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Date: 2013/1230 Category: グルメ
Posted by: Andy
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2013年おまとめシリーズ第3段は美味しかったものトップ10です。順位はなしで、ジャンルごとに挙げていきます。

【辛いものシリーズ】
AndyさんのChinese Restaurant HIROでの写真 - ミイル
AndyさんのChinese Restaurant HIROでの写真 - ミイル
神田のChinese Restaurant HIROは、今年一番多く通った店です。どれもレベル高いのですが、中でも麻婆豆腐は痺れる系のうまさ。デザートの杏仁豆腐も美味しいです。

Andyさんの五指山での写真 - ミイル
Andyさんの五指山での写真 - ミイル
これも神田の五指山。ランチは麻婆豆腐丼と担々麺だけですが、どちらも美味しい。麻婆豆腐丼は汁多めの麻婆豆腐の下にご飯。美味しくないはずがない。これもかなり痺れます。Hiroがおしゃれ系なら、こちらはガッツリ系。

【麺類大集合】
麺喰いなので、麺類は5つ。

Andyさんの丸香での写真 - ミイル
Andyさんの丸香での写真 - ミイル
神保町・丸香の冷やかけとかしわ天。冷やかけはとにかく惚れぼれするほど美しい麺。ここの麺はコシがあるだけでなく、弾力がすごい。かしわ天は以前より小ぶりになってしまったような気がしますが、相変わらず美味しいです。

Andyさんの丸香での写真 - ミイル
Andyさんの丸香での写真 - ミイル
丸香からもうひとつはきつねうどん。丼と同じくらいの大きさのきつねは厚みもあって美味しい。幸せになります。

Andyさんのトナリでの写真 - ミイル
Andyさんのトナリでの写真 - ミイル
東京駅近くTOKIAにあるトナリのタンメンは癖になります。タンメンとしてはワイルド系です。具はスパイシーで麺は弾力があります。唐揚げとのセットが好き。

AndyさんのPASTAVOLAでの写真 - ミイル
AndyさんのPASTAVOLAでの写真 - ミイル
大手町のOTEMORIにあるPASTAVOLAは生パスタを売りにしている店。田町あたりに本店があるそう。ボローネーゼはちょっと甘目だけどじっくり煮込んだソースがおいしく生パスタのもちもちと合います。

Andyさんの七志 とんこつ編 青葉台店での写真 - ミイル
Andyさんの七志 とんこつ編 青葉台店での写真 - ミイル
ラーメンは大好きでよく食べますが、これというのを決めるのはなかなか難しいです。今では普通以上に美味しいラーメンはそこかしこで食べられるようになりました。ここで取り上げるにはプラスアルファがほしいところ。ということで、冷たいトマトベースのスープを使ったつけ麺です。冷製パスタといった方があっている気もしました。

【肉3連発】
最後は肉料理3つです。

Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
麻布台のアフェットでの「和風ブリスケのビステッカ。ヴァンルージュソースと黒トリュフ・あわび茸のフィナンツェーラソース。スペアミントの香り」。ここの店はトリュフの使い方が抜群にうまいと思います。2014年にはシェフが代わるということで、一層の飛躍を期待します。

Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
青山のフロリレージュで食べた「フォアグラのソテーとヘーゼルナッツのメレンゲ」。フォアグラとヘーゼルナッツがあんなに合うとは思わなかったです。

Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
最後もフロリレージュで「イチボの瞬間燻製」。食べる直前にスモークするのがとても効いています。火入れも絶妙です。

Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
番外で、自宅で食べたステーキ。コストコのサーロインを炊飯器で低温調理したものです。いい具合にできたと自画自賛しています(笑)
Date: 2013/1229 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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California Wine Gardenのお楽しみボックス、昨年に引き続きことしも登場しました。6本の定価で2万3300円~2万8250円なのが1万4700円、さらに会員登録すれば1万2600円で手に入るというとてもお得なセットです。

今年は10種類のセットから選べるようになっています。どのセットも中身のワインは公表していますから、安心して購入できます。

個人的に一番気になったのはロキオリのソヴィニョン・ブランが入った「H(しっかり飲み応え系セット)」。

☆2008 ホーククレスト シャルドネ モントレー
☆2007 ロッキオーリ ソーヴィニョンブラン ルシアンリヴァーヴァレー
★2008 ハートオーザマウンテン ピノノワール サンタクルーズマウンテン
★2010 ペドロンチェリ カベルネソーヴィニヨン ドライクリークヴァレー スリーヴィンヤード
★2007 クロぺガス メルロー ミツコヴィンヤード ナパヴァレー
★2007 ケネスクロフォード シラー フォープレー サンタバーバラ 

というラインナップです。ほかのワインは下のリンクからご確認ください。

California Wine Garden / (CWGセール!)検索結果
Date: 2013/1229 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ニュースもないので、まとめものを続けます。

今年のベストワイン、今まで書いているようで書いていない記事でした。

このブログには「テイスティング・ノート」というカテゴリーがあるのですが、今年の記事はわずか4本。これしか飲んでいないわけではありませんが、普段は安ワインが中心なので、わざわざ記事に書くものがないわけで。

また、試飲会ではWAで100点を取ったColginのIX Estateなど、高級なものがいろいろありましたが、やっぱりお金を払っているものと一緒には論じられないような気がします。

そんなこんなでいろいろ考えて、結局ベスト2本を選ぶことにしました。

1本目はPeter Michael Les Pavots 1998。

Andy:affetto 麻布台の写真 - ミイル(miil)

記事はこちら(最近飲んだワイン――Peter Michael Les Pavots 1998)。総じて今年はカベルネ系の方が出会いが多かったような気がします。また、飲んだシチュエーションとかも影響しますね。

2本めはIron Horse Blanc de Blancs LD 1990

Andyの写真 - ミイル(miil)

記事はこちら(結婚20周年記念のディナーは「フロリレージュ」)。泡物で感動することはあまりないのですが、これは例外でした。機会があればまた入手したいワインです。
Date: 2013/1228 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年にこのブログでよく読まれた記事トップ10を紹介します。

10位:炊飯器の低温調理機能でローストポークに挑戦
このレシピと先日のヒレ肉のロースト。どちらがいいかは難しいところです。簡単なのは先日の方です。

9位:オーパス・ワン過去最高評価の2010ヴィンテージ、出荷が始まる
米国での出荷開始を受けての記事でした。オーパス・ワンの記事は人気です。

8位:まとめ:飛行機内のワイン持込と箱について
2007年に書いた記事ですが、今でもコンスタントにアクセスがあります。

7位:【保存版】ブショネのワインを救う方法
これも定番中の定番。おそらくこのブログ全体で通算一番読まれている記事です。

6位:ワイン映画の歴代トップ10は?
これはちょっと意外でした。「ワイン 映画」で検索すると2番目になっているのですね。2012年に書いた記事です。

5位:敢えて言う 今が買いどき オーパス・ワン
2009年に書いた記事です。その頃と今とでは価格がだいぶ違っています。

4位: iPhoneで撮った写真をPCと同期する簡単な方法
ここで紹介しているSugarSynをずっと使っていましたが、有料モデルに移行するとのこと。残念です。

3位:Opus Oneにまつわる五つの誤解
オーパス・ワン関連で一番読まれている記事です。

2位: iPhoneのマルチタスクバーからアプリを消すことには意味があるのか?
技術系記事では一番読まれています。Naverまとめで取り上げられて、アクセスが増えました。

1位:もしも乙武さんが訪れたのが米国のレストランだったら
この記事ははてなブックマークでホッテントリに入り、短い期間でびっくちするくらいアクセスがありました。一発勝負の記事です。
Date: 2013/1227 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2014年は午年。「馬」のラベルのワインを探してみたら、Iron HorseとWild Horseがありました。こちらのページにはほかにもいろいろ載っていますが、やはり日本で買えるのは限られています。

【追記】オレゴンのファイアースティードも馬ラベルのワインありました。

年内発送が終わった店もあるようなので、注意して注文してください。Vin du 268は31日まで発送するとのことで、大丈夫です。





米国以外だと、こんなのもありました。
Date: 2013/1226 Category: グルメ
Posted by: Andy
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神田駅のガード下にある居酒屋「升亀」。B級グルメの王道というか何というか、夜飲みに行っても2000円もあれば十分お腹いっぱいお酒もいっぱいという超良心的なお店。ランチも納豆定食420円を筆頭に激安、大盛りしかも美味しい。

そんなわけで昼も夜も座るのが大変なくらい混んでいるこの店が、事情で今月(28日まで)で閉店なのだそうです。というわけで、多分夜行くのはこれが最後。

升亀

料理の写真は撮るのを忘れたので、以前ランチで撮ったものを貼っておきます。

Andyさんの升亀本店での写真 - ミイル
Andyさんの升亀本店での写真 - ミイル
これが納豆定食。サイズがわかるようにカードを置いてみました。納豆は中央上で、右上は1丁分もあろうかという冷奴、中央はイカ天。右下はお通しのなめこおろし、下中央の味噌汁はおかわり可、左下はどんぶり飯。これで420円という信じられない安さです。ご飯を小さくすると400円になるらしい。

Andyさんの酒蔵 升亀での写真 - ミイル
Andyさんの酒蔵 升亀での写真 - ミイル
これはメンチカツ定食600円。納豆定食よりシンプルですが、メンチカツは短い方の径で15cmくらい、長い方は20cmくらいもある巨大なものです。夜もよく頼みますが、1切れ食べれば満足のこれをまるごと1個は、食べるのも大変。満足度120%でした。

いやあ、ほんと残念でなりません。
Date: 2013/1225 Category: グルメ
Posted by: Andy
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樋口さんが以前miilに上げていた豚ヒレ肉ブロックのロースト(下)が美味しそうだったので、レシピを聞いてクリスマスに挑戦してみました。
osamuhさんのHomeでの写真 - ミイル
osamuhさんのHomeでの写真 - ミイル

詳しいレシピは下に記しますが、基本的にはアップルジュースに漬け込み、低温のオーブンでゆっくり焼くだけのシンプルなもの。結果がこれ。

Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル
Andyさんの写真 - 写真を通じて『おいしい』を共有するサービス ミイル

切り口はこんな感じ。

20131225-porkroast.jpg

とにかく、むちゃくちゃ柔らかいです。1cmくらいの厚さで切りましたが、いくらでもペロリと食べられる感じ。シンプルな味付けなので、マスタードを付けて食べるのもよかったです。2本で1.2kgのブロック、4人で簡単になくなりました。

さて、一番肝心な焼き時間は、オーブンの癖もあるので、何回か作ってみてちょうどいいところを見つけるのがいいようです。もうちょっと焼き時間が短くてもいいかもしれません。

今回の豚ヒレブロックはコストコで買ったもの。米国産ですが、100g103円とすごく安いです。筋も全くなく、これは「買い」です。またやってみよう。

レシピは以下。

Date: 2013/1225 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ピアス氏病はガラス羽シャープシューターという名の大型のヨコバイを媒介として感染するブドウの病気。10数年前から流行が始まり、一度感染すると治す方法がないため、死病として恐れられていました。その病気に耐性のあるルートストックが商用化に近づいているそうです(PD Resistant Vines Available in 2015? - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

以前、「ピアス氏病撲滅に大きな前進か」という記事を書いていますが、これが実ったのでしょうか。

ピアス氏病、20年ほど前にはすごく恐れられていたものです。このサイトにも特設ページを作って報道していたのでした。
Date: 2013/1224 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋で年末恒例の福袋を売っています。今年は途中で銘柄が1本だけ入れ替わるとのことで、前半50セットと後半50セット。既に前半50セットは売り切れています。

5本で税抜き9999円。今年の内容は
1.ワイナリ価格50ドル、国内定価6000円のRRVのピノ・ノワール
2.ホワイトハウスで使われたことがあるという女性醸造家のカベルネ・ソヴィニョン定価3200円
3.ミドルクラスが某誌トップ100になったワインのスタンダード品シラー定価2300円
4.モントレーのシャルドネ金賞受賞品、定価2000円
5.NZのソヴィニョン・ブラン、リザーブ品定価1650円

平均価格が約2000円であることを考えると、1番にすべてを託したというような組み合わせです。

ここの福袋、以前買ったことがありますが、大当たりはない代わりに、ハズレもないという感じでした。基本的に普段の店のラインナップ外のものなので、どちらかというとメジャーなワイナリというより知る人ぞ知る、といったところが多かったように思います。



これ合わせて買えば送料無料になります。

Date: 2013/1222 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日紹介したワインの偽造事件、やっと私も理解したので(といってもWikipediaといくつかのサイトを読んだだけですが)、簡単にまとめておきます。

1998年:ルディ・クルニアワン学生ビザで米国入国
2000年代前半:ワインを大量に購入。月に100万ドル使うことも。ワイン会をしばしば開き、ロマネ・コンティをよく出したことからDr. Contiの異名を取る
2006年:2つのオークションでワインを大量に販売。2回目のオークションでは2470万ドルという記録を打ち立てた。これらのオークションでシャトー・ラフルールの1947年マグナムを8本販売した
2007年:クリスティーズのオークションで1982年のル・パンのマグナムを出品。偽造ではないかとの疑いで取り下げへ。
2008年:オークションにポンソのクロ・サン・デニを1945年から1971年まで出品。ポンソでは1982年より前にクロ・サン・デニを作ってないので、オーナーが連絡をして取り下げ要求。
2012年3月8日:FBI、ルディ・クルニアワンを逮捕。
2013年12月:ニューヨークで裁判。有罪確定へ

なお、ワイン偽造による詐欺のほかに、入国関係の書類にも不備があったようです。

ワインの偽造といてえば、こちらの本も有名です。




Date: 2013/1221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本ではほとんど報道されていませんが、米国ではワインの大偽造事件の裁判が現在進行中です。法廷は12月18日、有罪を認めており、4月には最長40年の懲役が決まる見込みです。

いろいろ膨大であまり追っかけていられなかったのですが、Vinographyにまとめ記事が出ていたので紹介します(Jury Convicts Wine Collector Rudy Kurniawan of Fraud - Vinography: A Wine Blog)。

偽造事件の犯人Rudy Kurniawan(ルディ・クルニアワン)はインドネシアの生まれ。ロスアンゼルスでワインコレクターとして名を馳せます。2006年にはLA Timesで、1947年のシュヴァル・ブランのハーフボトル24本に7万5000ドルを投じたことなどが記事に書かれています。

彼はその後、オークションで大量にフランスの銘醸酒を売るようになりますが、偽造ではないかという話が出てきます。2012年には既に、彼が出品したワインを詳細に調べて、実際に作られているワインと違うという証拠を数々調べあげた人がいます(RUDY KURNIAWAN & GLOBAL WINE AUCTION FRAUD THREAD (MERGED))。

そして、今回のニューヨークにおける裁判に至っているわけです。裁判には著名なワイナリから証言に来るなど、いろいろニュースになっています。

日本では偽造ワインの話というのはほとんど聞きませんが、実際にはあるのかもしれませんね。海外ではワイン、特にフランスのボルドーやブルゴーニュの著名ワインは投資の対象にもなっており、オークションなどの二次マーケットで大量のワインがやり取りされています。偽造の大部分はそこで起こっていると見られるので、オークションがあまり活発でない日本では少ないのかもしれません。
Date: 2013/1220 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋でForman(フォーマン)のカベルネ・ソヴィニョン2010が税抜き9500円で出ています。税込みでも1万円切り。Wine Advocate誌で98点(レビュアはアントニオ・ガッローニ)ついたまさにそのワインです。

FormanのワインメーカーRic Formanといえば1960年代にSterlingのワインメーカーとして名を馳せ、Newtonでもワインメーカーを務めた人。さらにはAbreuの設立にも手を貸しているというナパの偉人の一人。ヴィンテージ入りのメルローをカリフォルニアで最初に作ったワインメーカーです。ガッローニは「ナパの最初のスーパースターワインメーカー」とまで言っています。マロラクティック発酵なしのシャルドネの専門家としても知られています。

Forman Wineryは1978年にHowell Mountainの麓(AVAはSt. Helena)に買った畑が元として、1983年に設立。シャルドネとカベルネ・ソヴィニョンを作ってきましたが、今はカベルネ・ソヴィニョンだけのようです。

これだけのワインがこの価格というのは老舗だからこそできること。なお、唯一の難点は飲み頃は2016年以降だとのこと(ガッローニによると)。できたらセラーに寝かせてあげましょう。

Date: 2013/1220 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌のカリフォルニアワイン担当であるJames Laubeが2011年のヴィンテージについて最近のブログで言及しています(The Curtain Is Dropping on California)。

それによると、2011年のワインには、カビ臭いものが多数見られるとのこと(mustyとmoldyの違いがよくわからないのですが)。これほどカビ臭を感じたヴィンテージはないとしています。また、赤ワインではタンニンがドライなものが目立つそうです。タンニンがドライであるというのは、いわゆるシルキーなタンニンの逆と思えばいいでしょう。

個々のワインの評価ではなく総体的なものなので、なんとも言えないところはあります。Laube氏も、いいものがないと言っているわけではありません。「素晴らしいワインを作っているところは最高の畑があり、細部にまで注意を払っているところだ」と述べています。

なお、これを受けて評論家のSteve Heimoffも同調する記事を書いています(More on the troubling 2011 vintage)。

これは主にピノ・ノワールについて書いていますが、実際にカビ臭さを感じるケースがかなり多かったとのこと。ナパ、ソノマといったノース・コーストだけでなく、セントラル・コーストのサンタ・ルシア・ハイランズやパソ・ロブレスでもカビにやられた畑がかなりあったといいます。

といってもヴィンテージとしては「bad」ではないと。ワイナリを選ぶ必要があるということだと。

逆に素晴らしいピノ・ノワールを作ったところとしては、以下のワイナリを挙げています。Williams Selyem, Merry Edwards, Paul Hobbs, Rochioli, Lynmar, Dutton-Goldfield, Joseph Phelps, Failla, Thomas Fogarty, Flowers, Testarossa, Tantara, Freeman, Sojourn, Siduri and Foxen。

よく言われることですが、いいヴィンテージはどのワイナリでもハズレを引かないが、あまり良くないヴィンテージは、いいワイナリを選ばないといけないということですね。
Date: 2013/1219 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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サンタ・ルシア・ハイランズを代表する畑がPisoni Vineyardです(ピゾーニ、あるいはピソーニ)。オーナーのGary Pisoniがブルゴーニュでラ・ターシュの畑から取ってきたと言われるクローンが植わっているというのが当初の「売り」でしたが、その真偽はともかくとして、カリフォルニアのピノ・ノワールの中でも極めつけの存在感を持っている畑であるのは確か。骨太で力強いピノ・ノワールを次々と生み出しています。

ピゾーニのブドウを使うワイナリは10余りありますが、中でも評価が高く、一歩抜きん出た印象があるのが本家Pisoniによるもの。2011年のヴィンテージでもWine Advocate誌で96点。Paul Latoによる96+とほぼ並んでいます。

日本に入荷されたばかりではありますが、そもそも希少なワインの上に人気も高いので、入手はお早めに。

特に、ピノ・ノワールよりレアなシャルドネは早い者勝ち状態です。

Date: 2013/1218 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワインボトルもいろいろありますが、陶器のボトルというのは、今のところこのワインしか見たことがありません。

寝酒 Silver Mer Soleil Unoaked Chardonnay

Mer Soleil(メル・ソレイユ)はナパのカベルネで有名なCaymusのオーナーであるWagner家がSanta Lucia Highlandsで営むワイナリです。現在は2種類のシャルドネだけを作っています。1つがワイナリ名そのままのMer Soleil Reserveで、もう1つがこのワインSilverです。

Mer Soleil Reserveの方は、ワイナリのトップページに「Buttery, Rich, Golden Oh My.」とやや扇情的な文句が書かれており、100%樽を使って発酵・熟成し、マロラクティック発酵も行ったリッチなシャルドネです。

一方、Silverの方はそれとは真逆で「This Chardonnay Never See Oak. Ever」と書かれています。コンクリートのタンクで発酵し、マロラクティック発酵も行っていません。陶器のボトルはコンクリートをイメージしたものだそうです。

とりあえず、ワイン会に持って行ったら話題作りになることは間違いありません。Mer Soleilと飲み比べてもいいでしょうね。

Date: 2013/1218 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパにテイスティング・サロンを構えていたPatz&Hallがソノマに場所を移します(The Sonoma House at Patz & Hall)。ナパは2013年12月23日でクローズするとのこと。

ソノマに移転するのは、新たに購入した自社畑を初め、多くの畑がソノマにあるため。場所も広くなり、プライベート・テイスティングのほか、予約なしで試飲できるテイスティング・バーも用意されます。ガーデン・ハウスでは最大50人のレセプションも開けるとのことです。


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Date: 2013/1217 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のウメムラでは税抜き30000円で出ています。

昨今の状況から見ると、税抜きで2万円台になることはないでしょうから、最安と言っていいでしょう。税込みで31500円になり、送料無料です。

4月から消費税が上がることを考えると、買うなら今のうちですね。

Date: 2013/1216 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえで、ラベル不良品などを安く販売するアウトレットセールを開催しています。

例えばシミ(Simi)のシャルドネは税抜きで1960円。2000円切るのは、めったにないワインです。さらに珍しいリザーブのシャルドネも税抜きで2950円。こちらはそもそも売っている事自体があまりありません。

レイヴンズウッドのカウンティものジンファンデルも安くなっています。個人的にはロウダイの1580円(税抜き)が一押しですが、ソノマやナパもあります。

Date: 2013/1213 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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非常に評価の高いカレラのピノ・ノワール2010年ですが、国内の在庫が枯渇に向かっているようです。既に、ジェンセンやセレックといった一番人気、二番人気の畑は売り切れているところも多数です。「AUTHORITY Styleにジェンセン含むCalera2010が一気入荷」で紹介したAUTHORITY Styleではジェンセンとライアンが売り切れ状態。

今、楽天でジェンセンがリーズナブルな価格で買えるのはWINE倶楽部秀友くらいのようです。ただしこちらではリードとセレックが売り切れ。

この分だと、年明け頃には全部なくなっているかもしれません。

Date: 2013/1213 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オンライン上の仮想通貨システムBitcoin(ビットコイン)で出資できる初めてのワイナリが生まれました(World's first winery for sale for Bitcoin)。
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Mondo Cellars

ビットコインは通貨の流通をピアツーピアのソフトによってコントロールする分散管理型のデジタル通貨システム。普通のお金のようにどこかの国が流通量をコントロールするのではなく、ソフトの仕組みによって制御します。

ネット上での存在感が日増しに強くなるビットコインですが、Paso RoblesにあるワイナリMondo Cellarsは、ビットコインによる投資を受け入れることにしました。ビットコインはワイナリの30%で、それを2%に分け一口ビットコイン10万ドルで投資できるとのことです。

なお、このワイナリ自体は6年ほどの歴史があり、ビットコインを当てにして誕生したわけではありません。

こういった仮想通貨はリスクも大きいような気がしますが、今後広がっていくのかどうかも気になります。
Date: 2013/1211 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Top 10 influential wine consultants」という記事がDrink Business誌に出ていました。あなたは何人知ってますか?

