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Date: 2018/1230 Category: おすすめワイン
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初めての企画として、今年の個人的ベストワインを挙げてみます。といっても順位をつけるのは難しいので、品種ごとに一番印象に残っているワインを取り上げます。

まずはソーヴィニヨン・ブラン。出合ったのは2017年でしたが、今年は持ち寄りのワイン会に選んで持っていったワインです。今まで飲んだソーヴィニヨン・ブランの中でこのワインの香りが一番好きです。
TOQUADE(トカードゥ)2016
ナパ・ヴァレー・ツアーのリユニオン

シャルドネは難しかったのですが、あえてカリフォルニアではなくオレゴンのイヴニングランドを選びました。イヴニングランドのシャルドネは目からウロコが落ちるくらい美味しかったです。
イヴニングランド サマム 2015
イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)

ジンファンデルでは記事には書いていませんが、香奈さんのアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーを聴講させてもらったときに試飲したラファネリにはちょっとびっくりしました。エレガントで最初はピノ・ノワールかと思ったくらい。ものすごくきれいなワインです。残念ながら飲食店向けにしか販売していないそうですが。
A.ラファネリ ドライ・クリーク・ヴァレー 2015

ピノ・ノワールも圧倒的にこれ、というのが今年はありませんでしたが、ポテンシャルへの期待をこめてウェイフェアラーを挙げておきます。今でも相当おいしいですが、ここはまだまだレベルが上っていきそうな気がします。
ウェイフェアラー 2013
まだまだ進化中のウェイフェアラー、ピュアなシャルドネに感激、ピノ・ノワールに感嘆

シラーでは「ぶっとばされた」くらい圧倒的な印象だったのがドネランのオブシディアン。2017年の火事で畑が消失してしまったのが本当に惜しまれます。
ドネラン(Donelan) オブシディアン・ヴィンヤード2014
ソノマの多様性をAVAから解き明かすセミナー

プティ・シラーは、最近気になる品種の一つですが、リッジのリットン・エステートはプティ・シラーらしさを満喫できるワイン。ガツンときます。
リッジ リットン・エステート 2014
ワイン・インスティテュート試飲会でおいしかったワイン

カベルネ・ソーヴィニヨン(ブレンド含む)も悩みましたが、コンティニュームとリッジ・モンテベロの2つを挙げてきます。実は2つとも自分のアカデミー・デュ・ヴァンのセミナーで試飲したワイン。コンティニュームはモダン系。完成度の高さがさすがです。リッジ・モンテベロはできたら20年後にまた出合いたいワイン。バランスがすばらしい。こちらはクラシックな味わい。セミナーではスタッグス・リープ・ワイン・セラーズのSLVやモンテリーナのエステート・カベルネも素晴らしかったです。我ながら、いいワインを試飲に出していると思います(宣伝です笑)。
コンティニューム 2014
リッジ モンテベロ 2013

その他の品種ではトレフェッセンのドラゴンズ・トゥースをあげておきます。マルベックとプティ・ヴェルドというユニークなブレンド。ラベルのドラゴンもかわいい。辰年生まれとしても気になるワインです笑。
トレフェッセン ドラゴンズ・トゥース 2014
トレフェッセンはもっと評価されていいと思う(後編)

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Date: 2018/1228 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のパリ16区が店舗移転のため、年内のセールをやっています。
一通り見てみましたが、ここは2010年より前のワインをかなり持っており、それが当時と変わらない価格で出ているので、現在から見るとかなりお買い得になっています。例えばボンドの単一畑ものが3万円台。今ではブレンドのメイトリアークでも3万円。単一畑は5万円を下りません。米国で買っても300ドル以上しますから格安です。今や10万を超えるのが普通のハーラン・エステートも8万円からあります。

コルギンのシラーが2万円だったり、IX(ナンバーナイン)のレッド・ワインが4万円だったりもかなり安いです。楽天で検索するとコルギンのIXレッドは4万円台のものがいくつかあるのですが、実はそれらはハーフボトルばかり、同じ価格でフルボトルなのですから、相当お得です。

セールワインの一覧はこちら

2004年のコルギンはパーカー97点です。


シラー2005は95点。


セント・エデンの2009年は97点。


クェラ2009は96点。


ヴェシーナ2009はなんと98+という高得点。


ハーラン2003は98+

Date: 2018/1227 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、SFクロニクルのワインメーカーオブザイヤーを紹介しましたが、同時に発表された注目のワインメーカーを紹介します(2018 Winemakers to Watch: Meet the rising stars poised to change West Coast wine - San Francisco Chronicle)。

先日、ルータム(Lutum)のワインメーカーとして取り上げたギャヴィン・チャナンもかつて選ばれたこの注目のワインメーカー、若手の登竜門的に興味深く、またSFクロニクルの「今っぽさ」が感じられるのも面白いところです。

今回選ばれたのは5人。一人目はアリソン・トンプソン。L.A. Lepianeというワイナリーを持っています。かのシネクアノンで働き、その後4年間パルミナで働きました。そこでイタリア系品種に目覚め、サンタバーバラに自身のワイナリーを立ち上げて、バルベーラやネッビオーロといったイタリア系品種のワインを作っています。また、歌手のピンクのワイナ「Two Wolves」のアシスタント・ワインメーカーも務めています。

二人目はエリン・プーリー。ナパで「Little Frances」というワイナリーをやっています。また、デュモルではコンシューマーに直接ワインを売る部門にいるそうです。

エリンはオーストラリアのシドニー育ち。オーストラリアやカナダ、欧州で修行して、2010年にカリフォルニアに移住しました。実はオーストラリアで素晴らしいワインができるというセミヨンに可能性を見出し、ナパのレイク・カウンティの畑からセミヨンを作っています。

特徴は極端な早摘み。2015年のものなどは10.7%しかアルコール度数がありません。酸味を残すためにはそれくらい早く摘まないといけないとのこと。ステンレスタンクで発酵させた後、早い段階でボトルにいれ、そこから3年間熟成させてから出荷します。

3人目はジェイミー・モトリー。Jaimee Motley Winesというワイナリーをやっています。ウインドギャップ(現在のパックス)で働き、アルノー・ロバーツなどでも働きました。

自身のワイナリーではサンタバーバラのビエンナシードの畑からモンデュースを作っているほか、サンタクルーズのマーティン・レイの畑などからカベルネ・ソーヴィニヨンも作っています。修行したワイナリーがいずれも「ニューカリフォルニア」系でず、カベルネ・ソーヴィニヨンもつくるというのがまた面白いところです。

4人目と5人目は夫婦です。夫のジョン・ハウスは今回唯一の男性。妻は発音がよくわかりませんがKsenijaコスティック・ハウス。オレゴンでOvum Winesというワイナリーをやっています。二人はフロリダで出会い、オレゴンのチュハレムで働いた後、独立してOvum Winesを作りました。オレゴン各地のリースリングでワインを作っています。

日本から入手するのはなかなか難しいワインばかりですが、興味深いですね。
Date: 2018/1226 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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著名なワイン評論家のジェームズ・サックリングが2018年のアメリカワイン・トップ100を発表しています。トップ10は以下のもの。


1位 RIDGE VINEYARDS SANTA CRUZ MOUNTAINS MONTE BELLO 2015
2位 CONTINUUM NAPA VALLEY SAGE MOUNTAIN VINEYARD 2015
3位 REALM CABERNET SAUVIGNON NAPA VALLEY OAKVILLE TO KALON VINEYARD 2015
4位 COLGIN CELLARS SYRAH NAPA VALLEY IX ESTATE 2015
5位 SCREAMING EAGLE NAPA VALLEY 2015
6位 LITTORAI PINOT NOIR SONOMA COUNTY SONOMA VALLEY SONOMA COAST THE HAVEN VINEYARD 2016
7位 CAYUSE VINEYARDS SYRAH WALLA WALLA VALLEY BIONIC FROG 2014
8位 ULYSSES NAPA VALLEY 2016
9位 BERINGER CABERNET SAUVIGNON NAPA VALLEY PRIVATE RESERVE 2015
10位 NO GIRLS SYRAH WALLA WALLA VALLEY LA PACIENCIA VINEYARD 2015

ナパのワインが6本と過半数を占める中、1位はリッジのモンテベロ2015でした。果実味に頼らないワイン造りを一貫しており、まさにカリフォルニアのクラシックと言えるワインです。2013年のダブル100点(ワインアドヴォケイトとデカンター)に続く名誉で、改めてその実力が見直されていると思います。

トップ10にシラーが3本入りました。うち2本はワシントン州(カイユースとノーガールズ)。評論家の評価の高さと相反して、市場ではなかなか盛り上がらないシラーですが、もっと人気が上がっていい品種だと思います。先日ワイン会で出したストルプマンのシラーも大人気でした。

6位にリトライ(ピノ・ノワール ヘイヴンズ 2016)が入ったのもすごいこと。例年カベルネ・ソーヴィニヨンが強いジェームズ・サックリングのリストの中で、ピノ・ノワール、しかもエレガント系のリトライもいうのはとても目を引きます。ちなみに40位にもリトライのピボット・ヴィンヤード ピノ・ノワールが選ばれています。



ドミナスのクリスチャン・ムエックスが作る新しいプロジェクト、ユリシーズが8位。確か昨年もかなり上位だったと思います。

9位はベリンジャーのカベルネ・リザーブ2015。日本でも1万6000円くらいで買えるワイン(このヴィンテージは未入荷)で、この中では安価なワインです。

トップ10以外で見ると、オーパスワンが29位。一昨年は全世界の1位に選ばれていますが、2015も高評価です。

28位にはアイズリー・ヴィンヤーズのソーヴィニヨン・ブラン。赤ワインが圧倒する中、白ワインではこれがトップです。ちなみにシャルドネでトップ(白ワインで2位)は58位。HdVのワインでした。

74位にはケンゾーのカベルネ・フラン明日香。ケンゾーも頑張ってますね。

Date: 2018/1225 Category: グルメ
Posted by: Andy
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メリークリスマス。家族そろってのクリスマスはもしかしたらこれからは難しいかもしれない(娘は4月から社会人、夜勤もある職場なので)ということで、この瞬間を大事にしないといけないですね。

料理は去年に続いてもも肉のコンフィ。3本で450円の安い冷凍肉ですが、それを感じさせない美味しさでした。

レシピはもも肉3本(実際にはそれを2つ作った)に対して塩小さじ1.5、ガーリック大さじ1.5、ブラックペッパー大量、ローレル4枚。よく揉み込んでビニール袋に入れて冷蔵庫で一晩置いておきます。出てきた汁は切り、ビニール袋にオリーブオイル100mlほど入れ炊飯器に。お湯(80℃くらい)を入れ、しっかり空気を抜いてビニール袋をしばり、炊飯器の保温機能で3時間以上保温。今日は5時間くらい入れておいたかな。

油は小さな鍋に移し、後でキノコを入れてアヒージョに。

油大さじ2杯ほどはフライパンに入れて、芽キャベツの炒めものにも使用。味付けは塩少々とブラックペッパーのみ。

鶏はフライパンでしっかり両面焼いて完成。

後はサニーレタスと、豚のタンのパストラミ。たまたま冷蔵庫にあったアボカド入れたらパストラミとよく合いました。

ワインは結局今年もグロリアフェラーのブランドノワール。
Date: 2018/1224 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2019年の干支はイノシシ。カリフォルニアワインでイノシシといえば…やっぱりマーカッシン(Marcassin、マーカッサン)ですね。入手が大変だし価格もますます高くはなっていますが、シャルドネで7本、ピノ・ノワールで3本の「パーカー100点」を輩出している、カリフォルニアを代表するシャルドネ、ピノ・ノワールのプロデューサーです。個人的には、あまり縁のないワイナリーではありますが…

なお、イノシシラベルは自社畑のマーカッシン・ヴィンヤードのものだけなのでお気をつけて。




このマーカッシンの畑を見下ろすところに畑を作り、その名もボアーズ・ビュー(ボアーはイノシシのこと)と、マーカッシンを意識した名前を付けたワイナリーもあります。ワイナリーを造ったのが、ナパで「パーカー100点」のカベルネ・ソーヴィニヨンを18本も出しているシュレーダーなので、ピノ・ノワールにも本気でお金をかけるつもりなのでしょう。畑のマネージャーは今年急死したユリシス・ヴァルデス、ワインメーカーはシュレーダーと同じトーマス・リヴァース・ブラウンと、これ以上はない組み合わせ。最初のヴィンテージから95点を出して、今後はマーカッシンのライバルになりそうです。





それにしてもどちらも高額なので、そうそうは買えないですね。現実的にはイタリアのこちらあたりを選ぶことになるでしょうか。


Date: 2018/1223 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトで100点、いわゆるパーカー100点のワインを21本も排出しているのがシネ・クア・ノン。きちんと調べたわけではないですが、この本数はカリフォルニアではトップだと思います(シュレーダーは18本)。

シラーやグルナッシュで知られるシネ・クア・ノンですが、2005年まではピノ・ノワールを造っていました。2003年まではオレゴンのシェア(Shea)ヴィンヤードのブドウを使い、2004年と2005年はサンタ・リタ・ヒルズのアリタ・ヒルズという畑のものでした。その後は、自社畑中心のワイン造りに転換したせいかピノ・ノワールは作られていません。

パーカーの評価は90点台前半と、他の品種と比べると低かったものの、彼の好みの一つだったようで、作られなくなるのが非常に残念だとレビューで書いています。

そのシネ・クア・ノンの貴重なピノ・ノワール、しかもシェアの最後のヴィンテージのものがWine Cellar Katsudaのアウトレット・セールで安くなっています。液漏れがあるとのことですが、税込み5万円台は、ワイン・サーチャーの同ワインの平均価格500ドルとほぼ同等。何よりもシネ・クア・ノンのピノ・ノワール自体が貴重です。

ちなみに別の店で扱っている最終2005ヴィンテージのピノ・ノワールは10万円弱。




Date: 2018/1222 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SFクロニクル紙が2018年のワインメーカーオブザイヤーを発表しました(Winemaker of the Year Ian Brand represents the only way forward for California wine - San Francisco Chronicle)。ル・プティ・ブランド(Le P'tit Brand)、ラ・マレア(La Marea)、アイ・ブランド・アンド・ファミリー(I. Brand & Family)の3つのワイナリーを持つイアン・ブランドが選ばれました。
ル・プティ・ブランド

モントレー近辺の沿岸地域の畑にこだわり、リーズナブルな価格で高品質なワインを作っています。

イアン・ブランドはコネティカットの出身。2003年にボニー・ドゥーンで働き始め、その後Big Basinを経て2008年にル・プティ・ブランドを立ち上げます。その後、同地域のグルナッシュやアルバリーニョにこだわったラ・マレア、カベルネ・ソーヴィニヨンなども、作っています。

日本でもル・プティ・ブランドグルナッシュ・ブレンドのワインは売っています。実売価格だと
3000円台前半なのは、いいですね。

Date: 2018/1221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日はワシントンのチャールズ・スミス来日イベントを紹介しましたが、その前の週には「Taste Napa Valley」としてナパのワイナリーがいくつも来日します。どちらかというと業界向けのイベントが中心ではありますが、一般向けのイベントもあります。

一般向けイベント | Event Categories | ナパヴァレー・ヴィントナーズ

東京では1月17日に2つのイベントがあります。
「ナパヴァレーの環境にやさしいワイン」というセミナーは、環境に優しいワイン造りをしている5人の生産者を招いて、その取組を紹介するもの。もちろんワインの試飲もあります。会場は青山(表参道)のアカデミー・デュ・ヴァンで、19:00~21:00。会費は5400円です(安い!)。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズはサスティナブルのプログラム「ナパ・グリーン」を推進していて、先日はカリフォルニア州で表彰されました。いいタイミングのセミナーですね。

もう一つは「生産者に会えるテイスティング会!(レクチャーつき)@有楽町ワイン倶楽部」というもので14:00~16:00。上記のセミナーとはしごも可能です。ちなみに登場するワイナリー(3つ)は重なっていません。なんと参加費は1000円!。ワインの販売もあります。ワイナリーがブースを出して、そこに行って試飲する形式のようです。場所はBistro&Bar 有楽町ワイン倶楽部の店内です。

大阪でも同じ形式の試飲会が19日に「タカムラ」で開催されます。こちらは8ワイナリーが参加して、会費は3000円。シルバー・オークやシュラムスバーグも出ます。時間は12:30~14:00。

関西ではこのほかランチが一つとディナーが3つ開催予定です。
ランチは19日11:00からウルフギャングステーキで。生産者5人のワインを飲みながら、ウルフギャングステーキのTボーンステーキが食べられるという、よだれの落ちそうな会です。会費は税別1万6000円。

ディナーは18日に大阪のロウリーズ・ザ・プライムリブとモダン中華シーフで、19日には京都の木乃婦で開催されます。ロウリーズは生産者7名、シーフは5名、木乃婦はなんと10名参加です。ロウリーズは税別1万5000円。シーフは税別2万円、木乃婦は税別3万円です。

関東でディナーやランチがないのが寂しいと、ある人が言っていました。次回はぜひ関東でもやってほしいですね。

Date: 2018/1220 Category: グルメ
Posted by: Andy
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ジョセフ・フェルプスのインシグニアといえば、かつては「玄人のオーパス・ワン」といった異名を付けられたワイン。オーパス・ワンは誰でも知っているけれど、それと同等以上に美味しくて、通が選ぶのがインシグニアというイメージでした。

今も基本的にはその位置づけは変わっていないような気がします。むしろ2000年ころから台頭してきた、シュレーダーやハンドレッド・エーカー、スローン、レアムといった新興カベルネ勢力がかなりの高価格を付けているのに対し、インシグニアはそれほど価格も上がっておらず、割安感がかなりでてきています。

現行のヴィンテージになる2015年に、発表されたばかりのワイン・アドヴォケイト中間レポートでは98点と高評価がついています。この高評価でも国内の価格は税込みでも2万円台。2万円台前半の店すらあります。ワイナリー価格の275ドルは完全に下回っていますし、Wine-searcherの平均価格247ドルよりも安いです。


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【正規品】ジョセフ フェルプス インシグニア[2015]
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1万円以下でカベルネ・ソーヴィニヨンを選ぶなら、先日セミナーレポートで紹介したヘスのカベルネはワイン・アドヴォケイトで93点。8000円台という価格を考えたら無茶苦茶コスパいいです。


Date: 2018/1219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワシントン州で非常に高く評価されているシラーを輩出しているKヴィントナーズや、先日wine.comで2018年の1位に選ばれたワインズオブサブスタンスのオーナー兼ワインメーカーのチャールズ・スミスが来年1月、9年ぶりに来日します。一般向けにもイベントが開催されるので、そのお知らせです。
チャールズ・スミス
チャールズ・スミスのKヴィントナーズは、白黒で、墨絵のようなイラストをあしらったラベルが印象的。チャールズ・スミス本人の容貌も合わさり(彼の前職はロックバンドのマネージャーだったとか、なるほど)てっきり色物のワイナリーかと思いきや、数多くの種類が作られているシラーなど、非常に高く評価されています。例えばパーカー98点以上のワインで20本! ワシントンの、というより米国を代表するシラーの生産者と言っても過言ではありません。それだけ高評価なのに、価格はかなり控えめ。これがナパの生産者だったら倍の値付けでも不思議ではないレベルです。

また、ワインズオブサブスタンスでは打って変わって品種の頭文字をあしらったシンプルなラベル。ワインも基本に忠実な作りでコスパ抜群。wine.comで一番人気に選ばれるのも理解できます。

イベントは1月23日19時00分から赤坂の「Artisan Table」というオシャレなレストランで。
立食形式で、会費は前売り8500円とこれほと有名な生産者のパーティーとしてはお安めになっています。

申し込みはこちらから。
チャールズ・スミス・ワインナイト at THE ARTISAN TABLE / Charles Smith Wine Night at THE ARTISAN TABLE | Peatix

ワシントンワイン、僕もまだまだ不勉強で知らないことだらけですが、いいワインがたくさんあるので、なるべく紹介していけたらと思っています。
Date: 2018/1218 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのスパークリング・ワインの中にはなぜだか現地で買うより日本で買うほうが安いものがあります。そんなスパークリング・ワインを3つ紹介します。

グロリア・フェラー ロイヤル・キュベ・ブリュットはグロリア・フェラーの中でも高級品のスパークリング・ワイン。ディスゴージングまで7年の時間をかけています。ワイナリー価格で37ドル、ワイン・サーチャーでの最低価格も26ドル(税抜き)が税込みで2600円台と完全に日本で買う方が安くなっています。



同じくグロリア・フェラーのブラン・ド・ノワールもワイナリー価格22ドルが税込み2300円台と、ロイヤル・キュベ・ブリュットほどではないですが日本の方が安くなっています。コスパでいえばロイヤル・キュベ・ブリュットなのですが、ブラン・ド・ノワールはピノ・ノワールが92%入っているので、チキンなどにはよく合うんですよね。実は我が家の一番の定番はこれです。とりあえずこれがあれば安心という感じ。
[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

グロリア・フェラー ブラン・ド・ノワール
価格:2354円(税込、送料別) (2018/12/18時点)



ドメーヌ・カーネロスのル・レーヴはここの最上級キュベでワイナリー価格は115ドルですが。日本ではほぼ半額の6000円台。もちろん日本だけ粗悪品が送られているといったことではありません。全く同じものが半額なのです。Wine-Searcherで見ても平均価格は100ドルです。



Date: 2018/1217 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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20代で2つのワイナリーを手にし、注目のワインメーカーとなったギャビン・チャナンが来日し、ワインメーカー・ディナーが開かれました。

会場は表参道のTwo Rooms Grill | Bar。とてもおしゃれなレストランです。
今回は46名が一列のテーブルに並ぶという圧巻の配列。

ギャビン・チャナンがワイン業界に足を踏み入れたのは18歳のとき。元々オー・ボン・クリマの事務・クレンデネンとは家族ぐるみでの付き合いがあり、そこから自然にオー・ボン・クリマで修行を始めたそうです。「人生に必要な知恵はすべて幼稚園の砂場で学んだ」という有名な書籍がありますが、彼の場合は、ワイン造りで重要なことはすべてオー・ボン・クリマで学んだ、といっていいでしょう。

21歳の2007年には初めてワインを造ります(チャナン・ワインズ)。これもオー・ボン・クリマの伝手で始めたものでした。9歳からワインを造ったベッドロックのモーガン・ピーターソンのような例がないことはないですが、米国ではお酒を飲めるのが21歳からですから、やはり非常に早いです。その若さで、最初からワールドクラスのワインを作ることだけを考え、最初はクレージーだと言われながらも、次第に周りが認めていったとのこと。

25歳の2011年に、ソノマに複数の畑を持ち、キスラーやコスタ・ブラウンにも出資していたビル・プライスと出会います。ビル・プライスはサンタ・バーバラに興味があり、ギャビン・チャナンは、逆にソノマにも興味があったため、双方のニーズが合致して意気投合。著名な畑であるデュレルのブドウをビル・プライスから入手して、新たなワインを造り始めました。それが今回のLutum(ルタム)です。ワインの造り方は全く同じということで、サンタ・バーバラで素晴らしいピノ・ノワールやシャルドネを造ってきたブリュワー・クリフトンに通じるものを感じました(ブリュワー・クリフトンもさまざまな畑のワインを全く同じレシピで作ることをモットーにしています)。ルタムはシャルドネとピノ・ノワールをサンタ・バーバラのサンフォード・ベネディクトやラ・リンコナーダ、ソノマのギャップス・クラウン、デュレルなどから造っています。日本にはサンフォード・ベネディクトとギャップス・クラウンのワインが入ってきています。ちなみに、ビル・プライスが関わっているワイナリーで、最近注目が集まっているスリー・スティックスも、やはりギャップス・クラウンのワインを造っていますし、コスタ・ブラウンのエステートのワインにも使われています。要注目の畑の一つです。

現在は、チャナンでは年間3000ケースほど、ルタムでは2000ケースほど生産しているとのこと。また、チャナンはホールクラスター(除梗なし)で造るのが多いですが、ルタムでは大部分除梗しているそうです。


食事を進めながらワインをいただきます。


まずはシャルドネから。サンフォード・ベネディクトのシャルドネはきれいな酸で、比較的軽い味わいでさわやかさがあります。時間がたつとだんだんふくよかさも出てきます。サンタ・バーバラらしいちょっと塩っぽい風味もあります。カリフォルニア的な押し出しの強さはあまりありませんが、きれいなワイン。

一方、ギャップス・クラウンは酸は少なめでそのぶんリッチに感じられる造り。サンフォード・ベネディクトは珪藻土の土壌なのに対して、ギャップス・クラウンは粘土に砂利。そのあたりの違いも関係しているのかもしれません。

ピノ・ノワールのサンフォード・ベネディクトは、ピノ・ノワールとしては比較的濃い目で、ラズベリーなどの赤い果実味に、ブルーベリーのようなダークな果実の風味もあり、パワフルです。これもブリュワー・クリフトンのワインを少し思い出させるものがありました。

一方、ギャップス・クラウンはバランスのよいワイン。こちらの方が穏やかな味わいです。

筆者の周りにどちらのワインが好きか聞いてみたところ、ソノマ派とサンタ・バーバラ派に分かれました。いい悪いの違いよりも、好みの違いといえるでしょう。私個人としてはサンタ・バーバラのワインのコントラストの強さに魅力を感じました。

最後のワインはポートフォリオの2014年。毎年ながらすばらしいワインです。先日セミナーで試飲したロバート・モンダヴィのトカロンのカベルネ・ソーヴィニヨンと、同じ造り手だけあって通じるところがあり、それも面白かったです。ちなみに、ポートフォリオのカベルネ・ソーヴィニヨンはヘンドリーの畑のブドウですが、15%使われているカベルネ・フランは、19世紀にはトカロンの畑の一部だった「デタート」の畑のものを使っています。


会場となったTwo Rooms Grillさんも本当にすばらしいレストランでした。

Date: 2018/1216 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ナパのアリルというワイナリーが廃業のため、処分価格で日本に入って来ています。

アリルは2008年に設立された比較的新しいワイナリー。廃業の理由は定かではありませんが、オーナーのハーモン・ブラウンさんはスポッツウッドの社長を努めていた人ですし、ワインメーカーのアレン・ジョーダンはターリーでワインメーカーを務めていた、カリフォルニアでも有数の著名ワインメーカー。人材的には十分すぎるほどのメンバーです。

カベルネ・ソーヴィニヨンの畑も自社畑でプリチャード・ヒルにあるというこれ以上は望めないようなところです。

【追記】すみません。畑はプリチャードヒルではなく、カリストガのものだそうです。そちらの方が品質が良かったとのこと。

そのカベルネ・ソーヴィニヨンはワイナリー価格で125ドル(税別)のものが税込みでも7000円台前半という安さ。

ヴィンテージは最初2012年のものが入ってきて、その後2014年が入荷しているようです。ヴィンテージ的には2014の方が評価が高いです。2012年は悪くないヴィンテージなのですが、収量が少なかった2011年の翌年で、質より量を重視してしまったワイナリーが多かったと言われています。そのあたりの事情はワイナリーによっても違いますが参考まで。






Date: 2018/1214 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オーパス・ワンがTCA(ブショネの素になる物質)で汚染された樽を売ったとして、フランスの樽会社を訴えました(Opus One Sues Supplier Alleging Barrels Were Contaminated with TCA)。

汚染された樽の数は10。これによって2016ヴィンテージのワインのうち590ガロン(2233リットル、ボトル約3000本)のワインが駄目になったといいます。

オーパス・ワンは最低でも$471,356の被害があったと主張しています。
Date: 2018/1213 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイナリーの業界団体ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズとメンドシーノのフェッツアーがカリフォルニア州の環境リーダーとしての賞「Governor’s Environmental and Economic Leadership Award」(GEELA)を受賞しました。10の団体や会社が表彰される中の2つにワイナリー関係が選ばれたことになります(Napa Valley Vintners and Fetzer Vineyards Receive Californias Top ...)。
Geela
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは「ナパ・グリーン」と呼ぶ環境のプログラムが受賞の理由。フェッツアーはゴミを減らす努力が受賞の理由です。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズからはケイクブレッドのオーナーであるブルース・ケイクブレッドが授賞式に参列。ケイクブレッドはゴミの93%をリサイクルしているとのこと。
Date: 2018/1212 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1980年に設立されたスパークリング・ワインのプロデューサー「パイパー・ソノマ」が日本での販売を始めました。元々シャンパーニュのパイパー・エドシックが始めたワイナリーですが、現在はパイパー・エドシックの手は離れているようです。また、米国では流通・マーケティングはマイケル・モンダヴィの「フォリオ」が2018年から手がけるようになりました。

また、ワインメーカーはシュラムスバーグで長年ワインメーカーを努めていたキース・ホック。2015年から参加しています。

日本で販売するのは基本のブリュット。価格は4000円とリーズナブルです。


Date: 2018/1211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国TTB(アルコール・タバコ税貿易管理局)がウエスト・ソノマ・コーストなど新AVAの申請を出しています(Feds propose new West Sonoma Coast wine territory)。ほかに提案されているAVAはニューヨークのアッパーハドソンなど。

ウエスト・ソノマ・コースト

ウエスト・ソノマ・コーストはソノマ・コーストの太平洋側。乱暴に言えばソノマ・コーストからペタルマ・ギャップAVAを除いた部分になり、フォートロス・シーヴューAVAを完全に包含した形になります。

2019年1月7日まで意見募集の予定。
Date: 2018/1210 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのマウント・ヴィーダ―にワイナリーを構えるヘス・コレクションのワインメーカー、デイブ・ガフィ氏が初来日し、セミナーを開催しました。



ヘス・コレクションの創設者はスイス人のドナルド・ヘス。ミネラルウォータービジネスで財を築いたあと、1970年台にナパを訪れました。BVのカベルネ・ソーヴィニヨンやロバート・モンダヴィのシャルドネを飲み、ナパのワインの可能性に気づいたドナルド・ヘスはロバート・モンダヴィに直電。ナパでワインを造ることを決意したそうです。

ただ、ロバート・モンダヴィのアドバイスは「山は避けろ」だったのに、ドナルド・ヘスは山のワインの可能性に賭けてマウント・ヴィーダ―に畑を切り拓き、ワイナリーを構えます。1983年にワインを初リリースしました。

ワイナリーには美術館を併設し、ナパでも人気のワイナリーの一つになりました。特にカベルネ・ソーヴィニヨンでは非常にコスト・パフォーマンスの高いワインを造ってきています。

マウント・ヴィーダ―産のワインの生産量はナパ全体の1%ほど。ナパのヴァレー・フロアはずっとぶどう畑が広がっているのに対し、マウント・ヴィーダ―は今でも畑がごくわずか点在するのみです。地質は火山性で頁岩と岩が主体。痩せた土地で、ブドウの房も実も小さいそうです。

ヘス・コレクションは現在、マウント・ヴィーダ―の標高240mほどから600mほどのところに畑を3つ持っています。このほか、ナパの北東部にあるポープ・ヴァレーにアローミという自社畑も持っています。

試飲は赤ばかり4種類。


まずはアローミのカベルネ・ソーヴィニヨン2015。カベルネ・ソーヴィニヨン92%にプティ・シラーが6%、プティ・ヴェルドが2%です。アローミのあるポープ・ヴァレーはナパの中でも海からの距離があり、気温が高いところ。一般的に考えれば果実味が豊かで芳醇なカベルネができそうな場所ですがアローミのカベルネは意外にタンニンがしっかりあり、酸も豊か。もちろん芳醇さや濃厚さもあるのですが、これも山カベ(山地産のカベルネ・ソーヴィニヨンのこと)かと思うくらいのタンニンでした。

理由の一つには、ワインに重厚感を与えるということで加えているプティ・シラーがありそうです。また、デイブ・ガフィさんいわく「山カベの味に慣れすぎているから、平地のカベルネで造ってもそういった味わいにしていってしまうのかもしれない」とのことでした。

二番目はライオン・テイマーというレッド・ブレンドの2015年。マウント・ヴィーダ―の畑ではマルベックがよいものができるということでマルベックが50%入っています。そのほかはジンファンデルが23%、プティ・シラーが11%など。自社畑のブドウが主体ですが、一部買いブドウも入っています。

これもかなりタニックではあるのですが、重さはあまりなく、なにか軽やかな味わい。面白いワインです。

3番めがマウント・ヴィーダ―のカベルネ・ソーヴィニヨン2013。カベルネ・ソーヴィニヨン82%でマルベックが18%。ブルーベリーなど青系の果実味が濃厚ですが、それ以上にガツンと来るタンニン。酸もきれいで、洗練されています。ストラクチャーのしっかりしたワインでまさに山カベ。山カベのお手本のようなワインです。

最後はフラッグシップのザ・ライオン2014。このワインについてはスケアクロウのワインメーカーであるセリア・ウェルチがコンサルタントを務めています。

色は紫から黒と見間違えるほどの濃厚さがあります。香りも重厚。さすが「ライオン」の名を冠すだけのことはあります。タンニンは非常にこなれて洗練されています。個人的にはカベルネ・ソーヴィニヨンの荒々しさに惹かれるところはありますが、こちらの洗練さもたいしたものです。



このほか、試飲コーナーでは、買いブドウで造っているコスパの高い「ヘス・セレクト」のワインもいろいろ出ていました。個人的には、ここのワイナリーの味で一番好きなのはやはりカベルネです。そのほかではプティ・シラーやシラーなどをブレンドした「トレオ」というレッド・ブレンドもうまみがあってなかなか良かったです。
Date: 2018/1209 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のウメムラwine cellarで新春福袋が始まっています。かねてから人気のこの福袋ですが、私は昨年初めて購入。こりゃ頼まない理由がないなと思えるものでした。

その理由は中身のリクエストができること。もちろんウメムラの在庫にないワインは無理ですし、1万円の福袋に2万円のワインをリクエストするのも無理ですが、ピンポイントでワインを指定することもできます。

昨年は、まだ飲んだことがなかったピノ・ノワール(4500円くらい)をピンポイントでリクエストして、あとはカリフォルニアしばりでお任せにしました(1万円の福袋)。

来たワインはウメムラの売価ベースで1万2000〜3000円くらいだったかと思いますが、要は買いたいワインを2、3割引で買えるようなものです。

福袋はこの1万円で4本というものから6本で54万円などさまざまな価格帯や本数のものがあります。狙いたいワインを見つけてからどれを頼むか決めるのがいいのではないかと思います。

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Date: 2018/1208 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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10月に、試験問題が漏洩したとして、今年マスターソムリエに合格した24人中23人が不合格となった問題で、このほど再試験が行われ、6人が改めて合格しました(6 Master Sommeliers Regain Titles After Exam Invalidation | SevenFifty Daily)。

再試験は2019年4月にも行われるため、今回は23人全員が受けたわけではありませんが、何人受けたのかは公表されていないようです。

今回の問題、マスターソムリエ協会からはほとんど情報が発信されていません。誰が漏らしたかは、マスターソムリエのリストから消えた人間をあぶり出すことでほぼ判明していますが、その情報公開の姿勢には批判の声もかなりあるようです。

いろいろな意味で禍根を残す今回のマスターソムリエ試験です。

とはいえ、6人の再合格者はおめでとうございます。
Date: 2018/1207 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ロバート・モンダヴィのナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンがしあわせワイン倶楽部で特価になっています。税込み3000円台はワイナリー価格の34ドルと比べても安いくらいの価格。ブドウはスタッグス・リープにある自社畑ワッポ・ヒルやオークヴィル産のもの。買いブドウも含まれていると思いますが、ちゃんとしたナパのワインです。

先日、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナー1回目でもこのワイン試飲しました。モンダヴィはナパのカベルネとしては酸が結構豊かでエレガント系ですが、ナパらしい芳醇さもあります。スタンダードなカベルネ・ソーヴィニヨンとして十分な品質だと思います。


Date: 2018/1207 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジャン・シャルル・ボワセ率いるボワセ・コレクションがナパのオークヴィルとソノマのヒールズバーグに店を持つオークヴィル・グロサリーを買収することが判明しました(Oakville Grocery Joins Boisset Collection)。


oakville grocery

オークヴィル・グロサリーは2007年からはラッド(Rudd)家がオーナーでしたが、この5月に当主のレスリー・ラッドが亡くなり、娘が引き継いでいました。ナパの店舗に併設して、ラッドのテイスティングルームもあるのですが、そちらは1月に完了する買収後はボワセ・コレクション関連のものになるようです。

ジャン・シャルル・ボワセは、初めてナパを訪れた11歳のときにオークヴィル・グロサリーに感銘を受けたとのこと。彼のJCBブランドのワインは思い出の数字が付けられるのですが、ピノ・ノワールが、初ナパ訪問の「11」と付けられています。

オークヴィル・グロサリーのオークヴィルの店舗は1881年にオープン。カリフォルニアで継続している店舗としては最も古いのだそうです。JCBはカリフォルニア最古のワイナリーであるブエナビスタも所有しており、古いものへのこだわりもあるのかもしれません。

個人的にはオークヴィル・グロサリーといえばパロアルト店が思い出なのですが、もう無くなって10年も経つんですね。時間が過ぎるのは早いなあ。
Date: 2018/1206 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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試飲したワイン
昨日は、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナー3回目。全6回なのでこれで折り返しです。

テーマはリッジです。歴史の話やモンテベロ、リットンスプリングスとガイザーヴィル、さらにはラベルの話などをしました。

試飲の目玉はデカンター、ワイン・アドヴォケイトで100点を取った2013年のモンテベロ。モンテベロらしい杉の風味に加えてさすがの凝縮感。ナパのカベルネとは一線を画すしっかりとした酸なとが特徴的でした。

セミナーの後は初のクラス会。さすがに飲み過ぎました。
Date: 2018/1205 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のMy Wine Clubで楽天スーパーセールの期間中、オーパス・ワンの2014年が税抜き3万9800円で出ています。オーパスで3万円台を見るのは久しぶり。翌2015年は5万円からになりますから、2014の方がだいぶお買い得です。しかもポイント5倍付くので、それだけでも2000円近くになります。かれこれ10数年間オーパス・ワンの価格を見てきていますが、現状ではこれ以上安く出ることは、まずないと思います。

ワイン・アドヴォケイトの評価で見ると2013、2015、2016の97+に対して2014は96なのでちょっとだけ落ちますが、十分すぎるくらいの高評価です。


Date: 2018/1204 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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11月末に発表されたワイン・アドヴォケイトの中間号で日本酒のレポートが出ていました。精米歩合の低い日本酒に高得点が次々と与えられました。

最高点となったのは宮城県の新澤醸造による「残響 Super7 2017」。日本酒では珍しいヴィンテージ表記のついた酒で、精米歩合は7%。98点がついています。これだけ精米歩合が低いと相当すっきりした味わいになるのかと思いきや、以外にもかなりコクがある味わいのようです。価格も高級ワイン並みの48000円(税抜き)。


続く96点は「楯野川 純米大吟醸 光明」。精米歩合はなんと1%。99%もコメを削ってしまうのって意味があるのかどうなのか、素人にはわかりませんが、すごい技術であることは間違いないようです。値段もかなりすごい。非常にピュアな味わいのお酒だとのことです。


95点の一つは木屋正酒造の高砂純米大吟醸松喰鶴。


2つ目は来福ファンタスティック7。これも精米歩合は7%。


最後は再び楯野川の純米大吟醸極限。これは8%の精米歩合。


Date: 2018/1201 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2018年11月25日、カリフォルニアの山火事史上、最大の死者数となったキャンプ・ファイアー(Camp Fire)がようやく100%包囲された形になりました。昨年は12月にも巨大な山火事が起こっており、まだ安心するには早い状況ではありますが、今回の山火事を含め、カリフォルニアの山火事について、知っておきたいことをまとめてみます。

・山火事は珍しくない

 乾燥しているカリフォルニアでは山火事が起こること自体は珍しくありません。例えばWikipediaの2018年の山火事のまとめを見ると2018年だけで7579件の山火事が起こっています。ちなみに2017年は9133件とやや多かったのですが、毎年7000から9000件程度の山火事があるのです。ニュースで報じられない山火事もたくさん起こっていて、それ自体は珍しいものではないということです。

・「鎮火」は火が全部消えたことではない

 日本では「鎮火」として報道されていますが、英語では「contained」。意味は文字通り「包囲された」とのことです。山火事の消化活動は、水を撒いたり、消火剤を撒いたりというのはありますが、それ以外に燃えたところの周りに一定幅の防火帯を作って、それを火が越えていかないようにするというのがあります。100%包囲したというのは、こういった防火帯で完全に回りを包囲したということ。実際にはエリアの中では火が残っている可能性もあります。「鎮火」というと完全に火が消えたイメージですが、必ずしもそうではありません。

・史上初、史上最大が多すぎる

 2017年10月に、ワイン・カントリーにも大きな被害をもたらした山火事があったのは記憶に新しいところです。中でもタブズ・ファイアー(Tubbs Fire)と呼ばれる火事はナパのカリストガで始まり、ソノマのサクラメントあたりまで一気に焼き尽くして、長沢鼎ゆかりの施設などを破壊しました。建物の被害が5643件、亡くなった人が22人。36,807エーカーを焼きました。最も破壊的な火事でした。

 2017年12月にはトーマス・ファイアー(Thomas Fire)が起こり、サンタ・バーバラやベンチュラに大きな被害を与えました。オーハイ(Ojai)ワイナリーもかなり危険な状況でした。281,893エーカーが燃え、その時点での最大の面積を焼いた火事となりました。

 2018年7月にはメンドシーノで「メンドシーノ・コンプレックス・ファイアー」と呼ばれる複合火災がありました。これは「ランチ・ファイアー」と「リバー・ファイアー」の混ざったものですが、その時点で複合火災として最大面積となりました(459,123エーカー)。また、このときは「ファイアー・トルネード」と呼ばれる竜巻状の火災が起こったことも話題になりました。さらに、このときの被害から、メンドシーノでのブドウの煙汚染問題が起こっています


 そして、2018年11月の火事です。ロスアンゼルス近辺では「ウールジーファイアー」が起こり、マリブ近辺の豪邸などを焼き、「マリブコーストAVA」地域のワイナリーにも大きな被害を与えました。これは記録としては、トップではありませんが、ほぼ同時に起こった「キャンプ・ファイアー」では88人が亡くなり、カリフォルニアで最も多くの死者を出した山火事となりました。なお行方不明者も200人を超えています。 18,804の建物を破壊し153,336エーカーを焼きました。

2年間でこれだけ記録的な火災が頻発するのは異常事態です。

・なぜこんなに被害が大きくなるのか。
 秋になると、カリフォルニアでは強風が吹くことがあります。キャンプ・ファイアーや、昨年のタブズ・ファイアーでは最大時速100kmに近い強風が吹いたといわれています。このため、火が広がるのも非常に速く、1時間に3kmとか4kmとか進んだと言われています。

・異常事態は続くのか?

 カリフォルニアの州知事は「これは“新しい正常”などではありません。これは“新しい異常”です」と言っています。これが正常になったという自身の発言を否定して改めて異常事態を宣言した形になっています。

・来年以降も火事は起こるのか。

 冒頭にかいたように、山火事自体は毎年何千件と起こっています。ただ、ここまで人的被害や建物の被害が出たことはありませんでした。これからも毎年のように記録は起こる可能性が高いと思います。
Date: 2018/1129 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ギフトに最適なのがナパのワイナリー「クロ・デュ・ヴァル」(Clos Du Val)が造る、エッチングが施されたボトルのワインです。ただ、難点が2つあります。一つは限定品なので、数が少なく、買いたいときにいつでも買えるわけではないこと。基本的にクリスマス向けなので、11月半ばから12月前半にかけて売られることが多いようです。もう一つは、デザインが何種類かあり、また中身のワインも数種類あるのですが、ショップによって扱いが限定されているので、全体像がつかみにくいこと。

そこで、この記事ではデザインの種類とワインの種類についてまとめておきたいと思います。なお、クロ・デュ・ヴァルはナパで50年近く続いているワイナリー。「パリスの審判」に登場したワインの一つとしても知られており、品質はどれも折り紙付きです。

まずはハート・ラベルの「ジャスト・フォー・ユー」と書かれたもの。中身はジンファンデルです。配偶者や彼女・彼氏などにあげるのに向きますね。逆に恋愛感情ない人に渡すのは誤解を招くかもしれません。


ハートだけでなくキューピッドと「I love you」の文字が施されたもっとストレートなのもあります。こちらの中身はカベルネ・ソーヴィニヨン。


クリスマス・リースのデザインに「Happy Holiday」の文字が描かれたもの。中身はメルローです。


サンタクロースのデザインに、「Merry Christmas」と書かれたもの。中身はジンファンデルです。


雪だるまのデザインで「Holiday Cheer」と描かれているもの。中身はジンファンデルです。


以上、5種類です。割と目的がはっきりしているので、間違えないようにしないといけないですね。

ボトルにあとから名前などをエッチングでいられれるサービスもあります。
Date: 2018/1128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オリン・スウィフトから分かれたプリズナー・ワイン・カンパニーがナパにテイスティングルームをオープンしました(Pick your poison: chains or a skeleton: The Prisoner winery opens | Wine | napavalleyregister.com)。以前のフランシスカンのワイナリーをリノベートする形になります。
The Prisoner Wine Company

リノベーションを担当したのは、ほかにも多くのワイナリーを手がけるMH Architets。プリズナーのラベルに使われているゴヤの絵から想像力を働かせ、天井から光を取り入れる形にしたそうです。

ワイナリーの中は骸骨など、ラベルのモチーフになったものがここかしこにあるそうです。従来のワイナリーとは全く違う体験をしたいという若い世代などに受けているとか。

個人的には、こことレイモンドとセットで見るのがいいのではないかと思います。いずれにしても行ってみたい。
Date: 2018/1127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっと前になりますが、著名評論家のジェームズ・サックリングも年間トップ100ワインを発表しています。一昨年はオーパス・ワンを年間1位に選んで話題を呼びましたが、今回は1位はボルドーはサンテミリオンのシャトー・カノン。カリフォルニアでトップは7位のリッジのモンテベッロ2014でした。レイティングでは100点がついています。ヴィナスのアントニオ・ガッローニも97-100と非常に高い評価を付けています。

ちなみに国内市場ではデカンターとワイン・アドヴォケイトで満点をつけた2013年が輸入元完売で流通在庫のみとなっています。2014年はまだ入荷していないようです。

2013年はいわゆる「パーカー100点」のワインとしては破格のやすさといえる2万円台で入手できます。手に入れるなら今のうちですね。

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Date: 2018/1126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ニュージーランドのクスダ・ワインズや、ソノマのリトライ、ゲイリー・ファレル、ナパのマサイアソン、チリのモンセカーノといった一流のワイナリーで修行した日本人女性、平林園枝さんが自身のワイン・ブランド「シックス・クローヴス」(Six Cloves)を立ち上げました。その最初のワインを試飲する機会をいただきました。



ナパのマサイアソンやソノマのリトライといえば、ワインとしてだけでなく、ブドウの生産者としても非常に有名で、尊敬を集めているワイナリーです。特にリトライのテッド・レモンはソノマにおけるビオディナミ(バイオ・ダイナミクス)の実践者として知られています。

そういったワイナリーで修行した平林さんが最初に選んだ品種はシャルドネ。2017年のヴィンテージはソノマのロシアン・リバー・ヴァレーで長年ブドウを造ってきた中井章恵さんのブドウを使っています。

収穫は8月31日とやや早めでした。熱波の到来が迫っており、それによって糖度が上がりすぎてしまうことを防ぐために早めの収穫となりました。ステンレスタンクで発酵、樽熟成では25%新樽を使っています。マロラクティック発酵は半分程度を目指していましたが、約3割進んだところで止まってしまったそうです。生産量は56ケースで、すべて日本で販売します。

ワインは上品なバニラのフレーバーに、豊かな酸が特徴。人によっては酸っぱすぎると感じるかもしれません。ピュアな果実味があり、全体に非常に品の良さを感じます。平林さんは、いわゆる「ニュー・カリフォルニア」の流れに影響を受けており、過熟気味のブドウでアルコール度数が高いワインを造るよりも、酸をしっかり残してアルコール度数を上げない方向を選ぶようです。

ちなみに2018年はナパのマサイアソンのシャルドネと、ソノマのペタルマ・ギャップのカラ・ヴィンヤード(Karah)という畑からのピノ・ノワールを造っています。今年は全体に豊作であり、マサイアソンほどの引く手あまたの生産者でもブドウが余ってしまったとのこと。スティーブ・マサイアソンがFacebookに「だれかブドウ買わない?」と書いたのに平林さんが即反応して購入したとのこと。なので2019年以降もマサイアソンが続くかどうかはわかりません。


今回はランチをいただきながらワインを試飲したのですが、ほかにも平林さんが修行したワイナリーのピノ・ノワールが4本並ぶという豪華さ。なかなか入手できないクスダ・ワインズのワインもありました。

なお、シックス・クローヴスは布袋ワインズが輸入販売します。価格は5800円。生産量が少ないので当初はレストランなどでの採用が中心になりそうです。
Date: 2018/1125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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いろいろな雑誌やサイトが年間トップ100を発表していますが、近年存在感を上げているのがワイン・エンスージアスト。昔は無料で配っている雑誌というイメージが強かったですが、レビュアーがワイン・アドヴォケイトに移籍するなど、評価されるようになってきています。

ここはトップ100もコスパ系やセラー貯蔵系などわけて発表するのも特徴ですが、メインのトップ100で6位に入ったのがコスパ系のジンファンデルでした。20ドルで93点。日本でも税込み3000円程度で入手できるので、かなりお得感があります。

Date: 2018/1124 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天市場の河野酒店に1997年のモンダヴィ・カベルネ・ソーヴィニヨン・リザーブが入荷しています。税抜きで1万円台というのは、現行ヴィンテージのリザーブとほとんど変わらない価格。これで20年分の熟成が楽しめるのですから、かなりお買い得です。

先日、アカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでモンダヴィのリザーブ・カベルネ・ソーヴィニヨンを試飲しました。今は「ト・カロン・リザーブ」と畑名を入れていますが、当時からほぼト・カロンの単一畑だったはずです。カリフォルニアのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては酸がしっかりしたタイプで、ティム・モンダヴィのコンティニュアムと好みが別れるところでした。どちらにしても長期熟成は十分できるワインだと思います。

ちなみにロバート・パーカーはこのワイン「デュクリュ・ボーカイユかレオヴィル・ラス・カーズのようだ」と評しています。

Date: 2018/1122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Elouan
ケイマスのジョー・ワグナーがオレゴン産のブドウを使ってカリフォルニアで造るワイン「エルーアン」(Elouan)について、ラベルでオレゴンと記すのを禁止する命令がくだされました(Feds shut down controversial Elouan wine labels | OregonLive.com)。

このワイン、当初はウィラメット・ヴァレーのブドウを使っていないのに、ウィラメットという名前を入れていることが問題なのではないかとやり玉に上がりました。さらにはその問題が浮かび上がった後、ワイナリー(ワイナリー名はコッパー・ケイン)が煙汚染を理由にブドウの購入をキャンセルしたことで、その正当性も問題視されていました。

今回、一度認可されたラベルであってもカリフォルニア製のオレゴンのブドウを使ったワインはオレゴンと名乗れないことになり、一応問題は解決した格好になります。

ただ、既に流通に流れているものについては回収の必要がないとしたことで、ケイマス側にとっては、さほど痛手のない結果になりました。

いろいろ禍根を残した今回の問題、これで収束するのでしょうか?
Date: 2018/1121 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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フライング・ワインメーカーとして世界各地でコンサルティングをする傍ら、自身のポール・ホブズ・ワイナリーでも素晴らしいワインを造り続けているポール・ホブズ氏が先日来日してセミナーを開きました。1978年にワイン業界に飛び込んだ彼が40年間を振り返ります。


実家はニューヨーク州で農場を営んでいており、ポール・ホブズ氏は16歳のときに父親が持ち帰ってきたイケムでワインに開眼したといいます。そしてUCで栽培と醸造を学んだ後、1978年にカリフォルニアでロバート・モンダヴィに就職しました。下の写真は当時のもので、左端が今もモンダヴィのワイン造りを率いるジェヌヴィエーヴ・ジャンセンスさん。ポール・ホブズ氏は右奥で、前列中央がゼルマ・ロング。後にソノマのシミで醸造責任者になり、ポール・ホブズもそこで働きます。

この時代、カリフォルニアは科学的アプローチがもてはやされましたが、一方でワインメーカーは栽培のことはあまりわからずタッチしないという姿勢でした。逆にフランスなどではワイン造りは芸術であるとして、科学的アプローチは遅れていたそうです。今はワインメーカーも栽培に詳しくなっており、実際ポール・ホブズではベクストファー・ト・カロンの栽培ではかなり細かく指示を出しているそうでうs。

下はハイド・ヴィンヤードのラリー・ハイド氏との写真。実はポール・ホブズの初期のカベルネ・ソーヴィニヨンはハイドのブドウを使っていました。


こちらはト・カロンの畑。赤でかこったところがベクストファー・ト・カロン。


ポール・ホブズ氏は1974年に初来日、「お茶」に魅入られたそうです。タンニンの抽出などに共通項があるとか。

さて、試飲に移ります。今回はすべてカベルネ・ソーヴィニヨンです。

最初は1997年と1998年のカベルネ・ソーヴィニヨン。

1997年のカベルネ・ソーヴィニヨンは「ナパ・ヴァレー」と記されていますが実際にはブドウはハイド・ヴィンヤードのものを使っています。ハイド・ヴィンヤードはカーネロスにある涼しい畑ですが、その中で比較的温かいブロックのブドウを使っています。

やわらかい、ふくよかさがあるワイン。タンニンは強いが溶け込んでいます。97年は温暖な年で、非常にいいヴィンテージと言われていましたが、最近ではやや暖かすぎて凡庸なワインが多いのではないかとも言われています。このワインは涼しいハイド・ヴィンヤードなので、やはり温暖な年といってもそこまでふくよかすぎはしない印象です。

次の1998年は一転して、エルニーニョの影響で雨が多く難しい年と言われています。この年はハイドに加えてベクストファーのオークヴィルの畑がブレンドされています。オークヴィルの畑は樹齢が当時4年と若かったのですが、骨格がしっかりとした337や4の品種がうわっています。なお、ハイドの畑は早熟なSee(See's CandyのSeeだそうだ)というクローンを使っています。

1998年はハーブのニュアンスがあり、かなりタニックでストラクチャのしっかりしたワイン。これからまだ熟成すると思います。

次はだいぶ年が飛んで2010年と2012年のベクストファー・トカロンです。2010年は濃厚でパワフル。タニックでスパイシー。エネルギーを感じるワイン。すごいです。これはやはりおいしい。

2012年のベクストファー・トカロンは2010年と比べると赤系の果実味も多少あり、やわらかい印象があります。逆に洗練されている感じもあります。個人的には2010年の方が好きですが、2012年がいいという人もかなり多いと思います。

最後は2012年と2014年のネイサン・クームズ・エステート・カベルネ・ソーヴィニヨン。

ナパではカーネロスの次に南にあるクームズヴィルのAVAの自社畑のワインです。

2012年は香り強くタニック。ベクストファー・トカロンと比べると少し酸が多くタニックです。

2014年は青系の果実味に加え、なめらかなタンニンでクームズヴィルの実力が推し量れます。

個人的には2010のベクストファートカロンと2014のエステートが甲乙つけがたい素晴らしさでした。クームズヴィルは要注目です。

Date: 2018/1120 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・スペクテーターの年間トップ100が発表されました。今年はカリフォルニアはちょっと少なめだったかな。

スペクテーターのリストは価格や生産量も加味されるため、コスパワインの発掘にも役立つのは、なかなか優れていると思います。

今年のトップ100からカリフォルニアで目についたのはクラインのエンシャント・ヴァインズ・ジンファンデル2016 。クラインはシラーやジンファンデルなどどれもコスパ高いですが、エンシャント・ヴァインズはやや高級ラインなので、味わい的にもかなり優れているのだと思います。ただ、輸入元は完売なので、流通在庫のみになります。






Date: 2018/1119 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カレラのバック・ヴィンテージのワインが蔵出しで国内に入ってきています。ショップによって入ってきているヴィンテージも違うようで、どれが今回の入荷なのかわからないところもありますが、どれも非常に数は少ないので、特に人気の高いジェンセンなどはすでにほぼ売り切れてしまっているようです。

ただ、セレックで言えば、ワイン・アドヴォケイトで自己最高の98点を取った2012年がありますし、ド・ヴィリエも自己最高点の96点を取った2009年、ミルズの自己最高96点の2010などが入っています。

蔵出しのバック・ヴィンテージは貴重なので、気になるワインがあったら買っておくのが吉です。


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Date: 2018/1117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国のオンライン・ワインショップ「Wine.com」が年間トップ100を発表しています(ちなみにスペクテーターの1位はサッシカイアでした)。

ここのリストがユニークなのは、評論家によるリストではなく、あくまでもこのショップで何が売れたか。つまり消費者が支持しているワインであるということ。

ですから高級ワインでなく、庶民的なワインが並んでいるのも面白いところです。

今年の1位はワシントン州の「ワインズ・オブ・サブスタンス」のカベルネ・ソーヴィニヨン。日本でも2000円台と「安ワインではないけれど、比較的手を出しやすい」価格帯。それでいてロバート・パーカー、ジェームス・サックリング、元アドヴォケイトのジェブ・ダナック、そしてワイン・スペクテーター、ワイン・エンスージアストといずれも90点以上の高評価をつけています。

私も試飲会で試飲しましたが、絵に描いたようなフルボディのワイン。しっかりした味わいのワインが好きな方にはお薦めです。

Date: 2018/1116 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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大きなニュースになっている今回の山火事、大きく分けると北カリフォルニアのパラダイスという町を中心に多くの死者を出している「キャンプ・ファイア」と、南カリフォルニアのマリブで多くの豪邸を焼いている「ウールジー・ファイア」があります。

このうち、ウールジー・ファイアの方がワイン産業にも大きな影響を与えています(California Wildfires Devastate Malibu Wine Region | News | News & Features | Wine Spectator)。

実はこのあたりはマリブ・コーストAVAという2014年にできた新しいAVAの地域。それほど有名なワイナリーがあるわけではないですが、観光などで賑わっていました。

まだ被害の全容は分かっていませんが、全焼したワイナリーもあり、ほぼ全てのワイナリーに被害があるとのことです。

さらにめったに焼けないブドウ畑も今回はあまりの火の勢いに燃えてしまったところもあるようです。
ブドウ畑が家を守った
一方で、家がブドウ畑に囲まれていたおかげで家だけは助かったという人も(上の写真)。

復旧にはかなりの時間がかかりそうです。
Date: 2018/1115 Category: 業界ニュース
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5位まで発表された、ワイン・スペクテーターの年間トップ10 。6位にはちょっと意外なワインが入りました。オーベール(Aubert)のシャルドネ ハイド・ヴィンヤード2016です。

意外というのは、このトップ10 はワインの入手性や価格といった面もかなり重視されるのです。オーベールは間違いなくカリフォルニアのトップクラスのシャルドネ生産者ですが、逆にこれくらい高級になってしまうとトップ10 には選ばれにくいと思っていました。例えば、マーカッサンだったりコングスガードあたりが選ばれることはないとおもうんです。オーベールはそういった一つ抜き出たクラスのワインですからね。

ただ、そういえば昨年はパルメイヤーのシャルドネがトップ10 にはいっていました。スペクテーターとして、こういった樽もしっかり効かせたクラシックなスタイルのシャルドネを推したいというのがあるのかもしれません。

なお、ベッドロックに引き続き、このワインも該当するヴィンテージが国内で現在流通中です。アントニオ・ガッローニが97点、ワイン・アドヴォケイトが95-97点と3大評論メディアが95点以上つけているのもすごいです。

輸入量もさほど多くないと思うので、ベッドロック以上に市場から消えるのははやいかもしれません。

追記。既に輸入元は完売で、流通在庫のみだそうです。








Date: 2018/1114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日の記事で紹介したワイン・スペクテーター年間10位のベッドロック。早くも輸入元は完売。後はショップに流通している在庫だけになります。それもおそらく数日でなくなるでしょう。お早めに。購入リンクは今日はつけないので昨日の記事からお願いします。

で、せっかくベッドロックのベッドロックを飲むのなら、もう一つオススメのワインがあります。モーガンの父、ジョエル・ピーターソンが造るワンス・アンド・フューチャーのジンファンデル、ベッドロック・ヴィンヤードです。

同じ畑のワインでも造る人が違うとこれだけ方向性も変わるのだなあというのがよく分かると思います。

父親の方が攻めている感じがするのも面白いところです。

このショップはベッドロックもこれも激安です。









Date: 2018/1113 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ベッドロックのヘリテージ・ベッドロック・ヴィンヤード2016がワイン・スペクテーターの年間10位に選ばれました。スペクテーターで95点を取っており、今年は来るだろうと思ってはいましたが、見事トップ10入り、おめでとうございます。

ベッドロックは個人的にも高級ジンファンデルの一押しワイナリー。オーナーであるモーガン・トゥエイン・ピーターソンによる、貴重な古木の畑を残そうという活動も素晴らしいし、18世紀の畑の構成を分析したマスター・オブ・ワインの論文も興味深いものでした。

父親のジョエル・ピーターソンとともにこれからもカリフォルニアのジンファンデルを引っ張っていってくれることを期待します。

ヴィンテージもまさにそのものが入っています。日本に来ているのはヴィンテージ違いというケースが多い中、これは貴重です。



ここ、無茶苦茶安い…


Date: 2018/1110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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期せずしてヴィンテージ・ワイン・エステートのワイナリーの記事が続いてしまいますが(実はこちらの方が先だったのですが)、優秀なシラーなどでサンタ・バーバラのキュペ(Qupe)がヴィンテージ・ワイン・エステートに売却されました(Bob Lindquist explains the sale of his legendary Santa Barbara winery, Qupe - SFChronicle.com)。

キュペは数年前にテロワール・ライフに買収されていたのですが、テロワール・ライフの創設者であるチャールズ・バンクスが詐欺で有罪になり4年間の服役になっています。

このためテロワール・ライフは休業状態になり、今回の再売却につながったと、元オーナーのボブ・リンドクイストは言っています。彼は今もキュペでワインを作っていますが、株式は全部売却してしまったため、立場としては従業員になっています。
Date: 2018/1109 Category: 業界ニュース
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人気ワイナリーのジラード(Girard)がカリストガにワイナリーとテイスティングルームをオープンしました(Girard Winery opens new Calistoga estate | News | napavalleyregister.com)。

ジラード

ジラードは1975年にオークヴィルでオープン。ただ、そのワイナリーは現在はラッド(Rudd)になっていて、ブランド名だけが2000年にヴィンテージ・ワイン・エステートに売却されました。その後、ワインの醸造はソノマで行われており、ヨントヴィルにテイスティングルームはあるものの、ワイナリーとしてはナパにはありませんでした。

今回は18年ぶりにナパに戻ってきたことになります。新しいワイナリーは、クロ・ペガスのすぐ横。クロ・ペガスもヴィンテージ・ワイン・エステート傘下なので、水の設備やボトリングラインなどは共有するとのこと。また、醸造設備は最新のものを取り揃えています。

テイスティングルームは予約のみで、やや高級路線を狙っているとか。ヨントヴィルのテイスティングルームはよりカジュアルな客層に向けて今後も続けるとのことです。

ジラードのワインはコスパよく、個人的にもよく買っていたワインの一つです。特にジンファンデルはふくよか系でおすすめです。


Date: 2018/1108 Category: 業界ニュース
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ナパにある「サカ・ワインズ」という会社がマリファナ成分入りのノンアルコールワインを発売しました(Saka Wines Launches World)。

サカ・ワインズ

ワインはロゼとロゼ・スパークリングの2種類。いずれもノンアルコールの処理を経た後、マリファナの成分であるCBDとTHCが入れられています。なお、CBDは向精神作用がなく、日本でも禁止されていませんが、THCは向精神作用があり、禁止薬物対象です。

ちなみにマリファナ成分入りのノンアルコールワインは世界初とのこと。
Date: 2018/1107 Category: おすすめワイン
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2013年のリッジ「モンテ・ベッロ」はワイン・アドヴォケイトとデカンターの両誌で100点という快挙だったことは以前お伝えしていますが、今も市販の価格は2万円台。おそらく「パーカー100点」のワインとしては最安だと思います。輸入元は完売のため、今市場に出回っているものを逃すと、この価格で入手できることはないでしょう。

一方で、先日セミナーで試飲したリッジのエステート・カベルネ・ソーヴィニヨンも素晴らしい味わいでした。果実味だけでなくハーブのニュアンスがしっかりしており、間違いなく10年以上の熟成でさらにおいしくなるワインだと思います。こちらは市販価格1万円程度。このクラスのカベルネ・ソーヴィニヨンの中でも、特に熟成能力にかけては最高の一つだと思います。エステート・カベルネ・ソーヴィニヨンもブドウはモンテ・ベッロのものが100%。中から最良のものがモンテ・ベッロに使われ、残りがエステートになります。

こちらがモンテ・ベッロ



こちらがエステート・カベルネ・ソーヴィニヨン

Date: 2018/1106 Category: 業界ニュース
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新生カリフォルニアワイン協会のグランドテイスティングではセミナーにも参加しました。

テーマは
「カベルネ・ソーヴィニヨンを通じて知るカリフォルニアワインのサステイナビリティ」

講師はマスター・オブ・ワインに挑戦中の小原陽子さん。小原さんとは数年前からネット上では交流を続けていましたが、直接お会いするのは今回が初めてでした。今年、カリフォルニアに取材に行かれた内容をまとめたセミナーです。
小原さん
セミナーの内容は、知り合いの酒類ジャーナリスト森田真希子さんがネットにまとめられたものが、簡潔かつ内容をしっかり押さえていたので、お許しを得てコピペさせてもらいます。

なお、セミナー資料はこちら(PDF)から見られます

==================ここから==================
サステイナビリティの実現には、「環境に優しい」「経済的に実現可能」「社会的に公正」の3つの条件が必要となる。カリフォルニアでは2002年にはCSWA(カリフォルニア サステイナブル ワイングローイング アライアンス)認証制度をスタートさせ、産地全体でサステイナビリティに取り組んでいる。
「ザ・コード」と名付けられた規約集には、栽培技術で140、醸造技術でも104もの細かな規約が定められ、成果を自分で解析し、改善するサイクルを回すことで、継続的な向上が見込まれる。

サステイナビリティの実現に向けての取り組みをいくつか紹介する。
「カバークロップ」=目的は、ぶどう樹との水分・養分の競合、土や養分の流出防止など。
「コンポスト」=土が豊かになり、空気を抱き込むが、短所は化学成分と比べて成分が明確でなく、効果が遅いこと。
「益虫・益鳥・益獣」=殺虫剤や毒エサ、除草剤などの化学物質を使わずにぶどうに最適な環境を整える試み。てんとう虫はアブラムシ、コウモリは昆虫、ふくろうはネズミなどのげっ歯類を駆除する。
「IPM(総合的病害虫管理)」=農薬使用の最適化、人や環境のリスクを軽減または最小限に抑えること。
「太陽光および風力発電」の活用
「水不足の問題」=灌漑には、1haあたり2,650,000Lが必要となる。ドリップイリゲーションが一番効率的で、雑草が抑えられ、土壌や養分の流出が少ないという利点もあるが、短所は目詰まり、初期投資、設置・設定の知識。生育期のドライファーミングに取り組む生産者もいるが、収量は非常に低く、土壌の条件も必要。
「リサイクル」=絞りかすやおり、濾過材、樽、瓶、ダンボールなどだけでなく、貴重な水資源も固形物は沈殿や濾過で、生物学的有害物質は微生物処理で、さらに逆浸透膜、ナノ濾過などを使いリサイクルされる。

なお、カリフォルニア全体におけるサステイナビリティの認証畑は全体の約22%にあたる1,099。ワイナリー数は127軒。ナパ、ソノマ、ローダイなど、生産地ごとに独自の取り組みも盛んで、認証畑やワイナリーは年々拡大しており、現在認証ワイナリーによるワインは74%を占める。
==================ここまで==================
ちなみに最後のところの認証畑とワイナリー数は「Certified California Sustainable Winegrowing」が認証した数です。認証プログラムにはほかに、ナパのナパ・グリーンやローダイのローダイ・ルールなどがあります。

ソノマは2019年までに全ワイナリーがサスティナブルの認証を受けることを目標にしていますが、認証プログラムは作成しておらず、これらさまざまな認証のどれかを受ける形になります。

さて、タイトルに「カベルネ・ソーヴィニヨンを通じて知る」とあるようにカベルネ・ソーヴィニヨンの試飲もありました。正直言って、試飲しても「これがサスティナブルな味」というようなものがあるわけではないので、少なくとも現状ではワインの味とサスティナブルは切り離して考えた方がいいような気がしますが、試飲したワイナリーはいずれも熱心に取り組んでいるところであり、ワインもレベルの高いものでした。

試飲したワインは
ローダイからランゲ・ツインズ カベルネ・ソーヴィニヨン 3,300円
リヴァーモアからウェンテ・チャールズ・ウェットモア カベルネ・ソーヴィニヨン 3,600円
サンタ・バーバラからスターレーン・ヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン・ハッピー・キャニオン・オブ・サンタ・バーバラ 7,000円
ラザフォードからボーリュー・ヴィンヤード ラザフォード カベルネ・ソーヴィニヨン 7,862円
オークヴィルからロバート・モンダヴィ・ワイナリー オークヴィル カベルネ・ソーヴィニヨン 10,320円
サンタ・クルーズ・マウンテンからリッジ・ヴィンヤーズ カベルネ・ソーヴィニョン・エステート 12,000円

ランゲ・ツインズとウェンテは3000円台のワインですが、非常にまとまりよく美味しかったです。
スターレーンはカリフォルニアらしいカベルネ・ソーヴィニヨンでレベル高いです。万人向けの味わい。
ボーリュー(BV)とモンダヴィでは、やや北で温かいBVの方が暖かさを感じる味わいではないかという話がありました。モンダヴィは先週アカデミー・デュ・ヴァンのセミナーでも試飲しましたが、全般に酸を強めでエレガントな味わいです。ラザフォードよりオークヴィルの方が若干涼しいということも関係あるかもしれませんが、モンダヴィの個性の部分もかなりあるように思いました。
最後のリッジは素晴らしい。ハーブの風味が独特で、長期熟成を可能にしています。クラシカルな味わいが好きな人にはたまらないワインでしょう。モダン系のスターレーンとは好対照でした。
ワイン
Date: 2018/1105 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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優秀なジンファンデルを多数作っているセゲシオですが、味わいで一歩抜きん出ていたのがコルティナ。リッジのリットン・スプリングスなどと並んでソノマのドライ・クリーク・ヴァレーの古木の畑を代表するジンファンデルといっていいでしょう。


日本への輸入が久しぶりに再開されたホワイトホール・レーン。ナパの中堅ワイナリーで品質には定評があります。そこのいわゆる「レッド・ブレンド」がトレ・レオーニ。カベルネ・ソーヴィニヨンを中心に、シラーやジンファンデルをブレンドしています。カベルネ・ソーヴィニヨンの質実剛健さにシラーのあけっぴろげな感じが加わり、とても飲みやすくおいしいワインになっています。値段も4800円とカベルネ・ソーヴィニヨンよりだいぶ安いし、ラベルも素敵です。


日本で、3000円前後の「ちょっといいカベルネ・ソーヴィニヨン」として人気が高いのがフランシスカンとシミ。実はどちらも同じインポーターであり、今回は並べて試飲してみました。どちっらもさすがのできでファンが多いのもなるほどですが、個人的にはナパの冷涼感もわずかに出たシミが好きでした。


パソ・ロブレスのJロアーはコスパの高さでは定評のあるワイナリー。セブン・オーク カベルネ・ソーヴィニヨンは2500円ですが、先程のシミにも負けないレベルの高さです。



シャトー・イガイタカハのオフクロビューティ。名前がユニークですが味わいもユニーク。バルベーラを使った赤ワインで、酸味の強さが特徴。その酸をおいしいと思うかどうかで賛否が分かれるそうですが、個人的にはかなり好きな味でした。



シャトー・イガイタカハのフラッグシップのピノ・ノワール2本。「トキメキ」はポール・ラトーが造るワイン。ポール・ラトーにしては比較的安価ですが、レベルはさすがです。隣のピノ・ノワール「園」もポール・ラトーに負けない味わい。どちらも非常においしいピノ・ノワールです。


最後に、今回最大の発見だったのがステファン・ヴィンセント。どの品種も2000円台ですが「ラベルのつけま違いじゃないの?」と思う美味しさ。まだ市場には出回っていないと思いますが、みつけたら「買い」です。
Date: 2018/1103 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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10月29日、新生カリフォルニアワイン協会によるグランドテイスティングが開催されました。例年よりちょっと規模は小さくなり、また業界向けだけで一般向けの試飲はありませんでしたが、セミナーやディナーも開催され、個人的にはいろいろと勉強になりました。

やや小規模かといっても44のインポーターが試飲会には参加しており、おそらく400くらいの種類のワインが提供されていたでしょう。さすがに全部試飲するのは無理なので、150種類くらい試飲した中で、美味しかったワイン、コスパに驚いたワインなどを紹介していきます。

まずはやまやが輸入しているグロリアファラー。スパークリングワインを中心とするワイナリーですが、日本の価格は米国よりも安いくらいで、コスパの良さでいえばダントツの一つだと思います。というわけで泡は何度も飲んでいますが、今回は珍しくスチルのピノ・ノワールが出ていました。

2480円というのは相当安いです。ちょい甘なきらいはありますがバランスより、飲みやすいピノ・ノワールです。

これも極めてコスパのよいワイン。オルカ・インターナショナルが輸入するRanch32です。ほとんどのワインが1000円台。個人的にはソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・ソーヴィニヨンが特に良かったです。


トルシャードも何回か紹介していますが、カーネロスで作っているジンファンデルが意外なほど美味しいのです。シャルドネもかなり美味でした。


ローリングのロゼラズ、ゲイリーズ、クロぺぺ。以前はいろいろなワイナリーが作っていたサンタルシアハイランズの著名畑ですが、最近はあまり見なくなってしまいました。味もいいです。


リッジのリットン・スプリングスとリットンのプティ・シラー。特にプティ・シラーは猛烈にタニックですが、このワインでしか得られない味わいです。


今日はここまでで力つきたので、残りはまた書きます。
Date: 2018/1102 Category: 業界ニュース
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問題編は「パリスの審判の7つの神話、どれが本当?

