のニコラス・セランが設計し、ケークブレッド・セラーズやシルバーオークなど数多くのワイナリー建築を手掛けているテイラー・ロンバルド・アーキテクツが建築を請け負います。
ワイン造りに影響しないよう、建築は3段階に分かれます。まずは2020年に完成予定の樽の貯蔵庫とホスピタリティ・スペース。次がワイン醸造設備、最後がワインメーカーのテイスティングとブレンディング用設備やレセプション・スペースとなります。
余談ですが、今年、ヴェリテのセミナーに出席する機会を2回も逃してしまって残念無念。次の機会は逃したくないものです。
住所はヒールズバーグ(Healdsburg)ですが、ヒールズバーグの街からは車で約20分かかるチョークヒル・ロード沿いです。現在のワイナリーの隣になります。
ワインメーカーであるピエール・セランの息子で、親会社であるジャクソン・ファミリー・ワインズ副社長のニコラス・セランが設計し、ケークブレッド・セラーズやシルバーオークなど数多くのワイナリー建築を手掛けているテイラー・ロンバルド・アーキテクツが建築を請け負います。
ワイン造りに影響しないよう、建築は3段階に分かれます。まずは2020年に完成予定の樽の貯蔵庫とホスピタリティ・スペース。次がワイン醸造設備、最後がワインメーカーのテイスティングとブレンディング用設備やレセプション・スペースとなります。
余談ですが、今年、ヴェリテのセミナーに出席する機会を2回も逃してしまって残念無念。次の機会は逃したくないものです。
ナパ・ヴァレーの生産者団体ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ(NVV)が75周年を迎えました(Napa Valley Vintners Celebrates 75th Anniversary with Oral History Project)。同時にNVVオーラル・ヒストリー・プロジェクトと呼ぶ、ナパの歴史を生産者のインタビューで残すプロジェクトにUCバークレーのバンクロフト・ライブラリーと取り組んでいることも明らかにしました。
オーラル・ヒストリー・プロジェクトでは12人の生産者にインタビューして、歴史を振り返っています。その中には今年亡くなったシェーファーの創設者ジョン・シェーファーも含まれています。「Napa Valley Vintners | UC Berkeley Library」からインタビューのテキストを読むこともできます。
オーラル・ヒストリー・プロジェクトでは12人の生産者にインタビューして、歴史を振り返っています。その中には今年亡くなったシェーファーの創設者ジョン・シェーファーも含まれています。「Napa Valley Vintners | UC Berkeley Library」からインタビューのテキストを読むこともできます。
ワイン・エンスージアスト誌が2019年のベストバイトップ100を発表しています(Top 100 Best Wine Buys of 2019 | Wine Enthusiast Magazine)。
栄えある1位に輝いたのは名門ベリンジャーのピノ・ノワール ファアンダーズ・エステート2017。ベリンジャーのラインアップの中では一番安い普及ラインのワインです。ワイナリーのあるナパではなく、様々な地域のブドウでできています。
日本に入っているものだと、5位にスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン2017。スリー・シーヴスはジョエル・ゴットなどの業界有力者3人が集まって作ったブランドでコスパには定評があります。私も1000円台のお薦めカベルネ・ソーヴィニヨンとして以前紹介しています。
興味深いのはトップ10に缶入りワインや箱入りワインが入っていること。やはりこの2つのジャンルはあなどらないと、同誌も見ているのでしょう。
栄えある1位に輝いたのは名門ベリンジャーのピノ・ノワール ファアンダーズ・エステート2017。ベリンジャーのラインアップの中では一番安い普及ラインのワインです。ワイナリーのあるナパではなく、様々な地域のブドウでできています。
日本に入っているものだと、5位にスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン2017。スリー・シーヴスはジョエル・ゴットなどの業界有力者3人が集まって作ったブランドでコスパには定評があります。私も1000円台のお薦めカベルネ・ソーヴィニヨンとして以前紹介しています。
興味深いのはトップ10に缶入りワインや箱入りワインが入っていること。やはりこの2つのジャンルはあなどらないと、同誌も見ているのでしょう。
「オルカ・インターナショナルの試飲会で美味しかったワイン(2019年夏)」という記事で「1000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストといってもいいでしょう」と書いたのがランチ32のカベルネ・ソーヴィニヨン。モントレーに広大な畑を持つシャイド・ファミリーの作るブランドの一つです。
柳屋のメルマガによるとこのワインのワイナリー価格はなんと30ドル(税抜き)とのこと。確かにサイトを見に行ったらその通りです。これが実売価格だと税込みで1500円台とかになってしまうのですから半額以下とも言えます。こりゃコスパいいわけです。
メリタージュの報はサイトに載っていなかったのでワイナリー価格は不明ですが、それより安いことはないでしょうから2000円台が激安なのは間違いなし。
個人的には「5000円までの価格帯別お薦めカベルネ系ワイン15選」の1000円台、2000円台はこれで書き換えないとという感じです。
安旨カベルネをお探しの方には激しくお薦めです。
柳屋のメルマガによるとこのワインのワイナリー価格はなんと30ドル(税抜き)とのこと。確かにサイトを見に行ったらその通りです。これが実売価格だと税込みで1500円台とかになってしまうのですから半額以下とも言えます。こりゃコスパいいわけです。
メリタージュの報はサイトに載っていなかったのでワイナリー価格は不明ですが、それより安いことはないでしょうから2000円台が激安なのは間違いなし。
個人的には「5000円までの価格帯別お薦めカベルネ系ワイン15選」の1000円台、2000円台はこれで書き換えないとという感じです。
安旨カベルネをお探しの方には激しくお薦めです。
レイヴェンズウッド(Ravenswood)の創設者であるジョエル・ピーターソン(Joel Peterson)が、同ワイナリーのライブラリー・ワインを放出することを発表しました。10月15日に販売を開始し、22日に終了するとのこと。
今年、レイヴェンズウッドのブランドがコンステレーション・ブランズからガロに売却されたのに伴い、レイヴェンズウッドはソノマのワイナリーやテイスティング・ルームをクローズし、ジョエル・ピーターソンもレイヴェンズウッドからは完全に離れた形になっています。現在はワンス・アンド・フューチャー(Once and Future)に専念しています。
レイヴェンズウッド時代のジョエル・ピーターソンは熟成したワインを楽しめるようにするため、毎年5~10ケースのワインを保存していました。その後、ワイナリーをコンステレーション・ブランズに売却したわけですが、数年前にコンステレーションの会計士が「余分な」ワインについてジョエル・ピーターソンに問い合わせてきました。不良在庫として処分したいというのがその目的でしたが、それがジョエル・ピーターソンが熟成用に置いていたワインのことでした。
ジョエル・ピーターソンはそれらを自身で買い取り状態を確かめ、リコルクし、そして今回販売にこぎつけたわけです。どんなワインが出てくるか楽しみです。記念の年のワインは買ってしまうかも。
ちなみに、レイヴェンズウッドのフラッグシップとして知られていたのがオールド・ヒル・ランチのジンファンデルですが、ワンス・アンド・フューチャーと、息子のモーガン・ピーターソンのベッドロックも2018年からオールド・ヒル・ランチのワインを作り始めています。
今年、レイヴェンズウッドのブランドがコンステレーション・ブランズからガロに売却されたのに伴い、レイヴェンズウッドはソノマのワイナリーやテイスティング・ルームをクローズし、ジョエル・ピーターソンもレイヴェンズウッドからは完全に離れた形になっています。現在はワンス・アンド・フューチャー(Once and Future)に専念しています。
レイヴェンズウッド時代のジョエル・ピーターソンは熟成したワインを楽しめるようにするため、毎年5~10ケースのワインを保存していました。その後、ワイナリーをコンステレーション・ブランズに売却したわけですが、数年前にコンステレーションの会計士が「余分な」ワインについてジョエル・ピーターソンに問い合わせてきました。不良在庫として処分したいというのがその目的でしたが、それがジョエル・ピーターソンが熟成用に置いていたワインのことでした。
ジョエル・ピーターソンはそれらを自身で買い取り状態を確かめ、リコルクし、そして今回販売にこぎつけたわけです。どんなワインが出てくるか楽しみです。記念の年のワインは買ってしまうかも。
ちなみに、レイヴェンズウッドのフラッグシップとして知られていたのがオールド・ヒル・ランチのジンファンデルですが、ワンス・アンド・フューチャーと、息子のモーガン・ピーターソンのベッドロックも2018年からオールド・ヒル・ランチのワインを作り始めています。
ワイナリーの建物は比較的地味な色味のものが多いのですが、色も建築認可の条件の中に入っています。ナパでは「アース・トーン」であるということが条件とされていますが、あるワイナリーが発端となってより細かい指定をすることになりました(Unhappy with some recent color choices, Napa County to define 'earth tones' for wineries)。
問題になったワイナリーは「アッシュ&ダイヤモンド(Ashes & Diamonds)」。
このように白にビビッドな黄色が入ったデザインです。
上から見ると横のワイナリー(醸造設備)の方がさらに白が目立つようです。
ここは2017年に作られた新しいワイナリーで、ワイナリーはちゃんと認可を得て作られたのですが、色が白すぎて景観と調和しないという苦情が来ているとのこと。
このような問題を避けるために今後は「アース・トーン」についてカラー・パレットで具体的に範囲をしていするようにするそうです。
問題になったワイナリーは「アッシュ&ダイヤモンド(Ashes & Diamonds)」。
このように白にビビッドな黄色が入ったデザインです。
上から見ると横のワイナリー(醸造設備)の方がさらに白が目立つようです。
ここは2017年に作られた新しいワイナリーで、ワイナリーはちゃんと認可を得て作られたのですが、色が白すぎて景観と調和しないという苦情が来ているとのこと。
このような問題を避けるために今後は「アース・トーン」についてカラー・パレットで具体的に範囲をしていするようにするそうです。
ワイン・アドヴォケイト誌はもともと隔月刊で偶数月の月末に発行されていましたが、紙の読者よりもオンラインが中心になった現在は、奇数月の月末や、月中などにも、少なめですが記事を公開するようになっています。9月末の公開では「USA, California, Napa Valley: More 2016s」と「USA, California, Napa Valley: Promontory」の2本を編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンが書いています。
2016年のナパのカベルネ・ソーヴィニヨンは高品質だと当初から言われていましたが、前者の記事では145本中4本の100点、後者では4本中1本の100点が出ています。
プロモントリーについては「底知れぬポテンシャル、ハーラン第3のプロジェクト「プロモントリー」」という記事で詳しく書いていますが、ヴィナスでは既に100点が出ていて、今回ついに2016年でワイン・アドヴォケイトでも100点となりました。まさに来るべくして来た100点という感じです。
ハーラン・ファミリーではもう一方の記事でもハーラン・エステート2016に100点、ボンドのヴァシーナ(Vecina)2016に100点と3つのプロジェクトすべてで満点が出るというすさまじさです。
それ以外の100点はケークブレッド・セラーズのダンシング・ベア・ランチ2016、ダイヤモンド・クリークのグラヴェリー・メドー(Gravelly Meadow)2016にも100点が付いています。
ダイヤモンド・クリークは2013年のヴォルカニック・ヒル(Volcanic Hill)以来の満点。2016年はヴォルカニック・ヒルも99点、レッド・ロック・テラスが98+と3つのワインいずれもが高評価になりました。
満点のグラヴェリー・メドー2016はお取り寄せながら税込み3万1500円という安さ。また、ウメムラではマグナムボトルで3種が箱に入ったという貴重なセットを販売しています。さすがに高額ではありますが貴重なワインです。
2016年のナパのカベルネ・ソーヴィニヨンは高品質だと当初から言われていましたが、前者の記事では145本中4本の100点、後者では4本中1本の100点が出ています。
プロモントリーについては「底知れぬポテンシャル、ハーラン第3のプロジェクト「プロモントリー」」という記事で詳しく書いていますが、ヴィナスでは既に100点が出ていて、今回ついに2016年でワイン・アドヴォケイトでも100点となりました。まさに来るべくして来た100点という感じです。
ハーラン・ファミリーではもう一方の記事でもハーラン・エステート2016に100点、ボンドのヴァシーナ(Vecina)2016に100点と3つのプロジェクトすべてで満点が出るというすさまじさです。
それ以外の100点はケークブレッド・セラーズのダンシング・ベア・ランチ2016、ダイヤモンド・クリークのグラヴェリー・メドー(Gravelly Meadow)2016にも100点が付いています。
ダイヤモンド・クリークは2013年のヴォルカニック・ヒル(Volcanic Hill)以来の満点。2016年はヴォルカニック・ヒルも99点、レッド・ロック・テラスが98+と3つのワインいずれもが高評価になりました。
満点のグラヴェリー・メドー2016はお取り寄せながら税込み3万1500円という安さ。また、ウメムラではマグナムボトルで3種が箱に入ったという貴重なセットを販売しています。さすがに高額ではありますが貴重なワインです。
ナパ・ヴァレーのワインを気軽に楽しもうという「ナパワインフェア2019」が2019年10月1日~11月30日の2カ月間、開催されます。飲食店やワインショップが対象で、飲食店ではナパのワインをグラスで楽しめるようにし、ワインショップではナパのワインを4種類以上用意します。ショップでは購入特典として、チーズペアリングのコツとレシピの載ったポスターを用意します(上の写真)。
参加店舗は「NAPA WINE FAIR 2019~開催店~ | ナパヴァレー・ヴィントナーズ」をご覧になってください。東京だけでなく全国の店舗が含まれています。
SNSの投稿はハッシュタグ
#ナパワインフェア2019
#NapaValley
の2つが推奨されています。
ワイン・サーチャーにシエネガ・ヴァレーのワイナリー「エデン・リフト(Eden Rift)」の記事が載っていました(California Wine's Unlikely Eden)。
私もこのワイナリーを知ったのはごく最近、ギルドソムのセミナー(ギルドソムによるカリフォルニアワイン・セミナー)で試飲ワインとしてシャルドネが出ていたのでした。
シエネガ・ヴァレーや、ワイナリーのあるホリスターという街はワイン好きの人でもほとんど知らないと思いますが、実はかのカレラのちょっと北、わずか1~2kmしか離れていないところにあります。
土壌もカレラが探し求めたのと同じ石灰岩が含まれているところです。しかも19世紀半ばからブドウ畑があった場所なのです(ジンファンデルでは1906年に植えられたものが残っています)
では、なぜこのワイナリー、あまり知られていないのかというと本格的な活動を始めたのは2016年、わずか3年前からなのです。
オーナーのクリスチャン・ピルズベリーはサンフランシスコの生まれ。香港を拠点としたワイン・ビジネスをしばらく手掛け(アジアにおけるコラヴァンのブランド確立にも貢献)、カリフォルニアに戻ってきました。
最初はナパやソノマで畑を探したのですが最終的に見つけたのがこの畑。ここは実はアルマデンというジャグワイン用の畑としてずっと使われていたのでした。土壌や気候などを調べた結果、ここでワインを作ることにしました。それがエデン・リフトです。
彼が購入する直前までは「ピエトラ・サンタ」というワイナリーがありましたが、そこは質より量を求めていたのに加え、気候的にはあまり適していないメルローやサンジョヴェーゼを植えていました。そこでピルズベリーはメルローの樹にピノ・ノワールを接ぎ木するという大胆な方法で畑を作り変えたそうです。
ピルズベリーはエデン・リフトのワインを有名なソムリエであり、サンディやドメーヌ・ド・ラ・コート、オレゴンのイヴニングランドのオーナーでもあるラジャ・パーに飲んでもらい、彼が気に入ったことから、多くのソムリエに採用されるようになったとのことです。
新しいワイナリーで、まだいろいろ発展する余地がありそうですが、注目に値するところだと思います。
私もこのワイナリーを知ったのはごく最近、ギルドソムのセミナー(ギルドソムによるカリフォルニアワイン・セミナー)で試飲ワインとしてシャルドネが出ていたのでした。
シエネガ・ヴァレーや、ワイナリーのあるホリスターという街はワイン好きの人でもほとんど知らないと思いますが、実はかのカレラのちょっと北、わずか1~2kmしか離れていないところにあります。
土壌もカレラが探し求めたのと同じ石灰岩が含まれているところです。しかも19世紀半ばからブドウ畑があった場所なのです(ジンファンデルでは1906年に植えられたものが残っています)
では、なぜこのワイナリー、あまり知られていないのかというと本格的な活動を始めたのは2016年、わずか3年前からなのです。
オーナーのクリスチャン・ピルズベリーはサンフランシスコの生まれ。香港を拠点としたワイン・ビジネスをしばらく手掛け(アジアにおけるコラヴァンのブランド確立にも貢献)、カリフォルニアに戻ってきました。
最初はナパやソノマで畑を探したのですが最終的に見つけたのがこの畑。ここは実はアルマデンというジャグワイン用の畑としてずっと使われていたのでした。土壌や気候などを調べた結果、ここでワインを作ることにしました。それがエデン・リフトです。
彼が購入する直前までは「ピエトラ・サンタ」というワイナリーがありましたが、そこは質より量を求めていたのに加え、気候的にはあまり適していないメルローやサンジョヴェーゼを植えていました。そこでピルズベリーはメルローの樹にピノ・ノワールを接ぎ木するという大胆な方法で畑を作り変えたそうです。
ピルズベリーはエデン・リフトのワインを有名なソムリエであり、サンディやドメーヌ・ド・ラ・コート、オレゴンのイヴニングランドのオーナーでもあるラジャ・パーに飲んでもらい、彼が気に入ったことから、多くのソムリエに採用されるようになったとのことです。
新しいワイナリーで、まだいろいろ発展する余地がありそうですが、注目に値するところだと思います。
ワイン・イン・スタイルの試飲会からの報告ですが、今回はあまり時間がなく、250種も出ていたワインの中で30か40くらいしか試飲できませんでした。そのため、これまで試飲したことあるワインは大部分パスしてしまい、いくつかの目についたものだけを試飲する形になってしまいました。勢い、紹介する本数もごくわずかです。
過去の試飲会報告:
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2019年春)
生まれ変わったパックス、日本市場に堂々の復帰
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2018年夏)
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2018年冬)
デイ ジンファンデル ソノマ・カウンティ 2016(4900円)
元ターリー(Turley)のワインメーカーで、現在はソノマで冷涼な地域からのワイン造りで定評があるフェイラ(Failla)のワインメーカーであるエーレン・ジョーダンの個人プロジェクトがデイ(Day)。そのジンファンデルですが、とてもエレガント。ジンファンデル観が変わるかもしれない、そんな魅力を持ったワインです。
なるエッタ オールド・ヴァイン・レッド ロット68(2500円)
ロバート・パーカーがかつてコスパワインのお気に入りとしてよく取り上げていたのがマリエッタ(Marietta)のオールド・ヴァイン。マルチヴィンテージで作られるためヴィンテージ表記はありません。日本市場に入ってくるのも久しぶりなような気がします。以前とさほど変わらない価格なのもすばらしい。
イヴニング・ランド シャルドネ セブン・スプリングス エオラ・アミティ・ヒルズ 2015(4400円)
イヴニング・ランド ピノ・ノワール セブン・スプリングス エオラ・アミティ・ヒルズ 2016(4400円)
今月一番驚いたのがイヴニング・ランドの特定ブロックものでないピノ・ノワールが実売3000円台(税抜)で売られたことでした(「オレゴンの雄のピノ・ノワールが現地価格並みの安さに」参照)。ピノ・ノワールだけでなくシャルドネも希望小売価格4400円になっています。隣りにある1万2000円の方は「ラ・スルス」という特定ブロックもの。安い方は特定ブロックではないといっても、畑は同じ、自社畑ですから品質がそんなに落ちるわけではありません。今回試飲しても、もちろんラ・スルスの方が美味しいのは間違いないですが、3倍の価格差になるような違いではありません。しかも、カリフォルニアでいったらキスラーあたりに匹敵するようなトップ・ワイナリーのワインです。例えて言えばキスラーのAVAものがこの値段になったようなものです。試飲して改めて思いましたがイヴニング・ランドは美味しいです。
エレメント・ワイナリー ピノ・ノワール フィンガー・レイクス 6800円
エレメント・ワイナリー シラーフィンガー・レイクス 6800円
今回の試飲会の直前に発表されたビッグニュースが、ニューヨークワインのインポーター第一人者であるGotoワインがワイン・イン・スタイルと提携してワイン・イン・スタイルからも購入できるようになったという話でした。一般ユーザーにとってはあまり関係ありませんが、お店にとっては、他のワインと混載して注文できるようになるため、ニューヨーク・ワインを入荷するしきいがかなり低くなります。そして試飲会にもGotoワインのワインが登場です。
ニューヨークワインというと冷涼なため、リースリングが代表的な品種になると思いますが、このエレメント・ワイナリーはこれまで難しいと思われていたシラーやピノ・ノワールで秀逸なワインを作っています。個人的にもこのシラーは大好きです。これだけ冷涼感があって品質が高いシラーはなかなかないだろうと思います。ピノ・ノワールも秀逸。ぜひ試してほしいワインです。
過去の試飲会報告:
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2019年春)
生まれ変わったパックス、日本市場に堂々の復帰
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2018年夏)
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2018年冬)
デイ ジンファンデル ソノマ・カウンティ 2016(4900円)
元ターリー(Turley)のワインメーカーで、現在はソノマで冷涼な地域からのワイン造りで定評があるフェイラ(Failla)のワインメーカーであるエーレン・ジョーダンの個人プロジェクトがデイ(Day)。そのジンファンデルですが、とてもエレガント。ジンファンデル観が変わるかもしれない、そんな魅力を持ったワインです。
なるエッタ オールド・ヴァイン・レッド ロット68(2500円)
ロバート・パーカーがかつてコスパワインのお気に入りとしてよく取り上げていたのがマリエッタ(Marietta)のオールド・ヴァイン。マルチヴィンテージで作られるためヴィンテージ表記はありません。日本市場に入ってくるのも久しぶりなような気がします。以前とさほど変わらない価格なのもすばらしい。
イヴニング・ランド シャルドネ セブン・スプリングス エオラ・アミティ・ヒルズ 2015(4400円)
イヴニング・ランド ピノ・ノワール セブン・スプリングス エオラ・アミティ・ヒルズ 2016(4400円)
今月一番驚いたのがイヴニング・ランドの特定ブロックものでないピノ・ノワールが実売3000円台(税抜)で売られたことでした(「オレゴンの雄のピノ・ノワールが現地価格並みの安さに」参照)。ピノ・ノワールだけでなくシャルドネも希望小売価格4400円になっています。隣りにある1万2000円の方は「ラ・スルス」という特定ブロックもの。安い方は特定ブロックではないといっても、畑は同じ、自社畑ですから品質がそんなに落ちるわけではありません。今回試飲しても、もちろんラ・スルスの方が美味しいのは間違いないですが、3倍の価格差になるような違いではありません。しかも、カリフォルニアでいったらキスラーあたりに匹敵するようなトップ・ワイナリーのワインです。例えて言えばキスラーのAVAものがこの値段になったようなものです。試飲して改めて思いましたがイヴニング・ランドは美味しいです。
エレメント・ワイナリー ピノ・ノワール フィンガー・レイクス 6800円
エレメント・ワイナリー シラーフィンガー・レイクス 6800円
今回の試飲会の直前に発表されたビッグニュースが、ニューヨークワインのインポーター第一人者であるGotoワインがワイン・イン・スタイルと提携してワイン・イン・スタイルからも購入できるようになったという話でした。一般ユーザーにとってはあまり関係ありませんが、お店にとっては、他のワインと混載して注文できるようになるため、ニューヨーク・ワインを入荷するしきいがかなり低くなります。そして試飲会にもGotoワインのワインが登場です。
ニューヨークワインというと冷涼なため、リースリングが代表的な品種になると思いますが、このエレメント・ワイナリーはこれまで難しいと思われていたシラーやピノ・ノワールで秀逸なワインを作っています。個人的にもこのシラーは大好きです。これだけ冷涼感があって品質が高いシラーはなかなかないだろうと思います。ピノ・ノワールも秀逸。ぜひ試してほしいワインです。
日米の貿易協定が結ばれ、TPPなどに対して遅れを取っていたワインの関税も将来ゼロになることが決まりました(Wine Institute Welcomes the U.S. — Japan Trade Agreement - The Wine Institute)。
現在、ワインの税金は次のようになっています。
実際、カリフォルニアワインで最も多く日本に輸入されていたのは箱入りで売られているフランジアでしたが、昨年米産から別の国のワインに変わっています。そのため、昨年は日本へのワインの輸出量は急減しました。
とはいえ、輸入総額ではあまり変わっておらず、高額品へのシフトがうまく行っているという見方もあります。
今回の協定により、フランジアで使われていたバルクワインについては即時関税撤廃、ボトルワインについては2025年までに段階を折って関税を撤廃することになりました。
まずは他国と同じ土俵にあがれてよかったと思います。
現在、ワインの税金は次のようになっています。
15%又は125円/Lのうちいずれか低い税率。ただしその税率が67円/Lを下回る場合は67円/L(750ml換算で51~93円)税率15%と言われていますが、上限があるため実際には750ミリリットルのボトルに換算すれば100円にもなりません。したがって高額ワインにおける影響はあまりありませんが、1000円以下の安いワインにおいては大きな違いになります。
簡易税率は70円/L
酒税は80円/L
実際、カリフォルニアワインで最も多く日本に輸入されていたのは箱入りで売られているフランジアでしたが、昨年米産から別の国のワインに変わっています。そのため、昨年は日本へのワインの輸出量は急減しました。
とはいえ、輸入総額ではあまり変わっておらず、高額品へのシフトがうまく行っているという見方もあります。
今回の協定により、フランジアで使われていたバルクワインについては即時関税撤廃、ボトルワインについては2025年までに段階を折って関税を撤廃することになりました。
まずは他国と同じ土俵にあがれてよかったと思います。
ソノマ郡のワイン・オークションが2019年9月21日にソノマの「ラ・クレマ」で開催されました。落札総額は610万ドル。これまでの記録は2014年が400万ドル、2015年が450万ドル、2016年が470万ドル、2017年が520万ドル、2018年が570万ドルとなっており、初の600万ドル超えを実現しました。売上はチャリティに使われます。
中でも、見返りのない純粋な寄付になる「Fund-A-Need」のロットは合計で161万3000ドルもの金額を集めました。
通常のロットで一番落札額が高かったのは52万ドルの「G.O.A.T. Sonoma County Bordeaux Varietals – Past, Present & Future」。378本ものワインのコレクションです。
その他の高額ロットのほとんどは、ワインメーカーとのディナーなどがセットになっているものでした。
中でも、見返りのない純粋な寄付になる「Fund-A-Need」のロットは合計で161万3000ドルもの金額を集めました。
通常のロットで一番落札額が高かったのは52万ドルの「G.O.A.T. Sonoma County Bordeaux Varietals – Past, Present & Future」。378本ものワインのコレクションです。
その他の高額ロットのほとんどは、ワインメーカーとのディナーなどがセットになっているものでした。
ジョエル・ゴットといえば、自身の名前のワインなどで知られる有名ワイン・プロデューサー。人気ハンバーガー店ゴッツ・ロードサイドのオーナーでもあります。
彼は実は5代続くワイン作りの家系。祖父はかのイングルヌックでワインメーカーを務めたこともある名門です。父はナパのカスタム・クラッシュ「ナパ・ワイン・カンパニー」で数々の著名ワインを醸造してきました。
その父ゴットが、畑の管理者として人気のジョン・ピーニャと作るのがロウアー(Lawer Estate)。ソノマのナイツ・ヴァレーにあるワイナリーです。ここのヴィオニエが現地価格並みの安さになっています。
ワイナリー価格24ドル(税抜き)が実売2700円台(税込み)は実質的には現地価格以下と言ってもいいでしょう。ワインスペクテーターでは88点、ワインエンスージアストでは90点とまずまずの評価です。
彼は実は5代続くワイン作りの家系。祖父はかのイングルヌックでワインメーカーを務めたこともある名門です。父はナパのカスタム・クラッシュ「ナパ・ワイン・カンパニー」で数々の著名ワインを醸造してきました。
その父ゴットが、畑の管理者として人気のジョン・ピーニャと作るのがロウアー(Lawer Estate)。ソノマのナイツ・ヴァレーにあるワイナリーです。ここのヴィオニエが現地価格並みの安さになっています。
ワイナリー価格24ドル(税抜き)が実売2700円台(税込み)は実質的には現地価格以下と言ってもいいでしょう。ワインスペクテーターでは88点、ワインエンスージアストでは90点とまずまずの評価です。
アイコニック ワイン・ジャパンはカリフォルニアのセントラル・コースト、中でもパソ・ロブレスやサンタ・バーバラを中心にコスパのいいワインを数多く輸入しています。最近では、現地価格より安く(限定数です)、しかも美味しいことで大人気のアルタ・マリアが話題になりました。
参考:再度お薦め、サンタ・バーバラの一流ワイナリーのワインが半額セール
ニュージーランドの自然派ワイナリー「スーパーナチュラル」から2種。個人的には「自然派」と聞くと眉につばをつけてしまいがちなのですが、ここのワインは自然に美味しいです。左の「パシフィック・ポーション 2018」(2500円)は旨味あって美味しく、右の「ザ・スーパーナット 2018」(3600円)はシルキーな泡が心地よい「ペティアン・ナチュール」タイプの泡です。
カモミ(Ca'Momi)のソーヴィニヨン・ブラン「ビアンコ 2018」(1360円)はさわやかな味。コスパ素晴らしい。
サン・リージュ(Sans Liege)のローヌ系白ブレンド「コート デュ コースト 2017」(4500円)。こちらは豊かな味わい。おいしい。
ストルプマンがラジャ・パーと組んでニュー・カリフォルニアのスタイルで作るプロジェクトが「コンブ(Combe)」。その「シュナン・ブラン 2017」(7100円)。うまみ豊かで非常に複雑な味わい。さわやかな酸があり、果実味もしっかり。
カモミの「シャルドネ リザーブ 2013」(3980円)。普通のシャルドネが2017年で2600円。それに対してこちらは2013年と少し熟成していてこの価格はかなり安いです。味わいもバランス良く深みもあってコスパ高い。
モーガン(Morgan)の「ハイランド シャルドネ 2016」(4400円)。旨味に果実味あり、複雑さもあってレベルの高いシャルドネです。
冒頭でも紹介したアルタ・マリアの「ピノ・ノワール 2012」。定価は5000円ですが、現在は実売2000円台の大バーゲンになっています。とてもきれいに熟成していて酸味がここちよく美味しいピノ・ノワールです。2000円台は安すぎ。
メルヴィルのピノ・ノワール2種。「エステート 2015」(6500円)と「アンナズ・ヴィンヤード 2016」(9500円)。エステートは、バランス良く複雑な味わい。アンナズは一言「おいしい」。レベル高いピノ・ノワールです。
プリズナーの創設者デイブ・フィニーによる新しいプロジェクト「クレーン・アッセンブリー(Crane Assembly)」の「ディサイプルズ 2016」(7800円)と「エル・ココ 2015」(1万3000円)。どちらもジンファンデル系のブレンドですが、エル・ココはナパのセント・ヘレナにある、ナパのパイオニアの一人ジョージ・ベルドン・クレーンが作った畑「G.B.Crane」に130年前から残る古木のブロック4エーカーがあり、それをベースに作るワイン。ジンファンデルにプティ・シラー、メルロー。とても濃厚でスパイシーですが、フィネスも感じるワイン。ディサイプルズはG.B.Craneのブレンドを、他の古木の畑から購入したブドウで再現しようとしたワイン。これもパワフル。
パリ(Pali)のカベルネ系ブレンド「スウェル(Swell) 2017」(3300円)。サーファーが喜びそうなラベル。味もミディアム・ボディで酸がきれいな飲みやすいワインです。
ホワイトホール・レーンの「フレンズ&ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン 2017」(3980円)。親しみやすく飲みやすいカベルネ・ソーヴィニヨン。
ホワイトホール・レーンの「カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2016」(6800円)。ホワイトホール・レーンとしてはレギュラー版のカベルネ・ソーヴィニヨンですが、骨格がしっかりしていて本格的なカベルネ・ソーヴィニヨンです。
ストルプマンの「シラー パラ・マリア 2017」(3800円)。果実味豊かなシラー。個人的にはこの価格帯のシラーの定番品です。万人好みの味わい。
サン・リージュの「オファリング(Offering) 2016」(5000円)。グルナッシュなどのブレンド。やわらかく複雑さのあるワイン。レベル高いです。
ストルプマンの「ラブ・ユー・バンチ 2017」(2450円)。ラベルが印象的なワインですが、マセラシオン・カルボニックで作ったサンジョベーゼという珍しいワインでもあります。チャーミングな味わい。
参考:再度お薦め、サンタ・バーバラの一流ワイナリーのワインが半額セール
ニュージーランドの自然派ワイナリー「スーパーナチュラル」から2種。個人的には「自然派」と聞くと眉につばをつけてしまいがちなのですが、ここのワインは自然に美味しいです。左の「パシフィック・ポーション 2018」(2500円)は旨味あって美味しく、右の「ザ・スーパーナット 2018」(3600円)はシルキーな泡が心地よい「ペティアン・ナチュール」タイプの泡です。
カモミ(Ca'Momi)のソーヴィニヨン・ブラン「ビアンコ 2018」(1360円)はさわやかな味。コスパ素晴らしい。
サン・リージュ(Sans Liege)のローヌ系白ブレンド「コート デュ コースト 2017」(4500円)。こちらは豊かな味わい。おいしい。
ストルプマンがラジャ・パーと組んでニュー・カリフォルニアのスタイルで作るプロジェクトが「コンブ(Combe)」。その「シュナン・ブラン 2017」(7100円)。うまみ豊かで非常に複雑な味わい。さわやかな酸があり、果実味もしっかり。
カモミの「シャルドネ リザーブ 2013」(3980円)。普通のシャルドネが2017年で2600円。それに対してこちらは2013年と少し熟成していてこの価格はかなり安いです。味わいもバランス良く深みもあってコスパ高い。
モーガン(Morgan)の「ハイランド シャルドネ 2016」(4400円)。旨味に果実味あり、複雑さもあってレベルの高いシャルドネです。
冒頭でも紹介したアルタ・マリアの「ピノ・ノワール 2012」。定価は5000円ですが、現在は実売2000円台の大バーゲンになっています。とてもきれいに熟成していて酸味がここちよく美味しいピノ・ノワールです。2000円台は安すぎ。
メルヴィルのピノ・ノワール2種。「エステート 2015」(6500円)と「アンナズ・ヴィンヤード 2016」(9500円)。エステートは、バランス良く複雑な味わい。アンナズは一言「おいしい」。レベル高いピノ・ノワールです。
プリズナーの創設者デイブ・フィニーによる新しいプロジェクト「クレーン・アッセンブリー(Crane Assembly)」の「ディサイプルズ 2016」(7800円)と「エル・ココ 2015」(1万3000円)。どちらもジンファンデル系のブレンドですが、エル・ココはナパのセント・ヘレナにある、ナパのパイオニアの一人ジョージ・ベルドン・クレーンが作った畑「G.B.Crane」に130年前から残る古木のブロック4エーカーがあり、それをベースに作るワイン。ジンファンデルにプティ・シラー、メルロー。とても濃厚でスパイシーですが、フィネスも感じるワイン。ディサイプルズはG.B.Craneのブレンドを、他の古木の畑から購入したブドウで再現しようとしたワイン。これもパワフル。
パリ(Pali)のカベルネ系ブレンド「スウェル(Swell) 2017」(3300円)。サーファーが喜びそうなラベル。味もミディアム・ボディで酸がきれいな飲みやすいワインです。
ホワイトホール・レーンの「フレンズ&ファミリー カベルネ・ソーヴィニヨン 2017」(3980円)。親しみやすく飲みやすいカベルネ・ソーヴィニヨン。
ホワイトホール・レーンの「カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー 2016」(6800円)。ホワイトホール・レーンとしてはレギュラー版のカベルネ・ソーヴィニヨンですが、骨格がしっかりしていて本格的なカベルネ・ソーヴィニヨンです。
ストルプマンの「シラー パラ・マリア 2017」(3800円)。果実味豊かなシラー。個人的にはこの価格帯のシラーの定番品です。万人好みの味わい。
サン・リージュの「オファリング(Offering) 2016」(5000円)。グルナッシュなどのブレンド。やわらかく複雑さのあるワイン。レベル高いです。
ストルプマンの「ラブ・ユー・バンチ 2017」(2450円)。ラベルが印象的なワインですが、マセラシオン・カルボニックで作ったサンジョベーゼという珍しいワインでもあります。チャーミングな味わい。
スクリーミング・イーグルは、あまり表に出てくることが少ないワイナリーで、ワインメーカーも有名なコンサルタントではなく、まだ30代前半の若者。ワインを味わう機会も、まずなかなかないですが、いろいろと秘密に包まれた感じがします。そのワインメーカーへのインタビュー記事が載っていました(Screaming Eagle | Club Oenologique)。
ワインメーカーのニック・ギースラーソン(Nick Gislason)の写真はTwitterから挙げておきます。
ギースラーソンは、ワシントン州の出身。2010年にアシスタント・ワインメーカー、2011年にアンディ・エリクソンの後を継いでワインメーカーになりましたが、それまではハーラン・エステートなどでわずかな経験があったものの、その実力はほぼ未知数。サッカーのアーセナルやNFLのラムズなどを持つオーナーのスタン・クロンケに取っては有名コンサルタントを雇うのも難しくなかったでしょうが、その選択には驚かされました。しかも最初の年が冷涼で難しい年となった2011年だったわけですが、秋から冬は雨が多いワシントン州出身だけあって雨への対処はお手の物。この年に見事なワインを造って名声を勝ち取りました。
ギースラーソンはワインメーカーですが、畑の管理についても責任を持っています。スクリーミング・イーグルの畑はオークヴィルのシルバラード・トレイル西側にありますが、畑を断層が通っており、火山性の土壌と扇状地の堆積性土壌が畑の中で混在しているとのこと。それが自然に複雑さを生み出しているようです。
冬の間にブドウの樹の列の間に植えることが多いカバー・クロップについても独自の方法があります。土に鋤き込むのではなく、土の上でそのままにしておくのだそうです。それによって、土の温度が上がるのを防ぎ、成熟がゆっくりになるそうです。カバークロップの量のコントロールは冬場は羊で、ブドウが芽吹くころからは90羽のニワトリで行うとのこと。
畑は50のブロックに分けられ、それぞれ別々に発酵、熟成されます。発酵にはステンレスのタンクのほか、オークの樽やコンクリート槽も使われるとのこと。
ワインはスクリーミング・イーグル、ザ・フライト(以前はセカンド・フライトと呼んでいましたが、セカンドワインではないという位置づけで名称を変えました。メルロー中心のブレンド)ともに550から850ケース。これらに使われないワインの方がかなり多いようです。このほかわずかな量のソーヴィニヨン・ブランがあります。
メーリングリストは当然簡単には入れず、待ち行列がありますが、今はさらに待ち行列に入るための待ち行列もあるとのこと。狭き門は変わりません。
ワインメーカーのニック・ギースラーソン(Nick Gislason)の写真はTwitterから挙げておきます。
Meet Screaming Eagle #wine maker Nick Gislason
— Palate Exposure (@PalateXposure) September 18, 2016
Delush'12 was still quite young & backward #winetasting #winelover pic.twitter.com/9X4GUX04Xa
ギースラーソンは、ワシントン州の出身。2010年にアシスタント・ワインメーカー、2011年にアンディ・エリクソンの後を継いでワインメーカーになりましたが、それまではハーラン・エステートなどでわずかな経験があったものの、その実力はほぼ未知数。サッカーのアーセナルやNFLのラムズなどを持つオーナーのスタン・クロンケに取っては有名コンサルタントを雇うのも難しくなかったでしょうが、その選択には驚かされました。しかも最初の年が冷涼で難しい年となった2011年だったわけですが、秋から冬は雨が多いワシントン州出身だけあって雨への対処はお手の物。この年に見事なワインを造って名声を勝ち取りました。
ギースラーソンはワインメーカーですが、畑の管理についても責任を持っています。スクリーミング・イーグルの畑はオークヴィルのシルバラード・トレイル西側にありますが、畑を断層が通っており、火山性の土壌と扇状地の堆積性土壌が畑の中で混在しているとのこと。それが自然に複雑さを生み出しているようです。
冬の間にブドウの樹の列の間に植えることが多いカバー・クロップについても独自の方法があります。土に鋤き込むのではなく、土の上でそのままにしておくのだそうです。それによって、土の温度が上がるのを防ぎ、成熟がゆっくりになるそうです。カバークロップの量のコントロールは冬場は羊で、ブドウが芽吹くころからは90羽のニワトリで行うとのこと。
畑は50のブロックに分けられ、それぞれ別々に発酵、熟成されます。発酵にはステンレスのタンクのほか、オークの樽やコンクリート槽も使われるとのこと。
ワインはスクリーミング・イーグル、ザ・フライト(以前はセカンド・フライトと呼んでいましたが、セカンドワインではないという位置づけで名称を変えました。メルロー中心のブレンド)ともに550から850ケース。これらに使われないワインの方がかなり多いようです。このほかわずかな量のソーヴィニヨン・ブランがあります。
メーリングリストは当然簡単には入れず、待ち行列がありますが、今はさらに待ち行列に入るための待ち行列もあるとのこと。狭き門は変わりません。
中川ワインの試飲会から美味しかったワインを紹介します。
既に一部のワインは「ビビアナ・ゴンザレス・レーヴのワインがすごい!」という記事で書いていますので、それ以外のワインを取り上げます。
まず最初に、写真を取り忘れたワインから
リース 「アリージア」シャルドネ アンダーソン・ヴァレー 2017 7500円
リース 「アリージア」ピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー 2017 7500円
サンタ・クルーズ・マウンテンズとアンダーソン・ヴァレーの自社畑から高品質なシャルドネとピノ・ノワールを造っているリース(Rhys)。そのAVA版がアリージア(Alesia)。といってもアンダーソン・ヴァレーの自社畑はベアワロー一つですから、どちらもベアワローのブドウだけを使ったワインです。どちらも十分に高品質。リースの世界観は単一畑物と共通していますから、ちょっとお高い単一畑に手を出すのを躊躇している人は、まずこれから試してみるのがいいと思います。
ベッドロック リースリング ワーツ・ヴィンヤード 2018 4500円
「カレラ」の近くにあるリースリングの古木の畑という、レア感満載のワインですが、ワイン自体もミネラル感がすごく、香り豊かで美味しいです。ドライなリースリング。
オー・ボン・クリマ シャルドネ「ミッション・ラベル」 2017 3980円
オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール「ミッション・ラベル」 2017 3980円
「今さらオー・ボン・クリマ?」と思うなかれ。コスパは抜群に高いです。実売では3000円台前半でも買えます。シャルドネはこの価格帯にして、エレガントさやミネラル感がきちんとあるワイン。ピノ・ノワールも果実味よく旨味もあり、バランスのいいワイン。
マックマニス プティ・シラー 2017 1980円
マックマニス ジンファンデル 2017 1980円
マックマニス カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 1980円
コスパの高さで知られる生産者です。さまざまな品種がありますが、安定して良いのは暖かいところに強い品種だと思います。プティ・シラーは、この品種としては濃厚さばかりでなくやわらかさもあり飲みやすいです。ジンファンデルもジューシー。ぜひお試しあれ。
ベッドロック 「シェバング!」 レッドワイン 12thキュベ NV 2800円
ベッドロックが作るジンファンデル系のノン・ヴィンテージのブレンドワイン。単一畑のボトリングに入らなかったワインをブレンドしたもので、気楽に飲めることを目標にしています。飲みやすく、さまざまな風味があり、これも非常にコスパの高いワインです。
イーター カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 3800円。
今回は期せずしてコスパ系の紹介が多くなっていますが、これも価格以上に高級感のあるカベルネ・ソーヴィニヨン。バランスもよく飲みやすいです。
メルカ 「CJ/シージェー」 カベルネ・ソーヴィニヨン 2016 1万4000円
今ナパで最高のワインメーカーを選ぶとしたら、そのトップ5には必ず入ると思うのがフィリップ・メルカ。多数のワイナリーでワインメーカーやコンサルタントをしていますが、彼の自身のブランド「メルカ」の中では比較的安価なのがこの「CJ」。メルカの目のラベルが極めて印象的なワインでしたが、このヴィンテージは、娘クロエと息子ジェレミーの目を使っており、ちょっと優しい感じになりました。なお、CJの名前もこの二人の頭文字です。他のラベルも今後は奥さんの目も入るという話です。ワインは旨味ありボディもしっかり、とても複雑。トップクラスのカベルネ・ソーヴィニヨンと比べても引けを取らないワインです。
ビーヴァン・セラーズ 「オントジェニー」プロプライエタリ・レッドワイン 2016 1万7000円
今年の「カルト」系ワインのビッグニュースのひとつがビーヴァン・セラーズの国内正規輸入が始まったこと。これまで国内でも散発で売られることはありましたが、価格がグンと下がりました。ビーヴァン・セラーズはワインマニアがこうじてワインを作り始めたというユニークなワイナリー。ワインを本格的に飲みだしたのは1995年からと意外とキャリアは浅く、ある意味ワインマニアの夢をかなえたワイナリーです。比較的安価なこのブレンド、果実味、バランスよく複雑さもあり美味しいです。ビーヴァン・セラーズの入門に。
ボンド ヴァシーナ 2015 9万円
ハーラン第2のプロジェクト「ボンド」のヴァシーナ(Vecina)。オークヴィルのハーラン・エステートの畑から一番近くにあるのがここ。価格も群を抜きますが、レベルの高さも際立っていました。ひれ伏すようなワイン。さすが。
既に一部のワインは「ビビアナ・ゴンザレス・レーヴのワインがすごい!」という記事で書いていますので、それ以外のワインを取り上げます。
まず最初に、写真を取り忘れたワインから
リース 「アリージア」シャルドネ アンダーソン・ヴァレー 2017 7500円
リース 「アリージア」ピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー 2017 7500円
サンタ・クルーズ・マウンテンズとアンダーソン・ヴァレーの自社畑から高品質なシャルドネとピノ・ノワールを造っているリース(Rhys)。そのAVA版がアリージア(Alesia)。といってもアンダーソン・ヴァレーの自社畑はベアワロー一つですから、どちらもベアワローのブドウだけを使ったワインです。どちらも十分に高品質。リースの世界観は単一畑物と共通していますから、ちょっとお高い単一畑に手を出すのを躊躇している人は、まずこれから試してみるのがいいと思います。
ベッドロック リースリング ワーツ・ヴィンヤード 2018 4500円
「カレラ」の近くにあるリースリングの古木の畑という、レア感満載のワインですが、ワイン自体もミネラル感がすごく、香り豊かで美味しいです。ドライなリースリング。
オー・ボン・クリマ シャルドネ「ミッション・ラベル」 2017 3980円
オー・ボン・クリマ ピノ・ノワール「ミッション・ラベル」 2017 3980円
「今さらオー・ボン・クリマ?」と思うなかれ。コスパは抜群に高いです。実売では3000円台前半でも買えます。シャルドネはこの価格帯にして、エレガントさやミネラル感がきちんとあるワイン。ピノ・ノワールも果実味よく旨味もあり、バランスのいいワイン。
マックマニス プティ・シラー 2017 1980円
マックマニス ジンファンデル 2017 1980円
マックマニス カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 1980円
コスパの高さで知られる生産者です。さまざまな品種がありますが、安定して良いのは暖かいところに強い品種だと思います。プティ・シラーは、この品種としては濃厚さばかりでなくやわらかさもあり飲みやすいです。ジンファンデルもジューシー。ぜひお試しあれ。
ベッドロック 「シェバング!」 レッドワイン 12thキュベ NV 2800円
ベッドロックが作るジンファンデル系のノン・ヴィンテージのブレンドワイン。単一畑のボトリングに入らなかったワインをブレンドしたもので、気楽に飲めることを目標にしています。飲みやすく、さまざまな風味があり、これも非常にコスパの高いワインです。
イーター カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 3800円。
今回は期せずしてコスパ系の紹介が多くなっていますが、これも価格以上に高級感のあるカベルネ・ソーヴィニヨン。バランスもよく飲みやすいです。
メルカ 「CJ/シージェー」 カベルネ・ソーヴィニヨン 2016 1万4000円
今ナパで最高のワインメーカーを選ぶとしたら、そのトップ5には必ず入ると思うのがフィリップ・メルカ。多数のワイナリーでワインメーカーやコンサルタントをしていますが、彼の自身のブランド「メルカ」の中では比較的安価なのがこの「CJ」。メルカの目のラベルが極めて印象的なワインでしたが、このヴィンテージは、娘クロエと息子ジェレミーの目を使っており、ちょっと優しい感じになりました。なお、CJの名前もこの二人の頭文字です。他のラベルも今後は奥さんの目も入るという話です。ワインは旨味ありボディもしっかり、とても複雑。トップクラスのカベルネ・ソーヴィニヨンと比べても引けを取らないワインです。
ビーヴァン・セラーズ 「オントジェニー」プロプライエタリ・レッドワイン 2016 1万7000円
今年の「カルト」系ワインのビッグニュースのひとつがビーヴァン・セラーズの国内正規輸入が始まったこと。これまで国内でも散発で売られることはありましたが、価格がグンと下がりました。ビーヴァン・セラーズはワインマニアがこうじてワインを作り始めたというユニークなワイナリー。ワインを本格的に飲みだしたのは1995年からと意外とキャリアは浅く、ある意味ワインマニアの夢をかなえたワイナリーです。比較的安価なこのブレンド、果実味、バランスよく複雑さもあり美味しいです。ビーヴァン・セラーズの入門に。
ボンド ヴァシーナ 2015 9万円
ハーラン第2のプロジェクト「ボンド」のヴァシーナ(Vecina)。オークヴィルのハーラン・エステートの畑から一番近くにあるのがここ。価格も群を抜きますが、レベルの高さも際立っていました。ひれ伏すようなワイン。さすが。
ワインセラーパリ16区で増税前の在庫整理ということで、デュモルやウイリアムズ・セリエムのオールド・ヴィンテージのワインが安くなっています。
デュモルはソノマ・コースト(グリーン・ヴァレー)のワイルドホース・ヴィンヤードなどのピノ・ノワールを使った「アイダン」2006年が税込み1万円強。現行ヴィンテージだとAVAで1万円強、畑名指定のワインだと1万5000円前後しますから、かなりの割安です。このほかシラーもあります。
ウイリアムズ・セリエムは2002年や2003年の単一畑ピノ・ノワールが1万3000~1万5000円台。これも現行ヴィンテージになると2万円以上も珍しくありません。
貴重な熟成ワイン、しかもピノ・ノワールが、これだけ安く手に入ることはなかなかないと思います。
デュモルはソノマ・コースト(グリーン・ヴァレー)のワイルドホース・ヴィンヤードなどのピノ・ノワールを使った「アイダン」2006年が税込み1万円強。現行ヴィンテージだとAVAで1万円強、畑名指定のワインだと1万5000円前後しますから、かなりの割安です。このほかシラーもあります。
ウイリアムズ・セリエムは2002年や2003年の単一畑ピノ・ノワールが1万3000~1万5000円台。これも現行ヴィンテージになると2万円以上も珍しくありません。
貴重な熟成ワイン、しかもピノ・ノワールが、これだけ安く手に入ることはなかなかないと思います。
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるワイナリー「ギャリー・ファレル(Gary Garrell)」のジェネラル・マネージャー、ナンシー・ベイリーさんが先日来日し、セミナーを開催しました。
ギャリー・ファレルはソノマの老舗ワイナリー「デイヴィス・バイナム(Davis Bynum)」でワインメーカーを務めてたギャリー・ファレルが1982年に設立したワイナリー。ギャリー・ファレルはソノマで最も尊敬されているワインメーカーと言われており、多くのワイナリーやワインメーカーのメンター的な役割を果たしていました。また、その関係からロキオリ(Rochioli)をはじめとした素晴らしい畑からブドウの提供を受けるようになりました。
しかし、2004年にワイナリーを売却して以降はオーナーが次々と変わり、ギャリー・ファレル自身も2006年にアリシアン(Alysian)を設立してそちらに専念(現在は完全に引退しています)。そんな形でワイナリーも2000年代のピノ・ノワール・ブームの中に埋没してしまい、いつしか「昔の名前」になってしまっていました。
その状況を変えたのが現在のワインメーカーであるテレサ・ヘレディア(Theresa Heredia)。2012年に就任後、ワイン造りを立て直し、現在ではかつてのギャリー・ファレル時代よりも上と言われるくらい美味しいワインを造っています。オーナーもキスラーやコスタ・ブラウンなどを所有するビル・プライスに変わり、財政的基盤も安定しました。まだ種類は少ないですが、日本への輸入も再開しました。
今回のセミナーでは現在輸入されているAVAのワインだけでなく「ロキオリ-アレン」など、未輸入の単一畑ワインも提供され、ロシアン・リバー・ヴァレーのさまざまな地域の特性などを見ていきました。
ワイン造りはギャリー・ファレル時代よりも全体にライトなスタイルになっています。ブドウを収穫する糖度も少し下がり、樽もトーストが以前より軽いものになっています。一方で白ワインではオリとのコンタクトを増やす、ピノ・ノワールではコールド・マセレーションやイクステンディッド・マセレーションなど、果皮との接触時間を増やすテクニックを導入するなどで、ブドウの味をより引き出す形になっているようです。また、白ワインでは一部、コンクリート・エッグと呼ばれる卵型のコンクリート槽を使った発酵・熟成も導入しています。楕円形になっていることにより、自然な対流が起こってより味を引き出したり、コンクリートの小さな穴を通して酸素とのコンタクトが起こりクリーミーなテクスチャーになったりすると言われています。赤ワインでは大樽を使った発酵も行っています。
ギャリー・ファレルは自社畑を持っていないのですが、ギャリー・ファレル時代から続く畑の生産者との関係は残っており、合計で43もの畑のブドウを使っています。シャルドネのAVAものでは16、ピノ・ノワールのAVAものでは22もの畑のワインをブレンドしています。3週間かけてブラインドですべてのワインを試飲しブレンドを決めていくそうです。
また、今回のセミナーではロシアン・リバー・ヴァレーをさらに5つの地域に分け、そこの単一畑のピノ・ノワールを試飲しています。
ロシアン・リバー・ヴァレーはソノマの中でもかなり広い面積のAVAで、ソノマ・コーストのAVAとも一部地域が重なっていますし、グリーン・ヴァレーをほぼ包含、チョーク・ヒルとも一部重なっています。グリーン・ヴァレーに属する地域など相当冷涼なところもあれば、ジンファンデルが作られる温暖な場所もあります。土壌もさまざまです。そこで、2014年頃からロシアン・リバー・ヴァレーを5つの地域に分け、それぞれの地域のワイン(未完成のもの)を様々なワイナリーが持ち寄ってブラインドで試飲。地域ごとの共通項を導き出すといった「ロシアン・リバー・ヴァレー・ネイバーフッド・イニシアティブ」を行っているとのこと。
5つの地域は以下のようになっています。
セバストポール・ヒルズ:ロシアン・リバー・ヴァレーの南部でペタルマ・ギャップからの強い風が吹き込み一番冷涼。土壌は砂と粘土が混じった「ゴールドリッジ」ですが、やや粘土が多め。
グリーン・ヴァレー:セバストポール・ヒルズの北西。太平洋に近く霧の影響が大きいが、丘が多く高いところと低いところの違いも大きい地域。砂が多めのゴールドリッジ。
ラグナ・リッジ:グリーン・ヴァレーの東側の丘陵地帯。やや暖かく霜の心配はない。早く芽吹くため生育期間が長い。ゴールドリッジ。
サンタ・ローザ・プレインズ:ラグナ・リッジの東側の平原地帯。ラグナ・リッジより暖かい。海洋性の堆積土壌でミネラルに富む。
ミドル・ランチ:ロシアン・リバー沿いのやや上流。一番暖かい。砂岩やシェールなど。
試飲に移りましょう。
最初は日本にも輸入されているロシアン・リバー・セレクション シャルドネ 2016です。エレガントなシャルドネ。青りんごなどのやわらかな果実味。チョーク、白い花の香り。きれいです。美味しい。
次は輸入されているなかで唯一の単一畑、オリヴェット・レーンのシャルドネ2015です。最初のシャルドネより色濃く香りも果実味も豊か。オレンジやカスタードの味わい。ミネラル感もあります。とてもいいワインだと思います。
3番から6番までは日本未輸入の単一畑のピノ・ノワール。上記のロシアン・リバー・ヴァレーの地域ごとの味わいを見るために選ばれました。
3番めはセバストポール・ヒルズにあるマクドナルド・マウンテン ピノ・ノワール2016。ダーク・チェリーやザクロの味わい。紅茶の香り。酸は中程度でタンニンはかなりしっかり感じます。一番冷涼な地域ですが、冷涼感はそこまで感じず、複雑さを感じるワインでした。
4番めはグリーン・ヴァレーにあるホールバーグ・ヴィンヤード ピノ・ノワール2016。ラズベリーにカシス、ダーク・チェリーの味わい。ロシアン・リバー・ヴァレーらしいボディのあるピノ・ノワールです。
5番目はサンタ・ローザ・プレインズにあるマルタエラ・ヴィンヤード ピノ・ノワール2016。色はこれが一番濃いです。ラズベリーの風味。ミントやスパイスなど複雑さがあるワイン。
6番目はミドル・ランチにあるロキオリ-アレン ピノ・ノワール2016です。アレンはあロキオリの隣にある隣人の畑なのですが、実際にはロキオリがすべて管理しているロキオリの一部といっても過言ではない畑です。ロシアン・リバー・ヴァレーの中では比較的暖かいというミドル・ランチですが、このワインは単一畑の中では一番エレガントで酸がきれい。紅茶やアジアン・スパイスの風味が複雑さを与えています。個人的には単一畑の4種の中ではこれが一番好きでした。
7番目はブレンドもののロシアン・リバー・セレクション ピノ・ノワール2016。前述のように22の畑のワインをブレンドしています。その中にはなんと遠くサンタ・バーバラのサンフォード・ベネディクト・ヴィンヤードのものも含まれているそうです。ロシアン・リバー・ヴァレーらしいダークな果実感とバランスがいいワイン。ロシアン・リバー・ヴァレーらしさを感じるにはまずこのワインがいいのではないでしょうか。
久しぶりに試飲したギャリー・ファレル。レベルの底上げが素晴らしいと思います。AVAものというと格が下というイメージになりやすいですが、どちらかというと単一畑が畑の個性を引き出すのに対し、ブレンドものはワインの美味しさを全面に出しているような気がします。
ナンシー・ベイリーさん(左)と通訳・セミナーコーディネーターの立花峰夫さん(右)
ギャリー・ファレルはソノマの老舗ワイナリー「デイヴィス・バイナム(Davis Bynum)」でワインメーカーを務めてたギャリー・ファレルが1982年に設立したワイナリー。ギャリー・ファレルはソノマで最も尊敬されているワインメーカーと言われており、多くのワイナリーやワインメーカーのメンター的な役割を果たしていました。また、その関係からロキオリ(Rochioli)をはじめとした素晴らしい畑からブドウの提供を受けるようになりました。
しかし、2004年にワイナリーを売却して以降はオーナーが次々と変わり、ギャリー・ファレル自身も2006年にアリシアン(Alysian)を設立してそちらに専念(現在は完全に引退しています)。そんな形でワイナリーも2000年代のピノ・ノワール・ブームの中に埋没してしまい、いつしか「昔の名前」になってしまっていました。
その状況を変えたのが現在のワインメーカーであるテレサ・ヘレディア(Theresa Heredia)。2012年に就任後、ワイン造りを立て直し、現在ではかつてのギャリー・ファレル時代よりも上と言われるくらい美味しいワインを造っています。オーナーもキスラーやコスタ・ブラウンなどを所有するビル・プライスに変わり、財政的基盤も安定しました。まだ種類は少ないですが、日本への輸入も再開しました。
今回のセミナーでは現在輸入されているAVAのワインだけでなく「ロキオリ-アレン」など、未輸入の単一畑ワインも提供され、ロシアン・リバー・ヴァレーのさまざまな地域の特性などを見ていきました。
ワイン造りはギャリー・ファレル時代よりも全体にライトなスタイルになっています。ブドウを収穫する糖度も少し下がり、樽もトーストが以前より軽いものになっています。一方で白ワインではオリとのコンタクトを増やす、ピノ・ノワールではコールド・マセレーションやイクステンディッド・マセレーションなど、果皮との接触時間を増やすテクニックを導入するなどで、ブドウの味をより引き出す形になっているようです。また、白ワインでは一部、コンクリート・エッグと呼ばれる卵型のコンクリート槽を使った発酵・熟成も導入しています。楕円形になっていることにより、自然な対流が起こってより味を引き出したり、コンクリートの小さな穴を通して酸素とのコンタクトが起こりクリーミーなテクスチャーになったりすると言われています。赤ワインでは大樽を使った発酵も行っています。
ギャリー・ファレルは自社畑を持っていないのですが、ギャリー・ファレル時代から続く畑の生産者との関係は残っており、合計で43もの畑のブドウを使っています。シャルドネのAVAものでは16、ピノ・ノワールのAVAものでは22もの畑のワインをブレンドしています。3週間かけてブラインドですべてのワインを試飲しブレンドを決めていくそうです。
また、今回のセミナーではロシアン・リバー・ヴァレーをさらに5つの地域に分け、そこの単一畑のピノ・ノワールを試飲しています。
ロシアン・リバー・ヴァレーはソノマの中でもかなり広い面積のAVAで、ソノマ・コーストのAVAとも一部地域が重なっていますし、グリーン・ヴァレーをほぼ包含、チョーク・ヒルとも一部重なっています。グリーン・ヴァレーに属する地域など相当冷涼なところもあれば、ジンファンデルが作られる温暖な場所もあります。土壌もさまざまです。そこで、2014年頃からロシアン・リバー・ヴァレーを5つの地域に分け、それぞれの地域のワイン(未完成のもの)を様々なワイナリーが持ち寄ってブラインドで試飲。地域ごとの共通項を導き出すといった「ロシアン・リバー・ヴァレー・ネイバーフッド・イニシアティブ」を行っているとのこと。
5つの地域は以下のようになっています。
セバストポール・ヒルズ:ロシアン・リバー・ヴァレーの南部でペタルマ・ギャップからの強い風が吹き込み一番冷涼。土壌は砂と粘土が混じった「ゴールドリッジ」ですが、やや粘土が多め。
グリーン・ヴァレー:セバストポール・ヒルズの北西。太平洋に近く霧の影響が大きいが、丘が多く高いところと低いところの違いも大きい地域。砂が多めのゴールドリッジ。
ラグナ・リッジ:グリーン・ヴァレーの東側の丘陵地帯。やや暖かく霜の心配はない。早く芽吹くため生育期間が長い。ゴールドリッジ。
サンタ・ローザ・プレインズ:ラグナ・リッジの東側の平原地帯。ラグナ・リッジより暖かい。海洋性の堆積土壌でミネラルに富む。
ミドル・ランチ:ロシアン・リバー沿いのやや上流。一番暖かい。砂岩やシェールなど。
試飲に移りましょう。
最初は日本にも輸入されているロシアン・リバー・セレクション シャルドネ 2016です。エレガントなシャルドネ。青りんごなどのやわらかな果実味。チョーク、白い花の香り。きれいです。美味しい。
次は輸入されているなかで唯一の単一畑、オリヴェット・レーンのシャルドネ2015です。最初のシャルドネより色濃く香りも果実味も豊か。オレンジやカスタードの味わい。ミネラル感もあります。とてもいいワインだと思います。
3番から6番までは日本未輸入の単一畑のピノ・ノワール。上記のロシアン・リバー・ヴァレーの地域ごとの味わいを見るために選ばれました。
3番めはセバストポール・ヒルズにあるマクドナルド・マウンテン ピノ・ノワール2016。ダーク・チェリーやザクロの味わい。紅茶の香り。酸は中程度でタンニンはかなりしっかり感じます。一番冷涼な地域ですが、冷涼感はそこまで感じず、複雑さを感じるワインでした。
4番めはグリーン・ヴァレーにあるホールバーグ・ヴィンヤード ピノ・ノワール2016。ラズベリーにカシス、ダーク・チェリーの味わい。ロシアン・リバー・ヴァレーらしいボディのあるピノ・ノワールです。
5番目はサンタ・ローザ・プレインズにあるマルタエラ・ヴィンヤード ピノ・ノワール2016。色はこれが一番濃いです。ラズベリーの風味。ミントやスパイスなど複雑さがあるワイン。
6番目はミドル・ランチにあるロキオリ-アレン ピノ・ノワール2016です。アレンはあロキオリの隣にある隣人の畑なのですが、実際にはロキオリがすべて管理しているロキオリの一部といっても過言ではない畑です。ロシアン・リバー・ヴァレーの中では比較的暖かいというミドル・ランチですが、このワインは単一畑の中では一番エレガントで酸がきれい。紅茶やアジアン・スパイスの風味が複雑さを与えています。個人的には単一畑の4種の中ではこれが一番好きでした。
7番目はブレンドもののロシアン・リバー・セレクション ピノ・ノワール2016。前述のように22の畑のワインをブレンドしています。その中にはなんと遠くサンタ・バーバラのサンフォード・ベネディクト・ヴィンヤードのものも含まれているそうです。ロシアン・リバー・ヴァレーらしいダークな果実感とバランスがいいワイン。ロシアン・リバー・ヴァレーらしさを感じるにはまずこのワインがいいのではないでしょうか。
久しぶりに試飲したギャリー・ファレル。レベルの底上げが素晴らしいと思います。AVAものというと格が下というイメージになりやすいですが、どちらかというと単一畑が畑の個性を引き出すのに対し、ブレンドものはワインの美味しさを全面に出しているような気がします。
ナンシー・ベイリーさん(左)と通訳・セミナーコーディネーターの立花峰夫さん(右)
トカロン・ウォッチャーのAndyです。トカロン(ト・カロン、To-Kalon)が商標なのか土地の名前なのかというのは今世紀に入ってから度々話題に上り、訴訟にも発展しています。
2017年には地図上にトカロンの名前が初めて載るというできごとがありました(トカロン論争は今も終わらず…)。この、トカロン・クリークについて名前を撤回するよう、「トカロン」の商標を持つコンステレーション・ブランズが、登録したマクドナルド・ヴィンヤーズに対して圧力をかけていたことが、マクドナルドのメーリングリスト登録者向けレターで明らかにされました。
これによるとマクドナルドの兄弟はコンステレーションのニューヨークのオフィスに呼び出され、弁護士らに、名前を撤回したらワイン・ラベルに「トカロン」と入れるのを認めるという圧力をかけられたとのこと。兄弟は、トカロンの名前は土地であるという信念に基づいて、これを断りました。
コンステレーション側がこの後どういう動きに出るのかわかりませんが、以前の記事に書いた
なお、今年春にはファーニエンテの系列の「ヴィンヤードハウス」が商標を無効として訴えるという事件がありましたが、これはやや無理筋で、裁判所から却下されています(「トカロン」の名前は誰のもの? 商標めぐり訴訟再び)。
トカロンの話だけで1時間は楽に話せると思うのですが、ちょっとマニアックすぎるかな。だれかしゃべらせてください(笑)。
2017年には地図上にトカロンの名前が初めて載るというできごとがありました(トカロン論争は今も終わらず…)。この、トカロン・クリークについて名前を撤回するよう、「トカロン」の商標を持つコンステレーション・ブランズが、登録したマクドナルド・ヴィンヤーズに対して圧力をかけていたことが、マクドナルドのメーリングリスト登録者向けレターで明らかにされました。
これによるとマクドナルドの兄弟はコンステレーションのニューヨークのオフィスに呼び出され、弁護士らに、名前を撤回したらワイン・ラベルに「トカロン」と入れるのを認めるという圧力をかけられたとのこと。兄弟は、トカロンの名前は土地であるという信念に基づいて、これを断りました。
コンステレーション側がこの後どういう動きに出るのかわかりませんが、以前の記事に書いた
トカロンの名称については「土地の名前」なのか「ブランドの名前」なのかという論争が前述の係争のときに起こったのですが、和解してしまったため、そこには結論は出ていません。今回のトカロン・クリークは長期的にはこの問題に関連してくる可能性があると考えられていますが早くも現実の問題になってしまいました。
なお、今年春にはファーニエンテの系列の「ヴィンヤードハウス」が商標を無効として訴えるという事件がありましたが、これはやや無理筋で、裁判所から却下されています(「トカロン」の名前は誰のもの? 商標めぐり訴訟再び)。
トカロンの話だけで1時間は楽に話せると思うのですが、ちょっとマニアックすぎるかな。だれかしゃべらせてください(笑)。
ソノマ・カウンティ・ワイングロワーズ・アソシエーション()は9月12日、ソノマ郡の畑の99%がサステナブルの認証を受けたと発表しました(99 percent of Sonoma County Vineyards Certified Sustainable)。
ソノマ・カウンティ・ワイングロワーズ・アソシエーションは2014年に2019年内に100%サステナブルを目指すと公表。サステナブルの具体的な目標を挙げた最初の団体になりました。目標まであと3カ月というところで99%達成というのは素晴らしい成果だと思います。
ソノマ・カウンティ・ワイングロワーズ・アソシエーションは2014年に2019年内に100%サステナブルを目指すと公表。サステナブルの具体的な目標を挙げた最初の団体になりました。目標まであと3カ月というところで99%達成というのは素晴らしい成果だと思います。
しあわせワイン倶楽部でパリ(Pali)のシャルドネ「チャームエーカー」がヴィンテージ切り替え特価になっています。
アイコニックワイン・ジャパンが輸入しているパリのシャルドネやピノ・ノワールは通常価格が3000円台半ばで、それでもかなりコスパの高いワインです。何回も試飲していますが、そのたびにコスパの高さに感心しています。ソノマコーストのブドウで冷涼感もあり、バランスがいいワインです。
今回はヴィンテージ切り替えで3割引。かなりお得です。
アイコニックワイン・ジャパンが輸入しているパリのシャルドネやピノ・ノワールは通常価格が3000円台半ばで、それでもかなりコスパの高いワインです。何回も試飲していますが、そのたびにコスパの高さに感心しています。ソノマコーストのブドウで冷涼感もあり、バランスがいいワインです。
今回はヴィンテージ切り替えで3割引。かなりお得です。
ワシントン州南部でワシントンで2番めにワイナリーが集中しているワラワラ・ヴァレーでフィロキセラの被害が広がっていることが判明しました(Walla Walla Wine Confronts Phylloxera | Wine Spectator)。
ワラワラ・ヴァレーは砂地の土壌が中心であることと、冬は非常に温度が下がるためこれまでフィロキセラは繁殖しないと考えられていました。そのため、大部分のブドウが自根で植えられています。
実はここ数年、ブドウの木が枯れかけてきているところが増えてきていました。しかしその速度がゆっくりなことから、フィロキセラのせいとは考えられていなかったそうです。
フィロキセラの発見は関係者にとってはショッキングなことですが、被害の進行が遅いためコントロール可能ではないかとも考えられています。
被害が最小限にとどまるといいのですが。
ワラワラ・ヴァレーは砂地の土壌が中心であることと、冬は非常に温度が下がるためこれまでフィロキセラは繁殖しないと考えられていました。そのため、大部分のブドウが自根で植えられています。
実はここ数年、ブドウの木が枯れかけてきているところが増えてきていました。しかしその速度がゆっくりなことから、フィロキセラのせいとは考えられていなかったそうです。
フィロキセラの発見は関係者にとってはショッキングなことですが、被害の進行が遅いためコントロール可能ではないかとも考えられています。
被害が最小限にとどまるといいのですが。
柳屋でオレゴンの雄イヴニング・ランドのピノ・ノワールが現地価格並みに安くなっています。
イヴニング・ランドは約10年前に有名ソムリエのラリー・ストーンなどが設立したワイナリー。ブルゴーニュの有名ドメーヌ「コント・ラフォン」がコンサルタントに加わったことなど、最初からオールスター的な布陣で話題を呼びました。現在はサンタ・バーバラのサンディやドメーヌ・ド・ラ・コートなどを手掛けるラジャ・パーとサシ・ムーアマンが所有しています。
2015年にはワイン・スペクテーターでピノ・ノワールが年間3位に選ばれています。そのときのレイティング98はオレゴンのピノ・ノワールとしては同誌の最高得点です。
ここの自社畑「セブン・スプリングス」のブドウを使ったピノ・ノワール2015が税抜3990円。ワイン・サーチャーによる平均価格が税抜40ドルですから、実質現地価格以下といってもいいくらいの安さです。ちなみに1年前には同じワインが5000円台になって安いということで、記事を書いているくらいです。また、イヴニング・ランドが作る外部のブドウを使ったピノ・ノワールはセーレムという別ブランドになっていますが、そちらも税込みで4000円程度ですからほとんど変わりありません。なお、ワイン・スペクテーターでは93点と、かなり高く評価されています。この価格帯で93点はなかなかないでしょう。
参考:
オレゴンの雄イヴニングランドから学ぶオレゴンワイン(前編)
イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)
ドメーヌ・ド・ラ・コートやイヴニング・ランドが亜硫酸削減のためにやっていること
イヴニング・ランドは約10年前に有名ソムリエのラリー・ストーンなどが設立したワイナリー。ブルゴーニュの有名ドメーヌ「コント・ラフォン」がコンサルタントに加わったことなど、最初からオールスター的な布陣で話題を呼びました。現在はサンタ・バーバラのサンディやドメーヌ・ド・ラ・コートなどを手掛けるラジャ・パーとサシ・ムーアマンが所有しています。
2015年にはワイン・スペクテーターでピノ・ノワールが年間3位に選ばれています。そのときのレイティング98はオレゴンのピノ・ノワールとしては同誌の最高得点です。
ここの自社畑「セブン・スプリングス」のブドウを使ったピノ・ノワール2015が税抜3990円。ワイン・サーチャーによる平均価格が税抜40ドルですから、実質現地価格以下といってもいいくらいの安さです。ちなみに1年前には同じワインが5000円台になって安いということで、記事を書いているくらいです。また、イヴニング・ランドが作る外部のブドウを使ったピノ・ノワールはセーレムという別ブランドになっていますが、そちらも税込みで4000円程度ですからほとんど変わりありません。なお、ワイン・スペクテーターでは93点と、かなり高く評価されています。この価格帯で93点はなかなかないでしょう。
参考:
オレゴンの雄イヴニングランドから学ぶオレゴンワイン(前編)
イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)
ドメーヌ・ド・ラ・コートやイヴニング・ランドが亜硫酸削減のためにやっていること
先日、アカデミー・デュ・ヴァンの「カリフォルニアの名門ワイナリー」講座でキスラーを取り上げました。
今回は2シーズン目なので基本的には昨シーズンと同じ内容ですが、家にロシアン・リヴァー・ヴァレーの畑の地図があるのを見つけたので、それを使ってロシアン・リヴァー・ヴァレーの地形や霧の動きなどの話をしました。
ただこの地図、たぶん17、8年ほど前に買ったものなので、新しい畑がほとんど載っていません。例えば、スティーブ・キスラーが現在ピノ・ノワールを作っているオクシデンタルの畑などは一つもありません。それはそれで面白くて、まだソノマ・コーストが未開の地だった感じがわかるような気がしました。
ちなみに、地図に載っていた中で、一番冷涼と思われるところにあった畑はSummaとThieriot(この畑は並んでいます)のところ。今はリトライとかリヴァース・マリーとかがワインを作っている畑です。確かトーマス・リヴァース・ブラウンがSummaを買ったのが2004年くらいだったと思うので、それ以前のオーナーの時代だったのでしょうね。
ワインは古いものが2008年、新しいのが2013年や2014年のものを試飲。2008年のシャルドネやピノ・ノワールもかなりきれいに熟成しており、受講生の人気もかなり分かれました。どのワインも非常にレベルが高かったので受講生の満足度も高かったと思います。
個人的には、冷涼感が感じられるオクシデンタルのピノ・ノワールはやっぱりいいよなあという感じ。
ちなみに次期講座、まだ空きがあります。
よろしかったらぜひご受講ください。試飲ワインはかなりというかむちゃくちゃ豪勢です。
カリフォルニアの名門ワイナリー
続・カリフォルニアの名門ワイナリー
カリフォルニアの超一流ワイナリー
今回は2シーズン目なので基本的には昨シーズンと同じ内容ですが、家にロシアン・リヴァー・ヴァレーの畑の地図があるのを見つけたので、それを使ってロシアン・リヴァー・ヴァレーの地形や霧の動きなどの話をしました。
ただこの地図、たぶん17、8年ほど前に買ったものなので、新しい畑がほとんど載っていません。例えば、スティーブ・キスラーが現在ピノ・ノワールを作っているオクシデンタルの畑などは一つもありません。それはそれで面白くて、まだソノマ・コーストが未開の地だった感じがわかるような気がしました。
ちなみに、地図に載っていた中で、一番冷涼と思われるところにあった畑はSummaとThieriot(この畑は並んでいます)のところ。今はリトライとかリヴァース・マリーとかがワインを作っている畑です。確かトーマス・リヴァース・ブラウンがSummaを買ったのが2004年くらいだったと思うので、それ以前のオーナーの時代だったのでしょうね。
ワインは古いものが2008年、新しいのが2013年や2014年のものを試飲。2008年のシャルドネやピノ・ノワールもかなりきれいに熟成しており、受講生の人気もかなり分かれました。どのワインも非常にレベルが高かったので受講生の満足度も高かったと思います。
個人的には、冷涼感が感じられるオクシデンタルのピノ・ノワールはやっぱりいいよなあという感じ。
ちなみに次期講座、まだ空きがあります。
よろしかったらぜひご受講ください。試飲ワインはかなりというかむちゃくちゃ豪勢です。
カリフォルニアの名門ワイナリー
続・カリフォルニアの名門ワイナリー
カリフォルニアの超一流ワイナリー
9月頭にオーパス・ワン(Opus One)2016の出荷が始まりました(Opus One 2016 released - Liv-ex)。オーパス・ワンは米国外での流通は、ボルドーのネゴシアンを経由することになっており、日本にもネゴシアンからさまざまなインポーター経由で入荷することになります。
ネゴシアンからの出荷価格は€225(約2万6600円)。前年より8%値上がりしています。12本入あたりの価格は£2940で約38万7800円。
グラフでは市場価格と、ヴィナスによるレイティングを示していますが、評価の高い低いは価格とはほとんど連動せず、ヴィンテージが古くなるほど価格が上がっていっています。
2016年はナパのカベルネ・ソーヴィニヨン系は非常にいい年と見られています。ワインメーカーが「この年は記憶にない」と言ってしまうほど、悪条件がほとんどなかったヴィンテージ。オーパス・ワンの評価もかなり高くなっています。ヴィナスでは96+、ワイン・アドヴォケイトでは97+。ジェームズ・サックリングは99点をつけているとのこと。
2016年の特徴としては、ヴィナスのアントニオ・ガッローニは「open-knit」、アドヴォケイトのリサ・ペロッティ・ブラウンは「decadant」と書いています。陽性で、ついついグラスが進んでしまいそうなワインということだと思います。
こちらのグラフは、ヴィンテージが進むにつれて値段が上がっていっている様子を示しています。
日本には例年10月後半から11月頃に入荷してきます。2016年は早く飲んでもよし、熟成させてもよし、買って損のないヴィンテージだと思います。2015年が最安で4万円強(税込み)ですから、2016年も同等か少し高いくらいになるでしょう。
ネゴシアンからの出荷価格は€225(約2万6600円)。前年より8%値上がりしています。12本入あたりの価格は£2940で約38万7800円。
グラフでは市場価格と、ヴィナスによるレイティングを示していますが、評価の高い低いは価格とはほとんど連動せず、ヴィンテージが古くなるほど価格が上がっていっています。
2016年はナパのカベルネ・ソーヴィニヨン系は非常にいい年と見られています。ワインメーカーが「この年は記憶にない」と言ってしまうほど、悪条件がほとんどなかったヴィンテージ。オーパス・ワンの評価もかなり高くなっています。ヴィナスでは96+、ワイン・アドヴォケイトでは97+。ジェームズ・サックリングは99点をつけているとのこと。
2016年の特徴としては、ヴィナスのアントニオ・ガッローニは「open-knit」、アドヴォケイトのリサ・ペロッティ・ブラウンは「decadant」と書いています。陽性で、ついついグラスが進んでしまいそうなワインということだと思います。
こちらのグラフは、ヴィンテージが進むにつれて値段が上がっていっている様子を示しています。
日本には例年10月後半から11月頃に入荷してきます。2016年は早く飲んでもよし、熟成させてもよし、買って損のないヴィンテージだと思います。2015年が最安で4万円強(税込み)ですから、2016年も同等か少し高いくらいになるでしょう。
今、カリフォルニアで最もホットなワインメーカーの一人といってもいいでしょう、ビビアナ・ゴンザレス・レーヴのワインがきています。
2017年まで(2018年も収穫まで担当しているとのこと)ワインメーカーを務めたパルメイヤー(Pahlmeyer)とそのソノマ・コースト部門のウェイフェアラー(Wayfarer)では、パルメイヤーのシャルドネが2017年のワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれたり、ウェイフェアラーのピノ・ノワールがワイン・エンスージアストで99点、ワイン・アドヴォケイトで最高97+など、高評価が続出しました。ワイン・アドヴォケイトでは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンがウェイフェアラーだけの記事を書くほど高く評価しています。私も2016年に初めて試飲して以来、注目を続けているワイナリーです。
【2018年のセミナー報告はこちらから】
再注目のパルメイヤー、ゴージャスなシャルドネとシルキーなメルローに驚き
まだまだ進化中のウェイフェアラー、ピュアなシャルドネに感激、ピノ・ノワールに感嘆
彼女自身の評価ももちろん高いです。2015年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。ヴィナスのアントニオ・ガッローニも彼女を「米国でも最も才能がある若いワインメーカーの一人」と評しています。
パルメイヤーとウェイフェラーをやめた彼女が、現在注力しているのが自身のワイナリーであるカトレヤ(Cattleya)と、夫でピゾーニのワインメーカーであるジェフ・ピゾーニと一緒に手掛けるシェアード・ノーツ。今年から輸入が始まっています。
カトレヤのワインはピュアな果実味があり、とてもエレガント。シャルドネはミネラル感があり、同時にすごく柔らかさを感じました。ピノ・ノワールもとてもエレガント。スタイルとしてはIPOBなどバランス重視派に近いと思いますが、純粋な美味しさがあるので多くの人に好まれるワインだと思います。ちなみにカトレアでは単一畑のシャルドネやピノ・ノワール、シラーも作っていますが、今回はAVAものだけが入っています。どちらも希望小売価格は8500円。実際には7000円台で売っている店もあり、品質から見たらかなり割安感があります。
一方、シェアード・ノーツはソーヴィニヨン・ブラン2種だけを作るというユニークなワイナリー。シルバーオークのダンカン家が持っているトゥーミーの畑メリーノからのソーヴィニヨン・ムスケ(ソーヴィニヨン・ブランの一種で非常に香り高いクローン)などのブドウを使っています。
ワインはレ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)とレ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)の2つ。レ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)の方はロワールのスタイル、レ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)の方はボルドーのスタイルとのこと。
レ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)はとにかく香りが素晴らしい。ミネラル感も強くきりっと引き締まった味わい。素晴らしいです。レ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)はセミヨンが24%入っており、その分柔らかく、複雑さが増しています。全然違うスタイルですが、どちらも品質は極めて高いです。希望小売価格はどちらも1万1000円と高いですが、それだけのレベルはあると思います。