10. Sam Harrop MW(NZ中心)
9. Demei Li(中国のワイン作りをリード)
8. Kym Milne MW(オーストラリア中心)
7. Retailers
6. Denis Dubourdieu(イケム、シュヴァル・ブランなど)
5. Alberto Antonini(コンチャ・イ・トロなど)
4. Stephane Derenoncourt(ボルドー中心、カリフォルニアではイングルヌック)
3. Paul Hobbs(ソノマ居住、クライアントは世界各地に)
2. Michel Rolland(言わずと知れた…)
1. Jacques & Eric Boissenot(メドック中心に約200)

2番のミシェル・ローランは、ほとんどの人が1位と予想したのではないかと思いますが、意外にも2位。米国中心の人がポール・ホブズだけというのもちょっと意外でした。
Date: 2013/1210 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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スパークリング・ワインの記事が続いた(カリフォルニア・スパークリング最高峰の1つロデレールのエルミタージュが入荷【追記】WEでは年間トップに!米国で買うより全然安いドメーヌ・カーネロスのフラグシップ「レーヴ」)ので、ついでにもう1本。

プレミアムなスパークリングももちろんいいのですが、クリスマスで華やかさを演出するなら、ロゼもお薦めです。肉料理にも合わせやすいので食事を選ばないという利点もあります。

J(ジェイ)のBrut Rose(ブリュット・ロゼ)はボトルの美しさが特筆モノ。透明なボトルでロゼの色を引き出しているだけでなく、ボトルの曲線がなんともいえません。2011年にSFクロニクルトップ100に入っているだけあって、味も十分美味しいです。

個人的にも昨年のクリスマスはこれを飲みましたし、友人へのプレゼントでも喜ばれました。

値段はむちゃくちゃ安いというわけではありませんが、米国で38ドルが4000円台ですから、全然高くもありません。

Date: 2013/1209 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Domaine Carnerosはフランスのシャンパン・ハウス「テタンジェ」がカリフォルニアに作ったワイナリ。文字通りナパのカーネロスにあるスパークリング・ワインを主とするワイナリです。

ここのフラグシップがLe Reve(レーヴ)。フランス語で夢という意味です。良年だけに作られる特別なスパークリングです。100%シャルドネのブラン・ド・ブラン。Wine Enthusiast誌では95点という高い評価を得ています。

ワイナリのページによるとカニやロブスター、ホタテといった魚介類、チキンにもよく合うそうです。クリスマスなどにもいいのではないでしょうか。

このスパークリング、ワイナリ価格が99ドルで米国の流通価格でも80ドル前後。それがなぜか日本では5000円台とか6000円台で売っています。円高時のレートで輸入したのでしょうか。

ちなみに現在のヴィンテージは2006ですが、次の2008はワイナリ価格が110ドルに上がります。円安で日本での価格も大きく上がってしまうかも。このワインをこの価格で買えるのは今だけかもしれません。

先日紹介したロデレール・エステートと甲乙つけがたいお薦めです。

なお、もうちょっと安いのがいい、という方には2009年のBrutもお勧めです。これもワイナリ価格28ドルが2000円台前半という価格逆転現象。しかもWine Spectator誌で93点という高評価です。単純にコスト・パフォーマンスで考えるならば、これに勝るスパークリング・ワインは現時点ではないと言ってもいいでしょう。





Date: 2013/1208 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋によるとTurleyの輸入が10年ぶりに復活したそうです。おすすめワインのコーナーを始めたころは、何回か紹介しているので、そんなにも来ていなかったかな? という気もするのですが、代理店契約をしていない輸入品だったのかもしれないですね。

Wine Advocate誌で96点以上を取ったジンファンデルはこれまで16本。うち8本をTurleyが占めるという実力者。なお、オーナーのLarry Turleyは、Marcassinなどで知られるHelen Turleyの兄で、ワイナリの初期はHelenがワインメーカーをしていましたが、すぐに喧嘩別れしています。

今回入っているのはジュブナイル。Turleyの契約している畑の中で、比較的若い樹(といっても最高25年だそうですが)のブドウで作ったもの。Old Vinesと並んでTurleyの中では入門的な位置づけになります。

以前はTurleyというと、ひたすら濃厚でパワフルなジンファンデルというイメージがありましたが、近年はエレガントな方向に進んでいるそうです。

なお、今回のワイン(2012年)を作ったのはHelenの後を継いで現在の名声を作り上げたEhren Jordanですが、残念ながら2013年に自身のワイナリに専念するためにTurleyをやめています。2012年はEhrenの作るジンファンデルを味わえる最後のチャンスかもしれません。

Date: 2013/1208 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっと日にちが過ぎてしまいましたが、1933年12月5日は悪名高き禁酒法が終了した日でした。それから80年。当時はまだワイン業界は極めて小さなものでしたが、今は米国のアルコール消費の中でも重要な地位を占めるようになりました。


上は、禁酒法終わりを伝えるニュース番組。見ると分かるようにワインは全くでてこず、ウィスキーを中心としたハード・リカーの時代であったことが分かります。

とはいえ、ワイン業界に影響がなかったわけではなくむしろ大あり。多くのワイナリが操業を止めてしまっていました。

そのような中で1933年の禁酒法が終わる前にはGalloが創設されています。同年に起こった両親の自殺という悲劇を乗り越えて兄弟で設立したワイナリでした。

また、ロバート・モンダヴィは禁酒法時代に家庭内でワインを作る(一定量は許可されていました)人のためにカリフォルニアから米国東部までブドウを売りに行く仕事をしており、それが後年のワイナリ設立につながりました。

カリフォルニア・ワインにとっては負の歴史ではありますが、これを乗り越えたからこそ、今の繁栄があるのでしょうね。
Date: 2013/1205 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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【2013.12.6追記】発表されたばかりのWine Enthusiast誌の年間トップ100では、このワインがなんと1位、しかもカリフォルニアワインではトップ10中このワインだけがランクインでした! 評価は97点。

カリフォルニアのスパークリング・ワインも最高のものはシャンパーニュに負けないクオリティを持っていることは、以前「ドンペリ、クリスタル、クリュッグに勝ったカリフォルニアのスパークリングは?」という記事でも紹介しました。

ただ、こういったプレミアムなキュベは日本への入荷が少ないことが悩ましいところ。

今回紹介するロデレール・エステートのエルミタージュも前回入荷の60本は2日で売り切れたとか。

ロデレール・エステートはプレミアムなシャンパーニュとして知られている「クリスタル」を作るルイ・ロデレールがカリフォルニアのアンダーソン・ヴァレーに作ったワイナリ。ソノマの北方の涼しい地域でシャンパーニュ作りの叡智を注いで作っているそうです。

入手しやすい「カルテット」は非常にコスト・パフォーマンスの高いスパークリングでお薦めですが、上位版のエルミタージュはなかなか飲む機会もありません。

今回の入荷は最新ヴィンテージの2004年。長い瓶熟成に加えて、「リザーブ・ワイン」として2000年に収穫したワインを4%加えているのが、ロデレールのこだわりだそうです。

それでいて米国で47ドルのものが5000円台あるいは6000円台で入手できるので、お得感もあります。

クリスマスに楽しむ「ちょっといい泡」としてお薦めです。

なお、輸入元はエノテカなので、状態にこだわるならエノテカで買うのがいいかもしれません。
Date: 2013/1205 Category: 業界ニュース
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SFクロニクル紙が選ぶ、2013年の西海岸ワイントップ100が発表されています(Top 100 Wines of 2013 - SFGate)。

今年の特徴の1つは多様性。例えば白ワインではシャルドネ以外の分野で多くのワインが選ばれました。

もう1つは先日も紹介したバランス重視派IPOBの台頭でしょうか。先日の記事のサンディ(Sandhi)のシャルドネはヴィンテージ違いですが選ばれており、同じく最近日本への輸入が始まったLiocoもシャルドネで選ばれています。ピノ・ノワールではCobbやKutchといった名前が上がっています。リストを選んだライターのJon Bonnéが、比較的IPOBに近い立場というのもあるのでしょうが、シャルドネとピノ・ノワールはなかなか興味深いリストになっています。

一方で、カベルネ・ソヴィニョンではRidgeやSpottswoode、Dominus(のセカンドNapanook)など、昔からの常連が相変わらず強さを見せています。

Date: 2013/1203 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日、「30周年を迎えたAu Bon Climatのフラグシップ・シャルドネ」という記事でオー・ボン・クリマのニュイ・ブランシェを紹介しました。そのときの価格は3980円で、それでも十分格安(米国の価格は40ドル前後)なのですが、パリ16区では3480円と、米国価格よりも明らかに安くなっています。

さらに、オー・ボン・クリマのピノ・ノワールのフラグシップであるイザベルとノックス・アレクサンダーも格安。イザベルは4980円、ノックスは3980円。実はどちらも米国での価格は40ドル台前半。ノックスは現地価格以下です。イザベルはエレガント、ノックスは骨太と好対照の2本。個人的にはこの価格ならイザベルを選びたいような気がしますが、3000円台でノックスが買えるというのもかなり魅力的です。

ここ数年、オー・ボン・クリマは格安アイテムになっていますので、狙い目ですよ。

Date: 2013/1202 Category: 技術系
Posted by: Andy
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1カ月ちょっと前にブログのデザインをいじりました。その結果、訪問あたりのページビューが17%増え、ページビューも3割近く増えました。

20131201-analytics1.jpg

施した主な変更点は
・ブログのトップページでは記事内容を全部表示するのをやめ、短い抜粋だけを表示するようにした
・ブログのトップページに載せる記事の数を5から20に増やした
・記事ページで右上に、最近の記事一覧を載せるようにした
・パンくずリストを入れた

といったところです。

この中でトップページへの施策が一番効いたことは間違いなく、トップページから入ってきた人の75%が直帰していたのが45%に減りました。

記事一覧の効果の方は今のところはっきりしません。もう少し工夫する必要があるかもしれません。

パンくずリストの方は検索エンジンへの効果を狙って入れたものです。この効果かどうか分かりませんが、訪問数自体増えています。オーパス・ワンの記事が読まれたことの影響の方が大きいかもしれません。
Date: 2013/1201 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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AUTHORITY Styleにカレラのピノ・ノワール単一畑ものが一気に入荷しています。入手困難なジェンセンも今のところ二桁本残っていますし、さらにレアなセレックもあります。

Caleraの2010年ピノ・ノワール単一畑のWine Advocate誌による評価は、JensenとMillsが96、Selleck 95、de VilliersとRyanが94、Reedが93。どれも高評価です。

コスト・パフォーマンスでは5000円切るde Villiersと6000円台のMillsが双璧ですが、Jensenの分かりやすい魅力も捨てがたいものがあります。例えば、Wine AdvocateではJensenを「More rich and structured, yet still sexy and voluptuous」と形容しています。

畑ごとに飲み比べしてみるのも面白いでしょうね。

Date: 2013/1130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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故Robert Mondaviの1歳下の弟であるPeter Mondaviが99歳の誕生日を迎えました。記念のパーティにはRobertの長男Michaelと次男Timも出席。普段疎遠な2人が同席する貴重なパーティになりました(Peter Mondavi Sr. is 99: Mondavis Come Together, Celebrate)。

Mondavi家は1943年にナパのCharles Krug Wineryを購入。家族で経営していましたが、1965年にRobertとPeterの路線の違いで対立。Robertは勘当され、1966年にRobert Mondavi Wineryを作ったのでした。その後、RobertはCharles Krugを訴えて勝訴。その賠償金がRobert Mondavi Wineryの発展につながる一方で、Charles Krugは苦しい時期を過ごすことになり、溝は深まったのでした。

Robertの長男Michaelと次男TimもRobert Mondavi Wineryの売却後は別の道を進んでおり、MichaelはMichael Mondavi、TimはContinuumのブランドを作っています。

今回のパーティには、Michael、Timも参加。RobertとPeterが最後に共に作ったワインである1965年のCharles Krug、MichaelとTimが共に作った1974年のRobert Mondaviという2本の歴史的ワインが供されました。ワインを選んだのはMichaelだとのことです。

これが雪解けにつながるのかどうかは分かりませんが、天国のRobertも喜んでいるのではないでしょうか。
Date: 2013/1128 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天のオークションで12月1日21:59までポイント10倍のキャンペーンをやっています。オークションは、なかなか薦めにくいのですが、今回はこれだけでもお得になるので、紹介しておきます。

以前から、カリフォルニアのかなりいいワインをオークションでよく出しているのがワインスタイル。現在も、このキャンペーンに合わせて20ロット出品しています。

お得度が高いのは、デリンジャーのピノ・ノワール「アルタモン」の2010年。3ロット出ていて4999円からの入札となっています。通常価格より2000円安く、米国の価格と比べてもかなり安いです。

1994年のHarlan Maidenなんていうのも気になるところですが、それ以上にお得感があるのがBondの2009年単一畑の5本セット。当然木箱入り。139,999円からの入札です。この価格で落札できたら、実質12万円台となって、かなりお買い得。そもそも、ボンドの箱入りセットは、そうそう出回るものじゃありません。

現在のところはいずれも入札ゼロ。このまま終わってしまってはもったいない感じがします。

まずはこちらからエントリーしてください。
オークションポイント10倍エントリー


デリンジャー ピノ・ノワール "アルタモン・ヴィンヤード"
[1995]ハーラン・エステート ザ メイデン
[2009]ボンド 5本木箱入り アソートメントセット
Date: 2013/1128 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オークション・ハウスのサザビーズはこのほど600本のオーパス・ワンのセットを16万5000ドルで売り出しました(Instant Collection of Opus One Sold For $165,000 | Wine News & Features)。5日間の販売期間中に売れなかったらバラで売る予定でしたが、中国のバイヤーが購入したそうです。

このコレクションは1997年から2005年のオーパス・ワン100ケース(600本)。これまででオーパス・ワンのコレクションとしては最大のものだったとか。

1本あたりで換算すれば275ドルですから、300ドルを超える現在の価格とくらべて割安感はありますね。
Date: 2013/1127 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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しばらく前に中川ワインの試飲会に伺ったとき、印象的だったことの1つが、IPOB(In Pursuit of Balance)グループのワインがフィーチャーされていたことでした。

IPOBについては過去記事「IPOBって知ってますか? 知らなかったら覚えておきましょう」で書いておりますが、ワインのバランスを追求するという趣旨のグループです。

そのグループの1ワイナリであるSandhi(サンディ)がいくつかのショップに入荷しています。

サンディはScreaming EagleなどのオーナーだったCharles Banksと、サンフランシスコの有名レストランRubiconなどで修行し、Michael Minaグループでワインディレクターを務めるRajat Parrがサンタ・リタ・ヒルズに作ったワイナリ。Sandhiというのはサンスクリット語で連声といった意味があるようです。Rajat Parrがインドの生まれであることから付けたのでしょう。

日本にはシャルドネ5種とピノ・ノワール1種が入っています。どれもいいワインなので
、まずは一番安いカウンティものから試していただくのがいいのではないかと思います。


Date: 2013/1126 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週、Insigniaの記事を発表したロバート・パーカーが今週はBrewer-Cliftonの記事を書いています。本来はJef Dunnuckの担当であるセントラル・コーストの中で、わざわざパーカーが選んで書いた記事であり、読み応えがあってかなり面白いです(しつこいですが、読めるのは会員だけです)。

この記事でパーカーは過去ヴィンテージとして、Sweeney Canyonのシャルドネ1996年~2011年、Mt. Carmelのシャルドネ2000年~2011年、Cargasacchiのピノ・ノワール2002年~2011年、Melvilleのピノ・ノワール2000年~2011年を試飲してテイスティング・ノートとレイティングを記しています。

特に、シャルドネは安定して高得点、しかも長熟を認められているのが目立ちます。例えば、1996年のSweeney Canyonは97点で、まだ10~15年熟成するとしています。シャルドネの熟成期間を割と短く見積もるパーカーにしては、珍しい記述だと思います。

また、2006年のSweeney Canyonシャルドネは99点。これはセントラル・コーストのシャルドネとしては過去最高得点です。

ピノ・ノワールではCargasacchi 2007年が97点と高評価。以前のコメントでは1990年のロマネ・コンティに似ていると記していましたが、その要素は今回は見つからなかったと正直に書いています。それはともかくとして、カリフォルニアで最高のピノ・ノワールの1つとしています。2007年はMelvilleのピノ・ノワールも96点という評価でした。

ただ、悲しい知らせもあります。これら4種のシャルドネとピノ・ノワール、2011年で生産終了だそうです。理由は自社畑のワインに専念するため。

今後は3-D Vineyard(シャルドネと一部ピノ・ノワール)、Gnesa Vineyard(シャルドネのみ)、Machado Vineyard(ピノ・ノワールと一部シャルドネ)の3つの畑だけになります。全部で29エーカーの畑であり、生産量も減るのではないかと思います。

この中ではGnesa Vineyardが興味深いです。1976年に植えられた自根のシャルドネがあるそうです。わずか4エーカーの畑ですが、これからどのような素晴らしいワインを作り出すのでしょうか。
Date: 2013/1125 Category: 業界ニュース
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1976年にパリ・テイスティングで赤ワインのトップになったワインが米国のスミソニアン博物館に展示されるようになりました(1976 Judgement of Paris wines enter US hall of fame | decanter.com)。

このワインはStag's Leap Wine CellarsのS.L.V.1973。リンカーン大統領の山高帽や月に最初に着陸したニール・アームストロングの宇宙服などと並んで、米国の歴史を飾る101のアイテムの1つに選ばれました。
Date: 2013/1123 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「Wine From Here」というドキュメンタリーフィルムが作られています。

映画のサイト



Wino Brothersというカナダ人の兄弟が撮ったもので、カリフォルニアにおける自然派ワインの台頭を、さまざまな人のインタビューから追いかけています。

インタビューに登場するワインメーカーの中にはRidgeのPaul DraperやCaleraのJosh Jensen、LittoraiのTed Lemonといった有名人も含まれています。




ワイナリの情報を調べていると、自然派(オーガニックやサステイナブル、ビオディナミ)は、もう当たり前といってもいいほど浸透しているような気がします。自然派を実践しているけど、マーケティング的には使っていないというワイナリも珍しくありません。

カリフォルニアワインの今を切り取ったフィルムという点で貴重な作品です。
Date: 2013/1122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーがJoseph Phelps Insigniaの全ヴィンテージ1974年~2012年までを試飲したレポートを発表しました。

ワイナリにとっても特別なイベントであると同時に、パーカーにとっても非常に意義深い印象に残る試飲だったようです。こういう試飲には珍しく、ビデオも公開されています。


試飲のレポートも、通常のWine Advocate誌に掲載するものよりも詳しく、その年の気候について詳しく触れると同時に、品種別のブレンド比率や畑の選択なども説明されています。これらを読むだけでも、とても勉強になります(読めるのはWine Advocate誌の読者だけです)。

特に印象的だったのは最初のヴィンテージの1974年。パーカーはWine Advocate創刊以前の1970年代にこのワインを飲み、おいしいがそれほど長熟ではないと評価。1994年の同誌における評価では94点とさほど高くない点でしたが、今回は99点というほぼ満点のスコア。改めてこのワインがカリフォルニアワインに残した軌跡の大きさに気付かされました。

なお、Insigniaのレイティングはこれまで2001年の99点が最高で、100点が付いたことはありませんでした。今回1991年、1997年、2002年に満点が付き、最新号のDominusやSpottswoodeといった、古くからの有名ワイナリに追いつき、追い越した形になりました。

日本ではブルータス誌で「玄人のオーパス・ワン」と書かれたことがあり、マニア向けにはオーパス・ワンと並ぶ人気だったこともあります。そこで、Wine Advocate誌のオーパス・ワンのレイティングと並べてみました。
20131121-insignia-opusone.jpg

オーパス・ワンの方は、リリースころの試飲による評価がほとんどですから、横並びに比較することはできませんが、Insigniaが非常に高い評価を保っているワインであることはよく分かります。

この85年の1万円台ってすごくお買い得なような(状態にもよりますが)。今回の評価は95点です。


Date: 2013/1120 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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『無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》』 、これまでAmeroad、文楽、Kindleで販売していましたが、koboは対象外でした。

本を買うなら、今はkoboが安い!と宣伝しながら置いていないのもおかしいと思い、koboでの出版方法を調べてみたところ、意外と簡単そうだったので、登録してみました。

『無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》』 kobo版

ぜひ40%引きなどのメリットを生かして買ってください。

なお、電子書籍の読み方など、総合的な情報は
ワイン本「無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》」、ついに発売です
をご参考に。

Kindle版


Ameroad


文楽での有料版
Date: 2013/1119 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ブラッド・ピットとアンジェリーナ・ジョリーが所有するフランスのシャトー・ミラヴァル。ここを購入したのは2008年に遡りますが、2013年3月にジョリー・ピット&ペリン(ペリン家はワイン作りを担当)というブランドを始めて話題を呼びました。

そのロゼが2013年のWine Spectator誌年間トップ100で84位に入っています。ワイナリによると、ロゼがトップ100に入ったのは同誌の歴史上初めてとのこと。

もし、これが本当であれば画期的ですね。近年存在感が高まっているロゼ・ワインの追い風にもなりそうです。

ネットで販売を始めたところ、たちまち売り切れてしまったといった話もありましたが(Brad Pitt and Angelina Jolie wine sells out in hours | decanter.com)、いくらかは国内にも入ってくるようです。

ロゼ・ワイン、華やかなのでクリスマスのワインなどにもいいですね。米国で27ドルが日本でも2700円程度で買えるので、結構割安です。

入荷量もそんなに多くないでしょうし、話題にもなるでしょうから、多分買うなら今のうちですよ。

Date: 2013/1119 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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2014年1月4日にナパ・ヴァレー・ワイン・トレインのVINTNER'S LUNCHとして、Kenzo Estateが登場します。Kenzo Estateはゲーム会社カプコン創業者である辻本憲三氏がナパに作ったワイナリ。近年はWine Spectator誌などで高い評価を受けるようになっています。

Kenzoのワインメーカーは数々の有名なワインを手がけたハイジ・バレット。彼女もこのVINTNER'S LUNCHに参加するとのことで、貴重な機会になりそうです。

ワイントレインのページから日付を選んで予約ページに行くとKenzo Vintners Lunchが選べます。価格は一人214ドル。サンフランシスコからフェリー経由での往復チケットが48ドル。

また、サンフランシスコのさまざまなホテルからバスで直接行けるツアーもあります。こちらの価格は314ドル。

ナパバレー・ワイントレイン ケンゾー・エステイト・ワイナリーのワイン醸造家との特別企画日帰りランチ・イベント

また、日本では東京の広尾と、大阪の梅田にKenzoのショップ/バーがありますが、11月22日には六本木ヒルズ店もオープンします。

KENZO ESTATE ROPPONGI-HILLS 2013.11.22 OPEN 先行予約開始|KENZO ESTATE (ナパ, カリフォルニア)

カリフォルニアには行けない!という人はこちらをどうぞ。
Date: 2013/1118 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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三角形のラベルで知られるAu Bon Climat(オー・ボン・クリマ)は、サンタ・バーバラを切り開いたワイナリとして知られており、1990年代には日本で一番人気があるカリフォルニア・ワインの1つでした。

人気を駆り立てたのは堀賢一さんが、ブラインド・テイスティングで多くのソムリエがオー・ボン・クリマのピノ・ノワール「イザベル」をロマネ・コンティと間違えたというエピソードを披露したからだったと思います。堀賢一さんが当時監修していた漫画『ソムリエ』ではカレラ・ジェンセンをロマネ・コンティと間違えそうになるという話があり、人気を分けあっていました。

オー・ボン・クリマではフラグシップのワインに青色のラベルを使っています。上記のイザベル(オーナーの娘の名前)、同じくピノ・ノワールのノックス・アレクサンダー(オーナーの息子の名前)、白ワインのブレンドのヒルデガード、そしてシャルドネのニュイ・ブランシュの4つが、そのワインです。

ニュイ・ブランシュは樽をあまり効かせないワインが好みだというオーナーのジム・クレンデネンが、こういうワインも作れるんだよというのを示すために始めたといった話があったかと思います。以前は「新樽200%」とかって言っていたような気がしますが、現在は新樽は60%になっています。100%マロラクティック発酵も行う、クラシックなスタイルのシャルドネです。日本ではイザベル以上にレアで手に入りにくいワインとして人気があったこともあります。

そのニュイ・ブランシュが2010年で30ヴィンテージ。記念にラベルにXXXの文字が入っています。多くのシャルドネが収穫から2年あるいは1年で出荷されるのに対し、これは3年経ってからの出荷ということで、それだけ時間と手間をかけて作っているワインです。