神話1「パリスの審判を思いついたのはスティーブン・スパリエだった」
答えは×。スパリエの同僚のパトリシア・ギャラガーです。彼女の存在はこのイベントの実現において極めて大きなものでした。


神話2「パリスの審判はフランスと米国の試合として設計された」
答えは×。カリフォルニアのワインもこれだけおいしくなっているというのを示すような教育的イベントを目的にしていました。

神話3「パリスの審判で勝利したシャトー・モンテリーナとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズはスティーブン・スパリエが発見した」
答えは×。これもパトリシア・ギャラガーでした。スパリエは76年の4月に初めてカリフォルニアを訪れています。そのときもモンテリーナとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズは訪問していましたが、モンダヴィに行くのは断ったといいます。

神話4「カリフォルニアのワイナリーはスーツケースに入れてワインをパリに運んだ」
答えは×。スパリエがカリフォルニアに行ったときに案内役を務めたジョアン・デピュイという人がワインの送付も行いました。


神話5「唯一の女性審査員だったオデット・カーンは投票用紙を返すよう命じた」
答えは○。これが報じられたときにどうなるかを想像して困惑してしまったようです。コンペティション的なイベントにしようと思っていなかったスパリエとギャラガーにとっても、これは予想外の事態だったようです。

神話6「カリフォルニアのワイナリーは現地で勝利を待ち構えていた」
答えは×。モンテリーナのバレット夫妻はボルドー旅行中に知らされたとのことです。現当主のボー・バレットさんは電報で連絡が来たという話を以前されていました。

神話7「パリスの審判は、直後から世界を変えるイベントとして祝福された」
答えは×。タイム誌の記者のジョージ・テイバーが記事にして世に知らされました。
Date: 2018/1102 Category: 業界ニュース
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フランシス・フォード・コッポラが、マリファナ製品を発売すると発表しました(Francis Ford Coppola Launches Cannabis Product)。

カリフォルニアではマリファナは既に娯楽目的の使用が認められています。とはいっても一般の人にとっては敷居が高いものなので、信頼できるブランドとして選ばれることを狙っています。

ただ、ワイナリーがマリファナ製品を販売することはできないので、「サナ・カンパニー」という専用の会社を立ち上げています。

Coppolaマリファナ

パッケージは缶になっていて、3gのマリファナの花が入っているとのこと。価格はまだ公表されていないようです。
Date: 2018/1101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1976年のパリ・テイスティング、通称「パリスの審判」の裏話を扱った記事がSFクロニクルに出ていました(The hidden figures behind the Judgment of Paris - SFChronicle.com)。

記事の中では7つの「神話」が挙げられていますが、うち本当なのは一つだけです。どれだかわかりますか?

神話1「パリスの審判を思いついたのはスティーブン・スパリエだった」
神話2「パリスの審判はフランスと米国の試合として設計された」
神話3「パリスの審判で勝利したシャトー・モンテリーナとスタッグス・リープ・ワイン・セラーズはスティーブン・スパリエが発見した」
神話4「カリフォルニアのワイナリーはスーツケースに入れてワインをパリに運んだ」
神話5「唯一の女性審査員だったオデット・カーンは投票用紙を返すよう命じた」
神話6「カリフォルニアのワイナリーは現地で勝利を待ち構えていた」
神話7「パリスの審判は、直後から世界を変えるイベントとして祝福された」

答えは元記事を見るか、明日の記事で。
Date: 2018/1031 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトが2016年と2017年を中心にしたナパのワインのレポートを発表しています。レビュアーは編集長のリサ・ペロッティ・ブラウンです。全部で1379本のワインの評価を行うというかなり徹底したレポートです。

ヴィンテージの評価では2016年は非の打ち所がないとのこと。一方、2017年はワイナリーによるばらつきが大きいとのこと。

実際今回100点のワイン、実に34本もあるのですが(数え間違いでなければ)、うち2016年は29本。2017年はゼロという絶対的な差がありました。

ちなみに2017年の最高評価は97-100。そのすべてが白ワインでした。

2017年というと10月の火事による煙の影響が懸念されていましたが、実際には煙のフレーバーで評価が低かったものはなく、それよりも9月に気温40℃を超える日が4日間も続いたことが品質に大きく影響したようです。

参考までにオーパス・ワンの評価(9月に出ていたのを見逃していました)は2016年が97+と2013年、2015年に並ぶ自己最高の評価だったのに対し、2017年は92-95となっています。
Date: 2018/1030 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2017年10月の大火で大きな被害を受けたソノマのパラダイス・リッジ、ナパのシニョレーロが再建に向けて動き出しました(Paradise Ridge Winery takes first step to rebuild after 2017 Tubbs fireSignorello Rebuilding: Construction on Residence and Tasting Room ...)。

パラダイス・リッジは結婚式場としても人気があったところ。火事の前の2016年には72組が結婚式を行ったそうです。
Love Sign
再建は結婚式に使うイベント・センター兼テイスティング・ルームから始めるとのこと。2019年10月の竣工を予定しています。なお、今もケンウッドにはテイスティング・ルームを持っており、ワイン造りに関しては近隣のワイナリーに間借りしています。

ただ、再建のコストは1500万ドルを見込んでいるのに対し、火事の保険金は530万ドルにとどまるため、残りをカバーするための法的な手段を考えているそうです。また、従業員を減らすなどの措置も取るようです。

シニョレーロはワイナリーやテイスティング・ルーム、住居など、ほぼ全面的に改築します。以前はイタリア風のデザインでしたが、今回はより近代的な外観になるそうです。

シニョレーロは2005年に放火によって1万5000ケースのワインを失ったことがあり、今回はワインが残っている分まだマシだと考えているようです。また、その経験や1990年台に両親がなくなった経験などから、今回のような事態への備えもできていたとのこと。

再建の完成は2020年の予定です。
Date: 2018/1026 Category: 業界ニュース
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Joel Peterson
Instagramより

この素晴らしい笑顔、誰だかわかりますか?

そう、ジンファンデルの雄レイヴンズウッドを作ったジョエル・ピーターソン。撮ったのは息子のモーガン・ピーターソンです。モーガンは「71歳は新しい51歳だ。父が3トンのパリセーズ・プティ・シラーをレッドウッドの樽の中で混ぜているところ」と書いています。

当ブログでは以前、「44年かけて、夢見ていたワイン作りができると語るジョエル・ピーターソン」や「これはすごい、カリフォルニアワインの親子鷹、ピーターソン父の新作」で紹介していますが、数年前にはじめた新しいワイナリー「ワンス&フューチャー」が楽しくてしかたない様子が伝わってきます。

これだけ楽しそうに作ったワインも美味しくないはずがないと思いませんか?


個人的にもプティ・シラーを改めて見直すきっかけになったワインです。
Date: 2018/1025 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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名門ワインスクール、アカデミー・デュ・ヴァンでワイン講師デビューしました。

カリフォルニアの名門ワイナリー

初回はロバート・モンダヴィ、モンダヴィの歩みやト・カロンの話などをしました。

続けられるよう頑張ります。
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Date: 2018/1024 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロウダイのマイケル・デイヴィッドが人気ブランド「7デッドリー」をザ・ワイン・グループに売却しました(With Sale of 7 Deadly to The Wine Group, Michael David Winery Shifts ...)。

7デッドリージンズ
デッドリーは、7デッドリー・ジンズ(ジンファンデル)と7デッドリー・レッド(赤ブレンド)の2つのワインから成ります。ジンファンデルは2002年にデビュー。2015年からはカリフォルニアのナンバー1ジンファンデルになっています。現在の生産量は30万ケース。赤ブレンドはまだ新しいワインですが、この1年で5倍の成長を見せています。どちらも地元ロウダイのブドウを使っています。

マイケル・ディヴィッドはマイケル・フィリップスとディヴィッド・フィリップスの兄弟によるワイナリー。ロウダイで5世代にわたって農業を営んでいます。

2017年にはソノマのシルバーオークの旧ワイナリーと12エーカーのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑を入手。今後はソノマのブドウを使ったワインも造っていく構えです。
Date: 2018/1022 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨年はワイン・スペクテーターでワイン・オブ・ザ・イヤーを取り、最近絶好調なのがダックホーン。グループのワイナリーも含めて優秀なワインをリーズナブルな価格で提供しています(先日の飲むべきピノ30本にも選ばれていました)。

グループ内で一番安価なワインを造っているのがデコイ(Decoy)。以前はナパのダックホーンのセカンド的な位置づけでしたが、今はソノマのブドウだけを使ってワインを造っています。日本ではこの9月から希望小売価格が3000円台前半に下がり、実売だと2000円台も珍しくない、とますますコスパは高くなっています。

このデコイと米国市場ではライバルの一つとなっているのが、赤ブレンドというジャンルを造ったオリン・スウィフトの「プリズナー」。日本では1万円を超える高額ワインですが、3000円のデコイとぶつかるというのはさすがにちょっとびっくりですが、ダックホーンのグループで赤ブレンドを造っているパラダックスの責任者ははっきりそう言っていました。

参考:ダックホーン/パラダックス・セミナー 試飲編

デコイは赤も白もはずさない味わいですが、どれを選べばいいかというと、やっぱりメルローは外せないでしょう。ダックホーン・グループとしての意地があるのか、ここのメルローはハズレのない一品です。

ソノマのブドウを使っているだけあって、ピノ・ノワールもコスパ高いです。どちらかというと優しい味わいで飲み飽きない。

まずはその2つから試してみてほしいと思います。

Date: 2018/1021 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2019年3月3日に開催されるナパ・ヴァレー・マラソンがコン・クリーク・ワイナリー(Conn Creek Winery)と提携を発表しました(Announcing the New Partnership Between the Napa Valley Marathon and ...)。

ナパ・ヴァレー・マラソンは今回からハーフ・マラソンを追加しました。そのスタート地点がコン・クリーク・ワイナリーになります。このほかフルマラソンと5Kのレースがあります。

フォーブス・トラベル・ガイドは2018年に訪れる価値があるマラソントップ13という記事でナパ・ヴァレー・マラソンを挙げています。ボルドー・マラソンのように沿道でワインが提供されることはないでしょうが、シルバラード・トレイルの美しい景色を見ながらのランは気持ちいいでしょうね。

ランナーの端くれとして、いつかは走りたいと思っています。
Date: 2018/1020 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・スペクテーターの最新号の特集がトーマス・リヴァース・ブラウンです。ワイン・アドヴォケイトで最も多く100点のワインを造ったワインメーカーとして知られているトーマス・リヴァース・ブラウンですが、ナパに来たのは1996年と、それほど昔ではありません。しかも彼は大学では文学を学んでおり、ワインについての知識はほとんどゼロに近い状態でした。

そしてカリストガの有名ワインショップ「オール・シーズンズ・カフェ」で働きはじめ、そこでターリー・ワイン・セラーズのワインメーカーだったエーレン・ジョーダンと出会い、ターリーで働き始めます。

今では45ものクライアントのワインを造るトーマス・リヴァース・ブラウンですが、当時エーレン・ジョーダンがびっくりしたのが彼のマルチタスキング能力だったといいます。複数の作業を並行してこなす能力が異常に高く、仕事を覚えるのも速かったようです。

そうして、どんどん認められるようになり、シュレーダーとトアー・ケンワーズのワインメーカーになります。どちらもベクストファー・トカロンのブドウを使っており、そこで造ったワインが高評価を得て今にいたるわけです。

昨年、彼が来日したときのセミナーに出てから、枕詞として「天才」とつけていますが、今回のストーリー(もっとずっと詳しく面白いです)を読んで、やはり天才であるとあらためて思いました。また、、興味深いのは

参考:トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
[トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)](https://californiawine.jp/blog/item/6906)

シュレーダーの中でもマグナムしか造られず、頂点に立つのがオールド・スパーキーです。


ピノ・ノワールで頂点になるのが、シュレーダーとのプロジェクトであるボアズ・ビュー。2万円台は大特価です。


コスパなら、自身のリヴァース・マリーのワインが一番。特に日本ではバーゲン価格です。


ラベル不良品だそうですが、前にも紹介したリース(Rhys)の畑のワイン。リースのワインの1/3という大特価。

Date: 2018/1019 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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今年5月にアルノー・ロバーツのネイサン・ロバーツが来日し、試飲会で15種類のワインを試飲しました。

「ニュー・カリフォルニア」の旗手アルノー・ロバーツ15種を試飲してわかったこと

その後、ワイン・イン・スタイルの試飲会ではニュー・カリフォルニアの様々なワインとアルノー・ロバーツを両方試飲することで、また見えてきたものがありました。

ニュー・カリフォルニアというとアルコール度数の低さを求める動きがありますが、アルコール度数を低くするために早摘みすると、ワイン自体の魅力がやや乏しく感じられてしまうこともあります。アルノー・ロバーツはその点、アルコール度数が低くても、とてもピュアな果実味を残しているのがその魅力ではないかと感じています。

いろいろな品種を手がけているアルノー・ロバーツですが、人気のワインの一つがトゥルソー。ニュー・カリフォルニア好きな人たちの間では引く手あまたなぶどう品種です。


なじみのない品種はちょっと…と思う方はぜひシラーをお試しください。きれいでスパイシー、果実味もある独自性の高いシラーです。コスパではAVAもの、スパイシーさを味わいたいならクラリー・ランチがおすすめです。

Date: 2018/1017 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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モントレー郡に入るAVAのワインは2019年1月1日以降、ラベルにAVA名だけでなく郡名を入れることが義務付けられます(Monterey County Wines Subject to New Conjunctive Labeling Requirements - DPF Law)。同じようなルールはナパでは2005年、ソノマでは2014年から始まっています。ソノマでは、このルールがソノマのAVA名認知に役立っているという調査結果も出ています(ソノマのラベルルール、AVA認知に貢献)。

AVAマップ

現状、モントレー郡に含まれるAVAとしてはアロヨ・セコ、カーメル・ヴァレー、サンタ・ルシア・ハイランズがあります。シャローンはモントレーAVAとサン・ベニート郡にまたがっているため、このルールの対象外です。

また、もうひとつ「モントレー」というAVAがあってちょっとややこしいことになった感じがあります。モントレーAVAのワインは例外としてモントレーの郡名表記をしなくていいことになっています。
Date: 2018/1016 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ピノ・ノワール100%で赤(ロゼではないです)のスパークリングを造っているのがカーネロスのシュグ(Schug)。ピノ・ノワールの味わいもちゃんとあって、きれいでおいしいスパークリングです。

ただ、生産量が500ケース以下と少なく、造られない年もあるため、日本への入荷もまちまちな状態が続いているようです。今年は数年ぶりに入荷。ヴィンテージは2012年です。

パーティなどに持っていったら目立つことは間違いないです。

Date: 2018/1015 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン好きの中で、ピノ・ノワールが一番好きという人はかなり多いと思いますが、ピノ・ノワールのエキスパートになるための30本という記事がありました。もちろん、それなりの価格のワインが多いですが、DRC飲めとかマーカッサン飲めとかっていうことではなく、100ドル以下のワインばかりなので、試しやすいと思います(The 25 Pinot Noirs to Drink If You Want to Be a Real Expert | Food & Wine)。

1. 2012 Albert Bichot Cote de Nuits Villages Burgundy, France ($32)
2. 2016 Jean-Claude Boisset Bourgogne Pinot Noir Les Ursulines Burgundy, France ($19)
3. 2015 Joseph Drouhin Côte de Beaune Rouge Burgundy, France ($42)
4. 2015 Giant Steps Pinot Noir Yarra Valley, Australia ($31)
5. 2014 David Ramey Pinot Noir Russian River Valley, CA ($50)
6. 2015 Gary Farrell Pinot Noir Russian River Valley, CA ($45)
7. 2016 FEL Pinot Noir Anderson Valley (42)
8. 2016 Fort Ross Vineyard Sea Slopes Pinot Noir Sonoma Coast, CA ($32)
9. 2015 Bergstrom Pinot Noir Gregory Ranch Yamhill-Carlton District, OR ($63)
10. 2015 The Ojai Vineyard Pinot Noir Santa Barbara County, CA ($35)
11. 2015 Dragonette Cellars Pinot Noir Sta. Rita Hills, CA ($43)
12. 2016 Etude Pinot Noir Grace Benoist Ranch Carneros, CA ($36)
13. 2014 Calera Pinot Noir Ryan Vineyard Mt. Harlan, CA ($95)
14. 2014 Shea Wine Cellars Estate Pinot Noir Estate Willamette Valley, OR ($44)
15. 2015 Cristom Pinot Noir “Louise Vineyard” Eola-Amity Hills, Willamette Valley, OR ($70)
16. 2015 Walter Hansel Pinot Noir North Slope, Russian River Valley, CA ($47)
17. 2014 Hartford Family Pinot Noir Seascape Vineyard Sonoma Coast, CA ($70)
18. 2014 Goldeneye Pinot Noir Gowan Creek Vineyard Anderson Valley, CA ($77)
19. 2014 Mount Eden Vineyards Pinot Noir Estate, Santa Cruz Mountains, CA ($60)
20. 2015 Foxen Pinot Noir “Block 8 - Bien Nacido Vineyard”, Santa Maria Valley, CA ($64)
21. 2012 Maysara Jamsheed Pinot Noir Momtazi Vineyard McMinnville Oregon ($30)
22. 2015 Domaine Denis Mortet Marsannay “Les Longeroies” ($63)
23. 2013 Lucien Crochet Sancerre Rouge “La Croix du Roy”, Loire Valley, FR ($30)
24. 2014 Escarpment Pinot Noir “Te Rehua”, Martinborough, NZ ($58)
25. 2015 Dog Point Vineyard Pinot Noir, Marlborough, NZ ($34)
26. 2016 Felton Road Pinot Noir “Block 3”, Central Otago, NZ ($75)
27. 2016 Hamilton Russell Vineyards Pinot Noir, Hemel-En-Aarde Valley, South Africa ($45)
28. 2016 Montsecano Pinot Noir, Casablanca Valley, Chile ($42)
29. 2013 Weingut Friedrich Becker Pinot Noir Estate, Pfalz, Germany ($17)
30. 2013 Alois Lageder “Krafuss” Pinot Noir Trentino-Alto Adige, Italy ($46)

30本のうちカリフォルニアは14本で一番多いです。オレゴンは4本。フランスは5本。ニュージーランド3本。オーストラリア、チリ、ドイツ、イタリアが1本ずつです。

リストに載っていたワインをいくつか挙げておきます。

Date: 2018/1014 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパやソノマの2018年の収穫は記録的にすばらしいものになりそうです(2018 Could be "One for the Record Books")。

3月から4月には比較的コンスタントに雨が降り、旱魃に悩まされることはありませんでした。7月半ばには全品種でヴェレーゾンが始まり、数日32℃を超えるような暑い日はあったものの、比較的穏やかな日が続き、一定のペースで成熟が進みました。

8月と9月は比較的涼しく、ハングタイムも十分長くなりました。

既にカベルネ・ソーヴィニヨンを除いてほとんど収穫も終わりに近づき、心配された山火事の影響も大丈夫そうです。

生産者はこれ以上はないと言っています。このまま無事に収穫が終わってほしいものです。
Date: 2018/1013 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本でも人気が高いピノ・ノワールやシャルドネを造っているカレラ。日本への輸出専用のワインとして「キュヴェV」と「ジョシュ・ジェンセン・セレクション」という2つのワインがあることでも知られています。

どちらもコスパで人気のセントラル・コーストのワインに、自社畑のワインをブレンドしたもの(直近のジョシュ・ジェンセン・セレクションは自社畑なしらしいですが)として、プラスアルファの値段でより高品質のワインが楽しめるワインになっていました。

同じようなワインが2種類あるのはインポーターの違いで、キュヴェVはヴィノラム、ジョシュ・ジェンセン・セレクションはJALUXの扱いです。

カレラの輸入は長らくこの2社が行っていましたが、1年前にカレラがダックホーンに売却された後、ヴィノラムの扱いは自然消滅してしまったようです(ヴィノラムのカレラの取り扱いに関するページを見ると、カリピノをディスっていてかなりイラッとさせられます)。

ということで、キュヴェVも市場からは消えつつあります。3000円台のジョシュ・ジェンセン・セレクションに対して、キュヴェVは2000円台で手に入るのでありがたかったのですが……

というわけで、キュヴェV買っておくなら今のうちです。






Date: 2018/1012 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日「マスター・ソムリエ試験でスキャンダル、問題漏洩で合格者24人中23人が不合格に」で報じた問題の続報です(New press release from the CMS - Oct. 10 - Discussions - Discussion - GuildSomm)。
マスター・ソムリエ
マスター・ソムリエの試験を管理するコート・オブ・マスター・ソムリエは10月10日、今年の試飲試験について再試験を行うことを発表しました。今年合格したものの、今回の問題で不合格となった23人だけでなく、今年試飲試験を受けた54人全員が対象となります。

まず、試飲試験の受験料は全額返金します。再試験は2018年末と2019年春または初夏の2回行います。再試験のための旅費もコート・オブ・マスター・ソムリエが負担します。

今回のことで一番傷ついたのは1回合格になりながら、資格を剥奪されてしまった23人です。救済措置が取られるのはよかったと思います。

また、問題を漏らした人間(マスター・ソムリエ一人のようです)は資格を停止する方向で動いているとのこと。名前は公表されていませんが、マスター・ソムリエと名乗れなくなるのでいずればれてしまうことになると思います。
Date: 2018/1011 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ドキュメンタリー映画「Somm」で扱われて注目されるようになったソムリエの最高資格「マスター・ソムリエ(MS)」。今年の試験で問題の漏洩が発覚しました(Somm scandal: Revelations of cheating at master sommelier examination lead to the invalidation of 23 new certifications - SFChronicle.com)。
マスター・ソムリエ
1969年に試験が始まって以来、約50年で274人しか合格していないという難しい資格で、MWと略されるマスター・オブ・ワインと並んでワイン業界の最難関の資格と言われています。

試験は試飲と理論と実技の3つに別れており、すべてに合格する必要があります。例えば理論に合格した場合、翌年は試飲と実技に受かれば合格となります。そのため、何年もかけて試験を受けるのが一般的になっています。

今回は3つの試験のうち試飲(ブラインド・テイスティングで6種類のワインの品種と産地、ヴィンテージを答える)で問題の漏洩があったことが発覚しました。具体的にだれがどのような形で漏洩したのかは公開されていません。

実際に誰がその情報を受け取ったのかも公開されていませんが、おそらく公平性を担保するためでしょう、今年の試飲試験は全員不合格ということになりました。その結果、24人のマスター・ソムリエ合格者のうち、前年に試飲試験に受かっていた一人を除いて、今年の合格者はなくなりました。

サンフランシスコのレストラン「アングラー(Angler)」のソムリエ長であるモーガン・ハリスが2018年の唯一の合格者となりました。「これまで5年間、試験についての情報が漏れてくることは全くなかったし、特に試飲試験についてはそういうことが起こるのは信じられない。誰が漏らしたのか想像もできない」と述べています。

Date: 2018/1010 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年10月10日に「ナパ、ソノマで山火事による緊急事態宣言発令! 長沢鼎ゆかりの建物も消失!?」という記事を書いたのが、この火事の第一報でした。この後、連日「ナパ、ソノマの山火事続報、ワイナリー3軒が焼失など」「ナパ、ソノマなどの山火事3日め、鎮火はほど遠し」「ナパ、ソノマなどの山火事4日目、カリストガなどで強制避難、ワイナリーの被害も拡大」「スヌーピー作者の自宅も火事で焼失」「祈りましょう、応援しましょう #napafire #sonomafire #winecountrystrong」「「愛は煙より厚し」#winecountrystrong」と、ほぼ1週間、火事の記事ばかりになってしまいました。

火災で亡くなられた方も40人に達しました。ご冥福をお祈りします。

火事の後、まだ焼け出されたまま家がない人も残っています。まだまだ完全復興には程遠いですが、観光などは元の水準に戻ってきているようです。

Whittier Fire, evening of July 13, 2017
Date: 2018/1009 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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近年、ピノ・ノワールの流行の中心はソノマ・コーストに移っているとはいえ、未だカリスマ的な人気を誇るのがロシアン・リバー・ヴァレーのロキオリです。ロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールの歴史を造ってきたといっても過言ではないロキオリですが、ピノ・ノワールを最初に植えたのが1968年ですから、今年で50年になります。ただ、最初の「イースト・ブロック」はもうすべて植え替えられてしまい、翌年植樹した「ウエスト・ブロック」も当初の3分の1に縮小しましたが、まだ完全植え替えにはいたっていないと思われます。

もともと栽培家として始まった畑であり、今でも外部に売るブドウの方が多いようです。有名なところではウイリアムズ・セリエムがありますが、このほかゲイリー・ファレルやアリシアン、レイミー、ミウラなどがあります。

ロキオリ自身のワインはすべて自社畑のブドウですが、その中でも特定のブロックのブドウを使ったワインは「J.ロキオリ」としてラベルも別物になります。数も少なく特に日本にはごく少量しか入荷しないため、入手はかなり困難です。

Jのつかないロキオリは価格もまだ1万円以下で買えますし、数もそこそこ入ってきているので入門的にはお薦めです。

また、ソーヴィニヨン・ブランは1950年代植樹とピノ・ノワールよりも古く価格もそれほど高くないので、比較的狙い目だと思います。

希少なウエスト・ブロック。1本限りです。


これはかなり安い。


ゲイリー・ファレルが造った最後のヴィンテージです。

Date: 2018/1008 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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コストコに行ったら久しぶりにマイケル・ディヴィッドの7デッドリー・ジンズが入荷していました。1年ぶりくらいかな。
7デッドリージンズ
国内で普通に買ったら2500円くらい。その値段でも割高には感じない、いいジンファンデルですが、コストコなら1600円台。ワイン・サーチャーの平均価格が14ドルですからほとんど変らない値段です。

さっそく開けてしまったのですが、赤系の果実味がきれいで、ふくよかさもあり、ついつい飲みすぎてしまいそうな味わいでした。

次行くまで残っているといいのですが。
Date: 2018/1006 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オレゴンのワイナリーが売却予定のブドウをキャンセルされたことが問題になっています(Is it Taint, or Revenge? | Wine-Searcher News & Features)。契約を破棄したワイナリーはブドウが「煙くさかった」ことを理由としていますが、どうやらそれだけえではなさそうな事情が見えてきました。

ケイマス創設者チャック・ワグナーの息子ジョー・ワグナーがその当事者。ジョー・ワグナーはナパのラザフォードにエロウアン(Elouan)というワイナリーを持っており、そこでオレゴンのピノ・ノワールを造っているのです。ブランド名は「The Willametter Journal」。てっきりオレゴンのウィラメット・ヴァレーと関係があるのかと思いきや、実は全く無関係。フロントラベルには「The Willamette region of Oregon's coastal range is a place credited over decades for its vibrant and fresh style.」とあり、裏ラベルにはブドウの出所として「Territory of Oregon」とあります。もちろんAVAでもなんでもなく、オレゴンのテリトリーというだけだとかつて18世紀にオレゴンの一部だったワシントン州やアイダホ州も入ってしまうかもとワイン・サーチャーの記事には書かれています。まあ、確かにAVAの規定には違反していないのではありますが、紛らわしいことは紛らわしい。

で、じゃあどこのブドウかというと、今回キャンセルされたのはオレゴンの南の方にあるローグ・ヴァレーというところのブドウ。実際にそこのブドウだけなのかまでは分かりませんが大半はそうであったようです。

実際、オレゴンでも今年、山火事は多発しており、煙による汚染は懸念材料ではありました。なので生産者側も絶対に大丈夫とまでは言えなかった事情もあるようではあるのですが、オレゴンのプロデューサーA&Zによると、許容範囲に入っているとのこと。

ではどういうことなのか。

実は上記の名称問題はSFクロニクルのエスター・モブリーが記事にしていて、その後問題化しつつあります。オレゴンの生産者がキャンセルの通知を受けたのは問題が広がりつつある時期。もしかすると、このワインが売れなくなる危険を見込んで、予めリスクを下げたのではないかといううがった見方ができてしまうわけです。

商売上手なワグナー家だからそれくらいやりかねないなあ、というのが個人的感想。

果たして実際は? そしてブドウは行き先が決まるのか。オレゴンのワイナリーにはぜひワグナー家を見返してやるくらいのワインを造っていただきたいと思います。
Date: 2018/1005 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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エノテカ・オンラインが10月9日(火)9:59分まで、カリフォルニアワインのセールを開催しています。15%割引になります。

セール会場はこちら

例えばアイズリー・ヴィンヤードが72,250円からとか、ヴェリテのラ・ジョワが42,500円からとか。キスラーのオクシデンタルも安いです。パルメイヤーのシャルドネなど、一部のアイテムは既に売り切れています。

ちょっとめずらしいところだと、コリソンのカベルネなんかもあります。ドミナスが1stから3rdまでそろっているのもなかなかないかも。
Date: 2018/1004 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・エンスージアスト誌が2018年のベストバイ100を公開しています。ワイン・エンスージアストのトップ100はベスト100とセラーセレクション(熟成向き)100、それからビールとスピリッツの計5種が選出されますが、その先陣となります。

100本のうち米国産が29本、うち約半分の14本がカリフォルニアで残りをオレゴンとワシントンが分け合う格好。テキサスのワインも1本だけ入っていました。

栄えある1位に輝いたのはボーグルのオールド・ヴァイン・ジンファンデル。ボーグルは米国ではかなり人気が高く、スーパーなどでも定番のワインとなっています。個人的には、このジンファンデルやプティ・シラーあたりが特に好みの味わいです。また、このジンファンデルだけラベルがちょっと違うんです。ジンファンデルの古木をあしらっていて、高級感があります。


3位にはオレゴンのダック・ポンドのピノ・グリ。ピノ・グリは米国ではほんと人気です。気の置けなさが魅力なのでベストバイで上位に入るのは納得です。

7位にはスリー・シーヴズのシャルドネ。ハンバーガー屋でも人気のジョエル・ゴットや、ワシントンのチャールズ・スミスとのコラボ「チャールズ&チャールズ」で一世を風靡したチャールズ・ビーラーなど3人のワイン業界の風雲児が造るお買い得ブランドです。コスパは極めて高いです。

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13位はトード・ホローのロゼ。ロゼがこれだけ上位に来るのも米国らしいところ。日本ではなぜか盛り上がらないロゼですが、世界的には売れまくっています。

14位はワシントンといえば必ず名前が上がるシャトー・サン・ミッシェルのリースリング。コスパ・リースリングの定番と言っていいでしょう。


16位はパソロブレスでコスパ高いワインを造るJロアー。ただ品種がヴァルディギエというのにちょっとびっくり。かつてはナパ・ガメイと呼ばれて低価格なワインで使われていましたが、近年再評価されています。ただ、これに手を出すのはまだマニアだけかと思っていたのでベストバイに選ばれるワインで選ばれたのはびっくりでした。

29位にはワシントンのレコール No.41のシュナン・ブラン。


このほか44位にはマリエッタのオールド・ヴァイン ロット66が入りました。ノン・ヴィンテージで造られるマリエッタのオールド・ヴァインは、ロバート・パーカーがコスパの高さを激賞したことで知られています。以前は日本でもたまに見かけましたが、ずいぶん見ていない気がします。ロットも66まで来たのかとちょっと感慨。昔飲んでいたころはロットも20台だったと思いますからずいぐん進んだものです。
Date: 2018/1003 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトが9月にターリーワインセラーズ(Turley)のレポートを公開していました。レビュアーはセントラル・コーストを担当するウィリアム・ケリーです。

ターリーといえば、2000年頃のカルトワイン・ブームのころにジンファンデルのカルトとして猛烈な人気を博したワイナリーです。濃厚さを貫くそのスタイルは賛否あったものの、ロバート・パーカーをはじめとする評論家には高く評価されていました。また、リッジなどとともに古いジンファンデルの畑を救ってきた功績も大であり、今なお30種近い単一畑のワインを造っています。ウィリアム・ケリーは、カリフォルニアで「テロワール」を一番表現しやすいぶどう品種はジンファンデルではないかと書いています。

近年のターリーは以前と比べるとかなりライトなスタイルに変わってきています。それについては「ターリーの3代目ワインメーカー、ジンファンデルを語る」でも触れていますが、今回も10年前と比べるとアルコール度数で1%ほど低くなっているとしています。新樽の使用比率も下がっています。さらに、というかそれ以上に重要なのは、ほとんどの畑を有機栽培にしたこと。ワインの味わいも以前よりピュアなものになっているようです。

今回のレビューは2016年のもの。旱魃が終わり、ワインが香り高くなっているとのこと。最高でハイン(ヘイン、Hayne)のジンファンデルで97点を得ています。

一つのスタイルを貫くのもワイナリーの一つの道ではありますが、ときとともに柔軟に変えていくのは、むしろそれまでのファンのことを考えると難しいのかもしれません。時を超え、レビュアーが変わり、スタイルが変わっても高評価を続けるターリーは、やはりカリフォルニアのジンファンデルの一つの頂きにあるといっていいのでしょう。

ちなみに、一時期日本への輸入が途絶えていましたが、今は入ってきています。若木のブドウを使ったジュヴナイルやエステート、オールド・ヴァイン、さらには一番高い評価を得ているハインなどが入ってきています。

若木を使ったジュヴナイルはターリーの入門的ワイン。今回の評価は89点。


エステートは

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Date: 2018/1002 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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人気歌手のピンクことアリシア・ムーアがワインを造っていたことが判明しました。SFクロニクルのエスター・モブリーが詳細な記事を書いています(The pop star who found a new stage)。



ピンクは5年前にサンタ・バーバラのサンタ・イネズ・ヴァレーに250エーカーの地所(うち25エーカーがブドウ畑)を購入し、夫で元モトクロス・レーサーのケアリー・ハートと移り住みました。そこで5年間の活動休止(実際にはアルバムは出しているので、ツアーをやらないということだと思います)を取りました。

ワイン造りのメンターはメルヴィルのチャド・メルヴィル。最初はパーティで出会い、チャド・メルヴィルは彼女のことを知らなかったそうですが、ピンクはチャド・メルヴィルのワインのファンだったようです。ワイン造りの実際については何も知らないピンクに畑作業から始まり、さまざまなことを教えていったそうです。

実際のワイン造りにはアシスタント・ワインメーカーとしてアリソン・トンプソンという人が入って手助けしていますが、畑作業やブドウの選別といったこともピンク本人が進んでやっているとのこと。有名人のワインというと、せいぜい最後のブレンディングに参加するくらいが普通ですが、それとは一線を画したのめり込み方をしています。

ワイナリーの名前はTwo Wolves。現在メールの登録ができるようです。
Two Wolves Wine

造っているワインはカベルネ・フランやカベルネ・ソーヴィニヨン、セミヨンなど。サンタ・バーバラの中では比較的温暖なサンタ・イネズ・ヴァレーでありボルドー・ヴァラエタルを中心にしています。

ピンク自身が好きで思い入れがあるのはカベルネ・フラン。ただ、かなり早い時期での収穫を好むため、カベルネ・フランの欠点と言われるピーマン臭が出やすいとのこと。本人はそれも含めて好きなのだそうですが、万人に好まれるワインかどうかはわかりません。

かつてはシャトーヌフ・デュ・パプがワイナリーの名前だと思っていたというピンクですが、現在はWSETの勉強もして本格的に入れ込んでいるのは確かのようです。
Date: 2018/1001 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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しあわせワイン倶楽部に面白いワインが入荷しています。ワイナリーはサンタ・バーバラで優秀なシラーを作る生産者ストルプマンですが、なぜかワインメーカーはマイケル・クルーズ。今やカリフォルニアで最も入手困難なワインの一つとなってしまったスパークリングワイン「ウルトラマリン」を造るその人です。

品種はトゥルソー。甘酸っぱい果実味で、赤ワインとしてはおだやかな味わいの品種ですが、フランスではジュラ地方で造られており、最近はカリフォルニアでも「ニュー・カリフォルニア」と言われるワイナリー、例えばアルノー・ロバーツなどが造っています。最近はトゥルソーのブドウは引く手あまたで手に入れるのが大変だとも聞きます。

そしてワインの作りはペット・ナット。発酵途中のワインを瓶詰めして微発泡させたワインです。通常のスパークリングワインほどの泡ではありませんが口当たりよく、飲みやすいのが特徴です。

これだけはやりのキーワードが並んだワインもめずらしいです。正直に言うとこういうワインがどこでも売れるわけではなく、ニューヨークやサンフランシスコといった、「とんがった」人たちが好むワインだと思います。ただ、日本も最先端を好むワインマニアは多いところですから、売れる要素はありそうに思います。


ストルプマンといえば、こちらのシラーが代表作といっていいでしょう。とてもコスパよく美味しいシラーです。

Date: 2018/0930 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ウメムラでオクシデンタルのキュベ・エリザベスが特価になっています。そもそも日本への入荷が少なく、めったに特価にならないワインなので貴重です。

オクシデンタルは、キスラーをやめたスティーブ・キスラーのワイナリー。ピノ・ノワールだけを造っています。「フリーストーン・オクシデンタル」の地域名を付けたワイン、キュベ・キャサリン、キュベ・エリザベス、SWKヴィンヤードの3つの単一畑の合計4種のワインを造っています。3つの単一畑の中ではキュベ・キャサリン(オクシデンタル・ステーション)が一番温暖で、次がキュベ・エリザベス(ボデガ・ハイランズ)、一番涼しいのがSWKとなっています。

今回のセールは2013年のキュベ・エリザベス。ワイン・アドヴォケイトでは96点、ヴィナスも96点。10年間は熟成が見込めるとしています。

Date: 2018/0929 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジャクソン・ファミリーのバーバラ・バンクと故
ジェス・ジャクソンの末っ子のクリストファーが2018年のソノマの収穫について「ワールドクラスだ」と語っています(2018 vintage in Sonoma ‘world-class’, says Christopher Jackson)。これまでのところ全く問題はなく、収穫量も平年よりも15~20%ほど多いとか。

現在はカベルネ・ソーヴィニヨンの収穫が始まったあたりですが、極めて順調なシーズンとなっています。特に、熱波も来ていないため、生育シーズンはやや長めに取れる状況です。

とはいえ、昨年の大火は10月上旬のこと、今年もそれが近づくにつれドキドキするところはあります。現在もぶどう畑を脅かしてはいないですが、山火事はいくつか起こっています。

何事も起こらないのがいいシーズンだとはいいますが、このまま何事も起こらず終わってほしいものです。

Bedrockの収穫風景
Date: 2018/0928 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2016年にNapa Valley Vintnersのツアーでナパに行ったメンバーの同窓会を開催しました。場所は東京アメリカンクラブ。会員制なので普通では使えないところですが、メンバーの一人がここで働いており、ちょっとびっくりするくらい豪華な宴会になりました。

ワインはそれぞれ持ち寄りですが、こんなレアなものも。
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「Chateau Bontemps Roulet」というのでしょうか。1981年のワインです。検索しても全く情報はでてきませんでした。40年近く建っているワインですが、状態もよく、美味しく飲めました。

ワイン全部並べてみました。
ワイン一覧

僕が持っていったのはTOQUADE(トカードゥ)ソーヴィニヨン・ブラン2016年。ソーヴィニヨン・ブランしか作っていないというワイナリーで、オーパス・ワンやロバート・モンダヴィで醸造責任者をつとめ、プライベートでは「ポートフォリオ」を造ってきたジェヌヴィエーヴ・ジャンセンズの弟子にあたるクリスティーン・バーベがオーナー・ワインメーカーです。とにかく香りが素晴らしいワインで僭越ながら乾杯のワインに使わせていただきました。

あとは料理の数々。
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Date: 2018/0927 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴィナスのジョシュ・レイノルズがパソ・ロブレスの2015年と2016年のヴィンテージレポートを公開しています(Paso Robles 2016 & 2015: New Releases (Sep 2018) | Vinous - Explore All Things Wine)。ただし、無料で閲覧できる部分には個々のワイナリーの評価は含まれていません。

旱魃の最中だった両ヴィンテージですが、結論から言うと、品質は良好です。2015年の方がやや抑制された味わいとのことですが、あくまでも相対的な話であって、濃厚な果実味を主体とした味わいは変わらないとのこと。さらに近年は、栽培技術の進歩によって、果実味が強すぎたり、酸味を失ったりすることもほとんどなくなってきたそうです。その分、畑の作業は大変で、他の地域と比べてもいつも畑に大勢の人がいて働いているとか。

また、この地域のワインとしては、赤ではシラー、グルナッシュ、カベルネ・ソーヴィニヨン、ジンファンデルが主流ですが、近年はほとんど聞いたことがないような品種を作る生産者も増えているとのこと。ちなみにプチシラーもファッショナブルではないのに、いいものが増えているそうです。個人的に密かに注目している品種なのでちょっと嬉しい。

白は赤に比べるとまだいろいろな面で遅れているようですが、品種の多様化は同じように進んでいるようです。

日本に入ってきているワインはあまり多くはないですが、いずれもコストパフォーマンスは優れたワインが多いと感じています。特にローヌ系品種にはいいものが多いので、ぜひ多くの人に飲んでみてもらいたいと思います。

ハロウィン向けにこんなのはどうでしょう。味もいいですよ。


定番の安心できる生産者です。

Date: 2018/0926 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ユリシス・ヴァルデス
著名なワインメーカーのポール・ホブズが、先々週急死したユリシス・ヴァルデスの追悼文を掲載しています(Calling the Pick in Honor of Ulises Valdez - Paul Hobbs Journal)。

ユリシス・ヴァルデスはとにかくソノマを熟知していました。気候や土壌など、その土地の特徴がすべてわかっていました。その能力の素晴らしさは、ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーにあるエドワード・ジェームズ・エステートの畑を作るときに遺憾なく発揮されたそうです。あたかも、最初から畑の完成形がわかっているかのようだったとポール・ホブズも舌を巻きます。

ただ、ユリシス・ヴァルデスは能力だけの人ではなく、毎日地に足をつけて仕事をする人でした。朝の6時半ころ、ポール・ホブズはしばしば電話で起こされたそうです。特に用事があるわけではなく「美しい一日の始まりだ。今日が君にとっていい一日になりますように、ポール」と挨拶するだけだったそうですが、ユリシス・ヴァルデスとポール・ホブズの関係性もさることながら、骨の髄まで栽培家だったんだなあと思いました。

ちなみに、この文章のタイトルにある「Calling the pick」とは、果実の収穫をするチームを招集すること。毎年行う様々な判断の中でも、これが一番最終的なワインの味わいに直結するので、神経質になるのだそうです。毎朝、いつがベストなタイミングかを考えながら、電話をくれていたユリシス・ヴァルデスを思い出すのでしょうね。

改めて、その死を悼みたいと思います。
Date: 2018/0925 Category: 技術系
Posted by: Andy
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ソニッケアー プロテクトクリーン
1週間前に「初めての電動歯ブラシ体験」という記事を投稿しましたが、その後1週間でどうなったかを報告します。なお、歯ブラシはフィリップスのアンバサダー・プログラムで提供を受けています。

この歯ブラシはモードが、普通に2分間歯磨きをする「クリーン」、2分間の歯磨きの後、30秒間歯を磨き上げ光沢を与える「ホワイト」、2分間の歯磨きの後、1分間歯と歯茎の間にやさしく刺激を与える「ガムケア」の3種類。またそれぞれ強さが3段階になっており、お薦めは「強」となっています。

最初はホワイトでやってみたのですが、2分間の歯磨きの後、30秒歯を磨き上げるというその区切りが実はよくわかっておらず、あまりちゃんとできませんでした。使っていると、一瞬動きが途切れるところが何回かあるのですが、最初は強く当てすぎてそうなったのかと思ったら、そうではなく、30秒ごとに、次の場所に移動しなさいという合図だったということに後から気づきました。説明書には確かにそう書いてあるのですが、どのような合図なのかは使ってみないとわからないので、もうちょっとわかりやすく説明してくれるか、説明動画みたいなものが初心者にはほしいように感じました。

それがわかって、ここ数日はガムケアモードに変えて使ってみています。効果はよくわかりませんが、細かい刺激なので、普通に歯ブラシで歯茎のブラッシングをするよりも歯茎に優しいようです。慣れないので「弱」でやっているという面もあるかもしれませんが、いい感じの刺激は得られているような気がします。

あと、1週間で歯が真っ白になったということはさすがにありませんが、磨いた後の歯を触ってみると、これまでよりもツルツルになった感じはかなりあります。僕は前歯の表側に傷(昔歯列矯正したときについてしまったもの)があるのですが、そこはどうしても色素がたまってしまうところ。そこもこれまでよりは取れている感じがあります。

電動歯ブラシ、安いものではありませんが、歯を長くつかうためには必要な投資かもしれないですね。

Date: 2018/0925 Category: 業界ニュース
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ソノマのラ・クレマ・ワイナリーで2018年9月22日に開催されたソノマ・カウンティ・ワイン・オークションで総落札額が570万ドルと、昨年の520万ドルを超え、2013年の初開催以来の最高落札額更新を続けました。



2017年10月の大火後、初の開催となった今回は、火災からの復興が一つのテーマ。20日のオープニング・パーティは、火災で焼け落ちたパラダイス・リッジで開かれました。オークションでは毎年「ファンド・ザ・フューチャー」という、ソノマの子供達の読み書き向上に充てられるロットがありましたが、今年は「ファンド・ア・ニード」として火災で家を失った人を援助するロットになり、このロットだけで250万ドルが集まりました。

また、ワインだけのロットで見ると、サーク(CIRQ)のマイケル・ブラウンによるライブラリー・ワインの詰め合わせが8万ドルと最高額でした。

少しずつですが、発展していっているオークション、ナパのようにゴージャスに、とはならないと思いますが、これからもがんばってほしいものです。
Date: 2018/0924 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、「ドナルド・パッツ氏再始動、9月23日にカリフォルニア、東京、石垣島でお披露目」という記事でお知らせしたお披露目会に参加してきました。元パッツ&ホールのドナルド・パッツ氏による新しいプロジェクトです。

新たにドナルド・パッツ・ワイン・グループとしてマリタナ(Maritana)、シークレット・ドア(Secret Door)、ターミニム(Terminim)の3つのワイナリーをはじめたのですが、今回はマリタナのワインが中心でした。

お披露目会の場所は西馬込のイル・ド・コリンヌ。「なぜ西馬込?」と思う人もいるかもしれませんが、店主でワイン通訳などとして活躍している山本香奈さんが、ドナルド・パッツ氏と旧友という関係です(そういえば8年前にもドナルド・パッツ氏を招いたワイン会がありました「Patz & Hallのワイン会,行ってきました」)。
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ワインの説明をする香奈さん。
ワインの説明をする香奈さん

お披露目ワインを抜栓しています。
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注ぎます。
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シャルドネです。
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まず開けたのはマリタナのシャルドネ、ロシアン・リバー・ヴァレー2017です。一番スタンダードなシャルドネです。
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バニラやヘーゼルナッツの香りが豊かです。酸は中程度。オレンジやレモンの風味。トロピカルフルーツというほどまったりした味わいではなく引き締まるところはひきしまった感じ。アフターに爽やかさを感じます。

パッツ&ホールのシャルドネはMLに入っていたので相当飲みましたが、高級感と親しみやすさを備えていたのが魅力の一つでした。パッツ&ホールでは主にマーケティングを担当していたドナルド・パッツ氏ですが、今回のワイナリーでは醸造も担当。そういう意味ではパッツ&ホールを引き継いでいるというわけでもないのですが、その親しみやすさはパッツ&ホールを思い出させるものでした。

最近はソノマの中でも冷涼なソノマ・コーストに目が向きがちですが、ドナルド・パッツ氏はロシアン・リバー・ヴァレーにこだわるとのこと。特にゴールドリッジの土壌の畑を選んで契約しているそうです。ゴールドリッジは非常に水はけがよく、根が地中深く伸びやすいそうです。

次のワインはシャルドネでも単一ブロックのもの。ダットンランチのショップブロック1967です。ダットンランチはロシアン・リバー・ヴァレーでも有名な畑ですが、単一畑とは呼べないほど広い畑を持っています。ドナルド・パッツ氏は今回、ダットンランチの中でも最も古い1967年に植樹されたブロックからブドウを得られたとのこと。

かなりわかりにくいラベルなのですが、上部に「Shop Block 1967」と書いてあります。
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味わいは、ロシアン・リバー・ヴァレーのものほど樽は感じず、ミネラル感と柑橘を強く感じました。さわやかで上品な味わい。ロシアン・リバー・ヴァレーのものは基本的には若いうちに飲むワインだと思いますが、こちらは5年くらい寝かせた方がおいしいかも。だんだん複雑さが出てくるワインのような気がします(2019年春にリリース予定だそうです)。

次はもう一つのワイナリー「ターミニム」のワインです。こちらはドナルド・パッツ氏と北ローヌ出身のフランソワ・ヴィラード氏がコラボして作ったブランドでローヌ系品種にこだわるとのこと。今回はアルダー・スプリングスのマルサンヌとルーサンヌのブレンドです。アルダー・スプリングスもダットンランチと同様、古くからパッツ&ホールで使っている銘醸畑です。
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味わいは酸がやわらかく、まったりとして優しい味。後口を軽い苦味がひきしめます。シャルドネの酸が苦手な人にお薦めです。

最後のワインはマリタナに戻ってピノ・ノワール。シャルドネはネックのところの色が黄色ですが、こちらはブルー。
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イチゴの香り。味わいもイチゴを中心にした赤系の果実を強く感じます。優しく親しみやすい味。これも2019年春にリリース予定のワイン。30%以上除梗なしのブドウも使っているということですが、ホールクラスターによるエグミのような味わいは全く感じなかったです。

食事は軽食でしたが、パンもトマトもブドウも、生ハムもどれも美味しく堪能しました。
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広島産の牡蠣は当初予定していたものが入荷せず(今年のさまざまな災害などで引く手あまただそうです)、代わりに赤ちゃんの岩牡蠣でした。こちらも貴重。
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小粒ながら濃厚な味わいでした。久しぶりの生牡蠣おいしかったです。

ドナルド・パッツ氏のワイン。まだ日本での輸入元などは決まっていないそうです。これからインポーターを探すとのことなので、興味を持たれた方はぜひご連絡ください。
Date: 2018/0923 Category: グルメ
Posted by: Andy
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9月の頭に家族で釜山に行ってきました。本当は前の週にソウルに行くつもりだったのですが、やむを得ない事情でその週は出かけられず、直前でなくなくキャンセルしたのでした。それでなんとか取れたのが釜山。このほかUSJ行こうかとか、関空経由でソウル行こうかとかいろいろ検討したのですが、実は帰宅日は関西を台風21号が直撃した9月4日。もし関西に行っていたら結構大変な目にあっていたかもしれません。2日の午後に出て(しかも飛行機が遅れて着いたのは夜)、4日の昼には日本に帰っているという、2泊3日というより中1日しかないような旅行ですが、それでも無事に行って帰ってきたことに感謝したいと思います。

というわけで初めて行く土地なのにそれほど観光もせず、食べ歩きに近いような旅行でした。

泊まったのはスタンフォード・イン・釜山という2017年開業の新しいホテル。チャガルチ市場から歩いて2分ほどのとても便利なところにあります。短い旅行でもあり、ここにしたのはとても良かったです。釜山市内での観光や買い物、食事は、すべてホテルから徒歩10分以内で済みました。ちょっと遠くに行くときもタクシーはすぐつかまるし(釜山はタクシー安いので、4人の移動だと電車乗るよりもタクシーが安いことが多いです)、駅も近かったのですが、結局電車には乗らずじまいでした。

初日は夜7時過ぎにホテルにチェックインし、まず向かったのは「マッチャンドゥル ワンソグムグイ」というサムギョプサルとモクサル(豚の首周りらしいです。肩ロース?)の店。1年前にソウルに行ったときは牛の焼き肉しか行かなかったのですが、最近モクサルが人気と聞いてどうしても食べたかったのでした。ここは熟成肉の名人と漬物の名人が作った店とのことで、急速に店舗を増やしているようです。

まずはモクサルとサムギョプサル2人前ずつを注文。
サムギョプサルとモクサル
焼くのは全部お店の人がやってくれます。
モクサルとサムギョプサル(右端はアミ)
見事な焼き上がり。
焼き上がり
漬物を焼いてその上に乗せて食べるのも美味(これもお店の人がやってくれました)。
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4人で4人前はあっという間に完食。もう4人前追加しました。モクサルはあっさりとした味。漬物と一緒に食べるのが美味しいです。サムギョプサルは脂身の旨みが美味しい。ちょっと岩塩をかけるだけで食べるのも絶品でした。お釜で炊いたご飯は最後焦げ付きにお茶をかけていただく形。そういえば昔米国でよく行っていた韓国料理屋では石焼きビビンパ食べるとお茶かけてくれたな、というのを思い出しました。

食事後は夜の街を散策。
ホットクの屋台
釜山のホットクは揚げたパンの中にナッツ類(ハチミツ味)を詰めるもの。これ、おいしいです。普通のホットクより好き。

次の日は朝からチャガルチ市場を散策。日本ではあまりなじみない魚も多くおもしろいです。ただ、あいにくの大雨であまり人がいません。朝食は市場の3階の市場関係者用食堂みたいなところで。セルフサービスで皿に盛るスタイルです。
定食?
ちょっと味は濃い目ですが、安くて美味しかったです。

その後も少し周りを散歩して、次はタクシーで「甘川洞文化村」に向かいます。

ここは釜山の「マチュピチュ」と呼ばれるところ。ちょっと山を上ったところですが、街中がアートになっていて建物もカラフルで楽しいところです。40分コースと書いてあったコースを3時間くらいかけて回りました。途中で雨もやんでラッキー。
甘川洞文化村
これは一種のトリックアート。奥行きあるように見えますが実はただの箱型です。
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星の王子さまとキツネ。
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昼は釜山の冷麺「ミルミョン」の店に。釜山の冷麺は小麦粉を使ったもので、通常の冷麺よりも柔らかく食べやすいです。

その後は、海の方に行ってちょっと散策。また街に戻って買い物。

少しはおしゃれ系の店にも入ってみようと女性に人気のありそうなカフェに。
マカロン
マカロンは…日本のマカロンとはちょっと違いました。

釜山は海の幸が豊富なところなので夜は刺し身。

刺し身

刺し身4人前8万ウォンを注文したら、魚だけでなく、なまこやアワビ、ホヤや、さまざまなおかずも出てきます。刺し身だけで一人2000円はちょっと高いような気もしていたのですが、ほかに注文しないでいいので、実際にはかなり安いと思います。実は後からサービスで焼き魚も。それもサバの開き1匹に、ほかにもいくつかの魚が乗っており、これだけで4人分のおかずになるくらいでした。

刺し身は白身が中心。エンガワやタイなど、美味しいです。ただ、味噌つけてエゴマの葉っぱにくるんで食べたら刺し身の味はほとんどわからないです。だから歯ごたえがある白身が中心なのかもしれませんが。ともかく、予想していなかった焼き魚まで食べられて満腹・満足でした。心残りなのは「ヌタウナギ」が食べられなかったことですが、次回があったらチャレンジしたいです。

その後はまた街を散策。日本に帰ってから食べられるようにと鶏のから揚げと豚足を持ち帰りで購入。ホットクもまた食べました。

最終日、朝8時にはホテルを出ないといけないのですが、7時から開いているアワビ粥の店に行きました。
鮑粥
鮑粥
途中からツアーの団体客(日本人)も来て大賑わいでした。アワビは出汁がいい味で美味しかったです。

空港には日本でも人気のソルビン(かき氷の店)が店舗を持っています。せっかくなので一人1つ頼んだのですが、出てくるまでに30分くらい。時間がなくて最後は大変でした。出国手続きの先にもソルビンあったので、そっちで行けばよかった。
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かき氷は美味しかったです。

ところで、持って帰って食べた唐揚げとチョッパル(豚足)も美味しかったです。唐揚げはピリ辛チキンのソースと絡めて食べるのもグッド。

チョッパルは昨年ソウルで食べたときには、ちょっと癖があるなあ、と思ったのですが、釜山のは薄切りになっていて食べやすく美味しかったです。TWICEのメンバーがチョッパル大好きだというので興味を持ったのですが、どういうのを食べているんでしょうね? 釜山のチョッパルはまた食べたいと思いました。
Date: 2018/0922 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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「しあわせワイン倶楽部」でシミ(Simi)のカベルネ・ソーヴィニヨンが安くなっています。リザーブものなどシリーズで割り引かれています。特にワイナリー価格で100ドルするリザーブは、それよりも大幅に安くなっています。

単一畑の「ランドスライド」もワイナリー価格45ドルが税込み5100円台ですから、実質的にはこちらの方が安くなっています。ランドスライドは日本では特にレアだし狙い目だと思います。

また、ロゼは税込み1700円台とかなりの安さ。米国では15ドルくらいですから、これも狙い目です。

一覧はこちらから

ます。

Date: 2018/0921 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのカーネロスにあるハドソン(Hudson)が2018年9月1日にワイナリー(醸造設備)とテイスティングルームをオープンしました(Hudson Winery opens in Napa’s Carneros region | Wine | napavalleyregister.com)。銘醸畑として知られているハドソンですが自社のワインも2004年から造っているので「え、ワイナリーなかったの?」って感じですが、これで名実ともにエステートのワイナリーになりました(エステートと名乗るためには畑も醸造設備も自社で持つ必要があります)。

ハドソンはハイドと並んでカーネロスを代表する畑。キスラーやオーベール、コングスガード、フェイラといった超一流ワイナリーをはじめ、30ものワイナリーにブドウを卸しています。例えばコングスガードのシラーはハドソンのブドウ100%で作られていますが、ワイン・アドヴォケイトで100点を取ったこともあります。コングスガードのナパ・シャルドネもハイドとハドソンのブレンドです。ハドソン自身のワインも2013年のシャルドネが96+、2015年のシラーが95点など、高い評価を得ています。

新しいテイスティングルームでは予約のみでテイスティングができます。60ドルと125ドルのコースがあります。

ところで、オーナーのリー・ハドソンさんクリスティーナ・ハドソンさんのうち、奥さんのクリスティーナさんは日本語の勉強で慶応大学の大学院に留学していたことがあるそうです。新宿のパークハイアットのオープンにもかかわったとのこと。全然知りませんでした。ワイナリーを訪問された方は日本語で話かけてみてはいかがでしょうか。
ハドソン夫妻
Hudson Ranch
Date: 2018/0919 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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メジャーリーグベースボールが公認する各チームのワインというのがあります。日本にはヤンキースのものが輸入されていましたが、最近エンゼルスが加わりました。レギュラーシーズンもあと2週間ほど。大谷翔平選手を応援するなら、また少し気が早いですが新人王を祝うなら、ぜひ。ワインはまっとうな味ですよ。ちなみにスパークリングワインとレッド・ブレンドがあります。

Date: 2018/0918 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・イン・スタイルの試飲会に参加してきました。200種類を超えるワインが出ているのと、時間が限られていたのでニュー・カリフォルニア系のワインを中心に試飲してきました。

サンタ・バーバラのタトーマー(Tatomer)はリースリングで有名なワイナリー。残糖ゼロのドライなリースリングを造っています。スタインヒューゲルは上品な味わい。旨みも感じます。2950円はバーゲン。もう一つのヴァンデンバーグはミネラル感の強い味わい。
タトーマー リースリング

スクライブのスキン・ファーメンテッド・シャルドネはいわゆるオレンジワイン。500mlの背の低いユニークなボトルです。旨みがあってやわらかな味わい。万人向けのワインではありませんが、何か違ったものを飲みたいときにどうぞ。
スクライブ スキン・ファーメンテッド・シャルドネ(500ml)

マサイアソンのシャルドネです。これもミネラル感がたっぷり。
マサイアソン シャルドネ リンダ・ヴィスタ

レインはティム・モンダヴィの息子二人が作るワイナリー。セント・ロバートキュベはピュアな味わいです。
レイン ピノ・ノワール

これはちょっとビックルしました。ピノ・ノワールみたいに繊細な味わいのワインです。
デイ ジンファンデル ソノマ・カウンティ

フェイラのピノ・ノワール。ソノマコーストとキーファーランチ。キーファーランチは果実味もたっぷり。上品な味わいもあります。
フェイラ ピノ・ノワール

ウルトラバイオレットはおスパがスコイ。2600円は完全にバーゲン価格です。
ウルトラヴァイオレット
Date: 2018/0917 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今年2月に「数十年ぶりに電気シェーバーに替えた話」という記事でフィリップスの電気シェーバーを使っている話を書きました。その後半年以上経ちましたが、もうT字型のカミソリは捨ててしまい、電気シェーバーだけにしてしまいました。T字だと、剃る前にむらしたり、シェービングクリームが必要なのが、何も準備なしに剃れるのがとにかく楽です。この歳にしてひげ剃りライフが変わりました。

そのフィリップスさんから今度は電動歯ブラシをモニターでいただきました。「ソニッケアー プロテクトクリーン」という製品です。

歯は一生使うので、手入れは必要と思いながら、普通の歯ブラシでの歯磨き以外、これまでやっていませんでした。以前はデンタルフロスを使っていたこともありましたが、だんだんめんどくさくなり…ただ、だんだん歯茎の健康なども気にはなってきたので、なんとかしなきゃなという思いは出てきていました。

そのため、電動歯ブラシに興味はあったものの、歯茎を傷つけるのではないかといったことがちょっと心配だったのですが、この製品はブラッシングが強すぎると警告する機能があり、初心者に優しい作りになっています。また、約2週間かけてだんだんパワーを強くしていくモードもついています。

ソニッケアー プロテクトクリーン

ブラシは2つついています。歯を磨き上げる「ホワイトモード」にむいた「ホワイトプラスブラシ」と歯茎に刺激を与える「ガムケアモード」にむいた「ガムプラスブラシヘッド」です。

とりあえず「ホワイトプラスブラシ」をつけて、一番普通の「クリーンモード」で歯を磨いてみました。

マニュアルによるとまず

・ブラシヘッドを歯と歯茎の境目に角度(45度)をつけて隙間が空かないようにあてます。電源ボタンを押します。
・歯にブラシヘッドを軽くあてて、同じ場所で約2秒間ずつブラッシングしてください
・歯の裏側をブラッシングするときはハンドルを立てるようにしてブラシを縦にあて、垂直方向に何度かブラッシングします。

とのこと。やってみると45度であてるというのが意外と難しいです。約2秒ずつブラッシングするというのもなかなか大変。鏡で見ながらブラッシングしていると、だんだんよだれが出てきてちょっと大変でした。

正しく使うためには講習会でも受けたいなあという気がしました。

ともあれ、ブラッシングしてみると、これまでの歯磨きよりも口の中がさわやかになったような気がします。

実は、その後ポップコーンの種の皮が歯にはさまってずっと気持ち悪かったのですが、歯ブラシあてたら簡単に取れました。

まだ、歯をきれいにするモードしか使っていませんが、今度ははぐきも試してみたいと思います。
Date: 2018/0915 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日、急死したユリシス・ヴァルデス。彼の功績をたたえるため、彼の管理する畑から作られるワインをいくつか紹介します。

まずはなんといってもオーベールのUVヴィンヤード。ユリシス・ヴァルデスを有名にしたワインでもあります。


UV-SLヴィンヤードというのもあります。ユリシス・ヴァルデスの自宅のあるStoetz Laneという道にちなんでSLと入れています。


ポール・ホブスのUVヴィンヤードのワインを造っていますが、日本には入ってきていないようです。そこのブドウをブレンドしたAVAものはあります。


コスタブラウン唯一のシャルドネもユリシス・ヴァルデスの畑のブドウをブレンドしています。


昨日の記事でも記したように、トーマス・リヴァース・ブラウンとも特別に深い関係です。まずはトーマス・リヴァース・ブラウン自身のリヴァース・マリーでは、ユリシス・ヴァルデスのシルバー・イーグルを採用。これも何回も書いていますが、リヴァース・マリーはむちゃくちゃコスパいいです。これが8000円台というのはちょっとびっくりなレベル。


次はシュレーダーとてがけるアストン・エステート。これもかなり北のほうに畑があります。アストンは酸がきれいでとても上品な面とパワフルな面が混在するすごいピノ・ノワール。これもユリシス・ヴァルデスとトーマス・リヴァース・ブラウンが作り上げた一つの究極でしょう。


そして最後に紹介するのがボアズ・ビュー。畑の場所もワイナリーの名前もマーカッサンを意識していないはずがないというもの。これぞ超ド級というピノ・ノワールです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

[2014] ボアズ・ビュー ピノ・ノワール ザ・コースト
価格:49464円(税込、送料別) (2018/9/15時点)

楽天で購入

最後に紹介した3つのワインはどれもユリシス・ヴァルデスとトーマス・リヴァース・ブラウンの組み合わせですが、味わいはまったく違います。まさにテロワールが現れたワインと言えるでしょう。
Date: 2018/0914 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ユリシス・ヴァルデス
ソノマで数多くの畑を管理しているユリシス・ヴァルデス(Ulises Valdez)が心臓発作で急死しました。享年49歳。もしかしたらソノマ・コーストの今後の発展に影響するかも、と思ってしまうほどのことで、私も呆然としています。

畑の管理というと有名なのはデビッド・エイブリューですが、エイブリューはナパが専門で、ほかの地域の畑はほとんど扱っていません。ソノマで畑の管理といえば圧倒的に名高いのがユリシス・ヴァルデスで「ソノマのデビッド・エイブリュー」と呼ぶ人もいるほどです。

トーマス・リヴァース・ブラウンやポール・ホブス、マーク・オーベールといった超一流中の超一流ワインメーカーたちが全幅の信頼を寄せていました。特にトーマス・リヴァース・ブラウンは自身のリヴァース・マリーでシルバー・イーグル(先日、中川ワインの試飲会で美味しかったワインに私が挙げています)のピノ・ノワールを造っているほか、シュレーダー・セラーズの設立者であるフレッド・シュレーダーと取り組むボアズ・ビュー(「マーカッサンを見下ろす親イノシシ?」を参照)やアストン・エステート(「トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(後編)」を参照)でもタッグを組んでいます。特にボアズ・ビューに関しては海に近い過酷な環境であり、ユリシス・ヴァルデス以外では畑の開発は不可能だったと言われています。

また、マーク・オーベールはUV(ユニシス・ヴァルデスの頭文字を取ったもの)やUV-SLといった畑のワインを造っており、こちらもその信頼度合いが伺えます。後述のようにユニシス・ヴァルデスが畑の管理者として知られるようになったのはマーク・オーベールとの交友がきっかけでした。

これほどの名声を勝ち得たユリシス・ヴァルデスですが、ここに至るまでの道程は簡単なものではありませんでした。

メキシコの貧しい家族に8人兄弟の一人として育ち、8歳のときには父親が亡くなってしまいます。小学校3年で中退して家族のために働きはじめました。16歳のときにカリフォルニアへの移住を企てますが2回失敗し、3回めは海から泳いで上陸してなんとか潜り込むことに成功しました。1985年のサンクスギビングの日でした。
そして1986年にレーガン大統領による恩赦で正式な移民となりました。

ユリシスはソノマの畑で働くようになり、その後ジャック・フローレンスという人と会社を設立して、畑の管理をしていました。2000年ころに、マーク・オーベールと友人になり、プレミアムなワイン造りに興味を保つようになりました。そこでロシアン・リバー・ヴァレーに土地を見つけて長期リースし、ブドウを植えたのが今のUVヴィンヤードです。ジャック・フローレンスはそちらの方向性に反対でしたが、ユリシスは最終的に2003年に全株式を買い取って自身の会社にしています。UVヴィンヤードのワインを最初に作ったのはマーク・オーベールで、その高品質さで引く手あまたになり、次々と畑を増やしていくことになりました。

2004年には自身のワイナリー、ヴァルデス・ファミリーを立ち上げ、家族で運営しています。2010年にはメキシコ大統領を迎えた晩餐会でそのワインが使われるなど、高く評価されています。

ユリシス・ヴァルデスの生涯はまさにアメリカン・ドリームを実現するものでした。子どもたちのうち4人はワイン業界で働いています。ヴァルデス・ファミリーのワインメーカーも娘が担っています。

彼の死は惜しまれますが、今後は家族が引き継いで一層もりたてて行くのではあいかと期待しています。

ご冥福をお祈りします。
Date: 2018/0913 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ヒノトリ ロゼ
今年6月に「トレンドマイクロの危機対策? 火災の副産物で生まれたロゼ」という記事を書きましたが、このときに紹介したロゼワイン「ヒノトリ」を先日、ワイン・イン・スタイルの試飲会で試飲しました。

ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンで造ったロゼというと、さぞや濃厚系なロゼなのかと思いきや、そこはさすがスティーブ・マサイアソン(醸造家としても栽培家としても有名な人です)。驚くほどにきれいな作りのワインでした。儚げといってもいいくらいですが、それでもしっかり旨みを感じられるのはこのロゼのいいところだと思います。

1本につき20ドルが昨年の火災のチャリティに回されるというワイン。この夏の暑さはちょっと一段落した感じもありますが、季節問わず美味しくのめるロゼです。復興支援のためにもぜひ。

Date: 2018/0912 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ソノマ・コーストのハーシュ・ヴィンヤードでは、ナイト・ハーベストと呼ばれる夜の収穫を毎年しています。作業する人は大変だと思いますが、写真で見るのはとてめお美しいです。ことしの収穫が無事に終わりますように。

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First pick of #harvest2018.