ワインの品質はどれも素晴らしいですが、難点は数が少ないこと。どれも生産量はわずか100ケース(1200本)ほど。当然日本に入って来ている数も2桁のかなり小さい方です。カトレヤの方は2カ月ほど前から入荷して既に店頭在庫もごくわずかになっています。購入するならお早めにどうぞ。
2017年まで(2018年も収穫まで担当しているとのこと)ワインメーカーを務めたパルメイヤー(Pahlmeyer)とそのソノマ・コースト部門のウェイフェアラー(Wayfarer)では、パルメイヤーのシャルドネが2017年のワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれたり、ウェイフェアラーのピノ・ノワールがワイン・エンスージアストで99点、ワイン・アドヴォケイトで最高97+など、高評価が続出しました。ワイン・アドヴォケイトでは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンがウェイフェアラーだけの記事を書くほど高く評価しています。私も2016年に初めて試飲して以来、注目を続けているワイナリーです。
【2018年のセミナー報告はこちらから】
再注目のパルメイヤー、ゴージャスなシャルドネとシルキーなメルローに驚き
まだまだ進化中のウェイフェアラー、ピュアなシャルドネに感激、ピノ・ノワールに感嘆
彼女自身の評価ももちろん高いです。2015年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。ヴィナスのアントニオ・ガッローニも彼女を「米国でも最も才能がある若いワインメーカーの一人」と評しています。
パルメイヤーとウェイフェラーをやめた彼女が、現在注力しているのが自身のワイナリーであるカトレヤ(Cattleya)と、夫でピゾーニのワインメーカーであるジェフ・ピゾーニと一緒に手掛けるシェアード・ノーツ。今年から輸入が始まっています。
カトレヤのワインはピュアな果実味があり、とてもエレガント。シャルドネはミネラル感があり、同時にすごく柔らかさを感じました。ピノ・ノワールもとてもエレガント。スタイルとしてはIPOBなどバランス重視派に近いと思いますが、純粋な美味しさがあるので多くの人に好まれるワインだと思います。ちなみにカトレアでは単一畑のシャルドネやピノ・ノワール、シラーも作っていますが、今回はAVAものだけが入っています。どちらも希望小売価格は8500円。実際には7000円台で売っている店もあり、品質から見たらかなり割安感があります。
一方、シェアード・ノーツはソーヴィニヨン・ブラン2種だけを作るというユニークなワイナリー。シルバーオークのダンカン家が持っているトゥーミーの畑メリーノからのソーヴィニヨン・ムスケ(ソーヴィニヨン・ブランの一種で非常に香り高いクローン)などのブドウを使っています。
ワインはレ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)とレ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)の2つ。レ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)の方はロワールのスタイル、レ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)の方はボルドーのスタイルとのこと。
レ・ピエール・キ・デスィード(約束の石)はとにかく香りが素晴らしい。ミネラル感も強くきりっと引き締まった味わい。素晴らしいです。レ・ルッソン・デ・メートル(師匠の教え)はセミヨンが24%入っており、その分柔らかく、複雑さが増しています。全然違うスタイルですが、どちらも品質は極めて高いです。希望小売価格はどちらも1万1000円と高いですが、それだけのレベルはあると思います。
ワインの品質はどれも素晴らしいですが、難点は数が少ないこと。どれも生産量はわずか100ケース(1200本)ほど。当然日本に入って来ている数も2桁のかなり小さい方です。カトレヤの方は2カ月ほど前から入荷して既に店頭在庫もごくわずかになっています。購入するならお早めにどうぞ。
カリフォルニアワイナリーアドバイザーというサイトが環境に優しいワイナリーを12個選出しています(12 Most Environmentally Friendly Wineries In California)。
まずはリストを挙げておきましょう。
1 Hamel Family Wines
2 Spottswoode
3 Benziger
4 Cliff Lede
5 Medrock Ames
6 St. Supéry
7 Kendall-Jackson
8 Cakebread
9 Ridge
10 Trefethen
11 Horse & Plow
12 Cade Estate
LEEDプラティナムを2つ受賞しているシルバーオークがなぜ入らないのかといった疑問はありますが、興味深いリストです。クリフレイディ、ケイクブレッド、トレフェセンは前回ナパに行ったときに訪問していますが、確かにどこも環境に頑張って取り組んでいるということは伝わってきました。
一番意外だったのは大手のケンダル・ジャクソンが入ったこと。LEEDのゴールドを受賞しているとのことです(プラティナムよりは下ですが)。
1位に選ばれたのは2014年に設立されたソノマの小さなワイナリー。カベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。バイオダイナミックでブドウを育てています。ユニークなのはほとんど灌漑なしでやっていること。そこが評価されて1位になったようです。
まずはリストを挙げておきましょう。
1 Hamel Family Wines
2 Spottswoode
3 Benziger
4 Cliff Lede
5 Medrock Ames
6 St. Supéry
7 Kendall-Jackson
8 Cakebread
9 Ridge
10 Trefethen
11 Horse & Plow
12 Cade Estate
LEEDプラティナムを2つ受賞しているシルバーオークがなぜ入らないのかといった疑問はありますが、興味深いリストです。クリフレイディ、ケイクブレッド、トレフェセンは前回ナパに行ったときに訪問していますが、確かにどこも環境に頑張って取り組んでいるということは伝わってきました。
一番意外だったのは大手のケンダル・ジャクソンが入ったこと。LEEDのゴールドを受賞しているとのことです(プラティナムよりは下ですが)。
1位に選ばれたのは2014年に設立されたソノマの小さなワイナリー。カベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。バイオダイナミックでブドウを育てています。ユニークなのはほとんど灌漑なしでやっていること。そこが評価されて1位になったようです。
カリフォルニアワインの情報を発信するための「カリフォルニアワインの玄関口」LINEアカウントを作りました。
基本的にはブログの投稿情報を流しますが、それ以外にも、「瞬殺」になりそうなワインのお得情報などはブログよりおLINEの方が向いているかなと思っています。
どうつかっていくかはまだ試行錯誤ですが、まずは登録いただけたら嬉しいです。
基本的にはブログの投稿情報を流しますが、それ以外にも、「瞬殺」になりそうなワインのお得情報などはブログよりおLINEの方が向いているかなと思っています。
どうつかっていくかはまだ試行錯誤ですが、まずは登録いただけたら嬉しいです。
ナパでフェアチャイルド(Fairchild)とストーンズ(Stones)の2ブランドを手掛けるローレンス・フェアチャイルドがマグナムボトルではありますが定価3500ドルという高額ワインを発売します(Has This $3,500 Bottle of Wine Just Set the New Bar for Napa Cabernet? – Robb Report)。
ペララス(Perrarus)というこのワイン、ラテン語で珍しいとか例外的という意味です。300本しか作られないこのワイン、1本1本手作りのボトルがユニークです。
ストーンズはNo.1からNo.3まで3種類の単一畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを作っていますが、ペララスはこの3つをブレンドしたものになります。畑はそれぞれセントヘレナ、プリチャード・ヒル、オークヴィルにあり、特にオークヴィルの2016年はジェブ・ダナックが100点、ワイン・アドヴォケイトが98点とすでに非常に高評価を得ています。
ワインメーカーはフィリップ・メルカ。下のリンクからメーリングリストに登録できます。
Perrarus
ペララス(Perrarus)というこのワイン、ラテン語で珍しいとか例外的という意味です。300本しか作られないこのワイン、1本1本手作りのボトルがユニークです。
ストーンズはNo.1からNo.3まで3種類の単一畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを作っていますが、ペララスはこの3つをブレンドしたものになります。畑はそれぞれセントヘレナ、プリチャード・ヒル、オークヴィルにあり、特にオークヴィルの2016年はジェブ・ダナックが100点、ワイン・アドヴォケイトが98点とすでに非常に高評価を得ています。
ワインメーカーはフィリップ・メルカ。下のリンクからメーリングリストに登録できます。
Perrarus
布袋ワインズの試飲会から美味しかったワインを紹介します。今回は特に新作で面白いものが充実していました。
今回はロシアン・リバー・ヴァレーのコーナーがあったのですが、レイミー(Ramey)の単一畑(リッチーRitchieとロキオリRochioli)は傑出していました(価格も高いですが)。特にロキオリは果実味の豊かさが印象的。エレガントなワインも美味しいですが、いかにもカリフォルニアらしいよさがあるワインです。
こちらはロキオリ(Rochioli)によるエステートのピノ・ノワール2017(10700円)。こちらもロシアン・リバー・ヴァレーらしいふくよかさに複雑味もあり、さすがロキオリというできです。
メドロック・エームズ(Medrock Ames)のワインメーカーを務めるクリストファー・クリステンセンの個人ブランドがボドキン(Bodkin)。ソーヴィニヨン・ブランにこだわりを持つワイナリーですが、このマスカット・カネリ アントゥ・ザ・ブリーチ2016(3400円)も面白い。甘口に作られることが多い品種ですが、ドライに仕上げていて美味しくきれいな味わい。価格も高くないし、すごくいいです。
コングスガードのジェネラル・マネージャーによる個人ブランドがファーディナンド(Ferdinand)。シンプルでデザイン性の高いラベルも好きなのですが、このアルバリーニョ2016(3900円)も果実味がきれいでクリーンな味わい。見た目と違って?爽やか系です。もっと知られていいワインだと思います。
ブランダー(Brader)のソーヴィニヨン・ブランはコスパが高い印象がありましたが、このオー・ナチュレル2017(5200円)はリッチな味わい。樽は使っていないのに複雑な味わいがあり、ブドウの品質の高さを感じられます。
今回の目玉の一つがこれではないかと思います。平林園枝さんが作るシックス・クローヴズ(Six Cloves)の2ヴィンテージ目。
前ヴィンテージの記事はこちら「リトライなどで修行した日本人の造るワインデビュー作」
特にシャルドネは今回スティーブ・マサイアソン(Steve Mattiason)のリンダ・ヴィスタ(Linda Vista)の畑(5800円)。平林さんはマサイアソンの元で働いていたこともあり、その縁でブドウを分けてもらえたそう。エレガントでミネラル感がありとても美味しいです。2018年のヴィンテージですから、もう半年くらい置いておくともっとよくなってきそう。ピノ・ノワールはこのヴィンテージ(2018年、6500円)からでソノマ・コーストのブドウ。こちらもかなりエレガント系。アジア系のスパイスや紅茶の香りがいいです。
これも今回の目玉になりそうなワイン。ヘッドハイというのはサーフィン用語で頭の高さくらいの波のこと。キスラーなどのオーナーであるビル・プライスのワイナリーで、彼が所有するギャップス・クラウン(Gap's Crown)やデュレル(Durell)、デオドラ(Deodora)の畑のブレンド。この畑で3600円は安いです。というかワイナリー価格35ドルよりも安いくらいで、これはむちゃくちゃコスパいいです。味わいも酸がきれいで美味しい。
ヘッドハイでは今回缶入りワインも登場です。こちらは250mlで900円。750mlに換算すると2700円です。上記のボトルのものとは中身も別で産地表記はカリフォルニアになっています。缶入りワインを飲むシチュエーションに合わせたのか、気楽に飲めるワイン。ちゃんとピノ・ノワールらしい味わいになっていて2700円のボトルのピノ・ノワールと比べてもほとんど遜色ないでしょう。これもワイナリー価格は4本で28ドル(1本あたり7ドル)なので、かなり格安です。
こちらも新入荷のワインでトレフェッセン(Trefethen)の中では安価なラインのダブルティーレッドワイン2016(4900円)。カベルネ・ソーヴィニヨンが55%でプティ・ヴェルドが23%も入っているのが特徴。この価格帯のボルドーブレンドとしてはボディがしっかりしているのはプティ・ヴェルドのおかげでしょう。
コスパのいいピノ・ノワールで知られるキャッスル・ロック(Castle Rock)のプティ・シラー(2300円)。これもこの価格帯としては異例なほどのパワフルさ。ガツンと来るワインを手軽に飲みたい人にいいと思います。
ラジエ・メレディス(Lagier Meredith)のシラー2014(8400円)。UCデーヴィスでブドウのDNA研究を長年してきた(ジンファンデルがクロアチア由来であることを突き止めたことでも知られています)キャロル・メレディスによるワイナリーです。うまみときれいな酸があっていいシラーです。
今回はロシアン・リバー・ヴァレーのコーナーがあったのですが、レイミー(Ramey)の単一畑(リッチーRitchieとロキオリRochioli)は傑出していました(価格も高いですが)。特にロキオリは果実味の豊かさが印象的。エレガントなワインも美味しいですが、いかにもカリフォルニアらしいよさがあるワインです。
こちらはロキオリ(Rochioli)によるエステートのピノ・ノワール2017(10700円)。こちらもロシアン・リバー・ヴァレーらしいふくよかさに複雑味もあり、さすがロキオリというできです。
メドロック・エームズ(Medrock Ames)のワインメーカーを務めるクリストファー・クリステンセンの個人ブランドがボドキン(Bodkin)。ソーヴィニヨン・ブランにこだわりを持つワイナリーですが、このマスカット・カネリ アントゥ・ザ・ブリーチ2016(3400円)も面白い。甘口に作られることが多い品種ですが、ドライに仕上げていて美味しくきれいな味わい。価格も高くないし、すごくいいです。
コングスガードのジェネラル・マネージャーによる個人ブランドがファーディナンド(Ferdinand)。シンプルでデザイン性の高いラベルも好きなのですが、このアルバリーニョ2016(3900円)も果実味がきれいでクリーンな味わい。見た目と違って?爽やか系です。もっと知られていいワインだと思います。
ブランダー(Brader)のソーヴィニヨン・ブランはコスパが高い印象がありましたが、このオー・ナチュレル2017(5200円)はリッチな味わい。樽は使っていないのに複雑な味わいがあり、ブドウの品質の高さを感じられます。
今回の目玉の一つがこれではないかと思います。平林園枝さんが作るシックス・クローヴズ(Six Cloves)の2ヴィンテージ目。
前ヴィンテージの記事はこちら「リトライなどで修行した日本人の造るワインデビュー作」
特にシャルドネは今回スティーブ・マサイアソン(Steve Mattiason)のリンダ・ヴィスタ(Linda Vista)の畑(5800円)。平林さんはマサイアソンの元で働いていたこともあり、その縁でブドウを分けてもらえたそう。エレガントでミネラル感がありとても美味しいです。2018年のヴィンテージですから、もう半年くらい置いておくともっとよくなってきそう。ピノ・ノワールはこのヴィンテージ(2018年、6500円)からでソノマ・コーストのブドウ。こちらもかなりエレガント系。アジア系のスパイスや紅茶の香りがいいです。
これも今回の目玉になりそうなワイン。ヘッドハイというのはサーフィン用語で頭の高さくらいの波のこと。キスラーなどのオーナーであるビル・プライスのワイナリーで、彼が所有するギャップス・クラウン(Gap's Crown)やデュレル(Durell)、デオドラ(Deodora)の畑のブレンド。この畑で3600円は安いです。というかワイナリー価格35ドルよりも安いくらいで、これはむちゃくちゃコスパいいです。味わいも酸がきれいで美味しい。
ヘッドハイでは今回缶入りワインも登場です。こちらは250mlで900円。750mlに換算すると2700円です。上記のボトルのものとは中身も別で産地表記はカリフォルニアになっています。缶入りワインを飲むシチュエーションに合わせたのか、気楽に飲めるワイン。ちゃんとピノ・ノワールらしい味わいになっていて2700円のボトルのピノ・ノワールと比べてもほとんど遜色ないでしょう。これもワイナリー価格は4本で28ドル(1本あたり7ドル)なので、かなり格安です。
こちらも新入荷のワインでトレフェッセン(Trefethen)の中では安価なラインのダブルティーレッドワイン2016(4900円)。カベルネ・ソーヴィニヨンが55%でプティ・ヴェルドが23%も入っているのが特徴。この価格帯のボルドーブレンドとしてはボディがしっかりしているのはプティ・ヴェルドのおかげでしょう。
コスパのいいピノ・ノワールで知られるキャッスル・ロック(Castle Rock)のプティ・シラー(2300円)。これもこの価格帯としては異例なほどのパワフルさ。ガツンと来るワインを手軽に飲みたい人にいいと思います。
ラジエ・メレディス(Lagier Meredith)のシラー2014(8400円)。UCデーヴィスでブドウのDNA研究を長年してきた(ジンファンデルがクロアチア由来であることを突き止めたことでも知られています)キャロル・メレディスによるワイナリーです。うまみときれいな酸があっていいシラーです。
しあわせワイン倶楽部でサンタ・リタ・ヒルズの人気ワイナリーメルヴィル(Melville)のエステートのシャルドネとピノ・ノワールが33%引きになっています。
どちらも2014年のもの。ブリュワー・クリフトンやダイアトム、シャトー・イガイタカハの漢字ラベルのワインメーカーとして知られるグレッグ・ブリュワーがワインメーカーの時代のワインです。グレッグは2015年までワインメーカーを務め、2016年からはオーナーの息子のチャド・メルヴィルに引き継いでいます。チャドもとても素晴らしいワインメーカーなので、どちらのワインがいいというわけではありませんが…
価格はピノ・ノワール(リリース価格税抜36ドル)が税込み4730円、シャルドネ(リリース価格税抜26ドル)が税込み3758円ですから、現地価格以下とまではいかないものの、ほぼ遜色ないレベル。かなりの割安です。
ワイン・アドヴォケイトでの評価はピノ・ノワールが90点でシャルドネが意外と低い87点(レビュワーはジェブ・ダナック)。ヴィナスではピノ・ノワールが91点でシャルドネが92点(レビュワーはアントニオ・ガッローニ)。
ワイン・アドヴォケイトのシャルドネのレビューがちょっと気になりますが、どちらも優秀なレビュワーですから、たまたまダナックのは外れボトルだったのではという気がします。アントニオ・ガッローニのレビューによるとトロピカル・フルーツのリッチさと透明感を兼ね備えているようです。ちなみにガッローニはピノ・ノワールについては「絶対的に美味しい」と書いています。
2000年代のメルヴィルはかなり「濃い」イメージがありましたが、近年はかなりバランスが取れたスタイルに変わっています。とにもかくにもサンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリーのエステートのワインがこの価格で手に入るのは貴重です。
どちらも2014年のもの。ブリュワー・クリフトンやダイアトム、シャトー・イガイタカハの漢字ラベルのワインメーカーとして知られるグレッグ・ブリュワーがワインメーカーの時代のワインです。グレッグは2015年までワインメーカーを務め、2016年からはオーナーの息子のチャド・メルヴィルに引き継いでいます。チャドもとても素晴らしいワインメーカーなので、どちらのワインがいいというわけではありませんが…
価格はピノ・ノワール(リリース価格税抜36ドル)が税込み4730円、シャルドネ(リリース価格税抜26ドル)が税込み3758円ですから、現地価格以下とまではいかないものの、ほぼ遜色ないレベル。かなりの割安です。
ワイン・アドヴォケイトでの評価はピノ・ノワールが90点でシャルドネが意外と低い87点(レビュワーはジェブ・ダナック)。ヴィナスではピノ・ノワールが91点でシャルドネが92点(レビュワーはアントニオ・ガッローニ)。
ワイン・アドヴォケイトのシャルドネのレビューがちょっと気になりますが、どちらも優秀なレビュワーですから、たまたまダナックのは外れボトルだったのではという気がします。アントニオ・ガッローニのレビューによるとトロピカル・フルーツのリッチさと透明感を兼ね備えているようです。ちなみにガッローニはピノ・ノワールについては「絶対的に美味しい」と書いています。
2000年代のメルヴィルはかなり「濃い」イメージがありましたが、近年はかなりバランスが取れたスタイルに変わっています。とにもかくにもサンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリーのエステートのワインがこの価格で手に入るのは貴重です。
「アマゾンの酒販免許、カリフォルニアの法律違反であることを発見」「アマゾンの酒販免許違反、当局が調査に乗り出す」の続報です。アマゾンは、各地の倉庫で法律に従うよう、最低限の販売を始めたそうです(Amazon Does Bare Minimum to Meet California Law)。
この法律とは、酒類を宅配する業者は実店舗を持たないといけないというもの。まさにアマゾンのような実店舗なしで事業を拡大するベンダーから既存のワインショップを守るために作られた規定です。アマゾンは、注文してから数時間で配達する「Prime Now」の事業を展開するため、カリフォルニア各地に倉庫を持っていますが、そのほとんどで今回のような半教育的措置がなされていると思われます。
W.ブレイク・グレイ氏が各地の倉庫に直撃して聞いてみたところ「ワイン3種だけ売るショップ」(サクラメント)など、いかにも付け焼き刃なショップを倉庫の片隅に置いているようです
当局がこれを店舗と認めるのかどうか、今後がさらに気になります。
この法律とは、酒類を宅配する業者は実店舗を持たないといけないというもの。まさにアマゾンのような実店舗なしで事業を拡大するベンダーから既存のワインショップを守るために作られた規定です。アマゾンは、注文してから数時間で配達する「Prime Now」の事業を展開するため、カリフォルニア各地に倉庫を持っていますが、そのほとんどで今回のような半教育的措置がなされていると思われます。
W.ブレイク・グレイ氏が各地の倉庫に直撃して聞いてみたところ「ワイン3種だけ売るショップ」(サクラメント)など、いかにも付け焼き刃なショップを倉庫の片隅に置いているようです
当局がこれを店舗と認めるのかどうか、今後がさらに気になります。
8月下旬から9月中旬は、インポーターの試飲会が続く季節です。いち早く開催したオルカ・インターナショナルの試飲会から美味しかったワインを紹介します。オルカ・インターナショナルはカリフォルニアだけでなく、オレゴン、ワシントンとバランス良くワイナリーを取り揃えたインポーター。2000~5000円くらいのリーズナブルな価格帯のワインが中心となります。
フリーマーク・アビー(Freemark Abbey)はパリスの審判にも出たカベルネ・ソーヴィニヨンが有名ですが、シャルドネも華やかで美味しいです。価格は5000円とやや高めですが。
Kヴィントナーズのヴィオニエ アート・デン・ホード(Art Den Hoed)2017。4500円。最近、ワシントン州のヴィオニエには感心させられることが多いのですが、これも素晴らしいヴィオニエ。花の香りやふくよかさに加えてミネラル感があります。
ソーコル・ブロッサー(Sokol Blosser)のエヴォリューション・ラッキーNo.9 NVという白のブレンド。2300円。気が置けないワインですが美味しい。
もう一つソーコル・ブロッサーからピノ・ノワールのロゼ2018。3100円。この価格帯にしてはしっかりした味わい。
モントレーを中心に4000エーカーもの畑を持っているのがシャイド・ファミリー(Scheid Family)。Ranch32(ランチ32)はそのブランドの一つで素晴らしいコスパを誇ります。シャルドネもソーヴィニヨン・ブランも1780円ですが、個人的にはソーヴィニヨン・ブラン推し。
カベルネ・ソーヴィニヨンも1780円は大バーゲン。1000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストといってもいいでしょう。メリタージュも2900円は激安です、
大人気で輸入開始直後に売り切れてしまったオッド・ロット(Odd Lot)もシャイド・ファミリー傘下。ラベルに目を奪われがちですが味わいもしっかりしています。
オレゴンのJクリストファーのピノ・ノワール、5000円。とても美味しい。
フリーマーク・アビー(Freemark Abbey)はパリスの審判にも出たカベルネ・ソーヴィニヨンが有名ですが、シャルドネも華やかで美味しいです。価格は5000円とやや高めですが。
Kヴィントナーズのヴィオニエ アート・デン・ホード(Art Den Hoed)2017。4500円。最近、ワシントン州のヴィオニエには感心させられることが多いのですが、これも素晴らしいヴィオニエ。花の香りやふくよかさに加えてミネラル感があります。
ソーコル・ブロッサー(Sokol Blosser)のエヴォリューション・ラッキーNo.9 NVという白のブレンド。2300円。気が置けないワインですが美味しい。
もう一つソーコル・ブロッサーからピノ・ノワールのロゼ2018。3100円。この価格帯にしてはしっかりした味わい。
モントレーを中心に4000エーカーもの畑を持っているのがシャイド・ファミリー(Scheid Family)。Ranch32(ランチ32)はそのブランドの一つで素晴らしいコスパを誇ります。シャルドネもソーヴィニヨン・ブランも1780円ですが、個人的にはソーヴィニヨン・ブラン推し。
カベルネ・ソーヴィニヨンも1780円は大バーゲン。1000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではベストといってもいいでしょう。メリタージュも2900円は激安です、
大人気で輸入開始直後に売り切れてしまったオッド・ロット(Odd Lot)もシャイド・ファミリー傘下。ラベルに目を奪われがちですが味わいもしっかりしています。
オレゴンのJクリストファーのピノ・ノワール、5000円。とても美味しい。
7月頭なので、もう2カ月近く前になってしまいましたが、ソムリエなどワインのプロによる非営利団体ギルドソム(GuildSomm)のケリ・ホワイトさんのカリフォルニアワイン・セミナーに出席してきました。ケリ・ホワイトさんはギルドソムのシニア・スタッフ・ライター。ニューヨークでソムリエをしたあと、ナパに住み、レストラン「Press」のワイン・プログラムに携わったり、「Napa Valley、 Then & Now」という本を出版したりしています。
今回のセミナーは2時間でカリフォルニア全域を紹介し、12種のワインを試飲するというもの。講義はすべて英語で通訳はつきません。どうやってこれだけカバーするのだろうと思っていたら、ワインはどんなワインかの説明を簡単にするだけで試飲はそれぞれが話を聞きながら勝手にするという形。確かに効率を重視するのなら、こういう方法もあるのだなと思いました。
また、カバー範囲が広いため、説明の内容は比較的概要レベルでした。今回の出席者はカリフォルニアワインのプロが多かったため、基本的と捉えられた人も多かったかもしれませんが、カリフォルニアワインにそれほど詳しくない人に、このレベルのセミナーをもっと提供できると、カリフォルニアワインへの理解も進むのではないかと思いました。
興味深かったのがワインの選択です。日本に輸入されているワインという制約はあるものの、ケリ・ホワイトさんがある意味、その地域を代表するワインとして選んだということだと思うからです。
特に最初のワインは面白い選択。
マサイアソン タンデュ 2016、カリフォルニア(Matthiason Tendu 2016)
です。いわゆるニューカリフォルニア系の白ワインでヴェルメンティーノ(Vermentino)というイタリア系の品種が90%、フレンチ・コロンバードが10%。アルコール度数は10.3%という低さです。
ケリ・ホワイトさんはスティーブ・マサイアソンを「ニュー・ロックスター」と表現していました。昔からのイメージのカリフォルニアでは考えられないワインですが、白い花の香りやピーチの風味、チョークのニュアンスなど面白く、とても良くできていました。1リットルのボトルで国内での価格は3350円。価格以上の充実感があります。
ワインは4種ずつ供されましたが、最初のグループはマサイアソン以下
The Hilt CHardonnay 2015, Santa Barbara
Storm Pinot Noir 2014, Santa Barbara
Tablas Creek 'Cote de Tablas Rouge' 2013, Paso Robles
ヒルトはリッチながらきれいな酸があり、レベルが高いワイン。ストームのピノ・ノワールはダーク・チェリーの風味。個人的にはこの味は米国の子ども用風邪薬を思い出します。ケリ・ホワイトさんは「ビューティフル・ピノ・ノワール」と表現。どちらも比較的新しいワイナリーです。
一方、急成長しているパソ・ロブレスからは新しいワイナリーではなく老舗のタブラス・クリークを選んだのは歴史的重要性も鑑みたのでしょうか。ここはナーサリー(苗木業者)もやっていて、地域のワイナリーに苗木を提供しています。パソ・ロブレスのワインは果実味が強いものが多い印象がありますが、ここのワインはスパイシーさや複雑さがより感じられます。
次の4本は
Ridge Monte Bello 2007, Santa Cruz Mountains
Eden Rift Chardonnay 2016, Cienega Valley
Arnot-Roberts Gamay 2017, El Dorado
Failla Estate Vineyard Syrah 2013, Fort Ross-Seaview
リッジで2007年のモンテベッロを持ってきたのもこだわりを感じます。このワインはカリフォルニアでは珍しく熟成させるほど魅力を増していきます。エデン・リフトはシエネガ・ヴァレーというマイナーな産地(カレラの近くです)にありますが、1849年設立というカリフォルニアでも最も古いワイナリーの一つ。古いワイナリーですが、ワインは「新しいスタイル」とケリ・ホワイトさんは言っていました。複雑味のあるワインでした。
その後もニューカリフォルニア系生産者のアルノー・ロバーツでエル・ドラドのガメイだとか、冷涼なフォートロス・シーヴューのシラーだとかこだわりの感じられるワインが続きます。
最後の4本は
Buena Vista Zinfandek 2016, Sonoma
Schramsberg Blanc de Blancs 2016, North Corst
Trefethen Estate 'Dry' Riesling 2017, Oak Knoll District
Freemark Abbey Cabernet Sauvignon 2014, Napa Vally
今度はうってかわって、ナパやソノマからクラシックな味わいのワイン。新しいものと古いもののミックスが面白く感じました。
普段のワインセミナーとは違う刺激を受けたセミナーでした。今度はもっと深堀りするような話を聞いてみたいです。
本来、もっと早く報告するセミナーでしたが、ちょうど個人的にいろいろあったところでなかなか手を付けられなかったこと、関係各位、もうしわけありませんでした。
今回のセミナーは2時間でカリフォルニア全域を紹介し、12種のワインを試飲するというもの。講義はすべて英語で通訳はつきません。どうやってこれだけカバーするのだろうと思っていたら、ワインはどんなワインかの説明を簡単にするだけで試飲はそれぞれが話を聞きながら勝手にするという形。確かに効率を重視するのなら、こういう方法もあるのだなと思いました。
また、カバー範囲が広いため、説明の内容は比較的概要レベルでした。今回の出席者はカリフォルニアワインのプロが多かったため、基本的と捉えられた人も多かったかもしれませんが、カリフォルニアワインにそれほど詳しくない人に、このレベルのセミナーをもっと提供できると、カリフォルニアワインへの理解も進むのではないかと思いました。
興味深かったのがワインの選択です。日本に輸入されているワインという制約はあるものの、ケリ・ホワイトさんがある意味、その地域を代表するワインとして選んだということだと思うからです。
特に最初のワインは面白い選択。
マサイアソン タンデュ 2016、カリフォルニア(Matthiason Tendu 2016)
です。いわゆるニューカリフォルニア系の白ワインでヴェルメンティーノ(Vermentino)というイタリア系の品種が90%、フレンチ・コロンバードが10%。アルコール度数は10.3%という低さです。
ケリ・ホワイトさんはスティーブ・マサイアソンを「ニュー・ロックスター」と表現していました。昔からのイメージのカリフォルニアでは考えられないワインですが、白い花の香りやピーチの風味、チョークのニュアンスなど面白く、とても良くできていました。1リットルのボトルで国内での価格は3350円。価格以上の充実感があります。
ワインは4種ずつ供されましたが、最初のグループはマサイアソン以下
The Hilt CHardonnay 2015, Santa Barbara
Storm Pinot Noir 2014, Santa Barbara
Tablas Creek 'Cote de Tablas Rouge' 2013, Paso Robles
ヒルトはリッチながらきれいな酸があり、レベルが高いワイン。ストームのピノ・ノワールはダーク・チェリーの風味。個人的にはこの味は米国の子ども用風邪薬を思い出します。ケリ・ホワイトさんは「ビューティフル・ピノ・ノワール」と表現。どちらも比較的新しいワイナリーです。
一方、急成長しているパソ・ロブレスからは新しいワイナリーではなく老舗のタブラス・クリークを選んだのは歴史的重要性も鑑みたのでしょうか。ここはナーサリー(苗木業者)もやっていて、地域のワイナリーに苗木を提供しています。パソ・ロブレスのワインは果実味が強いものが多い印象がありますが、ここのワインはスパイシーさや複雑さがより感じられます。
次の4本は
Ridge Monte Bello 2007, Santa Cruz Mountains
Eden Rift Chardonnay 2016, Cienega Valley
Arnot-Roberts Gamay 2017, El Dorado
Failla Estate Vineyard Syrah 2013, Fort Ross-Seaview
リッジで2007年のモンテベッロを持ってきたのもこだわりを感じます。このワインはカリフォルニアでは珍しく熟成させるほど魅力を増していきます。エデン・リフトはシエネガ・ヴァレーというマイナーな産地(カレラの近くです)にありますが、1849年設立というカリフォルニアでも最も古いワイナリーの一つ。古いワイナリーですが、ワインは「新しいスタイル」とケリ・ホワイトさんは言っていました。複雑味のあるワインでした。
その後もニューカリフォルニア系生産者のアルノー・ロバーツでエル・ドラドのガメイだとか、冷涼なフォートロス・シーヴューのシラーだとかこだわりの感じられるワインが続きます。
最後の4本は
Buena Vista Zinfandek 2016, Sonoma
Schramsberg Blanc de Blancs 2016, North Corst
Trefethen Estate 'Dry' Riesling 2017, Oak Knoll District
Freemark Abbey Cabernet Sauvignon 2014, Napa Vally
今度はうってかわって、ナパやソノマからクラシックな味わいのワイン。新しいものと古いもののミックスが面白く感じました。
普段のワインセミナーとは違う刺激を受けたセミナーでした。今度はもっと深堀りするような話を聞いてみたいです。
本来、もっと早く報告するセミナーでしたが、ちょうど個人的にいろいろあったところでなかなか手を付けられなかったこと、関係各位、もうしわけありませんでした。
今年6月に「マリファナ栽培に門戸を開いたサンタ・バーバラ、さまざまな軋轢」という記事でサンタ・リタ・ヒルズに世界最大のマリファナ農園が造られようとしていることを報じましたが、実際にいくつかの問題が起こっていることが明らかになっています(California's Largest Legal Weed Farms Face Conflict In Wine Country)。
その記事にも書いたように、マリファナは残存農薬(防カビ剤や殺虫剤)が全く認められていません。検知された場合は製品として流通できないことになります。そのため、近隣のブドウ畑では高価で効能の低い有機系の防カビ剤などに変えざるをえなくなったところがあります。ブドウの収穫量にも影響が出る可能性があります。同じような問題はさまざまな地域で、さまざまな農産物との間で起こっています。
2016年の投票で娯楽用のマリファナ解禁が決まった後も、実際にマリファナ畑(基本的にはビニールハウスで、年に5回も収穫できるとのこと)を作れるかどうかは、各郡での判断によっています。現在のところ半分以上の郡では禁止されています。
その中で、サンタ・バーバラは許可の件数が843。2位のハンボルト郡が653、3位のメンドシーノが305、4位のモントレーが280ですから群を抜いているといった状況です。
郡のスーパーバイザーによると、当初は非合法な栽培を合法な栽培に転換させるという目論見もあって、やや許可が甘くなっていた面があるとのこと。現在はもう少し絞る方向にあるようです。
カリフォルニア大学で経済学を教えているピーター・ルパートによると、サンタ・バーバラにおけるワイン産業は1億2000万ドル程度だったのに対し、マリファナは1億8000万ドルにもなるとのこと。税収アップをもくろむ郡にとっては大きな収入になります。
その記事にも書いたように、マリファナは残存農薬(防カビ剤や殺虫剤)が全く認められていません。検知された場合は製品として流通できないことになります。そのため、近隣のブドウ畑では高価で効能の低い有機系の防カビ剤などに変えざるをえなくなったところがあります。ブドウの収穫量にも影響が出る可能性があります。同じような問題はさまざまな地域で、さまざまな農産物との間で起こっています。
2016年の投票で娯楽用のマリファナ解禁が決まった後も、実際にマリファナ畑(基本的にはビニールハウスで、年に5回も収穫できるとのこと)を作れるかどうかは、各郡での判断によっています。現在のところ半分以上の郡では禁止されています。
その中で、サンタ・バーバラは許可の件数が843。2位のハンボルト郡が653、3位のメンドシーノが305、4位のモントレーが280ですから群を抜いているといった状況です。
郡のスーパーバイザーによると、当初は非合法な栽培を合法な栽培に転換させるという目論見もあって、やや許可が甘くなっていた面があるとのこと。現在はもう少し絞る方向にあるようです。
カリフォルニア大学で経済学を教えているピーター・ルパートによると、サンタ・バーバラにおけるワイン産業は1億2000万ドル程度だったのに対し、マリファナは1億8000万ドルにもなるとのこと。税収アップをもくろむ郡にとっては大きな収入になります。
オー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)のピノ・ノワールのフラッグシップといえばイザベル。とだれもが思っていますが、実は幻ともいえるようなもう一つのフラッグシップがあります。それがLarmes de Grappe(ラーム・ド・グラップ)。
何が幻かって、このワインこれまで2回(2001年と2005年)しか作られていません。梗が木質化(非常に固くなる特別な現象)した特異なヴィンテージにだけ全房発酵で造られるそうです。
今度は一体いつだろうと思っていたところ(実は水曜日にアカデミー・デュ・ヴァンでオー・ボン・クリマのセミナーでした)、ヴィナスのアントニオ・ガッローニのインスタグラムで見つけたのがこの写真。
これって、つまり2016年にLarmes de Grappeが造られているということ!? 畑はサンフォード&ベネディクトのようです。
とはいえ2005年のが市場に出てきたのが2013年ころのようなので、こちらもお目見えするまでまだ4、5年かかるのかも。でてきてもガチガチでしょうから飲み頃は一体いつか… アントニオ・ガッローニのサンタ・バーバラの記事で言及されるのかどうか楽しみです。
何が幻かって、このワインこれまで2回(2001年と2005年)しか作られていません。梗が木質化(非常に固くなる特別な現象)した特異なヴィンテージにだけ全房発酵で造られるそうです。
今度は一体いつだろうと思っていたところ(実は水曜日にアカデミー・デュ・ヴァンでオー・ボン・クリマのセミナーでした)、ヴィナスのアントニオ・ガッローニのインスタグラムで見つけたのがこの写真。
これって、つまり2016年にLarmes de Grappeが造られているということ!? 畑はサンフォード&ベネディクトのようです。
とはいえ2005年のが市場に出てきたのが2013年ころのようなので、こちらもお目見えするまでまだ4、5年かかるのかも。でてきてもガチガチでしょうから飲み頃は一体いつか… アントニオ・ガッローニのサンタ・バーバラの記事で言及されるのかどうか楽しみです。
今年7月、ボルドーが気候変化に対応するために新たに7つの品種を認めることになったというニュースがありました。ナパでも温暖化への対応を真剣に考える人が増えています(Napa wineries confront climate change by planting new experimental vineyards - San Francisco Chronicle)。
温暖化は着実に進行しています。カリストガのラークミード(Larkmead)の場合、2004年から2012年の9年間では9月15日以前に収穫を始めたのは2回しかありませんでしたが、2013年以降は毎年9月15日より早く収穫を始めています。8月に収穫を始めた年も2回ありました。
平均気温も2009年から2013年と2014年から2018年を比べると、1月から6月で華氏で1.6°(摂氏で約0.9°)、7月から12月で華氏2.4°(摂氏約1.3°)気温が上がっています。
積算温度で気候区分を分けるウィンクラー(Winkler)のモデルが作られた1944年ころ、ナパの多くはリージョンIIでしたが現在ではリージョンIIIから一部はIVに達していると考えられています。これがリージョンVになるともはやカベルネ・ソーヴィニヨンには適さない土地になってきます。
そこでラークミードは3エーカーの実験ブロックを畑に作り、より暑さに耐性があると思われる、シャルボノやジンファンデル、プティ・シラー、アリアニコ(Aglianico)、トゥリガ・ナシオナル(Touriga Nacional)、テンプラニーリョ(Tempranillo)といった品種を植えました。
スポッツウッドでは、現在のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑が2030年代にはリージョンVに入るだろうと考え、対応策を練っています。一つはもっと涼しい土地に畑を見つけること。もうひとつはラークミードと同様、暑さに強い品種を実験的に植えていくことです。
ベクストファー・ヴィンヤーズはUCデイヴィスと組んで、カベルネ・ソーヴィニヨンでの実験を始めました。レイク郡の畑にルートストックとクローンそれぞれ10種ずつ、合計100組の組み合わせでブドウを植えて暑さに強いものを見つけるという実験です。一つの組み合わせあたり3600本の樹を植えるというかなり大掛かりな実験になります。
とにもかくにも温暖化はこれから来るのではなく、すでにその渦中にあるのです。もしかすると30年後のナパの姿は今とは大きく変わっているのかもしれません。
温暖化は着実に進行しています。カリストガのラークミード(Larkmead)の場合、2004年から2012年の9年間では9月15日以前に収穫を始めたのは2回しかありませんでしたが、2013年以降は毎年9月15日より早く収穫を始めています。8月に収穫を始めた年も2回ありました。
平均気温も2009年から2013年と2014年から2018年を比べると、1月から6月で華氏で1.6°(摂氏で約0.9°)、7月から12月で華氏2.4°(摂氏約1.3°)気温が上がっています。
積算温度で気候区分を分けるウィンクラー(Winkler)のモデルが作られた1944年ころ、ナパの多くはリージョンIIでしたが現在ではリージョンIIIから一部はIVに達していると考えられています。これがリージョンVになるともはやカベルネ・ソーヴィニヨンには適さない土地になってきます。
そこでラークミードは3エーカーの実験ブロックを畑に作り、より暑さに耐性があると思われる、シャルボノやジンファンデル、プティ・シラー、アリアニコ(Aglianico)、トゥリガ・ナシオナル(Touriga Nacional)、テンプラニーリョ(Tempranillo)といった品種を植えました。
スポッツウッドでは、現在のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑が2030年代にはリージョンVに入るだろうと考え、対応策を練っています。一つはもっと涼しい土地に畑を見つけること。もうひとつはラークミードと同様、暑さに強い品種を実験的に植えていくことです。
ベクストファー・ヴィンヤーズはUCデイヴィスと組んで、カベルネ・ソーヴィニヨンでの実験を始めました。レイク郡の畑にルートストックとクローンそれぞれ10種ずつ、合計100組の組み合わせでブドウを植えて暑さに強いものを見つけるという実験です。一つの組み合わせあたり3600本の樹を植えるというかなり大掛かりな実験になります。
とにもかくにも温暖化はこれから来るのではなく、すでにその渦中にあるのです。もしかすると30年後のナパの姿は今とは大きく変わっているのかもしれません。
一時期は半年後の輸入分まで予約で売れてしまったほど大人気のナパ・ハイランズ。そのリザーブが限定入荷しています。そもそも500本、わずか40ケースほどしか生産しておらず、通し番号が付いて売られているワイン。1万円というのは生産量やその中身を考えると大バーゲンです。
とはいえ、中身については説明が濁されているのですが、カリフォルニアワインあとりえの説明から想像(というかほとんど答えが書いてあります)すると、ナパ最大の地主の持っている畑の一つ。Vineyard Xといえば… 場所はオークヴィルの西側、ドミナスのユリシーズとか、ヴァインヒルランチとかのすぐ近くという超一等地です。ここの畑のブドウはアルファオメガやバチオ・デヴィーノ、モルレ・ファミリー、Bセラーズなどが使っており、ちょっと調べても現地価格で150ドルを超えるのがほとんど。
なんてことを調べていると、本当に1万円でいいの?という感じです。マニアほど驚くワインというのは確かにそうかも。
とはいえ、中身については説明が濁されているのですが、カリフォルニアワインあとりえの説明から想像(というかほとんど答えが書いてあります)すると、ナパ最大の地主の持っている畑の一つ。Vineyard Xといえば… 場所はオークヴィルの西側、ドミナスのユリシーズとか、ヴァインヒルランチとかのすぐ近くという超一等地です。ここの畑のブドウはアルファオメガやバチオ・デヴィーノ、モルレ・ファミリー、Bセラーズなどが使っており、ちょっと調べても現地価格で150ドルを超えるのがほとんど。
なんてことを調べていると、本当に1万円でいいの?という感じです。マニアほど驚くワインというのは確かにそうかも。
昨日紹介したワイン・サーチャーによるアマゾンの酒販免許違反発見を受け、カリフォルニア州の当局が調査に乗り出すことが判明したと、再びワイン・サーチャーが報じました(California ABC Launches Amazon Investigation | Wine-Searcher News & Features)。
州のアルコール飲料コントロール局(ABC)のスーパーバイジング・エージェント、マシュー・ハイダー氏がW.ブレイク・グレイ氏に語ったところによると、記事を受けて、ロスアンゼルスの担当者とサクラメントの本局に連絡したとのこと。
ただし、免許違反があったかどうかの判断は十歳の当局による調査しだいだとのことです。
アマゾンも慌てふためいて対応を考えているのではないかと、ハイダー氏はコメントしています。
州のアルコール飲料コントロール局(ABC)のスーパーバイジング・エージェント、マシュー・ハイダー氏がW.ブレイク・グレイ氏に語ったところによると、記事を受けて、ロスアンゼルスの担当者とサクラメントの本局に連絡したとのこと。
ただし、免許違反があったかどうかの判断は十歳の当局による調査しだいだとのことです。
アマゾンも慌てふためいて対応を考えているのではないかと、ハイダー氏はコメントしています。
しあわせワイン倶楽部にウルトラマリンで有名なマイケル・クルーズによる瓶内二次発酵のスパークリングが入荷しています。はっきり言って早い者勝ち。というわけでクリックしたときに売り切れだったらごめんなさい。
ペットナットは比較的買いやすい状況にありますが、クルーズの瓶内二次発酵ものはウルトラマリンとこれだけ。極めて入手しづらい状況です。
ペットナットは比較的買いやすい状況にありますが、クルーズの瓶内二次発酵ものはウルトラマリンとこれだけ。極めて入手しづらい状況です。
ワイン・サーチャーにライターのW.ブレイク・グレイ氏が、アマゾン(Amazon.com)の酒販免許について直撃した記事が載っています(Amazon Above the Law in California | Wine-Searcher News & Features)。
アマゾンは2019年2月、ロスアンゼルスで酒販免許を取得しています。「プライム・ナウ」という2時間以内で注文した品を配達するサービスでの利用が目的ですが、カリフォルニアの法律では家庭にアルコールを配達するためには、実店舗を持つことが必要と決まっています。プライム・ナウでは1日16時間配達を行うため、実店舗もその半分の8時間以上オープンする必要があります。
ブレイク・グレイ氏は当初Google Earthで実店舗の存在を調べたのですが、確認できなかったため、実際に現地に行って調べることにしました。
その結果、該当する住所には酒屋と思われるものは全く存在していないことが判明しました。
ライセンス違反だった場合の罰則についてはいろいろレベルがあるようですが、最悪な場合は免許取り上げになるようです。記事ではさまざまな考察が挙げられております。
今後のアマゾンの動きが注目されます。
アマゾンは2019年2月、ロスアンゼルスで酒販免許を取得しています。「プライム・ナウ」という2時間以内で注文した品を配達するサービスでの利用が目的ですが、カリフォルニアの法律では家庭にアルコールを配達するためには、実店舗を持つことが必要と決まっています。プライム・ナウでは1日16時間配達を行うため、実店舗もその半分の8時間以上オープンする必要があります。
ブレイク・グレイ氏は当初Google Earthで実店舗の存在を調べたのですが、確認できなかったため、実際に現地に行って調べることにしました。
その結果、該当する住所には酒屋と思われるものは全く存在していないことが判明しました。
ライセンス違反だった場合の罰則についてはいろいろレベルがあるようですが、最悪な場合は免許取り上げになるようです。記事ではさまざまな考察が挙げられております。
今後のアマゾンの動きが注目されます。
2019年のナパにおけるブドウ収穫が8月14日にヨントヴィルで始まりました(North Coast grape harvest kicks off in Napa Valley; picking to start in Sonoma County Thursday or Friday)。
口火を切ったのはマム・ナパ。スパークリング用のピノ・ノワールの収穫でした。昨年は珍しくスチル・ワイン用のブドウの収穫が最初(8月10日)でしたが、今年は例年通り。収穫時期は昨年と同等で、2017年と比べると10日ほど遅いようです。
これからの季節、雨も心配ではありますが、カリフォルニアではそれ以上に山火事も心配です。無事な収穫でありますように。
口火を切ったのはマム・ナパ。スパークリング用のピノ・ノワールの収穫でした。昨年は珍しくスチル・ワイン用のブドウの収穫が最初(8月10日)でしたが、今年は例年通り。収穫時期は昨年と同等で、2017年と比べると10日ほど遅いようです。
これからの季節、雨も心配ではありますが、カリフォルニアではそれ以上に山火事も心配です。無事な収穫でありますように。
8月15日に新橋のワイン蔵tokyoにて、カリフォルニアワインの玄関口20周年記念パーティを開きました。おかげさまで満員御礼、補助椅子まで使っての会となりました。開催にあたってはワイン蔵の中川正光さん、アステリア社長の平野洋一郎さんに大変お世話になりました。ありがとうございました。
乾杯のスパークリングはシュラムスバーグのブラン・ド・ブラン(写真撮り忘れました)。安定の美味しさ。サイトを始めた20年前はラベルに「California Champagne」と入っていましたが、今は「Methode Traditionelle」に変わっています。そんなエピソードから会を始めました。
モンテリーナのシャルドネは「パリスの審判」の関連ワインということで出してもらいました。といっても実はパリスの審判で1位になったワインのソースは大部分がソノマ産だったのですが(笑)。
ピノはコスタ・ブラウン。2000年代のピノ・ブームの立役者といっても過言ではないでしょう。ここも年とともに少しずつスタイルは変わっていて、以前のような濃い甘い感じはなくなっています。参加者の人気もかなり高かったようです。
ベッドロックのオールド・ヴァインは一番応援しているワインとして出させてもらいました。この品質で5000円切るのは素晴らしいし、何よりも古木の畑を守りたいというモーガン・ピーターソンの姿勢を応援したいと思っています。ジンファンデルの原産地はクロアチアであることが判明していますが、これは紛れもないアメリカにしかないワインだと思います。
次は話題のYoshikiのワイン。飲みやすさは抜群です。話題性ということで選ばせていただきました。
このあとはクイズタイム。4択10問で最高は6問正解でした。
さて、最後は20年前の1999年のワインを3つ。インシグニアは私の在庫から。他の2本はワイン蔵さんのワインから平野さんがスポンサーになっていただきました。
インシグニアは安定の味わい。インシグニアは面白いワインで、毎年畑の構成などかなりドラスチックに変わりますが味わいは常に一定以上を保っているのがユニークです。
レイルのジョン・ダニエル・キュベは、ナパで最初のプレミアムなワイナリーだった旧イングルヌックの元オーナー「ジョン・ダニエル・ジュニア」の娘のロビン・レイルが作ったワイナリーのフラッグシップ。ワインメーカーは今をときめくフィリップ・メルカ。メルカにとってもナパでの最初の顧客がレイルであり、彼の初期の作品でもあります。ジョン・ダニエル・キュベはメルローが3割くらい入っており、柔らかい味わいが特徴。20年経ってもその良さは残っています。
3つ目のキャスリン・ホール・カベルネ・ソーヴィニヨンはホール・ワイナリーが最初にリリースしたワイン。これは相当レアだと思います。他の2本がブレンド系ワインなのに対し、これはカベルネ・ソーヴィニヨンらしさが全開になったワイン。
どれも個性的でよかったです。
もう1本、おまけで出したのがキスラーのシャルドネ・ヴァイン・ヒル1997。紹興酒化しているのを覚悟して持ってきたのですが、まだ全然きれいな味わいでした。コルクがかなりきつく入っていて開けるのが大変そうだったのですが、それで酸化していなかったのかもしれません。美味しく飲めてよかった。
20年間よく続けてきた、というよりも気がついたら20年という感じですが、肩肘張らずに淡々と続けているのがよかったのかもしれません。「継続は力なり」という言葉もいただいてありがたい限り。
古くからの知り合いからアカデミー・デュ・ヴァンの生徒さん、初めてお会いするかたなどと、非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。
サイトのデザイン変更など、なかなか手が回っていないところも多いのですが、これからもコンテンツを積み重ねていきたいと思いますので引き続きご愛顧いただけたら嬉しいです。
乾杯のスパークリングはシュラムスバーグのブラン・ド・ブラン(写真撮り忘れました)。安定の美味しさ。サイトを始めた20年前はラベルに「California Champagne」と入っていましたが、今は「Methode Traditionelle」に変わっています。そんなエピソードから会を始めました。
モンテリーナのシャルドネは「パリスの審判」の関連ワインということで出してもらいました。といっても実はパリスの審判で1位になったワインのソースは大部分がソノマ産だったのですが(笑)。
ピノはコスタ・ブラウン。2000年代のピノ・ブームの立役者といっても過言ではないでしょう。ここも年とともに少しずつスタイルは変わっていて、以前のような濃い甘い感じはなくなっています。参加者の人気もかなり高かったようです。
ベッドロックのオールド・ヴァインは一番応援しているワインとして出させてもらいました。この品質で5000円切るのは素晴らしいし、何よりも古木の畑を守りたいというモーガン・ピーターソンの姿勢を応援したいと思っています。ジンファンデルの原産地はクロアチアであることが判明していますが、これは紛れもないアメリカにしかないワインだと思います。
次は話題のYoshikiのワイン。飲みやすさは抜群です。話題性ということで選ばせていただきました。
このあとはクイズタイム。4択10問で最高は6問正解でした。
さて、最後は20年前の1999年のワインを3つ。インシグニアは私の在庫から。他の2本はワイン蔵さんのワインから平野さんがスポンサーになっていただきました。
インシグニアは安定の味わい。インシグニアは面白いワインで、毎年畑の構成などかなりドラスチックに変わりますが味わいは常に一定以上を保っているのがユニークです。
レイルのジョン・ダニエル・キュベは、ナパで最初のプレミアムなワイナリーだった旧イングルヌックの元オーナー「ジョン・ダニエル・ジュニア」の娘のロビン・レイルが作ったワイナリーのフラッグシップ。ワインメーカーは今をときめくフィリップ・メルカ。メルカにとってもナパでの最初の顧客がレイルであり、彼の初期の作品でもあります。ジョン・ダニエル・キュベはメルローが3割くらい入っており、柔らかい味わいが特徴。20年経ってもその良さは残っています。
3つ目のキャスリン・ホール・カベルネ・ソーヴィニヨンはホール・ワイナリーが最初にリリースしたワイン。これは相当レアだと思います。他の2本がブレンド系ワインなのに対し、これはカベルネ・ソーヴィニヨンらしさが全開になったワイン。
どれも個性的でよかったです。
もう1本、おまけで出したのがキスラーのシャルドネ・ヴァイン・ヒル1997。紹興酒化しているのを覚悟して持ってきたのですが、まだ全然きれいな味わいでした。コルクがかなりきつく入っていて開けるのが大変そうだったのですが、それで酸化していなかったのかもしれません。美味しく飲めてよかった。
20年間よく続けてきた、というよりも気がついたら20年という感じですが、肩肘張らずに淡々と続けているのがよかったのかもしれません。「継続は力なり」という言葉もいただいてありがたい限り。
古くからの知り合いからアカデミー・デュ・ヴァンの生徒さん、初めてお会いするかたなどと、非常に楽しい時間を過ごさせていただきました。
サイトのデザイン変更など、なかなか手が回っていないところも多いのですが、これからもコンテンツを積み重ねていきたいと思いますので引き続きご愛顧いただけたら嬉しいです。
缶入りワインの急増が止まりません。ニールセンがこのほど発表したデータによると、2018年8月から2019年7月の米国における缶入りワインの売上は9300万ドル。前年から2400万ドル上昇と、急増ペースは衰えていません(Why Consumers Purchase Wine in Cans)。
気になるのは、だれがどういうときに飲んでいるかということですが、データによるとワインの知識レベルとはほとんど関係なく、ボートの上で飲むなどシチュエーションが大きな要素を占めているようです。このほか、飲む量のコントロールやコストの節約といった要素もあります。
今後さらに伸びる要素としては、サイズの問題があります。現在、缶入りワインの主流はハーフボトルに相当する375mlのサイズですが、調査によると1/3ボトルに相当する250mlの方がいいと考えている消費者が多くいます。また、1/4ボトルに相当する187mlも375mlよりも人気があります。
現在のレギュレーションでは250mlの缶入りワインは4本パックで販売しないといけません。これがバラ売りできるようになれば、250mlの缶入りワインは急増する可能性があります。さらには現在、あまり供給がない187mlのものも増えれば、そちらへのシフトもあるでしょう。多くの消費者が缶入りワインを飲み切るサイズとしては375mlでは多いと感じるのはうなずけます。
缶入りワインを提供するワイナリーも増えています。2018年6月には125のプロデューサーが350種(SKU)の缶入りワインを提供していましたが、2019年6月には300のプロデューサーが900種提供と倍以上に増えています。さらにこの8月には375のプロデューサーで1000種に達したとのこと。
ビール最大手でバドワイザーなどを擁するアンハイザー・ブッシュ・インベブはBABEという缶入りワインのブランドをこの6月に買収。さらに缶入りワインがコンシューマーに広がる可能性が高まりました。
この7月には初の缶入りワインだけのワインコンペティションも開かれました。赤ワインではInsomnia Wineのカリフォルニア・ピノ・ノワール、白ワインではサンズ・ワインのナパ・ヴァレー・リースリングがベスト・オブ・ショーに選ばれています。
気になるのは、だれがどういうときに飲んでいるかということですが、データによるとワインの知識レベルとはほとんど関係なく、ボートの上で飲むなどシチュエーションが大きな要素を占めているようです。このほか、飲む量のコントロールやコストの節約といった要素もあります。
今後さらに伸びる要素としては、サイズの問題があります。現在、缶入りワインの主流はハーフボトルに相当する375mlのサイズですが、調査によると1/3ボトルに相当する250mlの方がいいと考えている消費者が多くいます。また、1/4ボトルに相当する187mlも375mlよりも人気があります。
現在のレギュレーションでは250mlの缶入りワインは4本パックで販売しないといけません。これがバラ売りできるようになれば、250mlの缶入りワインは急増する可能性があります。さらには現在、あまり供給がない187mlのものも増えれば、そちらへのシフトもあるでしょう。多くの消費者が缶入りワインを飲み切るサイズとしては375mlでは多いと感じるのはうなずけます。
缶入りワインを提供するワイナリーも増えています。2018年6月には125のプロデューサーが350種(SKU)の缶入りワインを提供していましたが、2019年6月には300のプロデューサーが900種提供と倍以上に増えています。さらにこの8月には375のプロデューサーで1000種に達したとのこと。
ビール最大手でバドワイザーなどを擁するアンハイザー・ブッシュ・インベブはBABEという缶入りワインのブランドをこの6月に買収。さらに缶入りワインがコンシューマーに広がる可能性が高まりました。
この7月には初の缶入りワインだけのワインコンペティションも開かれました。赤ワインではInsomnia Wineのカリフォルニア・ピノ・ノワール、白ワインではサンズ・ワインのナパ・ヴァレー・リースリングがベスト・オブ・ショーに選ばれています。
ソノマでブドウ畑の広さを調査した結果が公表されています(The Top 10 Growers in Sonoma County by Acreage)。1位から順番に見ていきましょう。
1位はジャクソン・ファミリー・ワインズで3700エーカー。傘下最大手のケンダル・ジャクソンがソノマを本拠地にしいるほか、ヴェリテなど、ソノマでも著名なワイナリーを数多く擁しています。誰もが予想する1位でしょう。
2位はE&Jガロ。かつてはガロのノーザン・ソノマというのがここのフラッグシップでした(このワインのためにノーザン・ソノマというAVAを認めさせてしまったのは有名な話)。ワイナリーの本拠地はセントラル・ヴァレーですが、高級路線のワインはソノマで造っている印象があります。もちろん傘下のワイナリーも多数あります。3665エーカーというのは1位とほぼ肩を並べる数字です。
3位はTIAA/Silverado Investment Management Groupの2000エーカー。ここについてはほとんど情報がわかりません。どなたかご存知でしょうか。
4位はトレジャリー・ワイン・エステーツの1375エーカー。ベリンジャーやBVなどナパのイメージが強いですが、ソノマではアケイシアやシャトー・セント・ジーンなどを擁しています。
5位はロドニー・ストロングで1369エーカー。ソノマの著名なブランドの一つですが、こんなに持っているんですね。
6位はフェラーリ・カラーノの1285エーカー。感想は上に同じ。
7位はコンステレーション・ブランズの1150エーカー。シミやレイヴェンズウッドなどソノマの著名なブランドを持っていましたが、大部分を今年ガロに売却してしまいました。ただ、売却したのはブランドだけで畑は含まれていないので、これらのワイナリーの畑はまだあるはずです。
8位はソノマ・カトラーで1128エーカー。ここもソノマでは著名ブランドです。生産量も多そうなので、妥当な感じです。
9位はフォーリー・ファミリーの1100エーカー。サンタ・バーバラで始まったグループですが現在の本拠地はソノマ、チョーク・ヒルなどを擁しています。
10位はサンジャコモの1100エーカー。初めて畑専業が出てきました。
ダットンランチとかはトップ10に入らないのですね。全体的に畑専業よりもコングロマリットが上位を占めた印象でした。トップ100の結果は「Wine Business Monthly Issue - July 2019」から。ちなみにダットンランチは15位で529エーカーでした。
1位はジャクソン・ファミリー・ワインズで3700エーカー。傘下最大手のケンダル・ジャクソンがソノマを本拠地にしいるほか、ヴェリテなど、ソノマでも著名なワイナリーを数多く擁しています。誰もが予想する1位でしょう。
2位はE&Jガロ。かつてはガロのノーザン・ソノマというのがここのフラッグシップでした(このワインのためにノーザン・ソノマというAVAを認めさせてしまったのは有名な話)。ワイナリーの本拠地はセントラル・ヴァレーですが、高級路線のワインはソノマで造っている印象があります。もちろん傘下のワイナリーも多数あります。3665エーカーというのは1位とほぼ肩を並べる数字です。
3位はTIAA/Silverado Investment Management Groupの2000エーカー。ここについてはほとんど情報がわかりません。どなたかご存知でしょうか。
4位はトレジャリー・ワイン・エステーツの1375エーカー。ベリンジャーやBVなどナパのイメージが強いですが、ソノマではアケイシアやシャトー・セント・ジーンなどを擁しています。
5位はロドニー・ストロングで1369エーカー。ソノマの著名なブランドの一つですが、こんなに持っているんですね。
6位はフェラーリ・カラーノの1285エーカー。感想は上に同じ。
7位はコンステレーション・ブランズの1150エーカー。シミやレイヴェンズウッドなどソノマの著名なブランドを持っていましたが、大部分を今年ガロに売却してしまいました。ただ、売却したのはブランドだけで畑は含まれていないので、これらのワイナリーの畑はまだあるはずです。
8位はソノマ・カトラーで1128エーカー。ここもソノマでは著名ブランドです。生産量も多そうなので、妥当な感じです。
9位はフォーリー・ファミリーの1100エーカー。サンタ・バーバラで始まったグループですが現在の本拠地はソノマ、チョーク・ヒルなどを擁しています。
10位はサンジャコモの1100エーカー。初めて畑専業が出てきました。
ダットンランチとかはトップ10に入らないのですね。全体的に畑専業よりもコングロマリットが上位を占めた印象でした。トップ100の結果は「Wine Business Monthly Issue - July 2019」から。ちなみにダットンランチは15位で529エーカーでした。
「ブライアント・ファミリー、財政的に窮地?」という記事で、ブライアント・ファミリーが元財務コンサルタントから契約不履行で訴えられた件を紹介しましたが、今度はブライアント・ファミリー側がこの元コンサルタントを守秘義務を破ったとして提訴しました。
最初の提訴では、ブライアント・ファミリーの企業価値が実際にワイナリーが銀行に伝えているのと合っていないことや、多くの在庫を抱えていること、さらには郡から許可を得ている生産量を超えないようにするために、豊作だった年のワインを不作の年のワインに密かにブレンドしているといったことが明らかになっており、確かに守秘義務には違反しています。
ただ、契約不履行であることを証明するためにはある程度の暴露は避けられない上、法律上問題があることを暴露するのは守秘義務には違反しないというのが一般的な考え方です。個人的にはブライアント・ファミリー側からの提訴は無理筋なような気がしていますが、どうなることでしょう。
なお、ワイナリー紹介では「Bryant Family Vineyards: 90年代の栄光からスキャンダルにまみれたこの10年」としており、今回の訴訟騒ぎでさらに黒歴史が続くことになりました。
最初の提訴では、ブライアント・ファミリーの企業価値が実際にワイナリーが銀行に伝えているのと合っていないことや、多くの在庫を抱えていること、さらには郡から許可を得ている生産量を超えないようにするために、豊作だった年のワインを不作の年のワインに密かにブレンドしているといったことが明らかになっており、確かに守秘義務には違反しています。
ただ、契約不履行であることを証明するためにはある程度の暴露は避けられない上、法律上問題があることを暴露するのは守秘義務には違反しないというのが一般的な考え方です。個人的にはブライアント・ファミリー側からの提訴は無理筋なような気がしていますが、どうなることでしょう。
なお、ワイナリー紹介では「Bryant Family Vineyards: 90年代の栄光からスキャンダルにまみれたこの10年」としており、今回の訴訟騒ぎでさらに黒歴史が続くことになりました。
8月8日にナパのヨントヴィルで開かれたWines&Vines主催のパッケージング・コンファレンスのアワードで、ブリュワー・クリフトンのシラー「EX Post Facto 2016」がクラシックパッケージのトップに選ばれました(Brewer Cliftons EX Post Facto 2016 Syrah Wins Best of Show in ...)。
このワインはブリュワー・クリフトンの新しいシリーズで2018年にリリースされたもの。
デザイナーのヘザー・デロングによると、禁酒法時代の雰囲気を出したかったとのこと。最初はタイプライターのフォントを試したのですが、さらにそれをすすめてタイプライターのキーそのもののようなデザインになっています。
ちなみにヴィナスで92点、ワイン・アドヴォケートで90点などワイン自体も高く評価されています。
このワインはブリュワー・クリフトンの新しいシリーズで2018年にリリースされたもの。
デザイナーのヘザー・デロングによると、禁酒法時代の雰囲気を出したかったとのこと。最初はタイプライターのフォントを試したのですが、さらにそれをすすめてタイプライターのキーそのもののようなデザインになっています。
ちなみにヴィナスで92点、ワイン・アドヴォケートで90点などワイン自体も高く評価されています。
8月9日にX JapanのYoshikiプロデュースによるワインY by Yoshikiの第5世代のワインが解禁になりました。
通常のワインと異なり、世代ごとにYoshikiがロブ・モンダヴィ・ジュニア(ロバート・モンダヴィの孫)と話し合い、試飲を重ねて作るワイン。第4世代はやや高級路線で、本数も少なく、かなり早く売り切れましたが、第5世代は5000円台(店によっては4000円台)と、比較的入手しやすい値段になっています。
品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネで、どちらも原産地はカリフォルニアとなっています。ヴィンテージはどちらも2017。シャルドネは第4世代も2017年だったので今回は「アンコール」と付いています。
リンクはショップごとにまとめています。
【パリ16区】
【しあわせワイン倶楽部】
【Yanagiya】
こちらは前回のもの
通常のワインと異なり、世代ごとにYoshikiがロブ・モンダヴィ・ジュニア(ロバート・モンダヴィの孫)と話し合い、試飲を重ねて作るワイン。第4世代はやや高級路線で、本数も少なく、かなり早く売り切れましたが、第5世代は5000円台(店によっては4000円台)と、比較的入手しやすい値段になっています。
品種はカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネで、どちらも原産地はカリフォルニアとなっています。ヴィンテージはどちらも2017。シャルドネは第4世代も2017年だったので今回は「アンコール」と付いています。
リンクはショップごとにまとめています。
【パリ16区】
【しあわせワイン倶楽部】
【Yanagiya】
ナパのワイナリーによる業界団体ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは8月6日、ナパ郡の子供の教育に計240万ドルを寄付すると発表しました(Napa Valley Vintners announces $2.4 million in funding for childrens ...)。これには6月に開催されたオークション・ナパ・ヴァレーの収益が当てられます。
これらは13のNPOに割り当てられ、約4万4000人の子供の教育に貢献する見込みです。どのNPOに寄付するかは毎年見直されているようです。
これらは13のNPOに割り当てられ、約4万4000人の子供の教育に貢献する見込みです。どのNPOに寄付するかは毎年見直されているようです。
かつてWine Library TVという動画シリーズで一世を風靡したゲイリー・ヴェイナチャック(Gary Vaynerchuk)が再びワインビジネスに参入すると発表しました(Gary Vaynerchuk launches disruptive new wine co)。
ゲイリー・ヴェイナチャックはニュージャージーにワイン・ライブラリーという大型ワインショップを持っており、そのワインの販促のために動画を始めたのですが、成功した後はソーシャルメディアのコンサルタントや作家などを中心にしたビジネスに転じていました。
今回はエンパシー(Empathy)というブランドでワインの直売に挑みます。ワイナリーと消費者を結びつけ中間マージンを減らすことによって、安く良質なワインを提供することを狙います。サブスクリプション・モデルを取ることで安定した注文を受けられるようにします。なお、今回の会社はワイン・ライブラリーとは無関係のようです。
レイク・カウンティのシャノン・ランチ、ロウダイのボーキッシュとメトラー・ファミリー、ソノマのマリエッタと提携しています。
まずは来年5月と6月にロゼと白のブレンドを発売します。価格は3本パックで送料入れて81ドル。このほか、6本や12本のパックもあります。
米国内のほか、カナダやシンガポール、オーストラリア、ニュージーランドにも出荷します。
個人的にはサブスクリプションモデルはワインでは難しい(消費者はいろいろなものを飲みたい)と思っているのですが、うまくいくのでしょうか。
そういえば、かつてはシンデレラ・ワインという、一日1アイテムだけを安値で売るというサイトを始めたこともありました(今でもあります)。この手のビジネスも一時もてはやされましたが定着しなかったですね。
ゲイリー・ヴェイナチャックはニュージャージーにワイン・ライブラリーという大型ワインショップを持っており、そのワインの販促のために動画を始めたのですが、成功した後はソーシャルメディアのコンサルタントや作家などを中心にしたビジネスに転じていました。
今回はエンパシー(Empathy)というブランドでワインの直売に挑みます。ワイナリーと消費者を結びつけ中間マージンを減らすことによって、安く良質なワインを提供することを狙います。サブスクリプション・モデルを取ることで安定した注文を受けられるようにします。なお、今回の会社はワイン・ライブラリーとは無関係のようです。
レイク・カウンティのシャノン・ランチ、ロウダイのボーキッシュとメトラー・ファミリー、ソノマのマリエッタと提携しています。
まずは来年5月と6月にロゼと白のブレンドを発売します。価格は3本パックで送料入れて81ドル。このほか、6本や12本のパックもあります。
米国内のほか、カナダやシンガポール、オーストラリア、ニュージーランドにも出荷します。
個人的にはサブスクリプションモデルはワインでは難しい(消費者はいろいろなものを飲みたい)と思っているのですが、うまくいくのでしょうか。
そういえば、かつてはシンデレラ・ワインという、一日1アイテムだけを安値で売るというサイトを始めたこともありました(今でもあります)。この手のビジネスも一時もてはやされましたが定着しなかったですね。
米国では、最新ヴィンテージ以外のワインの流通があまりない、というのは以前も書きましたが、そのため数年前のワインの在庫が余っているワイナリーが処分価格で、輸出業者(日本から見たらインポーター)に卸すことがあります。
そうなると日本でも現地価格より安く売ることが可能になり、非常にお買い得感が強いワインになります。当然、その性質上在庫がなくなるまでの期間限定ではありますが。
今年も、そういう形で日本に入ってきているワインがいくつかありますが、その一つが「ケラー」(Keller)。ソノマ最新のAVAであるペタルマ・ギャップを代表するプロデューサーの一つです。強風で有名な場所であり、冷涼な地域ですからもちろん造っているのはシャルドネとピノ・ノワール。
これまでしあわせワイン倶楽部に入っていましたが、柳屋にもシャルドネの方だけ入荷しています。きっと近々ピノ・ノワールも入るでしょう。優良ヴィンテージである2013年のワインが税抜だと2000円台というのは安すぎます。
しあわせワイン倶楽部はピノ・ノワールもあります。
ほかの在庫処分ワインはこちらで。
ワイナリー廃業による在庫処分で半額近くになったお買い得ワイン
再度お薦め、サンタ・バーバラの一流ワイナリーのワインが半額セール
そうなると日本でも現地価格より安く売ることが可能になり、非常にお買い得感が強いワインになります。当然、その性質上在庫がなくなるまでの期間限定ではありますが。
今年も、そういう形で日本に入ってきているワインがいくつかありますが、その一つが「ケラー」(Keller)。ソノマ最新のAVAであるペタルマ・ギャップを代表するプロデューサーの一つです。強風で有名な場所であり、冷涼な地域ですからもちろん造っているのはシャルドネとピノ・ノワール。
これまでしあわせワイン倶楽部に入っていましたが、柳屋にもシャルドネの方だけ入荷しています。きっと近々ピノ・ノワールも入るでしょう。優良ヴィンテージである2013年のワインが税抜だと2000円台というのは安すぎます。
しあわせワイン倶楽部はピノ・ノワールもあります。
ほかの在庫処分ワインはこちらで。
ワイナリー廃業による在庫処分で半額近くになったお買い得ワイン
再度お薦め、サンタ・バーバラの一流ワイナリーのワインが半額セール
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが2018年のナパのワインの第一印象を記事にまとめています(2018 Napa Valley – First Impressions… (Jul 2019) | Vinous - Explore All Things Wine)。2019年春の時点での試飲ですから、もちろんまだワインは完成にはほど遠く、ブレンドもされていませんから個々のワインについてはレビューされていません。
問題らしい問題がなく、非常にいい年と言われている2018年ですが、たしかにごくわずかの例外を除いては品質は良好なようです。
例外というのはハウエル・マウンテンで、8月半ばに近所で起きた山火事の影響で、煙の害がごく一部のワインで出ているようです。
後は豊作だったので量のコントロールがちゃんとできたかどうかは課題になりそうです。それほど重い味わいではないところなど2012年にやや似たところがあるヴィンテージで、2014年のようなダークなフルーツの風味もあります。
前述のように個々のワインの評価はありませんが、非常によかったワイナリーとしてはキャプサンディやダラ・ヴァレなどが挙げられています。
いいヴィンテージになりそうですね。
問題らしい問題がなく、非常にいい年と言われている2018年ですが、たしかにごくわずかの例外を除いては品質は良好なようです。
例外というのはハウエル・マウンテンで、8月半ばに近所で起きた山火事の影響で、煙の害がごく一部のワインで出ているようです。
後は豊作だったので量のコントロールがちゃんとできたかどうかは課題になりそうです。それほど重い味わいではないところなど2012年にやや似たところがあるヴィンテージで、2014年のようなダークなフルーツの風味もあります。
前述のように個々のワインの評価はありませんが、非常によかったワイナリーとしてはキャプサンディやダラ・ヴァレなどが挙げられています。
いいヴィンテージになりそうですね。
コッパーズ・ホーク(Copper's Hawk)というワイナリーをご存知でしょうか。2018年のワイン生産量は75万ケース。全米で30位に入る規模のワイナリーです。クラブ・メンバーはなんと37万5000人。1000万ドル近くの利益を叩き出しています。このワイナリーがあるのはイリノイ州。カリフォルニアではありません。ではどうやってこのワイナリーはこれほど人気になったのでしょうか(This ‘Starbucks of wine’ chain is changing the way Americans experience Chardonnay)。
このワイナリーがやっているのは基本的にはスターバックスがグルメコーヒーでやってきたのと同じ。初心者へのしきいを下げ、高級品との間を取り持っている
より近いモデルでいうとブリューパブに似ています。日本でも最近、クラフトビールの醸造設備を備えたブリューパブが増えてきていますが、ここもレストランでワインを醸造し、食事をしながらワインを飲める「ワイナリーレストラン」を始めたのです。ブドウはカリフォルニアやワシントン、オレゴンといった西海岸から調達しています。
レストランはチェーンになっていて、クラブメンバーはワインをレストランでピックアップして抜栓料なしで飲むことができます。それが人気を呼んでいるとのこと。
日本でも応用できそうなビジネスモデルだと思います。
このワイナリーがやっているのは基本的にはスターバックスがグルメコーヒーでやってきたのと同じ。初心者へのしきいを下げ、高級品との間を取り持っている
より近いモデルでいうとブリューパブに似ています。日本でも最近、クラフトビールの醸造設備を備えたブリューパブが増えてきていますが、ここもレストランでワインを醸造し、食事をしながらワインを飲める「ワイナリーレストラン」を始めたのです。ブドウはカリフォルニアやワシントン、オレゴンといった西海岸から調達しています。
レストランはチェーンになっていて、クラブメンバーはワインをレストランでピックアップして抜栓料なしで飲むことができます。それが人気を呼んでいるとのこと。
日本でも応用できそうなビジネスモデルだと思います。
1年前に始めたアカデミー・デュ・ヴァンの講座、2019年秋冬も募集します。
今回は3講座を提案させていただいています。
「カリフォルニアの名門ワイナリー」
「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」
「カリフォルニアの超一流ワイナリー」
カリフォルニアの名門ワイナリーは今期で3回めとなります。ロバート・モンダヴィから始まり、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、シャトー・モンテリーナ、リッジ、カレラ、キスラー、ピーター・マイケルというバラエティに富んだ顔ぶれ。自分で言うのも何ですが、試飲のワインだけでも貴重な経験ができますし、ワイナリーもそれぞれ面白いと思います。
続・カリフォルニアの名門ワイナリーは今期で2回め。まだ1回めも終了していませんが前半はナパの有名ワイナリーにフォーカスします。4回めのオーパス・ワンが白眉でしょう。その後は、オー・ボン・クリマの回とオーベール、モルレの回。オー・ボン・クリマは前回のカレラ、オーベールとモルレはピーター・マイケルと対称になります。
そして今回新規提案したのはカリフォルニアの超一流ワイナリー。「ハーラン飲んでみたい」という希望を何人かの受講生からいただいたのですが、ハーランだけを扱うのではひねりがないので、コルギンとシュレーダーという超一流ワイナリーも合わせて3回の講座にしました。回数は少ないですが、ワイン代はすごいです。また、ワインの手配が大変ですが、なんとか概ねメドが立ちました。中川ワインさんのおかげです。
新しい講座の準備をするときは1週間近く、睡眠不足になりながら資料調べをするので、体力的にもなかなか大変。新規は一つだけにしました。
最大月4回でほぼ週1までは増やしてもいいかなあと思っているので、来期はまた新しい講座企画したいと思っています。でもまずは今回のに集まってもらわないと!
募集は8月4日11:00からWebで始まります。ウォークインの申込みは翌日5日から。過去2期はほぼ初日に埋まってしまいました。1期目はキャンセル待ちでもそれなりに入れたようでしたが、今期はキャンセルもゼロだったようで。受講されたいという方は早めに申し込まれた方がいいと思います。特に「超一流」は、もしかしたらあっという間に埋まってしまうかもしれません。
今回は3講座を提案させていただいています。
「カリフォルニアの名門ワイナリー」
「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」
「カリフォルニアの超一流ワイナリー」
カリフォルニアの名門ワイナリーは今期で3回めとなります。ロバート・モンダヴィから始まり、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、シャトー・モンテリーナ、リッジ、カレラ、キスラー、ピーター・マイケルというバラエティに富んだ顔ぶれ。自分で言うのも何ですが、試飲のワインだけでも貴重な経験ができますし、ワイナリーもそれぞれ面白いと思います。
続・カリフォルニアの名門ワイナリーは今期で2回め。まだ1回めも終了していませんが前半はナパの有名ワイナリーにフォーカスします。4回めのオーパス・ワンが白眉でしょう。その後は、オー・ボン・クリマの回とオーベール、モルレの回。オー・ボン・クリマは前回のカレラ、オーベールとモルレはピーター・マイケルと対称になります。
そして今回新規提案したのはカリフォルニアの超一流ワイナリー。「ハーラン飲んでみたい」という希望を何人かの受講生からいただいたのですが、ハーランだけを扱うのではひねりがないので、コルギンとシュレーダーという超一流ワイナリーも合わせて3回の講座にしました。回数は少ないですが、ワイン代はすごいです。また、ワインの手配が大変ですが、なんとか概ねメドが立ちました。中川ワインさんのおかげです。
新しい講座の準備をするときは1週間近く、睡眠不足になりながら資料調べをするので、体力的にもなかなか大変。新規は一つだけにしました。
最大月4回でほぼ週1までは増やしてもいいかなあと思っているので、来期はまた新しい講座企画したいと思っています。でもまずは今回のに集まってもらわないと!
