Archives

You are currently viewing archive for 2020
Date: 2020/1230 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
マーサズ・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨンで知られるナパのオークヴィルにある歴史的なワイナリー「ハイツ・セラー(Heitz Cellar)」のオーナーが、これも歴史あるワイナリーである「ストーニー・ヒル(Stony Hill)を買収しました(Heitz Cellar Team Buys Stony Hill Vineyard | Wine Spectator)。

ハイツが現オーナーの手に渡ったのは2018年のこと。その後、2019年にはラザフォードのワイルドウッド・ヴィンヤード、クームズヴィルのヘイン・ヴィンヤードを買収、今年9月にはバーゲス・セラーズ(Burgess Cellars)を買収と矢継ぎ早に買収をしています。

ストーニー・ヒルはナパのスプリング・マウンテンにあり、シャルドネで知られているワイナリーです。禁酒法が終わった直後に設立されたナパではかなり古いワイナリー。これは偶然というわけではなく、狙って古いところを買いに行っています。

ストーニー・ヒルは2018年にロング・メドゥ・ランチに買収されており、今回はそこから買い取った形になります。
Date: 2020/1230 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
最初は3選にしようと思っていたのですが、柳屋の福袋は今年は早々に売り切れていました。コロナ禍で宅飲みが増えているからでしょうか。

しあわせワイン倶楽部も初の福袋発売です。定価総額3万3000円以上が1万9800円(税別)と4割以上の割引となっています。中身は伏せられていますが、基本的には普段のラインアップに入っていないワインを使うという柳屋スタイル(一部、売っているワインの大幅値引きもあるそうです)。8種類の中から6本を店側が選ぶ形ですが、白ワイン多めか赤ワイン多めを選べます。


もうひとつのお薦めは、定番のウメムラ。ここは内容が決まっておらず、リクエストに応じて店が選ぶというスタイル。価格帯や本数はかなりたくさん用意されています。もちろんカリフォルニアワインだけというのも可能です。値段的に問題がなければリクエストを具体的に入れることもできます。例えば6本8万8000円の福袋を選んで、1本は3万円台のダイヤモンドクリークにしてもらうといったこともできるはず。2万円の福袋に5万円のワインをリクエストみたいなのはもちろんだめですが。買いたいワインに福袋でおまけが付いてくると考えて頼んでみるのもありでしょう。6本で3万3000円とか2万2000円あたりが最初に試すならよさそうな気がします。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

2021年 新春 ワイン福袋(い) 6本
価格:33000円(税込、送料別) (2020/12/30時点)


Date: 2020/1228 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
UCデーヴィスでワイン造りを学んだ平林園枝さんがカリフォルニアで作るワイン「シックス・クローヴズ」。3ヴィンテージ目の2019年は、前ヴィンテージに続いてのスティーブ・マサイアソンの畑「リンダ・ヴィスタ」のシャルドネに加えて、プリミティーボ(ジンファンデル)とレッド・ブレンドという構成。どれもきれいな酸が特徴のエレガントなワイン。一般的なカリフォルニアワインをイメージして飲むと驚くようなワインです。

シャルドネは柑橘系の風味に酸がきれいに伸びてくる印象のワイン。白い花の香り。たおやかでしなやかなワインです。濃厚系でないシャルドネを求めているなら、非常にオススメです。

プリミティーボは個人的にはこのヴィンテージのイチオシ。全房発酵というのはジンファンデルではかなり珍しいのではないでしょうか。ふくよかで赤系のピュアな果実味があり、酸がしっかりしているのと同時に、味に深みもありバランスもいいです。一般的なジンファンデルの味わいとは大きく異なりますが、非常にレベルの高いワイン。ピノ・ノワール好きな人に飲んでほしい。

レッド・ブレンドはカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローという、いわゆるボルドーブレンドの構成です。なんと畑はソノマとナパの南端に当たるロス・カーネロス(ソノマ側)にあります。海に近く冷涼なため、ブドウの糖度はあまり上がりません。糖度が22度とカリフォルニアにしては低い状態で収穫しています。冷涼感あふれる味わい。ブラインドで飲んだらカベルネ・ソーヴィニヨンが入っているとは思わないような気がします。むしろ上質なバローロに似ているような気がしました。

どれも園枝さんらしさがしっかりでたワイン。カリフォルニアワインの濃いイメージとは対極的ですが、和食にも合わせやすいですし、おせちにも合いそうです。




Date: 2020/1227 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2020年の印象に残ったワイン10(前編)」はこちら。


オールド・ヒル・ランチは現存するカリフォルニアで最も古いブドウ畑と言われています。かつてはレーヴェンズウッドのフラッグシップとして知られていましたが、近年は評価も低迷。さらにレーヴェンズウッドの所有権がコンステレーション・ブランズからガロに移ったことで、ワイナリーもほぼ解体状態になってしまいました。そこで、レーヴェンズウッドの創設者であるジョエル・ピーターソンが自身のブランド「ワンス・アンド・フューチャー」でオールド・ヒル・ランチのジンファンデルを作り始めたのがこのワイン。非常にパワフルかつタニック。レイヴンズウッド時代に「ノー・ウィンピー・ワイン(軟弱なワインはつくらない)」という標語を掲げただけのことはあります。非常に重厚かつ重層的な味わい。うまみ要素がこれでもかというほど押し寄せてきます。息子のモーガン・ピーターソンが作るオールド・ヒル・ランチも高評価を得ており、親子で銘醸畑を復活させた格好です。


あと4つはいずれもカベルネ・ソーヴィニヨン。ナパのオークヴィルにある銘醸畑中の銘醸畑「ト・カロン」。この名の付く畑は、ロバート・モンダヴィとベクストファー・ト・カロンの2つがありますが、モンダヴィの方のト・カロンはモンダヴィでのみ作られていました(一部オーパス・ワン専用のブロックもあります)。モンダヴィの親会社であるコンステレーション・ブランズが、著名ワインメーカー「アンディ・エリクソン」に、モンダヴィのト・カロンの畑の中で最良のブドウで作ってもらったのがこの「Highest Beauty」。濃厚ですが極めてバランスもよく高いレベルのワイン。生産量わずか500ケースですから、かなりのレア物。オーパス・ワン買うならこちらを選ぶことを薦めます。


ダオ(Daou)はパソ・ロブレスのワイナリー。コスパはいいけど、やや洗練さが欠けるイメージが合ったパソ・ロブレスでトップクラスのカベルネ・ソーヴィニヨンを作っています(シャルドネも美味しいです)。写真右のフラッグシップ「Soul of a Lion」はカシスやブラックベリーの果実味に、グラファイトや鉛筆の芯などの風味。シルキーなテクスチャが特徴です。そのシルキーさは「ハーランを彷彿とさせる」(アンディ談)。ナパでこのレベルのワインだったら価格は倍以上だと思います。


こちらは上で引き合いにだしたハーランの最新プロジェクト「プロモントリー」の垂直試飲です。畑はヨントヴィルですがマヤカマスの山中、人里離れたところに畑があります。まだまだ進化中の畑とワイナリー。その進化の過程が見えるような試飲でした。極めて高いポテンシャルを持っているワイナリーです。


最後はハンドレッド・エーカー。ワイン・アドヴォケイトで20回を超える満点を取っているワイナリーです。カベルネ・ソーヴィニヨンの単一畑は3つありますが、それ以外に、ベストの樽を選んで作る「Wrath(レイス)」があります。今回はその4つを一度に試飲しましたが、中でも個人的ベストは2013年のWrath。これは素晴らしいワイン。うまみが口の中を駆け巡るような味わいでした。



Date: 2020/1225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2回に分けて今年印象に残ったワインを紹介します。今年はコロナで春から初秋にかけては試飲会もほとんどなく、また生産者セミナーもオンラインのものを除くとほとんどないという年でした。そのため、出合ったワインの種類は例年より少なめだったと思います。

コロナ禍は米国におけるワインの流通にも大きな影響を与えました。ワイン消費は全般に多くなったものの、伸びたのはほとんどが大ブランドのもの。小規模生産者にとっては厳しい年でした。そのため、格安で輸出されるワインや、通常であれば輸出向けには回らないようなキュベが輸出されるなど、日本のコンシューマーにとってはメリットもありました。

今回は印象に残ったワインということで10ブランドのワインを2回に分けて紹介します。前編はバリュー系が中心です。


ロウワー(Lawer)のヴィオニエは今年の驚きの出合いの一つ。そもそもカリフォルニアのヴィオニエで「あたり」のものを見つけるのはちょっと大変なのですが、これはとてもおいしい上に価格がむちゃくちゃ安い。大おすすめワインです。


ワンダーウォールのピノ・ノワールもバリュー系。3000円台にしては珍しいほどのエレガントなピノ・ノワールです。すごくいいワインだと思っているのですが、あまり話題になってこないのがちょっと不思議。


コスパワインで知られるシャイド・ファミリーが作った「低アルコール・低カロリー」のワインです。低アルコールや低カロリーにするには人工的な作業が必要であり、こういったワインは甘かったり「あまりおいしくない」というのがこれまでの常識だったのですが、このワインは普通に美味しい。


これはもうなくなってしまったワイナリー「ルタム」のシャルドネ、デュレル・ヴィンヤード。キスラーなどのオーナーであるビル・プライスと若き才人ギャヴィン・シャナン(チャナン)が組んだワイナリーだったのですが、残念ながらやめてしまったとのこと。個人的には今年飲んだシャルドネの中でベスト。ピュアな果実味ときれいな酸。ほのかなリッチさ。ワインメーカーの才能もデュレルの実力も見事なワインでなくなってしまったのが惜しまれます。


前編の最後はソーヴィニヨン・ブラン。1万円を超える珍しい高額なソーヴィニヨン・ブランです。サンタ・ルシア・ハイランズの雄ピゾーニのジェフ・ピゾーニと、その妻で元ウェイフェアラーのワインメーカーのビビアナ・ゴンザレス・レーヴが共同で作るワインで、ボルドータイプのセミヨンをブレンドしたソーヴィニヨン・ブランとロワールタイプのソーヴィニヨン・ブランを作っています。これがどちらも美味しい。ボルドーの高級ソーヴィニヨン・ブランと比べても引けを取らないクオリティです。





Date: 2020/1224 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ワイン・エンスージアスト誌でお買い得な「ベストバイ100」が発表されています(Top 100 Best Buys of 2020 | Wine Enthusiast)。

日本に入っているカリフォルニアワインで最上位は13位に入ったボーグルのオールド・ヴァイン・ジンファンデル2017。個人的にもボーグルならこれか「ファントム」が一押しなので、わかります。レイティングは91点。



ハーンのローヌ系赤ブレンド「GSM」。ハーンもコスパ系で間違いのないブランドです。


ケンダル・ジャクソンのヴィントナーズ・リザーブ・ソーヴィニヨン・ブラン。


クライン・ヴィオニエ2019。クラインもコスパいいワインたくさん作っています。


オレゴンのソーコル・ブロッサーのNo.9というワイン。ラベルもちょっとおしゃれです。


Date: 2020/1223 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部にオーベール(Aubert)のピノ・ノワールUVヴィンヤード2018が入荷しています。

今年のワインスペクテーター年間トップ100で2位に入ったワインそのものです。スペクテーターでのレイティングは95ですが、ワイン・アドヴォケイトでは98+とさらに高い評価。オーベールのピノ・ノワールの中でもストラクチャーがあり、しっかりした味わいのようです。

輸入元は完売で、輸入量も少ないので、お早めに。

オーベールにはUV-SLというピノ・ノワールもありますが、こちらは別の畑。どちらもUV(故ユリシス・ヴァルデス)の作った畑でヴァルデス家が管理していますが、UV-SLの方がより冷涼なところにあります。ヴィナスではUV-SLの方が高い評価になっています。

Date: 2020/1222 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ソノマのペタルマ・ギャップはギャップという名前が付いているように谷間を通じて太平洋からの強い風が年中吹き付けるところ。そのため、冷涼な地域でありながら、ストラクチャーのしっかりしたワインができます。

CASA(カーサ)は、ケラー・エステートのややカジュアル・ライン。ケラーの現在日本に入ってきているのはオールド・ヴィンテージで、良質なワインで非常に格安ですが、ペタルマ・ギャップらしさというよりはエレガントさが出ています。それに対してCASAはペタルマ・ギャップらしさがしっかりと出たワイン。

2019年のシャルドネは青りんごや洋梨など爽やか系の果実味にクリーム・ブリュレのようなリッチさもある味わい。2018年のピノ・ノワールはレッド・チェリーやレッド・プラム、ストロベリーのきれいな味わい。果実味だけでなくしっかりとしたストラクチャーもあり美味しいです。お薦めです。




Date: 2020/1221 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
今年話題になったカリフォルニアワインの一つがアルタ・マリア(Alta Maria)。全房発酵をしているということで「ロマネ・コンティと同じ作り方」とWeb記事で取り上げられて爆発的に売れました。

まあ、間違ったことは言っていないのですし、アルタ・マリアが美味しいのは確かで私も何度も飲んでいるワインではあり、売れてくれるのは嬉しいのですが、ちょっと微妙な気持ちになったところもないとは言えず……。

ともかく売れたおかげか、リザーブ(レゼルヴァ)版も国内に入ってきています。

アルタ・マリアは元々オンティヴェロス・ヴィンヤードのオーナーであるジェームズ・オンティヴェロスが始めたワイナリーですが、リザーブは、オンティヴェロス・ヴィンヤードの中のマルティニ・クローンを使った「クラーク・アンド・テレフォン・ブロック」のブドウだけを使ったもの。彼のもうひとつのワイナリーがネイティヴ9(カリフォルニアで9世代目になることから付けた名前)で、ここはかつてのIPOB(イン・パースート・オブ・バランス=バランス追求派)に所属していた実力のあるワイナリー。その畑の中でも特定のブロックだけを使っているわけですから位置づけ的にはネイティブ9のピノ・ノワールよりもさらに高級版といってもいいのかもしれません(価格はこちらの方が安いですが)。

こちらは全房発酵していないとのことですが、非常に複雑味がある味わいで、リザーブの名に恥じないワインです。


こちらは通常版。ショップはどちらも「しあわせワイン倶楽部」です。

Date: 2020/1220 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
コルク業界最大手で半分近くのシェアを持つアモリム(Amorim)がブショネの起こらないコルクを開発したと発表しました(db exclusive: The world’s biggest cork producer announces TCA breakthrough)。

ブショネを引き起こす物質はTCAといい、それがないコルクを作ったとのこと。価格は従来のコルクと同等であり、今後従来のコルクを置き換えていくことが期待されています。

今回の技術の詳細は明らかになっていませんが、同社はNaturityと呼んでいるようです。
Date: 2020/1218 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ワイン・スペクテーターで昨年2位、今年も4位と2年連続上位の快挙をなしとげたマヤカマス(Mayacamas)のカベルネ・ソーヴィニヨン。今年4位に入った2016ヴィンテージが入荷しています。昨年2位の2015年もまだありますから、両方買って比べてみるのもいいかもしれいません。

ちなみにどちらも評価は96点。ちなみにヴィナスでは2015が97+で、2016はなんと99点! ヴィナスの2016年のカリフォルニアの評価では100点が10本、99点が9本。アイズリーやプロモントリー、エイブリュー・マドローナ・ランチ、ダラ・ヴァッレ・マヤといったそうそうたるワインと同レベルですが、このなかでは圧倒的に低価格です。

マヤカマスのワインは典型的な「山カベ」のスタイル。タニックで酸が高く、長熟に耐える作りです。ワイン・スペクテーターでは以前はこのタイプはあまり高く評価されておらず、2010年以前のヴィンテージでは90点を超えたのは2回しかありません(どちらも1970年代のワインが1990年代に評価されたもの)。現在のカリフォルニアワイン担当のジェームズ・モールズワースに変わってから高評価が連発するようになりました。ここのスタイルは以前から変わっていないので、ワインがよくなったというよりも担当者による違いの面が大きそうです。

また、ユーザーの好みも変わってきているといいます。以前のようにビッグなワインばかりがもてはやされるのではなく、酸がしっかりしたようなワインも若者などが好むようになってきているのが評価を押し上げている要素の一つかもしれません。

2013年にオーナーが変わり、以前よりも投資ができるようになったことも全体のレベルを上げています。注目のワイナリーといっていいだろうと思います。

ショップはどちらもカリフォルニアワインあとりえです。


Date: 2020/1217 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
セインツベリー(Saintsbury)の10年以上熟成した単一畑ものが、現行のAVAものと変わらないくらいの格安で出ています。

シャルドネとピノ・ノワール、シラーの3種あります。

一番の目玉はシャルドネでしょう。2006年のブラウンランチです。ブラウンランチはセインツベリーのフラッグシップの畑。それが7000円台は安いです。試飲しましたが、洋梨の風味に、濡れた石、熟成によるナッツの風味が加わり、非常に美味しいです。



ピノ・ノワールは2008年のリー・ヴィンヤード。キノコや土、タバコなど熟成による風味が支配的です。非常に複雑な味わい。好き嫌いは分かれると思いますが熟成好きの人にはお薦めです。


シラーは2007年のロジャーズ・クリーク・ヴィンヤード。個人的には3種の中でこれが一番お薦めです。ホワイトペッパーなどのスパイス、皮革、ブルーベリー、ブラックベリー、非常に複雑な味わい。北ローヌ系のシラーです。これ、4000円台はすごくお買い得です。


Date: 2020/1216 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアのスパークリング・ワイン、なぜか日本での実売価格が米国よりも安いものがいろいろあります。プレステージなシャンパーニュより美味しいとはいいませんが、普通のシャンパーニュと比べたらカリフォルニアのスパークリング・ワインも十分イケてると思います。泡が欲しくなる季節、どうせ買うならお得に買いたいですね。なお、米国での実売価格はワイン・サーチャーでの平均価格を参照しています。また、これは税抜きですが、国内価格は税込みです。


フランスのルイ・ロデレールがアンダーソン・ヴァレーに作ったロデレール・エステート(Roederer Estate)。
ここの最高峰「エルミタージュ」は米国での実売価格が52ドルに対し、国内では5700円台から。安いです。ロゼも米国72ドルについて国内では7400円台から。こちらのほうがさらに格安になっています。




テタンジェがナパに作ったドメーヌ・カーネロス。ここのロゼ・キュベ・ポンパドールは米国40ドルに対して国内では4500円台から。ほぼ同等価格です。
ここで一番お買い得なのはフラッグシップの「ル・レーヴ」。米国では100ドルを超える高級スパークリングワインなのになぜか国内は7000円台と全然安くなっています。お買い得度ではこれが一番。



グロリア・フェラーのブラン・ド・ブランは米国21ドルが2300円台。ブラン・ド・ノワールも同価格です。個人的にはブラン・ド・ノワールが好きです。さらにここのフラッグシップのロイヤルキュベは米国32ドルが3300円。かなり安いです。




Date: 2020/1215 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
超充実のカリフォルニア・ヴァーチャル・ツアー1日目についで、2日めはナパ・ソノマ以外、具体的にはリヴァモア・ヴァレー、サンタ・バーバラ、パソ・ロブレスのワイナリーを5軒回ります。リアルツアーだったら移動だけで終わってしまう距離です。

ワイナリーはウェンテ(Wente)、メルヴィル(Melville)。ビエン・ナシード(Bien Nacido)とソロモン・ヒル(Solomon Hill)、ダオ(Daou)、ディアバーグ(Dierberg)とスター・レーン(Star Lane)。

まずはウェンテ。ウェンテといえばシャルドネ、シャルドネといえばウェンテ。このワイナリーを出自とする「ウェンテ・クローン」のシャルドネはカリフォルニアの75%を占めるとか。カリフォルニアがシャルドネの名産地になった、その理由の一つがウェンテ・クローンと言っていいでしょう。

説明はワイナリーの第5世代のアリ・ウェンテさん。ウェンテ家はドイツから1880年代にカリフォルニアに渡り、リヴァモアに47エーカーの土地を買ってブドウを植えました。当時のリヴァモアはナパと同じくらいワインが盛んだったそうです。1908年に最初のシャルドネを植え、そこから性質のいいものを選んで新しいシャルドネ作っていったとのこと。ウェンテ・クローンの特徴はマスカット、ストーンフルーツ、グリーンアップルの風味だそうです。

その後1960年にモントレーに1000エーカーの畑を購入し、在合計3000エーカー。サスティナブルなブドウ作りをしていて、ワインはすべて自社ブドウで作っています。

なお、ウェンテ・クローンにもいくつかのバリエーションがあり、クローン4はUCデーヴィスで認証されており、一番メジャー。オールドウェンテはStony Hillで1940年代から植えられ、カーネロスのHydeヴィンヤードで一躍有名になったそうです。

リヴァモアの土壌は小石混じりのロームで、ミネラリティがあるとのこと。昼の気温はナパより高くなりますが、サンフランシスコ・ベイからの強い風のために気温が下がるのも早く、夏の昼間は40℃近くまで上がりますが、夜は10℃を下回るそうです。

モントレーのアロヨセコは涼しく、収穫が10月の終わりになることもあります。じゃがいもくらいの石混じりの砂の土壌。リヴァモアが柑橘系の味わい、アロヨセコがリッチな味わいをくわえるとのこと。

試飲は4種です。

2018 Morning Fog Chardonnay(2300円)
 55%ステンレススチールで熟成、ゲヴェルツトラミネールを少量加えることで花の香りを与えているとのこと。
 ストーンフルーツ、レモン、白い花、濡れた石、フレッシュな酸

2018 Riva Ranch Chardonnay(3600円)
 Morning Fogよりリッチ、ふくよか、パイナップル、さわやかさもあります。

2017 Riva Ranch Pinot Noir(3600円)
 いちご、ざくろ、ジャム、ミディアムボディ、酸やや強い、

2017 Wetmore Vineyard Cabernet Sauvignon(3600円)
 赤系果実(ザクロ、ラズベリー)、プラム、いちごジャム、甘草、ミディアムボディ、非常にコスパよし、ホワイトペッパー

ウェンテのワインはどれも非常にコスパがいいのが印象的でした。

サンフランシスコ東方のリヴァモアから、一気に南に下り、次はサンタ・リタ・ヒルズのメルヴィルです。オーナーのチャド・メルヴィルが自ら説明してくれました。


サンタ・リタ・ヒルズは世界的に見ても珍しい、海岸線に対して垂直に山脈があるところ。通常は海岸線と平行に山があるので山が海からの冷気をある程度ブロックしてくれますが、ここはまったくブロックせずに直接冷気が入ってきます。そのため「クールではなくコールド」な気候となっており、ブドウ栽培地域の中でも指折りの寒さです。海からの距離は10~15kmで、合計120エーカーの畑を持っています。

この寒さのため、ブドウの木が休息する期間が短いのも特徴です。11月下旬の時点ではまだブドウの樹の枝は戻りの状態です。そして2月半ばにはブドウは目覚めます。ブルゴーニュよりも1か月半くらい早いそうです。このように気温は低いのですが、日照はいいのでブドウは完熟します。

土壌は古い海洋性のもので、珪藻が含まれ白っぽい土です。カルシウムが多く栄養も比較的豊富です。畑のカバークロップはBell Beanなど5種類。畑の中の栄養を吸い取るためにやるところも、栄養を与えるためにやるところもあるが、ここでは栄養与えるためにやっているそうです。

チャド・メルヴィルは土の香りを嗅ぐのが趣味で、世界中どこに行っても畑にいくと土の香りを嗅ぐのだそうです。メルヴィルではインテンスな香りを目指しているとのこと。

ここでの一番の敵は腐敗。ブドウの実の上の葉を落として日当たりをよくすることで防いでいます、ブドウの実は地表から40インチのところに付くようにしています。また、サバの粉末をスプレーしているとか。

試飲は4種類。

2015 Pinot Noir Estate(6500円)
発酵は1.5トンのオープントップファーメンターを使い、樽熟成ではニュートラルなオークだけを使っています。新樽が嫌いなわけではないが自分のワインはできるだけピュアな味にしたいのでニュートラルなものだけを使うとのこと。40%除梗なしです。除梗しないでワインを作る上ではクローンの進化も大きいとのこと。2015年は旱魃最後の年でストレス多かったとのこと。

 レッドプラム、ザクロの味わい、ジャム、ドライハーブ、ホワイトペッパー。複雑で滋味があります。

2016 Anna's Block Pinot Noir(9200円)
 生産量わずか500ケースのワイン。60%除梗なし。クローンは114が1/3で667が2/3。2016年は旱魃の後でブドウの実が美しくなったとのこと。
 とてもきれいなワインで、旨味があり素晴らしく美味しい。ラズベリー、ダークフルーツ、ザクロ、ダークチェリー、紅茶

2015 Syrah Estate(6500円)
 ホワイトペッパー、プラム、ドライハーブ、ミディアムボディ、バイオレット

2016 Chardonnay Estate(5200円)
 マロラクティック発酵なしで作るワイン
 ハーブ、火打ち石、レモン、オレンジ、白い花、酸がしっかりしています

3つ目のワイナリーは、オー・ボン・クリマなどのワインでも知られるビエン・ナシードの畑のオーナーが作るワインです。同じオーナーでソロモン・ヒルという畑もあります。場所はサンタ・マリア・ヴァレー、先程のサンタ・リタ・ヒルズの北側になります。サンタ・バーバラのAVAとして知られていますが、実は一部はサンルイスオビスポにまたがっていて、ビエン・ナシードも一部はサンルイスオビスポです。

メルヴィル同様生育期が長いのが特徴です。2018年は2月8日に早くも芽吹きが始まりましたが2月12日に霜が下りる被害がありました。

ビエン・ナシードではシャルドネは台木を使っておらず、ピノ・ノワールも大部分は台木なしの自根です。シャルドネはウェンテ・クローンが植わっています。台木を使わないシャルドネは酸がしっかりするとのこと。ビエン・ナシードはすぐ脇に急な斜面があり、それで風がブロックされるなど特異な地形になっています。

土壌はソロモンヒルズは砂。ビエンナシードはシェール、ライムストーン+粘土。




2018 Estate Chardonnay(8800円)
 徐行しないでプレスして直接樽に入れて発酵させます。100%マロラクティック。シュール・リー12か月
 白い花、火打ち石、レモン、オレンジ、上品な酸

2019 Well Born Cuvee Chardonnay(3700円)
 青りんご、レモン、パイナップル

2019 Estate Pinot Noir(1万1000円)
 6つのブロックのブレンド
 ザクロ、レッドプラム、ミディアムボディ、旨味があります

2019 Well Born Cuvee Pinot Noir(4400円)
 チェリー、キャンディ、ストロベリー、やわらかく親しみやすい



ランチは今日も絶品です。メインのグリルド・フランク・ステーキにはパクチー風味のソース。ちょっとびっくりしましたがこれがまたおいしい。

午後は北に上がってパソ・ロブレスのダオ(Daou)です。個人的にも大注目のワイナリー。

アデレーダ・ディストリクトAVAはパソ・ロブレスの中でも高級なワインができるところ。ダオは最高2200フィートという高台にあり、粘土石灰岩という土壌で、灌漑なしに育てることができます。気候的にはナパのセント・ヘレナと同じくらい。真夏でも華氏で100°(摂氏38°くらい)を超える日はほとんどありません。ダオの畑は28~56%という急斜面にあり、1エーカーあたり2234本から3360本という密植をしています。

ダオでは「フェノリック」を基準にして醸造を行っているとのこと。そのために、伝統的なテクニックと最新の技術を使っています。

ワインは5種類です。

2019 Discovery Rose(4800円)
 ピーチ、グアバ、軽いがおいしい

2019 Discovery Chardonnay(3800円)
 30%新樽
 パイナップル、ピーチ、グアバ、レモン

2019 Reserve Chardonnay Willow Creek DIstrict(8000円)
 ヴァニラ、クレーム・ブリュレ、ピーチ、パイナップル、酸がしっかりしているのでバランスはいい、シルキー

2018 Rserve Cabernet Sauvignon(1万円)
 100%フリーランジュース
 カシス、ブルーベリー、ドライフルーツ、濃厚パワフル、ちょっとタニック

2017 Estate Soul of a Lion(2万2000円)
 100%新樽22か月
 100%フリーランジュース
 カシス、シルキーなテクスチャ、余韻極めて長い、フルボディ、きめ細かなタンニン、グラファイト
 先日のグランド・テイスティングでプラカップで試飲して、じっくり試飲したいと思っていたワインです。シルキーなテクスチャがハーランを彷彿させると思っているのは僕だけでしょうか。正直、パソ・ロブレスでこのレベルのカベルネ・ソーヴィニヨンは飲んだことがなかったので、驚きです。ナパの一流ワインに匹敵するクオリティです。

最後はディアバーグ/スター・レーン
サンタ・バーバラのハッピー・キャニオンはこの地域では一番海から遠いところ。サンタ・リタ・ヒルズとはだいぶ気温が異なり、ここではカベルネ・ソーヴィニヨンも育ちます。

2017 Star Lane Sauvignon Blanc(2700円)
 ストーンフルーツ、グレープフルーツ、青りんご、ややしっかりした酸

2016 Star Lane Cabernet Sauvignon(8000円)
 カシス、ブルーベリー、ブラックベリー、甘いタンニンが全体を引き締めています
 ここのカベルネ・ソーヴィニヨンは自根だそうです。

2016 Dierberg SYrah(5200円)
 リッチ、甘草、ブルーベリー、スパイス、20%ホール・クラスターで複雑味があります。天然酵母

2018 Dierberg Chardonnay(6500円)
 リッチ、クリーミー、グアバ、パイナップル

2016 Dierberg Pinot Noir(7700円)
 ストロベリー、ラズベリー、いちごジャム、スパイス、35%ホール・クラスター


2日間の最後に、ソムリエの方々に印象に残ったワイナリーについて伺いました。
・Hundred Acreはすごみがあった
・Melvilleがすごくよかった。ポテンシャル感じた。シャルドネがすごくよかった。濃縮感があってかみごたえがあった
・LMRはいい意味でアメリカらしくないワイナリーだった
・Sensesは畑ごとの違いがわかりやすい。ソノマ・コーストは熱い

2日間で10ワイナリー。非常に貴重なワインも試飲でき、充実した時間がすごせました。普通に回ったら倍の4日間はかかる行程。充実していましたが、ますますカリフォルニアに行きたくなったのも確かです。2021年にはもっと気軽に行き来できるようになることを祈ります。

また、2日間ワインや料理のサーブなど、サービスいただいたコンラッド東京の方々にも大感謝です。
Date: 2020/1214 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
タコのラベルで話題を呼んだ「カーボニスト(Carboniste)」から今度はサバのスパークリング(ペットナット)が登場しました(タコラベルは「ゴージャスなピゾーニ・ピゾーニ、華麗なゲイリーズなどを試飲」で紹介しています)。

タコの方がアルバリーニョで、瓶詰め時に糖分と酵母を足して瓶内二次発酵も行っているのに対し、サバはピノ・グリジオで一次発酵の途中で瓶詰めして瓶内で発酵が続くことによって炭酸ガスが生まれる「ペットナット」の方式で作っています。タコも3.5気圧と普通のスパークリングワインと比べると低くなっていましたが、おそらくサバはもっと低いのではないかと思います(実はサバの方が高く4.5気圧だそうです)。どちらもアルコール度数11%台と低いのですっきり飲みやすいワインでしょう。山本昭彦氏はタコのスパークリングを「最高の寿司ワイン」と評しています。




Date: 2020/1213 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
1日でカリフォルニアの一流ワイナリー・ツアーを5軒行く……ちょっとテイスティング・ルームに立ち寄るだけならともかく、ちゃんとワイナリーの説明を聞いて試飲もしてとなると、普通では無理な行程になってしまいますが、それを難なく実現してしまうのがヴァーチャル・ツアー。ソムリエ協会主催で日本を代表するソムリエ達を2日で10軒のワイナリーを体験してもらうツアーが開催されました。実際にはツアーも2行程あったのですが、私は先に開催された方だけ一緒に参加させてもらいました。

日本の会場はコンラッド東京。コロナ対策で「マスク無しで大丈夫」というくらい強力な空気清浄機を回しながらの受講です。とはいえ、そこそこ広い部屋に10人くらいしかいないので、空気清浄機なしでも密とも言えないくらいの余裕があるのでしたが。しかもワインをサーブしてくれるのは世界最優秀ソムリエコンクールに何度も出場している森覚さんを筆頭にしたコンラッドの素晴らしいソムリエさんたちという贅沢です。

私の参加したグループは、初日がナパのロング・メドゥ・ランチ(Ling Meadow Ranch)、ソノマのセンシーズ(Senses)、ソノマのジャクソン・ファミリー(Jackson Family)、ナパのオリン・スウィフト(Orin Swift)、ナパのハンドレッド・エーカー(Hundred Acre)。

写真は最後のハンドレッド・エーカーのワイン。これだけでいくら…と考えるとかなりすごいです。

さて、最初のワイナリーはロング・メドゥ・ランチ。ここはワイナリー名にランチ(Ranch)と入っているように牧場もあり、「ファーム・トゥ・テーブル」を一貫してやっているのが特徴です。

ナパのラザフォードが本拠地ですが、マヤカマスの山中にも畑があり、アンダーソン・ヴァレーにも畑を持っています。マリン・カウンティにも牧場があって牛を放牧しています。ほかのワイナリーよりも収穫時期が早くエレガントなワイン造りをしています。

試飲したワインは4種類。
2017 ソーヴィニヨン・ブラン ラザフォード(3900円)
 ふくよかさもあるがエレガントなワイン。ソーヴィニヨン・ブランらしい青い草の風味とメロンのようなトロピカルな風味が共存しています。フレッシュな酸が気持ちいい。

2016 シャルドネ アンダーソン・ヴァレー (6800円)
 ミネラル感のあるシャルドネですが、酸は比較的おだやか。青りんご、白桃、洋梨、わずかなヴァニラの風味。

2016 ピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー (6800円)
 やわらかく赤系果実味が優しい味わいのワイン。ザクロ、ラズベリーの風味。

2013 カベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレー (8500円)
 バランス良く、やわらかな味わいのカベルネ・ソーヴィニヨン。ナパのカベルネとしては比較的酸もあります。

2番めのワイナリーは、ソノマ・コーストに飛んでセンシーズ(Senses)。畑のオーナーの子どもたちがタッグを組んで始めたワイナリーで若いセンスが光ります。


ここのワインメーカーはシュレーダーなどナパのカベルネ・ソーヴィニヨンや、自身のワイナリー「リヴァース・マリー」で知られるトーマス・リヴァース・ブラウン。彼がソノマで作るワインはリヴァース・ブラウンとここくらいです。何十ものワイナリーからコンサルティングの依頼を受けるトーマス・リヴァース・ブラウンがここのワインメーカーになったのはどうしてなのか、不思議に思っていたのですが、なんとトーマス・リヴァース・ブラウンから、ワインメーカーをやろうかと申し出てきたというからびっくりです。オーナーの一人はソノマ・コースとのシエリオット(Thieriot)の畑の息子で、その関係からトーマス・リヴァース・ブラウンにつながったのでした(リヴァース・マリーではシエリオットのシャルドネを作っています。奥さんの一番の好みらしいです)。

2018チャールズ・ハインツ シャルドネ (1万4000円)
 素晴らしく蠱惑的なシャルドネ。花の香り、ハニー・サックル、鮮烈な柑橘系の味わいにクレーム・ド・カシスやヴァニラの風味。むちゃくちゃうまいです。

2018 ピノ・ノワールRRV (1万円)
 キーファーランチのブドウを中心としたピノ・ノワール。冷涼感のあるミディアムボディ。レッドプラムやレッドチェリーの味わい。

2018 Day One ピノ・ノワール(未輸入)
 これまたむちゃくちゃ美味しい。バランス良くリッチで極めて長い余韻。赤系果実に、ブルーベリーなど青系果実の風味がかすかにまじります。

次のジャクソン・ファミリーはソノマのハートフォード・コートとナパのフリーマーク・アビーの2つのワイナリーを紹介しました。次のジャクソン・ファミリーはソノマのハートフォード・コートとナパのフリーマーク・アビーの2つのワイナリーを紹介しました。ジャクソン・ファミリーは最初はメンドシーノとレイク郡にブドウ畑を作って、ブドウをワイナリーに売るつもりだったのが生産者に転じ、今では55ものワイナリーを束ねています。

ワインはハートフォード・コートから。
2016 Hartford Court Seascape Charadonnay(1万6000円)
 リッチな味わいですが、しつこくなくバランスのよいシャルドネ。ヴァニラ、スイカズラ、メロン、ピーチ、フレッシュな酸、オレンジ。軽い塩味や旨味もあります。

2016 Hartford Court Far Coast Pinot Noir(1万6000円)
 ラズベリーやレッドプラムなどの赤系果実の味わいがきれいで、ややリッチなタイプのピノ・ノワールです。畑はソノマ・コーストでPeayの近くにあります。

次はフリーマーク・アビイ。パリスの審判にも出た歴史あるワイナリーです。2つのカベルネを試飲しました。
2015 Freemark Abbey Bosche(2万7700円)
 複雑味を感じるワイン。ブラックベリー、土、トースト、タバコの風味

2015 Freemark Abbey Sycamore(2万7700円)
 きめ細かいタンニンがあり、パワフル。ブルーベリー、ブラックベリーの風味。ラザフォードのワインですが、オークヴィルに通じるようなきめ細かさがあります。

この後のランチでもジャクソン・ファミリーのワインを2つ試飲しました。
2018 Jackson Estate Camelot Highlands Chardonnay(8000円)
 はサンタ・マリア・ヴァレーのブドウを使ったシャルドネ。クリスプな酸があり、リッチだけどエレガントなワイン。軽いヴァニラ、白い花、レモン、グアバの風味。初めて飲みましたが美味しいです。


2017 Jackson Estate Hawkeye Mountain Cabernet Sauvignon(1万円)
 標高最高2400フィートの畑。ブラックベリー、コーヒー、リッチ、しなやかなタンニン、セージ、ベイリーフ、パワフルで余韻長い


このビーフが素晴らしい。「スロー・ローステッド・フィレ・オブ・ビーフ」と書いてありましたが完璧な火入れで、赤身肉が最高の状態でした。コンラッドさすがです。また食べたい。ワインがもっと欲しかったくらいです。

午後の1つ目はオリン・スウィフト。なんと創設者のデイブ・フィニー本人の登場です。


現在はE&Jガロ傘下にあり、ガロの持つ様々な畑のブドウをブレンドしてワインを作っています。そのあたりの細かい話はあまり聞けなかったのですが…

2017 Mannequin(7460円)
 シャルドネです。しっかりとした酸にややオフドライな甘み。白い花、ハニーサックル。

2018 Slander(9740円)
 甘やかな味わいのピノ・ノワール。甘草、レッド・プラム、あまおう

2018 8 Years in the Desert (1万700円)
 ジンファンデルです。デイブ・フィニーを有名にしたプリズナーを売却した後、契約によってしばらくジンファンデルを作れなかったのですが、ようやく作れたワイン。濃厚でパワフル、プラム、ブルーベリーの風味。

2017 Papillon (1万1220円)
 ボルドー系のブレンドです。これもパワフルで濃厚です。ブルーベリー、タンニン、

2017 Mercury Head 14800
 カベルネ・ソーヴィニヨン。ストラクチャーがしっかりしたワイン、ブルーベリー、ブラックベリー、コーヒー、チョコレート

オリン・スウィフトのワインは全体的にちょっと甘みを感じます。食事に合わせるのは難しいような気もしますが、ソムリエの方々に聞くと、ハンバーガーなどアメリカンなものには十分合うとの話でした。

最後はなんとハンドレッド・エーカー。ワイン・アドヴォケイトで22回満点を取ったワイナリーですが、オーナーでワインメーカーのジェイソン・ウッドブリッジはほぼ独学でワイン造りを学び(初期にはフィリップ・メルカにワイン造りを学んだようです)、ブドウ畑の開墾から栽培もしているという極めてユニークな人物。すべて自社畑でブドウを売りもしなければ買いもしないのがポリシー。

例えば最初に購入した畑であるKayli Morganは、最初に買ったときはソーヴィニヨンの畑でした。色の濃い粘土質で、砂利のように水はけがよくペトリュスの土地に似ていることに気づき、カベルネ・ソーヴィニヨンに向くとは思われなかったところでカベルネ・ソーヴィニヨンを植えたとのこと。


ここで作っているワインは実はいろいろあるのですが、メインはカベルネ・ソーヴィニヨン。今回は3つの単一畑と、その中からよりすぐりの樽をブレンドしたWraithを試飲しました。

2017 Kayli Morgan (9万8000円)
 極めて芳醇で濃厚なワイン。チョコレート、コーヒー、甘草、ブルーベリー。

2014 Few and Far Between 未輸入
 カリストガの銘醸畑アイズリーの少し坂上にある畑。傾斜10~20度で西向き斜面。チョークヒルギャップと呼ばれる谷あいを通して太平洋からの風が入ってきます。火山性土壌と沖積性の土壌が入り組んだ複雑な土壌です。ここだけは1割程度カベルネ・フランが入っています。
 リッチで引き締まった味わい。ブルーベリー、カシス、コーヒー、甘草、鉛筆の芯

2017 Ark(9万8000円)
 セントヘレナの近くの畑で傾斜30度に達する9つのブロックからなる畑。斜面の向きや土壌の構成もブロックごとに異なっており、それぞれに合わせたルートストックやクローンを植えているとのこと。
 3つの中で一番タニックな味わい。甘草、ブルーベリー

2013 Wraith(10万5000円)
 このワインにはノックアウトされました。リッチで複雑、極めて長い余韻。多分これは「パーカー100点」だろうと思ったらやはりそうでした(笑)。

個人的にはWraithが一番でしたが、参加者の好みは結構分かれていたのが面白いところです。

非常に贅沢な体験で初日は終了です。

なお、同席したソムリエさんたちからは以下のようなコメントをいただきました。

「生産者によって哲学違う。最初のワイナリーはエレガントだったが濃いのもあって多様化しているのを感じた」
「ワイナリーに行っているかのように産地を感じることができた。知っているつもりだった産地がより深い理解になった」
「生産者の熱量感じた。カリフォルニアに行きたくなった」
「職場ではあまり触れられなかったカリフォルニアワインをたくさん飲めてよかった」
「とても勉強になった。最近カリフォルニアワイン好きになってきたので知識を広げたい」
これで、少しでもカリフォルニアワインに力を入れてくださるレストランが増えることを期待したいです。
Date: 2020/1211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨日、今年はカリフォルニアのランクインは少なそうと書いたばかりですが、ワイン・スペクテーターの年間トップ10の4位と2位もカリフォルニアでした。
マヤカマス
4位に入ったのはマヤカマス・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨン2016でした。昨年は2015年の同ワインが2位。驚きの2年連続トップ10入りです。2013年に現在のオーナーが買収して、アンディ・エリクソンがワインメーカーに就任しましたが、クラシックな造りはそれまでと変わっていません。それまでは衛生面などちょっと問題もあったようなのですが、そういった問題を解決して適切に投資できるようになったのが、2年連続の快挙につながったようにも感じます。実はコロナ騒ぎの直前にマヤカマスのセミナーがあり、そのときにどうしてスペクテーターで2位になったと思うか聞いてみたところ、スペクテーターのレビュアーが変わったからでは、といった返事がありました。理由はともあれ、マヤカマスのような酸やタンニンがしっかりしたワインが高く評価されるようになったことは驚きです。

日本には2016年はまだ入っておらず2位になった2015年がカリフォルニアワインあとりえに残っていました。


そして2位はオーベールのピノ・ノワールUVヴィンヤード2018。UVは先日ラテン系ワイナリーの記事でも取り上げていたユリシス・ヴァルデスの頭文字です。
オーベール
これも同じワインはありませんが、同じくユリシス・ヴァルデスがつくったUVSLの畑がありました。

Date: 2020/1210 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・スペクテーターの年間トップ10の発表が今週から始まっています。例年なら11月中旬に発表されていましたが、今年はおそらくコロナのせいで遅れたのでしょうね。

なんとなく、今回はあまりカリフォルニアが来そうにないと思っていますが、5位までの時点では一つだけ。オレゴンを入れても2つです。昨年はトップ10に4ワイン入りましたが、今年は残りどうなるでしょうか。
キスラー
さて、それでも6位に入ったのがみんな大好きキスラーのヴァインヒル・シャルドネ2017です。評価は96点。ロシアン・リバー・ヴァレーの畑で、ワインメーカーであるジェイソン・キスナーの好きな畑だそうです。

ちゃんと調べられていませんがキスラーのトップ10入りは珍しいのでは? もしかしたら初かも。

これ以外には、オレゴンのボー・フレールのボー・フレール・ヴィンヤード2018が9位。ボー・フレールは2016年にも3位に入っています。オレゴンのパイオニアの一つですが、ワインメーカーが創設者の息子に代わって、ますますレベルを上げているようです。

国内は現在のところ前ヴィンテージの2017までですが、実は2017年もレイティングは95点で今回9位に入ったワインと同じです。

Date: 2020/1209 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ト・カロンと聞くとつい熱くなってしまうアンディです。

銘醸畑ひしめくナパの中でも、もしグラン・クリュの畑を選ぶとしたら100%確実にその中に入るのがオークヴィルのト・カロン・ヴィンヤード。ト・カロンの話を始めると大変なことになる(アカデミー・デュ・ヴァンのクラスでも30分くらいト・カロンについて喋り倒したこともありました)ので、細かいことは「トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】」を読んでいただくとして、ものすごく端折って言うと、今はト・カロンと名の付く畑はコンステレーション・ブランズがオーナーで、ロバート・モンダヴィやオーパス・ワンが使っているト・カロンと、ベクストファー家が管理するベクストファー・ト・カロンの2つだけとなっています。

ベクストファー・ト・カロンは、これまでワイン・アドヴォケイトで28本もの満点ワインを輩出した畑。ここを有名にした立役者といっても過言ではないのが、シュレーダーです。シュレーダーはベクストファー・ト・カロンの中でもカベルネ・ソーヴィニヨンのクローンごとに醸造するなど何種類ものワインを作っていずれも超高評価となっていました。

コンステレーションの方のト・カロンはベクストファー・ト・カロンの何倍もの面積がありますが、これまでモンダヴィとオーパス・ワン(オーパス・ワンには専用のブロックがあります)しか使っていませんでした。

しかし、その状況が変わりました。シュレーダーの創設者フレッド・シュレーダーが2017年にワイナリーをコンステレーション・ブランズに売却し、シュレーダーもモンダヴィと同じコンステレーション傘下のワイナリーとなったのです。これでシュレーダーも従来のベクストファー・ト・カロンだけでなく、モンダヴィのト・カロンからもワインを造れるようになったのです。

さらに、コンステレーション・ブランズはト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーというブランドを設立、著名ワインメーカーのアンディ・エリクソンを迎えてト・カロン最高のワインを作ることを狙います。2016年が最初のヴィンテージとなります。

おそらく、コンステレーションとしてはモンダヴィのト・カロンで100点ワインが一つもないのを気にし100点を取りに来た、そんな感じではないかと思います。


長い長い前置きでしたが、この12月、ついにシュレーダーの「モンダヴィ・ト・カロン」を使ったワインと、アンディ・エリクソンのト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーのワイン両方が日本に入ってきたのです。

シュレーダーは「モナスタリー・ブロック」というト・カロンの中でも最上と言われるブロック。2017年が最初のヴィンテージでワイン・アドヴォケイトで97+。ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーはワイン・スペクテーターで96。これは2017年のナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの中ではトップになります。こちらは私も試飲をしましたが、濃厚でありながら非常にバランスのいいワイン。舌を巻きました。ちなみにワイン名の「Highest Beauty」は「To Kalon」を英語にしたものです。

ナパ・カベを極めるなら、これはどちらも飲んでおきたいワインでしょう。特にト・カロン・ヴィンヤード・カンパニーはデザインもいいし、値段もオーパスワンより安い。お薦めです。

以下2つ、ショップはどちらもカリフォルニアワインあとりえです。



ついでにもう一つご紹介。シュレーダーのセカンド格である「ダブル・ダイヤモンド」も今回日本上陸です。1万円台でシュレーダーの片鱗が味わえるかなりお得なワイン。こちらも今回、ベクストファー・ト・カロンだけでなくモンダヴィ・ト・カロンのブドウが加わっています。こちらも試飲しましたが、リッチで深みのある味わい。価格以上の満足度があります。ショップは柳屋です。

Date: 2020/1208 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
このブログでも何回か紹介しましたカリフォルニアワイン協会がインスタグラムで行っているワインプレゼント企画、ついに最終回となりました。応募は簡単でカリフォルニアワイン協会のインスタアカウントをフォローし、プレゼントの投稿に「いいね」するだけ。ただし既にフォローしている人は対象外ということで、残念ながら指を加えて見ております。



最終回は素晴らしいワインが来ました。「ブランド・ブリオ・レッド2014」(26,100円)です。当選は2名。応募期限は12/19 23:59です。

ブランド(Brand)は、超高級なワイナリーばかりがひしめき合う(といってもこの地域のワイナリーの数は十数個しかありませんが)プリチャードヒルのワイナリー。いくつかある畑の最上部はコルギンのIXエステートのすぐそばという素晴らしい立地です。ワイン造りのディレクターはフィリップ・メルカ。豪華な布陣です。

これまで申し込んでいなかった人はラッキーですねえ。ぜひワインを勝ち取ってください。
Date: 2020/1207 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマ・マガジンが2020年のソノマ・ワイン・トップ100を発表しています(Your Guide to The Best Wines and Wineries in Sonoma, 2020 | Sonoma Magazine)。

選んだのはソノマのヒールズバーグ在住のワイン評論家リンダ・マーフィ。SFクロニクルのワイン・セクションを立ち上げ、ジェームズ・ベアード賞を2回取ったベテラン。彼女が今年試飲したワインから選んでいます。

選ばれたワインからいくつか紹介しましょう。

ソーヴィニヨン・ブランで「Paradise Ridge 2019 Vineyard Selection Russian River Valley Sauvignon Blanc」が選ばれています。パライス・リッジは2017年の大火でワイナリーが焼失しましたが、こうやって頑張って復活してきているのは嬉しいニュースです。

シャルドネでラ・クレマのソノマ・コースト2018が入っています。先日ここのピノ・ノワール飲みましたが、こちらもかなりコスパ高いいいワインです。


エンジェルズ・アンド・カウボーイズのロゼはコスパで選ばれた製品。おいしいです。


ピノ・ノワールでは「Freeman Vineyard & Winery 2018 Gloria Estate Green Valley of Russian River Valley Pinot Noir」も入っています。残念ながら日本にいま入っているのはヴィンテージ違いです。

ローヌ系赤でクラインのソノマ・コースト・シラー2018が入っています。20ドルで非常にコスパがいいとされていますが、なんと日本の値段はそれよりも安い税込みで2000円以下! ちょっとびっくり。


その他赤ではベッドロックのベッドロック・ヘリテージ2018が選ばれています。1800年代に植樹されたベッドロックの自社畑のワイン。フィールド・ブレンドで20種を超えるブドウが植わっていて複雑さを与えています。いつも素晴らしいワインです。


Date: 2020/1206 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
「葡萄畑ココス」でケラー・エステートの熟成ピノ・ノワールが2割引のセールになっています。期間は12月11日の1時59分まで。

ケラー・エステートは強風で知られるペタルマ・ギャップで冷涼感あるワインを造るワイナリーです。ピノ・ノワールやシャルドネの掘り出し物が2019年から国内市場に出回っています。冷涼系ピノ・ノワールの中では最もお買い得なワインの一つです。

今回はクローン115とクローン777に限定したワイン。クローン115は香りとストラクチャーに特徴があり、クローン777はフィネスとパワーを併せ持ったクローンだとのこと(ソース:A Wine Geek’s Guide to Pinot Noir Clones Around the World | Wine Enthusiast Magazine)。

ヴィンテージはどちらも2005年。15年熟成したワインがこの価格というのも貴重です。




また、同じく限定セール品にヴィジョン・セラーズのロゼラズ・ピノ・ノワール2002も出ています。ロゼラズのここまで熟成したものは飲んだことありませんが、少なくとも10年くらいは非常にきれいに熟成するワインだと思います。サンタ・ルシア・ハイランズの中でもピゾーニ、ゲイリーズと並ぶ人気の畑。


なお、いずれも数は非常に少ないので売り切れていたらごめんなさい。
こちらはレギュラー版のケラーです。


Date: 2020/1206 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
セクハラ問題に揺れる米国のマスター・ソムリエ協会は、出直しを図るための新たなボード・メンバーを選出しました。

• Christopher Bates, MS
• Robert Bigelow, MS
• Brahm Callahan, MS
• Keith Goldston, MS
• Michael Meagher, MS
• Kathryn Morgan, MS
• Joshua Nadel, MS
• Sabato Sagaria, MS
• Mia Van de Water, MS
• Emily Wines, MS
• David Yoshida, MS

が新たに選ばれたメンバー。エレメント・ワイナリーのクリストファー・ベイツだけが、これまでの取締役会メンバーから再任されました。

11人のうち女性は3人、ゲイが2人、アジア系が2人で白人男性が7人となっています。これまでは14人のうち11人が白人男性、女性が2人、黒人男性が1人でした。

セクハラの問題が明るみに出て以降、若いマスター・ソムリエの間では抜本的な変革が必要だとの声が上がっていましたが、メンバー歴の短い人はボード・メンバーになれないため、実際に選挙に出馬した18人を見ると13人が白人男性と、多様性が確保されているとは言い難い状況が続いています。そのため、セクハラを告発したNYタイムズの記事では、今回の変革にもまだ厳しい目が向けられています。

カレン・マクニールさんとペレット・エステートのトム・リナルディさん

カレン・マクニール(写真右)は「組織に苦痛と不信感が植え付けられている場合、内部から回復することは困難」と語っています。これまでに明るみに出たセクハラは氷山の一角であり、マスター・ソムリエ協会もまた業界の氷山の一角であると。
Date: 2020/1204 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
X JapanのYoshikiがプロデュースする「Y by Yoshiki」のニューリリースが3日、解禁になりました。

カリフォルニア名のカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネは引き続きありますが、今回はそれにロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールとシャルドネが加わっています。また、ナパのオークヴィルのカベルネ・ソーヴィニョンもあります。ピノ・ノワールは楽天ではすべて売り切れのようですが…

こちらは、記事執筆時点ではまだ在庫あります。
2017 ( Y by YOSHIKI )ワイ・バイ・ヨシキ ピノ・ノワール ロシアンリヴァーヴァレー|ワイン通販のワイン蔵オンラインストア|カリフォルニアワイン専門店

RRVのシャルドネはまだあるようですが、ショップごとの割当がかなり少ないので、お早めに。





Date: 2020/1203 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
柳屋で毎年恒例の年末福袋の販売が始まっています。
・余り物は入れない
・銘柄は非公開
でニューワールド5本で9999円のセット。希望小売価格合計は1万6800円ですから、約4割引きとかなり頑張った価格です。

もちろん内容は毎年変わりますが、今回は
4500円のナパ・カベ
4000円のソノマ・ピノ
3500円のアルゼンチンマルベック
2300円のジンファンデル
2500円の新樽100%シャルドネ
となっています。マルベック以外はすべてカリフォルニアからです。かなりいい感じのセレクションですね。個人的には普段飲まないマルベックが惹かれます。



ちなみに、こちらのワインを2本買うと全部で12本まで送料無料。福袋2セット買って、これ2本というのもありかも。

Date: 2020/1202 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ジャンシス・ロビンソンはサイトにカリフォルニアの今として、ラテン系(基本はメキシコ人)によるワイナリーが増えている話が載っています(California’s Latino-owned wineries mushroom | JancisRobinson.com)。

セハ(Ceja)やミ・スエーノ(Mi Sueno)は知っていましたが、ケラー(Keller)もラテン系とか初めて知りました。


カリフォルニアのブドウ畑はメキシコ人によって支えられていると言っても過言ではありません。畑で作業している人はほとんどがメキシコ人といってもいいくらいです。彼らが自身のワイナリーを持ちたいと思うのも自然ですし、もっともっと増えていいと思います。

メキシコ人による成功例の中でも個人的に注目していたのがユリシス・ヴァルデス。ソノマ、特に冷涼なソノマコーストで畑を管理させたら右に出る人はいないと言われた人で、マーク・オーベールが最大の信頼を置いていたとか、パルメイヤーがウェイファアラーの畑を作ったとき、この人でなければ無理だったと言ったとか、ここ10年くらいのソノマコーストのブームもこの人なしでは成り立たなかったのではないかと思うほどの偉人です。

しかし、一昨年49歳の若さで急死。その後は4人の子供たちが後を継いでいます。
null
ワインスペクテーターの記事によると、長女のエリザベスは父の死の前から家族のワイナリーのワインメーカーを務めており、長男のユリシス・ジュニアが畑の管理会社を引き継ぎ、父譲りの熱心な取り組みで既に信頼を勝ち取っているとのこと。

次男と次女も別の仕事をしながら、父の死後は家族の手伝いもしているそうです。

畑の管理会社では多くのメキシコ人のフルタイムの労働者を雇っており、彼らをきちんと食べさせていくことも大事な仕事。そこからまた第2、第3のユリシス・ヴァルデスが生まれることも期待したいです。

ヴァルデス家のワインは輸入されていませんが、自社畑のシルバー・イーグルのワインは、かのリヴァース・マリーが作っています。リヴァース・マリーのピノ・ノワールの中では比較的ボールドなタイプ。むちゃウマです。


Date: 2020/1201 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
今年火災で大きな被害が出たナパを応援する試飲会をワイン・イン・スタイルが開催しました。普通の試飲会では登場しないようなワインも出てきてナパの素晴らしさも幅広さも感じさせてくれるものでした。


いきなり登場したのが超名門アイズリー(Eisele)の全ワインです。カリストガのアイズリー・ヴィンヤードは1970年代初頭からカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸畑として知られており、リッジやコン・クリーク、その後はジョセフ・フェルプスの単一畑で一世を風靡した後、1990年代以降はアラウホ(Araujo)のワインで知られていました。2013年にシャトー・ラトゥールの親会社が買収して名称変更して今に至ります。カベルネ・ソーヴィニヨン2016(9万円))はパーカー100点を取ったワイン。非常にエレガントでタンニンのきめ細かさが印象的。ナパらしいパワフルさよりも上品さが際立ったワイン。ソーヴィニヨン・ブラン2017(1万6500円)は香り豊かでミネラル感と柑橘がとてもきれい。これも非常にレベルの高いワイン。シラー2016(3万7000円)も北ローヌ的な筋肉質なタイプ。コルギンのシラーなどと並ぶナパを代表する高品質シラーです。