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Date: 2018/0911 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2017年のワイン・スペクテーター年間トップに選ばれたのがダックホーンのスリー・パームス・ヴィンヤード2014でした。その前から「スリー・パームスむちゃうまいよ」と書いてきた私としては「我が意を得たり」といったところでもありましたが、大人気でほとんど入手不可能という難点もありました。

新ヴィンテージの2015年が少し前から市場に出てきています。これも売り切れがちではありますが、まだ全く入手できない状態にはなっていません。とはいえ、どのショップも在庫はごくわずかですから、売り切れは時間の問題かと。

1万円台前半という価格はメルローとしては高い方ではありますが、同レベルのナパのカベルネ・ソーヴィニヨンなら2万円以下で入手するのは難しいでしょうから、コスパは悪くないと思います。

Date: 2018/0910 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年8月にコラヴァンを試用したことがあり、そのときに残ったワインをセラーに入れたままにしていました。1年過ぎたところで試してみようと開けてみました。
コラヴァンで保存したワイン
写真で見るように、残りはかなり少ないです。100mlくらいでしょうか。

グラスに注いだところ
グラスに注いでみると、以前飲んだときと比べて明らかに色が濃いです。ピノ・ノワールとは思えない色です。

実際に飲んでみると、完全に酸化していました。

日本のコラヴァンは空気と置き換える気体が不活性ガスのアルゴンではなく窒素です。アルゴンガスに比べると多少反応が進む可能性があるのと、比重が空気よりもやや軽いため、ボトルの中に空気が残っていると液面と接触しやすくなります(アルゴンガスは空気より重いので、空気が残っていても接触しにくい)。

そういった面で長期保存には不利と言われていましたが、この結果からもそれはある程度裏付けられたのかもしれません。

ワインの残っている量が少なく、さらにセラーで横置きで保存していたため、液量に対して気体に触れる表面積が大きかったことや、コラヴァンに不慣れで注ぐときにもしかしたらきちんと置換できていなかったのかもしれないといった不利な要素はありますが、日常的な使用環境でもそういったことは起こる可能性があるので、日本のコラヴァンの場合、数ヶ月以内に飲んだ方が無難なような気がします。

ちなみに、コラヴァンが海外でソムリエなどを対象に行なったブラインドテストでは半年保存したものと開けたてのものを比べています。また、海外の掲示板では1年以上経ったものも変化なかったという報告もあります(逆に変化していたという報告は見たことがありません)。

また、使い方として、針をコルクに挿したまましばらく置いておくと、空気が中に入る恐れがあると書いている人もいました。ワインを注いだらすぐに抜いてしまうのがよさそうです。

というわけで日本のコラヴァンの場合、長期保存性はやはりちょっと難しいのかもというのが、感想です。結論づけるにはサンプルが少なすぎるのであくまでも一つの例として受け止めてください。


並行輸入品だと少し安いです。
Date: 2018/0909 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨日、中川ワインの試飲会の記事で紹介したリヴァース・マリーのベアワロー・ヴィンヤード・シャルドネ、調べたら2016年が初ヴィンテージでした。そして、ピノ・ノワールの方は2015年から(知らなかった…)。2016年にはアンダーソン・ヴァレーAVAのピノ・ノワールも造っていて、かなりこの地域が気に入っている様子です。サイトにも「We are really liking Anderson Valley these days」とありました。

どちらも生産量は200ケースほど。リヴァース・マリーのワインはどれもそうですが生産量少ないんです。それでいて品質は高く、価格は抑えめ。米国の価格と比べても大きく変わらなかったり、逆に日本の方が安かったり。褒めない理由がありません。

ちなみに、ベアワローのシャルドネはヴィナスで93点。ピノ・ノワールの2016は94+。ついでに言うと昨日の記事で紹介したオキシデンタル・リッジ・ヴィンヤードのピノ・ノワールは95点、シルバー・イーグルは94点。つまりどれもこれくらいの高評価なのです。畑の個性もそれぞれかなりはっきり出ているので、点数で選ぶより、好みのタイプで選ぶ方がいいと思います。

ベアワロー・シャルドネの価格も実売は7000円台から。ワイン・サーチャーの平均価格77ドルよりも安くなっています。ピノ・ノワールは少し高いですが、それでも米国の価格と変わらないくらい。


オキシデンタル・リッジ・ヴィンヤードとシルバー・イーグルを挙げておきます。

Date: 2018/0908 Category: 業界ニュース
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中川ワインの試飲会からおいしかったワイン、おすすめのワインを紹介します。

いきなり写真を撮り忘れていたのですが、ワシントン州のグラマシー・セラーズ ヴィオニエ2017年。

これまでも何回か紹介してきたワインですが、個人的には今のヴィオニエの一押し。ヴィオニエって難しいブドウだと思うのですが、これはとてもきれいで品のあるスタイル。ワシントン州ですばらしいワインを作っているワイナリーです。

次はオー・ボン・クリマのヒルデガード2015。ピノ・グリとピノ・ブラン、アリゴテのブレンド。白桃やオレンジの風味。やわらかい味わいでこれも上品。シャルドネ以外のおいしい白ワインを飲みたいときに選びたいワイン。
オー・ボン・クリマ ヒルデガード

ホーニッグ(Honig)のソーヴィニヨン・ブラン。香りよくナパらしいソーヴィニヨン・ブラン。
ホーニッグ ソーヴィニヨン・ブラン

ジャム・セラーズの「バター」シャルドネ2016。どんなにコテコテしたシャルドネなのだろうと思ってしまうネーミングですが、実際のところ、リッチでクリーミーなシャルドネではあるものの、やりすぎ感はなく、上手にまとめています。飲んでみたらおいしいと思う人は多いはず。3000円台のシャルドネでは一押しです。
ジャム・セラーズ バター

ワシントン州のゴードンのシャルドネ・リザーブ2015。高級感のあるシャルドネです。4000円とは思えない味わい。
ゴードン シャルドネ・リザーブ

マウント・エデンがエドナ・ヴァレーのブドウで作るシャルドネ。マウント・エデンのシャルドネはどれもおいしいのですが、自社畑でないこれもいいです。
マウント・エデン シャルドネ エドナ・ヴァレー

今回、一番驚いたワインがこれ。これだけ紹介して記事終わろうかと思ったくらいです(笑)。
リヴァース・マリー シャルドネ ベアワロー・ヴィンヤード
リヴァース・マリーがベアワロー作っているなんて知らなかったです。といってもほとんどの人にはわからないと思いますが、ベアワローというのはサンタ・クルーズ・マウンテンズですばらしいシャルドネやピノ・ノワールを作っているリース(Rhys)が、唯一ずっと北のアンダーソン・ヴァレーに持っている畑です。私の知る限りではリース以外にこのブドウでワインを作っているところはほかにないと思います。しかもリースのワインであれば2万円するのが、こちらは9000円。作っているのが泣く子も黙る?ワインメーカー、トーマス・リヴァース・ブラウンなのですから非の打ち所がありません。リヴァース・マリーはリトライのティエリオットのシャルドネも作っているくらいなので、ややリーンなミネラル系シャルドネ好きなんでしょうね(リトライは元IPOBメンバー、リースはIPOBメンバーではなかったですが、スタイルとしてはどちらかというとそっち系です)。肝心のワインの感想ですが、ミネラル感強く、酸が味を引き締めています。ジャム・セラーズとは真逆のスタイルですが、すばらしいワイン。


と、これだけ持ち上げておいて次にまた真逆のスタイルのワインを紹介するのですが、ルイスのシャルドネ2016年。こちらは樽の風味もばっちり効いてリッチなスタイル。ジャム・セラーズのスタイルの高級版。これはこれでおいしい。シャルドネは、この多様性も魅力の一つなのかなと思います。
ルイス シャルドネ ロシアン・リバー・ヴァレー

ピノ・ノワールに移ります。
ダックホーンがソノマで作るコスパ・ブランド「デコイ」は今回価格改定で値下げ。白は3000円。赤は3300円とさらにコスパがよくなりました。ピノ・ノワールはベリー系のほっとする味わい。
デコイ ピノ・ノワール

オレゴンのクリストムのマウント・ジェファーソン・キュベ。ハーブのニュアンスが強いところがカリフォルニアのピノ・ノワールとは違いますね。それでいてふくよかさもあるいいピノ・ノワールです。
クリストム ピノ・ノワール マウントジェファーソン・キュベ

こちらもダックホーン系、アンダーソン・ヴァレーのゴールデンアイのピノ・ノワール。オレゴンピノとは対照的なリッチ系ピノ・ノワール。高級感あります。
ゴールデンアイ ピノ・ノワール

基本的にリヴァース・マリーのワインに賛辞を惜しまないのですが、ピノ・ノワール二つももちろんおいしい。オキシデンタル・リッジ・ヴィンヤードとシルバーイーグル。オキシデンタル・リッジはバランスよく、ハーブやミネラルのニュアンスの強いピノ・ノワール。シルバーイーグルはブルーベリーのような青系の果実も感じるような濃厚果実味タイプ。スタイルはかなり違いますが、どちらもおいしいです。
リヴァース・マリー ピノ・ノワール2種

ナパのパルメイヤーがソノマ・コーストで作るウェイフェアラー。ここのピノ・ノワールは華があります。パルメイヤーのワインのようなコテコテ系ではないですが、この華やかさが飲む人を幸せにするワイン。パーティ向きかも。
ウェイフェアラー ピノ・ノワール

コスパブランド「マックマニス」はいろいろな品種が出ていましたが、意外とよかったのがメルロー。いい感じで酸があって飲みやすいです。コスパ抜群。
マックマニス メルロー

ダックホーン系のデコイもやっぱりメルロー上手だと思います。コスパよし。
デコイ メルロー

オーハイのシラー、久しぶりに飲んだような気がしますが、おいしいです。うまみあり。酸もきれい。シラーで知られているだけのことはあります。
オーハイ シラー

こちらは昨年初めて試飲してぶっ飛んだワイン。これ以来プティ・シラーが気になるようになりました。レーヴェンズウッドのジョエル・ピーターソンが作るワイン。レーヴェンズウッドは大資本に入ってしまったため、ワイン造りの自由度はなくなってしまった感がありますが、こちらは好きなように伸び伸びと造ったワイン。「ノー・ウィンピー・ワイン」という標語を思い出させてくれます。濃厚で果実味もタンニンもガッツリ。
ワンス・アンド・フューチャー プティ・シラー パリセーズ

パラドゥッチのカベルネ・ソーヴィニヨン。2500円はコスパいいです。バランスよし。
パルドゥッチ カベルネ・ソーヴィニヨン

マウント・エデンというとまずシャルドネ、次はピノ・ノワールだと思いますが、実はカベルネ・ソーヴィニヨンもあなどれないのです。考えてみれば、近隣のリッジは世界でも最高のカベルネ・ソーヴィニヨンができるところ。ここもハーブのニュアンスが濃い長熟系のカベルネ・ソーヴィニヨンです。
マウント・エデン カベルネ・ソーヴィニヨン

中川ワインでは定番中の定番の一つ、ベッドロックのオールド・ヴァイン・ジンファンデル。ニュアンスのあるジンファンデル。これも多くの人に飲んでほしいワイン。
ベッドロック オールド・ヴァイン・ジンファンデル

昨年ブレークしたナパ・ハイランズに続くのが8687ワインズのレッドワイン。カベルネ・ソーヴィニヨンとシラーのブレンドで、果実味がしっかりしています。
8687 レッドワイン

今回初登場の「アリル」。フェイラのアレン・ジョーダンがコンサルタントを務めるワイナリーで、オーナーは元スポッツウッド社長。8500円という価格ですが、1万円以上の高級感があります。ヴィンテージが2012年というのも驚き。
アリル カベルネ・ソーヴィニヨン
Date: 2018/0907 Category: 業界ニュース
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かつてジンファンデルの3Rと呼ばれたワイナリーの一つ、ローゼンブラム・セラーズの創設者ケント・ローゼンブラムが亡くなりました(Zinfandel Icon Kent Rosenblum Dies at 74 | News | News & Features | Wine Spectator)。74歳でした。8月に膝の手術をしたあとの予後不良で亡くなったとのこと。状況がよく分かりませんがお気の毒です。
ケント・ローゼンブラム
ケント・ローゼンブラムはイーストベイ(サンフランシスコ湾の東側)で獣医を営み、1972年に趣味として地下でワインを作り始めました。1978年からワイナリーとして商売にしましたが、当初はなかなか売れなかったようです。1983年に娘が生まれた後は廃業寸前まで追い込まれましたが、1984年のヘンドリー・ヴィンヤード ジンファンデルが大ヒットして一躍人気ワイナリーに。その後は、リッジ、レーヴェンズウッドとともに3Rの一つとしてもてはやされるようになりました。

2008年にワイナリーを売却(「断るにはあまりにも大金だった」とのこと)、その後はロックウォールというワイナリーを設立して今に至ります。

ローゼンブラムのワイナリーは、今で言うアーバンワイナリーの先駆けで観光客にも、人気でした。また、そのワインのスタイルは常に過熟気味なまで熟成したブドウを使うもので、一歩間違えれば悲惨なワインになるところをギリギリで素晴らしいワインに仕立て上げていました。

また、陽気な性格で、何かというと頭のいかれた二人のスカンジナビア人のジョーク(ミネソタでは定番だそうです)を言っていたとか。「いつかそれを書き留めておくよ」と娘に言っていたのも果たされずに終わってしまいました。30年来の友人である、レーヴェンズウッドのジョエル・ピーターソンも彼の死を悼んでいます。

ご冥福をお祈りします。
Date: 2018/0906 Category: 業界ニュース
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パッツ・アンド・ホールで主にマーケティングを担当していたドナルド・パッツ氏が同ワイナリーをやめて約1年半。ついに新しいプロジェクトがお披露目になります。

参考:ドナルド・パッツ、パッツ&ホールを離れる

ドナルド・パッツ・ワイン・グループとして複数のワイナリーをやっていくとのことで、今回お披露目になるのは「マリタナ・ヴィンヤーズ(Maritana Vineyads)」と「シークレット・ドア・ワイナリー(Secret Door Winery)」の二つです。

マリタナはソノマのロシアン・リバー・ヴァレーのブドウにフォーカスしてシャルドネとピノ・ノワールを作るワイナリー。パッツ・アンド・ホールでもロシアン・リバー・ヴァレーのさまざまな畑と契約していたので、その経験を生かしています。最初にリリースされるのは複数の畑をブレンドした「ラ・リヴィエール」というシャルドネ。

ちなみに、マリタナという名前はソノマの特徴である海(Maritime)と山(Montana)を結合させた造語だそうです。

もう一つのシークレット・ドアはナパのカベルネ・ソーヴィニヨン。スタッグスリープのハイロンデル(Hirondell)ヴィンヤードとセント・ヘレナの東の丘にあるセイジ・リッジ(Sage Ridge)の畑のブドウを使う予定です。最初にリリースされるのは醸造済みの樽を購入したもの。

ドナルド・パッツ氏は親日家としても知られており、日本にも古くからの友人が多数います。そこで今回、石垣島と東京でもリリース・パーティを開くことになったようです。

リリース・パーティは9月23日の11時から15時。東京は西馬込の「イルドコリンヌ」で、広島産の最高の牡蠣も出るとか。
詳しくは「イルドコリンヌ(ile de colline) - ホーム」から。

Maritana Vineyards

Date: 2018/0905 Category: 業界ニュース
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米国で、缶入りワインの市場が急速に広がっています(Canned wine is no longer a fad, it's a $45 million business)。2017年6月から2018年6月の1年で43%も売上が上昇。4500万ドルの市場になっています。

ワイン全体の売上と比べたら、まだ0.2%と微々たるものではありますが、ワインをビールなどより好むと言われているミレニアル世代に、特に受け入れられているのが特徴です。なお、ボトルワインは約90%。残りは箱やバッグのワインとなっています。箱入りワインも近年、品質向上で伸びているので、相対的に見ればボトルワインは縮小していると思われます。

缶が受け入れられているのにはいくつか理由があるようです。まず価格。750mlのボトルは平均11~25ドル程度なのに対して、375mlの缶は4~7ドルと1/3程度です。容量の問題もあります。缶のサイズは375mlのほか、250mlや187mlで提供しているものもあり、その人の酒量に応じた飲みきりサイズで飲むことができます。缶がよく飲まれているのはグラスを持っていきにくい公園やキャンプなどなので、飲み切ることができるのが重要なのだと思います。また、缶の方がリサイクルしやすいということも、理由の一つになっています。

3年前は缶入りワインのブランドは12くらいしかなかったのに対し、現在は100を超えています。有名なものではガロのベアフット、トレーダー・ジョーズのシンプラー・ワインズがあります。コッポラも缶に積極的で、ソフィアのスパークリングを以前から缶で出しているのに加え、主力のダイヤモンドシリーズでも缶を出しています。
コッポラ・ダイヤモンド

このほかボニー・ドゥーンなども缶を出しています。
Date: 2018/0903 Category: おすすめワイン
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品質の高いピノノワールやシャルドネをお手軽価格で出しているアンダーソン・ヴァレーのケイネズ(Knez)がなんと2014年で終了するそうです。今後はアントヒル・ファームズ(Anthill Farms)に専念するとのこと。

カリフォルニアのピノ・ノワールとしては、かなり上品な造りで果実味もきれいなワイン。税別3000円台とは思えないレベルで、アントニオ・ガッローニも2014年のピノ・ノワールに93点を付けているとのこと。買い溜めてもいいようなワインだと思います。




Date: 2018/0902 Category: 業界ニュース
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ワイン・アドヴォケイトの238号が発表されました。カリフォルニアではナパの2007年の回顧テイスティングやオーパス・ワンの最新ヴィンテージ、ソノマの一部といったテイスティング・ノートが入っています。

2007年の回顧テイスティングは満点続出で高評価なものが多かったのですが、なかなか日本で入手できるものはないので、ここではオーパス・ワンの最新ヴィンテージを紹介しましょう。

オーパス・ワンは2013年がさまざまなメディアで高評価。特にジェームス・サックリングは100点を付けた上、年間ナンバーワンにも選んでいます。ワイン・アドヴォケイトでも歴代最高となる97+という評価でした。

現行の最新ヴィンテージ(オーパス・ワンは毎年9月に出荷が始まりますが、ボルドーのネゴシアンを通すためか、日本に入ってくるのは11月ころになるようです)の2014年は、前年より若干落ちるものの、ワイン・アドヴォケイトでは96点とこれもかなりの高評価でした。

今回は今年出荷が始まる2015年だけでなく、今後の2016年、2017年のレビューも載っています。

2015年と2016年はどちらも97+と2013年に並ぶ評価。飲み頃も2015年が2021年から2055年、2016年が2022年から2055年と非常に熟成能力もありそうです。2010年以降のオーパス・ワンはずっと96点以上の点数をつけており、過去最高の状態といっていいでしょう。

さて、2017年は例の火事の影響も気になるところですが、オーパス・ワンでは収穫の90%は火事の前に終わっていたとのこと。バレル・サンプルからは煙の影響は感じられなかったとのことです。評価は92-95といまのところあまり高くはありませんが、出荷までにはまた変わるのではないでしょうか。
opus one
Date: 2018/0901 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴィナスのアントニオ・ガッローニがリッジのワインの新ヴィンテージをレビューしています(https://www.ridgewine.com/about/news/new-reviews-from-antonio-galloni/?trade=1)。

レイティングは以下の通り。
2015 Monte Bello – 98 Points
2016 Lytton Springs – 95 Points
2016 Geyserville – 95 Points
2015 Monte Bello Chardonnay – 95 Points
2016 Lytton Estate Petite Sirah – 94+ Points
2016 Pagani Ranch Zinfandel – 94 Points
2016 East Bench Zinfandel – 94 Points
2016 Estate Chardonnay – 93 Points
2016 Paso Robles Zinfandel – 93 Points
2015 Estate Cabernet Sauvignon – 92 Points
2016 Ponzo Zinfandel – 92 Points
2016 Three Valleys – 91 Points

近年、モンテベッロの評価がまた上がっているのは、リッジ側の努力というよりも、そのクラシックなスタイルがまた見直されているからのような気がします。

それにしても、一番カジュアルなスリー・ヴァレーズでも91点と、高得点の連発ですね。おめでとうございます。
Date: 2018/0831 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨日はオレゴンの雄、イヴニング・ランドのシャルドネを紹介しましたが、今日はピノ・ノワールです。
こちらもスタンダード版と上級版の「ラ・スルス」の2種。「イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)」の記事で個人的にはベストとした2014年の「ラ・スルス」も入っています。ここはスタンダード版と上級版の差は結構あるほうだと思いますが、価格も倍なのでスタンダード版のコスパは大したものだと思います。


イヴニング・ランドは現在、サッシ・ムーアマンとラジャ・パーが所有していますが、以前は有名なソムリエのラリー・ストーンや、ブルゴーニュの著名ドメーヌ「コント・ラフォン」のドミニク・ラフォンも参加していました。ラリー・ストーンがイヴニング・ランドをやめるときにセブン・スプリングスの一部を分けてもらおうとしたのですが叶えられず、代わりに手に入れた土地がセブン・スプリングスの隣。そこで現在はリングア・フランカ(Lingua Franca)というワイナリーをやっています。これもこの土地のポテンシャルを高く評価している証拠と言えるでしょう。

Date: 2018/0830 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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オレゴンの銘醸畑といえば、一昔前だとシェア(Shea)の名前が一番に挙がったのではないかと思いますが、おそらく今一番注目されているのはセブン・スプリングスではないでしょうか。イヴニング・ランド(Evening Land)の自社畑であるこの畑は近年、オレゴンの最高評価ワインをほぼ独り占めしているような状況。これに呼応して、AVAであるエオラ・アミティ・ヒルズ(Eola Amity Hills)への注目も上がっています。

今年春には、イヴニング・ランドのワインメーカーであるサッシ・ムーアマンによるセミナーを受講し、じっくりと試飲することで個人的にもその品質の高さには、かなり驚いたのでした。

オレゴンの雄イヴニングランドから学ぶオレゴンワイン(前編)
イヴニングランドはシャルドネもすごいんです(後編)

特にすごかったのはシャルドネの品質の高さ。「スタンダード版でもカリフォルニアの1万円クラスに負けないレベル」と、そのときに書いています。カリフォルニアではもっぱらピノ・ノワールやシラーなど赤ワインを中心に作っていたサッシ・ムーアマンも、今後のセブン・スプリングスの植え替えはシャルドネ中心にしたいというほど、その品質には感銘を受けている様子でした。

特に2015年のサマム(Summum)シャルドネは群を抜いたおいしさ。個人的には98~100点上げたいレベルでした。ワイン・スペクテーターでも95点と同ヴィンテージのオレゴン・シャルドネでトップの評価を受けています。

前置きが長くなりましたが、柳屋には2014年のスタンダードのシャルドネと2015年のサマム・シャルドネが入荷しています。スタンダード版の5000円という価格は品質から見ればかなりのバーゲン価格。サマムの1万2900円という価格もかなり安いです(ちなみにワイナリー価格は100ドル)。

シャルドネ好きだけどオレゴンはあんまり…という人もぜひこれは飲んでみてほしいです。

Date: 2018/0829 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパの名門ワイナリー「ストーニー・ヒル(Stony Hill)」が同じくナパにあるロング・メドー・ランチ(Long Meadow Ranch)に売却されることが発表されました(Napa Valley’s Stony Hill Vineyard sells to Long Meadow Ranch - SFGate)。どちらも家族経営のワイナリーです。

Long Meadow Ranch | 2004 Cabernet Sauvignon
ストーニー・ヒル
ストーニー・ヒルは1952年にマックレア(McCrea)家が設立したワイナリー。ナパでは珍しく、生産量のほとんどが白ワインというワイナリーです。古典的なシャルドネは昔からのファンが多くいます。ただ、近年は設備の老化や畑の植え替えといった大規模な投資に踏み込むことができず、今回の売却にいたりました。

ロング・メドー・ランチはホール家が持つワイナリー。ワイナリー以外にも、オリーブオイルや野菜、果物、牛肉などの農産物を生産・販売しています。有機農法を採用しており、ストーニー・ヒルも今後は有機農法に切り替えるとのこと。また、ストーニー・ヒルの従業員はロング・メドー・ランチ傘下で働くことになります。
Date: 2018/0828 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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会社の元同僚からナパのケンゾー(Kenzo)のツアーの写真をもらったので公開します(スライドショーになっています)。

Kenzo

Kenzoはゲーム会社カプコン創業者の辻本憲三氏が作ったワイナリー。当初はお金ばかりかけてと揶揄されていた面もありましたが、年々品質は向上。2016年にはジェームス・サックリングの年間15位に「藍2013」が選ばれるなど、ワインの評価も高くなってきています。

写真で印象的なのは畑です。デイビッド・エイブリューが携わっているだけあって、きれいに手入れされてお金かけている感じがします。
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このように、割と背が低く、樹の間隔は狭く、ぶどうの実も比較的低いところに付ける形になります。

ワイナリー訪問は予約制。50ドルでワイン30mlを4種試飲できるものから、110ドルでツアーとランチプラス60mlを4種まであります。

予約はこちらから。
ワイナリーツアー|KENZO ESTATE (ナパ, カリフォルニア)
Date: 2018/0827 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのチョークヒルなど多くのワイナリーのオーナーとして知られるビル・フォーリー(William Folay)。その息子でナパのラザフォードのフォーリー・ジョンソン・ワイナリーのワインメーカーであるパトリック・フォーリーが8月12日に亡くなっていたことが判明しました。まだ31歳という若さでした(Local winemaker Patrick Foley dies at 31)。

死因は自然死であるということだけが公表されています。

パトリックは高校でフットボールとラクロス、大学でラクロスの選手として活躍したあと、バンク・オブ・アメリカ・メリル・リンチに就職。2年働いた後、ワイナリーを手伝うようになり、ニュージーランドのリンカーン大学で醸造と栽培の修士課程を修了。アルゼンチンで働いた後、ソノマのヒールズバーグにあるロス(Roth)ワイナリーでエノロジストになりました。2016年にフォーリー・ジョンソンのワインメーカーになっています。

奥さんはおらず、2人の姉妹と1人の兄弟がいます。
パトリック・フォーリー

ご冥福をお祈りします。
Date: 2018/0826 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアで一番高額なワインは何でしょう? 多くの人は「スクリーミング・イーグル?」と思うでしょうが、実は半分しかあたっていません。ワイン・サーチャーが、同サイトの平均価格を元に、2018年のトップ10を挙げています(California's Most Expensive Wines)。

10位から行きましょう。10位はレヴィ&マクレラン( Levy & McClellan)のカベルネ・ソーヴィニヨン。いきなりちょっと意外な名前から来ました。2念前の440ドルから643ドルへと大幅上昇。2018年6月に100ドル以上上がったとのことですが、何があったのでしょうか。レヴィ&マクレランは2004年がデビューでいきなりその年にワイン・アドヴォケイトで99点を取っています。2013年は100点。直近では2015年が97-99点を取っています。

9位はシュレーダー・セラーズ(Schrader Cellars)のオールド・スパーキー(Old Sparky)。2016年の5位から4位下がりました。価格も2016年の731ドルから655ドルに。これまで7回ワイン・アドヴォケイトで100点を取っているワインですが、2012、2013年と2年100点が続いたあと、98、97点と、このワインにしては「低い」評価が続いたためでしょうか。2016年の4位、2017年の5位から順位もだいぶ落ちました。

8位はスクリーミング・イーグルのセカンド・フライト。平均価格は662ドルで昨年の633ドルから4.6%上がっています。セカンドワインとしては驚きべき価格。昨年の順位は7位。

7位はビル・ハーランの第3のブランド「プロモントリー(Promontory)」。平均価格は676ドル。順位は昨年の6位から一つ落ちました。

6位はスケアクロウ。平均価格は799ドル。昨年の724ドルより1割以上上がっているのに順位は2つ落ちました。

5位はタスク(Tusk)。これも昨年の3位から2つ落ちましたが価格は11.6%上がって969ドル。タスクは、オーナーやワインメーカー(フィリップ・メルカ)の知り合いでないとメーリング・リストに登録できないというラグジュアリー・ブランドのワイン。生産量も250ケースしかありません。タスクについてはまた取り上げたいと思います。

4位はハーラン・エステート。これも順位は2つ落ちました。価格は1026ドル。1年前の894ドルより17.7%も上がっています。

3位はカリフォルニア産ではありますが、ワインではなくウイスキー。これが入ったのが他のワインが順位を下げた理由の一つ。銘柄はセント・ジョージ・スピリッツ35周年記念シングルモルト。平均価格は1415ドル。

2位はスクリーミング・イーグル。価格は3位の倍以上3520ドルで、昨年の3044ドルと比べても10%以上上がっています。昨年は1位でした。

では1位は何かと言うと…
スクリーミング・イーグルのソーヴィニヨン・ブラン。平均価格はなんと6421ドル。実はこのワインは2016年も1位だったのですが、そのときの平均は3706ドル。2年間で73%も上がっています。昨年はリスト外だったのですが、実はそれはワイン・サーチャー側の理由で、リストに入れるワインは最低4ヴィンテージ以上というルールを加えたからだったのでした。それにしても恐ろしい価格。どれだけすごいワインなのだろうと思いますが、ロバート・パーカーは2013年に88点という凡庸な点を付けています。ワインの価格は味よりも希少性で決まるのかもしれませんが、それにしてもなんだかなあというところではあります。ちなみにワイン・サーチャーを見ると、このワインをリストに持っているところ、香港のショップが多いようです。ブランド好きの中国人が買うのでしょうか。

柳屋では40万円台。激安です(笑)。これ買って香港で売れば10万円以上は差益が出そう。

Date: 2018/0824 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ソノマ・コーストの優良ワイナリー「ペイ」(Peay)のセカンドである「セップ」(Cep)のピノ・ノワールが輸入されるようになりました。柳屋では税抜きで3980円。セカンドとはいえ95%は自社畑のブドウで、残りはセバストポール・ヒルズのツイン・ヒル・ランチという畑のブドウを使っています。レギュラーのピノ・ノワールに使わなかったブドウを利用しています。

以前、このワイン飲んだことがありますが、ペイらしく上品で引き締まった味のいいピノ・ノワールでした。熟成させるワインではないと思いますが、十二分に楽しめるワインでした。で、実は僕が買ったのはもっと高かったという……。

ワイナリー価格27ドルがこの値段はかなり頑張っていると思います。ワインメーカーのヴァネッサ・ウォンさんは元ピーター・マイケルの著名ワインメーカー。その実力をこの値段で味わえるだけでも価値があります。

ペイについてはこちらもご覧ください。
IPOBミニインタビューその7――ニック・ペイ、ヴァネッサ・ウォン/ペイ・ヴィンヤーズ

Date: 2018/0823 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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6月に「神の雫でカリフォルニアのピノ・ノワール登場」という記事を紹介しました。
話としては、遠峰一青との次の戦いが中華とのマリアージュで、北京ダックに合うワインを探しているというところ。そこへ恋敵?のクリスが米国から持ってきたワイン3本を試すというところ。ただし、試飲はすべてブラインドで、しかも本番で使うワインは飲んでもいけない(香りだけで判断しなければいけない)という縛り。

前の回にはブルゴーニュのピノ・ノワールなどが登場しましたが、ブルゴーニュだと香りが華やかすぎるのと、北京ダックに添えるネギに味が負けてしまうのが弱点でした。

そこで米国のピノ・ノワール3本を試すのですが、最初のワインはブルゴーニュ的なエレガントさを持ち、新世界らしい果実の豊かさと香りの穏やかさがあるワイン。
このワインはHdVのソノマ・マウンテンのピノ・ノワールでした。
HdV
2本目は典型的にアメリカで非常に質の高いワイン。でも普通のアメリカとは違う部分があるような気がする。

これも本番で使うワインではないと試飲。皇帝のくつろぐ姿が浮かんだとの表現。
これはポール・ラトーのランスロット(ピゾーニ・ヴィンヤード)でした。

そして残る1本を本番の対決で披露したのですが…
mariajyu_2018082302160901
これは予想外でした。なんとピゾーニのピゾーニ。いや、もちろんすごいワインだしいいと思うのですが、その直前にポール・ラトーのピゾーニですよ。ピゾーニ続きっていくらなんでも選択肢の範囲が狭すぎると思います。

とにもかくにも、このワインで北京ダックのマリアージュ勝利、おめでとうございます!
Date: 2018/0822 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのハーシュ・ヴィンヤードといえば、ソノマ・コーストを代表とする銘醸畑といっていいでしょう。その畑のマップをハーシュ・ヴィンヤードのジャスミンさんがインスタグラムに上げていました。

Jasmine Hirschさん(@jasminehirsch)がシェアした投稿 -



Vineyard Map
ハーシュ・ヴィンヤードという一つの畑ではありますが、実際には数多くのブロックがあり、場所も点在していることがわかります。「畑というよりブルゴーニュの村に近い」とジャスミンさんは書いています。

これだけ広がっているとブロック間の違いも大きくなります。
1A
これはブロック1Aのもの。最も海に近く、海からの風や霧にさらされています。気温が低く、まだヴェレゾンも5%以下にとどまっています。

3B
次の写真はブロック3Bのもの。ブロック1Aと同じ峰の上にありますが、220mほど海から離れています。これだけでヴェレゾンの進行が全然違い、こちらは35%くらいになっています。

ブロック7
3つ目はブロック7。ハーシュのウエスト・リッジ・ヴィンヤードに使われています。ブロック3Bよりも暖かいため、ヴェレゾンも一番進行しています。

ハーシュのどのワインにどのブロックを使っているのかとか、ブドウを提供しているワイナリーごとにどのブロックを使っているのかとかわかると嬉しいのですが、そこまでは情報を出していないようです。
Date: 2018/0821 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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注目の若手ワインメーカーが造る『ルタム』」という記事を先月公開しましたが、ここで取り上げたルタム(Lutum)のワインメーカーがギャヴィン・チャナン(Gavin Chanin)という人。

このワインメーカー、よほどの才人で弱冠26歳にして、2012年にSFクロニクルの注目のワインメーカーに選ばれています。そのときのワイナリーが自身の名前がついた「Chanin」。ルタムは彼の才能を見込んだビル・プライスと組んで、その年に始めたワイナリーです(詳しくは「弱冠26歳にして2つ目のワイナリを手に入れるGavin Chaninとはどういう男か」を)。ビル・プライスはソノマのデュレル(Durell)やギャップス・クラウン(Gap's Crown)といった銘醸畑のオーナーでキスラーなどにも出資している大物ですが、26歳で彼に認められるというだけでもすごいことです。さらに2013年にはシャルドネで、2016年にはピノ・ノワールでワイン&スピリッツ誌の全米ナンバーワンに選ばれているなど、これまで受けた称号は数知れず…

前置きが長くなりましたが、このChaninのワインが実は日本に輸入されていたのです。ただ、飲食店向けだけに出していたそうですが、柳屋がそれを発見して輸入元と交渉し、なんとか一般向けに売り出したというのが今日の記事です。なお、ワイナリー名はカタカナで表記するなら前述のようにチャナンが近いですが、輸入元は「シャナン」としています。

この人のワイン造りのポリシーはバランス。かつてのIPOB(In Pursuit of Balance)に近い立場です。彼が最初にワイン造りを修行したのがオー・ボン・クリマのジム・クレンデネンだったということも影響しているのでしょう。アルコール度数も抑え、エレガントなワインを作っています。先日紹介したレインもそうですが、最近の若手ワインメーカー、こうやってエレガントなワインを上手に作っていてすごいなあと思います。

今回、販売されているのは2014年のビエン・ナシード・シャルドネ。ヴィナス(Vinous)とワイン・エンスージアストで95点を得ています。ワイン・アドヴォケイトはこのワインは未評価ですが2011年のビエン・ナシード・ピノ・ノワールに95点をつけるなど、そこでも高く評価されています(先日のルタムも記事では未紹介でしたが93~94点を付けていました)。

価格はルタムより少し安い約8000円。シャナン(チャナン)に関しては、今後も一般向け販売があるかどうかわからないので、この機会を逃すと日本での入手は難しいかもしれません。

Date: 2018/0820 Category: テイスティング・ノート
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7月に伊勢丹の「大沖縄展」で買った沖縄初のクラフトジン「まさひろオキナワジン」を開けてみました。大沖縄展は終了前日に行ったのですが、既に残り2本という人気でした。

ジンはベースになる蒸留酒に「ボタニカル」と言われる香り付けを行って作るのですが、ここでは元になる上州酒は泡盛、ボタニカルには以下の6種を使っています。

シークヮーサー
ゴーヤー
グァバ(葉)
ジュニパーベリー
ローゼル(ハイビスカス属)
ピィパーズ(ヒハツモドキ)

ジュニパーベリーはジンには必ず入れるもの。ゴーヤーやシークヮーサーといった沖縄の素材を使っているのがいいですね。ベースになる原酒といい、沖縄らしさが出ていると思います。

シンプルにウィルキンソンの炭酸水で割ってハイボール風にしてみました。

クラフトジンの経験はほとんどないので、香りや味わいがどの要素から来ているかわからないのですが、最初にスパイシーな感じが来るのがいいですね。さわやかさを感じるのはシークヮーサー由来でしょうか。すごく飲みやすいのに、1杯で満足感があるのも面白いです。

個人的にはウイスキーのハイボールよりこちらの方が好きです。ウイスキーは薄めると樽香ばかり強調されてしまう気がときどきするんですよね。ワイン好きならクラフトジンも好きになる人は多そうな気がします。ボトル3000円強ですが、1回に使う量は少ないのでコスパで言ったらワインよりずっと上です。暑い夏を涼しくするのにもいいですね。

冷凍庫に入れてトロっとさせたところに炭酸を入れるのもいいそうです。1回分を冷凍できるような容器がほしいです。


Date: 2018/0819 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オークション市場でのワイン価格のインデックスを作成している英国のLiv-exがカリフォルニアワインの指標「カリフォルニア50」を作成しました。これは過去10ヴィンテージの、オーパス・ワン、スクリーミング・イーグル、ドミナス、ハーラン・エステート、リッジ・モンテ・ベッロの5つのワインの価格を指標化したもの。これら5つのワインが選ばれたのは、オークション市場で最も活発に取引されているからだそうです。

過去10年の指標
過去10年の指標を見ると、ボルドーや、上位50ワインの指標と比べてやや下回っていますが、安定して伸びていることがうかがえます。

ここ1年の指標
一方、ここ1年で見ると他の指標を上回る勢い。つまり現在投資する価値がかなり高いということになります。

ワインを投資の対象にするのはいかがなものか、という意見もあるかとは思いますが、実際に投資として活発に取引されているのも事実。カリフォルニアワインの地位向上のためにはオークション市場での存在感や指標による評価というのも大きなことだと思っています。
Date: 2018/0818 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日「ブショネを引き起こさないコルク!? 最大手が発売」という記事を公開しましたが、ここで紹介しているアモリム社のコルクでブショネが発生したと、提訴する騒ぎが起こっています(Courtwatch: Amuse Bouche Claims Amorim Sold the Winery Faulty Corks)。
CORK2
訴えたのはナパのアミューズ・ブーシュ。ハイジ・ピーターソン・バレットがワインメーカーを務めるワイナリーで、メルロー系のブレンドが有名ですが、実はピノ・ノワールも作っていて、そちらはハイジの父のリチャード・ピーターソンが自身が持つサンタルシアハイランズの畑からのブドウを使っています。

2015年のピノ・ノワールのために、アモリムの「ブショネを引き起こさないコルク」を採用したところ、ブショネでユーザーからのクレームが頻発する騒ぎになりました。ETS研究所で調べてもらったところ、TCAが非常に多く含まれていることが判明したそうです。評論家のジェームズ・サックリングは、このピノ・ノワールに79点という低い評価を付けています(ちなみに2014年は92点、2016年は93点)。

アミューズ・ブーシュは2016年のピノ・ノワール用にもアモリムと契約を結んでいましたが、そちらからも高濃度のTCAが検出されたため、契約を破棄して別のコルクを使っています。このため、2016年の出荷は半年以上遅れることになりました。

なお、2015年のピノ・ノワールは6本パックで574個作成しましたが、449個を出荷したところで問題が発覚したため、残りの125パックは出荷されませんでした。

そこで、販売機会の損失や、低い評価のワインでワイナリー名に傷を付けたとして、提訴にいたったとのことです。

先日の記事では、これまで問題は出ていないとのことでしたが、全く話が違うことになります。アミューズ・ブーシュ側の言い分を聞く限り、その主張には一貫性が感じられますが、裁判所はどう判断するのでしょうか。アモリムにとっても大きな問題となる可能性があります。
Date: 2018/0817 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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山火事が猛威をふるい続けているカリフォルニアですが、中でも恐ろしいのが「ファイアー・トルネード」と呼ばれる現象です。火が竜巻のようになり、猛烈な風が吹きます。これに巻き込まれて消防士が亡くなるケースも出ています。


上の動画からのキャプチャーですが、極めて巨大な竜巻のようになっています。フットボールフィールド3つ分の大きさだそうですから、大きすぎてちょっと分かりづらいですが。
Fire Tornado
瞬間最大風速は63mにも達していたとのこと。恐ろしいです。

次の動画はもうちょっと小規模なファイアー・トルネードで、竜巻感はよりわかりやすくなっています。

Fire Tornado
Fire Tornado
Fire Tornado

どうしてファイアー・トルネードが起こるのか図解したものもありました(Massive Carr Fire tornado trapped, killed Redding firefighter, report says - SFChronicle.com
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現地の方々はくれぐれもお気をつけください。
Date: 2018/0816 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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8月10日、ナパで2018年の収穫が始まりました(Slightly behind last year, the Napa Valley grape harvest begins | Local News | napavalleyregister.com)。例年であれば、スパークリングワインのプロデューサー、中でもマム(Mumm)が最初の収穫をするのが普通ですが、今年は珍しくスティル・ワインから始まりました。ワイナリーはジャッズ・ヒル(Judd's Hill)で、ナパ市の北東にある畑からドイツ系の白ワイン用ブドウ(フィールド・ブレンドなので品種は複数)を0.5トンほど収穫したとのこと。

ちなみにスパークリングワインでは、マムが15日に少しだけ収穫をし、ドメーヌ・カーネロスが18日に始める予定だとのこと。

ハドソン・ヴィンヤードによると、昨年と比べると概ね10日ほど遅い収穫時期になっているとのことです。高温で山火事が頻発しているカリフォルニアですが、ナパは例外的に気温はさほど上がっておらず、収穫時期も平年並み、これまでのところ、非常に安定していいヴィンテージになる見込みです。

昨年の火事の後遺症も今の所みあたらないのもいいニュースです。今年は何事もなく終了しますように。

Jeff sorting riesling

Date: 2018/0815 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先月発表されたワイン・アドヴォケイトの中間号のソノマ特集で、コンティニュームのティム・モンダヴィの二人の息子、カルロとダンテが造るワイナリー「レイン(Raen)」のワインが高い評価を得ました。

ほとんどのワインが93~94点。あまり高い点ではないと思う人もいるかもしれませんが、濃厚なタイプのピノ・ノワールではなく、かなりデリケートな造りのピノ・ノワールなので、ワイン・アドヴォケイトでは比較的高得点が得られにくいタイプだと思うのです。その中では非常に高く評価されていると言っていいと思います。

アルコール度数は12.5~13%。新樽率は10%、除梗は0~20%程度という造り。発酵は天然酵母です。

ロイヤル・セント・ロバート・キュベはソノマ・コーストのAVA。祖父であるロバート・モンダヴィの名前を冠したワインです。2016年は94点。

ホームフィールドはフォートレス・シービューのAVA。1000フィートを超える比較的標高の高いところにある畑だそうです。2016年は94+点。

Date: 2018/0814 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋でソノマのワイナリー「コービン・キャメロン」(Korbin Kameron)のボルドー系トップ・キュベ「クリスティン」が特売になっています。ワイナリー価格85ドルがなんと税抜き2980円。半額以下の特価です。理由は輸入元終売とのこと。ちょっと残念な理由ではありますが……。

コービン・キャメロンについてはソノマのムーン・マウンテンにあるワイナリー。ムーン・マウンテンはマヤカマス山脈の西側で、ナパのAVAでいえばマウント・ヴィーダーの近くに当たります。(ソノマの多様性をAVAから解き明かすセミナー)の記事で紹介しており、ソノマの試飲会で美味しかったワイン(2018年春)でもソーヴィニヨン・ブランとカベルネ・ソーヴィニヨンをお勧めで挙げています。今回のワインは試飲していませんが、品質的には間違いのないワイナリーと言えます。



Date: 2018/0814 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワシントン、オレゴン、カリフォルニアを得意とするインポーター、オルカ・インターナショナルの試飲会に参加しました。オルカ単独の試飲会への参加はこれが初めてです。

美味しかったワインを白から見ていきましょう。

ソーコル・ブロッサー
ソーコル・ブロッサーは1971年に最初に植樹をしたというオレゴンのパイオニア。2005年からはオーガニックな栽培の証明を受けています。今回、感銘をうけることが多かったここのワインの中でも、傑出していたのがこのシャルドネ2016(4300円=希望小売価格、以下略)。非常に旨みがあり、複雑さのあるワイン。7000~8000円クラスの味わい。

キング・エステート ピノ・グリ
キング・エステートのピノ・グリ2016(2600円)。ピノ・グリってさわやかで飲みやすいけど、それ以上のもう一つがあまり見当たらない気がします。これはオレンジ・ピールのような旨みと軽い苦味があって、飲みやすいだけでない美味しさを持っていました。

チャールズ・スミス カンフー・ガール2016
チャールズ・スミスのカンフー・ガール2016(2400円)。リースリング100%。さわやかで甘酸っぱく飲みやすいワイン。印象的なワイン名とラベルで、パーティなどに活躍しそうなワイン。

Kヴィントナーズ ヴィオニエ パワーライン2015
Kヴィントナーズのヴィオニエ、パワーライン・ヴィンヤード2015(7500円)。ヴィオニエで7000円台って初めて飲むかもしれません。ヴィオニエにこんなに出すの?と思わなくもなかったのですが、試飲してびっくり。これは美味しいし、深みもあります。7000円台出す価値はあります。

ランチ32 シャルドネ
ランチ32のシャルドネ(1780円)。バランスよくコスパ高いです。後で出てくるカベルネ・ソーヴィニヨンもよく、コスパでは今回随一でした。

チョークヒル シャルドネ ソノマ・コースト2016
高級シャルドネの老舗チョークヒルのシャルドネ ソノマ・コースト2016(3900円)。チョークヒルはこの上にエステートのシャルドネがあり、そちらも文句なく美味しいのですが、エステートが6900円に対して、こちらは3900円と3000円も安くなっています。エステートの力強さには負けるものの、リッチなタイプのシャルドネとしては比較的安価であり、バランスもいい味わいです。

ソーコル・ブロッサー ロゼ
ソーコル・ブロッサーのロゼ(3100円)。ピノ・ノワール100%のロゼで酸と果実味がいいバランス。これは美味しいです。夏に飲みたいワイン。

ソーコル・ブロッサー ピノ・ノワール ダンディー・ヒルズ2014
ソーコル・ブロッサーが続きます。これはピノ・ノワール ダンディー・ヒルズ2014(4600円)。酸と旨み、果実味のバランスがいいです。

チャールズ・スミス ブーン・ブーン2015
チャールズ・スミスのシラー ブーン・ブーン2015(2800円)。濃厚でコスパのいいシラー。

ランチ32
ランチ32のカベルネ・ソーヴィニヨン(1780円)。AVAはモントレーで、カベルネ・ソーヴィニヨン91%のほあ、シラー(5%)、プティ・ヴェルド(4%)が入っています。アルコール度も13.5%とそれほど高くなく、バランスよく、酸もほどよく効いています。1000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンとしては破格の味わいです。

ボーグル プティ・シラー
ボーグルのプティ・シラー2015年。ボーグルは安心の味わい。さまざまな品種のものが出ていますが、どれもはずれはないです。その中でこれを選んだのはプティ・シラーのタニックさが上手に出ているから。濃くてやや甘のワインがもてはやされる昨今、これだけしっかりタニックなのはかえって貴重な感じがします。

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Date: 2018/0813 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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IntoWine.comというサイトで、米国のワイン業界で影響力がある人トップ100というリストが挙げられていました(IntoWine.com’s “Top 100 Most Influential People in the U.S. Wine Industry” - 2018 | IntoWine)。

全部挙げたらきりがないので、トップ10を見てみましょう。
1-Annette Alvares-Peters
2-Wayne Chaplin
3-Tim Turner
4-Marvin Shanken
5-Rob Sands
6-Stephanie Gallo
7-Antonio Galloni
8-Adam Strum
9-James Laube
10-Robert Parker

多分、1位から3位はほとんどの人が知らないですよね。1位はコストコのワイン担当、2位はサザン・グレイザーという米国最大の酒類流通業者の社長、3位はウォルグリーンの人と、トップ3はいずれも小売や流通関連でした。4位のマーヴィン・シャンケンはワイン・スペクテーターの発行人。スペクテーターは米国内ではやはり影響力が強いですね。5位と6位は大手ワイナリー。5位はコンステレーション・ブランズのCEOで6位がガロのマーケティング担当。

7位から10位は評論家やメディア関連。評論家ではヴィナスのアントニオ・ガッローニがトップなのはちょっと驚きでした。8位はワイン・エンスージアストの会長。9位はスペクテーターのレビュアー、10位は言わずとしれたパーカー本人。パーカーの影響力は落ちてきているというところなのでしょうか。

興味深いのは20位台になるとブロガーが入ってくること。22位には1 Wine DudeのJoe Roberts、23位はDr. VinoのTyler Colman。24位は20ドル以下のワインしかレビューしないという「reverse wine snob」のJon Thorsen(この人は僕も知らなかったです)。ブロガーがこれだけ影響力を認めてもらえているのは嬉しいことです。

このあと32位にようやくワインメーカーが登場。フィリップ・メルカです。

あと、サイト関連では30位にVivinoを作ったHeini Zachariassen。46位にセラー・トラッカーのEric Levineが入っています。
Date: 2018/0812 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブショネ(コルク臭)はコルクを使ったワインの5~10%程度にあると言われています。10本から20本に1本ということで、かなりの頻度です。そんなに出会わないよ、と思う人も多いと思いますが、気がついていないだけで、実際には程度の大小あれ、ブショネだったということはあるようです。5~10%が欠陥を持った商品というのは、ほかの業界では考えられないほど欠陥率が高く、コルク業界はここ20年ほど、この問題に取り組んできました。そして、コルク業界の最大手、ポルトガルのアモリム(Amorim)社がブショネをほとんど引き起こさないコルクを発売しています(Finally – A Cure for Cork Taint | Wine News & Features)。

CORK2

このコルクは、製造したコルクを検査して、ブショネの原因となる物質TCAが含まれていないかどうかを調べます。TCAが1リットルあたり0.05ナノグラムを超えると、欠陥と判断して取り除きます。

と、書いてしまえばわずかなことですが、これまでは検査に1本あたり数分かかっていて、実用にはなりませんでした。今回は1本あたり数秒まで高速化したことで、製品化が可能になりました。

コストは1本につき0.12~0.15ユーロほど、普通のものよりも高くなります。このため低価格なワインでこれを使うのはまだ難しく、高級ワイン用のソリューションということになります。

また、現在はまだTCAがまったくないというわけではありません(ただ、メーカーによるとブショネとして戻されたワインはないとのこと)。2020年までに完全にTCAをなくすことを目標にしています。

とはいえ、スクリューキャップなど、他のクロージャーを使っているワインがこれでコルクに回帰するということはあまりなさそうです。スクリューキャップにはスクリューキャップのよさがあり、特に早のみ用のワインでは、今後もスクリューキャップが中心になりそうです。
Date: 2018/0811 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイナリー「ZDワイン」が50回目の収穫を迎えようとしています(ZD Wines celebrates 50 Years of family winemaking in Napa Valley | Wine | napavalleyregister.com)。1969年にノーマン・デルーズ(deLeuze)とジーノ・ゼッポーニの二人が設立し、1985年にゼッポーニが亡くなった後デルーズ家が家族経営を続けています。ナパのラザフォードとカーネロスに有機栽培の畑を持っており、そのほかナパ、サンタ・バーバラ、モントレー、ソノマの有機栽培の畑とも契約しています。

ZDとは創設者2人の頭文字を取ったのと同時にゼロ・ディフェクトの略を意味しており、欠陥のないワインを目指しています。実際、カベルネ・ソーヴィニヨンもシャルドネもレベルが高いものを作っています。

ナパのシルバラード・トレイル沿いのワイナリーは1980年に作ったものです。
ZDワイン

Date: 2018/0810 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえにカレラのバックヴィンテージがいくつか蔵出しで入荷しています。いずれも良年のものでかなり貴重です。

ド・ヴィリエ2009年はワイン・アドヴォケイトで96+点。カレラの単一畑ピノ・ノワールは6種類ありますが、そのうちジェンセンとセレックが上級品の扱い。残り4つの畑の中で一番最後に登場したのがド・ヴィリエですが、畑の位置はジェンセンの隣であり、品質的にも迫るものがあると思います。


次はミルズの2012年。こちらもワイン・アドヴォケイトで96点。以前は割と早のみの印象もありましたが、樹も熟成して、昔のイメージで捉えてはいけないようですね(最近飲んでません)。実はこの畑だけは自根だそうです。場所はド・ヴィリエの隣。


最後はライアンの2010年。ワイン・アドヴォケイトでは94点。3つの中では一番低いですが、それでも高得点です。樹齢では一番若い(1998年植樹。ド・ヴィリエは1997年)畑。

Date: 2018/0809 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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エノテカのラスト在庫セールでヴェリテのル・デジールが税込みでも3万円台とかなり安くなっています。ソノマで初めてパーカー100点を取ったヴェリテ。このヴィンテージ2009年はパーカー93点、ヴィナスのアントニオ・ガッローニは96点。

ただし最後の1本なので早い者勝ちです。

ヴェリテ ル・デジール2009年

メル・ソレイユのリザーブ・シャルドネ2015年と2014年も格安になっています。
メル・ソレイユ リザーブ・シャルドネ2015年
メル・ソレイユ リザーブ・シャルドネ2014年
Date: 2018/0809 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン業界と全く縁がなかった親子が冗談から始めたビジネスが100万ドルを超えるビジネスに成長しました(Wine condoms now a million-dollar business)。
ワイン・コンドーム

ワイン・コンドームというこの製品、きっかけは母親が友人宅から持ち帰ったワインボトルがサランラップとゴムで巻かれていたこと。それを見た息子が「ワインのコンドームだな」と冗談を言い、それを実際に製品化してしまったのです。クラウドファンディングのキックスターターでは1万ドル近い寄付を集めました。そして現在では通算の売り上げた100万ドルを超えたとのことです。


使い方はいたって簡単で、それこそコンドームのようにワインのボトルに装着するだけ。これで横にしても逆さにしてもワインが漏れなくなります。

横にできるのはいいですよね。例えばそのままセラーに戻すといったことが可能になりますから。冷蔵庫に入れる場合にも役立ちそうです。

Date: 2018/0808 Category: グルメ
Posted by: Andy
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ごちガスト

このところ大変なこと続きの我が家。こんなに悪いことばかり重なって、これからどうしようかと呆然とすることもしばしば……

そんな状況でも、いいこともあるもんです。

いろいろ用事で晩御飯を作る時間もなく、夜はガストに。帰りにレジのところで、抽選のボタンを押すと、なんと20組に1組タダになるという「ごちガスト」が当たりました。

こんなもん、当たる人見たことないと思っていたのですが、当たるものなんですね。本当に全員分タダ。これだったらデザートでも食べておくんだった、と思いましたが、そういう欲をかかなかったのが良かったのでしょう。
レシート
これが証拠です。20組に1組ですから、そこそこの確率ですね。

ガスト、まじ神です。
Date: 2018/0807 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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メンドシーノとレイク郡で7月末に発生した山火事の勢いがとどまるところを知りません(Mendocino Complex grows overnight, making it the fourth largest wildfire in state history)。延焼面積は26万7000エーカーで、カリフォルニア史上4番目の規模になっています。ちなみに史上第1位は昨年のサンタバーバラの火事で、延焼面積は28万2000エーカーでした。すでに1万5000エーカーしか変わらないレベルです。

包囲率は33%とまだまだの状況。ナパやソノマからも北の空が霞んでみえているそうです。

日本も猛暑ですが、カリフォルニアも気温が高く、火事が起こりやすい状態が続いています。

毎年のことですから、ある程度の山火事はしょうがないですが、人や建物、畑などの被害が広がらないことを祈ります。
Date: 2018/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Kurniawan Counterfeit--15.jpg
宅配便で送ったワインが破損して届かないということが、米国で頻発しています。実際にはただ破損しているのではなく、FedExやUPSといった宅配便業者が故意にワインを破損、しかも業者に頼んで叩き割っているのです(Carriers Trashing Wine Shipments | Wine News & Features)。しかも、補償は全くありません。割られたワインの中にはシャトー・マルゴーなどもあります。

ちょっと信じられないような話ですが、宅配便業者は何も悪いことをしているわけではありません。

ニューヨーク州は、州内のワインショップが州外の顧客にワインを発送したり、州外のワインショップから州内の顧客へワインを発送するのを禁じています。近年はワインの発送もだいぶ自由になってきたような印象がありますが、実際にはまだ州外から州内にワインの送付を許しているのは14州と1特別区しかありません。そして、ルールを破った場合の罰則の適用は年々厳格化していっているのです。

宅配便業者が、わざわざ廃棄業者にワインを叩き割ってもらうのは、ルールの厳格適用と、そのための見せしめといった要素があります。あえてひどいシーンを見せることでルールを破るのを防ごうというわけです。

ワイナリーから州外の顧客へのワインの発送の場合は、ワインショップからとは違う扱いになるので、現在はだいぶ自由化が進んでいますが、まだまだ米国のワイン流通には難しいところが残っているようです。
Date: 2018/0805 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日も紹介しましたが、5日から申し込みが開始なので再度宣伝させてください。

ワインスクールの名門「アカデミー・デュ・ヴァン」青山校の2018年秋・冬講座でカリフォルニアワインの講座をもたせていただくことになりました。

タイトルは「カリフォルニアの名門ワイナリー」。スケジュールと内容は以下のようになっています。

10/24
第1回:カリフォルニアを世界の一流にした「ロバート・モンダヴィ」とその一族
カリフォルニアワインがまだ世界に知られていないころ、「ナパを名だたる産地にする」と宣言して立ち上がったのがロバート・モンダヴィでした。息子のティム・モンダヴィが作る「コンティニュアム」のワインも試飲予定です。

11/14
第2回:パリ・テイスティングの1位コンビ「スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ」「シャトー・モンテリーナ」
カリフォルニアワインを世界のワインシーンで注目される存在にしたきっかけが1976年のパリ・テイスティング。赤ワインで1位になったスタッグス・リープ・ワイン・セラーズ、白ワインで1位になったシャトー・モンテリーナのワインを試飲します。

12/05
第3回:誰もが尊敬する本格派「リッジ・ヴィンヤーズ」
パリ・テイスティングに参加したワイナリーの中で赤ワインで唯一ナパにないのがリッジ。パリ・テイスティングから30年後の回顧テイスティングでは見事1位になっています。また、リッジは100年を超えるような古木のジンファンデルのワインでもパイオニアです。今回はデカンター誌で100点を取った2013年のモンテベッロや10年熟成のモンテベッロも試飲予定です。

1/9
第4回:カリフォルニアのロマネ・コンティ「カレラ」
カリフォルニアで最高のピノ・ノワールを作ることだけを考えて設立されたのが「カレラ」です。ピノ・ノワールの単一畑を中心にエステートのワインを試飲します。

2/6
第5回:カリフォルニアの高級シャルドネとピノ・ノワールの代名詞的存在「キスラー」
カリフォルニアワインのファンだけでなく、ブルゴーニュワインのファンにも人気が高いキスラー。今回は10年熟成のシャルドネとピノ・ノワールやオキシデンタルのピノ・ノワールも試飲する予定です。

3/13
第6回:ピノ・ノワールとシャルドネでパーカー100点「ピーター・マイケル」
カリフォルニアのピノ・ノワールで初めて「パーカー100点」を取ったのがピーター・マイケルです。さらにシャルドネでも100点、カベルネ・ソーヴィニヨンでは最高99点と作るワインすべてが高評価なワイナリーです。試飲するワインはどれもRP94点以上の予定です。

参加できない回がある場合は、同価格帯の他の講座を受講できる振替制度もあるそうです。

先日、アカデミー・デュ・ヴァンから来たメールには「◆◇秋・冬シーズン講座公開と同時に、多くのお問い合わせをいただいている人気講座をピックアップしてみました。下記講座は、すぐに満席となる可能性がありますので、お早めにお申し込みください」という中に取り上げられていました。本当に満席になってくれたらうれしいですが、ちょっとどきどきでもあります。

申し込みはこちらから。
カリフォルニアの名門ワイナリー | ワイン初心者からソムリエ資格取得まで - ワインスクール アカデミー・デュ・ヴァン
Date: 2018/0804 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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『ワインで日本を元気にしよう!』をテーマに、2011年にスタートしたワイン業界有志によるチャリティーワインイベント「ワインエイド」2018に参加してきました。7月27日(金)と28日(土)の2日間開催され、私が参加したのは土曜日です。

場所は飯田橋のアグネスホテルアンドアパートメンツ東京。ちょうど台風の接近中で、ホテルに向かうときは土砂降りの雨でしたが、会場は熱気に溢れていました。

70社近いワイン業界の会社が賛同しているこのイベント。カリフォルニアワインのインポーターも数多く積極的に参加されています。多分会場のワインの半分近くはカリフォルニアワインだったと思います。当然、スタッフ側も知っている方がちらほら、ではなくかなりたくさんいらっしゃいました。

それから、この日はスペシャルゲストでオー・ボン・クリマのジム・クレンデネンさんが、娘のイザベルさんと息子のノックスさんと一緒に参加。イザベルさんは私も以前お会いしたことがあったのですが、ノックスさんは初めて。3人で一緒に来日自体初めてのことだったようです。

せっかくなので、ワインも少しずついろいろ試させていただきました。
さすがにメモなどは取っていませんが、印象に残ったワインを少し挙げると
オー・ボン・クリマのヒルデガード
オー・ボン・クリマのイザベル
リッジのリットン・スプリングス
シャトー・イガイタカハのロゼ
シダーヴィルのグルナッシュ
中井さんのメルロー…

チャリティーのイベントとしては、有料試飲コーナー、福袋、そしてライブ・オークションがありました。
有料試飲はアミューズ・ブーシュやポートフォリオといったすごいワインが出ていましたが、試せなかったです。その代わりに福袋(ワイン1本1000円~)はいくつか買いました(記事の最後に披露します)。
目玉のオー・ボン・クリマの落札者とクレンデネン・ファミリー
ライブ・オークションはかなりの盛り上がり。あっという間に値が上がってとても参戦はできなかったのですが、面白かったです。そしてなんとオークション最後の目玉はオー・ボン・クリマのイザベルとノックスのダブルマグナム。この2つを提供するのは高円宮様主宰のチャリティーイベント以来2回めだとか。ともかく貴重なワインですし、それをジム・クレンデネンさんとイザベルさん、ノックスさんの眼の前でオークションにかけるというのもすごいです。

そして落札価格はなんと……60万円!!!