募集は8月4日11:00からWebで始まります。ウォークインの申込みは翌日5日から。過去2期はほぼ初日に埋まってしまいました。1期目はキャンセル待ちでもそれなりに入れたようでしたが、今期はキャンセルもゼロだったようで。受講されたいという方は早めに申し込まれた方がいいと思います。特に「超一流」は、もしかしたらあっという間に埋まってしまうかもしれません。
ハーシュ・ヴィンヤーズのジャスミン・ハーシュがインスタグラムに面白いストーリーをアップしていたので紹介します(ブログへの掲載許可はいただいています)。
ハーシュ・ヴィンヤードのブロック6には3種類のピノ・ノワールのクローンが植わっていますが、それによるヴェレゾン(色付き)の違いを見ています。これら3種のクローンはどれも1995年に植えたものでルートストックも同じ(3309)です。土壌やスロープの向きは多少違いがありますが、実質的にこれ以上比較の条件が整っているものはあまりないでしょう。
2枚めの写真はDijonクローンの114。一番ヴェレゾンが進んでいて7月27日時点では5粒に1粒くらいでヴェレゾンが始まっています。
ブロック6の中央はポマールとヴェーデンスウィル(でいいのかな?、綴はWädenswil)。ここはまだヴェレゾンが始まっていません。これらに比べると前に見た114は収穫量もずっと多いとのこと。
ブロック6で一番多いのがスワン・クローン。一番丘の上にあるブロック6Dではまだヴェレゾンは始まっておらず、丘の中腹の6fでは少しだけ始まっています。
写真はすべて列の中間。朝日が当たる、通路から見て西側のブドウを撮っています。
ブロック6はハーシュの「ウエストリッジ」で中核となるブロック。
最後はブロック6から見たブロック9。
ハーシュ・ヴィンヤードのブロック6には3種類のピノ・ノワールのクローンが植わっていますが、それによるヴェレゾン(色付き)の違いを見ています。これら3種のクローンはどれも1995年に植えたものでルートストックも同じ(3309)です。土壌やスロープの向きは多少違いがありますが、実質的にこれ以上比較の条件が整っているものはあまりないでしょう。
2枚めの写真はDijonクローンの114。一番ヴェレゾンが進んでいて7月27日時点では5粒に1粒くらいでヴェレゾンが始まっています。
ブロック6の中央はポマールとヴェーデンスウィル(でいいのかな?、綴はWädenswil)。ここはまだヴェレゾンが始まっていません。これらに比べると前に見た114は収穫量もずっと多いとのこと。
ブロック6で一番多いのがスワン・クローン。一番丘の上にあるブロック6Dではまだヴェレゾンは始まっておらず、丘の中腹の6fでは少しだけ始まっています。
写真はすべて列の中間。朝日が当たる、通路から見て西側のブドウを撮っています。
ブロック6はハーシュの「ウエストリッジ」で中核となるブロック。
最後はブロック6から見たブロック9。
「カリフォルニアワインの玄関口」が2019年8月15日で20周年を迎えることになり、記念にパーティを開催することになりました。
日時:2019年8月15日19時~22時
場所:ワイン蔵tokyo
東京都港区新橋2-15-11 橘ビル6F
TEL:03-5251-3710
会費:1万円
当日は1999年のインシグニアなどを提供させていただきます。
定員は20名です。
参加されたい方はFacebook、Twitterなどでコンタクトください。すでに半分近くが埋まっていますのでお早めにどうぞ。
開催にあたってはアステリア株式会社の平野洋一郎社長、ワイン蔵tokyoのオーナー、中川正光さんにご尽力いただきました。まことにありがとうございます。
ちなみに、サイトのデザイン、昔はこんなのでした。懐かしいですねえ。
ブログの前身になったのが2001年にオープンした「コラム」というコーナー。自作CGIを使ってオンラインで投稿して自動的にインデックスも作る仕組みになっていました。
初代ブログの「Memorandam」というコーナーは、一応まだ消さずに置いてあります(PHPでエラーが出ていますが)。これが2003年の3月から2004年の3月まで。
そして2004年4月に「お勝手口」をオープン。2006年に、ホスティングの会社がデータを全部削除という大チョンボをやったのをきっかけに、玄関口とお勝手口をシステム的に統合しました。約2年分のブログデータが完全になくなってしまったのが悲しいところです。
サイトをオープンしたころは、いわゆる「ホームページ」の第1次ブームでいろいろなワインサイトがありましたが、現在まで続いているものはほとんどないようです。
その中でも「安ワイン道場」さんはほとんど変わらないデザインでずっと続いていて、尊敬に値すると思っています。道場主さんには一度お会いしたいと思いながらこれまで機会なし。
日時:2019年8月15日19時~22時
場所:ワイン蔵tokyo
東京都港区新橋2-15-11 橘ビル6F
TEL:03-5251-3710
会費:1万円
当日は1999年のインシグニアなどを提供させていただきます。
定員は20名です。
参加されたい方はFacebook、Twitterなどでコンタクトください。すでに半分近くが埋まっていますのでお早めにどうぞ。
開催にあたってはアステリア株式会社の平野洋一郎社長、ワイン蔵tokyoのオーナー、中川正光さんにご尽力いただきました。まことにありがとうございます。
ちなみに、サイトのデザイン、昔はこんなのでした。懐かしいですねえ。
ブログの前身になったのが2001年にオープンした「コラム」というコーナー。自作CGIを使ってオンラインで投稿して自動的にインデックスも作る仕組みになっていました。
初代ブログの「Memorandam」というコーナーは、一応まだ消さずに置いてあります(PHPでエラーが出ていますが)。これが2003年の3月から2004年の3月まで。
そして2004年4月に「お勝手口」をオープン。2006年に、ホスティングの会社がデータを全部削除という大チョンボをやったのをきっかけに、玄関口とお勝手口をシステム的に統合しました。約2年分のブログデータが完全になくなってしまったのが悲しいところです。
サイトをオープンしたころは、いわゆる「ホームページ」の第1次ブームでいろいろなワインサイトがありましたが、現在まで続いているものはほとんどないようです。
その中でも「安ワイン道場」さんはほとんど変わらないデザインでずっと続いていて、尊敬に値すると思っています。道場主さんには一度お会いしたいと思いながらこれまで機会なし。
先月、シェーファー・ヴィンヤーズのオーナーであるダグ・シェーファーが約1年半ぶりに来日し、ランチに招待いただきました。今年3月に創設者のジョン・シェーファーが亡くなり、延期になっていたものです。
シェーファーについてはアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでも単独で取り上げており、フラッグシップのヒルサイドセレクトを含む、現行ヴィンテージの全ワインをその際に試飲しています。今回はそれに加えてヒルサイドセレクトのオールド・ヴィンテージまでいただくことができました。なお、店は丸の内の「モートンズ・ザ・ステーキハウス」。米国のシカゴで40年ほどの歴史を持つレストランです。
シャルドネのレッドショルダー・ランチは樽発酵、樽熟成。新樽と木製の樽と同サイズのステンレスの樽を使います。除梗はなし、収穫は夜に行います。マロラクティック発酵しないので、さわやかさを保ちながら、ナパらしい果実味の豊かさを味わえる上質なシャルドネです。シェーファーのラインアップ中、唯一の白ですが、やや過小評価されているような気がします。
その次はTD-9。日本でも人気が高かったメルローの後継となるワイン。シェーファーとしてはメルローは生産量も品質も安定しないことが多く、毎年一定量を造るのが悩みの種でした。そこでメルローをベースとしながらもメルローと名乗るのをやめることで、より安定した品質と量のワインを造ることにしたのがこのTD-9。前回ダグ・シェーファーが来日したときがちょうどこのワインのデビュー時期でしたが、すっかりラインアップに溶け込んだ感じがします。果実のふくよかさと酸味のバランスよく、柔らかい味わい。これだけは購入ブドウを含んでいますが75%ほどは自社畑のブドウだそうです。
次はカベルネ・ソーヴィニヨンのレギュラー版であるワン・ポイント・ファイブ。この名前はダグ・シェーファーが創設者のジョン・シェーファーから見れば2代目ですが、実際にはワイナリーの比較的初期から携わってシェーファーをもり立ててきたことから1.5世代目という意味を込めています。なお、ダグ・シェーファーは2人の奥さんとの間に5人の子供がいますが、一人もワインビジネスには携わっていません。そこは無理強いしない方針だとのことですが、将来を考えるとちょっと残念な気もします。このワイン、とても安定してレベルの高いワインです。1万5000円前後というのは決して安くはないですが、1万円台のナパ・カベルネ・ソーヴィニヨンとして、お薦めできるワイン。
その次はシラーのリレントレス。シェーファーの顔といえば、ダグ・シェーファーですが、長年ワイン造りを担っているのはイライアス・フェルナンデスという人。ダグ・シェーファーのUCデーヴィスの数年後輩ですが、イライアスの方が成績はずっと上だったとのこと。シェーファーは、初期を除くとワインの失敗作がほとんどないのも特徴だと思っているのですが、その品質の安定性も彼なしではできなかったことでしょう。その妥協しない厳しい姿勢から命名したのがこのシラーです。タンニンと果実味、酸のバランスが素晴らしい。カリフォルニアのシラーは、やや甘めの果実味爆弾方向の造りのものがやや目立ちますが、これはもっとローヌっぽいシラーです。
最後はフラグシップのヒルサイドセレクト3本。2014年、2009年、そして2000年です。
個人的に一番と思ったのは2014年。果実味豊かで酸がきれいに伸びてくるのとストラクチャーがしっかりしていることが特徴。カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインとして最高のワインの一つだと思います。ボルドーブレンドのワインはまたその良さがありますが、これだけ美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンを飲むと、ブレンドする意味はないのではないかと思ってしまうこともあります。
2009年はちょうど熟成が始まった感じ。スパイス感がいい感じです。
2000年は複雑さがかなり出てきています。料理に合わせるという意味では2014年よりいいかもしれません。ヒルサイドセレクトは熟成力も十分にあることを改めて感じました。
ところで、シェーファーは2015年頃からTD-9とシャルドネでDiamという合成コルクを使っています。これの成果について聞いてみたところ、素晴らしく満足しているそうです。ヒルサイドセレクトにも使う可能性があるのか質問したら、予定はあるとのこと。当初からヒルサイドセレクトでも一部をDiamにして熟成などを検証しているそうで、ここ数年のうちにはヒルサイドセレクトを含めてDiamに変わる可能性が高そうです。トップクラスのカリフォルニアのワイナリーで全面的に合成コルクを使うのは初めてかもしれません。
シェーファーについてはアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでも単独で取り上げており、フラッグシップのヒルサイドセレクトを含む、現行ヴィンテージの全ワインをその際に試飲しています。今回はそれに加えてヒルサイドセレクトのオールド・ヴィンテージまでいただくことができました。なお、店は丸の内の「モートンズ・ザ・ステーキハウス」。米国のシカゴで40年ほどの歴史を持つレストランです。
シャルドネのレッドショルダー・ランチは樽発酵、樽熟成。新樽と木製の樽と同サイズのステンレスの樽を使います。除梗はなし、収穫は夜に行います。マロラクティック発酵しないので、さわやかさを保ちながら、ナパらしい果実味の豊かさを味わえる上質なシャルドネです。シェーファーのラインアップ中、唯一の白ですが、やや過小評価されているような気がします。
その次はTD-9。日本でも人気が高かったメルローの後継となるワイン。シェーファーとしてはメルローは生産量も品質も安定しないことが多く、毎年一定量を造るのが悩みの種でした。そこでメルローをベースとしながらもメルローと名乗るのをやめることで、より安定した品質と量のワインを造ることにしたのがこのTD-9。前回ダグ・シェーファーが来日したときがちょうどこのワインのデビュー時期でしたが、すっかりラインアップに溶け込んだ感じがします。果実のふくよかさと酸味のバランスよく、柔らかい味わい。これだけは購入ブドウを含んでいますが75%ほどは自社畑のブドウだそうです。
次はカベルネ・ソーヴィニヨンのレギュラー版であるワン・ポイント・ファイブ。この名前はダグ・シェーファーが創設者のジョン・シェーファーから見れば2代目ですが、実際にはワイナリーの比較的初期から携わってシェーファーをもり立ててきたことから1.5世代目という意味を込めています。なお、ダグ・シェーファーは2人の奥さんとの間に5人の子供がいますが、一人もワインビジネスには携わっていません。そこは無理強いしない方針だとのことですが、将来を考えるとちょっと残念な気もします。このワイン、とても安定してレベルの高いワインです。1万5000円前後というのは決して安くはないですが、1万円台のナパ・カベルネ・ソーヴィニヨンとして、お薦めできるワイン。
その次はシラーのリレントレス。シェーファーの顔といえば、ダグ・シェーファーですが、長年ワイン造りを担っているのはイライアス・フェルナンデスという人。ダグ・シェーファーのUCデーヴィスの数年後輩ですが、イライアスの方が成績はずっと上だったとのこと。シェーファーは、初期を除くとワインの失敗作がほとんどないのも特徴だと思っているのですが、その品質の安定性も彼なしではできなかったことでしょう。その妥協しない厳しい姿勢から命名したのがこのシラーです。タンニンと果実味、酸のバランスが素晴らしい。カリフォルニアのシラーは、やや甘めの果実味爆弾方向の造りのものがやや目立ちますが、これはもっとローヌっぽいシラーです。
最後はフラグシップのヒルサイドセレクト3本。2014年、2009年、そして2000年です。
個人的に一番と思ったのは2014年。果実味豊かで酸がきれいに伸びてくるのとストラクチャーがしっかりしていることが特徴。カベルネ・ソーヴィニヨン100%のワインとして最高のワインの一つだと思います。ボルドーブレンドのワインはまたその良さがありますが、これだけ美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンを飲むと、ブレンドする意味はないのではないかと思ってしまうこともあります。
2009年はちょうど熟成が始まった感じ。スパイス感がいい感じです。
2000年は複雑さがかなり出てきています。料理に合わせるという意味では2014年よりいいかもしれません。ヒルサイドセレクトは熟成力も十分にあることを改めて感じました。
ところで、シェーファーは2015年頃からTD-9とシャルドネでDiamという合成コルクを使っています。これの成果について聞いてみたところ、素晴らしく満足しているそうです。ヒルサイドセレクトにも使う可能性があるのか質問したら、予定はあるとのこと。当初からヒルサイドセレクトでも一部をDiamにして熟成などを検証しているそうで、ここ数年のうちにはヒルサイドセレクトを含めてDiamに変わる可能性が高そうです。トップクラスのカリフォルニアのワイナリーで全面的に合成コルクを使うのは初めてかもしれません。
カレラのロゼ「ヴァン・グリ・オブ・ピノ・ノワール」2017年が国内入荷しています。ヴィナスのアントニオ・ガッローニも「洗練されていてシルキー、純粋で品があるロゼ」と激賞するワイン。生産は毎年されていますが、日本にはときどきしか入荷していません。今回も割当制で、ショップへの追加入荷はなさそうです。夏の暑いときに冷やして飲むのにもいいワインだと思います。個人的にもお薦めのロゼの一つです。
こちらのロゼも甲乙つけがたいレベル。なんとピゾーニのロゼです。
こちらのロゼも甲乙つけがたいレベル。なんとピゾーニのロゼです。
先月「ペタルマ・ギャップの優良生産者のシャルドネが現地価格以下」という記事で紹介したケラー・エステート。今度は2012年の熟成ピノ・ノワールが現地価格以下になっています。
強風で知られるペタルマ・ギャップで冷涼感あるワインを造るワイナリーです。
通常価格が7000円のところが税抜き3680円。ワイン・サーチャーでは平均42ドルですから、それよりも2割近く安くなっています。相当のお買い得品です。
シャルドネもまだ売っています。基本的に在庫限りの商品なのでお早めにどうぞ。
ちなみに、今年これまでの掘り出し物といえば、アルタ・マリアは捨てがたいところです。
カベルネ・ソーヴィニヨンでは「アリル」。125ドルのワインが8000円台という超破格。私も試飲しましたが、100ドル台が納得の品質です。
強風で知られるペタルマ・ギャップで冷涼感あるワインを造るワイナリーです。
通常価格が7000円のところが税抜き3680円。ワイン・サーチャーでは平均42ドルですから、それよりも2割近く安くなっています。相当のお買い得品です。
シャルドネもまだ売っています。基本的に在庫限りの商品なのでお早めにどうぞ。
ちなみに、今年これまでの掘り出し物といえば、アルタ・マリアは捨てがたいところです。
カベルネ・ソーヴィニヨンでは「アリル」。125ドルのワインが8000円台という超破格。私も試飲しましたが、100ドル台が納得の品質です。
7月頭に閉店したディーン&デルーカのナパのセント・ヘレナ店の後継がワインショップになることが判明しました(Gary’s Wine & Marketplace coming to former Dean & DeLuca space in St. Helena | Local News | napavalleyregister.com)。
ワインショップはゲイリーズ・ワイン・アンド・マーケットプレイス。ニュージャージーに4つの店舗を持っており、これが5軒目となります。ディーン&デルーカ時代よりもワインのラインアップを充実させるとのこと。ナパのワインが中心になりますが、アルザスやロワール、ブルゴーニュなどのワインも置くとのこと。
ゲイリーズとの契約はディーン&デルーカの閉店前に決まっていたとのこと。土地の権利は、以前ディーン&デルーカのオーナーだった故レスリー・ラッドの遺族が所有を続けているそうです。
新しいショップのオープンは9月の予定。
ワインショップはゲイリーズ・ワイン・アンド・マーケットプレイス。ニュージャージーに4つの店舗を持っており、これが5軒目となります。ディーン&デルーカ時代よりもワインのラインアップを充実させるとのこと。ナパのワインが中心になりますが、アルザスやロワール、ブルゴーニュなどのワインも置くとのこと。
ゲイリーズとの契約はディーン&デルーカの閉店前に決まっていたとのこと。土地の権利は、以前ディーン&デルーカのオーナーだった故レスリー・ラッドの遺族が所有を続けているそうです。
新しいショップのオープンは9月の予定。
ナパのプレミアムなワイナリー、プリド・ウォーカー(Pulido-Walker)がヨントヴィルに畑と居宅を購入しました(Mark Pulido and Donna Walker purchased Yountville estate vineyard ...)。購入元はカーサ・ピエナ(Casa Piena)というワイナリーで、以前サンフランシスコ49ersのオーナーだったカーメン・ポリシーの夫妻が所有していました。
実はこの2つのワイナリーはどちらもトーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーという共通点があります。さらに、どちらもメンディング・ウォールズというワイナリーで醸造しています(ここもトーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカー)。プリド・ウォーカーはソノマやナパなどに大きな被害をもたらした2017年の火事で家をマウント・ヴィーダーにあった家を失っており、再建を目指していましたが、それをあきらめてヨントヴィルに移り住みます。
カーサ・ピエナは長期リース契約があるため、今後もヨントヴィルの畑からワインを作ります。また、プリド・ウォーカーも同じ畑からカベルネ・ソーヴィニヨンを造る予定です。
プリド・ウォーカーは2010年に創設されたワイナリー。ワインメーカーのトーマス・リヴァース・ブラウンが持つセントヘレナのパネク・ヴィンヤード、プリチャードヒルのメランソン・ヴィンヤードから高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンを造っています。
実はこの2つのワイナリーはどちらもトーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーという共通点があります。さらに、どちらもメンディング・ウォールズというワイナリーで醸造しています(ここもトーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカー)。プリド・ウォーカーはソノマやナパなどに大きな被害をもたらした2017年の火事で家をマウント・ヴィーダーにあった家を失っており、再建を目指していましたが、それをあきらめてヨントヴィルに移り住みます。
カーサ・ピエナは長期リース契約があるため、今後もヨントヴィルの畑からワインを作ります。また、プリド・ウォーカーも同じ畑からカベルネ・ソーヴィニヨンを造る予定です。
プリド・ウォーカーは2010年に創設されたワイナリー。ワインメーカーのトーマス・リヴァース・ブラウンが持つセントヘレナのパネク・ヴィンヤード、プリチャードヒルのメランソン・ヴィンヤードから高品質なカベルネ・ソーヴィニヨンを造っています。
先日、日本輸入が始まったカトレヤを紹介しましたが、そのワインメーカーであるビビアナ・ゴンザレス・レーヴの名を高めたのがパルメイヤーと、そのソノマコーストでのブランドであるウェイフェアラーです。そのウェイフェアラーのピノ・ノワール2015がワイン・エンスージアスト誌で99点に到達しました。
ちなみに同誌でピノ・ノワールの100点はこれまで3本。99点も3本しかありません。
個人的にもここ数年で試飲したピノ・ノワールの中でもポテンシャルの高さではトップクラスのワイナリーです。
まだ樹齢も比較的若いですし、これからますますよくなる可能性が高いと思います。
ちなみに、前ヴィンテージのピノ・ノワール「トラベラー」は98点。これはいわゆるスーツケース・クローンのワインで、非常に長熟型。エキゾチックな味わいのワインです。熟成させるならスタンダード版よりも上だと思います。
ちなみに同誌でピノ・ノワールの100点はこれまで3本。99点も3本しかありません。
個人的にもここ数年で試飲したピノ・ノワールの中でもポテンシャルの高さではトップクラスのワイナリーです。
まだ樹齢も比較的若いですし、これからますますよくなる可能性が高いと思います。
ちなみに、前ヴィンテージのピノ・ノワール「トラベラー」は98点。これはいわゆるスーツケース・クローンのワインで、非常に長熟型。エキゾチックな味わいのワインです。熟成させるならスタンダード版よりも上だと思います。
メリヴェール(Merryvale)が、傘下のスターモント(Starmont)のワイナリーとしてナパのカーネロスに持っていた施設が先日売却され、ダックホーン傘下のマイグレーションのワイナリー兼テイスティング・ルームになることが明らかになりました(Duckhorn to Open Winery for Migration at former Starmont Winery in ...)。
メリヴェールは7月5日にオルシ(Orsi)家に施設を売却しており、今回はオルシ家がダックホーンにリースする形になりますが、売却も視野にいれているとのこと。
ダックホーンはこの施設でマイグレーションの醸造も行う予定。また、ワイナリーの周囲に9エーカーのシャルドネの畑があり、将来はそれもマイグレーションに使う予定だそうです。
一方、スターモントの醸造はセント・ヘレナのメリヴェールに移り、販売などもこれまで通りだとのことです。
マイグレーションはダックホーン傘下で冷涼な地域のピノ・ノワールとシャルドネに特化したワイナリー。当初はアンダーソン・ヴァレーのゴールデンアイのセカンド的位置付けでしたが、現在は独立してソノマ・コーストやロシアン・リバー・ヴァレー、サンタ・マリア・ヴァレーなどのブドウからワインを作っています。
メリヴェールは7月5日にオルシ(Orsi)家に施設を売却しており、今回はオルシ家がダックホーンにリースする形になりますが、売却も視野にいれているとのこと。
ダックホーンはこの施設でマイグレーションの醸造も行う予定。また、ワイナリーの周囲に9エーカーのシャルドネの畑があり、将来はそれもマイグレーションに使う予定だそうです。
一方、スターモントの醸造はセント・ヘレナのメリヴェールに移り、販売などもこれまで通りだとのことです。
マイグレーションはダックホーン傘下で冷涼な地域のピノ・ノワールとシャルドネに特化したワイナリー。当初はアンダーソン・ヴァレーのゴールデンアイのセカンド的位置付けでしたが、現在は独立してソノマ・コーストやロシアン・リバー・ヴァレー、サンタ・マリア・ヴァレーなどのブドウからワインを作っています。
メンドシーノから、ソノマ、ナパを通りヨロ郡に抜ける州道128を「シーニック・ハイウェイ」に指定することが決まりました(Newsom signs bill to name Route 128 as a Scenic Highway | Local News | napavalleyregister.com)。2020年1月1日から施行されます。
シーニック・ハイウェイとは景観のすばらしい道に付ける指定で、道沿いの郡には景観の保護などが求められます。1963年に定められたものだとのこと。
ナパでは北のソノマからカリストガに入り、ハイウェイ29をラザフォードまで南下して、東に抜け、レイク・ヘネシーから東に抜けていきます。
シーニック・ハイウェイに指定されると、道路標識に写真のようなポピーのマークを入れられます。
シーニック・ハイウェイとは景観のすばらしい道に付ける指定で、道沿いの郡には景観の保護などが求められます。1963年に定められたものだとのこと。
ナパでは北のソノマからカリストガに入り、ハイウェイ29をラザフォードまで南下して、東に抜け、レイク・ヘネシーから東に抜けていきます。
シーニック・ハイウェイに指定されると、道路標識に写真のようなポピーのマークを入れられます。
中国原産のSpotted Lanternflyという昆虫の被害が米国で広がっています(Looming insect invasion threatens California wine and avocados | University of California)。
日本語では「ビワハゴロモ(琵琶羽衣)」という優雅な名前のある虫ですが、蜜を分泌し、それがカビの素になったり、ありなどの他の害虫を引き寄せるなどの問題を起こします。米国では東海岸から生息域を拡大しており、カリフォルニアに到達するのも時間の問題と考えられています。
現在、対策として考えられているのが、同じく中国原産の寄生ハチを使う方法。とても小さなハチでLanternflyの卵の中に卵を産み付け、中身を食べてしまうのだといいます。
このハチが他の昆虫に悪影響がないかどうかを調べて、対策に使う方針ですが、調べるのに3年ほどかかる見込み。それまでに害が広がらないことを期待します。
日本語では「ビワハゴロモ(琵琶羽衣)」という優雅な名前のある虫ですが、蜜を分泌し、それがカビの素になったり、ありなどの他の害虫を引き寄せるなどの問題を起こします。米国では東海岸から生息域を拡大しており、カリフォルニアに到達するのも時間の問題と考えられています。
現在、対策として考えられているのが、同じく中国原産の寄生ハチを使う方法。とても小さなハチでLanternflyの卵の中に卵を産み付け、中身を食べてしまうのだといいます。
このハチが他の昆虫に悪影響がないかどうかを調べて、対策に使う方針ですが、調べるのに3年ほどかかる見込み。それまでに害が広がらないことを期待します。
ビビアナ・ゴンザレス・レーヴは今カリフォルニアで最も注目されているワインメーカーの一人です。2014年と2015年にはワイン・エンスージアスト誌が選ぶ「40歳以下の40人」に選ばれ、2015年にはSFクロニクルのワインメーカー・オブ・ザ・イヤーにも選ばれています。
2012年から2017年にはナパの名門パルメイヤー(Pahlmeyer)でワインメーカーを務め、2017年には2015年のシャルドネがワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれています。さらに、パルメイヤーがソノマ・コーストで始めたウェイフェアラー(Wayfarer)では、シャルドネ、ピノ・ノワールでどちらもワイン・アドヴォケイトで最高97+という高得点を獲得。一躍トップクラスのピノ・ノワールの一角に名乗りを挙げました。
残念ながらパルメイヤー/ウェイフェアラーは2017年までで退任してしまいましたが、彼女の個人プロジェクトとしてやっているカトレヤ(Cattleya)が日本に輸入されてきています。ワイン・アドヴォケイトでは、こちらもシャルドネで最高95点、ピノ・ノワールで96点、シラーで97点と高い評価。ちなみにカトレヤは彼女の生まれ故郷である南米コロンビアの国花です。
今回輸入されたのはピノ・ノワール キュベ・ナンバー・ワン2017。ワイン・アドヴォケイトでは95点の評価です。ロシアン・リバー・ヴァレーのグリーン・ヴァレーに属する地域の畑のブドウを使っています。生産量はわずか127ケース。日本への輸出枠を確保してくれたのが奇跡のようなワインです(当然、ワイナリーでは売り切れ)。
しかも価格も税込みで8000円台、税別なら7000円台です。アドヴォケイトで95点以上のピノ・ノワールとなるとまず1万円超えは堅いところで、この価格はバーゲンといえます(実際、アドヴォケイトで2016年、2017年のピノ・ノワールで95点以上のものを検索すると、このワインは安い方から2番めになります)。
書きそびれましたが、彼女のご主人はピゾーニ・エステートのジェフ・ピゾーニという大物カップル。夫婦で造るシェアード・ノーツというワイナリーのソーヴィニヨン・ブランもむちゃくちゃ美味しいらしく、そちらも興味しんしんです。
2012年から2017年にはナパの名門パルメイヤー(Pahlmeyer)でワインメーカーを務め、2017年には2015年のシャルドネがワイン・スペクテーターの年間9位に選ばれています。さらに、パルメイヤーがソノマ・コーストで始めたウェイフェアラー(Wayfarer)では、シャルドネ、ピノ・ノワールでどちらもワイン・アドヴォケイトで最高97+という高得点を獲得。一躍トップクラスのピノ・ノワールの一角に名乗りを挙げました。
残念ながらパルメイヤー/ウェイフェアラーは2017年までで退任してしまいましたが、彼女の個人プロジェクトとしてやっているカトレヤ(Cattleya)が日本に輸入されてきています。ワイン・アドヴォケイトでは、こちらもシャルドネで最高95点、ピノ・ノワールで96点、シラーで97点と高い評価。ちなみにカトレヤは彼女の生まれ故郷である南米コロンビアの国花です。
今回輸入されたのはピノ・ノワール キュベ・ナンバー・ワン2017。ワイン・アドヴォケイトでは95点の評価です。ロシアン・リバー・ヴァレーのグリーン・ヴァレーに属する地域の畑のブドウを使っています。生産量はわずか127ケース。日本への輸出枠を確保してくれたのが奇跡のようなワインです(当然、ワイナリーでは売り切れ)。
しかも価格も税込みで8000円台、税別なら7000円台です。アドヴォケイトで95点以上のピノ・ノワールとなるとまず1万円超えは堅いところで、この価格はバーゲンといえます(実際、アドヴォケイトで2016年、2017年のピノ・ノワールで95点以上のものを検索すると、このワインは安い方から2番めになります)。
書きそびれましたが、彼女のご主人はピゾーニ・エステートのジェフ・ピゾーニという大物カップル。夫婦で造るシェアード・ノーツというワイナリーのソーヴィニヨン・ブランもむちゃくちゃ美味しいらしく、そちらも興味しんしんです。
柳屋にサンドラーのシャルドネ、チャールズ・ハインツ・ヴィンヤードが入荷しています。
サンドラーはオーガスト・ウエストなどで知られるワインメーカー、エド・カーツマンの個人プロジェクト。2000年代にはロバート・パーカーの掲示板でピノ・ノワールのワインメーカーの投票の一番人気だった実力派ワインメーカーです。フリーマンの初代ワインメーカーで、アキコさんの師匠でもあります。
ピノ・ノワールで知られるエド・カーツマンですが、シャルドネも実は得意。オーガスト・ウエストではサンタルシアハイランズのロゼラズ・ヴィンヤードから、とても美味しいシャルドネを作っています(個人的にも以前は毎年買っていたワインでした)。
そして、サンドラーで作っているシャルドネはなんとチャールズ・ハインツ。フリーマンのシャルドネ涼風にもブレンドされている、ソノマ・コーストの人気の畑です。
チャールズ・ハインツの単一畑のシャルドネだと、リトライやデュモルのイソベル、チャールズ・ハインツ自身のワイナリーと、そうそうたる名前が並んでいずれも1万円超え。ちなみに、入手できないスパークリング・ワインとして知られるウルトラマリンもチャールズ・ハインツのブドウを使っていますがこれももちろん1万円超え。
その中でこのサンドラーのシャルドネは7000円ですからかなりお買い得です。
今年の春に試飲しましたが、高級感ある仕上がりでした。クオリティは1万円クラスと遜色ないと思います。これはお薦め。
よかったらこちらも。
サンドラーはオーガスト・ウエストなどで知られるワインメーカー、エド・カーツマンの個人プロジェクト。2000年代にはロバート・パーカーの掲示板でピノ・ノワールのワインメーカーの投票の一番人気だった実力派ワインメーカーです。フリーマンの初代ワインメーカーで、アキコさんの師匠でもあります。
ピノ・ノワールで知られるエド・カーツマンですが、シャルドネも実は得意。オーガスト・ウエストではサンタルシアハイランズのロゼラズ・ヴィンヤードから、とても美味しいシャルドネを作っています(個人的にも以前は毎年買っていたワインでした)。
そして、サンドラーで作っているシャルドネはなんとチャールズ・ハインツ。フリーマンのシャルドネ涼風にもブレンドされている、ソノマ・コーストの人気の畑です。
チャールズ・ハインツの単一畑のシャルドネだと、リトライやデュモルのイソベル、チャールズ・ハインツ自身のワイナリーと、そうそうたる名前が並んでいずれも1万円超え。ちなみに、入手できないスパークリング・ワインとして知られるウルトラマリンもチャールズ・ハインツのブドウを使っていますがこれももちろん1万円超え。
その中でこのサンドラーのシャルドネは7000円ですからかなりお買い得です。
今年の春に試飲しましたが、高級感ある仕上がりでした。クオリティは1万円クラスと遜色ないと思います。これはお薦め。
よかったらこちらも。
昨日はアカデミー・デュ・ヴァンで「続カリフォルニアの名門ワイナリー」第4回オーパス・ワンでした。
今回こそは余裕を持って準備しようと思いつつ、結局前日も睡眠時間3時間。なかなか思うようにはできないものです。
試飲はオーパス・ワン2ヴィンテージ(2012と2015)に加え、オーヴァチュア、それからオーパス・ワンの隣の畑だったり、オーパス・ワンと同じくらい美味しいなどと言われたことのあるワイン2種(フランシスカンとナパハイランズ)の計5種をブラインドで。
オーパス・ワンの3つのワインとそれ以外を分けるのは、予想以上に簡単でしたが、オーパス・ワン2015とオーヴァチュアが難しかったです。
2015はまだタンニンがかなり固く、今飲むならオーヴァチュアの方が飲みやすく感じます。なので、オーヴァチュアをオーパス・ワン2015と思った人が多く、一番人気もオーヴァチュアでした。
個人的にも、昔オーヴァチュア飲んだときはオーパス・ワンとの差の大きさに驚いたのですが、今回は逆に差の小ささに驚きました。とはいえオーヴァチュアはノンヴィンテージなので、今がたまたまいいだけかもしれませんが。
熟成させるのでなければ、十分おすすめできると思います。
高級食品やワインストアとして有名なDean & Delucaのナパのセント・ヘレナのショップが閉店しました(St. Helena’s Dean & DeLuca store closes | Local News | napavalleyregister.com)。
先週、独立記念日の休暇としてクローズしたのですが、その後完全に閉店したことが判明しました。
最近、ディーン&デルーカに商品を納めている店への支払いが滞っているという噂が出ており、米国内の店は42店舗から18店舗へと大きく数を減らしています。
ディーン&デルーカは2014年にタイのペース・デベロップメントが買収しており、現在は同社の傘下にあります。日本など海外のライセンスも含まれています。
先週、独立記念日の休暇としてクローズしたのですが、その後完全に閉店したことが判明しました。
最近、ディーン&デルーカに商品を納めている店への支払いが滞っているという噂が出ており、米国内の店は42店舗から18店舗へと大きく数を減らしています。
ディーン&デルーカは2014年にタイのペース・デベロップメントが買収しており、現在は同社の傘下にあります。日本など海外のライセンスも含まれています。
ソノマのドライクリークを中心に、古木の畑を多く持っているセゲシオが輸入元変更になり、わずかですが在庫が3割引の特価で出ています。
特価になっているのはコルティナ・ジンファンデルの2015年。ワイン・アドヴォケイトでは93点、ワイン・スペクテーターでは94点と高評価のワイン。なお、このワインの畑は1972年に植えられたものが中心なので、50年弱。ヒストリック・ヴィンヤード・ソサイエティに登録する条件は樹齢50年以上なので、古木と呼ぶにはまだちょっと若いです。
特価になっているのはコルティナ・ジンファンデルの2015年。ワイン・アドヴォケイトでは93点、ワイン・スペクテーターでは94点と高評価のワイン。なお、このワインの畑は1972年に植えられたものが中心なので、50年弱。ヒストリック・ヴィンヤード・ソサイエティに登録する条件は樹齢50年以上なので、古木と呼ぶにはまだちょっと若いです。
Amazonで直輸入ワインが2割引のセールになっています。「レジで割引」なので、商品ページに表示されている価格からの2割引。カートに入れて、決済に進むと割引価格が提示されます。
カートに入れて、チェックアウトに進むとこうなります。
ちゃんと割引されているのが分かります。
2割引ワインはこちらから
残念ながらカリフォルニアワインは入っておりません。
カートに入れて、チェックアウトに進むとこうなります。
ちゃんと割引されているのが分かります。
2割引ワインはこちらから
残念ながらカリフォルニアワインは入っておりません。
先日、シャルボノの記事を載せたところ、日本にも輸入されているというお話を聞きました。その一つが、今回紹介するカルダー(Calder)ワイン・カンパニー(Calder Wine Company)。
創設者のロイ・ウィリアムズはフロッグス・リープのジョン・ウィリアムズの息子。オーガニックとドライ・ファーミング(灌漑なしの栽培)にこだわった父の志を引き継ぎ、ナパなどの無灌漑の畑、しかもカリフォルニアではマイナーな品種にこだわってワインを作っています。
現在は、シャルボノのほか、プティ・シラー、カリニャン、リースリング、シュナン・ブランのワインを作っています。
シャルボノはカリストガにあるメイヤー・ファミリーの畑。50年近く前にイングルヌックのために植えられた畑です。温暖なカリストガは熟すのに時間がかかるシャルボノに最適な土地だとのこと。また、リースリングはラザフォードにあるフロッグス・リープが借りて栽培も手がけている畑のもの。ロイ・ウィリアムズも畑仕事を手伝っているそうです。
なお、日本のインポーターはラ・ラングドシェン。フロッグス・リープのインポーターでもあります。
創設者のロイ・ウィリアムズはフロッグス・リープのジョン・ウィリアムズの息子。オーガニックとドライ・ファーミング(灌漑なしの栽培)にこだわった父の志を引き継ぎ、ナパなどの無灌漑の畑、しかもカリフォルニアではマイナーな品種にこだわってワインを作っています。
現在は、シャルボノのほか、プティ・シラー、カリニャン、リースリング、シュナン・ブランのワインを作っています。
シャルボノはカリストガにあるメイヤー・ファミリーの畑。50年近く前にイングルヌックのために植えられた畑です。温暖なカリストガは熟すのに時間がかかるシャルボノに最適な土地だとのこと。また、リースリングはラザフォードにあるフロッグス・リープが借りて栽培も手がけている畑のもの。ロイ・ウィリアムズも畑仕事を手伝っているそうです。
なお、日本のインポーターはラ・ラングドシェン。フロッグス・リープのインポーターでもあります。
ジンファンデルの古木の畑に関連した記事をいくつか書いていますが、今回はそれを支えるワインを紹介します。
古木の畑を守っていくことは重要ですが、どうしても植え替えが必要なこともあります。例えば木が病気になってしまったりとか。
植え替えをすると、そのあと何十年かは古木のワインに使えなくなってしまいます。そこで、若い木のブドウだけを集めて作るワインが必要になるのです。
ターリーは、ジンファンデル「ジュヴナイル」としてターリーのワインの中では最安で売られています。最新ヴィンテージの2017は、ワイン・アドヴォケイトで91+、ワイン・スペクテーターでは92点という高い評価です。
ベッドロックは「シュバング!(Shebang)」というノンヴィンテージ、品種名も書かないワインで若木のブドウを使っています。最近、ジャンシス・ロビンソンが「カリフォルニアのエッセンス」とこのワインを評しています。ちょい甘で気軽に飲めるワインです。
古木の畑を守っていくことは重要ですが、どうしても植え替えが必要なこともあります。例えば木が病気になってしまったりとか。
植え替えをすると、そのあと何十年かは古木のワインに使えなくなってしまいます。そこで、若い木のブドウだけを集めて作るワインが必要になるのです。
ターリーは、ジンファンデル「ジュヴナイル」としてターリーのワインの中では最安で売られています。最新ヴィンテージの2017は、ワイン・アドヴォケイトで91+、ワイン・スペクテーターでは92点という高い評価です。
ベッドロックは「シュバング!(Shebang)」というノンヴィンテージ、品種名も書かないワインで若木のブドウを使っています。最近、ジャンシス・ロビンソンが「カリフォルニアのエッセンス」とこのワインを評しています。ちょい甘で気軽に飲めるワインです。
ソノマの冷涼なグリーン・ヴァレーやソノマ・コーストなどのシャルドネやピノ・ノワールを作るフリーマン。その共同オーナーでありワインメーカーでもあるアキコさんが来日、新製品を含むワインを飲みながら、日本食を味わう機会を得ました。
場所は広尾の「こうもと」というお蕎麦やさん。場所も、店の構えも隠れ家という言葉がぴったりくるような店です。
最初のワインは「涼風」シャルドネ2017。ちょうど日本に届いたばかりのワインです。フリーマンが作る唯一の白ワインで、2013年のものがオバマ大統領時代に安倍首相を招いた公式晩餐会で使われたことでも知られています。ハインツ・ランチのブドウが35%、KRランチ(旧キーファー・ランチ)が28%のほか、リンマーが26%とサービー(Searby)が11%となっています。サービーはチャーリー・ハインツが栽培している畑です。
樽発酵、樽熟成で新樽率は10%。
名前の通り、余韻の長い酸があり、とても冷涼感のあるシャルドネ。「きれい」という言葉が似合います。白い花の香り、パイナップル、洋梨の風味。トロピカルフルーツの味わいはごくわずかで上品さを保っています。
次のワインはソノマ・コースト ピノ・ノワール2016。このヴィンテージから自社畑ユーキのブドウが半分使われています。後はペタルマギャップのケラー・エステート。キャンベル・ランチは故ユリシス・ヴァルデスが栽培していた畑だとのこと。
オープントップの容器で5日間低温浸漬。フリーランとプレスの果汁を分けて発酵。熟成は28%新樽で11ヶ月。
バランスの取れたワイン。ややダークなフルーツとスパイス感があります。酸もきれい。
合わせた料理は前八寸で、とうもろこしすり流し、おぼろ豆腐雲丹わさび餡かけ、だし巻き天ぷら、鱧焼き霜造り梅肉醤油。前2つはシャルドネ、後ろ2つはピノ・ノワールに合わせて。和食のデリケートさを壊さないきれいさがワインにあるので、いい感じに料理と味わえました。
3つめのワインはロシアン・リバー・ヴァレー ピノ・ノワール2016。フリーマンのラインアップの中で一番チャーミングなワインで、このワインを嫌いという人はいない、とアキコさん。「このワインを嫌いという人はいない」というのはアキコさんの師匠であるエド・カーツマンのワインを飲むときにいつも私が感じていたことで、図らずも同じセリフがアキコさんから聞かれたのが面白かったです。
とはいえアキコさんのワインはエド・カーツマンと比べて、もっとエレガントで旨味を強く感じるタイプ。より日本人の口には合っているかもしれません。 ダーク・チェリーの風味がロシアン・リバー・ヴァレーらしい感じです。 フリーマンのワインの入門にもいいワインだと思います。
ロシアン・リバー・ヴァレーの畑は36%が自社のグロリア、23%がプラット、17%がKRランチと4分の3は単一畑で使ってもおかしくないような畑です。ワイン造りはソノマ・コーストと同様です。
料理は鮎の塩焼き。ワタの苦味とピノ・ノワールは素晴らしい組み合わせの一つです。
次は自社の単一畑のワインが2つ。グロリア・エステート2016とユーキ・エステートです。
グロリア・エステートは前述のようにロシアン・リバー・ヴァレーのAVA。2012年から単一畑でボトリングしています。UCデーヴィス系のクローンではなく、スワンやカレラなどのクローンを使用。かなりの急斜面で斜面の向きもさまざまだとのこと。
ロシアン・リバー・ヴァレーのワインと比べて、オレンジの風味や赤系の果実味がしっかりしており、旨味もより強く感じられます。
もう一つの単一畑はアキコさんの甥から名前を取ったユーキ・エステート。グロリアよりも海に近いところにあり、非常に冷涼な畑です。AVAもロシアン・リバー・ヴァレーではなくソノマ・コーストになります。グロリアと比べると最高気温で10℃、最低気温で5℃ほども違うとのこと。涼しいところなので収量が安定するUCデーヴィス系のディジョン・クローンを主に使っています。グロリア以上に斜面がきつく最大斜度は20度ほどもあるとのこと。2010年に急斜面の畑の開発は禁止されたので、今からは作れない畑だそうです。
また、ここは涼しく熟成も遅いため収穫も最後になります。フリーマンでは醸造用のタンクを使い回す必要があることから、基本的には培養酵母を使うことが多いのですが、このワインだけは最後なので天然酵母で時間をかけて発酵させているとのことです。また、ここは完全に除梗しますが、後から梗だけ足すこともあるそうです。
果実味よりも出汁系の旨味の味わいが印象的なワイン。酸がきれいで、非常にエレガント。試飲会で試飲したときには、やや複雑味が足りないかと思ったのですが、時間がたったせいもあるのか非常にいい感じのバランスに仕上がってきています。
2本の単一畑に合わせた料理は合鴨のロースと、うなぎの押し寿司。鴨とピノ・ノワールも鉄板の組み合わせ。うなぎもおいしいです。
最後のワインはピノ・ノワール アキコズ・キュベ2015。これはフリーマンのピノ・ノワールの中から一番いいと思うブレンドをアキコさんやエド・カーツマンなどが作り、その中からベストのものを選んで作るキュベ。これまで毎年アキコさんのものが選ばれていますが、エドさんのが選ばれることがあったら「エドズ・キュベ」になるはずです。
とにかく香りが素晴らしいワイン。複雑さもバランスもいい。単一畑の2種を飲んで素晴らしいと思いましたが、アキコズ・キュベを飲んだらやっぱりこちらが上だと感じます。
料理は手打ちそばに飛騨牛の花山椒佃煮。山椒とピノ・ノワールもすごくよく合う組み合わせなので、おいしくないはずがないです。
フリーマンのワイン、日本に輸出されているのは生産量の3%程度。半分はメーリング・リストで残りの大半はレストランに入っているそうです。米国にもしっかりと根を下ろしています。
フリーマンのワインはどれもレベルが高く、エドさん譲りの親しみやすさとアキコさんならではの気品を併せ持っています。このレベルのワインが日本人の手によって作り出されているというのは、同じ日本人として誇らしく思いますし、もっと日本の多くの人にも飲んでほしいワインだと思います。
場所は広尾の「こうもと」というお蕎麦やさん。場所も、店の構えも隠れ家という言葉がぴったりくるような店です。
最初のワインは「涼風」シャルドネ2017。ちょうど日本に届いたばかりのワインです。フリーマンが作る唯一の白ワインで、2013年のものがオバマ大統領時代に安倍首相を招いた公式晩餐会で使われたことでも知られています。ハインツ・ランチのブドウが35%、KRランチ(旧キーファー・ランチ)が28%のほか、リンマーが26%とサービー(Searby)が11%となっています。サービーはチャーリー・ハインツが栽培している畑です。
樽発酵、樽熟成で新樽率は10%。
名前の通り、余韻の長い酸があり、とても冷涼感のあるシャルドネ。「きれい」という言葉が似合います。白い花の香り、パイナップル、洋梨の風味。トロピカルフルーツの味わいはごくわずかで上品さを保っています。
次のワインはソノマ・コースト ピノ・ノワール2016。このヴィンテージから自社畑ユーキのブドウが半分使われています。後はペタルマギャップのケラー・エステート。キャンベル・ランチは故ユリシス・ヴァルデスが栽培していた畑だとのこと。
オープントップの容器で5日間低温浸漬。フリーランとプレスの果汁を分けて発酵。熟成は28%新樽で11ヶ月。
バランスの取れたワイン。ややダークなフルーツとスパイス感があります。酸もきれい。
合わせた料理は前八寸で、とうもろこしすり流し、おぼろ豆腐雲丹わさび餡かけ、だし巻き天ぷら、鱧焼き霜造り梅肉醤油。前2つはシャルドネ、後ろ2つはピノ・ノワールに合わせて。和食のデリケートさを壊さないきれいさがワインにあるので、いい感じに料理と味わえました。
3つめのワインはロシアン・リバー・ヴァレー ピノ・ノワール2016。フリーマンのラインアップの中で一番チャーミングなワインで、このワインを嫌いという人はいない、とアキコさん。「このワインを嫌いという人はいない」というのはアキコさんの師匠であるエド・カーツマンのワインを飲むときにいつも私が感じていたことで、図らずも同じセリフがアキコさんから聞かれたのが面白かったです。
とはいえアキコさんのワインはエド・カーツマンと比べて、もっとエレガントで旨味を強く感じるタイプ。より日本人の口には合っているかもしれません。 ダーク・チェリーの風味がロシアン・リバー・ヴァレーらしい感じです。 フリーマンのワインの入門にもいいワインだと思います。
ロシアン・リバー・ヴァレーの畑は36%が自社のグロリア、23%がプラット、17%がKRランチと4分の3は単一畑で使ってもおかしくないような畑です。ワイン造りはソノマ・コーストと同様です。
料理は鮎の塩焼き。ワタの苦味とピノ・ノワールは素晴らしい組み合わせの一つです。
次は自社の単一畑のワインが2つ。グロリア・エステート2016とユーキ・エステートです。
グロリア・エステートは前述のようにロシアン・リバー・ヴァレーのAVA。2012年から単一畑でボトリングしています。UCデーヴィス系のクローンではなく、スワンやカレラなどのクローンを使用。かなりの急斜面で斜面の向きもさまざまだとのこと。
ロシアン・リバー・ヴァレーのワインと比べて、オレンジの風味や赤系の果実味がしっかりしており、旨味もより強く感じられます。
もう一つの単一畑はアキコさんの甥から名前を取ったユーキ・エステート。グロリアよりも海に近いところにあり、非常に冷涼な畑です。AVAもロシアン・リバー・ヴァレーではなくソノマ・コーストになります。グロリアと比べると最高気温で10℃、最低気温で5℃ほども違うとのこと。涼しいところなので収量が安定するUCデーヴィス系のディジョン・クローンを主に使っています。グロリア以上に斜面がきつく最大斜度は20度ほどもあるとのこと。2010年に急斜面の畑の開発は禁止されたので、今からは作れない畑だそうです。
また、ここは涼しく熟成も遅いため収穫も最後になります。フリーマンでは醸造用のタンクを使い回す必要があることから、基本的には培養酵母を使うことが多いのですが、このワインだけは最後なので天然酵母で時間をかけて発酵させているとのことです。また、ここは完全に除梗しますが、後から梗だけ足すこともあるそうです。
果実味よりも出汁系の旨味の味わいが印象的なワイン。酸がきれいで、非常にエレガント。試飲会で試飲したときには、やや複雑味が足りないかと思ったのですが、時間がたったせいもあるのか非常にいい感じのバランスに仕上がってきています。
2本の単一畑に合わせた料理は合鴨のロースと、うなぎの押し寿司。鴨とピノ・ノワールも鉄板の組み合わせ。うなぎもおいしいです。
最後のワインはピノ・ノワール アキコズ・キュベ2015。これはフリーマンのピノ・ノワールの中から一番いいと思うブレンドをアキコさんやエド・カーツマンなどが作り、その中からベストのものを選んで作るキュベ。これまで毎年アキコさんのものが選ばれていますが、エドさんのが選ばれることがあったら「エドズ・キュベ」になるはずです。
とにかく香りが素晴らしいワイン。複雑さもバランスもいい。単一畑の2種を飲んで素晴らしいと思いましたが、アキコズ・キュベを飲んだらやっぱりこちらが上だと感じます。
料理は手打ちそばに飛騨牛の花山椒佃煮。山椒とピノ・ノワールもすごくよく合う組み合わせなので、おいしくないはずがないです。
フリーマンのワイン、日本に輸出されているのは生産量の3%程度。半分はメーリング・リストで残りの大半はレストランに入っているそうです。米国にもしっかりと根を下ろしています。
フリーマンのワインはどれもレベルが高く、エドさん譲りの親しみやすさとアキコさんならではの気品を併せ持っています。このレベルのワインが日本人の手によって作り出されているというのは、同じ日本人として誇らしく思いますし、もっと日本の多くの人にも飲んでほしいワインだと思います。
シャルボノ(Charbono)というブドウをご存知でしょうか。カリフォルニアではもはや絶滅寸前といってもいいくらいの量しか残っていません。栽培面積はわずかに76エーカー。ナパのカベルネの21万エーカーと比べてごくわずかです。このブドウに取り組むワイナリーを紹介した記事がありました(The fight to keep alive Charbono, Napa’s nearly extinct heritage grape - SFChronicle.com)。
シャルボノの畑が一番残っているのはナパのカリストガで、ナパには45エーカーの畑が残っています。しかし、シャルボノの取引価格はカベルネ・ソーヴィニヨンの半分以下。経済的な面ではシャルボノを作る理由はありません。
原産地はフランスのサヴォワで、19世紀末ころに米国に持ち込まれたと見られています。このブドウが一番メジャーなのはアルゼンチンで、アルゼンチンではもっぱらボナルダと呼ばれています(イタリアのボナルダとは無関係とのこと)。
ブドウの色は濃く、非常に強いタンニンがあるのが特徴とのこと。一方で、熟しても糖度が上がりにくいため、アルコール度数は13%台にとどまるそうです。色の濃さとアルコール度数の低さのために、ブレンドで使われることが多くなっています。かの「プリズナー」もシャルボノをブレンドしていたワインの一つですが、ブレンド率は年々下がっているそうです。ボニー・ドゥーンのカサ・デル・ソルもシャルボノをブレンドに使っています。
シャルボノに熱心なワイナリーの一つがイングルヌック(Inglenook)。年間4000ケースとそこそこの量のシャルボノを作っています。このほかロバート・フォーリー(Robert Foley)も比較的熱心に作っており、リッジもカリストガのトファネリ・ヴィンヤードのブドウでシャルボノを作り始めました。
なお、魅力の一つは価格で、例えばフォーリーのカベルネ・ソーヴィニヨンは200ドルするのに対し、シャルボノは38ドル。そのあたりからこのブドウに興味を持つ人もいるそうです。
さすがに日本に輸入されているシャルボノのワインはなさそうです(プリズナーなどブレンドものはありますが)。アルゼンチンのボナルダを紹介しておきます。
シャルボノの畑が一番残っているのはナパのカリストガで、ナパには45エーカーの畑が残っています。しかし、シャルボノの取引価格はカベルネ・ソーヴィニヨンの半分以下。経済的な面ではシャルボノを作る理由はありません。
原産地はフランスのサヴォワで、19世紀末ころに米国に持ち込まれたと見られています。このブドウが一番メジャーなのはアルゼンチンで、アルゼンチンではもっぱらボナルダと呼ばれています(イタリアのボナルダとは無関係とのこと)。
ブドウの色は濃く、非常に強いタンニンがあるのが特徴とのこと。一方で、熟しても糖度が上がりにくいため、アルコール度数は13%台にとどまるそうです。色の濃さとアルコール度数の低さのために、ブレンドで使われることが多くなっています。かの「プリズナー」もシャルボノをブレンドしていたワインの一つですが、ブレンド率は年々下がっているそうです。ボニー・ドゥーンのカサ・デル・ソルもシャルボノをブレンドに使っています。
シャルボノに熱心なワイナリーの一つがイングルヌック(Inglenook)。年間4000ケースとそこそこの量のシャルボノを作っています。このほかロバート・フォーリー(Robert Foley)も比較的熱心に作っており、リッジもカリストガのトファネリ・ヴィンヤードのブドウでシャルボノを作り始めました。
なお、魅力の一つは価格で、例えばフォーリーのカベルネ・ソーヴィニヨンは200ドルするのに対し、シャルボノは38ドル。そのあたりからこのブドウに興味を持つ人もいるそうです。
さすがに日本に輸入されているシャルボノのワインはなさそうです(プリズナーなどブレンドものはありますが)。アルゼンチンのボナルダを紹介しておきます。
ワイン・スペクテーターにベッドロックの自社畑であるベッドロック・ヴィンヤードのワイン「ベッドロック・ヘリテージ」の垂直試飲の記事が掲載されていました(Heritage Zinfandels: A Bedrock Vineyard Vertical Tasting | Wine Spectator)。
「カリフォルニアの貴重な財産、古木の世界」の記事でもベッドロックについて取り上げていますが、オーナーのモーガン・ピーターソンのマスター・オブ・ワインの論文のテーマがこの畑の分析でした。1880年代に作られた畑で、ジンファンデルのほか、カリニャンやプティ・シラー、マタロ(ムールヴェードル)など10種類を超えるブドウが植わっています。
2004年にモーガンの父でレイヴェンズウッドの創設者であるジョエル・ピーターソンが購入し、2007年からベッドロックとして単一畑のワインを作っています。
今回の垂直試飲では2011年から2017年までを試飲しており、2011年と2016年に最高の96点がついています。ワイン・スペクテーターではジンファンデル系のワインでこれまで最高の得点が96点で、カーライルが取っているだけでした。これでベッドロックも名実ともにカリフォルニアのジンファンデルのトップの称号を得たといってもいいかもしれません。なお、2016年のものは昨年のワイン・スペクテーター年間トップ10に選ばれています。
また、2011年という気温が低く、比較的評価の低いヴィンテージのワインに高評価が付いたのも面白いところだと思います。ジンファンデル系のワインはどうしても過熟気味になり、アルコール度数も高くなりがちなので、冷涼な年の方がそれが抑えられるという面もあるのかもしれません。
このところ、前述の古木の記事、セミナーで暑かったリッジ「アカデミー・デュ・ヴァン3回目」、生産者が来日したスリー「100年超の畑のワインが3000円! 歴史伝えるワイナリー「スリー」」と古木関連のことが相次いでいますが、タイミングよくこの記事もでてきました。そういう流れなのでしょうか。
ベッドロックついでにもう一つニュースを書いておくと、レイヴェンズウッドのフラッグシップとして知られていたオールド・ヒル・ランチ。1850年代に開墾が始まった、現存するカリフォルニアで一番古い畑と言われています。ここのワインをベッドロックが作り始めました。オールド・ヒル・ランチ、近年の評価はあまりぱっとしていませんが、ベッドロックのワインとして生まれ変わることで、また大きく評価が変わるかもしれません。モーガンは「自分たちが作った最高のワインの一つだ」と評しています。
「カリフォルニアの貴重な財産、古木の世界」の記事でもベッドロックについて取り上げていますが、オーナーのモーガン・ピーターソンのマスター・オブ・ワインの論文のテーマがこの畑の分析でした。1880年代に作られた畑で、ジンファンデルのほか、カリニャンやプティ・シラー、マタロ(ムールヴェードル)など10種類を超えるブドウが植わっています。
2004年にモーガンの父でレイヴェンズウッドの創設者であるジョエル・ピーターソンが購入し、2007年からベッドロックとして単一畑のワインを作っています。
今回の垂直試飲では2011年から2017年までを試飲しており、2011年と2016年に最高の96点がついています。ワイン・スペクテーターではジンファンデル系のワインでこれまで最高の得点が96点で、カーライルが取っているだけでした。これでベッドロックも名実ともにカリフォルニアのジンファンデルのトップの称号を得たといってもいいかもしれません。なお、2016年のものは昨年のワイン・スペクテーター年間トップ10に選ばれています。
また、2011年という気温が低く、比較的評価の低いヴィンテージのワインに高評価が付いたのも面白いところだと思います。ジンファンデル系のワインはどうしても過熟気味になり、アルコール度数も高くなりがちなので、冷涼な年の方がそれが抑えられるという面もあるのかもしれません。
このところ、前述の古木の記事、セミナーで暑かったリッジ「アカデミー・デュ・ヴァン3回目」、生産者が来日したスリー「100年超の畑のワインが3000円! 歴史伝えるワイナリー「スリー」」と古木関連のことが相次いでいますが、タイミングよくこの記事もでてきました。そういう流れなのでしょうか。
ベッドロックついでにもう一つニュースを書いておくと、レイヴェンズウッドのフラッグシップとして知られていたオールド・ヒル・ランチ。1850年代に開墾が始まった、現存するカリフォルニアで一番古い畑と言われています。ここのワインをベッドロックが作り始めました。オールド・ヒル・ランチ、近年の評価はあまりぱっとしていませんが、ベッドロックのワインとして生まれ変わることで、また大きく評価が変わるかもしれません。モーガンは「自分たちが作った最高のワインの一つだ」と評しています。
ワシントンの雄、チャールズ・スミスが作るワインズ・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン。今年前半に試飲したワインの中でも、最も衝撃的だったと言っても過言ではないレベルのワインでした。
その新ヴィンテージの2017年が国内に入ってきています。
2016年はワイン・アドヴォケイト、ワイン・スペクテーター、ワイン・エンスージアスト、ジェームズ・サックリング、ジェブ・ダナックからこぞって90点以上の高い評価を得ていましたが、さすがにその高評価を続けるのは難しいかと思いきや…。
なんとジェブ・ダナックからは93点という前年と同じ、ワイン・スペクテーターからは前年より1点高い91点という評価。少なくとも前年より悪いことはなさそうという、恐るべき状況です。
2000円台でおいしいカベルネを探している人はぜひ飲むべきワインです。
その新ヴィンテージの2017年が国内に入ってきています。
2016年はワイン・アドヴォケイト、ワイン・スペクテーター、ワイン・エンスージアスト、ジェームズ・サックリング、ジェブ・ダナックからこぞって90点以上の高い評価を得ていましたが、さすがにその高評価を続けるのは難しいかと思いきや…。
なんとジェブ・ダナックからは93点という前年と同じ、ワイン・スペクテーターからは前年より1点高い91点という評価。少なくとも前年より悪いことはなさそうという、恐るべき状況です。
2000円台でおいしいカベルネを探している人はぜひ飲むべきワインです。
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カーネロスでトップクラスのピノ・ノワールを作っているドナム(Donum)の創設者アン・モラー・ラッケがドナムを辞め、個人のプロジェクト「ブルー・ファーム」に専念することが明らかになりました(Anne Moller-Racke Shifts Her Focus To Blue Farm)。
アン・モラー・ラッケはドイツからの移民。1983年にブエナビスタのワインメーカーになり、ワイナリーの拡張に貢献しました。2001年にブエナビスタが売却された後、ブエナビスタのカーネロスの畑を手に入れて始めたのがドナムです。
以来、カーネロスでトップクラスのピノ・ノワールを作り続けています。またドナムは農場のここかしこに様々なアーティストの彫刻を置いていることでも知られています。2011年にワイナリーを売却した後もとどまっていましたが、このほど醸造設備の刷新などが完成したのを機に、辞めることになりました。
ブルー・ファームは彼女の自宅であるソノマのビクトリア調の農家の裏にブドウの木を植えたのが始まり。2013年に1861ヴィンヤードという畑を持っている人がパートナーになってワイナリーを始めました。今ではエステートのピノ・ノワールのほか、契約畑の単一畑やAVAものなどを作っています。
アン・モラー・ラッケはドイツからの移民。1983年にブエナビスタのワインメーカーになり、ワイナリーの拡張に貢献しました。2001年にブエナビスタが売却された後、ブエナビスタのカーネロスの畑を手に入れて始めたのがドナムです。
以来、カーネロスでトップクラスのピノ・ノワールを作り続けています。またドナムは農場のここかしこに様々なアーティストの彫刻を置いていることでも知られています。2011年にワイナリーを売却した後もとどまっていましたが、このほど醸造設備の刷新などが完成したのを機に、辞めることになりました。
ブルー・ファームは彼女の自宅であるソノマのビクトリア調の農家の裏にブドウの木を植えたのが始まり。2013年に1861ヴィンヤードという畑を持っている人がパートナーになってワイナリーを始めました。今ではエステートのピノ・ノワールのほか、契約畑の単一畑やAVAものなどを作っています。
世界最大のマリファナ農園がサンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズに作られようとしています。147エーカー(約60ヘクタール)の広さで東京ドーム13個分ほどの広さに、温室が立ち並ぶ予定です(How Santa Barbara County opened its doors to the world)。そこから2マイル離れたところでは83エーカーの農園が既に作られています。
カリフォルニアでマリファナの娯楽利用で解禁され、許可を取ってマリファナを育てる農家は増加しています。ただ、多くの郡では栽培場所や広さなどをかなり限定しているのに対し、サンタ・バーバラは広さに制限を付けない方向に舵を切りました。そこで高級ワイン産地として知られるサンタ・リタ・ヒルズにさえもマリファナ農園が作られるようになってきたわけです。
ただ、マリファナには独特の匂いがあり、ワイナリーのテイスティング・ルームなどでもその匂いがかがれてしまう、といった弊害も出ています。温室に匂いをコントロールする装置を付けるよう指導はしていますが、それでも影響ゼロにするのは難しそうです。
また、ブドウ畑の近くにマリファナ農園ができた場合、農薬の散布が難しくなるといった問題もあります。マリファナから農薬が検知されると、それは販売できないからです。
マリファナ農園の多くが、もっと田舎に作られている中で、ワイン産地でもあるサンタ・バーバラが打った賭け、どのようになるのでしょうか。ワインファンとしても気になるところです。
カリフォルニアでマリファナの娯楽利用で解禁され、許可を取ってマリファナを育てる農家は増加しています。ただ、多くの郡では栽培場所や広さなどをかなり限定しているのに対し、サンタ・バーバラは広さに制限を付けない方向に舵を切りました。そこで高級ワイン産地として知られるサンタ・リタ・ヒルズにさえもマリファナ農園が作られるようになってきたわけです。
ただ、マリファナには独特の匂いがあり、ワイナリーのテイスティング・ルームなどでもその匂いがかがれてしまう、といった弊害も出ています。温室に匂いをコントロールする装置を付けるよう指導はしていますが、それでも影響ゼロにするのは難しそうです。
また、ブドウ畑の近くにマリファナ農園ができた場合、農薬の散布が難しくなるといった問題もあります。マリファナから農薬が検知されると、それは販売できないからです。
マリファナ農園の多くが、もっと田舎に作られている中で、ワイン産地でもあるサンタ・バーバラが打った賭け、どのようになるのでしょうか。ワインファンとしても気になるところです。
コントラコスタ・カウンティというマイナーな生産地で100年を超える古木、しかも自根・無灌漑の畑から、極めてリーズナブルな価格のワインを作っているのが「スリー(Three)」です。このたび、そのスリーの生産者であるマットとエリンのクライン夫妻が来日、話を聞く機会をいただきました。なおスリーとは、天、地、人の3つを表しているそうです。
なお、古木の世界については先週公開した「カリフォルニアの貴重な財産、古木の世界」の記事もご覧いただけると幸いです。
クラインというと、「あれ?」と思う人もいるかもしれません。ソノマにクライン・セラーズというワイナリーがありますが、マットはクラインの創設者でもあり、兄弟で経営していましたが、そこを2002年にやめて作ったのがスリーなのです。母親がコントラコスタの出身で、クラインもコントラコスタのブドウを使っていました。そういった縁もあり、独立したときに畑を探したのがコントラコスタでした。
また、実はマットさん、1988年から2年ほど、日本にいたそうです。栃木県のココ・ファーム・ワイナリーで働いていました。マットさんの後ココ・ファームでワインメーカーになり、現在は北海道でワイン造りをしているブルース・ガットラブさんを招いたのもマットさんだったとか。現在、スリーを輸入している布袋ワインズは、創設当時ブルース・ガットラブさんの紹介や目立てでワインの輸入を始めたという経緯があり、実は縁がつながっていたのですが、今回の来日で初めてそれが判明したそうです。
さて、コントラコスタについてはワイン産地としてはほとんど知られていないと思うので、どのようなところか紹介しましょう。
サンフランシスコの半島があって、その内海が南側のサンフランシスコ湾と北側のサンパブロ湾になっています。サンパブロ湾はナパやソノマのカーネロスに接しており、そこからの冷涼な空気がナパやソノマのソノマ・ヴァレーにおいては大きな影響を与えているのはご存知の方が多いのではないかと思います。そのサンパブロ湾の東側、大学で有名なバークレーの北にリッチモンドという市があります。ここがコントラコスタの西端です。このように、サンフランシスコにも近く、郡内にもリッチモンドのほか、コンコードやウォルナット・クリークなどの市もあり、基本的には郊外の住宅地となっている地域です。
地勢的に見ると、サンパブロ湾の東側にサスーン(Suisun)湾あるいはサスーン海峡と呼ばれる浅い海があり、サン・ホアキン川とサクラメント川が流れ込んでいます。コントラコスタは内陸で気温は比較的高くなりますが、この海に近いところはサンパブロ湾からの冷気も流れ込んでくるため、比較的気温が低く、ブドウの生育にも適した土地になります。スリーの畑はコントラコスタの北東端にあるオークリーにあり、海に近いところです。夏場、非常に気温が高くなると、ブドウが光合成を止めてしまうといったことが起こりますが、ここは海からの風が吹くために比較的そういうことが起こりにくくなっています。なお、サクラメント川をさらに上流に行くとロウダイ(Lodi)があります。ロウダイはカリフォルニアのワイン生産の中心的な場所だったこともあるところで、ガロや、ウッドブリッジなどの本拠地はロウダイにあります。
また、ウォルナット・クリークの東側にはディアブロ山という標高1185mの山があります。冬には雪も降る山ですが、海の方から来る低気圧の雲がここに雨や雪を降らすため、オークリーなど、山の東側は非常に降水量が少なくなります。年間の雨量は600mm~900mm程度となっています。
また、スリーの畑のあるところの大きな特徴はその土壌です。デルハイ・サンズと呼ばれる、海からの風によって運ばれてくる極めてキメの細かい砂地になっています。この砂地のおかげで、スリーの畑は19世紀に自根で植えられたにもかかわらず、フィロキセラにやられずに済みました。また、20~30フィートくらいの深さのところに水の層があるため、降水量が少ないにもかかわらず、灌漑せずにブドウが育ちます。
畑のブドウの木は、古木では一般的な株仕立てですが、よく見かける盆栽のような丸い形ではなく、横に広がったような形。木と木の間は10フィート(約3m)とかなりたっぷり開いています。木と木が水を取り合うため、間隔を広くしているのだそうです。また、風が強いため、ブドウを上に伸ばすよりも横に伸ばすことを趣向しています。
古木紹介の記事にも書いたように、19世紀に植えられた畑のほとんどが「フィールド・ブレンド」といって複数の品種が畑の中に混ざって植えられています。スリーの畑ではジンファンデルとカリニャン、マタロの3品種が中心です。スリーの名前はこの3品種という意味合いもあるとのこと。ちなみにマタロはフランスでいうムールヴェードルです。スペイン・バルセロナのマタロの港から出荷されてきたことからその名が付いたと言われています。
この3品種は当時メジャーだった品種だそうですが、ソノマあたりの古木の畑で比較的多いプティ・シラーはあまり多くなく、また植えられているものも比較的後から植樹されたものだとのこと。このあたりの品種選択は、どこからの移民なのかによっても違っていたそうです。
スリーのワインは現状4種類が日本に輸入されています。フィールド・ブレンド オールド・ヴァインズ(2015年、2800円)、プティ・シラー コントラコスタ・カウンティ(2015年、3600円)、ジンファンデル オールド・ヴァインズ(2015年、3300円)、ジンファンデル ライブ・オーク(2015年、4700円)。
フィールド・ブレンド オールド・ヴァインズは39%カリニャンで26%マタロ、17%ジンファンデル、11%プティ・シラー、5%アリカンテ・ブーシュ、2%ブラック・マルヴォワジーという構成。非常に柔らかい味わいのワイン。優しい甘みにラズベリー、ブルーベリーの風味。タンニンはきめ細かくスムーズ。特にこの柔らかさが、スリーの味わいの特徴となっており、これがその入門的なワインになると思います。
次のプティ・シラーは打って変わってパワフルでタニック。ちょっと土っぽさも感じます。プティ・シラーのほか、カリニャンとマタロも入っています。スリーのワインの中では一番力強さを感じるワイン。
ジンファンデル オールド・ヴァインズは個人的に一番好きだったワイン。76%ジンファンデルで9%カリニャン、9%プティ・シラー、6%マタロ、1%アリカンテ・ブーシュ。柔らかさの中にしっかりとしたストラクチャーがあり、ブラック・ペッパーなどのスパイスの風味も豊か。3000円台前半でこのクオリティは素晴らしいと思います。
最後はジンファンデルのライブ・オーク。ライブ・オークはヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティにも登録されている畑です。オールド・ヴァインズと比べると洗練されてややエレガントな味わい。
ちなみに、今回のワインは新宿にある今半万窯 新宿サザンタワー店でいただきました。スリーの柔らかな味わいは和食と合わせても問題なく、予想以上にいいマッチングでした。もちろんすき焼きにはジンファンデルが合うことは言うまでもありません。
なお、古木の世界については先週公開した「カリフォルニアの貴重な財産、古木の世界」の記事もご覧いただけると幸いです。
クラインというと、「あれ?」と思う人もいるかもしれません。ソノマにクライン・セラーズというワイナリーがありますが、マットはクラインの創設者でもあり、兄弟で経営していましたが、そこを2002年にやめて作ったのがスリーなのです。母親がコントラコスタの出身で、クラインもコントラコスタのブドウを使っていました。そういった縁もあり、独立したときに畑を探したのがコントラコスタでした。
また、実はマットさん、1988年から2年ほど、日本にいたそうです。栃木県のココ・ファーム・ワイナリーで働いていました。マットさんの後ココ・ファームでワインメーカーになり、現在は北海道でワイン造りをしているブルース・ガットラブさんを招いたのもマットさんだったとか。現在、スリーを輸入している布袋ワインズは、創設当時ブルース・ガットラブさんの紹介や目立てでワインの輸入を始めたという経緯があり、実は縁がつながっていたのですが、今回の来日で初めてそれが判明したそうです。
さて、コントラコスタについてはワイン産地としてはほとんど知られていないと思うので、どのようなところか紹介しましょう。
サンフランシスコの半島があって、その内海が南側のサンフランシスコ湾と北側のサンパブロ湾になっています。サンパブロ湾はナパやソノマのカーネロスに接しており、そこからの冷涼な空気がナパやソノマのソノマ・ヴァレーにおいては大きな影響を与えているのはご存知の方が多いのではないかと思います。そのサンパブロ湾の東側、大学で有名なバークレーの北にリッチモンドという市があります。ここがコントラコスタの西端です。このように、サンフランシスコにも近く、郡内にもリッチモンドのほか、コンコードやウォルナット・クリークなどの市もあり、基本的には郊外の住宅地となっている地域です。
地勢的に見ると、サンパブロ湾の東側にサスーン(Suisun)湾あるいはサスーン海峡と呼ばれる浅い海があり、サン・ホアキン川とサクラメント川が流れ込んでいます。コントラコスタは内陸で気温は比較的高くなりますが、この海に近いところはサンパブロ湾からの冷気も流れ込んでくるため、比較的気温が低く、ブドウの生育にも適した土地になります。スリーの畑はコントラコスタの北東端にあるオークリーにあり、海に近いところです。夏場、非常に気温が高くなると、ブドウが光合成を止めてしまうといったことが起こりますが、ここは海からの風が吹くために比較的そういうことが起こりにくくなっています。なお、サクラメント川をさらに上流に行くとロウダイ(Lodi)があります。ロウダイはカリフォルニアのワイン生産の中心的な場所だったこともあるところで、ガロや、ウッドブリッジなどの本拠地はロウダイにあります。
また、ウォルナット・クリークの東側にはディアブロ山という標高1185mの山があります。冬には雪も降る山ですが、海の方から来る低気圧の雲がここに雨や雪を降らすため、オークリーなど、山の東側は非常に降水量が少なくなります。年間の雨量は600mm~900mm程度となっています。
また、スリーの畑のあるところの大きな特徴はその土壌です。デルハイ・サンズと呼ばれる、海からの風によって運ばれてくる極めてキメの細かい砂地になっています。この砂地のおかげで、スリーの畑は19世紀に自根で植えられたにもかかわらず、フィロキセラにやられずに済みました。また、20~30フィートくらいの深さのところに水の層があるため、降水量が少ないにもかかわらず、灌漑せずにブドウが育ちます。
畑のブドウの木は、古木では一般的な株仕立てですが、よく見かける盆栽のような丸い形ではなく、横に広がったような形。木と木の間は10フィート(約3m)とかなりたっぷり開いています。木と木が水を取り合うため、間隔を広くしているのだそうです。また、風が強いため、ブドウを上に伸ばすよりも横に伸ばすことを趣向しています。
古木紹介の記事にも書いたように、19世紀に植えられた畑のほとんどが「フィールド・ブレンド」といって複数の品種が畑の中に混ざって植えられています。スリーの畑ではジンファンデルとカリニャン、マタロの3品種が中心です。スリーの名前はこの3品種という意味合いもあるとのこと。ちなみにマタロはフランスでいうムールヴェードルです。スペイン・バルセロナのマタロの港から出荷されてきたことからその名が付いたと言われています。
この3品種は当時メジャーだった品種だそうですが、ソノマあたりの古木の畑で比較的多いプティ・シラーはあまり多くなく、また植えられているものも比較的後から植樹されたものだとのこと。このあたりの品種選択は、どこからの移民なのかによっても違っていたそうです。
スリーのワインは現状4種類が日本に輸入されています。フィールド・ブレンド オールド・ヴァインズ(2015年、2800円)、プティ・シラー コントラコスタ・カウンティ(2015年、3600円)、ジンファンデル オールド・ヴァインズ(2015年、3300円)、ジンファンデル ライブ・オーク(2015年、4700円)。
フィールド・ブレンド オールド・ヴァインズは39%カリニャンで26%マタロ、17%ジンファンデル、11%プティ・シラー、5%アリカンテ・ブーシュ、2%ブラック・マルヴォワジーという構成。非常に柔らかい味わいのワイン。優しい甘みにラズベリー、ブルーベリーの風味。タンニンはきめ細かくスムーズ。特にこの柔らかさが、スリーの味わいの特徴となっており、これがその入門的なワインになると思います。
次のプティ・シラーは打って変わってパワフルでタニック。ちょっと土っぽさも感じます。プティ・シラーのほか、カリニャンとマタロも入っています。スリーのワインの中では一番力強さを感じるワイン。
ジンファンデル オールド・ヴァインズは個人的に一番好きだったワイン。76%ジンファンデルで9%カリニャン、9%プティ・シラー、6%マタロ、1%アリカンテ・ブーシュ。柔らかさの中にしっかりとしたストラクチャーがあり、ブラック・ペッパーなどのスパイスの風味も豊か。3000円台前半でこのクオリティは素晴らしいと思います。
最後はジンファンデルのライブ・オーク。ライブ・オークはヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティにも登録されている畑です。オールド・ヴァインズと比べると洗練されてややエレガントな味わい。
ちなみに、今回のワインは新宿にある今半万窯 新宿サザンタワー店でいただきました。スリーの柔らかな味わいは和食と合わせても問題なく、予想以上にいいマッチングでした。もちろんすき焼きにはジンファンデルが合うことは言うまでもありません。
「これはまじで安い、サンタ・バーバラの一流ワイナリーのワインが半額セール」という記事で紹介したアルタ・マリアのピノ・ノワール。ようやく家で開けた(最近、なかなか家でワインを開けることがないのです)のですが、カツオ出汁系のうまみがたっぷりで、上品な酸があり、とてもきれいなワインでした。
このレベルで2000円台はやはり相当なバーゲンです。在庫限りなので、再度おすすめしておきます。
このレベルで2000円台はやはり相当なバーゲンです。在庫限りなので、再度おすすめしておきます。
ワイン・スペクテーターにリッジのモンテベッロ(モンテベロ)の垂直試飲の記事が出ていました(Ridge Through the Ages: A Monte Bello Retrospective Wine Tasting | Wine Spectator)。有料会員向け記事なので、詳しい内容は伏せますが、樽による風味の違いなど、非常に興味深い内容も多く、かなり読み応えのある記事でした。
垂直試飲は一番古いもので1968年という、まだ「モンテベッロ」という名前を付ける前のものからという貴重さ。まだブレンドもされていない2018年のバレルサンプルまで18ヴィンテージにわたります。
個人的に特に興味を持ったのが、リッジの熟成について。
リッジのモンテベッロは、パリスの審判の30年後試飲会で1位になったように、カリフォルニアワインの中でも長熟型で知られています。若いワインでは、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンなどと比べると果実味が抑えられているため、むしろ物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、年々それが熟成の魅力に移っていきます。逆に、果実味中心のワインの場合、時間が経つにつれて果実味は落ちていきますが、熟成の魅力はあまり出てこないワインもあります。その点、リッジは確実に熟成して美味しくなるワインといえます。
今回の試飲では2007年より古いものになると、若さから熟成へと魅力が移り、「第2段階」に入ったと評されていました。
先日、私が講師をしたアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでも2007年を試飲しましたが、確かにただ時間がたって果実味が落ちたのではない、熟成の魅力が出始めていたワインでした。
もちろん、ヴィンテージによって異なるでしょうが、12年くらいが一つの目安になるのかもしれません。
古いものも、実は価格は新しいものとほとんど変わらないので、きちんと保管された熟成モンテベッロを買うのはかなりリーズナブルだと思います。熟成したワインを飲みたい方は一つの有力候補にしてください。
垂直試飲は一番古いもので1968年という、まだ「モンテベッロ」という名前を付ける前のものからという貴重さ。まだブレンドもされていない2018年のバレルサンプルまで18ヴィンテージにわたります。
個人的に特に興味を持ったのが、リッジの熟成について。
リッジのモンテベッロは、パリスの審判の30年後試飲会で1位になったように、カリフォルニアワインの中でも長熟型で知られています。若いワインでは、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンなどと比べると果実味が抑えられているため、むしろ物足りなく感じる人もいるかもしれませんが、年々それが熟成の魅力に移っていきます。逆に、果実味中心のワインの場合、時間が経つにつれて果実味は落ちていきますが、熟成の魅力はあまり出てこないワインもあります。その点、リッジは確実に熟成して美味しくなるワインといえます。
今回の試飲では2007年より古いものになると、若さから熟成へと魅力が移り、「第2段階」に入ったと評されていました。
先日、私が講師をしたアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでも2007年を試飲しましたが、確かにただ時間がたって果実味が落ちたのではない、熟成の魅力が出始めていたワインでした。
もちろん、ヴィンテージによって異なるでしょうが、12年くらいが一つの目安になるのかもしれません。
古いものも、実は価格は新しいものとほとんど変わらないので、きちんと保管された熟成モンテベッロを買うのはかなりリーズナブルだと思います。熟成したワインを飲みたい方は一つの有力候補にしてください。
ナパのハイツ・セラーズがラザフォードのワイルドウッド・ヴィンヤードという50エーカーの畑を購入しました(Heitz Wine Cellars purchases 50-acre vineyard in Rutherford)。記録によると価格は2500万ドル。
ハイツ・セラーズは1961年にハイツ家が設立したワイナリーで、マーサズ・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンなどで知られています。2018年にアーカンサスのビリオネアであるゲイロン・ローレンス・ジュニアに売却されています。なお、マーサズ・ヴィンヤードはハイツ家がメイ家からリースされていたものであり、売却対象には入っていません。
ワイルドウッド・ヴィンヤードはハイツのトレイルサイド・ヴィンヤードのすぐ横の畑。近くにはケイマスやベクストファー・ジョージIIIなどの畑があります。
"Heitz take home"by K Wudrich is licensed under CC BY-NC-SA 2.0
ワイルドウッド・ヴィンヤードは従来スターリングが使っていた畑で、親会社であるトレジャリー・ワイン・エステートがオーナーでした。トレジャリーの代理人によると「この畑はビジネスのコアではない」と判断したとのこと。ハイツ・セラーズは1961年にハイツ家が設立したワイナリーで、マーサズ・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンなどで知られています。2018年にアーカンサスのビリオネアであるゲイロン・ローレンス・ジュニアに売却されています。なお、マーサズ・ヴィンヤードはハイツ家がメイ家からリースされていたものであり、売却対象には入っていません。
ワイルドウッド・ヴィンヤードはハイツのトレイルサイド・ヴィンヤードのすぐ横の畑。近くにはケイマスやベクストファー・ジョージIIIなどの畑があります。
シエラフットヒルズにある老舗ワイナリー「アイアンストーン」。ちょい甘な「シンフォニー」種のワインや古木のジンファンデルなどで知られるワイナリーですが、ここがはじめてのロゼを発売します。日本に輸入されるかどうかは不明です。
このロゼ、ボトルワインはなく375mlの缶のみです。白ブレンド、赤ブレンドの缶と同時に発売されます。価格はいずれも6.99ドル。
ロゼはホワイト・ジンファンデルにピノ・グリージョをミックスしたもの。ちょい甘でさわやか。ストロベリーの香りがあり、ザクロやシトラスの風味があるとのことです。
アイアンストーンついでといっては何ですが、紹介しそこなっていた格安ジンファンデルも合わせて紹介しておきます。これは日本市場での格安品。
格安品といっても安物ではなくむしろその逆。10ドル台のワインを中心とするアイアンストーンの中ではフラグシップの一つとなる単一畑のジンファンデル。昨日紹介した古木の畑の認定団体HVSに登録されている畑のものです。ワイナリー価格で35ドルするものが税抜きで3480円と現地価格より安くなっています。ボトルに畑の最高樹齢である107年(2016ヴィンテージ)が記されているのも面白いところです。
このところ、古木の畑の記事が公開されたり(Uncovering the Magic of Old Vines | Wine-Searcher News & Features)、自分のセミナーでリッジを取り上げたときに改めてリットン・スプリングスやガイザーヴィルについて調べたり、ベッドロックのモーガン・ピーターソンのマスター・オブ・ワインの論文を読んだりなど、古木について考える機会がいろいろありました。また先週はコントラコスタで古木の畑から素晴らしいコスパのワインを作っている「スリー」の生産者が来日し、話を聞く機会もありました。
スリーについては、きちんとまとめる予定ですが、英語の録音を全部聴き直すのにまだ数日はかかりそうなので、そのイントロダクションの意味も込めて、古木の世界を少し紹介したいと思います。
2011年から活動を始めた非営利団体の「ヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティ」には、現状126個の畑が登録されています(数え間違いでなければ)。また、未登録ですが登録候補となっている畑のリストがそれと同じくらいあります。登録の条件は、(1)現在もワインを作っているカリフォルニアの畑であること、(2)最初の植樹が50年以上前であることの証拠があること、(3)現在ワイン造りに使われている木の3分の1以上が最初の植樹に遡ること、の3つ。3つ目の条件はなかなか難しく、例えば1949年に最初に植えられたナパで一番古いカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と言われているJJ Cohn(スケアクロウの畑)などが登録候補状態にとどまっているのはその条件がクリアできていないのではないかと思います。
古木の畑の中でも特に重要なのがジンファンデルの畑です。19世紀に植えられた畑で現存しているものの大部分はジンファンデルの畑です。そのほとんどがフィールド・ブレンドといって、畑の中に複数の品種が混じって植えられた形になっています。
複数の品種が混じった理由はいくつかありますが、ジンファンデルの特性が関係しているようです。ジンファンデルは成熟が一様でなく、一つの房の中でも完熟したブドウとまだ青いブドウが混じるといったことが普通に起こります。そこでワインが青臭くなるのを防ぐために、色の濃い他の品種を混ぜて植えたようです。
多くのワイナリーでは、これらを一緒に収穫して醸造する「コファーメント」の手法を使っています。これによって、複雑さが生まれると、多くのワインメーカーは考えています。色調が安定する効果もあると言われています。フィールド・ブレンドの比率は畑によって違いますから、ある意味それぞれが唯一無二の味わいを生み出しているとも言えるでしょう。