ワイナリ価格40ドルが日本で3920円(税抜き)というのは、かなりのお買い得。このワイン以外もオー・ボン・クリマのワインは最近、ものすごくお買い得度が上がっています。ぜひ試していただきたいワインです。

Date: 2013/1116 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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悪いワインの状態としては、ブショネと熱劣化が知られています。ブショネの方は製造段階の問題ですが、熱劣化は流通段階。流通経路や保存状況などによって起こります。長期保存にワインセラーが必要というのは、熱劣化を防ぐのが第一の理由です。

熱劣化というと、高い熱にワインがさらされることによって化学的な変化が生じるものと思っていたのですが、最近の実験によると、どうやらそうではないという話が有力になってきたようです。

古くからのワインの友人であるshuzさんが、これについてブログに一連の記事を書いています。また、詳しくはリアルワインガイドに書く予定とのことです。

ワインの保存に関する考察2013~その1
ワインの保存に関する考察2013~その2
ワインの保存に関する考察2013~その3
ワインの保存に関する考察2013~その4
ワインの保存に関する考察2013~その5(追記あり)
ワインの保存に関する考察2013~その6
ワインの保存に関する考察2013~その7
ワインの保存に関する考察2013~その8
ワインの保存に関する考察2013~その9
ワインの保存に関する考察2013~その10

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Date: 2013/1115 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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生意気盛りの高校生のころ、何のときだったか、担任(現国の教師)が「伊達で教師やってんじゃねえんだ」と啖呵を切ったことがありました。おそらく、教師を馬鹿にするような発言を平気でしていた僕らに、抑えていたものが爆発したのでしょうが、普段おとなしく見えていた先生だったので、ちょっとビックリもし、リスペクトも生まれたのでした。

このサイトではOpus One(オーパス・ワン)は年に1度は書くネタではありますが、必ずしもいいことばかりを書いているわけではありません。むしろ、有名だからこそ辛口になる場合もありました。

今回、オーパス・ワンのプレス・ディナーでいろいろ話を伺う機会をいただきました。カリフォルニアワインとしては孤高の地位を維持する努力を知り、改めてその底力を感じると同時に、リスペクトの気持ちも強くなりました。伊達じゃないな、と思い、冒頭のエピソードを紹介した次第です(分かりにくい!)。また、最新の2010年を含む3ヴィンテージを飲んで、その魅力も再発見したように感じました。

20131114-opusone1.jpg

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Date: 2013/1114 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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コングスガードといえば、ナパ産シャルドネの最高峰であるThe Judgeが有名ですが、価格3分の1のナパ・ヴァレー・シャルドネも高品質。それが、Wine Spectator誌の年間トップ100ワインで5位に入りました。

同誌での評価は95点。Wine Advocate誌でも94点という高評価。米国の75ドルに対して日本では1万円超とちょっと高くなりますが、Judgeの片鱗を味わうという意味でも価値があるワインでしょう。

ちなみに柳屋の店長は、こう書いています。
例年、私イナムラ@てんちょからは「ジャッジと比較しても、価格ほどの味わい差は感じられない筈です」とお伝えしております。コングスガード二種のシャルドネはどちらの品質も素晴らしく、共に極みの領域の中にあると思います。今年のWA誌上での評価も一点差であり、踏み込んだ「あと1歩」の差に対価を支払える方のみジャッジを手にして頂ければ良いと思っております。このナパ・シャルドネで感激の享受は十二分に事足ります。


余談ですが、Wine Spectatorのトップ100、以前よりもコスト・パフォーマンスの評価が低くなっている(高価格のワインが中心になっている)ような気がするのは僕だけでしょうか(と思ったら、このワインの発表ページでも似たような議論が出ていました)。

Date: 2013/1114 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌のTim Fish氏が、西海岸のワイナリが静かに売りに出ているという記事を書いていました(West Coast Wineries Are Up for Sale—Quietly)。

2013年にはQupe、Araujo、Clos Pegase、Mayacamasといった著名なワイナリが売却されました。こういった動きは今後も続く可能性が高いようです。Mayacamasを4月に、Qupeを10月に買収したCharles Banks(元Screaming Eagleオーナー)によると「今ほど多くのワイナリがカリフォルニアで売りに出ている状況は見たことがない」とのこと。Banksは30%~50%のワイナリが財政的に困難な状況に陥っているか、かつてほど利益を上げていないだろうと見積もっています。

1980年代から90年代のブーム期にワイナリを始めたオーナーは引退の時期を迎えており、跡継ぎがいなかったり、拒まれたりするケースも増えています。また、年産5000ケースから1万5000ケースほどのワイナリは中途半端な位置づけになって、ワインを売るのが難しい状況です。

これらのワイナリはBanksのような投資家が買収するケースが多数ですが、近年では中国からの投資も目立つようになっているそうです。今後中国資本のワイナリが増える可能性もありそうです。
Date: 2013/1113 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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今年買った本で考えると既に電子書籍の方が紙の本よりも多くなっています。読みやすさで言えば、まだ紙の方がいいとは思うのですが、何よりも場所を取らないというのが電子書籍のいいところ。売れ筋の小説など、以前だったら図書館で1年くらい予約待ちして借りていた本も、電子書籍でちょっと安めになっていたりすると、ついつい買ってしまいます。積ん読が見えないだけに、いつのまにか本がたまってしまうことも。

というわけで、iPhoneには電子書籍のアプリがたくさん入っています。一時期はKindleの本を中心に買っていましたが、最近は楽天のkoboで買うことが増えています。

理由は単純に本が安いから。

例えば、「半沢直樹」シリーズの第3弾『ロスジェネの逆襲』は、紙の単行本だと1575円。これが電子書籍だとどこでも大体1200円になります。Kindleもkoboの定価も同様です。


同じ定価ならKindleを選ぶという人が多そうですが、koboが強いのはここからです。割引クーポンがたくさんあるのです。

例えば今なら
文言書17,000作品がクーポンで最大50%引

というキャンペーンでこの本は600円になります。単行本と比べたら実に975円引き。この本、文庫になってから買おうと思っていたのですが、600円なら文庫と変わらないのでポチってしまいました。

これだけでなく、どの本でも40%や50%引きで使えるクーポンが、週に2,3回送られてきます。このあたりをうまく使えば、月に10冊くらいは40%引きや50%引きで買えるだろうと思います。

まとめ買いのキャンペーンなどポイント還元のプログラムもいろいろあるので、賢く買えばかなり節約できることは間違いありません。旅行に行く前のまとめ買いなどにもいいと思います。

僕は、koboの本を読むときもiPhoneを使うことが多いですが(初代kobo端末も持っています)、これだけ割引があれば、端末を買ってもすぐにもとが取れるでしょう。
Date: 2013/1110 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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元Wine Advocate誌のアントニオ・ガッローニがナパのレポートを発表しています(2011 Napa Valley Cabernet Sauvignon: Terroir Matters (Nov 2013) | Vinous - Explore All Things Wine)。

記事では2011年から2013年のナパのヴィンテージについて分析しています。

一般に、雨が多く不作だった2011年はあまりいいヴィンテージではなく、コンディションに恵まれた2012年は2007年以来のいいヴィンテージという見方がありますが、ガッローニによると2012年は意外と当たり外れがありそうです。

理由は2010、2011と収穫が少ない年が続き、2012年は質よりも量に走ってしまった生産者がいるため。また、あまりにも豊作だったため、収穫後に醸造に使うタンクが足りなくなって右往左往した生産者もいた模様です。

それに比べると2013年は5月から6月の開花時期に雨がほとんどなかったため、ブドウの実が小さく、収穫量が自然と抑えられたとのこと。その分、安定していい収穫だった生産者が多かったようです。まだ結論を出すには早すぎますが、2013年の方が2012年よりも質的には安定したヴィンテージになっていそうです。

また、ガッローニはヴィンテージでワインを選ぶよりも、生産者で選んだ方がいいとしています。ヴィンテージを選ぶ必要があるというのは、よいヴィンテージが少なく、ひどいヴィンテージが多かった過去の話であり、ほとんどのヴィンテージがそこそこ以上になった現在には当てはまらないとのこと。

それはそうだな、と思います。
Date: 2013/1108 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ダイアトムの漢字ラベル・ワイン、2012年はシャトー・イガイ・タカハから装い新たに登場へ」という記事で以前、紹介したように、Greg Brewer(グレッグ・ブリューワー)がDiatomから手を引くことになり、人気の「漢字」ラベル・ワインはシャトー・イガイ・タカハのブランドで作られることになりました。

その第1弾として2012年の「波紋」と「美夜」そして従来からイガイ・タカハだった「侍」が発売されました。

これを記念して、CWGとVind du 268では「杉本セレクション」としてこの3本のセットが出ています。送料無料に加えて「侍」の文字の入ったソムリエナイフ「KATANA」が付属します。このソムリエナイフだけで5000円で売っているものです。刃物の町である岐阜県関市で作られている逸品とのこと。

以前から、このソムリエナイフ気になっていたので、迷わずポチりましたよ。

ワインはもちろん単品販売もあるので、とりあえず1つ試してみたいかたは単品でどうぞ。この中では「波紋」が万人受けしやすいワインだと思います。

Date: 2013/1107 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先月「グラスワインに革命起こすCoravin、米国以外でも購入可能に、ただし日本は含まれず」という記事を書きました。26カ国への輸出が開始されましたが、日本は入っていませんでした。

輸入元の調整関係か何かかと想像していたのですが、Coravin社に問い合わせてみたところ、別の理由があることが分かりました。

Coravinは、ワインを注ぐときに、代わりにボトル内に不活性ガスであるアルゴンを注入するようになっています。Coravinの本体に、このガスを圧縮密封したカートリッジを付けて使います。

こにカートリッジが危険物として日本への輸入許可が下りていないのだそうです。機内への持ち込みもできませんから、旅行中に買って帰ることも無理です。

何か奥の手はないものでしょうか?
Date: 2013/1107 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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【追記】2013年ヴィンテージの評価についてはこちらの記事をご覧ください(年間トップなど、高評価続くオーパス・ワン2013
【追記】2012年ヴィンテージの評価についてはこちらの記事をご覧ください(オーパス・ワン2012年は2007、2010と並ぶ高評価
【追記】2011年ヴィンテージの評価についてはこちらの記事をご覧ください(オーパス・ワン2011年の評価は?

相変わらずの人気を誇るカリフォルニアワインがOpus One(オーパス・ワン)です。特に、ロバート・モンダヴィとワイン作りやマーケティングの体制を分けたこの数年はブランド・イメージの回復著しく、ワインの値段も急上昇しています。

90年代末から2000年代前半のオーパス・ワンは国内での価格が概ね3万円程度。米国では90~150ドルくらいだったので、ときには3倍程度の日米の価格の違いがありました。

その後、日本での価格はどんどん下がりました。

2005年~2007年あたりのヴィンテージのオーパス・ワンは日本での価格が概ね2万円以下でした。2007年の売り出しが2010年ですから3年くらい前までということになります。2006年のものは1万7000円台で売っていたこともありました。米国での価格も150~200ドル程度でしたから、日米の価格差もあまりなく、かなりお買い得感のあるワインでした。

2008年のものは2万円台に戻り、2009年も出始めの時期に「送料込みで税込み21,980円」というのがありましたが、今では3万円程度にまで上がっています。

出荷が始まったばかりの新ヴィンテージ2010年では安いところでも3万円超。海外でも最低200ドル程度と上がっていますが、特に日本の値上がりは激しいようです。

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Date: 2013/1106 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえに、Wine Advocate誌の最新号でロバート・パーカーが100点を付けたColgin(コルギン)のIX Estate 2010(ナンバーナイン・エステート)が入荷しています。

税抜きで53,980円は、楽天では最安。さらに7日午前1時59分まえの楽天セール中ならば、あとりえでポイントが2倍付くのに加え、「買い回り」でのポイント追加も可能です。例えば、他店で1000円のものを買ったら、コルギンのポイントも1倍分増えるので539ポイントのアップ。実質400円台で1000円のものを買えるという計算になります。

つまり高額なものと安いもの(ただし1000円以上)を組み合わせるのがお得ということです。

Date: 2013/1105 Category: 健康
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11月3日、第8回湘南国際マラソンでフルマラソンの部に参加しました。

フルマラソンは前回、今年の3月に次いで2回目です。前回は35kmまでは快調に走ったものの、その後脱水症状に陥ってしまい、41km手前で倒れてしまうという体たらく。40kmまではネットで3時間40分というサブフォー(4時間切り)ペースでしたが、最終的にゴールしたのは4時間35分を超えてしまいました。

湘南はそのリベンジをと勢い込んだのですが、前にも書いたように8月に練習中転んで骨折。その後6週間ギブス生活で練習をストップせざるを得なくなりました。ようやく練習を再開できたのは10月12日。わずか3週間での準備で、本番に臨みました。

結果、ネットで4時間9分36秒という記録(速報値)。満足はしていませんが、納得はしています。今の自分としては、力を出し切ったと言ってもいいのかと思います。
Goal

振り返ってみましょう。


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Date: 2013/1103 Category: おすすめワイン
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まずはこちらからポイントアップの登録を
楽天日本一大セール

追加した記事です「WA100点のコルギン最安値、買うなら楽天セール中に

カリフォルニアワインあとりえでは全品ポイント倍付けに加え、Simi(シミー)のワインが安くなっています。シャルドネ1000円台は安いです。6本買えば送料無料になります。



同店ではフランシスカンも安くなっています。ソノマのシミ、ナパのフランシスカン、コスト・パフォーマンスの高さでいい勝負です。敢えて選ぶなら、個人的にはシャルドネはシミ、カベルネはフランシスカンでしょうか。



パシフィックワインセラーズでは先日紹介した6本セットがお買い得。


スパークリングは4割引(ID pacificwine パスワード rakuten)
Date: 2013/1102 Category: 業界ニュース
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Wine Advocate誌が209号を発表しました。カリフォルニアではナパのレビューが含まれています。例年は12月にナパの評価が出ていましたが、どうしたのでしょう?

多くのワイナリが秋に新ヴィンテージを売り出しますから、年末にかけて一番ワインが売れる時期に、既に評価が出ているというのは、販売上は歓迎なのだろうと思います。

さて、今回のレビューはもちろんロバート・パーカーによるもの。過去2ヴィンテージ、アントニオ・ガッローニの評価だったことを考慮してか、2010~2012の3ヴィンテージにわたったレビューが載っています。その結果、1469本の評価と、例年の1000本程度に比べても圧倒的なボリュームになりました。

評価を見ると、かなりの大盤振る舞い系。新たに12本の100点ワインが登場しています。意外な名前はあまりありませんが、あまり聞いたことがなかったワイナリや、カベルネ・ソヴィニョン以外のワインもあります。

100点12本のうち2009年が1つ(Hundred AcreのDeep Time)、2011年が1つ(Bevan CellarsのTin Box)。残りは10本は2010年です。

まずは馴染みのある名前から紹介します。

Spottswoodeは初の100点。99点だった2007年以降は日本への入荷がほとんどなくなってしまったのが残念なワインです。ガッローニの95+という評価から大幅アップ。

Dominusも初の100点。1994、2002、2008と3回の99点がありましたが、ついに100点です。これもガッローニの96+から大幅アップ。このあたりがガッローニとパーカーのテイストの違いでしょうか。日本における最新ヴィンテージがまだ2007なのは不思議なところです。

Shafer Hillside Selectは2001~2003以来の100点。このワインも日本に入ってくるときは意外と安いのですが、入荷状況がまばらなのが気になるところ。このヴィンテージは入ってくるのでしょうか。これもガッローニの95-97から大きく上がっています。

おそらく今回の一番のサプライズがTurnbull。Fortuna Vineyardが100点です。定価75ドルという安さのワインです。ほかにもPerra Vineyardが98点、Fortunaのメルローが95点。Turnbullは過去の最高評価が94点でしたから、今頃ワイナリは大騒ぎでしょう。買うなら今のうち、と言いたいところですが、残念ながら日本に入っているのはほとんどがOld Bull。今回の評価対象外でした。

Colginは一挙3本100点。IX Estate(ナンバー・ナイン・エステート)とIXのシラー、そしてCariad。先日試飲したIX Estateが入っています(残り2つは2009ヴィンテージでした)。確かにこれは、試飲時にもひときわおいしいワインでした。

後は名前だけ紹介。Screaming Eagleは97、2007に続く3回め。Hundred Acreは今回2本めのFew and Far Between。HallのExzellenzも初100点。Hallもこの畑は日本未入荷です。

100点以外の話は後日報告します。

Date: 2013/1101 Category: おすすめワイン
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Wassy's傘下のパシフィックワインセラーズでカリフォルニア・ワインの6本セットが3割引かつ送料無料になっています。税込みで11,466円と1本2000円足らず。

こういった安いセットって、よく見るとワインもちょっとなんだかなあということが多いのですが、これは一味違います。

●キングスリー ノースコースト ブリュット NV
●スーヴェラン ソーヴィニヨンブラン 2010
●フォックスグローブ シャルドネ 2011
●ディストリクト7 ピノノワール 2011
●ドメーヌ・テール ルージュ イーストン "H" ハウス 2008
●ヘス・コレクション セレクト カベルネソーヴィニヨン 2010

というラインナップ。フォックスグローブは2000円台のシャルドネの中では個人的に一押しの銘柄。2000円切っていたら「買い」です。スーヴェランはコスト・パフォーマンスの高さで知られるワイナリ。今まで期待を裏切られたことがありません。ヘス・コレクションの「ヘス・セレクト」もいいワイン。

後の3つは飲んだことがない銘柄ですが、少なくとも6本中3本は外れがないでしょうから、残りも期待できます。

さらに、楽天イーグルスが優勝したらキャンペーンセールによるポイントアップも。キャンペーンには事前登録可能なので、忘れないうちにやっておきましょう。
楽天イーグルス優勝キャンペーン登録ページ

Date: 2013/1030 Category: 業界ニュース
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Facebookをご覧の方は、ぜひFacebookページ「California Wines Japan」をご覧ください。

20131029-californiawinesjapan.png

このFacebookページ、Wine Institute of Californiaの日本語専門ページ。多分、Wine Institute日本代表の堀賢一さんが自身で投稿しているのだと思います。

というのは、様々なワイナリが投稿している写真などから、かなりテクニカルなものを選んで載せているからです。

例えば、10月27日はTruchardの写真で
Truchard Vineyardsの収穫の終わったブドウ畑では、農道に麦わらを敷き詰めています。これは、来るべき冬の雨季に備えて、表土が流出しないようにするためです。

といった説明があります。

10月15日の投稿では、赤く色づいたブドウの葉の写真を載せて、
葡萄畑のところどころで、赤く変色した葡萄の葉を見かける時期になりました。見た目には美しい色なのですが、葡萄樹は本来、紅葉する植物ではありません。こうした紅葉は多くの場合、リーフロール等の深刻なウイルスの存在を示しており、栽培担当者は、その葡萄樹の植え替えを検討しなければなりません。

以前、ダイアモンド・クリーク・ヴィンヤーズの故アル・ブロンシュタインさんに畑を案内していただいたときに、紅葉した葡萄樹を見掛けたので、「植え替えないのですか」と尋ねたところ、「葡萄樹も人間と同じで、40年も生きていれば、何らかの病気に罹るものだ。葡萄樹も我々もそうした持病と共存しながら、生を全うしていくのだよ」と諭されたことを思い出します。

とのこと。

というわけで、いろいろと面白い投稿がありますので、ぜひ「いいね!」をしてください。

そして、気が向いたら「カリフォルニアワイン」のFacebookにもいいね!してくださいね。
Date: 2013/1029 Category: 業界ニュース
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ナパのワイナリConn Creekが光センサーを使ったソーティング・テーブルを導入しました(A high-tech harvest at Conn Creek Winery)。

ソーティング・テーブルとはブドウのみを枝から外すデステマーを通した後、品質の悪いブドウの実を取り除くためのもの。通常はベルトコンベアの上を通る実を人海戦術でチェックしますが、新しい機械では、1000万ピクセルのカメラが悪い実を分別して、風圧で跳ね飛ばすようになっています。これによって1時間に8トンものブドウを処理できるとのこと。

このほか、遠心分離器によってブドウの実を皮と分離させる機械も導入したとのこと。これを使って、ブドウの実を全部使うものとそうでないものの比率をコントロールするようです(ちゃんと理解していないので、分かる人おしえてください)。

これらによって、カベルネ・ソヴィニョンの品質を高めるのがConn Creekの目的。

「5年以内にWine Spectatorの年間トップ10に入るのがゴール」だと言います。今醸造したものが市場に出てくるのが2016年ころでしょうから、そのころのConn Creekに注目してみましょう(覚えているかどうかが難問ですが)。
Date: 2013/1028 Category: おすすめワイン
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タイトルは「倍返し」使ってみたかっただけです。しかも、もう古いですよね。

先日、Paul LatoによるPisoniの白の記事を書きました(極めて貴重な白ピゾーニ!)。Pisoni家以外の手によるPisoniのシャルドネとしては、おそらく10年ぶりくらいのものになる上、その作り手が今をときめくPaul Latoということで、レア×レアの組み合わせだったわけです。

今回はVin du 268(CWGでも)の「杉本セレクション」として、これにPaul LatoによるPisoniのピノ・ノワールLancelotとのセットが出ています。Paul Latoの中でも一番人気のLancelot。レア×レア×レアで3倍返しです。

とはいっても、単にレアを売りにしたいわけではないのです。ちょっと長いけど販売ページから引用させていただきます。
Paul Latoとの出会いは、2008年のWorld of Pinot Noirだったと思う。

 Au Bon Climatで開催された持ち込みワインのディナーに、僕は、Ch.igai Takaha Chardonnay Samurai Beauty 2006を、彼は発売前(だったと思う)のPaul Lato Pinot Noir Gold Coast 2006を持ち込んでいた。

 お互いのワインを飲み合って、お互い『ぶったまげた』

 それから、あれよあれよという間に、彼はCaliforniaを代表するWine Makerに。


 彼と話していると『心』という日本語が頻繁に出てくる。
Wine Makingは『技術』じゃない。『心』なんだと。。。
 彼の『心』をPisoni VineyardのChardonnayとPinot Noirで感じて欲しい。

というわけで、「杉本セレクション」としての心を受け取ってほしいセットなのでした。

Date: 2013/1025 Category: おすすめワイン
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サンタ・クルーズ・マウンテンズのワイナリというと、圧倒的に知名度が高いのがリッジで、次にちょっと変化球でボニー・ドゥーン。マニア好みのマウント・エデン(イーデン)というのが日本における相場でしょうか。

ややマニアックなワイナリが多い中で、マウント・エデンに並ぶ実力があるのがVarner(ヴァーナー)/Neely(ニーリー)/Foxglove(フォックスグローブ)。これは1つのワイナリですが、ワインによって名前を使い分けていて、安価なラインがフォックスグローブ。ピノ・ノワールは単一ブロック物がニーリーで、それらのブレンドがヴァーナー。シャルドネはその逆で単一ブロック物がヴァーナーで、ブレンドがニーリー。

この辺のわかりにくさに加え、輸入量の少なさといったところが、マウント・エデンに比べるとマイナーに見えてしまう理由でしょうか。個人的にはどちらも大好きなワイナリです。

前置きが長くなりましたが、カリフォルニアワインあとりえにピノ・ノワールのHidden Block 2009(単一ブロック物なのでニーリーです)が再入荷しています。

5000円台というありがたい値段。ちなみにWine Advocate誌では94点。値段そのものよりも、とにかく生産量も輸入量も少ないワインなので手に入るだけでもありがたいです。

Date: 2013/1025 Category: 業界ニュース
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著名ブログFermentationに、ナパを象徴する映像トップ10という記事が載っていました(Napa Valley’s Top 10 Iconic Images)。