素晴らしいです。

このほか、もう一人スペシャルなゲストとして俳優の辰巳琢郎さんもいらっしゃっていました。
司会の柳沼淳子さん、特別ゲストの辰巳琢郎さん
辰巳さんは、東日本大震災のあと、岩手県の山葡萄を使ったワイン造りのプロデュースをしており、マンズワインから「今様」というスパークリングワインを出しています。この日の乾杯用のワインでもありました。


また、チャリティーの収益はいくつかの団体に寄付されますが、その一つ「Peace Project」の代表もいらっしゃっていました。
Peace Projectの加藤代表
西日本で豪雨被害のあった直後でしたが、既に倉敷市など大きな被害があったところでボランティア活動をされており、その報告もありました。ワインエイドのMCを毎回つとめている山本香奈さんは倉敷の出身であり、これには胸に迫るものがあったようでした。
MCの山本香奈さん

料理もおいしかったですし、いろいろな方とお話できてとても楽しいイベントでした。

さて、最後に福袋の中身ですが、1000円2本と3000円1本買ったところ、1000円の方は二つともカリフォルニアワイン! しかも定価3000円台のもので個人的にも好きなワインで大当たりでした。3000円のは残念ながらイタリアワインでしたが、これももちろん3000円で買えるワインではありません。ご協力されているインポーターさんには頭が下がります。

というわけで福袋買うだけでも参加する意味は十分にあるイベントです(福袋は確か最高1本2万円だったと思います)。

今年はちょっと集客に苦労されたという話も伺いましたが、この火を消さないためにもぜひ奮ってご参加を。カリフォルニアワイン好きなら無料試飲だけでも十分に楽しめますし、中川ワインさんやワイン・イン・スタイルさん、布袋ワインズさんなど代表的なカリフォルニアワインのインポーターがこぞって参加されていますから、そこの方々と話をするのもいい機会だと思います。
Date: 2018/0803 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋のセールでロバート・モンダヴィのカベルネ・ソーヴィニヨン2種が大特価になっています。

一つは定番中の定番といえるナパ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨン2014。5000円前後の価格で売っている店が大半のところ、税込みで4190円、税抜きなら3000円台というのはかなりの特価です。ヴィナスでは90点がついており品質も保証付き。

もう一つはカベルネ・ソーヴィニヨンとは歌っていませんが「マエストロ」の2014。カベルネ・ソーヴィニヨンは73%なのでラベルには付けられませんが前の2013年がメルロー主体だったのと比べると、カベルネ・ソーヴィニヨン主体に大きく舵を切っています。テイスティング・パネル誌で94点。

マエストロというワイン自身、2013年にロバート・モンダヴィ50週年を祝って初めて作ったワイン。そのヴィンテージだけの予定だったのが、反響が大きく、2014年も造ることになったそうです。ブドウはオークヴィルの「トカロン」にスタッグスリープの「ワッポ・ヒル」とロバート・モンダヴィが誇る銘醸畑2つのもの。1万円近くで売っているショップもある中で税抜き5980円は文句なしの安さです。

Date: 2018/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインの中に含まれる、わずかな放射線物質を分析する研究があり、それにょるとカリフォルニアワインに2011年の東日本大震災で福島の発電所が放出した放射線物質によるセシウム137が見て取れるとのこと(California wines contain Fukushima radiation, and it’s not a bad thing | PBS NewsHour)。
セシウム137の年代別の量
放射線物質を年代測定に使うのは、歴史ではよく使われる手法ですが、今回はそれではなく、細胞全体に含まれる放射線物質のパターンから、その出自を見るという研究。

なお、健康への被害を樹にするレベルでは全くありません。
Date: 2018/0801 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトの7月末中間号が発表されました。カリフォルニアではソノマのレポート(パート3)のほか、リッジ モンテベッロの2015年のレビュー、マルティネッリ(Martinelli)のレビューが掲載されています。

マルティネッリでは2014年を中心に試飲結果が発表されていますが、注目は2007年のジンファンデル ジャッカス・ヒルにジンファンデルとしては初の99点がついたこと。

ジャッカス・ヒルは最大斜度65度というものすごい急斜面の畑でジャッカス(ロバ)でないと上り下りできないということでこの名が付いています。マルティネッリのワインの中でも入手が難しいワインで、私は以前ここのメーリング・リストに入っていたことがありますが、これだけは一度もアロケーションがありませんでした。もう一つ「ヒル」がつかないジャッカスもあって、そちらのほうが少し価格も安く本数も多くなります。ちなみにジャッカスの2007年も98点という高得点でした。

当然、日本にもジャッカス・ヒルはほとんど入ってきていません。マルティネッリのジンファンデルだとジャッカスや、もうちょっと入手が楽な「ジュゼッペ&ルイーザ」(WAでは最高96点)不定期に入るくらいですね。それもここ5年くらいは見ていないような気がします(このサイトでは2012年1月に紹介しているのが最後のようです)。

楽天で調べたら1本だけ2004年のものがヒットしました。日本で入手できるのは、これくらいしかないかもしれません。フルボディタイプのジンファンデルの代表格です。

Date: 2018/0801 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ダックホーン(Duckhorn)メルロー スリー・パームス・ヴィンヤードの2015年が国内に入荷してきています。前ヴィンテージの2014年はワイン・スペクテーターで2017年の年間1位に選ばれ、国内入荷分は毎回ほぼ瞬殺状態。2015年は従来より半年ほど前倒しで日本に入荷してきているようです。

2014年は、そういう状況ですから試飲もしたことないですが、その前年の2013ヴィンテージは試飲しており、当時おすすめワインとして取り上げています。
参考:中川ワイン試飲会からのおすすめワイン

カリフォルニアのメルローとしては間違いなくトップクラスの一つです。ダックホーンは1976年にナパで40番目のワイナリーとして誕生し、今ではグループの5つのワイナリーのほかに、カレラやコスタ・ブラウンといった人気ワイナリーも手中に収め、人気ワイナリーとしての位置づけを確固たるものにしています。それを支えてきたのがこの畑。「スリー・パームスの畑のおかげで今まで続けられたと言っても過言ではない」と言っています。以前はほかに持ち主がいましたが、現在は完全に自社畑になっています。

これだけの高品質と評価の割には価格が上がっていないのも魅力です。新ヴィンテージも1万円そこそこの価格で、米国の実売価格と比べても全く遜色ない安さです。ナパのカベルネが最近では200ドルが当たり前という中で、メルローだとこの価格でトップレベルのワインが買えるというのも魅力の一つです。

Date: 2018/0731 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアで早くも山火事が頻発しています(6 Dead As Carr Fire In Northern California Continues To Burn : NPR)。トランプ大統領は7月28日、カリフォルニア州に非常事態宣言を出しています。

現在、最大の被害をもたらしているのはカー・ファイアー。サクラメントの北240kmのシャスタ郡、トリニティ郡の火災でこれまでに6人が亡くなっています。95368エーカーが燃え、まだ包囲率は17%しかありません。犠牲者の中には2人の子供とその祖父母が含まれています。

また、ヨセミテ国立公園近くではファーガソン・ファイアーが猛威を振るっています。54481エーカーが燃え、包囲率は30%。二人目の消防士の死亡が伝えられています。

例年山火事というと、秋の風物詩というイメージがありましたが、まだそれほど樹木が乾ききっていない今頃から、これほど大きな火事が続くのは珍しいような気がします。

今年の秋が心配になります。
Date: 2018/0730 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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インポーター「ミライズ」と「モカルト」の試飲会に参加してきました。どちらもとても小さなインポーターですが、非常に高品質のワインを輸入しています。

ミライズについては、以前インタビューを掲載しています。
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
また、主力のポートフォリオの最近の試飲はこちら。
ポートフォリオの新ヴィンテージ2013を試飲
モカルトで扱っているワインの一部はこちらの記事で紹介しています。
ワイン会でオーパス・ワン2012など

今回の一番の目的はミライズが新たに輸入を始めた「Lutum(ルタム)」のワインを試飲すること。

ここのワインメーカーGavin Chanin(ギャビン・チャナン)はまだ30歳くらいという若手のワインメーカーですが、このルタム以外にチャナンという自身の名前の付いたワイナリーも持っている才人。SFクロニクルの注目のワインメーカーにも選ばれています。
SFクロニクルが選ぶ注目のワインメーカー2012年版
弱冠26歳にして2つ目のワイナリを手に入れるGavin Chaninとはどういう男か
ナパ、ソノマ以外のカリフォルニア・トップ・ワイナリー10選

 ルタムは彼が、ソノマのDurell(デュレル)やGap's Crown(ギャップス・クラウン)といった畑のオーナーであり、最近ではソノマのThree Sticks(スリー・スティックス)のオーナーやキスラーへの出資などでも知られるビル・プライスと作ったワイナリー。ソノマとサンタ・バーバラの銘醸畑から小規模生産で高品質なシャルドネとピノ・ノワールを造ることを目的としています。ミライズではサンタ・バーバラのサンフォード&ベネディクト、ソノマのギャップス・クラウンの畑のものを輸入しています。また、ギャビン・チャナンはアルコール度が低く、バランスの良いワインを造ることを信条としています。

Lutumシャルドネ

シャルドネから試飲しました。サンフォードはレモンなど柑橘の風味に豊富なミネラル感があります。ギャップス・クラウンも柑橘系の風味に加え、スパイシーさも感じます。どちらも果実味を強く感じるというよりも複雑さをもったワイン。4、5年熟成させて飲んでみたい味わいです。
Lutumピノ・ノワール
ピノ・ノワールはシャルドネ以上に畑の個性を強く感じました。サンフォード&ベネディクトは透明感のあるきれいなピノ・ノワール。酸が豊かで、赤系の果実味もきわめてスムーズ。花の香りも印象的でした。

一方、ギャップス・クラウンはソノマ・コーストのピノ・ノワールの力強さの部分を感じるワイン。赤系の果実に加え、ブラックベリーなど青系の果実味も感じます。ボディーに厚みがありますが、酸とのバランスがよく味わいを引き締めています。

サンタ・バーバラでは近年ひところとくらべると新しいワイナリーの話をあまり聞かない気がしますが、その中で注目のワイナリーの一つとなりそうです。また、ソノマ・コーストはまさに群雄割拠という感じで、同じオーナーのスリー・スティックスやモンダヴィ系のレイン(Raen)などと並んで次代のホープとなってきそうな感じがします。

他のワインについても簡単に。

トカド(Toquade)のソーヴィニヨン・ブランの新ヴィンテージは相変わらず香りが素晴らしい。青りんごや梨の風味。例年よりややクリスプか。名前は知られていませんが、すごくいいソーヴィニヨン・ブランだと思います。

ポートフォリオは凝縮感がありながら上品さを失わないところがいつもながら素晴らしいワイン。

一方、モカルトの輸入するセントヘレナとメランソンは、セントヘレナがナパらしいカベルネ・ソーヴィニヨンらしいど直球な味わい。一方メランソンはパワフルでタニックな山カベの良さを持っており、ポートフォリオと三様の良さがありました。

Date: 2018/0729 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパは観光地としても素晴らしいところですが、物価が高いのが悩みのタネです。そこで、どうやって節約したらいいかという記事がでていたので紹介します(How to Spend Less and Do More in Napa Valley)。

まず一番節約したいのが宿泊費。普通に泊まったら1泊200ドル以上が当たり前です(なお、米国はB&Bとかでなければ基本的に素泊まりの部屋代です)。ナパではヨントヴィルあたりがレストランやホテルが集まっているところですが、そこから少し離れ、ナパのダウンタウンだと少し安くなります。さらに、アメリカン・キャニオンまで戻るともっと安くなります。アメリカン・キャニオンからナパまでは10マイルなので、車で15分もかからない程度の距離です。記事でお薦めしているホテルをいくつか挙げておきます。

ナパ・ダウンタウン
ナパ ディスカバリー イン
ホーソーン スイーツ バイ ウィンダム イン ナパ バレー
リバーポワント ナパ バレー リゾート
アメリカン・キャニオン
ダブルツリー バイ ヒルトン ホテル & スパ ナパ バレー アメリカン キャニオン
フェアフィールド・イン & スイート・ナパ・バレー・アメリカン・キャニオン

このほか、アウトドアでキャンプやグランピングに泊まるといった案も紹介されています。

宿泊の次はテイスティング・フィー。こちらも年々上がっていっています。
Wine Tasting Card - DoNapaはナパのダウンタウンで使えるカード。15ドルで購入でき、ナパ・ダウンタウンのテイスティング・ルームのうち10カ所でテイスティング・フィーが半額になります。日本でも人気のJaMセラーズなどがあります。

Priority Wine Pass | Napa & Sonoma Wine Tasting Deals - Save Big!は、約60ドルと高価ではありますが、V.Sattui、Beringer、Pine Ridgeなど人気のワイナリーで1人分の料金で2人分の試飲ができます。ナパのワイントレインなどでも割引があります。

次は食事。ランチでお薦めは、フレンチ・ランドリーのトーマス・ケラーが「Addendum」というレストランで提供している、テイクアウト用の17.50ドルのボックス・ランチ。オンラインで予約も可能です。
Addendum | Thomas Keller Restaurant Group
Addendum Fried Chicken

ディナーでは6:30~8:30の混み合う時間を避けて、それより前の「ハッピー・アワー」や、それより後の「レイト・ナイト・スペシャル」などを使うことを勧めています。例えば有名な「Morimoto Napa」では夜10時以降になると30%のディスカウントが受けられます。記事ではこのほか地元で人気のアーチャー・ホテルにある「チャーリー・パーマー・ステーキハウス」などを挙げています。

ナパを少しでも多く楽しむために節約術も上手に使いたいですね。
Date: 2018/0728 Category: 健康
Posted by: Andy
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米国における90歳以上の長生きの人を対象にした調査によると、アルコールを飲まない人よりも1日1、2杯のビールやワインを飲む人のほうが健康で長生きしているそうです(Study: Drinking Alcohol More Important Than Exercise to Living Past 90 | National News | US News)。

同じ研究によるとコーヒーを飲む人も飲まない人よりも長生き、70歳代で体重が多め(肥満ではない)人のほうが、体重が普通や軽い人よりも長生きといった結果が出ているそうです。

研究の主体はカリフォルニア大学アーバイン校で、まっとうな研究のようです(The 90+ Study - UCI MIND)。

米国で体重が多めといったら、日本人だと相当太めですね。痩せすぎはあまりよくないというのはわかるような気がします。
Date: 2018/0727 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スポッツウッドのソーヴィニヨン・ブランがいくつかの店で格安に売られています。上級ソーヴィニヨン・ブランの定番的存在。僕もほとんど毎年買っていると思います。香りの豊かさと、引き締まった酸で、夏には特に飲みたくなるワインです。4000円ちょっとという価格は10年前の水準とほぼ同じで格安感があります。

Date: 2018/0726 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインスクールの名門「アカデミー・デュ・ヴァン」青山校の2018年秋・冬講座でカリフォルニアワインの講座をもたせていただくことになりました。
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カリフォルニアの名門ワイナリー

8月5日からWebで申し込みできます。7名集まらないと開講できないのでちょっとドキドキです。

内容はタイトルの通りで、6回にわたってカリフォルニアの有名ワイナリーの紹介をして、そこのワインを試飲します。
取り上げるのは
第1回:カリフォルニアを世界の一流にした「ロバート・モンダヴィ」とその一族
第2回:パリ・テイスティングの1位コンビ「スタッグス・リープ・ワイン・セラーズ」「シャトー・モンテリーナ」
第3回:誰もが尊敬する本格派「リッジ・ヴィンヤーズ」
第4回:カリフォルニアのロマネ・コンティ「カレラ」
第5回:カリフォルニアの高級シャルドネとピノ・ノワールの代名詞的存在「キスラー」
第6回:ピノ・ノワールとシャルドネでパーカー100点「ピーター・マイケル」

試飲で取り上げるワインにはこだわりました。毎回1本は「これは!」というワインがあると思います。自分が飲みたいワインを選んでいます。ちょっとワイン代がかさんでしまったため、普通は6人で開催できるような形にするのですが、7人以上でないと開催できないのです。その分、ワインには納得いただけるのではないかと思っています。

ワインについては、詳しい必要はありません。アカデミー・デュ・ヴァンではレベル「4~8」となっています。カベルネ・ソーヴィニヨンとかピノ・ノワールといった基本的な品種がわかれば十分です。ほかの先生方のようにワインの細かい分析はできないので、お話でカバーしたいと思います。

みなさま、よろしくおねがいします。
Date: 2018/0725 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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アクサ生命の関連会社で、ボルドーのシャトー・ピション・ロングヴィル・バロンのオーナーであるアクサミレジムが、ナパのアウトポスト(Outpost)を買収しました(France’s AXA Millésimes Buys Outpost Winery in Napa Valley)。ワイン・スペクテーターの記事によると、買収金額は4000万ドル程度と見られています。

アウトポストは1998年にナパのハウエル・マウンテンに設立されたワイナリー。2003年から、ドツラー(Dotzler)家がオーナーになっていました。自社畑のカベルネ・ソーヴィニヨンやジンファンデルで知られており、生産量は3000ケース。ワインメーカーはトーマス・リヴァース・ブラウン。ワイナリーでは、トーマス・リヴァース・ブラウンがワインメーカーを務める他のワイナリーの醸造も行っており、醸造量は2万ケースほどになるようです。
アウトポスト

アウトポストの名を挙げたのはジンファンデルですが、近年特に評価が高いのはカベルネ・ソーヴィニヨンです。2014年のカベルネ・ソーヴィニヨン・トゥルー・ヴィンヤードはワイン・アドヴォケイトで100点が付いています。アクサミレジムのクリスチャン・シーリー・マネージングディレクターは、メドックとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンの卓越性を考えれば、今回の買収は当然のものだとしています。

なお、トーマス・リヴァース・ブラウンはワインメーカーとして残留し、ドツラー家も残るとのことです。
Date: 2018/0724 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイントレインが積極的にサービスを広げています。かつては昼と夜の2往復で、後は車両の違いくらいしかなかったものが、今ではパッケージの数だけで14にも増えています。

特に力を入れているのがワイナリー・ツアーとのパッケージ。途中で停車したところでワイナリーに行き、また列車に戻ってツアーを続けるというタイプのパッケージだけで4つもあります。いずれも3カ所のワイナリーに立ち寄ります。例えばドメーヌ・シャンドン、ホール、イングルヌックに行く「エステート・ツアー」、シルバラード、ホワイトホール・レーン、ガーギッチ・ヒルズに行く「ファミリア・ツアー」など。

ワイナリー一つに立ち寄り、帰りはバスで戻ってくるというパターンもあります。お城のワイナリーとして知られるカステーロ・ディ・アモローサに行く「キャッスル・ツアー」などがあります。中にはローカルのビールを楽しむといったツアーもあります。

ツアーは基本的にサンフランシスコから公共交通機関で日帰りできるように作られているので、車の運転なしでナパ観光ができるのも魅力です。

リピーターを増やすために、食事の改善にも取り組んでいます。エグゼクティブ・シェフとなったドナルド・ヤングを中心に、ローカルの食材を活用したメニューなどを開発しています。

また、オーナーが現在取り組んでいるのがナパの駅をホテルに改造すること。ステーションホテルというのは世界にもそれほど多くはないので、魅力を増すことになるのではないかと期待しているようです。

Wine Train

鉄道好きな人にとっては、ワイントレインの車両もかなり魅力的なのではないかと思います。2年前のナパ・ツアーで私も乗りましたが、豪華で優雅な時間は魅力的です。

今のオーナーが3年前にワイントレインを購入する直前、人種差別的扱いを受けたということで大騒ぎになったことがありました。
参考:ワイントレイン強制下車事件、500万ドルを求めて提訴へ « カリフォルニアワインのお勝手口

その事件も乗り越え、成長軌道にのったワイントレイン、今後も注目です。
Date: 2018/0723 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワインの販売形態としては、ガラス瓶が圧倒的にメジャーですが、遅ればせながらワインでも他のパッケージングのものが増えてきています。米国ではここ数年缶入りワインが急成長。昔から安売りワインでは人気だった箱入りワインでも、ブドウ品種を明記した高級箱売りワインが大きくシェアを伸ばしています。

高級箱入りワインのブランドとしては「ブラック・ボックス(Black Box)」「ボタ・ボックス(Bota Box)」が覇権を争っていますが、その一つのボタ・ボックスはこの春から国内でもアサヒビールが販売しています(高級箱入りワイン「ボタ・ボックス」が国内販売開始)。

当初は実売価格が750ml換算で1000円を超えていたので、ちょっと割高感がありましたが、ヒグチワインではカベルネ・ソーヴィニヨンが3000ml3本で8880円(税込み)と、750ml換算で740円(税込み)とかなり安くなっています。しかも送料無料。これならば安いチリワインなどと比べても価格的に割高感なく飲めます。他の品種も750ml換算で900円を切っています。3000mlのボックスは、中にビニールの袋が入っており、注いでいっても空気に触れないような構造になっているので、劣化にも強いという特徴があります。

500mlの「ミニ」の方はさすがに、750mlに換算するとまだ1000円を超えてしまいますが、こちらは冷蔵庫に入れておいても邪魔にならないサイズが魅力。

なお、個人的には赤はカベルネ・ソーヴィニヨンがおすすめ、白はピノ・グリージョがいいと思います。特に爽やかで夏向きです。


ここからはミニです。

Date: 2018/0722 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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パックス・マーレ
2000年代初頭にローヌ系品種で一世を風靡した「パックス・セラーズ」。その共同オーナーでワインメーカーだった、パックス・マーレ(Pax Mahle)が再びパックスに専念することが判明しました(Pax Mahle Flies Solo | Wine News & Features | wine-searcher)。

といっても事情通でない人にとっては何が何やらというところだと思うので、順を追って説明します。

パックス・セラーズはソノマのシラーを中心に作っておりワイン・アドヴォケイトで90点台半ばのスコアを連発して注目を集めました。ここで有名になった畑の一つが「オブシディアン(Obsidian)」で、もしかしたらこれで「あれ、聞いたことあるかも」と思う人もいるかもしれません。

人気ワイナリーとなったパックスですが、2006年に共同オーナーだったパックス・マーレとジョー・ドネラン(Joe Donelan)が大喧嘩をして、パックスはワイナリーをやめてしまいます。2007年まではパックスの名前を使っていましたが、2008年からは「ドネラン・ファミリー・ワインズ」と改名しました。

ドネランについては今年5月のソノマの試飲会の記事で紹介しています。オブシディアンについては、昨年の火事で消失してしまった畑として書いています。当時は大きな話題になりませんでしたが、あの火事によって失われたものの中でも大きいもののように思います。
ソノマの多様性をAVAから解き明かすセミナー
今後入手不可能かもしれないパーカー99点のシラーなどおすすめワイン

ちょっと脱線しましたが、パックスを離れたパックス・マーレはウインド・ギャップ(Wind Gap)というワイナリーを作りました。パックス時代はかなり濃厚なワインを作っていたのですが、ウインド・ギャップでは収穫時期を1カ月くらいも早め、いわゆるバランス重視のスタイルに展開しました。ワイナリー名に「ウインド」と入っているように、風の強い畑のブドウを好んで使うという特徴があります。

このスタイルに賛同して出資したのがチャールズ・バンクス。スクリーミング・イーグルを買収してワイン業界で一躍有名になり、その売却後は「テロワール・キャピタル」という投資会社を設立して、サンタ・バーバラのサンディ(Sandhi)や、このウインド・ギャップ、その他海外のワイナリーなどに投資をしていました。また、個人としてマヤカマスのオーナーにもなっていました。

この人は元々スポーツ選手の資産を管理する仕事をしていたのですが、そのときにNBAの元スター選手ティム・ダンカンへの助言について提訴され、有罪になって現在は収監中です。

参考:元スクリーミング・イーグル・オーナー、有罪を認める
こんな記事もありました。
元スクリーミング・イーグルのオーナーがワイナリー投資家として目指すもの

チャールズ・バンクスが収監されたことで、テロワール・キャピタルの業務は宙に浮いた状態になってしまいました。サンディに関しては、ワインメーカーのラジャー・パーとサッシ・ムーアマンが株式を買い戻す形でテロワール・キャピタルの手を離れました。

一方、パックス・マーレは、ウインド・ギャップについては株を売ってしまって手を引くことになりました。実は、彼は2010年から再びパックス・ブランドでほそぼそとではありますがワインを作っており、そちらに専念することにしたのです。

新生パックスでは、これまでウインド・ギャップで使っていた畑のワインも造ることになるようです。シラー系以外のワインも必然的に増えることになるでしょう。ソノマのセバストポールにあったウインド・ギャップのテイスティング・ルームもパックスのテイスティング・ルームに代わりました。

数奇な運命をたどったパックスですが、彼の才能は多くの人が認めるところ。それを再び発揮してくれることを期待します。
Date: 2018/0720 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのブエナ・ビスタ(Buena Vista)やデローチ(DeLoach)、ナパのレイモンド(Raymond)のオーナーであるJCB(Jean Charles Boisset)が、ソノマのヒールズバーグにテイスティング・ルームをオープンしました(JCB by Jean-Charles Boisset to Open Signature Tasting Salon in ...)。

2013年までJCBがテイスティング・ルームとして使っていたところを再オープンする形であり、新たにラウンジとしても使用できる部屋を追加したそうです。
JCB

このテイスティング・ルームではJCBのブランドで出しているワインの試飲を中心にするようです。

JCBのワインはWine Advocateでコンスタントに90点台半ばの点数を取っており、近年は特に高く評価されています。ケレン味だらけのワイナリーですが、品質も伴っているのは立派です。

Jean Charles Boisset(ジャン・シャルル・ボワセ)はブルゴーニュの有力ネゴシアンであるボワセ家の生まれ。妻はガロのワイン醸造責任者であるジーナ・ガロ。双子の子供がいます。

Date: 2018/0719 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・モンダヴィは2018年7月16日、新しいワイン・メイキング・チームを発表しました。

ジェヌヴィエーヴ・ジャンセンス(Genevieve Janssens)が醸造責任者からチーフ・ワインメーカーに昇格。マスター・オブ・ワイン(MW)のノヴァ・カドマトリー(Nova Cadamatre)が上級醸造責任者として3年ぶりにロバート・モンダヴィに復帰します。
ジェヌヴィエーヌ
ジェヌヴィエーヌは1978年にラボのエノロジストとしてロバート・モンダヴィに入社。1980年からは様々なワイナリーでコンサルタントとして働き1989年にオーパス・ワンの製造責任者として就任。1998年にロバート・モンダヴィの醸造責任者に復帰して、現在にいたります。

ノヴァは2013年から2015年までジェヌヴィエーヌの傍らで赤ワインを担当、その後はニューヨークのフィンガー・レイク地域などで働いていました。2017年には米国の女性ワインメーカーとしては初めてのマスター・オブ・ワインを取得しています。

優秀な女性2人で、ますます期待が持てるロバート・モンダヴィです。
Date: 2018/0718 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2018年5月ころから売却の噂が出ていたコスタ・ブラウン(Kosta Browne)ですが、ダックホーン(Duckhorn)が買収することが明らかになりました(Duckhorn Wine Company Acquires Iconic Pinot Noir Producer Kosta Browne)。

参考:コスタ・ブラウンに再度売却の噂

ダックホーンは1976年の設立。ナパで銘醸畑「スリー・パームス」のメルローを作って有名になり、ゴールデンアイや、パラダックスなど、カモ科の鳥をモチーフとしたワイナリーを複数設立してきました。また、2017年にはピノ・ノワールで有名なカレラを買収しています。2017年にはワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーに2014年のスリー・パームス メルローが選ばれました。

コスタ・ブラウンは1997年の設立。2000年代前半のピノ・ノワール・ブームでは時代の寵児になりました。2009年にはジム・コステッロが持ち分の株をVincraftに売却。VincraftはDurrellやGap's Crowneといった畑のオーナーで、キスラーにも出資しているビル・プライスなどの会社。2015年にはさらにVincraftからJ.W. Childs Associatesに株式が移動しています。今回はJ.W. Childsからダックホーンへの株式の移行となっています。
Kosta Browne

参考:コスタ・ブラウン、ついにテイスティング・ルームをオープン

Date: 2018/0717 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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X Japanのヨシキ(Yoshiki)がマイケル・モンダヴィ・ファミリーと共同で造るワイン「Y by Yoshiki」に新バージョンが登場しました。2017年にはTV番組の「格付けチェック」でワインの問題を楽々答えて注目されたYoshiki。自分の名前を冠したワインについても醸造こそ任せているもののブレンドには積極的に参加しているそうです。

以前のものは1万円台後半というフラグシップ的なワインでしたが、今回は5000円台というちょい高級程度の価格。またカベルネ・ソーヴィニヨンだけでなくシャルドネもあります。値段が下がった分、AVAはナパ・ヴァレーからカリフォルニアに代わっています。


Date: 2018/0716 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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今年5月にナパのセント・ヘレナにある小さなワイナリー「チャーター・オーク(Charter Oak)」がグーグルを提訴しました。理由はネットにおけるフェイク・アカウントによるネガティブ・レビューを放置したため。その判決がこのほど下されましたが、結論は却下。理由はコメントをした人が法廷に姿を表さなかったためとのこと(Small Napa County winery takes on Google in court for negative reviews | abc7news.com)。

フェイク・アカウントによるレビューが付き始めたのは半年ほど前から。チャーター・オークのレイラ・ファヌッチによるとすべて同一人物によるものと見られるそうです。こういったコメントが数十件つけられています。
レビューの例

チャーター・オークはグーグルに何度もメールして事態を改善するよう申し入れましたが、何週間もなしのつぶてだった後、グーグルの回答は「これらのコメントはレビューガイドラインに違反していない。ごきげんよう」といったものでした。

それで今回の訴訟にいたったわけですが、それ以来、チャーター・オークには同じような状況に悩まされている自営の人から100件以上もの電話がかかってきているとのこと。

しかし、冒頭に書いたように今回の裁判所の判断は却下。レイラは今後も提訴を続けるしかない(少額裁判所には最大5回まで提訴できる)と考えているそうです。

なんとかならないものでしょうか。
Date: 2018/0715 Category: 業界ニュース
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ソノマの人気ワイナリー、シャトー・セント・ジーンがワイナリーツアーの一つとして「脱出ゲーム」を始めています(Chateau St. Jean unlocks the Valley’s first 'escape room')。

Chateau St. Jean Winery
ソノマでは4箇所目となる脱出ゲームの会場で、ワイナリーとしては初めて。

「Unlock the Chateau」と名付けられたこのツアーは、毎週金曜日~月曜日に開催。6~12人のグループで参加できます。ツアー料金は60ドル。

なお、最初にスパークリングワインが供され、2番めの部屋にたどり着いたら別のワイン、全部といた後にもう一杯提供されます。

グループで参加したらたのしそうです。
Date: 2018/0713 Category: 業界ニュース
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先日「23年熟成のワインが新リリースで96点、「変態」ワイナリーの絶賛シャルドネ」という記事で紹介した、カリン・セラーズの新リリース「シャルドネ キュベCH 1995 」。

実はインポーターも次にどのワインが入手できるのか、全く分からず、ワインの情報ももらえないそうなのです。今回もキュベCHが来ると分かってからCHってなんだろうと調べてみたらチャールズ・ハインツで、これにはびっくりしたとのことでした。

先日は柳屋への入荷をお知らせしましたが、ほかのショップにも入っていたのでそちらも紹介です。

ちなみに先日、ホヤの記事では前のリリースだったキュベLDを飲んでいます。いつもながら旨味たっぷりで、ホヤの味の濃さにも負けていませんでした。




なぜかキュベLDを売っているところも。残っていた?

Date: 2018/0712 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・スペクテーターがカリフォルニア担当のレビュアーの交代を発表しました(Wine Spectator Announces Changes in California Wine Reviewers | News | News & Features | Wine Spectator)。

長らく、カリフォルニアワイン全般をレビューしてきたJames Laubeはレビューからは退き、今後はコラムの執筆などを中心にしていきます。これまで通り、ナパのオフィスに留まるので、対象はカリフォルニアがこれからも中心になるのだと思います。

新たなカリフォルニアワインのレビュアーは2人。Kim Marcusがシャルドネとピノ・ノワールを主に担当します。カリフォルニア生まれで、セントヘレナ・スター紙で働いた後、1988年からワイン・スペクテーターで働いています。ニューヨークが長く、2017年にナパのオフィスに来ました。

もう一人はJames Molesworth。これまでボルドーのレビューをしてきた人で、カベルネソーヴィニヨンのスペシャリスト。カリフォルニアのカベルネを中心に担当しますが、オフィスはニューヨークに留まります。

個人的にはスペクテーターのレビューはあまり見ていないのですが、レビュー以上に影響を持つ年末のトップ100にも関わるので、これからのレビューをもっと見ていきたいと思います。

Date: 2018/0711 Category: 業界ニュース
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カリフォルニアワインあとりえに、マイケル・クルーズとブロック・セラーズの新作が入荷しています。どちらも「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるワイナリーの一つ。これまであまり顧みられていなかったぶどう品種などを積極的に使って、自然な味わいのワインを作り出しています。

参考:「ニュー・カリフォルニア」の旗手アルノー・ロバーツ15種を試飲してわかったこと

特にマイケル・クルーズが造るスパークリングワイン「ウルトラマリン」は超人気で、日本でも入荷するたびに「瞬殺」で売り切れてしまいます。一番入手困難なスパークリング・ワインと言っても過言ではないでしょう。

今回入荷の中には、瓶内で自然に二次発酵した「ペット・ナット」のワインも含まれています。これも近年、ワインマニアの間では非常に人気が高まっているジャンルです。

まずはペットナット2品。一つは「サンローラン」という品種。もう一つは「ヴァルディギエ」。これはかつて「ナパ・ガメイ」と呼ばれていたものです。


シエラフットヒルズのシャルドネです。


モンキー・ジャケットは唯一複数の畑のブドウをブレンドしたもの。マイケル・クルーズの入門的ワインです。


もうひとつのブロック・セラーズは、ワイナリーはバークレーの町中にある「アーバン・ワイナリー」。使っている畑はマイケル・クルーズと比べても辺境のものが多くなっています。

トゥルソーという品種も近年マニアの間では引く手あまたのワインです。


トカイ・フリウラーノも人気の品種。


ペットナットもあります。夏にいいですね。

Date: 2018/0710 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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セカンダリー・マーケット(オークション)で最も流通しているカリフォルニアワインは何か、セカンダリー・マーケットの様々な指標を提供している英国のLiv-exがトップ10リストを発表しました。
top traded us wines
1位はドミナス2014。昨年Liv-exが、ドミナスはオーパス・ワンより継続して評価が高いのに価格が安いという記事を載せて以来、取引が増えたようです。

2位は僅差でオーパス・ワン2014。スクリーミング・イーグルは3位、4位、6位に3つのヴィンテージが入って根強い人気を示しました。セカンドワインのセカンド・フライト2014も9位に食い込みました。

ハーラン・エステート2014は7位とこれもさすがの人気。ケイマスはスペシャル・セレクション2014が10位、カベルネ・ソーヴィニヨン2015が5位と、ワイン自体の評価はそれほど高いわけではないことを考えると驚くべき人気です。

それにしてもやっぱりセカンダリー・マーケットはわかりにくいですね。例えばオーパス・ワンより評価が高く、価格が安いということではインシグニアやスポッツウッド、シェーファーのヒルサイド・セレクトも該当しますが、あまり名前を聞きません。通常の流通市場でそれなりに入手しやすいということなのでしょうか。シュレーダーのCCSやコルギンIXエステート、レアムのアブサードなどもハーランとかスクリーミング・イーグル以上に評価は高く、通常の流通ではほとんど手に入りませんが、意外とセカンダリー・マーケットでも名前をみかけません。セカンダリー・マーケットにおけるブランド価値の基準があるのでしょうけど、なかなか難しいです。

参考:カリフォルニアのカベルネ系でパーカー評価が一番高いワインは? « カリフォルニアワインのお勝手口
Date: 2018/0709 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・サーチャーに、最も検索されているジンファンデルのトップ10リストが出ていました(The World's Most Wanted Zinfandels)。

早速リストを挙げましょう。
1位 リッジ(Ridge)、ガイザーヴィル(Geyserville)
2位 ターリー(Turley)、ジュヴナイル(Juvenile)
3位 セゲシオ(Seghesio)、ソノマ・カウンティ
4位 ヴェンジ(Venge)、スカウツ・オーナー(Scout's Honor Proprietary Red)
5位 A.ラファネリ(A.Rafanelli)、ドライ・クリーク・ヴァレー
6位 プリズナー(Prisoner)、サルド(Saldo)
7位 ターリー。オールド・ヴァイン
8位 ロンバウアー(Rombauer)
9位 ベッドロック(Bedrock)、オールド・ヴァイン
10位 ケイマス、ナパ・ヴァレー

リッジの1位は妥当なところですが、ガイザーヴィルというのはちょっと意外でした。知名度はリットン・スプリングスが上かと思っていましたので、ガイザーヴィルは町の名前でもあるので検索しやすいのでしょうか。クオリティ的にはリットンもガイザーヴィルも同じくらい高いと思います。
2位のターリーも妥当な感じです。ジュヴナイルはターリーが扱っているさまざまな畑の若木のブドウを集めたブレンド。若木といってもターリー基準なので、近年はそこそこの樹齢に達していて、評価も高くなっています。ターリーは7位にもオールド・ヴァインが。これも定番ワインです。
3位のセゲシオはジンファンデルのスペシャリストと言っても過言ではないでしょう。価格も比較的安いし、安心して飲めるワイナリーです。
4位のヴェンジはちょっと意外。このワインは未飲です。
5位のラファネリも、かつてジンファンデルの「4R」などと言われた一つ。ただ、なぜかレイヴンズウッドは入っていないんですよねえ。
6位は人気のプリズナーが手がけるジンファンデル。日本でも売ってますが、米国の29ドルが9000円台というのはあまりにも高くないでしょうか?
8位のロンバウアーも「4R」だとか「5R」に名前の入っていたワイナリー。今はシャルドネが有名ですが、ジンファンデルも安定しています。
9位のベッドロックは唯一といっていいくらいの新興系銘柄。ジンファンデルというとわかりやすい味わいを重視したものが比較的多い中、1位のリッジと9位のベッドロックは、複雑な味わいに重きをおいています。オールド・ヴァインは入門的ワイン。日本でもそこそこの価格で売っていますから個人的には、いろいろな人に飲んでほしいジンファンデルの一つです。
10位のケイマスはちょっとびっくり。カベルネはわかりますが、ジンファンデルでもランクインとはやるなあというところ。

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Date: 2018/0708 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・インスティテュートの日本代表が代わることは「ワイン・インスティテュートの新しい代表に扇谷まどかさん」の記事で紹介していますが、7月からの新体制発足で発表会が開かれ、代表は1人ではなく2人の共同代表になることが判明しました。また、これまで「ワイン・インスティテュート」という名称が日本でも使われていましたが、今後は「カリフォルニアワイン協会」(略称CWI)という名称を使用することになりました。
カリフォルニアワイン協会新体制
新しい代表は既に発表されている扇谷まどかさんに加え、手島孝大(たかひろ)さんが就任します。手島さんは直近まで10年間「ワインオーストラリア」のアジア太平洋地域代表として、オーストラリア・ワインのプロモーションを手がけてきました。

この2人に加え、PR会社の日本アドがデジタル系のプロモーションやコンテンツなどを担っていきます。

新しい代表はどちらも専任ではなく、自分の会社を経営しながらの代表になります。また、手島さんはオーストラリアのシドニーに本拠地を残したままで代表になる形です。専任ではないものの、互いに得意なところを持ち寄るという考えのようです。

今後のプロモーションについても一部が明らかになりました。

毎年春に開催していた「バイザグラス」のキャンペーンは規模を拡大して継続されます。これまでは、覆面審査員による審査を行うため、関東と関西のレストランだけが参加する形でしたが、デジタルツールの活用により、実績の管理を明確にし、全国のレストランが参加できる形にします。また、参加する消費者にも何らかの賞を出していく考えだそうです。SNSを使ったキャンペーンも行います。

毎年秋に東京・大阪で開催していた「グランドテイスティング」は、本年度については東京だけで開催します。ここ数年は夕方から一般消費者も参加できる形でしたが、今年は業界関係者だけの参加で、10月29日に品川の「開東閣」で開かれます。ここは三菱グループの迎賓施設で、一般には非公開のところです。

このほか、SNSでのプロモーションではFacebookのほか、Instagramも活用していく意向だとのこと。SNSでは日本独自のコンテンツも発信していきます。

教育活動としては「カリフォルニアワインの特定テーマにフォーカスしたマニアックなクラス」を開くほか、ソムリエ協会会員への情報提供を行います。また一般消費者向けにはフード・ペアリングなどを学べるようなイベントを各地で開催していきます。フード・ペアリングについては、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの日本代表である小枝絵麻さんが協力する形になります。

ウェブサイトは、これまで日本独自のものと、米国サイトの翻訳と2つに分かれていたのを一つのサイトに集約します。calwines.jpというドメインを使い、8月に刷新するとのことです。

環太平洋パートナーシップ(TPP)協定から米国が離脱したことにより、関税の面ではカリフォルニアワインは不利な状況になっています。ワインの関税は750mlのボトルに換算すると、最大で93.75円、簡易税率では56.25円と、決して高額ではありませんが、消費量が多い、ボトル1000円未満の領域においては大きな差となります。実際、安ワインで大きくシェアを伸ばしたチリに関しては、既に関税が大きく引き下げられており、それがシェア向上に貢献したことは間違いありません。今後、米国が再加盟を考えているとのことですが、トランプ大統領の通商政策は二転三転しがちであり、どうなるかは予断を許しません。

一方で、中国と米国との関係が悪化することによって、逆に米国にとっての日本の市場の安定性が重要になるという面もあります。おそらく、高級ワインの市場については、一時の中国重視から、また日本重視の流れが出てくるのではないかと想像しています。

新しい体制はこのような、将来が不安定ななか発足することにはなりますが、扇谷さん、手島さん、そして日本アドとそれぞれの強みがありますから、歯車がうまく合えば、これまで以上に効率的なプロモーションが可能になると思います。

まずは新体制をお祝いするとともに、カリフォルニアワインのファン代表として、協力していけるところがあればなあと思っています。

Date: 2018/0706 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Arthur祭り
第8回目となる「日本で飲もう最高のワイン」の結果が発表になりました(日本で飲もう最高のワイン2018公式サイト)。
日本で飲もう最高のワイン
桃井隆弘さんがソノマで造るアーサーのピノ・ノワールとシャルドネがどちらも愛好家の最高レベルである「プラチナ」を受賞しました。ピノ・ノワールはこれで4年連続の快挙、シャルドネも今回が初出品で初のプラチナという素晴らしい評価でした。

アーサーのピノ・ノワールと新作シャルドネを試飲」で私の試飲コメントを紹介していますが
シャルドネとピノ・ノワールに共通するのは親しみやすさ。師であるエド・カーツマンさんが、パーカーの掲示板で一番人気のピノ・ノワール生産者に選ばれたほど実力があるのに、全く偉ぶらず、ワインもおいしさや飲みやすさを表現しているのとやはり共通していると思います。
というところに集約されるような気がしています。

桃井さんおめでとうございます!

ただ、残念ながらワインはいずれもソールドアウト。9月3日に開かれるこの品評会のテイスティング会が唯一のチャンスとなりそうです。

テイスティング会について|日本で飲もう最高のワイン2018公式サイト
Date: 2018/0705 Category: グルメ
Posted by: Andy
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新鮮なホヤを食べつくすというイベント「ホヤナイト」に参加してきました。主宰は「WADA-blog(わだぶろぐ)」の和田さん。ホヤは南三陸町の山内鮮魚店から取り寄せています。

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和田さんのブログからの受け売りですが、ホヤは8割が宮城産。2011年の東日本大震災で大きな打撃を受けましたがその後復興します(ホヤの生育には3年かかります)。ところが最大の消費地だった韓国が原発事故の汚染水の問題から、海産物の輸入をストップし、大量廃棄を余儀なくされてしまったのだとか。せっかく新鮮で美味しいホヤがあるのにもったいない、ということで和田さんが始めたのがこのイベント(今年で3回目)だそうです。

私は今年初参加だったのですが、ミッションとして、ホヤにワインが合うかどうかを検証したいと思いました。

ホヤはこれまで居酒屋などで食べたことはありますが、あまり味の記憶がないので、調べたところ、かなり「磯の風味」が強い食材であることがわかりました。お酒としてはやはり日本酒を合わせるのが圧倒的に主流なようです。

日本酒とワインの味の違いを考えると、ワインは酸があるのに対し、日本酒では酸はほとんど感じません。そのあたりがホヤに合うかどうかの分かれ目になるかと思い、あまり酸を感じないワインを選ぶことにしました。また、ホヤの「磯の風味」にどう合わせていけばいいかも難問です。塩っぽさを感じるワインとしてサンタ・リタ・ヒルズのシャルドネなど考えてみましたが、酸も強いものが多いので逆効果になりそうです。

そこで白羽の矢を立てたのが、たまたま手元に1本だけあったカリン・セラーズのシャルドネLD 1995年。シャルドネですが、20年の熟成で酸はあまり感じず、旨味がしっかりあるワインです。

ホヤ刺しとワイン

さっそく刺し身から食べてみましょう。刺し身は下のようなところから、自分でさばいています。

ホヤ

食べてみると、思った以上に塩分が強いです。そして、つるんとした食感と、噛むと出てくる甘みと旨味、ワタの苦味。塩分が強いので、醤油は付けない方が美味しい。

そのままワインを試してみました。悪くはないですが、マリアージュするわけでもない。酸味の弱いものを選んだのは正解だった気がします。また、日本酒と試してみたところ、やはりストレートな刺し身なら日本酒の方が合います。ただ、日本酒も吟醸酒のようなやわらかな味わいのものより、本醸造だったり熟成したものの方がホヤの強い味に負けないような気がしました。また、焼酎(ストレート)を試してみましたが、意外と合わないです。やはりちょっと甘みがあるものの方が合うかもしれません。

カルパッチョ
カルパッチョを食べてみました。ブラックペッパーとオリーブオイルでしょうか。こちらの方がワインに合います。これなら日本酒よりもワインの方がいいかも。

ホヤ刺しに、いろいろなものを合わせて食べてみました。白のバルサミコは、ホヤの味に負けてしまってあまりよくない(赤だったら合ったかも)。パクチーのチューブのは、悪くはないけど特においしくなるわけでもない。意外とよかったのがはちみつ。塩辛さを中和して味がマイルドになります。ストレートで食べるよりワインに合います。

そして、ベストマッチだったのがバジルペースト。バジルペーストとホヤ刺しを合わせて食べると風味がちょうどいい感じ。ワインにもとても合います。これは日本酒よりもワインでしょう。


バター炒め

バター炒めが出てきました。火を通すと塩気がマイルドになり、ホヤ自体の甘みやうまみがより感じられるようになります。ただ、食感はやわらかいイカみたいになりますので、刺し身のつるんとした感じはなくなってしまいます。ワインには火を通した方が合わせやすいでしょう。これならもっといろいろなワインに合うと思います。写真を取り忘れましたが、ホヤの酒蒸しもとても美味しい。これもワインによく合います。

パスタ

パスタも美味しいですが、これにワインは特に不要でした。プチトマトの甘みがホヤの塩辛さをよく中和しています。

酢の物

酢の物は意外と普通。ワイン向きではないですね。

アヒージョ

アヒージョはもちろん美味しい。これはワイン向け。オイルを吸わせるフランスパンが欲しかったかな。

ホヤの炊き込みご飯

炊き込みご飯もいいですね。絶品。ワインは不要です。

ホヤナイト

いろいろ試して結構ワインが進んでしまいました。とても楽しく美味しかったです。

結論として、ホヤとワインはマリアージュします。ただそのまま刺し身で食べるよりも、はちみつだったりバジルペーストだったりで味を中和させた方が合いやすいです。また、火を通したものは問題なくワインに合います。

ワインは今回は手持ちの熟成ワインを持っていきましたが(カリン・セラーズのワインに関心があるかたはこちらもごらんください「23年熟成のワインが新リリースで96点、「変態」ワイナリーの絶賛シャルドネ」)、そうでなければどんなものがいいでしょう。

甘めのリースリングはいいかもしれません。また酸を比較的感じないという意味ではヴィオニエあたりでしょうか。ジンファンデルももしかしたらいいかもしれませんが、赤は試してみないとわかりません。また、デザートワインという選択肢もあると思います。

和田さん、山内鮮魚店の山内さん、ホヤ男爵こと亀田さん、みなさん、ありがとうございました。
Date: 2018/0704 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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世界最大のワイナリーであるオーストラリアのトレジャリー・ワイン・エステートは、高級ブランドのペンフォールズについて、今後カリフォルニアでの生産を検討していることを明らかにしました(Australia's Treasury Wine to make premium Penfolds in California amid U.S. reset)。北米戦略の見直しに伴うもの。

北米での生産プランは長年議論されていたそうですが、ここにきて実行に移すのは、米国と中国などとの間の通商問題が深刻化しているから。オーストラリアから米国への輸出については今のところ俎上にはあがっていませんが、今後トランプ政権が何に目をつけるかわからない中で。リスク要因を減らしたいのでしょう。

ワインについてはナパのブドウを使う予定ですが、詳しいことは明らかになっていません。
Date: 2018/0703 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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堀賢一氏のFacebookから
6月30日で24年間務めたワイン・インスティテュートの日本代表を退いた堀賢一氏がShinwa Auction社ワインオークション部門のアドバイザーに就任しました。

堀賢一氏は自身のFacebookで
今後は、日本におけるワインの二次市場の活性化に心血を注ぐ決意です。ワイン・オークションは究極のファイン・ワイン・ビジネスですが、フェイクやボトル・コンディションといった、一次市場にはみられないリスクがあります。この分野に、日本人のプロフェッショナルはまだいません。
とコメントしています。

なかなか盛り上がらない、日本のワイン・オークション市場ですが、今後日本がワイン市場において存在感を出していくとしたら必要なことかもしれないですね。今後のご活躍に期待します。
Date: 2018/0702 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine-Searcher.comで、最も検索されているウイスキーのトップ10リストが公開されました(The World's Most Wanted Whiskeys)。

早速見てみましょう。
1位 響 17年
2位 マッカラン 18年
3位 白州 12年
4位 山崎 18年
5位 響 21年
6位 響 12年
7位 山崎 12年
8位 ブラントン オリジナル・シングル・バレル・ケンタッキー・バーボン
9位 W.L.ウェラー 12年 ケンタッキー・ストレート・ウィーテッド・バーボン
10位 マッカラン ファイン&レア・ヴィンテージ

というわけで、なんと10本中6本が日本産、しかもすべてサントリーという結果でした。
値段の上昇もすさまじいものがあり、1位の響17年は1年前の平均価格239ドルが、今や倍以上の555ドル。確かに、1位の響17年と3位の白州12年は今年5月に原酒不足で販売中止がアナウンスされたところ。それがランキングを押し上げたことは間違いありません。

ただ、それだけでなく生産中止ではない4位の山崎18年も2014年の200ドルから今や642ドルと4年で3倍以上に値上がり、響21年も同様に260ドルから735ドルに、響12年も69ドルから384ドルに値上がりしています。全般に日本のウイスキーへのニーズが強いことが伺えます。

熟成に時間がかかるウイスキーはニーズを読むのが難しく、今のウイスキー・ブームで原酒は全般に足りなくなっているようです。まだ数年はこの傾向が続くのではないでしょうか。

海外に持っていって売ったらもうかりそう(笑)。


ミニチュアでもこの値段

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神奈川県限定販売なんてあるんですね。

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Date: 2018/0630 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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柳屋にインポーターの倉庫発掘ものとして、ジョセフ・フェルプスのアイズリー(アイズル)ヴィンヤード1991年が出ています。もちろん1本限定。

今はシャトー・ラ・トゥールの資本が入ってアイズリー・ヴィンヤードというワイナリー名になり、パーカー100点も取ったこの畑ですが、その前20数年はアラウホが所有していました。

さらにそれより前は独立した畑としてワイナリーにブドウを売っていたのですが、最初はなんとリッジ(1970年代です)、その後コン・クリーク、そしてジョセフ・フェルプス時代に名声を築いたのでした。

そして、アラウホが買ったのは1991年なのですが、このヴィンテージだけはアラウホとフェルプス両方でワインが作られたのでした。

つまり、1991年はフェルプス版の最終ヴィンテージであり、唯一アラウホと2つのワイナリーでワインが作られた年でもあるのです。

ちなみに、亡くなったジョー・フェルプス(ジョセフ・フェルプスの創設者)が一番後悔していたのが、アイズリー・ヴィンヤードを買わなかったことだったとか。


こちらはもっと古いヴィンテージ。

Date: 2018/0629 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ウメムラの決算セールでキスラーとオー・ボン・クリマのセットが土曜日まで格安になっています。

キスラーはピノ・ノワール ソノマ・コースト2013。通常価格 11,945円 (税込 12,900 円)
オー・ボン・クリマはシャルドネ・ロス・アラモス・キュヴェ・V 2014通常価格 2,760円 (税込 2,980 円)
これがセットで価格12,630円 (税込 13,640 円)と2000円強安くなっています。

以前は日本のキスラーの価格は高いというイメージがありましたが、少なくともAVAもので見ると米国の価格とほとんど変わらないかむしろ安いくらいになっていますね。これに割引が入りますのでかなり格安なのは間違いないです。

Date: 2018/0628 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年、娯楽目的のマリファナが解禁になったカリフォルニアでは個人利用のためであれば6株までのマリファナを栽培することが認められています。

原則としては屋内栽培のみなのですが、ナパでは屋外での栽培を許可することが決まりました(Napa County Supervisors poised to allow outdoor, personal use cannabis cultivation | Local News | napavalleyregister.com)。

個人利用限定で6株までという制限は変わらないので、これで観光客に何かの影響が出ることはまずないでしょうが、もしかすると、大麻を目にする機会は増えるのかもしれません。
cannabis
Date: 2018/0627 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーが「尋常でない天才」と呼んだのがカリン・セラーズ(Kalin Cellars)のオーナーであるテリー・ライトン。何しろ10年以上熟成したワインしか出荷しないという異常ぶり。そのカリン・セラーズが最近リリースしたワインが1995年のシャルドネです。キュベCHと名付けたこのワイン、名前は畑の名称であるチャールズ・ハインツ(Charles Heintz)からとったものです。チャールズ・ハインツといえばソノマでも有名な畑の一つであり、特に最近では幻のワインとなっている「ウルトラマリン」のブドウ提供元としても知られています。

ワイン・アドヴォケイト最新号での評価は96点と、カリン・セラーズのワインとしては過去最高。このあとどうなるかわからないけど、今すぐに飲まなきゃいけないことはないとしています。

これが6000円台というのは、とんでもないバーゲンでもあります。キュベCHはまだ試飲したことありませんが、以前のキュベLD1994も非常にうまみのあるワインでしたから、これもきれいに熟成しているのではないかと思います。


Date: 2018/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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B.R.コーンの創設者であり、ドゥービー・ブラザーズのマネージャーとしても知られていたブルース・コーン氏が突然ワイナリーを売却したのが2015年のこと(B.R.コーンがVintage Wine Estatesに売却)。それ以来沈黙を保っていましたが、このほど新しいワイナリーを始めたことを発表しました(Bruce Cohn's Second Wine Act)。

コーン氏は売却の経緯も説明。長年借金に苦しんできた同氏が銀行に強制された形での売却であったという苦苦しいストーリーを語っています。

ただ、ブルース・コーン氏には21エーカーの地所は残され、そこには7エーカーの畑もありました。BRコーンで使っていた畑であるカベルネ・ソーヴィニヨンとジンファンデルが植わっています。そのブドウを使ってこのほどTrestle Glen Vineyardsというワイナリーを始めました。生産量はカベルネ・ソーヴィニヨンが1500ケースとジンファンデルが250ケースと、かつてのB.R.コーンの8万ケースと比べるとかなり少なく、消費者への直接販売のみで売るそうです。
Trestle Glen Vineyards
コーン氏の再起を祝したいと思います。
Date: 2018/0625 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オーヴィッド(Ovid)はナパの中でも超一流のワイナリーや畑が少数精鋭で並ぶプリチャード・ヒルにあるワイナリーです。現在この地域にあるワイナリーは20程度。その中にコルギンやブライアント・ファミリー、シャペレー、コンティニュアム、デビッド・アーサーといった超有名ワイナリーがあります。先日「ワイン会でオーパス・ワン2012など」の記事で紹介したメランソンの畑はトアー・ケンワードや、プリド・ウォーカーといったこれも一流のワイナリーにブドウを卸しています。
Ovidのワイン一覧
オーヴィッドはその中で、もしかしたら若干地味な存在に見えるかもしれませんが、ワイン・アドヴォケイトでは最高99点を取っており、実績は十分(下の表参照)。今回は、そこの共同オーナーであるジャック・ビットナー氏が来日したのに合わせたセミナーに参加してきました。

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ちなみに、オーヴィッドには2年前にナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのツアーで訪問しています(ナパ2日め(1)――プリチャードヒルに初めて行く)。このときのオーナーだったパガーノ夫妻はその後、シルバーオークのオーナーであるデビッド・ダンカンにワイナリーを売却。その際に今回来日したジャック・ビットナー氏も共同オーナーになっています。

ジャック・ビットナー氏

セミナーではまずプリチャードヒルの解説から。

プリチャードヒルは地質的には火山系の地質が中心で、鉄分が多く、赤い土壌になっています。表土は極めて薄く、5cmほども掘ると下は岩という厳しいところ。下はオーヴィッドで畑を作っていたときの写真ですが、岩が大きいのでダイナマイトで崩しながら取り除くという大変な作業だったようです。同様の話は近隣にあるコルギンの開発でも聞いたことがあります。この地質のために、ブドウの樹にはかなりのストレスがかかり、いいブドウができると言われています。
畑の造成中

下は私がオーヴィッドの畑で拾った石。その赤さがわかるでしょうか。

Andy Matsubaraさん(@andyma)がシェアした投稿 -


また、オーヴィッドは、ナパ・ヴァレー側から見るとダラ・ヴァッレ(Dalla Valle)の上になるそうです。ダラ・ヴァッレといえば有名なのはカベルネ・フランを多く含んだマヤ(Maya)。そことの共通性があるため、オーヴィッドではカベルネ・フランにかなり力を入れています。実際、私がオーヴィッドに行ったときに試飲のワインとして供されたのもカベルネ・フランを中心とした「ヘクサメーター」でしたし、ワイン・アドヴォケイトで99点を取っているのもヘクサメーターです。

ワインメーカーは生え抜きのオースティン・ピーターソン。有名なアンディ・エリクソンがコンサルタントに入っていましたが、オースティン・ピーターソンの成長により、今年からは完全にアンディ・エリクソンの手は離れたとのことでした。また著名コンサルタントのミシェル・ロランは年に3回、主としてブレンド決めのために訪問するそうです。

ワインの醸造では、コンクリートの発酵槽を使用しているのが特徴です。四角いものが大小合わせて16個、丸いものが4個と、わずか1000ケースのワイナリーにしてはかなりの数を持っています。

ここはすべて天然酵母を使って発酵させています。コンクリートの発酵槽では発酵がゆっくり進み、タンニンが落ち着いてワインに緊張感が出るとのことでした。

樽は14社とかなり多くのものを使っています。通常の225リットルのものだけでなく300リットルや500リットルの樽も使っています。後述しますが、さまざまな実験を行っているのもここの特徴です。新樽率は60~65%。かつては新樽率100%だったこともあるそうですが、現在はこの程度に落ち着いています。

さて、ワインの試飲に移りましょう。試飲は白1種と赤5種。

白は唯一自社畑以外のブドウを使ったワイン。オーヴィッドで作っている唯一の白ワインでもあります。アマドールの南にあるキャラベラス郡からのソーヴィニヨン・ブランとアルバリーニョ、ヴィオニエ、ルーサンヌ。シエラフットヒルズからのグルナッシュ・ブラン、ヴェルメンティーノをブレンドしたというユニークなもの「2016 Experiment W3.6」というワイン名が付いていますが、このようにここのワイナリーではさまざまな実験的ワインを毎年作っておりExperimentというシリーズになっています。同じ手法のExperimentは作らないという徹底さ。このワインの生産量は4樽わずか90ケース(他のExperimentも同様です)。

香り豊か、花の香り、はちみつ、マーマレード。酸は柔らかく、旨味がしっかりあります。かなり面白くおいしいワイン。

次もExperimentで2012年の「V6.2」これはプティ・ヴェルドを中心にしたものでVはプティ・ヴェルドのV。その次の6は6ヴィンテージ目。最後の2は2012年を表しているとのこと。

プティ・ヴェルドというものの実はプティ・ヴェルド自体は20%弱で、70%近くはカベルネ・フラン、残りがカベルネ・ソーヴィニヨンという構成です。プティ・ヴェルドのタニックさはあるものの。それ以上にカベルネ・フランのやわらかな味わいが印象的です。スパイシーさや鉱物的味わいなどがプティ・ヴェルドらしいところでしょうか。面白いワインです。

次もExperimentで「R8.3」。Rはルートストックで3309という台木のブドウを使っています。この台木を使うと受精は低く、小さな実で果実味が強いのが特徴だそうです。品種はカベルネ・ソーヴィニヨンが66.71%。カベルネ・フランが28.86%、プティ・ヴェルドが4.43%。

カシスやブラックベリーの風味。緻密なタンニンときれいな酸があり、ストラクチャーがしっかりしています。非常にレベルの高いワイン。おいしいです。

4つめは最後のExperimentで「P5.5」。Pは500リットルの樽「Puncheon」の名前から。品種構成はカベルネ・ソーヴィニヨンが46.23%。カベルネ・フラン33.99%。メルロー13.87%。プティ・ヴェルド5.91%。

タニック。ブルーベリーの風味。2015年という新しいヴィンテージでもあり、まだこの先どうなるのか判断するのは難しく感じました。

残り2種はレギュラーのワイン。ヘクサメーター2014はカベルネ・フラン51%。カベルネ・ソーヴィニヨン37%。メルロー12%。

香りよく、余韻長く、かろやかさを感じます。力強さもあるのですがそれ以上にエレガントさとピュアな味わいが印象的。個人的にカベルネ・フランが好きというのもありますが、この味わいはカベルネ・フランを使ったワインの中でも間違いなくトップクラスだと思いますし、カベルネ・ソーヴィニヨンと異なる魅力を発揮しているという意味でもすばらしいワインです。

最後はレッド・ワイン2014。カベルネ・ソーヴィニヨン60%。カベルネ・フラン35%。メルロー5%。

緻密でタニック、ストラクチャーがあり、すばらしい余韻。これもカベルネ・ソーヴィニヨン系のワインとしてはトップクラスの一つだと思います。

個人的にはまずお薦めはR8.3。レッドワインと同程度のクオリティながら価格は2万円ほど安くなっています。オーヴィッドの入門としてもいいワインだと思います。

次にはヘクサメーター。フラン好きなら迷わず最初からこれに行ってほしいですし、フラン好きでない人にもぜひ飲んでみてほしいワイン。

最後にレッドワインは王道ですね。文句の出ないワインです。

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Date: 2018/0624 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「マリアージュ~神の雫最終章~」でカリフォルニアのピノ・ノワールが取り上げられた話は前回(神の雫でカリフォルニアのピノ・ノワール登場)書きましたが、この2つはどういうワイナリーなのでしょう。
hdV
HdVの方は、マンガには「DRCの共同経営者であるヴィレーヌ家とソノマ・マウンテンのハイド家のジョイントワイン」と記されています。
HdV
ソノマ・マウンテンというのは後述するようにちょっと誤解がありそうです。ハイド家はカーネロスに有名なハイド・ヴィンヤードという畑を持っています。カーネロスを代表する畑の一つといっていいでしょう。そこではシャルドネとピノ・ノワール、メルローなどを育てています。カーネロスはナパとソノマにまたがっている地域ですが、ハイド・ヴィンヤードはナパ側にあります。

DRCの共同経営者であるオーヴェール・ド・ヴィレーヌ氏がハイド家のオーナーであるラリー・ハイドのいとこと結婚したのをきっかけに2000年に始めたのがHdV(Hyde de Villaine)です。ワイナリーは畑からはちょっと離れており、ナパのオーク・ノールという地域にあります。

ワインは10種類ほど作っていますが、最初に始めたのはシャルドネとシラー、カベルネ・ソーヴィニヨン。シャルドネとシラーはハイドの畑ですが、ここは冷涼でカベルネ・ソーヴィニヨンにはあまり向かないので、カベルネ・ソーヴィニヨンはナパのヨントヴィルにあるヴァイン・ヒル・ランチ(VHR)の畑から購入しています。

おそらく、DRCの共同経営者がピノ・ノワールを造ることにはちょっとはばかりもあったのでしょう。ピノ・ノワールを作り始めたのは2012年からとかなり最近です。そしてハイドのブドウではなく、ソノマ・マウンテンにあるVan der Kamp(ファン・デル・カンプ)という畑のブドウを使っています。このピノ・ノワールのAVAがソノマ・マウンテンなので、ハイド家をソノマ・マウンテンとしてしまったのでしょうが、ここのオーナーはファン・デル・カンプ家でハイド家とは無関係です。ここの畑はソノマ・マウンテンで標高が高く、霧がかからないところにあり、一方で、風で有名なペタルマ・ギャップからほど近く、常に強い風が吹き付けるところでもあります。涼しいけれど日がよく当たるというのは近年のソノマ・コーストあたりの人気の畑に通じるところでもあります。

HdVのピノ・ノワール「イザベル」2014年にはジェームズ・サックリングが97点をつけています。DRCの共同経営者が満を持して作ったピノ・ノワールということで、かなりの人気ワインになっているようです。

一方、ポール・ラトーは「ポーランド生まれの元ソムリエ、ポール・ラトー氏の造る珠玉のピノ・ノワールのひとつで特にこのキュヴェはDRCの『ラ・ターシュ』のクローンを植えたヴィンヤードの葡萄を用いています」と説明されています。
Paul Latoの心

ポール・ラトー氏は、カナダの著名レストランのソムリエとして働いているときに、サンタ・バーバラのオー・ボン・クリマのオーナー、ジム・クレンデネン氏にワイン造りを教わり、2002年に移住してビエン・ナシードの畑とワイナリーで働き始めます。そこでごく少量作ったワイン(ピノ・ノワールとシラー)がロバート・パーカーに認められ、自身のワイナリーを始めました(余談ですが、パーカーのことをいろいろ言う人はいますが、彼のおかげで世に出たワイナリーも少なからずあります。彼のそのあたりの功績は忘れてはならないと思います)。

自社畑は持たず、サンタ・バーバラを中心にさまざまな畑からブドウを買ってワインを作っています。ワインはピュアな果実味とバランスの良さが特徴。カリフォルニアらしい果実の豊かさを感じさせながら、決して下品にならず上品さを感じるワインです。

今回取り上げられた「ランスロット」は、ポール・ラトーのワインとしては例外的にサンタ・バーバラ以外の畑からのもの。モントレーに近いサンタ・ルシア・ハイランズのピゾーニの畑のブドウを使ったピノ・ノワールです。マンガに書かれているように、ピゾーニの畑はラ・ターシュの畑に落ちていた枝を拾って米国に持って帰って植えたものと言われています。ピゾーニの畑のブドウは骨太の味わいで、かなり特異なものがありますが、ポール・ラトーはそれ以外のワインもおしなべて秀逸です。

日本にはilovecalwineが輸入しているほか、シャトー・イガイタカハのワインライフ社が「心」というブレンドもののワインを専用に作ってもらっていました(Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲)。

その後、心シリーズはなくなり、現在はシャトー・イガイタカハの「Tokimeki」と呼ぶシリーズをポール・ラトー氏が作っています。また、ポール・ラトーの「マチネー」というピノ・ノワールは、ミシュラン三つ星レストランとして知られるフレンチ・ランドリーと協力して作ったもので、レストランで使いやすいよう、早い時期から飲みやすい作りになっており、値段もかなり安いです。

Date: 2018/0623 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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モーニングで連載している「マリアージュ〜神の雫最終章〜」でカリフォルニアのピノ・ノワールが登場しています。

話としては、遠峰一青との次の戦いが中華とのマリアージュで、北京ダックに合うワインを探しているというところ。そこへ恋敵?のクリスが米国から持ってきたワイン3本を試すというところ。ただし、試飲はすべてブラインドで、しかも本番で使うワインは飲んでもいけない(香りだけで判断しなければいけない)という縛り。

前の回にはブルゴーニュのピノ・ノワールなどが登場しましたが、ブルゴーニュだと香りが華やかすぎるのと、北京ダックに添えるネギに味が負けてしまうのが弱点でした。

そこで米国のピノ・ノワール3本を試すのですが、最初のワインはブルゴーニュ的なエレガントさを持ち、新世界らしい果実の豊かさと香りの穏やかさがあるワイン。

ただ、女性的でネギの「怒」の部分を受け止めきれていないということになりました。

というわけで本番に使うワインではなく、銘柄も公開。HdVのイザベル2012でした。
HdV

2本目は典型的にアメリカで非常に質の高いワイン。でも普通のアメリカとは違う部分があるような気がする。

これも本番で使うワインではないと試飲。皇帝のくつろぐ姿が浮かんだとの表現。

そして、このワインはポール・ラトーのランスロット2013。普通のアメリカでないと感じたのは、ラ・ターシュのクローンと言われているピゾーニの畑だからでしょう。

Paul Lato

そして3 本目。色はブルゴーニュよりやや濃く、香りは穏やか。心象風景には皇帝の謁見する大広間のイメージ。これだということで、このワインは試飲せずに素性は本番で明かされることになります。

さて、なんでしょうね、このワイン。ヒントは色がやや濃いのと、最後の心象風景くらい。なかなか難問です。

カーネロスのHdV、サンタルシアハイランズのピゾーニの畑と来たら、次はソノマかサンタリタヒルズでしょうか。

ただ、ポール・ラトーはサンタリタヒルズのワインも作っている中でピゾーニが選ばれているし、皇帝的なイメージのワインというのもちょっと思いつかないです。

そうなるとソノマで、ビッグネームだとマーカッサン、ピーター・マイケル、キスラーあたり?

予想の本命としてはピーター・マイケルのクロ・デュ・シエルとしておきます。

ビッグネームを外して考えるならば、リトライのハーシュとか、リヴァースマリーのスーマオールドヴァインかシルバーイーグル。大穴でボアズビュー。ちょっと候補挙げすぎでしょうか?