そもそもなぜ当時ジンファンデルが多く植えられたかというと、一つにはジンファンデルは房が大きく収穫量も多くなるといったことがあったようです。また当時の役所が「最もクラレット(ボルドーの赤ワインのこと)に近い味わいを出すのがジンファンデルだ」とジンファンデルを植えることを推奨したという話もあります(なぜカベルネ・ソーヴィニヨンを推奨しなかったのかは不明です)。また、ジンファンデルは比較的病害にも強く、19世紀末にフィロキセラの害が蔓延する中で、他の品種からジンファンデルに植え替えられたという例もあったようです。フィールドブレンドの畑でも19世紀末にジンファンデルの比率が上がっています。このほか、ジンファンデルは年をとった木でも、まだそれなりの収量があるため、植え替えられずに残ったということも関係していそうです。
ちなみに、カベルネ・ソーヴィニヨンは比較的若い木でもいいワインができる(例えばパリスの審判で1位になったスタッグス・リープ・ワイン・セラーズのSLVの畑は当時樹齢10年以下でした)、年をとると極端に収量が落ちるといったことから、30年程度で植え替えられることが多く、なかなか古い木が残るケースが少ないようです。
とはいえ、ジンファンデルもやはり収量は落ちますから、経済的に古い畑を維持できる環境を作っていくことが大事になります。ヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティを作ったのも、古い畑の重要性に皆に気づいてもらうことが大きな目的だったと思います。
この団体の初期メンバーの一人であるベッドロックのモーガン・ピーターソンは、古い畑の維持に積極的に取り組んでいる一人です。彼の作る「オールド・ヴァイン・ジンファンデル」は、「オールド・ヴァイン」の広告塔的な役割を担うとともに、それなりの価格で売れるワインに使うことで、古木の維持につながるという目的もあって作られています。
もっと古くから古い畑のブドウを使ったワインを積極的に作っているワイナリーとしてはリッジやターリーがあります。リッジはリットン・スプリングスなどの有名な畑だけでなく、様々な畑のワインを「ATP(Advanced Tasting Program)」というクラブメンバー向けに提供しています。ターリーは30を超えるほどの数多くの古木の畑から単一畑のワインを作っています。
古木の畑が特に多い地域としてはソノマとロウダイがありますが、ソノマではセゲシオなども古い畑のワインを積極的に作っています。また、ロウダイではマイケル・デイヴィッドが人気ワインの「セブンデッドリージンズ」に使うために、古木の畑のブドウを積極的に購入していました(ブランド売却により、今後どうなるのかが少し心配ですが)。
また、「ニューカリフォルニア」系の生産者でもブロック・セラーズなど、無名の地域の知られざる古い畑でマイナー品種を作っているところ探してきてワインを作っています。こういった、ジンファンデル以外の活動も興味深いものがあります。
世界を見渡せば、オーストラリアのバロッサ・ヴァレーやギリシャのサントリーニ島など、もっと古い木が残る地域もありますが、カリフォルニアのオールド・ヴァインも貴重な歴史の一つです。カリフォルニアワイン・ファンとしては、それを守るワイナリーを応援していくことが必要だと思います。
スリーについては、きちんとまとめる予定ですが、英語の録音を全部聴き直すのにまだ数日はかかりそうなので、そのイントロダクションの意味も込めて、古木の世界を少し紹介したいと思います。
2011年から活動を始めた非営利団体の「ヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティ」には、現状126個の畑が登録されています(数え間違いでなければ)。また、未登録ですが登録候補となっている畑のリストがそれと同じくらいあります。登録の条件は、(1)現在もワインを作っているカリフォルニアの畑であること、(2)最初の植樹が50年以上前であることの証拠があること、(3)現在ワイン造りに使われている木の3分の1以上が最初の植樹に遡ること、の3つ。3つ目の条件はなかなか難しく、例えば1949年に最初に植えられたナパで一番古いカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と言われているJJ Cohn(スケアクロウの畑)などが登録候補状態にとどまっているのはその条件がクリアできていないのではないかと思います。
古木の畑の中でも特に重要なのがジンファンデルの畑です。19世紀に植えられた畑で現存しているものの大部分はジンファンデルの畑です。そのほとんどがフィールド・ブレンドといって、畑の中に複数の品種が混じって植えられた形になっています。
複数の品種が混じった理由はいくつかありますが、ジンファンデルの特性が関係しているようです。ジンファンデルは成熟が一様でなく、一つの房の中でも完熟したブドウとまだ青いブドウが混じるといったことが普通に起こります。そこでワインが青臭くなるのを防ぐために、色の濃い他の品種を混ぜて植えたようです。
多くのワイナリーでは、これらを一緒に収穫して醸造する「コファーメント」の手法を使っています。これによって、複雑さが生まれると、多くのワインメーカーは考えています。色調が安定する効果もあると言われています。フィールド・ブレンドの比率は畑によって違いますから、ある意味それぞれが唯一無二の味わいを生み出しているとも言えるでしょう。
そもそもなぜ当時ジンファンデルが多く植えられたかというと、一つにはジンファンデルは房が大きく収穫量も多くなるといったことがあったようです。また当時の役所が「最もクラレット(ボルドーの赤ワインのこと)に近い味わいを出すのがジンファンデルだ」とジンファンデルを植えることを推奨したという話もあります(なぜカベルネ・ソーヴィニヨンを推奨しなかったのかは不明です)。また、ジンファンデルは比較的病害にも強く、19世紀末にフィロキセラの害が蔓延する中で、他の品種からジンファンデルに植え替えられたという例もあったようです。フィールドブレンドの畑でも19世紀末にジンファンデルの比率が上がっています。このほか、ジンファンデルは年をとった木でも、まだそれなりの収量があるため、植え替えられずに残ったということも関係していそうです。
ちなみに、カベルネ・ソーヴィニヨンは比較的若い木でもいいワインができる(例えばパリスの審判で1位になったスタッグス・リープ・ワイン・セラーズのSLVの畑は当時樹齢10年以下でした)、年をとると極端に収量が落ちるといったことから、30年程度で植え替えられることが多く、なかなか古い木が残るケースが少ないようです。
とはいえ、ジンファンデルもやはり収量は落ちますから、経済的に古い畑を維持できる環境を作っていくことが大事になります。ヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティを作ったのも、古い畑の重要性に皆に気づいてもらうことが大きな目的だったと思います。
この団体の初期メンバーの一人であるベッドロックのモーガン・ピーターソンは、古い畑の維持に積極的に取り組んでいる一人です。彼の作る「オールド・ヴァイン・ジンファンデル」は、「オールド・ヴァイン」の広告塔的な役割を担うとともに、それなりの価格で売れるワインに使うことで、古木の維持につながるという目的もあって作られています。
もっと古くから古い畑のブドウを使ったワインを積極的に作っているワイナリーとしてはリッジやターリーがあります。リッジはリットン・スプリングスなどの有名な畑だけでなく、様々な畑のワインを「ATP(Advanced Tasting Program)」というクラブメンバー向けに提供しています。ターリーは30を超えるほどの数多くの古木の畑から単一畑のワインを作っています。
古木の畑が特に多い地域としてはソノマとロウダイがありますが、ソノマではセゲシオなども古い畑のワインを積極的に作っています。また、ロウダイではマイケル・デイヴィッドが人気ワインの「セブンデッドリージンズ」に使うために、古木の畑のブドウを積極的に購入していました(ブランド売却により、今後どうなるのかが少し心配ですが)。
また、「ニューカリフォルニア」系の生産者でもブロック・セラーズなど、無名の地域の知られざる古い畑でマイナー品種を作っているところ探してきてワインを作っています。こういった、ジンファンデル以外の活動も興味深いものがあります。
世界を見渡せば、オーストラリアのバロッサ・ヴァレーやギリシャのサントリーニ島など、もっと古い木が残る地域もありますが、カリフォルニアのオールド・ヴァインも貴重な歴史の一つです。カリフォルニアワイン・ファンとしては、それを守るワイナリーを応援していくことが必要だと思います。
ナイツ・ヴァレーにあるロウアー・エステート(Lawer Estates)のヴィオニエ2014と2015が格安で国内入荷しています。米国では2014が24ドル、2015が28ドルですが、今回はそれが2800~2900円程度という格安。2014はロバート・パーカーが「最近飲んだヴィオニエの中では最も魅力的」として90点を付けています。
畑はシラーで100点を取ったことのあるオブシディアンのすぐ近くというローヌ系品種に向くと思われるところ。ワインメーカーは有名なジョエル・ゴットのお父さんであるカリー・ゴットとすごい名前が並びます。
スポットでの特別価格の入荷なので、今回限りの格安です。お早めに。
畑はシラーで100点を取ったことのあるオブシディアンのすぐ近くというローヌ系品種に向くと思われるところ。ワインメーカーは有名なジョエル・ゴットのお父さんであるカリー・ゴットとすごい名前が並びます。
スポットでの特別価格の入荷なので、今回限りの格安です。お早めに。
世界最大規模の家族経営のワイナリーとして知られているE&Jガロ。実際にはガロという一つのブランドではなく、ガロの傘下に数多くのワイナリーやブランドがあるといった形になっています。最近ではコンステレーション・ブランズから30を超えるワイン・ブランドを買収したことも大きなニュースになりました。
今回は、ガロ傘下のプレミアムなワイナリー「ウィリアム・ヒル」「オリン・スウィフト」「マクマレー・エステート」のワインを飲みながらそれに合わせて作った料理とのマリアージュを楽しむというイベントに参加してきました。しかもガロでグローバル・ソーシング・ディレクターを務めるマスター・オブ・ワインのニコラス・パリス氏がそれを解説するという贅沢さです。食事は銀座のビストロ・バーンヤード。
ビル・マクモラン アジア・パシフィック・バイス・プレジデント(左)とニコラス・パリスMW グローバル・ソーシング・ディレクター(右)
まず、3つのワイナリーについて簡単に紹介しておきましょう。
ウィリアム・ヒルは1976年にウィリアム・ヒルによって設立されたワイナリー。2007年にガロ傘下に入っています。ワイナリーはナパにあり、ナパのシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。
オリン・スウィフトは才人デイブ・フィニーが1998年に設立したワイナリー。「レッド・ブレンド」のプリズナーで一世を風靡しましたが、2010年にプリズナー・ブランドをヒュネイアス・ヴィントナーズに売却、現在はコンステレーション・ブランズがプリズナーを所有しています。オリン・スウィフトは2016年からガロ傘下になりましたが、今もデイブ・フィニーがワイン造りをしています。デイブ・フィニーとしてはガロ傘下になることで、ワインのマーケティングを任せ、ワイン造りに集中することができるようになったそうです。
マクマレー・エステートはピノ・ノワールを中心とするワイナリー。ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーなどに畑を持っており、100%自社畑のブドウでワインを作っています。俳優のフレッド・マクマレーが設立し、彼の死後1996年にガロ傘下に入っりました。
最初のワインはウィリアム・ヒルのナパ・シャルドネ2016。アメリカン・オークの樽を使い、シュール・リーで1年半熟成させており、マロラクティック発酵も100%行っています。最近では珍しいほどのフルボディのシャルドネで樽の香りもかなり強く、トロピカルフルーツやスパイシーさもあります。
これに合わせたのは「フェンネルの鉢植え仕立て 味噌とサワークリームのディップ添え」。左下には素揚げしたディルが付いています。
フェンネルは爽やかですが、サワークリームをつけるとそのまろやかさとクリーミーなテクスチャが濃厚なシャルドネとよく合います。またフェンネルの下にはナッツと味噌がありますが、これが樽香ともうまくマッチ。ニコラス・パリスMWによるとディルの香りもアメリカン・オークと共通するところがあるそうです。
一般には食事向けでないと一蹴されてしまいそうな濃厚シャルドネですが、このように合う要素を入れていくと予想以上に食事とマッチングするのが最初の一皿からわかります。
もう一つシャルドネが続きます。今度はオリン・スウィフトの「マネキン」2016。ラベルのマネキンの写真のコラージュが印象的です。
こちらも樽香がはっきり効いたパワフルなシャルドネです。ただ樽はフレンチ・オークを使っており、スパイシーさなどは少し穏やかになっている印象です。ニコラス・パリスMWによると、フレンチ・オークはナツメグやベイキング・スパイスの風味があるとのこと。ブドウはソノマとナパのアトラス・ピーク、カーネロスのものを使っているとのこと。涼しいところのブドウをブレンドすることで、きれいな酸味があります。
こちらに合わせた料理は「アサリ・ムール貝・アワビのタブレ仕立て フロマージュブランとタラゴンの香り」。こちらもナッティな風味やクリーミーさがあり、濃厚なシャルドネによく合います。あわびの肝の苦味がちょっとしたアクセントになっていて、ワインのパワーとよく合っていました。
3つ目のワインはマクマレーのロシアン・リバー・ヴァレー・ピノ・ノワール2016。
穏やかな酸味のピノ・ノワールで、赤い果実に加え、ブルーベリーの風味もあります。樽香とタンニンも比較的しっかりとした、いかにもカリフォルニアのピノ・ノワールという作りです。
料理は「鴨の冷製スモーク ドライフルーツ添え」。鴨とピノ・ノワールは鉄板の組み合わせですが、鴨を薄くスライスすることで、比較的軽い赤ワインであるピノ・ノワールに合うようにしているとのこと。さらに鴨をスモークすることにより、よりワインの樽の風味と合うようになっています。クアントロを煮詰めてワイン・ヴィネガーを合わせたというソースはちょい甘で複雑な風味を持ち、柔らかな味わいのピノ・ノワールによく合います。添えられたドライフルーツも酸味や軽い苦味など、ピノ・ノワールと共通する風味を持っており、これもうまくワインに合っていました。
4つめのワインはオリン・スウィフトの「アブストラクト」2017。このワインのイメージはイタリアに旅行にいったときに雑誌を見て思いついたもので、それから雑誌の切り抜きを230枚集めてラベルをコラージュしたとのこと。これをシラーとプティ・シラー、グルナッシュのブレンドというイメージに合わせたそうです。
とてもパワフルなワインで、濃厚かつ甘みを感じます。カシスなどの果実味に、ホワイト・ペッパーなどのスパイスが絡み、スムーズで蠱惑的な味わい。単体で飲むにはおいしいワインですが、料理にはどう合うのでしょうか。
料理は「穴子のスパイス煮」。赤ワインベースのソースにトマトを合わせ、シナモンやクローブなどのスパイスを加えています。軽い甘みとスパイスの風味がワインの特徴と合っており、これも素晴らしいマリアージュでした。
5つ目のワインはウィリアム・ヒルのカベルネ・ソーヴィニヨン。ブルーベリーなどの青系の果実味豊かなパワフルなワイン。酸味はおだやかで、しっかりとしたストラクチャーを持っています。ブドウの96%はクームズヴィルだとのこと。近年はこの地域からもいいカベルネ・ソーヴィニヨンが作られており、注目の地域の一つです。
合わせた料理は「黒毛和牛上クリ肉のロースト 黒トリュフ香るマディアのソース」。牛肉とカベルネ・ソーヴィニヨンですから合わないはずがないですが、さらにマディラのソースの甘みとトリュフの風味が、フルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンに見事に寄り添います。料理もワインも本当に美味しいです。幸せ。
最後のワインはオリン・スウィフトの「パピヨン」2016。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、マルベック、カベルネ・フランにプティ・シラーのブレンド。ボルドー系でありながらプティ・シラーも入れているのが面白いところ。カベルネ・ソーヴィニヨンが60%とメルローが22%でこの2つが中心的になっています。フレンチ・オークで15ヶ月熟成。新樽率は45%。アルコール度数が15.7%もあるのにはちょっとびっくりしましたが、ウィリアム・ヒルと比べてやや柔らかくまろやかな味わい。オリン・スウィフトのワイン全般に言えますが、尖った味わいではなく丸さを感じるワイン。
デイブ・フィニーがこのワインを作ったとき2つの手のイメージに合わせる8文字の単語を探していたそうです。娘が蝶を見て「パピヨンだよ」と言ったのにインスピレーションを得て名前を決めたとのこと。ガロ傘下になったことで、ガロが買収したステージコーチのブドウも使えるようになったとのこと。
料理は「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」。ゆっくり時間をかけて煮込んだホホ肉は柔らかく、自然な甘みがあります。まろやかな味わいはワインの丸さと共通する味わい。これも素晴らしいマッチング。
今回の3つのワイナリー。ワイン造りについてはそれぞれ独立していますが、共通点としてはカリフォルニアらしく、果実味豊かで芳醇なワインであること。酸は比較的少なく、甘みを感じるワインになっています。近年増えている、早摘みしてアルコール度数を低く抑えてしっかりとした酸があるようなワインとは対極的な作り。これはいい悪いではなく方向性の違いということです。
こういったワインだと料理には合わせにくいというのが一般に言われるところですが、今回のビストロ・バーンヤードの料理はお世辞抜きで美味しく、どれもそれぞれのワインにしっかりと合っていました。ソースなどで少しずつ甘さを加えていたり、クリーミーなテクスチャでワインのまろやかさと合わせていたり、ワインと共通するようなスパイスの風味を加えているのが功を奏したのではないかと思います。ワインと料理の合わせ方という点でも非常に興味深く面白いディナーでした。
今回は、ガロ傘下のプレミアムなワイナリー「ウィリアム・ヒル」「オリン・スウィフト」「マクマレー・エステート」のワインを飲みながらそれに合わせて作った料理とのマリアージュを楽しむというイベントに参加してきました。しかもガロでグローバル・ソーシング・ディレクターを務めるマスター・オブ・ワインのニコラス・パリス氏がそれを解説するという贅沢さです。食事は銀座のビストロ・バーンヤード。
ビル・マクモラン アジア・パシフィック・バイス・プレジデント(左)とニコラス・パリスMW グローバル・ソーシング・ディレクター(右)
まず、3つのワイナリーについて簡単に紹介しておきましょう。
ウィリアム・ヒルは1976年にウィリアム・ヒルによって設立されたワイナリー。2007年にガロ傘下に入っています。ワイナリーはナパにあり、ナパのシャルドネやカベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。
オリン・スウィフトは才人デイブ・フィニーが1998年に設立したワイナリー。「レッド・ブレンド」のプリズナーで一世を風靡しましたが、2010年にプリズナー・ブランドをヒュネイアス・ヴィントナーズに売却、現在はコンステレーション・ブランズがプリズナーを所有しています。オリン・スウィフトは2016年からガロ傘下になりましたが、今もデイブ・フィニーがワイン造りをしています。デイブ・フィニーとしてはガロ傘下になることで、ワインのマーケティングを任せ、ワイン造りに集中することができるようになったそうです。
マクマレー・エステートはピノ・ノワールを中心とするワイナリー。ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーなどに畑を持っており、100%自社畑のブドウでワインを作っています。俳優のフレッド・マクマレーが設立し、彼の死後1996年にガロ傘下に入っりました。
最初のワインはウィリアム・ヒルのナパ・シャルドネ2016。アメリカン・オークの樽を使い、シュール・リーで1年半熟成させており、マロラクティック発酵も100%行っています。最近では珍しいほどのフルボディのシャルドネで樽の香りもかなり強く、トロピカルフルーツやスパイシーさもあります。
これに合わせたのは「フェンネルの鉢植え仕立て 味噌とサワークリームのディップ添え」。左下には素揚げしたディルが付いています。
フェンネルは爽やかですが、サワークリームをつけるとそのまろやかさとクリーミーなテクスチャが濃厚なシャルドネとよく合います。またフェンネルの下にはナッツと味噌がありますが、これが樽香ともうまくマッチ。ニコラス・パリスMWによるとディルの香りもアメリカン・オークと共通するところがあるそうです。
一般には食事向けでないと一蹴されてしまいそうな濃厚シャルドネですが、このように合う要素を入れていくと予想以上に食事とマッチングするのが最初の一皿からわかります。
もう一つシャルドネが続きます。今度はオリン・スウィフトの「マネキン」2016。ラベルのマネキンの写真のコラージュが印象的です。
こちらも樽香がはっきり効いたパワフルなシャルドネです。ただ樽はフレンチ・オークを使っており、スパイシーさなどは少し穏やかになっている印象です。ニコラス・パリスMWによると、フレンチ・オークはナツメグやベイキング・スパイスの風味があるとのこと。ブドウはソノマとナパのアトラス・ピーク、カーネロスのものを使っているとのこと。涼しいところのブドウをブレンドすることで、きれいな酸味があります。
こちらに合わせた料理は「アサリ・ムール貝・アワビのタブレ仕立て フロマージュブランとタラゴンの香り」。こちらもナッティな風味やクリーミーさがあり、濃厚なシャルドネによく合います。あわびの肝の苦味がちょっとしたアクセントになっていて、ワインのパワーとよく合っていました。
3つ目のワインはマクマレーのロシアン・リバー・ヴァレー・ピノ・ノワール2016。
穏やかな酸味のピノ・ノワールで、赤い果実に加え、ブルーベリーの風味もあります。樽香とタンニンも比較的しっかりとした、いかにもカリフォルニアのピノ・ノワールという作りです。
料理は「鴨の冷製スモーク ドライフルーツ添え」。鴨とピノ・ノワールは鉄板の組み合わせですが、鴨を薄くスライスすることで、比較的軽い赤ワインであるピノ・ノワールに合うようにしているとのこと。さらに鴨をスモークすることにより、よりワインの樽の風味と合うようになっています。クアントロを煮詰めてワイン・ヴィネガーを合わせたというソースはちょい甘で複雑な風味を持ち、柔らかな味わいのピノ・ノワールによく合います。添えられたドライフルーツも酸味や軽い苦味など、ピノ・ノワールと共通する風味を持っており、これもうまくワインに合っていました。
4つめのワインはオリン・スウィフトの「アブストラクト」2017。このワインのイメージはイタリアに旅行にいったときに雑誌を見て思いついたもので、それから雑誌の切り抜きを230枚集めてラベルをコラージュしたとのこと。これをシラーとプティ・シラー、グルナッシュのブレンドというイメージに合わせたそうです。
とてもパワフルなワインで、濃厚かつ甘みを感じます。カシスなどの果実味に、ホワイト・ペッパーなどのスパイスが絡み、スムーズで蠱惑的な味わい。単体で飲むにはおいしいワインですが、料理にはどう合うのでしょうか。
料理は「穴子のスパイス煮」。赤ワインベースのソースにトマトを合わせ、シナモンやクローブなどのスパイスを加えています。軽い甘みとスパイスの風味がワインの特徴と合っており、これも素晴らしいマリアージュでした。
5つ目のワインはウィリアム・ヒルのカベルネ・ソーヴィニヨン。ブルーベリーなどの青系の果実味豊かなパワフルなワイン。酸味はおだやかで、しっかりとしたストラクチャーを持っています。ブドウの96%はクームズヴィルだとのこと。近年はこの地域からもいいカベルネ・ソーヴィニヨンが作られており、注目の地域の一つです。
合わせた料理は「黒毛和牛上クリ肉のロースト 黒トリュフ香るマディアのソース」。牛肉とカベルネ・ソーヴィニヨンですから合わないはずがないですが、さらにマディラのソースの甘みとトリュフの風味が、フルボディのカベルネ・ソーヴィニヨンに見事に寄り添います。料理もワインも本当に美味しいです。幸せ。
最後のワインはオリン・スウィフトの「パピヨン」2016。カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、プティ・ヴェルド、マルベック、カベルネ・フランにプティ・シラーのブレンド。ボルドー系でありながらプティ・シラーも入れているのが面白いところ。カベルネ・ソーヴィニヨンが60%とメルローが22%でこの2つが中心的になっています。フレンチ・オークで15ヶ月熟成。新樽率は45%。アルコール度数が15.7%もあるのにはちょっとびっくりしましたが、ウィリアム・ヒルと比べてやや柔らかくまろやかな味わい。オリン・スウィフトのワイン全般に言えますが、尖った味わいではなく丸さを感じるワイン。
デイブ・フィニーがこのワインを作ったとき2つの手のイメージに合わせる8文字の単語を探していたそうです。娘が蝶を見て「パピヨンだよ」と言ったのにインスピレーションを得て名前を決めたとのこと。ガロ傘下になったことで、ガロが買収したステージコーチのブドウも使えるようになったとのこと。
料理は「牛ほほ肉の赤ワイン煮込み」。ゆっくり時間をかけて煮込んだホホ肉は柔らかく、自然な甘みがあります。まろやかな味わいはワインの丸さと共通する味わい。これも素晴らしいマッチング。
今回の3つのワイナリー。ワイン造りについてはそれぞれ独立していますが、共通点としてはカリフォルニアらしく、果実味豊かで芳醇なワインであること。酸は比較的少なく、甘みを感じるワインになっています。近年増えている、早摘みしてアルコール度数を低く抑えてしっかりとした酸があるようなワインとは対極的な作り。これはいい悪いではなく方向性の違いということです。
こういったワインだと料理には合わせにくいというのが一般に言われるところですが、今回のビストロ・バーンヤードの料理はお世辞抜きで美味しく、どれもそれぞれのワインにしっかりと合っていました。ソースなどで少しずつ甘さを加えていたり、クリーミーなテクスチャでワインのまろやかさと合わせていたり、ワインと共通するようなスパイスの風味を加えているのが功を奏したのではないかと思います。ワインと料理の合わせ方という点でも非常に興味深く面白いディナーでした。
柳屋でセインツベリーのシャルドネが6月限定で25%オフのセールになっています。
セインツベリーと言えば、ナパのカーネロスにおけるピノ・ノワールやシャルドネのパイオニアの一つ。カリフォルニアワインとしては珍しいほど果実味を前面に押し出さず、デリケートで上品なワインを作り続けています。
2年前に創設者の一人のディック・ワードが亡くなり、最近はあまり話題に上ることは少なくなりましたが、ワインのスタイルも価格も20年前からほとんど変わらずにやっているのは立派だと思います。
ちなみに今回セールになっている2014年はワイン・エンスージアストとジェームズ・サックリングで91点と高く評価されています。6本で送料無料。
セインツベリーと言えば、ナパのカーネロスにおけるピノ・ノワールやシャルドネのパイオニアの一つ。カリフォルニアワインとしては珍しいほど果実味を前面に押し出さず、デリケートで上品なワインを作り続けています。
2年前に創設者の一人のディック・ワードが亡くなり、最近はあまり話題に上ることは少なくなりましたが、ワインのスタイルも価格も20年前からほとんど変わらずにやっているのは立派だと思います。
ちなみに今回セールになっている2014年はワイン・エンスージアストとジェームズ・サックリングで91点と高く評価されています。6本で送料無料。
ナパで初めてとなる歴史博物館「1881 Napa」がオープンしました(Jean-Charles Boisset Introduces Napa Valley’s First Wine History Museum and Tasting Salon: 1881 Napa | Wine Industry Insight)。
開いたのはジャン・シャルル・ボワセ。レイモンドやソノマのブエナビスタ、デローチのオーナーです。ブエナビスタにも博物館を開いています。
場所はハイウェイ29沿い。オークヴィル・グロッサリーの隣にあるビクトリア調の家を改装しました。なお、オークヴィル・グロッサリーもボワセが今年買収しています。
歴史的な展示だけでなく、ナパのサブAVAごとの地図や説明土壌サンプルがあるなど、ナパ自体を学ぶのにも役立ちそうです。
また、ここ用に作られた様々なワインも試飲できます。例えば12個のサブAVAのカベルネソーヴィニヨンを比較するものなどがあるとのこと。
入場は無料ですが、試飲は有料。予約を薦めるとのことです。
1881ナパ
開いたのはジャン・シャルル・ボワセ。レイモンドやソノマのブエナビスタ、デローチのオーナーです。ブエナビスタにも博物館を開いています。
場所はハイウェイ29沿い。オークヴィル・グロッサリーの隣にあるビクトリア調の家を改装しました。なお、オークヴィル・グロッサリーもボワセが今年買収しています。
歴史的な展示だけでなく、ナパのサブAVAごとの地図や説明土壌サンプルがあるなど、ナパ自体を学ぶのにも役立ちそうです。
また、ここ用に作られた様々なワインも試飲できます。例えば12個のサブAVAのカベルネソーヴィニヨンを比較するものなどがあるとのこと。
入場は無料ですが、試飲は有料。予約を薦めるとのことです。
1881ナパ
昨日はアカデミー・デュ・ヴァンの「続カリフォルニアの名門ワイナリー第3回」でした。
テーマはジョセフ・フェルプス。寡黙なワイナリーで、メディアへの露出もあまりない、でも意外と新しいことにいろいろと取り組んできたちょっと不思議なワイナリーです。
インシグニアのセパージュや畑の変遷はなかなか興味深かったのではないかと思います。
インシグニアはやはり美味しかったです。
ソノマの一番新しいAVAであるペタルマ・ギャップ。太平洋からサンパブロ・ベイに強い風が吹き抜けるトンネルのような冷涼な地域です。この地域の代表的な生産者であるケラー(Keller)エステートのシャルドネ2013年が現地価格以下になっています。米国で平均38ドルが税抜きで2000円台なので、ざっと1000円以上は安い計算です。国内の通常価格だと税込みで5000円程度。それと比べたら2000円ほど安くなっています。
米国では最新ヴィンテージ以外のワインを売るのが難しい面があることからワイナリーが安価で卸してくれたものだとのこと。2013年のシャルドネはワイン・スペクテーターで88点となっています。
米国では最新ヴィンテージ以外のワインを売るのが難しい面があることからワイナリーが安価で卸してくれたものだとのこと。2013年のシャルドネはワイン・スペクテーターで88点となっています。
ナパの中でも非常に高額のワインを手がけるブライアント・ファミリーが元財務コンサルタントから契約不履行で訴えられ、その訴状からワイナリーに財務的な問題があることが浮かび上がってきました(Bryant Family Vineyards facing serious financial accusations in federal court | Wine Industry Insight)。
訴えたのはローレン・ライデンアワーという人で、元JPモーガン・チェース。2014年から個人としてブライアント・ファミリーの財務コンサルタントをしていました。
ライデンアワーは2015年に「ドナルドL.ブライアント・アート・トラスト」という信託のために1億ドルのローンをJPモーガンから得るよう依頼されました。9ヶ月の交渉で300万ドル以上の利子を節約したとのこと。
このローンが2019年4月に満期になる前に、2018年に再交渉するよう依頼を受けたライデンアワーは、銀行に提出するためにワイナリーの財務状況のデータを依頼、それに偽りがあったとライデンアワーは主張しています。
それによると、ワイナリーは過去3年で売上が40%落ちており1400万ドル分もの在庫を抱えているとのこと。これは約3万1000本に相当します。ローンの文書には年間の売上は600万~700万ドルとありましたが、実際には250万ドルにとどまっているそうです。
ライデンアワーがこれらを修正するよう依頼したところ、それを断って、契約も解除したことで今回の提訴につながたとのことです。
ブライアントというと21世紀初頭にはワインメーカーだったヘレン・ターリーとの訴訟もありました。まだ何が本当なのかわかりませんが、ワイナリーには様々な意味で傷を残しそうな訴訟です。
訴えたのはローレン・ライデンアワーという人で、元JPモーガン・チェース。2014年から個人としてブライアント・ファミリーの財務コンサルタントをしていました。
ライデンアワーは2015年に「ドナルドL.ブライアント・アート・トラスト」という信託のために1億ドルのローンをJPモーガンから得るよう依頼されました。9ヶ月の交渉で300万ドル以上の利子を節約したとのこと。
このローンが2019年4月に満期になる前に、2018年に再交渉するよう依頼を受けたライデンアワーは、銀行に提出するためにワイナリーの財務状況のデータを依頼、それに偽りがあったとライデンアワーは主張しています。
それによると、ワイナリーは過去3年で売上が40%落ちており1400万ドル分もの在庫を抱えているとのこと。これは約3万1000本に相当します。ローンの文書には年間の売上は600万~700万ドルとありましたが、実際には250万ドルにとどまっているそうです。
ライデンアワーがこれらを修正するよう依頼したところ、それを断って、契約も解除したことで今回の提訴につながたとのことです。
ブライアントというと21世紀初頭にはワインメーカーだったヘレン・ターリーとの訴訟もありました。まだ何が本当なのかわかりませんが、ワイナリーには様々な意味で傷を残しそうな訴訟です。
ウメムラにスポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨン2015が入荷しています。ワイン・アドヴォケイトでは2002、2007、2010年に続いて4回目の満点を取ったワイン。ちなみに翌年の2016も100点。なお、どちらもレビュアーは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンです。
30年以上トップクラスで続いていて、複数回満点を取ったワインというと、リッジのモンテベロ(モンテベッロ)、ドミナス、ジョセフ・フェルプス・インシグニアといったあたりがライバル的な存在といっていいでしょうか。
この中でも、しばしば「シャトー・マルゴー」になぞらえられるスポッツウッドは、ナパらしい親しみやすさとエレガントさを兼ね備えていると思います。
これら歴史のあるワインは満点を取ったからといって急に価格が高騰するわけではなく、毎年同じような価格(といっても少しずつ上がっていますが)で買えるのはありがたいところですが、半面入手性は年々低くなってきているような気がします。
30年以上トップクラスで続いていて、複数回満点を取ったワインというと、リッジのモンテベロ(モンテベッロ)、ドミナス、ジョセフ・フェルプス・インシグニアといったあたりがライバル的な存在といっていいでしょうか。
この中でも、しばしば「シャトー・マルゴー」になぞらえられるスポッツウッドは、ナパらしい親しみやすさとエレガントさを兼ね備えていると思います。
これら歴史のあるワインは満点を取ったからといって急に価格が高騰するわけではなく、毎年同じような価格(といっても少しずつ上がっていますが)で買えるのはありがたいところですが、半面入手性は年々低くなってきているような気がします。
1年ほど前に「ジャンシス・ロビンソンがワイングラス開発、一つでオールマイティ」という記事で紹介したワイングラスが日本でも発売されました。
一つのグラスで白ワインも赤ワインもスパークリングもなんでもOKというこのグラス。125cc注いだときに液面が一番広いところになるように設計されているそうです。
プロも納得の品質です。「1脚で多彩なワインに対応、ジャンシス・ロビンソン・グラス | WINE REPORT」によると、ソムリエの大越基裕さんは「バルーン型は香りが広がりすぎる傾向があるが、これなら甲州ワインや繊細なお茶にも適している。精度の高いペアリングは、短時間でアロマを引き出す必要があるが、適度なサイズなので理想的に開く」と言っているそうです。
見た目にもステムが細く、エレガントです。欧州のガラス職人が一つずつ手吹きで作っているとのこと。最高級のクリスタルですが、鉛は使っていません。
薄いグラスですが食器洗浄機で洗えるそうです。むしろ「手やブラシ、またはスポンジをグラスの中に入れて洗うことはお控えください」とのこと。「グラスを手洗いする場合はグラス半分まで温かい石鹸水を注ぎ、しばらく浸してください。その後、グラスを温水で丁寧にすすぎ、グラスの縁のまわりに残った汚れは湿った布巾で慎重に取り除いてください」だそうです。
父の日のプレゼントなどにも良さそうですよね(というかもらえたらうれしい、と書いておこう)。
一つのグラスで白ワインも赤ワインもスパークリングもなんでもOKというこのグラス。125cc注いだときに液面が一番広いところになるように設計されているそうです。
プロも納得の品質です。「1脚で多彩なワインに対応、ジャンシス・ロビンソン・グラス | WINE REPORT」によると、ソムリエの大越基裕さんは「バルーン型は香りが広がりすぎる傾向があるが、これなら甲州ワインや繊細なお茶にも適している。精度の高いペアリングは、短時間でアロマを引き出す必要があるが、適度なサイズなので理想的に開く」と言っているそうです。
見た目にもステムが細く、エレガントです。欧州のガラス職人が一つずつ手吹きで作っているとのこと。最高級のクリスタルですが、鉛は使っていません。
薄いグラスですが食器洗浄機で洗えるそうです。むしろ「手やブラシ、またはスポンジをグラスの中に入れて洗うことはお控えください」とのこと。「グラスを手洗いする場合はグラス半分まで温かい石鹸水を注ぎ、しばらく浸してください。その後、グラスを温水で丁寧にすすぎ、グラスの縁のまわりに残った汚れは湿った布巾で慎重に取り除いてください」だそうです。
父の日のプレゼントなどにも良さそうですよね(というかもらえたらうれしい、と書いておこう)。
カリフォルニアの有機栽培ワインのパイオニアであり、有機栽培ワインとしては最大の売り上げを誇るボンテッラ。そのボンテッラが缶入りのワインを発売しました。オーガニックの缶入りワインは初です。
オーガニックと缶入りワインはどちらも成長しているカテゴリー。特に缶入りワインは年間7割近い急成長を遂げています。
今回売り出すのは、ソーヴィニヨン・ブランとロゼ、それから「ヤング・レッド」という赤ブレンドものの3種です。缶入りワインをよく飲む若い世代や、アウトドアなどのシチュエーションに向いた品揃えと言えそうです。
容量は250ml。価格は4本パックでいずれも19.99ドルです。
オーガニックと缶入りワインはどちらも成長しているカテゴリー。特に缶入りワインは年間7割近い急成長を遂げています。
今回売り出すのは、ソーヴィニヨン・ブランとロゼ、それから「ヤング・レッド」という赤ブレンドものの3種です。缶入りワインをよく飲む若い世代や、アウトドアなどのシチュエーションに向いた品揃えと言えそうです。
容量は250ml。価格は4本パックでいずれも19.99ドルです。
いまや4万円前後するのが普通になったハーランのメイデン。ハーラン・エステートがカベルネ・ソーヴィニヨン主体なのに対し、メイデンはメルローの比率が高く、セカンドワインというよりも、別のワインといった方がいいかもしれませんが、ハーランの名に見合った高品質であることは確かです。
そのメイデンの2001年が期間限定で税込みでも3万円を切っています。6月11日の午前1時59分までですが、まず間違いなくそれまでに売り切れるでしょう。というか記事公開前に売り切れていたらごめんなさい。
次点の安いのも載せておきます。
そのメイデンの2001年が期間限定で税込みでも3万円を切っています。6月11日の午前1時59分までですが、まず間違いなくそれまでに売り切れるでしょう。というか記事公開前に売り切れていたらごめんなさい。
次点の安いのも載せておきます。
昨日はアカデミー・デュ・ヴァンの「カリフォルニアの名門ワイナリー」第3回。リッジ(Ridge)でした。
試飲のワインはこちら。エステートのシャルドネと、リットン・スプリングス、ガイザーヴィル、モンテベロが2007年と12年。
エステートのシャルドネは、非常に評判良かったです。リッジというと赤ワインのイメージが強いですが、このシャルドネはカリフォルニアでも最良の一つだと思います。果実味にバニラやヘーゼルナッツの風味、チョークのニュアンス、すべてが溶け込んでとても調和が取れています。
赤ワイン4種は銘柄公開のブラインドで。
今回は比較的わかりやすく、5グループ中4グループが全問正解でした。特徴がはっきり出ていて良かったです。
一番人気は07年のモンテベロで、次がリットンスプリングス。
僕自身は、若いけど素晴らしいポテンシャルを感じた12年のモンテベロを一押しにしました。
試飲のワインはこちら。エステートのシャルドネと、リットン・スプリングス、ガイザーヴィル、モンテベロが2007年と12年。
エステートのシャルドネは、非常に評判良かったです。リッジというと赤ワインのイメージが強いですが、このシャルドネはカリフォルニアでも最良の一つだと思います。果実味にバニラやヘーゼルナッツの風味、チョークのニュアンス、すべてが溶け込んでとても調和が取れています。
赤ワイン4種は銘柄公開のブラインドで。
今回は比較的わかりやすく、5グループ中4グループが全問正解でした。特徴がはっきり出ていて良かったです。
一番人気は07年のモンテベロで、次がリットンスプリングス。
僕自身は、若いけど素晴らしいポテンシャルを感じた12年のモンテベロを一押しにしました。
先日紹介したサンタ・バーバラの「アルタ・マリア」のワイン。そのときは柳屋のみを紹介しましたが、他のショップにも入ってきています。もっと安いところもあります。どちらにしても輸入元在庫限りではあるのでお早めに。
ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワールともにワイナリー価格以下の値段になっています。ピノ・ノワールは、まさにこのワインがワインアンドスピリッツ誌で90点のベストバイに選ばれています。ワイン・アドヴォケイトでも90点。シャルドネは88点。
栽培家のジェームス・オンティヴェロスは9代続く農家で、「Native9」というワイナリーもやっています(以前、IPOBで来日したこともありました)。ワインメーカーのポール・ウィルキンスも2015年まではNative9もやっており、2011年にはSFクロニクルの注目のワインメーカーに二人で選ばれているほどです。
最安は「ココス」です。
次はアサヒヤワインセラー。
次はしあわせワイン倶楽部。
柳屋は6本で送料無料になります。
ソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワールともにワイナリー価格以下の値段になっています。ピノ・ノワールは、まさにこのワインがワインアンドスピリッツ誌で90点のベストバイに選ばれています。ワイン・アドヴォケイトでも90点。シャルドネは88点。
栽培家のジェームス・オンティヴェロスは9代続く農家で、「Native9」というワイナリーもやっています(以前、IPOBで来日したこともありました)。ワインメーカーのポール・ウィルキンスも2015年まではNative9もやっており、2011年にはSFクロニクルの注目のワインメーカーに二人で選ばれているほどです。
最安は「ココス」です。
次はアサヒヤワインセラー。
次はしあわせワイン倶楽部。
柳屋は6本で送料無料になります。
39回目となるオークション・ナパ・ヴァレーがナパのメドウッド・リゾートで開催されました。落札総額は1200万ドル弱と2年連続で減ってしまいましたが、ライブのゲストとしてケイティ・ペリーが参加するなど、盛り上がりを見せました。
なお、過去の落札額は2015年1580万ドル=史上3位、2016年1430万ドル、2017年1570万ドル、2018年1360万ドル。
メイン・イベントのライブ・オークション前日は、バレル・オークション。今年は改装したルイ・M・マルティニ・ワイナリーで開催されました。
ライブ・オークションで最高落札額になったのは、一番最初のロットだったコンティニュアム。故ロバート・モンダヴィの父であるチェザーレ・モンダヴィが米国に渡ってから100年ということで、故郷であるイタリアへの旅行などが付いたロットでした。
なお、過去の落札額は2015年1580万ドル=史上3位、2016年1430万ドル、2017年1570万ドル、2018年1360万ドル。
メイン・イベントのライブ・オークション前日は、バレル・オークション。今年は改装したルイ・M・マルティニ・ワイナリーで開催されました。
ライブ・オークションで最高落札額になったのは、一番最初のロットだったコンティニュアム。故ロバート・モンダヴィの父であるチェザーレ・モンダヴィが米国に渡ってから100年ということで、故郷であるイタリアへの旅行などが付いたロットでした。
ヴィンヤード多摩は、東京のあきる野市にあるワイナリー。東京では5軒目のワイナリーだそうです。あきる野市に自社畑があり、そのワインを作っているほか、長野の塩尻、栃木の岩船のブドウを使ったワインなども作っています。
ここのコンサルタントを務めていたのが沼田実氏。私もFacebookでは「友達」になっていますが、友達というには恐れ多いすごい人です。
柳屋にここのワインならぬ「シードル」が入荷しています。シードルの経験はあまりありませんが、かなり爽やかで美味しそう。値段も親しみやすいレベルです。
僕もまずは買ってみました。東京のワイナリーを応援するためにいかがでしょうか。
ワインも紹介しておきます。
この「ロザート」(辛口のロゼ)はサクラアワードでゴールドを受賞しています。
赤ワインの「ロッソ」はシルバー受賞。
塩尻産ブドウを使ったスパークリングです。
ここのコンサルタントを務めていたのが沼田実氏。私もFacebookでは「友達」になっていますが、友達というには恐れ多いすごい人です。
柳屋にここのワインならぬ「シードル」が入荷しています。シードルの経験はあまりありませんが、かなり爽やかで美味しそう。値段も親しみやすいレベルです。
僕もまずは買ってみました。東京のワイナリーを応援するためにいかがでしょうか。
ワインも紹介しておきます。
この「ロザート」(辛口のロゼ)はサクラアワードでゴールドを受賞しています。
赤ワインの「ロッソ」はシルバー受賞。
塩尻産ブドウを使ったスパークリングです。
ソノマ・ヴァレーのグレン・エレンにあるワイナリー「コトゥーリ(Coturri)」。1979年設立と、40年の歴史がありますが、これまであまり注意して見たことがないワイナリーでした。しかし、今のワインメーカーである創設者の孫のニッコロ・コトゥーリは、自然派の作りで新しいワインをいろいろと生み出しているようです(White Zin is in, again: Niccolo Coturri is giving the wine a new life - Los Angeles Times)。
中でも気になるのが、引用元の記事タイトルでも取り上げている「ホワイト・ジンファンデル」。ホワイト・ジンファンデルというと、ちょい甘で、元記事では「大学生しか飲まないキャンディでコーティングしたカリフォルニアワインのジョーク」などと書かれるようなワインが一般的。しかし、今回のコトゥーリのホワイト・ジンファンデル「ジン・コンタクト」はピュアな果実味があり、ミネラル感やきれいな酸も特徴なようです。これまでのホワイト・ジンファンデルの概念を覆すようなワインです。ただ、2樽しか作っていないとのことなので、入手するのはかなり難しそうです。
記事に書かれているシャルドネやピノ・ノワールも、いわゆるニュー・カリフォルニア系のぷピュアな作りでかなり美味しそうです。
ニュー・カリフォルニア系のワインが気になる方には要チェックなワイナリーの一つになりそうです。
中でも気になるのが、引用元の記事タイトルでも取り上げている「ホワイト・ジンファンデル」。ホワイト・ジンファンデルというと、ちょい甘で、元記事では「大学生しか飲まないキャンディでコーティングしたカリフォルニアワインのジョーク」などと書かれるようなワインが一般的。しかし、今回のコトゥーリのホワイト・ジンファンデル「ジン・コンタクト」はピュアな果実味があり、ミネラル感やきれいな酸も特徴なようです。これまでのホワイト・ジンファンデルの概念を覆すようなワインです。ただ、2樽しか作っていないとのことなので、入手するのはかなり難しそうです。
記事に書かれているシャルドネやピノ・ノワールも、いわゆるニュー・カリフォルニア系のぷピュアな作りでかなり美味しそうです。
ニュー・カリフォルニア系のワインが気になる方には要チェックなワイナリーの一つになりそうです。
コンステレーション・ブランズが以前から噂されていた「トカロン」の名を冠したワイナリーをはじめました(Announcing the Launch of To Kalon Vineyard Company)。
ロバート・モンダヴィの親会社であるコンステレーション・ブランズはカリフォルニアで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と言われている「トカロン・ヴィンヤード」の最大の地主でもあります。また、「トカロン」の商標も持っています。
ワイナリーの名前は「トカロン・ヴィンヤード・カンパニー」。ワインメーカーはスクリーミング・イーグルやダラ・ヴァレなどでワインメーカーを努めていたアンディ・エリクソン。
ラベルには「ト・カロン」というギリシャ語の英語での意味である「Highest Beauty」という文字が書かれています。
最初のヴィンテージは2016年で、2019年9月に発売予定。価格は200ドル。Webサイトからメーリング・リストへの登録が可能です。
ロバート・モンダヴィの親会社であるコンステレーション・ブランズはカリフォルニアで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑と言われている「トカロン・ヴィンヤード」の最大の地主でもあります。また、「トカロン」の商標も持っています。
ワイナリーの名前は「トカロン・ヴィンヤード・カンパニー」。ワインメーカーはスクリーミング・イーグルやダラ・ヴァレなどでワインメーカーを努めていたアンディ・エリクソン。
ラベルには「ト・カロン」というギリシャ語の英語での意味である「Highest Beauty」という文字が書かれています。
最初のヴィンテージは2016年で、2019年9月に発売予定。価格は200ドル。Webサイトからメーリング・リストへの登録が可能です。
リース(Rhys)セミナーの後編です。
前編は「カリピノを極めた? リース(Rhys)高品質の秘訣を探る」。
まずはシャルドネ2種類。2015年のアルパインとホースシューです。
ワインの造りについてサザーン氏から解説がありました。
この2つの畑のシャルドネは作りも畑の植え方もほとんど同じで、気温や天気もほとんど同じです。土壌の違いだけが味の違いになっています。オーナーのケヴィンさんは「グラスを覗くと畑が見える」といいます。
ワインの造りではシャルドネをホールクラスターで優しくプレスするのが特徴です。この段階で酸素と触れさせ1回酸化させてしまいます。その後の醸造過程では酸素に極力触れないようにすることで、醸造途中に酸化が起こることでの品質の低下を防いでいます。
樽は20%ほど新樽を使います。樽は特別なもので、ブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユとのつながりからダミー(Damy)というメーカーにリース専用に作ってもらっています。特別なオークを使い、木の乾燥期間を通常より50%長くしています。
発酵は樽を使います。温度を低く保ち、半年ほどもかけてゆっくりと発酵させます。1~2週間で発酵を終わらすワイナリーが多い中で、これはかなりの長さです。発酵が進まないということはその間、果汁の変質の危険や発酵が止まってしまう恐れもあるので通常はある程度温度を上げて、発酵を進ませるのです。
マロラクティック発酵も自然に行います。この間、バトナージュも行いません。
樽発酵と樽熟成の後、ステンレススティールのタンクに入れてさらに熟成させますが、そのときに澱も一緒に入れます。その間に澱も大部分がワインに溶け込んでしまいます。ここでは全く酸素に触れないようにすることが大事です。
ホースシューとアルパインを比べるとホースシューの方がややクリーミーでリッチな味わい。ただ、果実の繊細さや味わいの複雑さ、酸の伸びといった点ではアルパインに軍配が上がります。また、酸のきれいさや全体としてのピュアな味わいは特筆できるレベル。どちらも非常にレベルの高いシャルドネです。参考までにワイン・アドヴォケイトではアルパインが95+でホースシューが94。レビュアーは元デカンターのウィリアム・ケリーなので、リッチなホースシューより繊細なアルパインが高く評価されたのかもしれません。
ピノ・ノワールは小さなステンレススティールのタンクをいくつも使って発酵させます。一つのタンクにはブドウが1トンくらいしか入りません。ホールクラスター(除梗なしのブドウ)をどれだけ使うかは畑やヴィンテージによって違います。
発酵時に固まった果房をつぶすのは人間の足を使います。それが優しい抽出につながります。発酵が終わった後10~14日くらい放置し、それからフリーフローとバスケットプレスによる優しいプレスで絞ります。1トンのブドウから50リットルくらいしか取れないとのことで、非常に優しいプレスであることがわかります(通常は80リットルくらいとのこと)。
熟成用の樽はフランソワ・フレールです。4年間乾燥した木で作った特別なものです。樽で1年ほど熟成した後、タンクに移して半年ほど熟成し、もう一度樽で半年ほど熟成させます。SO2はボトリングの前に少しだけ加えます。新樽率も畑によって変えています。
ピノ・ノワールの試飲はベアワローの2015、ファミリー・ファームとホースシューの2013、アルパインの2015です。
ベアワローは10%くらいホールクラスターを使います。リースの中では比較的リッチなピノ・ノワールでタンニンも比較的強く感じます。シルキーなテクスチャと、きれいな赤い果実の味わいが美味しいです。
ファミリーファームは北向きの斜面で日当たりが比較的少ない畑えす。2013年は47%ホールクラスター。新樽率は30%。すっきりした香りとピュアな旨味があります。
ホースシューは香りはおだやかで、きれいな味わい。後からスパイスが出てきて、非常に複雑さも感じるようになります。2013年は32%ホールクラスターですが、2015年はゼロだったとのこと。新樽率は51%。カリフォルニアのピノ・ノワールとしてはこれだけ果実味に頼らない味わいは異例とも思いますが、非常にハイレベル。個人的には4つのピノ・ノワールのうちのベストです。
アルパインの2015年は10%ホールクラスターで新樽率50%。シャルドネはアルパインよりホースシューがリッチでしたが、ピノ・ノワールではアルパインの方がややリッチ。ヴィンテージの違いもあるのかもしれません。比較的カリピノらしい果実味の強さもあります。
サザーン氏によるとホースシューとアルパインは常に比較される間柄で、好みも分かれるとのこと。セミナー会場で今回のピノ・ノワールについてどちらが好きか聞いたときもほぼ半々で分かれました。
どのワインも非常にピュアな味わいで複雑さもかなりのレベル。熟成させる価値のあるワインだと思います。
前編は「カリピノを極めた? リース(Rhys)高品質の秘訣を探る」。
まずはシャルドネ2種類。2015年のアルパインとホースシューです。
ワインの造りについてサザーン氏から解説がありました。
この2つの畑のシャルドネは作りも畑の植え方もほとんど同じで、気温や天気もほとんど同じです。土壌の違いだけが味の違いになっています。オーナーのケヴィンさんは「グラスを覗くと畑が見える」といいます。
ワインの造りではシャルドネをホールクラスターで優しくプレスするのが特徴です。この段階で酸素と触れさせ1回酸化させてしまいます。その後の醸造過程では酸素に極力触れないようにすることで、醸造途中に酸化が起こることでの品質の低下を防いでいます。
樽は20%ほど新樽を使います。樽は特別なもので、ブルゴーニュのドメーヌ・ド・モンティーユとのつながりからダミー(Damy)というメーカーにリース専用に作ってもらっています。特別なオークを使い、木の乾燥期間を通常より50%長くしています。
発酵は樽を使います。温度を低く保ち、半年ほどもかけてゆっくりと発酵させます。1~2週間で発酵を終わらすワイナリーが多い中で、これはかなりの長さです。発酵が進まないということはその間、果汁の変質の危険や発酵が止まってしまう恐れもあるので通常はある程度温度を上げて、発酵を進ませるのです。
マロラクティック発酵も自然に行います。この間、バトナージュも行いません。
樽発酵と樽熟成の後、ステンレススティールのタンクに入れてさらに熟成させますが、そのときに澱も一緒に入れます。その間に澱も大部分がワインに溶け込んでしまいます。ここでは全く酸素に触れないようにすることが大事です。
ホースシューとアルパインを比べるとホースシューの方がややクリーミーでリッチな味わい。ただ、果実の繊細さや味わいの複雑さ、酸の伸びといった点ではアルパインに軍配が上がります。また、酸のきれいさや全体としてのピュアな味わいは特筆できるレベル。どちらも非常にレベルの高いシャルドネです。参考までにワイン・アドヴォケイトではアルパインが95+でホースシューが94。レビュアーは元デカンターのウィリアム・ケリーなので、リッチなホースシューより繊細なアルパインが高く評価されたのかもしれません。
ピノ・ノワールは小さなステンレススティールのタンクをいくつも使って発酵させます。一つのタンクにはブドウが1トンくらいしか入りません。ホールクラスター(除梗なしのブドウ)をどれだけ使うかは畑やヴィンテージによって違います。
発酵時に固まった果房をつぶすのは人間の足を使います。それが優しい抽出につながります。発酵が終わった後10~14日くらい放置し、それからフリーフローとバスケットプレスによる優しいプレスで絞ります。1トンのブドウから50リットルくらいしか取れないとのことで、非常に優しいプレスであることがわかります(通常は80リットルくらいとのこと)。
熟成用の樽はフランソワ・フレールです。4年間乾燥した木で作った特別なものです。樽で1年ほど熟成した後、タンクに移して半年ほど熟成し、もう一度樽で半年ほど熟成させます。SO2はボトリングの前に少しだけ加えます。新樽率も畑によって変えています。
ピノ・ノワールの試飲はベアワローの2015、ファミリー・ファームとホースシューの2013、アルパインの2015です。
ベアワローは10%くらいホールクラスターを使います。リースの中では比較的リッチなピノ・ノワールでタンニンも比較的強く感じます。シルキーなテクスチャと、きれいな赤い果実の味わいが美味しいです。
ファミリーファームは北向きの斜面で日当たりが比較的少ない畑えす。2013年は47%ホールクラスター。新樽率は30%。すっきりした香りとピュアな旨味があります。
ホースシューは香りはおだやかで、きれいな味わい。後からスパイスが出てきて、非常に複雑さも感じるようになります。2013年は32%ホールクラスターですが、2015年はゼロだったとのこと。新樽率は51%。カリフォルニアのピノ・ノワールとしてはこれだけ果実味に頼らない味わいは異例とも思いますが、非常にハイレベル。個人的には4つのピノ・ノワールのうちのベストです。
アルパインの2015年は10%ホールクラスターで新樽率50%。シャルドネはアルパインよりホースシューがリッチでしたが、ピノ・ノワールではアルパインの方がややリッチ。ヴィンテージの違いもあるのかもしれません。比較的カリピノらしい果実味の強さもあります。
サザーン氏によるとホースシューとアルパインは常に比較される間柄で、好みも分かれるとのこと。セミナー会場で今回のピノ・ノワールについてどちらが好きか聞いたときもほぼ半々で分かれました。
どのワインも非常にピュアな味わいで複雑さもかなりのレベル。熟成させる価値のあるワインだと思います。
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが「見つけたら迷わず手に入れてほしい」と語るほどの高品質のピノ・ノワールやシャルドネを作っているのがリース(Rhys)。サンタ・クルーズ・マウンテンズというややマイナーなAVAにあることや、知名度の高いワインメーカーやコンサルタントを雇っていないこと、市場に出回る数の少なさから、日本ではそれほど名前は知られていませんが、ブルゴーニュ・スタイルのピノ・ノワールやシャルドネが好きな人やリトライなどの自然派のワイナリーに興味がある人ならば、チェックするべきワイナリーです。リーンなスタイルのピノ・ノワールとしては、リトライと並んでカリフォルニアの最高峰の一つといっていいのではないかと個人的には思っています。
今回はそのリースからセールス・ディレクターのエリック・サザーン氏が初来日、セミナーを開きました。サザーン氏はリースではまだ3年くらいの経験ですが、それまでロバート・シンスキーやボニー・ドゥーンなどさまざまなワイナリーで働いてきた人です。
リースのオーナーであるケヴィン・ハーヴェイは元々IT業界の人。アップルのClarisWorksの元となったソフトの開発者であり、ベンチャー・キャピタルのベンチマークの創設者でもあります。要は大変なお金持ちです。リースは彼のミドルネームです。
ケヴィンはブルゴーニュのワインのファンでもあり、有数のコレクターでもあります。デュジャックのジャック・セイスなどブルゴーニュのトップ生産者とも親しく、ブルゴーニュのトップクラスの畑でさまざまなデータを取らせてもらい、土壌や気候など、何が重要なのかをデータから分析していったといいます。
そして、その基準に合ったところをカリフォルニアで探しました。候補となる土地でも1年間データを取って、実際に目標となる数値になるかどうか調べてから契約しているそうです。最初は主にサンタ・クルーズ・マウンテンズで探し、その後は他の地域にも増やしていっています。
ユニークなのはリースで畑の管理を担当するハビエール・タビアがワイナリーのCFO(最高財務責任者)でもあること。投資に見合うかどうかを見極めて開発をしています。
その結果として、比較的標高の高いところで、密植栽培をし、灌漑なしのドライ・ファーミングを行うといったスタイルで畑を開発していっています。現在はサンタ・クルーズ・マウンテンズに6つの自社畑があるほか、アンダーソン・ヴァレーにも一つの自社畑があります。このほか、メンドシーノのアルダー・スプリングスの近くにも2016年から開発している畑があります。畑はすべて一から開発しており、化学肥料などを使わず、認証は得ていないものの有機栽培やビオディナミのメソッドで育てています。それまで耕作されていない土地なので、「一度も化学肥料が入っていない」畑ばかりだそうです。
ワイン造りも基本的にはナチュラルなスタイル。天然酵母で発酵し、補酸や補水など行わず、フィルターも清澄もなし、SO2の添加は最小限にとどめています。
サンタ・クルーズ・マウンテンズには「サン・アンドレアス断層」というプレートの境界があります。海側は太平洋プレートで、非常に浅い表土で岩が多い土壌で、リースの畑の多くはその境界付近の太平洋側にあります。サンタ・クルーズ・マウンテンズには250ヘクタールほどピノ・ノワールが植わっていますが、その10分の1くらいがリースの畑だそうです。
苗木については、特定のクローンの苗木を買ってくるのではなく、「マサル・セレクション」と呼ばれる畑の中で品質のいい木を選んで接ぎ木する方法を使っています。シャルドネではオールド・ウェンテなど古くからカリフォルニアで使われているクローンの中でもいいものを選んで接ぎ木しています。なお、オールド・ウェンテは、よく使われている「ウェンテ」あるいはニュー・ウェンテ(別名UCD4)とは大きく違うそうです。ニュー・ウェンテはとてもブドウの房が大きくなりますが、オールド・ウェンテはこぶし大で、しかも実がまばらで空気がよく通るそうです。
ピノ・ノワールもマサル・セレクションで一つはオーナーがブルゴーニュから持ってきたと言われていますが、どこかは明らかにしていません。もう一つはカリフォルニアで古くから使われているものとのこと。
畑の紹介をしていきます。
アルパインはサン・アンドレアス断層の海側で非常に急斜面にある畑です。周りに何もないところで、作業する人のための宿泊所があるくらいです。土壌はシェールで握ると崩れてしまうくらい柔らかく、水はけがよくなっています。岩がゴロゴロしており、ほとんど表土がないところもあります。このような痩せた土地で密植するため根が深く伸びるといいます。ロマネ・コンティと同等の1ヘクタールあたり8000~9000本の密植をしています。リースを代表する畑の一つです。
スカイライン・ヴィンヤードは60cm×90cmくらいの密植で1ヘクタールあたり9000本程度と、アルパイン以上の密植だそうです。表土も非常に薄く、10~15cm程度。アルパインよりも断層に近いところです。このため、ぶどうの樹が太く育たないという特徴があります。植えてから相応の年数を経ていますが、それでもぶどうの樹はかなり細いままです。リースのセラーのあるところからすぐ近くの畑です。
ホーム・ヴィンヤードとファミリー・ファーム・ヴィンヤードは若干標高が低く、従来サンタ・クルーズ・マウンテンズのAVAからわずかにはずれていましたが、2017年からAVAに加わったとのこと。表土は1mくらいとやや厚く、水の保持力が大きい粘土質のところもあります。
ベアワロー・ヴィンヤードはアンダーソン・ヴァレーにある畑です。ほとんどがピノ・ノワールでシャルドネがわずかだけうわっています。サンタ・クルーズ・マウンテンズの畑は1.5トン/エーカーくらいと非常に収量が低いのですが、ベアワローは少し多く、3トン/エーカーくらいになっています。
アンダーソン・ヴァレーは内陸に入るとどんどん気温が上がるのですが、ベアワローは一番太平洋に近いところにあります。14ヘクタールくらいあって、比較的大きな畑です。収量も3トン/エーカーくらいあります。ベアワローというのはここの土壌の名前で、かなり複雑な構成です。シェールを中心に砂や岩が混じっています。
後編では試飲結果を紹介します。
今回はそのリースからセールス・ディレクターのエリック・サザーン氏が初来日、セミナーを開きました。サザーン氏はリースではまだ3年くらいの経験ですが、それまでロバート・シンスキーやボニー・ドゥーンなどさまざまなワイナリーで働いてきた人です。
リースのオーナーであるケヴィン・ハーヴェイは元々IT業界の人。アップルのClarisWorksの元となったソフトの開発者であり、ベンチャー・キャピタルのベンチマークの創設者でもあります。要は大変なお金持ちです。リースは彼のミドルネームです。
ケヴィンはブルゴーニュのワインのファンでもあり、有数のコレクターでもあります。デュジャックのジャック・セイスなどブルゴーニュのトップ生産者とも親しく、ブルゴーニュのトップクラスの畑でさまざまなデータを取らせてもらい、土壌や気候など、何が重要なのかをデータから分析していったといいます。
そして、その基準に合ったところをカリフォルニアで探しました。候補となる土地でも1年間データを取って、実際に目標となる数値になるかどうか調べてから契約しているそうです。最初は主にサンタ・クルーズ・マウンテンズで探し、その後は他の地域にも増やしていっています。
ユニークなのはリースで畑の管理を担当するハビエール・タビアがワイナリーのCFO(最高財務責任者)でもあること。投資に見合うかどうかを見極めて開発をしています。
その結果として、比較的標高の高いところで、密植栽培をし、灌漑なしのドライ・ファーミングを行うといったスタイルで畑を開発していっています。現在はサンタ・クルーズ・マウンテンズに6つの自社畑があるほか、アンダーソン・ヴァレーにも一つの自社畑があります。このほか、メンドシーノのアルダー・スプリングスの近くにも2016年から開発している畑があります。畑はすべて一から開発しており、化学肥料などを使わず、認証は得ていないものの有機栽培やビオディナミのメソッドで育てています。それまで耕作されていない土地なので、「一度も化学肥料が入っていない」畑ばかりだそうです。
ワイン造りも基本的にはナチュラルなスタイル。天然酵母で発酵し、補酸や補水など行わず、フィルターも清澄もなし、SO2の添加は最小限にとどめています。
サンタ・クルーズ・マウンテンズには「サン・アンドレアス断層」というプレートの境界があります。海側は太平洋プレートで、非常に浅い表土で岩が多い土壌で、リースの畑の多くはその境界付近の太平洋側にあります。サンタ・クルーズ・マウンテンズには250ヘクタールほどピノ・ノワールが植わっていますが、その10分の1くらいがリースの畑だそうです。
苗木については、特定のクローンの苗木を買ってくるのではなく、「マサル・セレクション」と呼ばれる畑の中で品質のいい木を選んで接ぎ木する方法を使っています。シャルドネではオールド・ウェンテなど古くからカリフォルニアで使われているクローンの中でもいいものを選んで接ぎ木しています。なお、オールド・ウェンテは、よく使われている「ウェンテ」あるいはニュー・ウェンテ(別名UCD4)とは大きく違うそうです。ニュー・ウェンテはとてもブドウの房が大きくなりますが、オールド・ウェンテはこぶし大で、しかも実がまばらで空気がよく通るそうです。
ピノ・ノワールもマサル・セレクションで一つはオーナーがブルゴーニュから持ってきたと言われていますが、どこかは明らかにしていません。もう一つはカリフォルニアで古くから使われているものとのこと。
畑の紹介をしていきます。
アルパインはサン・アンドレアス断層の海側で非常に急斜面にある畑です。周りに何もないところで、作業する人のための宿泊所があるくらいです。土壌はシェールで握ると崩れてしまうくらい柔らかく、水はけがよくなっています。岩がゴロゴロしており、ほとんど表土がないところもあります。このような痩せた土地で密植するため根が深く伸びるといいます。ロマネ・コンティと同等の1ヘクタールあたり8000~9000本の密植をしています。リースを代表する畑の一つです。
スカイライン・ヴィンヤードは60cm×90cmくらいの密植で1ヘクタールあたり9000本程度と、アルパイン以上の密植だそうです。表土も非常に薄く、10~15cm程度。アルパインよりも断層に近いところです。このため、ぶどうの樹が太く育たないという特徴があります。植えてから相応の年数を経ていますが、それでもぶどうの樹はかなり細いままです。リースのセラーのあるところからすぐ近くの畑です。
ホーム・ヴィンヤードとファミリー・ファーム・ヴィンヤードは若干標高が低く、従来サンタ・クルーズ・マウンテンズのAVAからわずかにはずれていましたが、2017年からAVAに加わったとのこと。表土は1mくらいとやや厚く、水の保持力が大きい粘土質のところもあります。
ベアワロー・ヴィンヤードはアンダーソン・ヴァレーにある畑です。ほとんどがピノ・ノワールでシャルドネがわずかだけうわっています。サンタ・クルーズ・マウンテンズの畑は1.5トン/エーカーくらいと非常に収量が低いのですが、ベアワローは少し多く、3トン/エーカーくらいになっています。
アンダーソン・ヴァレーは内陸に入るとどんどん気温が上がるのですが、ベアワローは一番太平洋に近いところにあります。14ヘクタールくらいあって、比較的大きな畑です。収量も3トン/エーカーくらいあります。ベアワローというのはここの土壌の名前で、かなり複雑な構成です。シェールを中心に砂や岩が混じっています。
後編では試飲結果を紹介します。
ワイン・サーチャーの最も検索されているホニャララシリーズのジンファンデルの記事が出ていました(The World's Most Wanted Zinfandels )。今回はプリミティーボも入り、かなりバラエティに富んだリストになりました。
1 Ridge Vineyards Geyserville Zinfandel
2 Sula Vineyards Zinfandel
3 Cantine-Feudi di San Marzano 60 Sessantanni Old Vines Primitivo di Manduria
4 Turley Wine Cellars Juvenile Zinfandel
5 Venge Vineyards Scout's Honor Proprietary Red
6 Seghesio Family Vineyards Zinfandel
7 The Prisoner Wine Co. Saldo Zinfandel
8 Turley Old Vines Zinfandel
9 Cantine Due Palme Pillastro Primitivo Puglia IGT
10 Black Saint Peter Old Vine Zinfandel
1位は前回に引き続き、リッジのガイザーヴィル。リットンがリストにないのはジンファンデルではないという扱いなのでしょうね。
2位はちょっと驚き。インドのジンファンデルです。ここのワイナリーのワインはインド料理屋で飲んだことありますが、結構よかったです。冬に栽培して春に収穫することで暑さを避けています。
3位はイタリアのプリミティーボ。
4位は前回2位だったターリーのジュヴナイル。人気が高く、春の一時期にしか入手できないワインです。
5位のヴェンジは前回4位。日本では知られていないワインです。
6位はセゲシオのソノマ・カウンティ。定番の一つです。
7位はプリズナーのジンファンデル。さすがのマーケティング力といった感じです。
8位は2つ目のターリー。これも以前はもっと日本でも買いやすかった気がします。
9位は再びイタリアのプリミティーボ。
10位はロウダイのジンファンデル。ロウダイというと7デッドリー・ジンズが有名ですが、以外にもリストから漏れています。メジャーすぎて検索されないということでしょうか。
1 Ridge Vineyards Geyserville Zinfandel
2 Sula Vineyards Zinfandel
3 Cantine-Feudi di San Marzano 60 Sessantanni Old Vines Primitivo di Manduria
4 Turley Wine Cellars Juvenile Zinfandel
5 Venge Vineyards Scout's Honor Proprietary Red
6 Seghesio Family Vineyards Zinfandel
7 The Prisoner Wine Co. Saldo Zinfandel
8 Turley Old Vines Zinfandel
9 Cantine Due Palme Pillastro Primitivo Puglia IGT
10 Black Saint Peter Old Vine Zinfandel
1位は前回に引き続き、リッジのガイザーヴィル。リットンがリストにないのはジンファンデルではないという扱いなのでしょうね。
2位はちょっと驚き。インドのジンファンデルです。ここのワイナリーのワインはインド料理屋で飲んだことありますが、結構よかったです。冬に栽培して春に収穫することで暑さを避けています。
3位はイタリアのプリミティーボ。
4位は前回2位だったターリーのジュヴナイル。人気が高く、春の一時期にしか入手できないワインです。
5位のヴェンジは前回4位。日本では知られていないワインです。
6位はセゲシオのソノマ・カウンティ。定番の一つです。
7位はプリズナーのジンファンデル。さすがのマーケティング力といった感じです。
8位は2つ目のターリー。これも以前はもっと日本でも買いやすかった気がします。
9位は再びイタリアのプリミティーボ。
10位はロウダイのジンファンデル。ロウダイというと7デッドリー・ジンズが有名ですが、以外にもリストから漏れています。メジャーすぎて検索されないということでしょうか。
カレラの蔵出しバック・ヴィンテージのワインがいくつかのショップに入荷しています。カレラの在庫整理として出てきたようですが、そろそろその整理も終わりではないかなどとも言われています。いつまでも出てくるものではないのは確かですので、ほしいと思ったら買っておいた方がいいと思われます。
ショップによって入っているヴィンテージも異なりますが、一番人気のジェンセンの場合、一番の狙い目はパーカー97点の2009年でしょう。カレラの場合、10年以上熟成した方がよくなるのが普通ですので、ちょうど飲み頃的にもいいと思います。次はパーカー96点の2012年。ただ、熟成を望むなら数年セラーに寝かせた方がベターだと思います。
次に人気のセレックは、より熟成が必要なタイプ。2006年、2009年、2011年などが出ていますが、一番古い2006年はやめておいた方が無難です。パーカーは87点、ヴィナスでもそのヴィンテージはスキップされており、やや当たり外れのあるカレラの中でははずれになる恐れが高いです。
2009年はパーカー95、2011年は94。ヴィナスだと93、92+なので2009年の方がやや評価は高くなっています。熟成的にもそちらがお薦めでしょう。ただ、セレックだったら15年くらいは熟成させた方がいいと思うので、同じヴィンテージならジェンセンがいいかもしれません。
ジェンセン、セレック以外でのお薦めはド・ヴィリエ。ジェンセンの隣に畑があり、酒質も一番似ています。ヴィンテージ的には2009年がパーカー96+。値段もジェンセン2本買う価格で3本買えるのでかなりお得です。この畑はタンニンが強く、それをコントロールするのに苦労したため、より遅く植樹したライアンよりも初ヴィンテージが遅くなったといういわくつきの畑。熟成力もかなりあると思います。
ショップによって入っているヴィンテージも異なりますが、一番人気のジェンセンの場合、一番の狙い目はパーカー97点の2009年でしょう。カレラの場合、10年以上熟成した方がよくなるのが普通ですので、ちょうど飲み頃的にもいいと思います。次はパーカー96点の2012年。ただ、熟成を望むなら数年セラーに寝かせた方がベターだと思います。
次に人気のセレックは、より熟成が必要なタイプ。2006年、2009年、2011年などが出ていますが、一番古い2006年はやめておいた方が無難です。パーカーは87点、ヴィナスでもそのヴィンテージはスキップされており、やや当たり外れのあるカレラの中でははずれになる恐れが高いです。
2009年はパーカー95、2011年は94。ヴィナスだと93、92+なので2009年の方がやや評価は高くなっています。熟成的にもそちらがお薦めでしょう。ただ、セレックだったら15年くらいは熟成させた方がいいと思うので、同じヴィンテージならジェンセンがいいかもしれません。
ジェンセン、セレック以外でのお薦めはド・ヴィリエ。ジェンセンの隣に畑があり、酒質も一番似ています。ヴィンテージ的には2009年がパーカー96+。値段もジェンセン2本買う価格で3本買えるのでかなりお得です。この畑はタンニンが強く、それをコントロールするのに苦労したため、より遅く植樹したライアンよりも初ヴィンテージが遅くなったといういわくつきの畑。熟成力もかなりあると思います。
フランシスカンの上級キュベ「マグニフィカ」が2015年から輸入元価格が15%ほども値上がりしてしまうそうです。とはいえ、現在は安いところで税込み4000円台。ワイン・サーチャーの平均価格の税抜き48ドルと比べても安くなっています。2014年は輸入元は完売であり店頭在庫だけの状態だそうです。
買うなら今、の銘柄です。なお、2014年はワイン・アドヴォケイトで89点。点数はそれほど高くありませんがロバート・パーカーは「ジューシーで丸く、蠱惑的。現時点ではそれほど複雑ではなくフィニッシュもやや短いが、控えめにいって、エクセレントなワインだ」としています。
あと、おまけでもうひとつ紹介しておきます。最近は「瞬殺」銘柄になっているダックホーンのメルロー「スリー・パームス」が再入荷しています。こちらもお早めにどうぞ。
買うなら今、の銘柄です。なお、2014年はワイン・アドヴォケイトで89点。点数はそれほど高くありませんがロバート・パーカーは「ジューシーで丸く、蠱惑的。現時点ではそれほど複雑ではなくフィニッシュもやや短いが、控えめにいって、エクセレントなワインだ」としています。
あと、おまけでもうひとつ紹介しておきます。最近は「瞬殺」銘柄になっているダックホーンのメルロー「スリー・パームス」が再入荷しています。こちらもお早めにどうぞ。
ソノマのカスタム・クラッシュ「ラック・アンド・リドル」がスパークリング・ワインの生産量を大幅に引き上げます(Rack & Riddle Announces Major Upgrade to Sparkling Wine Production ...)。
これまでは半自動化されたラインで最大年間35万ケースのスパークリング・ワインを製造できましたが、今回完全自動のラインを追加。年間55万ケースの製造ができるとのこと。全体の生産量も75万ケースまで増やしたいとのこと。
ラック・アンド・リドルはソノマでは唯一のスパークリング・ワインに対応したカスタム・クラッシュ。近年、スパークリング・ワインの人気で特に少量生産のワイナリーがスパークリング・ワインをラインアップに入れたいというニーズが増えており、それに対応します。
これまでは半自動化されたラインで最大年間35万ケースのスパークリング・ワインを製造できましたが、今回完全自動のラインを追加。年間55万ケースの製造ができるとのこと。全体の生産量も75万ケースまで増やしたいとのこと。
ラック・アンド・リドルはソノマでは唯一のスパークリング・ワインに対応したカスタム・クラッシュ。近年、スパークリング・ワインの人気で特に少量生産のワイナリーがスパークリング・ワインをラインアップに入れたいというニーズが増えており、それに対応します。
缶入りワインの急成長が続いています。2018年の米国における缶入りワインの売上は6900万ドルで2017年からなんと69%も上昇しました(Canned Wine Comes of Age | Wine Spectator)。2012年にはわずか200万ドルの市場だったことを考えたらすごい伸びです。
それに伴い、缶入りワインを作るワイナリーも増えています。「バター・シャルドネ」などで人気のジャム・セラーズ(JaM Cellars)もその一つ。バター・シャルドネと「キャンディ・ロゼ」を缶で提供しています。
缶入りワインで有名な「Underwood」の場合、55%が既に缶になっているとのこと。2018年は24万4000ケース(のボトル)に相当する缶を作っていましたが、今年は倍増する予定だとか。
缶の成長に伴い、飲まれるシーンも広がっています。これまでは春から夏のアウトドアで飲まれるのがほとんどでしたが、都会の若者が日常的に飲んでいるなども増えています。
それに伴い、缶入りワインを作るワイナリーも増えています。「バター・シャルドネ」などで人気のジャム・セラーズ(JaM Cellars)もその一つ。バター・シャルドネと「キャンディ・ロゼ」を缶で提供しています。
缶入りワインで有名な「Underwood」の場合、55%が既に缶になっているとのこと。2018年は24万4000ケース(のボトル)に相当する缶を作っていましたが、今年は倍増する予定だとか。
缶の成長に伴い、飲まれるシーンも広がっています。これまでは春から夏のアウトドアで飲まれるのがほとんどでしたが、都会の若者が日常的に飲んでいるなども増えています。
ナパの人気ワイナリー「ジラード(Girard)」の創設者であるスティーブとキャロルのジラード夫妻。彼らが次に目指したのは美味しいピノが作れるところ、というわけでオレゴンのウィラメット・ヴァレーにベントン・レーン(Benton-Lane)を設立しました。
ここの高評価ピノ・ノワールが決算セールで現地価格よりも安くなっています。
ワインはベントン・レーン「ファーストクラス」ピノ・ノワール2012年。いわゆる「リザーブ」タイプの高級ラインです。すべて自社畑のぶどうで作られています。現行ヴィンテージの2015年だとワイナリー価格で65ドル。2012年のものもリリース時の価格は60ドルでした。それが税抜き4780円(税込み5162円)となっています。ワイン・サーチャーでの最安の税抜き47ドル98セントよりも大幅に安い価格です。
ワイン自体の評価も高く、ワイン・スペクテーターでは92点、ヴィナスでは91点。唯一の問題点は在庫限りの価格であること。記事執筆時点では残り12本です。
ここの高評価ピノ・ノワールが決算セールで現地価格よりも安くなっています。
ワインはベントン・レーン「ファーストクラス」ピノ・ノワール2012年。いわゆる「リザーブ」タイプの高級ラインです。すべて自社畑のぶどうで作られています。現行ヴィンテージの2015年だとワイナリー価格で65ドル。2012年のものもリリース時の価格は60ドルでした。それが税抜き4780円(税込み5162円)となっています。ワイン・サーチャーでの最安の税抜き47ドル98セントよりも大幅に安い価格です。
ワイン自体の評価も高く、ワイン・スペクテーターでは92点、ヴィナスでは91点。唯一の問題点は在庫限りの価格であること。記事執筆時点では残り12本です。
故ロバート・モンダヴィの長男であるマイケル・モンダヴィ。その長男のロバート・モンダヴィ・ジュニアはモンダヴィ一族の中でも活発に活動している一人です。
父親の「マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステート」もちろんのこと、X JapanのYoshikiと共同で開発する「Y by Yoshiki」でもワインメーカーを務めています。また、ロバート・モンダヴィの弟ピーターの孫アンジェリーナ(ロバート・ジュニアから見たらはとこ)と「フォース・リーフ」というワイナリーもやっています。
さらに普及価格帯のワインを作っているのが「スペルバウンド」。良質でコスト・パフォーマンスの高いワインです。このスペルバウンドに新たにピノ・ノワールが登場しました(ワイナリーのサイトには未掲載)。
ほかのワインがすべて14ドル99セントですから、これも同程度の価格でしょう。日本の価格の税込みで2000円前後はかなりがんばっています。そもそも2000円前後で良質のピノ・ノワールを見つけるのはなかなか困難です。期待したいワインです。
父親の「マイケル・モンダヴィ・ファミリー・エステート」もちろんのこと、X JapanのYoshikiと共同で開発する「Y by Yoshiki」でもワインメーカーを務めています。また、ロバート・モンダヴィの弟ピーターの孫アンジェリーナ(ロバート・ジュニアから見たらはとこ)と「フォース・リーフ」というワイナリーもやっています。
さらに普及価格帯のワインを作っているのが「スペルバウンド」。良質でコスト・パフォーマンスの高いワインです。このスペルバウンドに新たにピノ・ノワールが登場しました(ワイナリーのサイトには未掲載)。
ほかのワインがすべて14ドル99セントですから、これも同程度の価格でしょう。日本の価格の税込みで2000円前後はかなりがんばっています。そもそも2000円前後で良質のピノ・ノワールを見つけるのはなかなか困難です。期待したいワインです。
ブドウの生育シーズンに通常はほとんど雨の降らないカリフォルニアですが、ナパやソノマなど北カリフォルニアで季節外れの大雨が降りました(Rain in May could mean big problems for North Bay winemakers - Story | KTVU)。
既に、シャルドネやピノ・ノワールなど開花時期の早い品種では開花が始まっています。この時期の雨は結実に影響する可能性があるとのこと。品質面での悪影響はありませんが、収穫は多少減るかもしれません。
既に、シャルドネやピノ・ノワールなど開花時期の早い品種では開花が始まっています。この時期の雨は結実に影響する可能性があるとのこと。品質面での悪影響はありませんが、収穫は多少減るかもしれません。
ナパのブドウ栽培家として知られるスティーブ・マサイアソンがワイナリー拡張計画を郡から認められました(Napa Planning Commission Approves Matthiasson Winery Expansion)。
現在年間5000ガロンの生産量を1万8000ガロンに増やすほか、1日17人までのゲストを入れられる、年間4回までのマーケティング的なイベント(ゲスト最大30人)を開催できる、従業員を現在の2人から7人にまで増やせるなど、かなり事細かに決まっています。
ワイナリーの拡張計画、近隣の住民から反対されることが多いのですが、今回は住民からも賛成意見が相次いだとのこと。スティーブ・マサイアソンが住民からも信頼されていることが伺えます。
ワインの誠実な味わいにもつながっているのでしょうか。
現在年間5000ガロンの生産量を1万8000ガロンに増やすほか、1日17人までのゲストを入れられる、年間4回までのマーケティング的なイベント(ゲスト最大30人)を開催できる、従業員を現在の2人から7人にまで増やせるなど、かなり事細かに決まっています。
ワイナリーの拡張計画、近隣の住民から反対されることが多いのですが、今回は住民からも賛成意見が相次いだとのこと。スティーブ・マサイアソンが住民からも信頼されていることが伺えます。
ワインの誠実な味わいにもつながっているのでしょうか。
柳屋でサンタ・バーバラのアルタ・マリアのワインが半額セールになっています。輸入元の在庫限りの限定です。
ワイナリー価格18ドル(税別)のソーヴィニヨン・ブランが税込み1804円、同じく28ドルのピノ・ノワールとシャルドネが2570円と3つともワイナリー価格以下。ピノ・ノワールはワインアンドスピリッツ誌で90点のベストバイに選ばれています。ワイン・アドヴォケイトでも90点。シャルドネは88点。
栽培家のジェームス・オンティヴェロスは9代続く農家で、「Native9」というワイナリーもやっています(以前、IPOBで来日したこともありました)。ワインメーカーのポール・ウィルキンスも2015年まではNative9もやっており、2011年にはSFクロニクルの注目のワインメーカーに二人で選ばれているほどです。
しかも6本以上買うと送料無料です。
ぜひ売り切れる前にどうぞ。
ワイナリー価格18ドル(税別)のソーヴィニヨン・ブランが税込み1804円、同じく28ドルのピノ・ノワールとシャルドネが2570円と3つともワイナリー価格以下。ピノ・ノワールはワインアンドスピリッツ誌で90点のベストバイに選ばれています。ワイン・アドヴォケイトでも90点。シャルドネは88点。
栽培家のジェームス・オンティヴェロスは9代続く農家で、「Native9」というワイナリーもやっています(以前、IPOBで来日したこともありました)。ワインメーカーのポール・ウィルキンスも2015年まではNative9もやっており、2011年にはSFクロニクルの注目のワインメーカーに二人で選ばれているほどです。
しかも6本以上買うと送料無料です。
ぜひ売り切れる前にどうぞ。
ワイン・アドヴォケイト編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンは5月16日、ロバート・パーカーがワイン批評の仕事から引退することを発表しまし
た(Robert Parker: The Wine Advocate)
今後についてや、健康上の問題があるかどうかといったことは書かれていません。
既にワイン・アドヴォケイトでの担当地域のレビューはリサを初めとした他のレビュワーに引き継がれているので大きな問題はないと思います。
もちろん、今後の影響力は下がっていくことが予想されますが。
個人的には、現在ワイン・アドヴォケイトのほか、ヴィナスとスペクテーターは有料会員になっていますが、古くからのデータがあることやレビューの一貫性という点では、やはりアドヴォケイトが一番参考になると感じています。セミナーでもよくその数字(特に古くからの時系列データ)は使わせていただいています。
ワイン評論家不要論みたいな話は出ては消えとなっており、昨今はまた不要論が増えていますが、経験値や一貫性を考えるとまだまだ有用ではないかと思っています。
何はともあれ、ワイン業界に一時代を築いた偉人の引退、お疲れ様でした。
た(Robert Parker: The Wine Advocate)
The father of modern wine criticism, our publication’s founder and namesake, my greatest mentor and a dear friend, it is with mixed feelings that I announce that Robert M. Parker Jr. will, as of today, be formally hanging up his wine criticism boots and retiring from Robert Parker Wine Advocate.