10位から順に上げておきます。
10位:Inglenookのシャトー
9位:ウォータータワー
8位:Robert Mondavi
7位:Sterling Vineyards
6位:CIA Greystoneビルディング
5位:Robert Mondavi Winery
4位:Oakville Grocery
3位:Napa Valleyウェルカムサイン
2位:Grape Crusherの銅像
1位:ブドウ畑

2位の銅像はこれです。実はこれは知りませんでした。Highway29でナパの入り口付近に見えるそうです。1987年に設置されています。
Statue

9位のWater Towerとは、下のようなもの。写真はSilver Oakのものですが、記事ではFrog's Leapが挙げられています。個人的にはSilver Oakの方が有名だろうと思うのですが。
Meet me at the water tower

4位のOakville Groceryは建物としては地味で小さいですが、味わいはありますね。

このリストに挙げられたもの以外だと、Opus OneとかBeringerのライン・ハウスあたりは目立ちますね。Wine Trainあたりも絵になります。

あなたの印象に残っているナパの映像は何ですか?
Date: 2013/1024 Category: 業界ニュース
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イオンがワインのオンラインショップを開店しています。カリフォルニアワインの品揃えを見るとワイン・イン・スタイル(iwine)が輸入しているものが中心でしょうか。先日紹介したTwistedもあります。

AEON de WINE

興味深いのはオリジナルワイン「ハッピー・キャニオン・ヴィンヤード」としてサンタ・バーバラのハッピーキャニオンのソヴィニョン・ブランとカベルネ・メルローを売っていること。ハッピーキャニオンには優秀なカベルネ・ソヴィニョンを作るStarLaneがあります。Greg Brewer/シャトー・イガイ・タカハのソヴィニョン・ブランもここのブドウを使っています。サンタ・バーバラの中では温かい地域でボルドー系の品種に向いています。

2500円弱のこのワイン、実力を試してみたいところです。
Date: 2013/1023 Category: おすすめワイン
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今やセントラル・コーストを代表するピノ・ノワール/シャルドネのプロデューサーとなったPaul Lato(ポール・ラト)。中でも人気・実力ともにトップクラスなのがPisoni Vineyardのブドウを使ったワイン。

これまでピノ・ノワールのLancelotは国内にも少量入っていましたが、今回、シャルドネのEast of Edenも柳屋に入荷しています。

どちらも昨日、「瞬殺」状態でしたが、East of Edenは追加入荷が入っており、今のところ購入可能です。

柳屋によるとPisoni自身が作るLuciaを除いて、Pisoniのシャルドネは1998年のTestarossaしか確認されていないとか。

製造4樽というから、多分100ケース程度。うちわずか5ケースが日本に入荷です。

いろいろな意味で貴重なワイン。

Date: 2013/1023 Category: おすすめワイン
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骨折が治って、快気祝いではないですが久々にワインを開けました。

といっても高級ワインでもなんでもなく、1220円のジンファンデルです。

Wine Spectator誌の創設者・発行人であるMarvin Shanken氏が一押しだという「Twisted」というブランドのワイン。最近、安ワイン開拓をあまりしていなかったこともあり、姉妹ブランドのDominoとともにいくつか買ってみました。

開けたのはオールド・ヴァイン・ジンファンデル。古木といっても情報がないのでどれくら古いのかは分かりません。

正直、開けたての一杯目は今ひとつでした。なんだかぼやけた味。
しかし、二日目、三日目とだんだん美味しくなります。ふくよかさもあるし、ジンファンデルらしい梅のような酸もあります。孤独のグルメの井之頭五郎なら「うん!これこれ!」と言うところ。

この価格で、この品質なら十二分じゃないでしょうか。

買ったのはここですが、今はジンファンデルだけ品切れしているようです。


こちらは注文可能ですが取り寄せになります。


こちらがインポーター。在庫あって、翌日配送可ですが値段は高めです。
Date: 2013/1021 Category: 業界ニュース
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先日、カリフォルニアワインのグランド・テイスティングで美味しかったワインとして紹介したリューリング(Reuling)のワイン、国内での販売が始まりました。

リューリングについて詳しくはこちらをご覧いただきたいのですが、以前はPeter Michael、Aubertという超一流ワイナリにブドウをおろしていたワイナリです。

ピノ・ノワールと、ピノ・ノワールのロゼがありますが、個人的には特にロゼをプッシュしています。カリフォルニアのロゼではPisoniのLucyに並んで、自分的にはトップ2です。





ロゼが入ったお得なセットもあります。

Date: 2013/1020 Category: 業界ニュース
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ワインのコルクを抜かないままワインをグラスに注げる画期的な新システムCoravin。これまで何回か紹介していますが、ついに米国以外への出荷が始まるそうです(Coravin Announces International Availability of Its Popular Wine Access System | Business Wire)。

対象国は
南北米州:アルゼンチン、ブラジル、カナダ、メキシコ、米国
欧州:オーストリア、ベルギー、デンマーク、フランス、ドイツ、アイルランド、イタリア、ルクセンブルク、オランダ、ノルウェー、ポルトガル、スペイン、スウェーデン、スイス、英国
アジア・オセアニア:オーストラリア、香港、ニュージーランド、シンガポール、韓国、台湾

とのことで残念ながら日本は含まれていません。

2014年には本格的な世界展開を図るとのことなので、日本はそれからになりそうです。

過去記事:
一度開けたワインを何年間もフレッシュに保つ革命的な新製品「Coravin」が登場
グラスワインに革命を起こす「Coravin」、Vinographyにレビュー掲載
Date: 2013/1019 Category: おすすめワイン
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ナパのプレミアム・ワインの1つ、Scarecrow(スケアクロウ)の正規輸入品がカリフォルニアワインあとりえに出ています。6万9800円というのは、もちろん安い値段ではありませんが、Scarecrowの国内価格としては安いほうでしょう。インポーターはプレミアム・ワインで定評がある中川ワインですから、状態には問題無いと思います。

Scarecrowはナパのプレミアム・ワインの中でもひと味違った存在。ワイナリ自体は2003年設立と新しいですが、畑は1945年に植えたもの。ナパのプレミアムなワイナリの先駆者であるInglenookの畑の1つとして使われていました。1960年代のフィロキセラの害も逃れ、樹齢60年を超えた畑。ジンファンデルでは100年を超える畑もいくつかありますが、ナパのカベルネでは極めて貴重な存在です。ぜひその価値を感じながら飲んでほしいワインです。

なお「オズの魔法使い」のプロデューサーだったJ.J. Cohnが畑を作ったことから、オズの登場人物である「かかし」をワイナリ名に採用しています。

Date: 2013/1017 Category: おすすめワイン
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先週、東京でシュラムスバーグのオーナーを迎えたブラインド・テイスティング・セミナーが開かれました。出席したのは東京のトップソムリエ25名。7種のスパークリング・ワインを試飲して、好きな順に点数を付けます。シュラムスバーグとフランスの有名どころシャンパーニュということは明らかになっていますが、具体的な銘柄は試飲時には明かされていません。

さて、その結果ですが、カリフォルニア推しの僕から見てもちょっとびっくり。

まず最下位は「2004 モエ・シャンドン ドン・ペリニヨン」。なんと高級シャンパーニュの代名詞的存在であるドンペリが最下位です。

6位、2005 ルイ・ロデレール クリスタル。これもびっくり。高級シャンパーニュの中でも別格な印象があります。

5位、2004 テタンジェ コント・ド・シャンパーニュ
4位、2004 ペリエ・ジュエ ベル・エポック
と、いずれ劣らぬ有名シャンパーニュが下位4本に並びました。

3位、2005 シュラムスバーグ リザーブ ノース・コースト。4位~7位を見たら、よく頑張ったという感じです。

2位、NV クリュッグ・グラン・キュヴェ。はああ、クリュッグ、ここに来ましたか。さすが2位というか、クリュッグをしても2位と言うべきか。

では1位は…

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Date: 2013/1017 Category: 業界ニュース
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20131016-nyan.jpg
猫専用のワイン「ニャンニャンぬーぼー」が発売されたそうです(日本初!猫専用ワイン「ニャンニャンぬーぼー」10月15日に発売|プレスリリース配信サービス【@Press:アットプレス】)。

値段は180mlで390円と、まあまあですが、そもそも猫がワインを飲むのでしょうか。漱石の猫はビールを飲んで酔っ払って、水がめに落ちて死んでしまいますが、アルコール飲んで大丈夫なのでしょうか。

プレスリリースによると「原料に果糖ぶどう糖液糖、オリゴ糖、またたび、カベルネぶどう果汁、ビタミンC、カラメル色素を使用した赤ワインテイストの飲料で、アルコールは含んでいません」とのこと。赤ワイン風のぶどうジュースと思えばよさそうです。

ただ、さらに衝撃のコメントがあります。

「元々、猫は飲料を好んで飲まないと言われていますが、当商品もサンプリングの結果、9割の猫が飲まないというモニター結果が得られました」

…9割飲まないんですか…それでいいんでしょうか。

飼い主の意見では「『一緒に飲んでいる雰囲気だけで満足』、『誕生日やクリスマスなどお祝い事に使いたい』と高い満足度を示していました」とのこと。ふーむ。愛猫家の考えることはよくわかりません。
Date: 2013/1014 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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YOMIURI ONLINEの記事によると、政府・与党はTPPの関税交渉で輸入ワインの関税を撤廃する案を検討しているそうです(日本酒・ワインの相互無関税、TPPで提案へ : ニュース : マネー・経済 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))。

見返りとしては、日本から輸出する日本酒の関税をなしにすること。

海外における日本酒への注目は高まっていますから、実現する可能性は結構高そうです。

一方で、国内のワイン生産者にとっては、価格競争が厳しい状況になるので支援策を検討するとか。

なお、ワインの関税は価格の15%か1リットル当たり125円のいずれか低い方。ということは750mlのワインの場合、1000円未満の安いワインでなければ93円程度ということになります。もっと変わるのかと思ったら意外とそうでもないのですね。
Date: 2013/1013 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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10月11日金曜日、恒例のカリフォルニアワイン・グランド・テイスティングが恵比寿ウェスティンホテルで開かれました。カリフォルニアワインの試飲会としては最大規模のイベントです。

このところ参加していませんでしたが、今回はたまたま近くに用事があったので、帰りに少し立ち寄れました。駆け足だったので、ざーっとしか回っていませんが、いくつか気になるワインもありました。

まず1つはピノ・ノワールを得意とするインポーターilovecalwineが輸入するペンス・ランチ(Pense Ranch)。サンタ・バーバラのワイナリで、タンタラの創業者であるJeff Finchがタンタラをやめてここのワインメーカーになっています。アップランズという特定ブロックものと、エステートを試飲。アップランズはスパイスの風味を強く感じるピノ・ノワール。一方エステートはとても素直においしいピノ・ノワール。特に安い方のエステートの美味しさが印象的でした。



もう1つ良かったのがReuling(リューリング)のロゼ。これはワインライフが輸入するワインですが、実際に入ってくるのはこれからのようです。
Date: 2013/1012 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニア最古のワイナリとして知られるソノマのBuena Vistaが、設立当時に建てられた建物の保全でCalifornia Preservation Awardsの“Craftsmanship/Preservation Technology”という賞を受けました(Buena Vista Winery wins preservation award)。

この建物はChampagne Cellarsといい、1979年を最後に、ここではワインが作られていません。また1989年の地震以降は一般にも公開していませんでした。

今回、建物の上からドリルで穴を開け、鉄筋を入れて漆喰で固めることによって、外見を損なわずに建物の耐久性を大幅に上げました。このほかにも様々な修繕を行い、2012年8月31日に再オープンを果たしました。この日は創設者Agoston Haraszthyの生誕200年の日です。

こうして、再び一般に公開されるようになり、ワインの生産も始まりました。

これらは2011年にワイナリを買収したJean-Charles Boisset(ジャン-シャルル・ボワセ)によるもの。Boisset家はブルゴーニュ最大のプロデューサーであり、カリフォルニアでもBuena Vista以外にRaymond、DeLoach、自身のJCBといったワイナリを持っています。ジャン-シャルルはGalloのワインメーカーであるGina Galloのご主人でもあります。

只者ではないですね。
Date: 2013/1011 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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先週、サンフランシスコにおいて「カリフォルニアワイン・サミット」というイベントが開かれました(Wine Institute Showcases California Wines for Top Media/Trade from Canada, Europe and Asia - The Wine Institute)。

このイベントはWine Instituteが主催したもので、世界各国から21人のメディアやバイヤーを招いて、一週間にわたって計350種ものワインを試飲するというもの。参加国はカナダ、英国、ドイツ、スイス、スウェーデン、中国、そして日本の7カ国。この7カ国で米国のワイン輸出のおよそ8割を占めているそうです。

日本からは、以前YOMIURI ONLINEに記事を書いていた山本昭彦さんが出席されています。11本にわたる一連のブログ記事を公開されており、かなり読み応えあります。

サクサムは凄かった…カリフォルニア・ワインズ・サミット前夜
リトライが赤も白も人気…シャルドネの新潮流
ターリーのジンファンデル…バッセMWもお気に入り
クッチとロスト&ファウンド…注目の新世代ピノ
熟成セインツベリーとJ・シュラム
ファイラとスクリブ…カリフォルニアのピノで衝撃の発見
ヒロ・シェフのフュージョンde一息…TERRAにて
MSとMWの凄さ、秒速の判断…カベルネ漬けの一夜
カリフォルニアはヴァリュー・ワインの宝庫
ゴージャスなデュモルとスタイリッシュなタブラス・クリーク
まんま和食のミーナとジャン・シャルル・ボワセの勢い

僕もそのうち、招待されるようになりたいものです(笑)。
Date: 2013/1009 Category: 健康
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8月末にランニング中、転倒して骨折。まだギブス生活が続いています。

実は転んだ後は骨を折った肘よりも、激しくすりむいた膝の方が重症かと思っていました。こちらも治るまで3週間くらいかかったのですが、治った後も皮膚がまだ薄いのでテープを貼っています。

このテープ、医者でもらったのですがなかなかいいのです。普通絆創膏をずっと貼っておくと蒸れて何とも言えない臭いになったり、毛に貼り付いて剥がすのがむちゃくちゃ痛かったりしますよね。

このテープの場合、結構肌にしっかり密着して剥がれにくいのに、いざ剥がすときはそれほど痛くないのです。さらに通気性がいいので、剥がした跡もさっぱりとしています。シャワーをかけても大丈夫です。

ほぼ治ったなという傷に貼るのには絆創膏よりずっといいと思います。市販はされていないのかと思ったら、一般用のものも出ているようです。一家に1つどうぞ。

Date: 2013/1009 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「カルト・ワイン」の1つとして有名なColgin(コルギン)のセミナーに参加しました。この夏、Colginの社長に、Harlan傘下Bondの支配人だったポール・ロバーツ氏が就任というちょっとびっくりなニュースがあり、そのポール・ロバーツ氏が来日して説明しました。また、ポール・ロバーツ氏の移籍と関係あるのかどうかは分かりませんが、日本のインポーターがHarlanと同じ中川ワインに変わっています。

ポール・ロバーツ

ColginのオーナーはAnn Colgin氏。米国からロンドンに留学して美術を勉強し、オークションハウスとして有名なクリスティーズに入社しました。美術部門の向かいがワイン部門で、マイケル・ブロードベントなどの有名人と知り合いになってワインにも興味を持つようになりました。

その後、有力なオークションハウスのサザビーズに招かれ、ロスアンゼルスでワインのオークショナーになりました。

ナパにもしばしば訪れるうちにワインを作りたいと思うようになり、ヒルサイドの畑を探すうちに、ナパの東側にあるプリチャード・ヒルに土地を見つけました。

最初のヴィンテージである1992年のワインが市場に出たころは、まさにカルト・ワインの繚乱期。ヘレン・ターリーが作ったワインはその1つとして注目されるようになりました。これまでColginのワインはWine Advocate誌で6回100点を取っており、Harlanなどと並んで、ナパの最高のワインを作っています。

なお、当時の夫であるフレッド・シュレーダー氏は現在はSchrader Cellarsのオーナー。こちらも近年100点ワインを連発して、カルト・ワインの仲間入りをしています。

さらに、現在の夫のジョー・ウェンダー氏はブルゴーニュのメゾン・カミーユ・ジローのオーナーと、ワイン業界の一番きらびやかなところにいると言っても過言ではないかもしれません。

» 続きを読む

Date: 2013/1007 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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将来自分でワインを作ってみたいと考えている人は少なからずいると思います。今日はそんな方へのツアーの案内です。

とはいってもカリフォルニアではなく、もっと身近な山梨・勝沼。10月19日、新宿からの日帰りバスツアーです。

定年後にワイン作りを始めた東夢の高野社長、アルガブランカ・イセハラで有名な勝沼醸造の有賀社長の話が聞けるという充実した内容です。

山梨県の職員もアテンドするので、まじめにワイン作りに興味があるなら参加して損はないと思います。

詳しくはこちらから。
Date: 2013/1006 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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いわゆるカルト・ワインの中でもスクリーミング・イーグルと並んで一目置かれているのがハーラン・エステート。オーナーであるBill Harlanの息子、Willが新しいワイナリを始めました(A Napa-Valley Master Inspires a New Generation - WSJ.com)。

ワイナリ名はMascot。ワインはカベルネ・ソヴィニョン。2008ヴィンテージを75ドルで販売します。

実はこのワイン、HarlanやBondの畑の中で若すぎて使えないブドウを集めて作ったもの。さすが、Harlanでないとできないプロジェクトでした。今回の生産量は500ケースですが、将来は1000ケースまで増やす意向です。

Willは1987年生まれ。デューク大学を卒業後はコロラドでWebサイトの運営などをやっていたそうです。Harlanを200年続くワイナリにしたいと公言しているBill Harlanにとっては、引き継いでくれる人材が戻ってきたことは嬉しいのでしょう。
Date: 2013/1004 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日、カリフォルニアワインのインポーターとして有名な中川ワインの試飲会に行ってきました。カルト系のワインのラインナップも凄かったのですが、一番印象に残ったのは3000円台のシラーでした。

ワイナリはCopain(コパン、ワイナリ記事はこちら)。Tous Ensemble(トゥザンサンブル)という安価なシリーズのシラーですが、濃すぎず薄すぎず実にいい感じ。ブラインドで飲んだら1/3くらいの人はピノ・ノワールだと思うんじゃないかという味わいでした。

これで3000円台は「買い」ですよ!

ほかにも新着のピノ・ノワールやシャルドネなど、おもしろいのがいろいろありました。その辺りもまたショップに入ってきたら紹介します。

Date: 2013/1003 Category: 業界ニュース
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ソノマに新しいAVAができました。名前はMoon Mountain Districtです(Feds approve Moon Mountain AVA in Sonoma Valley | The Press Democrat)。

場所はマヤカマス山脈の西側。ソノマ・ヴァレーの中にあるサブAVAという位置づけになります。有名なところではMonte Rossoの畑が、このAVAに含まれます。

ちなみに、Paso Roblesでは11のAVAが同時進行で申請中です。AVAを覚えるのも一筋縄では行きません。
Date: 2013/1002 Category: おすすめワイン
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シャトー・ペトリュスでもワイン作りをした実力派ワインメーカーDavid RameyのワイナリがRamey Wine Cellars。クラレットやカベルネ・ソヴィニョンとHydeやHudsonといったCarnerosの畑のシャルドネで有名なので、なんとなくナパのワイナリのように思っていましたが、実はソノマのHealdsburgにあります。

先日、それに気付いてワイナリ紹介を書いたところですが、たまたま柳屋でも新入荷で出ていました。

ソノマ・コーストのシャルドネが輸入元変更などで税抜き4000円台というありがたい価格。しかもブドウの提供元はどれも単一畑で出てもおかしくないところ。マルティネッリが単一畑を作るCharles Ranchが61%を占めるのに加え、Ramey自身が単一畑で95点(WA)を取っているPlattが15%、Aubertなどで知られるRitchieが5%など。

単一畑のワインと比べると新樽率が25%と低いといったことはありますが、飲みやすさや料理への合わせやすさで言えば、そちらを選ぶ人も多いでしょう。



ちなみにWAで95点のHudsonも出てます。

Date: 2013/1001 Category: 業界ニュース
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渋谷にワイン好きのためのArchitecture&Plan - 建築と間取り | Wine Apartment ワインアパートメントが10月1日、誕生します。

一種のワンルームマンションですが、(1)各部屋に26本入りのワインセラーが付属、(2)地下に最大1万本収納できるワインカーヴがあって利用可能、(3)レンタルグラスを用意、(4)押上の人気ワインバー「遠藤利三郎商店」が1Fにあり、ケータリングでも利用可能)、(5)ソムリエが常駐し、イベントが開かれたり、100種類のグラスワインを用意したりする、といったワイン好きにとってはいたれりつくせりの仕様になっています。

気になる賃料は239,000円~258,000円。このほか2万円の管理費が必要。地下のカーヴは月額18,000円~(168本~)。

月30万円くらいかかることを考えると、相当お金が余っている人がセカンドハウスとして利用とか、ワイン関係の会社がパーティスペースとして利用、といったことぐらいしか思いつきません。

いったいどういう人が借りてどのように使うのか、気になりますね。優雅なワインライフが待ち受けているのでしょうか?
Date: 2013/0930 Category: 業界ニュース
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サンタ・バーバラで、一番有名なレストランといっても過言ではないWine Caskが30週年を迎え、2013年9月30日に記念パーティが開かれます(The Wine Cask Celebrates Its 30th Anniversary The Santa Barbara Independent)。

Wine Caskの創設者はDoug Margerum。自身でワインも作ります。

毎春行う試飲会はサンタ・バーバラのワインのショーケースとして知られており、サンタ・バーバラのワインの発展に、このレストランが大きな役割を果たしました。

ところが、2007年にMargerumはレストランを売却。新しいオーナーは2009年にレストランを閉めると発表しました。

そこでMargerumがレストランを買い戻し、ついに30週年を迎えたわけです。

今後とも頑張って行ってほしいものです。
Date: 2013/0926 Category: 業界ニュース
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明らかに怪しいワインショップのサイトができています。

20130926-fraudshop.png

どう怪しいかというと、既存のワインショップのサイトの写真や説明文などをそのまま掲載しているのです。例えばWassy'sの店長「ハダノリ」さんが作った「ハダノリ」セットなどがあるわけです。

ウイルスなどが仕込まれている可能性もあるのでURLは載せませんが、ともかく怪しいサイトで買い物をしないようにしましょう。

まず、まっとうなサイトであれば最低限特定商取引法で定められている、住所や責任者の名前などがあるはずです(下は例。上のサイトのではありません)。

20130926-shotorihiki.png

それもないサイトには近寄らないのがベストです。
Date: 2013/0926 Category: おすすめワイン
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柳屋でレンウッドのジンファンデルClarionが金曜日まで特別価格で出ています。通常税抜き3500円が2980円。3本で送料無料となります。

Clarionは正確に言うとジンファンデルとシラーのブレンド。今回の2010年ものはジンファンデルが75%とのことですから、ジンファンデルという品種表記も可能ですが、ワイナリでは特にそう名乗ってはいません。

レンウッド(Renwood)はアマドール・カウンティのワイナリで、ジンファンデルを得意としています。甘い濃厚系ジンファンデルではなく、やや硬質な引き締まった味わいのジンファンデルを作るワイナリです。



同じページに出ているジラードのジンファンデルは個人的に好みのワイン。ふくよかでありつつエレガント。ジンファンデルを敬遠している人にも飲んでほしいワイン。


同じくボーグルは飲んだことありませんが、気になるワインです。

Date: 2013/0925 Category: 業界ニュース
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故ロバート・モンダヴィが手がけた最後のプロジェクトであるContinuum(コンティニューム)。プリチャードヒルの新しいワイナリにおける醸造が始まりました(‘Historic day’ as friends gather for first crush at Continuum)。

Continuumのオーナーはロバート・モンダヴィ次男のティム。当初はモンダヴィの持つナパでも最高の畑の1つであるトカロンのブドウを使っていましたが、トカロンからの提供は期限付きだったので、プリチャードヒルにあったCloudviewの畑とワイナリを買い取ったのでした。ロバート・モンダヴィも亡くなる前に見に来たと言われています。