皆さんの予想も教えてくれたら嬉しいです。


Date: 2018/0622 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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有名なワイン評論家のジャンシス・ロビンソンがワイングラスを作りました。

ワイングラス

コンセプトは「白ワイン用のグラスは小さいって誰が決めたの?」ということ。白ワインだけでなく、スパークリングワインやシェリーなどのプロデューサーも、普通のワインと同じように味わってくれることを期待しているそうで、一つのグラスで赤でも白でもなんでも対応するとのこと。

口と接する部分は極力薄く、しかし食洗機で洗っても大丈夫だそうです。価格は2脚で70英ポンド(約1万円)とやや高めですが、よさそうなグラスです。

水用グラス

こちらは水用のグラスで2脚50 英ポンド(約7000円)。ボウルの部分はワイン用と同じ大きさ、同じ作りになっているので、ステムレス版として、ワインに使うこともできます。リーデルのオーと同じですね。

このほか、古いワイン用のデキャンタと新しいワイン用のデキャンタ、水のカラフェも発売します。

販売は英国のハロッズ。
Richard Blendonというサイトでも売るようです。7月1日発売。
Date: 2018/0621 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴィナス(Vinouss)のアントニオ・ガッローニが2017年のナパの最初のレポートを公開しました。2017 Napa Valley – First Impressions (Jun 2018) | Vinous - Explore All Things Wine

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2017年と言えば誰もが気になるのは、火事とその煙のワインへの影響でしょう。もちろん、煙の影響を受けたワインもあれば、火事による停電の影響を受けたワインもあります。家事までに醗酵の大部分を終了していたワインについてはほとんど影響がなかったと言ってもよさそうです。

また地域でみるとハウエルマウンテンは比較的風上になることが多く、あまり煙の影響を受けなかったようです。例えばブランキエ(Blabkiet)のパラダイスヒル・ヴィンヤードは(AVAはヨントヴィル)火事の後の収穫でしたが、特に問題はなかったようです。

一方、スクリーミング・イーグルは火事の後の、畑でブドウを味見して諦めたとのこと。2017年はメルロー、ベースの「The Flight」だけを造ることになりました。

また、煙のワインの熟成における影響はまだほとんどわかっていないため、今回のワインを売らないワイナリーもボトルに入れて、今後どうなっていくか見て行くところが多いようです。

今後、秋の山火事は増える可能性が高いため、今回のことが知見につながることを皆期待しているようです。
Date: 2018/0620 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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このところ、昨年の火事に関連した記事が続いていましたが、またその一つです。ナパの老舗ワイナリーのシニョレッロは昨年10月の火事でワイナリーの建物を焼失しました。テイスティングルームもそこにあったのですが、一時的なテイスティングルームをこのほどオープンしました(Napas Signorello Estate Opens Temporary Tasting Room On Property)。

参考:ナパ、ソノマの山火事続報、ワイナリー3軒が焼失など

このテイスティングルームは新しいワイナリーやテイスティングルームができる3年後まで使うそうです。

下の写真は火事で焼ける前のワイナリーです。
Signorello Estate Winery, Napa Valley, California, USA
Date: 2018/0619 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Knez Pinot Noir Anderson Valley
ケイネズ(Knez)はアンダーソン・ヴァレーのワイナリー。リトライもブドウを購入しているセリーズなどの畑を持っています。このワインはAVAものといってもセリーズと、もう一つの自社畑デムスのブドウをブレンド。単一畑に負けないレベルのワインです。

ワインメーカーはアントヒルのアンソニー・フィリベルティ。

リトライやアルノー・ロバーツに通じるようなピュアな味わい。ストロベリーやラズベリーの風味。濃くはないけど、緻密な味わい。果実味で押してくるのではなく、紅茶や腐葉土のような香りが印象的。一見、カリフォルニアてはないのではと思ってしまうようなピノ・ノワールでした。このレベルで5000円切るのは、かなりお買い得なワインだと思います。少し熟成させても面白そう。


Date: 2018/0618 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨日は2017年の火災で失われてしまった畑のシラーを紹介しましたが、今日は逆に火災をきっかけに生まれたワインです。

セキュリティ・ツールで知られるトレンドマイクロのエバ・チェンCEOがナパで邸宅「メドウブルック・ファーム」を購入。そこに付属するブドウ畑のブドウは有名ワイナリーに売却していました。しかし、昨年火事の後、ブドウの引き取り手が見つかるかどうかわからず、著名なワインメーカー/コンサルタントであるスティーブ・マサイアソンに依頼して作ってもらったのがこのロゼ。ワイナリー名が「カンパイ・ワインズ」、ワイン名が「ヒノトリ」というのは日本生活が長いエバ・チェンの意向でしょうか(エバ・チェンは台湾の人ですが、トレンドマイクロの本社は1990年代に東京に移っています)。

これがうまくいけば、サイバーセキュリティだけでなく、リアルのセキュリティも上々ということになりますね。なお、このワインの売上の8割はチャリティに回されるそうです。

Date: 2018/0617 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえさんのサイトを見ていたら、いろいろと面白いワインが入荷していたのでご紹介します。

まずはドネラン(Donelan)のシラー「オブシディアン・ヴィンヤード(Obsidian)」2013。先日、ソノマのセミナーが開かれたとき、僕がぶっ飛んだワイン(そのときのヴィンテージは2014)です(参考「ソノマの多様性をAVAから解き明かすセミナー」)。ワイン・アドヴォケイトの点数では、私の試飲した2014年が95点なのに対し、2013はなんと99点。この畑の最高点です。そのとき聞いた範囲ではオブシディアンは日本には入荷しないのではということでしたが、入ってきていました。

そして、セミナーの記事でも書きましたが、この畑は昨年10月の火事で焼けてしまいました。先日の話では「植え替えることになるだろう」とのことでしたが、まだどうなるかははっきりしていないようです。仮に植え替えたとしても、今のクオリティに達するまでは最低10年近くはかかるでしょう。それからワインを作って…と考えると、もう出会えないワインになってしまう可能性も少なからずありそうです。

私の試飲した2014年も類稀なほど筋肉質のワインで、果実味の芳醇なイメージの強いカリフォルニアのシラーの中では他と一線を画しています。ロバート・パーカーの2013年のレビューではさらに「マジカル」とか「フィニッシュに50秒」といった賛辞が並んでいます。


次に紹介するのは、なんとあのレイミー(Ramey)が造るロキオリ(Rochioli)のシャルドネです。ソノマのロシアン・リバー・ヴァレーを有名にしたのが1990年代ロキオリとウィリアムズ・セリエムのコンビでしたが、ロキオリがブドウを売る相手は極めて限られており、あとはゲイリー・ファレルと、アリシアン(ゲイリー・ファレルがゲイリー・ファレルの後、作ったワイナリー、現在は引退)くらいです。シャルドネの名手であるレイミーが、ロキオリからどんなワインを造ったのでしょう。既にワイン・エンスージアストでは97点が付いているそうです。


最後はヴァイン・クリフのカベルネ・ソーヴィニヨン2011。ナパ・ヴァレーものですが、この年はAVAもののオークヴィルが作られなかったので、オークヴィルのブドウもここに含まれているとのこと。スポットでなんと半額で入荷しています。5000円台前半ということは、例のナパ・ハイランズと比べても1000円も変わらず、とても魅力的な値段になっています。

Date: 2018/0616 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのピノ・ノワール・プロデューサーとして絶大な人気を誇るコスタ・ブラウン(Kosta Browne)がついにテイスティング・ルームを開きました(Pinot Noir Icon Kosta Browne Winery Launches a Tasting Experience (So You Can Get Around That Notoriously Long Waitlist) | Food & Wine)。場所は以前から醸造設備を置いているセバストポールの「ザ・バーロー(Barlow)」。この春にオープンし、8月からは「ギャラリー・テイスティング」というメニューを加えるとのこと。
Kosta Browne
コスタ・ブラウンは3万人のメーリング・リスト・メンバーを抱える人気ワイナリー。特にフラッグシップの4バレルは「12年待ち」だといいます。

バーローでのワイナリー見学と試飲は無料。「ギャラリー・テイスティング」はメーリング・リスト・メンバーは75ドル。新規加入者の場合は125ドル。

ギャラリー・テイスティングは別室でバック・ヴィンテージの試飲に加え、「オブザベーション・シリーズ」という、今後単一畑として出すことを考えているというワインを試飲できるとのこと。このシリーズはここでしか購入できません。

コスタ・ブラウンの現在のワインメーカーはニコ・クエバ(Nico Cueva)という人。以前よりは少し軽いスタイルになっているようですが「エレガント・インテンシティ」というマイケル・ブラウンが打ち出した方策からははずれていないとのこと。

出資者の変更が相次ぐワイナリーではありますが、依然として高い人気を保っているようです。
Date: 2018/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Cellar KATSUDAにて6月15日いっぱいのタイムセールです。2008年の4万円台はかなり安く、パーカー100点の2013年の8万円台は激安といってもいいです。何よりもこれだけジャッジがそろっているだけでも相当すごいです。








福袋はタイムセールではありませんが通常より32%オフ。だれかください(笑)。
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これはジャッジじゃないほうのシャルドネだけどこの3本で5万円台は相当お買い得です。
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Date: 2018/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで「メジャーC」と呼ばれる法案への投票が先日行われました。斜面におけるオークの伐採をほぼ禁止する案で、可決されると今後の斜面におけるブドウ畑の開発はほぼ不可能になるというもの。ナパを賛否真っ二つに分けて、その結果が注視されていましたが、現在の開票状況ではほぼ否決になることが判明しました(Napa County Measure C unlikely to pass, according to preliminary ...)。
Sacred Hills - Edward Medard Park (8)

この法案は斜面におけるオークの木の伐採が、水の保持に悪影響を与えるとして禁止するというもの。これに対して、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどの反対派は、科学的根拠が示されていないなどとして反論。反対派、賛成派、文字通り真っ二つにわかれました。 

投票の結果が注視されていましたが、現在のところ、賛成派が49.08%の得票率、反対派は50.92%の得票率と、わずか2ポイント以下の差ではありますが、反対票が上回っており、逆転は難しい状況となりました。

これが良かったのか悪かったのか私には判断しかねますが、結果が出たことでナパが落ち着きを取り戻すことを期待したいと思います。
Date: 2018/0614 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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wine cellar
皆さん、ワインをどうやって置いていますか? ワインセラーをお持ちの人であれば、ボトルを横に寝かせて並べて保存するのが普通だろうと思います。しかし、研究によるとボトルを寝かせて保存することには何の意味もなく、むしろ有害なことがわかっています(Storing wine on its side is nonsense, says scientist)。

一般にボトルを横向きにすることによって、コルクが湿った状態になり、乾燥して空気が入り込むことを防ぐと考えられています。しかし、実際には縦に置いても、ボトルの「ヘッドスペース」(液面とコルクとの間の空間)の湿度はほとんど100%で、コルクが乾燥する心配は不要だとのこと。同様に、ワインセラー内の湿度を上げることも全く不要です。

逆に横向きに保存してコルクがずっと濡れている場合、コルクが劣化してしまう可能性が出てくるため、横向きの保存はむしろ有害だとのこと。

こういったことは2005年にはすでに研究で結果が出ているのですが、なかなか一般には知識が広がりません。

また、ワインの熟成に関しては、コルクかスクリューキャップかといった栓の種類よりも保存する温度が重要だとのこと。温度が低いほど熟成はゆっくりになります。
Date: 2018/0613 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ウメムラに、ワイン・アドヴォケイトで100点をつけた2002年のインシグニア(Insignia)が入荷しています。税込み6万4800円と、さすがの高価格ですが、ハーランなどと比べたらまだ安いし、品質的には最高なのは間違いないと思います。

20年くらい前には「玄人のオーパス・ワン」なんて異名もありましたが、実力の割に知名度が低いのは今も続いているのかもしれませんね。カリフォルニアワインファンなら知っているけどそうでない人は知らないというか…。

で、100点にこだわらないならおすすめは98年。エルニーニョで雨が多く、リリースされた2000年代初頭には評判の悪かったヴィンテージですが、近年では、評判のよかった97年よりも熟成すると美味しいと評する人もかなり増えています。当初の価格が安かったので、今でも比較的安く買えるのがメリット。これなら2万円台前半。

ちなみにワイン・アドヴォケイトにおけるインシグニア98の評価は92点でした(2013年に再評価した点数)。エレガント系のワインが好きな方には高得点のヴィンテージよりも好まれるかもしれません。

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ちなみに、現行の2014年は97点とかなり高い評価なのですが、実はこれも2万円台。先日の「リッジ」と並んでかなりお買い得なワインの一つです。

Date: 2018/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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著名なワイン・コレクターであり「ジェファーソン・ボトル」の発見者として、そして後にはその偽造疑惑の中心人物として有名になったハーディ・ローデンストック氏が亡くなりました。76歳でした(Infamous Fine-Wine Merchant Hardy Rodenstock, Alleged Counterfeiter, Dies at 76 | Mixed Case: Opinion and Advice | Blogs | Wine Spectator)。

ジェファーソン・ボトルについては「読書感想:世界一高いワイン「ジェファーソン・ボトル」の酔えない事情―真贋をめぐる大騒動」という記事で書籍のレビューを書いているので、そちらをご覧になっていただくのがいいと思いますが、簡単にまとめておきましょう。

米国第3代大統領のトーマス・ジェファーソンが持っていたワインだとして、ローデンストック氏がオークション市場に出品し、約3000万円という価格を付け大いに話題になりました。

その後、ローデンストック氏は次々と「ジェファーソン・ボトル」を出品し、「偽造ではないか」と疑義が出されました。これは裁判になり、ローデンストック氏は敗訴していますが、本人は証拠がないとして罰金を拒否、結局最後まで罰金を払うことなく「疑惑の人」のまま生涯を終えました。

偽造ワインでは後に「ルディ・クルニアワン」という桁違いの事件が起こるわけですが、それまで代表的な偽造事件といえばジェファーソン・ボトルだったと言っていいでしょう。

参考:3分でわかるルディ・クルニアワン「ワイン偽造」事件



Date: 2018/0611 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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インポーター「モカルト ワイン」の榊原さんにお誘いを受け、ワイン会に出席しました。モカルトのワインはもちろん、オーパス・ワンも久しぶりに飲むことができ、大変充実した内容でした。
オーパス・ワン2012

お店は乃木坂の「レソール 乃木坂」。比較的新しいレストランですがすでにかなりの人気のようです。
メニュー

最初は泡で「バロン・ド・ロートシルト」のブリュット。クリスプですが、みつのようなとろっとした感じもあり、いいスターターでした。
トマトのスープ
エビの揚げたもの
アミューズ・ブーシュのトマトのスープとエビの揚げたもの。

ダイアトム「波紋」2010
私が持っていったのはダイアトムの「波紋」2010。神の雫にも取り上げられたワインです。今は漢字ラベルのワインはシャトー・イガイタカハから出ていますが、シャトー・イガイタカハに移管する前のダイアトムのワインです。樽を使わない作りですが、まだ酸がきれいに残っており、オレンジやパイナップルなどのトロピカルフルーツの風味も豊か。上品で美味しかったです。

キンメダイ
キンメダイはシャルドネに合わせて白ワインベースのソースにしていただいたのに、出てきたときにはほとんど白が残っていなかったのがちょっと残念でした。

セントヘレナ(右)とメランソン(左)
ワインはモカルトのワイン2種とオーパス・ワンの飲み比べです。とっても贅沢。
モカルトのワインはどちらも名前はあまり知られていませんが、著名ワイナリーにブドウを卸している優良生産者です。セントヘレナは名前の通りセントヘレナに、メランソンはプリチャード・ヒルにあります。セントヘレナはベリンジャーの近くに位置しており、メランソンはプリチャード・ヒルの中央あたり。コルギンのIXエステートと谷を挟んで向かい合うところにあります。メランソンのブドウ提供先はトーマス・リヴァース・ブラウンが造るプリド・ウォーカーや、トアー・ケンワードなど超一流ばかりです。

オーパス・ワンはカシスやブラック・ベリーの風味。オーパス・ワンらしいエキゾチックな風味も感じます。スパイスやグラファイト、トリュフのような香りも。非常にいいワインで、果実味に頼らない味わいは長期熟成にも向くと思います。

セント・ヘレナは直球ストレート。まさにカベルネ・ソーヴィニヨンの美味しさを集めたようなワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン100%で作られているシェーファーのヒルサイド・セレクトにかなり似ています。まろやかなタンニンでナパらしいワインですが、酸もきれいなためバランスがよくなっています。

メランソンは、いわゆる山カベに近い味わい。ブラックベリーやブルーベリーなどの果実味もありますが、鉱物的な風味もかなりあります。これも熟成したら面白そうなワイン。

カベルネ系といっても3者3様でとても楽しめました。モカルトの輸入するワインは、これまで試飲会で何回か試飲したことはあり、いいワインであることはわかっていましたが、やっぱりこうやってじっくり向かい合って飲むと、慌ただしい試飲会ではなかなか見えにくいところもわかり、より自信を持っておすすめできるようになりました。

で、ワインに気を取られてメインディッシュの写真を撮っていないという…
Date: 2018/0610 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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5月25日に開催されたソノマカウンティ・ヴィントナーズのグランドテイスティングから美味しかったワイン、印象に残ったワインを紹介します。

まず、いきなりですがコスパ大賞は「ブエナ・ビスタ」。シャルドネもピノ・ノワールもジンファンデルも2000円台としては十分すぎるクオリティ。
ブエナ・ビスタ シャルドネ ピノ・ノワール ジンファンデル
前日のランチョンでもいただいた「ザ・カウント」。レッド・ブレンドの中でも秀逸だと思いますし、それがこの価格はちょっとびっくり。創設者のアゴストン・ ハラツィーを全面的にあしらったラベルも重厚感があります。
ブエナ・ビスタ ザ・カウント


レイミー シャルドネ・ソノマコースト
レイミーのシャルドネはソノマ・コーストとロシアン・リバー・ヴァレーが出ていましたが、意外にもソノマ・コーストがリッチでトロピカルな風味。さすがに酸もきれいでレベルの高いシャルドネです。

デローチ エステート ピノ・ノワール
ボトルがユニークなデローチ(デローシュ)のエステート・ピノ・ノワール。うまみがあって美味しいピノ・ノワールです。

Alysian Pinot Noir 2012
アリシアンのロキオリ ピノ・ノワール 2012。ゲイリー・ファレル時代最後のピノ・ノワール。しかもロキオリ。美味しくないはずがありません。

スリー・スティックス ギャップス・クラウン ピノ・ノワール
スリー・スティックスのピノ・ノワールはバランスよく、うまみもあります。今後にさらに期待したいワイナリーです。
フリーマン ピノ・ノワール「グロリア」2015
フリーマンのピノ・ノワールは、日本未輸入の新しい自社畑もの「Yu-ki」を含む数種類が出ていましたが、個人的にはピュアな味わいの「グロリア」がベスト。「Yu-ki」はまだ樹が若いかなあという気がしました。

ドネラン トゥー・ブラザーズ ピノ・ノワール
前日にオブシディアンのシラーで圧倒されたドネランですが、この日はオブシディアンの出展はなし(日本未輸入)。しかし、このピノ・ノワールもおいしい。

セゲシオ コルティナ
ソノマの試飲会なのに、意外とジンファンデルが少なかったのはちょっと残念でした。秀逸なジンファンデルはたくさんあるのにね。セゲシオは5種類ほど出ていましたが、複雑さのあるこれが個人的にはベスト。

コービン・キャメロン ソーヴィニヨン・ブラン
コービン・キャメロン カベルネ・ソーヴィニヨン
コービン・キャメロンのソーヴィニヨン・ブランは前日のセミナーで試飲しましたが、カベルネ・ソーヴィニヨンもよかったです。日本の輸入元を探しているとのこと。

シュグ シャルドネシュグ ピノ・ノワール
シュグは前日のセミナーでカベルネ・ソーヴィニヨンを試飲しましたが、シャルドネやピノ・ノワールも秀逸です。

アナコタ
ケンダル・ジャクソン系のアナコタは長熟タイプのカベルネ・ソーヴィニヨン。2012年のナイツ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンはまだまだタニックですが、将来に期待が持てるカベルネ・ソーヴィニヨンです。
デュモル カベルネ・ソーヴィニヨン
デュモル RRV ピノ・ノワール
デュモルのピノ・ノワールは前日の単一畑ものではなくAVAもののロシアン・リバー・ヴァレーでしたが、これも美味しいです。カベルネ・ソーヴィニヨンもよかったです。
Date: 2018/0609 Category: 業界ニュース
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カリフォルニア・ワイン・インスティテュートの代表を長らく務められた堀賢一さんが退任され、新しい代表に扇谷まどかさんが就任することが発表されました。また、新しい業務委託先として「日本アド」が決まりました。

扇谷まどかさんはシャンパーニュのインポーターThe Openerなどを経営しており、WSETのディプロマ資格を持っている人。

日本アドは1969年設立のクリエイティブエージェンシーであり、これまで、食品、ベビー用品、輸入自動車、輸入バイク、外国大使館、各種団体など数多くのクライアントをサポートした経験があるそうです。

どちらもカリフォルニアワインにおける経験は未知数ですが、今後に期待したいと思います。

また、今後カリフォルニア・ワイン・インスティテュートはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどとの相互協力も推進していくそうです。

写真はThe Openerのページから。
扇谷まどか
Date: 2018/0608 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマの多様性をAVAから解き明かすセミナー」のあとはランチョンでした。料理はホテルニューオータニの和食です。6つの料理に合わせて提供されたワインは合計で17杯! さすがに少しずつしか飲んでいませんが、料理がおいしくワインも自然に進んでしまうので危険です(笑)。
ずらっと並んだワイン

menu

ワインの一覧を挙げておきましょう。
2017 Ferrari-Carano Fume Blanc, Sonoma County
2016 Eco Terreno Sauvignon Blanc, Alexander Valley
2015 Hartford Court, Fog Dance Chardonnay, Green Valley
2015 Chalk Hill Estate Chardonnay, Chalk Hill
2015 Jordan Chardonnay, Russian River Valley
2014 DuMOL Pinot Noir "Conner"
2016 Three Sticks Gap's Crown Pinot Noir, Petalma Gap
2014 MacMurray Estate Pinot Noir Russian River Valley
2014 Ramey Wine Cellar Syrah, Sonoma Coast
2013 Keller Estate Rotie, Petalma Gap
2015 Rodney Strong Vineyard Knotty Vines Zinfandel, Northern Sonoma
2015 Seghesio Family Vineyards Cortina Zinfandel Dry Creek Valley
2015 Buena Vista Winery "The Count" Red Blend, Sonoma Valley
2013 Silver Oak Cabernet Sauvignon, Alexander Valley
2008 Silver Oak Cabernet Sauvignon, Alexander Valley

フェラーリ・カラーノのフュメ・ブランは、最近では珍しいリッチ系のソーヴィニヨン・ブラン。何か昔から好きなんですよねえ。懐かしい味でした。
シャルドネ3種もどちらかというとリッチ系の味わいでしたが、中でもミネラルを感じたチョークヒルはさすがの美味しさ。これも昔から高級シャルドネの定番的存在です。
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ピノ・ノワールではスリー・スティックスのバランスの良さもさすがなのですが、デュモルの「Conner」が圧巻。むちゃくちゃ美味しいです。あえてこのランチの一番を付けるならこのワイン。ところで、DuMolって子供の名前のDuncanとMollyをつなげたものだって知ってました? 僕は初めて知ってちょっと目から鱗が落ちたかも。
ピノに負けないくらい、魅力を放っていたのがシラーの2本。レイミーもケラーもすごく美味しい。どちらもどちらかというと抑制の効いたタイプです。カリフォルニアらしい陽性のシラーも美味しいですが、和食にはこういうタイプの方が合いそうです。
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ジンファンデルもそれぞれおいしかったのですが、ブエナ・ビスタの「カウント」はあとから3000円台という価格を知ってちょっとびっくり。これはコスパ高いです。
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最後のシルバーオークは安定の味わい。
ともかく、どのワインもおいしい。ソノマやっぱりいいですね。

最後に料理写真も。撮ってないのがあるのはちょっと酔ってたのかな。
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Date: 2018/0607 Category: おすすめワイン
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リヴァース・マリー(Rivers Marie)のシャルドネ2種が国内に入荷しています。一つは「ティエリオット」でリトライ(Littorai)で有名な畑。リヴァース・マリーのティエリオット2013は、ワイン・アドヴォケイトで98点を付けています。

もうひとつはなんとサンタ・クルーズ・マウンテンズのリース(Rhys)が唯一アンダーソン・ヴァレーに持つ自社畑「ベアワロー」。まさかベアワローのワインがリース以外から出てくるとはびっくりです。

それにしても、これだけすごい畑からブドウの供給を受けられるというのは、さすがトーマス・リヴァース・ブラウンです。きっと提供する側も、彼ならそのブドウからどういうポテンシャルを引き出してくれるのか知りたいのでしょうね。しかも、リトライの単一畑なら1万円超え、リースの単一畑なら2万円超えるのが、リヴァース・マリーはどちらも1万円切り。

これまでも何回か紹介していますが、ここのワインに関しては「なんでこんな値段で出していいの?」と思うことがしばしばあります。全力でお薦めします。

参考:
トーマス・リヴァース・ブラウンの凄さの一端に触れ、まさに「天才」だと思った話(前編)
パーカー97点で1万円台、天才トーマス・リヴァース・ブラウンのカベルネ
現地価格より安いリヴァース・マリー単一畑とドミナスのセカンド


Date: 2018/0606 Category: 業界ニュース
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ナパの初夏を彩る「オークション・ナパ・ヴァレー」が開催されました。今年で38回目(Abundant Generosity and Unexpected Moments Delight Guests at 38th Auction Napa Valley)。落札総額は1360万ドルと近年の中では低調でしたが(2015年1580万ドル=史上3位、2016年1430万ドル、2017年1570万ドル)、バレル・オークションでは過去最高を記録しました。
4姉妹
今年のホスピタリティ・チェアは故ピーター・モンダヴィの孫の4姉妹(昨年はフランシス・フォード・コッポラ監督)。壇上でセルフィーを撮るなど、これまでにない新風を巻き起こしたようです。

メイン・イベントであるライブ・オークションでは、オーパス・ワン6リットルやベルサイユへの旅行などを含むロットが2人落札で計140万ドルと最高を記録しました。


ビッダー
オークション・ナパ・ヴァレーはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが主催。売上はすべて、子供の教育などのチャリティに使われます。
Date: 2018/0605 Category: 業界ニュース
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ソノマ・ヴィントナーズが主催する試飲会が5月に初めて開催され、その前日、セミナーとランチに参加しました。セミナーでは、18あるソノマのAVAの中から6つのAVAを取り上げ、そこのワイナリーのワインを試飲しました。

まずは基本的なところをおさらいしましょう。

ソノマの魅力は多様性――ソノマ・カウンティ・ヴィントナーズ ミニインタビュー」でも書いたように、ソノマが隣のナパと比べて勝っているところの第一は多様性です。

ソノマは東西68km、南北84kmというかなりの広さ。ぶどう畑はこの中で約6%を占めています。ちなみにぶどう畑だらけに見えるナパでも、総面積に対しては9%程度。選ばれたところにだけぶどう畑があると言えばいいのでしょうか。作られているブドウの種類は66もあります。

ソノマに入植者がやってきたのは19世紀初頭のこと。19世紀半ばには米国で最古となるワイナリー、ブエナ・ビスタ(Buena Vista)などが生まれました。

セミナーで試飲したのは以下のワイン。
セミナーで試飲したワイン
コービン・キャメロン(Korbin Kameron)ソーヴィニヨン・ブラン2017(ムーン・マウンテン)
フリーマン(Freeman)シャルドネ「涼風」2016(グリーン・ヴァレー)
アーネスト(Earnest)ピノ・ノワール グランド・ヴェント・ヴィンヤード2015(ペタルマ・ギャップ)
アリシアン(Alysian)レッド・ブレンド エステート・グリスト・ヴィンヤード2014(ドライ・クリーク・ヴァレー)
シュグ(Schug)カベルネ・ソーヴィニヨン2014(ソノマ・ヴァレー)
ドネラン(Donelan)シラー オブシディアン・ヴィンヤード2014(ナイツ・ヴァレー)
AVAマップ
順番に見ていきましょう。AVAの特徴やワインの試飲コメントを載せていきます。

ムーン・マウンテンは2013年に策定された新しいAVAです。ソノマとナパを隔てるマヤカマス山脈の西側の斜面でソノマの街の北側にあたります。標高が高いところにあるのが特徴で、海からの霧がかからず、比較的温暖です。そのためボルドー品種やジンファンデルなどが作られています。

コービン・キャメロンのソーヴィニヨン・ブランは青りんごの風味にはちみつ。グレープフルーツやレモンといった柑橘系の味わい。非常に香り高く、太陽をよく浴びたブドウで作られた感じがします。

次は、グリーン・ヴァレー。ロシアン・リバー・ヴァレーのサブAVAであり、ロシアン・リバー・ヴァレーの中でも太平洋に近く、涼しいところになります。

フリーマンのシャルドネ「涼風」は、グリーン・ヴァレーに吹く太平洋からの涼しい風をイメージして付けたワイン。上品なバニラの香りにオレンジ、レモンの風味。フルボディのシャルドネですが、酸の豊かさが上院さを演出しています。

ペタルマ・ギャップは2017年に策定された、ソノマでは最も新しいAVA。トランプ政権が誕生してから初めて認められたAVAにでもあります。ここの特徴は風。太平洋から、南のサンパブロベイまで、谷間を風が吹き抜けます。4000エーカーの土地の中で現在のワイナリーは9個。これからが期待されるAVAの一つです。

アーネストの畑「グランド・ヴェント」はフランス語(フランス語読みすればグランヴァン)で大きな風のこと。涼しい風と称したフリーマンと比べて荒々しい気候が想像できます。午後4時には下の写真のように霧に覆われてしまいます。
午後4時の写真
ワインは酸の強さが第一印象。きれいだけど張りのある酸にラズベリーなどの赤系の果実、ホワイトペッパーなどのスパイスの風味を感じます。ジャムのような煮詰めた感じもあるのですが、酸が豊かなので甘ったれた感じはありません。これはかなり気に入りました。

次のドライ・クリーク・ヴァレーは1983年に策定された古いAVA。ロシアン・リバー・ヴァレーの上流になり、海から離れる分、温暖になります。樹齢の高いジンファンデルの畑なども特徴の一つです。

アリシアン(Alysian)はロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールのパイオニアとして知られるゲイリー・ファレルが自身の名前のついたワイナリーを売却後に作ったワイナリー。ピノ・ノワールが中心ですが、2013年にゲイリー・ファレルが引退し、それ以外のワインにも力を入れるようになりました。

今回のレッドブレンドはジンファンデル50%、シラー40%、プティ・シラー10%という構成。2014年に作り始めたワインです。プラムやジャムっぽい味わいに、温暖な気候が感じられます。シラー由来と思われるブラック・ペッパーのニュアンスもあります。

次はソノマ・ヴァレー。シュグの創設者ウォルター・シュグはジョセフ・フェルプスでインシグニアを最初に作った人。その後、ソノマ・ヴァレーの入り口にシュグ・ワイナリーを設立。昨年惜しまれつつもなくなりました。

カベルネ・ソーヴィニヨンは非常に抑制された味わい。美味しいです。ここはソノマ・ヴァレーの特徴というよりシュグのワイン造りを堪能する感じでした。

最後はナイツ・ヴァレー。有名なワイナリーで言えばピーター・マイケルがここにあります。ナパのベリンジャーが作るナイツ・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンも非常にコスパ高く人気のワインです。場所はナパのカリストガの北。地勢的に見ても、ナパの延長線上で考えた方がわかりやすいところだと思います。ボルドー品種が有名ですが、セントヘレナ山があり、標高が高いところもあるため、もう少し冷涼地向けのブドウも作られています。代表的なものにはピーター・マイケルのシャルドネがあります。

ドネランはシラーで有名なワイナリー。ソノマのシラーとして初めて「パーカー100点」を取ったワイナリーです。今回のオブシディアン・ヴィンヤードでも最高99点を取っています。

といった情報は後から調べたもので、セミナーでは先入観なく試飲したのですが、これはビックリ。ものすごくタニックでがちがちのワインなのですが、味わいの奥行きが半端ない。ナイツ・ヴァレーのシラーも初めてだと思いますが、すごいポテンシャルがあると思います。

ただ、一つとても残念な話があります。この、オブシディアン・ヴィンヤード、昨年10月の火事で灰燼に帰してしまったのです。普通はぶどう畑は防火帯として働くのですが、収穫後、水分もなくカラカラの状態になっていたそうで、数少ない、畑自体が燃えてしまった例になってしまいました。今後植え替えをするのだそうですが、すぐに同じクオリティのブドウができるわけではなく、少なくとも数年間はここのワインは作られないでしょう。

閑話休題。セミナーの翌日、布袋ワインズオーナーのビル・キャンベルさんと少し話をしたのですが、ソノマの焼け野原になったところ、今は青々と草が生えてとてもきれいだそうです。滅多に見られない景色なので、ソノマ方面に行かれる方は、その辺りもぜひ回ってみてください。

6つのAVAからの6つのワイン。どれもレベル高く、ソノマらしさも発揮していました。ソノマの多様性という題目は十分に出ていたと思います。

セミナーの演者
Date: 2018/0602 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトの最新中間号ではリッジ以外のサンタクルーズマウンテンズのレビューも掲載されました。196 種というのはワイン・アドヴォケイトのサンタクルーズマウンテンズのレビューでは過去最多だそうです。

新レビュアーのウイリアム・ケリーがこの地域の可能性に期待してとのことですが、結果的には新発見よりも、これまでの高評価ワイナリーを確認するような感じだったとか。もっとプロのワイナリーツアーが増えてほしいとのこと。

そのなかで、高評価だったのはリース(Rhys)、マウント・エデン(イーデン)、ヴァーナー。特にリースは97 点などのワイン続出でした。

残念ながらこれが最後のヴィンテージとなるヴァーナーではアッパーピクニックブロックのピノが95点。有終の美を飾りました。



Date: 2018/0601 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・アドヴォケイトの5月末中間号が発表され、カリフォルニアではパソ・ロブレスのワインやサンタ・クルーズ・マウンテンズのワインのほかリッジ(Ridge)のモンテベッロ(Monte Bello、モンテベロ)の垂直試飲などの記事が掲載されました。

リッジのモンテベッロでは2013年と1992年、1974年の3つのワインで100点が付きました。同誌でモンテベッロに満点がつくのは初めてのこと。なお、今回からレビュアーがウイリアム・ケリーに代わっており、彼の好みが顕著に出たもののように思われます。

なお、モンテベッロ2013はこれに先立ち、英国のデカンター誌でも100点。米英最大の雑誌でともに100点という栄誉を得ました。ドミナスの2013が同じく両方で100点を付けていますが、相当稀なことであるのは確かだと思います。ちなみに前任者のジェブ・ダナックはこのワインに97点を付けていました。

ただし、一つだけ注意があります。ジェブ・ダナックもウイリアム・ケリーも飲み頃は2023年以降としていること。最低5年間はセラーに寝かせる覚悟が要ります。

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Date: 2018/0531 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのセントヘレナにある人気レストラン「テラ」(Terra)が30周年を目前にして、6月2日で閉店することが判明しました(Wine Country institution Terra to close after 30 years in St. Helena - SFGate)。

テラは、日本人のシェフ曽根さんが作ったレストラン。長い間、ナパを牽引してきたレストランの一つ。日本料理にも大きな影響を受けた地中海料理を提供していました。

閉店の理由は人手不足。家賃の高騰で外から働き手が来なくなったそうです。昨年秋の火事の後は、焼け出された人の救済が最優先となり、さらに住むところを見つけるのが難しくなったとのこと。

曽根シェフの今後は決まっていませんが、まだ引退はしないそうです。少ないスタッフで切り盛りできる小さなビストロでもやろうかという話もあるとかないとか。

閉店は残念ですが、今後また新たな活躍を期待したいです。昔行ったのが懐かしい…
Date: 2018/0530 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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メルヴィルの最高峰シラー「ドナズ」とピノ・ノワール「サンディーズ」が国内入荷しています。どちらも「スモール・ロット・コレクション」という少量生産の最高レベルのワインで、サンディーズが3ヴィンテージぶり、ドナズは約10年ぶりの日本市場入荷だそうです。

しかも、米国の販売価格とさほど変わらない7000円台での販売。

ドナズは創設者ロン・メルヴィルの娘の名前から、サンディーズは妹の名前から取ったブロックの名称。ドナズはワイン・アドヴォケイトで2012年が99点など、輝かしい記録を持つワイン。今回の2015は同誌ではレビューされていませんが、レビュアーだったジェブ・ダナックは93点をつけています。

またサンディーズは2012 、2013 、2014年のレイティングが96、96、95という高得点を取っています。今回の2015年はレビューされていません。

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メルヴィル ”ドナズ” シラー サンタリタヒルズ
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Date: 2018/0529 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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毎年恒例のオークション・ナパ・ヴァレーが今週末に開催されますが、それに先立ち、ネットで入札可能なオンラインのオークションが始まっています(The E-Bidder Experience)。

オンラインのオークションは2種類あり、一つはオンライン専用に出品された商品に入札する「E-オークション」、もう一つは現地の入札と併せて行われる「バレル・オークション」。

「E-オークション」の方は、食事やツアーなどワイン以外のものも含むのが普通。一方、バレル・オークションの方は入札上位者10名が、1ケース(12本)のワインを購入できるというもの。

奮ってご参加ください。
Date: 2018/0528 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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アルノー・ロバーツは「ニュー・カリフォルニア」と呼ばれるワイナリーの1つ。アルコール度数を下げ、繊細な味わいのワインを作っています。今回、ワイナリー創設者の一人であるネイサン・ロバーツ氏が来日、その試飲会に参加してきました。

ネイサン・ロバーツ氏

ダンカン・アルノー・マイヤーズ氏とネイサン・ロバーツ氏は幼馴染。ネイサン・ロバーツはロバート・モンダヴィの奥さんだったマルグリット・モンダヴィの孫で、父親は樽職人。アルノー・ロバーツの樽は本人が作っています。またラベル・デザインはマルグリット・モンダヴィによるものだそうです。

2002年にワイナリーを始め、今では生産量が7000ケース。作っているブドウの種類が10種類、畑が23カ所と少量多品種でワインを作っています。

アルノー・ロバーツは「ニュー・カリフォルニア」という言葉が生まれる契機にもなったジョン・ボネの書籍「ニュー・カリフォルニア・ワイン」でも冒頭に登場します。では、何がニューなのでしょうか。

カリフォルニアワインというと一般的なイメージでは、果実味が強く、アルコール度数も高く、濃厚な味わいのカベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネになるでしょう。「ニュー・カリフォルニア」はこれとは逆に、アルコール度数は低く、マイナーな品種にも積極的に取り組み、繊細な味わいのワインです。

私もこれまで何回かの試飲会でアルノー・ロバーツのワインを試飲しましたが、100種類以上のワインを試飲するような会においては、その繊細さが故に、味わいを評価するのはなかなか難しく感じることもありました。今回はアルノー・ロバーツのワインだけをまとめて試飲することで、ようやくその姿が見えてきたような気がしました。

アルノー・ロバーツのワインを一番特徴付けるのは、その畑といっていいでしょう。冒頭に23の畑と書きましたが、その大部分が世の中に知られていないところ。とりわけ冷涼な地域にフォーカスしています。例えばソノマ・コーストの畑からシラーを作るというのは、「異端」といってもいいかもしれません。

ワインはいずれもアルコール度数が低く、果実味も抑えたスタイル。ただ、それでも「薄くて味が弱い」とか「酸っぱすぎる」といった形にならず、凝縮感すら感じるのは、単純に収穫時期を早くすることで糖度を低くしているのではなく、しっかりぶどうが熟成しても糖度が上がらないような畑を選んでいるからだとのことです。

今回試飲したのはシャルドネ2種、リボッラ・ジャッラ1種、ガメイ・ノワール1種、トルソー1種、ピノ・ノワール2種、カベルネ・ソーヴィニヨン4種、シラー4種。

おそらくこの中で一番初心者向けなのはソノマ・コーストのシラー。ここでは数少ないAVAのワインです。親しみやすい味わいですが、スパイスやケモノっぽさもあります。ちなみにここのシラーは除梗なしで作るのが特徴の一つ。ピノ・ノワールも除梗なしで、カベルネ・ソーヴィニヨンも3割は除梗なし。それも味の深みを出している要素の一つのようです。
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クラリ・ランチのシラーもよりスパイス感が強く、ジューシー。かなりおいしいです。これだけはラベルのデザインも違っています。
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サンタ・クルーズ・マウンテンズにあるフェロム・ランチのカベルネ・ソーヴィニヨンは、ここのワインの中では濃厚なタイプでタニック。杉の香など、複雑さがあるワイン。
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シャルドネのトラウト・ガルチはサンタ・クルーズ・マウンテンズの畑。ミネラル感がありマーマレードのような風味もあって美味しかったです。
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ピノ・ノワールのリーガン・ヴィンヤードもサンタ・クルーズ・マウンテンズの畑。革のニュアンスがあって複雑な味わい。
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アルノー・ロバーツのワインはわかりやすい美味しさのものは少なく、飲み手にも知識や経験などを要求するところがあるように思います。ひと味ちがうワインを求めている方ならトライする価値は大きいと思います。

Date: 2018/0526 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマ全体のワイナリー団体である「ソノマ・カウンティ・ヴィントナーズ」が5月25日に、日本で初の試飲会を開催。これに合わせて来日した同団体のジェスリン・ジャクソン海外プログラム担当ディレクターに話を聞きました。
ジェスリン・ジャクソン国際プログラム担当ディレクター
――ご自身の経歴を教えてください。

ジェスリン:米国の南東部の出身です。南東部というとビールばかり飲んでいるイメージがあると思います。でも案外ワインも飲むんですよ。やっぱり人気があるのはビッグな赤ワインですが。

私はレストラン業界で働いていて、それでワインに興味を持ち、ソノマなどのワイナリーにも訪れるようになりました。それで6年前にカリフォルニアに越してきて本格的にワイン業界に入り、3年前からソノマ・カウンティ・ヴィントナーズの仕事をしています。

――ソノマの魅力を簡単に言うと。

一口で言えば「多様性」です。作られているブドウ品種は60種に上ります。気候は暖かいところから寒いところまであります。例えばペタルマの町から10分ドライブしたら、それだけで気温が5℃も変わるんですよ。

――隣のナパと比べると、ソノマ全体を発信するマーケティング的な力が弱く感じますが。

それで、今回の試飲会を開催しました。これが大きな第一歩になると思っています。ソノマには小さなワイナリーが多く、輸出について何をしたらいいか、どういうワインが売れるのか、価格はいくらくらいか、など分かっていないところも多々あります。まずはさまざまなマーケットに出かけていくことが必要ですし、今回のような試飲会も毎年開催したいと思います。

輸出に熱心なワイナリーは70程度あり、今回は20のワイナリーから来日しています。このあと香港で行われるVinexpoでは一緒に行くワイナリーは9社ですから、今回はその倍以上です。力を入れていることがおわかりいただけるのではないかと思います。

――ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは毎年「バイ・ザ・グラス」のような飲食店を巻き込んだプロモーションもしています。

今回、スタンプラリーを開催するのをまずはきっかけにしたいと考えています。(「ソノマのワインが当たる! スタンプラリーが6月10日まで開催」参照)

――昨年秋の火事の影響はどうでしょうか。

2017年は9月に熱波がやってきて、収穫は全般に早まりました。火事の前に9割は収穫が終わっていました。品種によって収穫時期に、違いはありますが、収穫が終わった分については火事の影響は受けなかったと考えています。

――ナパと比べるとソノマは広く、旅行者にとってもどこに行ったらいいのかわかりにくく思います。おすすめはありますか。

ソノマ市のあたりには、今回来日したワイナリーの中でブエナ・ビスタや、スリー・スティックスなどがあります。そこでいくつかのワイナリーを回ったら、今度は別の町に行くのがおすすめです。例えばヒールズバーグにはソノマから50分のドライブで付きます。2、3の町を回るのがいいと思います。

――ありがとうございました。
Date: 2018/0525 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマカウンティ・ヴィントナーズは本日(5月25日)に日本で初の試飲会を開催。翌日から6月10日までソノマのワインやグッズが当たるスタンプラリーを行います。
ドリンクソノマワイン
実施店舗は
Ed.parlor
ワインテラスユーメ
WINE MARKET PARTY
ile de colline (イルドコリンヌ)
beer&wine厨房 tamaya 八丁堀店
Californiawine&Italian BLUE
有限会社鬼頭商店「RIDENTE」
四谷パリス
歩路庵
ワインショップUrara
aizbar
DEAN&DELUCA 品川店
DEAN&DELUCA 六本木店
カーヴ・ド・リラックス
GRAHM'S CAFE
RESTAURANT INDIGO

1000円以上のワインを購入するか、お店でオーダーすると、スタンプがもらえます(スマホのブラウザーで参加します)。

ロゴ入りグッズはスタンプ1つで応募、ワインはスタンプ2つで応募できます。スタンプを多く集めれば、複数回応募できます。例えばスタンプを10個集めて、ワインに4口とグッズに2口応募、といった形が可能です。
当選数はロゴ入りグッズが20人。ワインが15人。

特に、この週末は来日しているワイナリーの方々が参加店舗に現れる可能性大。一緒に写真を撮ったり話を聞いたりできるかもしれません。

詳しくはこちらから。
スタンプラリー | SONOMA IN THE CITY TOKYO 2018
Date: 2018/0524 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ガロでプレミアムワイン担当の副社長を務めるロジャー・ナベディアン氏がインタビューに答えています(An Interview with Gallo's VP of Premium Wine)。かいつまんで内容を紹介します。

まず、ガロのポジショニングについて。ガロは先頭を切って分野を開拓してはいないかもしれないが、分野を確立するのに貢献しているとしています。例として、90年代のピノ・グリジオ、ここ10年くらいのレッド・ブレンドを挙げています。 

次にワイナリーの買収について。大きかった買収の一つとしてウィリアム・ヒルを挙げています。シャルドネの販売に効果的ではないかと考えての買収でしたが、プレミアム系のワイナリーの買収として、一つの転機になったようです。

また、ここ5年ではオリン・スウィフトとステージコーチ(畑)の買収を挙げています。オリン・スウィフトは創設者のデイブ・フィニーと協力関係を持つことによって、様々な刺激が得られたとのこと。

ステージコーチについては、これからどうなるのかという質問に対し、もちろん、ガロ傘下のワイナリーでブドウを使っていくが、外部への販売も続けるとのこと。ただ、現在90あるという売り先は多少絞られることになりそうです。2002年に買収したソノマのモンテ・ロッソについても未だに他社への販売を続けており、ステージコーチも同じようになるとの見方を示しました。
Date: 2018/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Hooker HouseBedrock Wine to Open Plaza Tasting Room - Wines & Vines
ベッドロックがソノマの中心にある「プラザ」近くにテイスティング・ルームを開きます。ベッドロックとしては初のテイスティング・ルームです。

「Hooker House」という歴史的な建物が2017年にリースに出て、それを借りることにしたとのこと。

ソノマはプラザ周辺のテイスティング・ルームの認可を中断しているのですが、その中断期間にはいる直前に認可が下りたのもラッキーでした。

今後数週間のうちに「ソフトオープン」する予定とのことで、まだどのような運用になるのかわかりませんが、ベッドロックのワインが手軽に味わえるようになるのは朗報ですね。


ちなみに、この写真はベッドロックのオーナーであるモーガン・トゥエイン・ピーターソンのインスタグラムから。

Hooker Houseの裏に、ベッドロックの畑から持ってきた石を使って塀を作っているのだとか。こんな石がごろごろしている畑もすごいですね。
Date: 2018/0522 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・サーチャーに最も検索されているナパのワインは何かという記事がでていました(The World's Most Wanted Napa Wines)。

結果は概ね予想通り
1 Opus One
2 Screaming Eagle
3 Dominus
4 Caymus
5 Joseph Phelps Insignia
6 Harlan Estate
7 Caymus Soecial Selection
8 Scarecrow
9 Silver Oak
10 Shafer Hillside Select

おそらく半分以上は予想したワインか入っているのではないでしょうか。10年前にやってもほとんど同じ結果になりそう。スケアクロウくらいですかね。この10年で有名になったのは。

逆に、コルギンとかシュレーダーとかが入らなかったのはちょっと不思議なかんじもします。

それにしてもケイマスは根強い人気ですね。2つランクインしたのはちょっと驚きでした。

ソノマだともっと意外な結果が出そうですが、どうなんだろう?
Date: 2018/0521 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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しあわせワイン倶楽部でシミのシャルドネとカベルネ・ソーヴィニヨンが格安になっています。ナパデ言えばフランシスカンなど、ちょっといいワインが格安で飲めるワイナリーの代表格。19世紀から続く歴史あるワイナリーでもあります。

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【わけありワイン】シミ ソノマカウンティ シャルドネ
価格:2354円(税込、送料別) (2018/5/21時点)



Date: 2018/0520 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ダックホーンのワインと食事とのマリアージュを探る(前編)の続きです。
ニール・ベルナルディ氏
4本目のワインはキャンバスバッグ(Canvasback)。ダックホーンがワシントン州に開いたワイナリーです。レッドマウンテンというAVAに18エーカーの畑をもっています。

ワシントン州というとカリフォルニアよりも大分北になるので涼しいイメージがありますが、実際には、ワインの産地はやや内陸よりになるので、カリフォルニアの沿岸地域よりも夏の気温は高く、良質のカベルネ・ソーヴィニヨンが作られています。
カシスの香り、ミント。かなり密度の濃いカベルネ・ソーヴィニヨンですが、酸とタンニンもしっかりしており、カリフォルニアのカベルネよりもクラシックな作りに感じます。

まずは、前のワインで合わせた豚のローストと合わせてみましたが、豚の脂がカベルネ・ソーヴィニヨンのタンニンと中和して、とてもおいしい。

鴨のロースト
一方、このワイン用に出てきた料理は鴨のロースト。味わいにちょっと血のニュアンスがあり、カベルネ・ソーヴィニヨンのタンニンと喧嘩してしまうので、普通であればピノ・ノワールの方が合います。ここでは、そこに山椒と塩を少しつけて食べるとタンニンが気にならなくなります。これもなかなか優秀なテクニック。

5本目のワインはパラダックス。「ダックホーン/パラダックス・セミナー 赤ブレンド老舗の気概」で紹介したように、土着品種とカベルネ・ソーヴィニヨンなどをブレンドしたワインが特徴で、ジンファンデルとのブレンドを作っています。
ジンファンデルが入っている分、これまでのワインと比べて甘みが強く出ています。タンニンと酸もかなり強く主張するワイン。スパイシーさもあります。

料理はハンバーガー。ケチャップの甘みと酸味がワインに合わせるときにちょっと気になるところです。
ここではそこに黒胡椒やバルサミコクリームを加えることでの味わいの変化を見ました。

最後のワインは本家本元ダックホーンのメルロー2013です。カシスの風味、酸もタンニンも比較的しっかりとしたストラクチャーのあるメルロー。スリー・パームス・ヴィンヤードほどではないですが、おいしいです。

料理はここでもハンバーガーと合わせます。粒マスタードなどを加えることでより相性がよくなりました。


ブリッジ食材によってワインとのマッチングが変わる様子は面白く、ためになるセミナーでした。ただ、ワインの種類によって合うブリッジ食材も変わり、なかなか何が何に合うか覚えておくのは難しいかもとおもいました。

ダックホーンのワインは今回はどれもスタンダードなクラスのものですが、料理にも合わせやすい味わいでした。それぞれワイナリーごとの個性もあり、ワインの比較テイスティングという意味でも面白かったです。
Date: 2018/0519 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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国によって安全な飲酒量の目安は大きく異なっています。日本では一日20グラム以下(男性の場合)が目安となっており、米国では週200グラム程度ともっと多くなっています。これを、死亡率が低下しない程度ということで、統計的に調べた結果が出ていました(安全な飲酒量の目安はエタノール週100g以下:日経メディカル)。

それによるとエタノール換算で週100グラム以下が統計的に死亡率を下げない限界とのこと。

ワイン1本で考えるとアルコール度数が14度として、750*0.14*0.8=84グラム(アルコールの比重を0.8として計算)となります。逆にアルコール100グラムを換算すると100/0.8/0.14=893ミリリットル。1本とグラス1杯ちょっとなら大丈夫そうです。

ちなみにビールの350ミリリットル缶なら350*0.05*0.8=14グラム。ワイン1本と缶ビール一つでだいたい100グラムになります。

週にこれだけですから、飲み会が週2回あったら簡単に超えてしまいますね。

あくまで統計的にいえることだけではありますが。
Date: 2018/0518 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨年秋に「ナパハイランズ」がブレイクし、5000円以下のカベルネ・ソーヴィニヨン(とそのブレンド)が、ホットな領域になってきました。

そこで柳屋で現在の「最強バリュー系ナパ」は何かというテーマでナパの5000円以下の注目ワインを集めた試飲会を行ったそうです。その結果ダントツとして選ばれたのは、その中でも一番安いワインでした。

そのワインは…?


ストーンヘッジのメリタージュでした。

このワイン、覚えている方もいらっしゃるかもしれませんが、このブログで何回か紹介しています。
ヴィノスやまざきの試飲会で美味しかったワイン
ヴィノスやまざきの試飲会でおいしかったワイン(2018年3月)

ヴィノスやまざきは自社のショップでワインを売っていますが、同時にインポーターとして他社にワインも卸しています。このワインもいくつかのショップで売られています。

これまでの記事でも紹介したように、このワインは本当に3000円とは思えないでき。一度お試しいただきたいと思います(柳屋では期間限定でこのワインを6本買うと送料無料)。

同じワイナリーのカベルネ・ソーヴィニヨンもいい出来ですが、酸味とストラクチャーを重視した、比較的トラディッショナルな味わい。対してこちらのメリタージュは、ちょっと甘みを感じるようなモダンな造りですが、万人受けすることは間違いないと思います。とはいえカベルネ・ソーヴィニヨンも2000円そこそこですから、かなりコスパは高いです。

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ストーンヘッジ・メリタージュ・ナパヴァレー2013
価格:3218円(税込、送料別) (2018/5/18時点)


自信を持って推したワインですが、自分以外も高評価をつけてくれれるとそれはそれで嬉しいものです(笑)。

ダックホーンの続きはまた明日(寝落ちしなければ)。
Date: 2018/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2017年にはメルロー「スリー・パームス・ヴィンヤード」2014がワイン・スペクテーターのワイン・オブ・ザ・イヤーに選ばれて絶好調なのがダックホーン。傘下の5つのワイナリーも、それぞれの役割をきちんと果たしていて、どこもレベルの高いワインを作っています。

参考:
ダックホーン/パラダックス・セミナー 赤ブレンド老舗の気概
ダックホーン/パラダックス・セミナー 試飲編
ダックホーン・セミナー
そんなダックホーンのワイン造りを束ねるニール・ベルナルディ氏が初来日し、ダックホーン傘下の各ワイナリーのワインと食事とのマリアージュを考えるセミナーが開かれました。
ニール・ベルナルディ氏
マリアージュを指南したのはナパ・ヴァレー・ヴィントナーズの日本代表でもある小枝絵麻(こえだ・えま)さん。彼女のマリアージュの考え方は非常にシステマティックで、まず、ワインの「重さ」と食事の「重さ」を合わせること、そしてワインのフレーバーと共通する要素を持つ「ブリッジ食材」を使ってマリアージュを深めること、の2段階からなります。今回はさらに、食事の「重さ」を食材や調理法でポイント化することで、よりわかりやすくマリアージュを図れるように工夫されていました。
小枝絵麻さん
DSC09909
参考:
ワインと食事のマリアージュに「ブリッジ食材」のマジック
ブリッジ食材

最初のワインはデコイのソーヴィニヨン・ブラン2016。デコイはダックホーンのセカンド的位置づけでしたが、現在はソノマに移り、ソノマ全域のブドウからコスト・パフォーマンスの高いワインを作っています。合わせる食材はグレープフルーツのシーフード・サラダ。
グレープフルーツのシーフード・サラダ
ワイン自体もグレープフルーツの香りに、最後ハーブのニュアンスが残ります。酸はしっかりとしていますが、強すぎず、グレープフルーツとオレンジのフレーバーとバランスがいいです。
これをグレープフルーツのサラダと合わせると、どちらも似たフレーバーなのでもちろん合うのですが、ちょっと酸が強くなる感じがします。ところが、ここにライムを少しかけてあげることで、ワインの余韻が大きく伸びてきました。

次はマイグレーションのシャルドネ ロシアン・リバー・ヴァレー2014。マイグレーションは冷涼なソノマ・コーストのブドウからピノ・ノワールやシャルドネを作っています。料理はブランダード。魚のすり身とじゃがいもを牛乳で煮た、グラタンのような料理です。
ブランダード
シャルドネは90%樽(30%新樽)を使った比較的クラシックな味わい。リッチでバニラの風味が心地よいです。ライチやオレンジのフレーバー。酸は強くないですが、フィニッシュを引き締めています。10ヶ月シュール・リーで熟成しており、うまみがしっかりとしているのも特徴。

ワインは料理のミルキーさとマッチしていましたが、魚のタラが淡白なので、若干ワインに押されている感じもします。そこでアーモンドを足すと、ワインのリッチさとうまくマッチしました。またさらにゆずを足すことでワインのリッチさがさらに増す感じがしました。

3つ目のワインはゴールデンアイのピノ・ノワール アンダーソン・ヴァレー2015。ゴールデンアイはメンドシーノのアンダーソン・ヴァレーのブドウでピノ・ノワールを作っています。55%新樽と、ピノ・ノワールとしては比較的樽を効かせた造りです。ラズベリーのような赤系の果実に、ほんのりブルーベリーのフレーバーが加わり、バニラのリッチさも感じます。リッチ系のピノ・ノワールではありますが、重くなく意外とするっと飲めてしまうのも面白いところです。

料理は豚のローストに黒にんにくを塗ったもの。
IMG_20180508_152900
豚の脂もしっかりあるので、割と重い味わいですが、リッチ系のピノ・ノワールにはよく合います。これにオリーブを使ったワインスプレッドや塩を加えることで、よりまろやかに感じられるような気がしました。

後半の3本に続きます。
Date: 2018/0516 Category: おすすめワイン
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ジンファンデルの名門ターリー(Turley)の入門的ワイン「ジュヴナイル(Juvenile)」の2016年が入荷してきています。ターリーが契約するさまざまな畑の中で樹齢が若いブロックのものを集めてブレンドしたワイン。若いといっても今では平均18年というから、古木ではないにしろ十分に成熟した樹といえるでしょう。

2013年のものはWine Advocateで94点という高評価を得るなど、安定して高評価を得ています。2016年はWine Spectatorで90点。高級ジンファンデルの中でも比較的安価で安心して飲めるワインの1つだと思います。

Date: 2018/0515 Category: おすすめワイン
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河野酒酒店に1985年と1989年のオーパス・ワンが入荷しています。オーパス・ワンの最初のヴィンテージが1982年ですから、まだまだ初期のもの。樹齢も若いので、正直ワインの質は今のものの方が高いと思いますが、貴重なものであるのは間違いありません。

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オーパス・ワン[1985]
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オーパス・ワン[1989]
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ちなみにセカンドワインのオーバーチュアはここが最安。

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【送料・クール便料無料】 オーバーチュア(Overture) 750ml
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Date: 2018/0514 Category: 業界ニュース
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成長率
ニールセンのデータによると、ワインの様々なパッケージングの中で、缶入りが急成長しています。

2017年2月は前年比46.8%増、2018年2月はさらに増加率があがり、前年比198.5%と約3倍にまで増えています。もちろん、母数が小さいがゆえということは多分にあるのですが、プラスチックボトルがさほど増えていないのと比べると、缶の急増ぶりが目に付きます。

ちなみに、有名なワイナリーではボニー・ドゥーン(Bonny Doon)が最近缶入りワインを発売しています。
Date: 2018/0513 Category: 業界ニュース
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ナパの人気ワイナリー「ロンバウアー(Rombauer)」の創設者であるコーナー・ロンバウアー(Koerner Eomabuer)さんが亡くなりました。83歳でした。

ロンバウアーさん

コーナー・ロンバウアーはパイロットとしてキャリアを始め、1970年代にナパ・ヴァレーに移住、1980年にワインを造り始めました。最初はカベルネ・ソーヴィニヨンで1982年からシャルドネを始めています。

非常に明るい性格で知られ「1マイル向こう」からでも彼がいるのがわかったというほどのオープンな人柄。それがワインの性格にも現れています。特にシャルドネは、しっかりとした果実味と樽を効かせた造りを続けており、根強いファンをかかえています。

このほか、ガンの研究にファンドを作るなど、さまざまな活動を行い、ナパのさまざまなイベントなどでも重要な役割を果たしました。

ご冥福をお祈りします。

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ロンバウアー シャルドネ カーネロス
価格:6890円(税込、送料別) (2018/5/13時点)

Date: 2018/0512 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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シャトー・イガイタカハで知られている杉本隆英さんの本を読みました(レビュー用に事前に原稿をいただいています)。

古くからの本ブログの読者はご存知だと思いますが、杉本さんとはもう20年近い付き合いがあります。

「カリフォルニアワインの玄関口」を開設したのが1999年8月15日(この日を選んだことには特に意味はありません)だったのですが、それから1週間くらいたったときに、初めて読者からのメールをもらいました。それが杉本さんでした。

そのメールには、「僕もこういうサイトをやりたかった。先を越されてしまった」といった話が書いてあったのですが、その年の年末には「カリフォルニアワインのファンクラブ」(CWFC)を立ち上げ、またたくまに人気サイトになってしまいました。当時は杉本さんのハンドル名が「ナパ」だったので、今でも僕にとっては杉本さんと呼ぶよりナパさんと呼ぶ方がしっくりします。

私も、CWFFCでは「副会長」という名誉をいただき、掲示板やワイン会などで、みなさんと楽しく付き合わせていただきました。中にはワインマニアの方もいれば、マニアでなくちょっとワインが好きくらいの方も大勢いらっしゃいましたし、ワインに関する仕事をされている方もかなりいらっしゃいました。僕にとってもこのころ知り合った方々は、いろいろな意味でベースになっていると思います。今から考えれば、CWFCを始めたころの私の知識や経験は、全然浅いもので、もっと詳しい方々もたくさんいたと思うます。それでも副会長としてやらせていただけたのは、皆さんいい人ばかりだったのだなあと改めて感じます。そういう人たちが集まったのも、人を大事にする杉本さんの人柄によるのでしょう。

本書には、このあたりのエピソードがかなり詳しく書かれています(私は登場しませんが)。当時のCWFC会員だったり、CWFCを見ていた方にとってはとても懐かしく読めるのではないかと思います。

CWFCは2010年ころに解散しました。私はその後も10年1日のごとく、このサイトを続けていますが、杉本さんは次のステップとしてワイン作りの方に行きました。そして、グレッグ・ブリュワーやポール・ラトーといった超一流のワインメーカーと親交を持ち、ワインを作ってもらうようになり、今にいたるわけです。

もちろん本書にはこのあたりのエピソードも詳しく書かれています。私が知らなかった話もいろいろあり、私も読んでいてどきどきしたり、ワクワクしたりしました。

進む道はわかれてしまったナパさんと私ですが、「カリフォルニアワインが好き」で「カリフォルニアワインのことをもっと多くの人に知ってほしい」と思う気持ちは共通で、道は離れても、目標としてはつながっているようにいつも感じます。

そして、もう1つ大事なのは「人」。ナパさんはCWFCのころからワイン会の冒頭に必ず、主役はワインではなく人なんだという話をしていました。ワインは人と人とのつながりを活性化する触媒みたいなものだと考えているわけです。

杉本さんが、多くのワインメーカーの知己を得たのもそのためだと思いますし、今、シャトー・イガイタカハで全国各地でワイン会を開催していますが、それも人とのつながりを大事にした結果なのだと思います。

本書のタイトルである「幸せになりたければワインを飲みなさい」というのも、ただワインを飲めばいいということではなく、ワインを飲むことで人とのつきあいをよりよくし、それが幸せにつながっていくのだということを伝えたいのだと思います。

CWFCが終了して以降、実際にお会いすることは大分減ってしまいましたが、それでも道はつながっているし、気持ちの奥底で「盟友」なのではないかと私としては勝手に思わせていただいています。

本書を読んだ方も、ワインを媒介にして人とのつながりを今よりももっともっと良くしていただけたら、それが幸せになっていくのではないかと思います。よかったらぜひ読んでみてください。

Date: 2018/0511 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ガロ(Gallo)が、サンタ・バーバラのサンタ・マリア・ヴァレーにあるシエラ・マードレ・ヴィンヤード(Sierra Madre)を購入しました(Gallo Buys Historic Santa Maria Valley Vineyard | Santa Barbara Independent)。同社は5月3日にサンタ・イネズにあるランチョ・リアル(Rancho Real)の畑を買ったばかり。

シエラ・マードレはピノ・ノワールとシャルドネの畑で、人気の高いところ。1971年から続く、サンタ・バーバラでは歴史ある畑です。既存の35ワイナリーどの契約は今後も続けると発表しています。ランチョ・リアルは別名マーマー(Murmur)ヴィンヤードとも呼ばれていて、近年人気が高まりつつあるところです。

ガロはこのところ、セントラル・コーストで様々な畑を購入しています。例えばモントレーでは樽ボット・ヴィンヤード、サン・ルイ・オビスポではエドナ・ヴァレー・ヴィンヤードを購入しています。
Date: 2018/0510 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマの人気ワイナリー「コスタ・ブラウン(Kosta Browne)」が売却に出ているとウォール・ストリート・ジャーナルが報じています(Kosta Browne Winery Explores a Sale - WSJ)。

コスタ・ブラウンは1997年にマイケル・ブラウンとダン・コスタがジム・コステッロという出資者と設立したワイナリー。2000年代前半のピノ・ノワール・ブームに乗って一躍時代の寵児になりました。

2009年にはジム・コステッロが持ち分の株をVincraftに売却。VincraftはDurrellやGap's Crowneといった畑のオーナーで、キスラーにも出資しているビル・プライスなどの会社。2015年にはさらにVincraftからJ.W. Childs Associatesに株式が移動しています。

今回の売却がまたJ.W. Childs Associatesが他社への売却を考えているのか、全体の売却なのかわかりませんが、これほど続いて売却されるということは何か問題を抱えているのでしょうか。ちょっと気になるところです。
Kosta Browne
Date: 2018/0509 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年10月の大火事で焼け落ちたパラダイス・リッジ。日本人にとっては長沢鼎ゆかりのワイナリーとしても知られていましたが、その焼け跡から3月に長沢鼎の刀が発見されました。

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この刀が、現在History Museum of Sonoma Countyで展示されています。
企画の名前は「Lost Santa Rosa」で4月14日から9月16日まで開催中。その中の展示物に含まれているそうです。

博物館の住所は
425 Seventh Street, Santa Rosa, CA 95401
707-579-1500

月曜日定休、オープンは11時~17時です。入場料は10ドル。
ソノマに行かれた際は、ぜひ立ち寄ってみてください。
Date: 2018/0508 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Old vine
先日、「Vineration」というサイトに物議を醸す記事が投稿されました。シルバー・オーク(Silver Oak)が元ソーサル(Sausal)のワイナリーと畑を買い取ってソノマの新しい醸造設備やテイスティングルームを作ったという話は先日「サスティナブルに生まれ変わったシルバー・オークのアレキサンダー・ヴァレー」で紹介しましたが、このときに1877年から続くソーサルの畑を引き抜いてしまった、というものでした(Preservation and Progress in California)。

これにシルバー・オークのデイビッド・ダンカン社長兼CEOが反論し、現在は記事の公開は差し止められています。

まず、事実としてソーサルの畑の木を引き抜いてしまったのは間違いではありません。ただ、それには理由がありました。

シルバー・オークはソーサルの畑購入直後からヒストリック・ヴィンヤード・ソサエティ(HVS)と協力して、畑の維持に努めようとしました。

しかし、実際には2エーカーのその畑に1877年からあるという古木の存在は認められませんでした。すべての木は接ぎ木で植えられていたとのことです。また、植え替えはまばらに何度も行われていたので、どの木が古く、どれがより古いのかといったことを判別するのは不可能でした。

さらに、そこの木はleaf roll virus, corky bark virus, red blotch virus, grapevine sanleaf virusといったさまざまな病気にかかっていることも判明しました。「mealie worms」も確認されました。この畑をそのままで置いておくと、近隣のブドウ畑にまで病気をうつすことになるため、放っておくことはできませんでした。

これらが、「古木の畑」であったはずのところを引き抜いた理由だとのことです。

この話が示唆するものはいろいろあると思います。

まず、元の畑はHVSで認定されていたものだったにもかかわらず、実際には認定通りの状況ではなかったこと。そもそも古木であることを証明するのは非常に難しく、品種でさえ分からないことも多いといいます。植えたときのドキュメントが残っていればいいですが、まずそういうことは期待できないでしょう。ある意味、「言い伝え」の部分も多分にあるのではないかという気がします。こういった部分をどうしていくのかは、HVSにとっても課題のような気がします。

また、年取った木はどうしても病気にやられやすくなります。その分管理には手間暇かかります。付ける実も少ないものです。それでも、ジンファンデル系のワインに付けられる値段はナパのカベルネと比べたら何分の1かです。経済的にはメリットの少ないものを続けていっている農家や、ワイナリーには最大限の賛辞を送りたいと思います。

病気にかかったら、周囲への迷惑を防ぐために抜かざるをえないという状況も増えるでしょう。周りから隔絶されたブドウ畑でないと維持は難しいかもしれません。

現在古木の畑と言われているものは大体が19世紀の半ばから後半に植えられたものです。この後20世紀に入ると禁酒法でワイン造りがほとんどストップした時期もあり、今後100年を超えるような古い畑、特にジンファンデル系のものが増えていくことはなかなかないのではないかという気がします。

カリフォルニアワインの貴重な文化、どう守っていくか、大きな問題だと思います。
Date: 2018/0507 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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エノテカにソノマの名門ワイナリー「マリマー・エステート」の古いピノ・ノワールが限定入荷しています。マリマーはスペインのトーレスがソノマに開いたワイナリーで、品質の高いワインを作っています。

2009年のマス・カヴァイス・ピノ・ノワールはWine Enthusiastで95点という高評価のワイン。レビューによると、ビッグなワインだけどバレリーナが宙を飛ぶようなしなやかさを持っているとのこと。熟成が期待できるワインだとしています。

マス・カヴァイス・ピノ・ノワール 2009はこちら

もう1つは2005年のクリスティーナ・ピノ・ノワール。こちらもWine Enthusiastで95点。単一畑ですが6つのクローンのベストの樽をブレンドした上級品でオーナーであるマリマー・トーレスさんの娘の名前を付けていることからも力の入ったワインであることがわかります。

クリスティーナ・ピノ・ノワール2005はこちら

ちなみに、楽天のエノテカでは売っていないようでした。
Date: 2018/0506 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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来週日曜日は母の日ですね。ワインをプレゼントされる方もいらっしゃると思いますが、それにぴったりなワインがあります。名前は「オフクロ・ビューティ」。シャトー・イガイ・タカハがサンタ・バーバラのパルミナのワインメーカー、スティーブ・クリフトンと作った赤ワインです。

バルベーラなどイタリア系品種のブレンドで、大人の女性の暖かさをイメージしたのだとか。

Date: 2018/0505 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのワイナリー「ラッド」(Rudd)のオーナーであり、ワイナリー・グループ「ヴィンテージ・ワイン・エステート(VWE)」の創設者、ナパのレストラン「PRESS」のオーナー、オークヴィル・グロサリーのオーナー、ディーン&デルーカの元オーナーなど、さまざまな経歴を持つ起業家のレスリー・ラッドがニューヨークで亡くなりました。76歳でした。

レスリー・ラッドはカンザス州の出身。ナパではジラードを購入してラッドに改名、ジラードのブランドをパット・ルーニーに売却して、そちらも人気ワイナリーになりました。パット・ルーニーとはその後VWEを設立し、その傘下にはジラードのほかBRコーン、キャメロン・ヒューズ、クロ・ペガス、コセンティーノ、スワンソンなど数多くのワイナリーがあります。それとは別に、ラッド、エッジ・ヒル・エステートのオーナーでもありました。

ディーン&デルーカは1990年台に購入してオーナーになりましたが2014年に売却。一方オークヴィル・グロサリーは2007年に購入し、その後オーナーとして続けていました。

2年前から食道がんで闘病していたそうです。ご冥福をお祈りします。
Date: 2018/0504 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋でレイヴェンズウッド(Ravenswood)のジンファンデル ロウダイ(Lodi)がセールになっています。税込みでも1800円台とヴィントナーズ・ブレンド並みの価格。Wine-Searcherの平均価格(税抜き)で見ると、ロウダイが15ドルなのに対し、ヴィントナーズ・ブレンドは11ドルと4ドルも違いますから、これはかなりお買い得です。ロウダイのジンファンデルはコスパ高いものが多く、古木の畑も多く残る土地なので、ジンファンデル好きなら押さえておきたいところです。


いまやロウダイを代表するジンファンデルとなったのはマイケル・デイヴィッドのセブン・デッドリー・ジンズ。入荷が安定しないのが難点ではありますが、これも「買い」銘柄の1つです。

Date: 2018/0503 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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女性だけが審査するユニークなワイン品評会「サクラアワード」の結果が4月に発表されました。そこで「ダブルゴールド」に加え、天ぷらに合うベストワインに選ばれたのがコッポラのソフィア・ロゼ・スパークリング2016。ロゼ系のスパークリングとしては、かなりエレガントな味わいのワインです。そこが特に女性に受ける点なのでしょうか。

天ぷらとワインを合わせる場合は、天ぷらの油をすっきりとさせるという面と、魚介類や野菜の素材の味を邪魔しないという面を両立させる必要があると思います。ロゼのスパークリングというのはピノ・ノワールが入ることで、油との相性もよくなり、素材の味を消してしまうほど濃い味でもないということで、選択としては理解できます。おそらく天つゆよりは塩、できたらワイン塩みたいなのを使うといいと思います。

また、従来のソフィアのスパークリングと同様、このロゼも「缶」のバージョンもあります。アウトドアで飲むときなどに、いい選択肢になるのではないでしょうか。

タカムラでは5月8日9:59まで「食フェス」の10%オフクーポンが利用可能。税込み3000円以上なので、このワインの3089円は1本でも適用対象になります。

食フェス10%オフクーポンはこちら


缶はこちら。

Date: 2018/0502 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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クラウドファンディングサイトIndiegogoで出資を募集しているAvineというエアレーターが人気です(Aveine - Smart Wine Aerator | Indiegogo)。3万ドルを目標に出資を募ったところ、10万ドルを超えてしまいました。