今後についてや、健康上の問題があるかどうかといったことは書かれていません。
既にワイン・アドヴォケイトでの担当地域のレビューはリサを初めとした他のレビュワーに引き継がれているので大きな問題はないと思います。
もちろん、今後の影響力は下がっていくことが予想されますが。
個人的には、現在ワイン・アドヴォケイトのほか、ヴィナスとスペクテーターは有料会員になっていますが、古くからのデータがあることやレビューの一貫性という点では、やはりアドヴォケイトが一番参考になると感じています。セミナーでもよくその数字(特に古くからの時系列データ)は使わせていただいています。
ワイン評論家不要論みたいな話は出ては消えとなっており、昨今はまた不要論が増えていますが、経験値や一貫性を考えるとまだまだ有用ではないかと思っています。
何はともあれ、ワイン業界に一時代を築いた偉人の引退、お疲れ様でした。
アカデミー・デュ・ヴァンの続・カリフォルニアの名門ワイナリー、第2回のセミナーがありました。今回のテーマはシェーファー(Shafer)。
ここは行ったこともあるし、現社長のダグ・シェーファーさんとは前回来日時に会っているし、本も読んでいるので、準備は比較的スムーズでした。
スタッグス・リープ・ディストリクトの紹介ではVinousのヴィンヤードマップや、ナパの3Dマップも活用しました。実は先日バッグを新調したのですが、新しいバッグは3Dマップがちょうど入るサイズでうまく使えてよかったです。
シェーファーはワイン5種類しか作っていないので、現行ヴィンテージをすべて試飲というわかりやすさ。しかも白はシャルドネのみです。
赤の4種はブラインドで、どれがどれだか当ててもらうのと、どれが一番好きだったかを聞きました。
シラーはすぐにわかるかと思ったら、ここのシラーはかなり筋肉質で果実味はむしろ感じず、意外と難しかったです。
ブラックペッパーなどのスパイシーな風味を頼りにすると、少しわかりやすかったかと。
当てた人が多かったのはTD-9とヒルサイド・セレクト。ヒルサイド・セレクトはさすがに味の厚みが全然違います。「美味しいのはどれ?」と思って探せば見つかりやすかったかもしれません。
スタッグス・リープ・ディストリクトは、ナパの中では比較的南にありますが、西向き斜面で日当たりがよく、ブドウがきれいに熟すのが特徴。そのため、カベルネ・ソーヴィニヨンもブレンドせずに作られることが多いです。ヒルサイド・セレクトもその代表。普段カリフォルニアワインはあまり飲まない、という方はカベルネ・ソーヴィニヨン100%でこの味わいということに驚いていました。
ここは行ったこともあるし、現社長のダグ・シェーファーさんとは前回来日時に会っているし、本も読んでいるので、準備は比較的スムーズでした。
スタッグス・リープ・ディストリクトの紹介ではVinousのヴィンヤードマップや、ナパの3Dマップも活用しました。実は先日バッグを新調したのですが、新しいバッグは3Dマップがちょうど入るサイズでうまく使えてよかったです。
シェーファーはワイン5種類しか作っていないので、現行ヴィンテージをすべて試飲というわかりやすさ。しかも白はシャルドネのみです。
赤の4種はブラインドで、どれがどれだか当ててもらうのと、どれが一番好きだったかを聞きました。
シラーはすぐにわかるかと思ったら、ここのシラーはかなり筋肉質で果実味はむしろ感じず、意外と難しかったです。
ブラックペッパーなどのスパイシーな風味を頼りにすると、少しわかりやすかったかと。
当てた人が多かったのはTD-9とヒルサイド・セレクト。ヒルサイド・セレクトはさすがに味の厚みが全然違います。「美味しいのはどれ?」と思って探せば見つかりやすかったかもしれません。
スタッグス・リープ・ディストリクトは、ナパの中では比較的南にありますが、西向き斜面で日当たりがよく、ブドウがきれいに熟すのが特徴。そのため、カベルネ・ソーヴィニヨンもブレンドせずに作られることが多いです。ヒルサイド・セレクトもその代表。普段カリフォルニアワインはあまり飲まない、という方はカベルネ・ソーヴィニヨン100%でこの味わいということに驚いていました。
トランプ政権の中国製品への新関税措置に報復して、中国も関税アップを明らかにしました。6月1日から有効になります(Trump’s trade war with China hurting U.S. wine industry’s bid to increase sales there)。
ワインはさらに15%分関税が上がり、昨年4月から合計で40%関税が加算されたことになります。以前の関税と合わせると54%という重い税金。さらに他の税金を含めると輸入価格に対して98%の税金がかかる計算になります。つまり輸入した価格に対して最低でも倍になってしまうということ。
2018年の米国から中国へのワインの輸出は2割程度減ってしまっていましたが、この報復関税によって、さらに中国向け輸出は難しくなりそうです。
ワインはさらに15%分関税が上がり、昨年4月から合計で40%関税が加算されたことになります。以前の関税と合わせると54%という重い税金。さらに他の税金を含めると輸入価格に対して98%の税金がかかる計算になります。つまり輸入した価格に対して最低でも倍になってしまうということ。
2018年の米国から中国へのワインの輸出は2割程度減ってしまっていましたが、この報復関税によって、さらに中国向け輸出は難しくなりそうです。
カリフォルニアで、多くのワインメーカーから尊敬を受けるデビッド・レイミー。彼の作る単一畑シャルドネのバックヴィンテージが国内入荷しています。もちろん、数は極めて少なく、追加もまずあり得ないので、早いもの勝ちです。
上の2つは同じショップです。
カリフォルニアでワインを最初に作り始めたのはキリスト教の伝道師たち。「ミッション」と呼ばれる伝導所の周りにブドウ畑を作ってワインにしていました。そのときに持ち込まれた品種「ミッション」が今再びLAで人気だそうです(The Mission grape is cool in L.A. again, thanks to the natural wine movement - Los Angeles Times)。
ミッション種のワインはテキーラのような香りがして、ハイビスカスや鉄の風味があります。人によっては「血の味がする」とも。あるワインメーカーは「無機力で芯がない」と酷評します。
それでもミッション種のワインが売れるのは、それが「クール」だから。
ミッション種のワインは主に自然派のストアで売られています。そこでは、カベルネ・ソーヴィニヨンなど誰もが知っていて、味わいも想像できるものよりも、全然知らなかったり、ストーリーがあるものの方がもてはやされます。ミッション種はまさに、その範疇に収まるのです。
ミッション種は南米では「パイス」という名で庶民的なワインに使われており、近年はパイスをより本格的なワインに仕上げようという動きもあります。
カリフォルニアのミッション種のワインもわずかではありますが、日本に輸入されています。
実際、どんな味だか気になりませんか?
ミッション種のワインはテキーラのような香りがして、ハイビスカスや鉄の風味があります。人によっては「血の味がする」とも。あるワインメーカーは「無機力で芯がない」と酷評します。
それでもミッション種のワインが売れるのは、それが「クール」だから。
ミッション種のワインは主に自然派のストアで売られています。そこでは、カベルネ・ソーヴィニヨンなど誰もが知っていて、味わいも想像できるものよりも、全然知らなかったり、ストーリーがあるものの方がもてはやされます。ミッション種はまさに、その範疇に収まるのです。
ミッション種は南米では「パイス」という名で庶民的なワインに使われており、近年はパイスをより本格的なワインに仕上げようという動きもあります。
カリフォルニアのミッション種のワインもわずかではありますが、日本に輸入されています。
実際、どんな味だか気になりませんか?
ソノマで2019年5月3日、第5回目となるバレル・オークションが開催されました。落札額の合計は64万5000ドル。これは初回の46万1700ドルに次ぐ低い落札額でした(Sonoma County Barrel Auction raises $645,000 for vintner group)。
昨年は、大火事の後の救済のためのロットなどもあり、90万ドル近くの落札額でしたが、かなりの急落です。
一方で、比較的リーズナブルな価格で落札できることから、販売用に購入する業者もだんだん定着しているようです。
お祭り的雰囲気の濃いナパのオークションとは大分違う雰囲気のようですが、こちらはこちらで続いていってほしいと思います。
昨年は、大火事の後の救済のためのロットなどもあり、90万ドル近くの落札額でしたが、かなりの急落です。
一方で、比較的リーズナブルな価格で落札できることから、販売用に購入する業者もだんだん定着しているようです。
お祭り的雰囲気の濃いナパのオークションとは大分違う雰囲気のようですが、こちらはこちらで続いていってほしいと思います。
ナパの観光をプロモートしているビジット・ナパ・ヴァレーは2018年の観光状況を発表しました(Napa Valley’s Tourism Industry Continues to Provide a Significant Positive Impact)。
2018年にナパを訪れた観光客は385万人。2016年から年率4.45%で伸びています。そのうち80.8%が米国内の観光客、19.2%が海外からでした。
ナパを初めて訪れた観光客は48.6%。2回目以降は51.4%。驚くのはリピート回数で、平均3.6回と2016年の2.9回から大幅に増えました。
高学歴、高年収が多いのも特徴で、大学院を出た人が29%もいます。平均年収は17万595ドル。
観光はナパにとってワイン産業に次ぐビジネスになっています。その重要度はさらに増していると言えるでしょう。
2018年にナパを訪れた観光客は385万人。2016年から年率4.45%で伸びています。そのうち80.8%が米国内の観光客、19.2%が海外からでした。
ナパを初めて訪れた観光客は48.6%。2回目以降は51.4%。驚くのはリピート回数で、平均3.6回と2016年の2.9回から大幅に増えました。
高学歴、高年収が多いのも特徴で、大学院を出た人が29%もいます。平均年収は17万595ドル。
観光はナパにとってワイン産業に次ぐビジネスになっています。その重要度はさらに増していると言えるでしょう。
ソノマ・ヴァレーの業界団体ソノマ・ヴァレー・ヴィントナーズ&グロワーズ・アライアンスはソノマ・ヴァレーの1/4エーカーを超えるすべてのブドウ畑の地図を作るプロジェクトを始めたことを明らかにしました(Sonoma vintners trade group to map every Sonoma Valley vineyard)。
これはヴィナスのアントニオ・ガッローニなどと共同で行うもので、ヴィナスから出ているナパの各地域のブドウ畑地図と同様の体裁になる模様。単に二次元で畑の位置がわかるだけでなく、地形もある程度わかる形になります。
現在、約400の畑の情報が集まっており、最終的には700程度になる見込みだといいます。
5月16日に開催されるシグニチャー・ソノマ・ヴァレーのイベントで4枚作られるマップの一つが公開されるとのことです。
ロシアンリバーヴァレーとかソノマコーストのマップも欲しいです。作って欲しいなあ。
これはヴィナスのアントニオ・ガッローニなどと共同で行うもので、ヴィナスから出ているナパの各地域のブドウ畑地図と同様の体裁になる模様。単に二次元で畑の位置がわかるだけでなく、地形もある程度わかる形になります。
現在、約400の畑の情報が集まっており、最終的には700程度になる見込みだといいます。
5月16日に開催されるシグニチャー・ソノマ・ヴァレーのイベントで4枚作られるマップの一つが公開されるとのことです。
ロシアンリバーヴァレーとかソノマコーストのマップも欲しいです。作って欲しいなあ。
著名評論家のジェームズ・サックリングがナパの2016年のレポートを公開しています(Napa 2016 vintage: 5 consecutive years of fantastic wines - JamesSuckling.com)。
2012年から始まった優良ヴィンテージは2016年で5年連続となっています。特に2016年は他の評論家も激賞する中、ジェームズ・サックリングは当初懐疑的だったのだそうですが、1000種類以上を試飲する中で、やはり素晴らしいという結論に至ったとのこと。
特にこのヴィンテージで素晴らしいのは地域ごとの特徴がはっきり現れていることだと、著名ワインメーカー/コンサルタントのフィリップ・メルカは言っており、ジェームズ・サックリングもそれに同意しています。
2016ヴィンテージの100点ワインとしてはエイブリューのマドローナ・ランチ、ボンドのクエッラ、コルギンのナンバーナイン・エステート、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグル、シュレーダー・オールド・スパーキー、ダナ・エステート・ハウエルマウンテン・ハーシー・ヴィンヤード、グレース・ファミリーを挙げています。
なお、2017年はやや難しいヴィンテージと言われています。火事の影響よりも9月上旬の熱波が影響したと見られています。そして2018年は、もしかしたら2016年よりも上かもしれないというほどの優良ヴィンテージと言われています。
2012年から始まった優良ヴィンテージは2016年で5年連続となっています。特に2016年は他の評論家も激賞する中、ジェームズ・サックリングは当初懐疑的だったのだそうですが、1000種類以上を試飲する中で、やはり素晴らしいという結論に至ったとのこと。
特にこのヴィンテージで素晴らしいのは地域ごとの特徴がはっきり現れていることだと、著名ワインメーカー/コンサルタントのフィリップ・メルカは言っており、ジェームズ・サックリングもそれに同意しています。
2016ヴィンテージの100点ワインとしてはエイブリューのマドローナ・ランチ、ボンドのクエッラ、コルギンのナンバーナイン・エステート、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグル、シュレーダー・オールド・スパーキー、ダナ・エステート・ハウエルマウンテン・ハーシー・ヴィンヤード、グレース・ファミリーを挙げています。
なお、2017年はやや難しいヴィンテージと言われています。火事の影響よりも9月上旬の熱波が影響したと見られています。そして2018年は、もしかしたら2016年よりも上かもしれないというほどの優良ヴィンテージと言われています。
コルクを抜かずにグラスに注ぐことで、長期保存を可能にするグッズ「コラヴァン」の国内価格が改定されました(世界で唯一、コルクを抜かずにボトルのワインを注ぐツール「コラヴァン」 2019年5月1日より新色が加わり、最大約22% offに価格改訂! |株式会社シナジートレーディングのプレスリリース)。
最安価なモデル1は税抜き3万3880円と、米国の299ドルと遜色ないレベルまで下がりました。高級なモデル2のダークグラファイト仕上げも6万5000円から5万880円と大幅に下がりました。
国内で使用できなかったアルゴンガスも昨年、使用許可の方針が出ています。まだ国内製品は窒素ガスのままだと思いますが、そこが早く解決するともっと普及につながるのではないかと思います。
最安価なモデル1は税抜き3万3880円と、米国の299ドルと遜色ないレベルまで下がりました。高級なモデル2のダークグラファイト仕上げも6万5000円から5万880円と大幅に下がりました。
国内で使用できなかったアルゴンガスも昨年、使用許可の方針が出ています。まだ国内製品は窒素ガスのままだと思いますが、そこが早く解決するともっと普及につながるのではないかと思います。
高いワインが美味しいのはある意味当たり前ですが、やはり知りたいのはコストパフォーマンスの高いワインですよね。そこで5000円までのおすすめワインを品種ごとに価格帯別に紹介していこうと思います。すべて自分で試飲して自信を持って薦められるワインです。
まずはカベルネ系というかボルドー系の品種のワインから。
●1000円以下
この価格帯では個人的にはカルディコーヒーファームで売っている「レッドウッド」のカベルネ・ソーヴィニヨンが一択です。実は令和になって最初に飲んだワインでもあります。さすがに凝縮感はありませんが、カシスの風味もあってカベルネ・ソーヴィニヨンらしい味わいはちゃんとあります。ミディアムボディで柔らかい味わい。飲みやすくはずさないワインです。
●1000円台
意外と難しいこの価格帯。2000円台になるとかなり本格的においしいワインも多いのですが、1000円台で1000円以下のものより明らかにレベルが上のものって見つけにくいのです。その中で、さすがだなと思わせてくれるのがスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン。スリー・シーヴスは、人気ハンバーガー店「Gott's Roadside」やワインブランド「Joel Gott」で知られるジョエル・ゴットが二人のワイン業界の才人と組んでコストパフォーマンスの高いワインを作るプロジェクト。ミディアムボディですが、スパイシーな感じやタンニンなど、しっかりした味わいがあるのが1000円以下のワインと一線を画しています。
1000円台のカリフォルニアワインで、「これを買っておけば安心」なブランドがマックマニス。家族経営のワイナリーですが、非常にコストパフォーマンスの高いワインを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンもカベルネらしい味わいのワイン。
●2000円台
カリフォルニアワインではありませんが、この価格帯ではずせないのがワシントンの雄チャールズ・スミスが作るワイン・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン。この価格帯ですべて天然酵母を使い、樽熟成という手間のかけかたもすごいですが出来上がったワインも驚くべきレベル。チャールズ・スミス本人が「この価格でこれほど美味しいワインが作れるようになるとは想像もしなかった」と自賛するワイン。2018年には米国の大手オンラインワインショップwine.comで年間で一番よく売れたワインに選ばれています。「カシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです」というのは私のテイスティング・ノートより。
2000円台のカリフォルニアワインからはウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨンを紹介します。「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるエレガントなスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンですが、複雑さもありとてもレベルの高いワイン。ワインメーカーは注目の女性醸造家サマンサ・シーハン。
この価格帯でナパを代表するのがフランシスカン。オークヴィルの一等地の畑のブドウを使ってこの価格帯はがんばっています。ガロへのブランド移行で今後が心配ですが、少なくとも現状では間違いなくお薦めの一つ。
ダックホーンの作る一番安価なブランドがデコイ。といってもセカンド的な位置づけではなく、ソノマで一流の畑との契約ブドウで作っています。現地価格で25ドルが日本でも2000円台と、日本の価格自体がんばっています。ここはやはり紹介したいのはメルロー。ダックホーン系列だけあってメルローにはかなりのこだわりを持って作っているのだと思います。
●3000円台
ヴィノスやまざきが輸入するストーンヘッジの「メリタージュ」は、カリフォルニアらしい果実味の豊かさとふくよかさを十分に持ったワイン。同社の赤ワインでは一番の売上だというのが納得いくレベルの高さ。ちょっとだけ格上の「ヴィンテージ・セレクション」もあります。
ナパのフランシスカンに対し、ソノマからはシミ。フランシスカンと比べるとややエレガントなスタイルがソノマっぽさを表しているようです。これもブランドのガロへの移行で今後が心配なブランドです。
オールド・ヴィンテージの在庫発掘物なのでいつまであるかはわかりませんがトロワ・ヴォワイエルは安価で熟成ワインが楽しめる貴重なワイン。
●4000円台
群雄割拠する4000円台ですが、まずは逃せないのが明石家さんまさんがTV番組で紹介して大ヒットになった「ナパ・ハイランズ」。このブログでもそれより前から紹介しており、ナパらしい味わいをこの価格で提供していることにはかなり驚きました。
ナパ・ハイランズは売れすぎて常に品薄状態になり、各インポーターがこの価格帯で良質のワインをぶつけてきています。
ナパ・ハイランズの輸入元でもある中川ワインが輸入するのが「エクスペリエンス」。これも非常に良質のナパらしいカベルネ。
ブラックスミスのクラレットは布袋ワインズの輸入。これも秀逸な味わいです。
この価格帯のワインの多くはナパの契約畑のブドウを使っているのに対し、ホワイトホール・レーンは自社畑も数多く持っています。トレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンを中心にメルロー、シラー、ジンファンデルをブレンドしたもの。やわらかくふくよかで非常にコストパフォーマンスの高いワインです。ラベルもいいです。
まずはカベルネ系というかボルドー系の品種のワインから。
●1000円以下
この価格帯では個人的にはカルディコーヒーファームで売っている「レッドウッド」のカベルネ・ソーヴィニヨンが一択です。実は令和になって最初に飲んだワインでもあります。さすがに凝縮感はありませんが、カシスの風味もあってカベルネ・ソーヴィニヨンらしい味わいはちゃんとあります。ミディアムボディで柔らかい味わい。飲みやすくはずさないワインです。
●1000円台
意外と難しいこの価格帯。2000円台になるとかなり本格的においしいワインも多いのですが、1000円台で1000円以下のものより明らかにレベルが上のものって見つけにくいのです。その中で、さすがだなと思わせてくれるのがスリー・シーヴスのカベルネ・ソーヴィニヨン。スリー・シーヴスは、人気ハンバーガー店「Gott's Roadside」やワインブランド「Joel Gott」で知られるジョエル・ゴットが二人のワイン業界の才人と組んでコストパフォーマンスの高いワインを作るプロジェクト。ミディアムボディですが、スパイシーな感じやタンニンなど、しっかりした味わいがあるのが1000円以下のワインと一線を画しています。
1000円台のカリフォルニアワインで、「これを買っておけば安心」なブランドがマックマニス。家族経営のワイナリーですが、非常にコストパフォーマンスの高いワインを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンもカベルネらしい味わいのワイン。
●2000円台
カリフォルニアワインではありませんが、この価格帯ではずせないのがワシントンの雄チャールズ・スミスが作るワイン・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン。この価格帯ですべて天然酵母を使い、樽熟成という手間のかけかたもすごいですが出来上がったワインも驚くべきレベル。チャールズ・スミス本人が「この価格でこれほど美味しいワインが作れるようになるとは想像もしなかった」と自賛するワイン。2018年には米国の大手オンラインワインショップwine.comで年間で一番よく売れたワインに選ばれています。「カシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです」というのは私のテイスティング・ノートより。
2000円台のカリフォルニアワインからはウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨンを紹介します。「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるエレガントなスタイルのカベルネ・ソーヴィニヨンですが、複雑さもありとてもレベルの高いワイン。ワインメーカーは注目の女性醸造家サマンサ・シーハン。
この価格帯でナパを代表するのがフランシスカン。オークヴィルの一等地の畑のブドウを使ってこの価格帯はがんばっています。ガロへのブランド移行で今後が心配ですが、少なくとも現状では間違いなくお薦めの一つ。
ダックホーンの作る一番安価なブランドがデコイ。といってもセカンド的な位置づけではなく、ソノマで一流の畑との契約ブドウで作っています。現地価格で25ドルが日本でも2000円台と、日本の価格自体がんばっています。ここはやはり紹介したいのはメルロー。ダックホーン系列だけあってメルローにはかなりのこだわりを持って作っているのだと思います。
●3000円台
ヴィノスやまざきが輸入するストーンヘッジの「メリタージュ」は、カリフォルニアらしい果実味の豊かさとふくよかさを十分に持ったワイン。同社の赤ワインでは一番の売上だというのが納得いくレベルの高さ。ちょっとだけ格上の「ヴィンテージ・セレクション」もあります。
ナパのフランシスカンに対し、ソノマからはシミ。フランシスカンと比べるとややエレガントなスタイルがソノマっぽさを表しているようです。これもブランドのガロへの移行で今後が心配なブランドです。
オールド・ヴィンテージの在庫発掘物なのでいつまであるかはわかりませんがトロワ・ヴォワイエルは安価で熟成ワインが楽しめる貴重なワイン。
●4000円台
群雄割拠する4000円台ですが、まずは逃せないのが明石家さんまさんがTV番組で紹介して大ヒットになった「ナパ・ハイランズ」。このブログでもそれより前から紹介しており、ナパらしい味わいをこの価格で提供していることにはかなり驚きました。
ナパ・ハイランズは売れすぎて常に品薄状態になり、各インポーターがこの価格帯で良質のワインをぶつけてきています。
ナパ・ハイランズの輸入元でもある中川ワインが輸入するのが「エクスペリエンス」。これも非常に良質のナパらしいカベルネ。
ブラックスミスのクラレットは布袋ワインズの輸入。これも秀逸な味わいです。
この価格帯のワインの多くはナパの契約畑のブドウを使っているのに対し、ホワイトホール・レーンは自社畑も数多く持っています。トレ・レオーニはカベルネ・ソーヴィニヨンを中心にメルロー、シラー、ジンファンデルをブレンドしたもの。やわらかくふくよかで非常にコストパフォーマンスの高いワインです。ラベルもいいです。
世界のワイン・ショップの価格をデータベースにしているワイン・サーチャーが国ごとのワイン価格を測る新たなインデックスを発表しました(Introducing Wine-Searcher's Moët Index)。
その名は「モエ・インデックス」。世界のどこででも売られていて、入手も難しくないワインとして、モエ・エ・シャンドンの「ブリュット・アンペリアル」の価格を指標にしたものです。
世界の平均価格は50ドル。米国は52ドルで英国は39ポンド。ドル換算すると51ドルで、ほぼ同等であると見なせます。
関税や輸送コストの面で有利なはずのフランスは45ユーロ。ドル換算すると50.50ドルとほとんど同じでした。
EU圏内の他国はもっと安く、ドイツはドル換算で46ドル。ギリシャは43.75ドル、スペインに至っては39ドルと大幅に安くなっています。
北欧は全般に高く、デンマークで56ドルなど。
アジアも高いところが多く、中国で58.20ドル、香港で56.85ドル、インドではなんと82.95ドルにもなります。
日本は50.50ドルと平均的な価格。
ただ、米国以外ではワイン・サーチャーにデータを提供しているショップの数が少ないので、数字がどこまで信用できるのかは疑問が残ります。
日本の場合、楽天で正規輸入品の価格を調べると安いところで3800円程度。中間値で5300円くらいでしょうか。ただし、これは税込みなので、税別でドル換算すると44ドルとなって世界的にもかなり安い部類に入りそうです。
その名は「モエ・インデックス」。世界のどこででも売られていて、入手も難しくないワインとして、モエ・エ・シャンドンの「ブリュット・アンペリアル」の価格を指標にしたものです。
世界の平均価格は50ドル。米国は52ドルで英国は39ポンド。ドル換算すると51ドルで、ほぼ同等であると見なせます。
関税や輸送コストの面で有利なはずのフランスは45ユーロ。ドル換算すると50.50ドルとほとんど同じでした。
EU圏内の他国はもっと安く、ドイツはドル換算で46ドル。ギリシャは43.75ドル、スペインに至っては39ドルと大幅に安くなっています。
北欧は全般に高く、デンマークで56ドルなど。
アジアも高いところが多く、中国で58.20ドル、香港で56.85ドル、インドではなんと82.95ドルにもなります。
日本は50.50ドルと平均的な価格。
ただ、米国以外ではワイン・サーチャーにデータを提供しているショップの数が少ないので、数字がどこまで信用できるのかは疑問が残ります。
日本の場合、楽天で正規輸入品の価格を調べると安いところで3800円程度。中間値で5300円くらいでしょうか。ただし、これは税込みなので、税別でドル換算すると44ドルとなって世界的にもかなり安い部類に入りそうです。
ワインスペクテーターにナパ最大の地主であるアンディ・ベクストファーのインタビュー記事が出ていました(Replanting To Kalon: A Napa Cabernet Renewal | Stirring the Lees with James Molesworth | Blogs | Wine Spectator)。
ベクストファーの持つ代表的な畑といえばベクストファー・トカロン。1993年にボーリュー(Beaulieu)から1エーカーあたり4万4000ドルという価格で手に入れました(現在は、ナパの一等地は1エーカー100万ドルと言われています)。
現在、ベクストファー・トカロンの一部は病気のため植え替えが必要になってきています。
トカロンは約20の生産者にブドウを提供していますが、植え替えに際しては、そのブロックのブドウを使っているかどうかにかかわらず、平等に割当を減らされるそうです。
また、新しく植え替えたブロックは、列の方向が従来の南北から、東西方向に変わっています。
午後の強い西日がブドウに直接当たるのを避けるためだそうです。
またトカロンの名称については、土地の一貫性のためにそこの土地の所有者が平等に名乗れるのが望ましいとしています(現在はコンステレーション・ブランズが商標を持っており、コンステレーション以外ではベクストファーだけが和解によって名乗ることができます)。例えば、トカロンに畑を持っているが現在はその名前を使えないマクドナルドもマクドナルド・トカロンと名乗れるべきとしています。
ベクストファーの持つ代表的な畑といえばベクストファー・トカロン。1993年にボーリュー(Beaulieu)から1エーカーあたり4万4000ドルという価格で手に入れました(現在は、ナパの一等地は1エーカー100万ドルと言われています)。
現在、ベクストファー・トカロンの一部は病気のため植え替えが必要になってきています。
トカロンは約20の生産者にブドウを提供していますが、植え替えに際しては、そのブロックのブドウを使っているかどうかにかかわらず、平等に割当を減らされるそうです。
また、新しく植え替えたブロックは、列の方向が従来の南北から、東西方向に変わっています。
午後の強い西日がブドウに直接当たるのを避けるためだそうです。
またトカロンの名称については、土地の一貫性のためにそこの土地の所有者が平等に名乗れるのが望ましいとしています(現在はコンステレーション・ブランズが商標を持っており、コンステレーション以外ではベクストファーだけが和解によって名乗ることができます)。例えば、トカロンに畑を持っているが現在はその名前を使えないマクドナルドもマクドナルド・トカロンと名乗れるべきとしています。
古木の畑で作るジンファンデルで知られるベッドロックですが、ごく少数ながら白ワインも醸造しています。もちろんこちらでも古木へのこだわりは忘れません。
現在日本に入ってきているベッドロックの白ワインは2種類。ゲヴェルツトラミネールやリースリングなどが混植された畑のブドウで作る「コンパーニポルティス」と、今年の来日時にショウカイされたリースリングです(ベッドロックではこのほかソーヴィニヨン・ブランも作っています)。
コンパーニポルティスは多品種を一緒くたにして醸造しており、そこから生まれる複雑さや柔らかい味わいが特徴。
一方、リースリングはカレラのすぐ近くの石灰岩を含む土壌に、1963年に自根で植えられたというレアにレアを積み重ねたような畑のブドウ。よくぞこんな畑が今まで残っていたと思ってしまいますが、これを完全にドライに仕上げたワインもとてもユニーク。花の香りやスパイスが特徴的。
どちらも唯一無二のワインと言っていいでしょう。以前行ったリースリングだけの試飲会でも、これに似たワインを試飲した記憶がありません。
現在日本に入ってきているベッドロックの白ワインは2種類。ゲヴェルツトラミネールやリースリングなどが混植された畑のブドウで作る「コンパーニポルティス」と、今年の来日時にショウカイされたリースリングです(ベッドロックではこのほかソーヴィニヨン・ブランも作っています)。
コンパーニポルティスは多品種を一緒くたにして醸造しており、そこから生まれる複雑さや柔らかい味わいが特徴。
一方、リースリングはカレラのすぐ近くの石灰岩を含む土壌に、1963年に自根で植えられたというレアにレアを積み重ねたような畑のブドウ。よくぞこんな畑が今まで残っていたと思ってしまいますが、これを完全にドライに仕上げたワインもとてもユニーク。花の香りやスパイスが特徴的。
どちらも唯一無二のワインと言っていいでしょう。以前行ったリースリングだけの試飲会でも、これに似たワインを試飲した記憶がありません。
米国では9つの州とワシントンDCで許可されているマリファナの娯楽使用。1980年代から2000年台初頭生まれのミレニアル世代では既にアルコールよりもマリファナを好む人が多くなっているというデータも出ています(Why millennials prefer cannabis to booze: ‘Zero enjoyment out of drinking’ - MarketWatch)。
マリファナ使用が許される州が増えていることによって、規制も緩んできているということもありそうです。イリノイ州では医療用のマリファナだけが解禁されていますが、シカゴでは1グラム18ドルほどで入手が可能とのこと(これは米国の中ではかなり高価なようです)。記事に出てきた若者はそれまで週に数回、30ドルから50ドルお酒に使ってきたのが、マリファナ派に転向した今では1カ月に30ドル以下で済んでいるとのこと。
ワイン業界の中には、ミレニアル世代の多くが学生ローンによる借金を抱えており、生活が苦しいことがワインのような高額な酒に向かわない理由として分析する向きもありますが、若者に言わせるとお酒は退屈で、二日酔いもあることなどが避ける理由になっているようです。マリファナも一人で吸うよりも友人たちと吸うソーシャライズのためのものになっており、お酒の役割は減りつつあるようです。
このほか、ミレニアル世代はスターバックスコーヒーのように、自分だけのカスタマイズができるものを好むという説もあります。大量生産のビールであったり、「パーカーが高得点を付けたワイン」といった一種画一的なものを「退屈」とみなす傾向は多分にありそうです。
日本ではマリファナが解禁になることはまだまだ遠い先でしょうが、アルコール業界全体にとって、もはや避けては通れない問題になりつつあります。
マリファナ使用が許される州が増えていることによって、規制も緩んできているということもありそうです。イリノイ州では医療用のマリファナだけが解禁されていますが、シカゴでは1グラム18ドルほどで入手が可能とのこと(これは米国の中ではかなり高価なようです)。記事に出てきた若者はそれまで週に数回、30ドルから50ドルお酒に使ってきたのが、マリファナ派に転向した今では1カ月に30ドル以下で済んでいるとのこと。
ワイン業界の中には、ミレニアル世代の多くが学生ローンによる借金を抱えており、生活が苦しいことがワインのような高額な酒に向かわない理由として分析する向きもありますが、若者に言わせるとお酒は退屈で、二日酔いもあることなどが避ける理由になっているようです。マリファナも一人で吸うよりも友人たちと吸うソーシャライズのためのものになっており、お酒の役割は減りつつあるようです。
このほか、ミレニアル世代はスターバックスコーヒーのように、自分だけのカスタマイズができるものを好むという説もあります。大量生産のビールであったり、「パーカーが高得点を付けたワイン」といった一種画一的なものを「退屈」とみなす傾向は多分にありそうです。
日本ではマリファナが解禁になることはまだまだ遠い先でしょうが、アルコール業界全体にとって、もはや避けては通れない問題になりつつあります。
ゴールデンウイーク中は、多くのネットショップで配送がストップしていますが、そういうときに便利なのがアマゾン。プライム会員であれば多くの商品が翌日には配達されるので、店に買いに行くより早くて楽なことが多いです。
プライムで買えるワインの種類はそこまで多くないですが、品質的には確かなものがそろっています。
ボックスタイプのワインでは高級で、米国では毎年10%以上出荷が伸びている「ボタ・ボックス」。フルボトル2本分にあたる500ml3本で2500円はいいですね。
ナパ・カベの定番的存在フランシスカン。先日も書いたようにガロへの売却で畑が使えなくなるため、数年後には今の品質は保てないかもしれません。
ベリンジャーのカベルネの中でコスパ王といえばナイツ・ヴァレー。この地域のパイオニアでもあります。
モントレー地域のピノ・ノワールの今や代表的存在になったハーン。ここのはどれを飲んでも満足感があります。
安っぽいラベルはどうなのよ、と思ってしまうワインですが、ジンファンデル美味しいです。BBQとかにも合うと思います。
マイケル・デイビッドのセブン・デッドリー・ジンズは米国で一番人気のジンファンデル。これもブランド売却されたので、今後がどうなるかちょっと気になるワインです。意外とエレガントさもあるいいジンファンデルです。
こちらの689も大人気ブランド。カリフォルニアらしい果実味あふれる味わい。
マイケル・デイビッドのプティ・シラーです。濃厚な味わい。プティ・シラーって意外と飲む機会が少ないような気がしますが、カリフォルニアらしい味わいで個人的には好きです。特に近年は面白いものがまた増えている感じがします。これもその一つ。
プライムで買えるワインの種類はそこまで多くないですが、品質的には確かなものがそろっています。
ボックスタイプのワインでは高級で、米国では毎年10%以上出荷が伸びている「ボタ・ボックス」。フルボトル2本分にあたる500ml3本で2500円はいいですね。
ナパ・カベの定番的存在フランシスカン。先日も書いたようにガロへの売却で畑が使えなくなるため、数年後には今の品質は保てないかもしれません。
ベリンジャーのカベルネの中でコスパ王といえばナイツ・ヴァレー。この地域のパイオニアでもあります。
モントレー地域のピノ・ノワールの今や代表的存在になったハーン。ここのはどれを飲んでも満足感があります。
安っぽいラベルはどうなのよ、と思ってしまうワインですが、ジンファンデル美味しいです。BBQとかにも合うと思います。
マイケル・デイビッドのセブン・デッドリー・ジンズは米国で一番人気のジンファンデル。これもブランド売却されたので、今後がどうなるかちょっと気になるワインです。意外とエレガントさもあるいいジンファンデルです。
こちらの689も大人気ブランド。カリフォルニアらしい果実味あふれる味わい。
マイケル・デイビッドのプティ・シラーです。濃厚な味わい。プティ・シラーって意外と飲む機会が少ないような気がしますが、カリフォルニアらしい味わいで個人的には好きです。特に近年は面白いものがまた増えている感じがします。これもその一つ。
ワインライフ株式会社の試飲会に参加しました。ここは「シャトー・イガイタカハ」として、グレッグ・ブリュワーやポール・ラトーなどカリフォルニアの著名なワインメーカーの協力によって作るワインのほか、グレッグ・ブリュワーの作るダイアトムおよびブリュワー・クリフトンのワインを輸入販売しています。今回はグレッグ・ブリュワーの来日に伴う試飲会で、セミナーも開かれましたが時間の都合でセミナーは参加できず、試飲会のみでした。
最初はダイアトムのワインです。ダイアトムはグレッグ・ブリュワーが樽を使わないシャルドネを作りたいということで始めたブランドです。ワインライフの杉本さんが2006年にグレッグに頼んで作ってもらった「Samurai Beauty」というシャルドネにロバート・パーカーが95点を付けたのが、その後「侍」などの漢字ラベルのワインに発展し(当時は「神の雫」に取り上げられたことも)、さらにシャトー・イガイタカハの漢字ラベルのワインに移行したという、ある意味シャトー・イガイタカハの礎になったワインの一つでもあります。
今回試飲したのはシャルドネ サンタマリア キャサリン・ヴィンヤード2017(7000円)。樽を使っていないワインとしては驚くほどのパワフルさ。香りも素晴らしく濃厚かつピュアな味わい。ブドウ自体のポテンシャルの高さを感じます。
次はシャトー・イガイタカハの花偲(はなしのぶ)シャルドネ2014(6000円)。これも樽を使っていないシャルドネですが、熟成によるものかやわらかく、とても旨味を感じます。和食の出汁にも共通するようなコクのあるワイン。
シャトー・イガイタカハのフラッグシップのシャルドネ「侍(さむらい)」(8000円)。今回は2014からニュー・リリースの2017まで4ヴィンテージを試飲しました。ミネラルを強く感じる2014年、酸がきれいな2015年、濃厚ながらまろやかな2016年、蜜のような華やかさと甘さを感じる2017年。どれもレベル高いですが、2017年のとろけるような味わいは特に女性に受けそうな気がします。
ワイン・スペクテーターで年間8位に選ばれたこともあるブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ2015(8000円)。やわらかさと豊かな果実味が魅力的です。
JALのファーストクラスのワインとしても採用されているシャトー・イガイタカハのフラッグシップのピノ・ノワール「園(その)」(1万円)。今回は2016年とニュー・リリースの2017年を試飲しましたが、どちらも素晴らしいワイン。果実味と複雑さ、酸のバランスが際立っています。今飲むのなら2016年の方がやわらかく、美味しいと思いますが、ワイン自体のレベルは両ヴィンテージ甲乙つけがたいところです。サンタバーバラのみならず、カリフォルニアのトップクラスのピノ・ノワールの一つと言っていいと思います。
シャトー・イガイタカハの「家紋」シリーズ(グレッグ以外のワインメーカーによるワイン)の「エレガント・ハート」ソーヴィニヨン・ブラン2016(4000円)。香りの良さで知られるソーヴィニヨン・ムスクを着かており果実味豊かでてても美味しいソーヴィニヨン・ブラン。ある意味今回一番驚いたワインの一つです。
シャトー・イガイタカハ「タイガー・ジョー」シラー2015年(5000円)。ユニークな名前の多いここのワインですが、基本的には家族の名前の漢字を英語で表しています。こちらは杉本さんの次女のご主人の名前から。
このシラーはカリフォルニアのシラーとしては珍しいほど酸が豊かで旨味もあるワイン。シラーでこういう表現の仕方があるのだなと感心しました。多分99%の人が思うカリフォルニアのシラーとは全然違う美味しさのワイン。
シャトー・イガイタカハ「ドラゴン・ビューティ」カベルネ・ソーヴィニョン2016(1万5000円)。果実のふくよかさとストラクチャのあるワイン。
グレッグにも再会できてよかったです。
シャトー・イガイタカハ、飲んだことない人は、ぜひ園と侍は試してみてほしいです。特にキスラーのAVAものに大枚はたくなら、こちらの方がレベルも上だと思います。
最初はダイアトムのワインです。ダイアトムはグレッグ・ブリュワーが樽を使わないシャルドネを作りたいということで始めたブランドです。ワインライフの杉本さんが2006年にグレッグに頼んで作ってもらった「Samurai Beauty」というシャルドネにロバート・パーカーが95点を付けたのが、その後「侍」などの漢字ラベルのワインに発展し(当時は「神の雫」に取り上げられたことも)、さらにシャトー・イガイタカハの漢字ラベルのワインに移行したという、ある意味シャトー・イガイタカハの礎になったワインの一つでもあります。
今回試飲したのはシャルドネ サンタマリア キャサリン・ヴィンヤード2017(7000円)。樽を使っていないワインとしては驚くほどのパワフルさ。香りも素晴らしく濃厚かつピュアな味わい。ブドウ自体のポテンシャルの高さを感じます。
次はシャトー・イガイタカハの花偲(はなしのぶ)シャルドネ2014(6000円)。これも樽を使っていないシャルドネですが、熟成によるものかやわらかく、とても旨味を感じます。和食の出汁にも共通するようなコクのあるワイン。
シャトー・イガイタカハのフラッグシップのシャルドネ「侍(さむらい)」(8000円)。今回は2014からニュー・リリースの2017まで4ヴィンテージを試飲しました。ミネラルを強く感じる2014年、酸がきれいな2015年、濃厚ながらまろやかな2016年、蜜のような華やかさと甘さを感じる2017年。どれもレベル高いですが、2017年のとろけるような味わいは特に女性に受けそうな気がします。
ワイン・スペクテーターで年間8位に選ばれたこともあるブリュワー・クリフトンのピノ・ノワール サンタ・リタ・ヒルズ2015(8000円)。やわらかさと豊かな果実味が魅力的です。
JALのファーストクラスのワインとしても採用されているシャトー・イガイタカハのフラッグシップのピノ・ノワール「園(その)」(1万円)。今回は2016年とニュー・リリースの2017年を試飲しましたが、どちらも素晴らしいワイン。果実味と複雑さ、酸のバランスが際立っています。今飲むのなら2016年の方がやわらかく、美味しいと思いますが、ワイン自体のレベルは両ヴィンテージ甲乙つけがたいところです。サンタバーバラのみならず、カリフォルニアのトップクラスのピノ・ノワールの一つと言っていいと思います。
シャトー・イガイタカハの「家紋」シリーズ(グレッグ以外のワインメーカーによるワイン)の「エレガント・ハート」ソーヴィニヨン・ブラン2016(4000円)。香りの良さで知られるソーヴィニヨン・ムスクを着かており果実味豊かでてても美味しいソーヴィニヨン・ブラン。ある意味今回一番驚いたワインの一つです。
シャトー・イガイタカハ「タイガー・ジョー」シラー2015年(5000円)。ユニークな名前の多いここのワインですが、基本的には家族の名前の漢字を英語で表しています。こちらは杉本さんの次女のご主人の名前から。
このシラーはカリフォルニアのシラーとしては珍しいほど酸が豊かで旨味もあるワイン。シラーでこういう表現の仕方があるのだなと感心しました。多分99%の人が思うカリフォルニアのシラーとは全然違う美味しさのワイン。
シャトー・イガイタカハ「ドラゴン・ビューティ」カベルネ・ソーヴィニョン2016(1万5000円)。果実のふくよかさとストラクチャのあるワイン。
グレッグにも再会できてよかったです。
シャトー・イガイタカハ、飲んだことない人は、ぜひ園と侍は試してみてほしいです。特にキスラーのAVAものに大枚はたくなら、こちらの方がレベルも上だと思います。
ソノマの人気ワイナリー「レイヴェンズウッド」がテイスティングルームを閉鎖することが判明しました(‘End of an era’: Sonoma’s Ravenswood tasting room to close)
サイト上ではまだ何も出ていません。
レイヴェンズウッドは今月、コンステレーションブランズからガロに売却されたブランドの一つ。売却内容にはブランドが含まれていますが、畑やワイナリー設備などは含まれていなかったため、当初から懸念されていたことでした。
つまり、依然として建物の持ち主コンステレーションブランズですが、ワイナリーやテイスティングルームを維持する意味がなくなったので閉鎖するということです。
既にワイナリーのスタッフには解雇が伝えられており、創設者のジョエル・ピーターソンも去ります。
うえの写真はガロへの売却が決まったあと、息子のモーガンがインスタグラムにアップした写真。右がジョエル・ピーターソン。哀愁が漂っています。
ジンファンデルで一時代を築いたワイナリーの末路としては寂しいものがあります。また、ガロはレイヴェンズウッドのブランドがポートフォリオにうまくはまらないことからブランドごと廃止するという噂もあります。
なお、同じようにガロに売却されたワイナリーとしてはシミ(Simi)もあります。こちらのテイスティングルームがどうなるのかも心配です。
サイト上ではまだ何も出ていません。
レイヴェンズウッドは今月、コンステレーションブランズからガロに売却されたブランドの一つ。売却内容にはブランドが含まれていますが、畑やワイナリー設備などは含まれていなかったため、当初から懸念されていたことでした。
つまり、依然として建物の持ち主コンステレーションブランズですが、ワイナリーやテイスティングルームを維持する意味がなくなったので閉鎖するということです。
既にワイナリーのスタッフには解雇が伝えられており、創設者のジョエル・ピーターソンも去ります。
うえの写真はガロへの売却が決まったあと、息子のモーガンがインスタグラムにアップした写真。右がジョエル・ピーターソン。哀愁が漂っています。
ジンファンデルで一時代を築いたワイナリーの末路としては寂しいものがあります。また、ガロはレイヴェンズウッドのブランドがポートフォリオにうまくはまらないことからブランドごと廃止するという噂もあります。
なお、同じようにガロに売却されたワイナリーとしてはシミ(Simi)もあります。こちらのテイスティングルームがどうなるのかも心配です。
先日、米国のワイン輸出の2018年分の統計が発表されました。ワイン輸出の90%以上はカリフォルニアワインなので、実質的にはカリフォルニアワインの統計といってもいいでしょう。
日本はEU、カナダ、香港についで4番めの輸出先で、この順位はここ数年変わっていません。2018年の日本への輸出額は前年から微減の9304万9851ドルとなりました。中国への輸出は24.66%減と、貿易摩擦の影響を大きく受けましたが、香港への輸出が10%近く増えており、中国への輸出減の半分ほどをカバーしています。おそらく香港経由で中国本土に入っているワインも少なからずあるのではないかと思います。
グラフにはアジアの主要輸出先4カ所を示しました。
トータルの輸出額は4.8%減少しています。減少は2年連続。中国との貿易摩擦などがある中では、減少を最低限に抑えた格好です。なお、注目の輸出先としてナイジェリアへの輸出が急増しています。2018年は1513万ドルと前年の約2.5倍になっています。
一方で輸出量は全体で1.2%の減少ですが、日本への輸出量を見ると22%も減少しており、1233万2002リットルとなっています。
750ミリリットルあたりの輸出額を計算すると下のグラフのようになります。
日本に輸入されるカリフォルニアワインは従来からバルクで輸出する安いワイン(代表的なものではフランジアなどがあります)が中心となっていましたが、チリとの貿易協定に加え、EUとの貿易協定、TPPと多くの国との貿易で関税が大幅に引き下げられるかゼロになるかになり、対米は取り残された格好。安ワインの減少はその打撃をくらったのでしょう。
とはいえ、周辺の国と比べるとまだ価格的に追いついたところなので、この傾向はこれからさらに進むのではないかと思います。
日本はEU、カナダ、香港についで4番めの輸出先で、この順位はここ数年変わっていません。2018年の日本への輸出額は前年から微減の9304万9851ドルとなりました。中国への輸出は24.66%減と、貿易摩擦の影響を大きく受けましたが、香港への輸出が10%近く増えており、中国への輸出減の半分ほどをカバーしています。おそらく香港経由で中国本土に入っているワインも少なからずあるのではないかと思います。
グラフにはアジアの主要輸出先4カ所を示しました。
トータルの輸出額は4.8%減少しています。減少は2年連続。中国との貿易摩擦などがある中では、減少を最低限に抑えた格好です。なお、注目の輸出先としてナイジェリアへの輸出が急増しています。2018年は1513万ドルと前年の約2.5倍になっています。
一方で輸出量は全体で1.2%の減少ですが、日本への輸出量を見ると22%も減少しており、1233万2002リットルとなっています。
750ミリリットルあたりの輸出額を計算すると下のグラフのようになります。
日本に輸入されるカリフォルニアワインは従来からバルクで輸出する安いワイン(代表的なものではフランジアなどがあります)が中心となっていましたが、チリとの貿易協定に加え、EUとの貿易協定、TPPと多くの国との貿易で関税が大幅に引き下げられるかゼロになるかになり、対米は取り残された格好。安ワインの減少はその打撃をくらったのでしょう。
とはいえ、周辺の国と比べるとまだ価格的に追いついたところなので、この傾向はこれからさらに進むのではないかと思います。
ナパの人気ワイナリー、ルイス・セラーズ(Lewis Cellars)の創設者ランディ・ルイス(Randy Lewis)と、現社長でランディの亡き妻デビーの子であるデニス・ベルが来日しました。ルイスは、2016年にワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーを取得しており、いかにもカリフォルニアらしい果実味豊かなワインを作っています。
――ランディさんはレーシングカー・ドライバーから転身されましたが、その理由は。
ランディ ワイン造りを手伝ってほしいと言われたのがきっかけだった。ルイス・セラーズは92年に妻のデビーと始めた。レーシングカー・ドライバーとワイナリーでは大きく違うが、共通することもある。レーシングカーでは一番いいクルマが必要なように、ワイナリーでは一番いいブドウが必要だ。いいチームがいないと成り立たないのも同じだ。
――家族経営で、跡継ぎに困って手放すワイナリーも多くありますが、うまくやっているように見えます。
ランディ 10~20年同じチームで続けている。ワインを売っているのは自分とデニスだけで、あとはみなワイン造りにかかわっている。デニスの息子も、ワイナリーに興味を持っており、あと数年したら加わるだろう。
――最初のワインメーカーはだれだったのですか。
ランディ 最初はジョー・カファーロという人がワインメーカーだった。とてもいい人物で、ワイン造りについていろいろ学ぶのに役立った。ただ彼は品質を突き詰めるタイプではなく、我々が期待するレベルのワインは作ってくれなかった。そこで1996年にヘレン・ターリーをコンサルタントとして雇った。彼女は94年や95年のワインをファインチューンしてくれ、96年のワインを作ってくれた。すべては畑におけるブドウの出来にかかっていること、できたブドウからすべてを抽出すること、といったルイスのフィロソフィーはそのときにヘレン・ターリーに教わったことであり、今も変わらずに続けている。その後はポール・ホブズなどもワインメーカーを努めていたことがあった。
――ワイン・オブ・ザ・イヤーの反響はどうでしたか。
ランディ すごかった。我々が一番いいカベルネの一つを作っていることが認められたと思う。デビーは当時もうガンで病床についていたがとても喜んでくれた。彼女がルイスのハートでありソウルなんだ。ちなみにワイン・スペクテーターには広告を出したりはしていないよ。
――ルイスはスペクテーターでは、コンスタントに高評価を得ていますが、アドヴォケイトやヴィナスではほとんどレビューもされていません。なぜでしょうか。
ランディ スペクテーターでカリフォルニアを担当していたジム・ロビー(Jim Laube)はルイスに最初に来た人だったんだ。それでいろいろ話をして友達になった。それでコンスタントにレビューされるようになった。発行人であるマーヴィン・シャンケンにも彼が紹介してくれた。我々はいいレビューを得るためにワインのサンプルを送るといったことはしていない。ジムとは個人的につながっているが、われわれをよく知らなかったり、気にもしていないような人にワインを送ってレビューしてもらおうとは思わない。ワイン造りは人とのつながりが大事なパーソナルなビジネスなのだ。ちなみに、ジェブ・ダナックは我々のコロラドのディストリビュータと仲がよく、最近サンプルを送付したよ。
デニス スコアを見てワインを買う人はほとんどいない。スコアを通じて我々のワインに興味を持って顧客になるケースはあるが。顧客は我々のブランドを知っていて、一貫して同じスタイルであることをわかっていて買っている。
ランディ ワインはとても個人の結びつきを大事にした商売なんだ。カリフォルニアでは、うちはディストリビュータを使っておらず、500軒のワインショップと直接契約して取引している。うちは小さな家族経営のワイナリーで、それで生計が立っている。特に大儲けしようなどとは考えずこのままの形で続けていきたい。
――自社の畑を持っていないのはなぜですか。
ランディ 生産者とも長期的な関係を築いている。60~70%の畑は昔から使っており、そもそも我々のために畑を作ってもらったという経緯がある。ルートストックからスペーシングから剪定から、すべて我々が思う通りにしている。ヴィンヤード・マネージャーがすべて管理しており、灌漑や葉の落とし方、実の残し方なども決めている。
――これからのプランを教えてください
ランディ いい畑はいつでも探している。ワインの生産量を増やすつもりはないが、少しずついろんな畑を使っていきたい。
試飲のワインは2017年のシャルドネ、2016年のカベルネ・ソーヴィニョン。2016年のアレックス・ブレンドだ。
シャルドネはレモンなどの果実味が豊かできれい。ヴァニラの風味もここちよい。酸がとてもいい感じであり、クリームシチューのようなテクスチャもいい感じです。
ランディ シャルドネはオークノールの畑を多く使っている。カーネロスはうちが求めるスタイルにはちょっと涼しすぎる。オークノールがちょうどいい感じなのだ。ワインは樽発酵、樽熟成で天然酵母を使っている。
――樽発酵させる理由は何ですか。
ランディ ステンレスのタンクを使った方が温度調節も簡単であり、チェックするのも楽だ。一つずつ樽の状態を確認するのは大変な作業だ。また、ステンレスのタンクで発酵し、樽で熟成する方が樽香がつきやすい。我々は樽香ぷんぷんのワインを作りたいのではない。樽発酵の方が味がインテグレートされるのだ。
次はカベルネ・ソーヴィニョンです。
スモーキーでタニック。カシスやブラックベリーの風味。酸は控えめ。かなりタニックなワインだが、タンニンはスムーズであり、ワインに溶け込んだ感じがします。
――カベルネ・ソーヴィニョンの畑はどこですか。
ランディ これも多くがオークノールだ。オークノールに3つの畑がある。西側と東のベンチランド、ヴァレー・フロアにもある。標高が上がることで太陽が一日中あたるようになる。カベルネ・ソーヴィニョンの畑はカリストガなどにもあり、ヴァレーの南北から取っています。これによって天候が不順な年もめるrこ
最後はシラーとメルローのアレックス・ブレンドです。
とにかく香りがすばらしいワイン。タンニンもかなりあり、しっかりとしたストラクチャ。おいしいです。
ランディ このワインにはちょっとしたエピソードがある。最初はともかく余ったワインを混ぜたものをアレックス・ブレンドとしたんだ。アレックはデニスの息子の名前なんだが、ちょっと申し訳ないね。今はメルローもシラーもそれぞれ単独の品種のワインとして出しているのと同じレベルのブドウをまぜている。
デニス 私は社長ですが、名刺を交換するときに、アレックの父親です、というのが一番受けるのです(笑)。
――ランディさんはレーシングカー・ドライバーから転身されましたが、その理由は。
ランディ ワイン造りを手伝ってほしいと言われたのがきっかけだった。ルイス・セラーズは92年に妻のデビーと始めた。レーシングカー・ドライバーとワイナリーでは大きく違うが、共通することもある。レーシングカーでは一番いいクルマが必要なように、ワイナリーでは一番いいブドウが必要だ。いいチームがいないと成り立たないのも同じだ。
――家族経営で、跡継ぎに困って手放すワイナリーも多くありますが、うまくやっているように見えます。
ランディ 10~20年同じチームで続けている。ワインを売っているのは自分とデニスだけで、あとはみなワイン造りにかかわっている。デニスの息子も、ワイナリーに興味を持っており、あと数年したら加わるだろう。
――最初のワインメーカーはだれだったのですか。
ランディ 最初はジョー・カファーロという人がワインメーカーだった。とてもいい人物で、ワイン造りについていろいろ学ぶのに役立った。ただ彼は品質を突き詰めるタイプではなく、我々が期待するレベルのワインは作ってくれなかった。そこで1996年にヘレン・ターリーをコンサルタントとして雇った。彼女は94年や95年のワインをファインチューンしてくれ、96年のワインを作ってくれた。すべては畑におけるブドウの出来にかかっていること、できたブドウからすべてを抽出すること、といったルイスのフィロソフィーはそのときにヘレン・ターリーに教わったことであり、今も変わらずに続けている。その後はポール・ホブズなどもワインメーカーを努めていたことがあった。
――ワイン・オブ・ザ・イヤーの反響はどうでしたか。
ランディ すごかった。我々が一番いいカベルネの一つを作っていることが認められたと思う。デビーは当時もうガンで病床についていたがとても喜んでくれた。彼女がルイスのハートでありソウルなんだ。ちなみにワイン・スペクテーターには広告を出したりはしていないよ。
――ルイスはスペクテーターでは、コンスタントに高評価を得ていますが、アドヴォケイトやヴィナスではほとんどレビューもされていません。なぜでしょうか。
ランディ スペクテーターでカリフォルニアを担当していたジム・ロビー(Jim Laube)はルイスに最初に来た人だったんだ。それでいろいろ話をして友達になった。それでコンスタントにレビューされるようになった。発行人であるマーヴィン・シャンケンにも彼が紹介してくれた。我々はいいレビューを得るためにワインのサンプルを送るといったことはしていない。ジムとは個人的につながっているが、われわれをよく知らなかったり、気にもしていないような人にワインを送ってレビューしてもらおうとは思わない。ワイン造りは人とのつながりが大事なパーソナルなビジネスなのだ。ちなみに、ジェブ・ダナックは我々のコロラドのディストリビュータと仲がよく、最近サンプルを送付したよ。
デニス スコアを見てワインを買う人はほとんどいない。スコアを通じて我々のワインに興味を持って顧客になるケースはあるが。顧客は我々のブランドを知っていて、一貫して同じスタイルであることをわかっていて買っている。
ランディ ワインはとても個人の結びつきを大事にした商売なんだ。カリフォルニアでは、うちはディストリビュータを使っておらず、500軒のワインショップと直接契約して取引している。うちは小さな家族経営のワイナリーで、それで生計が立っている。特に大儲けしようなどとは考えずこのままの形で続けていきたい。
――自社の畑を持っていないのはなぜですか。
ランディ 生産者とも長期的な関係を築いている。60~70%の畑は昔から使っており、そもそも我々のために畑を作ってもらったという経緯がある。ルートストックからスペーシングから剪定から、すべて我々が思う通りにしている。ヴィンヤード・マネージャーがすべて管理しており、灌漑や葉の落とし方、実の残し方なども決めている。
――これからのプランを教えてください
ランディ いい畑はいつでも探している。ワインの生産量を増やすつもりはないが、少しずついろんな畑を使っていきたい。
試飲のワインは2017年のシャルドネ、2016年のカベルネ・ソーヴィニョン。2016年のアレックス・ブレンドだ。
シャルドネはレモンなどの果実味が豊かできれい。ヴァニラの風味もここちよい。酸がとてもいい感じであり、クリームシチューのようなテクスチャもいい感じです。
ランディ シャルドネはオークノールの畑を多く使っている。カーネロスはうちが求めるスタイルにはちょっと涼しすぎる。オークノールがちょうどいい感じなのだ。ワインは樽発酵、樽熟成で天然酵母を使っている。
――樽発酵させる理由は何ですか。
ランディ ステンレスのタンクを使った方が温度調節も簡単であり、チェックするのも楽だ。一つずつ樽の状態を確認するのは大変な作業だ。また、ステンレスのタンクで発酵し、樽で熟成する方が樽香がつきやすい。我々は樽香ぷんぷんのワインを作りたいのではない。樽発酵の方が味がインテグレートされるのだ。
次はカベルネ・ソーヴィニョンです。
スモーキーでタニック。カシスやブラックベリーの風味。酸は控えめ。かなりタニックなワインだが、タンニンはスムーズであり、ワインに溶け込んだ感じがします。
――カベルネ・ソーヴィニョンの畑はどこですか。
ランディ これも多くがオークノールだ。オークノールに3つの畑がある。西側と東のベンチランド、ヴァレー・フロアにもある。標高が上がることで太陽が一日中あたるようになる。カベルネ・ソーヴィニョンの畑はカリストガなどにもあり、ヴァレーの南北から取っています。これによって天候が不順な年もめるrこ
最後はシラーとメルローのアレックス・ブレンドです。
とにかく香りがすばらしいワイン。タンニンもかなりあり、しっかりとしたストラクチャ。おいしいです。
ランディ このワインにはちょっとしたエピソードがある。最初はともかく余ったワインを混ぜたものをアレックス・ブレンドとしたんだ。アレックはデニスの息子の名前なんだが、ちょっと申し訳ないね。今はメルローもシラーもそれぞれ単独の品種のワインとして出しているのと同じレベルのブドウをまぜている。
デニス 私は社長ですが、名刺を交換するときに、アレックの父親です、というのが一番受けるのです(笑)。
ワイン・サーチャーの品種別トップ10の3つ目はピノ・ノワール(The World's Most Wanted Pinot Noir)。シャルドネ同様ブルゴーニュ抜きのリストです。ブルゴーニュを入れるとトップ100中96本をブルゴーニュになるとか。早速リストを見ていきましょう。
1. Domaine de la Cote Bloom's Field Pinot Noir, Sta Rita Hills
2. Ata Rangi Pinot Noir, Martinborough
3. Marcassin Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast
4. Meiomi Pinot Noir, California
5. Sea Smoke Southing Pinot Noir, Sta Rita Hills
6. Weingut Daniel & Marta Gantenbein Pinot Noir, Graubunden
7. Sea Smoke Ten Pinot Noir, Sta Rita Hills
8. Domaine Serene Evenstad Reserve Pinot Noir, Willamette Valley
9. Colene Clemens Dopp Creek Pinot Noir, Willamette Valley
10. Belle Glos Las Alturas Pinot Noir, Santa Lucia Highlands
さすがにトップ10中で8本はカリフォルニアです。
ソノマが強いかと思いきや、サンタ・リタ・ヒルズが3つと気を吐きました。その中でも1位のドメーヌ・ド・ラ・コートはちょっと意外でした。そこまでメジャーなワインだとは思っていなかったので。品質はとてもいいですが、なにかで取り上げられたのでしょうかね。。
ソノマでは3位のマーカッシンだけがトップ10入り。キスラーとかオーベールとか入ってこなかったのは意外でした。
4位になったのはメイオミのピノ・ノワールでした。いわゆるナショナルブランドはこれ1本だけでした。これもやや意外な結果でした。
サンタ・ルシア・ハイランズで唯一入ったのはベル・グロス。これもちょっとびっくり。ここを切り開いたピゾーニとか、コスパ最高のハーンとかではないのですね。
1. Domaine de la Cote Bloom's Field Pinot Noir, Sta Rita Hills
2. Ata Rangi Pinot Noir, Martinborough
3. Marcassin Vineyard Pinot Noir, Sonoma Coast
4. Meiomi Pinot Noir, California
5. Sea Smoke Southing Pinot Noir, Sta Rita Hills
6. Weingut Daniel & Marta Gantenbein Pinot Noir, Graubunden
7. Sea Smoke Ten Pinot Noir, Sta Rita Hills
8. Domaine Serene Evenstad Reserve Pinot Noir, Willamette Valley
9. Colene Clemens Dopp Creek Pinot Noir, Willamette Valley
10. Belle Glos Las Alturas Pinot Noir, Santa Lucia Highlands
さすがにトップ10中で8本はカリフォルニアです。
ソノマが強いかと思いきや、サンタ・リタ・ヒルズが3つと気を吐きました。その中でも1位のドメーヌ・ド・ラ・コートはちょっと意外でした。そこまでメジャーなワインだとは思っていなかったので。品質はとてもいいですが、なにかで取り上げられたのでしょうかね。。
ソノマでは3位のマーカッシンだけがトップ10入り。キスラーとかオーベールとか入ってこなかったのは意外でした。
4位になったのはメイオミのピノ・ノワールでした。いわゆるナショナルブランドはこれ1本だけでした。これもやや意外な結果でした。
サンタ・ルシア・ハイランズで唯一入ったのはベル・グロス。これもちょっとびっくり。ここを切り開いたピゾーニとか、コスパ最高のハーンとかではないのですね。
土曜日は、西馬込のイルドコリンヌでワイン会を開きました。場所は便利とは言えませんが、料理は美味しいし、お店のワイン代プラス持ち込み料でワインを開けられる貴重な店なので重宝します。今回もあらかじめお願いして取り置いてもらったワインと持ち込みワインでのワイン会でした。
泡で始めるのが普通だと思いますが、今回はロゼで始めてみました。ナパのワイナリーフープラ(Hoopla)のロゼ。カベルネ・ベースなので、色合い以上にしっかりした味があり、バランスもいいロゼです。
次はシダーヴィルのヴィオニエ2016。サクラアワードでダイヤモンドトロフィーを受賞したワイン。香りよく白桃のような味わい。女性陣に大人気でした。「買いたい」という希望も何人かからいただいたのですが、残念ながら、人気で売り切れ。次のヴィンテージの入荷待ちになっています。
次は、持ち込みのレイルのソーヴィニヨン・ブラン「ジョージア」。カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランの最高峰の一つです。クリスプですが蜜のような味わいもあってさすが。すばらしいワインです。
写真を撮るのを忘れましたが、白の最後はフリーマンの「涼風」シャルドネ。こちらもさすが、とても品のよいシャルドネ。きれいな酸と豊かな果実味のバランスが非常にいいです。こんな素晴らしいワインを日本人が作っているといのは誇りに思うべきでしょう。
赤の最初は桃井さんの「アーサーセラーズ」のピノ・ノワール。フリーマンのアキコさんと同様、エド・カーツマンの教え子です。エドのワインと共通するのはその親しみやすさ。するすると気持ちよくあっという間に飲んでしまいました。「日本で飲もう最高のワイン」品評会に於いて4年連続でプラチナ賞は伊達ではありません。
次はシダーヴィルのシラー。こちらはとてもスパイシーなシラー。カリフォルニアのシラーというととてもふくよかな味わいのものが多く、それはそれで美味しいですが、このように引き締まった味のシラーもいいですね。
次はベッドロックのジンファンデル「オールド・ヴァイン」。これは大好きなワインなので解説に熱弁をふるってしまいました。この価格でこのレベルの味わいは本当にすばらしい。ジンファンデルの本格派です。
最後はハーランのメイデン。これはさすがに濃厚でパワフル。2014年と若いのでタンニンもかなり強くあります。20年くらい熟成させたらまた別の味わいが出てくるでしょうが、若くてもおいしいワイン。メイデンはメルロー比率が高いので、もう少しやわらかいイメージがあったのですが、これはかなりストラクチャーもあってがっしりしたワインでした。
最後にもう1本。オレゴンのドメーヌ・セリーヌのピノ・ノワール。これは同じピノ・ノワールといっても桃井さんの親しみやすさとはだいぶ違うピノ・ノワール。果実味で押すタイプではありませんが複雑味があります。
今回も楽しく飲めていいワイン会でした。次はいつかな?
泡で始めるのが普通だと思いますが、今回はロゼで始めてみました。ナパのワイナリーフープラ(Hoopla)のロゼ。カベルネ・ベースなので、色合い以上にしっかりした味があり、バランスもいいロゼです。
次はシダーヴィルのヴィオニエ2016。サクラアワードでダイヤモンドトロフィーを受賞したワイン。香りよく白桃のような味わい。女性陣に大人気でした。「買いたい」という希望も何人かからいただいたのですが、残念ながら、人気で売り切れ。次のヴィンテージの入荷待ちになっています。
次は、持ち込みのレイルのソーヴィニヨン・ブラン「ジョージア」。カリフォルニアのソーヴィニヨン・ブランの最高峰の一つです。クリスプですが蜜のような味わいもあってさすが。すばらしいワインです。
写真を撮るのを忘れましたが、白の最後はフリーマンの「涼風」シャルドネ。こちらもさすが、とても品のよいシャルドネ。きれいな酸と豊かな果実味のバランスが非常にいいです。こんな素晴らしいワインを日本人が作っているといのは誇りに思うべきでしょう。
赤の最初は桃井さんの「アーサーセラーズ」のピノ・ノワール。フリーマンのアキコさんと同様、エド・カーツマンの教え子です。エドのワインと共通するのはその親しみやすさ。するすると気持ちよくあっという間に飲んでしまいました。「日本で飲もう最高のワイン」品評会に於いて4年連続でプラチナ賞は伊達ではありません。
次はシダーヴィルのシラー。こちらはとてもスパイシーなシラー。カリフォルニアのシラーというととてもふくよかな味わいのものが多く、それはそれで美味しいですが、このように引き締まった味のシラーもいいですね。
次はベッドロックのジンファンデル「オールド・ヴァイン」。これは大好きなワインなので解説に熱弁をふるってしまいました。この価格でこのレベルの味わいは本当にすばらしい。ジンファンデルの本格派です。
最後はハーランのメイデン。これはさすがに濃厚でパワフル。2014年と若いのでタンニンもかなり強くあります。20年くらい熟成させたらまた別の味わいが出てくるでしょうが、若くてもおいしいワイン。メイデンはメルロー比率が高いので、もう少しやわらかいイメージがあったのですが、これはかなりストラクチャーもあってがっしりしたワインでした。
最後にもう1本。オレゴンのドメーヌ・セリーヌのピノ・ノワール。これは同じピノ・ノワールといっても桃井さんの親しみやすさとはだいぶ違うピノ・ノワール。果実味で押すタイプではありませんが複雑味があります。
今回も楽しく飲めていいワイン会でした。次はいつかな?