2013年の醸造を始める記念日にはMike Grgich、Warren Winiaskiといったロバート・モンダヴィの「弟子」達が集まり、収穫を祝いました。ティムは、アイザック・ニュートンの名言である「私がさらに遠くを見ることができたとしたら、それはたんに私が巨人の肩に乗っていたからです」と挨拶しとか。

Date: 2013/0924 Category: おすすめワイン
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今、カリフォルニアで一番注目されているワイナリの1つと言っても過言ではなさそうなのがPaul Lato(ポール・ラト)。例えば、Wine Advocate誌で、ピノ・ノワール、シャルドネ、シラーの3品種すべてにおいて96点以上を取ったことがあるカリフォルニアのワイナリを調べてみたところ、Paul LatoとRoarの2つしかありませんでした。しかもRoarはどれも最高が96点なのに対し、Paul Latoではシラーが98点、シャルドネが97点、ピノ・ノワールが96+点。後はピノ・ノワールで97点以上が出れば、この3品種の実力でまさにトップと言えるでしょう。

安定度も極めて高く、2011年のワインで14種レビューされている中で最低点でも93点、過半数が95点以上でした。

私自身はこれまでピノ・ノワールのLancelot(Pisoni)を試飲したことがあるだけですが、他のワインもものすごく気になるところです。

日本にはこれまでピノ・ノワールとシャルドネの一部のワインだけが入ってきていましたが、ついにシラーも入荷。Zotovichのピノ・ノワールも追加され、「本拠地」とも言えるサンタ・バーバラのワインが充実してきました。

Date: 2013/0922 Category: ワイン本
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なかなか終わらなかったソノマのワイナリ紹介、やっと目標だった100も超え、いくつか落穂拾いで追加して、ひとまず107個で打ち止めにすることにしました。最後のワイナリはここです。

Flowers Vineyard & Winery: ソノマ・コーストの大人気ワイナリ

終わりを意識しだしたころから、なんとなく最後はFlowersと思っていました。難関だったソノマ・コーストを代表するワイナリだからです。

原則1ワイナリについて1つと決めている写真はCamp Meting Ridgeの畑と太平洋を俯瞰する写真にしました。ラベル写真とどっちがいいか悩ましかったのですが、ちょっとマニアックすぎたかも。
Camp Meeting Ridge

これでようやく『無敵のカリフォルニアワイン講座《ソノマ編》』が作れるところまで来ましたが、まだいくつかやることがあります。AVAごとの紹介記事を書かないといけないし、書き下ろしの記事も追加したいし。

ワイナリ記事も、サンフランシスコ市内のいくつかのワイナリを追加しようと思っています。

なんとか10月前半中には上げたいものです。
Date: 2013/0921 Category: 業界ニュース
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ワインの劣化として代表的なのがブショネ。コルク臭と呼ぶこともあります。カビ臭いとか、湿った新聞紙のような、などと形容される臭いですが、これが本当の臭いではないという研究結果を大阪大の竹内裕子助教らが発表したそうです(ワインのカビ臭さ、嗅覚遮られる不快感だった? : 科学 : YOMIURI ONLINE(読売新聞))。

ブショネの原因となる物質は分かっていて、2,4,6-トリクロロアニソール、通称TCAといいます。ただ、ブショネの臭いはこの物質の臭いそのものではないそうなのです。

TCAは「においを神経に伝達する機能を抑え込み、においを感じ取れなくしている」とのことで、これによって不快な臭いがあるように感じられるそうです。

参考記事: 【保存版】ブショネのワインを救う方法
Date: 2013/0919 Category: 業界ニュース
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漫画『神の雫』で2回にわたって大きく紹介され、人気の高いDiatom(ダイアトム)の漢字ラベルワイン。2011年が最終ヴィンテージになるというのは以前の記事でお伝えしました。

2012年からどうなるかは当時、ラベルを奥様が書いた杉本隆英さんから「10月には発表」とだけ伺っていたのですが、ついにそれが明らかになりました(Ch.igai Takaha Chardonnay 2012)。

結論としてはCh. Igai Takaha(シャトー・イガイ・タカハ)から、これらのワインが出されます。醸造はもちろんこれまで通りGreg Brewer(グレッグ・ブリューワー)。

これまでと違うのは、シャルドネだけでなく、ピノ・ノワールとヴィオニエも作られること。

美夜と波紋はシャルドネで2013年11月リリース。風音と鼓動はピノ・ノワールで、2014年2月リリース。そして2013ヴィンテージから花偲がヴィオニエとして2014年初夏のリリース予定です。

これまで以上に日本人の味覚に合ったものが作られる可能性があるわけで、これは楽しみですね。
Date: 2013/0916 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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シャトー・イガイ・タカハのオーナーとして知られるナパさんこと杉本隆英さんが選んだワインをセットで販売するという企画「杉本セレクション」がVin du 268で始まっています。

第1回はソヴィニョン・ブラン2本。あのグレッグ・ブリューワーが醸造するシャトー・イガイタカハ クロスド・ウィング ソヴィニョン・ブラン2012と、Pisoni Vineyardsのジェフ・ピゾーニが作るルリのソヴィニョン・ブラン。

通常価格が送料抜き税込みで6363円のところを送料無料の税込みで5460円。送料は通常630円なので実質2割以上の割引になっています。ソヴィニョン・ブラン好きとしても見逃せない企画です。

Date: 2013/0916 Category: 読書感想
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カリフォルニアはバークレーにあるシェ・パニースといえば、カリフォルニア料理の発祥のレストランとして有名であり、そのオーナーのアリス・ウォーターズは偉大なる成功者として尊敬されている。

1971年にシェ・パニースが開店してから約40年、本書はその足跡を丹念に追ったものだ。

で、一読して分かるのは上記のような成功者のイメージと実際のレストランの状況が大幅に異なっていること。レストランは料理の評判こそ落ちたことはないが、経営状態としては綱渡りの連続であり、シェフも度重なる交代を経てきている。アリスのレストランではあるが、アリス自体がシェフとして腕を振るった時期は必ずしも長くない。

それでもシェ・パニースが続いてきたのはアリスの楽天性と、それを支えようと思う友人達、および父親の力が大きかったように思える。例えば、アリスは何度となく男性と付き合い、別れているが、別れた相手とはその後も友達付き合いが続いている。

最初から、カリフォルニア料理を作っていたわけでも、そのようなものを目指していたわけでもないことも驚きだった。例えば初期のシェフであるジェレマイア・タワーの料理はほぼ純粋なフランス料理だったというし、アリス自身も最初はフランス料理を作っていた。

ただ、スローフード的志向は初期からあり、アリスにとってはそれが一貫したものになっていたように感じる。学校の校庭で野菜をつくる食育菜園の活動に熱心になるのも、その発展とかんがえられる。

いろいろなことを考えさせられたし、カリフォルニア料理の発展を知る上でも読む価値のある本である。

また、本書の装丁は昨年発行された「アート オブ シンプルフード」と一貫している。合わせて読みたい本だ。



Date: 2013/0914 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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以前「一度開けたワインを何年間もフレッシュに保つ革命的な新製品「Coravin」が登場」という記事で紹介したCoravinのレビューが著名なワインブログVinographyに載っていました(Coravin and the Future of Wine-by-the-Glass - Vinography: A Wine Blog)。

今回のレビュー、Coravinから提供を受けたサンプルの製品を使っているとのことで、全くの中立性とは言いがたいかもしれませんが、永年信頼されているブログの記事ですから、いわゆるステマではないといっていいでしょう。

レビューの結果ですが、少なくとも使っている範囲では謳い文句に偽りなし、仮にそのまま何年も持つというのが、宣伝の半分の期間だったとしても、レストランのグラスワイン提供など、根本的に変えてしまう可能性があるとしています。

また、記事ではオークションにおける偽造防止にも使われる可能性があると示唆しています。

個人的には、グラス1杯だけでもちょっとワインが飲みたいときとか、なかなか開ける機会がないデザートワインをちびちびやるなどにいいなあと思います。

ますます使ってみたくなりました。
Date: 2013/0914 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワインハウスタカムラに、「リッツ・カールトン大阪での試飲会で一番人気」だったというスパークリングが出ていました。Rack & Riddleというワイナリ。僕も初耳でした。

調べてみたところ、メンドシーノのHoplandというところにあるワイナリで2007年に作られたそうです。ワイナリとカスタム・クラッシュ(他のワイナリに醸造設備をカスサービス)をやっているというちょっと珍しいところでもあります。

創設者のRebecca FaustとBruce LundquistはそれぞれPiper Sonoma、Jとスパークリング・ワイン作りに携わっていたとのこと。

畑についてなど、細かいことはサイトにも書いてありませんでした。タカムラのページには「オーガニック認証も取得しているこの泡で」とありましたが、設備は認証を得ていますが、このワインのブドウについては書かれていないので話半分くらいに聞いておいた方が良さそうな気がしました。

ともあれ、2000円台でブラン・ド・ブランというのも意外とないかもしれません。「200種以上の中で、キラ星のように輝いていた逸品!!」だそうなので、気になるところです。

追記:Crushpadでもスパークリングはここに依頼していたとか。実力は確かなようです。

Date: 2013/0912 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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訪れたいカリフォルニアのワイナリという記事がFood&Wineに出ていました(Best California Wineries to Visit | Food & Wine)。

ソノマ、メンドシーノ、ベイエリア、サンタ・バーバラ、パソ・ロブレスの各地域のワイナリが上がっています。

Banshee
Bella
Benziger
Copain
Dutton-Goldfield
Gloria Ferrer
Hanzell
Iron Horse
J Vineyards
Jordan
Joseph Phelps, Freestone Vineyards Guest Center
Lioco
Lynmar
Medlock Ames
Paul Hobbs
Partake by K-J
Quivira
Ravenswood
Red Car
Ridge
Scribe
Stonestreet
Wind Gap
Woodenhead

太字にしたのは既にワイナリ紹介で書いたところ、イタリックはこれから書く予定のところ。ということで、知らないワイナリはまだまだ多いなあと思いました(知っていてドロップしたのもあるけど)。

というわけで、かなりマニアックなリストになっているような気がします。
Date: 2013/0912 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の208号でカレラのピノはおしなべて高評価でしたが、中でも注目度が高いのはミルズ。一番人気のジェンセンと同じ96点と評価されています。

個人的な印象ではミルズは優等生タイプ。評価の振り幅の大きかったカレラにおいて、一番安定してそこそこいいワインになるというイメージです。2番手、3番手のイメージだったので、ついにスポットライトが当たったか、という感じです。指原さんがAKBでセンター取ったようなものか?(と、よく知らないのに書いてみる)

個人的には個性の強いド・ヴィリエやセレック(入手困難だけど)に惹かれるものがありますが、ミルズなんてよk知らないよという人にもこの機会に飲んでもらいたいものです。

幸い価格も高騰せず、今も5000円台で入手可能です。
Date: 2013/0908 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアではないので、個人的には興味の対象外ですが、柳屋に出ていたのでお知らせまで。

Date: 2013/0908 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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サンタ・バーバラでボルドー系品種を作るワイナリの中で大きな注目を集めているJonata(ホナタ)のワインがカリフォルニアワインあとりえで安く出ています。

あとりえのPC版ページにはちょっと詳しすぎてよくわからない解説が載っていますが、私の確認している範囲でJonataについて説明しておきます。

Jonataはサンタ・バーバラのSanta Ynez Valleyに2000年に作られたワイナリ(デビュー・ヴィンテージは2004年)。創設者は後にScreaming Eagleを買収して知られることになったCharles Banks。ワインメーカーは、後にScreaming Eagleで有名になり、今や超人気ワインメーカーとなったAndy Erickson。サンタ・バーバラの中では比較的温暖な地域でボルドー系品種を中心に作っています。

2009年にCharles Banksは離れ、Screaming Eagleの共同オーナーだったStan Kroenkeが、現在Jonataを所有しているはずです。ワインメーカーはMatt Deesという人。ワイン作りを正式に学んだことはないものの、天才的な感覚と、タンニンについての独自の考えを持っている人のようです。

2007年のLa Sangre de JonataというシラーがWine Advocate誌で98-100という高評価を得ており、最新のWine Advocate誌セントラル・コースト特集でもボルドー系品種のワインで最高評価の97(2009のEl Desafio de Jonata)を得ています。

今回は4種のワインがいずれも格安です。

2008年のEl Alma de Jonata(エル・アルマ・デ・ホナタ、カベルネ・フラン中心のブレンド)が1万1500円(価格はいずれも税抜き)。ワイナリの蔵出し価格125ドルを下回っています。Wine Advocate誌では96点。
同年のEl Desafio de Jonata(エル・デサフィオ・デ・ホナタ、カベルネ・ソヴィニョン中心のブレンド)もワイナリの蔵出し価格125ドルが1万1500円。Wine Advocate誌では94点。
2009年のLa Flor de Jonata(ラ・フロール・デ・ホナタ、ソヴィニョン・ブランとセミヨンのブレンド)は蔵出し価格60ドルが6200円。Wine Advocate誌では93点。
2008年のTodos Vineyard Blend(トドス・ヴィンヤード・ブレンド、65%のシラーに18%のカベルネ・ソヴィニョンなどをブレンドしたもの)は蔵出し価格50ドルが4650円。Wine Advocate誌では92点。

今の為替の状況だと、今後のヴィンテージでこの価格が続く可能性は低く、今が買い時でしょう。
Date: 2013/0907 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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オーパス・ワンが2010ヴィンテージの出荷を始めました(Opus One Releases "Most Challenging Vintage" Ever )。

2010年は生育期間の前半は気温が低く雨も多く、一方で秋には急に暑くなったりした難しい年。ワインメーカーのマイケル・シラッチは、これまでの年よりも早い段階で収穫したとのこと。

その結果、アントニオ・ガッローニのVinousmediaでは97点という全ヴィンテージで最高の評価を得ました(過去記事)。そして、「オーパス・ワンは2010ヴィンテージで、ついにこのブランドのイメージや価格と釣り合ったレベルに達した」と評価しています。

オーパス・ワンの価格も、一時は100ドル台の前半だったのが近年は200ドル超が当たり前に。国内の価格も上昇傾向にあり、品薄にもなっています。いつでも買えるワインから、見つけたときに買っておかないといけないワインに戻っており、このあたりはRobert Mondaviから離れて独自にブランド管理するようになった効果なのかと思います。

2010年はまだ日本には入ってきていませんが、かなりの人気になりそうです。

【2013.11.7追記】日本でも出荷が始まりました。「オーパス・ワンの新ヴィンテージは当たり年か?」をご参考に

楽天ではこれが最安値
Date: 2013/0905 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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その1その2もどうぞ。

さて、最終回は瓶熟庫から試飲です。写真のところからセラーに入っていきます。
cellar.jpg

入ると正面が前回紹介した樽の熟成庫で、右に入って行くとボトルの熟成庫があります。

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Date: 2013/0904 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワイン・インスティテュートの寄付講座として開催される、アカデミー・デュ・ヴァンのカリフォルニアワイン講座が今年もあります。

受講料2100円で、小売価格が7,000円を超えるようなワインを含む6種類が試飲でき、さらにおみやげのワインまで付きます。

昨年の講座の様子はこちら

人気講座なので申し込みはお早めに。ただし、一度受講した人は受けられないとのことなのでお気をつけください。

青山校
http://www.adv.gr.jp/cat/curriculum/tokyo/201310T/class/T-1310-9T.html

大阪校
http://www.adv.gr.jp/cat/curriculum/osaka/201310K/class/T-1310-2K.html
Date: 2013/0903 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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その1の続きです(その3もあります)。

畑では剪定についても話を伺いました。垣根栽培の畑ではギョイヨと呼ばれる剪定を基本的に採用しています。写真で示すとこんな感じです。
ギョイヨ

地面から腰の高さくらいまでの幹の部分はもちろん、毎年成長していきます。そこから垣のワイヤーに沿って横に伸ばすところは2年めの枝です。2年めの枝からは15cmおきくらいに、上に枝が出ています。これが今年の枝です。

ブドウの実は基本的に今年の枝にだけ付きます。それを1つの枝について1房だけ残すようにすると写真のように、2年めの枝の下くらいに実が横に並ぶわけです。実が枝の下に横並びで付くことにより、収穫が楽になったり、ブドウの実の風通しがよく、病気を防ぐなどのメリットがあります。

この畑だと樹が1m間隔で、そこに6~8房付ける形になります。ちなみにメルローの場合は1本からワインフルボトルが2本くらい、カベルネ・ソヴィニョンの場合は1.5本くらいできる計算になります。

冬になって枝を切る際に、今年の枝を1本残し、それを翌年横に伸ばす枝として使います。登美の丘では枝の過剰な生育を抑えることや作業性の向上などを考えてこの剪定方法を使っているそうです。

なお、ボルドーなどに比べて実の付く位置が高いのは、湿気から実を守るため、とのことでした。

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Date: 2013/0902 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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サントリー主催のブロガーイベントで山梨県にあるサントリー登美の丘ワイナリーに行ってきました。国内のワイナリに行くのはほぼ10年ぶり。3回に分けて紹介していきます(その2その3)。

登美の丘ワイナリーは甲府駅から車で30分程度。今回は甲府駅集合でした。

甲府まではあずさです。取り敢えず「あずさ2号」を口ずさんでしまうのはお約束ということで。
あずさ

そこからバスでワイナリーに。登美の丘は甲府盆地を見下ろす形になっており、麓から一番高いところまでは標高差200mもあります。丘というよりちょっとした山です。これだけ上がったところなのでテラスからは雄大な景色が広がります。この日は残念ながら雲がかかっていましたが、天気がいいときは正面に富士山が見えるとのこと。
テラスからの景色

登美の丘ワイナリーらしいものをパチリ。
tominooka.jpg

まずは食事です。
レストラン

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Date: 2013/0901 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天スーパーセールでいつも大盤振る舞いのVin du 268。今回もシャトー・イガイ・タカハのラベル汚れものなどを半額で出しています。

特設ページはこちら

イガイ・タカハでは「日本で飲もう最高のワイン」でメダルを受賞したワインが出ています。販売期間限定なのでお見逃しないように。

販売期間:2013年09月01日00時00分~2013年09月03日00時00分


販売期間:2013年09月01日00時00分~2013年09月04日00時00分



販売期間:2013年09月01日06時00分~2013年09月02日18時30分



販売期間:2013年09月01日08時00分~2013年09月02日15時59分


販売期間:2013年09月01日18時00分~2013年09月02日18時00分
Date: 2013/0901 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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9月1日から4日の1時59分まで楽天のスーパーセールを開催しています。

カリフォルニアワインあとりえでは、人気のフランシスカンが格安。オーパス・ワンの隣、という売り文句にどれだけ意味があるかどうかは分かりませんが、良質のワインを低価格で作るワイナリであることには異存ありません。

通常、2000円台後半で売られていますが、あとりえではカベルネなどが2000円そこそこという安さ。さらにフラグシップで5000円くらいするマニフィカも3000円台。6本買うと送料無料なので狙い目です。

Date: 2013/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の208号で一躍高評価を得たTorrin。パソ・ロブレスにあるローヌ系の赤ワイン専門のワイナリです。

ここが2010年ヴィンテージから作り始めたワインの名前が「Tsundere」。そう、「ツンデレ」です。

ツンデレが日本語としてどれだけ浸透しているのかわからないので、念のためににWkipediaによる説明を引用しておくと、
ツンデレは、特定の人間関係において敵対的な態度(ツンツン)と過度に好意的な態度(デレデレ)の両面を持つ様子、又はそうした人物を指す。
となっています。

TorrinのTsundereはカベルネ・ソヴィニョン40%に、シラーが26%、グルナッシュが24%、タナが10%というブレンド。最初はとっつきにくいけど、だんだん美味しくなるということで、この名前を付けたようです。

なお、ワイナリの説明には
The word Tsundere is taken from Japanese theatre. It represents a character that starts off a bit unapproachable and gruff only to become warm and loving as time progresses.

とあります。もしかすると、オーナーはアニメファンだったりするのかもしれません。

あー、肝心なことを書くのを忘れていましたが、Wine Advocateではこのワイン96点という高評価です。ぜひ、萌えキャララベルを付けて日本に出荷してほしいものです。
Date: 2013/0831 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の208号が公開されました。毎年恒例のセントラル・コーストの特集。今年からはJeb Dunnuck(ジェブ・ダナック)という人がレビュアです。The Rhone Reportというローヌ系品種専門のニューズレターを出していた人なので、ローヌ系が手厚いレビューになりました。

高得点のものを見てみると、旧ヴィンテージの100点2本を含め、Sine Qua Nonが上位にズラッと並ぶのは毎年恒例。加えて、SaxumやL'Aventure、Alban、Tablas Creekといったパソ・ロブレス組のシラーなどローヌ系ワインが食い込んでいるのも同様です。

目新しいところでいうと、2006年が最初のヴィンテージだというTorrinというワイナリ。有名なJames Berry VineyardのシラーによるAkasha 2010というワインで98点を取りました。まだ価格も60ドル程度。人気急上昇が予想されます。

得点上位に赤ワインが並ぶ中、Paul Latoのシャルドネle Souvenir Sierra Madre Vineyard 2011が97点と高得点。今のところ日本には入っていないようですが、どうなるでしょうか。Paul Latoはピノ・ノワールでも最高96+と今回も高評価でした。

人気のカレラは単一畑のピノ・ノワールだけレビューされていました。Jensen(ジェンセン)とMills(ミルズ)が96、Selleck(セレック)が95、Ryan(ライアン)とde Villiers(ドゥヴィリエ)が94、Reed(リード)が93(いずれも2010年)という安定さ。いや、近年のカレラはすごいですね。

Screaming Eagleの元オーナーが出資しているJonata(ホナタ)と、その兄弟ワイナリThe Hiltも総じて高得点。

Au Bon Climatのイザベル2010も93点と高評価でした。

今回、1400本近いワインがレビューされていて充実しているのですが、1つ気になったのがSanta Cruz Mountainsのワインが含まれなかったこと。ローヌ系からは遠いところにあるからでしょうか。SCMは誰がレビューするんでしょう?