このエアレーター、スマホと連携して、どれだけワインに空気を混ぜ込むかを自動的に調整します。スマホの専用アプリでラベルを撮影すると、ラベルの情報からどういうワインかを判断し、それによってエアレーターをコントロールします。
Aveine
カリフォルニアワインだとエアレーターを使わなきゃいけないほどガチガチのワインに出会うことは稀なので、個人的にはそれほど欲しいとは思わなかったのですが、どうなのでしょうね。本機1台がもらえる出資で137ドルと決して安くはないので、これだけ出資する人がいることにちょっと感心しました。
Date: 2018/0501 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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半年ほど前に「カリフォルニアのカベルネ系でパーカー評価が一番高いワインは?」という記事を公開しました。そのときに調べた上位のワインが次の表のもの。

カリカベ

平均97点を超えると、超一流といってもいいでしょう。

裏を返せば、これほどのワインであっても97点を下回る年もそれなりにあるということ。それならば、もっと安いワインで97点以上取ったものの方がお買い得度は高い気がします。

といっても値上がり激しい昨今、各ワイナリーのトップクラスのワインとなると2万円を超えるのが珍しくありません。1万円台でと探したところ、3本のワインがありました。

1つは、以前にも紹介したリヴァース・マリーのカベルネ・ソーヴィニヨン・カリストガ。2014が97、2015が97+、2016が96-98と、安定して高得点を取っています。安いところでは1万3000円台で手に入るのは破格といってもいいでしょう。

現在10%割引クーポンが出ています。

次は、昨年日本への輸入が再開したボーリュー(BV)のジョルジュ・ド・ラトゥール カベルネ・ソーヴィニヨン2014。ワイン・アドヴォケイトでなんと52ヴィンテージもレビューされていますが、初めて97点を取ったのが2014年です。


最後はケークブレッドのフラッグシップ「ダンシング・ベア」。2014、2015と2ヴィンテージ連続で97点を取っています。環境保護にも力を入れているワイナリーです。国内価格は実売で辛うじて2万円以下。


もう数年すると「あのころはまだ97点のワインでも1万円台で見つかったんだけどねえ」なんて話になるかもしれませんね。
Date: 2018/0430 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シルバー・オーク(Silver Oak)はナパとソノマのアレキサンダー・ヴァレーにワイナリーとテイスティング・ルームを持っています。そのアレキサンダー・ヴァレーのサイトが新しく生まれ変わりました。新しいサイトはかつてソーサル(Sausal)があったところで、2011年にシルバー・オークが購入しています。

新ワイナリーの特徴はサスティナブル。LEEDという環境評価のプログラムで最高レベルのプラチナ認証を申請中です。ちなみに、ナパのワイナリーは2006年の火事の後に立て直して2016年にLEEDのプラチナ認証を受けています。
参考:シルバー・オークがワイナリーとしては初のエコ最高レベル認定取得

オーナーのデイビッド・ダンカンは、ただエコにするだけでなく、それがワイナリーにとって意味があることであることを重視しているといいます。例えば、ソーラー・パネルは2年半で「元が取れる」といいますし、水の浄化設備として導入した巨大なメンブレンのバイオリアクターによって、2エーカー分のため池が不要になり、その分畑が増やせるのでこちらもすぐに元が取れるそうです。

以下、いくつかの写真で新ワイナリーを紹介します(写真はシルバー・オークの許可を得て使っています)。

ワイナリーの壁面に使われている木材は、ロバート・モンダヴィで使われていた木製の発酵槽を分解したもの
新ワイナリー

水の浄化に使うメンブレン・バイオリアクター
メンブレン・バイオリアクター

ワイナリーの天井は外光を取り入れるようになっています。なお、ここで作っているのはシルバー・オークのアレキサンダー・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨンただ1つ。
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2595枚のソーラー・パネルをインストール。発電量は最大でワイナリーに必要な105%をまかなえるそうです。
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畑と新ワイナリー。周囲の畑にも新たにカベルネ・ソーヴィニヨンを植えています。
畑と新ワイナリー
Date: 2018/0429 Category: 業界ニュース
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桃井隆宏さんがソノマで作るアーサーセラーズ。その新ヴィンテージのお披露目にいってきました。

Arthur祭り

アーサーセラーズは2012年が最初のヴィンテージ。今回は2016年なので5ヴィンテージ目にあたります。これまではピノ・ノワールだけでしたが初めてシャルドネが加わりました。

ワインの専門家と愛好家がともにワインを選ぶ「日本で飲もう最高のワイン」では2015年に2013年のピノ・ノワールが愛好家で最高のプラチナ、専門家でゴールド、2016年に2014年のピノ・ノワールが愛好家・専門家ともにプラチナ、2017年に2015年のピノ・ノワールが専門家でプラチナ、愛好家でゴールドに選ばれています。中でも2016年は各ジャンルで1本だけ選ばれる「ベストワイン」に、ミディアムボディの赤のジャンルで選ばれています。

2016年のヴィンテージではピノ・ノワールに畑名として「KR Ranch」と入りました。ファイラ(Failla)やコスタ・ブラウン(Kosta Browne)で有名なキーファー・ランチ(Keefer Ranch)のブドウを使っています。過去のヴィンテージも同じ畑でしたが、あえて畑名は入れていませんでした。キーファー・ランチはマーシー・キーファーさんが亡くなったご主人のロバートさんと作った畑ですが、現在はコスタ・ブラウンが使うブロックはコスタ・ブラウンに売ってしまったため、名前の利用にはちょっとややこしいところがあるようです。

ちなみにシャルドネの畑は秘密。これもかなり有名な畑のようですが、先入観を持って飲んでほしくないとのことで、あえて名前を入れていないそうです。
Arthur祭り

シャルドネから試飲します。新樽は使っていないとのことで、樽からと思われるバニラの香りは軽くするもののそんなにきつくありません。パイナップルのようなトロピカルフルーツの風味。くどくなく透明感ある味わい。果実の自然な甘さと酸のバランスがよく、やわらかさと感じます。アフターに少しだけ苦味があって味を引き締めています。

全体にやわらかさとバランスの良さを感じます。親しみやすさなど、雰囲気的には桃井さんのワイン造りの師であるエド・カーツマンさんが作るオーガスト・ウエストのロゼラズのシャルドネにちょっと似ているかもしれません。

一方、ピノ・ノワールも、色の透明感が第一印象。ラズベリーやストロベリーといったチャーミングな赤い果実の印象。プラムのような酸味も少し感じます。軽いタンニン。こちらもオーガスト・ウエストのグラハムのピノ・ノワールにちょっと似ている気がしました。

シャルドネとピノ・ノワールに共通するのは親しみやすさ。師であるエド・カーツマンさんが、パーカーの掲示板で一番人気のピノ・ノワール生産者に選ばれたほど実力があるのに、全く偉ぶらず、ワインもおいしさや飲みやすさを表現しているのとやはり共通していると思います。

同じ師を持ち、同じ地域でワインを作るフリーマンのアキコさんのワインは、親しみやすさを持ちながら、女性らしいデリケートさや軽やかな感じがありますが、アーサーと比べてみるのも面白いかもしれません。
Arthur祭り
オンラインショップはこちら。
カリフォルニアワイン専門店 アーサーセラーズ ワインブティック
Date: 2018/0428 Category: 業界ニュース
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しあわせワイン倶楽部で、ヴァレンタインのカベルネ・ソーヴィニヨン トリーズ・ブロック2006が税抜き2000円台ででています。

久々の紹介なので改めて説明しておくと、メンドシーノでヴァレンタインさんがやっていたワイナリーなのですが、オーナーが亡くなったことで廃業してしまいました。そこのセラーに寝かされていたオールドヴィンテージのものを布袋ワインズさんが輸入して販売しています。そういった事情なので10年超えて熟成した蔵出しワインでありながらとても格安になっています。

特に今回のトリーズブロックはレギュラーのものより格上でこれまでは4000円近くしていました。今回、終売価格で安くなったようです。今のうちにお求めください。

Date: 2018/0427 Category: 業界ニュース
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2017年のナパのブドウ収穫は金額ベースで7億5080万ドルで、前年を2.9%上回り、これまでの最高記録だったことが明らかになりました(Napa County winegrape value hits record $750M with big cabernet sauvignon jump)。

収穫量ベースでは10630トンで前年より6.9%減りましたが単価の上昇により、金額ベースで上回ることになりました。

品種別に見ると、カベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネとメルローの3種で全体の70%の生産量、80%生産額に達しています。カベルネ・ソーヴィニヨンは66733トンで平均価格は1トンあたり7498ドル。平均価格が1トンあたり7000ドルを超えたのは初めてだそうです。

シャルドネの生産量は20684トンで1トンあたり2811ドル。メルローは13160トンで1トンあたり3390ドルでした。

このほか注目されるのはカベルネ・フランで量はメルローの4分の1程度ながら1トンあたり平均7871ドルでカベルネ・ソーヴィニヨンを上回りました。
Date: 2018/0426 Category: 業界ニュース
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ソノマの優良生産者クロ・デュ・ボワのシャルドネとピノ・ノワールがしあわせワイン倶楽部でセールになっています。

アメリカにいたころよく飲んだワインの一つで、当時からコスパに定評がありました。今もそのころとほとんど変わらない値段で買えるというのは頑張ってますね。

なお、名前が似ているナパのクロ・デュ・ヴァルとは全く関係ありません。




ピノ・ノワールだけならこちらの方がさらに安くなっています。6本以上で送料無料になるのでまとめ買いにもいいです。


Date: 2018/0425 Category: 業界ニュース
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ヴィナスのアントニオ・ガッローニがソノマの2016年のヴィンテージなどについて語っています(Sonoma’s Stellar 2016s (Apr 2018) | Vinous - Explore All Things Wine)。

2015年は旱魃で収穫が異常に早く、収穫量も少ない不規則なシーズンでしたが、2016年は8月の終わりからの涼しい気候が功を奏して、ゆっくりとしたヴィンテージになりました。その後も特筆するような危険な状況も起こらず、非常に恵まれたヴィンテージでした。ガッローニは特にロシアン・リバー・ヴァレーのジンファンデルやそのブレンドについて素晴らしかったと言っています。

ただ、ナパと比べ広い上に地形のヴァリエーションが極めて大きいので、全体を語るのは難しいとのことです。

また、今回の記事でヴィンテージレポート以上に詳しく書かれたのがソノマの現状。2017年10月の大火事で5000軒を超える家が消失しました。これらは、主にソノマの様々な労働力となっている中程度以下の住宅であり、仮に家が再興したとしても、そこに住むのは難しいという見解を示しています。

また、家の建て直しなど、建築業界がこれから活気付き、畑の労働者確保は相当シリアスな状況になりそうです。例えば畑の労働者が時給15〜18ドルくらいなのに対し、建築業界では20ドル台半ばの時給が見込めます。また、マリファナ業界も時給はブドウ畑と同じくらいながら、労働はずっと楽だと言われています。

ワイナリーとしては労働者確保のコストが大幅に上がり、その分様々なコストカットが必要になります。そういったことがワインの品質に影響する可能性もあると学校は見ています。
Date: 2018/0424 Category: 業界ニュース
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ソノマで「ソノマ・カウンティ・バレル・オークション」が開かれました。落札額の合計は84万700ドルで、前年から6%アップ。過去最高となりました(Fervent Bidding Results in a Record-Breaking Sonoma County Barrel Auction | Sonoma Wine)。

このオークションは、参加ワイナリーが専用に作ったワインを持ち寄るもの。ナパで言えばプルミエ・ナパ・ヴァレーに相当します。

今回のトップロットは、昨年10月の大火事の救済を目的とした「レジリアンス」というピノ・ノワール。コスタ・ブラウンをやめたダン・コスタの新しいワイナリー「AldenAlli」や、ウィリアムズ・セリエム、ベノビアが一緒に作ったロシアン・リバー・ヴァレーとソノマコーストのピノ・ノワールです。20ケースで7万ドル。次が同様に「Fortitude」と名付けられたローレル・グレンなどによるカベルネ・ソーヴィニヨンで2万9000ドル。合わせて9万9000ドルが寄付されました。

Date: 2018/0423 Category: 業界ニュース
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オレゴンの雄イヴニングランドから学ぶオレゴンワイン(前編)の続きです。
イヴニングランド
試飲のワインは10種類、2014年と2015年のヴィンテージでそれぞれピノ・ノワール2種類、シャルドネ3種類です。普通はこの場合、シャルドネから試飲するのですが、「酸が強く舌が麻痺してしまって、ピノ・ノワールの味わいがわかりにくくなる」(サシ・ムーアマン)という理由で、ピノ・ノワールからの試飲となりました。

ヴィンテージはサシ・ムーアマンが携わり始めた2014年と、より深く関わるようになった2015年。2014年は畑や醸造のチームはそれまでと同じでしたが、2015年は新しいチームに入れ替えています。この2つのヴィンテージはどちらも暖かいヴィンテージでしたが、2015年の方がより温度が高かったとのこと。また、栽培上の違いとしては2014年はカビ帽子のために、葉を多めに取っていっていたそうですが、2015年は日陰をあえてつくることで複雑さを出すのに成功したとのこと。

ピノ・ノワールの2種はレギュラーのセブン・スプリングスと、フラッグシップのセブン・スプリングス「ラ・スルス」。
イヴニングランド

2014年のピノ・ノワールはきれいな酸が特徴的。甘みはほとんどありません。2015年のものは香りはやや控えめ。2014よりもリッチでふくよかな味わい。

限定ブロックから作るラ・スルスは2014年もレギュラーのものよりリッチで複雑な香りです。酸はどちらかというと低め。タンニンがスムーズなのも特徴です。2015年はやや酸が強く、味わいはやわらかめ。個人的には2014年のラ・スルスがピノ・ノワールの中では一番好みでした。

次にシャルドネです。シャルドネはレギュラーのほか、ラ・スルス、そしてサマムという2つの限定ブロックのワインです。これも2014年と2015年。

シャルドネは除梗なしで作ります。ゆっくりとやさしくプレスし、後は基本自然まかせ(イヴニングランドでは培養酵母は使っていません)。ただ、レギュラーのものはラッキングするのに対し、ラ・スルスとサマムはシュール・リーで作られています。シャルドネは、前任のドミニク・ラフォンのコンサルティングがすばらしかったので、基本はそれを採用。畑の植え替えも今後はシャルドネを中心にするというほど、シャルドネはお気に入りだそうです。

2014年のレギュラーのシャルドネ。リッチでクリーミーな味わい。パイナップル、ライチ、ライムなど多様な果実味。きれいな酸。第1印象からすばらしいシャルドネ。若干余韻は短いが、全体的な魅力がすばらしい。

2014年のラ・スルスはリッチで余韻の長いワインでしたが、ちょっと還元香らしい香りが気になりました。2015年はリッチでクリーミー。クリームブリュレのような味わい。ライチやオレンジなどの果実味。

2014年のサマムは、うま味がすごくまろやかな味わい。果実味はそれほど強くないですが、ものすごく複雑な味わい。一方2015年は大分印象が変わって、リッチで果実味もありながら、複雑さもすごい。個人的にはこの2015年がシャルドネの中では一番好きでした。

評価が高いピノ・ノワールはもちろんおいしく、特にラ・スルスの方はレベルの高さを感じました。サシ・ムーアマンとラジャ・パーが主宰していたIPOB(In Pursuit of Balance)では、カリフォルニアにおいて酸を残すことを重点においたワイン造りを志向しましたが、IPOBのワインの中には酸を残すという目的に固執しすぎたためか、味わいに魅力が欠けてしまうこともなきにしもあらずでした。一方、オレゴンでは酸の部分はほぼ自動的に達成できるので、むしろそれ以外の味づくりに専念できるのではないか、という気もしました。イヴニングランドだけでなくエオラ・アミティ・ヒルズのワインには注目していきたいです。

一方、予想以上においしかったのがシャルドネ。スタンダード版でもカリフォルニアの1万円クラスに負けないレベルだと思います。サシ・ムーアマンも、ここのシャルドネのできにはよほど感銘を受けたようで、サンタ・バーバラのドメーヌ・ドゥ・ラ・コートでもこれからシャルドネを作っていきたいと言っていました。




Date: 2018/0422 Category: 業界ニュース
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オレゴンで今、一番注目されているワイナリーといえばイヴニングランドで間違いないでしょう。2015年にはワインスペクテーターで年間3位に選ばれています。選ばれたワインは2012年のピノ・ノワール「ラ・スルス」。同誌のレイティングは98点で、これはオレゴンだけでなく、米国のピノ・ノワールとしては過去最高点、しかもその点を取った唯一のワインです。

イヴニングランド サシ・ムーアマン

イヴニングランドが設立されたのは10年前とまだ新しいワイナリーですが、上記の快挙以前から話題のワイナリーとなっていました。例えば、ブルゴーニュのドミニク・ラフォンがコンサルタントとして携わっていたことなどです。また、当初はオレゴンだけでなくカリフォルニアにも畑を買ってワインを作っていました。2014年にはチャールズ・バンクスのグループが買収し、カリフォルニアのサンタ・バーバラでサンディやドメーヌ・ドゥ・ラ・コートでワインを作っているラジャ・パーとサシ・ムーアマンがワインメーカーになりました。

そのサシ・ムーアマンが来日し、セミナーが開かれました。

参考:
IPOBミニインタビューその4――ラジャ・パー、サシ・ムーアマン/サンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コート、ピエドラサッシ
武蔵の切れ味、サシ・ムーアマンの世界を味わう

こちらもご参考に。
ドメーヌ・ド・ラ・コートやイヴニング・ランドが亜硫酸削減のためにやっていること
実は、これまでオレゴンのワインは試飲会で多少試飲するくらいで、それほど飲んだことはなかったです。また、その特徴もこれまではあまり知らず、大変勉強になりました。


イヴニングランドの畑「セブン・スプリングス」はオレゴンのAVA「エオラ・アミティ・ヒルズ」に含まれています。エオラ・アミティ・ヒルズは、ウィラメット・ヴァレーのサブAVAです。
ウィラメット・ヴァレー

ウィラメット・ヴァレーはソノマの3倍もある広大なAVAです。その中でワイン造りで重要なのは北側半分。エオラ・アミティ・ヒルズは北側の一番南側になります。この地域は重要な特徴を持っています。それは「ヴァン・ドゥーザ・コリドール」と呼ばれる東西方向の谷が西側にあること。

ウィラメット・ヴァレーは海からは少し離れているのですが、エオラ・アミティ・ヒルズはこのコリドールから太平洋の冷たい風が吹いてくるのです。そのため周囲と比べて気温が低く、収穫が2週間ほども遅くなります。

そもそもオレゴンの特徴は生育期間が短いこと。発芽が遅い一方で、夏の気温はカリフォルニアよりも高く一気に生育が進みます。カリフォルニアのピノ・ノワールでは、酸をどれだけ残すかが重要な課題ですが、オレゴンでは酸は必ず残るのでそれは問題になりません。短い生育期間でいかに成熟させるかが課題となります。生育期間が長くできるエオラ・アミティ・ヒルズが、注目される理由もそこにあります。

カリフォルニアのピノ・ノワールだとストロベリーやラズベリーなどの果実の風味がありますが、ウィラメット・ヴァレーは酸が強いため、クランベリーやザクロ的な風味になります。

酸が残る一方、問題になりやすいのはタンニンです。栽培でなるべくブドウを成熟させるのと、醸造時にあまり抽出しすぎないなどの方法でタンニンをやわらかくしているそうです。

イヴニングランドの畑、セブン・スプリングスは1983年ころに作られた畑です。そのころは接ぎ木ではなく自根で栽培することが多く、ここも実は大部分自根になっています。心配されるのがフィロキセラですが、やはり結構やられてしまっているようです。今回、畑の航空写真を見せてもらったのですが、明らかに生育が遅い区画があります。そこはフィロキセラにやられてしまっているところです。そのため、イヴニングランドでは植え替えもかなり進めています。

試飲レポートは後編で。実はイヴニングランドは白もすごいんです。

Date: 2018/0421 Category: 業界ニュース
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2017年にワインスペクテーターのワインオブザイヤーを受賞したダックホーンのメルロー、スリーパームスヴィンヤード。受賞は2014年のものでしたが、一瞬で市場から消え去りました。個人的にも試飲会で味わう度に感心しておすすめで取り上げていたワインですから、嬉しさかったです。

その2015年が入荷しています。

このヴィンテージは試飲していませんが、毎年安定しているブランドですし、ヴィンテージ的にも悪くないので、今回もおすすめです。値上がりしなかったのもありがたいところ。

正直言って、ナパのこのレベルのワイン、カベルネ・ソーヴィニヨンなら2万円以上しても全然おかしくありません。そういう意味では格安だし、ブランドとしても十分です。レギュラーのメルローでも8000円くらいするので、それなら1.5倍出してもこちらを選びたいところです。

唯一の問題点は数が少ないこと。買いたいときにいつでも買えるワインではないので、あるときに買っておきましょう。




Date: 2018/0420 Category: 業界ニュース
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ナパの名門ワイナリー、ハイツ(Heitz)が売却されました(Napas Heitz Cellar Sold to Arkansas Billionaire Gaylon Lawrence)。購入したのはアーカンソーの大金持ちゲイロン・ローレンス。米国各地で農業を営むほか、銀行も複数所有しています。
Heitz Wine Cellars Cabernet Sauvignon
ハイツは1961年にジョー・ハイツが設立したワイナリー。単一畑のカベルネ・ソーヴィニヨンの先駆けの1つであるマーサズ・ビンヤードのワインで、絶大な人気を得ました。「カルト」と呼ばれるようなワイナリーの先駆けとも言われています。

2000年にジョー・ハイツが亡くなった後は息子のデイビッド・ハイツがワインメーカーとして、娘のキャスリーン・ハイツ・メイヤーズがCOOとして引き継いでいました。

今後は第3世代に委ねていくだろうと見られていたところでの売却だけに、驚きがありました。

なお、売却内容にはワイナリー、テイスティング・ルーム、400エーカーを超える畑が含まれています。ただし、マーサズ・ビンヤードはメイ家が所有しており、今回の取引には含まれていません。新ハイツが引き続き契約を続ける見込みです。

新しい社長とCEOにはジョセフ・フェルプスなどで活躍したロバート・ボイドが就任。ハイツ家の二人は引退します。
Date: 2018/0419 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパにスパークリングワイン専業のカスタム・クラッシュ(ワインの醸造や熟成を行う施設)が誕生しました(New project in Napa, Brut Custom Crush)。名前は「ブリュット・カスタム・クラッシュ」。設立したのは、ナパにあるカスタム・クラッシュの「ワイン・ファンドリー」(Wine Foundry)と元シュラムスバーグのワインメーカーのクレイグ・ルーマー(Craig Roemer)氏、トルスー・ブリュット・ボトリング(Trousseiux Brut Bottling)という移動瓶詰めサービス。

ソノマのヒールズバーグにはラック・アンド・リドル(Rack and Riddle)というスパークリング・ワインのカスタム・クラッシュがありますが、これまでナパには似たような設備がありませんでした。これで、小規模な生産者がスパークリング・ワインに参入しやすくなります。

なお、施設は既存のワイン・ファンドリーのものを使います。ワイン・ファンドリーはこれまで赤ワインを中心にビジネスをしており、スパークリング・ワインの醸造とは時期が異なるので共存できるといいます。

ワイナリーでクラブメンバー向けにスパークリング・ワイン作りたいところとか、多いのではないかと思います。これは良さそう。
Date: 2018/0418 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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エノテカが輸入するコナンドラムとラ・クレマが4月いっぱい2割引のセールになっています。

コナンドラム(Conundrum)はケイマス(Caymus)で知られるワグナー家のブランド。品種を謎にするという意味でこの名前を付けています。以前は白だけでしたが近年は赤も作っています。今回はどちらもセール。ワグナー家、ピノ・ノワールのメイオミ(Meiomi)で大成功して、ブランドを売却し、近年の「勝ち組」ワイナリーの代表格となっています。コナンドラムも品種は謎ですが、しかめっ面をして飲むようなワインではなく、陽気に楽しく飲むタイプのワイン。

一方、ラ・クレマ(La Crema)はケンダル・ジャクソンがソノマで展開するブランドの1つ。高品質なピノ・ノワールとシャルドネを作っています。AVA名を冠したワインが中心で、今回はソノマ・コーストのシャルドネとピノ・ノワールが2割引です。

Date: 2018/0417 Category: 業界ニュース
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サンフランシスコをベースにして、ワインの偽造鑑定を長年てがけてきたモーレン・ダウニーさん。「ワインのシャーロックホームズ」といった異名も持つ彼女が始めたのがブロックチェーンを使ったワインの認証サービスです(Wine fraud expert uncorks blockchain technology to protect integrity of expensive vintages - San Francisco Business Times)。

仕組みはこんな感じ。ワインを鑑定すると、そのワインの特徴を80以上のデータで記録します。この情報はブロックチェーン上で偽造できないようにされます。また、そこからワインの指紋となるようなユニークなIDを生成します。この情報はチップに埋め込まれ、何らかの方法でコルクに格納されるようです。チップはフェリカのような近接通信の機能を持っていて、外から読み取ることが可能です。それによってブロックチェーン上の情報と照合できるので偽造が防げるとのことのようです。

記事を読んだ限りでは、最終的にはワインの生産者にこの技術を採用してもらいたいようですが、生産者はそれぞれ偽造対策を始めているので、なかなかハードルは高そうです。

そうなるとワインを鑑定してもらう人が対象ということになるとおもいますが、その場合、チップの埋め込みをどのようにやるのかわかりません。ちなみにチップをコルクに埋め込むのはコラヴァンで、中身だけ、入れ替えられるのを防ぐ(コルクに針が刺さったときにチップが壊れるようにしている)ためだそうです。

また生産者に採用してもらう場合、ワイン一本一本に異なるIDを割り当てるのか(鑑定にかかる手間とコストが大変なことになりそう)、ひとつの種類のワインはIDを、共有するのか(データと合わないワインが出てきそう)、よくわかりませんでした。

宝石の世界では鑑定書をブロックチェーンで管理する技術が既に使われており、今回はその会社との提携によってサービスを始めたとのことですが、いろいろと敷居が高そうな感じがします。

Date: 2018/0416 Category: おすすめワイン
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インポーターのヴィノラムが直営する「ステキにワイン」でモレ(モルレ)ファミリーのフラッグシップ・シャルドネ「クープ・ド・クール」が特価で出ています。ラベル難などによるもので品質には影響ありません。

Wine-Searcherの平均価格168ドルに対して税抜き1万4400円ですから、かなり安くなっています。ただし、1本限りなので早いもの勝ちです。

Date: 2018/0415 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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かわばた酒店で、ソノマの名門「ハートフォード・ファミリー」のピノ・ノワールとシャルドネが特価になっています。シャルドネは税込みでも4000円台、ピノ・ノワールは税抜きでぎりぎり4000円台ですが、普通よりは1000円くらい安いです。ここも「自然派」とは名乗っていませんが、バイオダイナミクスを以前から実践しています。品質は折り紙付き。

Date: 2018/0413 Category: 業界ニュース
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Ridge Monte Bello

リッジのオーナーである大塚製薬についての記事が健康・医療系の情報サイト「STAT」に出ていました(The strange story of a pharma company's Silicon Valley winery)。ワイナリーを保有する会社は数あれど、製薬会社が持つケースというのは珍しく、その不思議さを追った記事となっています。

大塚製薬がリッジを買収したのは1986年。日本はバブル景気が始まったころで、海外への出資も盛んだったのは確かです。例えばサントリーは1984年にソノマのシャトー・セント・ジーンに出資、キリンは1989年にナパのレイモンドに出資、サッポロビールは1987年にナパのサン・クレメントを買収するなど、ビール会社が相次いでナパ、ソノマに進出していました。しかし、サントリーは1996年、キリンは2009年、サッポロは1999年に手放しており、大塚だけが残ったような格好です。

大塚はリッジにとっては理想的なオーナーと言えるでしょう。「よいワインを作りなさい、赤字にはならないように」という2ポイントだけで後は基本任せきり。ときどき接待で、さまざまな人をつれてくるくらいだといいます。ただ、毎年1月にはサンフランシスコでヘルスケアの会議が開かれるため、その期間だけはひっきりなしに客を招いているとのこと。

このあたりが、事業として進出して、後に手放してしまったビール会社との違いなのでしょうか。

2000年以降は、新たに日本の会社がカリゴルニアに出資する話はほとんど聞きません。その代わり、マボロシ・ワインの私市さんや、フリーマンのアキコさんのように、個人でワイナリーを始めるケースは増えてきました。また、ナパではカプコムの辻本憲三氏がケンゾーを始めました。これは会社とは関係なく、ほとんど個人の趣味のようなワイナリーです。

細く長く持ち続けている大塚製薬、オーナーとしてはめだたないけど、立派な態度ですね。
Date: 2018/0412 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国西海岸をベースにワインの分析をてがけるETS研究所の研究者が2017年の火事による煙汚染の影響について報告しています(ETS Laboratories smoke taint research - The viticulture blog)。

過去の研究から、煙の粒子はブドウの実や葉に吸収され、「グリコシル化」されます。これによって、一旦は無臭になるため、収穫時に汚染されたブドウとそうでないブドウを分けるのは困難です。しかし、発酵中にそれは加水分解され、煙臭くなってしまいます。

ラボによる分析では「グアヤコール」の濃度を調べることで、どれくらい汚染されたか調べられます。2015年の火事で煙汚染されたブドウの場合、通常の3から5倍ものグアヤコールが検出されたといいます。

2017年の場合は、1.6倍にとどまっており、思ったほど煙の影響はなさそうなことがわかりました。火事が発生したのが収穫時期の終盤で、ブドウへの吸収がさほど行われなかったのが理由ではないかと考えられています。

また、研究によると、ブドウを洗ったり発酵時間を短くすることは、煙汚染の害を減らすのには役立たないとのこと。葉の混入を防いだり、なるべく小ロットずつ発酵させることを薦めています。一度煙の影響が出てしまうと、そらを取り除く有効な対策は見つかっていません。
Date: 2018/0411 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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クロ・デュ・ヴァルから1993年、1995年、1996年、2002年のカベルネ・ソーヴィニヨンが蔵出しで国内入荷しています。

Wine Spectator誌のレビューによるとレイティングはそれぞれ83、88、87、75と正直あまり高くはありません。クラシックで果実味に頼った味作りはしないワイナリーなので、それがレイティングにつながっているような気がしますが、半面長期熟成には向いたワインだと思うので、がっかりすることはないだろうと思います。自分が選ぶなら、難しいヴィンテージだった93年は避けて、1995年か96年にするだろうと思います。

Date: 2018/0410 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで米国初となる農地保全条例が施行されたのが1968年。今年はそれから50年になります(Born in controversy, Napa County's ag preserve celebrated on its 50th anniversary)。

大都市サンフランシスコから車で約一時間。開発の波が押し寄せてきそうなのがそのころでした。1960年代といえば、シリコンバレーにもIC関係の企業が次々と設立され、その呼び名が始まったころ。インテルが設立されたのも1968年でした。

一方、ナパはまだブドウ畑も現在の3分の1。ブドウが主産物ではありましたが、牛肉もほとんど同じくらいの生産規模だったそうです。

条例の制定はナパを真っ二つにわける議論を巻き起こしました。当時まだできたばかりのロバート・モンダヴィでワインメーカーをしていたワレン・ウィニアスキーは賛成派。しかしワイン業界の重鎮だったジョン・ダニエル・ジュニア(元イングルヌックのオーナー)は反対だったそうです。

結果としてはナパがワイン産地として隆盛を築く原動力の一つになったこの条例ですが、ナパは今も、開発の是非で揺れています。

今問題になっているのは、斜面でオークの木の伐採を認めるかどうか。水の保全などのために条件を限りなく厳しくする案が浮上しています。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズなどは根拠が曖昧だとして、今回は反対に回っており、またヴァレーを大きく二つに分けています。これが決まると斜面におけるブドウ畑の開発はこれまで以上に困難になり、ほとんど不可能ということにもなりかねない、実はナパの将来にとっても重要な問題です。話が複雑すぎて、結果が出てから紹介しようと思っていましたが、この機会に触れておきました。
Date: 2018/0409 Category: 技術系
Posted by: Andy
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cheero Wireless Earphone
ダンボーのモバイルバッテリーなどが有名なCheeroが激安な完全ワイヤレスイヤホンを売り出すと聞いて、早速注文し、手に入れたのが3月9日。商品は数時間で売り切れて、現在も再入荷予定はないようなので、入手できたのはラッキーでした。ちなみにアマゾンでの価格は3980円。それから1カ月の感想を記します。

設定は簡単。電源ボタンを7秒以上長押しするとBluetoothのペアリングモードになるので、まずは左右のイヤホンをペアリングさせます。次に左のイヤホンをスマホなど本体とペアリングさせます。基本はこれだけ。一度ペアリングすれば、次からは電源をいれると自動的に両方とペアリングしてくれます。なお、どちらかの電源をオフにすると両方オフになります。

音質は意外と良好。低音が少し弱いですが、中高音は結構音が伸びますし、解像感も良好。なお、比較対象としてはBoseのワイヤレスノイズキャンセリングイヤホン「Bose QuietControl 30」を使っています。価格は約9倍。3000円台のイヤホンとしては十分すぎるくらいの音質に思います。

Cheeroのイヤホン、アマゾンの商品名のところには「ノイズキャンセリング 」と書いてありますが、これは通話時の機能だとのこと。イヤホンで音を聴くときにはノイズキャンセリング機能はありません。商品の性格上、耳への密着度が高く、元々外の音はほとんど入ってこない構造になっています。そこで、左の電源ボタンを軽く3回早押しすると、外界の音を取り入れるモードになるとのこと。ただ、この機能はあまり有効ではなく、音質もかなり不自然なものになります。最初2、3回試しただけであとは使っていません。

さてこの1カ月、主に電車の中で音楽聴いたりamazonプライム・ビデオを見たりするときに使ってきました。また家では掃除するときなどに使っています。

感想としては「完全ワイヤレスすばらしい。ケーブルがないってなんて自由なんだろう」ということです。特に、家で掃除するときなど、数回は足や手にケーブルをひっかけて外れてしまっていたのがなくなり、さらには本体を持ち歩かなくてもいいので充電しながら音楽を聴けるなど、もう元には戻れない感じです。

電車の中での音質は、さすがにBoseの優秀なノイズキャンセリングと比べると見劣りしますが、普通のイヤホンよりはずっとノイズも少なく、快適に視聴できています。

amazonなどでのレビューを見ると右側のイヤホンの音切れがひどいという感想が目立ちますが、私が使っているのではほとんどありません。電池が減ってくるとちょっと切れやすくなる印象はありますが、30分に1、2回あるかないかなので特に気になるレベルではないです。個体差が大きいのかもしれないですね。次の入荷のメドが立っていないのも、そのあたりを調整しているのではないかと思っています。
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あと、意外と便利なのが、片耳だけ使うとモノラルイヤホンになること。例えば左のイヤホンだけ使うと、左側の音だけがするのではなく右側の音と合わせた音になります。例えば、ランニング中に使うときなど、両耳入れると外の音がほとんど聞こえず危ないので、片耳だけ入れています。なお、右だけ使うときは右側とスマホとのペアリングが必要です。

というわけで、現在は手に入らないこのイヤホンですが、ほかのメーカーからも3000円台で完全ワイヤレスやワイヤレスのイヤホンが出ていて、結構評価も高いです。一度使ったらケーブル付きには戻りたくなくなると思いますよ。
Date: 2018/0408 Category: 業界ニュース
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先月、「復活、ナパ・ハイランズ 4月入荷分の予約始まる」という記事で予約が始まっていると紹介したナパ・ハイランズですが、無事に出荷始まっているようです。とはいえ人気商品ですし、一度途切れるとまた数カ月入荷待ちにならないとも限らないので、早めに買っておいた方が無難かもしれません。

なお、この価格帯のワインは現在激戦区となっており、インポーター各社力を入れています。こちらもご参考に。
次のナパ・ハイランズはどれ? 良質ワインひしめき合うアンダー5K市場


ケースで買えば送料無料です。
Date: 2018/0408 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハーバード・ビジネス・レビューといえば、経営者に人気のビジネス誌ですが、そこにオーガニックワインについての記事が出ていました(How Organic Wine Finally Caught On)。

Pinot Grigio prior to harvest, vintage 2012

記事によると、オーガニックなブドウ畑は全体の5%。米国ではオーガニックなワインは全体のわずか1%に過ぎません。米国で、牛乳や野菜などでオーガニックがはやっているのに比べるとワインはかなり遅れている印象があります。オーガニックな食品のスーパーとして知られているホールフーズでも、実はオーガニックなワインはあまりプロモートされていないといいます。

オーガニックなワインが流行らなかった1つの理由は品質の低さ。酸化など劣化したワインの比率が高く、流通や小売りで避けられてしまいました。

なお、米国ではUSDAが「オーガニック・ワイン」として認定するためには二酸化硫黄、いわゆる酸化防止剤の添加が禁じられています(欧州では認められています)。「made with organic grapes」の場合は認められています。このあたり、いろいろめんどくさいですが、日本だとそもそも認証制度がないので、それに比べるとちゃんとしているとも言えます。というわけで米国で「オーガニック・ワイン」と認証を受けている場合は酸化防止剤は加えられていないはずです。これをプラスととらえるかマイナスととらえるかは人それぞれだと思いますが…

この記事で取り上げているオーガニック・ワインも必ずしもUSDAで認定されているものだけではなく、日本でいう「自然派ワイン」みたいなわりと広いところで捉えていますが、ともかくマイナスイメージがつきまとっていた製品であったということです。

風向きが変わってきたのは2010年ころから。コペンハーゲンにあった有名レストラン「Noma」がオーガニックなワインだけをリストに載せていたなど、高級レストランからその波は始まったようです。20世紀末のオーガニックな波には乗りそこねたオーガニックワインですが、21世紀の「地域固有の、職人技による」食品の波に乗ってきました。特にバイオダイナミック(ビオディナミ)のワインについては高く評価されるものが増えてきました。

そういった形で遅れ馳せながら、米国でもオーガニックなワインはようやく市民権を得てきたようですが、最近は「オーガニック」という言葉より「サスティナブル」の方が消費者人気は高いといった、新たな事象も起きているようです。

個人的には、オーガニックや自然派を標榜するところには、ちょっと眉につばをつけてしまうところがあります。前にも書きましたが、オーガニックは目的じゃなくて手段だと考えているからです。「オーガニック」を目的として結果的に美味しくないワインを作っているとしたら意味がないと思います。一方で、美味しいワインを作るためにいろいろやっていった結果として自然派になっていったというのは理解できるし、応援もしています。実際、数万円というレベルのワインの多くは、多かれ少なかれ自然派になっていると思います。ただ、それをわざわざ打ち出すとことはほとんどありません。
Date: 2018/0406 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wine Institute試飲会
ワイン・インスティテュート試飲会でおいしかったワイン」という記事の冒頭で紹介したリッジのプティ・シラー、これぞプティ・シラーという味わいでとてもよかったのですが、柳屋でもこの試飲会の「最大のサプライズ」として紹介していました。

エレガント系のワインも美味しいですが、ときには「ガツンとくる」ようなワインを飲みたいときもありますよね。そういったときにはぜひお薦めです。レイヴンズウッドのスローガン「No Wimpy Wines」を思い出します(笑)。ちなみにバランス派と思われるヴィナスのアントニオ・ガッローニはこのワインに95点を付けています。


こちらにも。


レイヴンズウッドの名前が出たところでやっぱりこれを忘れてはいけないのは創設者ジョエル・ピーターソンの「ワンス&フューチャー」。このプティ・シラーはこの1年で最も衝撃的なワインだったといっても過言ではありません。


もう1つ、プティ・シラーといえば忘れてはいけないのがナパのスタッグス・リープ・ワイナリー。パリスの審判で有名なスタッグス・リープ・ワインセラーズではない方「Stags' Leap」の方です。ここが一番力を入れているのがプティ・シラー。昨秋に久々に試飲したらやっぱりおいしかったです。


初めて試飲したフラッグシップのプティ・シラーはよりエレガント派。


久々にプティ・シラー飲みたくなったけど、もっと手頃なのはないの? という人もいるでしょう。それならばボーグルもお薦め。ここはどれもコスパよくはずしません。最近はサスティナブルにもこだわっています。

Date: 2018/0405 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ハイツの単一畑「ベラ・オークス」の1997年が、蔵出しで出ています。価格も1万円台半ばはとてもお買い得。熟成にも定評のあるワイナリーですから、熟成したカベルネ・ソーヴィニヨンが飲みたいという人にもいいと思います。売り切れていたらすみません。


記事公開前に売り切れていそうな気がするので、ハイツとは無関係ですが、お得なセットを紹介しておきます。ケンダル・ジャクソンの大ヒットシリーズ、ヴィントナーズ・リザーブのカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワール、ジンファンデル、シャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランの5本で約1万2000円(税込み)。送料無料。3割引のお買い得となっています。

Date: 2018/0404 Category: 業界ニュース
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セントラル・コーストのグルナッシュについての記事がWine Enthusiastに載っていました(How California’s Central Coast Winemakers are Making Grenache Their Own)。ブレンド用のブドウとみなされてきたグルナッシュですが、最近ではグルナッシュをメインの品種とするワイナリーも増えてきました。品質も向上し、高品質なピノ・ノワールに匹敵するレベルのワインが、その半額で手に入るようになってきました。

IMG_3372

グルナッシュの先人は、ボニードゥーン(Bonny Doon)のランドール・グラーム。1980年代に人気ワイン「シガール・ヴォラン」に使い始め、その後「クロ・ドゥ・ギルロイ」ではグルナッシュをメインに使っています。

しかし、後に続くワイナリーはあまりなく、いても品質は今ひとつでした。

1990年代にタブラス・クリークができ、フランスのボーカステルからクローンを輸入して植えました。この高品質なクローンが、グルナッシュの品質向上に大きく貢献しています。

グルナッシュは非常に成長しやすく、実もたくさんつけやすいブドウです。カリフォルニアではほうっておくと、一房がバスケットボール大にまでなってしまい、ブドウの実もプラムのように大きくなってしまいます。そうなると、ワインのフレーバーは味気なくなってしまいます。難しいブドウと言われるピノ・ノワールよりも、おいしいグルナッシュを作るのは難しいようです。しかし、しっかりと熟成させたグルナッシュは、酸もしっかり残り、レッド・フルーツのフレーバーやローズ・ペタル、コーラのようなスパイスの風味が出てきます。

現在ではKaena、Casa Dumetz、A Tribute to Graceといったワイナリーがグルナッシュをメインに作っています。ビリキーノなどもデリケートで高品質なグルナッシュを作っています。

また、ライトでデリケートなグルナッシュだけでなく、インクのような濃いグルナッシュを作るワイナリーもいくつかあります。この記事では登場していませんが、シン・クア・ノンはグルナッシュでも非常に高く評価されていますね。

個人的にはまだまだグルナッシュについては経験不足であまり語れませんが、おいしいグルナッシュが増えてきているのは実感しています。もっと多くのグルナッシュが日本にも入ってくるといいですね。

Date: 2018/0403 Category: 業界ニュース
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ソノマのグリーン・ヴァレーにあるロン・ルビン・ワイナリー(Ron Rubin)。今まで聞いたことのなかったワイナリーですが、ワインと関係ないところで非常にユニークな取組をしています(Ron Rubin Winery Trained for "Saving Lives" Program expands to include all of the North Coast)。
Ron Rubin
2017年の秋から、ソノマのワイナリーを対象にAED(自動体外式除細動器)を無料で配布していたのですが、その対象をナパ、ソラノ、レイク、マリン、メンドシーノの各郡にまで拡張したのです。

参加するワイナリーは、従業員のトレーニング代として、赤十字に一人あたり60ドルを払う必要がありますが、コストはそれだけ。1台1700ドルというAEDのコストはすべてロン・ルビン・ワイナリーが負担します。

これまでのところ89のワイナリーが、これでAEDを入れました。

オーナーのロン・ルビンさんは2009年に心室頻拍で病院にかつぎこまれ、九死に一生を得ました。それでAEDの必要性に思い至り、今回のプログラムを始めたのだそうです。

ちなみに、心室頻拍の際に救急を呼んだ息子のトッドは「The Republic of Tea」というお茶の会社の社長をやっているそうです。

ともかく、この奇特なプログラムがいろいろな人の役に立つことを祈ります。
Date: 2018/0402 Category: 業界ニュース
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米国のスーパー「トレーダージョーズ」(Trader Joe's)で3.99ドルの有機ワインを発売することが判明しました。
Charles Shaw Oaganic

ワインの名前は「チャールズ・ショー・オーガニック(Charles Shaw Organic)」。2ドルのワイン、通称「2バック・チャック」で名を馳せたチャールズ・ショーのワインです。

「有機」人気の高まりによって作らざるを得なくなったようですが、どれくらい売れるでしょうね。2バック・チャックの高級バージョンということになるのでしょうか。

それからもう1つ、新しいワインではコルクを取るために「Helix」という新しい製品を使います。これは、コルクでありながら、スクリューキャップのようにひねるだけで外せます。

4ドルの有機ワイン、売れるのかどうか注目です。
Date: 2018/0401 Category: おすすめワイン
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ソノマの実力派老舗ワイナリー、シミ(Simi)のロゼが輸入元終売で1000円台のセールになっています。ロゼでは珍しいカベルネ・ソーヴィニヨンをベースにしたものです。


ついでにもう1つ輸入元終売価格のものを紹介しておきます。以前、プティ・ヴェルドとバルベーラを紹介したマックマニスのワイン。輸入元変更によって、元の輸入元が投げ売り価格で出しているものです。上記赤2種はなくなったようですが、ピノ・グリージョがまだ1000円程度の価格で出ています。インポーター直営ショップなので管理は万全だと思います。

Date: 2018/0330 Category: 業界ニュース
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The Drinks Businessの記事によると、ボンド(Bond)の2017年の生産量は12~17%ほど減るそうです(Bond Estates’ 2017 vintage production drops 17%)。エステート・ディレクターのスコット・グールド氏によると、それでも他のワイナリーよりは被害が少ないのではないかとのことです。
Bond
収穫減の理由はもちろん2017年10月に起こった火事。畑が焼けるといった被害はなかったものの、長期間煙にいぶされたブドウがあったことや、補助電源を持っていなかったワイナリーではタンクの中で長時間発酵が止まってしまったことなどが原因となっています。

ただ、生産量の増減は、この年に限らずつきものであり、豊作だった2012年は2800ケースだったのに対し、旱魃の影響が大きかった2015年は1900ケースだったなど、想定の範囲内ではあるようです。

グールド氏によると、それよりも頭を悩ませているのは、貿易の問題。トランプ大統領が3月22日に鉄鋼とアルミニウムの輸入制限を発動し、中国はそれに対する報復措置として翌日、様々な米国産の製品の関税を上げると発表しています。これによってワインも15%の関税がかかることになります。

アジア市場に力を入れているボンドにとって、これは由々しき問題。現状はまだ日本の方が中国と香港を合わせたよりも大きいそうですが、成長している市場だけに痛手はかなりありそうです。

個人的には、米国と中国の間がこじれることは、より安定した日本の市場を重視してくれることにつながるのではないかと、逆に期待したくなる面もないわけではないですが、鉄鋼とアルミニウムの問題は日本にも降り掛かっているわけであり、日本も中国と同じように報復的な措置が始まらないとも限りません。米国のTPP離脱はやはり痛かったと思います。
Date: 2018/0329 Category: グルメ
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日本橋のコレド室町にある「肉割烹 KINTAN コレド室町」に行ってきました。「王様のブランチ」で紹介されているのを見て、おいしそうと思ったのが、この店を選んだ理由ですが、実は昨年末に結婚25周年だったのが、バタバタと祝いもせずに過ごしてきたのでそのお祝いも兼ねています。

そんなわけで、結婚した年のDunnカベルネ・ソーヴィニヨン ナパ・ヴァレーを持ち込ませていただきました(持ち込み料は3000円)。
Dunn Napa Cabernet Sauvignon 1992
赤坂の金舌ではランチを食べたことがありますが、ここは初めて。「肉寿司」などを売りにしているようです。食べたのは、その肉寿司も4カン含まれる肉三昧コース。
牛肉と菜の花の酢味噌和え@Kintanコレド室町
最初は「牛肉と菜の花の酢味噌和え」。軽いジャブという感じですが、肉のうま味と酢味噌、菜の花の軽い苦味がマッチして春らしく美味しいです。
テタンジェ
最初はテタンジェをグラスでいただいています。

サーロインユッケ@Kintanコレド室町
次はサーロインユッケ。左側が醤油ベースのタレがかかっていてナッツが散りばめられています。右側はネギ塩味。生肉の規制が厳しくなった今、日本でユッケが食べられる店は貴重です。それだけきちんと管理しているということでもあります。

ユッケというとごま油と卵黄というのが一般的だと思いますが、前菜的な位置づけだからかそれよりは少しあっさりした味付け。ネギ塩はもちろん、ナッツも熟成肉のような風味を与えて美味しいです。

ここからはダンのカベルネも開けています。

ダンはナパとハウエル・マウンテンとあって、自社畑のハウエル・マウンテンがフラッグシップであり、特に長熟型で知られています。ナパの方は買いブドウであり、25年経って落ちているのではないかとちょっと心配していたのですが、全く杞憂でした。色はまだまだ濃く、光を透かすとエッジがわずかにオレンジがかっていますが、それでも25年経っているとは思えないような若さがあります。

まだ果実味もしっかりしていて、カシスの風味が豊か。鉱物的なニュアンスもかなりあり、チョークの風味もわずかに感じました。酸は抑えめ、タンニンはこなれていてパワフルだけど落ち着いた味わい。肉料理だけど和食系の今日の料理にはちょうどいい感じでした。

牛肉寿司@Kintanコレド室町
肉寿司4カンがやってきました。右からハツの醤油漬け、和牛の特上カルビ、ロッシーニ(フォアグラとトリュフが乗っています)、白タンの昆布締め。

ハツはあっさりめ。肉のうま味よりは歯ごたえを楽しむ感じ。白タンの昆布締めはタンの独特の風味に昆布のうま味が加わって面白い味わいです。特上カルビは言うことありません。味付けは抑えめで肉のうま味と脂身のうま味を味わう感じ。ロッシーニもとても美味しい。バルサミコを使ったソースも美味しく、ワインが進む味。

熟成牛タンの串焼き@Kintanコレド室町
次は30日熟成した牛タンの串焼きです。分厚くカットされた牛タンは歯ごたえよく、肉の味も脂の風味も言うことなし。少し塩を付けて食べるのがいいです。しあわせになります。欲を言えばもっと食べたかった…

次に出たケールとクレソン、アボカド、タアサイという面白い組み合わせのサラダも実は美味しかったのですが、肉の美味しさでぼうっとして写真を撮り忘れました。リンゴベースだというドレッシングが爽やかで、一見癖が強そうな野菜をうまくまとめています。

その次が、この日の一番のハイライトと言ってもいいでしょう。和牛サーロインのトリュフすき焼きです。
和牛サーロインのトリュフすき焼き@Kintanコレド室町
軽く火を通した薄切りのサーロインとすき焼きのタレ、卵黄を絡めて、さらにトリュフと一緒にいただきます。和牛の美味しさと、卵とちょいあまのタレに、トリュフの香りが抜群。トリュフと卵黄というのも鉄板の組み合わせですね。余ったタレはゴルフボール大のご飯と混ぜていただきましたが、ご飯はもっとほしかった(笑)。余ったタレだけでお茶碗1杯は行けました。

サガリの味噌焼き、九条ネギと黄色人参添え@Kintanコレド室町
これで終わりではなく、最後はサガリの味噌焼き、九条ネギと黄色人参添えです。サガリは横隔膜のところなのでハラミと同様、分類としては内臓になるそうですが赤身肉の歯ごたえとうま味があります。前のサーロインのうま味とは全く対照的な肉。脂がないので、それなりにボリュームはありますが意外とあっさり食べられます。

ちょうどワインもなくなり、食事を堪能しました。
Date: 2018/0328 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっと古い記事ですが、ヴィナスのアントニオ・ガッローニがナパの2015年と2016年のヴィンテージについて語った記事があったので紹介します(Brilliance in Napa Valley: 2016 & 2015 Cabernets - Parts 1-3 (Jan 2018) | Vinous - Explore All Things Wine)。

2016年まで続いた旱魃でしたが、2015年と2016年は一見似ているようでかなり異なる生育シーズンとなったようです。どちらも収穫時期が早く始まり、スパークリング・ワイン用のブドウでは7月に収穫したところもありました。2年連続で収穫開始の記録となっています。

ただ、その後8月になると様相が変わります。2015年は収穫時期が前倒しになったまま、ずっと進んでいったのに対し、2016年は8月に一転、涼しい日が続いて収穫時期は平年並みに戻ってしまいました。

ブドウの出来で見ると、2015年は日焼けしたり、乾燥して縮んでしまった実が少なからずあり、選果が重要になったのに対し、2016年はそういった実がほとんどありませんでした。

その結果、2015年は全般で見れば、力強く芳醇なワインが多いですが、生育期間が短かったのか、乾燥によるストレスで熟成を止めてしまったのか、意外とミディアムボディのものが多いとのこと。

一方、2016年は2013年や2014年に似た素晴らしいヴィンテージとなっています。2013年からタンニンを柔らかくしたような、あるいは2014年により味の深みを与えたようなヴィンテージとのこと。この10年で見ると、2013年にわずかに劣るかどうかという良ヴィンテージだそうです。

また、ガッローニは2017年についても言及しています。2017年12月の時点では既にぱっと見では火事の影響はわからないレベルだったとのこと。ただ、表面的には復興しても、背後には家を失った人なども多く、人への影響は少なからず残っているそうです。

また、ワイン・インスティチュートのレポートでは収穫量は微減で済んだことになっていますが、ガッローニはやはり煙の影響を心配しています。醸造はしたものの、ボトル詰めはしなかったり、バルクワインとして売ってしまうところも少なからずありそうな気配です。数量はかなり減るだろうとガッローニは見ています。
Date: 2018/0327 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ヴィナスでいきなり98点をつけたキスラーの新しいピノ・ノワール「ラグナ・リッジ(Laguna Ridge)」が柳屋に入荷しています。新しいピノ・ノワールといっても実は元の「キスラー・ヴィンヤード」。どうして名前が変わったのかなど、詳しいことはわかりませんが、スティーブ・キスラーがキスラーをやめて、自身のオキシデンタル(オクシデンタル)に専念することを発表した今、キスラー(ワイナリー)にとっては朗報ですね(名前がややこしいですが)。

個人的にも、オクシデンタルの方に目が行ってしまい、キスラーはチェックしていなかったので、改めてキスラーの現ワインメーカーであるジェイソン・ケスナーにも注目していきたいと思います。


オクシデンタルのキュベ・キャサリンなどと飲み比べてみたくなりますね。


キスラーのピノ・ノワールもAVAものは昔に比べて安くなったような気がします。

Date: 2018/0326 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのCKモンダヴィが若い世代への移行を進めています(Napa’s Mondavi estate announces fresh leadership)。

ロバート・モンダヴィとピーター・モンダヴィの父、チェザーレがナパのチャールズ・クリュッグを購入したのが75年前。その後、兄弟喧嘩で兄ロバートが勘当されてロバート・モンダヴィを設立したのは有名な話ですが、ロバートの子どものマイケルとティムが袂を分かってしまったのとは対称的に、ピーターの家族は結束を固めています。

このあたり、詳しくは「【保存版】モンダヴィ・ファミリーの系譜」をご覧いただきたいのですが、上記記事を2016年に書いたときは、ピーターが亡くなり、息子のマークとピーターJr.がCKモンダヴィを引き継ぐ格好でした。
ピーター・モンダヴィ
それが今回、この2人の兄弟が引退し、それぞれの子供達計6人に主導権を委ねる形に移行します。チェザーレから数えると第4世代にあたることから「G4」と呼んでいます。
アップデート
上記保存版の記事もこれに合わせて更新しておきます。
Date: 2018/0325 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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今年の1月に「パーカー97点で1万円台、天才トーマス・リヴァース・ブラウンのカベルネ」という記事で紹介したリヴァース・マリーのカベルネ・ソーヴィニヨン カリストガ2015ですが、当時の価格1万7000円台より一層安くなっており、現在は米国で買うよりも安価なところもあります。


現在のWine-Searcherでの最安が125ドル(税抜き)ですから、税抜価格の12800円はそれを下回ります。しかもこのワイン、200ケースそこそこしか作られていない希少なもの。日本に輸入されているだけでもありがたいワインです。

ナパ・ハイランズなら3本買える価格ですが、それだけの価値は十分にあるワインです。
Date: 2018/0324 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国のNetflixがナパを舞台にしたドラマを作成すると発表しています。タイトルはそのまんま「Wine Country」。



50歳を迎えた女性の友達グループがナパを訪れるという話のようです。エイミー・ポーラーという女優が初めて監督として作る作品で、本人も出演します。このほか「Rachel Dratch, Ana Gasteyer, Paula Pell, Maya Rudolph, Emily Spivey and featuring Tina Fey」といった女優が出演するとのこと。たぶんテレビ中心の女優さんでしょうね。私は知らない人ばかりでした。

なお、ナパのどのワイナリーが撮影に使われるかもまだわかりません。放映時期も未定です。3月末から撮影に入りますが、収穫時期の映像まで使うとしてら半年くらいかかりますねえ。どういう形になるのでしょうか。
Date: 2018/0323 Category: 技術系
Posted by: Andy
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Amazonのプライムビデオ、スマホにダウンロードできるので通勤中によく見ています。ただ、いつの間にかプライムの見放題対象でなくなってしまうのもあるんですよね。例えば「サイドウェイ」もプライム対象でなくなってしまいました。

実は、プライムビデオのページには、「もうじきプライム会員特典でなくなる作品」というリストがあります。
Amazon.co.jp: 映画: 30日以内にプライム会員特典ではなくなる作品
今月も、四半期末だからか結構あります。

特に「おっと」と思ったのは2012年の映画「レ・ミゼラブル」が終わること。ちょうど「グレーテスト・ショーマン」を映画館で見て、「レ・ミゼラブル」もまた見たいと思っていたところだったので、あわててもう1回見ました。

このほか、「テッド」とか「ペット」とかも終わりです。


アクション好きなら「ボーン・アイデンティティ」などのジェイソン・ボーンのシリーズも終わりです。


というわけで月末までダッシュでいろいろな映画を見てます。
Date: 2018/0323 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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タブラス・クリークの創設者のロバート・ハースが亡くなりました。90歳でした(Remembering Robert Haas, one of the most influential figures in American wine - San Francisco Chronicle)。

RobertとJason Haas
(写真右がロバート)

ロバート・ハースはニューヨークの生まれ。父親が営んでいたリカー・ショップで働くようになり、米国で初めてボルドーの「フューチャー」(プリムール)での販売をするなど、さまざまな先駆的な試みをしました。

最初はフランスのワイン・ディーラーを通じてワインを入れていましたが、その人が1953年に亡くなった後はロバートがフランスにわたって多くのワイナリーと関係を築きました。

その1つがボーカステルでした。

父親がショップを売却した後は、インポーターになるものの、先駆すぎて商売はうまくいかなかったようです。

そこにボーカステルがカリフォルニアでワイナリーを作りたいという意向を示し、一緒にタブラス・クリークを立ち上げました。

当時はローヌ系のワインは米国ではほとんど造られておらず、苗木はフランスから運び、検疫など果てしない苦労を重ねながら、ようやく植えられるようになったそうです。

苗木を最初に運んだのが1989年。畑を植えたのはようやく1994年のことでした。1995年にはインポータービジネスをやめ、タブラス・クリークに専念するようになりました。

タブラス・クリークは最初から有機栽培を行うなど、いろいろな意味で先駆的でした。パソ・ロブレスがワイン産地として名乗りを上げたのもタブラス・クリークからと言っていいでしょう。

ナパのロバート・モンダヴィに匹敵するような偉人の一人だと思います。ご冥福をお祈りします。
Date: 2018/0322 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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山梨ワイナリー巡りの後編です。

前編はこちら(山梨ワイナリー訪問:奥野田ワイナリー)。

最初に断っておくと、今回はちょっと辛口です。

奥野田ワイナリーを出た後、おすすめされた「完熟屋」という店でランチにしました。山梨名物といえば「ほうとう」が有名ですが、「甲斐サーモン」という大型のニジマスの丼にしてみました。これが美味でよかったです。店も雰囲気よし。サイドでとった牛すじの煮込みもおいしかったです。
完熟屋完熟屋完熟屋

その後向かったのは「フジッコワイナリー」。「ふじっ子煮」で有名なフジッコが作ったワイナリーです。工場見学もしたかったのですが、次のツアーが1時間後ということであきらめ、試飲だけをしました。
勝沼
テイスティング・ルームは広々としてきれいです。入り口で受け付けをして、プラスチックのテイスティング用カップをもらって、自由に試飲するスタイル。試飲のワインは10種類程度ありましたが、クラノオト・シリーズの「デラウェア」や「ナイアガラ」など甘めのタイプも多く、あまりワインマニア向けな感じはありませんでした。フジクレールのルージュなど、それなりに美味しかったですが、購入にはいたらず。なお、今日の記事で取り上げるところはすべて無料試飲でした。あと、ナタデココの試食はおいしく、子どもが1つ購入していました。
勝沼
その後、老舗に行ってみようとシャトー・メルシャンに向かったのですが、残念ながらこの日は休み。近くにあった「盛田甲州ワイナリー」(シャンモリ)に入ってみました。ここはかなり広い敷地でレストランなども併設されています。
勝沼
ここはカウンターにワインが並んでいて自由に試飲するスタイル。試飲は先程と同様、プラスチックの小さなカップです。山梨県韮崎市穂坂町産マスカットベーリーAを使った地域名付きのワインなどはかなり美味しかったです。ただ、このときは甲州を選びたい気分で、どうも甲州はピンとくるのがなく購入はなし。工場の見学もできたようなのですが、このときは、気が付きませんでした。
勝沼
その後、向かいにあるシャトレーゼのワイナリーに行きました。ここは試飲カウンターだけ。工場見学も可能なワイナリーは西の甲斐市にあるそうです。シャトレーゼがワイン? なんていう気もしましたが、ワインのレベルは意外と高かったです。試飲は全部で15種類くらいあり、テイスティンググラスで試飲する形。甲州だけでも5つほどもあり、内容は充実していました。いろいろあったうちで勝沼町等々力産の甲州を使ったワインを購入。すっきりとしていますが、深みもあってなかなか美味しかったです。

と、ちょっと駆け足で3つのワイナリーを回って、ホテルに向かいました。

これらのワイナリーで残念だったのは、ワインの説明をほとんど受けられなかったこと。フジッコはブドウの種類が書かれた紙が貼ってあったくらいでどのようなワインかほとんど書いておらず、説明の人もいませんでした。シャンモリはただボトルが置いてあるだけ。カウンターに人がいましたが、ワインに詳しい感じではなく、「こちらが甘口です」くらいの説明しかありませんでした。シャトレーゼは、試飲リストに少し説明が書いてあったものの、カウンターの人に話を振っても、そこに書かれている以上の話はほとんど出ませんでした。

無料試飲のところでどこまで期待するかということもあるとは思いますが、それならば有料の試飲も作ってほしいですし、おそらくここに来る人の多くはそれほどワインに詳しくないだろうと考えると、複数ある甲州ワインでどれがどうだとか、マスカット・ベーリーAはどういう味わいだとか、そういうことを簡単にでも説明してくれたら、印象も大きく変わるし、ワイナリーへの親しみも湧くと思うのです。

また、フジッコとシャンモリでは小さなプラスチックのカップでの試飲だったので、香りの違いを感じるのはかなり難しかったです。ワインの印象をよくするためにもテイスティンググラスは必要だと思います。

ワイナリーは、ワインのことを来た人に知ってもらう、そしてワインを買ってもらうまたとない場所です。例えば、近年米国ではテイスティング・ルームでの販売や、そこでメール会員になってもらった人への直接販売の比率がどんどん上がっていっています。教育の面でも顧客対応の面でも、極めて多くの機会を損失していると思います。せっかく日本のワインのレベル自体は上がってきているのに、これではなかなかファンを増やすのは難しいのではないか。そういう気がしました。

石和温泉のホテルにチェックインしてから、徒歩でいける「モンデ酒造」に行きました。ここは駐車場が広く、観光バスも多く立ち寄るところのようです。ワイナリー見学はセルフツアーで、それほど興味深い内容があったわけではありませんが、個人的には樽のメーカーがいろいろあるところなど、楽しめました。
モンデ酒造
モンデ酒造モンデ酒造
テイスティング・ルームは、プラスチックカップで、セルフで注げるワインが数種類と、カウンターで注いでもらうワインが10種類程度。カウンターの方はなかなかレベルの高いワインもありました。特にメルローとブラッククイーンのブレンドのワインはかなり美味しく、購入しました。これはサクラアワードでダブルゴールドとベスト国産ワイン賞を受賞したワインだったとのこと。途中から団体客が入ってきたので混み合って大変でしたが、それまではカウンターの方も結構一生懸命説明してくれました(最初に聞いたシュール・リーのワインの説明のときに、「シュール・リーってわかりますか?」と聞かれて「大丈夫です」と答えたので、それなりに分かっている人として説明してくれたような気がしました)。総じて、午後に回ったワイナリーの中ではここが一番満足度が高かったです。

繰り返しになりますが、これから山梨がワインツーリズムを推進していくつもりなのであれば、テイスティング・ルームのオペレーションは大幅に改善する必要があると思うし、うまくすれば大きな効果を引き出せると思います。そんなことを思ったワイナリー訪問でした。
Date: 2018/0321 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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お花見など、アウトドアでワインを飲むときに困るのがグラスですよね。紙コップでは味気ないし、香りも感じにくいし。そんなときに重宝するのが合成樹脂のぐらす。侮るなかれ。意外とよくできているんです。
花見をおいしく楽しくする ワインアイテム7選|MONO TRENDY|NIKKEI STYLEの記事に出ていたのはトライタンというグラス。形もスパークリング用からブルゴーニュ型まで色々ありますが、使い勝手がいいのは赤にも白にも使えるサイズでしょう。

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うちで使っているのはGovinoという製品。ちょっとくぼみがあって持ちやすくなっているのがポイント。ステムレスでもあり酔っ払ってもグラスをひっくり返しにくいです。

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どちらも手頃な価格なので、とりあえず持っておくのもいいかも。何かのときに持参すると株が上がるかもしれません。
Date: 2018/0320 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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十数年ぶりに山梨のワイナリーに行ってきました。家族旅行で行ったので、ワイナリー巡りというほどではないですが、計5つのワイナリーに訪問できました。2回にわけてレポートします。
奥野田葡萄酒
最初に訪問したのは奥野田(おくのた)ワイナリー。勝沼のワイナリー密集地帯から少し北に行ったところ、甲州市の旧奥野田地区にあるワイナリーです。スタッフ4人で切り盛りしている小さなワイナリーですが、その一人であるほげちゃんこと細川さんとは旧知の間柄。ここに来てからは4年ということでしたが、会いにいってきました。

午後にイベントを控えていて、あまり時間はなかったのですが、畑も案内してもらいました。
奥野田葡萄酒
ここはワイナリーの近くの畑「HIYAKE VINEYARD」でカベルネ・ソーヴィニヨンが植わっています。このほか盆地の東側の斜面(上の写真の奥の方)にも2カ所畑があり、計1.5haの畑を持っています。自社畑以外に購入したブドウでもワインを造っています。この畑は「奥野田ヴィンヤードクラブ」という、会員がブドウの木を所有して、年に数回作業も行うクラブでも利用しており、木には所有者の名札がついています。
奥野田葡萄酒
また、富士通の福利厚生などを行う「富士通GP2020ワインファーム」もここを使っており、富士通のIoT技術を使って畑の状態を観測するための装置が置いてありました。

日本では特に甲州種など、旧来の棚作りにしているところもありますが、ここはすべて垣作りにしています。また、自社畑ではカベルネ・ソーヴィニヨンのほかシャルドネやメルローといった欧州系の品種だけを育てています。樹は1ha当たり4500~6000本というかなりの密植で植えています。この畑は粘土層で水の保持能力が高く、日本の畑はどうしても肥沃な傾向が強いため、ブドウによりストレスを与えるよう、土は全く耕さず、肥料も与えていません。カバークロップも自然に任せていますが、以前植えていた芝や、マメ科の植物などが生えています。訪れたときにはオオイヌノフグリが可憐な花を咲かせていました。

このようにある程度ストレスを与えるほかは自然に任せていますが、収穫は少しずつ上がってきたそうです。

また、ここでは殺虫剤も使わず、ボルドー液や生物農薬を使っています。いわゆる自然派ではありますが、特に自然派と名乗ってはいません。私も自然派は「目的ではなく手段」だと思っているので、その態度はとてもよく理解できます。
奥野田葡萄酒
訪問した3月半ばは、まだ芽が出るには早い時期ですが、ブドウの木の「揚水」が始まっていて、樹の切り口からは吸い上げた水がぽたぽた落ちてくるところが見られます。冬の間からからに感想していた枝が、水を含んで柔らかくなると、枝をワイヤーに這わせる「誘引」作業をします。

試飲に移ります。
奥野田葡萄酒
最初は奥野田ビアンコ2016。蝶のラベルのシリーズです。甲州にシャルドネ、デラウェア、ミルズをブレンドしたもの。購入したブドウで造っています。税込み1944円。ステンレスタンクで発酵・熟成しています。半年間シュール・リーしているとのことで、ちょっとオレンジワインのような感じがあります。レモンに白桃、ハーブのニュアンス。アフターに軽い苦味。どちらかというと爽やかというよりリッチなテーストのワイン。

次は桜沢シャルドネ2016。3780円。自社畑のワインです。新樽で発酵・熟成しています。樽に関しては、本当は風味を付けすぎないよう、ニュートラルなものを使いたいそうですが、このところ樽のメーカーがウイスキー用の樽で手一杯とのことで、中古の樽が手に入らず、新樽を使って中古にしていくということをしています。そのため、年によって新樽になったりそうでなかったりと、コントロールには苦労しているとのこと。確かに、樽の風味はかなり強めで、まだ果実味としっかりなじんでいない感じがしました。2、3年経つともっとこなれて美味しくなりそうです。2016年は雨が多く、ブドウの15%に貴腐菌がついたとのこと。それもあるのか、酸はそれほどきつくなく、オレンジの風味。ミネラルも感じます。

次はメルロー・カベルネ2015(3780円)。自社畑のメルロー(65%)とカベルネ・ソーヴィニヨン(35%)をブレンドしたワイン。カシスの風味、酸がきれいです。タンニンもしっかりしていますが、きめ細かく、荒々しさは感じません。こくもあり美味しい。個人的にはこれが一番気に入ったので購入しました。