ワイン・サーチャーで「最も検索されている…は?」のシリーズが始まっています。といってもこの手のって、だいたい上位は固定されてしまうので、1回めは興味深くても2回めからはつまらなくなってしまうんですよね。というわけで、今回のシリーズでは「ただし…を除く」とメジャーな地域のワインを覗いた結果を出しています。
最初のシャルドネでは「ただしブルゴーニュを除く」だったのですが、結果的にはカリフォルニアばかりになり、しかもマーカッサンとかコングスガード、オーベールといったビッグネームがやはり上位になっていて、あまり面白みはありませんでした。ということで、そちらの紹介はスキップして、2回めのカベルネ・ソーヴィニヨン(ただし、ナパ除く)を紹介します。あと、明記されていませんがボルドーも入っていません。
とりあえずトップ10を紹介しちゃいましょう。
1. Penfolds Bin 707 Cabernet Sauvignon, South Australia
2. Penfolds Bin 407 Cabernet Sauvignon, South Australia
3. Concha y Toro Don Melchor Cabernet Sauvignon, Puenta Alto, Chile
4. Quilceda Creek Cabernet Sauvignon, Columbia Valley
5. Motto Backbone Cabernet Sauvignon, California
6. Austin Hope Winery Cabernet Sauvignon, Paso Robles
7. Wynn's Black label Cabernet Sauvignon, Coonawarra
8. Beringer Knight's Valley Cabernet Sauvignon, Sonoma County
9. Torres Mas La Plana Cabernet Sauvignon, Penedes
10. Los Vascos Cabernet Sauvignon, Colchagua Valley
いきなり上位2つがペンフォールズというのはちょっとびっくりでしたが、5位以下はかなりコスパ系が入ってきて面白いです。
5位はワシントンのサン・ミッシェルがカリフォルニアで作るワインで、ノラ・ジョーンズがこれを好きだといったので有名になりました。パターンとしては明石家さんまさん効果で日本で売れた「ナパ・ハイランズ」と同じような感じですね。かなりコスパは高いワインだと思います。
6位のオースティン・ホープは注目株です。パソ・ロブレスのグロワーですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはまだ3ヴィンテージくらいしか作っていません。ワイン・エンスージアストでいきなり97点を取りました。米国の価格は50ドルくらいです。
8位のベリンジャー・ナイツ・ヴァレーはコスパの高さで昔から知られるワイン。ナイツ・ヴァレーのパイオニアでもあります。米国の価格は30ドルくらい。日本では通常5000円台ですが、下のリンクのはむちゃくちゃ安いです。
10位のチリワインも10ドルですから、かなりのコスパ系。日本ではファミリーマートで500mlのボトルが980円と安く売っています。
最初のシャルドネでは「ただしブルゴーニュを除く」だったのですが、結果的にはカリフォルニアばかりになり、しかもマーカッサンとかコングスガード、オーベールといったビッグネームがやはり上位になっていて、あまり面白みはありませんでした。ということで、そちらの紹介はスキップして、2回めのカベルネ・ソーヴィニヨン(ただし、ナパ除く)を紹介します。あと、明記されていませんがボルドーも入っていません。
とりあえずトップ10を紹介しちゃいましょう。
1. Penfolds Bin 707 Cabernet Sauvignon, South Australia
2. Penfolds Bin 407 Cabernet Sauvignon, South Australia
3. Concha y Toro Don Melchor Cabernet Sauvignon, Puenta Alto, Chile
4. Quilceda Creek Cabernet Sauvignon, Columbia Valley
5. Motto Backbone Cabernet Sauvignon, California
6. Austin Hope Winery Cabernet Sauvignon, Paso Robles
7. Wynn's Black label Cabernet Sauvignon, Coonawarra
8. Beringer Knight's Valley Cabernet Sauvignon, Sonoma County
9. Torres Mas La Plana Cabernet Sauvignon, Penedes
10. Los Vascos Cabernet Sauvignon, Colchagua Valley
いきなり上位2つがペンフォールズというのはちょっとびっくりでしたが、5位以下はかなりコスパ系が入ってきて面白いです。
5位はワシントンのサン・ミッシェルがカリフォルニアで作るワインで、ノラ・ジョーンズがこれを好きだといったので有名になりました。パターンとしては明石家さんまさん効果で日本で売れた「ナパ・ハイランズ」と同じような感じですね。かなりコスパは高いワインだと思います。
6位のオースティン・ホープは注目株です。パソ・ロブレスのグロワーですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはまだ3ヴィンテージくらいしか作っていません。ワイン・エンスージアストでいきなり97点を取りました。米国の価格は50ドルくらいです。
8位のベリンジャー・ナイツ・ヴァレーはコスパの高さで昔から知られるワイン。ナイツ・ヴァレーのパイオニアでもあります。米国の価格は30ドルくらい。日本では通常5000円台ですが、下のリンクのはむちゃくちゃ安いです。
10位のチリワインも10ドルですから、かなりのコスパ系。日本ではファミリーマートで500mlのボトルが980円と安く売っています。
カレラのピノ・ノワール単一畑の最新ヴィンテージは2015。ヴィナスの評価で見ると実は人気のジェンセンは91+と一番低い評価。おそらくは質が低いのではなく試飲したときが閉じている状態だったのではないかと思いますが(レビュアーのアントニオ・ガッローニも閉じているのだろうとコメントしています)。
逆に評価が高いのはリードとド・ヴィリエの94点。
先日、アカデミー・デュ・ヴァンでのセミナーのときもヴィンテージは違いますが、ド・ヴィリエは一番人気。畑の場所はジェンセンの隣で、味わい的にもダークなフルーツの風味がしっかりしているところなど、ジェンセンに共通する雰囲気があります。
ただ、この畑はタンニンがあまりにも強く、それで後から植樹したライアンよりもワインとして出せるのが遅くなったという経緯があり、ときにタニックになりすぎるのがやや欠点。それがなければジェンセンの半額以下という価格はかなりのバーゲンです。
しあわせワイン倶楽部では古いヴィンテージも入荷しています。ヴィナスでの評価は2009が92、2010が91、2013が95。95は同誌でのこのワインの最高評価です。ちなみにワイン・アドヴォケイトでは2009が96+というこのワインの最高評価。
逆に評価が高いのはリードとド・ヴィリエの94点。
先日、アカデミー・デュ・ヴァンでのセミナーのときもヴィンテージは違いますが、ド・ヴィリエは一番人気。畑の場所はジェンセンの隣で、味わい的にもダークなフルーツの風味がしっかりしているところなど、ジェンセンに共通する雰囲気があります。
ただ、この畑はタンニンがあまりにも強く、それで後から植樹したライアンよりもワインとして出せるのが遅くなったという経緯があり、ときにタニックになりすぎるのがやや欠点。それがなければジェンセンの半額以下という価格はかなりのバーゲンです。
しあわせワイン倶楽部では古いヴィンテージも入荷しています。ヴィナスでの評価は2009が92、2010が91、2013が95。95は同誌でのこのワインの最高評価です。ちなみにワイン・アドヴォケイトでは2009が96+というこのワインの最高評価。
カリフォルニア最初のプレミアム・ワインとして知られるボーリュー(BV)のジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨン。今年の6月で誕生80年目を迎えます。ヴィナスでステファン・タンザーが、それを記念した記事と、1965年まで遡る垂直試飲を書いています(Beaulieu’s Georges de Latour Private Reserve: 1965–2016 (Apr 2019) | Vinous - Explore All Things Wine)。
ボーリューは19世紀最後の年1900年にナパのラザフォードに設立されました。創設者の名前がジョルジュ・ドゥ・ラトゥールです。禁酒法の時代をカトリックの教会向けのワインを作ることでむしろ生産量を増やして乗り切ります。
1938年にロシア生まれのアンドレ・チェリチェフをワインメーカーとして迎えます。チェリチェフは仕込み済みの1936年のカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲し、それをフラッグシップとして売り出すことを提案。1940年に発売しました。それがジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブの誕生でした。
1969年に大資本のヒューブレインに売却されて以降、ボーリューも資本の波に巻き込まれます。ナビスコに買収され、ダイアジェオの手に渡り、2016年からはトレジャリー・ワイン・エステートの傘下になっています。この過程で持っていた畑の中でナンバー3、ナンバー4は売却されてしまいました。これらは現在はそれぞれベクストファー・ジョージIII、ベクストファー・ト・カロンとなっています。
1973年にアンドレ・チェリチェフがやめて以降、ワイナリーもやや低迷したこともありますが、近年はよりモダンなスタイルに生まれ変わってまた高品質なワインを作っています。
垂直試飲で最も評価が高かったのはアンドレ・チェリチェフ時代の1968年についた98点。アンドレ・チェリチェフ自身、このヴィンテージを彼の最高作と言っていたそうです。
多くのヴィンテージが90点台前半の点数ですが、2001年、2007年が95点。また、2014年から2016年は95、95、96と高い評価を続けています。2017年からの新しいワインメーカー、トレヴォー・ダーリング(Trevor Durling)はよりクラシックなワイン造りを志しており、さらなる品質向上が期待されます。
日本には長いこと正式輸入がありませんでしたが、1年ほど前から入ってきています。ジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーブの価格は1万6000円程度と、ワイナリー価格の150ドル程度と比べて遜色のないレベル。20年前も100ドルは超えていましたから、他のワインと比べると値上がりも少なくお買い得度は増しています。
国内最新ヴィンテージは2014年。今回のレビューでは95点です。ワイン・アドヴォケイトでも97点と高評価(同誌におけるこのワインの最高評価)。
2013年は今回のレビューでは92+。アドヴォケイトでは95点。
1985年のマグナムです。今回のレビューでは92点。アドヴォケイトでは87点。
1971年です。今回はレビューなし。アドヴォケイトでは75点。
ボーリューは19世紀最後の年1900年にナパのラザフォードに設立されました。創設者の名前がジョルジュ・ドゥ・ラトゥールです。禁酒法の時代をカトリックの教会向けのワインを作ることでむしろ生産量を増やして乗り切ります。
1938年にロシア生まれのアンドレ・チェリチェフをワインメーカーとして迎えます。チェリチェフは仕込み済みの1936年のカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲し、それをフラッグシップとして売り出すことを提案。1940年に発売しました。それがジョルジュ・ドゥ・ラトゥール・プライベート・リザーブの誕生でした。
1969年に大資本のヒューブレインに売却されて以降、ボーリューも資本の波に巻き込まれます。ナビスコに買収され、ダイアジェオの手に渡り、2016年からはトレジャリー・ワイン・エステートの傘下になっています。この過程で持っていた畑の中でナンバー3、ナンバー4は売却されてしまいました。これらは現在はそれぞれベクストファー・ジョージIII、ベクストファー・ト・カロンとなっています。
1973年にアンドレ・チェリチェフがやめて以降、ワイナリーもやや低迷したこともありますが、近年はよりモダンなスタイルに生まれ変わってまた高品質なワインを作っています。
垂直試飲で最も評価が高かったのはアンドレ・チェリチェフ時代の1968年についた98点。アンドレ・チェリチェフ自身、このヴィンテージを彼の最高作と言っていたそうです。
多くのヴィンテージが90点台前半の点数ですが、2001年、2007年が95点。また、2014年から2016年は95、95、96と高い評価を続けています。2017年からの新しいワインメーカー、トレヴォー・ダーリング(Trevor Durling)はよりクラシックなワイン造りを志しており、さらなる品質向上が期待されます。
日本には長いこと正式輸入がありませんでしたが、1年ほど前から入ってきています。ジョルジュ・ド・ラトゥール・プライベート・リザーブの価格は1万6000円程度と、ワイナリー価格の150ドル程度と比べて遜色のないレベル。20年前も100ドルは超えていましたから、他のワインと比べると値上がりも少なくお買い得度は増しています。
国内最新ヴィンテージは2014年。今回のレビューでは95点です。ワイン・アドヴォケイトでも97点と高評価(同誌におけるこのワインの最高評価)。
2013年は今回のレビューでは92+。アドヴォケイトでは95点。
1985年のマグナムです。今回のレビューでは92点。アドヴォケイトでは87点。
1971年です。今回はレビューなし。アドヴォケイトでは75点。
カリフォルニア州のギャビン・ニューサム州知事はナパなど8つの郡に冬の雨で大きな被害が出たとして非常事態宣言を発令しました(Governor declares state of emergency in Napa following winter storms | Local News | napavalleyregister.com)。
また同時にトランプ大統領にあてて、大規模災害宣言を出すよう依頼しています。
今回宣言が出た中にはサンタ・クルーズ郡も含まれています。
すでに2月に25の郡について同様の宣言が出ており、58あるカリフォルニアの郡の中で過半数の郡に非常事態宣言が出たことになります。
非常事態宣言が出た郡の住民は、失業手当が即座に受けられたり、喪失した免許を無料で再発行でにるなどのメリットがあります。
また同時にトランプ大統領にあてて、大規模災害宣言を出すよう依頼しています。
今回宣言が出た中にはサンタ・クルーズ郡も含まれています。
すでに2月に25の郡について同様の宣言が出ており、58あるカリフォルニアの郡の中で過半数の郡に非常事態宣言が出たことになります。
非常事態宣言が出た郡の住民は、失業手当が即座に受けられたり、喪失した免許を無料で再発行でにるなどのメリットがあります。
ニューカリフォルニアと呼ばれる、マイナー品種への取り組みやSO2を極力排した作り、アルコール度数の低さなどを特徴とするワイナリーの中でもかなり先鋭的な2生産者、ブロック・セラーズとLo-Fi(ローファイ)ワインズが来日し、試飲会が開かれました。サンフランシスコの対岸バークレーの街中にあるブロック・セラーズ、南のサンタ・バーバラにあるLo-Fiと対象的なワイナリーです。
最初にごくごく個人的な好みを打ち明けると、ブロック・セラーズのワインはかなり好きなのですが、Lo-Fiはなぜかもう一つ好みにあったことがありません。世間的な評価で見ると両者の差がそれほどあるとは思えないのですが、こればっかりは好みだとしか言えません。
今回も、ブロック・セラーズのワインの紹介の方がかなり多くなってしまいました。
パソ・ロブレスのシェル・クリークという畑のブドウを使ったシュナン・ブランです(5000円)。オレンジの風味。とても複雑な味わい。これまで飲んだシュナン・ブランと比べてもその複雑な味わいはかなりのレベルです。
ヴァルディギエ(ガメイ・ノワール)を使ったロゼのペティアンです(5000円)。一見あっさりしているのですが、実は奥に複雑味があります。
ヴァルディギエ、ジンファンデル。トゥルソーを使ったロゼ。3400円という価格も優しい。飲んで楽しくなるロゼです。
クノワースという品種はこれまで飲んだことなかったかもしれません。ナパのマヤカマス山中にある小さな畑からです。ちょっとタニックで、旨味がすごくあります。
ジンファンデルはここの定番中の定番。2017年ヴィンテージになりました。ジューシーな味わい。
このカリニャンも旨味がすごいです。
最後に1本だけLo-Fiです。SO2を使っていないというワイン。これはおいしいです。
最初にごくごく個人的な好みを打ち明けると、ブロック・セラーズのワインはかなり好きなのですが、Lo-Fiはなぜかもう一つ好みにあったことがありません。世間的な評価で見ると両者の差がそれほどあるとは思えないのですが、こればっかりは好みだとしか言えません。
今回も、ブロック・セラーズのワインの紹介の方がかなり多くなってしまいました。
パソ・ロブレスのシェル・クリークという畑のブドウを使ったシュナン・ブランです(5000円)。オレンジの風味。とても複雑な味わい。これまで飲んだシュナン・ブランと比べてもその複雑な味わいはかなりのレベルです。
ヴァルディギエ(ガメイ・ノワール)を使ったロゼのペティアンです(5000円)。一見あっさりしているのですが、実は奥に複雑味があります。
ヴァルディギエ、ジンファンデル。トゥルソーを使ったロゼ。3400円という価格も優しい。飲んで楽しくなるロゼです。
クノワースという品種はこれまで飲んだことなかったかもしれません。ナパのマヤカマス山中にある小さな畑からです。ちょっとタニックで、旨味がすごくあります。
ジンファンデルはここの定番中の定番。2017年ヴィンテージになりました。ジューシーな味わい。
このカリニャンも旨味がすごいです。
最後に1本だけLo-Fiです。SO2を使っていないというワイン。これはおいしいです。
2000円台から3000円台のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネの定番的存在なのがナパのフランシスカン(Franciscan)とソノマのシミ(Simi)。フランシスカンはオーパスワンの隣に畑があるというのが「売り」で、シミもシルバーオークなどと同じアレキサンダーヴァレーなどに畑を持っています。
実はこのブランド、2つとも先日、コンステレーションブランズ社からE.J.ガロに売却されました。それで心配されるのがクオリティの維持。
今回の売却対象はブランドと一部の生産設備で、畑は含まれていないのです。今後も同じ畑を使い続けられるのか、かなり危ぶまれる事態です。
今すぐに品質が変わるわけではありませんが、ここ1、2年の間に買いためておいた方がいいのかもしれません。
実はこのブランド、2つとも先日、コンステレーションブランズ社からE.J.ガロに売却されました。それで心配されるのがクオリティの維持。
今回の売却対象はブランドと一部の生産設備で、畑は含まれていないのです。今後も同じ畑を使い続けられるのか、かなり危ぶまれる事態です。
今すぐに品質が変わるわけではありませんが、ここ1、2年の間に買いためておいた方がいいのかもしれません。
明石家さんまがテレビで紹介して一瞬にして市場から消え去ったナパ・ハイランズと、ワイン・スペクテーターの年間1位に選ばれてから、入荷のたびにあっという間に売り切れていくダックホーンのメルロー「スリーパームス・ヴィンヤード」の人気の2ワインの新ヴィンテージが入荷してきています。
どちらもヴィンテージは2016。2013年から2016年はどれも素晴らしいヴィンテージですが、その中でもはずれがないとまで言われているのが2016年。
また、どちらも試飲会に登場しにくいアイテムになってしまったので未試飲ですが、優良銘柄の優良ヴィンテージなので、よもや問題はないでしょう。
どちらもヴィンテージは2016。2013年から2016年はどれも素晴らしいヴィンテージですが、その中でもはずれがないとまで言われているのが2016年。
また、どちらも試飲会に登場しにくいアイテムになってしまったので未試飲ですが、優良銘柄の優良ヴィンテージなので、よもや問題はないでしょう。
カリフォルニアの2018年のクラッシュ・レポート(収穫量のレポート)が発表されました。例年は2月に暫定レポートが出て4月に最終報告があるのですが、今年はトランプ政権のメキシコ国境の壁問題で政府の仕事が止まり、暫定レポートなしで最終報告となりました。
過去の報告:
2017年の収穫量は2016年から微増
2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫
総収穫量は450万7000トンで、2013年の470万トンに次ぐ豊作でした。ワイン用のブドウで見ると428万2000トンで過去最高。3年連続の400万トン超えとなりました。
価格も赤ワイン用を中心に上昇傾向にあります。赤ワイン用のブドウでは初めて1トンあたり1000ドルを超えました。日本では生食用のブドウが高く売られる傾向がありますが、米国では明らかにワイン用ブドウの方が高価です。
品種別の収穫量ではシャルドネが依然としてトップをキープ。2017年の14.5%から1.3ポイントアップしました。カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネの差は2017年は0.3ポイントでしたが、2018年は0.7ポイントに広がっています。ただ、カベルネ・ソーヴィニヨンも増えているので、ますます2強状態が進んでいると言ったほうがいいのかもしれません。
このほかピノ・ノワールの収穫量も増えています。前年の6.2%から7.0%へと0.8ポイント上がり、順位もジンファンデルに次ぐ4位に上っています。
地域別に見るとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの値上がりがさらに進んでいます。1トンあたりの平均価格は7926ドルに達しました。
ソノマではカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールの収穫が大幅に増えました。カベルネ・ソーヴィニヨンが4万3000トンから6万トン、ピノ・ノワールが4万3000トンから5万7000トンに上がっています。ただ、ピノ・ノワールの平均価格は少し下がり3802ドルでした。
過去の報告:
2017年の収穫量は2016年から微増
2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫
総収穫量は450万7000トンで、2013年の470万トンに次ぐ豊作でした。ワイン用のブドウで見ると428万2000トンで過去最高。3年連続の400万トン超えとなりました。
価格も赤ワイン用を中心に上昇傾向にあります。赤ワイン用のブドウでは初めて1トンあたり1000ドルを超えました。日本では生食用のブドウが高く売られる傾向がありますが、米国では明らかにワイン用ブドウの方が高価です。
品種別の収穫量ではシャルドネが依然としてトップをキープ。2017年の14.5%から1.3ポイントアップしました。カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネの差は2017年は0.3ポイントでしたが、2018年は0.7ポイントに広がっています。ただ、カベルネ・ソーヴィニヨンも増えているので、ますます2強状態が進んでいると言ったほうがいいのかもしれません。
このほかピノ・ノワールの収穫量も増えています。前年の6.2%から7.0%へと0.8ポイント上がり、順位もジンファンデルに次ぐ4位に上っています。
地域別に見るとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの値上がりがさらに進んでいます。1トンあたりの平均価格は7926ドルに達しました。
ソノマではカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワールの収穫が大幅に増えました。カベルネ・ソーヴィニヨンが4万3000トンから6万トン、ピノ・ノワールが4万3000トンから5万7000トンに上がっています。ただ、ピノ・ノワールの平均価格は少し下がり3802ドルでした。
1989年に設立されたタブラス・クリーク(Tablas Creek)は、パソ・ロブレスの開拓者の一つであり、ローヌ系品種のパイオニアでもあります。フランスのシャトーヌフ・デュ・パプにある有名ワイナリーシャトー・ド・ボーカステルのオーナーであるペラン家が米国のインポーター「ヴィンヤード・ブランズ」のハース家と設立しました。このワイナリーが30年間を振り返り、正解だった5個のポイントと不正解だった5個のポイントを取り上げています(Tablas Creek Vineyard Blog: 30 Years of Tablas Creek: 10 Things We Got Right (and Wrong))
不正解1:パソロブレスは暑くて乾燥しており、赤ワインしかできない
確かに昼間は暑くて乾燥していますが、夜は涼しく、冬は寒くて降水量も多く、平均気温はボーカステルを下回ります。当初は9割赤ワインでしたが、現在では赤が50%、白が35%、ロゼが15%を目標にしています。
正解1:メジャーじゃない品種がうまくいくかも
当初植えたブドウはシラーやグルナッシュが中心でしたが、グルナッシュ・ブランやクノワーズといったややマイナーな品種もありました。これは非常にうまく言っています。
以下はタイトルだけです。
不正解2:赤と白1つずつだけを作ろう
正解2:新しいブドウ品種を輸入するのはコストに見合う価値がある
不正解3:畑とワイナリーでの経験は苗木屋をやるのに十分
正解3:有機栽培はうまういく
不正解4:テイスティング・ルーム、ワインクラブ? そんなの誰がいるの?
正解4:正しいチームを作って(保つ)ことが重要
不正解5:うちのワインを買ってくれるのは「ボーカステル」だからだ
正解5:基本的にこの場所はブドウのために最高
さすがワインブログアワードを何回も受賞しているブログらしく、面白く上手にまとめています。
不正解1:パソロブレスは暑くて乾燥しており、赤ワインしかできない
確かに昼間は暑くて乾燥していますが、夜は涼しく、冬は寒くて降水量も多く、平均気温はボーカステルを下回ります。当初は9割赤ワインでしたが、現在では赤が50%、白が35%、ロゼが15%を目標にしています。
正解1:メジャーじゃない品種がうまくいくかも
当初植えたブドウはシラーやグルナッシュが中心でしたが、グルナッシュ・ブランやクノワーズといったややマイナーな品種もありました。これは非常にうまく言っています。
以下はタイトルだけです。
不正解2:赤と白1つずつだけを作ろう
正解2:新しいブドウ品種を輸入するのはコストに見合う価値がある
不正解3:畑とワイナリーでの経験は苗木屋をやるのに十分
正解3:有機栽培はうまういく
不正解4:テイスティング・ルーム、ワインクラブ? そんなの誰がいるの?
正解4:正しいチームを作って(保つ)ことが重要
不正解5:うちのワインを買ってくれるのは「ボーカステル」だからだ
正解5:基本的にこの場所はブドウのために最高
さすがワインブログアワードを何回も受賞しているブログらしく、面白く上手にまとめています。
ナパの最初の「カルト・ワイン」として知られるグレース・ファミリー(Grace Family)が売却されました(Grace Family Vineyards Sold)。ワイナリーや畑、在庫、ブランドなどすべてが売却されました。購入したのはキャスリン・グリーンという人。サンフランシスコで戦略コンサルタントをする傍ら、ナパでブドウ畑も持っていたそうです。
キャスリン・グリーンはブドウをグレース・ファミリーに卸したときにオーナーのグレース夫妻に会ったとのこと。グレース夫妻はグレース・ファミリーを40ヴィンテージ作った後、引き継いでくれる人を探していたそうです。
ワインメーカーのヘレン・ケプリンガーや畑のチームなどはそのままで、グレース夫妻もそのまま住み続けるとのこと。基本的には何も変えないこと以外に新しいプランはないそうです。
キャスリン・グリーンはブドウをグレース・ファミリーに卸したときにオーナーのグレース夫妻に会ったとのこと。グレース夫妻はグレース・ファミリーを40ヴィンテージ作った後、引き継いでくれる人を探していたそうです。
ワインメーカーのヘレン・ケプリンガーや畑のチームなどはそのままで、グレース夫妻もそのまま住み続けるとのこと。基本的には何も変えないこと以外に新しいプランはないそうです。
先日、カリフォルニアワイン協会の試飲会で、コスパに優れたお薦めワインとして紹介した、ウェンテ(Wente)のシャルドネ「モーニング・フォグ」が柳屋でセールになっています。税込みでも2000円切り。
カリフォルニアのシャルドネの源流と言っても過言ではないこのワイナリー。ピーターマイケルは、ウェンテ・クローンだけを使った特別なシャルドネを作っているくらいです。
すべて自社畑のブドウを使いながら、価格も手頃。味わいは、樽も効かせながら、コテコテにはならないバランスの良さを持っています。2000円前後のシャルドネの中ではベストの一つだと思います。
カリフォルニアのシャルドネの源流と言っても過言ではないこのワイナリー。ピーターマイケルは、ウェンテ・クローンだけを使った特別なシャルドネを作っているくらいです。
すべて自社畑のブドウを使いながら、価格も手頃。味わいは、樽も効かせながら、コテコテにはならないバランスの良さを持っています。2000円前後のシャルドネの中ではベストの一つだと思います。
水曜日は2期目となる「カリフォルニアの名門ワイナリー」の初回でした。今回は知り合いの生徒さんもいないので、前回とは別の意味での緊張感があります。講義自体は内容大体同じなので多少こなれたし、ていねいに説明できたかと思います。前回はキャンセル待ちで何人か入れたようでしたが今回はほとんどキャンセルなかったようでお待たせしていた方は申し訳ありません。
試飲のワインはこちら。
カベルネ系3種はブラインドで。6組中一組が完全正解。コンティニュアムとモンダヴィ・リザーブよ判断は難しいですね。モンダヴィは谷カベとしてはエレガントな造り。コンティニュアムもカベルネ・フランの比率が高いので凝縮感だけでなく少し軽やかな感じもあります。決め手となるのはタンニンの量でしょうか。コンティニュアムはきめ細かいタンニンですが、かなりしっかりあります。標高だけでなくプティ・ヴェルドの比率の高さもあると思います。
一番人気がモンダヴィ・リザーブだったのも面白かったです。前回もモンダヴィの方が人気だったかな。僕はコンティニュアム派ですが。
この2つと比べると見劣りしてしまうのはしょうがないですが、モンダヴィ・ナパも5000円のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはとてもいい出来です。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの良さを伝える代表的なワインだと思います。
そしてフュメ・ブランのリザーブはリッチで美味しいです。あまりソーヴィニヨン・ブランぽくはありませんが。価格もちょっと高いですけどね。
来週は「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」の第一回。鋭意資料作成中です。
試飲のワインはこちら。
カベルネ系3種はブラインドで。6組中一組が完全正解。コンティニュアムとモンダヴィ・リザーブよ判断は難しいですね。モンダヴィは谷カベとしてはエレガントな造り。コンティニュアムもカベルネ・フランの比率が高いので凝縮感だけでなく少し軽やかな感じもあります。決め手となるのはタンニンの量でしょうか。コンティニュアムはきめ細かいタンニンですが、かなりしっかりあります。標高だけでなくプティ・ヴェルドの比率の高さもあると思います。
一番人気がモンダヴィ・リザーブだったのも面白かったです。前回もモンダヴィの方が人気だったかな。僕はコンティニュアム派ですが。
この2つと比べると見劣りしてしまうのはしょうがないですが、モンダヴィ・ナパも5000円のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはとてもいい出来です。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの良さを伝える代表的なワインだと思います。
そしてフュメ・ブランのリザーブはリッチで美味しいです。あまりソーヴィニヨン・ブランぽくはありませんが。価格もちょっと高いですけどね。
来週は「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」の第一回。鋭意資料作成中です。
大きな話題となっている「ガロ、コンステレーションからフランシスカン、レイヴェンズウッドなど30以上のブランドを取得」の件。売却額などの情報が出てきました(Constellation Sells Budget Wine Brands to Gallo | Wine-Searcher News & Features)。
売却額は17億ドルで、これによってガロはワイン市場の22%分を手に入れたことになるそうです。今年頭に発表されたデータによると、ガロが全米ナンバーワンワイナリーでコンステレーション・ブランズは3番めだったのですが、これでコンステレーション・ブランズは4位に落ちます。
売却したブランドの中にはかなりメジャーなものも含まれていますが、ワインの平均価格は11ドルとローエンドとまではいいませんが、低価格なものが中心。コンステレーション・ブランズは利益率の高いプレミアムなワインに注力します。
興味深いのは今回の売却はブランドと生産設備(計6ヶ所)で、畑が含まれていないこと。フランシスカンなどは、オークヴィルの一等地に畑を持っているのが「売り」なわけですが、今後はどうなるのでしょうか。
なお、コンステレーションに残るブランドとしてはプリズナーや、シュレーダー、ニュージーランドのキム・クロフォード、ロバート・モンダヴィ、マウント・ヴィーダーなどがあります。
売却額は17億ドルで、これによってガロはワイン市場の22%分を手に入れたことになるそうです。今年頭に発表されたデータによると、ガロが全米ナンバーワンワイナリーでコンステレーション・ブランズは3番めだったのですが、これでコンステレーション・ブランズは4位に落ちます。
売却したブランドの中にはかなりメジャーなものも含まれていますが、ワインの平均価格は11ドルとローエンドとまではいいませんが、低価格なものが中心。コンステレーション・ブランズは利益率の高いプレミアムなワインに注力します。
興味深いのは今回の売却はブランドと生産設備(計6ヶ所)で、畑が含まれていないこと。フランシスカンなどは、オークヴィルの一等地に畑を持っているのが「売り」なわけですが、今後はどうなるのでしょうか。
なお、コンステレーションに残るブランドとしてはプリズナーや、シュレーダー、ニュージーランドのキム・クロフォード、ロバート・モンダヴィ、マウント・ヴィーダーなどがあります。
コンステレーション・ブランズが、かねてから噂されていたワインブランドのE.J.ガロへの売却を発表しました(E. & J. Gallo Winery Announces Deal With Constellation Brands)。売却したブランドは30以上に上ります。
コンステレーション・ブランズのワインは高価格帯では好調なものの、低価格帯では競争力が弱くなっていると指摘されており、低価格帯を得意とするガロへ売却するのではないかと言われていました。
売却されたブランドはクロ・デュ・ボワ、エスタンシア、ワイルドホース、フランシスカン、レイヴェンズウッドなど。近年伸びていた高級ボックスワインのブラック・ボックスも含まれています。また、ワシントンのホーグ・セラーズ、ニューヨークのカナンダイグアも売却されました。
コンステレーション・ブランズのワインは高価格帯では好調なものの、低価格帯では競争力が弱くなっていると指摘されており、低価格帯を得意とするガロへ売却するのではないかと言われていました。
売却されたブランドはクロ・デュ・ボワ、エスタンシア、ワイルドホース、フランシスカン、レイヴェンズウッドなど。近年伸びていた高級ボックスワインのブラック・ボックスも含まれています。また、ワシントンのホーグ・セラーズ、ニューヨークのカナンダイグアも売却されました。
先日、カリフォルニアワイン協会の試飲会でコスパワインとして紹介した「オッド・ロット」。大人気で早くもインポーター品切れで次の入荷待ちになっているそうです。しばらくは店頭在庫だけになります。キュートなラベルに目が行きますが、ワイン自体も魅力的です。価格も安いですし、ぜひお試しください。
SFクロニクルに興味深いワイナリーのストーリーが掲載されていたので紹介します(Dirty & Rowdy’s Unfamiliar Mourvedre is a wine that reflects a family’s tragedy — and attempts to heal it - SFChronicle.com)。
ダーティ・アンド・ラウディ(Dirty & Rowdy)はナパにあるムールヴェードルを得意とするワイナリーです。特に自然派と名乗っているわけではありませんが、天然酵母でSO2の使用は最小限などいわゆる自然派の作りで、自然派のワインショップなどで主に売られています。
このワイナリーが悲劇に見舞われたのが2017年のことでした。発端はワインメーカーのハーディ・ウォレスがモントレーのブロソー・ヴィンヤードに畑の様子を見に行った帰り道のドライブ中に起こりました。
猛烈な目の乾きを感じ、薬局で目薬を買うも改善せず、家に着く頃にはほとんど目が見えなくなってしまいました。
急いで病院にいったところ、角膜が帯状疱疹のようなウイルスに冒されているとのこと。有効な手当はなく、医者からのアドバイスは「時間が経ってウイルスが抜けるのを待ちなさい」でした。
折しも、9月の頭で天気予報では熱波が来ることが予想されていました。ワインメーカーにとっては多少未熟でも熱波の前に収穫してしまうか、我慢して熱波が過ぎ去るのを待つか、難しい選択肢が迫っていました。しかし、ほとんど何も見えない状態ではブドウの状況も分かりません。
さらに、ウイルスが脊髄に達し、ウォレスは完全に視力を失ってしまいました。
そこで、彼を手伝いにくると、オレゴンに日蝕の観察にきていた妻の兄弟が申し出てくれました。彼の到着を心待ちにしていたウォレスですが、待てど暮せど着きません。実はオレゴンから南下の途中、交通事故で亡くなってしまっていたのでした。
近隣の人たちの助けを受け、何とかその年の醸造を進め、10月に入ると視力も少しずつ戻ってきました。妻と娘が東海岸で行われた兄弟の葬儀から戻った日、次の惨事が訪れました。ナパやソノマを中心に多大な被害をもたらした山火事です。
ウォレスの家やワイナリーは直接の被害を免れましたが、まる一週間、ホテル住まいを余儀なくされました。
そしてやっとワイナリーに戻ってみると、醸造途中のワインはどれも発酵が途中で止まってしまっていました。揮発酸のレベルも異常に上がり、異臭が漂っていました。
どうしようもない状況ですが、小さなワイナリーにとって1年分のワインを諦めてしまうことは、経済的に無理です。
そこでウォレスは決断しました。「自然派の作りは忘れて、とにかく飲めるものを作ろう」と。
そこで、彼は培養酵母を足して発酵を再開させ、揮発酸を除くために逆浸透膜法を使い、フィルターも使ってなんとか飲めるレベルのものに仕立て直しました。
ワインのリリース時になりました。いつもはダーティ・アンド・ラウディのワインは「ファミリア」と名付けるのですが、今回は「アンファミリア」としました。価格も従来より10ドル安い23ドル。1ケースあたり20ドルの損失です。
結果、ワインは売れました。まだ流通やレストランにはありますがワイナリーの在庫はなくなりました。価格を下げたことで、レストランのグラスワインに使ってもらえるという副産物もありました。
儲けはありませんが、宣伝効果は十分にありました。「このワインにはなくなった弟のアンガスの命が吹きこまれている」とウォレスは語りました。
ダーティ・アンド・ラウディ(Dirty & Rowdy)はナパにあるムールヴェードルを得意とするワイナリーです。特に自然派と名乗っているわけではありませんが、天然酵母でSO2の使用は最小限などいわゆる自然派の作りで、自然派のワインショップなどで主に売られています。
このワイナリーが悲劇に見舞われたのが2017年のことでした。発端はワインメーカーのハーディ・ウォレスがモントレーのブロソー・ヴィンヤードに畑の様子を見に行った帰り道のドライブ中に起こりました。
猛烈な目の乾きを感じ、薬局で目薬を買うも改善せず、家に着く頃にはほとんど目が見えなくなってしまいました。
急いで病院にいったところ、角膜が帯状疱疹のようなウイルスに冒されているとのこと。有効な手当はなく、医者からのアドバイスは「時間が経ってウイルスが抜けるのを待ちなさい」でした。
折しも、9月の頭で天気予報では熱波が来ることが予想されていました。ワインメーカーにとっては多少未熟でも熱波の前に収穫してしまうか、我慢して熱波が過ぎ去るのを待つか、難しい選択肢が迫っていました。しかし、ほとんど何も見えない状態ではブドウの状況も分かりません。
さらに、ウイルスが脊髄に達し、ウォレスは完全に視力を失ってしまいました。
そこで、彼を手伝いにくると、オレゴンに日蝕の観察にきていた妻の兄弟が申し出てくれました。彼の到着を心待ちにしていたウォレスですが、待てど暮せど着きません。実はオレゴンから南下の途中、交通事故で亡くなってしまっていたのでした。
近隣の人たちの助けを受け、何とかその年の醸造を進め、10月に入ると視力も少しずつ戻ってきました。妻と娘が東海岸で行われた兄弟の葬儀から戻った日、次の惨事が訪れました。ナパやソノマを中心に多大な被害をもたらした山火事です。
ウォレスの家やワイナリーは直接の被害を免れましたが、まる一週間、ホテル住まいを余儀なくされました。
そしてやっとワイナリーに戻ってみると、醸造途中のワインはどれも発酵が途中で止まってしまっていました。揮発酸のレベルも異常に上がり、異臭が漂っていました。
どうしようもない状況ですが、小さなワイナリーにとって1年分のワインを諦めてしまうことは、経済的に無理です。
そこでウォレスは決断しました。「自然派の作りは忘れて、とにかく飲めるものを作ろう」と。
そこで、彼は培養酵母を足して発酵を再開させ、揮発酸を除くために逆浸透膜法を使い、フィルターも使ってなんとか飲めるレベルのものに仕立て直しました。
ワインのリリース時になりました。いつもはダーティ・アンド・ラウディのワインは「ファミリア」と名付けるのですが、今回は「アンファミリア」としました。価格も従来より10ドル安い23ドル。1ケースあたり20ドルの損失です。
結果、ワインは売れました。まだ流通やレストランにはありますがワイナリーの在庫はなくなりました。価格を下げたことで、レストランのグラスワインに使ってもらえるという副産物もありました。
儲けはありませんが、宣伝効果は十分にありました。「このワインにはなくなった弟のアンガスの命が吹きこまれている」とウォレスは語りました。
ピノ・ノワールを得意とするインポーターilovecalwineの試飲会に行ってきました。ここは取扱いワインの種類は40本弱と厳選しており、試飲会にはさらにそこから9本だけが出ていました。ですので、どれが美味しかった、というよりもそれぞれのワインの感想を書いていきます。
1.ルリ(Luli)ソーヴィニヨン・ブラン2017(4200円)
サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニ(Pisoni)が醸造を担当するワイン。ブドウは外部からの調達で、このソーヴィニヨン・ブランはアロヨ・セコのブドウを使っています。クリスプな味わいです。おいしい
2.ルーシー(Lucy)ロゼ2018(4000円)
ピゾーニが作るピゾーニ・ヴィンヤード以外のワインがルシア(Lucia)で、そのロゼ版がルーシーです。ピノ・ノワールのロゼできれいな作りです。ピゾーニのイメージとはだいぶ違うエレガントさが魅力です。
3.ロスト・アンド・ファウンド 「ナインズ」シャルドネ2017(6800円)
マスターソムリエのジェフ・クルースがプロデュースするワイン。酸がきれいでバランスがいいワイン。
4.ロスト・アンド・ファウンド RRVピノ・ノワール(9000円)
とてもエレガント、シャルドネと同様、バランスと酸のきれいさがとてもハイレベル。きれい系のピノ・ノワール好きな人ははまると思います。
後半は、エド・カーツマンが作るワインが続きます。自身のプライベートブランドであるサンドラーからはピノ・ノワールとシャルドネ2種。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンでした。
5.キーファー・ランチ ピノ・ノワール2015(7000円)
エド・カーツマンの作るワインは親しみやすさが最大の魅力だと思います。人をひれ伏させるようなワインではなく、飲んでいて思わず笑みがこぼれるようなワイン。香りや果実味、バランスがとてもよく、これがきらいな人はいないだろうなと思います。このピノ・ノワールはその代表格。7000円はバーゲン価格だと思います。
6.ハインツ・ランチ シャルドネ2016(7000円)
近年評価がうなぎのぼりのチャールズ・ハインツの畑のブドウを使ったシャルドネ。これは高級感もあり、おいしいです。
7.サンタ・ルシア・ハイランズ シャルドネ2016(5200円)
コスト・パフォーマンスの高いシャルドネ。
8.ラザーレ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン2016(8800円)
ナパのオーク・ノールAVAにある畑のブドウを使っています。オーク・ノールはナパではカーネロスに近い比較的涼しいところであり、濃厚さではなくバランスの良さが光るカベルネ・ソーヴィニヨンとなっています。
最後はエド・カーツマンがゲーリー・フランシオーニ、ハワード・グラハムと共同で営むオーガスト・ウエストのピノ・ノワール。個人的にも設立当初メーリング・リストで買っていたワイナリーであり懐かしく試飲しました。
9.オーガスト・ウエスト サンタ・ルシア・ハイランズ ピノ・ノワール2016(6000円)
サンドラーのピノ・ノワールと比べるとやや濃厚で、果実の強さを感じさせるピノ・ノワールです。
改めてエド・カーツマンの作るワインは魅力的だと思いました。特にサンドラーは価格的にもかなりお買い得だと思います。
1.ルリ(Luli)ソーヴィニヨン・ブラン2017(4200円)
サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニ(Pisoni)が醸造を担当するワイン。ブドウは外部からの調達で、このソーヴィニヨン・ブランはアロヨ・セコのブドウを使っています。クリスプな味わいです。おいしい
2.ルーシー(Lucy)ロゼ2018(4000円)
ピゾーニが作るピゾーニ・ヴィンヤード以外のワインがルシア(Lucia)で、そのロゼ版がルーシーです。ピノ・ノワールのロゼできれいな作りです。ピゾーニのイメージとはだいぶ違うエレガントさが魅力です。
3.ロスト・アンド・ファウンド 「ナインズ」シャルドネ2017(6800円)
マスターソムリエのジェフ・クルースがプロデュースするワイン。酸がきれいでバランスがいいワイン。
4.ロスト・アンド・ファウンド RRVピノ・ノワール(9000円)
とてもエレガント、シャルドネと同様、バランスと酸のきれいさがとてもハイレベル。きれい系のピノ・ノワール好きな人ははまると思います。
後半は、エド・カーツマンが作るワインが続きます。自身のプライベートブランドであるサンドラーからはピノ・ノワールとシャルドネ2種。そしてカベルネ・ソーヴィニヨンでした。
5.キーファー・ランチ ピノ・ノワール2015(7000円)
エド・カーツマンの作るワインは親しみやすさが最大の魅力だと思います。人をひれ伏させるようなワインではなく、飲んでいて思わず笑みがこぼれるようなワイン。香りや果実味、バランスがとてもよく、これがきらいな人はいないだろうなと思います。このピノ・ノワールはその代表格。7000円はバーゲン価格だと思います。
6.ハインツ・ランチ シャルドネ2016(7000円)
近年評価がうなぎのぼりのチャールズ・ハインツの畑のブドウを使ったシャルドネ。これは高級感もあり、おいしいです。
7.サンタ・ルシア・ハイランズ シャルドネ2016(5200円)
コスト・パフォーマンスの高いシャルドネ。
8.ラザーレ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン2016(8800円)
ナパのオーク・ノールAVAにある畑のブドウを使っています。オーク・ノールはナパではカーネロスに近い比較的涼しいところであり、濃厚さではなくバランスの良さが光るカベルネ・ソーヴィニヨンとなっています。
最後はエド・カーツマンがゲーリー・フランシオーニ、ハワード・グラハムと共同で営むオーガスト・ウエストのピノ・ノワール。個人的にも設立当初メーリング・リストで買っていたワイナリーであり懐かしく試飲しました。
9.オーガスト・ウエスト サンタ・ルシア・ハイランズ ピノ・ノワール2016(6000円)
サンドラーのピノ・ノワールと比べるとやや濃厚で、果実の強さを感じさせるピノ・ノワールです。
改めてエド・カーツマンの作るワインは魅力的だと思いました。特にサンドラーは価格的にもかなりお買い得だと思います。
ホールセールのチェーンとして有名なコストコを作ったシネガル家がナパのセント・ヘレナに作ったワイナリーがシネガル(Sinegal)です。
カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、ナパらしい果実味と新鮮さを持ったワインで評論家からもこぞって高い評価を受けていますが、残念ながら日本では輸入停止になってしまいました。そこで、2015年のエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンがセールになっています。税抜きで1万1000円程度の価格はワイナリー価格の90ドルと遜色ない値段。ヴィナスのアントニオ・ガッローニは94点を付けていますから、レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては非常に高い評価となっています。
カベルネ・ソーヴィニヨンやカベルネ・フランなど、ナパらしい果実味と新鮮さを持ったワインで評論家からもこぞって高い評価を受けていますが、残念ながら日本では輸入停止になってしまいました。そこで、2015年のエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンがセールになっています。税抜きで1万1000円程度の価格はワイナリー価格の90ドルと遜色ない値段。ヴィナスのアントニオ・ガッローニは94点を付けていますから、レギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては非常に高い評価となっています。
新生カリフォルニアワイン協会の、バイザグラス・キャンペーンに先駆けた試飲会に参加しました。バイザグラス向けということで、比較的価格は低めのものが多かったように思います。かなりの数が出ていたのと時間の成約もあり、ある程度気になったところだけを試飲するような形になりました。中でもコストパフォーマンスのいいワインを中心に紹介します。
エフセラーズが輸入するモンターニュ・リュシュ(Montagne Russe)はかなりの注目株です。ナパのガレージで2006年に始まったワイナリーですが、2015年のピノ・ノワールではワイン・アドヴォケイトで最高95点という高評価を得ています。ピノ・ノワールもシャルドネもレベル高いですが、ピノ・ノワールのAVAものは4500円とリーズナブルな価格。ドラゴンズ・パックのピノ・ノワールは6980円ですが、こちらも価格以上の味わい。
マッシュフーズが輸入するシルク・オーク(Silk Oak)。カベルネ・ソーヴィニヨンの2800円はかなりのコストパフォーマンスです。
同じくマッシュフーズが輸入するソノマのワイナリー、フラナガン(Flanagan)。ピノ・ノワールの10500円は安くはないですが、かなりの高品質。ここも注目のワイナリーです。
メルシャンが輸入するロバート・モンダヴィのマエストロ。ロバート・モンダヴィの創設50周年を記念して作られたワイン。カベルネ・フランが約20%と比較的比率が高く、柔らかくシルキーな飲み心地。価格以上の高級感があります。
明治屋が輸入するウェンテは、「ウェンテ・クローン」で知られるように、高品質シャルドネの老舗的存在です。非常にコストパフォーマンスも高いです。写真のリザーブ(3600円)以外に「モーニング・フォグ」の2300円も価格以上のいい出来でした。
ナパ・ワイン・トラストが輸入するマリリン・モンロー・ワインのロゼ。3500円。ラベルも可愛らしく女性に人気が出そうなワインです。味わいもやわらかく飲みやすいです。
ilovecalwineが輸入するポール・ラトーの入門的存在のワイン「マティネ」。シャルドネもピノ・ノワールもレベル高いです。さすがのでき。
こちらもilovecalwine輸入。ロスト・アンド・ファウンドのオールド・ヴァインズはカリニャン、サンソー、ムールヴェードルのブレンドというカリフォルニアでは珍しいブレンド。美味しくコスパもいいです。
徳岡が輸入するイレヴンス・アワー・セラーズ・ピノ・ノワール。ノンヴィンテージという珍しいワインですが1700円は安いです。味わいもしっかりしています。
オルカ・インターナショナルが輸入する「オッド・ロット」というプティ・ヴェルドとプティ・シラーのブレンド。この組み合わせにしてはマイルドな味わいでコスパ抜群です。ラベルもかわいくラベル買いしたくなるワイン。
Wine Peopleが輸入するスターム(Stirm)というワイナリーのリースリング(5500円)。畑はサンタ・バーバラにあります。かなりドライなリースリングでエレガント。美味しいです。
同じくWine Peopleが輸入するギブス(Gibbs)のレッド・ブレンド(5900円)。これも5000円台とは思えないクオリティ。メルローとカベルネ・フランが主体で柔らかく飲みやすいです。
エフセラーズが輸入するモンターニュ・リュシュ(Montagne Russe)はかなりの注目株です。ナパのガレージで2006年に始まったワイナリーですが、2015年のピノ・ノワールではワイン・アドヴォケイトで最高95点という高評価を得ています。ピノ・ノワールもシャルドネもレベル高いですが、ピノ・ノワールのAVAものは4500円とリーズナブルな価格。ドラゴンズ・パックのピノ・ノワールは6980円ですが、こちらも価格以上の味わい。
マッシュフーズが輸入するシルク・オーク(Silk Oak)。カベルネ・ソーヴィニヨンの2800円はかなりのコストパフォーマンスです。
同じくマッシュフーズが輸入するソノマのワイナリー、フラナガン(Flanagan)。ピノ・ノワールの10500円は安くはないですが、かなりの高品質。ここも注目のワイナリーです。
メルシャンが輸入するロバート・モンダヴィのマエストロ。ロバート・モンダヴィの創設50周年を記念して作られたワイン。カベルネ・フランが約20%と比較的比率が高く、柔らかくシルキーな飲み心地。価格以上の高級感があります。
明治屋が輸入するウェンテは、「ウェンテ・クローン」で知られるように、高品質シャルドネの老舗的存在です。非常にコストパフォーマンスも高いです。写真のリザーブ(3600円)以外に「モーニング・フォグ」の2300円も価格以上のいい出来でした。
ナパ・ワイン・トラストが輸入するマリリン・モンロー・ワインのロゼ。3500円。ラベルも可愛らしく女性に人気が出そうなワインです。味わいもやわらかく飲みやすいです。
ilovecalwineが輸入するポール・ラトーの入門的存在のワイン「マティネ」。シャルドネもピノ・ノワールもレベル高いです。さすがのでき。
こちらもilovecalwine輸入。ロスト・アンド・ファウンドのオールド・ヴァインズはカリニャン、サンソー、ムールヴェードルのブレンドというカリフォルニアでは珍しいブレンド。美味しくコスパもいいです。
徳岡が輸入するイレヴンス・アワー・セラーズ・ピノ・ノワール。ノンヴィンテージという珍しいワインですが1700円は安いです。味わいもしっかりしています。
オルカ・インターナショナルが輸入する「オッド・ロット」というプティ・ヴェルドとプティ・シラーのブレンド。この組み合わせにしてはマイルドな味わいでコスパ抜群です。ラベルもかわいくラベル買いしたくなるワイン。
Wine Peopleが輸入するスターム(Stirm)というワイナリーのリースリング(5500円)。畑はサンタ・バーバラにあります。かなりドライなリースリングでエレガント。美味しいです。
同じくWine Peopleが輸入するギブス(Gibbs)のレッド・ブレンド(5900円)。これも5000円台とは思えないクオリティ。メルローとカベルネ・フランが主体で柔らかく飲みやすいです。
オレゴンのアーガイルなどを保有するディスティンギッシュト・ヴィンヤーズ・アンド・ワイン・パートナーズがナパのワイナリー、マーカムとテキストブックを買収すると発表しました。
ディスティンギッシュトにはキリンが出資しています。マーカムは従来、キリン子会社のメルシャン傘下でしたが、キリンの子会社間での移籍となりました。マーカムはナパでは古くからメルローに力を入れているワイナリーとして、日本でもかなりの人気があります。
テキストブックは、急成長しているワイナリー。その名の通り、教科書に乗るようないいワインをリーズナブルな価格で作っています。日本ではオルカ・インターナショナルが輸入しています。
ディスティンギッシュトにはキリンが出資しています。マーカムは従来、キリン子会社のメルシャン傘下でしたが、キリンの子会社間での移籍となりました。マーカムはナパでは古くからメルローに力を入れているワイナリーとして、日本でもかなりの人気があります。
テキストブックは、急成長しているワイナリー。その名の通り、教科書に乗るようないいワインをリーズナブルな価格で作っています。日本ではオルカ・インターナショナルが輸入しています。
ダックホーンのメルロー・スリー・パームス・ヴィンヤードの2015年が入荷してきています。
とはいえ、2013年がワイン・スペクテーターの年間トップに選ばれて以来、入荷はかなり困難。見つけたら即買いが必要なワインです。
もう試飲会に出てくることもないでしょうが、以前から試飲するたびにその品質の高さに唸らされたワインなので、人気が高まるのは嬉しいことではありますが…
年間トップになっても急に値上げなどしていないのも老舗の余裕でしょうか。カベルネ・ソーヴィニヨンのトップクラスと比べたら価格も安いです。
とはいえ、2013年がワイン・スペクテーターの年間トップに選ばれて以来、入荷はかなり困難。見つけたら即買いが必要なワインです。
もう試飲会に出てくることもないでしょうが、以前から試飲するたびにその品質の高さに唸らされたワインなので、人気が高まるのは嬉しいことではありますが…
年間トップになっても急に値上げなどしていないのも老舗の余裕でしょうか。カベルネ・ソーヴィニヨンのトップクラスと比べたら価格も安いです。
「トカロン(To-Kalon)」の名称を巡って再び訴訟が起きています。トカロンはロバート・モンダヴィの畑として、また「ベクストファー・トカロン」の畑として知られています。オーパス・ワンもトカロンのブドウを使っている代表的なワイナリーの一つです。としてシュレーダーやポール・ホグスなどが最高級のカベルネ・ソーヴィニヨンを作っています。ワイン・アドヴォケイトでは「トカロン」の名前が入ったワインで約30本もの100点ワインを輩出している、銘醸畑中の銘醸畑です。
実はトカロンの名前は1987年にロバート・モンダヴィによって商標登録されており、現在はロバート・モンダヴィのオーナーであるコンステレーション・ブランズ社がその商標を持っています。コンステレーションとしては、トカロンを拡大解釈してあらゆるワインに使うことも可能な状況です。
もともとトカロンは1868年にハミルトン・クラブという人が土地を購入してブドウ畑を作り、その名前として名付けたものでした。ギリシャ語で「最高の美しさ」という意味があります。
ロバート・モンダヴィ(コンステレーション)が所有しているのは、このオリジナルのトカロンの半分くらいで、ほかにもいくつかの畑がそこにあります。ベクストファーの畑もその一つです。
2002年にシュレーダーがかつてのトカロンの畑であったベクストファーの畑から「Beckstoffer Original To Kalon Vineyard」とラベルに銘打ってワインを出し、2003年にロバート・モンダヴィがそれを提訴、ベクストファー側もモンダヴィの商標は無効として反訴するということがありました。
結局、両者は和解したため裁判としては結論が出ておらず、モンダヴィとしては商標は守られ、ベクストファーとしては「ベクストファー・トカロン」と銘打ったワインを出せることになりました。したがって、旧トカロンの畑の持ち主であってもモンダヴィ(コンステレーション)とベクストファー以外はトカロンと名乗れない状況は今も続いています。
さらにコンステレーションは2017年に「To Kalon Wine Company」「To Kalon Vineyard Company」「Rooted in To Kalon」の3つを商標登録しようとしましたが、結局これは断念しています。ただ、2018年に「The Miracle of To Kalon」「To Kalon 1886」の2つを商標登録したそうです。
今回、改めてコンステレーションの持つ商標が無効として訴えたのはファー・ニエンテの創始者の子供のジェレミー・ニッケルが保有する「ザ・ヴィンヤード・ハウス」というワイナリー。かつてハミルトン・クラブが所有していた土地の一部を持っており、そこのワインにトカロンと名付けるために提訴しました。
かつてベクストファーが訴えたのとよく似ていますが、一つ大きな違いがあります。ザ・ヴィンヤード・ハウスが所有している「トカロン」の土地は、ハミルトン・クラブの地所の一部だったのは確かですが、ハミルトン・クラブはそこには畑を作っていなかったのです。ベクストファー家のアンディ・ベクストファーは、ハミルトン・クラブが実際に畑にしていたかどうかが大きな問題であり、ザ・ヴィンヤード・ハウス側には分がないのではないかとの見方を示しています。
コンステレーションがかつて敵だったシュレーダーを買収し、シュレーダーは今後ベクストファー・トカロンからコンステレーションのトカロンにブドウの供給元を変えることになる(2021年まではベクストファーとの契約があるそうです)など、今後もトカロンには様々な動きがありそうです。
モンダヴィが商標を登録したときには「この名前は歴史的には重要だが、ワイン業界において現在は意味がない名前になっている」と記していたそうです。それから30年、トカロンはナパにおいて最重要な名前の一つになりました。故ロバート・モンダヴィは草葉の陰で何を思っているのでしょう。
実はトカロンの名前は1987年にロバート・モンダヴィによって商標登録されており、現在はロバート・モンダヴィのオーナーであるコンステレーション・ブランズ社がその商標を持っています。コンステレーションとしては、トカロンを拡大解釈してあらゆるワインに使うことも可能な状況です。
もともとトカロンは1868年にハミルトン・クラブという人が土地を購入してブドウ畑を作り、その名前として名付けたものでした。ギリシャ語で「最高の美しさ」という意味があります。
ロバート・モンダヴィ(コンステレーション)が所有しているのは、このオリジナルのトカロンの半分くらいで、ほかにもいくつかの畑がそこにあります。ベクストファーの畑もその一つです。
2002年にシュレーダーがかつてのトカロンの畑であったベクストファーの畑から「Beckstoffer Original To Kalon Vineyard」とラベルに銘打ってワインを出し、2003年にロバート・モンダヴィがそれを提訴、ベクストファー側もモンダヴィの商標は無効として反訴するということがありました。
結局、両者は和解したため裁判としては結論が出ておらず、モンダヴィとしては商標は守られ、ベクストファーとしては「ベクストファー・トカロン」と銘打ったワインを出せることになりました。したがって、旧トカロンの畑の持ち主であってもモンダヴィ(コンステレーション)とベクストファー以外はトカロンと名乗れない状況は今も続いています。
さらにコンステレーションは2017年に「To Kalon Wine Company」「To Kalon Vineyard Company」「Rooted in To Kalon」の3つを商標登録しようとしましたが、結局これは断念しています。ただ、2018年に「The Miracle of To Kalon」「To Kalon 1886」の2つを商標登録したそうです。
今回、改めてコンステレーションの持つ商標が無効として訴えたのはファー・ニエンテの創始者の子供のジェレミー・ニッケルが保有する「ザ・ヴィンヤード・ハウス」というワイナリー。かつてハミルトン・クラブが所有していた土地の一部を持っており、そこのワインにトカロンと名付けるために提訴しました。
かつてベクストファーが訴えたのとよく似ていますが、一つ大きな違いがあります。ザ・ヴィンヤード・ハウスが所有している「トカロン」の土地は、ハミルトン・クラブの地所の一部だったのは確かですが、ハミルトン・クラブはそこには畑を作っていなかったのです。ベクストファー家のアンディ・ベクストファーは、ハミルトン・クラブが実際に畑にしていたかどうかが大きな問題であり、ザ・ヴィンヤード・ハウス側には分がないのではないかとの見方を示しています。
コンステレーションがかつて敵だったシュレーダーを買収し、シュレーダーは今後ベクストファー・トカロンからコンステレーションのトカロンにブドウの供給元を変えることになる(2021年まではベクストファーとの契約があるそうです)など、今後もトカロンには様々な動きがありそうです。
モンダヴィが商標を登録したときには「この名前は歴史的には重要だが、ワイン業界において現在は意味がない名前になっている」と記していたそうです。それから30年、トカロンはナパにおいて最重要な名前の一つになりました。故ロバート・モンダヴィは草葉の陰で何を思っているのでしょう。
カリフォルニアワイン協会が主催する「バイザグラス」のキャンペーンが今年も4月1日から始まります。今回で25回めとなるこのキャンペーン、従来は覆面の審査員がお店を回って審査する形態だったため、首都圏と関西の店舗に限定されていましたが、今年から審査方法が変わり、全国の店が参加できるようになりました。
バイ ザ グラス プロモーション2019|カリフォルニアワイン
さらに今回から、参加したユーザーにも賞品があります。SNSで投稿することによって成田サンフランシスコの往復ペアチケットなど計50人に賞品が当たります。
対象となるSNSはInstagramとFacebookで、Instagramでは「#カリフォルニアワインを楽しもう」か「#Calwines」のハッシュタグを付けて投稿することで応募となります。Facebookではカリフォルニアワイン協会のキャンペーン告知投稿にコメントを付けることで応募になります。
詳しくは
SNSキャンペーン|バイ ザ グラス プロモーション2019 カリフォルニアワイン
リニューアル直後の開催はお店にとってもユーザーにとっても受賞のチャンスです。キャンペーンの盛り上がりを期待します。
バイ ザ グラス プロモーション2019|カリフォルニアワイン
さらに今回から、参加したユーザーにも賞品があります。SNSで投稿することによって成田サンフランシスコの往復ペアチケットなど計50人に賞品が当たります。
対象となるSNSはInstagramとFacebookで、Instagramでは「#カリフォルニアワインを楽しもう」か「#Calwines」のハッシュタグを付けて投稿することで応募となります。Facebookではカリフォルニアワイン協会のキャンペーン告知投稿にコメントを付けることで応募になります。
詳しくは
SNSキャンペーン|バイ ザ グラス プロモーション2019 カリフォルニアワイン
リニューアル直後の開催はお店にとってもユーザーにとっても受賞のチャンスです。キャンペーンの盛り上がりを期待します。
「Drinks International」が選ぶ世界の最も尊敬されるワインブランドの2019年版が発表されました(Penfolds named The World’s Most Admired Wine Brand 2019 - Drinks International - The global choice for drinks buyers)。
1位はオーストラリアのペンフォールズ。昨年の2位からトップに上りました。2位は昨年1位のスペインのトーレス。3位はニュージランドのヴィラ・マリアで以下トップ10は、4位がチリのコンチャ・イ・トロ、5位がフランスのシャプティエ、6位がイタリアのサッシカイア(前年の23位から大幅上昇)、7位がフランスのギガル、8位がスペインのマルケス・デ・リスカル、9位がチリのエラスリス、10位がリッジでした。リッジは昨年の7位から3位落ちましたが米国でトップを保ちました。
米国ではこのほか16位にベアフット(ガロのブランドの一つ)、33位がロバート・モンダヴィ、44位がベリンジャーでした。
高級ワインのブランドと庶民的なブランドが並んでいるのが面白いところです。業界人の評価と一般の投票をあわせて評価しているようなので、ある程度のメジャー性は必要なようです。
1位はオーストラリアのペンフォールズ。昨年の2位からトップに上りました。2位は昨年1位のスペインのトーレス。3位はニュージランドのヴィラ・マリアで以下トップ10は、4位がチリのコンチャ・イ・トロ、5位がフランスのシャプティエ、6位がイタリアのサッシカイア(前年の23位から大幅上昇)、7位がフランスのギガル、8位がスペインのマルケス・デ・リスカル、9位がチリのエラスリス、10位がリッジでした。リッジは昨年の7位から3位落ちましたが米国でトップを保ちました。
米国ではこのほか16位にベアフット(ガロのブランドの一つ)、33位がロバート・モンダヴィ、44位がベリンジャーでした。
高級ワインのブランドと庶民的なブランドが並んでいるのが面白いところです。業界人の評価と一般の投票をあわせて評価しているようなので、ある程度のメジャー性は必要なようです。
これまで21本もの「パーカー100点」を輩出しているワイナリーがシネ・クア・ノン(シン・クア・ノンなどとも、Sine Qua Non)。10年ほど前から日本への正式輸入が始まり、以降毎年輸入が続いています。非常に希少で、ほとんどがメーリング・リストで売られるワインですから、普通に小売で買える日本はかなり貴重な環境だと思います。また、100点のついたワインなどは価格が高騰しますから、日本で買う方が安いといった逆転も起こります。特に、ここのワインは最初の評価から数年後に上がることも多いので、今100点じゃなくてもその可能性を考えておいた方がいいです。
今回入ってきているのが2016年のシラーとグルナッシュ。EBA(Extended Barrel Aging)と呼ばれるリザーブ版(2014年)のシラーとグルナッシュ。そして白となります。以前は購入したブドウを使っていましたが、徐々に自社畑への移行を進め、今回からはシャルドネを除くすべてのワインがサンタ・バーバラを中心とする4つの自社畑のブドウを使ったワインになっています。
毎年オリジナルな名前を付けるのもここの特徴ですが、2016年のシラーは「レーツェル・ゼヒ・ツェーン」グルナッシュが「ダート・ヴァナキュラー」。リザーブ版はシラーが「カポ・デイ・プッティ」、グルナッシュが「テスタ・デイ・ケルビーニ」。白はプティ・マンサンという品種を使った「ドゥー・グルヌイユ」です。
ワイン・アドヴォケイトとヴィナスの評価で見ると、2016シラーがそれぞれ96+、95-97、グルナッシュが96、95-98。2014のリザーブ・シラーが96+、98、同グルナッシュが98+、98。白が94、94となっています。
今回入ってきているのが2016年のシラーとグルナッシュ。EBA(Extended Barrel Aging)と呼ばれるリザーブ版(2014年)のシラーとグルナッシュ。そして白となります。以前は購入したブドウを使っていましたが、徐々に自社畑への移行を進め、今回からはシャルドネを除くすべてのワインがサンタ・バーバラを中心とする4つの自社畑のブドウを使ったワインになっています。
毎年オリジナルな名前を付けるのもここの特徴ですが、2016年のシラーは「レーツェル・ゼヒ・ツェーン」グルナッシュが「ダート・ヴァナキュラー」。リザーブ版はシラーが「カポ・デイ・プッティ」、グルナッシュが「テスタ・デイ・ケルビーニ」。白はプティ・マンサンという品種を使った「ドゥー・グルヌイユ」です。
ワイン・アドヴォケイトとヴィナスの評価で見ると、2016シラーがそれぞれ96+、95-97、グルナッシュが96、95-98。2014のリザーブ・シラーが96+、98、同グルナッシュが98+、98。白が94、94となっています。
2019年のオークション・ナパ・ヴァレーが5月30日から6月2日にナパのメドウッドなどで開かれます。
今年の目玉はケイティ・ペリーのパフォーマンスが見られること。例年、ミュージシャンのパフォーマンスは行われますが、事前に発表されるのはレア・ケースです。また、セレブリティ・シェフのアシュア・カリー(NBAスターのステファン・カリーの奥さん)による食事も楽しめます。
チケットは参加できるイベントによって様々ですが、すべてのイベントに参加できるチケットは4000ドル。メドウッドでの宿泊や送り迎えなどが含まれるVIPチケットはカップルで2万ドル。メイン・イベントのライブ・オークション(ケイティ・ペリーやアシュア・カリーも含まれます)だけだと2000ドル。
なお、オークションの収益はすべて地元に寄付されます。
チケット購入などは以下から。
Auction Napa Valley - The Most Celebrated Charity Wine Event
今年の目玉はケイティ・ペリーのパフォーマンスが見られること。例年、ミュージシャンのパフォーマンスは行われますが、事前に発表されるのはレア・ケースです。また、セレブリティ・シェフのアシュア・カリー(NBAスターのステファン・カリーの奥さん)による食事も楽しめます。
チケットは参加できるイベントによって様々ですが、すべてのイベントに参加できるチケットは4000ドル。メドウッドでの宿泊や送り迎えなどが含まれるVIPチケットはカップルで2万ドル。メイン・イベントのライブ・オークション(ケイティ・ペリーやアシュア・カリーも含まれます)だけだと2000ドル。
なお、オークションの収益はすべて地元に寄付されます。
チケット購入などは以下から。
Auction Napa Valley - The Most Celebrated Charity Wine Event
布袋ワインズの試飲会から、美味しかったワイン、気になったワインなどを紹介します。
まずは新しく扱いが始まったパイパー・ソノマのスパークリング。元々シャンパーニュのパイパー・エドシックが始めたワイナリーですが、今は独立しています。右のブリュットはきめ細かい泡が心地よい上質のスパークリング。左のブリュット・ロゼはピノ・ノワールが約4割入っていて、赤系果実の深みがあります。ブリュットもロゼも4000円であり、個人的にはロゼに魅力を感じます。
パイパー・ソノマで検索
クラインのヴィオニエ(2200円)。ヴィオニエらしさがきちんとでていてコスパいいと思います。
クライン・ヴィオニエで検索
ファーディナンド(Ferdinand)はコングスガードのジェネラル・マネージャーによるワイナリー。これはそこのアルバリーニョ(3900円)。シエラフットヒルズのブドウを使っているそうです。柔らかい酸と深い果実味があり、魅力的なワイン。
ファーディナンド、アルバリーニョで検索
カリン・セラーズのセミヨン2001(6200円)。2001年はカリン・セラーズとしては比較的若いヴィンテージ。ここのワインはボトル差があるのと、さすがに古いので酸化のニュアンスが出てしまっているときがあるのは難しいところですが、これは比較的若いせいかクリーンな味わいを保っています。熟成によるうまみもしっかりあります。ここのワイナリーの味わいにはセミヨンが合うような気がします。
カリン・セラーズ セミヨンで検索
ボドキンはソーヴィニヨン・ブラン専門のワイナリーです。これは香りよく、繊細な味わいのソーヴィニヨン・ブラン。3400円という価格以上の高級感があります。
ボドキンで検索
ベンチのシャルドネ2017(3500円)。この価格帯としては貴重な冷涼感のあるシャルドネです。非常にバランスのいい味わい。
ベンチ シャルドネ 2017で検索
ペタルマ・ギャップにあるケラーのシャルドネ2013(5700円)。リッチな味わいですが、冷涼感もあるレベルの高いシャルドネです。
ケラー シャルドネ 2013で検索
マクレイという、今は廃業してしまったワイナリーのバチガルピ・ヴィンヤード・シャルドネ2006(4400円)。バチガルピはソノマの畑で、パリスの審判で白ワイン1位となったシャトー・モンテリーナのシャルドネが実はこの畑のブドウで作られていました。熟成感たっぷりで、ナッツの風味などが素晴らしいワインですが、これが4400円というのはかなりお買い得です。
マクレイ バチガルピで検索
ナパのワイナリー、フープラのロゼ(3400円)。カベルネ主体でこくがありしっかりした味のロゼです。
ベンチのピノ・ノワール2017(3500円)。エレガントでミネラル感があり、うまみもしっかりあります。かなりお買い得なワイン。写真撮っていませんが、カベルネ・ソーヴィニヨンもバランスよく美味しいです。
ベンチ ピノ・ノワールで検索
激戦区4000円台のカベルネ・ソーヴィニヨン3種。スカラー&メイソン(4300円)は複雑さがあるカベルネ・ソーヴィニヨン。イーノ(4300円)は果実味がふくよかなワイン。ブラックスミス(4500円)は酸がしっかりしておりストラクチャーのあるワイン。どれもレベル高いですが、個人的にはブラックスミスが一番好きです。
ブラックスミス カベルネで検索
3000円台のコスパよい古木のジンファンデル2つ。クラインのエンシェント・ヴァインズ2016はワイン・スペクテーターの年間トップ100にも選ばれているワイン(3000円)。果実味がしっかりしています。左のスリーはクライン創業者の弟が始めたワイナリー。ジンファンデル・オールド・ヴァインズ2016(3300円)は濃厚な味わい。非常にコスパがgワイン。どちらも価格以上にいいワインですが、スリーに1票入れておきます。
クライン ジンファンデル エンシェント・ヴァインズ 2016で検索
スリー ジンファンデル オールド・ヴァインで検索
まずは新しく扱いが始まったパイパー・ソノマのスパークリング。元々シャンパーニュのパイパー・エドシックが始めたワイナリーですが、今は独立しています。右のブリュットはきめ細かい泡が心地よい上質のスパークリング。左のブリュット・ロゼはピノ・ノワールが約4割入っていて、赤系果実の深みがあります。ブリュットもロゼも4000円であり、個人的にはロゼに魅力を感じます。
パイパー・ソノマで検索
クラインのヴィオニエ(2200円)。ヴィオニエらしさがきちんとでていてコスパいいと思います。
クライン・ヴィオニエで検索
ファーディナンド(Ferdinand)はコングスガードのジェネラル・マネージャーによるワイナリー。これはそこのアルバリーニョ(3900円)。シエラフットヒルズのブドウを使っているそうです。柔らかい酸と深い果実味があり、魅力的なワイン。
ファーディナンド、アルバリーニョで検索
カリン・セラーズのセミヨン2001(6200円)。2001年はカリン・セラーズとしては比較的若いヴィンテージ。ここのワインはボトル差があるのと、さすがに古いので酸化のニュアンスが出てしまっているときがあるのは難しいところですが、これは比較的若いせいかクリーンな味わいを保っています。熟成によるうまみもしっかりあります。ここのワイナリーの味わいにはセミヨンが合うような気がします。
カリン・セラーズ セミヨンで検索
ボドキンはソーヴィニヨン・ブラン専門のワイナリーです。これは香りよく、繊細な味わいのソーヴィニヨン・ブラン。3400円という価格以上の高級感があります。
ボドキンで検索
ベンチのシャルドネ2017(3500円)。この価格帯としては貴重な冷涼感のあるシャルドネです。非常にバランスのいい味わい。
ベンチ シャルドネ 2017で検索
ペタルマ・ギャップにあるケラーのシャルドネ2013(5700円)。リッチな味わいですが、冷涼感もあるレベルの高いシャルドネです。
ケラー シャルドネ 2013で検索
マクレイという、今は廃業してしまったワイナリーのバチガルピ・ヴィンヤード・シャルドネ2006(4400円)。バチガルピはソノマの畑で、パリスの審判で白ワイン1位となったシャトー・モンテリーナのシャルドネが実はこの畑のブドウで作られていました。熟成感たっぷりで、ナッツの風味などが素晴らしいワインですが、これが4400円というのはかなりお買い得です。
マクレイ バチガルピで検索
ナパのワイナリー、フープラのロゼ(3400円)。カベルネ主体でこくがありしっかりした味のロゼです。
ベンチのピノ・ノワール2017(3500円)。エレガントでミネラル感があり、うまみもしっかりあります。かなりお買い得なワイン。写真撮っていませんが、カベルネ・ソーヴィニヨンもバランスよく美味しいです。
ベンチ ピノ・ノワールで検索
激戦区4000円台のカベルネ・ソーヴィニヨン3種。スカラー&メイソン(4300円)は複雑さがあるカベルネ・ソーヴィニヨン。イーノ(4300円)は果実味がふくよかなワイン。ブラックスミス(4500円)は酸がしっかりしておりストラクチャーのあるワイン。どれもレベル高いですが、個人的にはブラックスミスが一番好きです。
ブラックスミス カベルネで検索
3000円台のコスパよい古木のジンファンデル2つ。クラインのエンシェント・ヴァインズ2016はワイン・スペクテーターの年間トップ100にも選ばれているワイン(3000円)。果実味がしっかりしています。左のスリーはクライン創業者の弟が始めたワイナリー。ジンファンデル・オールド・ヴァインズ2016(3300円)は濃厚な味わい。非常にコスパがgワイン。どちらも価格以上にいいワインですが、スリーに1票入れておきます。
クライン ジンファンデル エンシェント・ヴァインズ 2016で検索
スリー ジンファンデル オールド・ヴァインで検索
ナパやソノマでブドウの芽吹きが始まりました。
最近、インスタグラムを貼るとうまくいかないことが多いのですが、一応貼ってみます。
今年は、洪水が起こるほど降水量が多かったため、畑のカバークロップのマスタードなども例年よりも多く咲いているとのことです。
また、カリフォルニアの州花であるカリフォルニア・ポピーも雨が豊富だったため「スーパーブルーム」と呼ばれるほどの咲き誇りようです。
ただ、ポピーは見に行く人が増えすぎて、一部では観光客をシャットアウトしているとのこと。また、花を摘む人もいて(禁止されています)、問題になっています。
最近、インスタグラムを貼るとうまくいかないことが多いのですが、一応貼ってみます。
今年は、洪水が起こるほど降水量が多かったため、畑のカバークロップのマスタードなども例年よりも多く咲いているとのことです。
また、カリフォルニアの州花であるカリフォルニア・ポピーも雨が豊富だったため「スーパーブルーム」と呼ばれるほどの咲き誇りようです。
ただ、ポピーは見に行く人が増えすぎて、一部では観光客をシャットアウトしているとのこと。また、花を摘む人もいて(禁止されています)、問題になっています。
サンタ・クルーズ・マウンテンズで、ピュアな味わいのシャルドネとピノ・ノワールを作り、非常に高い評価とリーズナブルな価格で人気を博したのがヴァーナー(ワインによってはニーリーという名前を使っています)。
もともとはたけのもち主がニーリー(Neely)で、実際に畑を管理してワインを作っていたのが双子のヴァーナー(Varner)兄弟だったのですが、ニーリー家から契約を打ち切られてしまい、2014ヴィンテージを最後にここのワインを作れなくなってしまいました(サンタ・バーバラの畑などでワイン作りは継続しています)。
その衝撃のニュースから2年。ついに日本の輸入元の在庫が最終段階になってしまったそうです。
ワイン・アドヴォケイトやヴィナスでの評価は95点前後とどれも高く、それでいて価格は1万円を大きく下回る、今後はそんなワインはなかなか出てこないだろうと思います。また、その味わいは冷涼感のあるピュアな果実味が素晴らしいもの。いろいろな意味で貴重なワインです。
もともとはたけのもち主がニーリー(Neely)で、実際に畑を管理してワインを作っていたのが双子のヴァーナー(Varner)兄弟だったのですが、ニーリー家から契約を打ち切られてしまい、2014ヴィンテージを最後にここのワインを作れなくなってしまいました(サンタ・バーバラの畑などでワイン作りは継続しています)。
その衝撃のニュースから2年。ついに日本の輸入元の在庫が最終段階になってしまったそうです。
ワイン・アドヴォケイトやヴィナスでの評価は95点前後とどれも高く、それでいて価格は1万円を大きく下回る、今後はそんなワインはなかなか出てこないだろうと思います。また、その味わいは冷涼感のあるピュアな果実味が素晴らしいもの。いろいろな意味で貴重なワインです。
ハーラン・エステートの創設者ビル・ハーランの息子ウィル・ハーランが来日し、ハーラン第3のプロジェクト「プロモントリー」についてセミナーを開きました。プロモントリーのワインメイキング担当ディレクターであるコリー・エンプティングも一緒に来日しています。プロモントリーはハーラン・エステートとも、第2のプロジェクトであるボンドのワインとも全く異なる個性的なワインで、個人的には将来ナパでトップの評価を受ける可能性がある、すさまじいポテンシャルを持っていると感じました。
なお、本サイトでは2011年からプロモントリーの記事を報じています(「Harlanの新プロジェクト「Promontory」が明らかに」)。
プロモントリー(Promontory)とは岬とか突端といった意味ですが、ここはナパの西側マヤカマスの山からナパ・ヴァレーに向かって突き出したような場所になっています。平地側からのアクセスも山側からのアクセスも難しいところ。1980年代初頭にビル・ハーランが発見したときはまだ手付かずの森だったそうですが、当時は売りに出ておらず、2008年にようやく買うことができたそうです。それまでに340ヘクタール(840エーカー)のうち32ヘクタール(80エーカー)はブドウ畑になっていたそうですが、ほとんど管理もされておらず、伸び放題でひどい有様だったとのこと。