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Date: 2013/0831 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日「旨安」代表として紹介したマクマニス(日本ではマックマニスと書くのが普通のようなのでこれからはそれに合わせます)ファミリー。かわばた酒店では1本1250円と、米国価格にさらに近くなっています。

美味しいので、飲んだことない人もぜひ騙されたと思って飲んでみてください。

Date: 2013/0829 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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日本では、1万円を超えるのが当たり前のキスラーですが、唯一買いやすい価格で出ているのが、シャルドネのレ・ノワゼッティエール。米国との価格差も比較的少なくなっています。

米国では2011年が出ていますが、日本では2010年が最新ヴィンテージ。なお、2011年はWine Advocate誌で91点。同ヴィンテージの単一畑だと92-94点というのが多いので、健闘しています。

ウメムラで税抜き7000円台というのは、かなり安めです。キスラー入門としてお薦め。

Date: 2013/0828 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインブロガーからワインメーカーへ、ワイン好きなら誰でも夢見そうな経歴をたどっているのがWilliam Allenさんです(From Blogger to Winemaker: The Wines of Two Shepherds - Vinography: A Wine Blog)。

バミューダで生まれ、オーバーン大学で学んだアレンはAT&Tに就職し、出張でナパにも行くようになりました。しばらくは、ナパのビッグなカベルネにはまったものの、今度はソノマでピノ・ノワールに出会い、ソノマのワインの信者になりました。そして2008年にSimple Hedonismというブログを始めました。

並行して、自宅ガレージでビールを作り始め、当然それはワインに移っていきました。最初は濃縮果汁を買って作っていったのが、自身でブドウを買い付けるようになるまで長くはかかりませんでした。

そして2010年にTwo Shepherdというワインブランドを立ち上げたのです。ソノマのRussian River Valleyのブドウからシラーやグルナッシュなどを作っています。ブログのおかげでワインの販売は順調に進んでいるとのこと。

アレンは、今もサラリーマンでありながら、ブログを書き、ワインを作っています。収入面から、ワイン専門で進むことは考えていないとのこと。それにしtも、こういう人生、いいですね。
Date: 2013/0824 Category: 技術系
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正確に覚えていないのですが、1999年8月18日前後に「カリフォルニアワインの玄関口」(当初の名称は「カリフォルニア・ワイナリーの玄関口」)をオープンしたので、早14年が経ちました。

ブログを始めてからも、ほぼ10年半(2003年3月に始めた最初のブログは「Memorandum」、2004年4月から「お勝手口」、現在の2代目「お勝手口」は2006年2月から)。

今年はブログ10周年とのことで、おりしも「ブロガーサミット」なるイベントも開かれていますが、自分にとってのサイトやブログについて、ちょっと書いてみたいと思います。

» 続きを読む

Date: 2013/0824 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロスアンゼルス・ラムズが1999年、スーパーボウルで優勝したときにヘッドコーチを務めていたディック・バーミールがナパに新しいテイスティング・ルームをオープンしました(Football legend and Calistoga native Dick Vermeil opens a tasting room in Napa)。

20130823-dickvermeilwine.jpg
写真提供:Peter Stetson

元々ナパのカリストガの生まれで2009年からバーミール・ワインというブランドでワインを作り、カリストガにテイスティング・ルームを持っていました。新しいテイスティング・ルームは「1018 First Street」と、ナパの中心地になります。


大きな地図で見る

なお、写真のワインに入っているXXXIVの文字は、スーパーボウルで優勝したのが第34回だったことにちなんだもの。規約に厳しいNFLに目をつけられないギリギリの線だそうです。
Date: 2013/0823 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本でも人気があるワイナリであるナパのClos Pegase(クロ・ペガス)がVintage Wine Estatesに売却されました(Napa's Clos Pegase Winery bought by Vintage Wine Estates)。買収金額は明らかになっていません。

clospegase.jpg

Clos Pegaseはカリストガにあるワイナリ。ワイナリの敷地内には様々な芸術作品があしらわれています。日本とのゆかりが深く、創設者でこれまでオーナーだったJan Shremは日本で翻訳書の出版で財をなした人。俳優の石田純一と東尾理子さんの結婚式は、ここのオーナー宅で開かれました。2011年に亡くなった奥さんは日本人のミツコさんで、Mitsuko's Vineyardによるシャルドネやメルローがここの一番人気ワインです。

ワイナリを売却した理由も明らかではありませんが、おそらく奥さんを亡くし、引退したくなったのではないかと想像しています。

購入したVintage Wine EstatesはナパのGirardやCosentinoなどを所有するワイングループ。グループのポートフォリオを埋めるのに最適な選択だとしています。
Date: 2013/0821 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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国内価格1500円以下のカリフォルニア・ワインでは、ナンバーワンだと思うマクマニス(マックマニス)ファミリーのワインが久しぶりに入荷しています。

ここのワインについては入荷が安定しないのだけが残念な点。普通、この価格帯のワインだと米国では6~7ドルですが、ここのは米国でも11ドル前後。品質で同価格帯のワインより一歩上なのは明らかです。

しかも、大企業が有利となる低価格市場で、完全に家族経営でワインを作っているのも好感が持てます(作っているのは下の写真の人たち)。

McManis Family

どちらかというと赤がお薦めではありますが、白も悪くないです。

Date: 2013/0819 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの中でも安定して人気があるのがカレラ(Calera)。かつてはロマネ・コンティのエピソードや人工衛星の話ばかりがひとり歩きしている感もありましたが、最近はワインの実力も人気に見合ったものになり、とても優秀なワイナリの1つになりました。

楽天でカレラを買うなら、今はAUTHORITY Styleが一押しです。何回か使っていますが、これまで問題があったこともありません。

お薦めの理由は品揃えのよさと価格。例えば、今、たまにしか入荷しないロゼが入ってきていますが、楽天で検索すると在庫を持っているのは3ショップ。うちAUTHORITY Styleとドラジェという店(ここは使ったことないので評価は省きます)が2980円、柳屋が3129円です。経験的には売り切れた後の補充も結構早いことが多いです。

ほかの店だと、以前はかわばた酒店でよく買いましたが、最近は入荷が減っているような気がします。

【追記】ちょうど、一番レアなSelleckが入荷です。

Date: 2013/0817 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパのレストランにはナパ・ヴァレーのワインは意外と少ないという記事が出ていました(Local Restaurants a Letdown For Napa Valley Wines | Wine News & Features)。

この記事によるとFrench Laundry(ミシュラン三ツ星の有名レストラン)などのナパ・ヴァレーのレストランで、地元のワインはあまり取り上げられていないとのこと。French Laundryの場合はフランス産赤ワインのリストが30ページあるのに対し、「国産」赤ワインは15ページ。グラスワインが25種提供されているうちナパのものは3種だけだったそうです。

同じように、筆者が試したいくつかのレストランでナパ・ヴァレーのワインは、中心的には扱われていなかったとのこと。

ナパのワインは値段が高すぎるとか、アルコール度が高すぎて食事に合わせにくいといった理由も考えられなくはないですが、数百あるワイナリの中には当然コスト・パフォーマンスが高いワインを作っているところもあれば、アルコール度を抑えたワインを作っているとこともあります。それらはあくまでも言い訳であり、実際には「地域の多様性」を重視した結果としか言いようがないと思われます。

旅行者の立場からすると、ナパに行ったらやっぱりナパのワインを飲みたいです。まあ、多くのレストランがワインの持ち込みを許していますから、実際には持ち込みで飲むのでしょうね。

ソノマのHealdsburgにあるDry Creek Kitchenはソノマ産のワインの持ち込みを無料にしているはずですが、そういうレストランがナパにも増えるといいと思います。

なお、Napa Valley VintnersのWebサイトにはローカルのワインを重視しているレストランのリストが載っていますから、実際に行かれる際は参考にされるといいでしょう。
Date: 2013/0815 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ソノマ・コーストの名前を広げた立役者とも言える人気ワイナリFlowers。かつてはどのワインも1万円超えが当たり前でしたが、輸入元が代わった最近ではキャンプミーティングリッジのシャルドネが7000円台、ピノ・ノワールが9000円くらいで出ていたりして、かなりびっくりです。

とはいってもさすがにフラグシップのムーンセレクトともなると、そこまでは安くならないのですが、パリ16区ではムーンセレクト2009が税込み9280円という特価です。

ムーンセレクトのシャルドネ、無茶苦茶美味しいです。一昨年の暮れに飲んだのは感動的でした。

もちろんキャンプミーティングリッジのシャルドネ、ピノ・ノワールもお薦めです。


Date: 2013/0815 Category: 業界ニュース
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サンタ・バーバラを代表するブドウ畑の1つであるBien Nacido(ビエン・ナシード)が今年40周年を迎えました(Bien Nacido Vineyards Press | Wine Scores)。

Bien Nacido Vineyardsを作ったのは、Miller家というカリフォルニアの農家。1969年に土地を買い、1973年にブドウを植えました。ほとんどがシャルドネとピノ・ノワールです。当時としては先見の明があったということでしょう。近年では、この2つに加え、シラーも重要なブドウになっています。

Bien Nacidoのブドウを使うワイナリは数多くありますが、プレス・リリースではSine Qua Non、Au Bon Climat、Ojai Vineyard、Paul Lato、Twomeyを挙げています。

この中でSine Qua Nonは1994年に作った最初のワインがBien Nacidoのブドウによるシラーでした。ワインの名前は「Queen of Spades」。今では3000ドル近くにもなるワインです。現在はシラーの契約はなくなりましたが、白ワインにBien Nacidoのシャルドネを使っており、またグルナッシュ、ムールヴェードル、ルーサンヌ、マルサンヌを少量購入しています。

Bien NacidoのオーナーMiller家は、同じ年にPaso RoblesにもFrench Camp Vineyardsという畑を作っています。Bien Nacidoほど有名ではありませんが、Fetzer、Peachy Canyon、Edna Valley、Fess Parker、Kunin、Hitching Post、Tobin Jamesなどがブドウを購入しています。
Date: 2013/0814 Category: 業界ニュース
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Carnerosのソノマ側にあるピノ・ノワールなどで高い評価のワイナリDonum Estateが畑の大幅な植え替えや拡張に動いています(Donum Estate Replants and Expands - Wines & Vines - Wine Industry News Headlines)。

社長のAnne Moller-Racke(アン・モラー・ラッケ)は、2011年にワイナリをデンマークの投資家に売却しましたが、2012年にはRussian River Valleyに16エーカーの畑を購入するなど積極的に動いています。

今年7月にはワイナリに隣接した40エーカーの畑を閉じ、植え替えを始めます。クローンの最適化が主な目的で、「Donum Selection」と呼ばれているRoedererのクローンを大幅に増やします。このクローンは平らな土地や西向きの土地で特にいいブドウを算出するとAnne Moller-Rackeは言っています。

このほかにはPommardクローンが当初の予想よりも土地に合っている一方で、Dijonクローンの115はあまり合っていないことが判明したそうです。また、Donumクローンの次に使われるのはCaleraクローンだとのこと。

一般消費者としてはクローンの違いによる味の違いまでは、なかなかわかるものではありませんが、畑によって最適なクローンも変わってくるというのは勉強になりました。
Date: 2013/0812 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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15ドル未満で売られるピノ・ノワールの市場が伸びているそうです(The revolution in cheap pinot noir - The Wine Curmudgeon)。売り上げベースで見るとすでにピノ・ノワールの4分の3は15ドル未満が占めています。

詳しく見ると、15ドル未満の市場にも2つのカテゴリーがあるようです。1つは10ドル未満の市場で、消費者はブランドで選ぶことが中心です。例えばBarefootのカベルネやメルローを飲んだ後、何か別なものをということでBarefootのピノ・ノワールを飲む、といった消費行動が推測されます。もう1つは10ドル以上の市場で、消費者はブドウの種類で選びます。例えばMark Westのピノ・ノワールなどが支持されています。

女性や若い世代が15ドル未満のワイン市場に貢献していると見られます。

ここで登場したMark Westは10ドルのピノ・ノワールを作るワイナリとして始まり、2012年に大手のConstellation Brandsに買収されました。今年は売上倍増を睨んでいるとのことです。
Date: 2013/0810 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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ナパの人気観光用電車ワイントレイン。車の運転なしにナパを楽しむ手段としても貴重です。これまで、サンフランシスコからフェリーとバスを使ってナパの駅まで行く方法がありましたが、新たにサンフランシスコ/ベイエリアの鉄道路線BARTとバスを使っていく方法が加わりました(バートコネクション BART Connection | Napa Valley Wine Train)。

BARTコネクション

ナパに行くバスは1日2便。9時15分にBARTのNorth Concord/ Martinez駅を出るバスと同駅を夕方5時15分に出るバスです。前者はランチ用のトレイン、後者はディナー用のトレインに乗車できます。

ナパからは1日1便。午後4時15分にワイントレイン駅を出て5時にNorth Concord/ Martinez駅に着きます。

フェリーの場合、行きはサンフランシスコを8時半に出て、帰りは4時15分発。時間的には同じようなものです。

価格はBARTの駅からのシャトル往復が30ドルなのに対しフェリーとバスでは往復48ドル。BARTの場合、駅までの電車賃が必要なことを考えるとこれも大差ないでしょう。

BARTのメリットは大きく2つあります。1つはディナートレインに乗れること。昼間サンフランシスコ/ベイエリアを観光して夕方ワイントレインを楽しむといったことが可能になります。ただし、帰りのシャトルは翌日便を使うしかないので、ナパで1泊して、翌日の4時まで時間をつぶす必要があります。

もう1つは出発地の融通がきくこと。例えばサンフランシスコ湾東側のBerkeleyやOaklandなどから行くのが楽になります。シリコンバレーの中心であるサウスベイからだと、BARTのFremontまで車などで行く必要がありますが、ナパまで行くのに比べれば楽ですし、ワイントレインでワインを飲んでも、戻るまで何時間かあるので、運転する人もワインを飲めるというメリットがあります。
Date: 2013/0809 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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何回目かの紹介になりますが、評価が高い上に値段が安いドミナス。さすがにどのショップも出るたびにすぐ売り切れるようです。今回も、リンククリックするときに残っているかどうかはわかりませんが、一応紹介しておきます。

セカンドのナパヌックもWine Advocate誌で93点という高い評価で4000円台。セカンド・ワインはブランド料も込みであり、若干割高に感じることもありますが、これは超格安。今飲むならファーストよりいいかもしれません。



Date: 2013/0808 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Diatomの「漢字シリーズ」ワイン、2011年が最終ヴィンテージになるらしいという話は先日の記事に書きましたが、やはりその通りであることが確認できました。残念なことです。

前の記事で紹介した「カリフォルニアワインあとりえ」では「美夜」は売り切れでなかったのですが、「Wine Cellar KATSUDA」には全種類そろったセットが2つだけ残っています。世界中でこれが買えるのは現状ここだけ。



なお、Diatomの漢字シリーズが終了するのは、畑の名前を出さないことへの軋轢とか、販売面とかの問題では全くないとのこと。おそらく今秋、これに変わる新しいプロジェクトが公開されると見られます(Diatomという名前の下ではなく)。
Date: 2013/0808 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのRussian River Valley(RRV)がAVAになって30年だそうです(Happy Birthday Russian River Valley! | STEVE HEIMOFF| WINE BLOG)。米国のAVAとしては26番目のものです。

ソノマのワイナリを調べる中で、Russian River Valleyはなかなか手ごわいものがあります。一般的には涼しい地域ということになっていますが、素晴らしいジンファンデルもあるし、簡単には語れません。

サブAVAの話も記事に書かれていますが、現実には難しいでしょうね。というかRRVのネームヴァリューがありすぎて、サブAVAを作る意味があまりなさそうです。実際、今でもGreen ValleyとかChalk HillはサブAVAになっていますが、それを名乗っているワイナリはごくわずかです(ソノマではRockpileもあまりAVA名としては使われていないし、Galloのゴリ押しでできたNorthern Sonomaにいたっては完全に有名無実化しています)。

ソノマのAVAで、次に手を入れるとしたら、Sonoma CoastをWest Sonoma CoastとEast Sonoma Coastに分けるとかですかねえ。これは、期待している人も多いのではないかと思います。

蛇足ですが、カタカナで書くのが悩ましいAVAでもあります。Russianって日本語だと「ロシアン」にするのが一般的なのでしょうけど、発音をカタカナにするなら「ラッシャン」だから、どうも気持ち的にロシアンとは書きづらいのです。気にしすぎなのかもしれませんが。
Date: 2013/0807 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあとりえでダイアトムの“漢字ラベル”のワインが格安になっています。安いものは税抜きで4000円台! 元々生産量が少ない上に、神の雫で紹介されたことなどによって人気のワイン。割引せずともすぐに売れてしまうワインなのに太っ腹なことです。

しかも、これらのワイン、事情は分かりませんが、あとりえのページによると 「2011ヴィンテージをもって生産中止」とのことです。「2012年のシャルドネは既に購入済との事でしたが、今後の見通し、醸造&生産、漢字ラベル等の一切は未定。」とあり、これが最終ヴィンテージになる可能性が高いそうなのです。

畑名を書かないというのは、大きな英断ではありましたが、もしかするとブドウを購入する畑側からすると名前を出してほしいといった要望が強かったのかもしれません。



Date: 2013/0806 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパを代表するワイナリの1つであるCaymus(ケイマス)がナパ郡に、規制違反で100万ドルの罰金を払うことになりました(Caymus Vineyards Pays $1 Million for Alleged Violations of Napa County Winery Rules | News | News & Features | Wine Spectator)。

ケイマスは昨年Rutherfordにあるワイナリで83万ケースのワインをボトル詰めしました。それに対して、ナパ郡から得ている許可では年間4万2000ドルが限界。

あまりにも差があるわけで、ケイマス側としては、覚悟の上での違反でした。オーナーのチャック・ワグナーは「郡による許可については基本的に疑問を持っている。だらだらとそれについて論じるよりも、一気に片を付けたかった」としています。

なお、ケイマスはSolano郡に新しい設備を作っており、今後はナパでのボトリングは減ると考えられています。
Date: 2013/0805 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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8月7日にTBSで「『生きろ』~戦場に残した伝言~」というドラマがあります。報道ドラマということで、ほぼ史実に沿ったものになるのだと思います。

舞台は沖縄。第二次世界大戦で日本国内において唯一住民を巻き込んだ戦いが行われたところです。その沖縄戦のときに沖縄県知事だった島田叡(あきら)さんが主人公。

島田さんは元々沖縄の人ではなく、1945年1月に前知事の逃亡によって急遽派遣されたのでした。当時の状況において次に沖縄が戦場になることはほぼ確実。生きて帰れる可能性はほとんどないことを理解しての就任でした。

就任後はとにかく一人でも住民を生かしたいと、荒井警察部長とともに奮闘しました。

島田知事と荒井警察部長については「沖縄の島守―内務官僚かく戦えり」という優れたノンフィクションが書かれています。おそらくドラマもこれを元にしているのでしょう。本書については以前感想を書いています。ネタバレ部分もあるのでここでは引用を控えますが、お読みいただけたらと思います(読書2点「ざわわ ざわわの沖縄戦」「沖縄の島守―内務官僚かく戦えり」)。

沖縄戦というと日本軍のダメなところばかりが目に付くのですが、日本の官僚にもこんな立派な人達がいたことをぜひ知ってほしいと思います。ドラマは本と比べて多くの人の目に触れるでしょうから、すばらしい機会になると思います。



著者の田村洋三さんはほかにも沖縄戦関連の素晴らしいノンフィクションを書かれています。こちらも関心がある方はぜひご覧になってください。
Date: 2013/0804 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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数年前まではふんだんに流通していたカレラですが、最近は輸入量が減っているのでしょうか? めっきり見かけなくなってしまいました。特に単一畑ものは、早めに買わないとすぐになくなりそうです。

かわばた酒店ではミルズとドゥ・ヴィリエ、ライアンの2010が入っています(ジェンセンは既に売り切れ)。この中では、人気のジェンセンに一番近く、最後発ながら評価も高いドゥ・ヴィリエが一番注目だと思います。

Date: 2013/0804 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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民間調査会社のギャラップが、米国におけるアルコール飲料の好みを調査しました(U.S. Drinkers Divide Between Beer and Wine as Favorite)。それによると、アルコール飲料を飲む人の打ちビールを好む人は36%、ワインは35%とほぼ競っています。過去20年を見るとワインが次第に近づき、1回だけ抜かしたものの、また差を開かれ、今はまた追いつこうとしている感じです。



そろそろ、ワインが1位になってきてもいいような気もします。

データを年齢層や性別で見ると、またいろいろなことが分かります。

年齢層別

18歳から29歳の若年層(米国って飲酒年齢21歳からかと思っていたのですが、18歳の州もあるのでしょうか?)は、ビールが圧倒的だったのが、ワインとリカーにだいぶ流れています。ただ、優勢なのはリカー。

50歳超がワインの支持層で、ほぼ半数がワイン飲み。この年代ではリカーが減っています。

性別

男女を比べるとワインの支持層は圧倒的に女性に偏っています。

なお、アルコール飲料を飲むことがあると答えたのは60%で、これはあまり変わっていません。

日本での調査も知りたいところです。
Date: 2013/0802 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパで今年のブドウの収穫が始まります(Napa Valley 2013 Harvest Begins August 1)。

8月1日にMummがスパークリングワイン用の収穫を始める見込みであり、昨年よりも1週間~10日ほども早まります。

Mummはスパークリングワインのプロデューサーの中でも収穫が早く、Domaine ChandonやSchramsbergはもう1週か2週ほど遅く収穫を開始する見込み。

今年の生育状態はこれまでのところ良好。特に大きな問題のないヴィンテージとなっています。
Date: 2013/0731 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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昨日に引き続き、アントニオ・ガッローニのVinousmediaによるサンタ・バーバラ特集の紹介です。

高得点を独占しているのはSine Qua NonとOjai(オーハイ)。Sine Qua Nonは、なぜサンタ・バーバラに分類されているのかよく分かりませんが、これまでの実績や価格などから見て高得点はさもありなんといったところ。

Ojaiは大半のワインが50ドル以下ということを考えるとすごいことになっています。レビューされている28本のワインの中で25本までが91点以上、95点以上のものだけでも9本あります。

一番高得点なのはPinot Noir Solomon Hills 2010の98点(44ドル)。Pinot Noir Bien Nacido 2010も97点(44ドル)。

オーハイというとピノ・ノワールよりもシラーのイメージの方が強いと思いますが、Syrah Bien Nacido 2009が96点、Syrah Solomon Hills Special 2010が96+点、Syrah White Hawk 2009、Syrah Presidio 2008、Syrah Sebastiano 2011が95点とさすがに健闘。

白ワインでもシャルドネのBien Nacido 2011が95点を取っています。

国内ではSolomon Hillsは入荷されていないようですが、Bien Nacidoは入っているようです。
Date: 2013/0730 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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アントニオ・ガッローニのVinousmediaがカリフォルニアのセントラル・コースト特集として、Santa Lucia Highlands、Santa Cruz Mountains、Santa Barbaraの記事を公開しています。

個人的に注目しているSanta Cruz MountainsではMount EdenとVarner/Neelyが予想通り高評価。中でもMount Edenのシャルドネ・リザーブ2009は96点でした。同ワイナリの2010シャルドネは95点、NeelyのHolly's Cuvee2011とVarnerのシャルドネBee Blockは95点でした。



ヴィンテージ違いですが


これもまたヴィンテージ違いですが
Date: 2013/0729 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ワインは開けたら飲み切るもの。もちろん数日から数週間といった程度であれば、さまざまなデバイスを使って保存は可能ですが、それがこれまでの常識でした。これを、何年にもわたって保存できるようにする、すなわちあたかも開けてないワインかのようにセラーなどに置いておける画期的な製品が登場します(Wine access device transforms how wine is served, sold, and enjoyed)。

「Coravin」というこの製品、ワインボトルのコルク(キャップのシールは付けたままでOKとのこと)に細い針を挿し、アルゴンガスを注入しながらワインを注げるようにします。ワインを注いだ後は針を抜くだけ。あたかも未開封のワインのように保存できます。下のデモビデオをご覧ください。



実際に数年前に開けたワインを試したロバート・パーカーは「過去35年でワイン業界における最も画期的な発明だ」としています(パーカーは同社への出資などはおこなっていないとのこと)。

価格(予価)は299ドルでアルゴンガスのキャニスターは別売になるそうです。この夏に出荷を始める予定で、現在はオンライン上で予約ができます。

ワインを酸化させないワインセーバーとしては業務用でWhynotという製品があります。アルゴンでなく窒素ガスを注入する方式ですが、既に多くのレストランで実績があります。ただ、これはボトルを機器に設置して逆さまにして立てておく必要があるので、導入した機器の数だけのボトルしか同時に保存できません。また場所もかなり使います。

それに対してCoravinであれば、一回開けたボトルをそのまままたセラーなどに保存できるわけですから、理論上は何本でも同時に開けられることになります。場所も塞ぎませんから個人で使うのも容易です。

現時点での弱点といえば、天然コルクのボトルでないと利用できないということくらいでしょうか。

これは気になりますね。続報をウォッチしようと思います。
Date: 2013/0728 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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米国のワインメーカーで影響力の大きい100人というリストがありました(Top 100 Most Influential U.S. Winemakers | Into Wine)。

トップ10を見ると
10-Mia Klein
9-Robert Foley
8-Heley Turley
7-Gina Gallo
6-Heidi Barrett
5-Paul Hobbs
4-Robert Trinchero
3-Paul Draper
2-Merry Edwards
1-Phillipe Melka