超高級ワインを続けます。フランシス・フォード・コッポラ監督が所有する名門イングルヌック(Inglenook)のフラッグシップ「ルビコン(Rubicon)2015」(3万5000円)。ナパらしいふくよかさとエレガンスが両立したワイン。シャトー・マルゴーのマネジングディレクターを兼任するワインメーカーがワインを作るようになり、ここもボルドー的なエレガンスを感じます。


ルビコンのサード・ワインになるのがカベルネ・ソーヴィニヨン1882。1882年はイングルヌックの創設者であるグスタフ・ニーバウムが最初にナパのワインを作った年。8900円という価格ですが、それ以上の品質を感じます。


もう一つ超高級ワインでコンティニュアム(Continuum)2017(3万7000円)。個人的に大好きなワインの一つです。2017年は火事の影響でカベルネ・フランの比率が少し低くなっており、そのせいか例年より少し骨太な味わいになっています。ナパらしい果実味ときれいなタンニンが素晴らしいワイン。ナパでも絶対に飲むべきワインの一つだと思います。



ジラードのソーヴィニヨン・ブラン(2950円)とフラッグシップの赤ワイン「アーティストリー」(6300円)。ソーヴィニヨン・ブランはきれいな味わい。コスパいいと思います。アーティストリーは緻密な味わい。ナパの高級ワインの中では比較的手に入れやすい価格です。


ホールは外さないワイナリー。どれもバランス良く高品質です。ソーヴィニヨン・ブランは3800円。メルロー6600円。カベルネ・ソーヴィニヨンは9000円。


クロ・ペガスからは高級ラインの「オマージュ」の2つを紹介します。「オマージュ ミツコズ・ヴィンヤード シャルドネ」(7300円)はリッチでクリーミー。ちょっと贅沢した気分のワイン。「オマージュ テンマ・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン」(1万7000円)はナパらしい芳醇なワイン。


シルヴァラードのカベルネ・ソーヴィニヨン「GEO(ジオ)」(1万3000円)。これから注目が高くなっていくと思われるクームズヴィルのカベルネ・ソーヴィニヨン。きめこまかなタンニンで高品質。クームズヴィルはまだマイナーですが知っておいた方がいい地域です。


ファーニエンテのシャルドネ(1万3000円)。ナパのリッチ系シャルドネの代表格です。安定の味わい。ここはこのスタイルを貫き通してほしい。


ポール・ホブズのクームズヴィルのカベルネ・フラン(3万3000円)。カベルネ・フランらしいちょっとスリムでエレガントな味わい。うまみもあって奥行きの深い味わい。個人的にはむちゃくちゃ好きです。もうちょっと安いとうれしいけど…


ターンブルはそれほど高級なイメージがないかもしれませんが、実はワイン・アドヴォケイトで100点を2回取っている高級ラインも持っています。日本では初めて見ました「ブラック・ラベル カベルネ・ソーヴィニヨン」(2万4000円)。さすがの味わい。


スクライブの「ウエストサイド アトラス・ピーク カベルネ・ソーヴィニヨン」(1万2000円)。ニューカリフォルニア系のカベルネ・ソーヴィニヨンでバランスいい味わい。


マヤカマスのシャルドネ(8500円)とカベルネ・ソーヴィニヨン(2万円)。ニューカリフォルニアとは逆のオールド・カリフォルニアですがスタイルとしては通じるところがあるのかも。クラシックな味わい。

最後、時間がなくてニューカリフォルニア系のテーブルの写真が取れなかったのですが、マサイアソンのリボッラ・ジャッラとかフェイラのシラーなどもよかったです。マサイアソンは「スイート・ヴェルモット No.3」(5200円)も。優しい甘さに心ほだされました。
Date: 2020/1128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワインとチョコレート
サンフランシスコに本社があり、シングルオリジンのチョコレート作りにこだわるチョコレートファクトリーショップ「ダンデライオン」がナパ・ヴァレー・ヴィントナーズとコラボして、ワインとチョコレートのペアリングのオンラインセミナーを12月13日15時半~17時に開催します。

【オンライン開催】ナパワイン x Bean to Bar チョコレート ペアリングワークショップ(2020年12月13日 15:30-17:00) | Peatix

受講申込は上のリンクから。無料でも受講できますし、ワインとチョコレートのセットを選んで受講することもできます。セットは白ワインとチョコ、赤ワインとチョコ、これら両方の全3種類。ワインセットの申込みは12月6日までですが、定数に達するとその前に打ち切ることもあります。

白ワインセット(6200円)は
ワイン:Honig ソーヴィニヨン・ブラン リザーブ ラザフォード2018
チョコレート:ベンチェ, ベトナム 70%バー

赤ワインセット(6800円)は
ワイン:Clos Du Val Estate ナパヴァレー メルロ 2017
チョコレート:アーモンドチョコレート

メルローやカベルネ・ソーヴィニヨンとチョコレートの組み合わせは割とイメージしやすいし、実際ワインのつまみとしてチョコレートを食べることもありますが、ソーヴィニヨン・ブランとチョコの組み合わせはやったことありません。そういう意味では白ワインのセットがかなり興味深いです。
Date: 2020/1127 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
今やサンタ・バーバラのワインの中でも超一流の域に入っているのがポール・ラトー。ポーランド出身のポール・ラトーはレストランでの経験も長く、極めて上品でしかも畑の良さを生かしたワインを作っています。

彼が唯一コンサルティング・ワインメーカーとしてワイン造りに携わったのがヒリアード・ブルース。サンタ・リタ・ヒルズに畑を持つ栽培家でもあり、ポール・ラトー自身のブランドでもヒリアード・ブルースのブドウを使ったワインを作っています。

そのヒリアード・ブルースの廃業によって2009年や2010年のピノ・ノワールがしあわせワイン倶楽部において輸入元協賛で1万円を切る価格になっています。

ポール・ラトーではレストラン向けに早飲みスタイルで作っている「マティネ」だけが1万円を切りますが、単一畑もので万円切りはありません。そういう意味でも貴重なワインです。

2009年のムーンがワイン・アドヴォケイトで92点、2010年のムーンとサンはどちらも91点です。サンの方がエレガントなスタイルでムーンの方がリッチな味わいですが、品質的な差ではなくスタイルの違いだとのことです。畑はかつて「Ashley's」という名前だったところ(今もFess Parkerはその名前で作っています)。ブリュワー・クリフトンのAshley'sは非常に高い評価を得ていました。




Date: 2020/1127 Category: 技術系
Posted by: Andy
Comments
久々にワインと関係ない話ですが、アマゾンでブラックフライデーセールが始まっています。12月1日まで。ワイン関係はダークホースの1250円というのが目につきましたが、タイムセールですぐに売り切れそうです。

今年買ったもので、どうして今まで買わなかったんだろうと後悔したのがAmazonのFire TV。テレビのHDMI端子に差し込んでストリーミングの動画を簡単に見るデバイスです。それまではPCからHDMIにつないでみていましたが、やっぱり手間が全然違う。YouTube見るだけでも大満足ですし、もちろんプライムビデオもある。HuluとかTVerも結構使ってます。YouTubeの場合はスマホやPCで見ている動画をFire TVに飛ばす機能もあります。

今は普通のFire TV Stickが3480円と圧倒的に安くなっていますが、4K版も4280円(普段は6980円)にまで下がっています。4Kテレビを今持っていなくてもこちらを買っておくのが賢明な気がします。


あと、Fire TVに先駆けて買ったのがEcho Show。画面付きのスマートスピーカーです。家電との連携といったことは全然していないのですが、娘の家とのテレビ電話として大活躍しています。最近だと実家の老親とのテレビ電話で使っている人も多いようですね。家族など親しい人の場合は通常の通話機能だけでなく、「呼びかけ」という応答側がアクションしなくてもつないでしまう機能も使えます。プライバシーの問題もあるのであまり多用するのは注意が要りますが、うちでは娘が寝坊しているときとかにこれで声をかけて起こすという、実は非常に重要な働きをしています。これのために使っていると言っても過言ではないくらい。

画面の大きさでいくつか機種がありますが、うちの使い方だと画面は小さくても全く問題なし。普段9980円が、今は半額で4980円。まさに買い時です。

Date: 2020/1126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ・ジャパン(NPV)がワインに合うレシピブックを作りました。30種類くらいのレシピが載っているそうです。
レシピブック
null
NPVの日本共同代表を務める小枝絵麻さんは食のスペシャリスト。クッキングスクールの講師や様々なレストランのメニュー開発などに携わり、ワインと食事のマッチングにも力を入れています。

そんな小枝さんのレシピですから、ナパのワインに合わせるのに抜群のものがあるはずです。

本の市販はなく、下記サイトから1000円以上の寄付で送られてきます。

寄付申し込み
Date: 2020/1125 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部に「モンターニュ・ルース(Montagne Russe)」のソノマコースト・ピノ・ノワールが入荷しています。税込みで4000円そこそこという価格はワイナリー価格の32ドル(税抜き)とほとんど変わらない安さ。

ソノマコーストらしいきれいな味わいのピノ・ノワールがこの価格で入手できることはめったにありません。ちなみに先日はここのシャルドネを紹介しましたが、もう完売のようです。



ソノマコーストのお得ピノ・ノワールでこれと張れるものというとこちら(ショップは別です)。

Date: 2020/1124 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コストコはいつも座間店に行っていますが、今年ワイン売り場が広がって、平置きの島が一つから二つになりました。その分1000円から5000円くらいのワインがだいぶ充実、カリフォルニアワインも増えています。
コストコ
今回買ったのはこの3本。目玉はヘス・コレクションのライオンテイマー。4998円は現地価格とほぼ同じ。国内の普通の価格の半額近いです。
カベルネ・ソーヴィニヨンにプティシラーとマルベックをブレンドしたパワフルなワイン。

セブンデッドリージンは期間限定で1200円台になっていました。このブランドはマイケル・デイビッドが売却してしまったので、もしかしたら今後は入ってこないかもしれません。コストコにはマイケル・デイビッドのジンファンデルも入っているので飲み比べも面白いでしょう。

中央はそのマイケル・デイビッドのプティシラー「プティプティ」。あまりメジャーではないプティシラーを手軽に美味しく味わえる良品です。コストコにはとぎとき入ってくるので見かけるとつい買ってしまいます。
null
ちなみにこちらは、前回買ったワイン。どちらもマイケル・デイビッド。コスパ良いのでついつい買ってしまうんてすよね。
Date: 2020/1123 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ベルグロス(Bell Gros)はナパの名門ワイナリー「ケイマス(Caymus)」のピノ・ノワール部門として人気の高いワイナリーです。そのサブブランドだったメイオミ(Meiomi)は、過熟で甘みの強いピノ・ノワールで特にピノ・ノワール入門者に大人気、ナンバーワン・ピノ・ノワール・ブランドとなりましたが2015年に売却しています。

このベルグロスの責任者であるジョー・ワグナーがワイン・ビジネスにかかわるようになったのはなんと15歳のとき。ソノマ・コーストのリンゴ畑をブドウに植え替える仕事を手伝ったことがきっかけでした。それから8年後にベルグロス
のワインを作り始めました。

ベルグロスはサンタルシアハイランズやソノマコースト、サンタ・マリア・ヴァレーのブドウからゴージャス系のピノ・ノワールを作っていますが、ジョー・ワグナーの原点といえるのは最初にかかわったソノマ・コーストのテイラー・レーンで、ここの畑のワインだけはマグナムで不定期に出荷されます。直近で出荷が始まったのは2011年(California Pinot Noir Producer Decides To Release Single Vineyard Wine After Almost A Decade Of Aging)。

Bell Gros

どうしてこれほど時間がかかるのかというと、熟成した味わいが出てくるまで待っているわけです。ジョー・ワグナーが、美味しくなったと思ったときに出荷するわけで、ときには古いヴィンテージよりも新しいヴィンテージのほうが先に出るといったこともありえます。

その味わいは他のベルグロスのワインとは異なる繊細系。甘みより旨味のタイプです。ボトルのデザインも他の畑のブドウとは分けています。

残念ながら日本にはテイラー・レーンは入ってきていないよですが、どんな味わいなのか気になりますね。

日本に入ってきているのは以下の3種です。


Date: 2020/1120 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワインあとりえでフラワーズのソノマ・コースト・シャルドネとピノ・ノワールが2割引になっています。

ただ、価格もさることながら、今回の注目はワインの解説をワインライターの立花峰夫さんが書いていること。立花さんといえば、最近ではワイナートのカリピノ特集の執筆で名を馳せましたが、それ以外にも布袋ワインズのFacebookでコラムを書いていたり、カリフォルニアワイン協会のインスタグラムでコラムを書いていたりと、大活躍してます。

一方カリフォルニアワインあとりえのワイン紹介はこれまで代表の野村さんが書いていましたが、これもかなりマニアックな視点で面白いので、それが読めないのはそれはそれでちょっと残念でもあり。

で、実際紹介文を読んでみるとやっぱり上手ですね。
ところがですな、ゼンゼン違ってたんですよ。今回の取材訪問で試飲したワインの数々は。端的に言って「カッコいい〜」。激ウマいなんて、わざわざ言わなくてもいいぐらいのカッコよさ。
どれぐらい前と違うかというと、ジャクソン・ファイブだった頃のマイコーと、ビート・イットの頃の彼ぐらいの差です。
こんな感じの峰夫節です。テイスティングコメントもいいです。
シャンタルのワイン造りは、実にキレキレです。スタイルとしては、IPOB/ニュー・カリフォルニアの流れに沿ったものなのですが、シャルドネもピノもアルコールは控えめ、酸がキリっ、電気ショックがビリビリ系の強烈なテンションとミネラル感がとにかく印象的で、細身なんですが出るところはしっかり出ていて、余韻がうっとりするほど美しいのであります。
問題があるとしたら、文章の面白さでお腹いっぱいになってワインを買うのを忘れてしまいそうになることですね。
次回作も期待です。





あとりえと言えば、この激安チャールズハインツもお薦めです。併せてどうぞ。

Date: 2020/1119 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは2021年のオークション・ナパ・ヴァレーを開催しないと表明しました。また2022年以降は別の形での開催を考えるとしています。

オークション・ナパ・ヴァレーは1981年から毎年6月に開催。2月に開催されるプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションがプロ向けなのに対し、こちらは富裕層などの一般向け。出品もワインだけでなく、旅行やディナーなどを伴うものが大半です。また、収益はすべて地元の子供たちのために寄付されます。

2020年は新型コロナウイルスで初めて開催中止になりました。また、9月のグラス・ファイヤーで会場として毎年使われてきたメドウッド・リゾートが大きな被害を受けました。

今後はイベントの形自体を見直して続けていくとのこと。また、2021年も地元への寄付は行う予定です。
Date: 2020/1117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
WA
ワイン・アドヴォケイトが初めて年間100のワインを発表しました。といってもよくあるトップ100ではなく、レビュアーがこの1年に見つけたワインで(初めてのレビューとは限らない)、コストパフォーマンスがいいか、熟成する価値があるか、サステナブルに作られているか、革新的な部分があるか、の少なくとも一つの要素がないといけません(各ワインにはこれらのどの要素があるかわかるようになっています)。その中からいくつか気になったワインを紹介します。



Fingers Crossedはシネ・クア・ノンのマンフレッド・クランクルの息子ニコラス・クランクルによるワイナリー。最初はFAETHMという名前になる予定でしたが商標の問題で名称を変更しました。シラー「Off the Record」はビエン・ナシードと、両親の持つ畑「サード・ツイン」「キュムラス」のぶどう、さらにセバスティアーノ・ヴィンヤードのぶどうで作っています。ルシアンヌを3%加えているのがユニーク。97点がついています。

もう一つ、ワイナリー2世のワインで「Trois Noix」。アラウホ(現アイズリー)を持っていたアラウホ夫妻の娘ジェイム・アラウホのワイナリーです。2018年のNoisette Cuveeは94+の評価。56%カベルネ・ソーヴィニヨン、36%カベルネ・フラン、8%プティ・ヴェルドという構成です。ナパ各地のブドウを購入し、両親のカスタム・クラッシュで醸造しています。「生産量が少ないことだけが難点」とリサ・ペロッティ・ブラウン。

ウイリアムズ・セリエムで長らくワインメーカーを務め、現在はスリー・スティックスでワインを作っているボブ・カブラルが自身の名前のついたBob Cabralで少量ワインを作っています。ピノ・ノワール「トロバドール2017(Troubadour)」は92+の評価。何よりユニークなのは利益をすべて地元の子供達への寄付に使っていることです。

Hetyrlendy
ヘビメタなラベルが目立つHertelendyのカベルネ・フラン2018は97点の評価。価格も95ドルとナパにしては比較的安いです。ハウエル・マウンテン近くの畑といくつかの買いブドウから作っています。ワインメーカーはシャペレーや自身のタイタスで知られるフィリップ・カロリオ・タイタス。

Modus Operandiの「アンティテーシス(AntithesiS)」は非常にユニークな醸造法を使っています。ワインの色を濃くするためのテクニックとして果汁を抜き取って果皮の比率を高める「セニエ」がありますが(抜き取った果汁から作るのがセニエのロゼになります)、このワインでは醸造後に果汁をすべて抜き取り、残った果皮の上に新たにブドウを加えて醸造しています。つまり果皮が2倍の状態で醸造することになり、非常に濃い抽出のワインができます。評価は98点と非常に高いです。
Date: 2020/1116 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズのフラッグシップ「カスク23(Cask23)」。ワイン・アドヴォケイトで過去最高の99点の評価がついた2013年のワインが国内再入荷しています。

スタッグス・リープ・ワイン・セラーズといえば1976年の「パリスの審判」でカベルネ・ソーヴィニヨンの1位となったことで知られています。そのときのワインの畑がSLV(Stags Leap Vineyard)。創設者のウォーレン・ウィニアルスキがこの土地を買ったのは、隣の畑で作られたカベルネ・ソーヴィニヨンが素晴らしかったからだったのですが、その隣の畑フェイ(Fay)も後にオーナーの引退時に購入しています。このFayとSLVのいいとこ取りをしたのがカスク23。ナパの高級カベルネの中でもエレガントで長熟型なことで知られています。

2013年はロバート・パーカーが99点という過去最高の評価。ヴィナスでも97+で過去最高の評価となっています。スケールが大きくタニックで長熟なワインと評価されています。





Date: 2020/1114 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
2014年のメルロー・スリー・パームス・ヴィンヤードがワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーを受賞して改めてその実力が見直されたダックホーン(Duckhorn)。そこから新入荷のワインを紹介します。

まず、今回日本初入荷で非常にレアなのがスリー・パームス・ヴィンヤードのカベルネ・ソーヴィニヨン。これは私も未試飲ですが、それほどわずかしか入荷していないようです。


ちなみに、2017年のメルロー・スリー・パームス・ヴィンヤードは試飲しましたが、相変わらずのハイクオリティ。赤系・黒系の果実に非常にきめ細かなタンニン。上質を絵に描いたようなワインです。


もう一つのカベルネ・ソーヴィニヨンはかなりユニークです。ダックホーン・ファミリーの中で最安価なワインを作るデコイ(Decoy)。そこの限定版高級カベルネです。しかもソノマのブドウを基本とするデコイのなかでこれはナパ・ヴァレーのワイン。味わいは驚くほどエレガント。酸がきれいでフィネスがあります。4000円台のナパ・カベルネというと、ナパ・ハイランズを思い出しますが、ナパ・ハイランズがオークヴィルらしいきめ細かいタンニンとふくよかさとストラクチャーを持っているのに対し、こちらはかなりスタイルが違います。


Date: 2020/1113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ブリュワー・クリフトン(Brewer-Clifton)やダイアトム(Diatom)のワインメーカーとして知られるグレッグ・ブリュワー(Greg Brewer)がワイン・エンスージアスト誌の2020年ワイン・スター・アワーズにおいてワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました(‘The Sta. Rita Hills is My Identity,’ Says Greg Brewer, Winemaker of the Year | Wine Enthusiast’s 2020 Wine Star Awards | Wine Enthusiast Magazine)。
Greg Brewer
グレッグ・ブリュワーはサンタ・バーバラ・ワイナリーで働いた後、1995年にスティーブ・クリフトンとブリュワー・クリフトンを立ち上げ、サンタ・バーバラの南側にあるサンタ・イネズ・ヴァレーの西半分にあるいくつもの畑からテロワールを重視したシャルドネやピノ・ノワールを作りました。これらの畑はいずれも現在サンタ・リタ・ヒルズに含まれており、このAVAの立ち上げおよび、知名度向上に大いに寄与しました。また、20年近くワインメーカーを務めたメルヴィル(Melville)も、サンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリーに育ちました。

さらに、樽を使わずに珪藻土からなる土壌の特徴を生かしたエレガントなシャルドネのブランド「ダイアトム(Diatom)」や「EX POST FACTO」ブランドのシラーなど、さらにサンタ・リタ・ヒルズの冷涼感を持ったワインを作っています。

これらサンタ・リタ・ヒルズへの貢献によって今回ワインメーカー・オブ・ザ・イヤーに選ばれました。

また、グレッグは日本通でもあり、ダイアトムでは一時期漢字をラベルに使ったワインを作っていました。現在は漢字ラベルのワインは杉本夫妻によるシャトー・イガイタカハの漢字シリーズとして引き継がれており、ブリュワー・クリフトンの畑のブドウを使いながら独自の味わいに仕立てています。

漢字シリーズの「園」はピノ・ノワールのフラッグシップ。JALのファーストクラスのワインとしても使われています。


シャルドネのフラッグシップは「侍」。2006年のダイアトムが作った「Samurai Beauty」がワイン・アドヴォケイトで95点という高得点を取ったのにちなんだワインです。


Date: 2020/1112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワインの偽造によって2012年に逮捕されたルディ・クルニアワン。未だに彼が作った600億円分を超える偽造ワインが市場に出回っているとも言われています。
偽造ワイン
有罪が確定したあとはエルパソの刑務所に収監されていましたが、11月6日に釈放されました。

もともと不法滞在もあったため、その後は国外追放になると目されていましたが、まだ移民局にいるとの情報があります。どうやら、未払いの罰金のためのようですが、詳しいことは分かっていません。

米国内のどこかに雲隠れする可能性も高くなったようです。

クルニアワンは古いワインの偽造を主に行っていましたが、現在では偽造ワインの主流は新しいワインに移っており、そちらの方がはるかに容易だと言われています。彼がまたワインの偽造を始めるのではないかと、業界は戦々恐々としています。
Date: 2020/1111 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先日の試飲会で美味しかったワインを、特にコスパの良いものを中心に紹介します。


ディストリクト7のシャルドネ(2300円)はバランスいい味わい。先日「超優良ワイナリー」として紹介したシャイド・ファミリーのブランドの一つと知って納得です。やっぱりシャイドはコスパ・リーダーのワイナリーです。


ナーリー・ヘッド(Gnarly Head)の1924ダブル・ブラック(2300円)はジンファンデル主体のワイン。1924というのは中心となる古木のジンファンデルの植えられた年のようです。アルコール度数も16度と非常に高いですが、味わいも濃厚。ガツンとくる濃い系のワインを飲みたい人にお薦め。


エド・カーツマンがワインメーカーを務めるオーガスト・ウエスト(August West)のサンタ・ルシア・ハイランズのピノ・ノワール。この品質で6000円は相当安いです。うまみあり、バランスよし。


Daouのレギュラーのシャルドネ(3800円)は非常にコスパ高いシャルドネ。


レイモンドのリザーブ・メルロー。リザーブといっても3000円台と非常にリーズナブル。この価格帯で秀逸なメルローは案外見つかりません。


昨年、入荷するやいなや、あっという間に品切れになってしまった「オッド・ロット」。ユニークなラベルに目が行きがちですが、プティ・シラーとプティ・ヴェルドのユニークなブレンドはカリフォルニアらしい果実味に溢れた美味しさです。


コスパ代表格のランチ32。これもオッド・ロットも冒頭のワインと同じシャイド・ファミリーによるワインです。もし飲んだことない人がいたらぜひ飲んでください。


ボーグルもコスパの代表的ブランド。どれも水準以上ですが、個人的にはオールド・ヴァインのジンファンデルが一押しです。


ウェンテは赤もいいのですが、やはりシャルドネは外せません。モーニング・フォグのシャルドネは2000円台前半のシャルドネとしては出色のでき。


人気急上昇の缶入りワインですが、実は最初に始めたのはコッポラです。最近ダイヤモンド・シリーズも仲間入りしました。

Date: 2020/1110 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ソノマにあるワイナリー「アントヒル・ファームズ(Anthill Farms)」の2018年ヴィンテージが国内入荷しています。アントヒル・ファームズはアンソニー・フィリベルティ(Anthony Filiberti)とデイヴ・ロー(Dave Low)によるワイナリー。ウイリアムズ・セリエム(Williams-Selyem)で働いているときに出会ってワイナリーを立ち上げました。ソノマやアンダーソン・ヴァレーの冷涼地の畑のピノ・ノワール、シャルドネ、シラーを作っており、本国では大部分のワインがメーリング・リストで売られています。

国内でもAVAものであれば5000円を切る価格、単一畑でも7000円台前後とかなりリーズナブルな価格で入手できます(いずれも税込み)。2018年は火事の影響で入荷数が限られているようですが、評価はかなり高く、ピノ・ノワールの単一畑ではワイン・アドヴォケイトやヴィナスで96点などの点がついたものもあります。大半のワインがアルコール度数13%台となっています。冷涼系のワインが好きな人は買って損がないワイナリーです。

ソノマ・コーストのピノ・ノワールはWA93、Vinous92。非常にコスパ高いです。


シャルドネの畑「ピュー(Peugh)」は1940年代に植えられたと言われています。カリフォルニアで現存しているシャルドネの中でも最も古い樹の一つです。今では珍しいゴブレット型(ヘッド・プルーン)の剪定がされています。18年はWA94+、Vinous93。以下単一畑3本のショップはウメムラです。



キャンベル・ランチはソノマ・コーストの中でも北端のアナポリスの近くの畑。極めて冷涼ですが標高が250mほどあり、霧があまり届かないためブドウが完熟できます。1エーカーあたり2トン程度とかなり少ない収量の畑です。2018年はWA96+、Vinous92-94。


ハーモニー・レーンはソノマのオキシデンタルにある畑。ここもかなり冷涼ですが、やはり霧の届かない標高の畑なので酸が高いが味わいは濃密といったスタイルのワインができます。2018年はWA96、Vinous94-96


Date: 2020/1109 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
英デカンター誌でカリフォルニアの2016年ヴィンテージのトップ・カベルネ・ソーヴィニヨンの記事が掲載されていました。そこでリッジのモンテ・ベッロなどと並んで取り上げられたのがキャノンボールのイレブン・カベルネ・ソーヴィニヨン2016です。リッジのモンテ・ベッロの94点に対して、こちらは93点。もちろんモンテ・ベッロは素晴らしいワインですからその後塵を拝するのは当然としても1点しか違わなかったのは5000円台のワインとしては大健闘です。

現行ヴィンテージは概ね2017年になりつつありますが、そこであえて、やや難しい年の2017よりも、良年の2016から選んだあたりも面白いところです。

キャノンボールは非常にコスパの高いワインブランドの一つですが、「イレブン」のシリーズはその中でも高品質なものになっています。

カリフォルニアワインあとりえには、2016年の同ワインが入っています。


Date: 2020/1106 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部に「モンターニュ・ルース(Montagne Russe)」のロバーツ・ロード・シャルドネが入荷しています。先日のカリフォルニアワイン・グランドテイスティングで試飲したワインの一つですが、ここのシャルドネやピノ・ノワールはとても秀逸。価格も安くお薦めです。

シャルドネは樽も効いたリッチ系ですが、昔の樽香の強いカリフォルニアのシャルドネではなくもっと上品に効いた感じです。この味わいで税込み5000円台前半はなかなか見つからないレベルです。ワイナリー価格で40ドルですから、さほど変わらない感じです。


Date: 2020/1105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
マスター・ソムリエ協会にはびこるセクハラ、NYタイムズが告発」で紹介したNYタイムズ紙の記事に呼応して、米国のマスター・ソムリエ協会が2回にわたってステートメントを出しています。最初のステートメントは記事のすぐ後に出たもので、告発した女性を讃え、このことを大目に見るようなことはしないと述べています。次のステートメントでは、各人の告発内容について第三者委員会で調べており、ジェフ・クルースはメンバーを退任し、資格を剥奪すること、ギルドソムとの関係は切ることなどを述べています。





また、米国の女性マスター・ソムリエ全員の連名によるコメントも出ています。内容はマスター・ソムリエ協会のメンバーとして、今回告発した女性たちに謝罪し、これから協会を変革していく決意を表明しています。



また、Laura Maniec Fiorvantiというマスター・ソムリエは現状の協会には自浄能力が欠けているとして、会員を一時停止すると表明しています。



これらの動きを受けてNYタイムズも続報を書いています(Elite Wine Group Suspends Master Sommeliers - The New York Times)。

ただ、マスター・ソムリエの狭き門をくぐるには、候補者はマスター・ソムリエと師弟関係を結んで行かざるを得ないという状況があり、それが性的な関係への第一歩となっています。協会のポリシーとしては、それらが問題となって明るみに出ない限りは禁止するつもりはありません。女性の候補者は、そういった関係が避けられないと考えています。

この構造が続く限り、同じようなことは繰り返し起こりそうな気がします。

また、米国では映画「SOMM」をきっかけにマスター・ソムリエ志願者が急増したということも背景にありそうですが、他の国では問題がないのか、ということも気になります。日本のソムリエは比較的女性も多く、まだ健全そうに見えますが大丈夫でしょうか。

Date: 2020/1104 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Pivot

開けたワインの長期保存を可能にした革命的デバイス「コラヴァン」が、廉価版の製品「ピヴォット(Pivot)」を発表しました。

コラヴァンはコルクに針を突き刺してワインを注ぎますが、ピヴォットはコルクを抜いてそこに独自の栓を装着。その上からピヴォット本体を装着して注ぎます。注ぎ方はコラヴァンとよく似ています。また、アルゴンガスのタンクを使うのも同様です。
null
99ドルで本体のほかに、ボトルに装着したままにするストッパーが2つ。アルゴンガスのタンクが2つ付属します。


コラヴァンの場合は開けてから年単位で保存が可能ですが、ピヴォットは最長4週間としています。

コラヴァンの普及には価格がネックになっているのは確かなので廉価版が出てくるのはいいと思います。ただ、アルゴンのタンクを使うところが同じなので、ランニングコストとしては変わらない。そこを安くする工夫がないとちょっと魅力は薄いような気もするのですが……。



Date: 2020/1102 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ブラックスミスのドライ・クリーク・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンがしあわせワイン倶楽部で税込み2497円と激安で売られています。

ブラックスミスのワイン、これまではナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に売られていました。数年前の「ナパ・ハイランズ」のブームから激戦地となった4000円台のナパのカベルネとして、優れたコスパのワインを提供してきました。オーナーのマット・スミスはボーリュー(BV)やダッシュ・セラーズなどで修行して自分のワイナリーを始めた人。自社畑は持たず、優良な畑のブドウを低価格で仕入れてワインを作っています。

数ヶ月前に、未輸入のものを含めてブラックスミスのワインをいくつか試飲する機会があったのですが、どれも品種や地区の特徴をきちんと表現できたもので、良質のワインばかりでした。今回のドライ・クリーク・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンもその一つです。比較的気温の高い地域であり、完熟したブドウの風味が楽しめます。

ナパより少し安くなるのはわかりますが、2500円を切るというのは本当に驚きの価格。お薦めです。


Date: 2020/1101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
マスター・オブ・ワイン(MW)と並ぶワイン業界最高の称号がマスター・ソムリエ(MS)。ドキュメンタリー映画「SOMM」で一般にも知られるようになりましたが、米国で155人しか受かっていないという極めて狭き門です。この米国のマスター・ソムリエ協会でセクハラが横行しているという記事をNYタイムズ紙が公開して業界を震撼させています(The Court of Master Sommeliers Has a Sexual Harassment Problem - The New York Times)。
NYタイムズ
マスター・ソムリエになるにはその試験を突破しないといけないわけですが、そのための教室や視察旅行などにおいてセクハラが起こっていたと、21人の女性が実名も込みで詳しく証言しています。「性的な攻撃は当たり前過ぎて、避けることなどできず、それとやっていくことを学ぶしかない」と語った人もいます。
null
記事で特にフィーチャーしているのはジェフ・クルース(Geoff Kruth)。著名なエデュケーターであり、教育機関ギルドソム(GuildSomm)の創設者であり社長でした(前の週にギルドソム社長を辞任しています)。

彼に関しては複数の女性が具体的に受けた被害を語っています。中にはやり取りを残したスマホの画面を公開した人もいます。

このほかに、実名で告発されたマスター・ソムリエには旧リナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)の教授でもあるRobert Bath氏、2005年から2017年にマスター・ソムリエ協会のボードメンバーだったMatthew Citriglia氏、協会の共同創設者で名誉会長のFred Dame氏、米国最大のディストリビューターRepublicのディレクターだったDrew Hendricks氏が含まれています。

また、2018年にマスター・ソムリエの試験問題が漏れた事件のとき、協会の副会長だったMatt Stampが二人の女性候補者と性的関係を結んでいたことも明るみに出ました。

Metooの運動によって、女性たちもようやく重い口を開くようになってきましたが、まだまだ問題は隠れているように感じられます。
Date: 2020/1030 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

過日開催された中川ワインの試飲会で、珍しい試みがされていました。なんと、ボンドの5つの畑の単一畑を並行で飲み比べられるというもの。さらに「自分が好きなもの」「お客さんに薦めたいもの」を投票するという趣向付き。その投票結果が以下のものです。

ボンド

お客さんに薦めたい一番人気はヴァシーナ(Vecina)。私もたしかこれに投票しましたが、この畑はオークヴィルの西側南端付近にあるヴァイン・ヒル・ランチの一番山よりのブロック。ハーランの畑にもかなり近いところです。青系の果実味と洗練されたタンニンがあり、まさにオークヴィルらしいワイン。一番誰からも好かれそうなワインということでこれを選ぶ人が多かったのではと思います。

ただ、非常に美味しいのですが、自分で飲みたいワインとしてはちょっと面白みに欠くかなと、私はそちらは違うものを選びました。一位になったクェラ(Quella)を選んだ人は同じように考えたのかもしれません。今回のボンドの中では一番固さがあり、骨格のしっかりした味わいでした。ちなみに私が選んだのは、クェラでもなくプルリバス(Pluribus)。今回のボンドの中では固さと酸がしっかりした味わいでした。

残るメルバリー(Melbuly)とセント・エデン(St. Eden)も、もちろん非常によかったですが、自分で飲みたいワインでは最下位となってしまいました。若干個性が弱いのっかなあと思います。
Date: 2020/1029 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
「シャイド・ファミリー(Scheid Family)」というワイナリーをご存知でしょうか。知っている人はかなりのカリフォルニアワイン通だと思います。ここ10年ほどで年間4000ケースから60万ケースのワイナリーへと急成長を遂げていて、最近ではエグゼクティブ・ヴァイス・プレジデントのハイジ・シャイドさんが、ワイン・エンスージアストのワイン・スター・アワードでパーソンオブザイヤーを受賞しています。
ハイジ・シャイド
知られていない理由の一つは、ワインにシャイドの名前を入れていないこと。日本でも販売していますが、シャイドの名前で売っているものはありません。例えば先日紹介した低カロリー、低アルコールのワイン「サニー・ウィズ・ア・チャンス・オブ・フラワーズ」もシャイドのワインですし、昨年輸入されて大人気で即売り切れになった「オッド・ロット(Odd Lot)」というマンガのラベルのワインもシャイドです。



このほか、ランチ32(Ranch32)のワインはむちゃくちゃコスパがよくできています。ライダーエステート(Ryder Estate)というブランドもやっています。

そんなに高級なワインを作っているわけではありませんが、飲むたびにコスパに感心するそんなワインばかりです。

なぜ、これほどコスパがいいワインが造れるのかというと、ここは元々1970年代から続く栽培家だから。モントレーのサリナス・ヴァレーに計4000エーカーもの畑を何箇所かにわけて持っています。冷涼な地域から温暖な地域までカバーしているので、様々なブドウを栽培できます。現在でも作るブドウの3/4は他のワイナリーに売っているとのこと。それで自社のワインは安くできるのです。

近年は様々な測定装置で畑を監視するなど、技術の力も使って管理を効率化しており、それも安さに寄与しているそうです。



Date: 2020/1028 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
コロナの影響で試飲会が軒並み中止や縮小を余儀なくされる中、カリフォルニアワイン・グランドテイスティングが開催されました。
グランドテイスティング
3部構成の完全入れ替え制で、試飲はプラコップ、来場者が直接注ぐのはなしなど、かなりのルールを設けての試飲会。関係者はさぞかしご苦労されたことでしょう。

試飲する立場からすると、プラコップでの試飲は味の膨らみや、香りの広がりなど、やはり取るのが難しく、高級ワインの味わいが十分に感じられなかったことは否めませんが、まずは安全に開催するのが第一。今後少しずつでもルールが変わっていけばいいかなあと思います。
Daou
という制限があった中でもピカイチだったワインがこれ。以前カベルネ・ソーヴィニヨンを紹介したことがあるダウ(Daou)です。

左のリザーブは濃厚パワフル。右のフラッグシップ「ソウル・オブ・ライオン」はハーランかと思うほど洗練されています。パソ・ロブレスのイメージを一新するようなワイン。

ワイン蔵オンラインで販売しています。
null
他の良かったワインはまた紹介していきます。
Date: 2020/1027 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパのワイナリー「ロバート・シンスキー(Robert Sinskey)」は2020年に作るワインは600ケースにとどまることを明らかにしました(Sinskey: We will only make 600 cases of wine this year)。

スタッグス・リープでシルバラード・トレイル沿いにあるロバート・シンスキーは9月のグラス・ファイヤーの影響はそれほど受けなかったものの、8月のLNUコンプレックスの影響は大きく、煙汚染で大半のブドウの収穫を諦めました。

2020年はそうでなくても旱魃の影響で収量が少なくなっていましたが、最終的にはロゼワイン用のピノ・ノワールくらいしか収穫できませんでした。

また、ロバート・シンスキーでは(生産を止めることが決まったので)大きな問題にはなりませんでしたが、煙汚染のテストのためにサンプルを送ってから結果が返ってくるまで30日以上かかることがあるとのこと。多くのワイナリーにとっては非常にストレスのかかる期間となっているようです。
Date: 2020/1026 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
英デカンター誌のベスト・イン・ショーにトレフェッセンのカベルネ
」で紹介したように、トレフェッセンのカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが今年、英デカンター誌で非常に高く評価されました。

先日、トレフェッセンの他のワインも試飲する機会がありましたが、その中でも気に入ったワインが2つありました。一つはカベルネ・フラン 2017、もう一つはドラゴンズ・トゥース 2017です。

カベルネ・フランはナパでも珍しいカベルネ・フラン100%のワイン。ドラゴンズ・トゥースはマルベックが54%で中心的存在というさらに珍しいワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン25%にプティ・ヴェルドが16%入っているのも相当ユニーク。残り5%はメルローです。

カベルネ・フランはいかにもフランらしい青っぽい味わいを持ったもの。ナパの最高級のカベルネ・フランでは青っぽさを感じないものも多いですが、これはあえてフランっぽさを出しているのがいい感じです。カベルネ・ソーヴィニヨンより軽やかさがあり、きれいな果実味と相まって美味しいです。

ドラゴンズ・トゥースは逆に重厚感にあふれています。濃厚でパワフル、タンニンもしっかりしています。トレフェッセンはカベルネ・ソーヴィニヨンもどちらかというとエレガントな作りですから、このワイナリーでは随一といっていいほどのパワフルタイプです。

トレフェッセンはナパのオーク・ノールにあります。ハイウェイ29沿いにワイナリーがあり、その周りを取り囲む400エーカーの「メイン・ランチ」とマヤカマスの山の方にある40エーカーの「ヒルスプリング」の2つの自社畑ですべてのワインのブドウを作っています。メイン・ランチには9つの品種。ヒルスプリングにはボルドー系の5品種が植わっています。

オーク・ノールはカーネロスの北、ヨントヴィルの南でナパの中では比較的冷涼なところ。メイン・ランチは20もの土壌に分かれており、それぞれに合った品種を植え、収穫時期を変えることで、一つの畑で様々な品種をうまく育てることに成功しています。ナパの中では比較的価格も抑えられていますから、ぜひ多くの人に飲んでほしいワインです。



ドラゴンズ・トゥースは上記のテイスティングとはヴィンテージが異なります。


デカンターで最高の賞を取ったのはこちらです。

Date: 2020/1025 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアのモントレーに広大な自社畑を持つシャイド・ファミリーの新作「サニー・ウィズ・ア・チャンス・オブ・フラワーズ(Sunny with a Chance of Flowers)をいただきました。低カロリー、低アルコールを売りにしているワインです。こういったワインは「美味しくない」というのが相場ですが、このワインはいい方に期待が裏切られました。

ラインアップは白ワインがシャルドネとソーヴィニヨン・ブラン。赤ワインがピノ・ノワールです。アルコール度数はいずれも9%、カロリーは5オンスあたり85kcalとなっています。

アルコール度数は明らかに低いですね。カリフォルニアワインの場合だと14%程度のものが多いですから、2/3程度になっています。一方、カロリーはちょっとわかりにくいですが、100gあたりに換算すると60kcal程度。普通のワインが100gあたり75kcal程度と言われていますから2割弱低カロリーになっています。

どうやってこれを実現しているのかというと、残糖がないように完全に発酵させ、一部のワインを抜き取って、アルコールを除去し、ブレンドしているとのこと。おそらく逆浸透膜法を使ってアルコールを抜いているのかと思います。

実際に飲んでみました。

シャルドネは、残糖がないにもかかわらず、ちょっとトロピカルフルーツのフレーバーも感じます。パイナップル、パッションフルーツや、リンゴ、レモンの風味。バニラのフレーバーもあります。予想以上に本格的なワイン。美味しいです。

ソーヴィニヨン・ブランはとても爽やか。グレープフルーツに青い草、濡れた石。伸びやかな酸が気持ちいいです。これもかなりの本格派。

ピノ・ノワールは残糖がない分、かなり酸味の強いタイプになるので、多少好みが分かれそうな気がします。イチゴやラズベリーのジューシーな味わいがきれいでキュートなワイン。

いずれもアルコール度が低いので、すいすい飲めてしまいます。逆に飲み過ぎには注意が要るかも。

希望小売価格はいずれも1950円。輸入元のオルカ・インターナショナルのサイトから直接買うこともできます。

ラベルも爽やかでおしゃれだし、ヘルシーで美味しい。価格もいい感じでこれは人気出るのではないでしょうか。特にシャルドネはもうちょっと高級かなと思うくらいの出来でした。

敢えて難を言うなら名前が長くて覚えにくいこと。米国では通称「サニー・ワイン」と呼んでいるようなので、その名前が広がるのがいいのかなと思います。

オルカ・インターナショナルのサイト
Date: 2020/1023 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマ・カウンティ・ワイングロワーズ(Sonoma County Winegrowers)の試算によると、煙汚染によるワインの被害は最低でも1億5200万ドルに達する見込みです(Sonoma County grape growers expect wildfire smoke damage to cost at least $152 million)。ソノマのブドウの生産額は概ね6億3000万ドルあり、1/4程度失われるという大きな被害になります。

最大で30%のブドウが収穫されないままになると推計されています。70%の栽培家が、煙汚染のせいで販売できなかったブドウがあるとのこと。

収穫量は例年20万トンから21万トンでしたが、今年は5万トンは煙汚染で減る見通しです。

煙汚染は9月の山火事の前に収穫が終わっている白ワイン用のブドウでは少なく、赤ワイン用のブドウが大半を占めます。

ちなみにこのほかの推計ではソノマ、ナパ、レイク、メンドシーノ合計で20%のブドウが失われて4億7300万ドルの被害になるというものがあります。著名なワインメーカーのフィリップ・メルカはナパの畑の80%が火事と煙の影響を受けるだろうと言っています。

より正確な数字は来年にならないとわかりませんが、過去最大の被害になることは間違いないようです。

また、品質に強いこだわりを持つ高級なワインのプロデューサーほど、煙汚染であきらめるケースは多いと想像されます。そういう意味では日本に輸入されているナパ・ソノマのワインではもっと影響があるかもしれません。
Date: 2020/1021 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパセミナー
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズと日本経済新聞のコラボによるナパ・ワイン講座の第2弾がナパの火災応援のため11月20日に開催されます。視聴のみであれば無料(要申し込み)、ワイン付きの場合は1万円となります。

ワイン付きの場合のワインはマヤカマス・ヴィンヤーズのシャルドネ2015。クラシックな作りを続けるワイナリーとして評価が高いものです。

講師はナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの小枝絵麻さんと若下静さん。ワインの知識もさることながら、小枝さんはワインとフードのペアリングのスペシャリスト。今回のセミナーもナパワインの基礎知識編とフードペアリング編の2部構成になっています。

申込みはこちらから。
初歩から学ぶ ナパワイン講座 <11月20日(金) 20:00~21:30 > ※被災地応援 緊急開催|EventRegist(イベントレジスト)
Date: 2020/1020 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
メンドシーノ郡のワインはラベルにAVA名を入れるときに郡名表記も義務付けることが決まりました。これまで同様のルールはナパ、ソノマ、モントレーで決められています。2023年1月1日から有効になります。

Conjunctive law

ナパのルールは2005年、ソノマは2014年、モントレーは2019年から有効になっており、郡名の認知の向上に役立っていると言われています。

メンドシーノのAVAには有名なアンダーソン・ヴァレー(Anderson Valley)のほか、Cole Ranch、Covelo、Dos Rios、Eagle Peak、McDowell Valley、Mendocino Ridge、Pine Mountain-Cloverdale Peak、Potter Valley、Redwood Valley、Yorkville Highlandsがあります。また、Anderson ValleyやYorkville Highlandsなどを含むMendocino AVAというAVAもあり、こちらは郡名表示の義務からははずれます。
Date: 2020/1019 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
オー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)のフラッグシップのピノ・ノワールといえば、娘の名前を付け様々な畑からのいいブドウを使ったイザベルか、息子の名前を付けて銘醸畑ビエン・ナシードの中でもよりすぐりのワインを作るノックス・アレキサンダーを思い浮かべる人が多いと思います。

もちろん、この2つは毎年作られるオー・ボン・クリマを代表する素晴らしいワインですが、実はめったに作られない「幻」と言ってもいいフラッグシップがあります。それが「ラーム・ド・グラップ(Larms de Grappe)」。2001年と2005年に作られてから10年以上も作られていませんでしたが2016年に久々に作られ、それがようやく出荷されて国内にも入って来ています。

なぜ、こんなにも作られないのかというと、100%除梗なしの全房発酵のワインだから。

英語でホール・クラスターと呼ばれる全房発酵で作ったワインは茎からの抽出による複雑さが味わいを深めますが、一方で青臭くなったりタンニンがきつくなったりとデメリットもあります。有名なところではDRCが全房発酵を行っています。一方、オー・ボン・クリマのピノ・ノワールの場合はイザベルもノックスも基本的にはすべて除梗します。創設者ジム・クレンデネンが師匠と仰ぐアンリ・ジャイエに倣っています。

オー・ボン・クリマの場合は、全房発酵を行っても茎からの青みが出ないような年だけこのワインを作っているのです。とはいえ前回作られた2005年のものを近年試飲したことがありますが、10年以上熟成していてもまだタンニンがかなり強く、ガチガチのワインで正直言って美味しく飲むのはちょっと難しいかもと感じました。

今回2016年のものを試飲しましたが、これは非常にいいです。全房らしい深みや複雑さがきちんとあり、一方で今飲んでも十分おいしく、バランスもよく作られています。今飲んでも2005年よりもずっと飲みやすいし、10年以上の熟成も可能だと思います。2005年のものは実売2万円を超えますが、今回は価格も抑えられています。手に入れる価値のあるフラッグシップになったと思います。ヴィナスのアントニオ・ガッローニは95+とかなり高い評価を付けています。

なお、畑はビエン・ナシードと双璧をなすサンタ・バーバラの銘醸畑サンフォード・アンド・ベネディクトです。


Date: 2020/1018 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
花火ラガー
スクリーミング・イーグルのワインメーカーであるニック・ギスラーソンが手掛けている新しいプロジェクトが明らかになりました。

その名は「花火」。実はギスラーソンは12歳のときから花火師の修行をしており、今でも毎年ある島で日本スタイルの花火を上げているそうです。

それよりも驚きなのが、新作はワインでなくラガービールだということ。彼は世界中の何人かの若いワインメーカー達とラガービールの醸造について話し合いを続けており、そこから生まれたものだとのこと。詳しくは分かりませんが、ラガービールの原点に立ち返るようなもののようです。

この「Hanabi Lager」、メーリングリストで販売中です。500mlのボトル一つが15ドルとビールとしてはかのり高額ですが、ワイン・アドヴォケイトのリサ・ペロッティブラウンはすごく気に入ったようです。
Date: 2020/1016 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
スモール・ヴァインズ(Small Vines)のロシアン・リバー・ヴァレー・ピノ・ノワール 2008がしあわせワイン倶楽部に25%引きで入荷しています。2013年のコンクール「日本で飲もう最高のワイン」の赤ワイン・フルボディ部門で、専門家・愛好家両方の最高レベルであるプラチナを取り、さらに1本だけ選ばれるベストワインも獲得したというワインそのものです。

スモール・ヴァインズはソノマでポール・スローン(Paul Sloan)という人が作ったワイナリー。この人は元々ブドウ畑の管理の会社をやっていて、カリフォルニアでは珍しい1m×1mの密植で、樹の高さも1.5m以下くらいに抑えています。PinotFileや、今はなくなってしまったPinot Reportといったピノ・ノワールの専門媒体で高く評価され、日本にも一時期輸入されていました。今回はおそらくその倉庫から出てきたものなのでしょう。私も、2007年のロシアン・リバー・ヴァレー・ピノ・ノワールを飲んだことがありますが、「ピュアな果実味があり、エレガントながらもフレーバーはしっかりとしている、とてもいいピノ・ノワール」と感想を書いています。

おそらく保存状態はいいでしょうから、ほどよく熟成した味わいも楽しめるのではないかと思います。


Date: 2020/1015 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
平林園枝さんが作るシックス・クローヴズ(Six Cloves)の3ヴィンテージ目のワインが国内に入っています。最初のヴィンテージはシャルドネだけ(リトライなどで修行した日本人の造るワインデビュー作)、2年めはスティーブ・マサイアソンのシャルドネにピノ・ノワール(平林園枝さんの第2作を改めて試飲、やっぱりこれは美味しい)、3年目はどうなるのかと思っていたら、予想もしない方向で進化していました。

3ヴィンテージ目はシャルドネとプリミティーヴォに赤ブレンドの3種類(記事公開当初ピノ・ノワールも入れていましたが、2019はピノ・ノワールはなく今回試飲したのは前ヴィンテージの2018でした)。いずれもヴィンテージは2019です。なお、シックス・クローヴズはブドウ畑は持っておらず、ブドウはすべて購入、醸造はソノマのメドロック・エイムズで行っています。

シャルドネは2018年と同じくスティーブ・マサイアソンのリンダ・ヴィスタ(ナパ)の畑。柑橘系の風味に酸がきれいに伸びてくる印象のワイン。白い花の香り。たおやかでしなやかなワインです。前ヴィンテージ同様、とてもおいしい。

ピノ・ノワール(2018年)はソノマ・コーストのブドウを使ったもの。畑はペタルマ・ギャップ。これも酸が印象的なワイン。

ここまでは前ヴィンテージからの踏襲で、驚きはなかったのですが、残り2種類の赤ワインはびっくりしました。

一つはソノマ・ヴァレーのプリミティーヴォ(ジンファンデル)。ソノマのケンウッドにあるBenguerel(ベンゲレル)という畑で、オーガニックかつ灌漑なしでブドウを育てています。そのブドウを除梗なしで醸造しています。平林さんのブログ(Whole Cluster Fermented Primitivo?Really?)に詳しく書かれていますが、除梗なしで醸造するというのは彼女の夢の一つで、その難しさはゲイリー・ファレルで働いたときにワインメーカーのテレサからよく聞かされたそうです。

しかも今回は天然酵母にこだわったため、醸造はかなり大変でした。除梗しないということはブドウの実に傷や穴がない状態なので果汁が出てくることもなくさらに酵母も与えていないため、そもそも発酵が始まるのかどうかも定かではありません。そこで昔ながらの足でブドウを踏み潰すストンピングによって果汁を出して発酵をうながしたそうです。

そのワインの味わいはふくよかで赤系のピュアな果実味があり、酸がしっかりしているのと同時に、味に深みもありバランスもいい。一般的なジンファンデルの味わいとは大きく異なりますが、非常にレベルの高いワイン。個人的にはこのヴィンテージのイチオシです。

そして最後がカベルネ・ソーヴィニヨンとメルローを半分ずつ使った赤ブレンド。これも驚きでなんと畑はソノマとナパの南端に当たるロス・カーネロス(ソノマ側)にあります。海に近く冷涼なため、ブドウの糖度はあまり上がりません。糖度が22度とカリフォルニアにしては低い状態で収穫しています。一般的な赤ブレンドというと、やや濃い目で甘めの作りになったものが多いですが、これは冷涼感あふれる味わいで全く意表を突かれました。

ピノ・ノワールを含めた4種に共通しているのはやはり冷涼感があり、いずれも酸がきれいに感じられること。そのピュアさが引き立つシャルドネと、果実味とのバランスが素晴らしかったプリミティーヴォが今回は特に良かったです。



Date: 2020/1014 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
シュレーダー(Schrader)などのワインメーカーとして知られているトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベート・ブランド「リヴァース・マリー(Rivers-Marie)」(Marieは奥さんのミドルネーム)。ソノマのピノ・ノワールやシャルドネをメインとしていますが、カベルネ・ソーヴィニョンもレベルが高く、しかもコスパもよいことで知られています。

カベルネ・ソーヴィニョンだけでも、いくつかの畑のワインを作っていますが、2016年から加わったのがセント・ヘレナのハーブ・ラム(Herb Lamb)ヴィンヤード。1990年代にはコルギン(Colgin)のワインの畑として一世を風靡したところです(当時のコルギンのワインはハーブ・ラムのみでした)。

その後、フィロキセラで植え替えを余儀なくされ、2007年を最後にコルギンとしてのワインはなくなり、自身のブランドとして続けていました。そして、2016年からこの畑のワインを作り始めたのがリヴァース・マリーで、この年のワインはワイン・アドヴォケイトやヴィナスで95点を超える高い評価を得ました(国内未輸入)。

2017年は山火事による煙汚染の影響でワインは作られず、今回2018年のものが輸入されてきました。試飲の第一印象はとにかく華やかなワイン。果実味強く、重さをあまり感じません。といって薄かったり軽かったりするワインというわけではなく、ジューシーでナパのカベルネ・ソーヴィニョンらしいきめ細やかなタンニンがあり、満足感の高いワインです。これも94、5点は付くのではないかと思います。



実は2020年からはハーブ・ラムのオーナーの引退によって畑自体をトーマス・リヴァース・ブラウンにリースすることになったため、今後は自社畑という扱いになります。おそらくブドウの品質もさらに上がり、リヴァース・マリーを代表するワインの一つ、というかナパのトップクラスの一員になっていくだろうと思います。


Date: 2020/1013 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ダラ・ヴァレ(Dalla Valle)はロバート・パーカーがカリフォルニアで2番目に満点を付けたワイナリーであり、1990年代末のカルトワイン・ブームで一躍有名になりました。またオーナーのナオコさんは日本出身ということでも知られていますが、これまであまりインタビューなどに登場したことはありません。おそらく直接会ったことがある人もかなり少ないのではないでしょうか。ワイン・スペクテーターの記事を見てもカルトワイン特集のときを除くと2018年に書かれた記事があるくらいです。数少ないインタビュー記事においても、あまり人前に出るのが好きではないとありましたから、そういった印象を持っているのは私だけではないでしょう。

また、1999年に樹の病気で畑の全面植え替えを余儀なくされて以来、一時はワインの評価も以前ほど高くなく他のワイナリーの台頭に埋もれていたといったこともあるかもしれません(2013年と2016年のマヤがワイン・アドヴォケイトで100点を取るなど、近年はまた高評価になっています)。

そんなわけで、インポーターであるJALUXのYouTubeチャンネルでナオコさんとマヤさんによる12分にもわたる動画がアップされて、かなりびっくりしたのでした。JALUXの動画はありものに字幕を付けた形ではなく、JALUX用に撮っているものですから価値は大きいです。

セカンドワインもできて、以前よりは手に取りやすくなっていると思います。

Date: 2020/1012 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ソノマ・ヴァレーにあるオールド・ヒル・ランチは1852年から続く、おそらくカリフォルニアで現存する最も古いブドウ畑です。植え替えによって、今残っている一番古い樹は1880年代と考えられていますが、それでも140年近くたっていることになります。

かつてはレイヴンズウッドのフラッグシップとして知られたワインですが、オーナーだったジョエル・ピーターソンが醸造から離れた今世紀になってからは品質もぱっとしないという評価が固まってきていました。

ところが2019年に驚くべき話が飛び込んできました。2018年からジョエル・ピーターソンの息子のモーガンが自身のワイナリー「ベッドロック」でオールド・ヒル・ランチのワインを作り始めたというのです(「ベッドロックのフラッグシップ・ワインの垂直試飲」で既報)。さらにジョエル・ピーターソンが自身で作るワンス・アンド・フューチャーでもオールド・ヒル・ランチのジンファンデルを作り始めました。