この土地はハーランの畑から距離的には600メートルくらいしか離れていませんが、土地のキャラクターは大きく異なっています。標高は150~350メートルほどあり、それによる気温の違いもあります。南から来る霧の通り道にあたり、霧が涼しさとともに湿気も与えてくれます。
また地質的には、中間を断層が走っており、堆積岩と火山性の土壌に分かれています。さらに3番めの土壌として変成岩のところがかなりあります。特に変成岩についてはここより200メートル北でも200メートル南にもない、ここ固有の土壌になっています。
今回来日したウィルとプロモントリーのコリー・エンプティングはともにナパ生まれナパ育ちですが、そういった「第2世代」にとってこのような、ほとんど未開発でしかもユニークな土地のワインを任されたというのは極めて貴重な経験だそうです。
植えられていた畑は、最初は「忘れられた公園」のようで、荒れ放題で木も育ちすぎでした。すばらしいワインをそこから作れるかどうか全くわかりませんでした。入手してから3年間は古い畑の手入れに費やし、そこからどういうワインができるかを考えていったとのこと。最初の1、2年、まだ畑の状態はよくないのに、ワインのキャラクターはすごいものがあり、そこですべてを一度に植え替えるのではなく25年間かけて植え替えることにしたそうです。植え替え前は1エーカーあたり2000本くらいの密植度だったのを植え替え後は6000~8000本/エーカーとかなり密にしています。VSP(バーティカル・シュート・ポジショニング)と呼ばれる仕立てが中心ですが、ここは平均斜度が40度もある急斜面で、コート・ロティなどで使われている「エシャラ仕立て」やヘッドプルーンなどもあるとのことです。また当初はカベルネ・ソーヴィニヨン中心でいくつか他の品種もありましたが、植え替えはすべてカベルネ・ソーヴィニヨンだとのこと。
ちなみに、2009年のプロモントリーの評価はロバート・パーカーが97点、アントニオ・ガッローニ(ヴィナス)が94点と、その畑の状態を考えると非常に高い評価がついており、畑の力がどれだけ強いのかが伺えます。
ワインを作ってみると非常にタンニンが強く、色も濃く、凝縮感もあることがわかり、24カ月樽熟成させてみましたが、まだまだ時間がかかることがわかったそうです。5年間熟成するのがいいと判断しましたが、このようにぜいたくができるのがハーラン・ファミリーの素晴らしいところです。例えばハーラン・エステートにしても87年からワインを作り始めて、実際に販売したのは90年のヴィンテージからでしたし(つまり販売を始めたのは93年くらいからになります)、ボンドにいたってはプロジェクトを初めてからワインを売り出すまで12年もかかっています。それだけの投資と長期プランを持つのがここの特徴でもあります。
プロモントリーでユニークなのが、樽熟成にバリックと呼ばれるような普通の小さな樽ではなく30ヘクトリットルの大きなカスクと呼ばれる樽を使っていることです。樽香を過剰につけないためにニュートラルな樽を探し、オーストリアのメーカーから購入しているとのことです。最初は輸出を渋っていたそうですが、苦労して買うことができたそうです。この樽を使う前に、若いワインを入れてなじませる必要があったので、2013年からこちらの樽を全面的に使えるようになりました。
試飲は2011年から2013年の3ヴィンテージ。2013年はこれから売り出すところです。
最初に試飲した2011年の第1印象は、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンにしては、黒系の果実よりも赤系の果実の印象があり、酸がしっかりしていること。チョークやグラファイトなど鉱物的な風味もかなり強く、非常にタンニンがしっかりして強固なワインです。凝縮感は比較的(他のヴィンテージと比べると)ありませんが、「山系」の魅力をふんだんに発揮しています。個人的には「山系」らしさという点で3ヴィンテージの中でも魅力を感じたワイン。
2012年は2011年に比べるとブルーベリーなどの青系の果実の風味がより強くありますが、またミネラル感も非常に強くバランスがいいワイン。2011年と比べるとまだ柔らかいですがそれでもかなりタンニンはあります。
2013年は、ヴィンテージ自体にストラクチャーが強く出る傾向があり、プロモントリーの特徴と相まって、ストラクチャーの素晴らしさが目立ちます。得点をつけるならば3ヴィンテージの中でこれが一番でしょう。ブルーベリー、ブラックベリーなどの果実の風味も豊かです。もちろんタンニンも強く酸もしっかりしており、高いレベルでバランスが取れています。非常に素晴らしいワイン。ちなみにロバート・パーカーは99点、アントニオ・ガッローニは98+という評価です。
今回、何よりも驚いたのが、植え替えた木の樹齢を考えると2013年のものでもまだ4年程度であること。植え替えた木のポテンシャルがフルに発揮されるようになるのにはおそらくまだ10年以上かかるでしょう。それでもこれだけの味を既に出しているということは10年後のワインがどれだけのレベルになるのか、空恐ろしいほどです。ただ、ここのワインのタンニンの強さなどを考えると、熟成は20年ではまだ短いくらいかもしれません。それらを考えると、ここの最高のワインを飲めるのはまだ30年は先かも…初めて自分の寿命も考えてしまいました(笑)。
既にガッローニは2014年に100点を付けており、もうナパのトップクラスの一員とみなしていいワインですが、上述のように、これから先、さらにレベルはどんどん上がっていくと思います。ハーランよりも名声を勝ち取る日が来たとしても全然不思議ではないと思います。それだけのポテンシャルを感じるワインでした。
なお、本サイトでは2011年からプロモントリーの記事を報じています(「Harlanの新プロジェクト「Promontory」が明らかに」)。
プロモントリー(Promontory)とは岬とか突端といった意味ですが、ここはナパの西側マヤカマスの山からナパ・ヴァレーに向かって突き出したような場所になっています。平地側からのアクセスも山側からのアクセスも難しいところ。1980年代初頭にビル・ハーランが発見したときはまだ手付かずの森だったそうですが、当時は売りに出ておらず、2008年にようやく買うことができたそうです。それまでに340ヘクタール(840エーカー)のうち32ヘクタール(80エーカー)はブドウ畑になっていたそうですが、ほとんど管理もされておらず、伸び放題でひどい有様だったとのこと。
この土地はハーランの畑から距離的には600メートルくらいしか離れていませんが、土地のキャラクターは大きく異なっています。標高は150~350メートルほどあり、それによる気温の違いもあります。南から来る霧の通り道にあたり、霧が涼しさとともに湿気も与えてくれます。
また地質的には、中間を断層が走っており、堆積岩と火山性の土壌に分かれています。さらに3番めの土壌として変成岩のところがかなりあります。特に変成岩についてはここより200メートル北でも200メートル南にもない、ここ固有の土壌になっています。
今回来日したウィルとプロモントリーのコリー・エンプティングはともにナパ生まれナパ育ちですが、そういった「第2世代」にとってこのような、ほとんど未開発でしかもユニークな土地のワインを任されたというのは極めて貴重な経験だそうです。
植えられていた畑は、最初は「忘れられた公園」のようで、荒れ放題で木も育ちすぎでした。すばらしいワインをそこから作れるかどうか全くわかりませんでした。入手してから3年間は古い畑の手入れに費やし、そこからどういうワインができるかを考えていったとのこと。最初の1、2年、まだ畑の状態はよくないのに、ワインのキャラクターはすごいものがあり、そこですべてを一度に植え替えるのではなく25年間かけて植え替えることにしたそうです。植え替え前は1エーカーあたり2000本くらいの密植度だったのを植え替え後は6000~8000本/エーカーとかなり密にしています。VSP(バーティカル・シュート・ポジショニング)と呼ばれる仕立てが中心ですが、ここは平均斜度が40度もある急斜面で、コート・ロティなどで使われている「エシャラ仕立て」やヘッドプルーンなどもあるとのことです。また当初はカベルネ・ソーヴィニヨン中心でいくつか他の品種もありましたが、植え替えはすべてカベルネ・ソーヴィニヨンだとのこと。
ちなみに、2009年のプロモントリーの評価はロバート・パーカーが97点、アントニオ・ガッローニ(ヴィナス)が94点と、その畑の状態を考えると非常に高い評価がついており、畑の力がどれだけ強いのかが伺えます。
ワインを作ってみると非常にタンニンが強く、色も濃く、凝縮感もあることがわかり、24カ月樽熟成させてみましたが、まだまだ時間がかかることがわかったそうです。5年間熟成するのがいいと判断しましたが、このようにぜいたくができるのがハーラン・ファミリーの素晴らしいところです。例えばハーラン・エステートにしても87年からワインを作り始めて、実際に販売したのは90年のヴィンテージからでしたし(つまり販売を始めたのは93年くらいからになります)、ボンドにいたってはプロジェクトを初めてからワインを売り出すまで12年もかかっています。それだけの投資と長期プランを持つのがここの特徴でもあります。
プロモントリーでユニークなのが、樽熟成にバリックと呼ばれるような普通の小さな樽ではなく30ヘクトリットルの大きなカスクと呼ばれる樽を使っていることです。樽香を過剰につけないためにニュートラルな樽を探し、オーストリアのメーカーから購入しているとのことです。最初は輸出を渋っていたそうですが、苦労して買うことができたそうです。この樽を使う前に、若いワインを入れてなじませる必要があったので、2013年からこちらの樽を全面的に使えるようになりました。
試飲は2011年から2013年の3ヴィンテージ。2013年はこれから売り出すところです。
最初に試飲した2011年の第1印象は、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンにしては、黒系の果実よりも赤系の果実の印象があり、酸がしっかりしていること。チョークやグラファイトなど鉱物的な風味もかなり強く、非常にタンニンがしっかりして強固なワインです。凝縮感は比較的(他のヴィンテージと比べると)ありませんが、「山系」の魅力をふんだんに発揮しています。個人的には「山系」らしさという点で3ヴィンテージの中でも魅力を感じたワイン。
2012年は2011年に比べるとブルーベリーなどの青系の果実の風味がより強くありますが、またミネラル感も非常に強くバランスがいいワイン。2011年と比べるとまだ柔らかいですがそれでもかなりタンニンはあります。
2013年は、ヴィンテージ自体にストラクチャーが強く出る傾向があり、プロモントリーの特徴と相まって、ストラクチャーの素晴らしさが目立ちます。得点をつけるならば3ヴィンテージの中でこれが一番でしょう。ブルーベリー、ブラックベリーなどの果実の風味も豊かです。もちろんタンニンも強く酸もしっかりしており、高いレベルでバランスが取れています。非常に素晴らしいワイン。ちなみにロバート・パーカーは99点、アントニオ・ガッローニは98+という評価です。
今回、何よりも驚いたのが、植え替えた木の樹齢を考えると2013年のものでもまだ4年程度であること。植え替えた木のポテンシャルがフルに発揮されるようになるのにはおそらくまだ10年以上かかるでしょう。それでもこれだけの味を既に出しているということは10年後のワインがどれだけのレベルになるのか、空恐ろしいほどです。ただ、ここのワインのタンニンの強さなどを考えると、熟成は20年ではまだ短いくらいかもしれません。それらを考えると、ここの最高のワインを飲めるのはまだ30年は先かも…初めて自分の寿命も考えてしまいました(笑)。
既にガッローニは2014年に100点を付けており、もうナパのトップクラスの一員とみなしていいワインですが、上述のように、これから先、さらにレベルはどんどん上がっていくと思います。ハーランよりも名声を勝ち取る日が来たとしても全然不思議ではないと思います。それだけのポテンシャルを感じるワインでした。
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーといえば、代表的なピノ・ノワールやシャルドネの産地ですが、1980年代まではほとんど知られていない地域でした。
ここを切り拓いた生産者としてはロキオリやジョセフ・スワンなどが挙げられますが、ダットン・ランチもその一つ。このは特にキスラーにシャルドネのブドウを供給して有名になりました。
ダットン・ランチというのは実は一つの畑ではなく、様々な畑の集合体なのですが、いまでも個々の畑の名前より、総称としてのダットン・ランチの方が名前が通っている感じがします。また品種もいろいろ作っているのですが、どうしてもここはシャルドネのイメージが強くあると思います。
面白いところでは熟成したワインしか出荷しないカリン・セラータか、現在「キュベD」としてダットンランチのシャルドネが入荷してきています。先日試飲したものは、酸化のニュアンスもなくとてもきれいに熟成していました(ボトル差はあります)。
また、キスラーのダットンランチは2万円くらいしますが、パッツ・アンド・ホールなら6000円台。ちょうど今、安く出ていてかなりお買い得です。パッツ・アンド・ホールのダットンランチ、昔相当飲みましたが、ここのシャルドネの中でも好きなワインの一つでした。
ダットン家がやっているワイナリーも2つあるのですが、日本にはダットン・ゴールドフィールドだけが入っているようです。
ここを切り拓いた生産者としてはロキオリやジョセフ・スワンなどが挙げられますが、ダットン・ランチもその一つ。このは特にキスラーにシャルドネのブドウを供給して有名になりました。
ダットン・ランチというのは実は一つの畑ではなく、様々な畑の集合体なのですが、いまでも個々の畑の名前より、総称としてのダットン・ランチの方が名前が通っている感じがします。また品種もいろいろ作っているのですが、どうしてもここはシャルドネのイメージが強くあると思います。
面白いところでは熟成したワインしか出荷しないカリン・セラータか、現在「キュベD」としてダットンランチのシャルドネが入荷してきています。先日試飲したものは、酸化のニュアンスもなくとてもきれいに熟成していました(ボトル差はあります)。
また、キスラーのダットンランチは2万円くらいしますが、パッツ・アンド・ホールなら6000円台。ちょうど今、安く出ていてかなりお買い得です。パッツ・アンド・ホールのダットンランチ、昔相当飲みましたが、ここのシャルドネの中でも好きなワインの一つでした。
ダットン家がやっているワイナリーも2つあるのですが、日本にはダットン・ゴールドフィールドだけが入っているようです。
最終回はピーター・マイケル。さすがにどのワインもレベル高かったです。個人的にはシャルドネの2005年がベストだったかな。
恒例の「つかみ」ではソノマの洪水の話をしました。結構、写真にインパクトがあったと思います。
最後はクラス会。こんなワインも出てきてビックリてす。
来期は2講座満席。あと一つはちょっと開催が厳しそうですが、まだ募集中です。
日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー
アイコニック ワイン・ジャパンはカリフォルニアのパソ・ロブレスやサンタ・バーバラのワインを中心に、コストパフォーマンスの高いワインを数多く輸入しています。また、オーストラリアやニュージーランドなどのワインも一部扱っています。先日は試飲会から、特に印象的だったニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを紹介しましたが、今回はカリフォルニアワインで美味しかったものを紹介します。
以前も紹介していますが、モーガンのソーヴィニヨン・ブラン2016は個人的にフェイバリットの一つ。自分のワイン会にも出しています。3150円。
モーガンのソーヴィニヨン・ブランを検索する
アルタ・マリアのシャルドネ2013、5000円。凝縮感と爽やかさが両立した美味しいシャルドネです。
アルタ・マリアのシャルドネを検索する
新入荷のサブミッションのシャルドネ2017、2300円。果実味がとてもきれいでコストパフォーマンスの高いシャルドネです。これは「買い」です。
サブミッションのシャルドネを検索する
パリ(Pali)のハンティントン ピノ・ノワール2016。ヴィンテージは新しくなっていますが、今回も美味しいです。果実味しっかりしており、タンニンも結構あります。やや骨太系ですが、非常にコストパフォーマンスの高いピノ・ノワール。
ハンティントン ピノ・ノワールを検索する
大人気ワイン「プリズナー」を産んだデイブ・フィニーの手がける「クレーン・アッセンブリー」。初登場でパーカー96点を取った「エル・ココ」が人気ですが、個人的にはエル・ココは果実味が濃厚すぎて、ちょっと飲み疲れてしまう感じがあります(凝縮感は本当にすごいので、好きな人にはたまらないと思います)。ディサイプルズもエル・ココ同様ジンファンデルを中心にしたブレンドですが、こちらの方が飲みやすく好みです。こちらも果実味はたっぷりです。
ディサイプルズを検索する
オーステリティ(Austerity)のカベルネ・ソーヴィニヨン2016、2800円。2000円台とは思えないくらいストラクチャーがしっかりしたカベルネ・ソーヴィニヨン。酸もあり非常にコストパフォーマンスが高いワインです。おすすめ。
オーステリティのカベルネを検索する
ホワイトホール・レーンの「マンチーノ」カベルネ・ソーヴィニヨン2014、1万100円。価格は高いですが、それだけのことはあります。美味しいです。
メルヴィルのシラー・エステート・サンタ・リタ・ヒルズ2015、6500円。とてもエレガントなシラー。これは相当美味しいです。オススメ。
メルヴィルのシラー エステートを検索する
レッドブレンドから3つ紹介する。それぞれ個性的ですが、どれをとっても損はないと思います。
ホワイトホール・レーンの「トレ・レオーニ」2015、4800円。カベルネ・ソーヴィニヨンにメルローやシラー、ジンファンデルをブレンド。激戦区の4000円台カベルネブレンドの中でも魅力的な1本です。
ホワイトホール・レーンのトレ・レオーニを検索する
ロンゴリア(Longoria)のブルース・キュベ2011、5000円。酸がきれいで旨味のあるブレンド。カベルネ・フランが約半分入っているのがエレガント感になっています。
ロンゴリアのブルース・キュベを検索する
ボデガ・デ・エドガーのトロ・デ・パソ2011、4620円。ストラクチャーがしっかりしています。テンプラニーリョやグルナッシュのブレンド。
トロ・デ・パソを検索する
以前も紹介していますが、モーガンのソーヴィニヨン・ブラン2016は個人的にフェイバリットの一つ。自分のワイン会にも出しています。3150円。
モーガンのソーヴィニヨン・ブランを検索する
アルタ・マリアのシャルドネ2013、5000円。凝縮感と爽やかさが両立した美味しいシャルドネです。
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新入荷のサブミッションのシャルドネ2017、2300円。果実味がとてもきれいでコストパフォーマンスの高いシャルドネです。これは「買い」です。
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パリ(Pali)のハンティントン ピノ・ノワール2016。ヴィンテージは新しくなっていますが、今回も美味しいです。果実味しっかりしており、タンニンも結構あります。やや骨太系ですが、非常にコストパフォーマンスの高いピノ・ノワール。
ハンティントン ピノ・ノワールを検索する
大人気ワイン「プリズナー」を産んだデイブ・フィニーの手がける「クレーン・アッセンブリー」。初登場でパーカー96点を取った「エル・ココ」が人気ですが、個人的にはエル・ココは果実味が濃厚すぎて、ちょっと飲み疲れてしまう感じがあります(凝縮感は本当にすごいので、好きな人にはたまらないと思います)。ディサイプルズもエル・ココ同様ジンファンデルを中心にしたブレンドですが、こちらの方が飲みやすく好みです。こちらも果実味はたっぷりです。
ディサイプルズを検索する
オーステリティ(Austerity)のカベルネ・ソーヴィニヨン2016、2800円。2000円台とは思えないくらいストラクチャーがしっかりしたカベルネ・ソーヴィニヨン。酸もあり非常にコストパフォーマンスが高いワインです。おすすめ。
オーステリティのカベルネを検索する
ホワイトホール・レーンの「マンチーノ」カベルネ・ソーヴィニヨン2014、1万100円。価格は高いですが、それだけのことはあります。美味しいです。
メルヴィルのシラー・エステート・サンタ・リタ・ヒルズ2015、6500円。とてもエレガントなシラー。これは相当美味しいです。オススメ。
メルヴィルのシラー エステートを検索する
レッドブレンドから3つ紹介する。それぞれ個性的ですが、どれをとっても損はないと思います。
ホワイトホール・レーンの「トレ・レオーニ」2015、4800円。カベルネ・ソーヴィニヨンにメルローやシラー、ジンファンデルをブレンド。激戦区の4000円台カベルネブレンドの中でも魅力的な1本です。
ホワイトホール・レーンのトレ・レオーニを検索する
ロンゴリア(Longoria)のブルース・キュベ2011、5000円。酸がきれいで旨味のあるブレンド。カベルネ・フランが約半分入っているのがエレガント感になっています。
ロンゴリアのブルース・キュベを検索する
ボデガ・デ・エドガーのトロ・デ・パソ2011、4620円。ストラクチャーがしっかりしています。テンプラニーリョやグルナッシュのブレンド。
トロ・デ・パソを検索する
先日、ワイン・イン・スタイルの試飲会で、お薦めのシャルドネとして紹介したクルーズ・ワインのローリック(ロリック)。柳屋でも当日のベスト・シャルドネとして紹介されていました。
やっぱり自分がいいと思ったものを、他の人も認めているというのは少し嬉しいものです。ニューカリフォルニアな作り手とされるクルーズ・ワインですが、ニューカリフォルニアに興味がない人でも、認める価値があるワインです(ちなみに柳屋ではニューカリフォルニア系はめったに取り上げられません)。
残り本数が少ないので、他のショップも上げておきます。
やっぱり自分がいいと思ったものを、他の人も認めているというのは少し嬉しいものです。ニューカリフォルニアな作り手とされるクルーズ・ワインですが、ニューカリフォルニアに興味がない人でも、認める価値があるワインです(ちなみに柳屋ではニューカリフォルニア系はめったに取り上げられません)。
残り本数が少ないので、他のショップも上げておきます。
今月は生産者の来日が多くあります。一般向けにディナーやセミナーなどを開催する場合もあり、セミナーはワイン代をほとんど生産者が持っていると思うので、かなりお得感があります。2つ紹介します。
まずはヴェリテ。創設者のピエール・セイヤンが、ボルドーで手がけるワインも合わせて解説するという極めてレアなセミナー。場所は青山(表参道)のアカデミー・デュ・ヴァンです。
日時は3/13(水)19:00-21:00。これが問題で、というのはこんなセミナー僕も参加したいくらいなのですが、みごとに自分のセミナーと重なっているのです。というわけで別の教室でセミナーやってますのでよろしく(笑)。受講料は8640円。
ヴェリテ~現代の伝説と称されるソノマの至宝~ | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
もう一つはフラナガンというソノマのワイナリー。あまり知られていませんが、ここのピノ・ノワールはかなりおいしいです。気になっているワイナリーですが、こちらは昼間のセミナーです。受講料は8640円。
2019年3月27日(水) 14:00~16:00
場所は南青山のキャプランワインアカデミー。
ソノマより初来日「FLANAGAN WINES」による特別ワインセミナー | ワイン | キャプラン株式会社
まずはヴェリテ。創設者のピエール・セイヤンが、ボルドーで手がけるワインも合わせて解説するという極めてレアなセミナー。場所は青山(表参道)のアカデミー・デュ・ヴァンです。
日時は3/13(水)19:00-21:00。これが問題で、というのはこんなセミナー僕も参加したいくらいなのですが、みごとに自分のセミナーと重なっているのです。というわけで別の教室でセミナーやってますのでよろしく(笑)。受講料は8640円。
ヴェリテ~現代の伝説と称されるソノマの至宝~ | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
もう一つはフラナガンというソノマのワイナリー。あまり知られていませんが、ここのピノ・ノワールはかなりおいしいです。気になっているワイナリーですが、こちらは昼間のセミナーです。受講料は8640円。
2019年3月27日(水) 14:00~16:00
場所は南青山のキャプランワインアカデミー。
ソノマより初来日「FLANAGAN WINES」による特別ワインセミナー | ワイン | キャプラン株式会社
先日参加したアイコニックワイン・ジャパンの試飲会で、素晴らしいソーヴィニヨン・ブランがありました。カリフォルニアではなくニュージーランドです。一時期ニュージーランドのソーヴィニヨンも飲みましたが、そこまで琴線に響かず最近は遠ざかってしまっていましたが、これはちょっと目が覚める思いのワインです。
ワイナリー名は「スーパーナチュラル ワイン カンパニー」。その名の通り自然派のワイナリーでSO2も最小限しか使っていないとのことです。シュール・リーで12カ月熟成させており、リッチで複雑な味わい。とても3000円のワインとは思えないレベルです。
ペットナットもあり、こちらも旨味が爆発してとても美味しいです。飲みやすさでいえばこちらの方がおすすめかもしれません。
自然派のペットナットというと、ストルプマンが作る「コンブ」のシュナン・ブランもありました。こちらはちょっと癖のある味わい。自然派好きな人以外にはあまりおすすめしません。
ワイナリー名は「スーパーナチュラル ワイン カンパニー」。その名の通り自然派のワイナリーでSO2も最小限しか使っていないとのことです。シュール・リーで12カ月熟成させており、リッチで複雑な味わい。とても3000円のワインとは思えないレベルです。
ペットナットもあり、こちらも旨味が爆発してとても美味しいです。飲みやすさでいえばこちらの方がおすすめかもしれません。
自然派のペットナットというと、ストルプマンが作る「コンブ」のシュナン・ブランもありました。こちらはちょっと癖のある味わい。自然派好きな人以外にはあまりおすすめしません。
ナパのワイナリー、シェーファー(Shafer)ヴィンヤーズの創設者ジョン・シェーファーが2019年3月2日、94歳で亡くなりました(John Shafer, Founder of Shafer Vineyards, Dies at 94 | News | News & Features | Wine Spectator)。
ジョン・シェーファーはシカゴで出版業を営み、1972年、48歳のときにナパ・ヴァレーに来ました。シルバラード・トレイル沿いの斜面に畑を切り開き、当初は失敗したヴィンテージもあったものの、次第にスタイルを確立していきました。
1985年には近隣のスタッグス・リープ・ワイン・セラーズのウォーレン・ウィニアルスキなどとスタッグス・リープ・ディストリクトのAVA化を申請し、1989年に認められています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの最良の区画のブドウだけを使うヒルサイドセレクトがフラッグシップですが、シラーベースのリレントレスでもワイン・スペクテーターでワイン・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、さまざまな品種で優秀なワインを作っています。
1983年には息子のダグ・シェーファーを社長に据え、翌年にはワインメーカーのイライアス・フェルナンデスを雇い、以降この3人を中心にワイナリーを運営してきました。
写真はダグとイライアスとともに。
また、近年は慈善活動にも力を入れていたようです。
ご冥福をお祈りします。
ジョン・シェーファーはシカゴで出版業を営み、1972年、48歳のときにナパ・ヴァレーに来ました。シルバラード・トレイル沿いの斜面に畑を切り開き、当初は失敗したヴィンテージもあったものの、次第にスタイルを確立していきました。
1985年には近隣のスタッグス・リープ・ワイン・セラーズのウォーレン・ウィニアルスキなどとスタッグス・リープ・ディストリクトのAVA化を申請し、1989年に認められています。
カベルネ・ソーヴィニヨンの最良の区画のブドウだけを使うヒルサイドセレクトがフラッグシップですが、シラーベースのリレントレスでもワイン・スペクテーターでワイン・オブ・ザ・イヤーを獲得するなど、さまざまな品種で優秀なワインを作っています。
1983年には息子のダグ・シェーファーを社長に据え、翌年にはワインメーカーのイライアス・フェルナンデスを雇い、以降この3人を中心にワイナリーを運営してきました。
写真はダグとイライアスとともに。
また、近年は慈善活動にも力を入れていたようです。
ご冥福をお祈りします。
ナパ奇跡のぶどう畑 | ||||
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ソノマのロシアン・リバー・バレーの洪水で、セバストポールにあるパックス(Pax)のワイナリーに大きな被害が出ています。
パックスについては「生まれ変わったパックス、日本市場に堂々の復帰」で記事を書いています。
ここのワイナリー設備ではレイン(Raen)など、複数のワイナリーの醸造も行っています。現状、醸造済みのワイン自体の被害は報告されていませんが、施設にも浸水していることから、入れ替えが必要になる機材もあるのかもしれません。
また、テイスティングルームについては無期限でクローズとなっています。パックスは2017年の火事のときには、そこからの復興の基金をいち早く立ち上げるなどコミュニティにも貢献してきたことから、今回はパックスのために寄付をするサイトが立ち上がっています。
Fundraiser by Patrick T Cappiello : Pax Wines Flood Recovery
もちろん、彼のワインを飲むのもワイナリーのためになると思います。
パックスについては「生まれ変わったパックス、日本市場に堂々の復帰」で記事を書いています。
ここのワイナリー設備ではレイン(Raen)など、複数のワイナリーの醸造も行っています。現状、醸造済みのワイン自体の被害は報告されていませんが、施設にも浸水していることから、入れ替えが必要になる機材もあるのかもしれません。
また、テイスティングルームについては無期限でクローズとなっています。パックスは2017年の火事のときには、そこからの復興の基金をいち早く立ち上げるなどコミュニティにも貢献してきたことから、今回はパックスのために寄付をするサイトが立ち上がっています。
Fundraiser by Patrick T Cappiello : Pax Wines Flood Recovery
もちろん、彼のワインを飲むのもワイナリーのためになると思います。
ワイン・アドヴォケイトの最新241号で、コンティニュアム(Continuum)の垂直試飲の評価が出ています。
コンティニュアムはロバート・モンダヴィの次男ティム・モンダヴィと娘のマーシャがオーナーのワイナリー。ロバート・モンダヴィが自身の名前のついたワイナリーを売却した後、最後に手がけていたプロジェクトでもあります。当初はモンダヴィのトカロンのブドウを使っていましたが、プリチャード・ヒルの畑を購入後、そちらにシフトしていき、2012年以降は100%プリチャード・ヒルの自社畑のワインになっています。
ワイン・アドヴォケイトにおける2012年以降の評価を見ると97、98、97、97+、99。ヴィナスでは94、97、97、98+、94-97。
ちなみにオーパス・ワンの同時期の評価は96、97+、96、97+、97+。ヴィナスでは95、97、96、97、96+。どちらも非常にハイレベルで甲乙つけがたいところではありますが、現時点ではコンティニュアムの方が頂上に近づいている感じがあります。
また、2015年と2016年はどちらもカベルネ・ソーヴィニヨンの比率は46%と低く、カベルネ・フランが31%となっています。これも何度も書いていると思いますが、プリチャード・ヒル、特にその南側はカベルネ・フランが非常に素晴らしい場所。オーヴィッド(Ovid)やコルギン(Colgin)、また土壌に連続性があると言われているダラ・ヴァレ(Dalla Valle)でもカベルネ・フランが素晴らしいワインを生み出しており、コンティニュアムもその系譜に並びます。
国内の価格で見ると3万円台、税抜きでは2万円台のところもあるなどオーパス・ワンより1万~2万円程度安くなっています。知名度ではオーパス・ワンに負けるものの、実力的には勝るとも劣らないワイン、お買い得度ではかなり上回っています。
こちらは3月4日20時から1週間限定の価格。
こちらはレアな2011年から2015年の木箱入りセットです。
コンティニュアムはロバート・モンダヴィの次男ティム・モンダヴィと娘のマーシャがオーナーのワイナリー。ロバート・モンダヴィが自身の名前のついたワイナリーを売却した後、最後に手がけていたプロジェクトでもあります。当初はモンダヴィのトカロンのブドウを使っていましたが、プリチャード・ヒルの畑を購入後、そちらにシフトしていき、2012年以降は100%プリチャード・ヒルの自社畑のワインになっています。
ワイン・アドヴォケイトにおける2012年以降の評価を見ると97、98、97、97+、99。ヴィナスでは94、97、97、98+、94-97。
ちなみにオーパス・ワンの同時期の評価は96、97+、96、97+、97+。ヴィナスでは95、97、96、97、96+。どちらも非常にハイレベルで甲乙つけがたいところではありますが、現時点ではコンティニュアムの方が頂上に近づいている感じがあります。
また、2015年と2016年はどちらもカベルネ・ソーヴィニヨンの比率は46%と低く、カベルネ・フランが31%となっています。これも何度も書いていると思いますが、プリチャード・ヒル、特にその南側はカベルネ・フランが非常に素晴らしい場所。オーヴィッド(Ovid)やコルギン(Colgin)、また土壌に連続性があると言われているダラ・ヴァレ(Dalla Valle)でもカベルネ・フランが素晴らしいワインを生み出しており、コンティニュアムもその系譜に並びます。
国内の価格で見ると3万円台、税抜きでは2万円台のところもあるなどオーパス・ワンより1万~2万円程度安くなっています。知名度ではオーパス・ワンに負けるものの、実力的には勝るとも劣らないワイン、お買い得度ではかなり上回っています。
こちらは3月4日20時から1週間限定の価格。
こちらはレアな2011年から2015年の木箱入りセットです。
先日、ワイン・イン・スタイルさんの試飲会に参加したときの美味しかったワイン、興味深かったワインを紹介します。この日の目玉の一つはパックス(Pax)で、これだけは既に記事に書いています(生まれ変わったパックス、日本市場に堂々の復帰)。この記事ではシラーだけを取り上げていますが、シュナン・ブランもスパイシーさがあって、個人的にはこれまで飲んだ記憶のないような味わい。美味しかったです。
まずはニュー・カリフォルニア系から紹介します(たくさん試飲しているとだんだん舌が麻痺してくるので、繊細な味わいのニュー・カリフォルニア系から試飲することにしています)。
ロバート・モンダヴィの孫(コンティニュアムのティム・モンダヴィの息子)のダンテとカルロが作るピノ・ノワールとシャルドネのブランド「レイン」(Raen)です。シャルドネはここの試飲会では初めてかな? 旨味があっておいしいです。畑はフォートロス・シーヴューのチャールズ・ランチ。ヴィンテージは2017。
アルノー・ロバーツのシャルドネです。ナパのワトソン・ランチという畑。とてもきれいな味わい。価格もそれほど高くないのでトライしやすいところかと思います。ヴィンテージは2017。
アルノー・ロバーツ ワトソン シャルドネを検索する
もうひとつアルノー・ロバーツからカベルネ・ソーヴィニヨンです。エレガントなのですが凝縮感もあり、複雑な味わい。普通のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンとは大きく違うワインですが、とてもピュアなワインです。チョークヒルのクラジュー・ヴィンヤードという畑。2013年。
アルノー・ロバーツ カベルネ・ソーヴィニヨン クラジュー・ヴィンヤードを検索する
カンパイ・ワインズのヒノトリ・ロゼ2017。世界的にロゼが流行っているのですが、日本はなぜか流行から取り残されています。とはいえ、花見時期などはロゼを飲む一つのチャンスでしょうね。これは旨味があって飲みやすく、価格もそれほど高くないですからぜひ飲んでみてほしいワイン。
カンパイ・ワインズ ヒノトリ・ロゼを検索する
ウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨン2016。ニュー・カリフォルニアと分類されていますが、比較的果実味もあり、従来タイプのカベルネ・ソーヴィニヨンとの中間くらいに位置するワインです。うまみや複雑さもあり、2600円というのはかなり安いです。ニュー・カリフォルニアを敬遠している人にも飲んでみてほしいワイン。
ウルトラバイオレットを検索する
フェイラ(Failla)のシャルドネ。ソノマ・コースト2015とエステート・ヴィンヤードの2015。醸造にステンレスタンクのほかコンクリートタンクを使っているそう。最近コンクリートタンク使ったワイン増えていますが、ミネラルな感じなどがよりクリアに出てくる感じがします。ソノマ・コーストは旨味あり、エステートはとてもバランスのよい仕上がり。
フェイラのシャルドネを検索する
スパークリング・ワインのウルトラマリンが超絶人気のクルーズ・ワインからシャルドネです。シエラフットヒルズのローリックという畑。2017年。これ、美味しいです。すごくおすすめ。
クルーズ・ワイン ローリックを検索する
ここまでがニュー・カリフォルニア。
輸入元が変わったホール(Hall)。スタンダードなナパのカベルネ・ソーヴィニヨンははずさない味わい。ヴィンテージは2015。
ハーン(Hahn)のシャルドネ、モントレー・カウンティ2017。2580円というのはむちゃくちゃコスパいいです。この価格帯にしては非常にバランスのいいワイン。
ハーン シャルドネ モントレーを検索する
OZVというワイナリーは初めて試飲したと思います。ロウダイのジンファンデル2016年。これもコスパいいです(2450円)。ボトルもちょっとオシャレ感あります。
OZV ジンファンデルを検索する
フリーマンから「グロリア」と「アキコズ・キュベ」の2つのピノ・ノワール。ヴィンテージは2015年。こんなに美味しいピノ・ノワールを日本人が作っているというのは誇りに思っていいのではないかと思います。以前は購入したブドウが中心ですが、近年は自社畑に移行しつつあります。グロリアとユーキとありますが、ユーキはまだちょっと樹が若いかなという印象。グロリアの方が複雑性があります。美味しいなあと思っていたら、アキコズ・キュベはさらにワンランク上の美味しさでした。
フリーマン グロリアを検索する
フリーマン アキコズ・キュベを検索する
ハーン(Hahn)は今、ピノ・ノワールの一番安定して美味しいブランドの一つではないかと思います。どれもコストパフォーマンス高いです。フラッグシップのルシエンヌ(Lucienne)2016、その下のサンタ・ルシア・ハイランズAVAもの(SLH、2016年)もそれぞれの価格帯では最良のものの一つでしょう。
ハーン SLH ピノ・ノワールを検索する
ルシエンヌ ピノ・ノワールを検索する
最後に紹介するのはシルヴァラードのカベルネ・ソーヴィニヨン・エステート2015年。これもナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはかなりコスパ高いワイン。
シルヴァラード エステート カベルネを検索する
まずはニュー・カリフォルニア系から紹介します(たくさん試飲しているとだんだん舌が麻痺してくるので、繊細な味わいのニュー・カリフォルニア系から試飲することにしています)。
ロバート・モンダヴィの孫(コンティニュアムのティム・モンダヴィの息子)のダンテとカルロが作るピノ・ノワールとシャルドネのブランド「レイン」(Raen)です。シャルドネはここの試飲会では初めてかな? 旨味があっておいしいです。畑はフォートロス・シーヴューのチャールズ・ランチ。ヴィンテージは2017。
アルノー・ロバーツのシャルドネです。ナパのワトソン・ランチという畑。とてもきれいな味わい。価格もそれほど高くないのでトライしやすいところかと思います。ヴィンテージは2017。
アルノー・ロバーツ ワトソン シャルドネを検索する
もうひとつアルノー・ロバーツからカベルネ・ソーヴィニヨンです。エレガントなのですが凝縮感もあり、複雑な味わい。普通のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンとは大きく違うワインですが、とてもピュアなワインです。チョークヒルのクラジュー・ヴィンヤードという畑。2013年。
アルノー・ロバーツ カベルネ・ソーヴィニヨン クラジュー・ヴィンヤードを検索する
カンパイ・ワインズのヒノトリ・ロゼ2017。世界的にロゼが流行っているのですが、日本はなぜか流行から取り残されています。とはいえ、花見時期などはロゼを飲む一つのチャンスでしょうね。これは旨味があって飲みやすく、価格もそれほど高くないですからぜひ飲んでみてほしいワイン。
カンパイ・ワインズ ヒノトリ・ロゼを検索する
ウルトラバイオレットのカベルネ・ソーヴィニヨン2016。ニュー・カリフォルニアと分類されていますが、比較的果実味もあり、従来タイプのカベルネ・ソーヴィニヨンとの中間くらいに位置するワインです。うまみや複雑さもあり、2600円というのはかなり安いです。ニュー・カリフォルニアを敬遠している人にも飲んでみてほしいワイン。
ウルトラバイオレットを検索する
フェイラ(Failla)のシャルドネ。ソノマ・コースト2015とエステート・ヴィンヤードの2015。醸造にステンレスタンクのほかコンクリートタンクを使っているそう。最近コンクリートタンク使ったワイン増えていますが、ミネラルな感じなどがよりクリアに出てくる感じがします。ソノマ・コーストは旨味あり、エステートはとてもバランスのよい仕上がり。
フェイラのシャルドネを検索する
スパークリング・ワインのウルトラマリンが超絶人気のクルーズ・ワインからシャルドネです。シエラフットヒルズのローリックという畑。2017年。これ、美味しいです。すごくおすすめ。
クルーズ・ワイン ローリックを検索する
ここまでがニュー・カリフォルニア。
輸入元が変わったホール(Hall)。スタンダードなナパのカベルネ・ソーヴィニヨンははずさない味わい。ヴィンテージは2015。
ハーン(Hahn)のシャルドネ、モントレー・カウンティ2017。2580円というのはむちゃくちゃコスパいいです。この価格帯にしては非常にバランスのいいワイン。
ハーン シャルドネ モントレーを検索する
OZVというワイナリーは初めて試飲したと思います。ロウダイのジンファンデル2016年。これもコスパいいです(2450円)。ボトルもちょっとオシャレ感あります。
OZV ジンファンデルを検索する
フリーマンから「グロリア」と「アキコズ・キュベ」の2つのピノ・ノワール。ヴィンテージは2015年。こんなに美味しいピノ・ノワールを日本人が作っているというのは誇りに思っていいのではないかと思います。以前は購入したブドウが中心ですが、近年は自社畑に移行しつつあります。グロリアとユーキとありますが、ユーキはまだちょっと樹が若いかなという印象。グロリアの方が複雑性があります。美味しいなあと思っていたら、アキコズ・キュベはさらにワンランク上の美味しさでした。
フリーマン グロリアを検索する
フリーマン アキコズ・キュベを検索する
ハーン(Hahn)は今、ピノ・ノワールの一番安定して美味しいブランドの一つではないかと思います。どれもコストパフォーマンス高いです。フラッグシップのルシエンヌ(Lucienne)2016、その下のサンタ・ルシア・ハイランズAVAもの(SLH、2016年)もそれぞれの価格帯では最良のものの一つでしょう。
ハーン SLH ピノ・ノワールを検索する
ルシエンヌ ピノ・ノワールを検索する
最後に紹介するのはシルヴァラードのカベルネ・ソーヴィニヨン・エステート2015年。これもナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはかなりコスパ高いワイン。
シルヴァラード エステート カベルネを検索する
ワイン・アドヴォケイトの241号が発行され、日本酒で初めて100点が誕生しました。
100点を得たのは「十四代 双虹」。「エレガントで繊細。メロンや青リンゴ、白い花の香り。スムーズでシルキー」などとレビュワーのリーウェン・ワオは評しています。なお、ノンヴィンテージと書かれており、瓶詰め時期は明らかにしていません。
これまでは「獺祭その先へ」などの99点が最高でした。
100点を得たのは「十四代 双虹」。「エレガントで繊細。メロンや青リンゴ、白い花の香り。スムーズでシルキー」などとレビュワーのリーウェン・ワオは評しています。なお、ノンヴィンテージと書かれており、瓶詰め時期は明らかにしていません。
これまでは「獺祭その先へ」などの99点が最高でした。
大雨が降り続いている北カリフォルニア、ソノマのロシアン・リバーの下流ではついに堤防を越えてしまい、洪水になっています。特にガーナヴィル(Guerneville)の町は完全に孤立してしまっています。また、セバストポールの人気ショッピング施設「バーロウ」も水に浸かってしまいました。
人的被害は特に出ていないようですし、一両日中には水は引きそうではありますが、水に浸かってしまった畑など、問題が出ないのか心配なところです。
ソノマだけでなく、ナパでも道路の冠水などで通行止めになっているところも多いようです。
以下はインスタグラムから拾ってきた画像です。
人的被害は特に出ていないようですし、一両日中には水は引きそうではありますが、水に浸かってしまった畑など、問題が出ないのか心配なところです。
ソノマだけでなく、ナパでも道路の冠水などで通行止めになっているところも多いようです。
以下はインスタグラムから拾ってきた画像です。
パソ・ロブレスを有名ワイン産地にした立役者の一つがジャスティン。最近でこそシラーなどローヌ系品種で評価が高まっている同地域ですが、まずはジャスティンが芳醇でコストパフォーマンスの高いカベルネ系ワインを作ったのが人気の引き金でした。
そのジャスティンのトップ2ワインが、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたアイササリーズと、カベルネ・フランを主体としたジャスティフィケーション。今回、ジャスティフィケーションが終売になるとのことで、約4割引のセールになっています。税抜き6000円台は現地価格と比べてもさほど変わらない値段。
しかも2014 年はワイン・スペクテーターの2017年で年間トップ24 に選ばれるという、掛け値なしの素晴らしいワインです。お薦めです。
そのジャスティンのトップ2ワインが、カベルネ・ソーヴィニヨンを主体としたアイササリーズと、カベルネ・フランを主体としたジャスティフィケーション。今回、ジャスティフィケーションが終売になるとのことで、約4割引のセールになっています。税抜き6000円台は現地価格と比べてもさほど変わらない値段。
しかも2014 年はワイン・スペクテーターの2017年で年間トップ24 に選ばれるという、掛け値なしの素晴らしいワインです。お薦めです。
ソノマ市がダウンタウンにおけるテイスティング・ルームの数を制限することになりそうです(City of Sonoma Moves Closer to Limiting the Number of Tasting Rooms)。
ソノマの中心は「プラザ」と呼ばれる正方形の広場ですが、そこに沿ったところにあるテイスティング・ルームの数を25(1ブロックは2つまで)に制限することへのプランニング・コミッションでの投票は6対0で可決されました。
実際に有効になるにはまだ2回の投票が必要ですが、早ければ4月末にも有効になる見込みです。
現状はテイスティング・ルームが34あるとのことで、しばらくは猶予期間ということになりそうです。
ただ、小さいワイナリーにとっては人が集まるところにテイスティング・ルームを持つというのは重要なので、制限はすべきではないという意見もあり、今後揉める可能性もあるかもしれません。
ソノマの中心は「プラザ」と呼ばれる正方形の広場ですが、そこに沿ったところにあるテイスティング・ルームの数を25(1ブロックは2つまで)に制限することへのプランニング・コミッションでの投票は6対0で可決されました。
実際に有効になるにはまだ2回の投票が必要ですが、早ければ4月末にも有効になる見込みです。
現状はテイスティング・ルームが34あるとのことで、しばらくは猶予期間ということになりそうです。
ただ、小さいワイナリーにとっては人が集まるところにテイスティング・ルームを持つというのは重要なので、制限はすべきではないという意見もあり、今後揉める可能性もあるかもしれません。
2019年のプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションが現地時間の2月23日に開催され、落札総額は約370万ドルに達しました(The 2017 Napa Valley Vintage Makes a Graceful Debut at Premiere Napa Valley)。
6月に開催されるオークション・ナパ・ヴァレーがお祭り的であり、オークションへの出品もワインだけでなく、食事などイベント的な要素を含んでいるのに対し、プロ向けに開催するプルミエ・ナパ・ヴァレーでは、各ワイナリーがこのオークション用に専用に作ったワインだけを出品します。ラベルも毎年専用のものが用意されます。1ロットは60本から240本。それだけの希少なワインです。
今回出品されたワインの多く(72%)は2017年のもの。非常にすばらしい年とされている2016年と比べ、2017年は9月に40℃近くの暑い日が続くなど、やや厳しいコンディションでした。さらには10月の大火事で、未収穫のブドウについては煙の影響が懸念されていました。
今回のワインでは、2017年はフィネスとエレガンスがあると評されたそうです。
6月に開催されるオークション・ナパ・ヴァレーがお祭り的であり、オークションへの出品もワインだけでなく、食事などイベント的な要素を含んでいるのに対し、プロ向けに開催するプルミエ・ナパ・ヴァレーでは、各ワイナリーがこのオークション用に専用に作ったワインだけを出品します。ラベルも毎年専用のものが用意されます。1ロットは60本から240本。それだけの希少なワインです。
今回出品されたワインの多く(72%)は2017年のもの。非常にすばらしい年とされている2016年と比べ、2017年は9月に40℃近くの暑い日が続くなど、やや厳しいコンディションでした。さらには10月の大火事で、未収穫のブドウについては煙の影響が懸念されていました。
今回のワインでは、2017年はフィネスとエレガンスがあると評されたそうです。
娘の誕生祝いで、生まれ年のワインを開けました。1997年のゲイリー・ファレル ピノ・ノワール・ロキオリ・ヴィンヤードです。
ゲイリー・ファレルはソノマで最も尊敬されているワインメーカーと言われていた人。ゲイリー・ファレルを売却してからはアリシアンというワイナリーを作りましたが、現在はそちらも引退しています。
また、ロキオリはロシアン・リバー・ヴァレーを代表する銘醸畑ですが、ブドウの売り先はかなり限定しています。自社のロキオリ以外だと、ウィリアムズ・セリエム、ゲイリー・ファレル、アリシアンなどで、ゲイリー・ファレルがかかわったワイナリーが2つはいっているのもすごいことです。
さて、コルクこそだいぶ劣化していたもののワイン自体は健全でした。
20年以上たって、さすがに果実味はだいぶなくなっていますが、その代わりに獣っぽさがだいぶ出てきています。シルキーな舌触りでとてもなめらかなワイン。するする飲めてもったいないほど。久しぶりに「いいもん呑んだなあ:」と思いました。
ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるメリー・エドワーズがシャンパーニュハウスのルイ・ロデレールに売却されました。
メリー・エドワーズは1997年の設立。ロシアン・リバー・ヴァレーの6つの畑からの単一畑のピノ・ノワールやカリフォルニアトップクラスのソーヴィニヨン・ブランなどで人気を得ています。
創設者のメリー・エドワーズさんはUCバークレーで栄養学を学んだ後、ワインに興味を持ち、UCデービスで修士を得ました。女性のワインメーカー自体、ほとんどいなかった時代です。
卒業後はマウント・エデンに職を得て、その後、マタンザスクリークの立ち上げから携わり、メルローで人気を得ました。
メリー・エドワーズでは設立以来家族経営を続けていましたが、昨年新たにワインメーカーを雇い、自身は一線から退いた形になっていました。
今回はフィロソフィーが共通するとのことで、売却に至ったようです。
ルイ・ロデレールは1982年にメンドシーノにロデレール・エステートを設立してカリフォルニアに進出。その後、シャーフェンバーガー・セラーズ、ドメーヌ・アンダーソンの2つのワイナリーをカリフォルニアで買収しています。
メリー・エドワーズ夫妻は今年についてはワイナリーに残りますが、その後は離れることになりそうです。
メリー・エドワーズは1997年の設立。ロシアン・リバー・ヴァレーの6つの畑からの単一畑のピノ・ノワールやカリフォルニアトップクラスのソーヴィニヨン・ブランなどで人気を得ています。
創設者のメリー・エドワーズさんはUCバークレーで栄養学を学んだ後、ワインに興味を持ち、UCデービスで修士を得ました。女性のワインメーカー自体、ほとんどいなかった時代です。
卒業後はマウント・エデンに職を得て、その後、マタンザスクリークの立ち上げから携わり、メルローで人気を得ました。
メリー・エドワーズでは設立以来家族経営を続けていましたが、昨年新たにワインメーカーを雇い、自身は一線から退いた形になっていました。
今回はフィロソフィーが共通するとのことで、売却に至ったようです。
ルイ・ロデレールは1982年にメンドシーノにロデレール・エステートを設立してカリフォルニアに進出。その後、シャーフェンバーガー・セラーズ、ドメーヌ・アンダーソンの2つのワイナリーをカリフォルニアで買収しています。
メリー・エドワーズ夫妻は今年についてはワイナリーに残りますが、その後は離れることになりそうです。
天才と言われながら、数奇な運命でワイナリーが二転三転したワインメーカー、パックス・マーレ。現在は自身のブランドであるパックス(Pax)に専念する形になっています。
過去の経緯は「「パックス」に回帰する天才パックス・マーレ」をご覧になってください。
日本市場からもしばらく消えていた彼のワインですが、ワイン・イン・スタイルが輸入を再開するという驚きのアナウンス。早速試飲してきました。
今回入ってきたのはメンドシーノのシュナン・ブラン2016、ノース・コーストのシラー2017、ソノマ・ヒルサイズのシラー2017、カステッリ・ナイト・ランチのシラー2014の4種。シュナン・ブランもスパイシーでよかったのですが、個人的にはやはりソノマ・ヒルサイズとカステッリ・ナイト・ランチのシラーが頭一つ抜けている感じ。かつてのパックスは、パワフルで濃い作りでしたが、今はエレガントで酸も豊か。でも味わいはビシッと決まっており、「ニュー・カリフォルニア」なスタイルでありながら、ニュー・カリフォルニア・ファンでない人でも称賛できるワインになっています。
この2つも結構違っており、ソノマ・ヒルサイズは旨味と酸のバランスがよく、カステッリ・ナイト・ランチはよりスパイシー。個人的には後者の方が好みでしたが、どちらが好きかは良し悪しよりも好みの問題でしょう。
ちなみにソノマ・ヒルサイズの1ヴィンテージ前のものはアントニオ・ガッローニのヴィナスでなんと100点。カステッリ・ナイト・ランチの方は93点という高評価です。
しかもこのワイン、現地価格とほとんど変わらないというお買い得さ。カリフォルニアのシラーの新しい姿を味わってみてください。
過去の経緯は「「パックス」に回帰する天才パックス・マーレ」をご覧になってください。
日本市場からもしばらく消えていた彼のワインですが、ワイン・イン・スタイルが輸入を再開するという驚きのアナウンス。早速試飲してきました。
今回入ってきたのはメンドシーノのシュナン・ブラン2016、ノース・コーストのシラー2017、ソノマ・ヒルサイズのシラー2017、カステッリ・ナイト・ランチのシラー2014の4種。シュナン・ブランもスパイシーでよかったのですが、個人的にはやはりソノマ・ヒルサイズとカステッリ・ナイト・ランチのシラーが頭一つ抜けている感じ。かつてのパックスは、パワフルで濃い作りでしたが、今はエレガントで酸も豊か。でも味わいはビシッと決まっており、「ニュー・カリフォルニア」なスタイルでありながら、ニュー・カリフォルニア・ファンでない人でも称賛できるワインになっています。
この2つも結構違っており、ソノマ・ヒルサイズは旨味と酸のバランスがよく、カステッリ・ナイト・ランチはよりスパイシー。個人的には後者の方が好みでしたが、どちらが好きかは良し悪しよりも好みの問題でしょう。
ちなみにソノマ・ヒルサイズの1ヴィンテージ前のものはアントニオ・ガッローニのヴィナスでなんと100点。カステッリ・ナイト・ランチの方は93点という高評価です。
しかもこのワイン、現地価格とほとんど変わらないというお買い得さ。カリフォルニアのシラーの新しい姿を味わってみてください。
カリフォルニアワイン協会が4回シリーズのカリフォルニアワイン・セミナーを開きます。5、6種類の試飲ワインがあって1回6480円と格安です。すでに1回目はキャンセル待ち、2回目も満席が近づいています。
カリフォルニアワインの今を知る[全4回] | ワイン | キャプラン株式会社
会場は南青山のキャプランワインアカデミー。講師はJSA認定シニアソムリエの松木リエ氏。
第1回 2019年2月28日(木)白ワイン・代表品種の魅力を知る
第2回 2019年3月25日(月)赤ワイン・大人気の国際品種たち
第3回 2019年4月15日(月)マイナーだけど今大注目の品種
第4回 2019年5月20日(月)スパークリング・ワイン&ニュー・カリフォルニア
カリフォルニアワインの今を知る[全4回] | ワイン | キャプラン株式会社
会場は南青山のキャプランワインアカデミー。講師はJSA認定シニアソムリエの松木リエ氏。
第1回 2019年2月28日(木)白ワイン・代表品種の魅力を知る
第2回 2019年3月25日(月)赤ワイン・大人気の国際品種たち
第3回 2019年4月15日(月)マイナーだけど今大注目の品種
第4回 2019年5月20日(月)スパークリング・ワイン&ニュー・カリフォルニア
昨日セミナーの記事で紹介した、モーガン・トゥワイン・ピーターソンのアンダー・ザ・ワイヤー、ベッドロック、ジョエル・ピーターソンのワンス・アンド・フューチャーからのお薦めワインです。
カリフォルニア版グロワーズ・スパークリングワインのアンダー・ザ・ワイヤーです。ぎりぎりまで収穫を遅らせて果実の風味を入れています。
ベッドロックのオールド・ヴァインズ、ジンファンデルは「名刺代わり」というお買い得品。ワンランク上のジンファンデルの世界を知りたい方に。
そしてこちらは単一畑のヘリテージシリーズの代表作。自社畑で、モーガンのマスター・オブ・ワインの論文は、この畑の「フィールド・ブレンド」の分析でした。大学では歴史を勉強していたモーガンの本領が発揮されました。
ワンス・アンド・フューチャーのベッドロック。同じ畑でありながらここまで表現が違うのも面白いです。ぜひ上のワインと飲み比べてください。
そして、レイヴェンズウッドで「ノー・ウィンピー・ワイン」を標榜していたジョエル・ピーターソンらしさが爆発したワインがこちらのプチシラー。ガツンとくるワインが飲みたい方に。
カリフォルニア版グロワーズ・スパークリングワインのアンダー・ザ・ワイヤーです。ぎりぎりまで収穫を遅らせて果実の風味を入れています。
ベッドロックのオールド・ヴァインズ、ジンファンデルは「名刺代わり」というお買い得品。ワンランク上のジンファンデルの世界を知りたい方に。
そしてこちらは単一畑のヘリテージシリーズの代表作。自社畑で、モーガンのマスター・オブ・ワインの論文は、この畑の「フィールド・ブレンド」の分析でした。大学では歴史を勉強していたモーガンの本領が発揮されました。
ワンス・アンド・フューチャーのベッドロック。同じ畑でありながらここまで表現が違うのも面白いです。ぜひ上のワインと飲み比べてください。
そして、レイヴェンズウッドで「ノー・ウィンピー・ワイン」を標榜していたジョエル・ピーターソンらしさが爆発したワインがこちらのプチシラー。ガツンとくるワインが飲みたい方に。
レイヴェンズウッドの創設者でジンファンデルのゴッドファーザーと呼ばれるジョエル・ピーターソンと、その息子でベッドロックのワインメーカーであり、マスター・オブ・ワインでもあるモーガン・トゥワイン・ピーターソン、そしてモーガンの相棒であるクリス・コトレルが来日、セミナーを開催しました。モーガンとジョエルが親子で来日してセミナーを開催するのは初めてです。
ジョエル・ピーターソン
まずはクリス・コトレルが、モーガンとともに作るスパークリングワインのプロジェクト「アンダー・ザ・ワイヤー」を説明しました。カリフォルニアには大量生産型の優秀なスパークリングワインのプロデューサーはたくさんありますが、シャンパーニュにおけるグロワー・シャンパーニュに相当するものを作ろうとして始めたのがアンダー・ザ・ワイヤーです。スパークリングワインは一般にノン・ヴィンテージで作られるのに対し、アンダー・ザ・ワイヤーではシングル・ヴィンテージ、シングル・ヴィンヤード、シングル・ヴァラエタルでテロワールを表現しようとしています。
試飲のワインはスパークリング・シャルドネ・ブロッソー・ヴィンヤード2014。ブロッソー・ヴィンヤードはシャローンの畑。標高540mくらいのところにある畑で1980年に植樹。石灰岩と花崗岩の地層に接ぎ木なしで植えられており、灌漑もしないというユニークなところです。スパークリング・ワインのブドウは収穫時期が少しでも遅れるとアルコール度数が高くなり、うまくスパークリング・ワインになりません。ナパなどでは7月に収穫を始めたこともあるほどです。しかし、アンダー・ザ・ワイヤーではブドウのフレーバーを引き出すために収穫をぎりぎりまで遅くしています。アンダー・ザ・ワイヤーという名前はギリギリを狙うという意味で付けています。
醸造はステンレスタンクで天然酵母を使い、その後中古の樽で半年熟成、ボトル詰めします。ティラージュやデゴルジュマンといったスパークリング・ワイン特有の工程はすべて手作業で作っています。
石灰岩が酸やフレッシュさを与え、花崗岩が旨味を与えるとのこと。鮮烈な酸に軽いイースト香、スパイス感もあっておいしいスパークリング・ワイン。
なお、ウルトラマリンで大人気のマイケル・クルーズとは同じ場所で醸造しているとのこと。スパークリング・ワインとしての方向性は異なるものの仲良くやっているそうです。
クリス・コトレル
その次はベッドロック。モーガンはカリフォルニアのワインメーカーとしては初めてマスター・オブ・ワインを得た人。樹齢50年を超える畑のブドウにこだわり、畑の保全にも積極的に携わっています。
モーガン・ピーターソン
まず最初はリースリング。1963年に植えられたカリフォルニアでは非常に珍しいリースリングの古木です。ウィルツ・ヴィンヤードという畑はカレラのあるマウント・ハーランのすぐ南で、前述のシャローンとも山の反対側という位置関係。ここも石灰岩のある土地です。ドライなリースリングで白い花の香り。スパイシーさもあります。カリフォルニアでは貴重な味わいのワイン。
次はオールド・ヴァイン・ジンファンデル2017。ベッドロックの「名刺代わり」のワインで、モーガン自ら「いちばん大事なワイン」と呼ぶワインです。さまざまな畑のブドウをブレンドしています。ベッドロックの単一畑のワインは、生産量が少なく、入手困難なものも少なくありませんが、これだけは価格が安い上に生産量も多く、買おうと思えば買えるワインになっています。かといって品質が低いわけではなく、むしろ価格から見たら信じられないほどのレベルです。
カリフォルニアの古木の畑は実はかなり危機的な状況にあり、毎年数が減っていっています。手間がかかる上に生産量がすくなく売るのも難しいため、植え替えの対象になりやすいのです。ベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデルが売れることで、そういった畑のブドウをより多く購入して、畑の保全にもつながるとのこと。また、多くの地域のブドウをブレンドすることで、ヴィンテージの違いも吸収できるそうです。平均樹齢は約80年。
個人的にもことあるごとにおすすめしているこのワイン。特にこれまでジンファンデルを敬遠している人に飲んでほしいと思います。この価格でこれだけの複雑さを持つワインはそうそうありません。
醸造はオープンタンクで、アルコール度数を適度にするためにポンプオーバーで混ぜているとのこと。大樽で10カ月熟成。新樽率は10%。
今回は2017年を試飲。先日中川ワインの試飲会でも味わっていますが、香りは甘く、キャンディのようなアロマがありますが、味わいは甘さよりも複雑さが目立ち、ストラクチャーもしっかりとしていて、酸もきれいです。ミディアム・ボディでバランスもよくおいしいワイン。
ベッドロックの3つ目はベッドロック・ヴィンヤード・ヘリテージ・レッド・ワイン2017。ソノマにある自社畑のベッドロック・ヴィンヤードの単一畑もので、ジンファンデルは55%と比較的低く、カリニャンが15%、マタロが10%。その他24品種が20%を占めています。2016年のものはワイン・スペクテーターで95点という高評価。年間10位に選ばれています。この発表の後は、電話がなりやまずあっという間に売り切れてしまったとのこと。
カシスの風味。フルボディで酸とパワーとのバランスが素晴らしいワイン。ブラックペッパーなどのスパイスもここちよく、フィニッシュも長い。さすがのレベルです。
最後はジョエル・ピーターソンが68歳から始めた新しいプロジェクト「ワンス・アンド・フューチャー」です。
レイヴェンズウッドでは最高年間100万ケースものワインを作っていたというジョエル・ピーターソン。カリフォルニアで作られるジンファンデルの1/4くらいを作っていたこともあったようです。ただ、ワインメーカーといっても自身の手が果汁で紫に染まることもなくなり、「幸せ」について考えたときにまた、一からワインを作りたいと思って始めたのがワンス・アンド・フューチャーです。今は孫(モーガンの姉の子供)がワインづくりを手伝っているとのこと。
ここの作りは新樽率は30%程度。
最初は、ワンス&フューチャーのジンファンデル・ベッドロック。ヴィンヤード2016。モーガンが所有する畑のブドウを使ったもの。非常にパワフル。ブルーベリーやブラックベリーなどの果実味が豊かで味の広がりが素晴らしい。一つ前のワインと同じ畑でありながら方向性が違うワインです。
最後はワンス&フューチャーのプティ・シラー・パリセーズ。ヴィンヤード。
非常にパワフルでタニック。酸がしっかりとしており、全体としてのバランスが見事。とても魅力的なワイン。
父ジョエルの作るワインの方が全体的に陽性の味わい。一方、モーガンの作るワインは複雑で、じっくりと味わいたい感じです。
また、今回3人がとても仲が良いのがうかがえて、とても楽しいセミナーでもありました。例えば、父ジョエルは10歳からワインを味わっていたといいますが、モーガンがワインを作り始めたのはなんと5歳のとき。その5歳の差が、モーガンがマスター・オブ・ワインを取れて、自分は取れなかった理由ではないか、などと言っていました。ジョエルは自らを「FMW=father of master of wine」などと名乗っているそうです。
大学では歴史を勉強していたモーガンがワインメーカーになるのは、心配もあったようですが、その姿がジョエルにまた新しい挑戦を始めさせたきっかけにもなったわけです。自ら手を汚しながらワインを作ることが本当に楽しそうなジョエルに、一つの理想的な親子関係を感じました。
ジョエル・ピーターソン
まずはクリス・コトレルが、モーガンとともに作るスパークリングワインのプロジェクト「アンダー・ザ・ワイヤー」を説明しました。カリフォルニアには大量生産型の優秀なスパークリングワインのプロデューサーはたくさんありますが、シャンパーニュにおけるグロワー・シャンパーニュに相当するものを作ろうとして始めたのがアンダー・ザ・ワイヤーです。スパークリングワインは一般にノン・ヴィンテージで作られるのに対し、アンダー・ザ・ワイヤーではシングル・ヴィンテージ、シングル・ヴィンヤード、シングル・ヴァラエタルでテロワールを表現しようとしています。
試飲のワインはスパークリング・シャルドネ・ブロッソー・ヴィンヤード2014。ブロッソー・ヴィンヤードはシャローンの畑。標高540mくらいのところにある畑で1980年に植樹。石灰岩と花崗岩の地層に接ぎ木なしで植えられており、灌漑もしないというユニークなところです。スパークリング・ワインのブドウは収穫時期が少しでも遅れるとアルコール度数が高くなり、うまくスパークリング・ワインになりません。ナパなどでは7月に収穫を始めたこともあるほどです。しかし、アンダー・ザ・ワイヤーではブドウのフレーバーを引き出すために収穫をぎりぎりまで遅くしています。アンダー・ザ・ワイヤーという名前はギリギリを狙うという意味で付けています。
醸造はステンレスタンクで天然酵母を使い、その後中古の樽で半年熟成、ボトル詰めします。ティラージュやデゴルジュマンといったスパークリング・ワイン特有の工程はすべて手作業で作っています。
石灰岩が酸やフレッシュさを与え、花崗岩が旨味を与えるとのこと。鮮烈な酸に軽いイースト香、スパイス感もあっておいしいスパークリング・ワイン。
なお、ウルトラマリンで大人気のマイケル・クルーズとは同じ場所で醸造しているとのこと。スパークリング・ワインとしての方向性は異なるものの仲良くやっているそうです。
クリス・コトレル
その次はベッドロック。モーガンはカリフォルニアのワインメーカーとしては初めてマスター・オブ・ワインを得た人。樹齢50年を超える畑のブドウにこだわり、畑の保全にも積極的に携わっています。
モーガン・ピーターソン
まず最初はリースリング。1963年に植えられたカリフォルニアでは非常に珍しいリースリングの古木です。ウィルツ・ヴィンヤードという畑はカレラのあるマウント・ハーランのすぐ南で、前述のシャローンとも山の反対側という位置関係。ここも石灰岩のある土地です。ドライなリースリングで白い花の香り。スパイシーさもあります。カリフォルニアでは貴重な味わいのワイン。
次はオールド・ヴァイン・ジンファンデル2017。ベッドロックの「名刺代わり」のワインで、モーガン自ら「いちばん大事なワイン」と呼ぶワインです。さまざまな畑のブドウをブレンドしています。ベッドロックの単一畑のワインは、生産量が少なく、入手困難なものも少なくありませんが、これだけは価格が安い上に生産量も多く、買おうと思えば買えるワインになっています。かといって品質が低いわけではなく、むしろ価格から見たら信じられないほどのレベルです。
カリフォルニアの古木の畑は実はかなり危機的な状況にあり、毎年数が減っていっています。手間がかかる上に生産量がすくなく売るのも難しいため、植え替えの対象になりやすいのです。ベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデルが売れることで、そういった畑のブドウをより多く購入して、畑の保全にもつながるとのこと。また、多くの地域のブドウをブレンドすることで、ヴィンテージの違いも吸収できるそうです。平均樹齢は約80年。
個人的にもことあるごとにおすすめしているこのワイン。特にこれまでジンファンデルを敬遠している人に飲んでほしいと思います。この価格でこれだけの複雑さを持つワインはそうそうありません。
醸造はオープンタンクで、アルコール度数を適度にするためにポンプオーバーで混ぜているとのこと。大樽で10カ月熟成。新樽率は10%。
今回は2017年を試飲。先日中川ワインの試飲会でも味わっていますが、香りは甘く、キャンディのようなアロマがありますが、味わいは甘さよりも複雑さが目立ち、ストラクチャーもしっかりとしていて、酸もきれいです。ミディアム・ボディでバランスもよくおいしいワイン。
ベッドロックの3つ目はベッドロック・ヴィンヤード・ヘリテージ・レッド・ワイン2017。ソノマにある自社畑のベッドロック・ヴィンヤードの単一畑もので、ジンファンデルは55%と比較的低く、カリニャンが15%、マタロが10%。その他24品種が20%を占めています。2016年のものはワイン・スペクテーターで95点という高評価。年間10位に選ばれています。この発表の後は、電話がなりやまずあっという間に売り切れてしまったとのこと。
カシスの風味。フルボディで酸とパワーとのバランスが素晴らしいワイン。ブラックペッパーなどのスパイスもここちよく、フィニッシュも長い。さすがのレベルです。
最後はジョエル・ピーターソンが68歳から始めた新しいプロジェクト「ワンス・アンド・フューチャー」です。
レイヴェンズウッドでは最高年間100万ケースものワインを作っていたというジョエル・ピーターソン。カリフォルニアで作られるジンファンデルの1/4くらいを作っていたこともあったようです。ただ、ワインメーカーといっても自身の手が果汁で紫に染まることもなくなり、「幸せ」について考えたときにまた、一からワインを作りたいと思って始めたのがワンス・アンド・フューチャーです。今は孫(モーガンの姉の子供)がワインづくりを手伝っているとのこと。
ここの作りは新樽率は30%程度。
最初は、ワンス&フューチャーのジンファンデル・ベッドロック。ヴィンヤード2016。モーガンが所有する畑のブドウを使ったもの。非常にパワフル。ブルーベリーやブラックベリーなどの果実味が豊かで味の広がりが素晴らしい。一つ前のワインと同じ畑でありながら方向性が違うワインです。
最後はワンス&フューチャーのプティ・シラー・パリセーズ。ヴィンヤード。
非常にパワフルでタニック。酸がしっかりとしており、全体としてのバランスが見事。とても魅力的なワイン。
父ジョエルの作るワインの方が全体的に陽性の味わい。一方、モーガンの作るワインは複雑で、じっくりと味わいたい感じです。
また、今回3人がとても仲が良いのがうかがえて、とても楽しいセミナーでもありました。例えば、父ジョエルは10歳からワインを味わっていたといいますが、モーガンがワインを作り始めたのはなんと5歳のとき。その5歳の差が、モーガンがマスター・オブ・ワインを取れて、自分は取れなかった理由ではないか、などと言っていました。ジョエルは自らを「FMW=father of master of wine」などと名乗っているそうです。
大学では歴史を勉強していたモーガンがワインメーカーになるのは、心配もあったようですが、その姿がジョエルにまた新しい挑戦を始めさせたきっかけにもなったわけです。自ら手を汚しながらワインを作ることが本当に楽しそうなジョエルに、一つの理想的な親子関係を感じました。
しあわせワイン倶楽部が決算セールを開催しています。レアムやヴェリテなどレアなワインもありますが、僕が注目したのはクロ・デュ・ヴァルの蔵出し古酒。20年前後の熟成で、ちょうど飲み頃になっているのではないかと思います。
クロ・デュ・ヴァルは1976年の「パリスの審判」にも出場したナパでは歴史あるワイナリー。クラシックな作りに定評があります。果実味を前面に押し出さないスタイルは、熟成向きでもあります。
その他の決算セールはこちら
クロ・デュ・ヴァルは1976年の「パリスの審判」にも出場したナパでは歴史あるワイナリー。クラシックな作りに定評があります。果実味を前面に押し出さないスタイルは、熟成向きでもあります。
その他の決算セールはこちら
キュペ(Qupe)の創設者でサンタ・バーバラにおけるローヌ系品種のパイオニアであるボブ・リンドキストがワイナリーを離れて新しいワイナリーを立ち上げることが判明しました(All change for Qupé and the Lindquists | Articles | JancisRobinson.com)。
ボブ・リンドキストはザカ・メサで働いた後、1982年にキュペを立ち上げ。ビエン・ナシード・ヴィンヤードの横に旧友のジム・クレンデネン(オー・ボン・クリマ)と共同でワイナリーを立ち上げました。
ボブ・リンドキストは2013年にスクリーミング・イーグルのオーナーだったチャールズ・バンクスのテロワール・ライフにワイナリーを売却、その後もワインメーカーとしてキュペに残りましたが、チャールズ・バンクスが詐欺で収監され、テロワール・ライフは機能不全状態に陥りました。その結果、キュペは2018年暮れにヴィンテージ・ワイン・エステートに売却され、同じくヴィンテージ・ワイン傘下に入ったレティシア(Laetitia)とともにサン・ルイ・オビスポに移転することになりました。
ボブ・リンドキストはワイナリーを離れ、2017年に始めたリンドキスト・ファミリー・ヴィンヤードに専念します。ローヌ品種の少量生産で、これまで通りビエン・ナシードの裏のワイナリーで作り続けるとのことです。
ボブ・リンドキストはザカ・メサで働いた後、1982年にキュペを立ち上げ。ビエン・ナシード・ヴィンヤードの横に旧友のジム・クレンデネン(オー・ボン・クリマ)と共同でワイナリーを立ち上げました。
ボブ・リンドキストは2013年にスクリーミング・イーグルのオーナーだったチャールズ・バンクスのテロワール・ライフにワイナリーを売却、その後もワインメーカーとしてキュペに残りましたが、チャールズ・バンクスが詐欺で収監され、テロワール・ライフは機能不全状態に陥りました。その結果、キュペは2018年暮れにヴィンテージ・ワイン・エステートに売却され、同じくヴィンテージ・ワイン傘下に入ったレティシア(Laetitia)とともにサン・ルイ・オビスポに移転することになりました。
ボブ・リンドキストはワイナリーを離れ、2017年に始めたリンドキスト・ファミリー・ヴィンヤードに専念します。ローヌ品種の少量生産で、これまで通りビエン・ナシードの裏のワイナリーで作り続けるとのことです。
ハーラン・エステートの中で、比較的安価で流通しているのが、ボンドのメイトリアークと、今回紹介する「ザ・マスコット」。メイトリアークがボンドの単一畑に入らなかったブドウのブレンドであるのに対し、こちらはハーラン・エステート、ボンド、そしてハーラン系最新のプロジェクトであるプロモントリーすべてから若木のブドウを使ったものとなっています。
また、こちらは創設者ビル・ハーラン氏の息子ウィル・ハーラン氏が最初に手がけたワインでもあり、まさにハーランに加わった新しい子供というような位置づけのワインです。
新ヴィンテージの2013はワイン・アドヴォケイトでハーランとボンドのヴェシーナ、プルリバスが100点、プロモントリーが99点と極めて高く評価されているヴィンテージ。2010年台でもベスト・ヴィンテージの一つです。
なお、日本に輸入される量はかなり少ないようです。
ハーラン系で一番安いのはまだメイトリアークのようです。2014年も出ていますが、2013年はワイン・アドヴォケイトで95点とメイトリアークとしては過去最高の評価です。
また、こちらは創設者ビル・ハーラン氏の息子ウィル・ハーラン氏が最初に手がけたワインでもあり、まさにハーランに加わった新しい子供というような位置づけのワインです。
新ヴィンテージの2013はワイン・アドヴォケイトでハーランとボンドのヴェシーナ、プルリバスが100点、プロモントリーが99点と極めて高く評価されているヴィンテージ。2010年台でもベスト・ヴィンテージの一つです。
なお、日本に輸入される量はかなり少ないようです。
ハーラン系で一番安いのはまだメイトリアークのようです。2014年も出ていますが、2013年はワイン・アドヴォケイトで95点とメイトリアークとしては過去最高の評価です。
ナパヴァレー・ヴィントナーズは2019年2月4日から3月17日に、東京・六本木の六本木ミッドタウン内に位置するアメリカンスタイルレストラン「ユニオンスクエア東京」にて、期間限定でアメリカ・ベイエリアで人気のシェアスタイル料理と、ナパヴァレーワインを気軽に楽しめるWine Bites(ワインバイツ)を開催しています。
写真はイメージです。
シェアスタイルというのは大皿を分け合うようなスタイルの料理を出す店という意味らしく、最近人気なのだそうです。今回のイベントでは料理4種とワイン2つを楽しめるそうです。
内容は:
前菜メニュー詳細:
・本マグロのカルパッチョ 柚子ホイップ
・温かい牡蠣、麹バター
・インカ芋のトストーン、海苔風味
・ソーセージ&マスタード
ワイン:
(白)ロング・メドウ・ランチ ソーヴィニヨンブラン
(赤)シレノス・ワイナリー メルロ
価格:3500円(税金・サービス料別)
だそうです。
ワインはどちらも中堅どころといっていいでしょうか。ロング・メドウ・ランチはその名の通り、牧場を兼ねた畑で有機栽培をしています。
シレノスは日本ひいきとしても知られているワイナリーで、日本人の中村さんが作るノリアも、シレノスで醸造しています。ここのメルローはかなりエレガントで美味しいです。
時間があったら行ってみたいです。
写真はイメージです。
シェアスタイルというのは大皿を分け合うようなスタイルの料理を出す店という意味らしく、最近人気なのだそうです。今回のイベントでは料理4種とワイン2つを楽しめるそうです。
内容は:
前菜メニュー詳細:
・本マグロのカルパッチョ 柚子ホイップ
・温かい牡蠣、麹バター
・インカ芋のトストーン、海苔風味
・ソーセージ&マスタード
ワイン:
(白)ロング・メドウ・ランチ ソーヴィニヨンブラン
(赤)シレノス・ワイナリー メルロ
価格:3500円(税金・サービス料別)
だそうです。
ワインはどちらも中堅どころといっていいでしょうか。ロング・メドウ・ランチはその名の通り、牧場を兼ねた畑で有機栽培をしています。
シレノスは日本ひいきとしても知られているワイナリーで、日本人の中村さんが作るノリアも、シレノスで醸造しています。ここのメルローはかなりエレガントで美味しいです。
時間があったら行ってみたいです。
カレラの創設者ジョシュ・ジェンセンと現在のワインメーカーであるマイク・ウォーラーが来日し、雑誌「ワイン王国」とコラボしたセミナーが開かれました。ワイン王国の「ただいま!から20分でおうちワイン」で料理を担当する沢樹舞さんが、カレラのワインに合わせた料理を作り、それとのマリアージュを楽しむというイベントです。
ジョシュ・ジェンセン氏。現在はワイナリーをダックホーンに売却してしまったため、創設者という立場です。
2009年からワインメーカーをつとめるマイク・ウォーラー氏。ワイン造りの基本メソッドはジョシュ・ジェンセン氏時代と変わっていません。
ワインはセントラル・コーストのシャルドネとピノ・ノワール2015年とジョシュ・ジェンセン・セミナーのシャルドネとピノ・ノワール2016年。また最後にライアンの2012年を試飲しました。
料理は、シャルドネに合わせたのがグラタンフィーノワ、野菜肉巻きフライ(菜の花と新生姜)、蟹とネギとオレンジのピンチョスの3品。ピノ・ノワールに合わせたのが鴨スモークとイチゴのピンチョス、四川風麻婆豆腐、トマトのすき焼きの3品。
手前の3品がシャルドネに合わせた料理です。
シャルドネはグラタンのまったりとした風味にもよく合いますし、フライともいいマッチングでした。ピノ・ノワールは四川風麻婆豆腐や、トマトのすき焼きに入っていた山椒の風味とよく合います。そういえば「神の雫~マリアージュ」で麻婆豆腐に合わせていたのもカリフォルニアのピノ・ノワールでした。特にすき焼きは、ワインメーカーのマイク・ウォーラー氏絶賛でした。
トマトすき焼きを調理する沢樹舞さん
さて、今回のワインのセントラル・コーストは、自社の畑でなく購入したブドウで作っているワインですが、品質は非常によくなってきています。例えばピノ・ノワールで見ると2007年以降、ワイン・アドヴォケイトで90点を切ったことがありません。それもそのはずで、実は使っている畑は一流のところが多いのです。サンタ・バーバラのビエン・ナシードやシエラ・マードレ(シャルドネ、ピノ・ノワールとも)、ピノ・ノワールのソロモン・ヒルズ、シャルドネのタリー、etc。単一畑のワインになってもおかしくないような畑ばかりです。ジョシュ・ジェンセン氏によると、畑のブドウの木が成熟して根を深く張ったことにより品質が上がったのだろうとのことでした。また、セントラル・コーストのワインも自社畑のワインと同様、天然酵母で醸造しているとのことでした。ただ、新樽率は10%程度と自社畑の15%程度より低くなっています。
そして、今回明らかになったのが、日本オリジナルのキュベであるジョシュ・ジェンセン・セレクションの作り方。セントラル・コーストのワインに自社畑のワインを少しブレンドして作っているのかと思っていましたが、だいぶ違いました。
カレラにとって日本は最大の輸出国であり、多いときは4割ものワインが日本向けになると聞いていますが、ジョシュ・ジェンセン・セレクションもその日本に向けたワインなので、セントラル・コーストのワインと並行してブレンドを決めていっているのだそうです。
特にシャルドネの場合は、和食に合わせることを意識して、セントラル・コーストと比べて酸がしっかりとしたブレンドに仕上げているとのこと。シャルドネは自社畑のワインはピノ・ノワールと比べて少ないので、ブレンドは3%程度にとどまっています(入らないときもあります)。
一方、ピノ・ノワールの場合は自社畑の生産量もそこそこありますから、そちらが豊作かどうかによって、ジョシュ・ジェンセン・セレクションに回せる量が変わります。そこが味のベースになっているとのこと。例えば今回試飲した2016年でいうと17%も自社畑のブドウが使われています。
実売価格でいうとジョシュ・ジェンセン・セレクションの方が数百円高くなっていると思いますが、実際にはセントラル・コースト自体のクオリティも高いので、品質的な差はそれほどなく、個性の違いと感じられました。
シャルドネのセントラル・コーストは柑橘系の味わいに軽くバニラの風味。非常にバランスよく美味しく飲めるワインです。一方、ジョシュ・ジェンセン・セレクションは確かに酸がきれいでミネラルを感じる作りでした。
ピノ・ノワールのセントラル・コーストはダークなフルーツとスパイスが効いたワインで、酸はおだやかですが深みもあります。一方、ジョシュ・ジェンセン・セレクションはもう少し赤系のフルーツが多く、また複雑さもかなりあります。カレラの自社畑はわりとダークなフルーツのイメージがありますから、ブラインドで飲んだら、セントラル・コーストの方をジョシュ・ジェンセン・セレクションだと思ったのではないかと思います。セントラル・コーストのクオリティの高さにはちょっと驚きました。とはいえ、最後に試飲した自社畑のライアン2012はやはりだいぶ格上の味わいでしたが。
先月、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでカレラを取り上げましたが、試飲ワインは自社畑のものだけだったので、今回のようにセントラル・コースト系をじっくり味わうのは、これはこれで貴重な経験でしたし、あらためてこの普及ラインの品質の高さを感じました。
ボトル写真、ジョシュ・ジェンセン・セレクションのシャルドネが抜けてしまっています。まあご愛嬌ということで。
ジョシュ・ジェンセン氏。現在はワイナリーをダックホーンに売却してしまったため、創設者という立場です。