と、順序はどうであれ、上位に入ってふさわしい人たちが並んでいます。

ただ、100人見ると、全く知らない名前も多い一方で、Brewer-Cliftonの2人もKosta Browneの2人も、Ed KurtzmanもBrian LoringもSteve Kistlerも入っていないなど、当然入りそうな人が結構抜けています。

基準も何もわからないのでなんとも言えないところですが、まあこういうのは、酒の肴にでもして、ああでもない、こうでもないといろいろ言い合うのが楽しいのかもしれないですね。
Date: 2013/0727 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ボルドーのシャトー・ラトゥールなどを保有するArtémis Group(アルテミス・グループ)がナパの名門ワイナリAraujo(アラウホ)を買収しました。金額は明らかになっていません(Wine Spectatorの記事SFクロニクルの記事W. Blake Gray氏による記事)。

Araujo

アラウホは前の週に、ワイナリが迎えられる客の数を週当たり25人から1日18人へ大幅に増やす認可を得たところであり、この認可自体が買収と大きく関係していると思われます。

アルテミス・グループのオーナーであるFrancois Pinault(フランソワ・ピノー)氏は大金持ち。ラトゥールのほかにもフランスにいくつかのワイナリを持ち、クリスティのオークションハウスや、シューズで有名なコンバース、スーツケースのサムソナイトなどのオーナーです。妻は女優のサルマ・ハエック。息子はかつてスーパーモデルのリンダ・エヴァンジェリスタと付き合っていたとのこと(数年前に子供の養育権で係争、和解)。

アラウホのオーナーだったBartとDaphne Araujo夫妻は1990年にEisele Vineyard(アイズリー・ヴィンヤード)を買い取り、Araujoを設立。2000年代にはビオディナミにもいち早く取り組んでいました。

Eisele Vineyardはカリフォルニアを代表するカベルネ・ソヴィニョンの畑の1つ。シラーやソヴィニョン・ブランもワールドクラスです。

アラウホ夫妻は今後、ナパの別の畑を買い取り、細々とワインを作って余生を楽しく過ごしたいとのこと。
Date: 2013/0725 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ピノ・ノワールで知られるAugust Westですが、実はシャルドネとシラーも作っています。特にRosella'sのシャルドネはかなりのレベルで、個人的にも大好きなワインの一つです。

Rosella'sのシャルドネはわずか50ケース(600本)ほどの生産量であり、日本に輸入されること自体、奇跡のようなものですが、今回さらに奇跡のようなワインも入荷しています。

RRVのシャルドネとしかラベルには書かれていませんが、実はKosta BrowneのMichael Browneの持っている畑。しかも2012年には樹が抜かれてピノ・ノワールに植え替えられてしまったため、まさに最後のヴィンテージ。これも72ケースという生産量ですが、日本入荷が果たされました。

これほどレアかつレベルも高いのに、値段は5000円台と特にプレミアムもありません。もったいないような話なので、ありがたく飲ませていただきましょう。



さて、このワイン、いつ開けようか…
Date: 2013/0725 Category: グルメ
Posted by: Andy
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夏の飲み物といえば麦茶。我が家でも毎日3リットルくらい麦茶を消費していますが、今年の夏は、それに加えて水出しのアイスティを淹れています。

家で使っているのはルピシアのオリジナル・ハンディークーラー1リットル用。茶こしが長く、しっかりと水に浸かって味が出るのが特徴です。

淹れるのは簡単。茶こしに茶葉を10~12gほど入れ、水を注いで冷蔵庫に入れておくだけ。水出しなので時間はかかりますが、夜に入れておけば朝には飲めるようになっています。

お茶は、煎茶でもウーロン茶でも紅茶でもOK。特に煎茶は苦味が出ず、甘みが際立ちます。ルピシアのオリジナルブレンドである「パイナップル烏龍」なども美味しいです。

麦茶はがぶ飲みする感じですが、水出しアイスティは、ちょっとほっこりしたいときとかにいい感じです。

ルピシアのハンディークーラー、よく見るとメーカーはHario。Harioで同じ物を売っていないかと探してみたところ、同じではありませんが、紅茶用の水出しティーポット、もっと安く売っていました。また、茶こしの長さはちょっと短くなりますが、コーヒー用のティーポットだとずっと値段は安くなります。





茶葉を量るのはこれが簡単

Date: 2013/0724 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Kongsgaardといえば、「Judge」に代表されるカリフォルニアのシャルドネの第一人者。そのワインの秘密を解き明かそうという記事が出ていました(How John Kongsgaard rewrote the rules of white wine - San Francisco Chronicle)。

Judge
といってもびっくりするような最新のテクニックがあるわけではなく、むしろその逆。発酵や熟成に考えられないほど時間をかけて作っています。

例えば、発酵においては、ごくごく少量のSO2を追加するだけで、天然酵母で発行し、なんと1年以上もかけるとのこと。途中、果汁は茶色く変色し、これで大丈夫かと心配になりますが、それを押し通すのがKongsgaard流。樽熟成の間にまたきれいになっていくのだそうです。

こういったワイン作りの秘訣、彼は隠すのでなく、積極的に人に教えていこうとしているとのこと。

いや、いろんな意味ですごい人ですね。
Date: 2013/0722 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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昨日、とあるパーティに持ち込んだワインがPeter MichaelのLes Pavots 1998です。1998ってわざわざ選ぶヴィンテージ?って思われる人もいるかもしれませんが、パーティの主役と最初に会ったのが1998年だったので選んだワインです(それにしても、あれからもう15年か~)。

Andy:affetto 麻布台の写真 - ミイル(miil)

Peter Michaelのワイナリ紹介を書いて以来、気になっていたワインでもあります。期待は十分。

パーティで多くの人に飲んでいただきたかったので、自分で飲んだ分も少量でしたが、予想以上においしいワインでした。カリフォルニアのボルドー系としては異例なほどエレガントなのだけど同時に芳醇さもあり。パワフルさではなく、バランスで飲ませるワインといってもいいでしょうか。当時のワインメーカーはMark Aubert。さすがの実力です。

Peter Michaelのファンの方は、知り合いにも何人かいらっしゃいますが、ファンになる理由の一端を感じられたような気がしました。
Date: 2013/0719 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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楽天がkoboの1周年記念で全品30%引きのクーポンを出しています(7月21日午前9時59分まで)。これに対抗して、AmazonもKindle本がすべて30%のポイント付きになっています。



というわけで、無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》も、今なら150ポイント付いて実質350円で購入できます。この機会にどうぞ。




Date: 2013/0718 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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かわばた酒店でマウント・エデンのシャルドネ・リザーブ2008が税抜き8000円で出ています。

私も先日のセミナーで試飲しましたが、うま味あふれる素晴らしいシャルドネです。

リザーブを作り始めたのは2007年。これが2回目のヴィンテージ。樽熟成の後、ステンレスタンクで熟成させたところ、澱が全部溶けこんでしまったとのこと。サンタ・クルーズ・マウンテンズらしい、きりりとしたところと、芳醇さが両立しているワイン。おそらく、この地域のシャルドネとしては、RidgeのMonte Bello、NeelyのHolly's Cuveeと並ぶ最高峰といっていいでしょう。

Date: 2013/0718 Category: 業界ニュース
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Fieldbrook Wineryというワイナリのオーナーであり、統計学の教授でもあったRobert Hodgson氏がCalifornia State Fairなどのコンテストの審査に疑問を呈しています(Controversial Wine Judging Study: The Real Story | Wine News & Features)。

この人は同じワインをブラインドと、名前を明かした形の2通りで審査してもらい、両者のち外があるかどうかを調べました(この実験はState Fairの委員会の了承を得て行なっています)。

2005年の最初の実験では約10%の審判が一貫性が強く、約10%が一貫性が低いという結果でした。ここでは、メダルの色が変わらないほどの違いであれば、一貫性が強いとしています。

また、興味深いことに、ある年一貫性が強かった審判が別の年には低かったり、その逆といったことが頻繁に起こっていたといいます。

記事にはほかにもさまざまな側面からワインの評価について語られています。

審判をするということ、なかなか難しいです。
Date: 2013/0716 Category: 業界ニュース
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元Wine Advocate誌のアントニオ・ガッローニが運営するVinousが、Opus Oneの全ヴィンテージ垂直試飲の結果を公開しています(Opus One – Past, Present and Future: 1979-2012)。

Wine Advocate誌の評価と合わせてグラフにしてみました(Vinousでは2004と2005が93+となっていますがこれらは93、2011の89-92は89、2012の92-94は92としています)。

オーパス・ワン・レイティング

Wine Advocate誌のレビューはほとんどが、リリース時期に書かれたものであり、現在の試飲結果と比較する意味があるかどうかは難しいところですが、全般にWine Advocate誌の方が辛口の評価が多く感じます(特に1997年から2001年)。

なお、ガッローニ自身のWA在籍時にはオーパス・ワンのレビューは書いていません。

ワインメーカー別に見ると、1979年~1984年はTim MondaviとムートンからのLucien Sionneauがワインメーカー。1985年~2000年はTim MondaviとPatrick Léon。1991年~1997年はGenevieve Janssensも携わっています。

2001年からはMichael Silacciが携わるようになり、Tim Mondaviの影響力は次第に減っています。ムートンからはPhilippe Dhalluinが加わっています。

近年も当たり外れは多少ありますが、ようやく品質が安定してきた感じもあります。特に、この秋リリースの2010年は97点と、過去最高の評価ですから、期待したいところですね。

Date: 2013/0714 Category: おすすめワイン
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California Wine Garden(CWG)のオンラインショップでは会員向け割引で、パルミナの4本セット、ソノマのRussian River Valleyのピノ・ノワール3本セットがお得です。

California Wine Garden / パルミナセット ~星空を見上げて楽しむ~ 4本セット

California Wine Garden / CWG厳選  送料無料!ピノノワール3本セット ロシアンリヴァー・ヴァレー編

ウメムラではコンガスガードのシャルドネです。



最近はセカンドワインの話をよく書いていますが、アルタグラシアはAraujo(アラウホ)のセカンド。昔はあまりぱっとしない印象もありましたが、近年は評価も高いようです。2008~2010年のセットで、2010年はセカンドでありながらWine Advocate誌で96点。

Date: 2013/0713 Category: 業界ニュース
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ナパやソノマなどカリフォルニア北部のワイン産地のことしの収穫が早まりそうです。(U.S. Heat Wave Makes Early Harvest Likely | Wine News & Features)。

7月上旬にはナパやソノマで華氏100°、摂氏に換算すると37.7℃の日が何日か続くという暑さ。日本におけるブドウ産地の甲州あたりでは、連日39℃を超えたりしていますが、それに迫るものがありますね。

毎年収穫の一番手となるMummでは、早ければ7月22日にも収穫を始めるとのことで、通常の8月下旬より1ヶ月も早くなる可能性があります。

ちなみに、ブドウが高温にさらされる縮果症という果粒が枯れる症状が出やすくなるそうです。もっと遅い段階だとレーズンになったりしますが、「登熟期」に入っていないとこうなるとか。気になりますね。
Date: 2013/0710 Category: 業界ニュース
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アイアン・ホースののCEOであるジョイ・スターリングさんが、カリフォルニア州知事から食べ物と農業の委員会に任命されました。報酬はなしとのことです(Office of Governor Edmund G. Brown Jr. - Newsroom)。

ジョイ・スターリングはアイアン・ホース創設者の娘でテレビ業界で働いた後、ワイナリを引き継ぎました。「カリフォルニア・ワイナリーの四季」という本を書いたことでも知られています。


Date: 2013/0709 Category: おすすめワイン
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先日からドミナス推しを続けていますが、セカンドワインのナパヌックも侮れません。例えばWine Advocate誌のレイティングでは2002年から2010年まで9ヴィンテージ連続で90点以上という安定性。価格も5000円を切ります。5000円切るカベルネ・ソヴィニョンの中では最強といってもいいのではないでしょうか。

例えば、スポッツウッドのセカンドワイン「リンデンハースト」だったら今は8000円台。レイティングもナパヌックには負けています。シャイファーの「ワン・ポイント・ファイブ」も8000円程度。ジョセフ・フェルプスは普通のカベルネなら1万円くらいしますし、サードワインの「イニスフリー」は3000円台ですが、ランクはずっと下。オーパス・ワンのセカンドと称されて売られている「オーバチュア」(ワイナリはセカンドワインとしては認めていませんし、ワイナリ外での販売も認めていません)は1万5000円くらいします。

ちょっと例証が長くなりましたが、価格・品質・ブランドどれを取ってもナパヌックは強力です。ご存知の方が多いと思いますが、ナパヌックはファーストのドミナスと同じ畑の名前。元々は名門イングルヌックが持っていた畑の1つです。ムエックス家がカリフォルニアでドミナスを立ち上げるときに、イングルヌックのオーナーだったジョン・ダニエル・ジュニアの娘のロビン・レイルと共同出資しました。そのため、ドミナスの畑となった由緒あるところなのです。

意外と4000、5000円くらいのカベルネは重宝するので、余裕があるならまとめ買いもありでしょう。

Date: 2013/0709 Category: 技術系
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ワインは開けたらその日のうちに飲み切らないといけないと思っている人も多いですが、実際にはそんなことはありません。10年以上経っているような熟成したワインだと、早めに飲み切ってしまうに越したことはありませんが、リリースされてそれほど経っていないワインであれば、3~4日は保つものです。むしろ開けてから1日くらい経った方が美味しいこともしばしばです。

とはいえ、開けると酸化が始まるのは確かなので、それを抑えることはやらないより、やった方がいいのは事実。

昔から人気が高いのが「ヴァキュヴァン」。ゴム栓をしてポンプで空気を吸い取る形式です。



これは、栓がかさばらなくていいのですが、ポンプで空気抜くのが面倒なところ。

そこで最近出てきたのが、カーボンフィルターが組み込まれた「AntiOx」という製品。ボトル内残量が半分で5~10日酸化を防止するというから、十分な性能です。

これは、栓の代わりにはめるだけなので使うのは簡単です。

何回か使ってみましたが、ヴァキュヴァンよりかさばる以外の問題はなさそうです。ワイン好きな人へのギフトとしてもお薦めです。



なお、この季節、酸化より怖いのは熱劣化。開いているワインもそうでないワインも30度を超えるところに放置したら、一発でやられてしまいます。ワインセラーに入れるか、冷蔵庫に入れるかしましょう。最近は1万円ちょっとで買えるものまであります。ここはケチケチしちゃいけないところですよ。


Date: 2013/0704 Category: おすすめワイン
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「ワインセラーパリ16区」で久しぶりのカリフォルニアワインのセールです。以前からびっくりするようなワイン(素晴らしい)をびっくりするような値段(安い)で売っていたショップですが、ここ数年はあまりカリフォルニアワインには力が入っていなかった様子。今回は、7月4日の独立記念日に合わせてということで7月7日までの4日間のセールとなっています。

こちらのリンクから、上部の大きな「4日間限定カリフォルニアワインフェア」に進んでください

なお、1万円以上買うとクール便加算が無料、2万円以上買うと送料とクール便が無料、3万円以上買うとさらに代引きも無料になります。

早くも売り切れているものもありますが、個人的に惹かれたのは、これ。ShaferのHillside Select2002~2007の6ヴィンテージセットです。既に2002と2003はWine Advocate誌で100点が10年回顧のテイスティングで付けられていますが、2004~2007でも数本は100点が出る可能性がありそうな気がします。点数のことは置いておいても、安定しておいしいことは折り紙つき。お金があればぜひ買いたいところです。
Date: 2013/0703 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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前の記事で、ShaferのHillside SelectがWine Advocateの評価で3ヴィンテージ連続の100点になったと紹介しました。

ほかにカリフォルニアワインで3連続ヴィンテージ100点の「スリーピート」がないかどうか調べてみたところ、ありました。2ワイナリで3つのワインです。

1つはなんと、これも昨日紹介したLokoyaのMount Veeder Cabernet Sauvignon。2001から2003まで、10年回顧のテイスティングで100点を取っています。LokoyaはKendall-JacksonのJackson Family傘下のワイナリ。同傘下ではVeriteも計7回の100点を取っており、活躍が目立ちます。

ほかの2ワインはいずれもSchrader。Old SparkyとCCSが2006年から2008年まで3ヴィンテージ連続です。

で、スリーピートが最高かと思ったら違いました。4ヴィンテージ連続というのがあります。Sine Qua Nonのシラーです。
2003 The Inaugural、2004 Poker Face、2005 Atlantis Fe 203、2005 The 17th Nail In My Cranium、2006 A Shot in the Dark
ここのワインは毎年名前が変わるので分かりにくいのですが、これらは基本的にEleven Confessions Vineyardという畑のブドウを中心としたシラーです。ただ、ちょっと微妙なのは、2004はいくつかの畑のブレンドになっている点です。また、2002年のJust For The Love of Itも100点なのですが、これはAlban、Bien Nacido、Stolpmanの畑ということでEleven Confessionsが含まれないので外しました。

ちなみに、ワイナリ別に見ると、最多がSine Qua Nonの13回。上記シラーの6種のほかグルナッシュが4回(うち1回はグルナッシュとシラーのブレンド)、デザートワインが3回です。

それに続くのがHarlan/Bondの9回(うちHarlanは5回)。Schraderの8回。Veriteの7回、Abreu、Colginの6回、Marcassinの5回(いずれもシャルドネ)となっています。
Date: 2013/0702 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌の最新号である207号が発行されています。カリフォルニアでは、ロバート・パーカーによるナパのボルドー系ワインの10年回顧テイスティングが掲載されました。

2001、2002というビッグ・ヴィンテージの後で、2003年はこれまで割と隠れていた感じがありましたが、今回のテイスティングでは、以前より評価が上がったワインが続出。嬉しい期待はずれとなりました。

ちなみに、100点が付いたのは2003 Lokoya Cabernet Sauvignon Keyes Vineyardと2003 Shafer Vineyards Cabernet Sauvignon Hillside Selectの2本。Lokoyaは今回が初レビューで、シェイファーのヒルサイドセレクトは5回め。直近は2007年12月のレビューで95点でしたから、大きく評価が上がりました。

また、ShaferのHillside Selectはこれで2001、2002、2003と3ヴィンテージ連続で100点という快挙なのですが、いずれも10年回顧のテイスティングで100点を取っているのが特筆もの。ここのワインの熟成能力の高さが現れたのでしょう。

99点は4本。Verite Le Desir(正確にはこれはソノマですが)、Pride Mountain、SchradeのT6とTo Kalonです。これらも以前は92点や93点といった評価でしたから、ずいぶんと評価が上がっています。

Shaferは3万円前後で買えますね。


ヒルサイドセレクトの安く売っているヴィンテージも将来評価が上がるかも…
Date: 2013/0701 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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先日も書いたように、このところドミナスのお買い得度が高くなっています。特に、今出回っている2007年はナパの当たり年。ドミナスはWine Advocate誌では98点という高評価です。ちなみに翌2008年は99点! ただ、2008の方がいいというよりはスタイルの違いだと、レビュアのAntonio Galloniは書いています。2008年の方が力強いスタイルだとのこと。

ただここまで高い点がでちゃうと、輸出量がぐっと絞られる恐れが高いんですよねえ(Spottswoodeのように)。そういう意味でも2007が出回っているうちに買うのが吉のような気がします。


Date: 2013/0629 Category: 業界ニュース
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サンタ・リタ・ヒルズの人気ワイナリであるローリングとカルガサッキが新しいテイスティング・ルームを開きました(BizHawk: Winemakers Pop the Cork on New Joint Tasting Room in Buellton)。

場所はHitching Postのレストランの隣。LA/Santa Barbara方面から行くとすると101をBueltonで降りて246号を東に0.5マイルほど行った右側です。

従来、ローリングは「Lompoc Wine Ghetto」として知られる集合テイスティング・ルームを使っていましたが、そこは閉じて新しいテイスティング・ルームに専念します。カルガサッキにとっては初めてのテイスティング・ルームです。

オープンは木曜日~月曜日の11時~17時。


大きな地図で見る
Date: 2013/0629 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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楽天にカリフォルニアワイン専門の新ショップ「カリフォルニアワインあとりえ」がオープンしました。「カリフォルニアワインあらかると」と似たような名前ですが、実はこのショップ、3月まで「あらかると」にいた野村さんが作ったショップです。

カリフォルニアワインあとりえ

「あらかると」はかなりマニアックな、こだわりの品揃えですが、今度のショップは、それだけでなくもっとライトなユーザーにも訴求したいとのことで、送料込みで低価格のセット物なども充実しています。

また、一般の送料も全国一律390円(クール便は590円)とかなりの低水準です。

面白いのは、レストランと提携して「BYO」(Bring Your Own)用にワインを送付してくれること。現在東京の4つのレストランが掲載されていますが、そこに予約して、ワインを一週間前までに予約のレストランや日時の情報を添えて注文すると、ワインを送っておいてもらえるというシステムです。現在8月末までのキャンペーンでBYOを1本1000円で実施してくれるとのこと。

これはいいシステムですね。レストランが増えていくことを期待します。

さて、肝心のワインですが、ただいまオープン・セール中。注目はVarner/Neelyの単一畑ものが5000円台で出ていることや、ロキオリがさまざま取り揃えられていること。例えばロキオリのエステート・ピノ・ノワールなら7500円です。「あらかると」でも一押ししていたワシントンのカユースも豊富です。

Varner/Neelyは早くも売り切れ銘柄も出ています。お早めに。



超注目株のDana Estatesも!
Date: 2013/0629 Category: おすすめワイン
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週末のお買得ワインをまとめて紹介しておきます(久しぶりだなあ)。といっても目をつけていたうちのいくつかは既に売り切れでちょっとがっかり。

まずはレア物「ケスナー」のワイン。有名なキスラーは長らくスティーブ・キスラーとマーク・ビクスラーのコンビで運営してきましたが、そこに2008年からアシスタント・ワインメーカーとして加わったのがジェイソン・キスナー。その人のプライベート・ブランドですから実力は十分です。キスラーに比べたら全然安いです。



次は、最近めっきり入荷が減ってしまったカレラのピノ・ノワール。特に、6番目の単一畑として加わったド・ヴィリエは2009年がWine Advocate誌で96+という評価を得て、実売5000円以下という安さであっという間に消え去ってしまいました。

最新の2010年ヴィンテージの入荷が始まっていますが、Wine Advocate誌のレビューが出る8月までに買っておくべきでしょう。



ミルズの2010年もあります。これも6000円台は「買い」でしょう。



もう1つカレラで、実は人気のジェンセンの次にレアと言われているロゼが出ています。個人的にもロゼ買うなら、これかLucyがいいです。

Date: 2013/0627 Category: 読書感想
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ワイン評論家として知られるジャンシス・ロビンソンが米国のワインをまとめた本を出しました。タイトルは「American Wine: The Ultimate Companion to the Wines and Wineries of the United States」。

内容はAVAのマップや、ワイナリの紹介などということなので、自分の本と重なるなあと、気になっております。読みたいような読みたくないような…(笑)。まあ、ライバルだなんておこがましいにもほどがあるのですが。

ちなみにこちらは「American Wine」であって「California Wine」ではないので、カリフォルニア以外の米国のワイン産地もきちんと取り上げております。値段もそんなに高くないので、役に立つかなあとは思いますよ。


Date: 2013/0626 Category: 業界ニュース
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ナパの“カルト”ワインの1つとして知られるBryant Familyの正式輸入が始まりました。輸入元はハーランなども輸入する中川ワインです。Bryantがメーリング・リストの顧客以外に海外向けの出荷をするのはこれが初めてとのことです。

20130626-bryant-bettina.jpg

今回輸入されるのは2010年のBryant Familyカベルネ・ソヴィニョンとBettinaカベルネ・ソヴィニョン。Bryant Familyはプリチャード・ヒルの自社畑、BettinaはBryantの畑の管理者でもあるDavid Abreuの持つ畑のブドウを使ったものです。