先日、そのワンス・アンド・フューチャー版を試飲する機会があったのですが、これがすばらしかったのです。

非常にパワフルかつタニック。レイヴンズウッド時代に「ノー・ウィンピー・ワイン(軟弱なワインはつくらない)」という標語を掲げただけのことはあります。非常に重厚かつ重層的な味わい。うまみ要素がこれでもかというほど押し寄せてきます。今回はベッドロック版はありませんでしたが、両方飲み比べたらおそらくワイナリーの個性がよりはっきり出ると思います。

すでに、ベッドロックの自社畑ベッドロックのワインを両方で作っていますが、そこでもワンス・アンド・フューチャーはパワフル、ベッドロックは複雑と、個性が分かれていました。

ちなみに2018年のオールド・ヒル、ヴィナスはベッドロック版に96点、ワンス・アンド・フューチャー版に95点と非常に高い評価を付けています。ジンファンデルファンであったら必ず飲むべきワインと言ってもいいでしょう。



ベッドロック版は既にインポーター完売だそうです。

Date: 2020/1011 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
arms race
ワイン・サーチャーのサイトでライターのヴィッキ・デニッグがワインの表現における「男性的」「女性的」といった言葉の使用について提言しています(Time to Kill Gender Stereotypes in Wine | Wine-Searcher News & Features)。

例えば女性的(フェミニン=feminine)であれば、柔らかく、エレガントでデリケートな味わいのワインであり、女性的という言葉を使わなくてもこれらの言葉で代替できます。男性的(マスキュリン=masculine)であればパワフルで筋肉質といった言葉で代替できます。であれば、これらの言葉を使う方がいいというのがデニッグの主張です。

私も、ときどき「女性的」という単語は使ってしまっていました。特に、女性ワインメーカーによるワインの描写でついつい使ってしまっていました。あまり良くないのではないかという意識は一応あったのですが、英語でも使われていることを免罪符にしていたのでした。

デニッグの記事への反響があったのかどうかわかりませんが、個人的には今後は使わないよう気をつけたいと思います。
Date: 2020/1010 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
SFクロニクル紙のエスター・モブリーがグラス・ファイヤーで活躍した一人のワインメーカーの記事を書いています(Napa wineries dub a ‘true hero’ of Glass Fire: a winemaker on a stunt motorcycle - SFChronicle.com)。
バーリン夫妻
その名はジョン・バーリン(Jon Berlin)。ナパのワイナリー「エル・モリーノ(El Molino)」のワインメーカーです。エル・モリーノはセント・ヘレナに1871年に設立された古いワイナリーですが、現在はラザフォードのブドウでクラシックなスタイルのシャルドネとピノ・ノワールだけを作るというユニークなところでもあります。
エル・モリーノ
ターリーのワインメーカーであるテーガン・パサラクアが「ワンマン・アーミー」と呼んだその活躍がなければ、スプリング・マウンテンにおける被害はずっと大きかったのではというのが多くの人の意見です。

彼自身、南アフリカで海軍の消防士として働いていたことがあり、そこで山火事の消火経験もありました。かれはまた、スコットランドでトライアルバイクの競技会に出たことがあり、トライアルバイクを持っています。スピードは出ませんが、倒木があってもそれを乗り越えて進むことができ、車で入ることも難しい山中に分け入ることができました。

彼は、バックパックに水や消火剤を入れて走り回りました。とはいえそれで消せる火はわずかですから、基本的には火を見つけてはその場所を消防局に連絡して消火活動をしてもらうということを続けました。一時は消防局のチーフが自分のスマホをバーリンに貸して火の場所や映像をいち早く送ってもらうということもありました。

また、ヴィンヤード・マネジャのデイビッド・エイブリューの協力を得て、ブルドーザーで防火帯を作ったり、トラックで水を運んできてもらったりといったことをしました。

さらに、ワイナリーや家などの安否の情報を避難している人たちに伝えるということもしました。状況がわからず不安にかられている住民にとってはとても大きな情報源だったようです。

グラス・ファイヤーはようやく74%包囲でき、地域もだいぶ落ち着きを取り戻しつつあるようです。煙の影響については不安要素も大きいですが、まずは消火活動に従事した方々に感謝したいところです。
Date: 2020/1009 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ハーラン・エステート(Harlan Estate)を擁するハーラン・ファミリーのブランドには、ほかにボンド(Bond)とプロモントリー(Promontory)がありますが、セカンド格のワインでも今では3万円を下らないのが実情です。その中で、ハーラン、ボンド、プロモントリーの若木のブドウを使ったマスコット(Mascot)の希望小売価格が1万円さがって2万3000円になりました。

しあわせワイン倶楽部では税抜きで1万9800円まで下げています。

先日「『私の中のハーランが…』と彼女は言った」という記事で、アカデミー・デュ・ヴァンで行ったハーラン系6種類を試飲するセミナーの報告をしましたが、ここでもマスコットもちろん試飲しています。

ヴィンテージは2014年と意外と古いのですが、若木を使っているせいか、比較的味わいも若々しく、タンニンも比較的強く感じます。今飲むならデカンタージュして飲むのがいいかもしれません。ちなみにセミナーのときは1時間半前に抜栓してダブルデカンタ(1回デカンタに移してからさらにボトルに戻す)して提供しています。


Date: 2020/1008 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
エノテカがケンダル・ジャクソン(Kendall-Jackson)のヴィントナーズ・リザーヴ・シリーズの5本セットを限定で25%引きで販売しています。ネットのみの扱いです。

品種はカベルネ・ソーヴィニョン、ピノ・ノワール、ジンファンデル、シャルドネ、ソーヴィニョン・ブラン。ヴィンテージはソーヴィニョン・ブランが2019年で後は2018年です。

中でもシャルドネはケンダル・ジャクソンの代名詞的存在。あえて残糖を多くした作りで一世を風靡したので、甘いワインというイメージを持っている人もいるかもしれませんが、少なくとも今は不自然な甘さはなく、カリフォルニアのシャルドネの代表格の一つだと思います。2018年もヴィナスで90点が付いています。


Date: 2020/1007 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
sakana
カリフォルニアワインマンスのキャンペーンとして「SAKANA & JAPAN PROJECT」とカリフォルニアワイン協会の共催により、カリフォルニアワインがあたったり、オンラインの料理教室に参加できたりするイベントが開かれます。

パパさかな大使×カリフォルニアワイン協会 プレゼンツ 『カリフォルニアワインマンス作戦2020』 | トピックス | SAKANA & JAPAN PROJECT

第1弾はすでに締め切ってしまいましたが、第2弾と第3弾は10月16日が締め切り。第2弾がオンライン料理教室、第3弾がカリフォルニアワインのプレゼントとなっています。

応募方法はSNSへの投稿。「秋にカリフォルニアワインと一緒に食べたいおつまみ、あなたの好きなおつまみを教えてください」というテーマでインスタグラム、ツイッター、Facebookのいずれかに投稿します。また、投稿するSNSで「SAKANA & JAPAN PROJECT」のアカウントをフォローします(インスタではカリフォルニアワイン協会もフォロー)。

SAKANA & JAPAN PROJECT Instagram公式アカウント
SAKANA & JAPAN PROJECT Twitter公式アカウント
SAKANA & JAPAN PROJECT Facebook公式アカウント
カリフォルニアワイン協会 Instagram公式アカウント

また、投稿時には「#カリフォルニアワインマンス作戦2020」のハッシュタグを付け、オンライン料理教室参加希望の場合は「#収穫祭イベント参加希望」または「#ハロウィンイベント参加希望」のハッシュタグを付けます。

前回のキャンペーンのときは私もワイン当たりました。奮ってご参加を!
Date: 2020/1006 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ワイナートのカリフォルニア・ピノ・ノワール特集で最高の99点を獲得し、「瞬殺」になったリトライ(Littorai)のピヴォット(Pivot)ヴィンヤードがしあわせワイン倶楽部に再入荷しています。

リトライのオーナーのテッド・レモンはビオディナミ(バイオダイナミクス)の実践者として知られており、カリフォルニアでも多くのワインメーカーに尊敬されています。カリフォルニアのワインメーカーの中でも哲学を感じる人の一人です。

ピヴォットはそんなリトライの自社畑であり、それだけ大事なワインと言えるでしょう。


Date: 2020/1006 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

シェーファー(Shafer)のインポーターである布袋ワインズによると、シェーファーは今年ワインを造らない決断をしたとのこと。煙汚染の影響などを考慮したものだと思われます。

ナパではすでにハウエル・マウンテンにあるランボーン・ファミリー(Lamborn Family)やサマストン(Somerstone)が2020年の収穫を諦めたほか、トーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーを務めるメンディング・ウォール(Mending Wall)がカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫を諦めました。

ソノマでは日本人が作るアーサー・セラーズが2020年のワインを作らないとしたほか、フリーマンも生産量を30%に落とすと表明しています。

今回のグラス・ファイヤーでは17件ほどのワイナリーに被害が出ていますが、このように煙汚染の影響でワインを作らないところは、これから続々と出てきそうです。
Date: 2020/1005 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

先週の金曜日はアカデミー・デュ・ヴァンの講座「カリフォルニアの超一流ワイナリー」第3回ハーラン・ファミリーでした。本家ハーランとメイデン、ボンドのセント・エデンとメイトリアーク、プロモントリー、マスコットという超豪華な試飲のラインアップです。

カベルネ系ばかり6種をブラインドで当ててもらいましたが、さすがに全問正解者はゼロ。前の期のときは、ハーランは飲みやすすぎて安いワインだと思われてしまったので、これは教え方が悪かったとちょっとショックで、今回は「一番スムーズでシルキーなテクスチャがあるのがハーラン」というヒントにしてみました。おかげ?でハーランを当てた人は増えましたが、一方で一番安いメイトリアークをハーランかと思った人も結構出てしまい…

これはハーランのせいではなく、メイトリアークが美味しいんです。メイトリアークってすごくバランス良くって、いいワインだと思います。ハーラン系でコスパは一番だと思っています。

ところで、クラスで一番ハーランを飲んでいる人ははずしてしまい。「これは私の中のハーランではない」と名言いただきました。10年以上熟成しないとハーランはハーランでないそうです。僕はハーランは若くても美味しいので、飲み頃はいつでもいいと思っています。

マスコットはちょっと若さが強く、そのせいか一番あてた人が多かったです。

プロモントリーは大樽熟成によるちょっとウッディなニュアンスや荒々しい力強さが魅力。ハーランとはある意味対極的なワインです。

今月から始まる次期講座もまだまだ募集中です。定員に達していない講座が多く、せめて「対決」だけでも成立してほしいと願う今日このごろです。
松原敦(アンディ) | 講師紹介 | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン

Date: 2020/1002 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2020年10月いっぱいで開催される「カリフォルニアワインマンス2020」が始まりました。昨年は小売店83店舗だけの参加でしたが、今年は小売422店舗、料飲店59店舗の計481店舗の開催となります。
ワインマンス

詳しくはこちらから。
カリフォルニアワインマンス2020|カリフォルニアワイン

毎年春に開催し、今年は新型コロナの影響で中止になったバイ・ザ・グラスのキャンペーンでは飲食店がグラス売りでワインを提供するのが条件になっていますが、ワインマンスではそういった共通の取り組みはなく、19月中の2週間以上で3種類以上のカリフォルニアワインを提供すればいいだけ。お店ごとに自由にカリフォルニアワインを販売できます。

店ごとの工夫を、協会が審査して表彰する予定です。

参加店なども上のリンクからどうぞ。
Date: 2020/1001 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
グラス・ファイヤーの直撃により、ナパの多くのワイナリーに被害が出ています。また、これまでの火災でも煙汚染は懸念されていましたが、今回の火災によりナパは煙で充満した状態になり、未収穫のブドウについては煙汚染の恐れが非常に高くなりました。公式発表されていないので名前は伏せますが、Sで始まるワイナリーで今年のワインを作るのをやめたとかMで始まるワイナリーで赤ワインについては諦めたという話も聞こえてきました。

少し前までは、今年の収穫が減ることによって、2018年2019年とだぶついていたワインの在庫が消費されてちょうどいいのでは、といった話も出ていましたが、今回はそういうレベルでなく非常に危険かつ広範囲に大規模な影響が出てしまいそうです。

今後また、基金の話なども出てくると思いますが、日本からまずできる応援は彼らのワインを飲むことです。

「とはいってもナパのワインは高いからなあ」という声もあるかもしれません。そんな方にはナパワイン販売日本一のしあわせワイン倶楽部のセットはいかがでしょう。


上のワインは先日開催された日本経済新聞社とナパ・ヴァレー・ヴィントナーズとのセミナーで紹介されたソーヴィニョン・ブランで同セミナーで使われたレシピが付属します。

これ以外にも1本あたり2000円台のワインセット、各種そろっています。





以下は今回大きなダメージを受けたワイナリーのワインです。



Date: 2020/0930 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパを中心とした山火事グラス・ファイヤーの被害がさらに広がっています(参考「ナパの新山火事、シルバラード・トレイルの歴史あるワイナリーなどを飲み込む」)。ワイナリー自体の被害という面では2017年9月の山火事を超えてしまいそうです。
ハイジ・バレット撮影
写真撮影はハイジ・バレット

現地時間の9月29日午後7時29分時点の最新情報によると延焼面積は4万6600エーカー。これは昨日までの約4倍にあたります。包囲率はわずか2%で、ほとんど手が付けられていない状態が続いています。

昨日の記事にも豪華リゾート「メドウッド」が一部燃えたらしいと追記しましたが、ミシュラン3つ星のレストランを含むメインの建物が焼失したと伝えられています。客が泊まるロッジは点々としているためおおむね延焼をまぬがれているようです。

スプリング・マウンテンにある歴史ある人気ワイナリー「ニュートン(Newton)」ではテイスティング・ルームやセラー、オフィスなどがあるメインの建物や中庭などが焼失してしまったもようです。
Newton

同じくスプリング・マウンテンにあるベーレンス・ファミリー(Behrens Family、旧ベーレンス・ヒッチコック)もワイナリーが焼失しました。テイスティング・ルームやセラーは無事と伝えられています。

セント・ヘレナでは人気ワイナリーのV Sattuiが作ったお城で有名なカスティーヨ・ディ・アマローサ(Castillo di Amarosa)が被害を受けました。城自体は無事ですが12万本のワインを保存していたセラーが全焼しました。

Glass Fire turns 120 thousand bottles of wine to ash at a Napa winery - YouTube

このほかカリストガのスターリング(Sterling)は一部燃えたと伝えられていますが大部分は無事のようです。スプリング・マウンテンのパロマ(Paloma)やヴィンヤード7&8は火が迫っていて消防士が消火活動に追われていたことまでは確認されていますが、強制避難によって現状はわからないとのこと。祈るしかありません。

強制避難によってカリストガの街も無人状態になっています。被害を心配しているワイナリーなども現在のところ戻って確認できていないため、今後新たな被害が明らかになる可能性もかなりあります。

また、現状は大きな被害になっていないソノマ側でも避難命令が出ている地域はあり、安心できる状況ではありません。今後そちら側に広がる可能性も多分にあるでしょう。高温も続く予定であり、今後の拡大が非常に心配です。
Date: 2020/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

ナパのセント・ヘレナで大きな山火事グラス・ファイアー(Glass Fire)が発生し、1979年に設立されたシャトー・ボズウェル(Chateau Boswell)が焼失しました。シルバラード・トレイル沿いのワイナリーで、シルバラード・トレイルを挟んで反対側にはロンバウアー(Rombauer)があり、ちょっと北にはフェイラ(Failla)、1kmほど南にはダックホーンがあります。セント・ヘレナのダウンタウンからも直線距離で4kmほどしか離れていないところで、いよいよナパの中心部にも被害が及んできた感があります。また、シャトー・ボズウェルの近くにあるブラック・ロック・インというホテルも焼失したという情報があります。フェイラやその近くのメラス(Merus)はプロパティから避難したとのこと。アワーグラス(Hourglass)やタック・ベクストファー(Tuck Beckstoffer)も大きな被害を受けたようです。トーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーを務めるメンディング・ウォール(Mending Wall)もワイナリーのすぐそばまで火が迫り、未収穫の10トンのカベルネ・ソーヴィニヨンは諦めたとワインメーカーは言っています。

このほか、ヴィアデル(Viader)やカリストガのデーヴィス・エステート(Davis Estate、下の写真)も間近まで火が迫っています。

現在、避難命令が出ている範囲には64のワイナリーがあります。火災の広がるスピードは手がつけられないレベルで、包囲率はまだ0%です。非常に危険な状態です。
Glass Fire
グラス・ファイアーはスプリング・マウンテンから出火し、東に燃え広がっており、ナパだけでなくソノマにも避難地域が出ています。規模としてはそれほど大きくないのですが、広がる速さとワイナリーからの近さが問題となっています。

【追記】
オークション・ナパ・ヴァレーの会場にもなる豪華リゾート「メドウッド」も一部焼失したようです。関係者避難中で被害の全貌は明らかになっていません。
Date: 2020/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマ・カウンティ・ワイン・オークションが2020年9月17~20日に開催され、落札総額は117万ドルでした。これまでの記録は2014年が400万ドル、2015年が450万ドル、2016年が470万ドル、2017年が520万ドル、2018年が570万ドル、2019年が610万ドルとなっており、初めて前年の実績を下回ることになりました。今回はライブ・オークションもネットや電話で参加するバーチャルな形であり、やや盛り上がりを欠いた感はあったのかもしれません。
Live Virtual Auction
最高額の落札ロットを見ても、前年は52万ドルでしたが、今回は3万2000ドルにとどまりました。これはウィリアムズ・セリエムのワインのコレクションと2022年のスーパーボウルのチケットがついたものでした。

見返りのないFund-A-Needへの寄付も前回は161万ドルに達しましたが、今回は72万6000ドルでした。

ライブで落札するのではないオンラインのオークションも開催され、「Buy it Now」という機能を使って話題のマイケル・ブラウンのCIRQとCHEVのワイン9本およびこれらのメーリング・リストのトップに乗るというロットが1万2000ドルで落札されました。

前回はトータルで40ロットでしたが、今回はライブ・オークションは12ロット、オンラインは34ロット。トータルのロット数こそ今回が上回りますが、落札で盛り上がるのは難しかったようです。

とはいえ、コロナでこれだけ多くのイベントがなくなっている中で、バーチャルな形であっても開催できたことだけでもよかったと思います。
Date: 2020/0926 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
猛威を振るう2020年の山火事で、煙汚染の影響が懸念されています(Winemakers Face Up to Smoke Taint Reality)。

これまでにナパのランボーン(Lamborn)やサマストン(Somerston)などが収穫を完全に諦めたと表明しており、サンタ・クルーズ・マウンテンズのビッグ・ベイズン(Big Basin)もオーナー宅と畑に大きな被害が出ています。また、ナパのサン・スペリー(St. Supery)は自社のダラーハイド(Dollarhide)の畑のブドウのワインを今年は作らないことを決めました。

また、ナパのフープス(Hoopes)は2017年の火事で収穫に煙のダメージを受け、保険の支払いも受けられず、収穫したブドウを廃棄することもままならないという八方塞がりな状況に陥りました。そのとき、たまたまケンタッキー州に行ったのをきっかけとして、ワインではなく蒸留してブランデーにするという方策に出ました。

まだ、そのブランデーは販売されていませんが、今回の火事を受けて、他のワイナリーでもブランデーを作りたければ協力するむねを表明しています。

さまざまな意味で記憶に残るヴィンテージとなる2020年、今後が大過なく進むことを祈りたいと思います。
Date: 2020/0925 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
nvv
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ・ジャパンが9月30日まで、インスタグラムでキャンペーンを行っています。応募方法はnapavintnersjapanのアカウントをフォローして、下の投稿に「いいね」するだけです。先日までやっていたカリフォルニアワイン協会と同じですね。



賞品のワインは3種類1本ずつ。いずれもカベルネ・ソーヴィニヨンです。
写真のフープス(Hoopes)はオーパス・ワンやハーラン・エステート、スクリーミング・イーグルなどがあるオークヴィルのワイン。2010年のワインなので、熟成した味わいも楽しめると思います。
昨日、デカンター誌の品評会で1万6000本の中からわずか50本に与えられる最高レベルの賞を得たばかりのトレフェッセンからもヴィンテージ違いの2015年ではありますが、エステートのカベルネ・ソーヴィニヨン。ここはナパの中では比較的冷涼なオーク・ノールに畑を持ち、エレガントなワインを作ります。
もう一つは、スタッグス・リープにワイナリーを構えるパイン・リッジ。スタッグス・リープは日当たりよく、いくつかの丘によって生み出される風のトンネルでブドウが冷やされ、これも最高のカベルネ・ソーヴィニヨンのできるところ。ヴィンテージは2015年です。

奮って応募ください。
Date: 2020/0924 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
英デカンター誌が主催する世界最大級の品評会デカンター・ワールド・ワイン・アワード(DWWA)。毎年5月末に結果が発表されますが、今年はコロナの影響で9月の発表にずれこみました。賞の中で最高レベルとなるベスト・イン・ショーには50本が選ばれ、そのうちの1本がトレフェッセン(Trefethen)のカベルネ・ソーヴィニョン2017でした。

116人のエキスパートが1万6518本のワインをブラインドで審査、その中には37人のマスター・オブ・ワインと9人のマスター・ソムリエが含まれるという、審査の厳格さや透明性でもトップクラスの賞です。この中の50本ですからわずか0.3%のワインしか選ばれないのがベスト・イン・ショーです。米国ではこのほかナパのアルファ・オメガのERA 2017、オレゴンのドメーヌ・セリーヌのマーク・ブラッドフォード・ピノ・ノワール2016もベスト・イン・ショーに選ばれました。ERAはアルファ・オメガのフラッグシップで国内では3万円超、ドメーヌ・セリーヌのマーク・ブラッドフォードもフラッグシップではありませんが2万円を超える価格。その点、トレフェッセンは1万円以下で入手できるという点で貴重です。

トレフェッセンはさらにシャルドネの2017もベスト・イン・ショーに次ぐプラティナムを受賞という快挙でした。プラティナムも178本と全体のわずか1%しか受賞できない賞です。日本での価格は4000円台とかなりお得なワインです。

受賞ワインそのものです。




Date: 2020/0923 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワインあとりえにオー・ボン・クリマ(Au Bon Climat=ABC)のミッションラベルが入荷しています。

オー・ボン・クリマのインポーターは中川ワインとJALUXの2社ありますが、ミッションラベルは中川専用のキュベ。JALUXにも専用キュベがあり、そちらはツバキラベルと言います。

このミッションラベル、輸入されているオー・ボン・クリマのワインの中では入門版にあたり、若くても飲みやすい作りになっていますが、実はシャルドネは中身はビエンナシードの単一畑になっているとのこと。ピノ・ノワールもビエンナシードと自社畑のル・ボン・クリマとこれもすごい構成。

ビエンナシードといえば、サンタバーバラのサンタ・マリア・ヴァレーの超有名畑。ポール・ラトーのシラーでは最高98点(WA)、フォクセンのピノ・ノワールでは最高95点(WA)など、引く手あまたなブドウ。

オー・ボン・クリマのワイナリーはビエンナシードの脇にあり、ビエンナシードの畑の誕生から手を携えてやってきた、事実上自社畑の一つ(オー・ボン・クリマの区画は自社で栽培も見ています)。ニュイ・ブランシェやノックス・アレキサンダーなど上位版すべてのベースにもなっています。

オー・ボン・クリマはそうでなくてもコスパ抜群ですが、ミッションラベルはその中でもコスパトップと言えるでしょう。



ちなみに、ピノ・ノワールが話題になったアルタ・マリアのシャルドネもビエンナシード。これも超お得ワインです。

Date: 2020/0922 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
UCデーヴィスが先週オンラインで開催したセミナーによると、濃くてちょっと甘みがあるワインほど、煙汚染の影響は少ないそうです(Smoke and Mirrors: Fixing a Fiery Vintage | Wine-Searcher News & Features)。

赤ワインについては煙の影響を最小限にするために2つの方策があります。一つはロゼ、あるいは黒ブドウから白ワインを作ること。煙の粒子は果皮に付きますから、果皮との接触を減らすことで、影響も減らせます。

もう一つは、アルコール度数が高く、PHも高く、残糖があるようなワインにすること。こうすることで、ほとんどの人には煙汚染が知覚されないようになります。

未熟な果実は煙の影響を強く感じさせるため、カベルネ・ソーヴィニヨンなどでは収穫時期を遅らせた方が影響が減ります。一方、ピノ・ノワールのように果皮が薄いブドウは影響を受けやすいとのこと。

白ワインの場合は収穫時に果皮を傷つけず、柔らかく圧搾することで、影響を減らせます。そのためには機械収穫より手摘みが、望ましいとのこと。

このほか、灰も揮発性のフェノールを生み出すことが分かっています。こちらは1週間くらい影響が続きますが、水で洗うのが最善の対策とのこと。
Date: 2020/0921 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ちょっとずつ試飲会も行われるようになってきて、日常が戻ってきつつあるのかもしれません。とはいえ緩めればまた感染が増えるのは確実であり、緩めたり締め付けたりを続けながら爆発を防ぐといった状態を続けていかなければいけないのだろうと思います。

それはさておき、アイコニックワイン・ジャパンの試飲会に参加しました。スピット用のバケツなし、アイテムもいつもより少ない試飲会でしたが、それでも50種類ほどのワインを試飲して、いいものもかなりありました。

特によかったのがフィールド・レコーディングス(Field Recordings)のワイン。前回の試飲会のときも「これは!」と思いましたが(アイコニック ワイン・ジャパンの試飲会で美味しかったワイン(2020年冬))、今回特に集中して試飲し、改めてこれはいいと思いました。味わい的には果実味やアルコール度を控えめにし、旨味や複雑さがあるタイプですが、それが3000円台といった価格で実現しているのが驚きです。普通はこういったタイプでいいワインを作ろうとすると手間もかかりワインも高くなりますが、ここは本当に安いです。これまであまり話題になっていないのが不思議なワイン。

シュナン・ブラン 2018 3300円 樹齢40年のシュナン・ブランを使ったワイン。うまみがすごい!


ワンダーウォール シャルドネ 2018 3300円 冷涼なエドナ・ヴァレーの中でも一際冷涼な海岸沿いの畑のブドウを使ったシャルドネ。アカシアの樽を60%使っているのがユニーク。ワンダーウォールのシリーズはラベルがジャズのミュージシャンで、これはデューク・エリントン。酸がとてもきれいなワイン。柳屋では2020年上期の「MVP」ワインとしています。


ワンダーウォール ピノ・ノワール 2018 3300円。ラベルにサッチモを採用。ピュアな味わいで本当においしいピノ・ノワールです。前回の試飲でもイチオシワインでした。


ネヴァーランド カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 3300円。これもきれいでうまみがあるカベルネ・ソーヴィニヨン。


カベルネ・フラン 2018 3300円。爽やかさを感じるフラン

見つけたらぜひトライしてください。

もうひとつワイナリーとして紹介したいのがグラウンドワーク(Groundwork)。パソ・ロブレスからサンタ・バーバラのブドウを使ってローヌ系のワインを作るワイナリーです。

グルナッシュ・ブラン 2019 2980円。爽やかでエレガント、美味しい。


ムールヴェードル 2016 3600円。複雑でとてもレベルの高いムールヴェードル。

フィールド・レコーディングスもグラウンドワークも果実味の濃さだけがワインの魅力ではないことを伝えてくれます。さらにどちらもコスパ抜群。パソ・ロブレスからサンタ・バーバラの有名でない畑を使っているのも特徴です。

もう一つ新入荷のブランドでバレル・バーナー(Barrel Burner)。ワイナリーの名称からわかるように、樽の「焦がし」加減にこだわったワイナリーです。上記2つのワイナリーとは好対照なクラシックな作りですが、非常におkスパ高いです。

バレル・バーナー シャルドネ 2017 2800円。樽もしっかり効いたクラシックなタイプのシャルドネです。


バレル・バーナー カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 2800円。これもコスパ高い

その他のワインを見ていきましょう。

バラード・レーンのシャルドネ 2018 2200円。値段にびっくり。この価格とは思えないほど深みのある味わいです。



ビエン・ナシード ピノ・ノワール 2018 1万1000円。サンタ・バーバラのサンタ・マリア・ヴァレーを代表する畑「ビエン・ナシード」が自ら作るワイン。うまみたっぷり。


デナー ダート・ウォーシッパー シラー 1万500円。これはメチャウマです。シラーのポテンシャルを感じさせてくれるワイン。

このほかに定番モノでもいいものはいろいろありましたが、今回は新入荷を中心にお伝えしました。どれもマジでお薦めなので、ぜひ試してください。




Date: 2020/0919 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コブ(Cobb)のワインが柳屋やWassy'sに入っています。いずれも輸入量は10ケース未満と僅少なワイン。一般販売もごくわずかですのでお早めに。

ワインは先日「無茶うまピノが勢揃い、ilovecalwineの試飲会より」でも紹介しましたが、この中で柳屋には「Rice-Spivak」のピノ・ノワールはなくシャルドネ2種とピノ・ノワール1種、そしてリースリング1種となっています。一方Wassy'sはピノ・ノワールは2種類ともありますが、シャルドネはありません。

共通する特徴は、冷涼感というかすっきりとした酸味があり、果実味を引き立てていること。塩味や濡れた石など静謐系の複雑さがあること。リース(Rhys)やリトライ(Littorai)などIPOBの流れを汲むワインの代表格の一つであり、ピノ・ノワールやシャルドネの産地としてソノマ・コースト(の中でも冷涼な地域)がいかに優れているかを体験できるワインです。

柳屋





Wassy's




Wassy'sにはこのほか古いヴィンテージのものもいくつかあります。
コブの一覧はこちらから
Date: 2020/0917 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
楽天市場のワインショップ「フェリシティー」で、ベリンジャーのワインを買うとロゴ付きワイングラス2脚がもらえるキャンペーンを9月いっぱい開催しています。

キャンペーンページはこちら

ファウンダーズ・エステート・シリーズなら2本、AVAシリーズやプライベート・リザーブなら1本で対象になります。

ベリンジャーは19世紀にナパのセントヘレナで設立された老舗のワイナリーです。禁酒法の時代も教会向けのワインで生き延びました。1970年代から30年以上ワインメーカーを務めたエド・スブラジア(Ed Sbragia)の時代に目覚ましい品質向上を遂げ、シャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンのプライベート・リザーブでワインスペクテーターのワインオブザイヤーを獲得しています。2回この賞を取ったワイナリーはケイマスとベリンジャーくらいです。

ファウンダーズ・エステートの方はいわゆるスーパーマーケットワインですから、コスパはいいですが、特別素晴らしいワインではありません。

せっかくベリンジャー飲むのであれば、AVAシリーズ(アペラシオンシリーズ)以上のものをお薦めしたいです。

例えば、ナイツヴァレーのカベルネはナイツヴァレーの名を広げたワイン。AVAものの中でも抜群のコスパで人気が出たワインです。今でこそ、ピーター・マイケルなどで知られるようになったナイツヴァレーてすが、ほとんど誰も知らない時代にここを切り開いた慧眼には感服です。

あとはやっぱりプライベートリザーブのシャルドネ。ベリンジャーを代表するワインであり、カリフォルニアのリッチ系シャルドネの代表格でもあります。





カジュアルに楽しみたいならこちら。

Date: 2020/0916 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
毎日のようにエコバッグとして使っているチャールズ・スミスのノベルティのバッグですが、エコバッグは終了して新しいノベルティが登場しています。

この写真だけではわからないかもしれませんが、これは「ポップソケッツ」というスマホのアクセサリー。スマホの裏側に貼り付け、スマホを手で持つときの補助や、立て掛けて使うのに役立ちます。


図にあるように、二つ貼ってもいいし、1個でも大丈夫です。


さっそく貼ってみました。スマホケースの上から付けても大丈夫です。ただ、ケース自体にデコレーションなどで凹凸がある場合は貼り付けられないので注意のほどを。


こんな感じで持てます。手を離しても大丈夫。


横から見るとこんな感じです。


引っ張り出すとここまで出てきます。


このようにスマホスタンドとして使うことも。

エコバッグより使う人を選びますが、なかなかいい感じで使えていますよ。

信濃屋ではさっそくポップソケッツ付きのセットを売っています。



一方、エコバッグはもう終了していますが、柳屋では限定でエコバッグ付きのセットを売っています。

Date: 2020/0915 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアでの大規模な山火事に続き、オレゴンやワシントンでも大きな山火事が起こっています。

オレゴンでは非常事態宣言が発せられ、焼失したワイナリーもあります。

ナパやサンフランシスコでは、日中でも空がオレンジに染まる怪現象も出現。これは上空に溜まった煙の成分が霧によって地表近くまで降りてくることで起こったようです。特にどの火事が原因ということではなく、カリフォルニアからワシントンまでの広い領域での火事によるものだとか。


相次ぐ山火事によって一番懸念されるのは煙によるブドウの汚染。ブドウが煙にさらされてから1週間ほどすぎれば影響はほとんどなくなるとも言われていますが、収穫まっただなかの現状では、かなりの懸念材料になっています。ナパ・ソノマだけでなく、大規模火災のあったサンタ・クルーズ・マウンテンズや、近隣でいくつかの火事が起こったサンタ・ルシア・ハイランズなどでも煙汚染は喫緊の課題です。

実際にどれだけ汚染されているかは収穫してブドウを絞り、それを検査しないとわからないのですが、今年の収穫に影響ゼロということは全くありえないでしょう。
Date: 2020/0914 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments

「ロマネ・コンティと同じ作り方」(要は除梗なしで醸造していること)のワインとして話題になったアルタ・マリアに新ヴィンテージとリザーブ版が登場しています。輸入元のアイコニックワイン・ジャパンさんで試飲してきました。

これまで出回っていたヴィンテージは2012年でしたが、今回一気に売り切れてしまい、新たに入ってきたのは2011年と2013年。そして2012年のリザーブ(レゼルヴァ)です。

2011年は2010年代では一番冷涼な年。カベルネ・ソーヴィニヨンなどでは完全に熟さなかったブドウもあり、あまり良くないヴィンテージと言われていますがピノ・ノワールではそれがむしろ冷涼感となって、好ましい味わいになっています。9年経っていますから熟成感もほどよく出ています。一方、2013年は暖かく乾燥した(旱魃の始まった年でした)年で、より完熟した味わいのワインとなっています。7年経っていますが、まだ果実感も強く残っています。果実味やしっかりした味わいを求める人なら2013年の方が好きでしょう。

2012年のレゼルヴァはオンティヴェロス・ヴィンヤードの中のマルティニ・クローンを使った「クラーク・アンド・テレフォン・ブロック」のブドウだけを使ったもの。アルタ・マリアは元々オンティヴェロス・ヴィンヤードのオーナーであるジェームズ・オンティヴェロスが始めたワイナリーですが、彼のもうひとつのワイナリーがネイティヴ9(カリフォルニアで9世代目になることから付けた名前)で、ここはかつてのIPOB(イン・パースート・オブ・バランス=バランス追求派)に所属していた実力のあるワイナリー。その畑の中でも特定のブロックだけを使っているわけですから位置づけ的にはネイティブ9のピノ・ノワールよりもさらに高級版といってもいいのかもしれません(価格はこちらの方が安いですが)。

リザーヴ版の味わいは、よりホール・クラスター(除梗なし)による複雑さが出たもの。高級感ある味わいです。

ショップなどには同時に3つ入るとは限らず、現状はこれまでの2012年あるいは新たな2011年を扱っているところが多いようです。

個性の違いはありますが、どれも価格以上の満足度があるワインなので安心して飲んでください。

2011年。ショップは「ココス」です。

2011年。ショップは「しあわせワイン倶楽部」。

2012年。信濃屋です。

Date: 2020/0911 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
超格安で大きな話題になっているヘスのカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが「銘醸ワイン専門 CAVE de L NAOTAKA」でセット販売されています。

カベルネ・ソーヴィニョンは12本で税込み1万9800円。他ショップの税込み1本2068円などと比べると2割も安くなっています。

このほかシャルドネ12本のセット、6本ずつのセットもあります。

大反響で、早くも輸入元在庫はなくなりそうという話も出ています。お早めに。





1本売りはこちらから。
ヘス・コレクションの超特売にシャルドネが追加
Date: 2020/0910 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
インポーターilovecalwineの新入荷のワインの試飲会に参加してきました。前回は7月にピゾーニ(Pisoni)や珍しいアルバリーニョのスパークリングなどが出ていました(ゴージャスなピゾーニ・ピゾーニ、華麗なゲイリーズなどを試飲)。今回は、コブ(Cobb)、ロアー(Roar、「サンタ・ルシア・ハイランズのピノ・ノワールのパイオニア、ロアーのレアなセミナー」もごらんください)、ロスト・アンド・ファウンド(Lost and Found)、ジョージ(George)と、一層ピノ・ノワールが充実したラインアップでした。

今回のハイライトはなんといっても5種類のワインの揃ったコブでしょう。
cobb
カリフォルニアでは珍しいリースリングもよかったですが、シャルドネとピノ・ノワールはカリフォルニアの中でもエレガント派の一級品です。オーナーのロス・コブはフラワーズやハーシュでもワインを作ってきましたが、これらのワイナリーと比べても繊細な味わいときれいな酸を重視した味わいになっています。リース(Rhys)のワインのファンならば、コブも好きになるでしょう。

Hau Kloppのシャルドネはミネラル感が強く、複雑な味わい。Doc's Ranchのシャルドネは一本筋をきれいに通したような酸が印象的。静謐でエレガント。Rice-Spivakのピノ・ノワールは赤果実のきれいな味わいに複雑味が重なっており、Emmaline Annのピノ・ノワールの方がよりエレガントで酸が印象的でした。

Roar
ロアーは先日、オンラインでセミナーを受講したところであり、改めてその魅力を思い出しました。今回はAVA版のSLHと単一畑のロゼラズ、ゲイリーズというピノ・ノワール3種のラインアップ。SLHはSLHらしいパワーとフィネスを兼ね備えたワイン。ロアーの入門としても最適でしょう。ロゼラズは豊かな果実味とエレガントさが魅力。ゲイリーズはややダークな果実味があってパワフル。ピゾーニ・クローンらしい味わい。

ジョージ
ここまでで、もう十分すぎるくらいですが、実はこの日個人的に一番気に入ったのはジョージでした。ジョージは元々生産量が少ない上に、ほとんどがレストランに売られており、小売にも出ず評論家の評価にもめったに出てこない、まさに知る人ぞ知るワイン。語彙が少なくて恐縮ですが、これとにかくめちゃうまです(それしかコメント書いていない)。コブのような高級感ある味わいというよりも、もっと庶民的で美味しい感じ。

どのワインも非常に輸入量は少ないので、ピノ・ノワールのファンであれば見つけたらまず「買い」ですよ。



Date: 2020/0909 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパの業界団体ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが9月8日から10日の限定で「プリムール」のワインを売ります。

サイト
Open the Cellar


本家ボルドーのプリムールは春に前の年に作ったばかりのワインを売り始めますが、こちらは2016から2018年とほぼ完成したワインを売るものです。新型コロナでレストラン需要が激減し、高級ワインの売り先がなくなったことへの対応の面が強そうです。

ともあれ、リストを見てみると、クリフ・レイディの「ポエトリー」なんて、超レアワインも出ています(ちなみにお値段は6本で1700ドルくらい)。結構そそられます(買えないですが)。

カベルネ好きにはお宝いっぱいですので、ご覧になってみてください。
Date: 2020/0908 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
プレシジョン(Precision)ワイン・カンパニーは、できてまだ10年の若いワイナリーですが、最初の100ケースから今は年間50万ケース生産へと急成長しています。

マニアが高じてワインづくりを始めたのですが、そういったケースではビーヴァン・セラーズなどプレミアムに進む例が多いのに対し、ここはリーズナブルな価格帯のものを展開しているのも珍しいところ。

そのカベルネ・ソーヴィニョンがワイナリー価格40ドルのところ、今回しあわせワイン倶楽部では取り扱い開始記念で11日午前10時まで税抜き2980円と激安になっています。

この価格帯のナパのカベルネというとフランシスカンが不動の人気でしたが、今は日本への輸入がなくなっています。その穴を埋めるブランドになるのでしょうか。ラベルもちょっと似てますね。


Date: 2020/0908 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ハーラン・ファミリーの第3のプロジェクト「プロモントリー(Promontory)」に第2のワインが登場しました。名前はPenultimate。「ピナルティマット」(最初のピにアクセント)と発音するようです。意味はラテン語で「ほぼ最終」。
ラベル
Penultimateのラベル。従来のハーランのワインとは違った雰囲気

どういう意味なんでしょうね。ハーラン・ファミリーにとって最終のワイン? あるいはようやく最終形態に近づいてきたということ?

このワイン、単純にセカンド・ワインと呼べない何かがあるような気がします。それはプロモントリーが非常に個性的なプロジェクトで、これまでのハーランともボンドとも、またナパのほとんどのワイナリーとも大きく違っていることによって生まれるものです。

例えばハーランであれば、まだぶどう畑の少なかった1980年代に、最高の場所として見つけて開拓したところであり、「ト・カロン」などの畑に通じるオークヴィルの扇状地に作られています。また、ボンドであれば、ハーランの畑を探すときに見つけたナパの最高の畑のいくつかを単一畑のワインとして作るものでした。

それに対して、プロモントリーはこれまでぶどう畑があったけれどもほとんど手入れされていなかったところ、しかも場所はヨントヴィルからマヤカマスの山に入っていったところにある谷地であり、他のナパの畑から離れた(距離的にはハーランの畑からも600mほどしか離れていないそうですが)、これだけで一つの世界を築くようなところです。ハーランは2008年にこの土地を手に入れてから、一気に開発を進めるのでなく、一部植え替えを行いながら、土地そのものを分析し、理解していこうとしています。

すでに「100点」のワインも造られているプロモントリーですが、現状は完成形というよりも発展途上、しかもその初期といってもいいのです。

ハーランは、この土地を調べれば調べるほど「ナパヴァレーの他の地域とはまったく別の世界を構成している」と考えるようになったそうです。そして、さらに精密に調べることを進めていますが、それはもうブドウ畑の管理というよりは、ブドウの樹を1本1本、園芸家が樹を育てるように手入れするレベルに達しています。

ただ、ワインというのはこのように1本1本細部に渡って手を入れても、最終的には作られたワインという総合体でしか見られなくなってしまいます。ハーランはこれを画家のスケッチのようなものと言っています(スケッチのタッチ一つひとつが重要だが、最終的には作られた作品でしか評価されない)。

ピナルティマットは、このような現在進行系の研究を形にしたようなものだといいます。単にプロモントリーに使わなかったワインをセカンド・ワインとして作っているのとは何か違う、そんな気がします。

ちなみに、今回は2013年から2015年の3ヴィンテージ分を1つのボックスに入れて出荷します。価格は3本で975ドル。
ボックス
ちょっと買ってみたい気もするのですが、やっぱり結構な値段ですから躊躇しています。
Date: 2020/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

ナパの老舗ワイナリー「ボーリュー・ヴィンヤード(Beaulieu Vineyard=BV)」がフラッグシップのカベルネ・ソーヴィニヨン「ジョルジュ・ド・ラトゥール(Georges de Latour)」プライベート・リザーブを、「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー(La Place de Bordeaux)」経由での輸出に切り替えると発表しました。

近年高級ブランドを中心に「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由の輸出が相次いでいます。先駆けとなったのはオーパス・ワンで、ここ1、2年ほどでジョセフ・フェルプス(Joseph Phelps)のインシグニア(Insignia)とナパ・カベルネ、ハーラン・ファミリーのプロモントリー(Promontory)、イングルヌック(Inglenook)のルビコン(Rubicon)、ジャクソン・ファミリー傘下のヴェリテ(Vérité)とカーディナル(Cardinal)、先日記事で紹介したクインテッサ(Quintessa)などが続いています。

通常、カリフォルニアのワインが日本に輸入されるときには1社のインポーターが扱います。例えば上述の中ではハーラン・ファミリーの他のワインは中川ワインが輸入しています。ジョセフ・フェルプスはジェロボーム、イングルヌックはワイン・イン・スタイルがインポーターとなっています。オー・ボン・クリマなど複数のインポーターがあるワイナリーも少数ありますが、通常はそのインポーターが日本市場での販売や宣伝などを受け持つことになります。

しかし、「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由になると、どのインポーターでも輸入できることになります。間口は広がりますが、インポーターにとって国内での宣伝をするメリットはなくなりますから、ワイナリー自ら宣伝をする必要が出てきます。また、ワインは米国から1回ボルドーに輸出し、そこから全世界に輸出することになりますから、手間も時間もコストもかかります。

これだけだとあまりいいことがないようにも見えますが、ワイナリーにとってはどういうメリットがあるのでしょう。

先日、カリフォルニアワイン協会主催の「ホーク・ワカワカ」ことエレイン・チューカン・ブラウンのインタビューシリーズでボルドー在住のワイン・ライターであるジェーン・アンソンがこの疑問に答えていました。

「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」は一つの大きな組織ではなく、20~40の「ネゴシアン」と呼ばれる仲介業者の集まりです。ネゴシアンはそれぞれ、得意なマーケットを持っており、それはアジアなどの地域性であったり、レストランに強いところであったり、小売に強いところであったりと、様々なマーケットに深く入り込んでいます。ワイナリー単独ではリーチできないレベルの幅広さを持っています。その専門性を利用できるというのが、ワイナリーが「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由で輸出する理由になるのだそうです。

カリフォルニアの従来のアプローチは、比較的顧客に近く密接な関係を築きやすいという意味もありますが、ボルドーにはボルドーのシステムの意味があるわけです。

ただ、日本国内への輸出ということでは、そのメリットはあまり生かされないような気もします。結局インポーター経由で日本に入ってくるとなると、インポーターにとっては前述のように宣伝をするモチベーションも起こらず、価格だけの話になってしまう恐れがありそうです。また、オーパス・ワンなどごく一部を除けば、宣伝や説明なしで売るのはハードルもかなり高そうです。

また、アメリカワインに強いインポーターはボルドーとのコネクションが弱いという難点もあります。そのために、輸入したとしても割高になってしまうといった問題も起こります。

輸送コンディションについても懸念は生じます。カリフォルニアから日本に船便で送る場合、太平洋の北部を通りますから、比較的気温が低いところを通ってきます。夏場などは低温輸送のコンテナが必要になりますが、リスクはそれほど高くありません。しかし、欧州から日本に送る場合はスエズ運河を通るにしろ、南アフリカを超えるにしろ、インド洋やマラッカ海峡を通りますから暑いし距離も長くなります。もしコスト優先で低温輸送を使っていないインポーターが輸入したとしたら、劣化したワインが日本に入らないとも限りません(最近はさすがにそういうところは少ないと思いますが)。ネットで買う場合など、輸入業者が確認できないので、手抜いてコストを下げたもの勝ち、といったことにならなければいいですが…

数年後にまた揺り戻しが来るのでは、という気もしないでもないですが、これからも「ラ・プラス・ドゥ・ボルドー」経由のワインは増えそうな状況です。
Date: 2020/0904 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
8月半ばから大きく広がったカリフォルニア各地の山火事、ナパではワイナリー自身が火事に立ち向かって火を防いだところもありました(Cowboys Fighting Fires in Napa County | Wine-Searcher News & Features)。これをハウエル・マウンテンのパイオニアであるランディ・ダンは「カウボーイ・ファイアーファイティング」と呼んでいます。

ワイナリーには畑の開墾などのためにブルドーザーなどの重機を持っているところがあり、それを使って防火帯を作るというのがその働き。例えば、ナパの北東部のポープ・ヴァレーでピーナ・ヴィンヤード・マネジメントの共同オーナーであるジョニー・ホワイトは自宅の危機にあたってまずプールの水で火を消し止め、その後ブルドーザーで防火帯を作って近隣の家も守りました。

同じようなことは今回の火事の火元に近かったプリチャード・ヒルでもハイ・デマンド・アース・ワークという畑の管理の会社が防火帯を作り、畑やワイナリーを守りました。

ハウエル・マウンテンではランディ・ダンの娘がFacebookを使ってブルドーザーを徴収。それで防火帯を作ったそうです。
dunn

カリフォルニアの消防局ではこういった動きを、逆効果になることもあると推奨はしていませんが、今回の火事でワイナリーなどの被害が意外と少なかった背景にはこういったこともあったのでした。

ちなみに、日本の消防車を購入して一般市民に売っているサクラメントのアントレプレナーもいるそうです。日本の消防車(多分小型のもの)が米国よりも小回りが利くからだとのこと。こういったものは特に大麻の栽培者に興味を持たれているとのこと。現状、大麻栽培には保険が付けられないからだそうです。

落ち着きを取り戻しつつあるワイン・カントリーですが、この週末には次の熱波が予想されています。ソノマのサンタ・ローザあたりでも華氏100度(摂氏約38度)を超える予報になっています。これによって火がぶり返したり新たな火事が起こる恐れがあります。電力もまた切迫することが予想されます。
Date: 2020/0903 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
8月17日に始まった山火事がやっと収束しつつあります。ナパのラザフォードの東側にあるレイク・ヘネシー近辺で始まったヘネシー・ファイアー(より広域のLNUライトニング・コンプレックスの一部)は9月2日までに31万7909エーカーを焼き、5人の方がなくなりました。

Hennessey Fire 8.18.20.jpg
By <a href="//commons.wikimedia.org/wiki/User:Missvain" title="User:Missvain">Missvain</a> - <span class="int-own-work" lang="en">Own work</span>, CC BY 4.0, Link

焼失面積のうちナパ郡に含まれるのは16万4948エーカーで、これはナパ郡の総面積の1/3に当たります。

焼失面積は大きいですが、ワイナリーの被害は2017年の火事に比べると小さくて済みました。西風で火が東方向に広がり、煙も東方向に流れたため、ナパでは煙が充満するということもなかったようです。

ソノマのワルブリッジ・ファイアーでは5万4940エーカーが焼失。貯水池近くまで焼けたため、水道の水質悪化などが懸念されています。

サンタ・クルーズ・マウンテンズのCZUライトニング・コンプレックスでは8万5000エーカー以上が焼失。建物の被害も1500近くに達しています。ワイナリー関係ではビッグ・ベイズン(Big Basin)のオーナー自宅が焼失していますがワイナリーは無事でした。

煙の被害については、今後の調査待ちというところではありますが、人や建物の被害はひとまず落ち着いてきたようです。
Date: 2020/0902 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ヘス・コレクションのカベルネが税抜き1000円台の驚き価格、これもコロナの影響」という記事で紹介したヘス・コレクションの特売ワイン「シャーテイル・ランチ(Shirtail Ranches)」にシャルドネが追加されています。

前の記事にも書きましたが、シャーテイル・ランチは価格的にはヘスの普及ライン(といってもレベル高いですが)のヘス・セレクトよりちょっと高いところ。ただ、このシリーズは米国ではレストラン向けにしか出していません。今回は米国でのレストラン需要がコロナの影響で激減していることから、輸出向けに特価で出してきたとのことです。

ブドウはナパの北東にあるレイク郡がほとんどナパよりもちょっと温暖ですが、それほど変わらないと言ってもいいでしょう。ナパ最大の地主であるベクストファー家が最近は熱心に開発に取り組むなど、地価の高騰したナパからこちらに発展しているワイナリーも増えています。

しあわせワイン倶楽部ではシャルドネを以下のようにコメントしています。
【リッチでクリーン】蜜の詰まったリンゴやレモンやライムに加えトロピカルフルーツのニュアンス。トロピカルフルーツのリッチな風味に爽やかな酸味がバランスよく重なりクリーンな印象です。強すぎない樽の風味が様々なお料理との相性の良さを感じさせます。

価格はしあわせワイン倶楽部で税込み1680円とカベルネ・ソーヴィニヨンよりもさらに400円も安くなっています。

<しあわせワイン倶楽部>



<東京ワインガーデン>



<京橋ワイン>


Date: 2020/0901 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアのセントラル・コーストでサンタ・ルシア・ハイランズなどのあるモントレーと、サンタ・リタ・ヒルズなどのあるサンタ・バーバラに挟まれているのがサン・ルイス・オビスポ郡です。サン・ルイス・オビスポの中でも北部のパソ・ロブレスは高品質なシラーやカベルネ・ソーヴィニヨンなどで比較的知られていますが、アロヨ・グランデ・ヴァレー、エドナ・ヴァレーといった南部の沿岸地域はちょっとマイナーなイメージ。この地で一人気を吐くといっても過言ではないのがタリー・ヴィンヤーズ(Talley Vineyards)のブライアン・タリーです。1986年から30年以上にわたってワールドクラスのシャルドネとピノ・ノワールを作り続けています。

品質的にはワイン・アドヴォケイトで最高98点、ヴィナスでも最高95点など、サンタ・リタ・ヒルズのトップクラスと比べても引けを取らない評価を得ており、それでいて価格も比較的リーズナブル。安いものは3000円そこそこから入手できます。

そのちょっとマイナーさのせいか、これまであまり人前に出たのを見たことがなかったのですが、今回はオンライン・セミナーの形で直接話を聞けました。

タリーの家族は1948年からサン・ルイス・オビスポで野菜を作っていました。3代目にあたるブライアンがワインを作り始めたのは前述のように1986年。1988年にはワイン・アドヴォケイトで非常に好意的なレビューが載ったとのこと(現在のワイン・アドヴォケイトのサイトではそのレビューは見つかりませんでした)。1991年にはニューヨーク・タイムズにも好意的なレビューが載り、タリーの名声を築きました。

タリーはワイナリーのあるアロヨ・グランデ・ヴァレーと隣のエドナ・ヴァレーに多くの畑を持っています。この二つの谷はサンタ・バーバラとよく似ており、太平洋から東西方向の山脈に沿って冷気が入ってきます。海からの距離も近く、カリフォルニアの中でも非常に冷涼な地域です。


これはブライアン・タリーの自宅のバルコニーから撮った写真ですが、夏の間はほぼ毎日このような霧が入ってくるそうです。


こちらはワイナリーの写真。建物は「リンコン・アドビ」というランドマークで、ラベルにもこの建物の絵が記されています。

タリーのワインは自社畑のワインと、買いブドウも含む「ビショップス・ピーク(Bishop's Peak)」の2つのラインからなります。といってもビショップス・ピークも買いブドウの比率は2割くらい(ヴィンテージによって変わります)、大半は自社ブドウで作っている非常にコスパの高いブランドです。

試飲は2017年のビショップス・ピークのシャルドネ サン・ルイス・オビスポから。ちなみにビショップス・ピークの名前は地域のランドマークになっている山の名前からだそうです。エドナ・ヴァレーの自社畑のブドウが中心で買いブドウを15%使っています。

廉価版のブランドですが、夜の暗い間に収穫をし、ホール・クラスターでプレス、ジュースをそのまま天然酵母で発酵という基本はエステートのワインと動揺です。ただ、エステートのワインがすべて樽を使っているのに対し、こちらは樽は2/3ほどで新樽はなし。後はステンレススティールとなっています。マロラクティック発酵はしていません。

きりりとした酸味が特徴のワイン。レモンやライムの皮、白い花、濡れた石…寿司や牡蠣に合うとブライアン・タリー。



このレベルで2000円台というのはかなりの驚きです。レベル高い。

次はエステートのシャルドネ。タリーはサン・ルイス・オビスポの沿岸地域で初めてシャルドネを作ったワイナリーだそうです。20%新樽で発酵。マロラクティック発酵も100%行います。

ヴァニラ、オレンジピール、ネクタリン、クリームブリュレの風味。酸がかなり高く、マロラクティック発酵でまろやかさを出したことでバランスが取れた味わいになっています。高級感ある味わい。



これも5000円以下とは思わなかったです。高級感もありとてもいいシャルドネ。

赤はビショップス・ピーク・ピノ・ノワール 2017 サン・ルイス・オビスポから。

カリフォルニアのピノ・ノワールでは珍しいくらい淡い色合い。透明感ありクリーンなピノ・ノワールです。ストロベリー、レッド・チェリー、ローズ・ペタルなどを感じます。冷涼系のピノ・ノワールでおいしいです。



繰り返しになりますが、この冷涼感ある味わいで3000円台はちょっと驚き。ワイン・アドヴォケイトで91点です。

次はエステートのピノ・ノワール。タリーをワールドクラスのワイナリーにした、ブライアン・タリーにとっても思い入れのあるワインです。ヴィンテージは2016年。タリーが誇る2つの自社畑、リンコンとローズマリーのブドウだけを使っています。これもサン・ルイス・オビスポで初めてのピノ・ノワール。

房と実のレベルで2回選果し、オープントップの発酵槽で天然酵母を使って発酵。手で優しくパンチダウンしています。2週間くらいで発酵が終わるとバスケットプレス(下の写真)でプレスし、樽熟成します。新樽率は1/3。



2016年はブライアン・タリーがこれまでで最高のヴィンテージとするいい年です。赤系果実の味わいに、ブラックベリーなどの酸が豊かな黒系果実の風味。ミネラル感。ボディもありパワフルかつしなやかなワイン。



そして、最後はタリーのフラッグシップといえるローズマリー・ヴィンヤードのピノ・ノワール2016。ローズマリーは母親の名前で、母親の自宅の周りにある畑がここ。ローズマリーのブドウは完全除梗で使います。ちなみにリンコンはワイナリーの周りの畑です。エステートのピノではリンコンは1/3くらい除梗しないで使っているとのこと。

エステートよりも複雑味があり、マッシュルームなどの風味も感じます。素晴らしい。ワイン・アドヴォケイトでは94点。



冒頭に書いたように、ややマイナーなイメージのあるサン・ルイス・オビスポですが、その理由としては以前は大資本のワイナリーが中心だったことがあるようです。最近では小さなワイナリーが増えてきており、ブライアン・タリーによるとこれから20年で有名なワイナリーも増えてくるだろうとのことです。

改めてタリーの実力を確認するとともに、今後のアロヨ・グランデ・ヴァレーやエドナ・ヴァレーにも期待したくなるセミナーでした。
Date: 2020/0830 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
duvin
アカデミー・デュ・ヴァンの秋冬コースの募集が始まりました。今回は3つのコースを予定しています。

カリフォルニアの超一流ワイナリー」は3期目。コルギン、シュレーダー、ハーラン・ファミリーと無茶苦茶豪華なラインアップ。カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨン系の頂点を極められる講座です。おそらく4期まででで講座内容は変えると思うので、残り少ないチャンスですよ。