2009年からワインメーカーをつとめるマイク・ウォーラー氏。ワイン造りの基本メソッドはジョシュ・ジェンセン氏時代と変わっていません。
ワインはセントラル・コーストのシャルドネとピノ・ノワール2015年とジョシュ・ジェンセン・セミナーのシャルドネとピノ・ノワール2016年。また最後にライアンの2012年を試飲しました。
料理は、シャルドネに合わせたのがグラタンフィーノワ、野菜肉巻きフライ(菜の花と新生姜)、蟹とネギとオレンジのピンチョスの3品。ピノ・ノワールに合わせたのが鴨スモークとイチゴのピンチョス、四川風麻婆豆腐、トマトのすき焼きの3品。
手前の3品がシャルドネに合わせた料理です。
シャルドネはグラタンのまったりとした風味にもよく合いますし、フライともいいマッチングでした。ピノ・ノワールは四川風麻婆豆腐や、トマトのすき焼きに入っていた山椒の風味とよく合います。そういえば「神の雫~マリアージュ」で麻婆豆腐に合わせていたのもカリフォルニアのピノ・ノワールでした。特にすき焼きは、ワインメーカーのマイク・ウォーラー氏絶賛でした。
トマトすき焼きを調理する沢樹舞さん
さて、今回のワインのセントラル・コーストは、自社の畑でなく購入したブドウで作っているワインですが、品質は非常によくなってきています。例えばピノ・ノワールで見ると2007年以降、ワイン・アドヴォケイトで90点を切ったことがありません。それもそのはずで、実は使っている畑は一流のところが多いのです。サンタ・バーバラのビエン・ナシードやシエラ・マードレ(シャルドネ、ピノ・ノワールとも)、ピノ・ノワールのソロモン・ヒルズ、シャルドネのタリー、etc。単一畑のワインになってもおかしくないような畑ばかりです。ジョシュ・ジェンセン氏によると、畑のブドウの木が成熟して根を深く張ったことにより品質が上がったのだろうとのことでした。また、セントラル・コーストのワインも自社畑のワインと同様、天然酵母で醸造しているとのことでした。ただ、新樽率は10%程度と自社畑の15%程度より低くなっています。
そして、今回明らかになったのが、日本オリジナルのキュベであるジョシュ・ジェンセン・セレクションの作り方。セントラル・コーストのワインに自社畑のワインを少しブレンドして作っているのかと思っていましたが、だいぶ違いました。
カレラにとって日本は最大の輸出国であり、多いときは4割ものワインが日本向けになると聞いていますが、ジョシュ・ジェンセン・セレクションもその日本に向けたワインなので、セントラル・コーストのワインと並行してブレンドを決めていっているのだそうです。
特にシャルドネの場合は、和食に合わせることを意識して、セントラル・コーストと比べて酸がしっかりとしたブレンドに仕上げているとのこと。シャルドネは自社畑のワインはピノ・ノワールと比べて少ないので、ブレンドは3%程度にとどまっています(入らないときもあります)。
一方、ピノ・ノワールの場合は自社畑の生産量もそこそこありますから、そちらが豊作かどうかによって、ジョシュ・ジェンセン・セレクションに回せる量が変わります。そこが味のベースになっているとのこと。例えば今回試飲した2016年でいうと17%も自社畑のブドウが使われています。
実売価格でいうとジョシュ・ジェンセン・セレクションの方が数百円高くなっていると思いますが、実際にはセントラル・コースト自体のクオリティも高いので、品質的な差はそれほどなく、個性の違いと感じられました。
シャルドネのセントラル・コーストは柑橘系の味わいに軽くバニラの風味。非常にバランスよく美味しく飲めるワインです。一方、ジョシュ・ジェンセン・セレクションは確かに酸がきれいでミネラルを感じる作りでした。
ピノ・ノワールのセントラル・コーストはダークなフルーツとスパイスが効いたワインで、酸はおだやかですが深みもあります。一方、ジョシュ・ジェンセン・セレクションはもう少し赤系のフルーツが多く、また複雑さもかなりあります。カレラの自社畑はわりとダークなフルーツのイメージがありますから、ブラインドで飲んだら、セントラル・コーストの方をジョシュ・ジェンセン・セレクションだと思ったのではないかと思います。セントラル・コーストのクオリティの高さにはちょっと驚きました。とはいえ、最後に試飲した自社畑のライアン2012はやはりだいぶ格上の味わいでしたが。
先月、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでカレラを取り上げましたが、試飲ワインは自社畑のものだけだったので、今回のようにセントラル・コースト系をじっくり味わうのは、これはこれで貴重な経験でしたし、あらためてこの普及ラインの品質の高さを感じました。
ボトル写真、ジョシュ・ジェンセン・セレクションのシャルドネが抜けてしまっています。まあご愛嬌ということで。
中川ワインさんの試飲会に行ってきました。この日はあまり時間がなかったので、全数試飲はできず、定番品はパスしてしまったものが多くなってしまいましたが、新しいワインなど発見もいろいろありました。そのなかでも特に、美味しかったワインを報告します。
オー・ボン・クリマのシャルドネ「ニュイ・ブランシェ」の2015年です。毎年何らかのニックネームが入るワインですが、今回は「無二」と漢字で入っています。日本大好きな娘さん(イザベルさん)が付けたものだそうで、唯一無二のワインという意味合いが込められています。とてもきれいな味わいのシャルドネ。かすかに樽のニュアンスがあります。昔の「新樽200%」と言っていたイメージのワインとはだいぶ異なりますが、今は今の魅力があります。
マックマニスのシャルドネ2017。コスパで定評あるワイナリーですが、このシャルドネもうまみがしっかりあり、バランスもよく1000円台とは思えない出来です。
マックマニスの赤の中でも個人的に特に魅力を感じたのが、このピノ・ノワールと今回新入荷となったプティ・シラー。特にピノ・ノワールは安くて満足いくものがなかなかない品種ですが、これはいいです。
リヴァース・マリーのソノマ・コースト・ピノ・ノワール2017。5800円というのは破格の値段で、トーマス・リヴァース・ブラウンが作っているワインの中でもおそらく最安なのではないかと思います。彼が作るボアズ・ビューなどとは対称的なエレガントなピノ・ノワール。
オー・ボン・クリマのノックス・アレキサンダーとイザベルの2つのフラッグシップ・ピノ・ノワール。これだけワインが高騰する中、今でもフラッグシップが6000円台というのはありがたいです。ボールドな味わいのノックスと繊細なイザベル、と個性がはっきりわかれるところも面白いワインです。
トーマス・リヴァース・ブラウンがシュレーダーのフレッド・シュレーダーと手がけるワイナリーの一つがアストン。トゥルー・ソノマ・コーストと呼ばれる、ソノマ・コーストでも太平洋に近いところの畑で作るピノ・ノワールで、非常にゴージャスで強い味わいの一方で、酸がキリッとしており、個人的にはとても魅力を感じるピノ・ノワールの一つです。
ベッドロックのオールド・ヴァインの新ヴィンテージ2017です。味わいはこれまでと変わることなく、とても複雑さのあるジンファンデル主体のワイン。ジンファンデルというと甘くてビッグなワインというイメージがありますが、これは甘さとは無縁で古木の畑の良さを引き出したワイン。ベッドロックの中では入門的なワインですが、その味わいの複雑さのレベルは単一畑ものに負けていません。
中川ワインの中でも一昨年からの大ヒットが「ナパ・ハイランズ」のカベルネ・ソーヴィニヨン。ただ、人気すぎて品薄状態が常に続いているのが難点で、それに続くような同価格帯のカベルネ・ソーヴィニヨンがいくつかラインアップされています。その中でも一番魅力を感じたのがエクスペリエンス。とても美味しいです。ナパ・ハイランズに負けていません。
1万円以下のカベルネ・ソーヴィニヨンの中で1ランク上の味わいを見せていたのがホーニッグのカベルネ・ソーヴィニヨン。高級感あります。
ワイナリー廃業のため、125ドルのカベルネ・ソーヴィニヨンが8500円という破格の値段で売られているのがアリル。前回2012年のものを試飲していましたが、今回は2014年。これもとても美味しく1万円以下で買えるのはびっくりという価値のあるワインです。このレベルのものがこの価格で出てくるのはめったにないことなので、セラーがあれば買いためてもいいと思います。
またもやトーマス・リヴァース・ブラウンのワインでごめんなさいという感じなのですが、それだけ彼のワインは魅力があるということなのです。これもフレッド・シュレーダーとソノマで作るボアーズ・ビュー。4万7000円というのはアストンと比べても4倍くらいしますが、本当にゴージャスな味わいでマーカッシンのライバルになってくるワインだと思います。
ほんとすみません。これもまたトーマス・リヴァース・ブラウンです。ピノ・ノワールとシャルドネがメインのリヴァース・マリーですが、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンも作っています。ワイン・アドヴォケイトで95-97という高評価。これも1万円台というのは安く感じます。
このほか写真を取り忘れたものではジャン・シャルル・ボワセのペットナットも面白かったです。ガメイを使っており、実はフランス産。
ダックホーン傘下のマイグレーションは5000円から4400円に値下げされました。シャルドネはとてもきれいで高級感あり。ピノ・ノワールもベリーの風味が楽しい、いいワインです。
オー・ボン・クリマのシャルドネ「ニュイ・ブランシェ」の2015年です。毎年何らかのニックネームが入るワインですが、今回は「無二」と漢字で入っています。日本大好きな娘さん(イザベルさん)が付けたものだそうで、唯一無二のワインという意味合いが込められています。とてもきれいな味わいのシャルドネ。かすかに樽のニュアンスがあります。昔の「新樽200%」と言っていたイメージのワインとはだいぶ異なりますが、今は今の魅力があります。
マックマニスのシャルドネ2017。コスパで定評あるワイナリーですが、このシャルドネもうまみがしっかりあり、バランスもよく1000円台とは思えない出来です。
マックマニスの赤の中でも個人的に特に魅力を感じたのが、このピノ・ノワールと今回新入荷となったプティ・シラー。特にピノ・ノワールは安くて満足いくものがなかなかない品種ですが、これはいいです。
リヴァース・マリーのソノマ・コースト・ピノ・ノワール2017。5800円というのは破格の値段で、トーマス・リヴァース・ブラウンが作っているワインの中でもおそらく最安なのではないかと思います。彼が作るボアズ・ビューなどとは対称的なエレガントなピノ・ノワール。
オー・ボン・クリマのノックス・アレキサンダーとイザベルの2つのフラッグシップ・ピノ・ノワール。これだけワインが高騰する中、今でもフラッグシップが6000円台というのはありがたいです。ボールドな味わいのノックスと繊細なイザベル、と個性がはっきりわかれるところも面白いワインです。
トーマス・リヴァース・ブラウンがシュレーダーのフレッド・シュレーダーと手がけるワイナリーの一つがアストン。トゥルー・ソノマ・コーストと呼ばれる、ソノマ・コーストでも太平洋に近いところの畑で作るピノ・ノワールで、非常にゴージャスで強い味わいの一方で、酸がキリッとしており、個人的にはとても魅力を感じるピノ・ノワールの一つです。
ベッドロックのオールド・ヴァインの新ヴィンテージ2017です。味わいはこれまでと変わることなく、とても複雑さのあるジンファンデル主体のワイン。ジンファンデルというと甘くてビッグなワインというイメージがありますが、これは甘さとは無縁で古木の畑の良さを引き出したワイン。ベッドロックの中では入門的なワインですが、その味わいの複雑さのレベルは単一畑ものに負けていません。
中川ワインの中でも一昨年からの大ヒットが「ナパ・ハイランズ」のカベルネ・ソーヴィニヨン。ただ、人気すぎて品薄状態が常に続いているのが難点で、それに続くような同価格帯のカベルネ・ソーヴィニヨンがいくつかラインアップされています。その中でも一番魅力を感じたのがエクスペリエンス。とても美味しいです。ナパ・ハイランズに負けていません。
1万円以下のカベルネ・ソーヴィニヨンの中で1ランク上の味わいを見せていたのがホーニッグのカベルネ・ソーヴィニヨン。高級感あります。
ワイナリー廃業のため、125ドルのカベルネ・ソーヴィニヨンが8500円という破格の値段で売られているのがアリル。前回2012年のものを試飲していましたが、今回は2014年。これもとても美味しく1万円以下で買えるのはびっくりという価値のあるワインです。このレベルのものがこの価格で出てくるのはめったにないことなので、セラーがあれば買いためてもいいと思います。
またもやトーマス・リヴァース・ブラウンのワインでごめんなさいという感じなのですが、それだけ彼のワインは魅力があるということなのです。これもフレッド・シュレーダーとソノマで作るボアーズ・ビュー。4万7000円というのはアストンと比べても4倍くらいしますが、本当にゴージャスな味わいでマーカッシンのライバルになってくるワインだと思います。
ほんとすみません。これもまたトーマス・リヴァース・ブラウンです。ピノ・ノワールとシャルドネがメインのリヴァース・マリーですが、ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンも作っています。ワイン・アドヴォケイトで95-97という高評価。これも1万円台というのは安く感じます。
このほか写真を取り忘れたものではジャン・シャルル・ボワセのペットナットも面白かったです。ガメイを使っており、実はフランス産。
ダックホーン傘下のマイグレーションは5000円から4400円に値下げされました。シャルドネはとてもきれいで高級感あり。ピノ・ノワールもベリーの風味が楽しい、いいワインです。
ワインのオフフレーバー(好ましくない味わいの要素)の中にブレタノマイセス、通称ブレットがあります。特定の酵母に由来するもので、本来の香りがなくなり、ボディが弱くなり馬小屋臭などと言われる風味を付けます。ブレットの酵母の力は強く、樽などに棲み着くとなかなか取り除けないので、ワインメーカーにとっては忌み嫌うものの一つです。
このブレットをわざと使ってワインを作るという大胆なワインメーカーが登場しました。マンディ・ヘルト・ドノバンという人です(Did Mandy Heldt Donovan just ruin か? - SFChronicle.com)。
ブレットは少量であれば、ワインの複雑性を増すという意見もあり必ずしもマイナスの評価だけではありません。
また、クラフトビールの世界ではブレット入りのビールというのが一つのジャンルになっており、ブレット酵母で醸造したビールというのもあるほどです。
マンディ・ドノバンもクラフトビールが好きでブレット入りのものに親しんでいたことから、ワインでも試してみたいと思ったそうです。
ただ、ワイナリーにブレット酵母を持ち込むのはあまりにも危険。そこで、ワイナリーからピノグリのワインを一部自宅に持って行き、自宅で実験しました。
ブレット酵母はクラフトビールの醸造所からわけてもらいました。フルーティな特徴のあるもので、ブレットに時折ある絆創膏のような風味にはならないものを選んだとのこと。
また、ワインはすこし残糖がある形にして、ブレットで生じる酸味とのバランスを取りました。
作ったワインは2017年が30ケース、18年が50ケース。
できたワインはフルーティでショウガや醤油、緑のハーブ、ちょっとスモーキーな感じがあり、馬小屋臭はフィニッシュに少し感じるだけだそうです。
ピノグリであると思わなければ楽しめるワインだろうと著者のエスター・モブリーは書いています。
また、ナチュラルワインが好きな人であれば、この風味にも慣れているかもしれないものこと(SO2をほとんど使わないナチュラルワインはしばしばブレットに汚染されていて、それはビオ臭と呼ばれています)。
Merisi Manic Whiteというこのワイン、果たして受け入れられるのでしょうか。
このブレットをわざと使ってワインを作るという大胆なワインメーカーが登場しました。マンディ・ヘルト・ドノバンという人です(Did Mandy Heldt Donovan just ruin か? - SFChronicle.com)。
ブレットは少量であれば、ワインの複雑性を増すという意見もあり必ずしもマイナスの評価だけではありません。
また、クラフトビールの世界ではブレット入りのビールというのが一つのジャンルになっており、ブレット酵母で醸造したビールというのもあるほどです。
マンディ・ドノバンもクラフトビールが好きでブレット入りのものに親しんでいたことから、ワインでも試してみたいと思ったそうです。
ただ、ワイナリーにブレット酵母を持ち込むのはあまりにも危険。そこで、ワイナリーからピノグリのワインを一部自宅に持って行き、自宅で実験しました。
ブレット酵母はクラフトビールの醸造所からわけてもらいました。フルーティな特徴のあるもので、ブレットに時折ある絆創膏のような風味にはならないものを選んだとのこと。
また、ワインはすこし残糖がある形にして、ブレットで生じる酸味とのバランスを取りました。
作ったワインは2017年が30ケース、18年が50ケース。
できたワインはフルーティでショウガや醤油、緑のハーブ、ちょっとスモーキーな感じがあり、馬小屋臭はフィニッシュに少し感じるだけだそうです。
ピノグリであると思わなければ楽しめるワインだろうと著者のエスター・モブリーは書いています。
また、ナチュラルワインが好きな人であれば、この風味にも慣れているかもしれないものこと(SO2をほとんど使わないナチュラルワインはしばしばブレットに汚染されていて、それはビオ臭と呼ばれています)。
Merisi Manic Whiteというこのワイン、果たして受け入れられるのでしょうか。
カリフォルニアの最初期の女性ワインメーカーと、ソノマのマリエッタ・セラーズの創始者が相次いで亡くなりました(Californias First Woman Winemaker of the Modern Era, Mary Ann Graf, ...、Chris Bilbro, Founder of Sonoma's Marietta Cellars and Father to Three Winemakers, Dies at 72 | News | News & Features | Wine Spectator)。
メアリー・アン・グラフは1942年生まれ。UCデーヴィスで醸造の学位を取った初めての女性。1970年代にソノマのシミでワインメーカーとして働いた後、ラボとコンサルティングの会社を立ち上げました。2019年1月30日に膵臓がんで亡くなりました。
クリス・ビルブロはソノマでマリエッタ・セラーズを立ち上げた人。古い木を持つ畑から様々な品種のブドウを購入してブレンドする「オールド・ヴァイン・レッド」で人気を得ました。10ドル台という価格で、複雑な味わいを持ち、ロバート・パーカーも激賞していました。このワインはヴィンテージ表記がなく、作ったときごとに「ロット」の番号が割り振られます。
ワイナリーを立ち上げた1978年頃は古い木の畑でワインを作るワイナリーは2つしかなかったといいます。マリエッタの成功で徐々に古い木の畑やそのブレンドが見直されベッドロックなど一つの分野になりました。
ご冥福をお祈りします。
メアリー・アン・グラフは1942年生まれ。UCデーヴィスで醸造の学位を取った初めての女性。1970年代にソノマのシミでワインメーカーとして働いた後、ラボとコンサルティングの会社を立ち上げました。2019年1月30日に膵臓がんで亡くなりました。
クリス・ビルブロはソノマでマリエッタ・セラーズを立ち上げた人。古い木を持つ畑から様々な品種のブドウを購入してブレンドする「オールド・ヴァイン・レッド」で人気を得ました。10ドル台という価格で、複雑な味わいを持ち、ロバート・パーカーも激賞していました。このワインはヴィンテージ表記がなく、作ったときごとに「ロット」の番号が割り振られます。
ワイナリーを立ち上げた1978年頃は古い木の畑でワインを作るワイナリーは2つしかなかったといいます。マリエッタの成功で徐々に古い木の畑やそのブレンドが見直されベッドロックなど一つの分野になりました。
ご冥福をお祈りします。
おとといは北カリフォルニアの広い範囲で雪が降りました。ナパヴァレーはさすがにほとんど降らなかったようですが、周囲の山は白くなっていますし、ソノマなどでも積雪がありました。
800mほどの標高があるリッジのモンテベロはかなりしっかり雪が降ったようです。以下ではFacebookやインスタグラムなどからの写真を紹介します。
ナパの最北部カリストガにあるシャトーモンテリーナの畑です。
ソノマコースト、ラジオコトーです。
これはアマドール・カウンティの雪。
800mほどの標高があるリッジのモンテベロはかなりしっかり雪が降ったようです。以下ではFacebookやインスタグラムなどからの写真を紹介します。
ナパの最北部カリストガにあるシャトーモンテリーナの畑です。
ソノマコースト、ラジオコトーです。
これはアマドール・カウンティの雪。
ブショネのワインに出合うことはそうそうありませんが、珍しく1日に2回もブショネのワインを飲みました。
一つは中川ワインさんの試飲会。特別試飲で出ていたシュレーダーのベクストファー・ジョージIII・カベルネ・ソーヴィニヨン。7万9800円もするワインです。
もちろんブショネのワインは試飲で供されていたわけではなく、後ろに下げられていましたが、経験と思ってそれも試飲させてもらいました。
さすがに7万9800円出してブショネだったらショックだろうと思います。
もうひとつは「看板に偽りあり? 『ブショネなしのコルク』でブショネで提訴」の記事で取り上げたワイン。アミューズ・ブーシュのブランドで、ハイジ・バレットの父親が作るピノ・ノワールです。このワインを実際に買っていた人がブショネを検証したいと持ってきました。
実際に飲んでみたら見事にブショネでした。「ブショネを引き起こさないコルク」で実際にブショネが起こったことがわかったのも一つの収穫でした。
一つは中川ワインさんの試飲会。特別試飲で出ていたシュレーダーのベクストファー・ジョージIII・カベルネ・ソーヴィニヨン。7万9800円もするワインです。
もちろんブショネのワインは試飲で供されていたわけではなく、後ろに下げられていましたが、経験と思ってそれも試飲させてもらいました。
さすがに7万9800円出してブショネだったらショックだろうと思います。
もうひとつは「看板に偽りあり? 『ブショネなしのコルク』でブショネで提訴」の記事で取り上げたワイン。アミューズ・ブーシュのブランドで、ハイジ・バレットの父親が作るピノ・ノワールです。このワインを実際に買っていた人がブショネを検証したいと持ってきました。
実際に飲んでみたら見事にブショネでした。「ブショネを引き起こさないコルク」で実際にブショネが起こったことがわかったのも一つの収穫でした。
ロバート・モンダヴィ次男のティム・モンダヴィがプリチャード・ヒルで作るコンティニュアムの新ヴィンテージ2015が入ってきています。
ジェームズ・サックリングが満点、ヴィナスのアントニオ・ガッローニが98+という非常に高い評価。2013、2014はどちらもヴィナスで97点だったので1ランク上がった感じです。ガッローニは「本物の宝石になりつつある」と評しています。
2013、2014は試飲したことありますが、どちらもナパらしい非常にすばらしいワイン。2015年は旱魃の影響でカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫が少なく、カベルネ・フランが31%とかなり高い比率になっています。プリチャード・ヒルのこのあたりはコルギンにしてもオーヴィッドにしても極めて良質のカベルネ・フランができるあたり。地質的にかなり近いと言われている斜面を降りていったところにあるダラ・ヴァレのマヤもカベルネ・フラン比率が高いですから、やはり共通するところがあるのでしょう。濃厚でありながらも重くなりすぎないのはフランの効果なのではないかと思っています。
なお、故ロバート・モンダヴィが最後に手がけていたのがコンティニュアム。プリチャード・ヒルの地所を買うときもロバート・モンダヴィがOKを出して決めています。モンダヴィの遺志をつないでいるのがここなのです。
ジェームズ・サックリングが満点、ヴィナスのアントニオ・ガッローニが98+という非常に高い評価。2013、2014はどちらもヴィナスで97点だったので1ランク上がった感じです。ガッローニは「本物の宝石になりつつある」と評しています。
2013、2014は試飲したことありますが、どちらもナパらしい非常にすばらしいワイン。2015年は旱魃の影響でカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫が少なく、カベルネ・フランが31%とかなり高い比率になっています。プリチャード・ヒルのこのあたりはコルギンにしてもオーヴィッドにしても極めて良質のカベルネ・フランができるあたり。地質的にかなり近いと言われている斜面を降りていったところにあるダラ・ヴァレのマヤもカベルネ・フラン比率が高いですから、やはり共通するところがあるのでしょう。濃厚でありながらも重くなりすぎないのはフランの効果なのではないかと思っています。
なお、故ロバート・モンダヴィが最後に手がけていたのがコンティニュアム。プリチャード・ヒルの地所を買うときもロバート・モンダヴィがOKを出して決めています。モンダヴィの遺志をつないでいるのがここなのです。
アカデミー・デュ・ヴァンの2019年春夏講座募集が始まりました。
前にも紹介しましたが、今回3つの講座の募集を出しています。
カリフォルニアの名門ワイナリー
続・カリフォルニアの名門ワイナリー
日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー
既に「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」は満席でキャンセル待ちになっています。
18年秋冬と同じ「カリフォルニアの名門ワイナリー」ももうじき満席です。
「日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー」はまだ余裕があります。
ぜひぜひお申込みください。
前にも紹介しましたが、今回3つの講座の募集を出しています。
カリフォルニアの名門ワイナリー
続・カリフォルニアの名門ワイナリー
日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー
既に「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」は満席でキャンセル待ちになっています。
18年秋冬と同じ「カリフォルニアの名門ワイナリー」ももうじき満席です。
「日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー」はまだ余裕があります。
ぜひぜひお申込みください。
廃業したワイナリーなどの在庫を発掘してくることで定評があるインポーターが布袋ワインズ。基本的に蔵出しですから状態に問題がない上、多くの場合価格がリリースしたころと同じ程度なので、今の水準からするとかなり安く感じられるものが多くなります。このように二重に「おいしい」ワインですが、難点は在庫限定のこと。なくなってしまえばそれきりですから、一期一会的なワインでもあります。
そのなかで、昨年秋から入ってきているのが「トロワ・ヴォワイエル」という今はないワイナリー。最初に入荷した白はすぐに売り切れ、赤も多分今売っているのは2ヴィンテージ目ではなかったかと思います。
そして、再入荷された白はちょっとびっくり。なんとあの銘醸畑リッチーのソーヴィニヨン・ブランだとのこと。これで税込み3000円程度なのだからまあいろいろびっくりです。
赤の方は先日試飲しましたが、良質のカベルネ・ソーヴィニヨンで全く問題はなかったです。
そのなかで、昨年秋から入ってきているのが「トロワ・ヴォワイエル」という今はないワイナリー。最初に入荷した白はすぐに売り切れ、赤も多分今売っているのは2ヴィンテージ目ではなかったかと思います。
そして、再入荷された白はちょっとびっくり。なんとあの銘醸畑リッチーのソーヴィニヨン・ブランだとのこと。これで税込み3000円程度なのだからまあいろいろびっくりです。
赤の方は先日試飲しましたが、良質のカベルネ・ソーヴィニヨンで全く問題はなかったです。
先日、とある方にごちそうしていただいたワインです。場所は銀座の「ラ ニュイ ブランシュ」。ワインバーですが料理もすごくおいしい店。
一番左のプイイ・フュッセは確か1993年くらいのワインでしたが、ひねた感じが全く無く、きれいに熟成したワイン。カリフォルニアのシャルドネだとなかなかここまできれいな熟成を見せるものはないような気がします。
中央はヴィオニエ。ボリューム感と適度な冷涼感があり美味しいです。後口に軽い苦味があり、味を引き締めています。
そして右はDRCのリシュブール。1994年。果実味が落ちた後の香りが素晴らしい。さすがです。
その後、カリフォルニアワインをいただこうということで、新橋の「ワイン蔵」へ。
1本目は写真を撮るのを忘れましたが、全く違うタイプのピノ・ノワールをとのことでリヴァース・マリーのオキシデンタル・リッジ。ダークなフルーツの風味がいかにもカリフォルニアのピノ・ノワールですが、さすがにまとめ方が上手。
そして最後はシュレーダーのベクストファー・トカロンCCS2013。クローン4だけを使ったカベルネ・ソーヴィニヨンです。
むちゃくちゃ濃厚。果実の凝縮感がありえないくらいのレベルです。でも重さとか煮詰めたような感じにはならず、バランスを保ってまとめているところがやはりトーマス・リヴァース・ブラウンのすごさだと思います。ただものではないワイン。ちなみにパーカー100点。ジェームズ・サックリングは99点をつけています。
フランスワインの熟成力に舌を巻き、カリフォルニアワインのパワーと果実味にあらためて感動した夜でした。
一番左のプイイ・フュッセは確か1993年くらいのワインでしたが、ひねた感じが全く無く、きれいに熟成したワイン。カリフォルニアのシャルドネだとなかなかここまできれいな熟成を見せるものはないような気がします。
中央はヴィオニエ。ボリューム感と適度な冷涼感があり美味しいです。後口に軽い苦味があり、味を引き締めています。
そして右はDRCのリシュブール。1994年。果実味が落ちた後の香りが素晴らしい。さすがです。
その後、カリフォルニアワインをいただこうということで、新橋の「ワイン蔵」へ。
1本目は写真を撮るのを忘れましたが、全く違うタイプのピノ・ノワールをとのことでリヴァース・マリーのオキシデンタル・リッジ。ダークなフルーツの風味がいかにもカリフォルニアのピノ・ノワールですが、さすがにまとめ方が上手。
そして最後はシュレーダーのベクストファー・トカロンCCS2013。クローン4だけを使ったカベルネ・ソーヴィニヨンです。
むちゃくちゃ濃厚。果実の凝縮感がありえないくらいのレベルです。でも重さとか煮詰めたような感じにはならず、バランスを保ってまとめているところがやはりトーマス・リヴァース・ブラウンのすごさだと思います。ただものではないワイン。ちなみにパーカー100点。ジェームズ・サックリングは99点をつけています。
フランスワインの熟成力に舌を巻き、カリフォルニアワインのパワーと果実味にあらためて感動した夜でした。
ナパのワイナリー「ロンバウアー」(Rombauer)がシエラ・フットヒルズのレンウッド(Renwood)を買収しました(Rombauer buys Renwood Winery, expanding Napa Valley presence in the Sierra foothills - SFChronicle.com)。買収額は公表されていません。
ロンバウアーはクラシカルなスタイルのシャルドネで知られるワイナリー。ですが実際にはシャルドネよりもジンファンデルの方が生産量が多く、ワイナリーを支えているとのこと。これまでもシエラ・フットヒルズからブドウを調達していましたが、今回レンウッドの買収によって、畑を広げると同時にジンファンデルの生産拠点としても活用したい考えだとのこと。
レンウッドのブランドについては未定ですが、基本的には残す方向だそうです。
ロンバウアーはクラシカルなスタイルのシャルドネで知られるワイナリー。ですが実際にはシャルドネよりもジンファンデルの方が生産量が多く、ワイナリーを支えているとのこと。これまでもシエラ・フットヒルズからブドウを調達していましたが、今回レンウッドの買収によって、畑を広げると同時にジンファンデルの生産拠点としても活用したい考えだとのこと。
レンウッドのブランドについては未定ですが、基本的には残す方向だそうです。
ワシントンでチャールズ・スミスやKヴィントナーズ、ワインズ・オブ・サブスタンスといったワイナリーを持つ「鬼才」チャールズ・スミスがワイン造りを始めて20年目の今年来日し、セミナーを開催しました。その中のワインの一つは「実売2000円台とは思えないスーパーお買い得なカベルネ」で紹介しましたが、それ以外のセミナーのレポートです。
ユニークでひと目で分かるワインのラベルや、本人の独特の風貌など、ワインメーカーというよりも宣伝上手なマーケターにも見えてしまうチャールズ・スミスですが、実際には本人はいたってシャイで真面目な人。セミナー中には昔を思い出して涙ぐむこともありました。
ワイン造りも真摯であり、「ワインは真実だ」と繰り返し言うチャールズ。100%サスティナブル、100%天然酵母での発酵などをモットーにしています。また、基本的に白ワインは全房発酵、赤はシラーなどローヌ系の品種は全房発酵、ボルドー系の品種はステムを取っての発酵だとのことです。全房発酵を多く使うのは、ステムもワインの一部であるという考えから。生理的に完熟したぶどうを使うことで青臭くなることを防いでいます。また、2種類以上のブドウ品種を使うワインでは最初からぶどうを混ぜて一緒に発酵させるとのこと。普通は別々に作ってあとでブレンドしますが、一緒に発酵する場合、ブレンド比率は後から変えられないのでリスクを伴います。それでもハーモニーが大事だとして、そのやり方を貫きます。
19歳のときにレストランで働き始めたチャールズ。最初は厨房だったのですが、厨房は暑くて重労働。ウェイターとして客席に行くようになって、レストランでひとが幸せになるのを見るのに喜びを感じます。中でもソムリエの仕事にあこがれ、25歳でリッツ・カールトンでワイン担当になります。1999年にワイン造りを始めたときはほとんどお金もなかったのが、カイユースからブドウの提供を受けるなどして次第に人気を博し、今にいたります。
さて、ワインに移りましょう。今回の試飲は7本。2本がヴァラエタルの特徴を出すことを主体としたワインズ・オブ・サブスタンス、5本が少量多品種生産で非常に評価の高いワインを作っているKヴィントナーズです。
1番はワインズ・オブ・サブスタンスのソーヴィニヨン・ブラン2017。希望小売価格3300円。
チャールズが「還元的なワイン」だというこのソーヴィニヨン・ブラン。確かに還元香だと思われる、硫黄のような香りを少し感じます。果実味以上に青草の香りやチョークなどがあります。長熟できるソーヴィニヨン・ブランだといいます。フレッシュなタイプではないので、数年経ってから飲んだほうがいいかもしれません。
2番はKヴィントナーズのヴィオニエ・アート・デン・ホード。ヴィンヤード2017。4500円。
カリフォルニアワインファンの私ですが、正直に言ってヴィオニエについてはワシントンのほうが美味しいのではないかと思っています。カリフォルニアのヴィオニエだと白桃的な甘さが全面に出ることが多いですが、ワシントンのヴィオニエはもっとフレッシュ。オレンジピールやメロンの果実味にきれいな酸。やわらかさも感じる非常にいいヴィオニエです。50%コンクリートタンク、50%ニュートラルな樽での発酵とのこと。コンクリートタンク使うワイナリーは最近ずいぶん増えました。特に白ワインではフレッシュさを保ちながら味を引き出せるのが魅力のようです。
3番はワインズ・オブ・サブスタンスのカベルネ・ソーヴィニヨン2016。これは先日の記事に書いた通り。反則的なほど美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンです。希望小売価格は2800円ですが、先日書いたように実際には税込み2500円程度でも売っています。いやあ、これはずるいわ。それにしても13万ケースという生産量で、天然酵母を使って37日間かけて発酵させるとか、普通できないです。フィルターも清澄もなし。
4番めはKヴィントナーズのオヴィード・カベルネ・ソーヴィニヨン/シラー 2015。9000円。
チャールズがお父さんのために作り始めたというこのワイン。お父さんの死後、1回はやめてしまったものの、また作り始めました。カベルネ・ソーヴィニヨン70%でシラー30%。香りに爽やかさを感じます。最初はちょっとくさっぽさがありますが時間が経つにつれて、果実味が出てきます。これも相当長熟できるワインだと思います。
5番目はKヴィントナーズのモーター・シティ・キティ シラー2015。7500円。
シラーもワシントンとてもいいと思います。カリフォルニアのシラーもいいですが、少し違う魅力があります。特に長熟性ではこちらのほうがだいぶ上だと思います。これも鉱物的な香りが強く、今はやや固さを感じますが将来性は豊かです。
6番目はKヴィントナーズのロイヤル・シティ シラー2015。2万5000円。
これは素晴らしいです。濃厚でパワフル。スパイシーでオリーブなどの風味もあります。時間が経つに連れて味わいも少しずつ変わってきます。これも長熟間違いありません。
最後はKヴィントナーズのキング・コール。カベルネ・ソーヴィニヨン/シラー 2015。1万6000円。
これは一番カリフォルニアに近いような丸みと果実の甘味を感じるワイン。美味しいです。
これまでも試飲会で何種類か試飲したことはありますが、やはりセミナーで時間をかけて味わうと全然違いますね。そして、ワインズ・オブ・サブスタンスもさることながら、Kヴィントナーズのヴィオニエとシラーはカリフォルニアでは作れないような美味しさのワインで、正直ちょっとうらやましく思いました。私もカリフォルニアを名乗りながらも北米全般はカバーしたいと思っているので、なかなか紹介することのないワシントン州のワインですが、これからも機会を見つけて紹介したいと思います。
18年10月から始めたアカデミー・デュ・ヴァンのセミナー、4月期(春夏)もやります。というかやりたいです。やらせてください!
4月期はなんと3講座を募集します。
一つは基本的には今回と同じ内容の「カリフォルニアの名門ワイナリー」。6回講座でテーマは
・ロバート・モンダヴィ
・パリスの審判
・リッジ
・カレラ
・キスラー
・ピーター・マイケル
試飲するワインのラインアップは少し変わります。
ちなみに今回の初回はこんな感じでした。
2つ目は、「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」。続とついてますが、カリフォルニアの名門ワイナリーを受講していなくても全然構いません。取り上げるワイナリーはいろいろお意見いただきましたが、以下のようにしました。こちらも6回です。
・シルバーオーク
・シェーファー
・ジョセフ・フェルプス
・オーパス・ワン
・オー・ボン・クリマ
・オーベール
ナパの名門をずらっと4回並べてみました。オーパス・ワンは入れるかどうか迷ったのですが、やっぱり「基本のキ」だろうと入れてみることにしました。
そして3つ目は「日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー」。実は企画書の締切30分前に思いついて勢いで提案した講座です(笑)。こちらは全5回。
・ノリアと幻
・フリーマンとアーサー・セラーズ
・ナカイ・ヴィンヤーズとシックス・クローブス
・シャトー・イガイタカハとカンパイ・ワインズ
・ダラ・ヴァレとケンゾー
Yoshikiとかも入れてみたかったのですが、ワインの供給が安定的でないので諦めました。
いやあ、それにしても新しい講座2つというのはさらにドキドキです。今も1講座準備するのに大体2週間くらいかかっているのに、2つ新しい講座あったらほぼずっとそれに追われるわけで…ブログの更新が減ったら、講座準備で苦しんでいるんだろうなあとほくそ笑んでください。余談ですがグーグル・スライドには大感謝です。これがなかったら生きていけません。スライドの半分くらいは電車の中でスマホ使って書いてますからね。USBメモリー忘れても教室のパソコンでデータダウンロードできるし。講座のためにパワポ買おうかと一瞬思ったのですがやめておいてよかった。
あと月3回講座をやるということは、水曜日はほぼ定時に近い時間に会社を出ないといけないわけで、仕事のやりくりも相当大変になりそうです。働き方改革の時代ですから、なんとかしないとね。
とはいっても、まずは受講生が集まらないことには講座準備もへったくれもないですからね。みなさんよろしくお願いします。
申し込み開始は2月3日(日)。9:00~11:00は青山校の窓口で受付。同日15:00からWebサイトで受付開始です。
4月期はなんと3講座を募集します。
一つは基本的には今回と同じ内容の「カリフォルニアの名門ワイナリー」。6回講座でテーマは
・ロバート・モンダヴィ
・パリスの審判
・リッジ
・カレラ
・キスラー
・ピーター・マイケル
試飲するワインのラインアップは少し変わります。
ちなみに今回の初回はこんな感じでした。
2つ目は、「続・カリフォルニアの名門ワイナリー」。続とついてますが、カリフォルニアの名門ワイナリーを受講していなくても全然構いません。取り上げるワイナリーはいろいろお意見いただきましたが、以下のようにしました。こちらも6回です。
・シルバーオーク
・シェーファー
・ジョセフ・フェルプス
・オーパス・ワン
・オー・ボン・クリマ
・オーベール
ナパの名門をずらっと4回並べてみました。オーパス・ワンは入れるかどうか迷ったのですが、やっぱり「基本のキ」だろうと入れてみることにしました。
そして3つ目は「日本人が造る!カリフォルニアのワイナリー」。実は企画書の締切30分前に思いついて勢いで提案した講座です(笑)。こちらは全5回。
・ノリアと幻
・フリーマンとアーサー・セラーズ
・ナカイ・ヴィンヤーズとシックス・クローブス
・シャトー・イガイタカハとカンパイ・ワインズ
・ダラ・ヴァレとケンゾー
Yoshikiとかも入れてみたかったのですが、ワインの供給が安定的でないので諦めました。
いやあ、それにしても新しい講座2つというのはさらにドキドキです。今も1講座準備するのに大体2週間くらいかかっているのに、2つ新しい講座あったらほぼずっとそれに追われるわけで…ブログの更新が減ったら、講座準備で苦しんでいるんだろうなあとほくそ笑んでください。余談ですがグーグル・スライドには大感謝です。これがなかったら生きていけません。スライドの半分くらいは電車の中でスマホ使って書いてますからね。USBメモリー忘れても教室のパソコンでデータダウンロードできるし。講座のためにパワポ買おうかと一瞬思ったのですがやめておいてよかった。
あと月3回講座をやるということは、水曜日はほぼ定時に近い時間に会社を出ないといけないわけで、仕事のやりくりも相当大変になりそうです。働き方改革の時代ですから、なんとかしないとね。
とはいっても、まずは受講生が集まらないことには講座準備もへったくれもないですからね。みなさんよろしくお願いします。
申し込み開始は2月3日(日)。9:00~11:00は青山校の窓口で受付。同日15:00からWebサイトで受付開始です。
ロバート・モンダヴィ カベルネ・ソーヴィニヨンの新ヴィンテージ2015が入荷してきています。ワイナリー設立50周年だった昨年のものと、ラベルがよりシンプルに変わっています。ワイナリー価格35ドルが税抜きで3980円というのはほぼ変わらない価格。
ヴィナスのアントニオ・ガッローニは92点と前ヴィンテージの2014より高い評価。「この価格帯では最良のワインの一つ」と評しています。
先日、試飲した印象も非常に良質のカベルネでした。ナパとしては比較的酸が高く、食事にも合わせやすいと思います。
モンダヴィナパカベルネは20年前22ドルくらいだったと思います。そのときから1.5倍程度の価格というのは頑張ってますね。
ナパを知るための基本中の基本のワインだと思います。
2014年は少し安いですが評価は90点。
ヴィナスのアントニオ・ガッローニは92点と前ヴィンテージの2014より高い評価。「この価格帯では最良のワインの一つ」と評しています。
先日、試飲した印象も非常に良質のカベルネでした。ナパとしては比較的酸が高く、食事にも合わせやすいと思います。
モンダヴィナパカベルネは20年前22ドルくらいだったと思います。そのときから1.5倍程度の価格というのは頑張ってますね。
ナパを知るための基本中の基本のワインだと思います。
2014年は少し安いですが評価は90点。
詳しくは後日レポートしますが、今週ワシントンの超有名ワインメーカーであるチャールズ・スミスが来日し、セミナーに参加しました。そのワインの中でもコスト・パフォーマンスで群を抜いていたのが「ワインズ・オブ・サブスタンス」のカベルネ・ソーヴィニヨン2016。
昨年末には米国のwine.comで、年間最多販売として1位に選ばれたこのワイン。13万ケースと大量に作っているワインですが、チャールズ・スミスの高級ワインと同じように、天然酵母100%、樽熟成など、きちんと手をかけて作っているワインです。ワイン・アドヴォケイトで92点など評論家の評価もこぞって高くついています。
その味わいはカシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです。
これが2000円台というのは本当に信じられないレベルで、5000円で売っていても全然不思議ではないワイン。
チャールズ・スミス自身も、ワインを作り始めたときに、このレベルのワインをこの価格で、この量で造れるようになるとは想像もしなかったと自賛するワイン。
これ本当に無茶苦茶おすすめです。ワシントンといえば、コロンビア・クレストなど隠れた旨安ワインのあるところですが、それにしてもこれはクオリティ高いです。
セミナー報告では書ききれないほど驚いたので、まずはこのワインだけ先に紹介させていただきました。
だまされたと思って飲んでみてください。
昨年末には米国のwine.comで、年間最多販売として1位に選ばれたこのワイン。13万ケースと大量に作っているワインですが、チャールズ・スミスの高級ワインと同じように、天然酵母100%、樽熟成など、きちんと手をかけて作っているワインです。ワイン・アドヴォケイトで92点など評論家の評価もこぞって高くついています。
その味わいはカシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。一言で言えば非の打ち所がないワインです。
これが2000円台というのは本当に信じられないレベルで、5000円で売っていても全然不思議ではないワイン。
チャールズ・スミス自身も、ワインを作り始めたときに、このレベルのワインをこの価格で、この量で造れるようになるとは想像もしなかったと自賛するワイン。
これ本当に無茶苦茶おすすめです。ワシントンといえば、コロンビア・クレストなど隠れた旨安ワインのあるところですが、それにしてもこれはクオリティ高いです。
セミナー報告では書ききれないほど驚いたので、まずはこのワインだけ先に紹介させていただきました。
だまされたと思って飲んでみてください。
カリフォルニアワインの中には「ニューカリフォルニア」と呼ばれるワイナリーやワインがあります。元サンフランシスコ・クロニクルの記者ジョン・ボネが書いた本「ニューカリフォルニアワイン」の流れを汲むワイナリーで、アルコール度数の低さや、メジャーでないブドウ品種のワイン、が中心となります。ワイン造りにおいてはSO2不使用など自然派的な作りのものが多く、コンクリート・タンクでの発酵や古樽の使用といったあたりを特徴とします。メジャーというのは程遠いワイナリーですが、新しいものやありきたりでないものを求める層などから支持を受けています。
カリフォルニアワインのインポーターの中でニューカリフォルニアに力を入れているところとして、ワイン・イン・スタイルと富士インダストリーズがあります。ワイン・イン・スタイルはアルノー・ロバーツやクルーズ・ワイン、スコリウム・プロジェクト、スクライブ、タトーマ―など、富士インダストリーズはブロック・セラーズやビリキーノ、ローファイ、リキッド・ファームといったニューカリフォルニア系のワインを入れています。
前置きが長くなりましたが、そのうち、富士インダストリーズの試飲会があったので参加してきました。その中から美味しかったワインを紹介します。
ビリキーノのペティアン・ナチュレです。ペティアン・ナチュレもニューカリフォルニアらしいワインの一つ。このワイン、泡がきめ細かくクリーミーなテクスチャーでとても美味しいです。
同じくビリキーノのグルナッシュ。うまみがあります。
ブロック・セラーズの赤ブレンド「ラブ・レッド」です。ブロック・セラーズはニューカリフォルニアの急先鋒の一つです。なかなか評価の難しいワインもあったりしますが、これは一番安心できる味わい。価格も安く、入門的存在として貴重です。
このジンファンデルもいつも美味しいワインです。これも入門的におすすめできるワインです。
シルキーな味わいのシャルドネ。ニューカリフォルニアでシャルドネは珍しいですが、美味しいです、
ドンキー&ゴートのファイブ・サーティーンというブレンド。これも美味しいです。
ニューカリフォルニアというと敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、今回紹介したのはその中で無難な味わいのものだと思います。まずはトライしてみるのが大事だと思います。
カリフォルニアワインのインポーターの中でニューカリフォルニアに力を入れているところとして、ワイン・イン・スタイルと富士インダストリーズがあります。ワイン・イン・スタイルはアルノー・ロバーツやクルーズ・ワイン、スコリウム・プロジェクト、スクライブ、タトーマ―など、富士インダストリーズはブロック・セラーズやビリキーノ、ローファイ、リキッド・ファームといったニューカリフォルニア系のワインを入れています。
前置きが長くなりましたが、そのうち、富士インダストリーズの試飲会があったので参加してきました。その中から美味しかったワインを紹介します。
ビリキーノのペティアン・ナチュレです。ペティアン・ナチュレもニューカリフォルニアらしいワインの一つ。このワイン、泡がきめ細かくクリーミーなテクスチャーでとても美味しいです。
同じくビリキーノのグルナッシュ。うまみがあります。
ブロック・セラーズの赤ブレンド「ラブ・レッド」です。ブロック・セラーズはニューカリフォルニアの急先鋒の一つです。なかなか評価の難しいワインもあったりしますが、これは一番安心できる味わい。価格も安く、入門的存在として貴重です。
このジンファンデルもいつも美味しいワインです。これも入門的におすすめできるワインです。
シルキーな味わいのシャルドネ。ニューカリフォルニアでシャルドネは珍しいですが、美味しいです、
ドンキー&ゴートのファイブ・サーティーンというブレンド。これも美味しいです。
ニューカリフォルニアというと敬遠してしまう人もいるかもしれませんが、今回紹介したのはその中で無難な味わいのものだと思います。まずはトライしてみるのが大事だと思います。
ナパ市のダウンタウンにテイスティングルームを持つワイナリーが増えています(Wine Country comes to downtown Napa | Local News | napavalleyregister.com)。
ナパの入り口にあるナパ市はホテルやレストラン、ショッピングセンター、公的施設など、街としての役目は多いものの、そこでワインを作るワイナリーはないため、ワイン観光的には通過点と思われてきました。
これまでも、ワイナリー設備を持たないワイナリーや、テイスティングルームの場所や認可が取れないワイナリーがダウンタウンに開く例はありましたが、最近は他にワイナリーを持ちつつダウンタウンにテイスティングルームを開いたり、ナパ以外のワイナリーが開くケースもあります。
最近オープンした例としては、ラザフォードを本拠地とするアルファオメガ、マウント・ヴィーダーの老舗マヤカマス、セントヘレナのホールの別ブランドのウォルトなどがあります。ウォルトの場合、ワイナリーはソノマのセバストポールで、ソノマのダウンタウンにもテイスティングルームがあり、今回はナパにも開きました。
ナパの観光客は依然として増加傾向にあり、ナパ市にしかこないような観光客も無視できない数になっているとのこと。それが、テイスティングルームを開く主な理由のようです。
近年は米国でも若い層など、車を持たない人が増えており、公共交通機関で移動する例が急増しています。ナパ市だけでワイナリー観光もできると、そういうビジターへの対策にもなるのかもと思います。
ナパの入り口にあるナパ市はホテルやレストラン、ショッピングセンター、公的施設など、街としての役目は多いものの、そこでワインを作るワイナリーはないため、ワイン観光的には通過点と思われてきました。
これまでも、ワイナリー設備を持たないワイナリーや、テイスティングルームの場所や認可が取れないワイナリーがダウンタウンに開く例はありましたが、最近は他にワイナリーを持ちつつダウンタウンにテイスティングルームを開いたり、ナパ以外のワイナリーが開くケースもあります。
最近オープンした例としては、ラザフォードを本拠地とするアルファオメガ、マウント・ヴィーダーの老舗マヤカマス、セントヘレナのホールの別ブランドのウォルトなどがあります。ウォルトの場合、ワイナリーはソノマのセバストポールで、ソノマのダウンタウンにもテイスティングルームがあり、今回はナパにも開きました。
ナパの観光客は依然として増加傾向にあり、ナパ市にしかこないような観光客も無視できない数になっているとのこと。それが、テイスティングルームを開く主な理由のようです。
近年は米国でも若い層など、車を持たない人が増えており、公共交通機関で移動する例が急増しています。ナパ市だけでワイナリー観光もできると、そういうビジターへの対策にもなるのかもと思います。
先週のTaste Napa Valleyで、今回初めて開催された「ナパ・トリビア王」のイベントを見てきました。40歳以下のソムリエ資格を持つ人が対象とのことで、若い人でカリフォルニアに関心がある人がどれだけいるのか、ちょっと心配だったのですが、案じるより生むがやすし、なのかどうか、20人ほどの参加があり、しかもみんな知識もしっかり。予想以上にハイレベルの戦いとなっていました。
なお、1位の人は2020年2月に開かれるプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションに招待という豪華な賞品がつきます。2位はコラヴァン、3位はプルミエ・ナパ・ヴァレーに出品されたワインという賞品。
最初はグループ戦。5つのグループに分かれ、回答していきます。いくつか問題をかいつまんで紹介しましょう。
ま、この辺はウォームアップという感じですね。
このあたりになると結構難しいです。
サブAVAを地図に貼っていく問題、難しいかと思いきや、なんと全チーム完答です。すばらしい。
この辺はちゃんと勉強していないとわからない問題。ちなみに家族経営のワイナリーは90%をはるかに超えています。大規模ワイナリーのイメージがあるかもしれませんが、実際には家族経営多いのです。それだけに相続の問題も大変なのですが。
途中からはグループ戦の上位2チームのメンバーによる個人戦。ここからは1問ごとに勝ち抜けです。それにしてもグループ戦はどのチームも9割以上の正答率。僅差でした。
ソムリエ対象ですから、もちろんテイスティングして答える問題もあります。ボルドー系品種は難しいですね。
なお、結果は
1位 カーヴドリラックス 山崎啓介 さん
2位 リザラン新橋店 粟村昌弘 さん
3位 ヴィノスやまざき 広尾店 四家史一 さん
おめでとうございます!
なお、1位の人は2020年2月に開かれるプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションに招待という豪華な賞品がつきます。2位はコラヴァン、3位はプルミエ・ナパ・ヴァレーに出品されたワインという賞品。
最初はグループ戦。5つのグループに分かれ、回答していきます。いくつか問題をかいつまんで紹介しましょう。
ま、この辺はウォームアップという感じですね。
このあたりになると結構難しいです。
サブAVAを地図に貼っていく問題、難しいかと思いきや、なんと全チーム完答です。すばらしい。
この辺はちゃんと勉強していないとわからない問題。ちなみに家族経営のワイナリーは90%をはるかに超えています。大規模ワイナリーのイメージがあるかもしれませんが、実際には家族経営多いのです。それだけに相続の問題も大変なのですが。
途中からはグループ戦の上位2チームのメンバーによる個人戦。ここからは1問ごとに勝ち抜けです。それにしてもグループ戦はどのチームも9割以上の正答率。僅差でした。
ソムリエ対象ですから、もちろんテイスティングして答える問題もあります。ボルドー系品種は難しいですね。
なお、結果は
1位 カーヴドリラックス 山崎啓介 さん
2位 リザラン新橋店 粟村昌弘 さん
3位 ヴィノスやまざき 広尾店 四家史一 さん
おめでとうございます!
最近、会社におやつとして置いていてはまっているものが2つあります。
一つは韓国製のハニーバターアーモンド。一昨年旅行に行った際に買ってみて食べたらすごく美味しかったのです。ハニーのほの甘感とバターの風味がちょうどいい感じ。昨年旅行に行ったときには3袋ほど買って帰りました。それもなくなり、今は新大久保のドンキホーテなどで買ってます。
韓国で買うと600円くらい、ドンキでは800円くらいだったかな。ネットでもそんなに値段は変わらないですが、送料分がちょっと痛いですね。全然別ブランドのハニーバターピーナッツを食べてみたら、いまいちだったので、やはりこのブランドのが好きみたいです。
アーモンドはカリフォルニア産だそうですよ。ちなみにミックスナッツもあってそちらもおすすめ。
もうひとつは「アーモンド小魚」。これもアーモンド入ってますね。もしかするとアーモンドが好きなのかも(笑)。昔からあるものですが、この組み合わせを考えた人は天才だと思います。そもそも小魚の干したのに少し甘い味付けをしたのが好きなのですが(おせちの田作りも大好きです)、それとアーモンドの組み合わせが最強ですね。止まらなくなります。
大袋で置いているのですが、チェーンイーターになってしまうのが難点。
あと、大袋で食べる場合、最後にアーモンドが残りがち。バランス良く取るにはどうしたらいいんでしょうね。
とにかくこの2つがあれば幸せな今日この頃です。
一つは韓国製のハニーバターアーモンド。一昨年旅行に行った際に買ってみて食べたらすごく美味しかったのです。ハニーのほの甘感とバターの風味がちょうどいい感じ。昨年旅行に行ったときには3袋ほど買って帰りました。それもなくなり、今は新大久保のドンキホーテなどで買ってます。
韓国で買うと600円くらい、ドンキでは800円くらいだったかな。ネットでもそんなに値段は変わらないですが、送料分がちょっと痛いですね。全然別ブランドのハニーバターピーナッツを食べてみたら、いまいちだったので、やはりこのブランドのが好きみたいです。
アーモンドはカリフォルニア産だそうですよ。ちなみにミックスナッツもあってそちらもおすすめ。
もうひとつは「アーモンド小魚」。これもアーモンド入ってますね。もしかするとアーモンドが好きなのかも(笑)。昔からあるものですが、この組み合わせを考えた人は天才だと思います。そもそも小魚の干したのに少し甘い味付けをしたのが好きなのですが(おせちの田作りも大好きです)、それとアーモンドの組み合わせが最強ですね。止まらなくなります。
大袋で置いているのですが、チェーンイーターになってしまうのが難点。
あと、大袋で食べる場合、最後にアーモンドが残りがち。バランス良く取るにはどうしたらいいんでしょうね。
とにかくこの2つがあれば幸せな今日この頃です。
Taste Napa Valleyの試飲会で美味しかったワインを紹介します。
まずは前日のランチョンでソーヴィニヨン・ブランを試飲したラッド(Rudd)のワイン。
ソーヴィニヨン・ブランで80ドルというのはかなり高額ですが、梁世柱ソムリエによるとボルドーの白が高額になりすぎてしまったので、80ドルくらいのソーヴィニヨン・ブランでも市場性はあるそうです。マウント・ヴィーダ―のブドウを使用しており、味わいはトロピカルフルーツの風味に豊かな酸、引き締まったところが山のブドウを使っている雰囲気です。
あとの2本はカベルネ木系ですが、左のエステートと右のサマンサ。サマンサというのは昨年亡くなった創設者のレスリー・ラッドの娘。後を継いで現オーナーです。サマンサが非常にスムーズ。
高級なワインではヴィアデルも印象的でした。黒いラベルの方はシラーが入っており、濃厚かつスムーズ。白いラベルの方はさらにシルキーでエレガントさもありとてもよかったです。
シルバーオークは個人的にはナパよりも、親しみやすい味わいのアレキサンダー・ヴァレーが好きです。安心の味わい。昔より少しエレガントになった感じがします。
シレノスのワインはアカデミー・デュ・ヴァンが輸入していますが、残念なことにレストランなど業務用専門で小売には回っていないとのこと。メルローとカベルネ・フランが良かったです。特にフランはかなりいいです。
懐かしいサン・スペリーのソーヴィニヨン・ブラン。安心の味わいでいいですね。このほかコスパ系ではパイン・リッジのシュナン・ブランとヴィオニエのブレンドもいつもいいワインです。
トルシャード(Truchard)はすごくいいワイナリーだと思います。派手さはないですが、どのワインもきれいで美味しい。どれもカーネロスの自社畑であることにびっくりします。今回、特によかったのが写真のルーサンヌ。これは人気が出ると思います。
最後はトレフェッセン。ここもトルシャードに通じるところがあります。ナパの比較的冷涼な地域で自社畑のブドウを使ってコスト・パフォーマンスのいいワインを造っています。個人的には、一番左のマルベックを使ったドラゴンズ・トゥースが個性的な味わいですごく好きです。
まずは前日のランチョンでソーヴィニヨン・ブランを試飲したラッド(Rudd)のワイン。
ソーヴィニヨン・ブランで80ドルというのはかなり高額ですが、梁世柱ソムリエによるとボルドーの白が高額になりすぎてしまったので、80ドルくらいのソーヴィニヨン・ブランでも市場性はあるそうです。マウント・ヴィーダ―のブドウを使用しており、味わいはトロピカルフルーツの風味に豊かな酸、引き締まったところが山のブドウを使っている雰囲気です。
あとの2本はカベルネ木系ですが、左のエステートと右のサマンサ。サマンサというのは昨年亡くなった創設者のレスリー・ラッドの娘。後を継いで現オーナーです。サマンサが非常にスムーズ。
高級なワインではヴィアデルも印象的でした。黒いラベルの方はシラーが入っており、濃厚かつスムーズ。白いラベルの方はさらにシルキーでエレガントさもありとてもよかったです。
シルバーオークは個人的にはナパよりも、親しみやすい味わいのアレキサンダー・ヴァレーが好きです。安心の味わい。昔より少しエレガントになった感じがします。
シレノスのワインはアカデミー・デュ・ヴァンが輸入していますが、残念なことにレストランなど業務用専門で小売には回っていないとのこと。メルローとカベルネ・フランが良かったです。特にフランはかなりいいです。
懐かしいサン・スペリーのソーヴィニヨン・ブラン。安心の味わいでいいですね。このほかコスパ系ではパイン・リッジのシュナン・ブランとヴィオニエのブレンドもいつもいいワインです。
トルシャード(Truchard)はすごくいいワイナリーだと思います。派手さはないですが、どのワインもきれいで美味しい。どれもカーネロスの自社畑であることにびっくりします。今回、特によかったのが写真のルーサンヌ。これは人気が出ると思います。
最後はトレフェッセン。ここもトルシャードに通じるところがあります。ナパの比較的冷涼な地域で自社畑のブドウを使ってコスト・パフォーマンスのいいワインを造っています。個人的には、一番左のマルベックを使ったドラゴンズ・トゥースが個性的な味わいですごく好きです。
ナパのプリチャードヒルにある高級ワイナリー、ブランド(Brand)を元アップルのエグゼクティブが購入しました(Exclusive: Former Apple Execs Buy Napa)。
ブランドはエド・フィッツが2005年に設立したワイナリー。ワインメーカーにフィリップ・メルカを据えて高級ワインを作っています。エドは現在79歳であり、年齢的なところから手放したのではないかと思います。
購入したのはアップルでリテール担当の副社長だったジム・ビーンとMac OS Xのリリースなどを担当していたクリスティン・オサリバンのカップル。現在はスタートアップへの投資家として活動中です。
購入額は明らかにしていません。またフィリップ・メルカはワインメーカーにとどまるとのこたです。
ブランドはエド・フィッツが2005年に設立したワイナリー。ワインメーカーにフィリップ・メルカを据えて高級ワインを作っています。エドは現在79歳であり、年齢的なところから手放したのではないかと思います。
購入したのはアップルでリテール担当の副社長だったジム・ビーンとMac OS Xのリリースなどを担当していたクリスティン・オサリバンのカップル。現在はスタートアップへの投資家として活動中です。
購入額は明らかにしていません。またフィリップ・メルカはワインメーカーにとどまるとのこたです。
Taste Napa Valleyの一週間が始まりました。東京は火曜日と水曜日、その後は関西でのイベントです。
火曜日は生産者や昨年10月11月のバイ・ザ・グラスの表彰者のランチ。
珍しい趣向として、バイ・ザ・グラスの1位~3位のレストランの代表が、ナパのワイン三つをブラインドで当てる(品種とヴィンテージ、AVA)というコーナーがありました。これで1位になるとナパのワイン50本をプレゼントするというかなりの大盤振る舞い。
客席でもブラインドのワインが回ってきて考えられます。ヴィンテージやAVAは難しすぎますが、ヴァラエタルはなんとかあてたいところ。1番のソーヴィニヨン・ブランは簡単だったのですが、2番はカベルネ系で難しい。カベルネ・ソーヴィニヨンほどボディの線が太くなかったのでカベルネ・フランかと思いましたが正解はメルローでした。出場者も品種の正解なし。カベルネ・ソーヴィニヨンという回答が主流でした。
3つ目も難しい。カベルネ系でもピノ・ノワールでもないですがきれいな酸を持っています。ちょっと悩みましたが、先日全然わからなかったラファネリのジンファンデルと印象が近かったのでジンファンデルかと予想。正解でした。ガーギッチ・ヒルズのジンファンデル。これはとてもいいジンファンデルです。
このほか試飲したワインの中ではラッド・エステートのソーヴィニヨン・ブランも印象的でした。米国で80ドルするソーヴィニヨン・ブランですあらかな今はインポーターがいないとのこと。見つかってほしいものです。
火曜日は生産者や昨年10月11月のバイ・ザ・グラスの表彰者のランチ。
珍しい趣向として、バイ・ザ・グラスの1位~3位のレストランの代表が、ナパのワイン三つをブラインドで当てる(品種とヴィンテージ、AVA)というコーナーがありました。これで1位になるとナパのワイン50本をプレゼントするというかなりの大盤振る舞い。
客席でもブラインドのワインが回ってきて考えられます。ヴィンテージやAVAは難しすぎますが、ヴァラエタルはなんとかあてたいところ。1番のソーヴィニヨン・ブランは簡単だったのですが、2番はカベルネ系で難しい。カベルネ・ソーヴィニヨンほどボディの線が太くなかったのでカベルネ・フランかと思いましたが正解はメルローでした。出場者も品種の正解なし。カベルネ・ソーヴィニヨンという回答が主流でした。
3つ目も難しい。カベルネ系でもピノ・ノワールでもないですがきれいな酸を持っています。ちょっと悩みましたが、先日全然わからなかったラファネリのジンファンデルと印象が近かったのでジンファンデルかと予想。正解でした。ガーギッチ・ヒルズのジンファンデル。これはとてもいいジンファンデルです。
このほか試飲したワインの中ではラッド・エステートのソーヴィニヨン・ブランも印象的でした。米国で80ドルするソーヴィニヨン・ブランですあらかな今はインポーターがいないとのこと。見つかってほしいものです。
ナパ最大の地主であり、ベクストファー・トカロンをはじめとする超一流の畑の持ち主であるベクストファー家が、レイク郡の畑を広げています(Beckstoffer Vineyards Expands in Lake County)。
1990年代末から開墾を始め、レッド・ヒルズ(Red Hills)というAVAにいくつかの畑を持っています。さらに昨年12月にはトレジャリー・ワイン・エステートから189エーカーの土地(Clear Mountain Vineyards)を700万ドルで購入しました。
レイク郡はナパから内陸に入ったところであり、海からの涼しい風は入ってきにくいところですが、ここは標高が2000フィート(約700m)以上と高く、ナパの気温と同程度だとのことです。
ナパやソノマの土地があまりにも高額になってしまったので、今後は周辺の地域の開発も進むのかもしれません。
1990年代末から開墾を始め、レッド・ヒルズ(Red Hills)というAVAにいくつかの畑を持っています。さらに昨年12月にはトレジャリー・ワイン・エステートから189エーカーの土地(Clear Mountain Vineyards)を700万ドルで購入しました。
レイク郡はナパから内陸に入ったところであり、海からの涼しい風は入ってきにくいところですが、ここは標高が2000フィート(約700m)以上と高く、ナパの気温と同程度だとのことです。
ナパやソノマの土地があまりにも高額になってしまったので、今後は周辺の地域の開発も進むのかもしれません。
アンダーソン・ヴァレーでエレガント・スタイルの高品質なピノ・ノワールなどを作るアントヒル・ファームズ。2016年のヴィンテージが登場しています。
ピノ・ノワールだけでなく、シャルドネやシラーも入荷しています。特にシラーは3000円台前半という安さ。カリフォルニアの冷涼感あるシラーでこの価格帯のものはかなりレアなので気になるワインです。
ピノ・ノワールだけでなく、シャルドネやシラーも入荷しています。特にシラーは3000円台前半という安さ。カリフォルニアの冷涼感あるシラーでこの価格帯のものはかなりレアなので気になるワインです。
今週は、新生カリフォルニアワイン協会の新年会に参加してきました。こういう懇親会的な集まりは、僕が知る限りでは初めてだと思います。インポーターさんたちが持ち寄ったワインが並んでおり、試飲会ではなく、くつろぎながら飲めるのもよかったです。
持ち寄られたワインの中にターリー(Turley)が1本ありました。ずいぶんターリーは飲んでいなかったし、最近はスタイルが変わったと聞いていたので興味津々で試飲。このワインに目をつけていた人は多かったようで、早々に空になってしまったようでした。
久々のターリーは……美味しかったです。
昔は、とにかく濃くてガツンとくる味わいで、「名古屋の味噌煮込みうどんに合う」なんて言っていた人もいましたが、やっぱりそれとはだいぶ違いました。第一印象は華やかで明るいワイン。そして後味がさわやかできれい。重さは感じませんでした。エネルギーが外に出てくるような陽性な印象は昔のターリーに通じるような気がしました。それをうまく今風にまとめていると思います。
畑は多分フレデリックだったと思います。この畑も初めて知りました。
そのほかでは、布袋ワインズさんお得意のオールド・ヴィンテージ発掘物「トロワ・ヴォワイエル」は、おいしくてコスパも抜群です。
ホワイトホール・レーンの「トレ・レオーニ」は、インポーターのアイコニックワインさんによるとすごく売れているそうですが、この価格でこの味わいなら売れるだろうなと思います。ホワイトホール・レーンの中ではラベルも異色。
試飲会と違って、これくらいゆっくり飲めるとやっぱり味もよく確かめられるし、いいですね。
持ち寄られたワインの中にターリー(Turley)が1本ありました。ずいぶんターリーは飲んでいなかったし、最近はスタイルが変わったと聞いていたので興味津々で試飲。このワインに目をつけていた人は多かったようで、早々に空になってしまったようでした。
久々のターリーは……美味しかったです。
昔は、とにかく濃くてガツンとくる味わいで、「名古屋の味噌煮込みうどんに合う」なんて言っていた人もいましたが、やっぱりそれとはだいぶ違いました。第一印象は華やかで明るいワイン。そして後味がさわやかできれい。重さは感じませんでした。エネルギーが外に出てくるような陽性な印象は昔のターリーに通じるような気がしました。それをうまく今風にまとめていると思います。
畑は多分フレデリックだったと思います。この畑も初めて知りました。
そのほかでは、布袋ワインズさんお得意のオールド・ヴィンテージ発掘物「トロワ・ヴォワイエル」は、おいしくてコスパも抜群です。
ホワイトホール・レーンの「トレ・レオーニ」は、インポーターのアイコニックワインさんによるとすごく売れているそうですが、この価格でこの味わいなら売れるだろうなと思います。ホワイトホール・レーンの中ではラベルも異色。
試飲会と違って、これくらいゆっくり飲めるとやっぱり味もよく確かめられるし、いいですね。
今週、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナー4回目はカレラでした。さすがにカレラは受講者の方々の多くもなじみがあったようですが、案外「昔はよく飲んだけど最近は」という人も多かったかもしれません。例によって時間が足りずにしゃべりきれなかった部分もありましたが、基本的なところからかなりマニアックな部分までお話できたかと思います。
試飲のハイライトはもちろんピノ・ノワール。単一畑のピノ・ノワールを4種類試飲してもらい、ブラインドで当ててもらいました。残念ながらヴィンテージが揃えられなかったこともあり、かなり難しくなってしまいました。
左からジェンセン2011、ライアン2011、セレック2014、ド・ヴィリエ2015です。
カリフォルニアの2011年は天候が不順であまりいい年ではなく、ジェンセンもいつもよりも酒質が弱かったように思います。バランスの良さはジェンセンらしいところではありましたが、ブラインドで見極められたらすごいです。それでも人気は2番めでした。残念ながらブラインドの正解者はいなかったかと。
ライアンはこれまであまり飲んだことなかったので分かりませんが、一番エレガント系でした。受講者も多分ライアンにはなじみなかったのでしょうね。ライアンという回答自体がほとんどなく、ミルズやリードと思った人が多かったようです。ジョシュ・ジェンセンは「将来はライアンが一番と言われるようになるのでは」とかつて語っており、実はかなりポテンシャルのある畑のようです。おそらく、ライアンがカレラの単一畑の中で一番の「穴」になるでしょう。
セレックは一番わかりやすかったと思います。正解者も多かったです。明らかに果実味が少なく、鉱物系の風味だったり、複雑な要素が多くあります。まだ若い段階だと、もっと果実味が多いほうが飲みやすく感じますが、十数年熟成させたらセレックは魅力的です。
受講者の2/3近くが一番好きだと言ったのが最後のド・ヴィリエ。ここはジェンセンとミルズの間にある畑ですが、開墾自体はミルズと同時期に始まっているのに植樹したのは15年遅れ。ほかの畑は3年めくらいからワインを作り始めているのにここは10年めから。理由はタンニンが強すぎて、それをコントロールするのが難しかったから。結局ここだけはブドウを除梗することでワインを造るようになったのですが、このようにすごく頑固な畑です。除梗していてもストラクチャーがしっかりしていて、厚みのある味わい。ジェンセンをさらにボールドにしたような感じです(ピゾーニに対するゲイリーズみたいな?)。
価格的にはジェンセンとセレックは、ライアンとド・ヴィリエの倍近くするのですが、ワインのポテンシャルにはそこまでの差はないと思います(長期熟成ならやはりセレックだと思いますが)。
という、なかなか興味深い結果になった試飲でした。
ジェンセンもこっちのヴィンテージで試飲できたらよかったのですが。
セレックはこのあたりが多分一番飲み頃です。
ライアンは一番欧州系だと評されていました。
試飲のハイライトはもちろんピノ・ノワール。単一畑のピノ・ノワールを4種類試飲してもらい、ブラインドで当ててもらいました。残念ながらヴィンテージが揃えられなかったこともあり、かなり難しくなってしまいました。
左からジェンセン2011、ライアン2011、セレック2014、ド・ヴィリエ2015です。
カリフォルニアの2011年は天候が不順であまりいい年ではなく、ジェンセンもいつもよりも酒質が弱かったように思います。バランスの良さはジェンセンらしいところではありましたが、ブラインドで見極められたらすごいです。それでも人気は2番めでした。残念ながらブラインドの正解者はいなかったかと。
ライアンはこれまであまり飲んだことなかったので分かりませんが、一番エレガント系でした。受講者も多分ライアンにはなじみなかったのでしょうね。ライアンという回答自体がほとんどなく、ミルズやリードと思った人が多かったようです。ジョシュ・ジェンセンは「将来はライアンが一番と言われるようになるのでは」とかつて語っており、実はかなりポテンシャルのある畑のようです。おそらく、ライアンがカレラの単一畑の中で一番の「穴」になるでしょう。
セレックは一番わかりやすかったと思います。正解者も多かったです。明らかに果実味が少なく、鉱物系の風味だったり、複雑な要素が多くあります。まだ若い段階だと、もっと果実味が多いほうが飲みやすく感じますが、十数年熟成させたらセレックは魅力的です。
受講者の2/3近くが一番好きだと言ったのが最後のド・ヴィリエ。ここはジェンセンとミルズの間にある畑ですが、開墾自体はミルズと同時期に始まっているのに植樹したのは15年遅れ。ほかの畑は3年めくらいからワインを作り始めているのにここは10年めから。理由はタンニンが強すぎて、それをコントロールするのが難しかったから。結局ここだけはブドウを除梗することでワインを造るようになったのですが、このようにすごく頑固な畑です。除梗していてもストラクチャーがしっかりしていて、厚みのある味わい。ジェンセンをさらにボールドにしたような感じです(ピゾーニに対するゲイリーズみたいな?)。
価格的にはジェンセンとセレックは、ライアンとド・ヴィリエの倍近くするのですが、ワインのポテンシャルにはそこまでの差はないと思います(長期熟成ならやはりセレックだと思いますが)。
という、なかなか興味深い結果になった試飲でした。
ジェンセンもこっちのヴィンテージで試飲できたらよかったのですが。
セレックはこのあたりが多分一番飲み頃です。
ライアンは一番欧州系だと評されていました。
ナパヴァレー・ヴィントナーズの日本事務局がインスタグラムを開設しています。
アカウント名はnapavintnersjapan。素敵な写真がアップされるのを期待したいです。
前にも紹介しましたが、来週はTaste Napa Valleyとして生産者が来日して各種イベントが開かれます。これまでになかったユニークな企画としては「ナパ・トリビア王決定戦」なんて言うのも!
1位になるとプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションに招待という豪華賞品付き。僕も出たいところですが、残念ながら40歳以下限定なのです(あと、ソムリエじゃないといけないので、全然引っかかりません)。まだ出場者募集中なので、我こそはと思う方も、万が一フロックでと思う方もぜひ参加してみてください。
詳しくはこちらから。
【東京】ナパ・トリビア王決定戦(40歳以下限定) | ナパヴァレー・ヴィントナーズ
アカウント名はnapavintnersjapan。素敵な写真がアップされるのを期待したいです。
前にも紹介しましたが、来週はTaste Napa Valleyとして生産者が来日して各種イベントが開かれます。これまでになかったユニークな企画としては「ナパ・トリビア王決定戦」なんて言うのも!
1位になるとプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションに招待という豪華賞品付き。僕も出たいところですが、残念ながら40歳以下限定なのです(あと、ソムリエじゃないといけないので、全然引っかかりません)。まだ出場者募集中なので、我こそはと思う方も、万が一フロックでと思う方もぜひ参加してみてください。
詳しくはこちらから。
【東京】ナパ・トリビア王決定戦(40歳以下限定) | ナパヴァレー・ヴィントナーズ
ストルプマンのシラー「パラ・マリア」が輸入元完売だそうです。まだ流通在庫はありますが、それがなくなったら秋まで入手できません。
先日、私が開いたカリフォルニアワインの会(一応、ワインを勉強するという建前のワイン会です)でも、このワインを出したのですが、とても評価高く、フクロウの印象的なラベルも大好評でした。
これだけのコスパのシラーはなかなかないと思います。
こちらのシラーはまだあります。
先日、私が開いたカリフォルニアワインの会(一応、ワインを勉強するという建前のワイン会です)でも、このワインを出したのですが、とても評価高く、フクロウの印象的なラベルも大好評でした。
これだけのコスパのシラーはなかなかないと思います。
こちらのシラーはまだあります。
ナパのワイナリー、スターリングが新しいパッケージのワインを発売しました(Sterling Introduces Resealable Aluminum Wine Bottles With A Sense of ...)。アルミ缶ですが、一度開けたものをまた蓋できるようになっています。
375mlで価格は7.99ドル。スポーツやコンサートでの需要を見込んでいます。オプションで蓋と一体型になったストローもあるとのこと。
米国では缶入りのワインがかなりのペースで増えています。また、ボックスワインも以前からあるジャグワインだけでなく、ちゃんと品種表示のあるものが中心になりつつあります。
日本はワイン文化が成熟していると言われることもありますが、なかなかパッケージが多様化していかないのは結局マニアにとどまっていて文化としては根付いていないのではないか、というような気もします。
375mlで価格は7.99ドル。スポーツやコンサートでの需要を見込んでいます。オプションで蓋と一体型になったストローもあるとのこと。
米国では缶入りのワインがかなりのペースで増えています。また、ボックスワインも以前からあるジャグワインだけでなく、ちゃんと品種表示のあるものが中心になりつつあります。
日本はワイン文化が成熟していると言われることもありますが、なかなかパッケージが多様化していかないのは結局マニアにとどまっていて文化としては根付いていないのではないか、というような気もします。
ワイン・サーチャーの記事に、日本国外で日本酒を買う人のためのTipsが紹介されていました(12 Days of Sake | Wine-Searcher News & Features)。著者はワイン・ライターとしても有名なW. Blake Gray氏です。Gray氏はサンフランシスコ在住で、奥さんは日本人、日本で酒の品評会の審査員をすることもあります。
・日本国外で作られる日本酒は日本のよい日本酒よりも質が低い
・買うことができない素晴らしい酒よりも買える酒の方が良い
・新鮮さは重要
・白ワインを飲むシチュエーションで日本酒を飲もう
・吟醸、大吟醸、本醸造の酒は冷やして飲むべき。純米は室温でもいい
・白ワイン用のグラスを使おう
・開けたボトルは冷蔵庫で保管する
・店で一番高い酒を買うというのは悪くない
・日本国外では25ドル以下のものは買わないこと
・美しいボトルデザインに惑わされない、それは中身よりもマーケティングだ
・まずはどれか買ってみよう
僕も日本酒を買うときは悩みます。先日、正月用の酒を買いにいったときも酒屋のケースの前で30分ほども迷った末、結局前の年と同じものを選びました。日本酒ももっと知りたいとは思うのですが、なかなか難しいですね。
・日本国外で作られる日本酒は日本のよい日本酒よりも質が低い
・買うことができない素晴らしい酒よりも買える酒の方が良い
・新鮮さは重要
・白ワインを飲むシチュエーションで日本酒を飲もう
・吟醸、大吟醸、本醸造の酒は冷やして飲むべき。純米は室温でもいい
・白ワイン用のグラスを使おう
・開けたボトルは冷蔵庫で保管する
・店で一番高い酒を買うというのは悪くない
・日本国外では25ドル以下のものは買わないこと
・美しいボトルデザインに惑わされない、それは中身よりもマーケティングだ
・まずはどれか買ってみよう
僕も日本酒を買うときは悩みます。先日、正月用の酒を買いにいったときも酒屋のケースの前で30分ほども迷った末、結局前の年と同じものを選びました。日本酒ももっと知りたいとは思うのですが、なかなか難しいですね。
イノシシ年にちなんでイノシシラベルのワインを以前紹介しましたが、そこで紹介したマーカッシン(マーカッサン)とボアズ・ビューがセットでセールになっています。
セール会場はこちら
特に、ボアズ・ビューの4ヴィンテージ・セットはデビュー・ヴィンテージから、現行日本で最新の2014年までなので、かなり貴重です。
セール会場はこちら
特に、ボアズ・ビューの4ヴィンテージ・セットはデビュー・ヴィンテージから、現行日本で最新の2014年までなので、かなり貴重です。
ボニー・ドゥーン(Bonny Doon)のランドール・グラームが、代表するワインである「ル・シガール・ヴォラン」(Le Cigare Volant)を2017年のヴィンテージで終了すると表明しています(Randall Grahm bids farewell to ‘Le Cigare Volant’)。最初のヴィンテージは1984年。グルナッシュとシラーとムールヴェードルのいわゆる「GSM」ブレンドのワインとしてはカリフォルニアでは先駆けとなります。
ちなみに、ル・シガール・ヴォランとは葉巻型のUFOのことで、シャトーヌフ・デュ・パプのある村が、UFOのぶどう畑への着陸を禁止する条例を決めたことをやや皮肉って付けた名前だといいます。
このワインのヒットによってボニー・ドゥーンやランドール・グラームの名前が知られるようになり、ランドール・グラームがワイン・スペクテーターに「ローヌ・レンジャー」として紹介され、同名のワイナリーグループが作られるきっかけにもなりました。
ル・シガール・ヴォランをやめてしまうといっても、完全になくしてしまうというよりもリニューアルに近いかたちになるようです。具体的にはグルナッシュの代わりにサンソーを入れたブレンドで、より軽い味わいを目指すとのこと。
新しい名前がどうなるのかはまだ公表されていません。
ちなみに、現在はボニー・ドゥーンは日本には輸入されていないようです。確かにあまり売りやすいワインではないかもしれませんが、ちょっと残念な気がします。
ちなみに、ル・シガール・ヴォランとは葉巻型のUFOのことで、シャトーヌフ・デュ・パプのある村が、UFOのぶどう畑への着陸を禁止する条例を決めたことをやや皮肉って付けた名前だといいます。
このワインのヒットによってボニー・ドゥーンやランドール・グラームの名前が知られるようになり、ランドール・グラームがワイン・スペクテーターに「ローヌ・レンジャー」として紹介され、同名のワイナリーグループが作られるきっかけにもなりました。
ル・シガール・ヴォランをやめてしまうといっても、完全になくしてしまうというよりもリニューアルに近いかたちになるようです。具体的にはグルナッシュの代わりにサンソーを入れたブレンドで、より軽い味わいを目指すとのこと。
新しい名前がどうなるのかはまだ公表されていません。
ちなみに、現在はボニー・ドゥーンは日本には輸入されていないようです。確かにあまり売りやすいワインではないかもしれませんが、ちょっと残念な気がします。