最後はローズ・ロゼ2016(1944円)。ミルズというブドウ品種を使って発酵を途中で止めて、ほの甘に仕上げたロゼ。女性にとても人気があるワインだとのこと。花の香り、白桃の味わい。

ワインはどれも誠実に造っているのがわかる味わい。山梨の2大品種である甲州やマスカット・ベーリーAをあまり造っていないので、それを期待するなら他のワイナリーの方がいいでしょう。
奥野田葡萄酒


Date: 2018/0319 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニア、ワシントンに次ぐ米国3番めのワインの生産量を誇るのがニューヨーク州です。歴史もカリフォルニアより古く、米国に現存する最古のワイナリーはニューヨークにあります。ニューヨークのワイン産地を代表するのが、東部のロングアイランドと中部のフィンガーレイクス。ロングアイランドは比較的温暖で、ボルドー品種などの赤ワインも多く造られています。一方、フィンガーレイクスは冷涼でリースリングなどの白ワインの生産が中心です。

そのフィンガーレイクスで生まれ、マスター・ソムリエとして活躍しながら、フィンガーレイクスでワイナリーも始めたのがクリストファー・ベイツMS。先日、来日して開催したセミナーに参加してきました。
クリストファー・ベイツMSセミナー
ベイツMSによると、一般的に「新世界」と呼ばれる地域は、旧世界である欧州と比べると、ブドウの栽培が容易な地域が多いといいます。それに比べるとニューヨークは気温が低く、難しい地域です。そもそもワインは欧州からの移民と同時にやってきたので西海岸よりもはるかに歴史はありますが、フィロキセラがいたため、ワインに向くヴィティス・ヴィニフェラ種の栽培は失敗の連続でした。そこで、ワインにするブドウも米国の原産品種や、原産品種とヴィニフェラのハイブリッドなど、ちょっと質の落ちるものが中心になりました。その後、耐性のある根に接ぎ木するという手段が確立するしましたが、こんどは禁酒法でほぼワインの製造がなくなるなどの苦境を経てきています。

1950年代末からウクライナ出身のフランク博士という人がフィンガーレイクスで研究を始め、ようやくリースリングなどが栽培できるようになってきました。この地域は冬には氷点下20℃くらいになることもあり、樹が破裂してしまうそうです。寒さに耐える品種でないと育ちません。
クリストファー・ベイツMSセミナー
フィンガーレイクスという名前は南北に細長い湖がいくつも並んで、まるで指のようということで名付けられました。これらの湖は氷河が削った後に水がたまったものです。水は蓄熱効果があるため、その近くは冬は比較的暖かく、夏は涼しくなります。そのため、一番大きなセネカ湖の周囲などにワイナリーが多くあります。

特にセネカ湖は中央の水深が深く、温度を安定させる効果が大きいので、寒さに弱い品種などは、中央近くで栽培されています。このほか土壌や、北西にある五大湖の1つエリー湖からの冷たい風などがテロワールを形作ります。

試飲に移りましょう。

今回試飲したワインは6種。うち3つはベイツMSのエレメント・ワイナリーのもの。それ以外に3つのワイナリーのリースリングやカベルネ・フランを試飲しました。

まずはキューカ・レイク・ヴィンヤーズ(Keuka Lake Vineyards)のドライリースリング2015。.オレンジやレモンといった柑橘系の味わいで酸の印象が強いリースリング。甘さはほとんど感じません(残糖は5gとのこと)。アフターにちょっと苦味があり味をひきしめています。

次はレヴィーンズ(Ravines)のドライリースリング2013。キューカ・レイク・ヴィンヤーズのリースリングよりも色は少し濃く、味わいにもふくよかさがあります。繊細な香り。

次はベイツMSのエレメント・ワイナリーからシャルドネ2014。30カ月シュール・リー。ステンレスタンクで発酵・熟成して、100%マロラクティック発酵しています。シュール・リーのためか、ブリオッシュのような香りが印象的。ライチやオレンジ。トロピカルフルーツのフレーバーもかすかにあります。

次はエレメント・ワイナリーのピノ・ノワール2013。色は薄めでちょっとオレンジっぽいです。チェリーの味わい、ラズベリー、プラム。とても上品で軽いですが、ストラクチャーもあり、ミネラルも感じます。出汁系の
ピノ・ノワールでブルゴーニュ好きが喜びそうな味わい。

5本目はハーマン・J・ウィーマー(Hermann J. Wiemer)のカベルネ・フラン。カベルネ・フランは比較的寒さに強い品種だそうです。カシスの香り、ミンティーなハーブの香りもあります。酸がきれいで伸びてくる印象。重くはないですが、タンニンもしっかりしてストラクチャーがあります。

最後はエレメント・ワイナリーのシラー。フィンガーレイクスはシラーには涼しすぎると考えられていましたが、最近少しずつ挑戦するところがでてきているようです。ドライフルーツの味わい。スパイス。上品だけどパワーがあります。冷涼感あるシラーで、予想以上においしくびっくりしました。
クリストファー・ベイツMSセミナー
赤ワインを3つ並べたところです。ピノ・ノワールの色の薄さが際立っています。

大変勉強になるセミナーでした。ニューヨークのワインも興味深いものが多く、リースリングだけ、などと思っていてはいけないと痛感しました。

ニューヨークのワインと言えばこちらです。
GO-TO WINE ニューヨークのワイン専門
Date: 2018/0318 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2017年秋に明石家さんまさんの番組で取り上げられ、文字通り「瞬殺」状態になってしまったワインが「ナパ・ハイランズ」。本ブログでは2016年秋にこのワインの輸入が始まったときに、取り上げています(「5000円以下で買えるナパらしい良質なカベルネ「ナパ・ハイランズ」」)。

インポーターの中川ワインさんによると、一度に1000ケースほしいといった大量の注文まで入り、大変な状況だったそうですが、船での輸送や、通関手続きなどが必要なため、どうしても入荷までには時間がかかってしまいます。この4月にはようやく次の入荷が入ってくるとのことで、いくつかのショップで先行予約が始まっています。一応現在のところ4月9日ころ入荷の予定のようですが、輸送や通関で多少前後する可能性はあるでしょう。

なお、この価格帯のワインは現在激戦区となっており、インポーター各社力を入れています。こちらもご参考に。
次のナパ・ハイランズはどれ? 良質ワインひしめき合うアンダー5K市場


ケースで買えば送料無料です。
Date: 2018/0316 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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小規模なワイナリーにとってワインをどう売っていくかは大きな問題です。流通に乗せるには数が少なすぎたり、ワインを作りたいだけだったのにマーケティングもやらざるを得なくなったり。DtC(Direct to Consumer、テイスティングルームやメーリングリストなどで消費者に直接販売すること)が急激に伸びているのも、そこと大きく影響しているわけですが、シドゥーリのアダム・リーが新プロジェクトで新たな試みに挑戦しています。

シドゥーリ(Siduri)はソノマをベースとし、様々な契約畑から優秀なピノ・ノワールを作ってきたワイナリー。3年前にワイナリーをケンダル・ジャクソンのグループに売却しました。こういった大手が、畑を持っていないワイナリーを買うこと自体、異例だったのですが、そこにはワインメーカーであるアダム・リーへの投資という面もあったのだと思います。実際、買収時の契約で3年間はワイナリーに残るというのがあったのですが、この3年が過ぎ、新たなプロジェクトを始めることが明らかになりました(A veteran winemaker throws out the wine-selling playbook - The Washington Post)。ただし、シドゥーリをやめてしまうかどうかは不確定で、それ以外にもジャクソン・ファミリーでのプロジェクトもあるとのことです。

彼自身の新しいプロジェクトの名前はクラリス(Clarice)。サンタルシアハイランズのゲイリーズとロゼラズの畑のピノ・ノワールを作るというから、シドゥーリと同じじゃん、と突っ込みたくなるところですが、1番の違いはワインを小売しないということ。

その代わり、年間965ドルの会員を625人集めます。年に1回ワインを12本送るほか、毎月会員専用の記事を挙げます。教育的な内容になるようです。

この試み、うまくいくのでしょうか。

Date: 2018/0315 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヴィノスやまざきの業界向け試飲会に参加してきました。昨秋には一般向けのものに参加しましたが(ヴィノスやまざきの試飲会で美味しかったワイン)、業界向けのは初めての参加です。カリフォルニア以外のワインもいくつか試飲しました。特に1000円台や2000円台のワインはコスト・パフォーマンスの高いワインが多くありました。

ヴィノスやまざき
オーストラリアの「リッチランド」のスパークリングです(1480円)。品種はシャルドネとピノ・ノワール。クリーミーな味わいでコスパ高いです。

ヴィノスやまざき
同じくリッチランドのシャルドネ(1280円)。すっきり系の味わいですが、香り豊か。毎日飲みたいような味。

ヴィノスやまざき
ストーンヘッジのメリタージュ2013(2980円)。昨秋の試飲会でも紹介したワインですが、このワインのコスパは圧倒的です。3000円のワインとは思えないレベル。果実味よく、ストラクチャーもしっかりしています。ストーンヘッジがヴィノスやまざき専用に造っているワインで、アトラスピークのステージコーチのブドウも使っています。品種はメルローが48%と一番多く、以下カベルネ・ソーヴィニヨン22%などとなっています。

ヴィノスやまざき
同じくストーンヘッジのカベルネ・ソーヴィニヨン(1980円)。AVAはカリフォルニアとなっています。やや酸が強めの仕上がりですがストラクチャーがあります。上のメリタージュが若干甘めの仕上がりなので、それと対照的なワイン。

ヴィノスやまざき
同じくストーンヘッジのメリタージュ・リザーブ616 2013(6800円)。リザーブものは「506」と「616」とあり、506は酸がしっかりしたタイプ。616の方は果実味が全開のタイプ。カリフォルニアらしさという点では616を選びたいところ。

ヴィノスやまざき
トゥルーヴァイン シャルドネ メンドシーノ(2280円)。果実味しっかりで香り良いシャルドネ。

ヴィノスやまざき
これもメンドシーノのワイナリー「トゥルーバイン」のジンファンデル(2380円)とレッドブレンド(2980円)。ジンファンデルは比較的甘さは少なくタニックで筋肉質なタイプ。レッドブレンドもストラクチャーあり、ハーブの香りが印象的。比較的親しみやすい味わいのワインが多いヴィノスやまざきのラインアップの中で、ここのワインはクラシック。レベル高いです。

ヴィノスやまざき
マホニー ピノ・ノワール カーネロス(3680円)。果実の芳醇さを楽しめるピノ・ノワール。

ヴィノスやまざき
ヴィノスやまざき
チリのワイナリー「テラマター」のシャルドネとカルメネール(どちらも890円)。どちらも果実味豊かで芳醇なワイン。値段見てびっくり。関税の問題もあるので、カリフォルニアではこの価格でこの味は出せないと思います。家に常備しておきたい。

購入はこちらから。
Date: 2018/0314 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国で高級ボックス・ワインの急成長が続いています(Shanken News Daily: Exclusive news and research on the wine, spirits and beer business)。
Black Box
「ホット・ブランド」の中ではコンステレーション・ブランズの「Black Box」は120万ケースを追加して660万ケースを販売。
Bota Box
ライバルの「Bota Box」も約600万ケースになり、2ブランド合わせると1260万ケースの出荷。2014年には700万ケースだったといいますから、3年で倍近く伸びている計算です。

参考:箱入りワインの高級版が急成長

日本国内ではアサヒビールがBota Boxの販売を始めています。
Bota Box

ちょっと価格が高めなのは気になりますが、売れてくれているでしょうか。
Date: 2018/0313 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・インスティテュートの試飲会に参加しました。数が多いのと、時間があまりなかったので、今回は全体の1/3くらいのインポーターさんしか回ってないと思います。特に、単独の試飲会に参加しているインポーターさんは概ねスキップしてしまったので、そちらの記事をご覧ください。

中川ワインの試飲会で美味しかったワイン(2018年冬)
ワイン・イン・スタイルの試飲会で美味しかったワイン(2018年冬)
アイコニックワインの試飲会で美味しかったワイン(2018年2月)
布袋ワインズの試飲会で美味しかったワイン(2018年冬)

Wine Institute試飲会
100年を超える樹もあるリッジのリットン・スプリングスの畑のプティ・シラーです。これぞプティ・シラーといった濃厚な味わい。タンニンもしっかりありますが、甘くはなくスパイシー。ストロング・スタイルでおいしいです。

Wine Institute試飲会
シニョレッロが造る一番廉価版のワイン「トリム」のシャルドネ。さわやかな味わいでおいしいです。

Wine Institute試飲会
ロスト・アンド・ファウンドはマスター・ソムリエのジェフ・クルースがプロデュースするロスト・アンド・ファウンドのピノ・ノワール2013。果実味がきれい。

Wine Institute試飲会
サンドラーのピノ・ノワール。ワインメーカーのエド・カーツマンさんらしい親しみやすい味わい。

Wine Institute試飲会
ピゾーニが造るルシアのピノ・ノワール。サンタ・ルシア・ハイランズらしい濃厚な果実味をもっています。

Wine Institute試飲会
ライダー・エステートのシャルドネ。コスパかなり高いワインです。


Wine Institute試飲会
フォックスグローヴのシャルドネ。久々に飲みましたがやはりおいしいです。樽を使わずマロラクティック発酵もしないタイプで、フレッシュな果実味が実にいいです。

Wine Institute試飲会
ヘンドリーのセカンドですが、非常にレベルは高いです。激戦区4000円台ナパカベルネの中でも存在感があると思います。

Wine Institute試飲会
サンタ・バーバラのワイナリー「リュサック」のピノ・ノワール。とてもバランスのいい味わいです。

Wine Institute試飲会
キスラーのオーナーが造る「スリー・スティックス」。昨年秋に紹介記事を書いています(気になるワイナリー:スリー・スティックス)。シャルドネはピュアな味わい、ピノ・ノワールはきれいな酸に、スパイスが印象的。キスラーとは大分違うスタイルですが、おいしいです。

Wine Institute試飲会
オルカ・インターナショナルが力を入れているワイナリー「キャノンボール」。そこの多品種で造るワインのブランドがエンジェルズ&カウボーイズです。ロゼは軽い味わいで夏に飲みたいワイン。

Wine Institute試飲会
パイン・リッジのシュナン・ブランとヴィオニエのブレンド。ナパで同ワイナリーを訪れたときも飲みましたが、ほの甘で優しい味わい。ナパらしくない味ですが、コスパは圧倒的です。

Date: 2018/0311 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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輸入元が変更になったナパのワイン「フープラ(Hoopla)」が入荷しています。シャルドネとカベルネ・ソーヴィニョン、それからレッド・ブレンドがあります。

シャルドネはナパらしいリッチさもあるタイプ。万人受けすると思います。

カベルネも3000円台とは思えないレベルですが、実は1000円ほど高いレッド・ブレンドが優秀です。

先日、レッド・ブレンドをちょっとディスる記事を書いてしまいましたが、ここのレッド・ブレンドは甘くないボルドー系のブレンドです。メルロー比率が高く、ストラクチャーがありながら、果実の芳醇さも際立っています。4000円台というと、昨年末に大ブームになったナパハイランズなどと重なる、競争激しいところですが、その中でも芳醇さでは一つ抜け出しているかもしれません。お薦めです。

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フープラ シャルドネ ヨンドヴィル ナパヴァレー
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Date: 2018/0310 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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セーニャ
チリの名門ワイナリー「ヴィーニャ・エラスネス」のオーナーであるチャドウィック家と、ロバート・モンダヴィが共同で設立したスーパープレミアムなワイナリーがセーニャです。2017年にはジェームズ・サックリングが100点満点を付けて、年間3位に選出しました(ちなみに1位もチリのアルマヴィーヴァ)。その100点を記念してオーナーのエデュアルド・チャドウィック氏が来日、セミナーを開催しました。
セーニャのオーナーであるエデュアルド・チャドウィック氏とソムリエ日本一の岩田渉氏
1995年に設立したセーニャですが、チリではプレミアムという地位を確立しても世界市場ではなかなか認められませんでした。そこでカリフォルニアワインにおけるパリ・テイスティングのようなエポックメイキングなことを狙い、2004年1月にベルリンで60種のワインをブラインドで評価するイベントを開催。1位にヴィーニャ・エラスネスの「ヴィネード・チャドウィック」が、2位と4位にセーニャ(ヴィンテージ違い)が入るという快挙をなしとげました。これをベルリン・テイスティングといいます。その後「ベルリン・テイスティング」は日本を含む世界各地で開催され、その都度、セーニャは上位に入っています。東京では2006年6月に開催され、2位と4位がセーニャ、3位がヴィネード・チャドウィックでした。

それでもなお、熟成能力がないのではないかと言われるため、今度はヴィーニャの垂直テイスティングと熟成したボルドーによる試飲会をアジアを中心に開催しました。2011年に香港で開かれたテイスティングではセーニャ6ヴィンテージにボルドー1級4本というラインアップで、なんとセーニャは1~5位と8位でした。

なお、2000年代半ばにロバート・モンダヴィの経営が傾いたため、合弁は解消され、現在はチャドウィック家が100%オーナーとなっています。また2005年からはバイオ・ダイナミックでの栽培にも取り組んでいます。

試飲に移ります。

セーニャ(左から96、2000、2003年)
まずは1996年から。

セーニャの1stヴィンテージは1995年ですが、この年はブレンドだけをしたとのことで1996年が畑からセーニャとして造った最初の年だそうです。

20年を超え、エッジはちょっと褐色がかっています。色はやや薄め。香りはミントのようなハーブに、なめし革のような動物的な香り、カシスのような青系果実の香りも少しあります。味わいはオレンジのフレーバー。酸は割と強く感じます。きれいに熟成したワイン。カベルネ・ソーヴィニヨン91%にカルメネールが9%。ボルドーからチリに運ばれ、ボルドーでは絶えてしまったカルメネールをブレンドしているのがセーニャの1つの特徴です。カルメネールは色濃く凝縮感もありますが、未熟だとグリーンなフレーバーが出ます。未熟な感じは全くありませんでした。ジェームズ・サックリング(以下JS)は92点、ロバート・パーカーのWine Advocate(以下WA)は88点。

2000年は若干褐色がかっていますが96年より少し色は濃いです。ミントやビーフジャーキーのような香り。ただ香りはそれほど強くはありません。味わいは96年よりも凝縮感があり、カシスやブラックベリー、鉛筆の芯のフレーバー。カベルネ・ソーヴィニヨン77%、メルロー17%、カルメネール6%。JS91、WA91。

2003年は気温が高く乾燥したシーズンだったとのこと。色は赤からちょっとだけ褐色化が始まっています。香りはハーブのニュアンスが強く、やはりなめし革の要素もあります。全体に上品で気品を感じる香りです。味わいではきめ細かなタンニンでシルキーなテクスチャが印象的。果実味もまだあり、パワーを感じます。JS92、WA93。

セーニャ(左から2009、2013、2015年)

後半に移ります。

2009年はこれまで3ヴィンテージと比べて色が濃く、ブルーベリーやブラックベリーの風味。後からハーブの香りが出てきます。鉄っぽさも感じます。味わいもまだ果実味がしっかりあり、芳醇。バランスよく、パワーとフィネスがあります。カベルネ・ソーヴィニヨン54%、カルメネール21%、メルロー16%、プティ・ヴェルド6%、カベルネ・フラン3%。JS95、WA92。

2013年は若干紫が入るような色の濃さ。セージなどのハーブの香り。ブルーベリーなど青系の果実の味わいが濃く、鉛筆の芯のような味わいもあります。タンニンはきめ細かく、ストラクチャーもしっかりしています。余韻にきれいな酸があります。一番カリフォルニアに近いような味わいで、とてもおいしい。カベルネ・ソーヴィニヨン58%、カルメネール15%、マルベック12%、メルロー10%、プティ・ヴェルド5%。JS99、WA96。

2015年は2013年よりもさらに色濃く、ハーブにブラックベリー、葉巻のような甘い香り。リコリス。これもタンニンはきめ細かく、2013年よりも少し酸が強いです。これもさすがにおいしい。カベルネ・ソーヴィニヨン57%、カルメネール21%、マルベック12%、プティ・ヴェルド7%、カベルネ・フラン3%。JS100、WA96。

6ヴィンテージを試飲して共通して感じたことは、非常に上品でタンニンがきめ細かいこと、ハーブの印象がしっかりと出ていること。カリフォルニア的なモダン・スタイルというよりもボルドー的なクラシックなスタイルのワインだと思います。若いワインでもノンフルーツの要素を感じるので、熟成にはとても向くと思います。

前半の3本と後半の3本を比べると、後半の方が果実味やさまざまなフレーバーがより強くでてストラクチャーもしっかりしています。ワインが若いからというのはもちろんありますが、畑の樹齢が上がってきている(それでもまだ平均20年ですが)ことや、バイオ・ダイナミック農法を取り入れたことが影響しているようにも感じます。

ジェームズ・サックリングが100点を付けた2015年はとても素晴らしいですが、2013年もほとんど引けを取らない素晴らしいワインです。個人的には青系の果実味がより強く感じられた2013年の方がカリフォルニアのスタイルには近く、好みでもありました。どちらにしても、世界のトップレベルのワインの1つであることは疑いようがありません。それでもまだ1万円台で買えるというのは、やはりチリのワインはかなり割安です。

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Date: 2018/0309 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハーン(Hahn)の創設者で、サンタルシアハイランズのパイオニアであるニコラス(ニッキー)ハーンさんが、スイスの自宅で亡くなりました(Greenfield News | Nicky Hahn, founder of Hahn Family Wines, dies at age 81)。81歳でした。

ニコラスさんは、ニューヨークやパリなどでビジネスマンとして活躍した後、1970年代にモントレーにやってきました。1979年にスミスとフックという二つの畑を購入。当時はカベルネ・ソーヴィニョンが植わっていました。

1988年からはサンタルシアハイランズのAVA認可に向けて奔走。1991年に認められました。

2000年過ぎに、それまでカベルネの畑だったところを全部植え替え、ピノ・ノワール中心にしました。現在ではサンタルシアハイランズを代表するピノ・ノワールのプロデューサーの一つとなっています。

あと、ハーンというとコストパフォーマンスに優れた廉価ブランドも記憶に残っています。2000年ころからはレックス・ゴライアスで一世を風靡し、そのブランドを売却した後はサイクルズ・グラディエーターを立ち上げました。

まさにパイオニアと言える人ですね。ご冥福をお祈り申し上げます。

Date: 2018/0308 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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レッド・ブレンドがブームになって数年。2015年にはメルローを抜いて赤ワインの2位になったというニュースもありました。

参考:成長著しい「レッド・ブレンド」、ついにメルローを抜いて赤ワイン2位に

おそらくオリン・スイフトの「プリズナー」に端を発したと思われるこのレッド・ブレンド・ブームですが、最初はちょっと物珍しさもあったものの、最近はちょっと避け気味です。

というのは、正直、ちょっと甘すぎるのが多いのです。ふだんワインをあまり飲まない人がターゲットなのだからでしょうけど。

カベルネにジンファンデルをブレンドするという、だれもやらないことを最初にやった人は偉いと思います。れも、それが売れたからといって、皆が同じ味付けでは面白くない。というか、この甘さはちょっと飲み飽きてしまいます。ジンファンデルをブレンドしても、もっと違う方向の味付けもあるのでは?なんて思ってしまいます。

一方で、ブレンドのさまざまな試みは応援したいですね。例えば、先日紹介したトレフェッセンの「ドラゴンズ・トゥース」。マルベックとプティ・ヴェルドが中心という面白い組み合わせ。

もっといろいろなワインを飲みたい、そう思ってしまうのはわがままでしょうか。
Date: 2018/0307 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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スポーツ選手とお酒というとビールばかり飲んでいそうなイメージがありますが、実際にはワインもかなりの人気があります。アメフト選手のOBではワインを造る例もいくつかあります。

過去記事:
スーパーボウル出場QBのワイン
ダン・マリーノ、ジョン・エルウェイ、チャールズ・ウッドソンに共通するのは?
ダン・マリーノがワシントンでワイン作りを開始、来年リリースへaliforniawine.jp/blog/item/4435">スーパーボウル出場者とワイン

最近はNBA選手の中でもワインが人気になっているという記事が出ていました(The NBA's obsession with wine)。

中でもクリーブランド・キャバリアーズの大黒柱であるレブロン・ジェームズはチームメートを引き連れて、ナパのマヤカマスに行くというからなかなかの通です。ちなみにマヤカマスは昨年10月の火災で大きな被害を受けており、団体を受け入れたのはそれ以来だったとか。
LeBron James

キャバリアーズのライバルであり、ワインカントリーのお膝元にあるゴールデンステート・ウォリアーズのステフィン・カリーはボルドーのワインのファン。昨年のファイナルMVPだったケヴィン・デュラントはフルボディのピノ・ノワールが好きだそうです。

マイアミ・ヒートのドウェイン・ウェイドは現役選手でありながら、実は自らのブランドでワインを造っています。「D Wade Cellars」というのがそのワイナリーで、実際にワインを造っているのはパルメイヤー。ドウェイン・ウェイド自身はブレンドを決めているとのこと。

実はNBAのOBでは中国出身のヤオ・ミンがワイナリーを造っています(元NBAスター姚明の289ドルワインをめぐるあれこれ)。
元NBAスターのヤオ・ミン、クラウドファンディングで300万ドル調達へ」といった記事もありました。
Date: 2018/0306 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wine Cellar Katsudaが春の福袋と称して、カリフォルニアの超高給ワインのセールを行います。

まずは「カリフォルニア パーカー100点 5本福袋」。セットに入るワインはすべてWine Advocateで100点を取ったもの。

[2002] ハーラン・エステート 750ml
通常販売価格 188,000円(税込203,040円)
[2002] ダラ・ヴァレ マヤ 750ml
通常販売価格 98,000円(税込105,840円)
[2010] シェーファー カベルネ・ソーヴィニョン ヒルサイドセレクト 750ml
通常販売価格 59,800円(税込64,584円)
[2005] コルギン カリアド 750ml
通常販売価格 88,000円(税込95,040円)
[2007] ハンドレッド・エーカー カベルネ・ソーヴィニヨン アーク・ヴィンヤード 750ml
通常販売価格 118,000円(税込127,440円)

総額595,944円が37万円に。Wine-Searcherで調べたところ、各ワインの平均価格で、これを少し超えます。つまり、米国で普通に買うより安くなっています。

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カリフォルニア パーカー100点 5本福袋
価格:408240円(税込、送料無料) (2018/3/6時点)


次は同じく3本物で「カリフォルニア パーカー100点 3本福袋」。
ワインは
[2007] ハーラン・エステート 750ml
通常販売価格 188,000円(税込203,040円)
[2013] ハンドレッド・エーカー カイリー・モーガン・ヴィンヤード 750ml
通常販売価格 98,000円(税込105,840円)
[2006] コルギン ナンバー・ナイン・エステート 750ml
通常販売価格 88,000円(税込95,040円)
これもWine-Searcherの平均かかくより少し安くなります。

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カリフォルニア パーカー100点 3本福袋
価格:267840円(税込、送料無料) (2018/3/6時点)


次はセカンドワインを集めた「カリフォルニア・カルト セカンド3本福袋」。

[2014] スケアクロウ ムッシュ・エタン 750ml
通常販売価格 34,800円(税込 37,584円)
[2013] スクリーミング・イーグル セカンド・フライト 750ml
通常販売価格 150,000円(税込162,000円)
[2008] ハーラン・エステート ザ・メイデン 750ml
通常販売価格 39,800円(税込42,984円)

レア度ではこちらが上かもしれません。価格はこれもWine-Seacherよりも安くなっています。

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カリフォルニア・カルト セカンド3本福袋
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最後はピノ・ノワールのセット。これだけはちょっと割高ですが、ワインはレアです。

[2011] マーカッシン ピノ・ノワール マーカッシン・ヴィンヤード 750ml
通常販売価格 49,800円(税込53,784円)
[2014] オクシデンタル【キスラー】 ピノ・ノワール SWK 750ml
通常販売価格 28,000円(税込30,240円)
[2012] ボアズ・ビュー ピノ・ノワール ザ・コースト ソノマ・コースト 750ml
通常販売価格 49,800円(税込53,784円)
[2010] オーベール ピノ・ノワール UV ヴィンヤード 750ml

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カリフォルニア ピノ・ノワール4本 10万円福袋
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Date: 2018/0305 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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麻布十番のレストラン「ルエ ヴェル ロール」で、コラヴァンを使ってさまざまな超高級カリフォルニアワインをグラスで提供しています。
リスト
ソムリエの千葉さんのセレクションですから、ワインはもちろん間違いなし。ボトルでは高くて飲めないようなものを試してほしいという目的でやっています。

値段もレストランとしては格安。例えばオーパス・ワン2013は120mlで9000円。ボトル1本から6杯取れる計算ですから単純に計算すると5万4000円。普通にボトルで買っても4万円近くしますから、2倍から3倍の値段を付けることが多いレストラン価格よりも相当安くなっています。

かなりレアなものも多く、グレース・ファミリーの2002年なんていうのもあります。千葉さんのFacebookのコメントでは「多くのカリフォルニアワイン好きが名前は知っているけど飲んだ事が無いワインの代表格。よくハーランと比較されるけどスタイルが真逆!言い換えると、熟成が必要なワイン」とのこと。

若いものを飲んでも価値が分からないワインで、その熟成したものを飲めるのはとても貴重です。このほか、マーカッサンのピノ・ノワール、ブルー・スライド・リッジなんていうレアものもあります。これも「価格に見合わない」と言われることが多いものを、そうでないということをわかってもらうために選んだとのことです。

なお、どれもレアなボトルですから、リストに挙げたものを飲みたい場合は、まだあるかどうかお店に確認することをお薦めします。

時間とお金があったら、グラス1杯飲むためだけにも行ってみたいです。
Date: 2018/0305 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが主催する「ナパヴァレー・バイザグラスフェア 2017」の受賞店が発表されました。フェアの開催は2017年10月と11月。その2カ月に多くのワインを売った店が表彰されます。ただ単に売上本数だけだと、大箱の店がどうしても有利になりますから、いくつか部門を設けていろいろな店が表彰されるようにしているところに工夫が感じられます。例えば、1席あたりの本数最多賞では、以前本ブログでも紹介しているエド・パーラーが選ばれました(まさに銀座の隠れ家、狭小レストランで楽しむカリフォルニアワインとビストロ料理)。

■レストラン・バー部門
A.売上本数最多賞 (2店)
ルースクリスステーキハウス
ウルフギャング・ステーキハウス 六本木店
B.1席あたり本数最多賞:エド・パーラー
C.初参加優秀賞:グランドセントラル オイスターバー&レストラン
D.日本料理優秀賞:美味旬菜みずどり。
E.鉄板焼き料理優秀賞:喜扇亭 東京ミッドタウン店
F.関東以外地域優秀賞:ウルフギャング・ステーキハウス 大阪店
■ホテル部門
G.売上本数最多グループ賞:グランド ハイアット 東京 / オークドア
■レストラン・バー部門/ホテル部門 共通
H.ベストキャンペーン賞:赤坂あじる亭カリフォルニア
I.ワイルドカード賞:パーク ハイアット 東京 ニューヨーク グリル&バー

また、ワイルドカード賞は仕入れ本数の一定基準を満たした参加店7店から抽選で選ばれ「パーク ハイアット 東京 ニューヨーク グリル&バー」が受賞しました。受賞10店のフェア期間仕入れ総本数は1万2043本というからすごい効果ですね。

バイザグラス受賞店

抽選で受賞した「パーク ハイアット 東京  ニューヨーク グリル&バー」

また、今回の授賞式にはインポーター各社も参加。フィンガーフードをつまみながらワインの試飲もできて楽しかったです。
インポーター各社
Date: 2018/0304 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ハーラン・エステート(Harlan Estate)と言えば、数あるカリフォルニアワインの中でも誰もが認めるトップ中のトップの1つ。その第2のプロジェクトであるボンド(Bond)も同様の成功を収めています。

ハーランを特別なものにしている要素の1つが、最高のものを造るためにあらゆる努力をすること。その中には、最高なものと自負するレベルに至るまではワインを外に出さない、というのもあります。たとえばハーランは1987年からワインを作っていますが、実際に売り始めたのは1990年のものから。ボンドの場合は12年もかかっています。

そのハーランの第3のプロジェクトがプロモントリー(Promontory)。ここのワインはもう数ヴィンテージ売られていますが、ついに正式に輸出を始めます(日本にもこれまで入ってきていますが、いわゆる並行輸入品という扱いになります)。

オーパス・ワンと同様、フランスのボルドーの業者を通じて販売することになります。日本でもおそらくそこから複数の業者が入れることになるでしょう。

ちなみに、本サイトでプロモントリーの記事を最初に書いたのは2011年のこと。ワインが発売されたのは2014年でした。
Harlanの新プロジェクト「Promontory」が明らかに
ハーランの新プロジェクト「プロモントリー」いよいよ発売か

なお、プロモントリーはハーランやボンドと異なり、ナパにテイスティング・ルームも持っています。要予約ですが、行かれる方はチェックしておくといいかも。
Promontory

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【スーパーSALE★特別価格】[2010] プロモントリー
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ちなみに先日紹介したマスコット(Mascot)は、プロモントリーの若木のブドウも使っています。

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ザ・マスコット・ナパヴァレー・レッド・ワイン[2012]
価格:27864円(税込、送料別) (2018/3/4時点)

Date: 2018/0303 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマ・カウンティ・ヴィントナーズは2018年5月25〜27日に東京で試飲会などのイベントを開きます。僕の記憶にある限りではソノマのイベントは初ではないかと思います。詳しくは、webサイトから。

SONOMA IN THE CITY TOKYO 2018

すでに20を超えるワイナリーの参加が決まっています。
Alysian Wines
Buena Vista Winery
Chalk Hill Estate Vineyards
Deloach Vineyards
Donelan Family Wines
DuMOL
Eco Terreno Wines Sonoma
Ernest Vineyards
Ferrari Carano
Fortress Winery
Freeman Vineyards & Winery
Frei Brothers Winery
Jordan Winery
Korbin Kameron
MacMurray Estate Vineyards
Martin Ray Winery
Ramey Wine Cellars
Rodney Strong Vineyards
Schug Carneros Estate Winery
Sebastiani Vineyards & Winery
Seghesio Family Vineyards
Silver Oak Cellars
Three Sticks
Twomey Cellar

ナパ、ソノマと並び称される2つの地域ですが、ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが指導力を発揮しているナパと比べると、ソノマは何か足並みがそろわない印象が否めません。広すぎるせいもあるのでしょうけど。

やはり二つのライバルが競ってこそ、面白いので、今回はその第一歩として期待したいです。

なお、イベントとしては5月25日13時から業界向け、19時から一般向けの試飲会が公表されています。場所は白金台の八芳園です。4月から受け付けるようです。

情報は上記サイトのほかFacebookでも公開されています。イベント情報などはFacebookの方が先に出るので、そちらをチェックしておくことをお薦めします。

Facebookページはこちら
Date: 2018/0302 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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パリ16区の決算セールでオールド・ヴィンテージのものなどレアワインが安くなっています。

まず、ウィリアムズ・セリエムは2002年や2003年などを大量放出。価格は1万円強から。
数が多いく一個一個リンク貼ると大変なので、こちらから御覧ください。
ウィリアムズ・セリエム

ハーシュ・ヴィンヤードのエステート・ピノ・ノワールは2004年という古いものが7000円台。最新ヴィンテージのものよりも1000円以上安く買えます。


コルギン IX プロプライエタリー・レッド エステイト[2004] は約4万円。これは新しいヴィンテージだと7万円以上するワイン。評価が低いわけでもなんでもなく、Wine Advocateでは97点。飲み頃は2014~2029年とありますから、ちょうどいいところに差し掛かってきたくらいです。当時は今ほどまだ価格が上がってなかったからこそ実現している値段です。


デュモルの単一畑ピノ・ノワールも1万円を切ります。最新ヴィンテージならAVAものでも1万円超えます。


オーヴィッドの「エクスペリメント」という実験的ブレンドワインも約1万5000円。これも新しいものは2万円を超えます。G8.1はカベルネの8つのブロックをブレンドしたもの。S3.1はシラーとカベルネのブレンド。


スティーブ・キスラーの新ブランド「オクシデンタル」もかなり安いです。


長々とおつきあいいただいてありがとうございます。最後が多分一番お買い得品。リヴァース・マリーのピノ・ノワール「カンツラー」。税込み5000円台は米国で買うより全然安いし、他のショップより2000円近く安いです。リヴァース・マリーは定価でもすごくお買い得感があるのに、この安さは驚きです。

Date: 2018/0301 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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袋ワインズとココ・ファームの試飲会から美味しかったワインを紹介します。

以下は、昨年の2回の試飲会のときのものです。
布袋ワインズの試飲会からおすすめワイン
布袋ワインズの試飲会から気になったワイン(2017年秋)
比べてみると、重なっているワインももちろんありますが、試飲会に出ているワイン自体、結構違いますね。

布袋ワインズ
ボドキンは、珍しいソーヴィニヨン・ブランのスパークリングを作っています。爽やかでドライに味わい。これから暖かくなってくる季節に向くでしょう。

布袋ワインズ
レオ・スティーンの「ジュラシック・パーク・ヴィンヤード」シュナン・ブラン。5200円というのはシュナン・ブランとしてはかなり高額ですが、非常に複雑味があって、それだけの価値があるワインです。

布袋ワインズ
ラベルが一新したスリー・シーヴズ。ジョエル・ゴットなどの人気醸造家3人が造るコスパ・ブランドです。このシャルドネはさわやかでバランスのいい味わい。1000円台は安いです。

布袋ワインズ
アイコニックワインが輸入していたフープス/フープラが布袋ワインズに移りました。これはナパらしいリッチなシャルドネ。バランス良く美味しいです。万人受けしそうな味わい。

布袋ワインズ
ジョーダンのシャルドネは果実味と酸がきれいな味わい。1ランク上のシャルドネです。

布袋ワインズ
ケラー・エステートのシャルドネは酸がかなり強いですが、うまみもたっぷり乗っています。

布袋ワインズ
フープラのロゼはカベルネ・ソーヴィニヨン主体。ロゼとしてはしっかりした味わいです。

布袋ワインズ
キャッスル・ロックのピノ・ノワールはコスパ高いです。この価格帯としては珍しいほどきれいに酸が乗っていて、果実味も魅力的。2000円台としては出色の出来。

布袋ワインズ
上のキャッスル・ロックと同様、メンドシーノのピノ・ノワールです。涼しいところなので、これも酸がいいワイン。冷涼感が出ています。

布袋ワインズ
ソノマ・コーストは涼しいと言われていますが、標高が高いところにある畑では日照時間が長いため、果実味もしっかりしてきます。フラワーズのこのピノ・ノワールも冷涼感というより果実とうま味が目立つワイン。

布袋ワインズ
ベンチのカベルネ・ソーヴィニヨンはレベルが高いです。これはうまみがあって、しっかりとしたストラークチャーが美味しい。

布袋ワインズ
フープラのレッドブレンドはメルロー中心。これはレベル高いです。おいしい。

布袋ワインズ
ホールはモダンスタイルのワイナリーですが、このレッドブレンドもおいしい。

最後にココファームの日本ワインから紹介します。

布袋ワインズ
「山のプティ・マンサン」はプティ・マンサンというブドウ品種のワイン。微発泡しています。きれいな酸で果実味もあっておいしいです。

布袋ワインズ
ピノ・ノワール100%のロゼ「ぴのろぜ」。イチゴの味わいにコクもあります。

布袋ワインズ
「こころみノートン」はノートン種85%、タナ15%という珍しい作り。甘酸っぱい味わいでおいしいです。

布袋ワインズ
「陽はまた昇る」はタナが59%にカベルネ・ソーヴィニヨン41%を加えたワイン。ストラクチャーもあって悪くないです。

Date: 2018/0228 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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トレフェッセンはもっと評価されていいと思う(前編)の続きです。

後半の1本目、メルローから続けます。

メルロー2014円はカシスやブラックベリーの風味。きめ細かなタンニンが印象的です。シルキーな舌触りで上品。

メルローは1990年代にブームになりましたが、その後、映画『サイドウェイ』の呪いで長期低迷に陥りました。実際、ブームのときに作られたメルローの多くは品質が不十分だったのですが、近年はまた品質が上がってきている感じがあります。トレフェッセンでは主に2010年に植え替えた新しい樹の果実を主に使っています。
トレフェッセンのメインランチ
上の写真でいうと左側のブロックの一番上(北側)の東側です。質の向上には量を減らすことが肝心であることがわかったため、ブドウの枝1本あたり、ブドウの実を1~2個に絞っているとのこと。
DSC09118
お造りのイカは白ワインで食べましたがマグロは赤で。醤油ではなく塩をつけてみました。本当だったら「ワインと食事のマリアージュに「ブリッジ食材」のマジック」で書いたたまり醤油があるとよかったのですが。

また、話が変わりますが、上の写真で示したトレフェッセンのメイン・ランチの畑。平地にただ広がっているように見えますが、実際には土壌が20種類もあるとのこと。畑の北端い緑のところがありますが、そこに枯れた川があり、そのおかげで土壌が多様化したとのこと。
ドラゴンズ・トゥース
次は2014年の「ドラゴンズ・トゥース」。これだけは品種名が入っておらず、ラベルも他のワインと違っています。このワイン、マルベックとプティ・ヴェルドを中心にしたのブレンドというユニークなもの。マルベックは軽い味わいでプティ・ヴェルドはストラクチャがあります。どちらもボルドー・ブレンドで使われる品種ではありますが、その2つだけブレンドしたのはユニークです。

このブレンドは意図して作ったというより、畑から出てきたもののようです。トレフェッセンのメインランチで、マルベックとプティ・ヴァルドは隣り合った区画。最適な場所を選んでいった結果としてそうなっています。そこで、ワインでもこの二つを中心にしてみることにしたようです。

ブラックベリーとスパイス。杉の風味にヨーグルトのようなニュアンスもあります。とてもきれいでスムーズ。今飲んでも美味しいし、熟成してもおいしいでしょうね。素晴らしいワインです。

西京焼きとクワイ
料理は西京焼きとクワイの揚げたの。クワイはシャルドネが合います。

最後の3本はカベルネ・ソーヴィニヨン。ヴィンテージ違いで1999年、2008年、2014年です。

1999年はカシスやブルーベリーの味わい。杉の風味。複雑さが出ています。酸が高めで芯が通った印象。
2008年は1999年以上に酸の高さを感じます。果実もブルーベリーというよりは、もっと酸の強いブラックベリー的味わい。
2014年は、まだかなりタニック。若さを感じます。ブルーベリーの風味。これも酸は高め。

モダンな作りのカベルネ・ソーヴィニヨンの場合、熟成していったときに果実味が落ちるだけで、複雑さなどプラスの部分があまり出てこないことがありますが、トレフェッセンの場合はどれもきれいに熟成していっているのが印象的でした。また、どれもオークノールの特徴だという「酸と明るさ」がよく出ていました。

面白いのは、カベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー(数%と比率は低めです)を混ぜて一緒に発酵・熟成させているという話。その方がより味わいがまとまってくるのだとか。
DSC09131
和牛の脂身にカベルネ・ソーヴィニヨンは合わないはずがないですね。どちらもおいしいです。

トレフェッセンは、いわゆる自然派として売っているワインではありませんが、畑では自然農法を取り入れています。ロレンゾ氏によると、日本の自然農法家として知られる福岡正信氏に心酔して、その農法を取り入れているとのこと。その姿勢は、表面的に自然派をなぞっているわけではなく、のめり込んでいると言っても過言ではないレベルですが、それをマーケティング的に使わないところに好感が持てます。

また、畑などの労働者100人をすべて社員として抱えているのもカリフォルニアでは珍しいところです。ワイナリーと畑が隣接していることもあり、収穫は最適なタイミングで行え、収穫したブドウはわずか数分でワイナリーに到着します。

トレフェッセン、想像していた以上に様々なことに取り組み、試行錯誤の結果として今の形に行き着いています。ただ、長く続けるだけの伝統ではなく、いいものにしようとし続けての50年。一般にイメージするカリフォルニアワインとは少し違うかもしれませんが、本物の味わいです。ぜひ飲んでみてほしいです。

個人的には特に、ドライなスタイルで魅力的なリースリングとエレガントでストラクチャーもあるドラゴンズトゥースをお薦めしておきます。







Date: 2018/0227 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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22回めとなるプルミエ・ナパ・ヴァレー・オークションが開かれました。オークションの売上は4100万ドル。2017年の4200万ドルをわずかに下回りました。3年連続での前年割れとなっています。
プルミエ・ナパ・ヴァレー

これを低迷と呼ぶべきなのかどうかは難しいところ。落札額が下がった要因の1つとしては、高額で落札されるワインを出品するワイナリーが減ったこと。このオークション用のスペシャル・キュベを用意するのが面倒になったのでしょうか。

例えば、昨年の最高落札額(20万ドル)だったスケアクロウは今年は出ていませんでした。

今年の最高落札額は11万ドルでワイナリーはシルバー・オーク。ワインはなんと240本ですから1本あたりは500ドルもしません。

ただ、ワイン・サーチャーの記事「Napa Wine Auction Prices Stall | Wine News & Features」によると、2016年の品質は極めて高く、近年でも最高と言われた2013年を上回っているとのこと。

派手な落札のニュースがなかったのは、記事を書く立場としてはちょっと残念ですが、それでも十分に高い売上はあるわけで、昨年の火事からの一層の復興を願うばかりです。
Date: 2018/0226 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのトレフェッセン(Trefethen)の3代目になるロレンゾ・トレフェッセンさんが先日初来日し、ランチ会に参加させていただきました。場所はパークハイアット東京の「梢」という日本料理屋さん。
ロレンゾ・トレフェッセン氏
トレフェッセンはナパのオークノールにあります。1968年に設立されており、今年は50周年。まだナパにワイナリーが数十程度しかないころからワインを作っています。100%自社畑のブドウを使っており、畑の大部分はワイナリーの周囲のヴァレー・フロアにあります。

トレフェッセンには2016年にナパ・ヴァレー・ヴィントナーズのツアーでナパに行ったときにも訪問しています。当時は2014年の地震で大きく壊れたテイスティング・ルームのある建物の補修中でしたが、現在は補修が完了して再オープンしています。
Trefethenのテイスティング・ルーム
トレフェッセンはナパのワイナリーの中では、ちょっと地味な存在に感じていました。例えばWine Advocateの評価で見ると、大体90点くらいのワインが多く、ものすごく高評価というわけではありません。

涼しい気候を好むシャルドネやピノ・ノワールも、比較的温暖なところを好むカベルネ・ソーヴィニヨンも、ワイナリーの周囲で栽培しているというのも、ちょっと中途半端な感じがしていました。
トレフェッセンのメインランチ
いや、ごめんなさい。ほんと、ごめんなさい。
トレフェッセン、おいしいです。確かに濃厚なワインではありませんが、その分食事の邪魔をせず、今回のランチの日本食ともよくなじんでいました。「クラシック」とも言えるこのスタイルは、これまで50年の歴史を経て行き着いたもので、このスタイルに自信を持って取り組んでいるということも、今回よくわかりました。また、古いヴィンテージのものも、とてもきれいに熟成していました。

今回のランチでは9種のワインを飲みました。
今回飲んだ9種のワイン
1.ドライ・リースリング 2016
2.シャルドネ 1994
3.シャルドネ 2005
4.シャルドネ 2015
5.メルロー 2014
6.ドラゴンズ・トゥース 2014
7.カベルネ・ソーヴィニヨン 1999
8.カベルネ・ソーヴィニヨン 2008
9.カベルネ・ソーヴィニヨン 2014

まずはドライ・リースリングから。リースリングは「ドライ」といっても、そこそこ甘さを残したものも多く、消費者としてワインを選ぶときにはそのあたりがちょっと悩ましく感じられてしまうのですが、このリースリングは残糖が1リットルあたり5gということで、ほとんど甘さは感じません。オレンジやレモンの柑橘系の香りに、きれいで柔らかい酸、余韻に残るフルーツのフレーバー。これは美味しいです。
八寸
魚介類に合いますね。料理もすごく美味しい。

次はシャルドネ3種。ヴィンテージ違いで1994年、2005年、2015年です。
シャルドネ3種
これが3種が入ったグラス。どれがどのヴィンテージかわかるでしょうか?

一番色が濃いのが古いのかと思いきや、実は右から1994年、2005年、2015年の順になっています。2005年の色が濃いのは樽の違い。1994年が新樽率15%、2015年が20%なのに対し、この年は78%が新樽。マロラクティック発酵も1994年が0、2015年が4%に対して、21%となっています。トレフェッセンにも濃いワインを指向していた時期があり、2005年が一番その傾向が強かったころ。それが新樽率の高さにつながっています。

飲んでみると1994年はさすがに果実味はだいぶ落ちていますが蜜の香りがすばらしい。ゆでた豆や芋のようなフレーバーがあり、和食の豆類とよく合います。2005年はやはり樽のフレーバーが強く残っており、イースト香のような感じやちょっとひねた感じもあります。悪いワインではありませんが、魅力は1994年の方が強いです。2015年はレモンやオレンジの香り。口に含むと蜜のような味わいもあります。時間が経つに連れ、蜜のフレーバーが増してくるような感じ。これもいいですね。タコの黄身辛子和えに合います。

トレフェッセンは実は(今回「実は」って話がすごく多く、ピノ・ノワールはほとんどマムに売っているとか、ドメーン・シャンドンは最初トレフェッセンで作っていたとかいろいろ面白い話があったのですが、記事に書ききれなくて悩んでいます)シャルドネで輝かしい歴史があります。

1976年のパリ・テイスティングはだれでも知っていますが、1979年にワイン・オリンピックというのが開かれたのはご存知でしょうか。フランスの有名な食の雑誌「ゴー・ミヨ」が主催したもので、33カ国から330のワインを集めて評価しました。その中でシャルドネのベストに選ばれたのがトレフェッセンの1976年でした。
参考:Wine Olympics - Wikipedia
カベルネ・ソーヴィニヨンではスペイン、ピノ・ノワールでもオーストラリアのワインが1位を取っており、フランス勢の低迷のせいかどうかわかりませんが、このイベントはこのとき一回きりだったそうです。

赤ワインは後編で。
Date: 2018/0225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先日、ホワイトホール・レーンの復活の記事を書きましたがその輸入元であるアイコニックワイン・ジャパンの試飲会がありました。そこから美味しかったワインを紹介します。価格は希望小売価格です。

アイコニック
グラウンドワークというワイナリーのロゼ。グルナッシュ100%。ドライでさわやか、夏に飲みたくなるようなタイプでした。2530円はお買い得でしょう。

アイコニック
モーガンのソーヴィニヨン・ブラン。豊穣さがあり、酸と果実味がきれいにバランスしています。

アイコニック
アルタマリアのソーヴィニヨン・ブラン。コクがあってレベル高いソーヴィニヨン。

アイコニック
ハグのシャルドネ、1750円。生き生きとした酸が特徴。1000円台という安さです。

アイコニック
パリ(Pali)のシャルドネ「チャームメーカー」。とてもバランスのいいシャルドネ。

アイコニック
メルヴィルのシャルドネ。果実味豊かで酸もきれい

アイコニック
モーガンのシャルドネ「ダブルウィル・ヴィンヤード管理」。これもいいです。

アイコニック
グランドアークのグルナッシュ・ブラン。2980円。酸がとてもきれいなワイン。

アイコニック
パリのピノ・ノワール「ハンティントン」。しっかりとした果実味がおいしい。

アイコニック
メルヴィルのピノ・ノワール エステート。果実味と酸のバランスがいいワイン。

アイコニック
カモミのメルロー。2800円。うまみがすごくあります。

アイコニック
タワー15の「ザ・スウェル」。とてもバランス良くストラクチュアもあります。3000円のカベルネ・ソーヴィニヨンとしてはかなり秀逸。

アイコニック
ストルプマンのシラー「パラマリア」。以前も紹介しましたが、これはレベル高いです。3800円。前ヴィンテージは瞬殺でしたが、今回はどうなるでしょうか。

アイコニック
モーガンのシラー「G17」。コスパ高いワイン。3900円。

アイコニック
デナーのシラー「ダート・ワーシッパー」。1万500円しますが、タンニンとストラクチャーがしっかりしたワイン。

アイコニック
オーストラリアのモリードゥーカーのベルベット・グローブ。3万円という値付けですが、とてもシルキーで美味しいです。価格に納得しました。

ここは3000円台とかのコスパワインが目立つインポーターですが、最後のモリードゥーカーのようなワインもあって面白いです。
Date: 2018/0224 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ケンゾー・エステートのオーナーである、辻本憲三氏がラテン系のコミュニティから大きな賛辞を受けています(Kenzo help for Puertos Abiertas garners thanks | Wine | napavalleyregister.com)。

辻本氏は、昨年の大火の後、プエルトス・アビエルタス(Puertos Abiertas)という、主にラテン系の家族を支えるコミュニティ・センターに10万ドルを寄付。1000を超える家族の支援につながったといいます。

ナパの労働力を支えているのはメキシコ系の移民ですが、こういった弱い立場のひとが、数多く火事で焼け出されています。それを助けるために、火事の支援ファンド一般ではなく、こういったコミュニティに寄付をするというのは英断ですね。素晴らしいと思います。
Date: 2018/0223 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2000年代前半は人気ワイナリーだったホワイトホール・レーン(Whitehall Lane)。最近は日本で見かけなくなっていましたが、アイコニックワインが輸入を始めました。ナパのハイウェイ29沿いにあり、ワイン・スペクテーターで年間5位に2回も入った実力派ワイナリーです。

参考:Whitehall Lane: WS誌年間5位を2回取った実力派

ホワイトホール・レーン

ラベルはシンプルですが、以前とはデザインが代わっています。

輸入される商品のラインアップは
ソーヴィニヨン・ブラン 2016(希望小売価格4100円)
トレ・レオーニ 2015(カベルネ・ソーヴィニヨンにメルロー、シラー、ジンファンデルをブレンドしたレッド・ブレンド)(希望小売価格4800円)
カベルネ・ソーヴィニヨン 2015(希望小売価格6800円)
カベルネ・ソーヴィニヨン レオナルディーニ・ヴィンヤード 2014(希望小売価格1万3300円)

一般受けしそうなのはトレ・レオーニです。
トレ・レオーニ
近年はやりのレッド・ブレンドで、果実味を強く残し、うまみもあります。ちょっと甘みを感じる作り。ラベルもこれだけは別デザインです。

ただ、個人的にはもっとクラシカルな造りでタンニンもしっかりしてストラクチャーのあるカベルネ・ソーヴィニヨンが美味しかったです。

まだ輸入が始まったばかりでお店には出ていないと思いますが、楽しみですね。
Date: 2018/0222 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2018年の発芽が昨年より2週間早く始まったという記事を書きましたが、そこで心配した霜の問題が早くも現実化しています(Sonoma County grape growers battle frost after early bud break)。

このところのおだやかな気候から、氷点下まで下がるということで、ブドウの木にも霜が降りて、せっかく発芽した芽を傷めてしまうおそれがあります。

生産者は、巨大な扇風機を回して空気を循環させたり、水を撒くなどで霜の害を避けようとすることになります。

幸い、まだ発芽は全体の5%程度なので、すべてがやられてしまうことはないと思いますが…。
Date: 2018/0221 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ハーラン・エステートの2代目ウィル・ハーランが独自のプロジェクトとして始めたワイナリーがマスコット(Mascot)。独自といっても使っているのはすべてハーラン系のブドウ。ハーラン・エステートやボンド、新しいプロジェクトであるプロモントリーの畑の中で、製品に使わない若い木のブドウを使ってブレンドしたカベルネ・ソーヴィニヨンです。その2012年が新入荷しています。

ハーラン系のワインの中ではボンドのメイトリアークの次くらいに安い(といっても3万円するので、これを安いと思うかどうかは人によりますが)ワイン。

評論家のレビューは出ていないと思いますが、ワインのレビューアプリVivinoでの評価は高いようです、
The Mascot Cabernet Sauvignon 2012 | Wine Info

Date: 2018/0220 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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パルメイヤーのセミナーの続きです。以前ワインメーカーだったヘレン・ターリーの薦めでソノマ・コーストに畑を購入し、造り始めたのがウェイフェアラー。ソノマ・コーストのサブAVAであるフォート・ロス。シーヴューの中にあり、ソノマ・コーストの中でも冷涼なところ。また、畑にたどり着くためには長時間のドライブが必要です。

最初はパルメイアーのワインにブレンドされていましたが、独立したブランドとして造るこおとぉ提唱したのが現社長のクレオさんでした。元々ウェイフェアラー・ファームという農場があったことから名前を取ったそうです。

畑を造ったのはパルメイヤー同様デイビッド・エイブリュー。彼がソノマで手がけた最初の畑だったとのこと。現在は30エーカーの畑を細かなブロックに区切り、ピノ・ノワールを12クローン、シャルドネを4クローン植えています。ピノ・ノワールをこれだけ多くのクローン植えるのはあまり聞いたことがなかったので、その意味を質問したところ、クローンの多様性をブレンドすることによって味に深みを出したいとのこと。ただ、まだ若い畑だけに実験的な側面もあって、いいクローンを見極めるためといったこともあるようです。

ちなみに、醸造設備はなく、ソノマのカスタム・クラッシュで醸造しているそうです。

現在のワインメーカービビアナ・ゴンザレスさんは2012年に就任。最初はウェイフェアラーだけでしたが、現在はパルメイヤーのワインにまで責任を持つようになりました。
ウェイフェアラー
試飲は、2014年のシャルドネ、2013年のピノ・ノワール、そして2013年のピノ・ノワール「マザー・ロック」。

シャルドネはパルメイヤーのシャルドネと比べるとピュアで繊細な酸がとてもきれい。蜜の香り、オレンジ・オイル、ヴァニラ。チョークのニュアンスもあります。これはすばらしい。個人的にはスイートスポットに当たったといってもいいくらいのレベル。ここ1~2年で飲んだシャルドネの中でもトップクラスです。例えばオーベールのローレンあたりと比べても遜色ないと思います。ちなみにヴィナスでは94点。ワイン・エンスージアストでは98点!

ピノ・ノワールの2013年はラズベリーの風味。ミネラルや石のニュアンスも出ています。フルボディのピノ・ノワールですが、重くならず、明るさがあります。これもレベル高い。ちなみにヴィナスではこちらも94点。

ピノ・ノワールのマザー・ロックは、「母岩」が深く根を長く伸ばせる2つのブロックのピノ・ノワールを使ったもの。クローンはDijon37、同777、それからマウント・エデンだそうです。こちらは白い花の香り、ストロベリー、ヴァニラ。シルキーなテクスチャできめこまかなタンニン。先程のピノ・ノワールと比べると少し青系の果実味もあり、深い味わい。個人的には明るいトーンのブレンドものの方に軍配を上げたい感じ。ちなみにヴィナスでは93点。

ウェイフェアラーをじっくり試飲したのは初めてでしたが、やはりおいしいですね。これまでピノ・ノワールだけを注目していましたが、シャルドネのおいしさにはびっくりしました。

なお、セミナーの後の試飲コーナーではピノ・ノワールのマザー・ロック以外の特別なキュベ3種も試飲できました。「ゴールデン・ミーン」はポマール・クローンとスワン・クローンのブレンド。ポマールはテクスチャがあり、スワンは軽く香りがいい。両者の良さをだそうとするワインです。

とてもストラクチャーのあるワイン。オレンジのニュアンス。レベル高いです。

「ペイジズ・リッジ」はDijon667だけを使ったワイン。試飲したのは2012年で2013年以降は輸出はしていないとのこと。濃い果実の味わいにスパイスも感じます。深い味わい。

最後の「ザ・トラベラー」はブルゴーニュから持ち込まれたいわゆる「スーツケース・クローン」によるワイン。明るい色合いで酸の高さと複雑な味わいがあり、とても個性的。熟成させたいワインです。

ウェイフェアラーのピノ3種

このほか、セカンドワインにあたるジェイソンも試飲しました。シャルドネ、ピノ・ノワール、レッド・ワインとありますが、個人的にはレッド・ワインのバランスの良さが気に入りました。1万円未満のカベルネ・ソーヴィニヨン系ワインとしてかなり秀逸だと思います。ピノ・ノワールも軽めの味わいではありますが、ウェイフェアラーの雰囲気は出ています。
ジェイソン

Date: 2018/0219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのパルメイヤー(Pahlmeyer)の創業者ジェイソン・パルメイヤーの長女で、現社長のクレオ・パルメイヤーさんが初来日。開催されたセミナーに出席しました。

パルメイヤーといえば、1990年代に映画『ディスクロージャー』でそのワインが重要な役割を果たして、一躍有名になったワイナリー。「昔の名前で出ています」かと思いきや、2017年にはWine Spectatorの年間9位に選ばれ、再び注目されています。さらにソノマ・コーストに設立したウェイフェアラー(Wayferer)はシュレーダーのボアズ・ビュー(Boar's View)、スティーブ・キスラーのオキシデンタル(Occidental)、マイケル・ブラウンのサーク(Cirq)などと並んで新進の高級ピノ・ノワール/シャルドネの一翼を担っています。2016年にはWine Enthusiast誌で年間1位に選ばれています。個人的にもウェイフェアラーには注目しており、楽しみなセミナーでした。

参考:
Pahlmeyer: 映画「ディスクロージャー」で有名になったプレミアムワイナリ
ハイエンド・ピノ・ファンなら注目、ウェイフェアラー
パルメイヤーが手がけるソノマ・コーストのワイン「ウェイフェアラー」
Wine Enthusiast誌、各種年間トップ100を発表
Wine Spectator今年の9位はパルメイヤー
クレオ・パルメイヤー社長

過去記事にも記していますが、1986年に設立されたパルメイヤーの初代ワインメーカーはダン(Dunn)のランディ・ダン。その後シャルドネ専用のワインメーカーとして迎えたのが現在はハーラン・エステートのワインメーカーであるボブ・リーヴィー。彼等を引き継いだのがヘレン・ターリーと、すばらしく豪華なワインメーカーを次々と採用しています。現在は、パルメイヤー、ウェイフェアラーともビビアナ・ゴンザレスがワインメーカー。彼女はサンタ・ルシア・ハイランズを代表するワイナリー「ピゾーニ」(Pisoni)の2代目ジェフ・ピゾーニの奥さんでもあります。

パルメイヤーの畑で使われているカベルネ・ソーヴィニヨンは、元々ボルドーの超有名ワイナリーの畑からのカッティング、いわゆるスーツケース・クローンだったとのこと。それをUCデイヴィスにあずけて増やしてもらったとか。また、マルベックはムエックスの畑からもらったものだそうです。

当初はクームズヴィルに畑があったそうですが、現在の自社畑はアトラスピークのほぼ南端。ナパ・ヴァレーに向いた西側の斜面と、反対側の東側の斜面に大きく分かれています。標高が高く、どちらも霧がかからないところですが、海からの風を受けやすい西側が涼しく、そちらはシャルドネやメルローが中心。東側はカベルネ・ソーヴィニヨンが中心に植わっているそうです。畑を造ったのはデイビッド・エイブリューとこちらも豪華です。

ワインはワイナリー設立当初から造っているボルドー・ブレンドの「プロプライエタリ」と、メルロー。そして白はシャルドネ。どれも自社畑のブドウが中心ではありますが、他の畑からも少し購入しているので、「エステート」の扱いではありません。なお、プロプライエタリではアトラスピークの著名な畑ステージコーチのブドウも使っています。

また、セカンドの「ジェイソン」は上記に使われなかったブドウや、ウェイフェアラーで使われなかったブドウで造られており、シャルドネとピノ・ノワールと赤ブレンドとなっています。シャルドネはナパとソノマ、両方のブドウを使っていることになります。

試飲はウェイフェアラーから行ったのですが、そちらは後編に回し、まずはパルメイヤーから報告します。
パルメイヤー
試飲したのはWine Spectator年間9位になったそのもののシャルドネ2015。それからメルローの2014年と、プロプライエタリ・レッド2014年。

シャルドネはゴージャスという言葉が似合うワイン。いかにもナパのシャルドネという、バニラやオレンジ、ハチミツなどのすばらしい香りと濃厚な果実味を持っています。100%新樽を使っていますが樽の風味は強すぎません。金髪美人が似合うようなワイン。最近はなかなかここまで衒いなくリッチなシャルドネはあまり見かけませんが、おいしいです。ちなみにWine SpectatorだけでなくWine Advocateでも96点の高い評価。

メルローはさわやかな花の香り。カシスやブラックベリーの味わい。思った以上にタニックでフルボディ。しっかりとしたストラクチャーがありますが、しなやかでシルキーな舌触り。これはいいですね。ナパの高級メルローとしてダックホーンのスリー・パームス・ヴィンヤードに匹敵するくらいのレベルだと思います。ちなみにWine Advocateでは94点。

最後はプロプライエタリ・レッド。これは試飲したときは若干閉じているような気がしました。カシスやブルーベリーの青い果実味にかなり強いタンニン。杉のフレーバー。相当長熟型だと思います。おそらくもう5年くらいしてから飲んだ方がずっと美味しくなるでしょう。レベルは高いですが、今飲むならメルローをお薦めします。ちなみにAdvocateでは94点。Spectatorでは95点。
パルメイヤー
パルメイヤーのワインを飲むのは随分久しぶりな気がしますが、どれもレベルは高いです。特に、シャルドネのゴージャスさはわかりやすく多くの人にアピールするワインだと思います。メルローの高品質にもちょっと驚きました。

ウェイフェアラーとジェイソンの試飲は後編で。

今回の最後に、昨年10月の大火事のときの写真を挙げておきます。
パルメイヤー(2017年10月)
火と煙の奥に見えるのがパルメイヤーのアトラスピークの畑(西側)。アトラス・ファイアーという名が付いたとおり、アトラスピークで発生した火事であり、この後山を降りてスタッグス・リープ方面にも被害をもたらしました。パルメイヤーの畑のすぐそばまで火事が来ましたが、ブドウ畑は防火帯的な役割を果たし、また消防の献身的な活動で、大きな被害をまぬがれたとのことです。

ナパを応援するために、ワインを飲んで、また機会があればワイナリーに来て欲しいとのことでした。

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Date: 2018/0218 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ベッドロックの自社畑のブドウで造る「ベッドロック ヘリテージ」の2016年がワインスペクテーターで95点を取っています。「ホットワイン」にも選ばれており、年末のワインオブザイヤーでも相当上位が見込まれるのではないかと個人的には思っています。

なお、タイトルではジンファンデルと書いてしまいましたが、100年以上の歴史を持つ古木の畑であり、当時は様々な品種を一つの畑に混ぜて植えるのが一般的でした。というわけで、この畑もジンファンデルを主体とはするものの、様々な品種が
混ざっており、それが味に複雑さをもたらしています。

ベッドロックのモーガン・ピーターソンはワイン業界最高の資格であるマスターオブワインを取得しましたが、その最後の論文が、この畑を題材にした「フィールドブレンド」の研究でした。論文取り寄せたものの、ちゃんと読めていないのですが……(~_~;)

ちなみに前ヴィンテージの2015年はアドボケイトで96点。こたらも高い点数でした。



Date: 2018/0217 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで早くも新芽の芽吹きが始まったと、ナパ・ヴァレー・グレープグロワーズが報告しています(Grape growers report early Napa County bud break | Local News | napavalleyregister.com)。2017年より2週間も早い生育シーズンのスタートとなっています。

このところの高温と乾燥が早い芽吹きにつながったとのこと。また、ここ数年で植え替えが広がり、若い木は早く芽吹く傾向があることも影響しているとのこと。

芽吹きは南のカーネロスから始まっています。また、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどの白ブドウが先に芽吹くそうです。

ただ、早すぎる芽吹きには2つの懸念もあります。1つは霜害。もう一つは水不足です。

霜害は春先の夜に急に気温が下がることによって起こります。水不足は生育期間が長くなることによって、懸念となります。

何はともあれ、新しいシーズンの始まりを祝したいですね。
Date: 2018/0217 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで早くも新芽の芽吹きが始まったと、ナパ・ヴァレー・グレープグロワーズが報告しています(Grape growers report early Napa County bud break | Local News | napavalleyregister.com)。2017年より2週間も早い生育シーズンのスタートとなっています。

このところの高温と乾燥が早い芽吹きにつながったとのこと。また、ここ数年で植え替えが広がり、若い木は早く芽吹く傾向があることも影響しているとのこと。

芽吹きは南のカーネロスから始まっています。また、シャルドネやソーヴィニヨン・ブランなどの白ブドウが先に芽吹くそうです。

ただ、早すぎる芽吹きには2つの懸念もあります。1つは霜害。もう一つは水不足です。

霜害は春先の夜に急に気温が下がることによって起こります。水不足は生育期間が長くなることによって、懸念となります。

何はともあれ、新しいシーズンの始まりを祝したいですね。
Date: 2018/0216 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シャトー・イガイタカハに大吟醸の日本酒が追加」で紹介した『シャトー・イガイタカハ 作 波紋 純米大吟醸』が大人気です。総生産量2000本のところ、レストランなどの事前の引き合いでほとんど売れてしまい、小売りはわずか390本とのこと。

作

2018年2月17日(土)午前10時から、シャトー・イガイタカハのサイトでこの390本の先行予約を受け付けます。追加生産などは一切ない製品なので、まずは「Ch.igai Takaha / ご利用規約」から会員登録をすることをお薦めします。

7500円というのは、日本酒としてはかなり高額ですが、それがこれだけ人気というのはすばらしいですね。日本酒はいいものでも安すぎると言われていますから、その状況を変える一石としても面白いと思います。「ワインラバーに飲ませたい日本酒」、どういう仕上がりなのでしょうね。
Date: 2018/0215 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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コルクについての迷信が1つ覆されようとしています。アモリム・コルク(Amorim Cork)のR&Dマネージャーであるパウロ・ロペス博士によると、ワインの瓶は温度と湿度が適切であれば、縦にして保存しても全く問題ないといいます(The Myth Buster: Dr. Paulo Lopes dispels long-held beliefs about cork | deborahparkerwong)。
córcholis
これまで、ワインはコルクを通して空気を取り入れ、それが熟成の元になると言われていました。しかし、ロペス博士によるとそれは全く起こらず、熟成の元になるのは、コルクの中に元々入っている空気だとのこと。これが瓶詰め後、数年かけてワインに取り込まれることによって熟成が進むとしています。