対決・カリフォルニアの名門ワイナリー」は新講座。これまでの「名門ワイナリー」と「続・名門ワイナリー」を足して2で割ったような内容です。モンダヴィとオーパス・ワン、カレラとオー・ボン・クリマのように、1回に複数のワイナリーを対決させる内容。

品種で学ぶカリフォルニアワイン」も新講座。ありそうでなかった品種ごとに様々な地域のワインを試飲する内容となっています。

新しい講座2つも試飲内容は充実しています。というか基本的には自分が飲みたいワインを試飲するというのがこの講座の基本方針なので、試飲するワインはいいものを選んでいます。その分、価格はちょっと高めになってしまいますがご容赦を。

新型コロナの影響で、飲み会などは開きにくい状況がまだまだ続きます。多くの会社で「会食禁止」になっていると思います。ワインスクールでも講座の後のクラス会などはなかなかできませんが、教室でみんなで同じワインを飲んで感想を言い合うのも、貴重な機会だと思います。換気や飛沫対策などスクール側もかなり気をつけて運営していますので、安全にいろいろなワインを飲みましょう。

講座紹介はこちらから
Date: 2020/0829 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
新型コロナウイルスの影響は計り知れないレベルになっていますが、純粋にコンシューマーの視点からすると、びっくりするようなお買い得価格のワインが増えているとも言えます。

今回もそんなワインの一つ。ヘス・コレクションのシャーテイル・ランチ・カベルネ・ソーヴィニヨンです。日本での通常価格は3800円だそうですが、そもそもこのワインは知らない人が多いと思います(私も知りませんでした)。価格的にはヘスの普及ライン(といってもレベル高いですが)のヘス・セレクトよりちょっと高いところ。ただ、「シャーテイル・ランチ」のシリーズは米国ではレストラン向けにしか出していないのです。そもそも小売に出てくることがレアなワイン。今回は米国でのレストラン需要がコロナの影響で激減していることから、輸出向けに特価で出してきたとのことです。

ブドウはナパの北東にあるレイク郡がほとんどナパよりもちょっと温暖ですが、それほど変わらないと言ってもいいでしょう。ナパ最大の地主であるベクストファー家が最近は熱心に開発に取り組むなど、地価の高騰したナパからこちらに発展しているワイナリーも増えているようです。

このカベルネ、レストラン向けなので、比較的料理に合わせやすいようなマイルドな作りになっているようです。

ともかくヘスが税抜きとはいえ1000円台というのはかなりレア。まとめ買いにも向きそうです。


Date: 2020/0827 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
サンタ・バーバラにアリソス・キャニオン(Alisos Canyon)という新しいAVAが8月25日、誕生しました(‘A New Niche to Taste and Explore’: Alisos Canyon is America’s Newest Appellation | Wine Enthusiast Magazine)。
アリソス・キャニオン
サンタ・バーバラは北にサンタ・マリア・ヴァレー、南にサンタ・イネズ・ヴァレーがあり、どちらも太平洋からの東西方向に伸びる谷によって冷たい風が吹き込む冷涼な地域となっています。

アリソス・キャニオンはこの二つに挟まれた非常に小さな地域ですが、ここも同様に太平洋からの風を通す「チャンネル」があり、冷涼です。ただ太平洋からの距離はそれなりにあるので、ピノ・ノワールよりはシラーやグルナッシュなどローヌ系品種に向く地域となっています。現在のところ5800エーカーのうち、240エーカーほどがブドウ畑になっています。
null
このようになだらかな丘が連なったような地形です。

また、ここは砂時計のようにさらさらした砂地の土壌が多くあります。こういった砂地の土壌はフィロキセラが住めないので、自根での栽培も可能になっています。

AVA設立に奔走したのがトンプソン・ヴィンヤーズ(Thompson Vineyards)のオーナーであるノア・ロウルズ。2014年に購入した後、ここの価値に気づいて、地元の有名人でサンタ・リタ・ヒルズなどのAVA認定に携わったウェス・ヘーガンなどを巻き込んで今回の認定にいたりました。

現状、それほど有名なワイナリーはありませんが、トンプソンのブドウはテンスレーなどいくつものワイナリーが購入しています。また、シネ・クア・ノン(Sine Qua Non)のマンフレッド・クランクルはトンプソンの畑の裏にある「ザ・サード・ツイン(The Third Twin)」という畑を2010年に購入。2014年からシラーを使っています。

明るいニュースの少ない昨今、久しぶりのいいニュースでした。
Date: 2020/0822 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
マップ
LNUライトニング・コンプレックスなどの山火事の続報です。現在の様々な山火事によって、北カリフォルニアと中央カリフォルニアにおいて少なくとも5人が亡くなり、500以上の建物に損害が出ており、約70万エーカーが延焼しています。このうち22万エーカーがナパ・ソノマのLNUライトニング・コンプレックスです。この火事の包囲率はまだわずか7%ですが、それでもほぼゼロだった昨日までと比べると前進しています。

いいニュースとしては、まだ煙はそれほどひどくないようで、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーやグリーン・ヴァレーあたりでは収穫を進めているワイナリーもあります。

一方で、トランプ大統領は、山火事を州が落ち葉などの清掃をしなかったせいだと非難しています。なお、カリフォルニアの森林の約半分は国家が所有して色、州が所有しているのはわずか3%という情報もあります。

Date: 2020/0821 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
熱波の後の雷によって起こった山火事が大変な勢いとなっています。火事はカリフォルニアの様々な地域で発生していますが、中でもソノマが一番危ない状況になっています。
map
ロシアン・リバー・ヴァレー北部やドライ・クリーク・ヴァレーなどに近いヒールズバーグ(Healdsburg)では避難命令が出ています。ヒールズバーグは昨年の山火事でも真っ先に避難命令が出たところであり2年連続で避難命令となりました。

ワイナリーではスパークリング・ワインのコーベル(Korbel)が大きな影響を受けています。スパークリング・ワインの収穫時期は早く、9月上旬までには終わる予定ですが、避難命令で中断しました。このほかギャリー・ファレル(Gary Farrell)なども火事のエリアから近いワイナリーとして挙げられています。

ナパではレイク・ヘネシーの東側で火事が起こっており、プリチャード・ヒルのシャペレー(Chappellet)やコルギン(Colgin)などが比較的近いワイナリーですが、今のところ危ない状況にはなっていません。

なお、ソノマの火事はワルブリッジ・ファイアー(Walbridge Fire)、ナパはヘネシー・ファイアー(Hennessey Fire)などの名称がありますが、今回火事の数が多く、総称としてはLNU(レイク・ナパ・ユニット)ライトニング・コンプレックスと名付けられています。(当初ナパの方だけLNUライトニング・コンプレックスとしていましたが、ワルブリッジ・ファイアーも含めて呼ばれていることが判明したので修正します)

また、今回一つ大きな問題になりつつあるのが消防士の不足です。カリフォルニアは秋の山火事シーズンに一時雇いの消防士を契約しますが、実はその中には服役囚からの消防士が少なからずいます。ところが現在多くの刑務所で新型コロナのクラスターが発生しており、服役囚の消防士がほとんどいない状態なのだといいます。

そうでなくても不安要素の多かった今年の収穫、どうなってしまうのかかなり心配です、
Date: 2020/0818 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
「『ロマネ・コンティ』と同じ製法で仕込んだピノ・ノワールが2300円台!」という記事がバズっているようです(あえてリンクは張っていません)。掲載されているサイトは「Tabi Labo」です。Tabi Laboといえば数年前にパクリ記事などでたびたび「炎上」騒ぎを起こしていましたが、最近はそういう話題もなく、どうなっているかよく知らなかったのですが……。

2007 Romanee Conti Wine Bottle at Valentino"2007 Romanee Conti Wine Bottle at Valentino" by Muy Yum is licensed under CC BY-NC-ND 2.0


この記事の主旨としては、コスパのいいピノ・ノワールは何かということで、ソムリエのお薦めを聞いています。

紹介されているワインは「アルタ・マリア」のピノ・ノワール。このブログでも何回もお薦めとして掲載したワインです

「鼻を近づけると紅茶葉のようでもあり、森の中にいるようなグリーンと土のニュアンスがする」と表現されており、このニュアンスは「全房発酵」によるものだとしています。

そして全房発酵について「ちなみに、一度はその名を聞いたことがあるはずの“ブルゴーニュの女王”、あの『ロマネ・コンティ』も同じ製法だって知ってた?」と書いており、これがタイトルにつながっているわけです。

確かに全房発酵(ホールクラスター)を100%あるいはそれに近いレベルで使うワイナリーはそれほど多くはありません。それでもいくつかは思い付きます。ブリュワー・クリフトン、カレラは昔から全房ですし、サムサラ、ドメーヌ・ドゥ・ラ・コート、サンディなどもあります。100%でなければ数限りなくあります。ホールクラスターをほとんど使っていなかったスティーブ・キスラーも、今のオキシデンタルではその比率を増やしています。むしろ、畑やヴィンテージによって変えているというのが普通でしょう。

もちろん、これらはすべてカリフォルニアに限った話なので、他の国のワイナリーでももちろんホールクラスターを多く使うところはたくさんあると思います。

つまり、この記事で一番問題だったのは記事の内容そのものというよりも、それほど珍しくない共通点について「ロマネコンティと同じ」とタイトルで持ってきたところだと思います。

ちなみに、昔からカリフォルニアのピノ・ノワールでロマネコンティと比較されたり引き合いに出されてきたものというと、カレラとオー・ボン・クリマがあります。

カレラは「ロマネコンティ」の畑で枝を拾ってきて、それを畑に植えた「ロマネコンティ」と同じブドウを使っていると言われていました。現在はそれに対しては否定あるいはノーコメントということになっていますが、創設者のジョシュ・ジェンセンはこの問題について、次のようにも語っています。

クローンがロマネ・コンティから来たものであろうがあるまいが、それだけでロマネ・コンティのワインと同じ味のワインが造れるわけじゃない。単に、にせものではなくて、素性の知れた、よく選別されたピノ・ノワールの苗を手に入れたということにすぎない。野球のピッチャーにたとえれば、ツーストライクを取ってあとはとどめをさすだけだという心境ではなくて、まだ相手はバッターボックスに立っただけで何でもありという感じかな。
『ロマネ・コンティに挑む―カレラ・ワイナリーの物語』(マルク・ド・ヴィリエ著、阪急コミュニケーションズ)より

オー・ボン・クリマは堀賢一さんが著書の中で、マスター・オブ・ワインの受験生たちがブラインドで飲んでロマネコンティかもしれないと思ったワインがイザベルだったというエピソードを紹介していたのがきっかけで日本の人気が上がりました(細かいところは違っているかもしれません)。

おそらく、カレラも、オー・ボン・クリマもアルタ・マリアもロマネ・コンティになぞらえられることは期待も希望もしていないでしょう。カレラはカレラ、オー・ボン・クリマはオー・ボン・クリマ、アルタ・マリアもアルタ・マリアの良さがあると思います。

いろいろ与太を書きましたが、ともかくアルタ・マリアが非常にコスパが高く、いいピノ・ノワールであるのは事実です。今回の騒ぎでなかなか入手できなくなってしまうかもしれませんが。

なお、この記事、インポーターとのタイアップやステマの類ではないことを確認しております。





Date: 2020/0818 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアには、デスバレーで地球最高気温を記録するなど「70年に一度」の熱波が押し寄せています。先週末にはナパやソノマなどを含むサンフランシスコ近辺で大規模な雷雨も発生。雷によって山火事も起こっています。
雷
(写真はイメージです)

カリフォルニアでは8月中旬から記録的な熱波が起こっており、各地で連日華氏100度(摂氏約38度)を超える高温が続いています。雷雨で1回は気温が下がったものの、また熱波は押し寄せており、現在の予報では8月29日ころまで続く見通しとのこと。

これらによって電力不足も起こっており2001年以来と言われるエネルギー危機の状態でもあります。電力会社は「ローリング・ブラックアウト」と呼ぶ一部地域の計画停電を実施しており、熱波の中で熱中症など健康への影響も懸念されます。

ワインの面からみると、これだけの熱波が続くと、シャルドネやピノ・ノワールといった比較的収穫時期の早いブドウでは酸が早く落ちてしまうことが懸念されます。コロナウイルスで収穫も多難が予想される今年、悩みが尽きない年になりそうです。
Date: 2020/0815 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
南アフリカのワイン産業がコロナ禍で壊滅の危機に瀕しています。「Enough Is Enough, Says Wine Industry Body On Alcohol Ban | wine.co.za」では「もうたくさん」という業界の悲痛な叫びが書かれています。洒落でも冗談でもなく、本当に危ない状況であり、一刻も早い対策が望まれています。

コロナ禍において、南アフリカではアルコールの販売が禁止された状態が続いています。アルコールによる交通事故や暴力などがコロナによる医療崩壊に拍車をかけることを恐れてのことです。それだけでなく、アルコールの輸出までも5週間禁止されていました。

これによって80を超えるワイナリーと350を超えるブドウの生産者が廃業に向かう見込みであり、その数はさらに増えていきそうです。

まずは何よりも、アルコールの販売禁止が解けるのが必要ですが、輸出の回復も同じくらい重要です。我々にできるのは南アフリカのワインを買って飲むくらいですが、少しでも力になりたいと思います。

南アフリカワイン、品質の高さで定評があるのはシュナン・ブランです。今では祖国フランス以上に素晴らしいシュナン・ブランができる国と言われています。

赤ワインでは、南アフリカで生まれた品種ピノタージュ(ピノ・ノワールとサンソーの交配)があります。ピノタージュそれ自体は、ピノ・ノワールの赤系果実味に野性味を加えたような感じで、むちゃくちゃ美味しいというわけではないですが、最近はピノタージュを中心にカベルネ・ソーヴィニヨンなどをブレンドした「ケープ・ブレンド」の人気が上がっています。

このほか、もちろんボルドー系のワインもたくさん作られていますし、シャルドネなどもあります。また、瓶内二次発酵で作られる発泡ワインは「キャップ・クラシック」と呼ばれています。

南アフリカワイン、どこで買ったらいいかわからないかもしれませんが、カリフォルニアワインに強い柳屋は南アフリカワインにも力を入れています。
柳屋の南アフリカワインはこちらから

こちらのスパークリングのセットもおいしそうです。

Date: 2020/0814 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
缶入りワイン
缶入りワインの急増がとまりません。ワインスペクテーターの記事「Canned Wine Sales Are Bursting at the Seams | Wine Spectator」によると2020年7月11日までの52週の売上は1億8360万ドル。記事には68%の伸びとあって、上のグラフの数字と合っていませんが、集計した週がずれているのかもしれません。正しい数字がわかったら修正しますが、とりあえず傾向をみるために上の図を置いておきます。

最近の傾向としては品質の向上があります。ワインスペクテーターでは缶入りワインのレビューをまとめた記事「Tasting Highlights: 15 Top-Rated Wines in Cans | Wine Spectator」を掲載していますが、ここでは最高89点を取得しています。

また、モンダヴィがウッドブリッジの缶入りをNFLのチームと共同で開発したり、コッポラがダイヤモンド・コレクションの缶バージョンを作ったりと、既存のブランドの缶入り版が増えてきています。

また、ニュー・カリフォルニア系の生産者であるブロック・セラーズも普及ラインのラブ・レッド、ラブ・ホワイトの缶入り版を作っています。ラブ・レッドは87点をかなりの高得点でした。また、面白いのは最近アルバリーニョの記事で紹介したファーディナンドも缶入りのアルバリーニョを出していることです。86点と評価されています。

Date: 2020/0812 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
サンタ・ルシア・ハイランズでピゾーニ(Pisoni)と並ぶビッグネームである「ロアー(Roar)」のヴィンヤード・マネージャー、ニック・フランシオーニ(Nick Franscioni)氏とワインメーカーのスコット・シェイプリー(Scott Shapley)氏によるWebセミナーを受けました。ロアーがこういったセミナー類に出てくることは米国でも非常にレアであり、貴重な経験でした。

Nick Franscioni

まずはサンタ・ルシア・ハイランズを紹介しておきます。セントラル・コーストでサンタ・クルーズ・マウンテンズとパソ・ロブレスの間にあるAVAで、カレラのあるマウント・ハーランよりも山一つ太平洋側になります。1970年代からハーン(Hahn)やパライソ(Paraiso)などによってワイン作りが始まり、1991年にはAVAに指定されていますが、この地域を有名にしたのはなんと言ってもピゾーニです。

ピゾーニは1982年に植樹された畑で、ブルゴーニュのラ・ターシュのクローンとされるピノ・ノワールを使っており、その力強い味わいで2000年代のピノ・ノワール・ブームに乗って一世を風靡しました。パッツ・アンド・ホール、ピーター・マイケルといった凄腕のワイナリーにピノ・ノワールを供給して有名になり、さらに自身のワイナリー、ピゾーニのピノ・ノワールは「ピゾーニ、ピゾーニ(ピゾーニ・ワイナリーのピゾーニ・ヴィンヤード)」として今も珍重されています。

ロアーのオーナーであるフランシオーニ家は、ピゾーニ家と仲がよく、中でもピゾーニの畑を作ったゲイリー・ピゾーニと、今回セミナーをしたニックの父親であるゲイリー・フランシオーニは幼少のころからの友人同士。その縁からフランシオーニ家の畑でもピゾーニの畑のクローンを使わせてもらうのと同時に、両家で共同運営する畑もあります。また、ロアーでもピゾーニのブドウからワインを作っています。
畑マップ
こちらが畑のマップです。実は私もサンタ・ルシア・ハイランズの畑のマップをあまりちゃんと見たことがなかったのですが、ロアーが使っている畑(オレンジ色のところ)は結構分散しています。マップの端から端までは30kmほどあります。

この地図は左右になっていますが、この地図の右の方が北西方向にあたり、このしばらく先にモントレー湾があります。地図の上側、つまり南東方向は山脈になっています。
SLH
こちらを見れば雰囲気がわかるでしょうか。
ここはモントレー湾から強い風と霧が吹き込んできます。そのため、海に近い北西部ほど寒く、南東ほど暖かくなります。上の畑のマップで言うと右ほど冷涼で、左ほど温暖ということです。この中で一番左にあるのがピゾーニの畑です。

マップの中で一番右、すなわち一番冷涼なところに位置するのがロゼラズ・ヴィンヤード(Rosella's Vineyard)で、ゲイリー・フランシオーニの奥さんの名前から付けた畑です。ここがフランシオーニ家の畑では一番古く、家もここにあります。
ロゼラズ
こちらがロゼラズです。約50エーカーで、ピノ・ノワールのほかシャルドネと少量のシラーもあります。ロゼラズの特徴は、ピゾーニ以外にも様々なクローンを植えていること。ポマール・クローンやディジョン・クローンの777、667などを使っています。ピゾーニ・クローンの比率は半分弱だそうです。ロゼラズのピノ・ノワールはローズ・ペタルの香りがあり、ロアーのピノ・ノワールの中では一番エレガントな味わい。個人的にもロゼラズのワイン、大好きです。特に、現在は関係が切れてしまったオーガスト・ウエストのロゼラズは、かなりたくさん飲んでいました。
ゲイリーズ
次が、ゲイリーズ(Garys')とソベラネス(Soberanes)で、この2つの畑は隣接しており、どちらもピゾーニ家とフランシオーニ家の共同経営です。ゲイリーズはピゾーニ・クローンが大部分でカレラ・クローンもあり、スパイス感や複雑さを出すのに役立っているそうです。
シエラマー
次のシエラ・マー(Sierra Mar)は非常にユニークな畑。ゲイリーズからもだいぶ南になり、温暖になりますが、ここは標高が300m以上あり(ロゼラズは100m以下)、数多くの尾根からできています。土地は400エーカーほどありますが、うち植樹されているのはわずか50エーカー。ピノ・ノワールが3分の2でシャルドネも11エーカーほどありますが、このほかごくわずかだけシラーやグルナッシュ、ヴィオニエもうわっています。

畑は有機栽培ではありませんが、サステナブルで認証を受けています。収量は多くて1エーカー3トンとかなり少なめです。

ワイナリー
こちらがワイナリーです。機能的なだけでなく、かなりおしゃれな作り。これはロゼラさんの意見がだいぶ入っているそうです。
樽
シャルドネは樽発酵・樽熟成しています。樽発酵すると、より樽の風味が付きそうですが、実際には樽の風味がよくなじんでむしろ樽の感じは強くなくなるそうです。樽は5種類のメーカーを使っており新樽比率は30%(シャルドネ)だそうです。樽メーカーによって風味の特徴があり、インポーターのilovecalwineさんによると、樽別の試飲をしたら全然味わいが違って驚いたそうです。
タンク
ピノ・ノワールは写真のステンレススティール・タンクのほか、コンクリート槽も使っているとのこと。タンクは特注品で通常のものよりかなり浅くなっています。これはスキン・コンタクトの効果を出しやすくするためだとか。果房はパンチダウンで果汁と混ぜています。ホールクラスターは年によって使うときと使わないときがありますが、ピノ・ノワールではあまり使わない方向だそうです。シラーではゲイリーズのシラーで100%全房発酵など、かなり使っています。

今回、私は試飲なしだったのですが、それでもすごく勉強になりました。ロアーのワイン自体は10数年まえから飲んでいますし、実は初代ブログを立ち上げた2003年3月に記事で書いたワイナリーの一つなのである意味とても懐かしかったのですが、こうやって直接話を聞いたのは初めてで、貴重な経験でした。

なお、今回輸入されたのは
ROAR SLH Chardonnay 2018
ROAR SLH Pinot Noir 2018
ROAR Rosella’s Vineyard Pinot Noir 2018
ROAR Garys’ Vineyard Pinot Noir 2018
の4種。特にSLHのシャルドネは限られた州と日本にしか出ていなかったレアものです。すでに輸入元完売で、リンク先のWassy'sの在庫のみだそうです。

以下のリンクのショップはWassy'sです。




Date: 2020/0809 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
「クインテッサ(Quintessa)」はナパのラザフォードで1990年に設立されたワイナリーです。オーパス・ワンなどと同様、ワイナリー名のワインただ一つを作り続けています。1990年代には日本でもそこそこ知られていた印象がありますが、近年は輸出をほとんど行っていなかったため、あまり目立たない存在になっていたかもしれません。2019年に出荷された2016年ヴィンテージからはオーパス・ワンやハーラン・ファミリーのプロモントリーといったエリートワイナリーと並んで、ボルドーのネゴシアン経由で輸出されるようになりました。2015年まではファインズが輸入していましたが、現在はどのインポーターでも輸入できる状態になっています。

そのクインテッサが2017ヴィンテージの出荷を始めたところで、ジェネラル・マネージャーのロドリゴ・ソト氏に詳しく話を伺いました。



クインテッサは設立以来、オーガニックで栽培をしており、現在はデメターからバイオダイナミクス(ビオディナミ)の認証も受けています。ナパのラザフォードでオーガニックというとフロッグス・リープが有名ですが、フロッグス・リープが有機栽培を始めたのは1988年で、実は2~3年しか違いません。また、フロッグス・リープは有機栽培にあとから転換したのに対して、クインテッサの場合は、畑を切り開いた最初から有機栽培であり、土地に農薬が一度も使われていないという価値があります。



場所はラザフォードの東北部。ちょうどナパ・ヴァレーがぐんと幅を狭くしていくあたりです。西側はナパ・リヴァー、東側はシルバラード・トレイルに挟まれた200エーカーを超える広大な畑を持っています。ヴァレー・フロアではありますが畑の中に丘や池などがあり、5種類の斜面からなり、土壌などもかなり変化に富んだ畑です。


ブドウ品種はカベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、カベルネ・フランやメルロー、プティ・ヴェルドなど。珍しいところではチリの固有品種であるカルメネール(正確にはボルドーから持ち込まれた品種ですが、現在ではほとんどチリだけで作られています)を一部植えています。オーナーで創設者のアグスティン・ヒューネウス(Agustin Huuneus)はチリの出身で1960年代にはチリのコンチャ・イ・トロのCEOでした。そのため、コンチャ・イ・トロを通じてチリから持ち込んだものです。ソト氏によると、ナパではほかに聞いたことがないとのことでした。

カルメネールは、やや樹勢が強くなりすぎるのが欠点ですが、フィロキセラがいないチリでは自根で育てているのに対し、ナパでは接ぎ木。そのせいかいい感じに樹勢が抑えられているといいます。カルメネールを加えることでスパイシーな風味が加わるとともに「面白い要素」が入ってくるそうです。

クインテッサはボルドー流の1エステート1ワインに倣うと同時に、複数ブドウのブレンドといった面でもボルドーに倣っています。ボルドーだとリスク管理の意味合いも大きいですが、ナパではワインに多様性を与えることを目的にしています。「完璧なワインを作るには多様性が必要」とソト氏はいいます。自社畑のブドウしか使っていないことにもこだわりが見えます。

クインテッサはナパの中でも恵まれたところに畑がありますが、その割には「フルポテンシャルを引き出せていないのではないか」といった見方もされてきました。ソト氏の就任後は、畑に穴を掘って、根などの状態を調べる「再勉強」をしています。例えば「モン・カリース」というブロックはナパでは珍しい白い土壌があるところ。


左から2人めはワインメーカーのレベッカ・ワインバーグ

モン・カリースの土壌は中央の白い石

これは、火山性の灰が固まったものですが、想像以上に水を保持せず、それがここの区域のブドウのタンニンをきついものにしていることがわかりました。そこでカバークロップを増やしたり、灌漑の水を増やすことで、やわらかいタンニンに変わりました。それまではブレンドから除外されることも多かったブロックですが、今では最重要なブロックの一つだそうです。

ワイナリー(醸造設備)はすべて丘の下にあり、ポンプを使わず重力でワインを移せる設計になっています。


写真の左側は一般的なステンレススティールのタンクですが、右側はコンクリート製です。近年はこちらの使用比率も上がっています。コンクリート槽で発酵させることによって、よりタンニンがまろやかになるとのこと。


品種や多様なブロックのため、ブレンディングは重要かつ非常に大変なプロセスです。クインテッサではブレンディングのマスター・ブレンダーとして20年前からミシェル・ロラン(写真)を雇っています。一貫性と、潜在力の発揮を重視しているとのこと。

出荷が始まったばかりの2017年のワインを試飲しました。

第一印象は非常にエレガントです。ミディアムプラスボディで、ナパの濃いワインをイメージしていると驚くかもしれません。カシスやブラックベリーといった果実味以外に、ちょっとオリエンタルなスパイスの風味や杉、クローヴなど果実以外の風味もかなりあります。おそらく10~20年後に熟成感が出てくるともっと面白いと思いますが、今でも非常に美味しく飲めます。おそらく、和食と合わせても違和感がないくらいのエレガントさです。いわゆるナパのワインとは違いますが、この味わいは日本人の好みにも合うでしょう。

自然派を売りにしているわけではありませんが、むしろそれをもっと打ち出してもいいのではないかという気もします。自然派っぽい味わいではありませんが、この柔らかさは自然派の好みにも繋がる感じがします。
Date: 2020/0808 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ラッセル・ビーヴァンはワインの正式な教育を受けたことがなく、ワインファンからワイン造りに参入し、トップ生産者の一つになりました。これまで「パーカー100点」ワインを7本も輩出しています。

日本には近年輸入されるようになりましたが、その新ヴィンテージが入ってきています。

特に今回注目は白ワインもあること。実はビーヴァン・セラーズはワイン・アドヴォケイトにおいて唯一ソーヴィニヨン・ブランで最高96点をとったことがあるワイナリーです。ソーヴィニヨン・ブランは税込みで6000円台と、このクラスのライバルと言えそうなレイルのジョージアやピーター・マイケルの「ラプレ・ミディ」と比べてかなり安くなっています。

また、今回ソーヴィニヨン・ブランのほかにリッチー・ヴィンヤードのシャルドネも入っています。

また、ビーヴァンの主力であるカベルネ系としてはラザフォードの「マクガー・ヴィンヤード」が入っています。ビーヴァンのラインアップの中では比較的早のみタイプのようです。

下のリンクのショップはしあわせワイン倶楽部です。



Date: 2020/0807 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパで2020年の収穫が始まりました。例年通り、先陣を切ったのはマム・ナパ。8月3日に最初の収穫がワイナリーに運び込まれました。シュラムスバーグも8月5日に収穫を開始しています。

2020年は様々な逆風が吹いています。2018年からの「ブドウ余り」が止まらず、ワイナリーは今年も収穫量には敏感です。

コロナももちろん大きな逆風です。特に、畑の作業の大半を行っているメキシコ人は、コロナの被害に一番大きく会っているグループでもあります。ワシントン州のオカナガン・ヴァレーでは畑の労働者でクラスターが発生しています。また、危険手当として、畑の労働者への支払いもかさむことになりそうです。マムやシュラムスバーグの初収穫は、例年のお祝いムードはなく、最小限の人たちで祝う形だったようです。

ただ、こんな状況でもブドウは育ちます。2020年のブドウの生育はこれまでのところ非常に順調。収穫量は平均よりやや少ないところになりそうです。

パンデミック下でもワインはいいものができてほしいですね。
Date: 2020/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会がインスタグラムで展開しているワインプレゼント企画がもう第4弾になっています。

今回のプレゼントはなんとサンドラーのピノ・ノワール。定価7000円の高級ワインです。オーガストウエスト等で鳴らしたエド・カーツマンのプライベートなワイナリー。もともと7000円でも安すぎるといわれているワインです。さすがに本数は3本とちょっと狭き門ですが、トライする価値はあります。



申し込みはインスタグラムでカリフォルニアワイン協会をフォローし、上の投稿にいいねするだけ。奮ってご参加ください。
Date: 2020/0804 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
3日前に「ワイナリー価格より安い、秀逸なソノマのヴィオニエ」という記事でロウアーのヴィオニエを紹介しましたが、その後2日間で柳屋としあわせワイン倶楽部にも入荷しています。3ショップ揃ってから書けばよかったとちょっと後悔(笑)。

ちなみに柳屋ではシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン以外の白ワインとしては「恐らく今年2020年最高の掘り出しものになろうかと思います」「定価4,000円…と言われても『それくらいするだろうな』と納得可能」とも。

しあわせワイン倶楽部では「恐らく今年の白ワインで言えば最もお得なお値打ちワインかも知れません」と。

私が前の記事で書いたのとほぼ同じことを皆さん思ったようです。

ちなみに赤では、その前の記事で書いた「ゴーディアン・ノット」が、やはりコスパでは群を抜いているでしょう。ここのアルバリーニョもロウアーとほぼ同じ価格で、より夏向きの味わい。合わせて買ってみてほしいワインです。

柳屋


しあわせワイン倶楽部


カリフォルニアワインあとりえ

Date: 2020/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ついに国内輸入が始まったデリンガー(Dehlinger)のワインを試飲してきました。
dehlinger
カリフォルニアのピノ・ノワールのブームは有名な映画「サイドウェイ」が公開された2004年頃から始まりましたが、それよりはるか前、1970年代にピノ・ノワールを植えた先駆者の一つがデリンガーでした。ロキオリやジョセフ・スワン、デイヴィス・バイナムなどと並ぶロシアン・リバー・ヴァレーの偉大な先人です。

ワイナリーの場所はグラトンの町の近く。ロシアン・リバー・ヴァレーをいくつかの地域に分類してその個性を説明しようとしているrussianrivervalley.orgによるとセバストポール・ヒルズに分類されていますが、実際にはラグーナ・リッジだと思います。グリーン・ヴァレーとサンタ・ローザ・プレインズと呼ばれる平地の間にある丘陵地帯です。

ロシアン・リバー・ヴァレーというと「ゴールドリッジ」と呼ばれる粘土と砂が混じった黄色い土壌が有名で、ピノ・ノワールやシャルドネ、特に後者に最適と言われています。水はけはよく、それでも深く根を張ると適度な水を得られるのが特徴です。

デリンガーのある土地は、それに加えて「アルタモント(Altamont)」と呼ばれる赤っぽい表土があります。ゴールドリッジよりも粘土と砂利の比率が高く、ゴールドリッジよりも水分を保持しない土壌。1mくらいの深さの表土ですが、植物の生産性はゴールドリッジよりも低く、昔のリンゴ農家には避けられていた土壌のようです。生産性が低い分、味わいの凝縮したブドウができます。
goldridge and altamont
写真で左側がゴールドリッジ、右側がアルタモントです。色がだいぶ違うのがわかります。
vineyard
前述のようにここは丘陵地帯になっていて、デリンガーの畑の中でも低いところと高いところがあります。アルタモントの土壌は高いところにあり、それが削られた部分がゴールドリッジになっているようです。
null
畑のブロックの図と、土壌のマップを重ねてみました。アルタモントが多いところにカベルネ・ソーヴィニヨンやピノ・ノワールを植えているようです。

試飲しました。

シャルドネの2017年はライムなどの柑橘系に、ネクタリンのようなとろっとした甘さがあります。ヴァニラやカスタード、ナッツの風味も。酸がいきいきとしていて美味しい。シャルドネの名手レイミーを思い出しました。

ピノ・ノワールはゴールドリッジ2017とアルタモント2016。名前の通り、ゴールドリッジの土壌とアルタモントの土壌のブドウを分けて作っています。

ゴールドリッジはレッドチェリーやレッドプラムの完熟した味わい。スパイスの風味も少しあります。柔らかくロシアン・リバー・ヴァレーらしい良さのでたピノ・ノワールです。

一方、アルタモントはかなり濃厚というか強烈。ダークチェリーにシナモン、五香粉のようなスパイスの風味。キノコの風味など熟成感も出てきているのですが、まだ味が落ち着いていない印象もあります。個性的で少し好き嫌いは分かれそうな気がします。

最後はカベルネ・ソーヴィニヨン2014。ロシアン・リバー・ヴァレーでカベルネ・ソーヴィニヨンというのもかなり珍しいですが、ナパなどのような味の詰まった感じはないもののミディアムプラスボディでエレガント系のいいカベルネ・ソーヴィニヨンです。ナパのスプリング・マウンテンにあるスミス・マドローンのクローンを使っているとのことで、実はスミス・マドローンも同じ輸入元であり、何か縁があったようです。

ロシアン・リバー・ヴァレーの名門、ついに輸入開始ということでオールドファンは興奮しています。

ところで、オールドファンはこのワイナリー「デリンジャー」と呼んでいたと思います。ここの発音は米国人にとっても難しく、「ジャー」なのか「ガー」なのかわからないそうなので、日本人がわからないのは当然ですね。ある掲示板の投稿によると、ワイナリーの人は「day」+「linger」の発音だったとのことで、カタカナにするなら「デイリンガー」が一番近いのかもしれません。ともかく輸入元の表記は今回「デリンガー」になったので、それで覚えましょうね。

以下、ショップはWassy'sです。




Date: 2020/0801 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
掘り出し物ジンファンデル(アルバリーニョも美味しいよ)として紹介したゴーディアン・ノット(「廃業ワイナリーのコスパジンファンデル、「らしさ」あふれる味わい」参照)。このワインを輸入している布袋ワインズはオーナーがソノマ在住でこういった掘り出し物を探すのに長けています。

その一つがロウアー(Lawer)というワイナリーのヴィオニエ「ベッツィズ・エステイトヴィンヤード」。全く先入観なしで試飲したのですが、白桃や白い花の香りがあり、きりっとした酸もほどよくバランスのいいワイン。カリフォルニアのヴィオニエとしては相当秀逸なワインです。

ワインメーカーはなんとあのジョエル・ゴットの父ケアリー・ゴット。この人もジョエルの父なんて紹介をしたら失礼なほとの実力者で様々なワイナリーのコンサルタントをしています。

ヴィオニエの畑はナイツ・ヴァレーで、「パーカー99点」のシラーを生んだオブシディアン・ヴィンヤード(2017年の家事で焼失)のすぐ隣。ローヌ系品種にいいところなのでしょう。

このヴィオニエ、現行ヴィンテージのワイナリー価格は30ドルしますが、日本での価格はなんと2000円台。激安です。個人的にはこのクオリティならもう1000円以上高くても全然納得できるレベルです。5000円と言われても不思議でないくらい。

最近はアルバリーニョやヴィオニエといったややマイナー品種で、いいものに当たります。これもコロナの影響?

Date: 2020/0730 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワインあとりえで、チャールズ・ハインツのシャルドネとシラーが限定で半額になっています。税込みでも5000円台という、ちょっと目を疑う価格。別に出所が怪しいワインとかではなく、輸入元の協賛だそうです。とはいえ本数はごくわずかなようですので、お気をつけて。

チャールズ・ハインツといえば、ソノマ・コーストでも有名な銘醸畑。入手超困難なスパークリングワイン「ウルトラマリン」がチャールズ・ハインツ100%で作られており、デュモルのシャルドネ「イソベル」もチャールズ・ハインツ。リトライも単一畑のシャルドネを作っており、フリーマンのシャルドネ「涼風」でも使われています。

これらを見ても安くて7000円台で、1万円超えるものも珍しくありません。5000円台はやはり破格です。



Date: 2020/0729 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ソノマのヒールズバーグにあったワイナリー「ゴーディアン・ノット(Gordian Knot)」。ここが廃業するにあたって格安で仕入れたジンファンデルとアルバリーニョが国内再入荷しています。近年もジンファンデルがソノマ・マガジンのトップ100ワインに選ばれたり、SFクロニクル主催のコンペティションでジンファンデルとアルバリーニョがダブルゴールドに選出されるなど、実力的にも十分のワイナリーでした。

試飲してきました。

アルバリーニョはロシアン・リバー・ヴァレーのエリエオという畑のもの。ステンレスタンクを使った爽やかなスタイル。白い花の香りが豊かで白桃やオレンジピールの風味。酸がきれい。夏にぴったりのワインです。スクリューキャップを使用。

ジンファンデルは3種類。今回初入荷したのはロシアン・リバー・ヴァレーのウインベリー(Winberrie)ヴィンヤードの2012年。畑は1906年植樹で樹齢は100年を超えます(Historic Vineyard Society認証済み)。ジンファンデルでは珍しくスクリューキャップです。とても酸が豊かで冷涼感を感じるのがロシアン・リバー・ヴァレーらしいところ。レッドプラムなどの赤系の果実味、トーストやナッツなど熟成による風味もあります。冷涼感と熟成感を楽しみたい人にお薦め。

ドライ・クリーク・ヴァレーの「ザ・バズ」シートン(Seaton)ヴィンヤード2014は、3つの中で一番若い畑ですがそれでも樹齢70年。スモーキーで、鉛筆の芯、赤い果実やブラックベリーの風味。パワフルですが酸もかなりあるのでバランスが取れています。パワーと酸を楽しみたい人にお薦め。

アレキサンダー・ヴァレーのポーキーズ・パッチ(Porky's Patch)2014はプラムやドライフルーツ、ナッツの風味がありいかにもジンファンデルという味わい。ストレートにジンファンデルを楽しみたい人にお薦め。

ジンファンデルはそれぞれの地域らしさも現れており、この価格としては非常に美味しいです。
4本買っても1万円程度ですから、全部飲んでみるのをお薦めします。とりあえず夏向けにアルバリーニョをまとめ買いするのもいいでしょう。

リンク先はいずれも柳屋です。




Date: 2020/0728 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
日本経済新聞社が主催し、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどが協力する初心者向けのナパワインのオンラインセミナーが9月18日、25日に開かれます。

募集ページはこちら
初歩から学ぶ ナパワイン講座
講座
この講座、ナパのワインが2本付く形だと税込み1万4500円ですが、無料での視聴も可能です。ワインの講座だけでなく料理とのペアリングについても解説されるようです。申込みの締切は9月8日。

ワインは「パーカー100点」も獲得したことがあるターンブル(Turnbull)のカベルネ・ソーヴィニヨンと、ディズニー家が作ったワイナリーシルヴァラード(Silverado)のソーヴィニヨン・ブラン。


こんなときだからこそ、ワインを飲んでセミナーに応募したいですね。
Date: 2020/0727 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会がインスタグラムで行っているワインプレゼントのキャンペーンが第3弾になっています。

今回のワインはJ. ロアーのセブン・オークス・カベルネ・ソーヴィニヨン。パソ・ロブレスの人気ワイナリーであり、セブン・オークスのカベルネ・ソーヴィニヨンはとてもコスパの高いいいワインです。日本ではあまり見かけませんが、米国にいたときには定番で飲んでいたワインの一つです。懐かしい。

しかも今回はなんと10名まで当選ということで、当選確率はかなり上がっています。応募方法は下の投稿を開いて、@calwinejpをフォローし、投稿に「いいね」するだけです。新規のフォロワーだけが対象なので、ご注意を。



応募期限は8月2日いっぱいまでです。
Date: 2020/0725 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2019年4月に発表されたコンステレーション・ブランズからガロに30を超えるブランドが売却される件。実は未だに当局からの最終許可は下りておらず、宙ぶらりんな状態が続いています。

ワイン・スペクテーターに、この間何が起こったのか、売却されたブランドの一つであるレーヴェンズウッドの創設者のジョエル・ピーターソンに聞いた記事が載っています(Ravenswood in Limbo)。

ジョエル・ピーターソン。写真は来日時のもの

1976年に設立されたレーヴェンズウッドは、かつてはリッジ、ローゼンブラムと共にジンファンデルの3Rと呼ばれた名門。ただ1990年代に最初の投資家たちがコンステレーションに売却したことによって、かつての名声は消えてしまいました。ジョエル・ピーターソンもワイナリーには残っていましたが、ワイン作りの現場からは遠ざかっていました。

今回の売却発表後はFTCによる審査(ガロは米国最大、コンステレーションは3番目の大会社)があり、ワイナリーはそれに翻弄されます。

どちらの会社に聞いても「相手側に聞け」という返事しかなく、ジョエル・ピーターソンによると「辺獄にいるか、その手前の三途の川のほとりにずっと立たされている」状態だといいます。

ソノマにあるレーヴェンズウッドのテイスティングルームは早々に閉鎖になり、ジョエル・ピーターソンもワイナリーを後にしました。

2019年のワイン作りに関しては、いくつかの畑との複数年契約が残っていたため、醸造はしたようです。ただ、多くの契約は昨年で切れてしまったため、2020年については一層不明瞭な状況です。

ジョエル・ピーターソン自身は、自らの新ブランド「ワンス・アンド・フューチャー」で再びワイン作りに回帰し、かえって楽しそうではあります。
Date: 2020/0724 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨年、「チャールズ・スミスのエコバッグがかわいい」という記事で紹介したバッグ、この7月からのレジ袋有料化で手放せないものになっています。

このバッグ、チャールズ・スミスのワインのラベルデザインで、ちょっとおしゃれで人と差別化できます。
エコバッグ

さらに、軽くて容量もたっぷり。
エコバッグ2
ワインのボトルも軽く収まるくらいの大きさがあり、たいていの買い物はこれ一つで大丈夫そうです。

それだけじゃなくて、収納用の小袋がついているので、かばんの中に入れておいても邪魔になりません。
収納袋
たたむとこんなに小さいんです。

ワイン買ったらおまけにこのバッグが付いてくるところもあるので、見つけたら買いですよ!


Date: 2020/0722 Category: グルメ
Posted by: Andy
Comments
昨日は土用の丑の日。とはいえ近年は保護の観点や、高すぎて食べられないといった事情で、うなぎから遠のいていましたが、今年は近所の寿司屋でテイクアウトしてみました。

せっかくなのでワインも開けました。うなぎのタレの甘さや、山椒のスパイシーさに合わせるのはジンファンデルとかシラーかなあと常々思っておりまして、ここはやはりジンファンデルで!

デコイ

うなぎはこちら。この巨大さで2000円程度は安いと思います。
うな重

あまりに大きいので、一部は子供の明日のお弁当用に取り分け、一部はひつまぶし風にして食べました。
ひつまぶし

うなぎは大きいですが、クドくなく美味しかったです。

デコイのジンファンデルはかなりエレガントで、うなぎにはもっとガツン系の方が良かったかも。でもどちからも美味しくいただきました。
Date: 2020/0721 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ベッドロックが作るスパークリングワインのブランド「アンダー・ザ・ワイヤー」。フランスの「グロワーズ・シャンパーニュ」のように単一畑、単一品種、単一ヴィンテージにこだわったスパークリングワインを作っています。

その多くはシャルドネまたはピノ・ノワールですが、なんと一つだけジンファンデルで作ったものがあります。畑は自社のベッドロック・ヴィンヤード。1850年代に植えられた畑で20数種の品種がありますが、その中でもジンファンデルだけを使ってスパークリングワインは作られています。酸が多く、糖分が少ないこの畑のジンファンデルはスパークリングワインにもぴったりだとのことです。

きわめてレアなこのワイン、先日カリフォルニアワインあとりえに入荷したものは速攻で売り切れていましたが、再入荷しています。

Date: 2020/0721 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部がナパのワインだけによる6本のワインセットを各種販売しています。一番高額なセットでも1万9734円(税込み、送料込み)。1本当たり2980円(税別)に抑えています。

ナパのワイン、どうしても高額なものが多いので、この価格でしかも納得のいく品質のものを選ぶというのは、ナパのワインを熟知していないとできないと思います。

今回のセット、私も飲んだことないワインがいくつかありましたが、飲んだことあるものはどれも「やっぱりこれは入れるよね」と納得できるものばかり。

個人的にお薦めは赤白3本ずつのセット。これからの夏にぴったりなジラードのソーヴィニヨン・ブランやコスパでは外せないカモミの赤白などが含まれています。

ぜひお試しを。



その他のセットはこちら

Date: 2020/0720 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コングスガードの赤ワインのセカンド「キングス・ファーム」が初めて正規輸入されています。

もともと毎年作られるワインではなく、生産に余裕がある年だけごく少量作られ、メーリングリストだけで売られています。こんなレアワインが正規で入ってくるのもコロナの影響なのでしょうか。

コングスガードという名前(オーナーの名字です)は、古代の南ノルウェーの畑に繋がっているそうで、そこからこのワインの名前を付けたとのことです。




Date: 2020/0719 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
アルバリーニョはスペインではメジャーな白ワイン用品種ですが、カリフォルニアではまだマイナーです。シャルドネと比べたら生産量は100分の1にも満たないですが、ヴィオニエと比べたら5分の1程度。意外にあるといってもいいかもしれません。

味わい的には、白桃や白い花の風味などヴィオニエとちょっと似ていますが、酸は割としっかりしているので、天候に恵まれる半面、ときに酸が落ちやすいカリフォルニアにはヴィオニエよりも向いているかもしれません。

生産者で見るとなんと言ってもトップはコングスガード。ワインアドヴォケイトでは最高94点を取っており、価格的にもダントツです。世界でもトップクラスの評価を受けているアルバリーニョです。畑はナパのカーネロスにあるハドソンのようです。

ちょっと意外なところではナパのヘンドリーも作っています(未試飲)。

面白いのが先日紹介した、タコのラベルのスパークリングワイン「カーボニスト」。ラベルが示唆しているようにシーフードにも合うワインです。「ソムリンTV」というYouTubeチャンネルでは寿司の酢飯や醤油にも合うと言っていました。

あと、お薦めはコングスガードのGMが作る「ファーディナンド」というワイナリーのアルバリーニョ。これすごく美味しいし、値段も高くない。ボトルもちょっとオシャレです。毎年、試飲するのが楽しみなワインの一つです。畑はコングスガードとは違って、やや内陸部の山麓のものだそうです。

カリフォルニアのアルバリーニョ、トライしてみてください。






Date: 2020/0718 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Avaline
「メリーに首ったけ」などで知られる俳優のキャメロン・ディアス(現在は引退)が、ファッション会社「Who What Wear」のCEOであるキャサリン・パワーと組んで、新たなワインブランド「アヴァリン(Avaline)」を開始しました。

白とロゼがあり希望小売価格はどちらも24ドル。キーワードは「クリーン」で有機栽培のブドウを使い、加糖や着色、濃縮果汁などを使わないとしています。白はスペイン産でマカベオ、マルヴァジア、チャレロのブレンド、ロゼはプロヴァンス産でサンソー、グルナッシュなどをブレンドしています。これまでのワインは何が含まれているかユーザーにはわからなかったが、もっと「クリーン」なワインを提供するとディアスは主張しています。

……というところまでは「あー、健康オタクの女優が『自然派』のワインを作ったんだねえ」という話になりそうなのですが、あにはからんや。このワインにワインファンが憤慨しています。

というのは、上記の説明は誤っていないとしても、このワインには以下のものも使われています(これらはラベルには記されていませんが、サイトには書かれています)。
・二酸化硫黄
・ベントナイトクレイ
・えんどうタンパク
・酒石
・酵母
・酵母の栄養素

二酸化硫黄は酸化防止剤として、ほぼすべてのワインに使われています。350ppm以下が基準となっており、このワインでは100ppm以下としていますが、これは決して少ない水準ではないとヴィノグラフィのアルダーヤローは書いています。

ベントナイトクレイやえんどうタンパクは、ワインの濁りなどを取る清澄に使われていますが、自然派のみならず、高級ワインでは清澄をしないで作られているものも多く存在しています。

酒石は酒石酸カリウムがボトル内で結晶化するのを防ぐために低温にして析出してフィルターをかけるときに「種」として使われています。これも高級ワインや多くの自然派では使われない手法です。

酵母も同様。自然派でなくても天然酵母で醸造するところはたくさんあります。

これらの添加物は「悪」ではなく一般的な多くのワインで使われているものではあります。またフィルターなどで取り除かれるため、ワインの中にこれらが残っているわけでもありませんが、「クリーン」であると主張するワインで使っているのはどうなのかというのがワインマニアの意見です。
Date: 2020/0717 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
「 パソ注目のワイナリー『ダオ』、国内輸入始まる」という記事で紹介したダオのワインをいただきました。
ダオ
このシャルドネ2018年リザーブは今月ワイン・エンスージアストでトップ9シャルドネの一つに選ばれています。

飲んでみました。色はそれほど濃くありませんが、香りは濃厚。マンゴー、パイナップルのトロピカルフルーツにオレンジピール、梨。最近では珍しいほど、きちんと樽も効いています。酸は中程度。フルボディで、風味も余韻もしっかりしています。

クラシックなスタイルのシャルドネでとても美味しい。ナパのロンバウアーあたりが好きな人はこれも絶対好きだと思います。

購入はこちら
Date: 2020/0716 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ソノマのピノ・ノワールの名門として、2000年代のピノ・ノワール・ブームが始まるより前からソノマのロシアン・リバー・ヴァレーで秀逸なワインを作っていたデリンガー(Dehlinger、デリンジャーと書かれることも)がついに国内輸入開始しました。

2000年ころ、ロシアン・リバー・ヴァレーを代表するワイナリーといえば、ロキオリ、ウィリアムズ・セリエム、デリンガーの3つが必ず名前が上がるところでした。ロキオリ以外はワイナリー訪問も受け付けておらず、幻のイメージの強いところでした。特にデリンガーは輸出には興味ないと思われていたワイナリーであり、ここが輸入されることはないだろうと思っていたので、かなりの驚きであり、感無量でもあります。ワイナリーの世代交代や、もしかすると現在のコロナ禍におけるレストランビジネスの停滞などが影響しているのかもしれません。

今回輸入されたのは4種類。シャルドネのエステート2017、カベルネ・ソーヴィニヨン2014、ピノ・ノワールのゴールドリッジ2017、そしてフラッグシップのピノ・ノワール「アルタモント」2016です。ヴィナスでの評価はアルタモントが94点で、あとの3つは92点。ピノ・ノワールはロシアン・リバー・ヴァレーらしいリッチでちょっとダークなフルーツの風味があるようです。

Wassy's





柳屋




Date: 2020/0715 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
サンタ・ルシア・ハイランズのピゾーニやロアーなど秀逸なピノ・ノワールの輸入で知られるilovecalwineの試飲会に行ってきました。2月以来の試飲会です。もちろん3密は避けています。


まずは新輸入のスパークリングワイン「カーボニスト(Carboniste)」から。

カリフォルニアのスパークリングワインというと、以前はシャンパーニュ・ハウスの資本のものなどが中心で、作るワインも本場のシャンパーニュに近づこうとするものが中心でしたが、近年はいろいろと面白いものが登場しています。カーボニストもその一つ。一番左の「タコ」のラベルのものは、珍しいアルバリーニョのスパークリングワイン。アルコール度数11.5%、ガス圧3.5気圧と比較的ライトな作りです。青りんごなどの爽やかな風味。2019年のワインで2020年3月に澱引きしています。これは個性的で面白いワイン。人気出るでしょう。

次はブリュット2018。サンタ・クルーズ・マウンテンズとマリン郡、サンタ・リタ・ヒルズのブドウを利用。シャルドネとピノ・ノワール半々です。これも比較的ライトですが、軽くイースト香もあります。3本目はマリン郡のシャルドネとピノ・ノワールを半々使ったブリュット・ロゼ2018。いちごの風味や麦わらなど。ボディがしっかりしています。


次はルリ(LuLi)のシャルドネと、ルーシー(Lucy)のピノ・ノワールのロゼ。

シャルドネは酸がしっかりしており、メリハリの効いた味わい。ピノ・ノワールのロゼもロゼとしてはしっかりした味わい。赤系果実が美味しいです。



最後はピノ・ノワール2本。ルシアのゲイリーズのピノ・ノワールと、ピゾーニのピゾーニ。どちらもすばらしいワインです。ルシアのゲイリーズは非常に果実味豊かですが、骨格もしっかりしており、何よりも余韻が素晴らしい。若干ダークな果実味がゲイリーらしさ。
ピゾーニ、ピゾーニは最初のアタックから素晴らしい。近づくだけで香りが広がります。昔のイメージよりは少しライトになっていますがパワーもあり、美味しい。



Date: 2020/0714 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
サンタ・ルシア・ハイランズを代表する銘醸畑ピゾーニ(Pisoni)。先日、「ピゾーニのワイン、一番評価が高いのはどれ?」という記事を書きましたが、今度はピゾーニで一番安いのを調べてみました。

ソノマとサンタ・ルシア・ハイランズの著名な畑からの単一畑ピノ・ノワールにこだわる「キャピオー(Capiaux)」が最安。ショップにもよりますが最安では税込み8000円を切ります。

ピゾーニの兄弟畑であるゲイリーズ(Garys')でも最安。現行国内最新ヴィンテージの2015では、ピゾーニがヴィナスで93点、ゲイリーズが92点と高評価でした。

ワイン造りは4日から10日ほどの低温浸漬のあと、天然酵母で発酵、二酸化硫黄や酸の添加は行いません。発酵後の樽熟成では33~50%の新樽を使用しています。ノンフィルター、清澄もなしでボトル詰めしています。

骨格がしっかりして、果実味が前面に出た魅力的なスタイルがここの身上とヴィナスのアントニオ・ガッローニは書いています。



以下2本は柳屋


Date: 2020/0713 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
リトライのテッド・レモン、サンドラー/オーガスト・ウエストのエド・カーツマン、ブリュワー・クリフトンのグレッグ・ブリュワー、ハーシュ・ヴィンヤーズのジャスミン・ハーシュ、こんな豪華なメンバーのオンラインセミナーのシリーズが開かれます。
photo
主催はワインの通訳としても知られている山本香奈さんのショップ「イルドコリンヌ」。香奈さんが通訳を務め、ナビゲーターにはワイナートの特集を担当した立花峰夫さんが着きます。

申込方法はセミナーで試飲するワインを1本購入するだけ。単発での参加も、4回通しての参加も可能です。

<日時>
第1回: 8月8日(土) 13:00~14:30 「リトライ」 (ソノマコースト) 
ゲスト:テッド・レモン氏
ワイン:
*リトライ ピヴォットヴィンヤード 2017 ¥15840(税込) *先着12名様のみ
あるいは、
*リトライ サヴォイヴィンヤード (アンダーソンヴァレー) 2017  ¥14960(税込)
先着12名様以外、あるいは希望者はこちらのワイン。

第2回:9月12日(土)13:00~14:30 「サンドラー」(ロシアンリヴァーヴァレー ) 
ゲスト:エド・カーツマン氏 
ワイン:サンドラー ロシアンリヴァーヴァレー キュヴェ・マーシー 2016  ¥7700(税込)

第3回:10月17日(土) 13:00~14:30 「ブリューワー・クリフトン」(サンタ・バーバラ)
ゲスト:グレッグ・ブリューワー氏
ワイン:ブリューワー・クリフトン サンタリタ・ヒルズ 2015  ¥8800(税込)

第4回:11月14日(土)13:00~14:30 「ハーシュ・ヴィンヤーズ」 (ソノマコースト)
ゲスト:ジャスミン・ハーシュ女史
ワイン:ハーシュヴィンヤーズ サンアンドレアスフォルト 2016  ¥13200(税込)​

4回申し込みの場合は
【早くも完売】Aセット 12名様限定 4生産者×各1本=4本セット (リトライ ピヴォット ワイナート最高得点)
      +ワイナート最新号+山本香奈によるワインセミナー
 価格:47520円+送料 → 45000円(送料・クール代込)

Bセット 4生産者×各1本=4本セット (リトライ サヴォイ)
      +ワイナート最新号+山本香奈によるワインセミナー(8月2日(日)15:00~16:30)
 価格:46640円+送料 → 44200円(送料・クール代込)

詳しくはこちらから

申し込みフォームはこちらから
『偉大なカリフォルニアピノノワール生産者と繋がろう!!〜全4回シリーズ〜』参加申し込み
7月20日締め切りです。
Date: 2020/0712 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
サンタ・ルシア・ハイランズを代表する銘醸畑ピゾーニ(Pisoni)。ここのブドウを使うことを許されたワイナリーは約10。ピゾーニ自身がクオリティを認めたワイナリーにしかブドウを売りません。

選びぬかれたワイナリーの中でもどこが一番評価が高いか。ワイン・アドヴォケイトでここ10年を追ってみると、ピゾーニ自身が作るエステートのピノ・ノワール、そしてポール・ラトー(Paul Lato)の作るピノ・ノワール「ランスロット(Lancelot)」とシャルドネ「イースト・オブ・エデン(East of Eden)」が「3強」といえそうです。そこで、この3つのワインの評価をグラフにしてみました(96+など+のついた評価は丸めています)。
Chart

10ヴィンテージのうち、ピゾーニ・エステートが4回トップ、ポール・ラトーのランスロットが4回トップ、そしてポール・ラトーのイースト・オブ・エデンが4回トップと、なんとどれも同回数で並んでしまいました。ただ、細かくみると、実は2011年はランスロットが96+で、ピゾーニ・エステートの96をちょっと上回っており、ピゾーニ・エステートは3回トップとしたほうがいいのかもしれません。まあ、でもここは同率ということにしておきましょう。

この中でも直近5ヴィンテージを見ると、実はシャルドネのイースト・オブ・エデンが4回トップと、最近はこれが一番と言ってもよさそうです。

ポール・ラトーの高評価2017年のワインが国内入荷してきています。すぐに売り切れる可能性が高いのでお早めに。

柳屋です。



ココスです。


Date: 2020/0711 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワインの価格サイト「ワイン・サーチャー」で2020年6月、キスラーの検索が時ならぬ急上昇をするという「事件」がありました(Kistler's Kind Wine Gesture Pays Off)。
Kistker
5月と6月を比べると、全体で約2倍、キスラーのハドソン・ヴィンヤード・シャルドネは10倍近い検索がありました。

通常、このような急上昇はワイン・アドヴォケイトで100点が付くなど、評論家が高い評価を付けたときなのですが、今回はそのような要因は見当たりませんでした。

キスラーはコロナ禍でレストランからのオーダーが減ったため、その分のワインを5月にセールにして販売しました。そして、その売上から10万ドルを3つの基金に寄付しました。どうやら、それが検索が増えた理由であると結論されています。



キスラーのピノ・ノワールでこの価格はレア


スティーブ・キスラーの新ワイナリー「オキシデンタル」のピノもこれは安いです。

Date: 2020/0710 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会が、インスタグラムでワインをプレゼントするキャンペーンの第二弾をやっています。締切は7月19日で当選者は5人。結構確率は高いかも。

応募方法は同協会のインスタアカウントをフォローして、下の投稿に「いいね」するだけ。


プレゼントのワインは、ビリキーノのマルヴァジア・ビアンカ。マルヴァジアはイタリア系の香り高い品種ですが、カリフォルニアではレアです。ニューカリフォルニア系、自然派の生産者です。カリフォルニアワイン協会、なかなか攻めてるなあと思いました(笑)。


Date: 2020/0709 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
著名なワイン評論家のジェームズ・サックリングが、中国のワインとボルドーのワインをブラインドテイスティングして、中国が圧勝した話を公開しています(Another Great Showing for the Best Chinese Wines - JamesSuckling.com)。
Chinese Wine
このブラインドテイスティングは2020年7月2日に香港で開催されたもので、ボルドーのワインと中国のワインを6組のペアにして試飲し、好きな方を選ぶという方式を取っていました。結果は中国のワインが4勝、引き分けが2つと、ボルドーは一つも勝てませんでした。

審査員は16人いましたが、ジェームズ・サックリングを除くとワインのプロというわけではなかったようです。そのため、ワインの将来性といった面の評価よりも今飲んで美味しいかどうかが評価のポイントになったようだとジェームズ・サックリングは書いています。ボルドーは1級のシャトー・ラフィットや2級のシャトー・ピション・ロングヴィル・ラランド、シャトー・ピション・ロングヴィル・バロンなどが選ばれていましたが、ボトルの状態も必ずしも良いとは言えなかったとのこと。ただ、これで中国のワインが不当に高く評価されたわけではなく、より熟した味わいで審査員の心を捉えたようです。

最も人気が高かったワインは「2015 Ao Yun Shangri-la」。

以下のワインが試飲されたもの。
CHÂTEAU LAFITE ROTHSCHILD PAUILLAC 2015
AO YUN SHANGRI-LA 敖云云南香格里拉 2015
CHÂTEAU PICHON-LONGUEVILLE BARON PAUILLAC 2015
CHÂTEAU CANTENAC BROWN MARGAUX 2015
CHÂTEAU PHÉLAN SÉGUR ST.-ESTÈPHE 2015
KANAAN WINERY NINGXIA HELAN MOUNTAIN'S EAST FOOTHILL CRAZY FANG 迦南美地宁夏贺兰山东麓魔方红葡萄酒 2013
CHÂTEAU PICHON LONGUEVILLE LALANDE PAUILLAC 2013
JADE VINEYARD NINGXIA HELAN MOUNTAIN'S EAST FOOTHILL ARIA RESERVE 嘉地酒园咏叹调干红 2015
SILVER HEIGHTS NINGXIA HELAN MOUNTAIN'S EAST FOOTHILL EMMA'S RESERVE 银色高地宁夏贺兰山东麓爱玛私家收藏 2015
GRACE VINEYARD SHANXI CHAIRMAN'S RESERVE 怡园酒庄山西庄主珍藏 2013
CHÂTEAU LAFON-ROCHET ST.-ESTÈPHE 2013
HELAN QINGXUE VINEYARD NINGXIA HELAN MOUNTAIN'S EAST FOOTHILL JIABEILAN RESERVE 贺兰晴雪酒庄宁夏贺兰山东麓加贝兰珍藏版 2015
Date: 2020/0708 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパ郡は7月6日、7月9日から再び室内のレストランやテイスティングルーム、映画館、博物館などを閉鎖すると発表しました(Napa to again shut down dine-in restaurants, bars, indoor tasting rooms starting Thursday as coronavirus cases rise | Local News | napavalleyregister.com)。同日の新型コロナ新規感染者が60人に達っしたことによる措置です。閉鎖は最短でも7月31日まで続きます。また、パブやブリューパブは室内室外を問わず閉鎖となります。

7月1日のニューサム州知事の命令によると、人口10万人あたりの過去2週間の新規感染者が3日連続100を超えた郡はこれらの施設の閉鎖が義務付けられています。ナパは7月4日に139.4に達していました。

なお、ソノマも7月4日に94人と過去最多を記録しており、今後が危ぶまれています。

経済再開と感染抑制の両立、なかなか大変です。
Date: 2020/0707 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニア初の「パーカー100点」ピノ・ノワールを産んだワイナリー「ピーター・マイケル(Peter Michael)」が2018年の自社畑のピノ・ノワールを作らないと表明しています。
ニューズレター
ピーター・マイケルは、ほぼ自社畑のワインだけを作っていますが、唯一サンタ・ルシア・ハイランズのピゾーニのピノ・ノワールだけは購入を続けていて「ムーラン・ルージュ」として販売しています。結果的には2018年のピノ・ノワールはこのムーラン・ルージュだけになりました。

ヴィナスのレビューによると、自社畑のワインをあきらめた理由は「スモーク・テイント」、煙による汚染です。2017年はソノマやナパなどで最大死者を出した大規模な山火事があり、2019年もソノマのアレキサンダー・ヴァレーで起こった大規模山火事で、大規模な避難命令と停電がありましたが、2018年は大きな火事はソノマ近辺では起こっていません。ただ、山火事自体はカリフォルニアだけで毎年6000件以上も発生していますから、たまたまピーター・マイケルの畑の近くで、そういった小規模な山火事があったのではないかと思います。

なお、2018年のムーラン・ルージュのレイティングはヴィナスで95点。過去最高となっています。個人的にはもはやピーター・マイケルがピゾーニのワインを作り続ける理由はないのではないかと思っていましたが、意外なところで役に立つことになりました。
Date: 2020/0706 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コンステレーション・ブランズからガロへのブランド移行で国内輸入が終わったフランシスカン。店頭在庫もそろそろ底をついているようです。楽天では「かわばた酒店」で上位版のマニフィカ(マグニフィカ)がわずかに残っているだけ。

マニフィカは200を超えるロットから選んでブレンドしたワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が一番高いですが、「メリタージュ」の元祖の一つであり、ボルドー系の品種が必ず複数使われています。

ワイナリー価格56ドルに対して税込み6600円と、価格もほとんど現地と変わらないレベルです。

Date: 2020/0705 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
パーカー
ロバート・パーカーが英デカンター誌が選ぶ37回目の名誉の殿堂に選出されました。ライバルでもある他誌の人間を選ぶのはこれが初めて。パーカーが引退し、ワイン・アドヴォケイトの資本もミシュランに移動したことから、選出対象となったようです。

選出の記事「Robert M. Parker Jr extended interview: Decanter Hall of Fame 2020 - Decanter」ではパーカーの功罪についても述べています。パーカーがワインのレイティングを始めた最初ではなく、既にそれまでに20段階などの評価は行われていました。彼の最大の功績は「100点」というレイティングを行ったところにあります。それまでの評価が「減点法」で行われていたのに対し、「加点」による評価を行ったのも画期的でした。

失敗に関してはブルゴーニュの評価のことを挙げています。パーカー自身、酸の強いワインは好きでないと認めており、ピノ・ノワールについては、酸の少ないヴィンテージが好みでしたが、そうでないヴィンテージでも長熟のものがあり、そういったものを認めることはできていなかったとしています。

私はパーカー、かなり強く認めている方だと思います。完璧でないのは人間として仕方ないところではありますが、彼のおかげで発掘されたワインがこれまでどれだけあったことか。また、メディアとしての一貫性も強くあり、レビュアーが代わっても、それほど評価のぶれは出ていないように思います。

レビュアー個人としては、現在の編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンよりも、元ワイン・アドヴォケイトでヴィナスを創設したアントニオ・ガッローニの方が上かと思いますが、ヴィナスはガッローニとステファン・タンザーの点の違いが大きいため、同じ生産者のワインを時系列で見たときに、レビュアーを固定しないとわけがわからないことになってしまいます。

ちょっと話がずれてしまいました。

記事では引退の理由についても述べられていますが、近年体が悪く空港での移動などの負担が大きすぎることが挙げられていました。

まだ70歳そこそこの年齢なので、ちょっと心配ですが、これからも長生きしていただきたいと思います。
Date: 2020/0704 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
The alcoholic in me is in tears! from r/ThatLookedExpensive

拾い物ですが、ワインラバーとしては「うわあ」と思ってしまう映像です。それにしてもすごいワインセラーですね。これほどのセラー持っている人だからこれくらいなんでもないのかもしれませんが…

ちなみに、一般的な冷蔵庫型のワインセラーでも、大地震でドアが開いて中身が落ちたという話を聞いたことがあります。それを聞いてセラーの鍵はかならずかけるようにしています。
Date: 2020/0703 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
パソ・ロブレスの「アデレーダ」地区にある注目のワイナリー「ダオ(Daou)」のワインを、新橋のワインバー「ワイン蔵tokyo」が輸入開始しました。ワイン蔵としても、初めて輸入するワインとなります。

ワイン蔵のページはこちら(Daou Vineyards)

ダオの注目が一躍高まったのは、2020年2月にワイン・アドヴォケイトのエディター、エリン・ブルックスが「ダオ・ヴィンヤード・アンド・ワイナリーにおける完璧の追求」と題した記事を掲載したときでした。

別ブランドのパトリモニー(Patrimony)では最高98点、ダオでは最高97点、しかも30本のレビュー中18本が95点以上という高得点のオンパレードでした。栽培から醸造にいたるまで、あらゆる細部に完璧なこだわりを持って作っていることから、完璧の追求とタイトルに入れるまでになっています。

ダオの畑は標高2200フィートという高いところにあり、カベルネ・ソーヴィニヨンが中心となっています。ボルドーのサンテミリオンにもある粘土石灰岩という土壌が、このあたりにはあります。

ワイン蔵ではフラッグシップの「ソウルオブライオン」など5種類のワインを輸入販売します。
Date: 2020/0701 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
英国で紙製のワイン・ボトルがデビューしました(Paper wine bottle launched: What is the Frugal bottle like? - Decanter)。フルガルパック(Frugalpac)という英国の会社が開発したもので、イタリアのカンティーナ・ゴッチア(Cantina Goccia)というワイナリーが採用しています。

cantina goccia

技術的に見ると、バッグインザボックスと呼ばれる箱入りのワインに似ています。外側は再生紙でできていて、内側はプラスチックのライナーになっています。

メーカーによると重さは83グラムでガラス製ボトルの5分の1程度。プラスチックのライナーは15グラムでペットボトルの64グラムと比べて77パーセントも少ないそうです。内側と外側は簡単に分離できるので、再生に回すのも容易です。

これによって、炭素の消費量に換算するカーボン・フットプリントはガラスボトルの6分の1、ペットボトルの3分の1程度とのこと。

実際に試してみたデカンター誌の編集によると、欠点は中身が見えないことで、どれだけワインが残っているか、簡単にはわからないそうです。

Date: 2020/0630 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・エンスージアスト誌が、世界の黒人所有ワイナリーのリストを作っています(A Global Guide to Black-Owned Wine Labels | Wine Enthusiast)。米国が60余りで南アフリカが40程度、後はごく少数となっています。

こう見ると、米国は「まだまし」な方なのかもしれませんが、ワイナリー全体に占める割合で考えると極めて低いです。ワイン業界が白人中心に回っているのは否めないところであり、今後変わっていくべきことはたくさんありそうです。

また、ワイナリーのリストを見ると、他業界、特にスポーツとエンターテインメントで活躍した人が所有するワイナリーがかなり多いことが分かります。米国のプロスポーツは黒人が相当比率いますから、うなずけるところではありますが、逆に言うとそれ以外の業界ではまだまだ黒人の活躍は少ないとも言えそうです。

なお、リストの中で日本に輸入されている米国のワイナリーは、ヴィジョン・セラーズ、ブラウン、ボドキンの三つかと思います。ヴィジョン・セラーズはサンタ・ルシア・ハイランズのピノ・ノワール、ブラウンはナパのジンファンデル、ボドキンはソーヴィニョン・ブランのスペシャリストとして、いずれも素晴らしいワインを作っています。ぜひお試しを。

Date: 2020/0629 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
いま、しあわせワイン倶楽部でフリーマンのワインを買うと8月1日に開催予定のフリーマン、アキコさんによるオンライン・セミナーに参加できます。

ワインはセミナー代が加算されているわけではなく、いつもどおりの価格です。シャルドネの「涼風」、ロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワール、「グロリア」ヴィンヤードのピノ・ノワール、そしてフラッグシップのアキコズ・キュベが用意されていますが、セミナーはこのうち1本以上購入すれば参加できます。

なお、ヴィンテージはグロリアとアキコズ・キュベが2016、ロシアン・リバー・ヴァレーと涼風が2017です。ヴィナスのアントニオ・ガッローニの評価はそれぞれ94、91,93、93と非常に高いです。日本人の手によるワインがこれだけ高く評価されるのはうれしいですね。

一覧はこちらから


Date: 2020/0628 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ナパの中級カベルネ・ソーヴィニヨンとして一世を風靡したナパ・ハイランズ。テレビに登場後、一瞬で売り切れて入荷も途切れ、4000円台のナパ・カベルネががぜん群雄割拠となったのは記憶に新しいところです。

今回紹介するマイケル・ポザンは、カリフォルニアワインあとりえによるとナパ・ハイランズと同様、ナパ・ワイン・カンパニーにおける醸造で、ブドウの供給源も共通しているようです。ナパ・ハイランズがオークヴィルとヨントヴィルのブレンドになっているのに対し、マイケル・ポザンの「アナベラ・プラティナム」はオークヴィル100%と、より高級感があります。

それでいて実売価格はナパ・ハイランズと同等で税込みでも4000円台という安さ。激戦区のこの価格帯に、また強力な1本が登場しました。



Date: 2020/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ピーター・マイケルに6代目のワインメーカーが誕生しました(Peter Michael Winery Appoints Robert Fiore as Winemaker)。昨日セミナーでピーター・マイケルのワインメーカーの話をしたばかりなので、びっくりです。

なんと言ってもピーター・マイケルは、今はマーカッシン(Marcassin)で知られているヘレン・ターリーを「発見」したワイナリーであり、2代目が現在はオーベールでワインを作るマーク・オーベール、3代目が現ペイ(Peay)のヴァネッサ・ウォン、4代目が現モルレ・ファミリーのリュック・モルレ、5代目がその弟のニコラス・モルレとなっています。

これがどれくらいすごいかというと、例えばカリフォルニアで「パーカー100点」を取ったシャルドネは20本強ありますが、その中でコングスガードの3本を除いたすべてが、現もしくは元ピーター・マイケルのワインメーカーによって作られたものです。ピノ・ノワールに至っては「パーカー100点」全6本のすべてが現または元ピーター・マイケルのワインメーカーによるものなのです。

この華麗なる系譜を引き継ぐのがロバート・フィオーレという人。
ロバート・フィオーレ
左がロバート・フィオーレ

この人は地質学の学位を持っているという変わり種。そこからワインに興味を持つようになってUCデーヴィスで醸造学を学びました。

その後はスプリング・マウンテンやアリエッタなどで働き、サンタリタヒルズでは「フィオーレ・ワン・プロジェクト」として、レイモンド・ワンという人とワイナリーをやっています。このほか、近年はコンティニュアムでアソシエイト・ワインメーカーを務めていました。

ピーター・マイケルでの経験がない人をいきなりワインメーカーに据えるというのもなかなか大胆なことです。

歴代ワインメーカーの華麗なる系譜に華を添えるか、要注目です。

なお、モルレ兄弟はコンサルタントとして残るとのことです。
Date: 2020/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
3カ月ぶりにセミナー講師をしました。アカデミー・デュ・ヴァンで本当は3月に終わる予定だったクラスですが、コロナによる学校閉鎖でここまでずれ込んでしまいました。
ピーターマイケル
今回のテーマはピーターマイケル。振り替えで受講された方も多く、楽しい時間になったと思います。

ワインの中では2005年のシャルドネ「ベルコート」が絶品。15年も経っているとは思えないほどのみずみずしさがあり、ハチミツのようなとろける味わいや、熟成によるアロマもきれいに出ていました。16年のも相当美味しかったのですが、全員一致で05年が好きとのこと。

ピノ・ノワールの「マ・ダンスーズ」はフォートロス・シービューらしい、しっかりとした酸と、濃い果実味。ナパのオークヴィルの果実を使ったカベルネの「オー・パラディ」は実は私も初めて飲みました。「レ・パヴォ」だと思い込んでいて、「ナパとは違う」などと説明してしまい、恥ずかしい限り。「オー・パラディ」、もっとガッツリ系かと思いきや、かなりエレガントさのあるカベルネ・ソーヴィニヨンでした。

本来、4月から始まる予定だった次期の講座、このゴタゴタで残念ながら2つは不成立。7月10日に始まる超贅沢な「超一流」も後1人必要な状況です。

この機会に、美味しいワインを飲みませんか?

カリフォルニアの超一流ワイナリー | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
Date: 2020/0623 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン業界における人種差別問題に、声が上がり始めました(What Racism Looks Like Inside a Napa Valley Tasting Room | VinePairCourt of Master Sommeliers, facing racism charges, to eliminate ‘master’ address - SFChronicle.com)。

テイスティングルームにおける問題はJ'NAI GAITHERというライターが告発しています。この人は、ナパのテイスティングルームで働いていたとき、客との会話でたびたび傷つきました。

例えば、こんなやり取りがあったそうです。
「どうしてワイン好きになったの?」
「2004年ころ、ブルゴーニュにのめり込んで…」
「え!?ほんとに!?」
「そんな変ですか?」
「だってブルゴーニュは価格も高いし、洗練されているじゃない。信じられない…」

こういったやり取りは日常茶飯事で、さらに悪いことには、上司は彼女のこういった悩みをまったく理解しなかったのでした。彼女は結局15カ月でその仕事をやめました。

もう一つ、マスターソムリエについてはTariirah Habibiというアトランタ州に住むワインのプロが経験を報告しています。彼女が、コート・オブ・マスターソムリエの入門試験を受けにいったとき、試験監督が受験者に対して「マスター・~~」と呼ぶように言ったことにショックを受けました。マスターという称号が、奴隷制度を思い出させるものだったからです。

彼女はその試験を通りましたが、それ以上のコースに進むのはやめました。現在は、黒人のワイン・プロフェッショナルをサポートする組織を立ち上げています。

コート・オブ・マスターソムリエは近日彼女と話をして、今後は「マスター+名字」の呼び方を廃して、「マスター・ソムリエ」とフルで呼ぶことに変えるとのことです。

マスターソムリエに関しては先週、著名なマスターソムリエであるリチャード・ベッツがマスターソムリエをやめると表明しています。ベッツはコート・オブ・マスターソムリエが人種問題などへの対応が遅いことに加え、2018年に起こった試験問題の漏洩事件に対する対処に不満があることをその理由に上げています。

日本に住む日本人にとっては人種問題は遠い話のように感じられるかもしれませんが、日本人も有色人種であり、実際には差別される対象にも十分なりえます。もちろん、差別されるから知っておくべきだということではなく、知らず識らずのうちに差別する側に回ることも十分ありえることであり、対岸の火事で済ませていてはいけないと思います。
Date: 2020/0622 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
モントレーに多くの畑を持つ人気ワイナリー「シャイド・ファミリー(Scheid Family)」が低カロリー、低アルコールの新しいブランドを発表しました(Scheid Family Wines Launches Sunny With a Chance of Flowers, An Innovative Zero Sugar, Low Calorie, Low Alcohol Wine)。シャイド・ファミリーという名前はあまり目にしないかもしれませんが、コスパ高い「ランチ32」や漫画のラベルで人気を呼んだ「オツド・ロット」などを作っているワイナリーです。
sunny wine
新しいブランドの名前は「Sunny with a Chance of Flowers」。価格は16.99ドル。2019年のソーヴィニヨン・ブラン、2018年のシャルドネとピノ・ノワールがあります。すべてモントレーのサステナブルな自社畑のブドウを使っています。

独自の醸造技術を使い、カロリーはグラス一杯(140グラム)で85カロリーと約3割減。アルコール度数は9パーセントです。

コアなワインファンは「こんなマニピュレートされたワインなんて」と思うかもしれませんが、私は大いに「あり」だと思います。若い世代をワインに呼び込むためには、低カロリーも低アルコールも必須です。敢えていうなら缶入り版も一緒に出して欲しかったところ。パッケージも変わらなければワインは遺物になってしまうでしょう。
Date: 2020/0621 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパの名門ワイナリーであるBVことボーリュー・ヴィンヤードのワイナリーツアーが、オンラインで日本人向けに開催されます。主催はBVの親会社の日本法人であるトレジャリー・ワイン・エステーツ・ジャパンです。
BV
開催日時は7月11日(土)12:00~13:30。参加費は視聴のみなら500円。ワイン送付込みなら5500円。いずれも税込みです。

ワインはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとプレステージ・シャルドネの2本が付きます。

内容は
 ・ボーリュー・ヴィンヤードの歴史
 ・カリフォルニア・ナパの畑、気候など
 ・ワインメーカーや哲学
 ・テイスティングしながらワイン紹介
 ・ワイナリーの裏話等
 ・質問コーナー

ワインメーカーのトレヴァー・ダーリン自らが説明をするというなかなか贅沢なイベント。ワイン付きは限定36名です。

申込みはこちらから。
【オンラインワイナリーツアー】カリフォルニア・ナパの歴史あるワイナリー「ボーリュー・ヴィンヤード」を巡る(ワイン付き/視聴のみ オンラインワインイベント) | Winomy-ワイノミ- ワイン持ち込みOKのお店が探せるグルメサイト
Date: 2020/0620 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ロバート・モンダヴィといえば、カリフォルニアワインファンなら誰でも知っている名前ですが、そのワイナリー開設50周年記念として最初に作られたのが「マエストロ」なる赤ブレンドです。ボトルにエッチングされたデザインは、このワイン唯一のもの。50周年となる2016年にリリースされたため、最初のヴィンテージが2013年。そして、現行は開設50周年に作られた2016年のものとなります。

これまでも、セールでは税抜き5000円台になることもあるという比較的リーズナブルな価格でしたが、2016年は税込みでも5000円台。ワイナリー価格の50ドルと比べても実質安くなっています。

しかも2016年はワイン・エンスージアストで93点、ワイン・スペクテーターで92点という高評価。58%がカベルネ・ソーヴィニヨンで、残りがメルローとカベルネ・フランでどちらも21%という構成。カベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインよりも柔らかい味わいで、飲みやすいです。

モンダヴィはリザーブのカベルネ・ソーヴィニヨンなども実はかなりお買い得なのですが、現時点ではこれがお買い得度トップだと思います。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ロバート・モンダヴィ・ワイナリー マエストロ 2016 750ml
価格:5500円(税込、送料別) (2020/6/20時点)




Date: 2020/0619 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
スパークリング・ワイン「ウルトラマリン(Ultramarine)」は相変わらず、入手がほとんどできないワインの代表格となっていますが、マイケル・クルーズが作るもう一つの瓶内二次発酵によるスパークリングワインが国内入荷されています。

ウルトラマリンがソノマ・コーストの銘醸畑チャールズ・ハインツのみで作られているのに対し、こちらの「クルーズ トラディション」はローリック、リタズ・クラウン、アルダー・スプリングスの3つの畑。北はメンドシーノ、南はサンタ・バーバラとオールカリフォルニアの布陣です。

ちなみに、クルーズ・ワインではペティアン・ナチュレル(ペットナット)に分類される微発泡のワインもいくつか作っており、こちらではヴァルディギエやサンローランといったマイナー品種も使っています。ニューカリフォルニアの旗手の一人として面目躍如たるところです。

Date: 2020/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
david pearson
2004年からオーパス・ワンのCEOを務めていたデヴィッド・ピアソンが電撃辞任しました。ハーラン・エステートなどのワイナリーを持つビル・ハーランの新しいプロジェクトに参加するとのことです。

デヴィッド・ピアソンは1990年代初頭からバロン・フィリップ・ド・ロートシルトの米国マーケティングを担当し、1996年からはロバート・モンダヴィで働きました。

オーパス・ワンのCEOになってからはブランド価値の強化に務め、ワインメーカーにマイケル・シラッチを登用して品質も改良。2000年代初頭の「有名で、価格は高いが、品質はもうひとつ」というイメージを覆し、トップレベルの品質に到達しました。販売ルートもボルドーのネゴシアンを経由する形に切り替え、レストランなどからの横流しを厳しく取り締まりました。

今後はビル・ハーランの新プロジェクトに関わっていくとのことですが、新プロジェクトの立ち上げまではメドウッド・リゾートおよび会員制のワインづくりプロジェクトであるナパ・ヴァレー・リザーブのセールスを担当するとのことです。

オーパス・ワン側の後任などについては発表されていません、
Date: 2020/0617 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
リッジがなんと1971年以来47年ぶりにピノ・ノワールを作りました。早速試飲しましたので報告します。


畑はサンタ・クルーズの町から東の方にいったところにある「コラリトス(Corralitos)」のガリ・ヴィンヤード(Gali Vineyard)。AVAとしてはサンタ・クルーズ・マウンテンズの枠外になります。サンタ・クルーズ・マウンテンズは標高で領域が決まっていますが、それよりも下、つまりより海に近いところにある畑です。太平洋からは約10kmで、間に遮るものがないので、霧などの影響はかなりあるはずです。ガリ・ヴィンヤードのサイト(Vineyard — Gali Vineyards)によると午後は風が吹いて霧が消えることで温度が上昇し、朝と昼との気温差は20℃近くにもなるとのことです。

非常にユニークなのは、樽熟成でアメリカンオークの樽を使っていること。84%がアメリカンオーク、16%がフレンチオークとなっています(新樽率は15%)。ピノ・ノワールでは異例ですが、リッジはシャルドネを含むほかのワインでもアメリカンオークを使っていますから、そこには自信があるのでしょう。

実際に試飲してみると、赤系果実の味わいに、アメリカンオーク由来かと思われる甘やかさと、バランスの取れた酸があり、とても飲みやすく万人受けするピノ・ノワールだと思いました。

トマトと牛肉をすき焼き風味で煮て、山椒でアクセントを付けて合わせてみたのですが、すき焼きの甘さと山椒のスパイス感によくあって、美味しかったです。



Date: 2020/0616 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ジンファンデルの名門といえば、かつては3Rとか4Rと言われたワイナリーがありましたが、今でもその中で元気なのはリッジだけと言っていいでしょう。その後90年代末のカルトワインブームと同調して濃厚なジンファンデルで独自の地位を築いたのがターリー(Turley)です。

今のワインメーカーであるティーガン・パサラクアに代わってからは、かつての濃厚スタイルからバランスの取れたワインに変貌を遂げていますが、高評価を続けていることや古木の畑を中心に数十の単一畑ワインを作り続けているのはすごいことです。

古木の畑は生産性が低く、また樹齢や病気などによって畑の一部の植え替えがよぎなくされることもあります。ターリーの入門的位置づけになるジュヴナイルはそういった若木のブドウで作ったワイン。これも古木の畑を守っていくために重要なワインなのです。

2017年のジュヴナイルはスペクテーター92点、ワイン・アドヴォケイト91+、ヴィナスで89点という高評価。点が低く思えるヴィナスでも「リッチで品種の特性がよく出ており、とにかくおいしい」と表現しており、古木の複雑さはないにしろ、とてもいいワインであることが伺えます。

Date: 2020/0615 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
2019年は現地価格以下の掘り出し物ワインが数多く日本に入ってきました(ピノ、シャルファンは歓喜、2019年の掘り出し物ワインまとめ)。

その一つであり、注目の生産地であるペタルマ・ギャップのケラー・エステートのシャルドネが、同等価格のまま2016年ヴィンテージに変わりました。ワイン・アドヴォケイトで90点と高評価を受けていますが、ワイナリー価格39ドルに対して、税込みで3200円台、税抜きなら2000円台という安さです。

ピノ・ノワールもヴィンテージは2012年のままですが、再入荷しています。

Date: 2020/0613 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・サーチャーが、オークション・ハウス「アッカー・メラル&コンディット」が偽造疑惑のあるロマネ・コンティをオークションのリストから外した話をレポートしています(DRC Withdrawn from Auction After Protest)。
AM
(写真はアッカー・メラルにおけるもの)

このワインは1924年のロマネ・コンティとしてオークションにかけられる予定だったもの。しかし、ラベルが手書きのものであることや、ボトルが19世紀に使われていたが1920年代にはもう使われていなかった、表面にしわのあるタイプであることから、カリフォルニアの弁護士がリストからはずすよう再三依頼し、結局おろされたとのことです。

ただ、疑惑はまだあり、このワインを出品していた人は匿名の収集家で、同じオークションにほかにも50に上るロットを出品しています。

ワインの偽造といえば2012年に有罪判決が出たルディ・クルニアワンの事件が有名です(参考:ルディ・クルニアワンの偽造ワイン、未だ600億円分以上が市場に出回る)。参考記事に記したように、いまだにワイン業界はこの事件の後遺症を引きずっています。

アッカー・メラルは2005年のカタログにおいて、ルディ・クルニアワンを絶賛しており「ワインを実際に検証している」コレクターだとしています。また、「何十年もの経験があり」とも記述していますが、クルニアワンは当時28歳であり、そこから既に記述の信頼性は失われています。

ワイン・サーチャーは、同じ出品者による他のロットについてや、同社がどういうチェックをしているのかなど、追加の質問をアッカー・メラルに送りましたが、返事は来ていないとのことです。
Date: 2020/0612 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
故ロバート・モンダヴィが最後に手掛けたワイナリーであるコンティニュアム(Continuum)が2016年ヴィンテージでアントニオ・ガッローニのヴィナスと、ジェームズ・サックリングの2媒体で100点を獲得しました。サックリングでは2015年も100点を取っていますが、トップ2メディアと言っていいヴィナスでの100点は初めて。ワイン・アドヴォケイトでも過去最高の99点となっています。既に輸入元は完売で、後は市中在庫のみとのこと。

コンティニュアムのセパージュの変遷を見ると、実はこの評価の特に高い2ヴィンテージではカベルネ・ソーヴィニヨンは半分を切っていて、カベルネ・フランが30%以上も使われています。
コンティニュアムセパージュ

下の図はヴィナスとワイン・アドヴォケイトの評価の遷移。
コンティニュアム評価

プリチャード・ヒルの一番西寄りの地域にあるコンティニュアムやコルギン(Colgin)、オーヴィッド(Ovid)はいずれもナパの中ではかなり多くカベルネ・フランを使っています。例えばコルギンのIXエステートでは20%近くのフランが入ることが多く、オーヴィッドのヘキサメーター(Hexameter)はカベルネ・フランを中心とするブレンドとなっています。

この地域と土壌的に連続性があるオークヴィルの東の斜面でもダラ・ヴァレ(Dalla Valle)のマヤ(Maya)が、カベルネ・フランを多く使っていることで知られており、個人的にはこのあたりが世界でも最高レベルのフランが取れるところではないかと思っています。

コンティニュアムの2015、2016でフランの比率が上がっているのがヴィンテージの特性によるものなのか、それ以外の意図もあるのかは不明ですが(2017ではまた下がっているのでヴィンテージの特性の可能性が高いのかもしれません)、カベルネ・フラン好きとしてはとても気になるワインです。

Date: 2020/0611 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Oregon Wine Board
オレゴン州のワイン業界の団体「オレゴン・ワイン・ボード」は2020年6月10日、米国における「ブラック・ライブズ・マター(Black Lives Matter)」の動きに呼応して、改めて人種差別の撤廃と平等の推進をしていくと宣言しました。

4項目からなる宣言の内容は以下の通り。

組織開発と説明責任
オレゴン・ワイン・ボードの役員とスタッフは、人種差別が歴史的かつ現在私たちの産業を形作っている方法をよりよく理解することを含む、公平性と包括性のトピックに関する教育とトレーニングに参加することを約束します。

私たちは知事の多様性、衡平性、包括性のスタッフと協力して、プロのパートナーが見つかるまでの間、彼らの援助を受け、夏の終わりまでに最初のトレーニングプログラムを完了する予定です。これは、反人種主義と公平性の原則を組織の文化により完全に組み込むための取り組みの最初のステップです。

オレゴン・ワイン・ボードの多様性を高めるため、スタッフ、委員会を募集します。組織のベンチマークを設定して、進捗状況を追跡および報告できるようにします。

プログラムとパートナーシップの代表
私たちは、すべての視聴者とチャネルにわたるメッセージングで、人種と性別の表現の多様性を確保します。

これは、オレゴンワインの新しいブランドアイデンティティの開発に着手する際に特に関係があります。この重要なプロジェクトのパートナーを選択する際には、多様性と公平性に対する企業の取り組みを考慮します。イベント請負業者から地元の印刷業者、そしてその間の全員まで、私たちが関わるすべてのパートナーに対してこれを行います。

声を増幅する
私たちは、少数民族が所有するオレゴンのワイン事業のリストを収集して維持し、パートナーと協力して少数民族が所有する観光事業を拡大します。これらのリソースは、メディアや消費者と共有します。

メディアツアーのためにオレゴンに招待する人々を含む、私たちのソーシャル・スペースとメディアプロフェッショナルの多様性のために採用します。

ワイン専門家のための開発機会
私たちは、有色人種のワイン専門家のための奨学金プログラムを実施し、オレゴンワインシンポジウムへの出席と州内の他のワイン教育の機会を設けます。このプログラムの詳細を今秋に発表します。

私たちは、貿易および産業向けの教育サービス全体にわたって、多様なプレゼンターと参加者を募集するよう努めます。
Date: 2020/0610 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワインあとりえにリヴァース・マリーのピノ・ノワール プラット・ヴィンヤード2018が入荷しています。

ヴィナスのアントニオ・ガッローニがカリフォルニアのピノ・ノワールとして初めて100点を付けたワイン(ちなみにブルゴーニュのピノ・ノワールでは2005年のラ・ターシュなど4本)です。

とても凝縮感がありリッチですが重さを全く感じないワインだとのこと。「このワインを見つけた読者は躊躇するべきではない、本当に素晴らしいワインだから」と書いています。

シャルドネとのセットですが、こちらの2018年ティエリオットも95点と高評価です。

記事執筆時点で残り4セットですが、追加はないのでお早めに。

Date: 2020/0610 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・スペクテーターの記事によると、ソノマのチョークヒル(Chalk Hill)などのオーナーであるビル・フォーリー(Bill Foley)が、ソノマのドライ・クリーク・ヴァレーにある人気ワイナリー「フェラーリ・カラーノ(Ferrari-Carano)を買収することで同意したそうです(Exclusive: Bill Foley Expands Empire with Sonoma Jewel Ferrari-Carano | Wine Spectator)。
ferrari-carano
ビル・フォーリーは90年代にサンタ・バーバラでリンコート(Lincourt)やフォーリー・ワイン・エステートを設立したのに始まり、数々のワイナリーを買収してきました。中には現在、拠点を構えるソノマの名門チョークヒルやソノマ・ヴァレーのセバスティアーニ(Sebastiani)、ナパのメラス(Merus)、セントラル・コーストのシャローン(Chalone)といった有名ワイナリーが含まれています。

フェラーリ・カラーノはリノ(Reno)でカジノ・リゾートなどを経営するカラーノ夫妻が1981年に設立したワイナリーでフュメ・ブランやシャルドネなどが人気。ワイナリー自体もきれいな庭や豪華な建物で人気観光地になっています。

ビル・フォーリーによると、フェラーリ・カラーノのフュメ・ブランは15ドル以上、シャルドネは20ドル以上で売られており、フォーリーのポートフォリオのプレミアム化に役立つとのこと。

また、生産設備を2つ持っており、設備老朽化でリニューアルを迫られているセバスティアーニを補完することもメリットです。

買収金額は公表されていませんが、2億5000万ドル程度と見られています。
Date: 2020/0609 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先日、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどが、ワイナリーのテイスティングルームの早期再オープンを訴えているという話を書きましたが、6月5日に急遽ニューサム州知事が再オープンを認めることになりました(Relief All Round as Napa Reopens | Wine-Searcher News & Features)。

実は、私も勘違いをしていたのですが、当初テイスティングルームの再オープンに食事のサービスが必要となっていたのは全カリフォルニアではなくナパだけの話だったようです。既にソノマではテイスティングルーム再オープンが認められていたとのこと。最終的に再オープンを認めるのは郡によるので、このあたり地域ごとに対応が違っていて、わかりにくいです。

ともかく、ナパもようやく再オープンが認められたのでこれから順次ワイナリーも開いていくことになるでしょう。

また、食事の提供をしているV. サトゥイ(Sattui)などは既にテイスティングを開いています。ただ、テイスティングルームに入れる人数は、これまで認められていた人数の20%までとかなり厳しく制限されています。

このほかにもいろいろと厳しい手順に沿わなければいけないので、ワイナリー側も準備や従業員の教育など、簡単には再オープンできない事情もあるようです。

また、人数制限のこともあり、当面はテイスティングは予約した人のみということになります。ワイナリーに行く際は必ずワイナリーごとに確認して予約してから行くようにしてください。
Date: 2020/0608 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
先日紹介したワイナートのカリフォルニア・ピノ・ノワール特集で取り上げられていたワイナリーの一つがオー・ボン・クリマ(Au Bon Climat)です。筆者の立花さんは「筆者は常々、オー・ボン・クリマのワインはその極めて高い品質に比べて、価格付けが穏当、というか、はっきりいて『まあ、なんてお買い得!』と感じてきた人間のひとりだ」とそのコスパ具合を紹介しています。

私も今年2月の記事「ガッローニ96点で5000円台のピノか95点で4000円台のシャルドネか」で「実はカリフォルニアのシャルドネ、ピノ・ノワールの中でも抜きん出て、と言っても過言ではないくらいコスト・パフォーマンスが高いのがオー・ボン・クリマです」と書いており、立花さんには全面賛同しております。

さらにオーナーのジム・クレンデネンによると、フラグシップのピノ・ノワールであるイザベルについて「イザベルは、次のヴィンテージが25年目になる。名前の由来になった長女が、この春25歳になるからな。25年間、俺はこのワインの価格を1ドルたりとも値上げしなかった」とのこと。

私がカリフォルニアのピノ・ノワールを飲み始めた1990年代末のころ、イザベルの価格は1万円前後。当時は堀賢一さんが著書の中でDRCと間違えそうになったワインとして紹介したことでなかなか手に入らないワインでもあったのですが、今の価格は6000円台と、国内で見たらむしろ安くなっています。その頃、同じくらいの価格だったナパのカベルネなどは2倍3倍の価格になっているのが当たり前ですから、オー・ボン・クリマのコスパ具合は群を抜いています。

特に2016年はイザベルと、弟の名前を付けたノックス・アレキサンダーのどちらもがヴィナスで96点という過去最高の評価。ノックスはまだ国内は2015年までのようですが、イザベルは2016年も入ってきています。エレガント系が好きならイザベル、骨格がしっかりしたピノ・ノワールが好きならノックスがお薦めです。


ノックス2014はヴィナスで94、2015は93。評価がやや低い2015でさえ「絶対的にゴージャス」と書かれています。

Date: 2020/0606 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン雑誌「ワイナート」の2020年夏号でカリフォルニア・ピノ・ノワールの特集が掲載されています。同誌の巻頭特集でカリフォルニアワインが取り上げられるのはなんと創刊号以来とのこと。約25年ぶりということで、なんの関与もしていな私も感無量です。
ワイナート
それだけ取り上げられなかったのは最初の号、よほど売れなかったんでしょうねえ……。遠い昔、「カリフォルニアワインのファンクラブ」の初期のころに、当時の編集責任の方が「カリフォルニアワインなんて取り上げても売れないからやらない」というような旨のことを書かれていたのを思い出しました。

というわけで、今回売れないと、また今後25年、巻頭特集にならないかもしれないので、みなさまぜひ立ち読みで済まさないで買ってください。

内容はむちゃくちゃ濃いです。執筆は私も大変お世話になっている立花峰夫さん。この記事を書いた後、体調を崩して入院してしまったというほど力を入れています。北はソノマ・コーストのリトライやハーシュ、南はサンタ・バーバラのオー・ボン・クリマやドメーヌ・ド・ラ・コートまで、10個のワイナリーがテイスティング・コメントも含め、詳しく取り上げられています。

立花さんの文章もいいですが、さすがワイナート、写真もきれいです。

さらに第2特集では「ピノ生産者が手掛けるカリフォルニアワイン」。こちらも結構知らないことが載っていてびっくり。ロバート・シンスキーが日本に輸入されえちるのもしらなかったし、それになんといっても驚いたのがあのリッジがピノ・ノワールを作っているという話。

ページ数は全部で56ページ。絶対損にならないというか永久保存版ですので、繰り返しますが、カリフォルニアワインファンの方はぜひ買ってくださいませ。


[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

Winart (ワイナート) 2020年 07月号 [雑誌]
価格:1980円(税込、送料無料) (2020/6/6時点)

Date: 2020/0605 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
高級ワインを作るワイナリーは375mlのハーフボトルをもっと考えるべきだとワイン・ジャーナリストのW.ブレイク・グレイが提言しています(Considering the 375 ml Format: The Case for the Alternative ...)。

著名な業界アナリストのロブ・マクミランは若い世代や一人暮らしのコンシューマーにとって、ハーフボトルはより魅力的だとしていますが、グレイはそれよりもサンプル目的などで増やすべきとしています。

フェラーリ・カラーノ

コロナ禍において、ワイナリーはサンプル・ボトルの出荷を大幅に増やしています。ソノマのフェラーリ・カラーノは従来からフュメ・ブランの2%ほどをハーフボトルで売っていましたが、近年はシャルドネも追加するとともに、フュメ・ブランのサンプルはすべてハーフボトルに変更しました。これはとてもよく受け入れられているといいます。

また、レストランもテイクアウト用にハーフボトルを増やしているといいます。

以前から、リゾート地などでは飲みきりサイズの酒類が人気でしたが、これまでワインはそこにほとんど入っていませんでした。ハーフボトルはそういった需要もあります。

飲みきりという観点からすると、飛行機で提供されているような1/4サイズ(187ml)のボトル、という考えもありそうですが、このサイズになると、スクリューキャップも一般的なサイズではなく専用のものになったり、これまでのボトル詰めの機械が使えないなど、パッケージにかかるコストが非常に大きくなってしまいます。ハーフボトルの場合はコルクやスクリューキャップなどはフルボトルと同じサイズであり、同じボトル詰めの機械が使えます。フェラーリ・カラーノによると、サイズを切り替えるためのコストである300ドルがかかるだけで、後は変わらないとのこと。

ただ、ワインの量が半分になってもパッケージのコストは下がらないため、ハーフボトルが割高になるのは否めません。そういう意味では安ワインよりも30ドル以上する高級ワインに向くとしています。

缶入りのワインでは375mlよりも250mlのニーズの方が高いという話も、以前紹介したことがあります。ワインでもパッケージの小型化は徐々に進んでいくのでしょうか。このコロナのパンデミックが一つのきっかけにはなりそうです。
Date: 2020/0604 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ダックホーンが日本のワインショップやレストランを対象に特別価格でセットを販売できるようにしています。

参加しているショップの一覧はこちら。
ダックホーン・サポート・プロモーション参加店 – 中川ワイン – カリフォルニアワイン

例えば横浜のショップ坂口屋ではデコイのスパークリングを含む4本のセットで税込み1万1000円。27%オフとなっています。


カリフォルニアワインあとりえでは、セットの割引に加え送料無料で各種セットを販売しています。
ダックホーン系各種送料無料セット
Date: 2020/0603 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
「Black Lives Matter」や「Black Out Tuesday」でのSNSにおける投稿がワイン業界にも広がっています。ジョージ・フロイド氏の警察による拘束死(殺人)に端を発した抗議です。

ニューヨーク・タイムズの記事の動画に、何が起こったのかつぶさに紹介されています。ひどい話でいたたまれませんが、こういった動画がちゃんと公開されるということに一抹の健全性を感じます(さまざまな疑惑が闇に葬られている日本と比べると)。
8 Minutes and 46 Seconds: How George Floyd Was Killed in Police Custody [Video] - The New York Times








Date: 2020/0602 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
Brand
ナパのプリチャード・ヒルにあるワイナリー「ブランド(Brand)」が粋なプログラムをこの5月6月に行っています。ブランドの赤ワイン「ブリオ(Brio)」をワイナリーから購入すると、その購入した人が選んだ救急の人に、同じボトルをプレゼントするというもの。ワインは1本150ドルするものです。ワインには購入した人によるメッセージカードが付けられるとのことです。

ワイナリーのインスタグラムには、プレゼントされたボトルを持つ医療関係者の写真がいくつか挙げられています。

このパッケージの注文はこちらからです。
FromBRANDwithLove | www.brandnapavalley.com
Date: 2020/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパ郡や、ナパのワイナリーのケイマスがワイナリーの早期再開を求めてアクションを起こしています(Napa County CA asks Newsom to lift restrictions on wineries | The Sacramento BeeNapa Valley winery Caymus Vineyards seeks court help to speed reopening of California's tasting rooms)。

ナパなど、カリフォルニアの多くの地域では、ニューサム州知事のいう「フェーズ2」の外出制限措置解除に入っています。フェーズ2の前期では様々なショップ(飲食店を除く)で店舗前での商品の受け渡しやデリバリーができるようになり、後期ではレストランなども一定の条件を満たした上でオープンできるようになりました。ワイナリーも食事を提供する場合はレストランと同様の扱いになりますが、食事を提供しない場合は対象外となっています。

これが理不尽だと主張しているのがナパ郡やケイマスです。ナパ郡はカリフォルニア州あてに、ワイナリーの早期再開を求めて請願を出しており、ケイマスは州の厚生担当のソニア・エンジェルを、ワイナリーを除外したのは憲法違反だとして提訴しています。

カリフォルニアでは日本より1カ月早い3月上旬からシェルター・イン・プレイス(SIP)に入っていますから、もうじき3カ月となるところで、かなりフラストレーションが溜まっているところだと思います。
Date: 2020/0531 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
輸入停止になったフリーマーク・アビー(Fremark Abbey)のメルローがしあわせワイン倶楽部で格安になっています。税込み4928円はワイナリー価格45ドル(税抜き)より安く、現地のリテール価格の37ドルと比べてもさほど変わらないレベル。

フリーマーク・アビーと言えば、パリスの審判でもカリフォルニア代表のワインの一つとしてカベルネ・ソーヴィニヨンが選ばれていた名門の一つ。2016年に行われた40周年記念の再戦では1位に選ばれています(ヴィンテージは69年のもの)。輸入停止はちょっと寂しいです。

2015年は評論家のレビューは見当たりませんが2016年のメルローはワイン・アドヴォケイトで92点(2014年は88点)。リッチでスパイス感がありかなり美味しいメルローのようです。

ちなみに、2015年のカベルネ・ソーヴィニヨンはワイン・アドヴォケイトで94点。税込み8000円台としてはかなり高い得点です。

どちらも現品限りとなりますのでお早めに。

Date: 2020/0530 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
フォース・リーフ
ロバート・モンダヴィ・ジュニアとアンジェリーナ・モンダヴィの共同プロジェクト「フォース・リーフ(Fourth Leaf)」が活動をやめると発表しました。ロバート・モンダヴィ・ジュニアは故ロバート・モンダヴィの長男マイケルの息子、アンジェリーナ・モンダヴィは故ロバート・モンダヴィの弟の故ピーター・モンダヴィの孫にあたります。二人とも移民一世であるチェザーレ・モンダヴィ(ロバートとピーターの父)から数えて4世にあたるため、「フォース」の名前が入っています。

もともと、フォース・リーフはステーキハウス「モートンズ」の企画として2010年に始まったものでしたが、その後もワインを作っていました。10年を区切りとして今年でやめたようです。

アンジェリーナは今後はダーク・マター(Dark Matter)やエイロフト(Aloft)といったブランドに注力します。ロバート・モンダヴィ・ジュニアはマイケル・モンダヴィやワイ・バイ・ヨシキ(Y by Yoshiki)などのほか、夫婦で作っているラトリッジ&ヴァイン(Rutridge and Vine)などを今後も続けます。

こちらも修正しないと。
【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜
Date: 2020/0529 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
2016年は、問題らしい問題のほとんどなかった年。過去最高のヴィンテージと言ってもいいでしょう。ワイン・アドヴォケイトでは38本もの100点ワインが出ています。ここではワイン・アドヴォケイトとヴィナスで100点のワインの中で税込み3万円台までで買えるものを集めました。

ケークブレッド(Cakebread)のフラッグシップ「ダンシング・ベア・ランチ」がついに100点です。


近年高評価が続いているダイヤモンド・クリークのグレヴリー・メドーです。


スポッツウッドの2016年はワイン・アドヴォケイトとジェブ・ダナックでダブル100点。


ワイン・アドヴォケイトでは99点ですが、ヴィナスで100点のコンテュニュアム2016。


以前記事でも紹介したヴァイン・ヒル・ランチ。グロワーとして知られていますが、ついにワイナリーとしてもヴィナスで100点です。

Date: 2020/0528 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コスパ・レッド・ブレンドとしてもはや定番になった689(シックス・エイト・ナイン)セラーズ。そこから新しいレッド・ブレンド「キラー・ドロップ」が国内に輸入が始まりました。

689がジンファンデルとカベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、シラー、プティ・シラーのブレンドであるのに対し、キラー・ドロップはグルナッシュ、プティ・シラー、シラー、メルローのブレンド。だいぶローヌ感がましています。おそらく689よりもさらに飲みやすさ重視のブレンドになっているようです。

689にはほかにもサブブランドとして「サブミッション」があり、カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが輸入されています。こちらも2000円台前半としては非常に高く評価されています。

今回のキラー・ドロップはまだ試飲していませんが、689やサブミッションのできから言って、まずいはずがありません。ちまたではオリン・スイフトの「アブストラクト」に品種構成やラベルデザインが似ているという話も出ていますが、アブストラクトは日本では1万円以上なのに対し、こちらは3000円台。実は米国での価格はそれほど変わらないので、こちらの方がはるかにそそられます。

Date: 2020/0527 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

デュモル(DuMOL)のワイン、実は以前からすごく好きです。かつて「デュモル復活と聞いて鼻血が出そうになった」という記事を書いたことがあったほど。特にシャルドネはオーベール(Aubert)とかピーター・マイケル(Peter Michael)とかと並ぶレベルではないかと思っています。シャルドネのビッグなんとかといったリストにはあまり名前が上がりませんが、かのロバート・パーカーも「好きなワインの中で、シャルドネではトップ6、ピノ・ノワールではトップ12に入る」と言っているほどなのです。

前置きが長くなりましたが、先日のシルバー・オークに続き、デュモル(DuMOL)のウェブセミナーの報告です。ワインメーカーのアンディ・スミス自身の説明という贅沢さ。

デュモルは今年25周年で、アンディ・スミスにとっても22年めになります。かつては、購入ブドウによるワインだけでしたが今は20もの自社畑を持っています。中でもロシアン・リバー・ヴァレーの南西部、標高100~400メートルほどのやや高いところにある畑にこだわって作っています。アンディ・スミスは「自分は(ワインメーカーであるよりも)農夫だと思っている」と今では栽培に最も力を注いでいます。ピノ・ノワールはすでにすべて自社畑。シャルドネはハイドやチャールズ・ハインツ、リッチーといった超有名畑との関係が昔からあるため、それらを維持しつつ自社畑の比率を上げています。クオリティに対してすべての責任を取るためにも自社畑は増やしていきたいとのことでした。

マップ
これは畑のマップ(太平洋側から見たところ)です。小さくてわかりにくいですが、グリーン・ヴァレーのあたりに畑が集中しているのが見て取れると思います。標高にこだわる理由としてアンディ・スミスは「明るくて酸がしっかりして凝縮感もあるワインになる」ことを挙げていました。また、土壌としてゴールドリッジの畑にもこだわっています。砂の成分が多くて水はけがよく、ブドウの粒が小さくなり凝縮感が増すと説明していました。

このほか、ブドウのクローンとしては単一のクローンではなく、既存の畑のカッティングを使った「マサル・セレクション」を選んでいます。シャルドネはオールド・ウェンテやマウント・エデン、ハイド、ピノ・ノワールではカレラ、スワン、マウント・エデンを使っているとのこと。

畑においては「土地を耕さない」「灌漑をしない」「ブドウを過熟させない」ことを決めています。できるだけオーガニックに作っていますが、グリーン・ヴァレーは夏に湿度が高くなるため、防カビ剤を少量使うときもあるそうです。

試飲はシャルドネ、ピノ・ノワール、カベルネ・ソーヴィニヨンの順です。
最初はハイランド・ディヴァイド シャルドネ 2016。
60% デュモル・オコーネル・エステート・ヴィンヤード (DuMOL O’Connel Estate Vineyards), 40% モレッリ・レーン・ヴィンヤード (Morelli Lane Vineyard)

レモンやオレンジピールの柑橘系の味わいにカスタード、ブリオッシュ、クリームブリュレなど上品な樽の風味。火打ち石、湿った石。余韻長くすばらしいです。やっぱりデュモルのシャルドネは好きです。

次はハイランド・ディヴァイド ピノ・ノワール 2016。
63% デュモル・コーヒー・レーン・エステート (DuMOL Coffee Lane Estate) 37% デュモル・オコーネル・エステート・ヴィンヤード (DuMOL O’Connell Estate Vineyards)
15~35%ホールクラスターを使っており、フレッシュネスとテクスチャを両立しています。
レッド・チェリー、ラズバリー、ストロベリーといった赤系果実の味わいにトースト、リコリスなど。まだ若さを強く感じますがいいワインです。

カベルネ・ソーヴィニヨンはソノマのムーン・マウンテンAVAにあるモンテシーヨ・ヴィンヤードという畑から。1964年に植えられたという古木の畑です。
モンテシーヨ ヴィンヤード ムーン・マウンテン(ソノマカウンティー) カベルネ・ソーヴィニヨン 2014

アンディ・スミスが「ここはカリフォルニアで最も素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンができる畑」と呼ぶところで、標高700メートルにある急勾配の畑です。畑の上からはゴールデンゲートブリッジが見えるという場所。オーガニックで灌漑なしに栽培しており、ブドウの粒は小さく皮は厚くなります。
これはとても複雑な味わいのワイン。コーヒーやタバコ、トースト、土、グラファイトといった風味が前面に出ており、ブラックベリーやブルーベリーなどの果実味が魅力を引き立てます。正直、デュモルでカベルネ・ソーヴィニヨンは試飲するまでシャルドネやピノ・ノワールほどはそそられるものがなかったのですが、これは素晴らしいワインです。この日一番の発見といってもいいかもしれません。

デュモル、久々に試飲しましたが、やっぱりいいですね。非常にレベルの高いワインを作っています。その割には価格もまだそこまで高騰していないので狙い目の一つになります。

JALUXのYouTubeチャンネル

Date: 2020/0526 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会が日本向けのウェビナーを5月28日から、4回のシリーズで開催します。開催時間が正午から45分と、受講しやすくなっているのが特徴です。先月開催されたフリーマンのアキコさんのウェビナーが非常に好評だったことから、日本向けのウェビナーを拡充することにしたようです。ただし、アキコさんのときは同時通訳が付いたのに対し、今回は通訳なし。後日英語字幕付きのものが公開されます。

Freeman

【Inside California Winemaking ~ カリフォルニアのワイン造り、その内側 ~】
開催日時: 5月28日(木)から隔週木曜日、正午12:00~12:45
スケジュールとゲスト: ( )内はワイナリー名
5月28日 ネイト・ヴァイス (シルヴァー・オーク&トゥーミー)
6月11日 マイケル・エディ (ルイ・マルティーニ)
6月25日 シャンタル・フォーサン (フラワーズ)
7月 9日 グレッグ・ブリュワー (ブリュワー・クリフトン)

申込みはこちらから(無料です)
Date: 2020/0525 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
シルバー・オーク/トゥーミー(Silver Oak/Twomey)のウェブセミナーを受講しました。インターナショナルのセールス・マネージャーであるヴィヴィアン・ゲイさん(この方とは毎年のようにお会いしています)に加え、なかなか来日はしないワインメーカーのネイト・ヴァイスさんも登場するという、ウェビナーならではの豪華な布陣で面白かったです。

「7日間ワインチャレンジ」第5日」でもシルバー・オークを取り上げたように、個人的に思い出深いワイナリーであり、アカデミー・デュ・ヴァンの講座でもシルバー・オーク/トゥーミーだけの回をやっており、このワイナリーについては相当詳しいと自負しています。