博士はこれを実験で確かめたとのことですが、どこまで信憑性はあるのでしょうか。今後の追試などに期待したいと思います。

なお「コルクはどれだけ酸素を透過させるのか、100年がかりの実験が始まる」といった話もありましたね。これは無意味なものになってしまうのでしょうか。

Date: 2018/0214 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2月と言えばカリフォルニアは雨季。山は緑になり、ポピーなどの花も楽しめる季節なのが普通ですが、今年は少雨に喘いでいます(Dry, hot California winter closes ski resorts, stalls wildflower blooms and revives drought fears)。
ロスアンゼルスの降雨
例えばロスアンゼルスのダウンタウンは昨年7月1日以降の降雨が50mm程度。平年の4分の1以下だといいます。1月にはサンタバーバラで洪水のニュースがありましたが、南カリフォルニアではそれがほぼ唯一の降雨。以降、暑く乾いた日が続いています。

サンフランシスコも18日連続で降雨なし。あと10日続くと雨季としては9番目の長さの雨が降らない日の連続記録となります。

現在の予報では今後もまとまった雨は見込めそうにないとのことで、昨年ようやく終わった旱魃がまた始まる恐れが濃厚になってきています。
Date: 2018/0213 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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マックマニスの輸入元変更によって、旧輸入元のヴィノラムが運営する「ステキにワイン」で在庫処分価格になっているバルベーラとプティ・ヴェルドを飲んでみました。

バルベーラは大分酸が勝った印象。品種の特徴でもありますが、酸っぱすぎて食事と合わせるのはちょっと難しいかも、という気がしました。

一方、プティ・ヴェルドは果実味豊富で、酸もほどほど。柔らかい味わいで、かなり美味しいし食事の邪魔にもなりにくかったです。

ちなみにWine-Searcherで見る平均価格は11ドルですから、税抜き900円はそれと比べても大分安く、お買い得度は非常に高いです。

Date: 2018/0212 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ヘレン・ターリー、エーレン・ジョーダンの後を継いでターリー・ワイン・セラーズ(Turley)の3代目ワインメーカーを務めるティーガン・パサラクア(Tegan Passalacqua)。ターリーのワインは、かつての濃厚なものからエレガントなスタイルへと完全に変身し、今なお高い評価を受け続けています。その立役者でもあるティーガンがロウダイ(Lodi)のジンファンデルについて語った長いインタビュー記事が公開されています(Lodi Winegrape Commission - Blog - Can Zinfandel be saved? Conversation with Turley)。

非常に興味深いインタビューなのですが、あまりにも長くてなかなか読みきれず、1月に公開されてから、今までかかってしまいました。

ティーガンは、ターリーのワインメーカーであるほか、ロウダイにカーシェンマン(Kirschenmann)というジンファンデルの古木の畑を持ち、またサンドランズ(Sandlands)という個人ブランドのワイナリーもやっています。サンドランズはロウダイにワイン造りの設備を今後持つ予定だといいます。

いろいろ興味深いインタビューですが、いくつかポイントを挙げると、まずターリーのスタイルが変わったことについて。これはワイン造りの方針が変わったというよりも、より生産者と密接にワイン造りをするようになったことが影響しているとのこと。ジンファンデルというのは意外に収穫のタイミングが難しいブドウで、6日間で糖度が9も上がってしまうことがあるとか。ジンファンデルの単一畑だけで26種も造っているターリーにとっては最適な収穫をするのが、かつては生産者任せのところがあったようです。それをより密接にやることによってスタイルが変わっていったとしています。

また、ターリーの中では比較的安価で、入手しやすいジュヴナイルについても語っています。

ターリーが扱う畑の多くは古木の畑ですが、やはりブドウが死んでしまう場合もあり、90年代なかばから植え替えを進めているそうです。多くの「Old Vine」を名乗るワインは、植え替えた新しいものも混ぜて造られているそうですが(Old Vineについてはワイナリーが自主的に名乗るもので、規定は全くありません)、ターリーの場合は収穫を分けて造っています。その若木のさまざまな畑のものをブレンドしているのがジュヴナイルということ。現在は樹齢が平均で18年に達しているというから、若木といっても、古木ではないというだけで十分熟成した樹になっています。ナパの樹の平均年齢がこれくらいだということですから、ナパであれば古木に近づいているとさえ言えるようです。

ちなみに100年くらいの畑だと2~4割ほども植え替えが必要だとのこと。

では、古木のワインがなぜおいしいかということですが、1つには古木は育ちすぎたり、ぶどうの実を付け過ぎたり、また逆に少なすぎたりといったことがあまりないとのころ。自然の調整能力を身に着けていることが味の安定にもつながっているようです。

通常、ワインを造るブドウは垣根をなすように列になるよう剪定されます。ワイヤーを張り、それに沿って枝を這わせるわけですが、ジンファンデルの古木の畑ではヘッドトレインといって1つ1つの樹が株をなすような形になっているのが一般的です。垣根造りの方が収穫量が増えるとか、日当たりがよくなるといったことはあるのですが、ヘッドトレインの方が自然でブドウのリズムに合っていると、しています。なので、ターリーでは植え替え時にもヘッドトレインを採用しているとのこと。
ヘッドトレインされた樹
自身のカーシェンマン(Kirschenmann)の畑については、まだ自らのブランドではワインを造っていないものの(ターリーとの競合になってしまうため)、オーナーのラリー・ターリーと話し合っているそうです。現在はこの畑のジンファンデルはターリーで造っているほか、モーガン・トゥエイン・ピーターソンのベッドロックで「シュミット・ロード」というワインに使われています。

この後者ですが、モーガンが所有しているKatushasという畑がカーシェンマンの隣にあり、どちらもシュミット・ロードに沿っていることから、この名前を付けているそうです。

この土地は、ロウダイの「Mokelumne River」というサブAVAにありますが、3方向が川になっている土地で、ピノ・ノワールかと思うほどデリケートなワインができるそうです。実はここにはカリフォルニアでは珍しい石灰岩の地層があり、それがワインのデリケートな味わいにつながっているとか。川が屈曲しているのもその地層を避けて通っているからのようです。
付近の地図
地図で見ると赤で示したあたりのようです。

というわけでごく一部を抜粋しただけでもそこそこの長さになってしまいましたが、興味深いインタビューなので、ジンファンデル・ラバーの方はがんばって読んでみてください。

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ターリー ジンファンデル ジュヴナイル [2015]
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Date: 2018/0211 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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マンガ「神の雫」にも登場したダイアトム時代の「漢字」ラベルワインがごく少量「しあわせワイン倶楽部」に入荷しています。

神の雫に登場したときの記事はこちら。
今週の「神の雫」にDiatomの「波紋」が登場
「神の雫」の「波紋」登場まで
神の雫のダイアトム続編



ちなみに、このあとダイアトムは終了してしまい、漢字ラベルワインはシャトー・イガイタカハに移管されています。2016ヴィンテージからダイアトムは復活しましたが、今回は漢字ラベルではありません。

今のダイアトムはこちら。


シャトー・イガイタカハの漢字ワインはこちらから
Date: 2018/0211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイン・イン・スタイルの試飲会に参加してきました。実はここの単独の試飲会は初めてだったのですが、アイテム数が200とかなり多いのです。経験上、私の場合はアイテム数が100を超えると試飲が雑になってきてしまうので、今回は最初から全部試飲するのはあきらめ、他の試飲会でトライ済みのものはパスするなどしてしまっています。なので、試飲した約半分のうちからのお薦めワインということになります。

まずはオレゴンから。上記の理由により、オレゴンはパスしてしまうことも一瞬考えたのですが、ここのオレゴンのラインアップは魅力的なのでやっぱりパスできませんでした。
ワイン・イン・スタイル
IPOBの中心人物だったラジャ・パーとサシ・ムーアマンがオーナーになったイヴニング・ランド。個人的にはミネラル感たっぷりなこのシャルドネ(セブン・スプリングス 2014)が気に入りました。

ワイン・イン・スタイル
リングア・フランカのピノ・ノワールはオレゴンの中ではカリフォルニアにちょっと近い感じ。どちらも旨味がしっかりあり、「ジョシュア、ジュンイチ&シリ 2015」の方は果実味も結構乗っています。

ワイン・イン・スタイル
カリフォルニアに移ります。ポール・ホブズでは廉価版のクロスバーンのシャルドネ「ソノマ・コースト2016」(3980円)のコスパがすばらしかったです。樽も効いたフルボディのシャルドネ。

ワイン・イン・スタイル
ポール・ホブズのピノ・ノワール、ロシアン・リバー・ヴァレー2015。ロシアン・リバー・ヴァレーらしい濃厚なピノ・ノワール。

ワイン・イン・スタイル
久しぶりのクロペガス、シャルドネ ミツコズ・ヴィンヤード2015。フルボディなシャルドネ。

ワイン・イン・スタイル
ロバート・モンダヴィの息子ティムがプリチャードヒルで造る高級カベルネ「コンティニュアム(Continuum)」の2014年。パワフルさよりもバランスとエレガントさを感じます。コルギンのナンバー・ナインを優しくしたような感じ。ポートフォリオにも通じるものがあります。

ワイン・イン・スタイル
アラウホ改めアイズリー・ヴィンヤードになってからは初めて試飲しました。これも非常にバランスのいいワイン。ただ、本領を発揮するのは10年以上熟成してからだと思います。セカンドのアルタグラシアもタニックだけどうまみもあって美味しい。

ワイン・イン・スタイル
フランシス・コッポラのワイナリーはいくつかのシリーズを造っていますが、これは下から2番めの「ヴォトル・サンテ」。シャルドネはバランス良く果実味あって、なかなかいいです。

ワイン・イン・スタイル
これはミドルレンジのダイヤモンド・コレクションのクラレット2016。カシスやブラックベリーの風味豊かで酸とのバランスがいい。


ワイン・イン・スタイル
同じくコッポラからダイヤモンドより1ランク上のディレクターズ・カット。これは「グレート・ムービーズ」という名画を題材に取ったラベルを使ったもので「オズの魔法使い」はソノマとモントレーのブドウを使ったメルローです。この価格帯としてはおいしいメルローで、うまみを感じます。

ワイン・イン・スタイル
フリーマンのピノ・ノワールはいいですね。これはソノマ・コーストと自社畑のブドウを使った「グロリア」。どちらも果実味とうまみがたっぷり入ったワインです。グロリアの方がやや濃くて味わいが強い感じ。エレガントさが好きならソノマ・コーストの方がいいでしょう。

ワイン・イン・スタイル
ジラードのプティ・シラー。果実味爆弾と呼びたくなる味わい。カリフォルニアらしさがほしかったら最高なワインです。

ワイン・イン・スタイル
ガーギッチ・ヒルズのシャルドネはもっと評価されていいと、ずっと思ってます。これは新しい2014年のヴィンテージですが、果実味とエレガントさがあっておいしいです。

ワイン・イン・スタイル
ハーン(Hahn)の中では上級のサンタ・ルシア・ハイランズ(SLH)のピノ・ノワール。SLHらしい濃厚な果実味。これを5000円以下で味わえるのはコスパ高いです。

ワイン・イン・スタイル
スクリーミング・イーグルのオーナーがサンタ・バーバラで造るホナータ(Jonata)。これはシラーを中心にしたブレンド「トドス」。タニックですが果実味もしっかりあってバランス良くおいしい。

ワイン・イン・スタイル
同じオーナーのヒルト(Hilt)のシャルドネとピノ・ノワール。シャルドネはスパイス感がありレモンの風味。おいしいです。ピノ・ノワールはうまみがあっておいしい。どちらもレベル高いです。

ワイン・イン・スタイル
米国では大人気のピノ・ノワール「メイオミ」。甘い甘いと言われていますが、意外とバランス良く、飲みやすいワイン。ピノ・ノワール・マニアよりも入門的なワインだとは思いますが、思ったよりずっとおいしい。

ワイン・イン・スタイル
ピーター・マイケルのシャルドネです。問答無用のおいしさ。

ワイン・イン・スタイル
セバスチャーニのピノ・ノワールとカベルネ・ソーヴィニヨン。どちらもコスパ高いです。

ワイン・イン・スタイル
アルノー・ロバーツのピノ・ノワール。こちらはピノ・ノワール・マニアが泣いて喜びそうなピノ・ノワール。クラリー・ランチの2015年。ただ輸入量は極小です。

ワイン・イン・スタイル
ファイラのピノ・ノワール3種。ソノマ・コーストはコスパ高いです。オクシデンタル・リッジはIPOB系としてはかなり濃厚。もちろん酸もしっかりでバランスは取れています。個人的一押しはオレゴンのセブン・スプリングス(最初の方で試飲したイヴニング・ランドの畑です)のピノ・ノワール。うまみがすごいです。

ワイン・イン・スタイル
最後はウルトラマリンが超人気のクルーズ・ワインから、「モンキー・ジャケット」という赤ブレンドと、チャールズ・ハインツ(ウルトラマリンの畑です)のシラー。モンキー・ジャケットはうまみと酸のバランスよくするする飲めてしまうワイン。シラーも濃厚というよりもうまみがたっぷり乗っていておいしい。

次回は今回試飲できなかった1000円台のワインなどをしっかり試飲したいです。
Date: 2018/0210 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2017年のカリフォルニアのブドウの収穫についての暫定レポートが発表されました。

2016年の報告はこちら:2年ぶりに400万トンを超えた2016年の収穫
年次収穫量


収穫量は4,233,288トンで、2年連続400万トン超。2016年の4,217,154トンから0.5%とごくわずかだけ増えました。

これはワイン用だけでなく、生食やレーズン用も含んでいますが、ほとんどがワイン用。赤ワイン用が2,242,984トンと半分を超えていますが、2016年からは1.6%減っています。一方白ワイン用は1,764,152トンで2016年から0.7%増。
価格
1トン当たりの価格で見ると赤ワイン用が $961.76と2016年から4.6%上がり、白ワイン用は$586.73で2%下がりました。また、地域別の価格ではナパが$5,204.98ドル。平均の6.7倍もの価格になっています。また、この価格は2016年より11%も値上がりしています。2番めのソノマとマリンは$2,803.52。2016年より8.2%上がり歴代最高値となっています。

品種別
品種別の収穫量は以前としてシャルドネがトップで14.5%ですが、カベルネ・ソーヴィニヨンが14.2%でかなり迫っています。2016年の速報値ではそれぞれ16.0%、13.3%で2.7ポイント開きがあったのがわずか0.3ポイント。2018年の収穫ではついに逆転が起こるかもしれません。
Date: 2018/0209 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2017年10月の大火の影響を調べた結果によると、ブドウ畑は99%無事だったことが判明しました(Sonoma, Napa vineyards 99% undamaged by wildfires, survey finds)。

昨年来日したシェーファーのダグ・シェーファー氏も畑が防火帯として役立ったと言っていましたが、実際にブドウ畑で火が食い止められたところは少なからずあったようです。

ただ、火に直接あたったブドウの樹はダメージを受けており、その影響についてはまだわからないというのが実情です。

もう一つ、大火関連で、先日サンタ・ローザがPG&Eをいつくかの火災の原因と結論つけた話を書きましたが、ナパ郡はPG&Eを提訴することを決めました。すでにメンドシーノ、レイク、ソノマの各郡も同様の意向を示しており、意向としては出揃ったことになります。

ただ、被害額に関してはまだ結論は出ていません。ソノマは最大2500万ドルとしているようです。
Date: 2018/0208 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマを本拠地として、カリフォルニア各地にプレミアムなワイナリーを保有するフォーリー(Foley)が、ソノマ・コーストに本拠地を置くバンシー(Banshee)と戦略的提携を発表しました。

フォーリーはサンタ・バーバラで始まり2007年ころから矢継ぎ早に様々なワイナリーを買収。リンコート、ファイアストーン、シャローン、ランカスター、EOS、チョークヒル、セバスチャーニ、メラスなどが傘下にあります。現在はチョークヒルを本拠地としています。カリフォルニアだけでなくオレゴン州、ワシントン州やニュージーランドにもワイナリーを保有しています。

一方、バンシーは2009年に始まった新しいブランド。畑は持たず、ソノマ・コーストを中心にさまざまな畑からブドウを買い付けてワインを造っています。リックショー(Rickshaw)というブランドも持っています。

2017-05-07_BANSHEEEVENT_CAMPO-7477
Rickshaw

バンシーにとっては、様々なワイナリーや畑を保持するフォーリーからブドウの供給を受けられるようになるというメリットがあります。またワインの販売にもフォーリーのネットワークを利用できます。フォーリーにとっては製品のポートフォリオが充実するとともに、10年足らずで大きく成長したバンシーの方法論を学ぶという面もあるようです。
Date: 2018/0207 Category: グルメ
Posted by: Andy
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春休みにちょっと旅行をと思って調べているうちに格安のプランを発見しました。

大江戸温泉物語は近年ホテルグループとして地方のホテルを買い取って再生させているとかで、昨年は西伊豆の土肥に行ったのですが、満足度はかなり高かったです。
沼津~西伊豆を一泊旅行で堪能
建物が古いので部屋はそこそこですが、朝晩のバイキングはレベルが高く、それと温泉があれば万事OK。特に我が家のようによく食べる家にとっては、食は質と量、どちらも重要なので。

というわけで今年も調べていたら2月12日までの予約で20%オフというとってもお得なプランが始まっていました(実はこのプランが始まる前に予約していたのですが、そちらはキャンセルして取り直しました)。

平日なら1日6000円台とか7000円台で宿泊(もちろん2色付き)できるので、食事代と温泉代だけで元が取れる感じです。

というわけで今回は山梨の石和温泉に行って、ついでにといってはなんですが、勝沼あたりのワイナリーにも訪問したいと思います。

大江戸温泉物語 石和温泉 ホテル新光

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Date: 2018/0207 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨年10月に起こった大規模な山火事、その原因として電力会社PG&Eの電力線があるのではないかと言われています。サンタ・ローザ市が少なくとも小規模な火災のいくつかはPG&Eによって起こったと結論づけました(PG&E power lines sparked two October fires in Santa Rosa, city says in first investigation)。

今回の「発見」は2軒の家を焼いた火事の1つと、1/2エーカーの被害となった火事というごく小さなものですが、この問題に関しては既にソノマがPG&Eを提訴することを決めているなど、さまざまな訴訟が絡んでいます。

今のところサンタ・ローザはPG&Eを提訴するかどうか決めていないようですが、今後に大きく影響しそうな「発見」です。
Date: 2018/0206 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日、マックマニスの新しい輸入元になった中川ワインの試飲レポートを公開しましたが、前輸入元の在庫が処分価格になっています。直営の「ステキにワイン」はほとんど在庫なくなっていますが、他のショップでもいくつか出ています。バルベーラとプティヴェルドは中川ワインのラインアップには入っていないので、入手するなら今のうちです。



Date: 2018/0205 Category: 技術系
Posted by: Andy
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みなさん、ひげ剃りは何をお使いですか? 意外と人がどうしているかって知らないものですが、僕は長いこといわゆるT字カミソリ派でした。それほど髭が薄いわけでもないので、基本的には毎日剃るのですが、風呂に入ったときにシェービングフォームを付けて剃るのが、きれいに剃れるのと肌に優しいのでデフォルトになっていました。

とはいえ、旅行の時など、T字カミソリは不便なこともあります。それで出張が多かった20代のころは電気シェーバーを使っていたこともあったのですが、結局やめてしまっていました。理由は、きれいに剃るのが難しいのと、きれいに剃ろうとすると肌荒れがひどくなること、あとは使っていると臭いが気になることです。肌荒れも困りますが、臭いも毎日使うものとしては辛いものがありました。

そういうわけで、このところはT字カミソリで満足していたのですが、このほど「フィリップス アンバサダー限定 メンズシェーバー 9000シリーズのモニター」に当選し、試用してみたのです。

いや、おみそれしました。すごいです。このシェーバー。上に書いたような不満はほとんど解消されています。
フィリップス メンズシェーバー 9000

昔のシェーバーは水につけられず、シェービングフォームも使えなかったので、また剃りが甘いため強く押し付けないといけず、それで肌が荒れてしまったのですが、今回のものはお風呂でシェービングフォームを使っても問題ないため、まずその問題が解消されます。

今回はせっかくなので、いろいろなパターンで試してみました。(1)お風呂でシェービングフォームを使って剃る、(2)風呂後の蒸れた状態でシェービングフォームを使わずに剃る、(3)蒸れていない状態でシェービングフォームを使って剃る、(4)蒸れていない状態でシェービングフォームを使わずに剃る。

結果としては、どのパターンでもしっかりと十分に剃れた上、肌荒れもほとんど問題ありませんでした。T字では(1)以外はなかなか難しいので、こちらの方がずっと便利に使えます。例えば、会社でランニングしてシャワーを浴びて帰るときは家では風呂に入らないこともよくありますが、そうすると髭が剃れずに翌日は無精髭で出社することになってしまっています。このシェーバーならばそういうときも手軽に髭だけ剃れるのが助かります。

フィリップス メンズシェーバー 9000
臭いの問題も、今のところありません。写真のように、ヘッドのところは取り外すことができ、中を開けて水洗いするのですが、それだけで臭いが出てこないのは抗菌的なところも進歩しているのでしょうね。
フィリップス メンズシェーバー 9000
実は、今回のモニター製品にはスマートクリーンといってシェーバーの洗浄、乾燥、潤滑化、充電を自動でやってくれる装置が付属しています。臭いが気になったら使って効果をためそうと思っていたのですが、今のところ単なるシェーバーの置き場になっています。
フィリップス メンズシェーバー 9000
後は電池が長持ちするのもすごいです。最初にフル充電した後、1週間ほど使ってもまだ85%。1日に2%くらいしか減りません。
フィリップス メンズシェーバー 9000
これなら旅行で持っていくときも充電の心配を全くしないで済みますね。

フィリップスのWebサイトには「かつてない密着感、深剃り、肌へのやさしさを、この 1 台に」とありますが、剃り味でT字に負けていない上、肌への優しさはそれ以上。T字だとときどき肌を切って出血してしまうこともありますが、これは結構乱暴に肌に当てても本当に問題ないです。便利さを考えたらトータルではこちらの方が大分上ですね。ということでこの機会に電気シェーバー派に寝返ろうとしています。

今回のモニター製品にはこのほか、洗顔用のブラシなども付いていますが、まだそこまでは試せていません。いろいろ使ってみるのも楽しいシェーバーです。

これが一番基本的な製品。


モニターしたのは一番オプションの多いこれでした。まだ宝の持ち腐れになっていますが。

Date: 2018/0204 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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中川ワインの試飲会から美味しかったワインを紹介します。すでに4000円台のカベルネ(次のナパ・ハイランズはどれ? 良質ワインひしめき合うアンダー5K市場)と、輸入元変更のマックマニス(コスパ抜群、マックマニスが輸入元変更で試飲レポ、ちなみに前輸入元のヴィノラムの投げ売りは在庫がなくなったようです)を取り上げているので、それ以外のワインからとなります。

中川ワイン
まずはオーハイのソーヴィニヨン・ブラン「マッキンリー・ヴィンヤード」2015。ソーヴィニヨン・ブランとしては比較的高価な4200円というワインですが、酸も果実味もしっかりしていてメリハリのある味わい。とてもレベルの高いソーヴィニヨン・ブランだと思います。

中川ワイン
もう1つソーヴィニヨン・ブランは「コクレル(Coquerel)」というワイナリーのテロワール・コクレル2015。オーハイを上回る5400円の高級ソーヴィニヨン・ブランですが香りがすばらしく、クリーミーな味わい。ちょっとソーヴィニヨン・ブランとは思えないくらいの個性と美味しさを持ったワインです。これは初めて飲んだと思いますが素晴らしいです。

中川ワイン
ロドニー・ストロングのシャルドネ ソノマ・カウンティ2015。3000円はコスパ高いです。トロピカルフルーツの味わいに豊かな酸。万人受けしそうなシャルドネです。

中川ワイン
ダックホーン傘下のマイグレーションは当初メンドシーノのアンダーソン・ヴァレーのワインを中心としていましたが、現在はカリフォルニア全域の涼しい地域のブドウを使ってシャルドネとピノ・ノワールを造っています。これはロシアン・リバー・ヴァレーのシャルドネ2014年(5000円)。最近減っている樽の風味を利かしたシャルドネ。といってもロンバウアーのようなコテコテな造りではなく、とてもバランスのいいワインなんです。完成度高いワインです。

中川ワイン
もう1つダックホーン系からデコイのワインを紹介します。デコイはダックホーンのセカンドワイン的位置づけでしたが、現在も比較的安価であることは変わらないものの、ワイナリーはソノマに移転。ブドウも自社畑を含むソノマのブドウで造る、より独立性の高いワイナリーになっています。今回各品種とも3900円に値下げ。どれもソノマのAVA表示ではありますが、実はかなり有名な畑からもブドウを買っており、価格以上の価値のあるワインを造っています。

今回はソーヴィニヨン・ブラン、シャルドネ、ピノ・ノワール、メルロー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンを試飲しましたが、個人的にはボルドー品種のメルローとカベルネ・ソーヴィニヨンが特にレベルが高く感じられました。メルローはブルーベリーやカシスの風味でミディアム・ボディ。カベルネ・ソーヴィニヨンはよりがっしりした味わいでブラックベリーの風味。やっぱりダックホーン系だけあってメルローは上手ですね。

中川ワイン
オレゴンのクリストム(Cristom)のピノ・ノワール マウント・ジェファーソン・キュベ2015。旨味がしっかりあって非常に高いレベルでバランスのいいワイン。カリフォルニアのピノ・ノワールのような果実味の押し出しはないですが、代わりに複雑さがあるので、熟成にも向くと思います。

中川ワイン
リヴァース・マリーのピノ・ノワール ソノマ・コースト2014。これも酸と果実味、旨味のバランスが非常にいいです。リヴァース・マリーのワインは最近たびたび紹介しています。5800円というのは、もちろん安価ではないのですが、トーマス・リヴァース・ブラウンのワインとしては安く、しかも内容も充実しているので、一度は飲んでみてほしいです。

中川ワイン
というわけでもう一つリヴァース・マリーのピノ・ノワール シルバー・イーグル・ヴィンヤード2013。これはかなりボディーのしっかりしたピノ・ノワールで果実味も豊か。おいしいです。

中川ワイン
ティエラ・ディヴィナ(Tiera Divina)というワイナリーも初めて試飲したような気がします。「ザ・ジン」という名前のジンファンデル。ジンファンデルでは珍しい今風のラベルですが、スパイシーで果実味豊か。最近はジンファンデルを多く入れたレッド・ブレンドが流行っていますが、ちょっとまろやかすぎるものが多いように感じています。個人的にはこれくらいスパイシーさがあった方がおいしいと思います。

中川ワイン
今回はちょっとダックホーンシリーズのようになっていますが、これは本家本元。ワインオブザイヤーを取ったスリー・パームス・ヴィンヤードのものは人気で品薄ですが(ちなみに過去2回ほどの試飲会ではスリー・パームス出ていて、試飲会レポートで絶賛しています)、このメルローもさすがの出来栄え。パワフルでレベルの高いメルローです。

中川ワイン
ルイスのアレックス・ブレンド2015。シラー50%、メルロー30%、カベルネ・フラン11%、カベルネ・ソーヴィニヨン9%というブレンド。ベルベットのような舌触り。パワフルかつタニックな味わい。とても魅力のあるワインです。

中川ワイン
チリの「ラウラ・ハートウィッグ」というワイナリーのグラン・レゼルヴァ コンチャグワ・ヴァレー エディション・デ・ファミリアというカベルネ・ソーヴィニヨン系のブレンド(CS46%、マルベック27%、プティ・ヴェルド24%、カベルネ・フラン3%)。タニックでパワフルな造り。3000円台とは思えないレベルの高さです。

中川ワイン
先日の4000円台のお薦めには紹介できなかった(5000円台なので)のですが、これもバランス良くレベルの高いカベルネ・ソーヴィニヨンです。

高額ワインを得意とする中川ワインですが、今回はコスパが高いものが目立った印象です。この記事でも1万円を超えるものはルイスのアレックス・ブレンドだけ、というのはちょっと珍しい結果です。
Date: 2018/0203 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シャトー・イガイタカハに新たに日本酒が加わりました。名前は「シャトー・イガイタカハ 作(ザク) 波紋 純米大吟醸」。コンセプトは「ワインラバーに飲ませたい日本酒」とのことで、ワイングラスで飲むことを想定しています。
作
日本酒を作るのは三重県鈴鹿市にある清水清三郎商店。元々「作(ザク)」という日本酒を作っていました。

価格は税抜きで7500円。
Date: 2018/0202 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワイナリーから消費者への直接販売(Direct-to-Consumer=DtC)が加速しています(DtC Shipment Value Rose 15.5% in 2017 - Wines & Vines)。

2017年は出荷量が15.3%、売り上げは15.5%の伸び。売り上げは過去6年間の成長率である12%の成長でした。売り上げは26億9000万ドルに達しています。
dtcの成長
なかでも成長が著しいのがソノマ。販売量で23%、売り上げでは25%の成長。売り上げでは全米の26%を占めるまでになりました。

Date: 2018/0201 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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中川ワインがマックマニス・ファミリー(McManis Family)の輸入を始めました。これまではヴィノラムが取り扱っていましたが、現在のヴィノラムのリストには見当たらないようなので、輸入元変更となったようです。

マックマニス(マクマニス)といえば、最初に記事を書いたのはもう8年以上前のこと(マクマニス・ファミリーの母さんの二の腕に惚れたよ)。1000円台の秀逸なワインとして、その後もときどき飲んでいますし、記事も書いています。

ただ、入荷が安定しないのがこれまでは難点でした。買おうと思っても見つからないことが多いのです。輸入元が代わって、そのあたりが改善することを期待しています。

今回輸入されるのは白がシャルドネとヴィオニエ、赤がピノ・ノワール、メルロー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンです。希望小売価格はいずれも1980円。

シャルドネはリッチな味わいで旨味もたっぷり。酸もしっかりしていてとてもいいです。ヴィオニエはモモや梨の風味がこの品種らしいところ。ヴィオニエにしては酸が豊かで味わいがだれません。
中川ワイン

赤では、ピノ・ノワールが結構よかったです。チェリーやラズベリーなど赤系ベリーの風味が豊か。かわいい系のピノ・ノワールです。
中川ワイン
メルロー、ジンファンデル、カベルネ・ソーヴィニヨンもその品種らしさがしっかり出ています。どれか選ぶならボディが一番しっかりしたカベルネ・ソーヴィニヨンが個人的には好みです。
中川ワイン

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Date: 2018/0131 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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昨年暮れにテレビ番組で紹介されてナパ・ハイランズが一気に日本の市場から消え去りました。輸入元では今も最大限の努力で手配中ですが、あまりにも引く手あまたで、とても小売りにまで出てくる状況ではないようです。

【2018年3月追記:ナパ・ハイランズの入荷が始まりました

ナパ・ハイランズは1年半ほど前に輸入が始まったときに「これは!」と思って紹介した(5000円以下で買えるナパらしい良質なカベルネ「ナパ・ハイランズ」)ワインですので個人的には今回のヒットは来るべきものがきたという感じもありますが、実はこの4000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンは、最近いいものがすごく多いんです。

Experience
ナパ・ハイランズを輸入する中川ワインが、今回輸入を始めたのがこの「エクスペリエンス」と「フォーチュン1621」(写真撮り忘れてしまった、大失敗!)。エクスペリエンスは果実味とタンニンのバランスがよく、フォーチュン1621は果実味の中にスパイシーなニュアンスが入る、どちらも良質なカベルネ・ソーヴィニヨン。ともにナパ産です。


テキストブックのカベルネ・ソーヴィニヨンは、飲むたびに感心するいいワイン。教科書としてお手本になるようなワインを作るということで、本当に非の打ち所がない良質のカベルネ・ソーヴィニヨンです。
ナパヴァレーヴィントナーズ

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昨年の火事で大きな被害を受けたシニョレロが別ブランドとして造っているのが「トリム」「エッジ」「フューズ」の3部作。どれもカベルネ・ソーヴィニヨンですがトリムは3000円程度、エッジは4000円台、フューズは7000円台、いずれもその価格帯を代表するカベルネ・ソーヴィニヨンと呼べる内容です。デザインも今風です。


スカラー&メイソンはストラクチャがしっかりして、スパイスも効いた味わい。これもこの価格帯で最良の1つです。
布袋ワインズ


と書きつつ、こちらのブラックスミス「CLRT」も甲乙つけがたいできです。
布袋ワインズ


どれも飲んでがっかりすることはないワインです。ぜひお試しあれ。
Date: 2018/0128 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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Apothic Red
「アポシック」というブランドがあります。ガロが保有するブランドの1つですが、意外なことにロバート・パーカーが絶賛しています。例えば2012年のもの(12ドル)は87点。点はそれほど高くはないですが、パーカーは「ガロはホームランを打った」とほめています。

価格は10ドルちょっとといったところですが、日本だと2000円近くなってしまうのがちょっと残念です。今回はコストコで買ったので1000円くらいとかなり安いです。

飲んでみたところ、第1印象としては、「ちょっと甘い」。飲みやすさを重視してか、少し残糖があると思います。ただ、嫌味なほどではないし、おそらく歓迎する人が多いレベルではないのかと。

タンニンはほとんど感じずまろやか。もうちょっと酸があって引き締まった味わいのワインの方が個人的には好みですが、これも最大公約数的には理解できます。

結論としては、よくできたワインだとは思いますが、自分の好みからはちょっと外れているので、リピートはなさそうです。
Date: 2018/0127 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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今カリフォルニアで一番カルトなワインはこれ!?」という記事で取り上げたレアム(Realm)。ここの単一畑シリーズのオールド・ヴィンテージが1万円台で出ています。同じワインの現行ヴィンテージでは5万円台ですからタイトルでは半額以下としましたが、3分の1近い安さです。

しかも畑はベクストファー・トカロンにベクストファー・ドクター・クレーンという超がつくくらいの銘醸畑です。畑もワイナリーも超一流で、10年程度の熟成したワインがこれだけ安くなるって理屈に合わないような話ですが、まだ今のように有名になる前の時代のワインなので、安価で入荷したものが残っていたのでしょうか。それにしても、Wine-Searcherで探してもほとんど見つからないレアなワインがこの価格、とってもお買い得です。

2007年のベクストファー・トカロンはWine Advocateで96点。


2009年のドクター・クレーンは95+点。


2014年のドクター・クレーンは5万円台。WAでは99点と評価も高いですが。


トカロンの2014年ももちろん5万円台。WAでは97+。


満点を取った2015年のドクター・クレーンにいたっては7万円台です。


トカロンも(99+)。


いかに今回のワインが安いかおわかりいただけたでしょうか。
Date: 2018/0126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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1年前に「箱入りワインの高級版が急成長」という記事を書いていますが、ここで取り上げているボタ・ボックス(Bota Box)をアサヒビールが日本で販売します。

箱入りワインというと日本でこれまで売っているのはフランジアなど、米国では「ジャグ・ワイン」と呼ばれているような低価格なワインが中心です。品種名もなく、赤、白とだけ分かれているのが普通です。

それに対して、ボタ・ボックスは品種名が書かれたワイン。ブドウもすべてカリフォルニア産を使用しています。

箱の種類は2つ。500mlと3lがあります。500mlの「ボタ・ミニ」はブリックパックを2回りほど大きくして注ぎ口を付けたような感じ。スーパーなどでも気軽に買い物かごに入れられそうな大きさです。重さも500gちょっとで済むので普通のフルボトルの半分以下です。冷蔵庫への収まりもよさそうです。

ボタ・ミニ

3lのものは主に業務用を考えているとのこと。レストランなどでのグラスワインに使うことを想定しているようです。このタイプは内側がビニール袋のようになっていて、ワインを注いでも空気が中に入らないため、酸化しにくいです。メーカーでは開栓後も約1カ月風味が保てるとしているので、業務用で使いやすいと思います。
Bota Box
ただ、今のボックスワインも個人で買う人が結構いるように、飲む量が多い人などは、うれしいんじゃないでしょうか。

品種は赤がカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。白がピノ・グリージョとシャルドネです。

試飲もしました。カベルネ・ソーヴィニヨンはミドル・ボディで、ブルーベリーやカシスの味わい。ちょっと甘みを感じます。タンニンはあまり感じないので飲みやすく、満足感もあります。メルローはさらにまろやかな味わい。赤ワインを飲み慣れない人が飲むのに良さそうな感じです。個人的にはカベルネ・ソーヴィニヨンの方が気に入りました。

ピノ・グリージョはちょっとクリスプな味わいで軽い酸味があります。飲みやすいし美味しいです。個人的にはこれが一押し。シャルドネはより果実味があり、女性が喜びそうな味わい。私としては、もうちょっと酸味が欲しい感じがしました。

価格はオープンですが、実売は500mlが800円程度。3lがアマゾンで4000円となっています。750mlに換算すると1000~1200円なので、700~800円くらいのボトルワインと比べるとちょっと高いかな、という気はします。それでもパッケージの魅力は大きいので売れてほしいです。1年前の記事で書いたように、これが3000円切るくらいの価格になると大分価格訴求力が上がると思うのですが。

【追記】
下にリンクしたように、カベルネは3000mlが3つで8000円台と750ml換算で740円(税込み)とかなり安くなっています。これなら価格でもボトルワインに負けません。ほかのもボトル換算で税込み800円台とかなりお買い得です。


Date: 2018/0125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインが熟成するのは、コルクが酸素を透過させるかだと言われています。本当にそうなのでしょうか。

仮に酸素を通し続けると仮定すると今度は酸化によってワインが損なわれてしまう恐れがあるのですが、ワインは実際には長期間熟成可能です。ということは、年月が経つにつれてだんだん酸素を通さなくなるのではないか。そう考えたのがUCデイヴィス教授のアンディ・ウォーターハウス氏です。

そこで、コルクが実際にどれだけ酸素を通しているのか、実験で確かめることにしました(Putting a Cork in the Oxidation Question | Wine News & Features)。

P4269132.JPG

ワインはJ.ロアーが提供したカベルネ・ソーヴィニヨンを半樽使い、100年まで試験できるようボトルに詰めました。

ワインは3本セットになっており、2本は天然コルク、1本は比較のために合成コルクで閉じています。これを最初は2年後、その後は5年、10年という形で1セットずつ開けて、ワインの酸化やコルクがどれだけ酸素を通すのかを調べるそうです。最後のセットを開けるのは100年後。

残念ながら私はこのテストの最終結果を見届けることはできませんが(おそらくこれを読んでいる人はみな無理でしょう)、どういう結果になるのか知りたいものです。
Date: 2018/0124 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマの実業界で大きな力を持つウィリアム・シルバーがマリファナ業界に転職することが判明しました(Meet the man who wants to turn Sonoma County into a business magnet for cannabis)。マリファナ業界には依然として偏見がありますが、それを払拭するきっかけになるかもしれないと、ソノマでは見られています。

ウィリアム・シルバーはソノマ州立大で経済・経営学部の学部長を10年つとめた人。同大学にWine Spectator Learning Centerという施設を設立するのにも大きく貢献しました。サンタ・ローザの商工会やソノマ・カウンティ・ヴィントナーズのボードメンバーにも名を連ねた実力者です。

転職した会社はサンタ・ローザにあるCannaCraftというマリファナ・メーカー。そこでCEOを務めます。

マリファナに興味を持ったのは家族の病気がきっかけだったとのこと。息子の一人と母親、義理の母親の3人がいずれも癌になり、痛みの軽減などにマリファナが有効であることを目の当たりにして、きちんと研究しないといけないと考えたそうです。

今日はこのほかにも、医療用マリファナを解禁している地域ではアルコールの消費が15%下がったという数字を紹介している記事もありました。

期せずしてマリファナの記事が続いていますが、まだ解禁からは1カ月程度。今後がどうなるのか気になるところです。
Date: 2018/0123 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2018年1月から娯楽用のマリファナが解禁になったカリフォルニアですが、マリファナのメッカであるメンドシーノでは、元フェッツァーのワイナリーが観光用のマリファナ工場になります(Flow Kana is turning Fetzer winery into a center for cannabis - Business Insider)。
Flow Kana
2017年にフェッツァーからここを買い取ったのはFlow Kanaというクラフト・マリファナのブランド。「チョコレート工場の秘密」のウィリー・ウォンカの工場のように、ここのマリファナ工場を仕立てたいそうです。さまざまなプロセスを見学でき、また将来は「テイスティング・ルーム」も作るとのこと。

ただし、マリファナの販売はここではしないそうです。その代わり、テイスティング・ルームができた暁には、そこで無料のサンプルを渡すとのこと。法律では1オンス以内のマリファナをギフトとしてあげることが許されています。

マリファナの観光化については、昨年からさまざまな意見や観測、予測が出ていますが、まだ大きな動きという感じはありませんね。

なお、日本の大麻取締法によると「日本国外にて大麻を『みだり』に輸出入・栽培・譲渡し・譲受け・所持等の行為を行った者について」も処罰対象になります。ただし、「使用」だけでは罪にはならないので、米国で大麻を吸引しても犯罪ではないだろうと思います。ギフトとして受け取るのは日本の法律で犯罪となります。

Date: 2018/0122 Category: 業界ニュース
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2017年10月の大火で焼失してしまったパラダイス・リッジを輸入元の布袋ワインズさんが訪問されています。

以下の投稿は通訳で同行した山本(三木)香奈さんのお店のもの。

焼け焦げた樽の姿はやはり衝撃的ですが、再建に4億5000万円ほどかかるのに、保険でおりるのは2億5000万円ほどしかないこと。ここに限らず保険は全額おりないようですが、パラダイス・リッジは完全に焼失してしまって再建費用もかかるし、長沢鼎時代の唯一の遺構だったRound Barnも再建したいとしているので、簡単な道のりではないと思います。

「私たちが出来る事、なにかありますか?」と聞いたら
「僕らのワインを買ってほしい。飲んで応援してほしい」
そう率直に言われました。
ということで、やはりワインを買って飲むのが一番の応援だと思います。

また、ナパもソノマも観光が冷え込んでしまっているので、観光に行くのも大きな応援です。

Date: 2018/0121 Category: おすすめワイン
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カリフォルニアワインあとりえに、クロデュヴァルの20年以上熟成した古酒が少量入荷しています。蔵出しだというからまさに貴重です。これで1万円台前半ですから、素晴らしいですね。



Date: 2018/0120 Category: おすすめワイン
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さまざまなワイナリーのワインメーカーとして「パーカー100点」のワインを20も作ってきたトーマス・リヴァース・ブラウン自身のワイナリーがリヴァース・マリーです。

ピノ・ノワールのコスト・パフォーマンスの高さはこれまでも紹介してきましたが、今回はカベルネ。実はリヴァース・マリーのワインの中でも、ポイントという意味では一番高評価なのはカベルネなのです。

今回のワイン、リヴァース・マリー カベルネ・ソーヴィニヨン カリストガ2015はWine Advicateで97+。レビュアーのリサ・ペロッティ・ブラウンは飲み頃を2040年までとしていますから、長熟にも耐えますが「蠱惑的」とも書いてあり、今飲んでも十分おいしいだろうと思います。ちなみにパーカー本人も1年前にレビューしていてそのときは96-99という点を付けています。

このワインは試飲したことありませんが、おそらく、クライアント向けに作るものよりはややエレガント寄りなのではないかと思います。

一流のカベルネは2万円以上というのが相場になっている昨今、このレベルで1万7000円台はお買い得です。米国での価格も150ドル前後ですから遜色ありません。



柳屋にも入荷していました。

Date: 2018/0119 Category: おすすめワイン
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年が開けてから、新しいワインがいろいろ入荷しているようですね。レア物や特売などまとめて紹介します。

クロ・デュ・ヴァルのエッチング・ボトルはクリスマスのものが有名ですが、バレンタインデー向けの「ジャスト・フォー・ユー」というハート・マークが付いたものもあります。

ギフトボックス入りのものを紹介しておきます。


レア物ではなんといってもウルトラマリンで大人気のクルーズ・ワイン。スティルものを中心にいろいろ入ってきています。ここではその中でも「今っぽさ」満載のヴァルディギエを使ったペティアン ナチュレルを紹介しておきます。


次はポートフォリオの新ヴィンテージ2013年。味わいについては「ポートフォリオの新ヴィンテージ2013を試飲」で詳しく書いているので参照してください。とてもエレガントなので芸術派の方や女性へのプレゼントに向いていると思います。


マクレイ・ファミリー(Macrae Family)のバチガルピ(Bacigalupi)ヴィンヤード・シャルドネの2008年は新橋のワインバー「ワイン蔵tokyo」の中川さんが絶賛するワイン。畑はかのパリ・テイスティングで1位になったモンテレーナのシャルドネが使っていたところです。4000円そこそこという特価です。


最後は昨年Wine Spectatorの年間9位だったパルメイヤーのシャルドネ2014。発表されたときはヴィンテージ違いだけでしたが、同ヴィンテージのものが入っています。

Date: 2018/0118 Category: 業界ニュース
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世界的なワインのトレードショーにVinexpo(ヴィネクスポ)があります。偶数年に香港、奇数年にボルドーで開かれ、2014年からは東京でも偶数年に開催されています(今年も10月16、17日に開催予定です)。

そのヴィネクスポには生産地で開催するイクスプローラーというバージョンもあり、2017年にその第一回がオーストリアで開催されました。

前置きが長くなりましたが、そのヴィネクスポのイクスプローラーが今年9月にソノマで開催されることが決まりました。(Discover Vinexpo Explorer - Sonoma County 23 - 25 September 2018)。一か所に集まって試飲会をするのではなく、業界の人間をワイナリーなどに連れて行ってイベントを開くというのがイクスプローラーのスタイルなようです。

まだ具体的なことは決まっておらず、ソノマ・カウンティ・ヴィントナーズが協力してくれるワイナリーを募集している段階です。

これによって、大火で傷ついたイメージからの回復を狙っているようです。

ソノマはナパと並び称される名産地ではありますが、こと広報となると、業界団体が複数あってわかりにくかったり、トップが安定していなかったりと、ナパに比べてだいぶ見劣りします。これを機会にもっとその体制も変わってほしいと思うのですが、どうでしょうか。
ソノマの畑
Date: 2018/0117 Category: 業界ニュース
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ワインのセカンダリー・マーケット(オークションなど1回購入したものを売買する市場)で大きな力を持っている英国のLiv-exが2017年末に発表した「パワー100」のリストでちょっとした異変が起こっていました(Analysing the trends from 2017’s Liv-ex Power 100)。

これはLiv-ex上で取引されたワインをブランドごとにランク付けして100位までを発表したものですが、土地柄もあってボルドーやブルゴーニュが圧倒的に多数を占めています。カリフォルニアでトップ100に入ったのはわずか3本で、23位のスクリーミング・イーグル(昨年は69位)が最高でした。ほかの2ブランドはドミナスとオーパス・ワンだったのですが、オーパス・ワンが48位(昨年は33位)にとどまったのに対して、ドミナスは33位。昨年の89位から大幅に躍進したのでした。

僕はだいぶ前から「ドミナスってOpus Oneよりずっとお買い得ではないかと思ったりするのですが」と書いているのですが、ようやくそのことに英国でも気付いたようです(笑)。コスパの高さが順位を大きく押し上げたとか。

なお、100位以内には入っていないものの、ハーランも健闘しています。また、ヴェリテも100位以内ではないものの今回初めて調査対象に入ったそうです。

Date: 2018/0116 Category: 業界ニュース
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昨年12月にロスアンゼルスからオーハイ、サンタバーバラにかけて大きな被害をもたらしたトーマス・ファイアーがようやく包囲率100%に達しました(Thomas fire, California)。

延焼面積は281893エーカー(1140平方キロ)で、2003年にサンディエゴで起きたシダー、ファイアーの273246エーカーを超えてカリフォルニア史上一番の大きさとなりました。

また、火事による直接の被害だけでなく、火事で木がなくなったことが、先週の洪水時の土砂崩れにつながり、それで17人がなくなっています。

洪水を引き起こした雨によって、ようやく完全に鎮火した格好ですが、それにしても自然の力はすごいですね。

山火事というとナパやソノマばかりがどうしても話題に上りますが、同時に被害を受けたメンドシーノや今回のサンタバーバラのことも、皆さん応援よろしくお願いします。
Date: 2018/0115 Category: おすすめワイン
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先月「カリフォルニアのシャルドネでパーカー評価が一番高いワインは?」という記事を書きました。ここではWine Advocateで98点以上を複数回取ったワインを対象としていたので、リストから落ちてしまったのがヴァーナー/ニーリー(Varner/Neely)でした。ニーリー・ホーリーズ・キュベは同誌で最高98点を取ったことがあります(2008ヴィンテージ)。

ヴァーナー・ビー・ブロック(Bee Block)も2006年から最終ヴィンテージとなった2014年までの平均レイティングが95を超えており、先日取り上げたトップ中のトップのワインと比べてもさほど引けを取らない評価。これで価格は1万円いかないのですから、3万円台が珍しくないトップクラスと比べたらコスパでは相当上を行きます。2014年の最終ヴィンテージも、国内在庫はもうわずか。今のうちに入手しておきたいワインです。

おそらくその次にコスパが高いのは、モルレ・ファミリーあたりではないかと思っていますが、比較的安いとはいえ、現在は1万5000円くらいになってしまいます。このクラスで万円切りはヴァーナーが最後になってしまいそうな気がします。

6000円台は中でも特別安いですが、自社に在庫を持っていないタイプなので、本当にその価格で買えるのかちょっと心配ではあります。


主流は8000円台です。

Date: 2018/0114 Category: おすすめワイン
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ルエヴェルロールのオーナーソムリエ千葉和外さんが、カリフォルニアで最高のカベルネ・ソーヴィニヨンと評するダイヤモンド・クリークに新ヴィンテージの2015年が登場しています。

ダイヤモンド・クリークは1970年代から単一畑のカベルネ・ソーヴィニヨンを作り続けている名門。ハイツのマーサズやリッジのモンテベッロなどと並んでカリフォルニアの単一畑カベルネのパイオニアです。若いときはとっつきにくいが熟成するとおいしくなり、いわゆる「山カベ」のパイオニアでもあります。

カリフォルニアのカベルネ系でパーカー評価が一番高いワインは?の記事でもダイヤモンド・クリークのヴォルカニック・ヒルを調べていますが、アラウホの次、コンティニュームやピーター・マイケル「レ・パヴォ」、ジョセフ・フェルプス「インシグニア」よりも上という高評価。特に熟成力に関してはかねてより高く評価されています。

ただ、販売価格を見ると新しいヴィンテージの方が高く、古いヴィンテージの方が安くなっています。保存状態に問題がなければ、このワイナリーの場合は古いものの方がより触手を伸ばしたくなるような気はします。


パーカー99点で3万円台前半というのは、実はかなり格安です。


90年代だと2万円台で手に入るのです。

Date: 2018/0113 Category: 業界ニュース
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サステイナブルのロゴ
ソノマの生産者団体であるソノマ・ワイングロワーズがサステイナブルのロゴを発表しました(Sonoma County Winegrowers Unveil New Sustainability Label)。

同生産者団体は2019年にすべての生産者がサステイナブルに移行するという目標を掲げています。これまでのところ、92%が、自己評価を終え、72%が認証を受けているとのこと。

今でこそ、ナパなど他の地域も同様の目標を掲げていますが、最初に期限を決めて100%という目標を作ったのはソノマでした。プログラムがうまくいくことを期待します。
Date: 2018/0112 Category: 業界ニュース
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昨年の記事ですが取り上げそこなっていたので忘れないように挙げておきます(Dan Petroski goes from publishing to winemaking - SFGate)。

SFクロニクル紙が恒例のワインメーカー・オブ・ザ・イヤーを発表しました。

2017年はラークミード(Larkmead)および自身のマシカン(Massican)のワインメーカーであるDan Petroski氏。ニューヨークで出版の仕事をしていたというユニークな経歴の持ち主です。

マシカンではイタリアのフリウリの地域のスタイルをなぞっています。白ワインのみの生産で、たとえば女性であったら59%トカイ・フルウアーノのブドウを使っていたワイナリーです。

かなりマイナーな機種の選択ばかりであるが、そこが選んだ理由うらしい。
Date: 2018/0111 Category: 業界ニュース
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Coravin model11
コラヴァン(Coravin)が、米ラスベガスで開催されているCES(コンシューマーエレクトロニクスショー)で、新製品となるモデル11を発表しました。2018年9月に999ドル95セントで発売する予定です。これまで最も安いモデル1が199.95ドルでしたから、その約5倍の価格。どんな機能があるのでしょう。


まず、ワインを注ぐのがこれまでよりも簡単になります。これまではボトルを傾けて、トリガーを引くと、カプセルからガスが出て、その分ワインが注がれるという形になっていましたが、モデル11では傾けるだけでワインが注がれ、ガスも自動的に必要量が出てきます。しまうときも同様です。これまでのコラヴィンは注ぐところにちょっと癖があって、それに慣れる必要がありましたが、今回のは誰でも簡単に注げます。

また、使ったガスの量を覚えており、専用のアプリを通じてスマホから分かるようになります。

スマホと連携する機能はほかにもあります。飲んでいるワインの情報を入れると、おすすめの音楽を教えてくれるような機能もあります。

正直1000ドル出す価値がこのアプリにあるかというと、ないと思ってしまうのですが、トリガーがなくなるのは嬉しい人も多いと思います。きっとスマホ連携機能を取った廉価版がその次に出るのでは、と想像しています。これからもコラヴァンには注目したいと思います。
Date: 2018/0111 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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12月に大規模な山火事に巻き込まれたサンタ・バーバラで今度は洪水が起こっています。これまでわかっただけで15人がなくなっており、亡くなった人の数では12月の火事を超えています。火事で焼けた後が地滑りを起こしたという話もあり、まさに泣きっ面に蜂の状況です。



写真はハイウェイ101。川のようになっており、上りは通行止めになっています。
これ以上被害が拡大しませんように。
Date: 2018/0110 Category: 業界ニュース
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ボーグル(Bogle)は、米国でも人気の高いワイナリー。コストパフォーマンスの高さで、コンシューマー向けワインの定番となっています。年間250万ケース生産と、さすがに生産量も多く、その約7割は外部の生産者に依存しています。そのボーグルがブドウを供給してくれる生産者にサスティナブルの認証を求めていることを発表しています(Bogle Requires Certification - Wines & Vines)。

サスティナブルのプログラムは数多くありますが、ボーグルが採用するのはロウダイのもの。2017年末までに92%の生産者が認証を受けており、2018年のヴィンテージには95%を超えるレベルを目指すとのこと。また、認証を受けた生産者には1トン当たり25ドルのボーナスを与えています。

ボーグル自身も1500エーカーの畑を持っていますが、2011年に同じ認証を受けています。ロウダイのプログラムは、ロウダイ以外の地域の畑でも認証を受けられるのが特徴となっています。
Date: 2018/0109 Category: 業界ニュース
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ナパで最も有名な畑であり、世界的に見ても、最高のカベルネ・ソーヴィニヨンの畑の1つといって過言ではないトカロン・ヴィンヤードに関連して、2017年には2つの大きな出来事がありました。
To Kalon Vineyard - Robert Mondavi Winery
1つはトカロンのワインで「パーカー100点」を輩出しているシュレーダーを、トカロンの大部分を所有するロバート・モンダヴィのオーナーであるコンステレーション・ブランズが買収したこと(特報:コンステレーションがシュレーダーを買収)。

もう1つはコンステレーションがトカロンに関して新たな商標を登録し、スター・ワインメーカーであるアンディ・エリクソンの元で新しいワイナリーを始めようとしていること(コンステレーション、アンディ・エリクソンを得て「トカロン」ブランドのワイン投入へ)。

この、後者について、コンステレーションが商標登録を諦めたという記事が出ていました(The battle over To Kalon continues as Constellation abandons trademark push - San Francisco Chronicle)。

コンステレーションが登録しようとしていたのは「To Kalon Wine Company」「To Kalon Vineyard Company」「Rooted in To Kalon」の3つで、中でも「To Kalon Wine Company」を上記のアンディ・エリクソンのワイナリー名に使う計画だったとのこと。商標登録をやめた理由については明らかにしていませんが、どうやら以前トカロンの名前で係争した後、和解したアンディ・ベクストファーに忖度したようです。

トカロンに関しては、もう1つの動きがあり、オリジナルのトカロンの一部を所有するマクドナルド家のグリーム・マクドナルドが、畑の中を流れる小川について「To Kalon Creek」という名前を付け、それが承認されました。実は地図上に「トカロン」の名前が正式に載るのはこれが初めてのこと。トカロンの名称については「土地の名前」なのか「ブランドの名前」なのかという論争が前述の係争のときに起こったのですが、和解してしまったため、そこには結論は出ていません。今回のトカロン・クリークは長期的にはこの問題に関連してくる可能性があると考えられています。

なんだかトカロンだけで本が一冊書けそうなほどいろいろなことが起こっていますが、ややこしくてわからんという人は、「トカロン・ヴィンヤードの謎を解く【保存版】 « カリフォルニアワインのお勝手口」をご覧になってくださいませ。
Date: 2018/0108 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本人がワイン造りに携わっているワイナリーをまとめておきたいと思います。

●ソノマ

幻ワイン

Maboroshi Vineyard & Wine Estates - Pinot Noir
Maboroshi Vineyard & Wine Estates: 日本人ワインメーカーが作る「幻の」ワイン
私市(きさいち)友宏さんのワイナリーです。ロシアン・リバー・ヴァレーでピノ・ノワールを中心にワインを作っています。自社畑の「Maboroshi Vineyard」のブドウはDeLoach(デローシュ)でも単一畑のピノ・ノワールとして造られています。

Nakai Vineyard

Nakai Vineyards: 30年後しの夢を叶えた日本人
中井章恵(なかいあきよし)さんは1960年代に米国に移住した、日本人のワイナリーとしては古株です。ロシアン・リバー・ヴァレーに畑を購入したのは1980年。ただ、当初はブドウを他のワイナリーに卸すだけで、自分でワインを造り始めるまではそれから長くかかりました。現在はソーヴィニヨン・ブランやシャルドネ、メルロー、ピノ・ノワールなどを作っています。

フリーマン

Welcome - Freeman Winery
Freeman Vineyard & Winery: アキコさんが作るデリケートなピノとシャルドネ
フリーマン夫妻
Freeman夫妻のワイナリーで、ワインは奥さんのアキコさんが造っています。オーガスト・ウエストなどで知られるエド・カーツマンが当初はワイン造りを担当していましたが、エドさんから教わる形でアキコさんが引き継いでいます。ホワイトハウスの晩餐会でもワインが使われました。ピノ・ノワールとシャルドネ、ロゼを造っています。ピノ・ノワールの最上級キュベは「アキコズ・キュベ」とアキコさんの名前が入っています。

アーサー・セラーズ

カリフォルニアワイン専門店 アーサーセラーズ ワインブティック
エド・カーツマンと二人の日本人の弟子 « カリフォルニアワインのお勝手口
桃井隆宏さんのワイナリー。ソノマに分類しましたが、実際にワインを作っているのはサンフランシスコです。当初はピノ・ノワールだけを造っていましたが、シャルドネも始めました。「日本で飲もう最高のワイン」では2015年から2017年まで3年連続プラチナ、2016年はベストワイン賞と、とても高く評価されています。桃井さんもエド・カーツマンの弟子です。

ノリア(中村セラーズ)

Noria Wines
Nakamura Cellars (Noria): 中村さんの作る日本食に合いやすいワイン
中村倫久(のりひさ)さんのワイナリー。ワイナリー自体はナパにありますが、これまではソノマのブドウを使ってワインを造っているので、ソノマに分類しました。和食に合う味わいのピノ・ノワールやシャルドネを造っています。

●ナパ

ダラ・ヴァッレ

www.dallavallevineyards.com |
Dalla Valle: 日本人オーナーの作るカルトワイン
スキューバ・ダイビングの器具で有名なスキューバプロを造ったグスタフ・ダラ・ヴァッレが奥さんのナオコさんと造ったワイナリー。1995年にグスタフ氏が亡くなってからはナオコさんがオーナーとして続けています。娘の名前を取った「Maya」はカベルネ・ソーヴィニヨンとカベルネ・フランを約半々でブレンドしたワイン。90年代の「カルトワイン」ブームで有名になりました。

クロ・ペガス

Clos Pegase Winery, Calistoga - Napa Valley
Clos Pegase Winery: 芸術の香り高きワイナリ
創設者のオーナーの奥さんが「ミツコ」さんという日本人女性でした。ミツコさんは2011年に亡くなってしまい、現在はオーナーも変わりましたが、「Mitsuko's Vineyard」のシャルドネは今も造られています。

Kenzo Estate

KENZO ESTATE (ナパ, カリフォルニア) |最高のワインを一人でも多くの人に
Kenzo Estate: カプコンCEOが開いた野心的ワイナリ
ゲームメーカーとして有名なカプコンの辻本憲三代表取締役会長が造ったワイナリー。ナパの東、ワイルドホース・ヴァレーにあります。デイビッド・エイブリュー、ハイジ・バレットといった著名なヴィンヤード・マネージャーとワインメーカーを採用し、お金をかけたワイン造りをしています。当初は成金の道楽的に見られていましたが、近年はソーヴィニヨン・ブランなど高く評価されるようになっています。

Y by Yoshiki

これはワイナリーではなく、ブランドですが、X JapanのYoshikiが携わるワインです。ロバート・モンダヴィの長男マイケルのところでカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネを造っています。これまでカベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネとも2回のヴィンテージで造られています。ブレンドには本人が携わっているそうです。

●その他の地域

リッジ

https://www.ridgewine.com
Ridge Vineyards: シリコンバレーを見下ろす高級ワイン・メーカ
大塚食品がオーナーとなっているワイナリーです。1976年の「パリ・テイスティング」に参加したワイナリーの1つでもあり、また古木の畑のジンファンデルのパイオニアでもあります。ワインメーカーなどは日本人ではありませんが、日本からも醸造担当などでワイン造りにかかわっています。

Kula Vineyards

Kula Vineyards & Winery || Small production California-styled Rhone wines
パソ・ロブレスにある新しいワイナリー。グルナッシュ・ブランなど、ローヌ系のブドウを使ったワインを造っています。オーナー夫妻の奥さんがAyakoさんという日本人です。

Sierra Moon

Sierra Moon Vineyards - Northern California, Sierra Nevada Wine
シエラフットヒルズにあるワイナリー。オーナー夫人は市ノ瀬千代さんという日本人です。ローヌ系のワインを造っています。

Ch. Igai Takaha

Ch.igai Takaha | シャトー・イガイタカハ
ワイナリー設備を持たない、いわゆる「バーチャル」ワイナリーの1つで、ブリュワー・クリフトンなどでワインを造ってもらっています。ラベルに漢字を使った「漢字シリーズ」のシャルドネとピノ・ノワールは、ブリュワー・クリフトンのグレッグ・ブリュワーが醸造を担当。畑もブリュワー・クリフトンのものを使っています。JALのファーストクラスのワインに使われたり、「神の雫」で取り上げられたりと、非常に高く評価されているワインです。ラベルに家紋「違い鷹羽」(ワイナリー名はこれに由来しています)をあしらった家紋シリーズではさまざまな品種のワインを造っており、それぞれオーナーである杉本さんの家族に関係する名前を付けているのも面白いところです。ポール・ラトーが造る「心」シリーズというワインもあります。
Date: 2018/0107 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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かつてはサッポロビールが所有しており、日本でも人気があったワイナリー「サン・クレメント」が輸入停止になり、柳屋が格安でカベルネを売っています。

最近ウォッチしていなかったワイナリーでしたが、現在はトレジャリーの傘下。ただ2016年にヒュネイアスにワイナリーと畑の一部を売却してしまったそうです。今もブランドとしては残っていますが、日本への輸出は打ち切られてしまったとのこと。ちょっと残念ですね。なお、サッポロビール時代から造っていたフラグシップの「Oroppas」(綴りを逆に読んでみてください)は今も造っているそうです。

今回はワイナリー価格で70ドルのナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨン2013が4600円という破格の値段。4000円台のカベルネ・ソーヴィニヨンは今、先日話題になったナパ・ハイランズなどいいものがそろっていますが、そのあたりと比べても引けは取らないワインだと思います。

Date: 2018/0106 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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年末の記事ですが、SFクロニクルが恒例の注目のワインメーカーの記事を公開しています(Winemakers to watch - San Francisco Chronicle)。マイナーなワイナリーばかりが取り上げられるこの企画ですが、先物買いを狙うなら要チェックです。

今年は4人が選ばれています。

まずはボドキン(Bodkin)のクリストファー・クリステンセン。ソーヴィニヨン・ブランに特化したユニークなワイナリーで、スパークリングやデザートワインを含むさまざまなソーヴィニヨン・ブランを作っています。興味深いのがスパークリングワインを造るのに、シャンパーニュと同様の瓶内二次発酵ではなく、タンクの中で二次発酵させるシャルマ法を使っていること。そちらの方が果実味を引き出しやすいからだとか。今回紹介する中では唯一日本に輸入されているワインです。


二人目はローラ・ブレナン・ビッセル。インコニュ(Inconnu)というワイナリーのオーナーです。ナパにありながら30ドル以下のワインしか作っていないところが面白いです。より低価格のララル(Lalalu)というブランドでもワインを作っています。

3人目はドリュー・ドムスキー。ロシアン・リバー・ヴァレーにあるTRエリオットというワイナリーのワインメーカーです。彼の造るワインは果実味豊かでありながら、エレガントさもあるというもの。興味深いです。

最後はライアン・スターム。サンタ・クルーズ・マウンテンズでスターム(Stirm)というワイナリーをやっています。彼のこだわりはリースリング。自然派のワイナリーとしても人気ですが、彼自身は自然派へのこだわりはないとのこと。ここも面白いワイナリーです。
Date: 2018/0105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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正月に放映した格付けチェックの番組でX JapanのYoshikiが100万円のペトリュスと5000円のワインを香りだけで当てて話題になっています(YOSHIKIが『芸能人格付け』で発した5000円ワインへのコメントがすごい 「誰も傷つけない話し方が素敵」と称賛の声)。



米国在住のYoshikiは、ただワイン好きというだけでなく、自らの名前を付けたワインを作ってもいます(Y by YOSHIKI)。醸造はナパのマイケル・モンダヴィで、故ロバート・モンダヴィの孫にあたるロバート・モンダヴィ・ジュニアがワインメーカーです。マイケル・モンダヴィのフラグシップワインが「M by Michael Mondavi」なので、Yoshikiのワイン名もそれになぞって付けたものだと思われます。

今まで、2008年のカベルネ・ソーヴィニヨンとシャルドネ、2011年のカベルネ・ソーヴィニヨン、2012年のシャルドネが作られています。2008年のカベルネ・ソーヴィニヨンはカリフォルニアの複数地域のブドウをブレンドしたものでしたが、2011年はナパ産だけになっています。

醸造はモンダヴィの担当ですが、Yoshikiは任せきりというわけではなく、ブレンドを決めるところには参加しているとのこと。カリフォルニアワインあとりえのページには「今回の特に赤ワインは、(仕込み中の各ロットを)ブレンドする際に納得の限りまで何百回も繰り返した。そこまでしたのは他業界の人間が遊びで造ったとは見られたくない為。いつかはオーパス・ワンを打倒したいと本気で思っている。ワインを分かる方に是非飲んで欲しい」とYoshikiのコメントとして書かれています。

今回の格付けチェックを見ても、並のワインマニアでないのはわかりますね。


千葉県館山市のふるさと納税の返礼品にもなっています。
ふるさと納税サイト [ふるさとチョイス] | 千葉県館山市 - 【D09】新作YOSHIKIワイン Napa Valley 赤・白2本セット
Date: 2018/0104 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ストルプマンの人気シラー「パラ・マリア」の新ヴィンテージ2016が日本に入ってきています。フクロウのラベルが印象的なこのワイン、前ヴィンテージは輸入始まって直後には売り切れてしまうという大人気。2016年はWine Enthusiastで93点という高評価でもあり、これも早い時期になくなってしまうかもしれません。

ストルプマンはサンタ・バーバラのバラード・キャニオンにあるワイナリー。以前はシネ・クア・ノンにもブドウを提供していた品質の高さを誇ります。ドメーヌ・ドゥ・ラ・コートやサンディ、オレゴンのイヴニング・ランドなどを手がけるサシ・ムーアマンがワイン造りのコンサルタントをしています(以前はワインメーカーでしたが、今はコンサルタントだけのようです)。

パラ・マリアは56%は通常のシラーの醸造、28%はマセラシオン・カルボニックによるシラー、14%はプティ・ヴェルドというユニークなブレンド。力強さと親しみやすさを兼ね備えたワインで、3000円台とは思えないほどの品質です。

ストルプマンで、もう1つ紹介したいのがトゥルソーを使ったペットナット(ペティアン・ナチュレル、ボトル内で酵母が自然発酵することによる微発泡ワイン)。しかも、ウルトラマリンで大人気のマイケル・クルーズが醸造に携わっているとのこと。最近ペットナットは大人気ですが、これは品種のレアさからいっても注目のワインです。

[商品価格に関しましては、リンクが作成された時点と現時点で情報が変更されている場合がございます。]

ストルプマン ”パラ・マリア” シラー サンタバーバラ
価格:3380円(税込、送料別) (2018/1/4時点)

Date: 2018/0103 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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鶴齢と酒未来

3が日はお節とお雑煮を食べて日本酒を飲むのが恒例です。上の子も20歳になったので、今年は2本買ってみました。

1つは新潟の酒造「鶴齢」のしぼりたて純米酒。フルーティでピュアな味わいに惹かれて買ってみました。

旨味もあってフルーティさが際立ちますが、ちょっと甘くて料理と合わせるというよりは単体で飲んでおいしいお酒という感じです。昨年までは本醸造だったのが、今年は純米酒になったとか。

もう1つは山形の富士酒造というところが作っている純米大吟醸 無濾過生原酒「栄光富士 酒未来」。酒未来というのは酒造米の名前だそうです。

旨味のほかに軽い酸味があり、食事と飲むにはすごくいい感じです。これは美味しい。


Date: 2018/0101 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。

早速ですが、柳屋の初売りでスポッツウッドのカベルネ・ソーヴィニヨンが現地価格より安くなっています。

先日の「カリフォルニアのカベルネ系でパーカー評価が一番高いワインは?」の記事でも平均97.5点で10位に入った名門中の名門。2014年はWine Advocateで95点と、こことしては平均以下の点数ですが、ここのワインにはずれはないです。

価格は米国で平均190ドルが税込み1万8000円以下というかなりの安さです。今となってはこのクラスのカベルネで2万円以下というのは極めてレアです。