それでも実は今回初めて知ったのが名前の由来。
Dunkun Meyer
実は設立当初は「Dunkan Meyer」というワイナリー名でした。レイ・ダンカンという人とジャスティン・マイヤーという人が設立したのが名前の由来ですが、「ドーナツ屋みたい」ということであまり評判がよくなかったそうです。そこでジャスティン・マイヤーの妻のボニー(かつてはボニーズ・ヴィンヤードというフラッグシップの畑で名前が使われていました)が考えた名前がシルバー・オーク。近くを通るシルバラード・トレイルとオークヴィル・クロスロードから拝借した名前だそうです。レイ・ダンカンはそのときコロラドに住んでいたそうですが、思いついてすぐ電話をして即決だったとか。確かにダンカン・マイヤーよりは覚えやすいし数段いい名前だと思います。名前って大事ですね。

シルバー・オークの設立当初からの3つのポリシーは「カベルネ・ソーヴィニヨンだけを作る」「アメリカンオークを使う」「ワインの発売時期を遅くして、発売すぐでもおいしく飲めるようにする」。今もこれを貫いています。

他のワイナリーと一線を画すのがアメリカンオーク(ほかにはリッジがアメリカンオークを使っていますが、あとはほとんど目にしません)の樽を使うこと。アメリカンオークはヴァニラの風味やウイスキーラクトンという香りが比較的強いそうです。自社好みの樽に仕立てるため2015年にはミズーリ州にある樽工場を買収しています。
クーパレイジ
これは樽を焼いているとこの写真ですが、直接火をあてず、間接的な炎で焼くことで焼き具合をコントロールしているそうです。樽の風味は何月に焼くかによっても変わるとのことで、いろいろと実験しているそうです。


試飲は2014年のアレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンから。

ヴァニラやココナッツの柔らかいフレーバーに、カシスやブラックベリーの果実味、リコリス、熟成による皮革の風味もでてきています。ミディアムプラスのボディでとても飲みやすい。

カベルネ・ソーヴィニヨンの風味を出しながら、あまり重くならずにすいすい飲めるのが、このワインの魅力で、ほかに似たワインがあまりないと思います。アルコール度数は13.8%と14%未満に抑えています。セパージュは以前はカベルネ・ソーヴィニヨンのみでしたが、近年は数%他の品種もあります。2014年はCS97.7%。新樽率は50%。

次にナパ・ヴァレーの2013年。こちらはCS79%にメルロー15%、カベルネ・フランとプティ・ヴェルドが3%ずつ、とよりボルドー・ブレンドに近い形です。ナパの様々な地域のブドウを使っており、バランスを取るためによりボルドー的な作り方にしています。未リリースの近年のものではマルベックも使い始めているとのこと。地球温暖化への対応も兼ねて、複数品種で味わいを調整しているそうです。新樽率は85%。

アレキサンダー・ヴァレーよりは味わいが濃く、タンニンや香りも強く感じます。カシスやブルーベリーなど青系の果実の風味がより強く、ヴァニラやトーストの風味、リコリス、皮革に加えコーヒーやタバコっぽさもあって複雑さがより増しています。アレキサンダー・ヴァレーと比べるとより「普通」のカベルネ・ソーヴィニヨンに近い風味ですが、よくできていて美味しいです。

さて、トゥーミーからはメルローです。トゥーミー(名前はレイ・ダンカンのミドルネームに由来)はナパのソーダ・キャニオンにある自社畑のメルローが余ってしまい、非常にいいできのブドウだったので、それを使ってワインを作りたいと思ったのが設立のきっかけでした。当時のワインメーカーだったダニエル・バロンはボルドーでペトリュスの経験が長く、メルローには一家言ある人。彼がそのメルローを気に入ったのですから、本物です。また、元ペトリュスのジョンクロードベロエがトゥーミーのメルローのコンサルタントに入っています。

ワイン造りはシルバー・オークとは異なり、フレンチオークを使うなど、ボルドーのスタイルにより近いもの。特にワインの澱を取り除くラッキングは機械を使わず手作業で行っているとのこと。これはナパではドミナスとトゥーミーだけだそうです。その方が香りが素晴らしくなるとのこと。

ここのメルローを試飲したのは久しぶりでしたが、非常によくできています。ナパのメルローとしてはトップクラスの一つと言っていいでしょう。とても余韻も長く、長期熟成も可能だと思います。

ヴィンテージは2014年。メルロー 79.7%、カベルネ・ソーヴィニヨン8.3%、カベルネ・フラン7.9%、プティ・ヴェルド 4.1%。新樽率は30%。

一時間はあっという間でした。普通だったら終わった後でぶら下がりで質問できますが、そういうのがしにくいのはウェビナーの弱点ですね。でもこの状況で試飲付きのセミナーが受けられるだけでも大変な贅沢ですが。

それから、シルバー・オーク/トゥーミーのインポーターのJALUXはYouTubeに動画チャンネルを開設しています。ハーシュのジャスミン・ハーシュなどが登場しており、単に米国向けの動画に字幕を付けるのではなく、オリジナルのインタビューになっています。

JALUXのYouTubeチャンネル

Date: 2020/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ニュージーランドの有名ワイナリー「フェルトン・ロード」が今年の収穫についてのビデオを公開しています。


通常は海外からの労働者に頼っている収穫ですが、今年はコロナで労働者が来れないため、一時は収穫をあきらめかけたこともあったそうです。しかし、ボランティアを募り
バブル
収穫する人たちは2、3人のグループで「バブル」を作り、同じコテージに泊まり、一緒に収穫をします。他のバブルとは2メートル以上の距離を保つことで、バブル間の感染を防ぐという考え方です。ワイナリーで働く人達もキャンピングカーに泊まるなど、基本的にワイナリーにいたまま収穫をしたようです。

ワイナリーでは徹底的に除菌を繰り返し、感染を防ぎました。

今年のワインが美味しくできることを期待したいですね。
カリフォルニアも畑作業など、かなり滞っているのではないかと思っていますが、どうなのでしょうか。
Date: 2020/0522 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ダックホーン・ファミリーの中でリーズナブルな価格帯のワインを作るデコイ(Decoy)が初のスパークリング・ワインを発売しました。ワイナリー価格は25ドルですが、日本でも3000円台とあまり変わらない価格になっています。

デコイはダックホーンのセカンドワインとして誕生しましたが、その後独立したワイナリーになり、現在は基本的にはソノマのブドウから良質なワインを作っています。自社畑と購入したブドウを両方使っており、購入ブドウのソースについては明確に書かれてはいないものの、輸入元の中川ワインから聞いた話では、びっくりするほど有名な畑のブドウも使われています。

ダックホーンの得意な品種であるメルローはもちろん、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなど白ワインも秀逸です。また、ピノ・ノワールでは、ダックホーン傘下に入ったカレラのブドウも使われており、これも品質が向上中です。

今回のスパークリング・ワイン「ブリュット」はカリフォルニアの産地指定であり、どこのブドウが含まれているかはわかりませんが、シャンパーニュと同じ瓶内二次発酵で作られており、最後にワインに足す「ドサージュ」ではナパのシャルドネが使われているとのこと。

カリフォルニアのスパークリング・ワインでリーズナブルな価格帯のものはあまり種類がないので、これは期待大です。


こんなセットも。

Date: 2020/0521 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
今、カリフォルニアで最も注目されるワインメーカーの一人であるヴィヴィアナ・ゴンザレス・レーヴ。過去記事では「SFクロニクルが「ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」を発表」「これは大注目、パルメイヤー前ワインメーカーの個人プロジェクトのピノが日本上陸」「ビビアナ・ゴンザレス・レーヴのワインがすごい!」で紹介していますが、先日も取り上げたウェイフェアラーの前ワインメーカーであり、ウェイフェアラーをトップクラスのシャルドネとピノ・ノワールのプロデューサーに仕立て上げたのは彼女の功績といっていいでしょう。

現在はウェイフェアラーをやめ、自身のブランドである「カトレヤ」と、夫でピゾーニのワインメーカーであるジェフ・ピゾーニとともに作る「シェアード・ノーツ」の2つのブランドでワインを作っています。その注目のワインメーカーのワインを今買うと、オンラインセミナーに参加できるという特典が付いてきます。

オンラインセミナーは、5月 30日 (土) 12:00-13:00にズーム(Zoom)で開催されます。ワインがセミナーまでに到着するよう、ワイン購入の期限は5月25日の15時となっています(しあわせワイン倶楽部の場合)。

試飲はシャルドネとピノ・ノワールの2018年になるようですが、購入するワインはどちらか片方でも構いません。

Date: 2020/0520 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2020年1月に行われたワイン・エンスージアスト誌の20回目となる「ワイン・スター・アワーズ」の表彰式でワイナリー・オブ・ザ・イヤーを受賞したボーグル(Bogle)の動画をオルカ・インターナショナルが字幕付きでアップしています。

Bogle

ボーグルは今では米国で12番めに大きなブランドで、260万ケースの生産量を持っています。州都サクラメントの南西にあるクラークスバーグという小さな町で家族経営をしています。自社畑のブドウを使って(調達ブドウもあります)、オークの樽で熟成をするという、これだけの規模としては丁寧なワイン作りを続けています。

6世代連続で農業を営んでいますが、ワイン造りを始めたのは50年前。植えたジャガイモがなぜか全滅してしまい、アドバイスをもらおうとしたところ、ここではブドウを植えたほうがいいと言われたのがきっかけだったとか。動画では、そんな設立当初の情景も流されています。


20年前にはあまりスーパーなどで目にしなかったブランドですが、今では安旨の定番に完全になったのは、奇をてらわないワイン造りを続けており、ブランド買収といった米国ではよくある動きにも一切関係しなかったという、ちょっといい話で感動しました。

個人的にはジンファンデルやジンファンデル系ブレンドのファントムあたりが特におすすめです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ボーグル・ヴィンヤーズ ファントム[カリフォルニア][ワイン]
価格:3718円(税込、送料別) (2020/5/20時点)


送料無料のセットもあります。

Date: 2020/0519 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
楽天の「with Wine」でラベル不良ワインのセールをやっています。

クヴェゾンのピノ・ノワール2017は4割引で税込み4290円。ワイナリー価格の42ドルより安くなっています。ワイン・スペクテーターでは90点と高評価。ナパのカーネロスの自社畑のワインです。カーネロスの中でも安定的にいいワインを作るワイナリーです。


ドンキー・アンド・ゴートのザ・ベア2015は4割引で税込み4356円。ワイナリー価格は2016年のもので59ドルとそれよりかなり安くなっています。自然派の生産者で、このワインはエルドラドの標高2800フィートという高所にある畑のクノワーズ、サンソー、ムールヴェードル、グルナッシュ、シラー、ルーサンヌをブレンドしたユニークなワインです。


インディゴ・アイズのジンファンデルは税込み1210円。ワイン・サーチャーの平均価格では15ドルとなっています。

Date: 2020/0518 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
元カレラの女性ワインメーカーが作る超コスパ・ピノの記事で紹介したディヴァム(Divum)のピノ・ノワール。お手頃価格でもあり、さっそく購入して飲んでみました。



カリフォルニアのピノ・ノワールとしては珍しいほど果実味は控えめ。クランベリーやチェリーの風味はありますが、それ以上に鰹節などの旨味成分が濃厚。濡れた石や皮革の風味もあり、熟成感も出てきています。フレッシュ系の味わいを期待しているとちょっと肩透かしかもしれませんが、逆に税抜き1000円台で、熟成した味わいまで楽しめるというのはさらに貴重かもしれません。


なお、このショップでは現在、8000円以上購入するとシードルのプレゼントがあるそうです。
合わせ買いには、以前別記事で紹介したこちらもおすすめです。


逆に2000円前後で果実味濃厚なピノ・ノワールが飲みたい場合は、キャッスル・ロックかハーンがおすすめです。ハーンはいろいろな価格帯のワインを出していますが、どれもコスパは高いです。キャッスル・ロックはあまり有名なブランドではないですが、ピノ・ノワールは特にコスパ高く裏切らないワインです。

Date: 2020/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨日は、オンラインのワインセミナーの話を書きましたが、ワインを買った人向けに限定で開催するもの(米国では「バーチャル・テイスティング」と呼ぶことが多いようです)も、そこかしこで目にするようになりました。

例えば「イルドコリンヌ」では
1、 5月9日(土) 17:00〜18:30 「ドメーヌテッタ」(岡山) 
ゲスト:高橋竜太社長
2、5月23日(土)13:00〜14:30 「シックスクローヴス」(カリフォルニア、ソノマ) 
ゲスト:平林そのえさん(オーナー兼醸造家) 
3、 6月6日(土) 13:00〜14:30 「トレフェッセン」(カリフォルニアナパ)
ゲスト:ジョン・ルエル氏(CEO)
と、通訳付きリアルタイムで開催。



ワイングロッサリーでは、オルカ・インターナショナルの今川さんによるワシントンとオレゴンのセミナーを配信(リアルタイムではないので双方向性はなし)しています。
オレゴン&ワシントン オンラインセミナー 特別3本セット|ワイングロッサリー

私も今週、クローズドな双方向型のセミナーに参加するのですが、家で一度に複数のワインを開けてしまうと、今度はそれを飲み切るまでがちょっと大変(自分の場合は1本飲むのに最低3日はかかるので)。

ということで、これまでちょっと躊躇していたコラヴァンを導入することにしました。

ちなみに本サイトで最初に紹介した記事を調べたら7年も前でした(国内発売は3年前)。
一度開けたワインを何年間もフレッシュに保つ革命的な新製品「Coravin」が登場

ちょっとランニングコストかかりますが、同じように悩んでいる人にとっては素晴らしい製品だと思います。
日本では当初アルゴンガスが使えず、窒素のボンベだったため、長期の保存(個人的な実験では1年は無理でした)には向きませんでしたが、今はアルゴンガスになったので、数年間飲みかけで置いておいても大丈夫なはずです。


アマゾンではオリジナルセットとして、アルゴンガスのボンベが2本追加で入っています。ほかよりかなりお得。
Date: 2020/0516 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
コロナでワイン関係のイベントやセミナーなど、ほとんどなくなってしまっていますが、一方でオンラインのライブセミナーなどで海外のワイナリーの声が直接聞ける機会は増えています。先日お伝えしたフリーマンのアキコさんのセミナーはカリフォルニアワイン協会主催で、同協会が英語でやっているセミナーでは、今週はボニー・ドゥーンのランドール・グラーム、来週はリッジのポール・ドレイパーと伝説級の人物が次々と登場してきています。

ヴィナスもライブでのセミナーに力を入れており、米国だけでなく欧州の生産者も登場しています。米国ではトーマス・リヴァース・ブラウンや、今日紹介するウェイフェアラー(Wayfarer)のオーナーであるクレオ・パルメイヤーなどなど。1時間くらいあるのと英語圏向けでかなり早口なので、なかなか聞くのは大変な部分もありますが、面白いです(こうして睡眠時間が削られていくわけですが……)。

ライブのセミナーなので聴取者からの質問も受け付けることが多くありますが、クレオ・パルメイヤーの回では欧州ではどの国に輸出しているかの質問に答えた後、それ以外の主要輸出先として、カナダと日本を挙げ、日本が海外では最大のマーケットだと言っていました。アントニオ・ガッローニも日本はカリフォルニアワインにとってとても大きな市場だと相槌。
Cleo Pahlmeyer
さらに、昨年売却したパルメイヤー(Pahlmeyer)の時代からずっと日本のインポーターは中川ワインが続けており、パルメイヤー/ウェイフェアラーにとっても、最も長い期間続いている取引先だとのこと。伝統的に欧州のワインが強く、オーストラリアやチリのワインの人気も高い日本で、日本のコンシューマーの教育をすごくよくやっており、ワインもたくさん販売していると絶賛していました。

私も、ワイン・ジャーナリストとして最初に認めてもらったのが中川ワインさんであり、とても勉強させてもらっています。それを記事にしたり、セミナーで話したりすることで、少しはその教育の一部として役立っていたらと思います。

日本で、カリフォルニアの優れたピノ・ノワール、シャルドネというと、キスラーやマーカッシン(マーカッサン)といったところが有名だと思いますが、ウェイフェアラーもこれらに負けないレベルのピノ・ノワールとシャルドネを作っています。パルメイヤー売却時にウェイフェアラーは売らなかったことからも、こちらへの思い入れが伝わると思います。ヴィナスでも最高98点を得ています(ちなみにキスラーのピノは最高98点、マーカッシンは97点)。ソノマ・コーストの中でも太平洋に近く非常に冷涼で、標高が高く霧の影響も少ないというフォートロス・シービューは、ピノ・ノワールとシャルドネで一番注目されている地域と言っても過言ではないでしょう。個人的にも4年くらい前から注目しているワイナリーであり、がんばってほしいと思います。

(中川の話は38分すぎから)

Date: 2020/0515 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
英国のギャルソン・ワインズ(Garçon Wines)という会社がペットボトルの素材を使った、フラットなボトルを開発し、話題になっています。大手ワイン会社のアコレードが提携を発表しており、主力ブランドのハーディーズ(Hardys)で2020年内に採用する予定になっています。
ギャルソン・ワインズ

円筒形のボトルと比べてスペース効率が高く、小さい箱で持ち運べます。
箱
上の写真のような箱を使うと、多くの郵便受け(英国のサイズ)に入れられるとのこと。
ピザ・ボックス
ピザと一つの箱に入れて配達するようなソリューションも考えられています。

難点はボトリングでこれまでのボトリングの装置ではボトル詰めできないため、専用のものが必要になるとのこと。そういう意味では缶のように普及するのは難しいかもしれません。


Date: 2020/0514 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
2月上旬のまだコロナ騒ぎが本格化する前のアイコニックワイン ジャパンの試飲会で一番驚いたワイナリーがフィールドレコーディングズ(フィールド・レコーディングス、Field Recordings)でした。3000円台という価格にして驚きのクオリティ、しかもこの価格帯ではレアなエレガント系のワインです。

さまざまな品種がある中で個人的な本命はピノ・ノワールなのですが、柳屋にシャルドネが入っているので、まずはそちらを紹介しておきましょう。ちなみに柳屋ではこのワイン「独断と偏見の2020年上半期MVP白」とされています。

オーナーでワインメーカーのアンドリュー・ジョーンズは元々苗木屋で働いており、セントラル・コーストのほぼすべての畑に行ったことがあるという人。彼が知られていないが素晴らしいブドウを作る畑と契約して作るのがフィールド・レコーディングス。その中でも「ワンダーウォール」というブランドは沿岸の極めて冷涼なサイトからのシャルドネとピノ・ノワールに特化しています。

畑はヴィンテージによって変わるようですが、エドナ・ヴァレーのスパニッシュ・スプリングスという畑のブドウを使っています。

オークの樽だけでなくアカシア製の樽も使っているというのもユニークなところ。

そして、ワンダーウォールのラベルはジャズ・ミュージシャンの写真があしらわれており、この2018年のシャルドネではデューク・エリントンが使われています。

ニュー・カリフォルニア系と称しているわけではないですが、味わい的にはそちらに近いと思っていいと思います。ともかく価格以上の価値のあるワインです。お試しあれ。

Date: 2020/0513 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会が、ワイナリーがテイスティングルームを再開するための遵守事項などを公開しています(CALIFORNIA WINERY TASTING ROOMS REOPENING PROTOCOLS)。

項目は、絶対に守らないといけない「Must」の項目と、できれば守るべき「Should」の項目からなっており、例えばテイスティングルームの「Distancing and Occcupancy」の項目では、「Must」として予約訪問のみにすることや、マスクなど顔を覆うものを顧客に要求すること、従業員は他の従業員や顧客から6フィートの距離を取ることなどが定められており、「Should」としては、アウトドアのテイスティングを推奨するとか、非接触の支払いをできるようにするなどが挙げられています。

これに伴い、テイスティングルームも徐々に再開に向かうのでしょう。

ところで、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーの「ワイン・ロード」という業界団体は、テイスティングルームがクローズ中もワインを買うことができるよ、というのをポール・サイモンの「50 Ways to Leave Your Lover」のパロディとして公開しています。



早く平穏な日々が戻りますように。
Date: 2020/0512 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ウメムラでカリフォルニアワインのセットができています。カベルネ・ソーヴィニヨン2本、ピノ・ノワール1本、シャルドネ3本の計6本で、通常2万4673円(10%税込み)のところが1万9800円(10%税込み)と、2割引。ショップは「キャッシュレス5%還元」の対象になっているので、カード決済すれば税込み1万8900円に収まります。

セットの内容は
●アヴィアリー・カベルネ・ソーヴィニョン・カリフォルニア [2018]750ml
●ベルドン・ハイツ カベルネ・ソーヴィニョン ナパ・ヴァレー [2017]750ml
●スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ カリア・シャルドネ [2017]750ml
●アヴィアリー シャルドネ カリフォルニア [2018]750ml
●カレラ セントラル・コースト シャルドネ ジョシュ・ジェンセン・セレクション [2016]750ml
●カレラ セントラル・コースト ピノ・ノワール ジョシュ・ジェンセン・セレクション [2017]750ml

この中で比較的安いのがカレラのセントラル・コースト ジョシュ・ジェンセン・セレクションですから、かなりレベルは高いですね。

ちなみに、ジョシュ・ジェンセン・セレクションについては下のリンク先の記事に詳しく書いているので、興味ある人はご覧になってください。カレラのセントラル・コースト自体、ビエン・ナシードやシエラ・マードレなど単一畑として名のある畑のブドウをたくさん使っているので、むっちゃくちゃコスパ高いです。ジョシュ・ジェンセン・セレクションはそれに自社畑を合わせて、ブレンドを考慮しているかなりのスグレモノです。
カレラ・セミナー:セントラル・コーストとジョシュ・ジェンセン・セレクションの違いが分かった

コロナで外食できない分、宅飲みは増えていますから、こういうセットはありがたいですね。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【特別特別】カリフォルニア 極上紅白ワイン 6本セット
価格:19800円(税込、送料別) (2020/5/12時点)

Date: 2020/0511 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部にディヴァム(Divum)というワイナリーのピノ・ノワールが入荷しています。私も初めて聞く名前ですが、モントレーで4世代続く農家のフランシオーニ家(サンタ・ルシア・ハイランズのフランシオーニと関係あるかどうかは不明)の兄弟が、自社畑のブドウだけで作るワインです。

サスティナブルの認証を受けており、発酵は天然酵母で7日間と、かなり手間をかけたワイン造りをしていますが、ワイナリー価格でピノ・ノワールが20ドルとかなりコスト・パフォーマンスが高いです。しかも今回は税込み2068円と現地価格よりも安くなっています。ワイン・エンスージアスト誌で91点と評価も上々。クラシックなスタイルのピノ・ノワールだとのこと。

タイトルに挙げたようにワインメーカーはサラ・スタイナーという女性。UCデーヴィスを卒業後、ソノマのヘイウッドで働き、1992~95年はカレラのワインメーカー、その後はボニードゥーン、ダイアジェオ、ギャビラン・ワイン・カンパニーでワインを作ってきました。カレラでは唯一の女性ワインメーカーです。


なお、このショップでは現在、8000円以上購入するとシードルのプレゼントがあるそうです。
合わせ買いには、以前別記事で紹介したこちらもおすすめです。

Date: 2020/0510 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】3日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……



最後は「これはすごい」というワインで締めたいと思います。みなさんご存知のハーラン・エステート。ハーラン家が手掛けるプロジェクトはハーランのほか、ボンドがあり、そして第3のプロジェクトとして始まったのが写真のワイン「プロモントリー(Promontory)」です。

ここの畑はナパのヨントヴィルなのですが、ヨントヴィルでは唯一西側のマヤカマス山脈の山中にあります。ハーラン・エステートの畑からも600メートルくらいしか離れていませんが、土地のキャラクターは大きく異なっています。標高は150~350メートルほどあり、それによる気温の違いもあります。南から来る霧の通り道にあたり、霧が涼しさとともに湿気も与えてくれます。土壌も大きく違います。

1980年代にビル・ハーランがハーラン・エステートのための畑を探していたときに見つけたところなのですが、当時は別のオーナーがおり、2008年にようやく一部を入手、その後買い足して今に至ります。ブドウ畑はあったのですが、荒れ果てており、ブドウも伸び放題の有様でした。

それを少しずつ植え替えながらワインを作っているというのが現在の状況。今出ているワインは完成形ではなく、まだまだこれから進化するワインです。

カスク
樽熟成に写真の大樽を使っているのもここの大きな特徴。小樽による緻密なオークの風味と異なり、おおらかな味わいがします。

ハーラン・エステートの超洗練された味わいに対して、プロモントリーは荒々しさもあり、タンニンも強く感じます。おそらく本当の飲み頃は20~30年くらい熟成した後に来るのではないでしょうか。それまで生きているかどうかもわかりませんが、熟成したプロモントリーをいつか飲んでみたいと思っています。

なお、ここはハーラン系では唯一ナパにテイスティング・ルームを公開しています。メーリング・リストなどに入っていなくても訪問可能です。また、ワインの販売をオーパス・ワンと同様、ボルドーのネゴシアンを通しています。そのため決まったインポーターがないというのもちょっとユニークなところです。

Date: 2020/0509 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】6日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……

ワインの紹介はさんざんしてきているものの、こうやって改まって好きなワインとして挙げるのって意外と悩ましいものです。1日目はカリフォルニアらしさからオールド・ヴァインのジンファンデル、2日目はコスパワイン、3~5日目は思い出のワインと来たので、最後はちょっと高級系かなあと、今これを書きながらまだ何にするか決まっていない始末。

……ようやく決めました。

いろいろなワインメーカーについてこれまで書いてきましたが、「天才」と形容詞を付けているのはこれまで3人だけだと思います。1日目に書いたモーガン・ピーターソンがその一人ですが、後の二人はシラー作りの名人ですが数奇な人生を歩んでいるパックス・マーレと、今日取り上げるトーマス・リヴァース・ブラウン。

トーマスについては最近「どう考えても格安なリヴァース・マリーのピノ・ノワール」という記事でも取り上げています。

リヴァース・マリー

トーマス・リヴァース・ブラウンは、ワインが好きだというだけで東海岸からナパに来て、そこからターリーでジンファンデル作りを少し手伝った後、シュレーダー設立時にワインメーカーとして抜擢されます。ワイン作りの教育を受けておらず、しかもカベルネ・ソーヴィニヨンを醸造したこともない若者を、最初から超一流を目指して作ったワイナリーのワインメーカーに据えたというフレッド・シュレーダーの眼力にも恐れ入りますが、その期待に見事こたえたトーマス・リヴァース・ブラウンもすごいとしかいいようがありません。

今では40あまりのワイナリーのワイン造りを手掛ける超人気のワインメーカーとなったトーマスのプライベート・プロジェクトがリヴァース・マリー(マリーは奥さんの名前から)。ピノ・ノワールとシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨンを作っていますが、リヴァース・マリー設立のきっかけになったのがスーマ(Summa)というピノ・ノワール主体の畑を手に入れたことにあるように、彼の一番作りたいのはピノ・ノワールなのだと思います。

今年は、ヴィナスで初めてのピノ・ノワール100点を取るなど、評価も年々すごいことになっています。

リヴァース・マリーに限らず、彼が作るワインはどれも素晴らしいので、もっともっと日本でも知られてほしいと思います。
Date: 2020/0508 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】5日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……

Silver Oak

最初にシルバーオーク(Silver Oak)を飲んだのは、22年前くらいだったと思います。はっきり覚えていませんが、レストランで飲んだのが最初だったような気がします。その後、ワインショップなどでも買うようになりました。自分にとっては高級カベルネ・ソーヴィニヨンの門戸を開いたのがこのワインでした。

アメリカンオークを使った樽の風味や果実味は、それまでワインの入門的に飲んでいたボルドーのワインなどと大きく異なっており、これぞカリフォルニアのワイン、という位置づけになりました。ワイナリーに行ったり、そのころはもう作られていなかったボニーズ・ヴィンヤードの古いワインをワインショップで買って友人たちと飲んだりと、ワインのいろいろな楽しみ方もシルバーオークに教えてもらったような気がします。

シルバーオークはナパと、ソノマのアレキサンダー・ヴァレーの2つのカベルネ・ソーヴィニヨンを作っていますが、パワフルでタニックなナパよりも、赤系の果実の味わいがあって、親しみやすいアレキサンダー・ヴァレーのほうが好きなのは今も変わりません。

Date: 2020/0507 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】4日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……



オーガスト・ウエスト(August West)はロバート・パーカーの掲示板で新しい注目のワイナリーとして挙げられていたのを見て、メーリング・リストに登録したワイナリーでした。

初代ブログの2004年3月10日に記事を書いているのが最初です。
Memorandam

最初のリリースをオーダーしたら、オーナーのエド・カーツマン(Ed Kurtzman)さんからメールが来て、日本に送る方法がわからないからどうしたらいい? と聞かれたのを覚えています。当時のメールを探したのですが、そのころ使っていたHotmailは古いメールが残っていないようで履歴がわかりませんでした(ちなみにGmailが始まったのが2004年4月1日。私は結構初期の招待制のときに登録しましたが、このころはまだ切り替え途中だったようです)。

August Westはそのエド・カーツマンさんがサンタ・ルシア・ハイランズのロゼラ(Rosella's)の畑などで知られるロアー(Roar)のオーナー、ゲイリー・フランシオーニなどと始めたワイナリーです。サンタ・ルシア・ハイランズは、ピゾーニ(Pisoni)のピノ・ノワールで一躍有名になり、その盟友であるゲイリー・フランシオーニのゲイリーズ(Garys')とロゼラのピノ・ノワールが2000年代なかばから、多くのワイナリーで使われるようになりました。その中でもロゼラの人気を高めたのがオーガスト・ウエストと言っても過言ではないでしょう。骨太の味わいが特徴のピゾーニやゲイリーズに対して、ロゼラはエレガントさと親しみやすさを持っており、飲んで楽しくなるワインというと、一番に思いつくのがオーガスト・ウエストのロゼラのピノ・ノワールやシャルドネでした。

今はゲイリー・フランシオーニが離れ、ロゼラのブドウは使えなくなっていますが、オーガスト・ウエストは今でも魅力的なワインを作っています。また、エド・カーツマンさんの個人プロジェクト「サンドラー」はよりコスト・パフォーマンスが高くおすすめのワインです。

エド・カーツマンさんは日本のファンからは「江戸勝」さんと親しみを込めて呼ばれており、フリーマンのアキコさんや、アーサーの桃井さんの師匠でもあります。個人的にはワイン業界のいい人ランキングのトップに位置しています。

その人柄も含めて味わいたいワインです。

ロゼラの最終ヴィンテージです。


Date: 2020/0506 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】3日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……

3本目は古い思い出のワインから。
バッツホール
「カリフォルニアワインの玄関口」を始めた1999年頃によく飲んでいたのがパッツ・アンド・ホール(Patz & Hall)のシャルドネやピノ・ノワールでした。多分初めて入ったメーリング・リストがここだったと思います。5年間くらいメーリング・リストで買っていたので、かなり飲んだと思います。冒頭の写真は当時サイトにアップしたラベル写真の一つ。当時は電話回線でネットにつないでいたので、画像のサイズは小さくないといけなかったのです。

単一畑のシャルドネやピノ・ノワールもここで馴染みになったものが多くあります。シャルドネでは写真に挙げたウールジー・ロード(Woolsey Road)とかダットン・ランチ(Dutton Ranch)、ピノ・ノワールではアルダー・スプリングス(Alder Springs)やハイド(Hyde)などが好みでした。特にウールジー・ロードやアルダー・スプリングスは果実味があまり強くなく、熟成して初めて魅力が出てくるワインで、それまでそういったワインを知らなかったので魅了された記憶があります。

セラーの中には当時買ったワインがまだ数本、残っています。ピークは過ぎてしまったでしょうが、大事に開けたいワインです。
Date: 2020/0505 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】2日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……


2回目にしてカリフォルニアではなくワシントンのワインです。写真の左から3番目、「ワインズ・オブ・サブスタンス」のカベルネ・ソーヴィニヨンです。

高くて美味しいカベルネ・ソーヴィニヨンはたくさんあります。ハーランとかコルギンとかやっぱりむちゃくちゃ美味しいですが、自分で買うにはちょっと躊躇してしまう価格です。

この「ワインズ・オブ・サブスタンス」のカベルネ・ソーヴィニヨンはお手本のようなカベルネ・ソーヴィニヨン。実売2000円台ですが、その倍の価格でも全然おかしくないくらいの実力があります。13万ケースと生産量はかなりありますが、天然酵母100%で1ヶ月以上も発酵に時間をかけ、樽熟成、ノンフィルターで清澄もなしなど、手間がかかるワイン造りをしています。

その味わいはカシスやブラックベリーの果実味に鉛筆の芯の風味など複雑さもあり、酸も豊かでバランスもすばらしい。

このワインを作っているワシントンの鬼才チャールズ・スミスをして「この価格でこの量でこのレベルのワインが作れるようになるとは想像もしなかった」と言うレベル。2018年にはwine.comで一番売れたワインに輝いています。

実は昔はワシントンのコロンビア・クレストのカベルネ・ソーヴィニヨンが好きで結構よく飲んでいました。ワシントンのカベルネとしては個人的にはそれ以来のヒットです。


Date: 2020/0504 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
【7日間ワインチャレンジ】1日目

これはワイン文化の普及に貢献するためのチャレンジで、好きなワインを1日1本、7日間投稿。
ワインについての説明は必要なく、ボトル画像だけをアップ。更にその都度1人の友達を招待し、このチャレンジへの参加をお願いするというルールです。

……

ブックカバーチャレンジが流行っているのでワイン版もあってもいいのではと思って始めてみます。
とはいえブログで人にお願いするのは大変だし読んでもらえるかどうかもわからないので、FBで呼びかけてみようかな。
ということで、とりあえずワイン画像だけアップしてみましょう。



Googleフォト見て思ったのですが、そもそも試飲会やセミナー以外で自分で飲んだワインってあまり写真撮ってないんです。ということでセミナー時の写真ですみません。

紹介したいワインは左から3番めの「ベッドロック オールド・ヴァイン・ジンファンデル」。

100年を超えるようなジンファンデル(実際には他の品種も混植されています)の古木の畑って世界的にも貴重な財産だと思うんです。しかし、古い木はブドウの収量が減ってしまうし、手間もかかります。その分高く売れればいいのですが、実際にはジンファンデルのワインの価格はそれほど高くないので、生産者にとっては財産というよりも負債に感じられてしまうことも多いのです。カベルネ・ソーヴィニヨンなどもっと高く売れる品種に植え替えたほうが経済的にはメリットがあるのです。

そこで、こういう古木の畑を守る運動として「ヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティ」を作ったのがベッドロックのオーナーであるモーガン・ピーターソン。古木の畑の混植の研究でマスター・オブ・ワインも取得しています。それだけでなく、古木の畑のブドウを積極的に買い付け、ときには畑自体を買ってしまうこともあります。

買ったブドウのうち、単一畑などに使われなかったものをブレンドしたのが、この「オールド・ヴァイン・ジンファンデル」です。これはさらに消費者に対しても古木の畑のワインを知ってもらうためのエントリー的な意味を持っており、そのために価格もかなり抑えた形にしているのです。

優れたジンファンデルの生産者はたくさんいますが、このように古木の世界を守ることまでがんばってやっているという点ではベッドロックの右に出る生産者はいないと言ってもいいでしょう(ほかに名前を上げるならリッジくらいでしょうか)。

ワインの説明は必要なくと書いておきながらいきなり語ってしまいましたが、語りたいから紹介するという面もあるのでご容赦を。

Date: 2020/0503 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
今週はジンファンデルウィークだとのことで、ジラードのジンファンデル2017を飲んでいます。

ジラードのジンファンデル、15年くらい前は毎月のように買っていた我が家の定番ワインでした。果実の芳醇さと柔らかさのあるワインで、いかにもナパらしいイメージのあるジンファンデルです。

今回久しぶりに飲んでみてもその印象は変わりません。アルコール度数は15%ありますが、柔らかなタンニンのせいか、重さはあまり感じません。レッドチェリー、レッドプラムなどの赤系の果実味にいちじくやプルーンのドライフルーツの風味、ホワイトペッパー、アメリカンオークによる柔らかな甘味があります。意外と酸は高く、それがバランスを取って飲みやすくしているのを感じました。

ソノマやロウダイあたりと比べると古木の畑はあまり残っておらず、それほどメイン品種の扱いを受けていないナパのジンファンデルですが、温暖なカリストガを中心に、美味しいものはたくさん作られています。カベルネ・ソーヴィニヨンと比べると価格がだいぶ抑えられているので、ナパの赤ワインとしてはとっつきやすいのも魅力です。


ほかにもいくつかナパのジンファンデルを紹介しましょう。

フロッグズ・リープはナパの有機栽培のパイオニア。ジンファンデルはここの定番ワインといってもいいでしょう。これも柔らかな味わいで飲みやすいです。

1990年代からジンファンデルのスペシャリストとして知られているターリー。かのヘレン・ターリーの兄がオーナーでかつてはヘレンがワインメーカーだったこともあります。ヘレン・ターリーらしい濃厚で強烈な味わいで知られていましたが、近年ではよりバランスが取れた味わいに変わっています。今でもカリフォルニアのジンファンデルのトップに君臨するワイナリーの一つです。

パリスの審判で知られるシャトー・モンテリーナのジンファンデルは、筋肉質な味わい。ジンファンデルというよりもボルドー系の赤かと思うワインです。これも多くの人に知ってほしいワイン。

フランシスコ・コッポラ監督が作るジンファンデルはおじさんの名前を冠した、コッポラにとっても思い入れのあるワインです。高級系のジンファンデル。

クレーン・アッセンブリーはかの「プリズナー」を生み出したデイブ・フィニーの新しいプロジェクト。100点ワインを輩出しているベクストファー・ドクター・クレーンと元は同じ畑だった「GBクレーン」という畑を取得したことからワイナリーの名前を取っていまう。ここは1880年代のジンファンデルが残っているという貴重な畑で、そのブドウを使ったのがフラッグシップの「エル・ココ」。パーカー95点と高く評価されています。蠱惑的な味わいのワイン。
「ディサイプルズ」の方は、ナパの契約畑のブドウから、GBクレーンと似た味わいを目指して作っているワインで、こちらもパーカー93点という高い評価。

ナパのジンファンデル。ぜひ試してみてください。
Date: 2020/0502 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
SFクロニクルのワイン・エディターであるエスター・モブリーが「バターのようなシャルドネ」を擁護する記事を書いています(In defense of buttery Chardonnay - SFChronicle.com)。SFクロニクルといえば、「New California Wine」を書いたジョン・ボネがいたように、どちらかというと先進的なワインを好む傾向が強いと思っていますがなぜ?

記事のきっかけは「バター・シャルドネ」で知られるジャム・セラーズがザ・ワイン・グループを訴えたこと。今回は「bold and jammy」という言葉をフランジアのパッケージに大きく入れたことが理由ですが、その前から「Rich & Buttery」という名前に付いても訴えていました。
Butter Chardonnay
バターのようなシャルドネというと1980年代にブームになり、その反動で「ABC(Anything But Chardonnay)」という言葉までが生まれるほど、反対派も生まれたタイプのワインです。一般的にカリフォルニアのシャルドネとしてイメージするのもそういうワインが多いでしょう。

近年では、むしろ樽でコテコテのシャルドネを探すほうが大変だったりもしますが、逆に一周回って「コテコテ好き」なマニアも生まれているようです。それに、やっぱり最高級のシャルドネで樽を使っていないことは考えられず、やりすぎでなく使えば高級感が生まれるのは間違いないところ。

また、一般のコンシューマーにとっては樽が効いたバターのようなシャルドネというのは、悪印象より好印象を与える傾向が強いのは、ジャム・セラーズがうまくいっていることでも想像できるでしょう。

記事ではおすすめの「バターのようなシャルドネ」も紹介されています。

Chalk Hill Chardonnay Sonoma Coast 2018
Smith-Madrone Chardonnay Napa Valley Spring Mountain District 2016
Beauregard Chardonnay Santa Cruz Mountains Beauregard Ranch 2018
Qupe Chardonnay “Y Block” Santa Barbara County 2018
Merry Edwards Chardonnay Russian River Valley Olivet Lane 2017
Chappellet Chardonnay Petaluma Gap Calesa Vineyard 2018

冒頭に挙げられたチョークヒルのシャルドネは僕も好きです。コスパも高い。そのあたりの価格帯ではウェンテのシャルドネもいいと思います。

あとは定番過ぎて挙げられなかったのだと思いますがロンバウアーのシャルドネはコテコテ好きには絶大な人気を誇っています。

Date: 2020/0501 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会によるフリーマンのアキコ・フリーマンさんが登場するZoomを使ったウェビナーが4月29日に開かれ600人以上が視聴するという人気でした。
ウェビナー

ホスト役はホーク・ワカワカの名前で知られるイレイン・チューカン・ブラウンさん。彼女の英語の質問を山本香奈さんが逐次通訳し、日本語で返答するアキコさんの発言を、カリフォルニアワイン協会の手島さんがリアルタイムでイレインにWhatsappを通じて伝えるという見事な連携。さらに日本語で視聴者から寄せられた質問は、カリフォルニアワイン協会の扇谷さんが英語にしてイレインに伝えていたようです。かなりの質問も寄せられ、視聴者の関心の高さが伺えました。

動画はそのうちにYouTubeで公開されると思いますが、いくつか面白かったことをピックアップします。

まずは申請中のウエスト・ソノマ・コーストAVAの話。フリーマンは本拠地のワイナリーと「グロリア」の畑はグリーン・ヴァレーにありますが、「ユウキ」の畑はウエスト・ソノマ・コーストに入っており、AVA発起メンバーの6ワイナリーの一つになっています。

このあたりはソノマ・コースト、ロシアン・リバー・ヴァレー、グリーン・ヴァレー、さらにはペタルマ・ギャップ、フォートロス・シービューとAVAがかなり入り組んだ形になっていていろいろややこしいですが、ウエスト・ソノマ・コーストはソノマ・コーストに含まれ、フォートロス・シービューを包含する形で提案されています。

初耳だったのですが、数年前に部分的にオーバーラップするAVAは、今後認められないということになったそうで、ウエスト・ソノマ・コーストはそれを守って提案されていますが、認められた後で、グリーン・ヴァレーもそのうち取り込みたいという希望はあるそうです。今は政府のプロセスもいろいろ止まってしまっていますが、もうAVA認定まではあと一歩というところのようです。

フリーマンのワインではユウキとグロリア、アキコズ・キュベの3つのワインをセミナー中で試飲していました。イレインは、共通性として旨味を挙げていました。サーモンの料理に合うとのことで、特にユウキは醤油や味噌のような旨味系の味付けとの相性が良さそうということでした。

ただ、アキコズ・キュベはかなりしっかりした味わいなので和牛のステーキやラムチョップ、チョコレートケーキにも合うとアキコさん。イレインは和牛の刺し身と合わせたいと言っていました。

フリーマンのワイン以外にはリトライ(Littorai)の「Pivot」とペイ(Peay)の「スキャロップ・シェルフ」の2つのピノ・ノワールを試飲。Pivotはグロリアからかなり近いところにある畑で、リトライのワインは熟成がとてもきれいに進むとアキコさん。イレインによると「リトライは抑制が効いているが、少し筋肉質でボリューム感もある。フリーマンの方がフィネスがある」とのことでした。

ペイはフリーマン同様女性ワインメーカーのワイナリー。スキャロップ・シェルフはフローラルな印象があって、一番女性的でアキコさんの好きなワインだとのこと。

リトライもペイもウエスト・ソノマ・コーストの発起メンバーで「重みを感じずに凝縮感があるのが5つの特徴。骨格と均整がある」とイレイン。こういうワインがソノマの海の近くで作られることを知ってほしいとアキコさん。

そして最後にアキコさんから「実は今スパークリングを作っている」という驚きの発言がありました。2019年のヴィンテージで早摘みしてベースワインを作っているところだそうです。ただ、スパークリングを作るワイナリーの多くが、専用のカスタム・クラッシュ(請負型のワイナリー)を使っているのに対し、フリーマンではすべて自身のワイナリーで行う予定で、ちゃんとできるかどうかはまだわからないそうです。これも楽しみですね。

とても中身が濃く、やはり日本語でわかりやすいため、視聴されていた方々も満足されたのではないでしょうか。

あと、希望としては、ワインがもっと早くわかって自分でも準備できたらよかったと思いました。またこういうセミナーがあるといいですね。

当日の動画はこちらから
Behind the Wines - Japan Special Edition【ビハインド・ザ・ワインズ ~ワインの裏側~ 】日本向け特別編 アキコ・フリーマン - YouTube

Date: 2020/0430 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワインの通訳などを幅広く手掛ける山本香奈さんが西馬込で開いたワインショップ/レストラン「イルドコリンヌ」でコロナ退散の願いを込めた「コロナゼロ」ワインセットを販売しています。値段はコロナゼロにちなんだ5670円で、税込み送料込みでワインが2本送られてきます。内容は店主におまかせもできますし、「ジンファンデルを入れて」など、ある程度リクエストすることも可能です。
イルドコリンヌ
ワインには店主自筆のワインの説明も添えられて来ます。かなりお得なセットですよ。

注文はこちらから。
5670ワインセット注文フォーム
Date: 2020/0429 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
Comments
4月22日のアースデイを記念して、今週はナパ・ヴァレー・ヴィントナーズはサステナビリティの認証プログラム「ナパ・グリーン」のワイナリーを紹介する週になっているそうです。私も便乗して、ナパ・グリーンのワイナリーのワインを開けました。

セインツベリー(Saintsbury)は1981年にデイヴィッド・グレーヴスと故リチャード・ワードによって設立されたワイナリーで、ナパのカーネロスのシャルドネやピノ・ノワールのパイオニアです。ナパ・グリーンも最も初期に認証を受けています。

具体的には
・コンポストや有機肥料の利用
・表土を守るためのカバー・クロッピング
・表土を守るために耕うんをしない
・害虫を防ぐための益虫の導入
・猛禽類などのための巣箱の設置
・ワイナリーにおける水の再利用
・灌漑の最適化と病害虫を防ぐためのウェザー・ステーション
・不足灌漑の採用
・太陽光発電の利用
・統合的病虫害防御
といった環境のための活動を行っています。

セインツベリーのワインは、ブルゴーニュ的な繊細さを重視した作り。濃厚パワフルなワインが多いナパの中では異色といってもいいかもしれません。「ニュー・カリフォルニア」ブームでエレガントなワインが増えた昨今にそうなったわけではなく、1980年代から一貫してエレガントなワインを作り続けています。

開けたワインはこちら。2014年のカーネロスのシャルドネです。

白い花の香り、レモンやオレンジの柑橘類、酸味は比較的おだやかです。濡れた石、バニラ、トースト、シナモン、ナッツ。6年経っているので果実味だけでなく熟成による魅力もましてきています。味わいは優しく、食事の邪魔をしません。

流行りのワインというわけではないですし、評論家から高い点を取っているわけでもないですが、セインツベリーのワインはほっとする味わいで、家に帰ってきたような安心感があります。ステイホームな今に必要なのはこういうワインなのかも、と思いながら味わっています。

ちなみに、来週のナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのテーマはジンファンデルだそうです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

セインツベリー カーネロス・シャルドネ [2014]750ml
価格:3960円(税込、送料別) (2020/4/29時点)

Date: 2020/0428 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部で5月まで、ジョエル・ゴットのカベルネ・ソーヴィニヨン「815」2017がセールになっています。税込みでも2508円と通常より500円程度も安くなっています。

ジョエル・ゴットは、ハンバーガーショップ「ゴッツ・ロードサイド」でも知られていますが、ワインも秀逸なものを作っています。自社畑は持たず、いいブドウを買い付けてワインを作っており、この815(娘の誕生日が8月15日というのが名前の由来)は北はメンドシーノ、南はパソ・ロブレスまでのブドウをブレンドしています。アメリカンオークの新樽を25%使用し、アルコール度数は13.9%。非常にバランス良く飲みやすいワインです。まさに万人向けといっていいでしょう。

2017年は特に評価が高く、テイスティング・パネルで92点を取っているほか、ワイン・アンド・スピリッツ誌の「50ドル以下の人気お買い得ワイン10本」、フード・アンド・ワイン誌の「エクセレント・カリフォルニア・バリュー」にも選ばれています。

Date: 2020/0427 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが絶賛するワイナリー「セリタス(Ceritas)」の2017年ヴィンテージが勝田商店に入荷されています。以前から輸入されていたようですが、気がついておりませんでした。

セリタスは2005年にジョンとフィービーのレイテック夫妻が設立したワイナリー。ジョンはニュージーランドでワイン造りを学び、フラワーズ、リース、コパンで働いていた人。リースは立ち上げ時に参加していました。また、2011年から2016年にはリオコ(Lioco)でワインメーカーを務めていました。フィービーはソノマのロシアン・リバー・ヴァレーのガーンヴィルで育ち、両親が始めたポーター・バス・ヴィンヤードは現在セリタスのシャルドネのソースの一つとなっています。彼女は栽培を担当しています。

ワイナリーのある本拠地はソノマで、多くのワインは長期契約を含む自社畑で作っています。その中にはキスラーのキュヴェ・キャサリンに使われていたオキシデンタル・ヴィンヤードも含まれています。また、サンタ・クルーズ・マウンテンズのトラウト・ガルチとピーター・マーティン・レイの畑からもワインを作っています。トラウト・ガルチはクッチ(Kutch)やアルノー・ロバーツ(Arnot-Roberts)でも有名な畑ですが、セリタスはこれらに勝るとも劣らない評価を得ています。

リオコやリースとのコネクションでわかるように、ニュー・カリフォルニア系の生産者であり、ジョン・ボネの「ニュー・カリフォルニア・ワイン」でもシャルドネのトップ・プロデューサーに選ばれています。近年ではピノ・ノワールの評価も非常に上がっており、2017年についてはアントニオ・ガッローニがピノ・ノワールを「並外れた(off the charts)」と表現しています。実際、7種のピノ・ノワールのうち5本が95点以上、97点も2つと極めて高い評価になっています(2017年のピノ・ノワール評価で最高は98点が1本)。シャルドネではトラウト・ガルチが95点で一番の評価となっています。

Date: 2020/0426 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
シルバー・オークのアレキサンダー・ヴァレーのワイナリーが「リビング・ビルディング・チャレンジ」の認証を受けたことが判明しました。これまで既にLEEDのプラティナムという認証をナパとアレキサンダー・ヴァレーで受けていましたが、リビング・ビルディング・チャレンジで認証を受けるのはワイナリーとしては初めて。さらにこれまでこの認証を受けた最大の製造設備だそうです。

LBC

“生きたビル”、最新のエコ建築 | ナショナルジオグラフィック日本版サイト」によるとリビング・ビルディング・チャレンジは「最も持続可能性に優れた建築設計技術を定義し、現在の技術の限界と、理想的なソリューションとのギャップを埋めていく取り組みを進めています。認定を獲得した建築プロジェクトは、“世界最高レベルの環境技術”とアピールできます」とのこと。他の認証プログラムと大きく異なるのは、水や電力などの消費が本当に標榜したレベルに達しているか、一年間実測して調べる過程が入ること。それだけにパスするのはなかなか大変です。それだけにCEOのデビッド・ダンカンの喜びもひとしおのようです。
Date: 2020/0425 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会が提供する「Behind The Wines」のウェビナー(Webセミナー)シリーズの特別編として、日本向けにアキコ・フリーマンさんが登場します。
Akiko Freeman

日 時:2020年4月29日(祝)12:00~13:00
ホスト:イレイン・チューカン・ブラウン
ゲスト:アキコ・フリーマン

ホストはHawk Wakawakaの名前で知られているイレイン・チューカン・ブラウンさん。このシリーズ全体でホストを務めています。通訳は山本香奈さん。

お申し込みはこちらから。
ビハインド・ザ・ワインズ ~ワインの裏側~ ウェビナー参加申込


参加者はチャットでコメントできるほか、質問を送ることもできます。セミナー中に質問に答えてもらえる可能性もあります。

当日試飲するワインは後日発表されますが、一緒に飲んだらさらに参加している感が強くなりそうです。

Date: 2020/0424 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
インポーターのアイコニック ワイン・ジャパンが飲食店を応援するワインセットの販売を始めています。レストランで使えるお食事券とセットにしたもので、お食事券分の売上はその飲食店に渡ります。購入者は後日、お食事券を使ってレストランで食事ができるという仕組みです。2割以上割引されており、実質お食事券分はただみたいなものでかなりお得です。ワインの送料も込みです。
アイコニックのページ

注文はこちらから

最初に紹介されたのは学芸大学のINDIGO。
ワインはモーガンのシャルドネとストルプマンのロゼ、ホワイトホール・レーンのカベルネ・ソーヴィニヨンという組み合わせ。「カリフォルニア頑固オヤジ3本セット」と銘打たれています。3400円の食事券が付いて1万1700円。

麻布十番のBlueからは4種類のセット。

赤3本はフィールドレコーディングズのカベルネ・フランにストルプマンのシラー、ホワイトホール・レーンのカベルネ・ソーヴィニヨン。3500円の食事券が付いて1万80円。フィールドレコーディングズは個人的にも注目しているワイナリー。ぜひ飲んでみてほしいワインです。

白3本はストルプマンのソーヴィニヨン・ブランにサン・リージュのローヌ系白ブレンド、サブミッションのシャルドネ。3200円の食事券が付いて1万100円です。このワインの選択にはちょっとうならされました。サン・リージュはセントラル・コーストのローヌ系スペシャリストです。

田原シェフのおすすめセットはピカユーンのソーヴィニヨン・ブランにネイティブ9のピノ・ノワール、グラウンドワークのシラー、5500円の食事券がついて1万8000円。ピカユーンはネゴシアンスタイルで女性2人が作るワイン。あまり知られていないですがフレンチランドリーにも入っているワインです。グラウンドワークはサン・リージュの別ブランド。どれも実力派でさすがの選択です。

4つめは渡部シェフのおすすめセット。フィールドレコーディングズのシュナン・ブランにストルプマンのサンジョベーゼ、エバレーのカベルネ・ソーヴィニヨン。3800円の食事券が付いて1万2350円です。

5つめは「ナパを満喫 6本」のワインセット。9000円の食事券が付いて2万9900円。ワインはホワイトホール・レーンからソーヴィニヨン・ブランとレッド・ブレンド、カベルネ・ソーヴィニヨン。カモミのシャルドネとピノ・ノワール。クレーン・アッセンブリーのジンファンデルという安心感のある組み合わせです。

3番めのレストランは恵比寿のHonda 7。

おすすめピノ3本セットはモーガンにメルヴィル、サムサラというかなりの王道。5700円の食事券がついて1万8750円。

「俺のシャルドネ」3本セットはモーガンとメルヴィルとロンゴリア。4700円の食事券が付いて1万5400円。

最後は「信じてついて来て6本セット」。8000円の食事券が付いて2万6070円。ワインはコンブのペットナット、ストルプマンのロゼ、ピーチーキャニオンのヴィオニエ、ストルプマンのサンジョベーゼ、グラウンドワークのムールヴェードル、モーガンのローヌ系ブレンド。

コンブのペットナットはトゥルソーを使った「今どき」のワイン。ストルプマンにラジャ・パー、マイケル・クルーズというマニアックですが夢のような組み合わせのワインです。ストルプマンのサンジョベーゼはマセラシオン・カルボニックで醸造したチャーミングなワイン。これも面白いワイン揃いです。

この後も続くようですので、ぜひチェックしてみてください。

Date: 2020/0423 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2010年代のカリフォルニアのベストワインは何でしょう?

いろいろ考え方はあると思いますが、単純に2010年以降のヴィンテージで「パーカー100点」を取った回数の多いワインを調べてみました。
Advocate
もちろん、まだ2018年や2019年のワインの評価は出ていませんが、これまでのところでは一番多いのが4回の満点。7つのワインがあります。

Colgin Cabernet Sauvignon Tychson Hill Vineyard
Colgin IX Proprietary Red Estate
Dominus Proprietary Red Wine
Lokoya Cabernet Sauvignon Mount Veeder
Peter Michael Winery Chardonnay Point Rouge
Realm Cabernet Sauvignon Beckstoffer Dr Crane Vineyard
Screaming Eagle

なんと、コルギンがIX Estate(ナンバーナイン・エステート)とティクソンヒルの2つのワインで4回取っています。レアムはアブサードの方が多いかと思っていたら、ベクストファー・ドクター・クレーンが4回も取っていました。ピーター・マイケルのポイント・ルージュは唯一シャルドネで4回取っています。スクリーミング・イーグルはさすがというところですが、ドミナスもすごいです。価格はこの中ではダントツで安いでしょう。

次点の3回は17ワイン。

Bond Vecina
Eisele Vineyard Cabernet Sauvignon
Harlan Estate
Hundred Acre Vineyard Cabernet Sauvignon Ark Vineyard
Hundred Acre Vineyard Cabernet Sauvignon Few and Far Between
Hundred Acre Vineyard Cabernet Sauvignon Wraith
Kapcsandy Family Winery Cabernet Sauvignon Grand Vin State Lane Vineyard
Kongsgaard Chardonnay The Judge
Morlet Family Vineyards Cabernet Franc Force de la Nature
Paul Hobbs Cabernet Sauvignon Beckstoffer Dr Crane Vineyard
Plumpjack Cabernet Sauvignon Reserve
Realm The Absurd
Scarecrow Cabernet Sauvignon
Schrader Cellars Cabernet Sauvignon Old Sparky Beckstoffer To Kalon Vineyard
Shafer Vineyards Cabernet Sauvignon Hillside Select
Spottswoode Cabernet Sauvignon
Vérité La Muse

ハンドレッド・エーカーはなんと3つのワインで3回100点。コングスガードのジャッジはシャルドネで2番目の3回満点。面白いのはモルレ・ファミリーのカベルネ・フランや、メルロー主体のヴェリテ・ラ・ミュゼが入っているところ。シェーファー・ヒルサイド・セレクトやスポッツウッドといった実力派も入っています。ポール・ホブズのベクストファー・ドクター・クレーンも3回。ドクター・クレーンが4回と3回に一つずつ現れたのもちょっとびっくり。ただ、トータルではベクストファー・ト・カロンが14回でドクター・クレーンの倍近くになっています。

ちなみ

にワイナリーで集計すると、一番多いのはハンドレッド・エーカーの12回、次がコルギンの11回となります。その次の10回にシネ・クア・ノン。シネ・クア・ノンは毎年ワインの名前を変えるので、上の集計では明らかに不利になります。ちなみにグルナッシュとシラーと5回ずつ100点を取っているので、影の1位はシネ・クア・ノンといってもいいかもしれません。

Date: 2020/0422 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ブライアント・ファミリーが元財務コンサルタントから訴えられていた件で、ニューヨークの地方裁判所で判決がおり、ブライアント・ファミリーが勝訴しました(Bryant Family Vineyards owners win dismissal of consultant’s compensation case | Wine Industry Insight)。

以前、「ブライアント・ファミリー、財政的に窮地?」で報じた件で、その後ブライアント側の反訴が「スラップ訴訟」として却下されたこともあり、ブライアント側に不利な展開が続いていましたが、契約不履行について十分な証拠を提示しなかったとして今回の判決に至りました。

元財務コンサルタント側が上告するかどうかは不明です。
Date: 2020/0421 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ワイン・スペクテーターのカリフォルニアのコスパワイン10本の記事でペドロンチェリのピノ・ノワール2018が選ばれていました。ペドロンチェリはどちらかというと地味なワイナリーではありますが、非常に堅実に美味しいワインを作っています。

今回のワインは22ドルでレイティングは88点。日本でも2000円台半ばですからほとんど米国と変わらない価格で購入可能です。日本にもすでに同ヴィンテージが入っています。

Date: 2020/0421 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
バイザグラス中止
毎年恒例のカリフォルニアワインバイザグラスのキャンペーンですが、政府の緊急事態宣言を受けて今年は中止ということになりました。カリフォルニアワイン協会が主催するイベントとしては最大級のものですから、みなさま大変残念だろうと思いますが、現在の状況ではいたしかたないところです。

多くのレストランがテイクアウトやデリバリーを模索しており、バイザグラスに参加していたレストランでテイクアウトやデリバリー、ワイン販売しているところが一覧になっています。
カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション2020|カリフォルニアワイン

お近くの店があったらぜひ使ってあげてください。

私も家の近所の店ではテイクアウト活用しています。

また、Facebookには「コロナ支援・訳あり商品情報グループ」といったグループもあり、食材の処分に困ったレストランなどが格安で商品を販売する情報を提供しています。いろいろな形でお店の支援ができたらいいですね。
Date: 2020/0420 Category: 技術系
Posted by: Andy
Comments
3月上旬から基本在宅勤務が続いています。その間部署の異動もありましたが、引っ越しで1日出社した以外は在宅勤務。

家で仕事するのは全然苦にはなりませんが、どうしても運動不足になるのは否めないところ。1日ほとんど動いていない日も出てきてしまいます。

そこで少し体調管理をしないといけないと思って毎朝ランニングをするのと同時に、活動量計を導入しました。最近は安価でバッテリー持ちがよく、機能もしっかりしているシャオミのMi Band 4が人気とのことで、最初はそれを検討したのですが、最終的に選んだのはHuawei Band 4 Pro。7000円台(購入時はタイムセールで6000円台でした)と、Mi Band 4と比べるとちょっと効果ですが、活動量計としては珍しくGPSを内蔵しているのが決め手となりました。

ランニング用のGPSウォッチは以前から使っていますし、スマホのランニングアプリも使っていますが、毎朝の軽いランニングで使うにはちょっと大層な感じ。スマホはポーチやホルダーを付けるのが面倒だし、GPSウォッチはGPSの捕捉に数分間時間がかかるのがいらいらします。

Huawei Band 4 Proは多様なスポーツのモードを持っており、屋外ランニングを選ぶとものの数秒でGPS初期化も終わって走り始められます。GPSの使用時間は最大7時間とそれほど長くはありませんが、普段のランニングには十二分です。心拍計測もありますから、普段使っている1万円台のGPSウォッチと比べても高機能です。

バッテリーの持ちは数日とやや短いのが難点ではありますが、機能的には満足しています。後はアプリがRunkeeperなどのランニングアプリと連携してくれると言うことないのですが。ちなみにiPhoneでは文字盤の変更機能に制限があるようですが、後は普通に使えるようです。


もうひとつは、どうしても娯楽が少なくなる中で、テレビ視聴をより充実すべくアマゾンのFire TV Stickを購入。前から買おうかとは思っていたのですが、テレビのすぐ横にPCがあるので、プライムビデオやYouTubeなどをテレビで見るならPCとつなげばいいかと、これまで延ばしのばしになっていました。ただ、やはり頻度が増えると面倒だし、Huluにも入ろうと思っていたので、ついに購入することにしました。


4月10日にオーダーしたときは、納期1カ月後。それでもしかたないかと思いましたが実際には1週間で到着しました。現在は「一時的に在庫切れ; 入荷時期は未定です」となっていますが、おそらくはそれほど待たないで来るのではないでしょうか。

使ってみるとやっぱり便利。特に音声で検索できるのはいいですね。なんでこれまで買わなかったのだろうと思うほどです。家族も大喜び、これはいい買い物でした。


このほか仕事用にはノートパソコンの画面を注視して目が疲れるので外部ディスプレーを購入(これも結構品薄になっているよう。最初に買おうと思ったのは1カ月待ちでした)。あと、ZoomやTeamsなどの会議用にUSBヘッドセットも使うようになりましたが、これは新規購入ではなく数年前に買ったものを発掘してきました。

いつまで続くかわからないこの生活ですが、だんだん充実してきました。
Date: 2020/0419 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
豊作だった2018年産から、カリフォルニアでもついにワイン余り状態に陥っており、醸造したものの売り先のないバルクワインが出てきています。そういったワインを使ってお買い得なワインを作るワイナリーも登場しているという話がSFクロニクルに出ていました(Top-tier Napa Cab for $10? With bulk wine prices so low, new brands offer deep discounts - SFChronicle.com)。

登場するワイナリーは「de Negoce」と「Bêcheur」の2つ。

de Negoceを立ち上げたのはキャメロン・ヒューズ。キャメロン・ヒューズは2001年に同名のワイナリーを立ち上げ、同じようにバルクワインを使ってコスト・パフォーマンスの高いワインを作って一世を風靡しました。その都度、安価に仕入れられたものを売るため、毎年同じワインを作るのではなく、ロット番号を付けて毎回違うワインをt作っていました。ただ、売り先のほとんどがコスコ(コストコ)だったことと、2010年、2011年の不作の年に自社での醸造に切り替えざるを得なくなったことから財務状況が悪化して2017年にヴィンテージ・ワイン・エステーツに売却することになりました。

今回はその反省に立って、中間コストを極力排除し、ワインのリリース前に「フューチャー」としてメールを送って注文を受ける形にしています。最初にリリースするのはナパのカベルネ・ソーヴィニヨン。通常であれば50ドルになるワインをなんと10ドルで販売しました。

Bêcheurを立ち上げたのはマイケル・テリエンという人。オブシディアン・リッジというワイナリーの共同創設者兼ワインメーカーでもあります。彼の場合は友人のワインメーカーたちが、作ったワインを本来売るはずだったブランドで売れなくなり、二束三文で売らざるを得なくなった状況を憂いて、このワイナリーを始めたとのこと。
Bêcheur
ワイナリーのサイトを見ると、売っているワインは一つだけ。上の写真が添えられており、ワインのコストが詳らかにされています。

ここの仕組みはユニークで、ワインが売れれば売価を上げ、売れなければ下げる形になっています。本来40ドルで売られるはずだったアンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールは1ドルで売り始め、現在は23.92ドルになっています。その値段の推移もすべて明らかにしています。

ワイン余りで生まれる新しいワイナリー、これからもあるかもしれません。
Date: 2020/0418 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
リヴァース・マリーの2018年のワインが入荷してきています。シュレーダーのワインメーカーとしてパーカー100点のワインを輩出して一躍スター・ワインメーカーになったトーマス・リヴァース・ブラウンのプライベートブランド。

ワインメーカーとしてはナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを作ることが圧倒的に多い彼ですが、リヴァース・ブラウンではピノ・ノワールとシャルドネに力を入れています。特にソノマ・コーストやアンダーソン・ヴァレーといった冷涼な地域から秀逸なワインを作っています。

彼のワインを高く評価する一人がヴィナスのアントニオ・ガッローニ。リヴァース・マリーのピノ・ノワール プラット・ヴィンヤード2018 にピノ・ノワールとしては初の100点を付けています。2018年は何の問題も起こらなかったと言われる秀逸なヴィンテージだけあって、他のワインもこぞって高評価です。

しかも、リヴァース・マリーのワインの国内価格はかなり割安です。一番安いソノマ・コーストのピノ・ノワールだと4000円台(しかも送料無料)で販売する店もあります。これでヴィナスでは94点。リース(Rhys)の畑ベアワローのシャルドネやピノ・ノワールも格安です。






Date: 2020/0417 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
どっちを向いてもコロナの話ばかりで殺伐とした今日このごろ、それを癒すような動画をシェーファーがアップしています。

シェーファーでは伸びすぎたカバークロップをへらすため、毎年春になると30匹程度の羊を畑に連れてきます。その羊を撮影した動画1時間を6回繰り返して6時間の動画にしています。

BGMもなく、聞こえるのは羊の鳴き声やときどき鳥の声や牧羊犬?の吠え声がするだけ。草を食べている羊もいますが、樹の下で昼寝中の羊も多数。ただ歩いている羊もいます。

のんびりした気分を味わいたいときにどうぞ。4K動画なので大画面テレビにもぴったりです。
Date: 2020/0416 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
WSET LOGO
ワインや酒、スピリッツなどの教育コースを提供するThe Wine & Spirit Education Trust(WSET)は2020年4月15日、新型コロナウイルスによるスクール閉鎖などを受けてオンラインでのコース受講を拡大すると発表しました(WSET ramps up digital learning in response to Covid-19)。

オンラインでのライセンス・プログラムはこれまで英語でのコースに限られていましたが、今回、ZoomやMicrosoft Teamsなどのオンライン・ミーティング・ツールを使って他の言語でも提供することが許可されました。

また、試験についてもオンライン化を進めていくとのことで、現在は酒コースのレベル1で実験中だそうです。

日本では青山のキャプランが現在のところ英語でのオンラインのコースを提供しています。ただ、テイスティングの授業と試験については教室での受講が必要になっています。

試験に試飲があるコースでは完全オンラインはなかなか難しいとは思いますが、これも一つの時代の趨勢なのでしょう。

私は5月予定の試験が8月になり、勉強ペースが落ちてしまっています。しっかりしないと。
Date: 2020/0415 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパ観光協会がZoomなどのオンライン・ミーティングで使える背景画像をダウンロードできるようにしています。

ダウンロードはこちらから。
Napa Valley Zoom Backgrounds for Your Virtual Meetings - The Visit Napa Valley Blog
バックグラウンド

写真はBob McClenahanというフォトグラファーによるもの。「Napa Spotlight」誌の表紙などナパの写真をずっと撮ってきた人のようです。氏のサイトを見ると美しい写真のオンパレードです。

Bay Area Lifestyle Photographer | Bob McClenahan Photography

早く平穏な日々が戻ってこんな美しい景色を見に行きたいものですね。
それまではまず、背景画像で行った気分になりましょう。
Date: 2020/0414 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
輸入停止によるセールはありがたいけど寂しいものです。ヘス・コレクションは輸入元が変更になり、普及価格帯のヘス・セレクトは今後は輸入対象外になるとのこと。そこで、残っているヘス・セレクトのソーヴィニヨン・ブランがしあわせワイン倶楽部でセールになっています。従来より約1000円も安く税込みでも1000円台は嬉しい価格。


しあわせワイン倶楽部ではジョエル・ゴットのカベルネ・ソーヴィニヨン「815」もセールになっています。こちらも通常より1000円近く安く税込み2508円。3000円のカリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンの中でも非常にバランス良く飲みやすいワイン。さらにこれだけ安くなるのはかなりのお買い得です。


Date: 2020/0413 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
先日久々に飲んだカリフォルニアワインとして紹介したトロワ・ヴォワイエルなど、廃業したワイナリーやワイナリーの倉庫に眠っていた古いヴィンテージのワインなどを格安で入手するのに長けているインポーターが布袋ワインズです。オーナーがソノマのヒールズバーグに在住。そのコネクションでそういったワインを見つけてきています。

その最新の入手ものが「ゴーディアン・ノット(Gordian Knot)」。まさにオーナーの地元であるヒールズバーグのワイナリーです。ワイナリー価格34ドルのジンファンデル2種が税込みでも2000円台、28ドルのアルバリーニョが税抜なら1000円台という格安です。2017年には「100 Best Wines of Sonoma」に選ばれたこともあるというから実力は十分です。

ジンファンデル2種はドライクリークとアレキサンダー・ヴァレーの単一畑。アルバリーニョは2006年にソノマで初めて植えたものだそうです(「Enjoy the last hot days of the season with unique whites like chenin blanc」で大きく取り上げられています)。

Date: 2020/0411 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コンステレーション・ブランズからガロへのブランド売却に伴う日本での販売停止(ガロに移ってから再開される可能性はあります)。昨年終わりから行われているさよならセールでシミ(Simi)のカベルネ・ソーヴィニヨン「ランドスライド」が安くなっています。ワイナリー価格が45ドルに対し、税込みでも4300円台は激安といっていいでしょう。

ランドスライドはその名の通り、地すべりがあった土地にちなんだ畑名。断層に位置しており、複雑な土壌がワインに寄与しています。2014年ということでちょうど飲み頃に入っているでしょう。ソノマのアレキサンダー・ヴァレーを代表するワインの一つだと思います。

現品限りなので、お早めに。


Date: 2020/0410 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
このところWSETの勉強で、あえてカリフォルニアワインを避けてワインを買っていました。例えば直近で飲んでいたのはアルゼンチンのマルベック、ブルネッロ・ディ・モンタルチーノ、アルザスのリースリング…。

ですが、本来であれば5月初頭の予定だった試験が8月に延期になったこともあり、久しぶりにカリフォルニアワインを開けてみました。1年ほど前に格安の熟成ワインとして紹介した「トロワ・ヴォワイエル カベルネ・ソーヴィニヨン 2005」です。

やっぱりこれ美味しいです。適度に凝縮感もあるし果実味もまだ残っていて、プルーンやドライフィグ、皮革や土といった熟成によるアロマも楽しめます。これで3000円台は安い。ほかのワインをいろいろ飲んでもやっぱりカリフォルニアワインが好きだと再認識しました。

残念ながらこの2005年はもう売り切れたようですが、より古い2003年のカベルネ・ソーヴィニヨンや、2006年のソーヴィニヨン・ブランはまだ在庫があります。

Date: 2020/0409 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
新型コロナウイルス対策でソーシャル・ディスタンシングを徹底するため、米国のスーパーマーケットでは通路を一方通行にする試みが始まっています(Grocers implement one-way aisles | Grocery Dive)。

Fridge/freezer aisle
Photo by Northwest Retail、License CC BY-SA 2.0

一方通行にし、他の客とカート2つ分離れることを徹底させることで、距離を保とうというわけです。

米国中西部を中心とするハイヴィー(Hy-Vee)では既に始まっており、ウォルマートも追随しようとしています。サンフランシスコに本社のあるセーフウェイ(Safeway)も客に一方通行を呼びかけています。クローガー(Kroger)は1ストアでテスト中。

コネティカット州では、実行可能なストアでは一方通行を実践するよう、ルールを定めました。

米国のスーパーでは既に入場制限も行っており、ウォルマートの場合だと1000平方フィート(約93平米)で5人に制限しています。今回の措置はそれをさらに補強するものになります。

日本では、スーパーマーケットなど、いつも以上に人が群がっており、入場制限もなければレジの列に並ぶときもぎちぎちに詰めています。前の人と距離を開けたら割り込まれる始末。正直に言って恐怖を感じるレベルです。地元の店であれば安心といった意識があるのでしょうか。緊急事態宣言が出ても変わった様子はありません。

人との接触を8割減らすのが目標ということですが、これではとうていおぼつかないのではないかと不安です。日本でもソーシャル・ディスタンシングの徹底をしていってほしいと感じています。
Date: 2020/0408 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ホリエモンこと堀江貴文氏が2月に開催されたプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションに参加、そのレポートをYouTubeに上げています。オークションやその前のパーティの雰囲気などがわかる貴重なレポートです。

ホリエモンはレストランを経営していますから、その伝手で参加したのかと思っていたのですが、今回は中川ワインに帯同した形だったようです。

オークションで出すワインを事前に試飲できる前日のパーティではダックホーンやルイス、ホーニッグなどのワインを試飲。試飲レポートもわかりやすく、よくまとまっていたと思います。

そして、オークション本番。ホリエモンが落札したのはやっぱりカベルネかなあと思いきや、なんとハドソンのシャルドネでした。試飲では「樽が効いている」と評していました。
Hudson
プルミエ・ナパ・ヴァレーに出展されるワインは、専用に作られたもので、今回の「ラフィング・ランズ(Laughing Lands)」はハドソンの畑の中でもウェンテ・クローンで収穫量も少ない「レディバグ」と「リトルビット」の畑のシャルドネで作ったもの。思わず笑みが浮かぶほど美味しいということで、この名前を付けているそうです。

このワイン自体は販売されていませんが、ハドソンのシャルドネは国内で販売しています。キスラーやオーベールのハドソン・シャルドネは2万円くらいの価格ですが、ハドソン自身のシャルドネはほぼ半額とお買い得でもあります。

Date: 2020/0407 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワイン協会は4月6日、第6回となるカリフォルニア・グリーン・メダルの受賞ワイナリーを発表しました(Winners Announced for Sixth Annual California Green Medal | Wine Institute)。

green medal

リーダーシップ賞に輝いたのはJロアー。環境、コミュニティ、ビジネスというサスティナビリティの3つの要素でいずれも卓越していると評価されました。太陽光発電でパソロブレスの本拠地では65%、グリーンフィールドの新しいワイナリーでは100%の電力を賄うほか、水の利用を減らして1リットルのワインを作るのに使う水を3.5リットルから1.3リットルにまで減らしました。ナパのセントヘレナに持つ畑ではナパ川とのボーダーで自然の再生に力を入れています。

このほか、従業員と長期契約を結び、健康保険にも加入するなども評価されています。他のワイナリーをリードする働きもあり、リーダーシップに選ばれました。

このほか、環境賞にはメンドシーノのボンテラ、コミュニティ賞にはナパのクリフ・ファミリー、ビジネス賞にはサンタルシアハイランズのピゾーニ家が選ばれています。
Date: 2020/0406 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
古木の畑にこだわってワインを作るベッドロック。そのワインの中でもレア度が高く、またその内容に否応なく惹かれてしまうのが、「オークヴィル・ファームハウス」のワインです。

カリフォルニアでグラン・クリュを選ぶとしたら100%間違いなく選ばれる「ト・カロン』。そのオリジナルの姿に近いのがこのワインです。

「ト・カロン」の話はセミナーでもそれだけで30分以上話すことがあるくらい、興味深く、またいろいろややこしいのですが、そこを初めに切り開き、「ト・カロン」(ギリシャ語で至高の美の意味)の名前を付けたのがハミルトン・ウェブという人。そのオリジナル・ト・カロンに含まれる畑のブドウで造ったのがベッドロックの「オークヴィル・ファームハウス」。1930年代、禁酒法が終わっだ直後の時代に植えられた畑です。当時はまだ、畑に複数品種を混植する「フィールドブレンド」が使われており、今でもジンファンデル、プティ・シラー、モンデュース、ネグレット、カリニャン、シュナンブランなどが飢えられています。

ト・カロンの名前はコンステレーション・ブランドが商標登録しているので利用できないこのワイン、今回新しく入荷した2016年はアントニオ・ガッローニが95点を付けています。日本への入荷自体、非常に本数が少なく、私も試飲したことないのですが、色々な意味で好奇心を掻き立てられるワインです。


Date: 2020/0405 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部で売っている「日本で飲もう最高のワイン」でフルボディのワインとして2017年にベストワインを受賞したワイン「マスート ピノ・ノワール イーグルピーク 2013」。今はなきピノの専門誌ピノレポートでも95点という高得点を取っています。

2月の入荷時にも紹介しているこのワインですが、この4月はしあわせワイン倶楽部で送料無料の対象になっています。通常は670円(クール便使えば+390円)かかる送料が無料ですから、とりあえず1本試しに買ってみるといったことも気軽にできます。

ピノ・ノワールを得意としているショップですし、店長さんは私もよく知っているとても真面目な方。お薦めします。

Date: 2020/0405 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
新型コロナウイルス対策で「Stay at Home」が続く米国で、ワインなどアルコールの販売が好調です。3月21日に終わる週のデータで見ると、前年比でアルコールの販売が55%増加しています。特に伸びているのはスピリッツで75%。ワインは66%、ビールは42%伸びています。マグナムなど大容量のものも売れています。

特にオンラインのセールスは好調で前年比243%増というすごい伸び方です。

また、ワイナリーではバーチャル・テイスティングを開催するところがあります。大体が米国の午後なので、日本だと午前中でちょっと参加しにくいところなのが残念ではありますが(20 Napa, Sonoma wineries are doing virtual wine tastings)。そこのワイナリーのワインを飲みながらワインメーカーなどと語り合えるような形式のものが多いようです。バーチャル試飲用のワインを送ってくるところもあります。ケンダル・ジャクソンはテイスティングルームの中を公開する代わりに、VRで中を歩き回れるようにしています。

日本ではズーム飲み会を開催している人が結構いるようです。私も時間があれば参加してみたいですが、お呼びがかかりません(笑)。
Date: 2020/0403 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・インスタイルが低価格品を中心に約50品目のワインを値下げしました。日米貿易協定で関税が引き下げられたのが主な理由ですが、その他のコスト削減やワイナリー側の協力もあるそうです。

一番値下げ幅が大きいのはコッポラのダイヤモンド・シリーズ。特に希望小売価格3600円だったジンファンデルやカベルネ・ソーヴィニヨンなど。2800円へと2割以上も値下げしました。4100円のクラレットも3500円に、これも600円の値下げ。
null
コスパでもともと定評のあるハーンも100数十円ですが値下げしています。

ワイン業界全体(だけではないですが)、なかなか元気が出ない中、この値下げはうれしいニュースです。

Date: 2020/0402 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
毎年恒例のカリフォルニアワイン・バイザグラスのプロモーションが始まりました(カリフォルニアワイン・バイザグラス・プロモーション2020|カリフォルニアワイン)。
バイザグラス
プロモーションに参加したレストランではカリフォルニアワインをグラス注文できる「バイザグラス」を提供します。プロモーション自体は4月1日から5月31日ですが、お店によって参加期間は違うので、上記サイトを参考にしてください。

昨年から始まった参加者向けのキャンペーンもあります。インスタグラムで投稿した人の中から1人に3万円のお食事券、100人にカリフォルニアワイン1本をプレゼントします。

新型コロナウイルスが猛威をふるい、外食産業にとってもあまりにも苦しい日々が続いています。今回のプロモーションも、今後政府が緊急事態宣言を出した場合は中止するとしています。また、地方自治体などによる外出自粛の要請にも従うようにと明記されています。

私も在宅勤務が中心になり、レストランに出かけるのも難しいのが現状ではありますが、皆さんの応援をしたいと思います。
Date: 2020/0401 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパのワイナリーが3月30日と31日(現地時間)限定でライブラリーのワインを販売しています。

Open the Cellar
Open The Cellar
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが主導して行っているもので、古いものでは1990年代のワインもあります。

ただし、オーダーは各ワイナリーのサイトで行うので、日本への発送が可能かどうかなどは、個々のワイナリーによります。また、複数のワイナリーへのオーダーをまとめることもできません。

いい試みですが、期間も短いしもう少しいろいろ頑張ってくれたらよかったかなという感じもあります。
Date: 2020/0331 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

桃井隆宏さんがサンフランシスコで作るピノ・ノワールとシャルドネのワイナリー「アーサー・セラーズ」の新ヴィンテージが発売になりました。専用のECサイトから購入できます。
カリフォルニアワイン専門店 アーサーセラーズ ワインブティック

桃井さんの師匠はオーガストウエストなどで知られるエド・カーツマン。理屈抜きで美味しいワインを作る人です。桃井さんのワインも師匠同様、とにかく美味しいです。

ワインの専門家と愛好家がともにワインを選ぶ「日本で飲もう最高のワイン」では2015年に2013年のピノ・ノワールが愛好家で最高のプラチナ、専門家でゴールド、2016年に2014年のピノ・ノワールが愛好家・専門家ともにプラチナ、2017年に2015年のピノ・ノワールが専門家でプラチナ、愛好家でゴールドに選ばれています。2018年はシャルドネ、ピノ・ノワールともに愛好家でプラチナ、2019年はシャルドネで愛好家のシルバー、ピノ・ノワールで同ゴールドと毎年上位で受賞しています。中でも2016年は各ジャンルで1本だけ選ばれる「ベストワイン」に、ミディアムボディの赤のジャンルで選ばれています。

今回発売の2018ヴィンテージではピノ・ノワールにフリーマンの畑「グロリア」が加わり、3種類になりました。ちなみに、フリーマンのワインメーカーのアキコさんもエド・カーツマンの弟子であり、桃井さんと兄弟弟子になります。

他のワインはシャルドネが1種でロシアン・リバー・ヴァレー、ピノ・ノワールがスプリングヒルとケイアール・ランチ。

シャルドネは実際には、ソノマ最高のシャルドネの畑の一つと言って過言ではないチャールズ・ハインツです。ピノ・ノワールもソノマのグリーン・ヴァレーを中心とする冷涼な地区の畑ばかりです。2018年は非常にコンディションのいい年で、ゆっくりと完熟しました。

シャルドネは4800円(税抜き、以下同様)、スプリングヒルは5200円、ケイアール・ランチは5800円、グロリアは7200円。クオリティを考えたらびっくりするくらい安いです。自社のECサイトだけの販売だから実現できる価格なのでしょう。

例年、1カ月以内で売り切れてしまいます。購入はお早めに。

カリフォルニアワイン専門店 アーサーセラーズ ワインブティック

Date: 2020/0329 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアでは新型コロナウイルスの蔓延を防ぐため、レストランはテイクアウトだけ、ワイナリーもワインの購入はいいけど試飲はなし、ということで大方のテイスティングルームが閉じています。多くの場合、テイスティングルーム休業中は、そこの従業員には給料は支払われないのですが、ハイツ・セラーズは給料を100%支払いを続けていて話題になっています(A Napa Winery Closed Its Tasting Room, But Is Still Paying Its Staff. The CEO's Reasoning Is Powerful)。
Heitz Wine Cellars Cabernet Sauvignon
CEOのカールトン・マッコイは理由を問われて次のように答えています。

「このようなシチュエーションにおいては、従業員を取り扱うマネージャーになってはいけない。人間として人間を扱うのだ」

現在のハイツのオーナーは大金持ちのゲイロン・ローレンスであり、その資産があるからできることだという指摘もあります。ですが、それ以上にCEOの方針という面が強くありそうです。

カールトン・マッコイはよく知られたソムリエで昨年CEOに抜擢されました。彼はこんなことも言っています。

「急いで結果を出さないといけないわけではないし、パンデミックのさなかに株主に利益率を誇示することもない」

また、これはハイツだけでなく、ナパのコミュニティのためなのだということも言っています。

参考:ナパのハイツ・セラーズが売却される

この記事とは無関係ですが、ハイツのマーサズ・ヴィンヤード2014が先日ワイン・エンスージアストで100点を取っています。日本にはまだ前ヴィンテージの2013までしか入っていないようですが。
Date: 2020/0328 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ダックホーンから新しいブランド「ポストマーク」が登場しました。「あれ?」と思う人もいるかもしれません。「ポストマーク」はかつてはダックホーン傘下の「パラダックス」のフラッグシップで、カベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルのブレンドでした。価格も70ドルしました。

それが今回はダックホーンの中では最も安価なワインとしての再登場。税込みで4000円を切る価格はナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはレアであり、ソノマの契約畑から極めてコスト・パフォーマンスが高いワインを作っているデコイと比べて、プラス1000円弱というのも十分な安さです。

ちなみに米国では実売30ドル強といったところ。為替と税金を考えたらほとんど変わらない価格です。デコイもワイナリー価格で25ドル、実売で20ドルといったところなので同様にかなり安い値付けになっていますが、どちらもとてもお買い得なワイン。

特に3000円台のナパ・カベはこれまで「空白地帯」といってもいいようなところなので、これは要注目です。

Date: 2020/0327 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
アカデミー・デュ・ヴァンの講座「カリフォルニアの超一流ワイナリー」の最終回を開催しました。コロナ対策で、アルコール消毒液が準備されているのはもちろん、教室内には巨大空気清浄機が2つ設置され、講師はしゃべるときは常にマスク着用、試飲の前には教室の換気、試飲のワインや水は全部スタッフが配る、机の配置はスクール形式で、生徒間のディスカッションはなし、といった配慮をしています。マスクを付けてしゃべるのは「酸欠になった」という話も聞きましたが、最初は苦しかったものの、案外慣れるものだなとも思いました。

前置きが長くなりましたが、今回のテーマはハーラン。コルギン、シュレーダーと来て最後に大本命という感じのクラスです。ハーラン・エステートはもちろん、セカンド・セレクションのザ・メイデン、ボンド(畑はセント・エデン)、ボンドのセカンドのメイトリアーク、プロモントリー、マスコット(ハーラン、ボンド、プロモントリーの若木を使ったワイン)の6種を試飲という豪華さです。ハーランとメイデン、セント・エデンは2015年、メイトリアークは2014年、プロモントリーとマスコットは2013年のヴィンテージ。ハーラン、ボンド、プロモントリーを横並びで試飲できる機会は自分にとってももちろん初めてです。ちなみにワイン・アドヴォケイトの評価ではハーランは100点、セント・エデンとプロモントリーは99点です。



生徒さんにはブラインドで試飲して、どれがどれだか推理してもらいましたが、予想以上に難しかったです。わかりやすいと思っていたプロモントリーも、ダブルデカンタした効果か、いつもよりも洗練された感じがありました。

その中でやはり特徴的だったのはハーラン・エステート。とにかくスムーズ。ベルベットのようなテクスチャは唯一無二と言ってもいいと思います。洗練されすぎて、生徒さんは「安いワインかも」と思ってしまったようでしたが。

プロモントリーとボンドのセント・エデンはパワフルでまだかなりタンニンも感じます。セント・エデンはもう1~2年、プロモントリーはもう5~10年くらいは寝かせておきたいと思いました。

マスコットはヴィンテージが早い(2013年)ということもあり、少し熟成感が出始めていい感じになっています。メイトリアークとメイデンはどちらも秀逸。コスパ的に考えるならば一番安い(実売で2万5000円くらいから)メイトリアークに魅力を感じます。

貴重かつ面白い試飲体験でした。

なお、4月からの講座も募集しております。
カリフォルニアの名門ワイナリー
続・カリフォルニアの名門ワイナリー
カリフォルニアの超一流ワイナリー

名門ワイナリーはモンダヴィに始まり、モンテレーナとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズのパリスの審判コンビ、リッジ、カレラ、キスラー、ピーター・マイケルというまさに王道。続・名門ワイナリーはシルバー・オーク、シェーファー、ジョセフ・フェルプス、オーパス・ワン、オー・ボン・クリマ、オーベールという特にナパのカベルネ・ソーヴィニヨンが充実した内容。そして超一流でコルギン、シュレーダー、ハーランです。

試飲のワインの充実は請け合います。このご時世ですが、一人でも多く受講いただけたら嬉しいです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ボンド・メイトリアーク[2014]
価格:24860円(税込、送料別) (2020/3/27時点)

Date: 2020/0323 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
スターレーン(Star Lane)はサンタ・バーバラのハッピー・キャニオンにあるワイナリーで、ディアバーグ(Dierberg)という名前でシャルドネやピノ・ノワールも作っています。ブラインドで「オーパス・ワンに勝った」というのがしばしば宣伝文句で使われていますが、オーパス・ワンよりも美味しいかどうかはともかくとして、5000~1万円レンジのカベルネ・ソーヴィニヨンの中で、非常に秀逸なワインの一つであり、コスパも高いのは確かです。柔らかな味わいで万人受けするタイプのカベルネ・ソーヴィニヨンです。ワインを飲み慣れていない人でもわかりやすく美味しいと思えるワインなので、ギフトにも向くと思います。

そのスターレーンの現行ヴィンテージは2016ですが、それより10年近く熟成した2007年のものが少量国内に入荷してきています。蔵出しですから品質的には問題ないはずです。価格は7000円台からと、現行ヴィンテージの5000円台よりはさすがに少し高くなりますが、ちょっと熟成した味わいを比較的手軽に楽しめる貴重なワインです。


現行ヴィンテージはこちら。

Date: 2020/0322 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2020年のオークション・ナパ・ヴァレーはコロナウイルスの影響で中止にするとナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが発表しました(Napa Valley Vintners Cancels 2020 Auction and Pledges Support to ...)。

オークション・ナパ・ヴァレーの収益は地域のNPOに寄付されてきましたが、NPOの事業を守るため、今年も昨年と同程度の地元への貢献をする旨、同時に発表しています。

オークション・ナパ・ヴァレーが中止になるのは今回が初めて。次回は2021年6月3日から6日に開催する予定で、今回の名誉会長を務める予定だったアラウホ夫妻が次回も担当することになりました。
auction napa valley
Date: 2020/0320 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアでも新型コロナの拡大防止措置がとられています(What does California coronavirus shelter in place order mean? | The Sacramento Bee)。

シェルター・イン・プレイスと言って、原則外出を禁止することや、ソーシャル・ディスタンスと言って隣の人とは6フィート以上離れることなどが推奨されています。ビジネスも不要不急のものは営業しないようにと言われています。

特にワイナリーのテイスティングルームなど、その場で飲み食いするものは原則休みになっています。ワイナリーでワインを買って持ち帰って飲むのは問題ありませんが、実際にはすべて閉じているところが多いようです。レストランなども持ち帰りのみになっているようです。

これらは法律に基づいた命令ではないので、あくまで要望という形ではあります。概ね4月上旬くらいまで続く見込みです。
Date: 2020/0317 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワインあとりえに「シャトー・スーヴェラン」のカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネが入荷しています。どちらも税込み1950円。一時は税込み3000円を超えていましたが、久々の安価でうれしい価格です。

シャトー・スーヴェランは元々ナパのハウエル・マウンテンにリー・ステュアートが開いたワイナリー。「パリスの審判」で赤ワイン1位になったスタッグス・リープ・ワイン・セラーズの創設者であるウォーレン・ウィニアルスキーと、白ワイン1位になったシャトー・モンテレーナの当時のワインメーカー、マイク・ガーギッチが共に修行したワイナリーとしても知られています。「山カベ」のパイオニアでもあったワイナリーですが、その後ソノマのアレキサンダー・ヴァレーに移り、コスパ・リーダーとして名を馳せます。個人的にも25年くらい前に9ドル台で買ったカベルネ・ソーヴィニヨンがむちゃくちゃ美味しくてびっくりしたのを覚えています。

2000年代に入ってからは、ワイナリー(醸造設備やテイスティング・ルームなど)をコッポラに売却して、アスティ・ワイナリーに身を寄せるようになり、一時は名前も「シャトー」を取って「スーヴェラン」と名乗っていました。品質は変わらなくても価格は上がっていき、コスパ的な魅力もやや薄れてきてしまっていたのですが、ここに来て久々の復活となりました。

まとめ買い推奨です。

Date: 2020/0316 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
布袋ワインズの試飲会から美味しかったワイン、注目のワインを紹介します。

いきなり目玉からいってしまいます。


昨年、缶入りワインで注目を集めた「ヘッド・ハイ」。キスラーなどのワイナリーやギャップス・クラウンなどの畑を持つビル・プライスがオーナーなので、只者ではない感が最初から出ていました(参考「「缶入りワイン」で魅力的なピノ・ノワール「ヘッド・ハイ」」)。今回は初リリースのシャルドネ(4月入荷予定)ですが、これがとてもきれいで美味しいワイン。3100円という価格は信じられないほどの美味しさです。正直5000円とか6000円と言われても納得すると思います。入荷してきたときはまた紹介したいと思います。昨年来日していたクリス・マットソン氏が今回も来ていましたが、どこの畑かは「秘密」とのこと。何回か報じているように昨年は余剰ブドウがかなり出たようなので、かなりいい畑のものが安く調達できたのではないかと思います。


ソーヴィニヨン・ブランのスペシャリスト「ボドキン」のスパークリング。ソーヴィニヨン・ブランのスパークリングはかなりレアです(米国初と書いてありました)。ドライでクリスプ。爽やかな味わい。夏に飲みたいワインです。


ソノマの名門スパークリング「パイパー・ソノマ」からはブラン・ド・ブラン、ブリュット、ブリュット・ロゼの3種が出ていました。価格はいずれも4000円ですが、その中ではコクと複雑さがあるブリュット・ロゼが個人的には好みです。


カリフォルニアでは珍しいアルバリーニョを3種ラインアップに持つ布袋ワインズ。その中では「ファーディナンド(Ferdinand)」が旨味たっぷりで美味しい。コングスガードのジェネラルマネージャーが作っています。これが3600円はバーゲン。カリフォルニアではマイナー品種ですが、だまされたと思って飲んでみてください。
【6本〜送料無料】アルバリーニョ 2017 ファーディナンド 750ml [白]Albarino Ferdinand


ソーヴィニヨン・ブランの中ではこれが思わず「うまい!」と声が出てしまうくらい美味しい。ブランダーもソーヴィニヨン・ブランのスペシャリストですが、その中でもこの「オー・ナチュレル」は上級のキュベ。ソーヴィニヨン・ブランとしては高額ですが、納得できる品質です。
ブランダー ソーヴィニヨン・ブラン "オゥ・ナチュレ" サンタイネツヴァレー [2017] (正規品) Brander au Naturel



ナパのシャルドネというと、濃厚な果実味でパワフルなワインを想像する人が多そうな気がしますが、これは予想外といっていいほど、エレガントできれいなワイン。果実味もしっかりあって美味しい。コスパ高いです。
【6本〜送料無料】ヨントヴィル ナパ ヴァレー シャルドネ 2017 フープラ 750ml [白]Yountville Napa Valley Chardonnay Hoopla [スクリューキャップ]


セインツベリーというと、オールド・ファンは「懐かしい」、新しいファンにとってはあまり知らないワイナリーかもしれませんが、カーネロスのパイオニアの秀逸なワイナリーです。シャルドネは完成度高い味わい。2014年とちょっと熟成始まっていて非常に美味しい。1クラス上のワインです。リンク先のように3000円台で売っている店もあります。
【6本〜送料無料】カーネロス シャルドネ 2014 セインツベリー 750ml [白]Carneros Chardonnay Saintsbury [スクリューキャップ]


カリフォルニアのシャルドネマスターとでも言えるのがレイミー。彼のワインはどれも美味しいですが、これは果実味濃く、ゴージャスな味わい。

●WA95+点/AG95/WE95/WS94《レイミー》 シャルドネ “リッチー・ヴィンヤード” ソノマコースト (ロシアンリヴァーヴァレー) [2016] Ramey Wine Cellars Chardonnay Ritchie Vineyard, Russian River Valley (Sonoma Coast) 750ml カリフォルニアワイン専門店あとりえ


15年前はホットだったロシアン・リバー・ヴァレーも、最近ではソノマ・コーストの人気に飲まれている感じがします。実はロシアン・リバー・ヴァレーの大半はソノマ・コーストにも属しているので、最近はロシアン・リバー・ヴァレーにあってもソノマ・コーストと名乗るワイナリーがかなりあります。その中で、ギャリー・ファレルはロシアン・リバー・ヴァレーにこだわって秀逸な生産者とワインを作っています。このピノ・ノワールは果実味たっぷり、とても美味しい。ロシアン・リバー・ヴァレーもやはり優秀な産地なのだと再認識します。


予想外にきれいな味わいのカベルネ・ソーヴィニヨン。酸が美味しい。


バランス良く、ストラクチャーのしっかりした味わい。


シャトー・モンテレーナのカベルネ・ソーヴィニヨンは、ナパの上級カベルネ・ソーヴィニヨンの中では比較t系安価。しかもむちゃくちゃ美味しいてす。


ハウエル・マウンテンの名門ダン。パワフルでタニックだけど酸がきれいなのでやりすぎ感がないのがいいです。


クラインのカリニャン「エンシェント・ヴァインズ」。樹齢100年超の古木から作るワイン。これで3000円は安いです。
クライン・カリニャン・エンシェント・ヴァインズ2017


こちらはクラインから別れた兄弟が作るスリーのプティ・シラー。タニックだけど果実味も美味しいです。
Date: 2020/0314 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
シャンパーニュ・メゾンとして有名なルイ・ロデレールがナパのダイヤモンド・クリークを買収しました(Maison Louis Roederer Acquires Diamond Creek Vineyards)。

ルイ・ロデレールはメンドシーノにロデレール・エステートを所有しているほか、シャッフェンベルガー・セラーズというスパークリングワインのワイナリー、ドメーヌ・アンダーソンというシャルドネとピノ・ノワールのワイナリーを持っています。また、2019年にはソノマのメリー・エドワーズを買収しています。

今回はナパでの初のワイナリー取得であり、カベルネ・ソーヴィニヨンを初めて持つことになります。

ダイヤモンド・クリークはブラウンスタイン夫妻が1968年に設立したワイナリー。ナパのカリストガ近くに4つの畑を持ち、畑の名前の付いたワインを作り続けています。カリフォルニアにおける単一畑ワインの先駆けの一つであり、カルト的な人気を博したワイナリーの先駆けでもありました。近年も、2013と2016年のワインが「パーカー100点」に選ばれています。

2006年に夫のアルが、2019年には妻のアデルが亡くなりました。ルイ・ロデレールの社長は生前から夫妻の知り合いであり、その縁もあって今回の購入に至ったようです。


Date: 2020/0313 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ワイン・スペクテーターで40ドル以下のお薦めナパワインの記事が出ていました。順を追って紹介しましょう。

●グリーン・アンド・レッド ジンファンデル チャイルス・キャニオン・ヴィンヤード2017  27ドル
ナパ・ヴァレーの東の方にあるチャイルス・ヴァレーのワインです。ここはジンファンデルに向いた土壌だとのこと。このワイナリー、以前は日本にも入っていたような気がしますが気のせいでしょうか。

●ウィリアム・ヒル シャルドネ 2017 27ドル
濃厚カリフォルニアワインと食事との見事なマリアージュ」で2016年のワインを飲んでいますが、濃厚で樽のしっかり効いたシャルドネでした。日本の価格も良心的です。


●ホーニッグ ソーヴィニヨン・ブラン ラザフォード・リザーブ 2018 35ドル
ナパでも良心的な価格のワインを作ることで知られているホーニッグのソーヴィニヨン・ブラン。リザーブ版なのでちょっと高級です。


●ルートストック カベルネ・ソーヴィニヨン 2017 25ドル
これは初めて見たかも。

●セコイアグローブ シャルドネ 2018 36ドル
これもかなりリッチなタイプのシャルドネのようです。

●シルヴァラード メルロー クームスヴィル マウント・ジョージ・ヴィンヤード 2016 40ドル
クームスヴィルの記事のときに紹介しましたが、シルバラードはクームスヴィルに力を入れているところの一つです。


●スタッグス・リープ・ワイナリー ソーヴィニヨン・ブラン 2018 30ドル
スタッグス・リープ・ワイン・セラーズではなく「ワイナリー」の方のソーヴィニヨン・ブランです。

●ホール ソーヴィニヨン・ブラン 2018 28ドル
ソーヴィニヨン・ブランはコスパの高いものが多いです。ホールはカベルネ・ソーヴィニヨンが有名ですが、ソーヴィニヨン・ブランもいいです。


●テキストブック メルロー 27ドル
テキストブックも最近取り上げたワイナリーです。お手本のようなワインを作っています。

Date: 2020/0312 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
女性審査員だけで選ぶというユニークで、国内でも指折りの規模を持つワイン審査会「サクラアワード」の最高賞である「ダイヤモンド」が3月10日に発表されました(“SAKURA”Japan Women’s Wine Awards 2019 受賞結果 │SAKURA AWARDS(サクラアワード))。

第7回目となる今回は560名の審査員が29カ国4333アイテムのワインをブラインドで審査。256アイテムがダブルゴールド、957アイテムがゴールド、836アイテムがシルバーに選ばれています。

ダイヤモンドはダブルゴールドの中から更に選りすぐったワインで49アイテムが受賞。うちカリフォルニアワインは6種類となっています。

ハーンのスミス&フック カベルネ・ソーヴィニヨン セントラル・コースト 2017
フェッツァーのシャルドネ 2018
ロバート・モンダヴィのマエストロ レッド・ブレンド 2015
ウォーターストーンのスタディ・イン・ブルー ナパ・ヴァレー 2016
シダーヴィルのエステート グルナッシュ 2017
ジャン・クロード・ボワセのフォグ・マウンテン ソーヴィニヨン・ブラン 2018

ハーンのスミス&フック カベルネ・ソーヴィニヨンは昨年に引き続き2年連続でのダイヤモンド受賞です。
シダーヴィルはシエラ・フットヒルズにある小さなワイナリーですが、昨年はヴィオニエがダイヤモンド、今年はグルナッシュがダイヤモンドと2年連続の快挙となりました。

皆様おめでとうございます。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

【5,000円以上送料無料】フェッツァー シャルドネ 750ml
価格:1078円(税込、送料別) (2020/3/12時点)

Date: 2020/0311 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨日に続いてクームスヴィルの話です。「Duhig(デューヒグ) Winery」は今年初めてワインをリリースするワイナリー。デビュー作のカベルネ・ソーヴィニヨンがワイン・スペクテーターでいきなり94点を取り、ワイナリーの紹介記事も掲載されています(Duhig's Strong Debut Is a Napa Cabernet to Watch | Wine Spectator

オーナーはデューヒグ夫妻で、ワインメーカーは妻のハーヴェスト・デューヒグ。ハーヴェストというできすぎた名前ですが、本名です。ナパの生まれで名前は母親がつけたとのこと。夫のジョン・デューヒグの家族は19世紀からブドウを育ててきています。

ハーヴェストはUCデーヴィスの卒業生。2002年にケイマスのチャック・ワグナーと出会って、以来ケイマスの契約農家の栽培管理や醸造を担当してきました。2008年にクームスヴィルに畑を取得。2016年が最初のヴィンテージとなっています。最大斜度22%の斜面の畑で、小さな畑の中に土壌が3種類含まれているとのこと。生産量は123ケース。
Duhig

カリフォルニアワインも以前よりはエレガントさを重要視するようになったことも比較的冷涼なクームスヴィルが注目されている理由の一つでしょう。クームスヴィルからはこれからも注目すべきワイナリーが出てきそうな気がします。
Date: 2020/0310 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ガロへのブランド移行で当面終売となるブランドの一つがエスタンシア。コスパの高いワインで知られているブランドですが、2700円だったソーヴィニヨン・ブランがなんと1100円になっています。これは安すぎです。


Date: 2020/0310 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ナパで有名な地域というとオークヴィルやラザフォード、スタッグス・リープ・ディストリクトあたりがまず思いつくでしょうか。ただ、このあたりは既にほぼ開発しつくされてしまっていて、新たな畑を作るのはほぼ不可能です。プリチャード・ヒルなど山の方ならば開発できる余地はありそうですが、近年は環境保全がうるさくなっていて、一定以上の斜度の斜面は開発できないなど、なかなか難しくなっています。

また、温暖化が進んでカベルネ・ソーヴィニヨンの適地探しもますます難しくなっていますが、その中で今注目されているのがクームスヴィル(Coomsville)です。ナパの南東端にあり、海から近いため、比較的冷涼ですが、バカ山脈の南端にも当たっており、標高が高いところは比較的温暖でカベルネ・ソーヴィニヨンなどにも向く地域となっています。ここのカベルネ・ソーヴィニヨンはナパの中では比較的果実味が抑えめで、ストラクチャーのあるワインになる傾向があります。

ちなみにシャルドネではコングスガード(Kongsgaard)の「ザ・ジャッジ」の畑がクームスヴィル。カリフォルニア最高のシャルドネを生み出す地域でもあるわけです。

この地域に力を入れているワイナリーの例としては、シルバラード、ファヴィア、ポール・ホブズなどがあります。

メテオールのカベルネ・ソーヴィニヨン2013はパーカー97点の傑作。3月11日まで半額で1万3500円になっています。

シルヴァラードはクームスヴィルに自社畑を持っており、秀逸なカベルネ・ソーヴィニヨンを作っています。

スクリーミング・イーグルなどでワインメーカーを努めた人気のアンディ・エリクソン(最近ではコンステレーション・ブランズのト・カロンの新しいワイナリーのワインメーカーに抜擢されています)の自身のブランドがファヴィア。その本拠地がクームスヴィルにあり、クームスヴィルのワインにも力を入れています。

最後はポール・ホブズ。ナパではベクストファー・ト・カロンなど購入ブドウのワインが中心ですが、クームスヴィルでは自社畑を開発してワインを作っています。価格は高いですが、クオリティも高いです。
Date: 2020/0309 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
昨日の中川ワインの試飲会レポートでも紹介したゴースト・ブロック。ナパのオークヴィルからヨントヴィルにかけて7つの自社畑を持つ実力派ワイナリーです。白ワインもありますが、かなりのレア物。ヨントヴィルの自社畑から作っています。

Date: 2020/0308 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2月があまりにも忙しすぎて、もう1カ月経ってしまいましたが、試飲会レポートです。それにしても2月20日ころまではまだ試飲会やセミナーありましたが、その後はほとんどがキャンセル。レストランなども閑古鳥が鳴いているところが少なからずあるようです。せめて家飲みでワイン飲みたいものですね。私は昨日、開けてから1週間くらい経ってしまったワインの残りを飲んだら、かなり酸化していて、辛かったです…


ジンファンデルで有名なベッドロックのリースリングです。ドライでミネラル感がすごい。時間かけてゆっくり飲みたいワイン。



既に別記事でも紹介したナパ・ハイランズの弟?(妹?)分的存在のナパ・グレン。樽の使い方が秀逸です。


リース(Rhys)の廉価版アリージアのシャルドネ。廉価版といっても自社畑のベアワロー100%。酸がきれいで余韻の長いワイン。高級感あります。


初登場イーター(Iter)のスパークリング。シャルマー方式なので高級感はないですが、あっさり気軽に飲めるスパークリングです。


ダックホーンの廉価版デコイ(Decoy)のソーヴィニヨン・ブラン。酸がきれいでさわやか。ソーヴィニヨン・ブランらしいソーヴィニヨン・ブラン。


デコイのピノ・ノワール。ダックホーン傘下に入ったカレラのセントラル・コーストを一部ブレンドしているとのこと。いろいろな品種を手掛けるワイナリーのピノ・ノワールは、あまりレベルが高くないことが多いですが、これはかなりいいです。果実味もよく、バランスいいワイン。


リヴァース・マリーのソノマコースト・ピノ・ノワール。トーマス・ブラウンのワインが6000円で飲めるだけでもすごいです。バランス良く、旨味あるピノ・ノワール。


マウント・エデンはリッジ、リースと並んでサンタ・クルーズ・マウンテンズを代表するワイナリー。クラシックな作りという点ではリッジと共通する雰囲気があります。リッジにないものとしてはこのピノ・ノワール。複雑さがあり、熟成が楽しめそうなワイン。


ナパ・ハイランズの弟?分、ナパ・グレンのカベルネ・ソーヴィニヨン。シャルドネと同様、嫌味ではない樽の風味が秀逸です。果実味は突出せず、作りの上手さを感じさせます。


マウント・エデンの畑から2kmほど離れたところに購入した畑のブドウから作るのがドメーヌ・エデン。マウント・エデンよりも早くから親しめる作りです。これはカベルネ・ソーヴィニヨンとしては非常にきれいな酸を持ったワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンでも酸は大事なのだと思わされました。


アリルは昨年から何度も紹介していますが、1万円以下のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはこれ以上は望めないレベルでしょう。というか本来はこの倍の価格のものを廃業予定のワイナリーから安く仕入れたお買い得品です。


ゴースト・ブロックはヨントヴィルからオークヴィルにかけて7つの自社畑を持つワイナリー。カベルネ・ソーヴィニヨンはオークヴィルの畑から。場所とクオリティを考えたら2万円以上で全然不思議ではないワイン。味わいもオークヴィルらしいなめらかなタンニンで高級感あります。


オーヴィッドのヘキサメーターはカベルネ・フラン中心のワイン。プリチャード・ヒル近隣のコルギンやコンティニューム、オーヴィッドから山を降りたところにあるダラ・ヴァレのマヤもカベルネ・フランの比率が比較的高いワインですが、格下に見られがちなカベルネ・フランもこれだけ素晴らしいものができるということはぜひ知ってほしいです。値段は高いのですが…


2005年が初ヴィンテージにして、今まで14本の「パーカー満点」を取った新生カルトの一つ「ビーヴァン・セラーズ」。このワインの畑「テンチ」はまさにスクリーミング・イーグルの隣にあります。なめらかな味わいでむちゃくちゃ美味しい。


最後はハーランの「プロモントリー」。極めて個性的な味わい。大樽に由来すると思われる木の風味、果実の濃縮感、複雑さ。前にも書きましたが、ここは将来ハーランを超えていく可能性があると思います。
Date: 2020/0306 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアでも新型コロナウイルスによる死者がでました(California Declares Emergency After 1st Coronavirus Death – NBC 7 San Diego)。これに伴い、ニューサム州知事は非常事態宣言を発令しています。

亡くなった方は年配で、クルーズ船で感染したとのこと。詳しい情報は不明です。

カリフォルニアでの感染者は計53名。非常事態宣言はワシントン、フロリダに次いで3州目となります。
Date: 2020/0303 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマのワイナリー「ヴァレー・オブ・ザ・ムーン(Valley of the Moon)」のワイナリーがあるランチョ・アクア・カリネンテが売却されました(Bundschu Company Acquires Historic Estate Property and Winery from ...)。購入したのは、19世紀から続く家族経営のワイナリー「ガンロック・バンシュー(Gundlach Bundschu)」の親会社。 ここは「アボッツ・パッセージ・ワイナリー(Abbot's Passage Winery)」のホームになるとのこと。

売却したのはウエストコースト・ワイン・パートナーズ。ヴァレー・オブ・ザ・ムーンのブランドとワインの製造は今後も続けるとのことです。
Date: 2020/0302 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
最初のヴィンテージはものの数日で売り切れてしまったナパ・ハイランズのリザーブ。超一流畑のブドウを使っていて1万円というのはお買い得間違いなしですが、それにしても改めて「ナパ・ハイランズ」の強さを感じました。

2016年のナパ・ハイランズ・リザーブはまだ店頭などにはありますが、すでにインポーターは売り切れ状態。店頭在庫がなくなったらまた1年待ちになるでしょう。

Date: 2020/0229 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
昔の名前で出ています…といったイメージがあるのかもしれませんが、実はカリフォルニアのシャルドネ、ピノ・ノワールの中でも抜きん出て、と言っても過言ではないくらいコスト・パフォーマンスが高いのがオー・ボン・クリマです。ロバート・パーカーの好みからははずれていたためか、ワイン・アドヴォケイトでの評価はそれほどでもありませんが、現在のレビュアーとしてはトップと思われるアントニオ・ガッローニはかなり高い評価をしています。

2016年のピノ・ノワール「イザベル」、「ノックス・アレキサンダー」の2つのフラッグシップはどちらも96点の評価。ガッローニのオー・ボン・クリマの評価としてもこれまでの最高になりました。ノックス・アレキサンダーはまだ国内では2014までしか入っていない(ノックスの方が飲み頃が遅いので、これはうなづけます)ですが、イザベルは国内での価格が6000円前後(税込み)。米国での50ドル(税別)と比べても安いくらいの価格です。この価格でこれだけの高評価のピノ・ノワールはなかなか見つかりません。

シャルドネのフラッグシップ「ニュイ・ブランシェ」も2015年が95点。こちらは国内だとなんと4000円台で入手できます(米国では税別40ドル)。

ジム・クレンデネンのワインの作り自体は変わっていませんが、時代が彼に近づいてきているのだと思います。

Date: 2020/0229 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2020年の生育シーズンが早くも始まりました(Growing Season Begins in Napa and Sonoma)。

ナパではオーク・ノールにあるトレフェッセンで芽吹きの報告がありました。ソノマではジョエル・ピーターソンがソノマ・ヴァレーのグレン・エレンで芽吹きを報告したほか、ドライ・クリーク・ヴァレーでもシャルドネの芽吹きが始まったとのことです。

若木ほど早く芽が出て、成熟した木の芽吹きはこれからになるようです。

例年より早い芽吹きですが、早く芽が出ると霜によってやられてしまう可能性が高まります。生産者にとっては心配の種も増えることになります。
Date: 2020/0227 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ボルドーのシャトー・ポンテ・カネのオーナーであるテスロン夫妻がナパのワインを初めて出荷しました(Napa Valley reds: Bordeaux wine family launches new high-end bottle in Napa | Fortune)。かつて俳優のロビン・ウィリアムスが所有していた物件です。

シャトー・ポンテ・カネのオーナーが、ナパの旧ロビン・ウィリアムズ邸を購入
旧ロビン・ウィリアムズのワイナリー、ポンテ・カネ・オーナーが新しい名前を公開
Pym-rae
ワイナリーの名前はPym-Rae。バイオダイナミックの認証を取り、灌漑なし、剪定もしないというユニークなぶどう作りをしています。
Date: 2020/0225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
プルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションが開催され、落札総額は390万ドルと前年実績を上回りました(America’s Most Prestigious Wine Futures Auction Raises $3.9 Million)。
 プルミエ・ナパ・ヴァレー
過去最高は2016年の500万ドル。以降17年は420万ドル、18年は410万ドル、19年は370万ドルと減少が続いていました。今年は開催直前にナパで新型コロナウイルスの発症が伝えられるといった逆風があったものの、前年を上回りました。

今回出展されたロットの大半は2018年のもの。バッドヴィンテージの少ないカリフォルニアの中でも、非常にコンディションの良かった年と言われています。その辺りも高落札額につながったのかもしれません。

プルミエ・ナパ・ヴァレーはオスピス・ド・ボーヌにインスパイアされて作られた業界向けのバレル・オークション。このオークションのために専用で作られたワインが出展されます。最低60本最高240本と量も決まっています。ワインが実際に出荷されるのは1年半後などとなります。

今回1本あたりの落札額が1番高かったのはラッド・エステート(Rudd Estate)。故レスリー・ラッドに捧げるワインで60本で12万ドル、1本あたり2000ドルで落札されました。

シェーファーも、昨年なくなった創設者のジョン・シェーファーを記念して、ジョンが最初に植えたブロックからのワインを出展。1本あたり1417ドルと2番めの高額でした。

意外と安価で落札されたワインもあります。今年初出展となった「ト・カロン・ヴィンヤード・カンパニー」はアンディ・エリクソンをワインメーカーとして、コンステレーションが満を持して投入するブランド。初リリースのワインは既にワイン・スペクテーターで97点など高い評価を得ていますが、今回のオークションでは1本あたり「たった」700ドルで落札されました。オークションの最後の方で参加者も疲れていたのではないかとのことです。
Date: 2020/0224 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
リッジ(Ridge)のブログに、フラッグシップのモンテベッロとエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンの違いを説明した記事が載っていました(An Elegant Version of Monte Bello Made from Select Parcels - Ridge Vineyards)。

モンテベッロで使うワインの残りから作った「セカンドワイン」だと思われがちなエステートのカベルネですが、リッジはセカンドではなく2つの「ファースト」で、醸造開始から分けているのだとしています。エステートはエレガント版で、より早くから楽しめるのが特徴です。

かつては醸造したワインの中からいいものを選んでモンテベッロを作っていましたが、2002年に調べたところ、モンテベッロに使うブロックはほとんど毎年同じことが判明したため、最初から醸造も分けたのだそうです。

エステート用のブドウはモンテベッロよりも果汁の抽出などを穏やかにすることで、タンニンを少なく、より若いときから楽しめるようにしています。熟成感もより早くからでてくるようにしているとのこと。モンテベッロよりもメルローの比率を高めていることもアプローチのしやすさにつながっています。

メルローの区画の一部をカベルネ・ソーヴィニヨンに植え替えたことにより、カベルネ・ソーヴィニヨンの比率が上がり、2008年からはカベルネ・ソーヴィニヨンの品種名を入れることになりました。エステートの表記も同時に加わっています。

2009年に新しいプレスの機械を入れて、より優しい抽出ができるようになりました。

醸造したはワインはロットごとにブラインド・テイスティングして、一部のものは落とします。また、年によってはモンテベッロの一部をエステートに回したりその逆もあります。

実際、モンテベッロは本領を発揮するのが早くても10年を過ぎてからですから、それまでに飲むのであればエステートの方が美味しく飲める可能性が高いです。

モンテベッロの畑は低いところで標高400メートルくらい、高いところは800メートルを超えます。実際には尾根沿いに点在する畑をまとめたものになります。標高や土壌のバリエーションなどで、ワインに複雑味が出ます。カリフォルニアの宝の一つと言っていいでしょう。

2016年はエステートのカベルネの中でも素晴らしい年です。

Date: 2020/0222 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
しあわせワイン倶楽部でロバート・モンダヴィのカーネロス・ピノ・ノワール2015が3000円台の特価で出ています。

モンダヴィでピノ・ノワールのイメージはあまりないかもしれませんが、ジェームズ・サックリングが92点を付けているとのことで、品質も十二分です。個人的にも、初めてはまったピノ・ノワールが実はモンダヴィでした。

格下のプライベート・セレクション(地域指定なしの購入ブドウ)でも2000円台しますから、カーネロスで3000円台はかなりお買い得です。


Date: 2020/0221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ナパで「カリフォルニアワイン・グローバル・イクスポート・カンファレンス」と題した会議が開かれ、カリフォルニアワイン協会が2030年までに20億ドルの輸出を達成するという目標を発表しました(California Wine Exports May Exceed $2 billion in Value by 2030)。

2019年の輸出額は15億ドルであり、今後10年で3割以上の成長が必要となります。そのために、現在のマーケットでモメンタムを作ること、新しいマーケットに進出すること、輸出するワイナリーを増やすことが必要だとしています。

また、講演に参加したジャンシス・ロビンソンは、カリフォルニアのワイナリーは英語圏であることを生かして、英国などにどんどん出かけるべきだと主張。また、サスティナブルが今後の大きなキーワードだとしながらも、世界的に見ると「オーガニック」の方が受け入れられているとも言っています。カリフォルニアではオーガニックの認定を受けた畑はまだ2%であり、12%に達したニュージーランドなどからは遅れを取っています。

米国内のワイン消費が踊り場に差し掛かった今、今後の成長の可能性としては国内マーケットよりも海外に目を向けるべきというのは当然の論理でしょう。この春には輸出プログラムの詳細を発表するとのこと。日本向けのプロモーションも増えることを期待します。
Date: 2020/0220 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
マイグレーション(Migration)はダックホーン傘下のワイナリーで冷涼地域のピノ・ノワールとシャルドネを作っています。そのマイグレーションのフラッグシップのピノ・ノワールとシャルドネが現地価格よりも安くなっています。

畑はどちらもランニング・クリーク。ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにある自社畑です。

ピノ・ノワールもシャルドネもヴィンテージは2016年。ピノ・ノワールはワイナリー価格70ドルが税込み5830円とかなりのやすさです。シャルドネはワイナリー価格56ドルが5390円とこれも安くなっています。

Date: 2020/0219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
米国産ワイン、5年ぶりの安値に カリフォルニア州のブドウが供給過剰」という記事がCNNに出ていました。供給過剰の状況は「カリフォルニアワイン、供給過剰で2019年は収穫量減少」の記事でも書いていますが、2018年に大豊作になった結果、収穫されずにそのままになってしまった畑が少なからずあったとのことです。「カリフォルニアワイン、オーバーサプライでセントラル・ヴァレーではアーモンドに転換も」でもその状況は紹介しています。
chart
2019年は25年ぶりに米国におけるワインの販売量が下がりました。グラフで分かるように、特に10ドル未満の安い価格帯のワインが減っています。

実はトータルの販売額は減っているというよりも横ばいなのですが、量では明らかに減っています。

これまで、米国のワイン消費を支えてきたのはベイビーブーマーと呼ばれる世代で、現在は50代後半から70代なかばになっています。ロバート・パーカーなどのワイン評論家の評価に敏感に反応するのもこの世代でした。ただ、この世代は引退の時期に入っており、これまでより所得も減ることが予想されています。加えて年齢的なこともあってこれからはワイン消費が減っていくだろうと考えられています。

代わってワイン消費の担い手になることが期待されているのが、ミレニアル世代ですが、この世代はあまりワインを飲んでいない。そこが今一番大きな問題になっています。

ワインを飲まないのには様々な理由があります。一つには金銭的な問題。

この世代は所得自体がこれまでほど伸びていないため、単価がワインには手を出しにくいという状態があります。

ただ、前述のように安いワインほど、落ち込みは大きいですから、価格だけの問題ではないと考えた方がいいと思います。

例えば健康志向。昨年来、アルコールの健康への悪影響が従来考えられていたよりも少ない量で起こるといった報道が繰り返されました。そのため、アルコールそのものを避ける動きも大きくなっているし、飲む場合にも度数の低いものを選ぶ傾向が増えているといいます。例えば、アルコール度数の低い「ハード・セルツァー」(日本の缶チューハイのようなもので、アルコール度数は低い)に流れているなどが浮かび上がっています。

ナチュラル志向というのもあります。ワインは基本的にナチュラルなものですが、マーケティング的にはそれを打ち出すのに失敗しているのではないかという意見もあるようです。

また、ミレニアル世代は「個」を大事にするため、スターバックスコーヒーなどのカスタマイズできるものに惹かれる傾向があります。ここも今のワインが弱い部分です。

カリフォルニアワインもこういった市場変化への対応がこれから先必要になってくるでしょう。2020年はその構造変化が始まる年として記憶されそうです。
Date: 2020/0218 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2017年の大火事「タブズ・ファイアー」で燃えてしまったオブシディアン・ヴィンヤードの再生に、ドネラン・ワインズが挑んでいます。
Donelan WinesさんはTwitterを使っています 「We collected some of the vines from the 2017 wildfires at Obsidian Vineyard that potentially have life left in them. It
ドネラン
焼けた畑の中から、生きている枝を探し出し、挿し木で増やして、改めて植えていくもようです。

オブシディアン・ヴィンヤードはシラーの畑。パーカー100点を取ったことがあり、カリフォルニアの中でも有数のパワフルでストラクチャーのあるシラーを生み出す畑でした。

再生に期待したいです。
Date: 2020/0217 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
field recordings
今回一番驚いたのが新入荷のこのワイナリー「フィールド・レコーディングス(Field Recordings)」。パソ・ロブレスにあるワイナリーです。アンドリュー・ジョーンズという人が苗木屋で働いていたときに、出会った畑から「ニュー・カリフォルニア」系のワインを作ります。このピノ・ノワール、3300円というかなり安い価格ですが、この価格帯には珍しい「薄旨」系。極めてエレガントに作っています。この価格帯でこの作りのカリピノは今まで見たことありません。

こちらは同じワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨン。こちらもお薦めです。

null
オーストラリアのモ​リ​ー​ド​ゥ​ー​カ​ーのフラッグシップ・シラー「エンチャンティッド パス」と「カーニバル オブ ラブ」。享楽的な味わい。美味しいです。

Siper Natural
ニュージーランドの自然派「スーパーナチュラル」のワイン。私は自然派信奉ではなく、むしろ自然派はやや苦手なくらいなのですが、ここのワインは美味しいです。自然派嫌いな人にもおすすめします。



ストルプマンが著名ソムリエ/プロデューサーのラジャ・パーと作るCombeのシュナン・ブラン。試飲のたびに魅力を増していくような気がします。リッチで繊細な味わい。


昨年大ヒットしたアルタ・マリア。希望小売価格は5000円ですが、現在は2000円台で販売されています。今でもこのコスパは最高といっていいでしょう。
アルタ マリア ヴィンヤード ピノ ノワール


これもコスパ最高なカベルネ・ソーヴィニヨン「サブミッション」


前回も紹介しましたが、大火のあった2017年に特別に作られたワイン。煙汚染されたブドウも含まれているとのことですが、ワインからは感じられませんでした。ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては極めてコスパ高いワインです。


ストルプマンのシラー2種はどちらも素晴らしい。3000円台のカリフォルニア・シラーとしては最高でしょう。特に左のパラ・マリアはマセラシオン・カルボニックで醸造しており、果実味がとてもいいワイン。お薦めです。


ストルプマンは親しみやすい系シラーなのに対し、メルヴィルのシラーはより本格派。スパイシーでローヌ的なシラーです。

Date: 2020/0215 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
「パーカー100点」も取っているナパのワイナリー「Bセラーズ」が保険会社を提訴しました(North Bay wineries taking insurers to court over denied smoke taint claims | Local News | napavalleyregister.com)。

2017年の大火のときに、Bセラーズが契約していたベクストファー・トカロンの畑のブドウが煙で汚染され(スモーク・テイント)、それを保険でカバーしようとしたところ、却下されたのがその理由です。

Bセラーズは煙汚染もカバーする保険契約に入っていたのですが、ベクストファー・トカロンは契約畑であり、煙で汚染されたのはBセラーズに納入される前であったと、保険会社は主張しています。

しかし、実際には畑との契約は、信義に基づくところが多く、汚染されたから今年は買わないといったものではありません。そこで今回の提訴になったということです。

裁判所はどう判断するのでしょうか。
Date: 2020/0214 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワイン・アドヴォケイト誌で100点のレイティングを得た通称「パーカー100点」のワインの本数で、ついにカリフォルニアがフランスを抜きました。2
月14日に公開された「USA, California: More Napa & Sonoma New Releases」でピーター・マイケルのシャルドネ「ポイント・ルージュ2017」とシェーファーの「ヒルサイド・セレクト2016」が100点となり、累計301本に到達。累計299本のフランスを上回りました。
ヴィンテージごとの累計本数
近年は、ややインフレ気味とも言われておりますが、実際にヴィンテージごとの100点のワインの本数を調べると次のようになります。
ヴィンテージごとの本数
カリフォルニアの場合、特に2012年から2016年までの、良いヴィンテージが続いた5年間に急増して追いついた様子がわかります。カリフォルニアの場合、2014年までは主にロバート・パーカーがレビューしており、2015年からは現編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンが主にレビューしているので、ちょうどそのバトンタッチの頃に増えているようです。

カリフォルニアのカバーが広がっているためかとも思ったのですが、実際にレビューされている本数を見ると、フランスワインも大きく増えており、今でもフランスワインでレビューされている本数の方がカリフォルニアワインよりもずっと多いことがわかります。
レビューされたワインの本数

なお、米国ワイン全体で見ると、ワシントン州で11本の100点ワインがありますから、もう少し前にフランスを抜いたことになります。
Date: 2020/0214 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
コッポラ・ワイナリーが先日行われたアカデミー賞の表彰式で2つの新しいワインをお披露目しました(Coppola wines served at the Oscars | Lifestyles | napavalleyregister.com)。

アカデミー賞で供されたワイン

新しいワインはロシアン・リバー・ヴァレーのリザーブ・シャルドネ2017とリザーブ・ピノ・ノワール2018。シャルドネはダットン・ランチのブドウ、ピノ・ノワールはキング・ヴィンヤードのブドウを使っています。

なお、上の写真はアカデミー賞用のボトルで、実際に販売するものとは異なります。
Date: 2020/0212 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアワインの「クラッシュ・レポート」と言われる収穫量や価格のデータが暫定公開されました。4月に正式版が公開される見込みです(USDA - National Agricultural Statistics Service - California - Grape Crush Reports)。

過去のレポート
2018年のカリフォルニアのワイン用ブドウ収穫量は過去最高
2017年の収穫量は2016年から微増
2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫

収穫量
2019年の収穫量は408万5772トンで2018年から9.3%減りました。2018年に記録的な収穫量だったカリフォルニアですが、その後低価格品を中心に供給過剰状態が続いており、2019年の減少はそれを反映した状態になりました。ブドウが作られたにも関わらず売り先がなく、そのまま収穫されずに取り残されてしまったために収穫量が減ったと考えられています。

ワイン・サーチャーの分析記事(California Grape Glut Starts to Bite | Wine-Searcher News & Features)によると、ナパは特に厳しく、白ワインで20.1、赤ワインで15.5%減少したとのこと。また、州全体では白ワインの減少は4.3%にとどまっており、赤ワインの12.8%よりだいぶ減りが少なくなっています。ワイン・サーチャーの記事では白ワインの収穫後、スポット・マーケットでブドウが全然売れない状況が判明して、赤ワイン用のブドウの摘み取りがされなかったのではないかとしています。

null
ブドウ価格を見ても2018よりは下がっているのがわかります。調整局面に入ったことが明らかです。

null
品種別に見るとシャルドネで15.6%と前年より少しシェアが下がりました。カベルネ・ソーヴィニヨンの2位も変わりません。

Date: 2020/0209 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ナパ・ハイランズのリザーブ版の新ヴィンテージ2016が国内入荷しています。

前ヴィンテージは「あのナパ・ハイランズにリザーブ、限定500本のすごい中身」で紹介していますが、あっという間に売り切れてしまった記憶があります。

新しいヴィンテージは試飲していませんが、2016年はここ10年ほどでも2013年あたりと並んで有数の良ヴィンテージですから、期待はできるでしょう。

ちなみに先日の中川ワインの試飲会では逆にナパ・ハイランズの廉価版にあたる「ナパ・グレン」のシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが出ていました。ナパ・ハイランズは4000円台後半ですが、こちらは3000円台と少し安くなります。カベルネ・ソーヴィニヨンも良かったですが、個人的にはシャルドネにかなり感心しました。果実味と酸のバランスがよく、樽も上手に利かせてあります。3000円台のシャルドネとしてはベストの一つだと思います。

Date: 2020/0207 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ジェームズ・サックリングが98点を付けたトニー・ソーターのピノ・ノワールがしあわせワイン倶楽部と柳屋で特価セールになっています。

トニー・ソーターというとオールド・ファンには懐かしい名前ではないかと思います。スポッツウッドやダラ・ヴァレ、グレース・ファミリー、アラウホなどを手掛けたかつての「カルト請負」ワインメーカーの一人。ヘレン・ターリー、ハイジ・バレットと並ぶビッグ・ネームでしたが2000年代に入ってからは他のワイナリーの仕事はやめ、さらには自身のエチュードも売ってしまって、オレゴンで再出発。それがソーター・ヴィンヤーズです。

ミネラル・スプリングス・ランチ ピノ・ノワール2015はジェームズ・サックリングが98点をつけ2017年のトップ100ワインにも入ったワイン。ちなみに前ヴィンテージも98点で2016のトップ100入り。しかもピノ・ノワールでは一番上(全体では25位)だったそうです。

通常価格は1万3000円ほどですが、今回は約9000円(税込み)。ワイナリー価格の税別75ドルと遜色ないところです。

Date: 2020/0206 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
<コンステレーション・ブランズからガロへのブランド売却で、日本のインポーターが業務を停止することになり、昨年末からいろいろなワインが割安になっています。その一つとしてシミ(Simi)のメルロ(Merlot)が柳屋で安くなっています。

他店と比べると150円くらいの安さですが、それでも格安はありがたいし、そもそも今後は入手自体が難しくなるかもしれません。
able border="0" cellpadding="0" cellspacing="0">


カベルネもまだあります。こちらの方が割安感は大きいかも。

Date: 2020/0205 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
California Sustainable Winegrowing Alliance(CSWA)がカリフォルニアにおける2019年のサスティナブルなワイン造りの報告書を公開しています(CERTIFIED SUSTAINABLE Annual Report - 2019.pdf)。
CSWA

2019年末までにサスティナブルな認証を受けたブドウ畑は2097、ワイナリーは149となりました。畑の数は前年から50%増と急激に増えています。一方でワイナリーの数は4.2%増とやや停滞気味です。
nullnull
2017年から始まった「Certified Sustainable」のロゴを付けたワインも100万ケースに近づいているとのことですが、全体からするとまだまだ微々たるものです。

サスティナブルなブドウ作りはソノマやナパが主導して100%を目指したため、畑は随分進んだ感じがあります。「オーガニック」などと比べると規定も緩く、試みやすいところも受け入れられている理由の一つなのかと思います。一方でワイナリー側はまだ採用するモティベーションにあまりつながっていない感じもあり、マーケティング的に一層のテコ入れが必要な気もします。
Date: 2020/0204 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
麻薬探知犬ならぬTCA探知犬をチリの樽会社が訓練し、このほどナパでデモンストレーションをしました(Wine dogs sniff for trouble | Local News | napavalleyregister.com)。

tca探知犬
(写真はNapa Valley Registerより)

この犬の持ち主はTNクーパレージという樽会社。チリに本社があり、ソノマにもオフィスを持っています。

セールスマネージャーのアレハンドロ・ファントーニによると、爆発物の探知犬を見て、TCAを探知できないかと考えたそう。相談してみたところ「訓練すれば何でも探知できるようになる」とのことで、訓練を始めたそうです。現在4匹が訓練完了、2匹の子犬を訓練中で、今回は訓練を終えた2匹がナパにやってきました。

ブショネ、あるいはコルク臭と言われるTCA汚染ですが、原因はコルクとは限りません。木と湿気のあるところであれば、どこでも発生する恐れがあり、樽もその一つです。実際、昨年にはオーパスワンが樽が10個TCAに汚染されていたとして、樽の会社を提訴するという事件もありました。

今回はパインリッジでデモを行い、あらかじめ隠してあったTCAに汚染された木材を見つけたとのこと。

今はまだチリにしか常駐していませんが、需要があればカリフォルニアにも常駐させる意向だそうです。
Date: 2020/0202 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2017年に「日本で飲もう最高のワイン」でフルボディのワインとしてベストワインを受賞したワインがしあわせワイン倶楽部に入荷しています。
日本で飲もう最高のワイン
マスートはメンドシーノをワイン産地として有名にした立役者といっていいフェッツァー家のワイナリー。フェッツァーブランドの売却後に立ち上げたものです。

イーグルピークという自社畑があり、この畑のためだけにAVAが認められています。

2013年のワインということでちょうど飲み頃になっていそうです。


Date: 2020/0131 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
中身をリクエストできるウメムラの新春福袋、1月31日が締め切りです。「カリフォルニアのピノ・ノワール」などアバウトなリクエストでも生産者を限定してのリクエストもピンポイントでこのワインというのも可能です。もちろん価格が折り合わないといけませんが。

4本で1万1000円から6本で55万円まで15種類も選択できます。
福袋会場はこちらから

私も注文するの忘れていて、さきほど注文しましたが、勉強中につき、今回は「カリフォルニア以外」としてしまいました(笑)。
Date: 2020/0130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨日はアカデミー・デュ・ヴァンの新講座「カリフォルニアの超一流ワイナリー」第一回でした。初回のテーマはコルギン(Colgin)。カルトワインの話や、プリチャードヒルとセントヘレナの話などもしました。

colgin

もちろん、今回の講座の目玉はワインそのもの。残念ながらティクソンヒルは入手できなかったのですが、IXのシラー、IX Estate、そしてカリアド(Cariad、エイブリューのマドローナ・ランチ主体)を試飲しました。

中ではIX Estateがひときわエレガント。一番人気でした。カリアドは杉やレザーなどのアロマがしっかりしており、熟成に向きそう。シラーはスパイシーさよりも、チョコレートのような甘やかさがある蠱惑的なワインでした。

パワフルなワインが目立つナパの中でも、それだけでない魅力を持つIX Estateはやっぱりいいなあと再認識しました。
Date: 2020/0129 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ナパのワイナリーの中でもコスト・パフォーマンスに優れたワインを作っている一つが「テキストブック」です。特にレギュラーのカベルネ・ソーヴィニヨンは、まさにワイナリー名通りのお手本のようなワイン。2017年はカベルネ・ソーヴィニヨン94%にメルロー6%。アルコール度数13.3%というのは濃厚になりがちなナパのワインの中でもバランスを重視して作っているのがうかがえる数値です。カベルネ・ソーヴィニヨンってこういう味だよというのを知りたい人にもお薦めです。「ナパ・ハイランズ」以来、ブームになった価格帯でいいワインが目白押しですが、その中でも安心して選べるワインです。

そして、さらにその上級版がすごいよ、と輸入元のオルカ・インターナショナル波田さんから聞いて調べてみたら確かにそちらもかなりのもの。

textbook vineyards
2016年はカベルネ・ソーヴィニヨン89%でメルロー11%ですが、カベルネ・ソーヴィニヨンの畑はスクリーミング・イーグルの隣、メルローはハーランの二つ隣という立地。カベルネの方はオークヴィルの東斜面、メルローは西斜面でどちらも最上の立地の一つです。これで価格はこれらの20分の1といったところです。


Date: 2020/0128 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
2017年にソノマやナパなどを襲った大火事。それをきっかけに生まれたのが「カンパイ・ワインズ」の「ヒノトリ・ロゼ」です。従来定価4000円だったものが値下げで2000円台になっています。

セキュリティ・ツールで知られるトレンドマイクロのエバ・チェンCEOがナパで邸宅「メドウブルック・ファーム」を購入。そこに付属するブドウ畑のブドウは有名ワイナリーに売却していました。しかし、昨年火事の後、ブドウの引き取り手が見つかるかどうかわからず、著名なワインメーカー/コンサルタントであるスティーブ・マサイアソンに依頼して作ってもらったのがこのロゼ。

名前に日本語を使っているのは、トレンドマイクロの本社が東京であるなど、日本になじみが深いことや、ワイナリーのCEOになったエバ長男のフィアンセが日本人であることなどが理由のようです。

このロゼ、カベルネ・ソーヴィニヨンをベースにしていますが、とても透明感があってきれいな味わい。それでいて旨味もしっかりとあります。ちょっとカリフォルニアのロゼとしては珍しいくらいのエレガントさ。ニュー・カリフォルニアの旗手の一人でもあるスティーブ・マサイアソンの持ち味が現れたといっていいでしょう。

ちなみに「神の雫」の米国のサロンでも扱われているワインです。


Date: 2020/0127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマのワイナリー、ロドニー・ストロング(Rodney Strong)のワイナリーから、赤ワインが大量に流出しました(A 97,000-gallon red wine leak made its way into a Northern California river - CNN)。
rodney strong
ワインが保存されていたタンクから漏れてしまったようですが、写真に示すように、ワイナリーのため池が赤ワインの色になっています。この後、ロシアン・リバーに流れ込む恐れがあるとのこと。

流出量は4万6000ガロンから9万6000ガロンの間とのこと。リットルに換算すると36万7000。750mlのボトルに50万本ほどの量になります。単純に考えても1000万ドル近くの売上を失っていることになりそうです。
Date: 2020/0125 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
新たに輸入されるワインがあれば、終わってしまうワインもある。それが世の常ではありますが、ちょっと寂しく感じられてしまう今日この頃です。

ピカユーン・セラーズ(Picayune Cellars)はクレア・ワインコフとジェニファー・ロバーツの二人の女性が始めたネゴシアンタイプのワイナリー。クレアの夫はスポッツウッドのワインメーカー、ジェニファーの夫はアルノー・ロバーツのネイサン・ロバーツと、すごい組み合わせですが、クレア自身もかなりのすご腕です。ポール・ホブズの元で修行し、コンサルタントとして、マサイアソンやモルレ・ファミリーなどにアドバイスをしているとのこと。

今回紹介するソーヴィニヨン・ブランは構成がスポッツウッドのソーヴィニヨン・ブランに酷似しており、おそらく同じようなソースのブドウを使って作っているのでしょう。それでいて価格は3分の1程度とお買い得。三ツ星レストランのフレンチ・ランドリーにオンリストされているというから実力は本物です。

というわけで、終売になるのがもったいないようなワインです。終売セールで34%引き。まとめ買いしてもいいかもしれません。

Date: 2020/0124 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
2002年にグロサリー・ストア「トレーダー・ジョーズ(Trader Joe's)で1.99ドルの価格でデビューし大ヒットになったのが「ツー・バック・チャック(Two Buck Chuck」こと「チャールズ・ショー(Charles Shaw)」のワインでした。当初からカリフォルニア以外の州ではもう少し価格が高く、2013年以降はカリフォルニアでも最低2.49ドルに値上げしていましたが、このほど再びカリフォルニアで1.99ドルに値下げされたことが判明しました(\'Two Buck Chuck\' gets price cut at Trader Joe\'s locations in California - SFGate)。

Two Buck Chuck for sale.jpg
By Mack Male - https://www.flickr.com/photos/mastermaq/4973483474/, CC BY-SA 2.0, Link

写真は以前のもの

店側によると、一時的な値下げではなく、価格の変更だとのこと。ボトルのガラスやクロージャーの見直しによってコストを下げて実現したそうです。

安ワインカテゴリーの苦戦が伝えられるカリフォルニアですが、今回のてこ入れで再び輝きを取り戻すのでしょうか。
Date: 2020/0123 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ボルドーのシャトー・スミス・オー・ラフィットのオーナー夫妻が、ナパのフローラ・スプリングス(Flora Springs)からワイナリーと畑を購入し、新しいワイナリーを設立することを明らかにしました(Château Smith Haut Lafitte Buys Flora Springs Estate in Napa

Fllora Springs

購入したのはフローラ・スプリングスのワイナリーとその周囲の畑。ワイナリーはラザフォードとセント・ヘレナの境あたりにあります。フローラ・スプリングスは近隣のワイナリーに移ってワイン造りは継続します。Highway 29沿いにあるテイスティングルームはそのまま続けます。

新しいワイナリーは夫妻の名前から取って「カティアール・ファミリー・エステート(Cathiard Family Estate)となる模様です。2020年からワイン造りを始めます。
Date: 2020/0122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨年のコンステレーション・ブランズからEJガロへのブランド売却に伴い、閉鎖してしまったのがソノマにあるレーヴェンズウッドのワイナリー兼テイスティングルーム。そこをソノマのデベロッパー、ケン・マトソンが買い取り、アンジェリーナ・モンダヴィがワイナリーにすることが判明しました(Sonoma developer Ken Mattson picks Angelina Mondavi to lead new brand in former Ravenswood winery | The North Bay Business Journal)。
アンジェリーナ
ケン・マトソンはここ数年、ソノマ・ヴァレーを中心に不動産を買い漁っているデベロッパー。謎に包まれた人物ですが、場所がいいのにあまり有効活用されていなかったところを選んで買っているとのこと。おそらくレーヴェンズウッドもその一つとして目についたのでしょう。

アンジェリーナ・モンダヴィはロバート・モンダヴィの弟であるピーターの孫。家族のCKモンダヴィのほか、4姉妹で作る「ダーク・マター」、父、姉と作る「エイロフト」、マイケル・モンダヴィの息子ロブ・ジュニアと作るフォース・リーフといったワイナリーに携わっています。

今回の新ワイナリーはハロー・セラーズ(Harrow Cellars)という名前で今年のヴィンテージからワイン作りを開始。一般へのオープンは2021年になる見込みです。
Date: 2020/0121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
米仏首脳はデジタル課税をめぐる関税引き上げについて、年内は回避することで合意したもようです(米仏首脳、デジタル課税巡り年内休戦で合意 交渉は継続 - ロイター)。

これはGAFA(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン)などへの課税をフランスが計画していることに対して、米国が報復関税を課すことを表明していた問題で、EU全体のワインに対する報復関税を計画しているエアバスの問題とは別物です。

ただ、ワイン・サーチャーの観測記事(Tariff Threats Pull Back from the Brink | Wine-Searcher News & Features)では、エアバスに関係のない国も含むEU全体に関税を課すことは考えにくいなど、こちらも当面は落ち着くのではないかと見ています。

おそらく大統領選をにらんでのことだと思いますが、中国との間も改善してきたようですし、派手な報復が広がらずに済みそうでよかったです。
Date: 2020/0121 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コンティニュアム(Continuum)の2016年が国内入荷しています。故ロバート・モンダヴィの次男ティム・モンダヴィがプリチャード・ヒルで作るワインで、生前のロバートが最後に手掛けたモンダヴィ直系のワイナリー(コンティニュアムは継承の意)です。

2015年にジェームズ・サックリングで満点、2016年はサックリングに加えて辛口評価のヴィナスでも100点、アドヴォケイトでは99点という過去最高評価です。モンダヴィ関連銘柄ではオーパス・ワン2013がサックリングで100点を取っていますが、2つ以上のメディアで同時100点、さらにはヴィナスで100点というのはこれが初です。

まだ、このヴィンテージは試飲していませんが、2014(サックリング99、ヴィナス97、アドヴォケイト97)はナパのモダン・カベルネらしさに山カベらしいストラクチャーをしっかり併せ持ったすばらしいワインでした。オークヴィルのト・カロンを離れた後、プリチャード・ヒルに畑を求めたのは英断だったと言っていいでしょう。

Date: 2020/0120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
サンフランシスコからベイブリッジを渡って少し北にいったところにあるバークレー。カリフォルニア大学バークレー校で有名な街で、レストラン「シェ・パニーズ」でも知られています。ここが近年、カリフォルニアの自然派ワイナリーの集積地となっています(West Berkeley just became California’s hub for natural wine | The Press)。もちろん畑が周りにあるわけではなく、ブドウは様々なところから調達するシティ・ワイナリーとなっています。

起点となったワイナリーの一つはドンキー&ゴート。2011年に5thストリートに設立されました。2008年に設立されたブロック・セラーズが、2013年にその近くに越してきたことが集結のきっかけになりました。2017年にはドンキー&ゴートで働いていたデイブ・ギフォードがウインドチェイサーを設立、その後、別の従業員がブルー・オックスを立ち上げました。今では1ブロックに6つのワイナリーが固まっています。

ワイナリーに共通する特徴は自然派ということですが、「ニュー・カリフォルニア」の先端を行くワイナリーが集まっているといってもいいでしょう。マイナー品種の古い畑を探し出してワインを作る、面白いものがたくさんあります。個人的にもブロック・セラーズのワインなど、かなり好きです。

Lusu Cellars and Whistler Vineyards
Windchaser Wine Co.
Vinca Minor
Broc Cellars
Blue Ox
Donkey and Goat Winery

元々バークレーはヒッピー文化の盛んだったところでもあり、自然派の思想とは相性がいいということも根底にはありそうです。


Date: 2020/0119 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
ナパのワイナリー「ロイ・エステート(Roy Estate)」のプロプライエタリ・レッド・ワイン2012が輸入元の終売によって特価になっています。

ロイ・エステートはスタッグス・リープ・ディストリクトのすぐ南に位置するワイナリー。そこに自社畑を持っています。AVAとしては単にナパ・ヴァレーになってしまいますが、地質や気候的条件はほとんど変わらないといっていいでしょう。1999年にロイ夫妻によって設立され、夫の死後は未亡人のシャーリーがワイナリーを守っています。2005年からは著名なワインメーカー/コンサルタントのフィリップ・メルカがワイン造りを担っています。

2012年のプロプライエタリ・レッドはカベルネ・ソーヴィニヨンが77%でメルロー13%、プティ・ヴェルド10%の構成。比率的にはカベルネ・ソーヴィニヨンを名乗れますが、カベルネ・ソーヴィニヨンを90%以上使った別のカベルネ・ソーヴィニヨンもあるのでプロプライエタリ・レッドとしているようです。

2012年の評価はワイン・アドヴォケイトが95点、ヴィナスが92点。ワイナリー価格は145ドル(税抜)となっています。

今回は輸入元終売で税込み1万7160円とほぼ同等価格になっています。アリルほどの激安感はないですが、かなりお得であるのは間違いありません。

Date: 2020/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
米国でのワイン消費が25年ぶりに減少し、2018年の豊作もあって、カリフォルニアワインがオーバーサプライの状況になってきています(Valley vineyard removals may exceed 30,000 acres)。

セントラル・ヴァレーでは3万エーカー(約1万2000ヘクタール)を超えるブドウ畑を引き抜く必要があると見込まれています。生産者はより利益の大きなアーモンドに転換することになりそうです。

2020年のカリフォルニアワインは様々な面で転換点となりそうです。
Date: 2020/0117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
カリフォルニアのワイン業界は1970年代から80年代に参入した世代がぼちぼち引退しており、引退によって、あるいは引退を見越して売却されるケースなどが増えてきています。

1981年に設立されたボニー・ドゥーンは「ローヌ・レンジャー」の先駆けの一つとして大きな足跡を残して来ましたが、今月、ウォールーム・ベンチャーズ(WarRoom Ventures)に売却されました。創設者でワインメーカーのランドール・グラームはワイナリーに残りますが、新しいブドウ品種を開発するプロジェクト(「1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる」参照)に専念する形になります。

ランドール・グラームの場合は、世代交代よりもワイナリーの財政的な面やマーケティングにかける労力を減らしたいということが第一のようです。現在のボニー・ドゥーンの規模は、全国展開でディストリビューターに売ってもらうには少なく、逆に顧客に直接売る方法には大きいという中途半端なところがあり、今後はフラッグシップの「ル・シガール・ヴォラン(Le Cigare Volant)」の生産量を増やすなどしていくそうです。また、サンタ・クルーズのテイスティング・ルームは2019年末で閉じたとのこと。

セント・ヘレナのハーブ・ラム・ヴィンヤードは1987年にハーブ・ラム(Herb Lamb、何やら美味しそうな名前ですが人名です)によって植樹され、1990年代にはコルギン(Colgin)のワインで一躍名を高めた畑です。1997年以降は自身でのワイン造りを始めてコルギンとの関係は徐々に解消していきました。2014年にハーブ・ラムが亡くなり、その後は未亡人のジェニファー・ラムがオーナーとなっていましたが、2016年のヴィンテージを最後にハーブ・ラムとしてのワイン造りは終了。最近、トーマス・リヴァース・ブラウンに畑をリースすることを明らかにしました。トーマス・リヴァース・ブラウンは自身のリヴァース・マリーで2016年からハーブ・ラムのワインを始めており、今後はそれが増えていくことになりそうです。
ジェニファー・ラム
写真はジェニファー・ラム

Date: 2020/0116 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
世界のアルコール市場をレポートしているIWSRによると、2019年の米国のワイン消費は0.9%下がったそうです。前年を下回ったのは25年ぶり(U.S. wine consumption drops for first time in 25 years | TheHill)。

消費が減った主な理由はミレニアル世代のワイン消費が伸び悩んでいること。ビールやスピリッツ系の飲料(日本の缶チューハイのようなもの)、といった単価が低いものにシフトしている上に、アルコールの健康へのネガティブな影響などを忌避する傾向が高まっています。

これまでもミレニアル世代への対策が重要だとは言われていましたが、ベイビーブーマー世代による牽引の影響が残っていたため、深刻に捉える向きは少なかったように思います。

そろそろ業界としてもお尻に火がついた感じが強くなっています。

公開したばかりのシリコンバレーバンクによるレポート(後日紹介予定)にもそれは現れています。関税問題と合わせて、今後の大きなテーマになりそうです。
Date: 2020/0115 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
Comments
コンステレーション・ブランズからガロへのブランド売却に伴い、フランシスカンやシミなどの日本輸入が終了するのは昨年報じていますが、そのブランドの一つレーヴェンズウッドのロウダイ・ジンファンデルが撤退に伴う特価になっています。

税込み1738円は格下のヴィントナーズ・ブレンドと同等。米国現地価格の16ドル(税抜)と比べても安いくらいです。しかも16日の1:59までは10%オフのクーポンもあります。
10%オフクーポンはこちら

Date: 2020/0115 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ヴィナスのアントニオ・ガッローニがカリフォルニアのピノ・ノワールでは初の満点を付けました。1月13日に公開したソノマとアンダーソン・ヴァレーのプレビュー記事で、ワインはリヴァース・マリーのプラット・ヴィンヤード2018。

ヴィナス全体ではブルゴーニュのピノ・ノワールで13本の満点がありますが、後はシャンパーニュを除くとこれが唯一のピノ・ノワールの満点です。

昨日公開した記事で、アントニオ・ガッローニがシュレーダーで「出禁」と書きましたが、詳しいことはわからないものの、シュレーダーがソノマで作るボアズ・ビューのピノ・ノワールで89点とかなり低い評価のものがあり、それが原因なのかと想像しています。

実はシュレーダーもボアズ・ビューも、今回満点のリヴァース・マリーと同じくトーマス・リヴァース・ブラウンのワイン。コンサルタントとしてオーナーの意向に沿ったワインを作るシュレーダーと、自身のワイナリーであるリヴァース・マリーとでは自ずと作りも変わるのは分かりますが、こういったことが起こるのもトーマス・リヴァース・ブラウンの才能の一部かと感じています。

リヴァース・マリーの輸入されているラインアップの中にはプラットはなさそうなので日本には来ないのかな?
Date: 2020/0114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが2017年と2018年のナパのレビュー記事を公開しています(2017 & 2018 Napa Valley In Depth Part 1 (Jan 2020) | Vinous - Explore All Things Wine)。

長い記事でいろいろ興味深いところがありますが、なかでもナパのレビューを始めて10年ということで、ロバート・パーカーの思い出も含めて過去を振り返っているところが面白かったです。

パーカーがメジャーな地域のレビューを他の人に譲ったのは、それが初めて。しかも今となってみれば健康の理由がなく譲った唯一の事例でした。

そういう意味では責任も難しさも感じていたガッローニでしたが、レビューはパーカーよりも辛口でだいぶ恐れられていたようです。出禁になったワイナリーもあり、シュレーダー、アイズリー、メイバッハを例に挙げていました。ガッローニは「評論家は仲良しクラブではない」とこの姿勢を貫くことを表明しています。
Date: 2020/0111 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ジンファンデルだけでワインパーティをしましょうというお誘いに乗り「Zin Fun Day 2020」と呼ぶパーティに参加してきました。
zin fun day
ホーム | ZIN-Fun Day 2020

集まったのはなんと60人。一人1本ワイン持ち込み(主催者に依頼もあり)で、こんなに多くのジンファンデルを一度に飲んだのはじめてというくらいジンファンデルが集まりました。
ワイン

主催したのはワインスクール「レコール・デュ・ヴァン」で講師をしている谷口晋一郎さん。というわけで集まったメンバーの多くは生徒さんなどレコール関係で、「アカデミー・デュ・ヴァン」の私にとってはちょっとアウェイ(笑)。

ただ、谷口さんとは前から知り合いであり、私のことも会の最初の方で皆さんに紹介してもらったので、非常に楽しく時間を過ごすことができました。

私が持っていったのは「2015 スリー ライヴ・オーク ジンファンデル コントラ・コスタ・カウンティ」。コントラ・コスタのワイナリー「スリー(Three)」の単一畑もので、ここのワインの中では比較的高級なワインです(といっても希望小売価格4700円)。

スリーについては以前「100年超の畑のワインが3000円! 歴史伝えるワイナリー「スリー」」で詳しく書いています。

コントラ・コスタの北東部の海近くは深い砂地でフィロキセラがいないところ。そのおかげで1885年に自根で植えられたジンファンデル(フィールド・ブレンドでカリニャン、マタロ(ムールヴェードル)、プチ・シラーなども)がまだ生きているというとても貴重な場所です。ジンファンデルらしい、レッド・プラム、ラズベリー、ブルーベリーなどの果実味に、花の香りやナツメグ、シナモンなど軽いスパイス、エレガントさもあってとてもいいジンファンデルです。飲んでいただいた方々にも、好評でした。
持ち込みワイン
並べて撮ったのはベッドロックの「エヴァンジェーロ ヘリテージ・レッド・ワイン」。実はこれもコントラ・コスタのワインです。甘やかさのあるスリーとは対照的に、ベッドロックらしい複雑味のあるシリアスなワイン。これもさすがに美味しく、個人的にはスリーとこのベッドロックがこの日のベストでした(手前味噌ですみません)。

それ以外にも、国内最後の在庫だというマサイアソンのジンファンデルだったり、ターリーのホワイト・ジンファンデルなど、レア物もいろいろ。久しぶりに飲んだマルティネリのジュゼッペ・アンド・ルイーザは昔のイメージと一変。むちゃくちゃエレガントなスタイルになっていてびっくりしました。最初はこれはどうなんだろうと思いましたが、時間が経つにつれて複雑さがでてきて、そのあたりはさすが。

ただ一つ残念だったのは、これだけジンファンデルが集まったのに、「ジンファンデルの3R」のワインが一つもなかったこと。ローゼンブラム(Rosenblum)は日本にほとんど入ってきていないし、レイヴェンズウッド(Ravenswood)は近年ちょっと品質どうなのか、というところもありますが、リッジ(Ridge)がなかったのは寂しい。次回はリッジ持っていこうかと思った次第です。

それにしても楽しい会をありがとうございました。

Date: 2020/0110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
昨日はアカデミー・デュ・ヴァンでカレラの講座でした。過去2回は一部ヴィンテージが揃っていなかったのですが、今回は全部2016年。また、講座で試飲した4つの畑(ジェンセン、セレック、ライアン、ド・ヴィリエ)のほかクラス会ではミルズの2016も飲みました。

(写真は今回のものではないので、ヴィンテージが違っています)

講座では4つのピノ・ノワールを、どれがどの畑かを想像してもらいます。それ以外にどれが好きかも聞いています。過去2回はド・ヴィリエとジェンセンの人気が高かったのですが、今回の一番人気はちょっと予想外だったライアン。後で飲んだミルズを含めてもライアンが良かったと思います(ちなみに前回の一番人気だったジェンセンもヴィンテージは同じ2016でした。今回はあまりジェンセンらしい魅力がなかったのはボトルの問題だったのか?)。

実は創設者のジョシュ・ジェンセン、かつてソムリエ・ジャーナルのインタビューに答えたときにライアンが「将来はうちのワインの中で最高という評価になるだろう」と言っています。その理由は定かではありませんが、後日私が質問したときも、同じことを言っていたので本心なのでしょう。今回のライアンは非常にバランスがよく、何かの味わいが飛び抜けているというよりもきれいにまとまったワインでした。

一般的にはカレラの単一畑ではジェンセンが一番人気、次がセレック、後は横並びといった感じではないかと思いますが、価格の安いド・ヴィリエやライアンも、ブラインドでは差がないと思う人がほとんどです。個人的にはパワフルなド・ヴィリエを一押しなのですが、今回でライアンも見直しました。

古いカリフォルニアワインファンだと、「カレラ、もう20年くらい飲んでないなあ」なんて人も結構いそうですが、評価は右肩上がり傾向です。単一畑の安いものは1万円切りますからかなりお買得です。
カレラレイティング

Date: 2020/0108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ソノマの歴史あるワイナリー、ガイザーピーク(Geyser Peak)がヒールズバーグのテイスティングルームを閉じることが判明しました。
Geyser Peak
ガイザーピークは1880年にカリフォルニアで29番目のワイナリーとして設立された歴史あるワイナリーです。ただ、所有者はたびたび変わっており、現在のオーナーはオーストラリアのアコレード・ワインズ。米国の投資グループ「カーライル」が2018年にアコレードを買収しており、リストラクチャリングの一貫としてカリフォルニアのブランドは売却などが考えられている模様です。ちなみにほかにはアトラスピーク、XYZinがあります。

ガイザーピークは10ドル前後の安い価格帯のワインを得意としていますが、昨年コンストレーション・ブランズが多くのブランドをガロに売却したように、こういった価格帯のワインは利益が少ないとして、経営的には避けられるようになってきています。

なじみの深いブランドだけに残念なものがあります。

Date: 2020/0107 Category: 技術系
Posted by: Andy
Comments
Juno
ちょっと驚きの機械がクラウドファンディングのIndiegogoに出ています。

Juno - A Microwave for Cooling | Indiegogo

電子レンジはものを温めるのに使いますが、その技術を応用して逆にものを冷やすという機械。白ワインであれば3分から5分で飲み頃の温度に冷やせるといいます。缶ビールなら1~2分。設定可能なボタンがあって、決めた温度に合わせて冷やせるそうです。

出荷開始は2020年8月の予定。

価格は399ドルですが、現在は199ドルで出資を募集中です。

実はちょっと血迷って出資してしまいました。実物が手に入ったら報告します。
Date: 2020/0106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ワインの試飲能力を高める方法がWinefollyに載っていました(DIY Palate Training Wine Tasting | Wine Folly)。

ワイングラス

私が今習っているWSETの試飲ではアルコール度数や酸、残糖(辛口かどうか)、タンニンの強さ(赤ワインの場合)を3段階あるいは5段階で評価する必要がありますが、その練習になると思って試してみました。

まず、試飲用のグラスを5脚用意します。グラスごとに3オンス(約85g)の赤ワインを入れます。最初のグラスをリファレンスとして、2番めのグラスには砂糖を、次はレモン汁を、その次はウォッカをそれぞれティースプーン1杯入れます。最後のグラスには紅茶のティーバッグを入れます。

これで試飲することによって糖分が高まったときの味わいの変化や酸、アルコール、タンニンによる変化が分かるようになるとのこと。

実際には、ちょっと条件変えています。

まずワインは50cc程度とし(3オンスは多いので)、入れるのはティースプーン半杯としました。またウォッカがなかったので泡盛で代用、ティーバッグは味が出てきている感じがなかったので、別のカップにティーバッグを入れてお湯を少量注ぎ、そこからスプーンでワイングラスに入れました。

試飲してみると、砂糖を入れたものはふくよかさがまします。やや不自然なバランスにはなりますが、甘さは旨さに通じると改めて思いました。レモン汁を入れたものは爽やか。WSETの先生からは酸の多寡は唾液で判断すると教わっていますが、なかなかそこは難しい。まだ練習が必要です。

強いアルコールを加えたものは、いわゆる「あつい」感じがします。泡盛の場合、穀物の香りもだいぶ加わってしまうので、ウォッカなどもっとシンプルにアルコールに近いものの方がより練習にはなるかと思います。

最後に紅茶を入れたものは収斂性を感じます。これも紅茶の香りですぐわかってしまうのでブラインドにはなりにくいですが。

だいぶわかりやすかったので、今度は加える量をもっと減らして試してみたいと思います。

なお、味わいはグラスによっても変わりますので、テイスティング用のグラスを用意しておきましょう。私は木村硝子店(の安いの)を買いました。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

木村硝子店INAOグラス 47x156・240cc
価格:726円(税込、送料別) (2020/1/6時点)



Date: 2020/0105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments

ちょっと時間がたってしまいましたが、12月初旬にあったサシ・ムーアマンのセミナー報告です。
今回は、中川ワインとワイン・イン・スタイルの共同セミナーという非常に珍しい形式。中川ではサシ・ムーアマンのワインの中でサンタ・バーバラで自社畑のワインを作るドメーヌ・ド・ラ・コートと、サシ・ムーアマン個人プロジェクトでシラーなどを手掛けるピエドラサッシを輸入しており、ワイン・イン・スタイルはサンタ・バーバラで購入したブドウでワインを作るサンディと、オレゴンのイヴニング・ランドを取り扱っています。

まずはドメーヌ・ド・ラ・コートから2種類。ピノ・ノワールの「ピュア2018」(6000円)と「ラ・コート2017」(1万5000円)。ピュアはその名の通り、ピュアな味わいを身上とするワイン。醸造する前に普通はブドウを破砕するのですが、それを行わず、また発酵時にはSO2を加えないというワイン。さらに発酵中のパンチダウンもしなければ、酵母も加えない。ユニークな作りです。味わいはベリー系に花の香り、かすかにバニラ。味はしっかりしていますが、複雑さはそれほどないので、熟成させるというよりも若いピュアな味わいを楽しむワインです。

ラ・コートはベリー系にブラックペッパーなどのスパイスやナッツの風味。複雑な味わいです。酸もかなりしっかりしており、タンニンも強いです。余韻長く、レベルの高いワイン。熟成を楽しみたいワインです。ブドウをワイナリーに運んだ時点で酸化防止にSO2を加えるのが普通ですが、ここはそれを行わず、また低温ですごく時間をかけて発酵をしているとのこと。

次はサンディのピノ・ノワール「サンフォード&ベネディクト2015」(6900円)。ホールクラスターで発酵。発酵中はポンプオーバーだけでパンチダウンはなし。ピノ・ノワールでは珍しい気がしますが、パンチダウンをすると、ホールクラスターの茎のカリウムと果汁が接触することで酸が落ちてしまうとのこと。酸が1/4も落ちてしまうこともあるそうです。初めて聞いたことで勉強になりました。やや薄めの色合いで、ベリーの風味に、ホールクラスターによるものか草の風味を感じます。

ピノ・ノワールの最後はイヴニング・ランドのセヴン・スプリングス「ラ・スルス2015」(1万2000円)。オレゴンは夏が短く、その代わり日照時間がながく、夏は気温も高くなります。カリフォルニアではフレッシュさは酸が大事ですが、オレゴンではタンニンのしっかりした味わいがフレッシュにつながります。かなり酸が強く、ベリーの風味に加え、柑橘系や土、花のかおりもあります。

次はシャルドネ2本。普通は白ワインから試飲しますが、非常に酸が強いシャルドネなので、先に試飲すると舌がマスクされてしまい、後で飲んだワインの酸がわからなくなるとのことでピノ・ノワールの後での試飲です。

最初のシャルドネはイヴニング・ランドのセヴン・スプリングス「ラ・スルス2016」(1万2000円)。このワイン、少し還元香があるのですが、わざとそういったスタイルにしているとのこと。レモンやグレープフルーツに燻製やスパイスの風味があり、確かに複雑さは素晴らしいものがあります。

2本目のシャルドネはサンディの「サンフォード&ベネディクト2016」(6900円)。こちらはカリフォルニアらしい果実にの強さがあるワイン。パイナップルやレモンの風味にナッティな味わいもあります。余韻も長く美味しい。

最後はサシ・ムーアマン自身のワイナリーであるピエドラサッシから2本。最初は「PS シラー 2017」(4000円)。入門的ワインで若木のブドウを中心に作っているそうですが、カシスやブルーベリーの果実味に、胡椒などのスパイスや土の風味、ドライフルーツなど複雑味は十分。早めの収穫でアロマを出しているとのこと。

次は「シラー リムリック・ヴィンヤード2016」(7600円)。非常に余韻も長くすばらしいシラー。

所用で途中で退席してしまったので最後はちょっと消化不良ですみません。それでもサシ・ムーアマンのワイン造りへのこだわりの強さと、手間暇を惜しまないことはとてもよくわかりました。また、カリフォルニアとオレゴンの違いも、カリフォルニアでワインを作っている経験を元に説明してもらうと、すごく腑に落ちます。オレゴンとカリフォルニアはすぐとなりではありますが、その違いはかなり大きく、それを味わえたのも興味深かったです。

ドメーヌ・ド・ラ・コートの単一畑やイヴニング・ランドの「ラ・スルス」は1万円を超えますが、サンディのワインやドメーヌ・ド・ラ・コートの「ピュア」、そして今回は試飲なかったですがイヴニング・ランドのレギュラーの単一畑などは比較的手を出しやすい価格です。それらもレベル高いので、ぜひ試していただきたいワインです。

Date: 2020/0104 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
ヴィナスのアントニオ・ガッローニが大晦日に2019年を振り返る記事を書いていました(2019 – The Year in Review (Dec 2019) | Vinous - Explore All Things Wine)。

赤ワイン
San Giusto a Rentennano 2016 Merlot La Ricolma
白ワイン
Vincent Dauvissat 2017 Chablis Les Preuses Grand Cru
シャンパーニュ
2008 Salon
知られざるワイン
Château de Millery

とここまではカリフォルニアは入らず。ちなみにシャンパーニュで選ばれた2008年のサロンはマグナムしか作られず、しかも他のヴィンテージとの100万円するセットしかないという…


気を取り直して続けます。
25ドル以下のベストワイン
2017 Bedrock Wine Co. Syrah Coast To Foothills

ベッドロックはジンファンデルが有名ですが、実はシラーでパーカー満点を取るなどシラーも得意。2017年は単一畑モノとしては「ビエン・ナシード」しか作らず、残りはすべてこのブレンド物に入ったとのこと。

50ドル以下のベストワイン
2017 Turnbull Cabernet Sauvignon (Napa Valley)

近年、ワインアドヴォケイトでも高評価連発のターンブル。レギュラーのボトルですが、自社畑のブドウだけを使っています。


イマージング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー
Rebecca George, Kelly Fleming Wines
あまり有名でないがすばらしいワインを作るワインメーカーとしてナパのカリストガにあるワイナリー「ケリー・フレミング」のレベッカ・ジョージが選ばれました。このほか「Mojave」という自身のブランドでアンダーソン・ヴァレーのピノ・ノワールも作っているそうです。いずれも日本には未輸入だと思いますが要注目ですね。

そして、映えあるワイナリー・オブ・ザ・イヤーは「オー・ボン・クリマ」でした。創設者のジム・クレンデネンはサンタ・バーバラで多くのワインメーカーのメンターとして尊敬されていますが、彼自身のワインは教え子たちに比べて過小評価されてきたとガッローニは評しています。2016年はシャルドネのニュイ・ブランシェが95点、ピノ・ノワールのイザベルやノックス・アレキサンダーがいずれも96点など高く評価されています。そして、オー・ボン・クリマは日本国内の価格がかなり安いです。特にマニアほど意外と最近のものは飲んでいない人が多いようです。シャルドネやピノ・ノワールのエレガントなものが好きならば、ぜひ飲んでほしいワインです。


ヴィンテージ違いですが。

Date: 2020/0103 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
クリスマス休暇であまりニュースがなかったことあり、この年末年始はちょっとブログおサボり気味です。いろいろ疲れがたまっているので、のんびりといつもよりは睡眠時間も長くしています。

というわけで、真面目にニュースを紹介するというより、戯言に近いものですが、最近気になっていること2件。

一つはオーストラリアの山火事です。コアラが相当数死んだというようないたたまれない話もありますが、ワイン産地であるアデレード・ヒルズでは3分の1の畑が焼失したという記事が1週間ほど前に出ていました。

カリフォルニアの山火事でもブドウ畑が焼けることはないわけではないですが、ほとんどの場合は防火帯的役割を果たしています。それがこれだけ焼けてしまうというのは、想像を絶する火の強さなのでしょう。

その後の経緯は追っていないのですが、まだ消火にはほど遠いようで、被害の拡大が懸念されます。

われわれ消費者としてはアデレード・ヒルズのワインを飲むのが一番の応援になるでしょう。

もう一つ、気になる話がトランプ政権による関税の問題です。エスカレートしていた中国との報復関税合戦はようやく落ち着きそうな感じになってきましたが、今度はEUのワインに100%という法外な関税をかけようとしています。

カリフォルニアワインとしては輸入ワインが高くなれば、国内のシェアが高まって歓迎かといえば、さすがにそんな近視眼的な意見はほとんど見当たらず、カリフォルニアワイン協会も、反対を表明しています。

また、ワインスペクテーターの発行人であるマービン・シャンケンはパブリックコメントで反対を表明するよう業界関係者に呼びかけています。

米国におけるEUのワインのインポーターは、家族経営的な小さいところも多く、本当にこれが実施されると壊滅的な影響を与える可能性があります。

正月早々楽しくない話で恐縮ですが、昨今のワイン業界は先行き不透明な話が多く(マリファナの影響や、ミレニアル世代のワイン消費の話など)、落ち着いていられないと思う今日この頃なのです。
Date: 2020/0101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
Comments
年も開けてしまいましたが、昨年の記事の積み残しで、デカンター誌で100点が付いたワインを紹介します(Top scores: 100 point wines 2019 tasted by Decanter experts - Decanter)。

2019年の100点ワインは24本。カリフォルニアは5本でイタリア2本、オーストラリアが1本。残り16本はフランスで16本。英国の雑誌ですから欧州のワインが強いです。カベルネ系が多く、次はシラー系。白はゼロでした。

カリフォルニアでは
ドミナス1991
アイズリー カベルネ・ソーヴィニヨン 2016
オーパスワン 1997
オーパスワン 2013
ヴェリテ デジール 2015
が満点でした。

オーパスワン 97はリリースされた頃は、評価の高い97の中ではあまりいい評価がなかった記憶がありますが、ここに来ての高評価は面白いところです。

デカンター誌でリッジの評価が高いのは以前紹介しましたが、今回満点が付いたものをみてもクラシックな作りが人気のようです。