Wine Advocate誌の評価で見るとBryantが96+、Bettinaが97+。Bryantは飲み頃が2018年~、Bettinaは2016年~というどちらも長熟型ワインです。

Wine Advocateで当時レビューを書いたAntonio Galloiは「ここのカベルネが毎年ナパでトップ5やトップ10に入らない理由がない」とそのポテンシャルを高く評価していますが、一方でワインメーカーの度重なる交代がマイナスイメージを付けているのも否めないところです。

2010年のこのワインはRoss Wallaceがワインメーカーだったときに作られたようですが、その後2011年はHelen Keplinger、2012年はTodd Alexanderと、またまたワインメーカー交代劇は続いている模様。

ハーランのように安定した体制を築けないのは、すごくもったいないことだと思ってしまうのは僕だけでしょうか。

Date: 2013/0626 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年6月23日は、故ロバート・モンダヴィの生誕100年。Robert Mondavi Wineryではこれを祝ってイベントが開かれました(To Kalon vineyard renamed in honour of Robert Mondavi | decanter.com)。

robertmondavi-new.jpg

合わせて、Mondaviを代表する銘醸畑であるTo Kalonについて2つアナウンスがありました。

1つは従来To KalonのT-ブロックと呼ばれていた1960年代に植えられたソヴィニョン・ブランのブロックをRobert's Blockと改名したこと。Napa Valley Registerの記事によるとカベルネの一部もこのブロックに含まれている模様。これまで、TブロックのブドウはReserve Fume Blancに使われており、今後このワインにロバートの名前が入るのでしょう。

もう1つは2011年のヴィンテージ以降、Reserve Cabernet SauvignonをTo Kalonの単一畑にすること。これは当日、発表の数時間前に決まったそうです。これまでは85%程度がTo Kalonで、15%程度のカベルネ・フランとプチ・ヴェルドがブレンドされていました。

なお、今回のイベントでスポークスパーソンとなったのはロバート・モンダヴィ未亡人のMargrit Biever Mondavi(マーグリット・ビーヴァー・モンダヴィ)と、ワインメーカーのGenevieve Janssens(ジェヌヴィエーヴ・ジャンセンズ)。ジェネヴィエーヴは1989年からモンダヴィやオーパス・ワンに携わっている人(ポートフォリオのワインメーカーとしても知られています)。Constellation Brands傘下に入った今も、旧モンダヴィ時代の人を表に立ててくれるのは、ファンとしては嬉しい限りです。
Date: 2013/0623 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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理由は前のエントリーを読んでいただきたいところですが、ドミナスうまいです。そして、日本では格安です。

プレミアム・カベルネ・ソヴィニョンの格安度合いでいうと、ドミナス、スポッツウッド、モンダヴィ・リザーブ、そしてときどきシェイファーのヒルサイドセレクトといったところがトップだと思いますが、スポッツウッドは近年ほとんど入手できなくなりました。シェイファーは安いといっても高いですし、モンダヴィ・リザーブも現在は一時期の倍くらいの値段に戻っています。

なのでドミナスは優等生。セカンドのナパヌックも評判いいですが、ぜひファーストを飲みましょう。なお、Wine Advocate誌の評価では1998~2000の評価が良くないので、そこは避ける方が無難かもしれません。

Date: 2013/0623 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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このところ、ワイン会もほとんどなかったのですが、久々に贅沢なワイン会に参加してきました。まずはワインリストから。

終盤に、ボーリュー、ドミナス、グレース・ファミリーと続くところが圧巻です(リスト上はドミナスが最後ですが、順番を入れ替えてこの順になりました)。



スターターはシュラムスバーグのブラン・ド・ブラン。爽やかで美味しいです。料理は「牡蠣のスモーク お米の冷製ポタージュ」とのことで、ビシソワーズをあっさりさせたようなスープに牡蠣のスモークが効いてとてもいいマリアージュ。


なお、レストランは麻布台のアフェット。食事はすべてワインに合わせて作っていただいています。また、ワインも味わいながら適正な温度になるよう、ちょっと低めの温度で提供してもらう、など、細かいところまで気を使っていただいています。このサービスは素晴らしい。

次の94574というのは目新しいワイン。数字はナパのSt. HelenaのZIPコード(郵便番号)。Rutherfordの畑からソヴィニョン・ブランを作っています。アロマティックでおいしい。

次はシャルドネ2つ。Kistlerは言わずとしれたソノマの名門ですが、Kesnerは2008年からKistlerでアシスタントをしているJason Kesner氏のワイン。Kistlerに入る前はCarnerosのHudson Vineyardの管理をしていた人です。

ワインは今のところ、Kistlerに一日の長があったような。さすがに美味しいです。料理はそれぞれ「うなぎとフォアグラのテリーヌ カラメルとビアンコバルサミコのソース」「牛たんと豚足のクロケット カポナータ添え」



その後のPalazzoというのはカベルネ・フラン100%のワイン。個人的にフランは好きなので嬉しかったワイン。

最後はカベルネ・ソヴィニョン3連発。最初のBV Clone4は、クミンのようなアジアン・スパイスの香りが強烈なワイン。とても個性的。

次のドミナス90は無茶苦茶おいしかった。完璧です。「和牛ブリスケのビステッカ ヴァンルージュソースと黒トリュフ・あわび茸のフィナンツェーラソース スペアミントの香り」も最高。


最後のグレースファミリーもスパイシーな香りが良かったですが、個性的なClone4と完璧なドミナスの次で、ちょっと埋もれてしまった感じもありました。

いいワイン会でした。
Date: 2013/0623 Category: 技術系
Posted by: Andy
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このところ「カリフォルニアワイン」でググったとき、うちのサイトが2ページめの下の方にまで下がっていたので、ちょっとSEOを意識して「玄関口」のホームページを修正したところ、今日見たら1位に戻っていました(カリフォルニアワイン - Google 検索)。

いくつか対策は下のですが、どうやら効果が大きかったようなのが、著者リンクを加えたこと。

<link rel="author" href="https://plus.google.com/108071859331447289431">

といった形でGoogle+の自分のプロフィールページをヘッダに加えるだけです。これで、検索すると下のように著者写真が入るようになります。

20130622-googlesearch.png

ただ、まだ困ったことが残っています。このブログのトップは「カリフォルニアワイン」の検索では出てこないのです。関連する検索キーワードの中には「カリフォルニアワインのお勝手口」というのもあるのですが…

同じドメインだけで違うディレクトリに入っているのがいけないのでしょうかねえ? 調べた範囲では、いい解決策は見つかりませんでした。
Date: 2013/0619 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ブロガーでジャーナリストのW. Blake Gray氏が最近のカリフォルニアのシャルドネについて記事を書いています(The Gray Report: California Chardonnay is completely different now: it's all about citrus fruit )。

Gray氏は最近、カリフォルニア・ステート・フェアでワインの審判員をして、数多くのシャルドネを試飲しました。数年までは、カリフォルニアのシャルドネといえば、樽が効いていて、バターのような風味があって、というのが主流でしたが、今は完全に変わっており、柑橘系の味わいを中心にしたものが増えているとのこと。

ただ、これを持って品質が向上していると言っていいかというと、そういうわけでもないのが難しいところです。

記事にコメントしているCameron Hughes氏(Cameron Hughes Wineのオーナー)によると、樽を使わないシャルドネは、1本あたり2ドルくらいも安く作れるとのことで、単に樽の風味を避けるというだけでなく、経済的理由もそこには含まれていそうです。

ワインのスタイルには流行が無縁ではありませんが、シャルドネにおける今回の状況はどれだけ流行によるものなのか、興味深いところです。
Date: 2013/0618 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの「プレミアム」(10ドル超のセグメント)が急成長したというレポートが出ていました(Special Report: Premium-Plus California Wine Rising Sharply, As Cupcake Leads Charge | Shanken News Daily)。

この領域のトップ10のブランドはKendall-Jackson、Cupcake、Menage a Trois、Bogle、Clos du Bois、Sterling、J Lohr、Mirassou、Estancia、La Crema。この中でSterlingとLa Cremaを除く8ブランドが2012年出荷量を増やしました。

中でも急成長を見せたのはCupcake。25.0%も2011年よりも増えて300万ケース。Kendall-Jackson(2012年は308万5000ケース)の牙城を崩す勢いがあります。

20130617-rgb_cupcake_icon_75ppi.jpg

このほか、BogleとJ Lohrも10%以上の伸びを示しました。

Cupcakeというのは全然知らないブランドだったのですが、近年急成長を示しています。ソヴィニョン・ブランはニュージーランド、モスカート・ダスティはイタリアなど、輸入物とカリフォルニアものを合わせたブランドだとのこと。
Date: 2013/0615 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーのブドウ畑で大掛かりな植え替えが行われそうです(Napa Valley to replant up to 15% of vineyards | decanter.com)。

デカンター誌の記事によると、ナパの苗木屋では既に2015年まで売り切れ状態であり、そのほとんどが植え替えに使われるとのこと。

理由はいくつかありますが、まずUC Davisが作ったルートストックがフィロキセラへの耐性がないことが分かってから既に20年が経ち、植え替えが必要になっていること。

2012年の大豊作により、生産者はキャッシュ・フローに余裕ができたことも、植え替えを後押ししています。。

一方で、「red blotch」というウイルスが発見されており、それが取り除かれた苗木を待っているのが供給が遅れている理由の1つになっているとか。

ナパ最大の地主であるAndy Beckstofferによると、70年代、90年代の2回の植え替えブームと、また違った様相があるそうです。

90年代は欧州のように密植で小さなブドウの木を作るのが流行しましたが、その後、必ずしもカリフォルニアには合っていないという見方が広がっており、今回は人真似ではない形になるとのこと。また、テロワールへの意識もかつてないほど高まっているようです。
Date: 2013/0614 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋にRavenswood(レイヴンズウッド)のジンファンデル・ナパヴァレー・オールド・ヴァイン2009が税抜き1980円で出ています。

Ravenswoodの製品ラインは下からヴィントナーズ・ブレンド、カウンティ(郡)もの、単一畑となっていますが、これは中間のカウンティもの。ナパのものは飲んだことありませんが、Lodi(ロウダイ)のものは、とてもいいワインでした。明らかにヴィントナーズ・ブレンドよりはクラスが上のワインです。

このクラスのもので1000円台はかなりお買い得だと思います。

Date: 2013/0614 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーの業界団体で、Auction Napa Valleyなどの主催者であるNapa Valley Vintnersが日本での代理人を3人任命しました(Napa Valley Vintners Expands Representation in Japan)。ここ数年、アジアのワイン市場の中では中国が急成長し、日本はやや無視されがちになってきた感がありました。ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが日本市場を重視する姿勢を示したことは大きいと思います。

新しい代理人は小枝絵麻(こえだ・えま)、メリンダ・ジョー、若下静(わかした・しずか)。

小枝さんは飲食業のコンサルタントやコーディネーターを勤め、メニューやレシピの開発なども行なっている人(サイト)。

メリンダ・ジョーさんは日本在住の米人ジャーナリスト。日本酒を紹介するブログを運営しています。

若下さんは日本の食材を海外に紹介するコーディネーターなどを務めている人(サイト)。

よく見ると、若下さんのサイトで小枝さんが出てきたりなど、3人はいずれもつながりがあるようです。

何はともあれ、がんばってください。

Date: 2013/0612 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年6月18日は2008年に亡くなったロバート・モンダヴィの生誕100年に当たります(A Century Of Robert Mondavi: Celebrating The Father Of American Wine)。これを祝ってワイナリではFume Blancが振舞われるそうです。

また、Twitterでは#Mondavi100のハッシュタグでMondaviの思い出などをつぶやくことを勧めています。

最晩年は、ワイナリを手放すなど、うまくいかないことも多かったわけですが、彼の光跡は何にも例えられません。
Date: 2013/0609 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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日本で飲もう最高のワイン2013の審査が先日行われ、結果が発表されました。

専門家と一般の愛好家が採点して一番おいしいワインを探すというこのイベント、昨年はCh. Igai TakahaのDragon Beauty Cabernet Sauvignonが赤ワインのフルボディ部門で、18点以上の「プラチナ」を専門家・愛好家両方で勝ち取り、ベストワインの1つにも選ばれました。

今年はCh. Igai Takahaのワインライフが輸入するSmall VinesのRussian River Valleyピノ・ノワール2008が同じ部門でダブル・プラチナを獲得。7月に発表されるベストワインにも選ばれる可能性が極めて高くなりました(赤ワインで他にダブル・プラチナは1本だけ。ベストワインは赤白3本ずつ選ぶことになっています)。

20130421-smallvines1.jpg
(写真はヴィンテージ違いです)

スモールヴァインズのピノ・ノワールは私も別ヴィンテージを飲んだことがありますが、旨みたっぷりでとても美味しかった記憶があります。ワイナリの概要については紹介記事をご覧ください。

ほかにもワインライフのワインでCh. Igai TakahaのCrossed Wineソヴィニョン・ブランが専門家のゴールド、Ofukuro Beautyピノ・ノワールが専門家のゴールド、タレントの郷ひろみさんのMagniCA5シャルドネが専門家シルバーに入っています。

Date: 2013/0608 Category: 業界ニュース
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1976年のパリ・テイスティングで白ワイン1位になったのがChateau Montelenaのシャルドネだったことは多くの人がご存知でしょう。でも、そのワインがソノマのブドウで作られていたというのは知っていましたか?(A Legendary Vineyard: Source of Chardonnay That Helped Win Judgment of Paris is Still Thriving

この話は秘密ということではなく、検索すれば出てきますし、下に貼ったWilliams Selyemによる以下のビデオの中でも語られています。ただ、パリ・テイスティングの文脈の中では意図的なのか、避けられているような気がします。



この畑はBacigalupi Vineyard(バチガルーピ)といい、Russian River Valleyにあります。

1973年に当時MontelenaでワインメーカーだったMike Grgichがこの畑に来てブドウを味見し、気に入ったブロックのブドウを買うことにしました。トラックが非力で、ナパまでブドウを運ぶのが大変だったエピソードなどが、記事に書かれています。

Montelenaのワインが1位になった後、Grgichから連絡があり、またブドウを買いたいとのことでしたが、既に売り先が決まっており、結局Montelenaではこのワインは1回しか作られなかったことになります。

Montelenaに売った、このブドウはParis Tasting Blockとして、今でもブドウを算出しています。樹齢50年を超え、枯れかけている木もあるようですが、現役です。ナパのあるワイナリに卸しているとあります。

調べてみたところ、Ruddがこのブドウでシャルドネを作っているようです。ただ、ワイナリのWebサイトには、現在記述がないので、今も購入しているのかどうかは定かでありません。

ここのシャルドネ、飲んでみたいですね。
Date: 2013/0607 Category: おすすめワイン
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故Robert Mondaviの志を継ぐワインというと、4つのワインが頭に浮かびます。

1つはRobert MondaviのTo-Kalonカベルネ・ソヴィニョン、次にはオーパス・ワン。これらはいずれもMondaviが始めたワインですが、最終的には資本関係がなくなってしまったワインでもあります。

残り2本はMondaviの子どもたちによるもの。1つが長男Michaelの「M」、そして次男TimのContinuumです。残念ながら不仲な兄弟の2人。Robertが最後に応援していたのは次男のTimの方でした。

Continuumは当初はMondaviからTo-Kalonのブドウの供給を受けていました。その後Pritchard Hillの畑を購入し、最新ヴィンテージの2010年では大部分がPritchard Hillからになりました。Wine Advocate誌の評価では2005年が95、以下2009年まで96、98、96、94と高得点を続けています。

柳屋では2010年のヴィンテージ以外に、2005年から2010年までの全ヴィンテージをセットにしたセットを発売。おそらく、2度と手に入らないセットでしょう。

Date: 2013/0606 Category: 読書感想
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個人的にアベノミクスにはかなり懐疑的なのではありますが、円安のおかげで企業の業績が上向き、いろいろな面で日本経済が活性化してきたことは、いい兆しなのかと思っています。

一方で、カリフォルニアワインの日本での普及を応援するという立場からすると、円安は値上げに通じることが確実です。リーマン・ショックからのワイン業界の不況と、円高の相互作用で、過去4、5年かなり安くていいものが入るようになってきた状況でしたが、この先、値上げや輸入停止などのニュースが増えそうなのは残念なところでもあります。

このように、円安、円高それぞれメリットデメリットがあるわけですが、それを「伝説のトレーダー」である藤巻健史氏と、長年銀行に勤務しており、経済学者でもある宿輪純一氏が平易に解説したのが本書です。

*お断り:実は私は宿輪氏とは中高の同級生であり、今も交友があります。ただ、本はちゃんと自腹で買っており、この感想についても、いわゆるステマ的なものでは全くありません。

立ち位置としては藤巻氏が円安論者、宿輪氏が円高論者ということになっていますが、読んでいくと、実は2人が言っていることには大きな隔たりはなく、結局構造改革こそが日本を救うために必要であるということがわかります。円安も円高も、そこに行き着くための一種のツールであったりバランサーであったりするような役割をするのだと思います。

なかなかおもしろく読めた本ですが、ちょっと不満な点も。

経済が専門でないものに取っては、金融のメカニズムというのは簡単には理解できないものです。例えば「金融緩和」という言葉は年中耳にするものではありますが、自分できちんと説明できるかというと、あまり自信がありません。

本書では平易に(しかも同じ事を何度となく)説明しているのですが、それでも頭に入るのには時間がかかります。ここにメカニズムを図示してあげれば、理解は遥かに容易になると思うのです。いくつか、グラフは使われていますが、本書の読者に必要なのは、それよりもメカニズムの理解でしょう。特に、2人の主張の同じところと違うところを際立たせるためにも、それは必要だったと思います。

このあたりは編集者の力不足か、手抜きか、時間不足か…もうちょっとがんばってほしかったところです。

なお、本書は2003年に出た本の新板ということになっていますが、読んでいて古臭さは全くありません。必要なところはすべて、現在の状況に合わせて書きなおされています。

Date: 2013/0604 Category: 業界ニュース
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サンタ・クルーズ・マウンテンズにあるMount Eden Vineyads(マウント・エデン、現地での発音はマウント・イーデンが近い)のオーナー夫妻が初来日。セミナーに参加してきました。

オーナーのパターソン夫妻

Mount Edenは後述するように歴史あるワイナリですが、近年とみに評価が高まっています。シャルドネやピノ・ノワールがWine Advocate誌やWine Specatator誌などで95点前後の高得点を連発。日本でも人気銘柄の1つとして完全に定着した感があります。僕にとっても近隣のRidgeやNeelyのシャルドネと並んで、好きなシャルドネの1つとなっています。

セミナーではまず、サンタ・クルーズ・マウンテンズAVAについて説明がありました。

モントレーとサンフランシスコの間にあるこの地域は、北にはサンフランシスコ湾、西と南には太平洋を望み、冷たい海の風の影響を受けやすくなっています。

特筆すべきなのは標高の高さで、太平洋側は海抜120m以上、サンフランシスコ湾側は同240m以上がAVAの条件となっています。標高が重要なのは、霧の影響のため。この高さでは朝に立ち込める霧のライン(Fog Lineといいます)よりも上になり、午前中から太陽の日差しをしっかりと浴びることになります。また、夜もそれほど気温が下がらず、昼と夜の温度差が少なく、ブドウがしっかり生育するのも特徴です。

標高でAVAが定まったのはここが最初であり、また山岳地帯での最初のAVAでもあります。

ただ、傾斜のきつさなどから畑の開墾は容易ではなく、AVA全体でのブドウ畑の面積は1500エーカー(約6平方キロ)にとどまっています。ナパの4万3000エーカーと比べると30分の1程度の小ささです。

» 続きを読む

Date: 2013/0604 Category: 業界ニュース
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ナパの初夏を彩るイベントAuction Napa Valley 2013が開かれました。4日間のイベントを通して集まった売上は1690万ドル。過去最高だった2005年の1050万ドルを大幅に上回りました(Auction Napa Valley news)。なお、売上は全額チャリティに使われます。

Live Auction

メインのイベントは土曜日に開かれたライブ・オークション。このオークションの特徴は単にワインが出品されるだけでなく、ワイナリでのディナーなど、普通では得られないイベントを伴う出品が多いこと。特に今回は、クルーズが付いていたり、スコットランドでのゴルフ旅行など、ワイン以外の部分が目立っていたようです。

最高価格が付いたのはDana Estates提供のもの。同ワイナリのワインのほか、オーナーの出身国である韓国への旅行が付いています。入札価格が50万ドルを超えたところで、オーナーが出品を2つに増やし、100万ドルの売上になりました。

また、オークションの最後には、今回ホスト役を務めたStaglin家が、統合失調症を患っている息子のBrandonと登壇。子供の精神病研究などのために寄付を訴え370万ドルを集めました。

今回のオークションでは、若い世代の参加も目立ちました。多くは、長年の参加者の子供や孫といった形だったようです。
Date: 2013/0603 Category: おすすめワイン
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トニー・ソーターがオレゴンのソーター・ヴィンヤードで作るピノが、カリフォルニアワインあらかるとで半額以下で出ています。

このワイン、先日僕も飲みましたが、バランスよく、オレゴンらしいエレガントな(でも決して薄くはない)ピノでした。

2000円台前半でこのレベルは、なかなかないと思います。お薦め。

Date: 2013/0602 Category: おすすめワイン
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いつも楽天のスーパーセールでは特価ワインを出しているVin du 268で今回もセールをやっています。限定品に付き数は限られていますのでお早めに。また、販売時間がそれぞれ割り当てられているので、あらかじめチェックをしておきましょう。

「欲しいワインが別々の時間で送料が増えちゃう」というような場合は、買うときに備考欄に「同梱ワインあり」というようなことを書いておくと、対応してもらえるはずです。

Vin du 268の特価セール
Date: 2013/0601 Category: 業界ニュース
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2014年1月から義務化されるソノマのワインの新しいルールに困惑の声が広がっています(Sonoma producers protest new labelling law | decanter.com)。

このルールでは、Russian River Valleyなど、ソノマ郡内のAVAをラベルに記す場合、同時に「Sonoma County」という文字もラベルに含まないといけなくなります。2011年1月から有効になっていたルールですが、当初の3年間は猶予期間ということで、2014年1月から義務になります。

これまで、AVAの認知に努めてきたプロデューサーにとっては、Sonoma Countyの文字が並ぶことで、ただの「Sonoma County」のワインと同列に見られてしまう恐れがあるように感じられています。実際、英デカンター誌の調査では、混乱は多少あるだろうということです。

このルールを推進したのはソノマの業界団体「Sonoma County Vintners」。実はナパには同様の法律が1990年からあり、ソノマでも、よりソノマとしてのアイデンティティを高めたいということで、ルール化したのでした。

どちらの言い分にも一理あり、何がベストなのかは判断が分かれそうなところですが、いい落とし所が見つかるといいですね。
Date: 2013/0531 Category: おすすめワイン
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Girard(ジラード)は、ナパでは珍しくコスト・パフォーマンスの高いワインを作っています。中でも個人的にお薦めなのはジンファンデルとソヴィニョン・ブラン。ジンファンデルは日本において3000円台で買えるものとしては、ベストの1つだと思います。何度もリピート買いしているワインです。最大の難点は、買えるときに買っておかないと、手に入らないことでしょうか。

ここのジンファンデルの特徴はバランスの良さ。ジンファンデルらしいふくよかさを感じる一方で、酸がしっかりと味を引き締めておりだれた感じがありません。日本の家庭料理にも合いやすいワインだと思います。

柳屋では6月2日までの限定で税抜き価格ですが2000円台というありがたい価格。6月2日は楽天でスーパーセールがありますから、その日に買うのが、ポイント面ではベストかと思います。まずは下記リンクから楽天スーパーセールの登録をしておきましょう(ポイントアップは登録が必要です)。ポイント気にしない人は、売り切れる前に買うのが吉です。

楽天スーパーセールはこちら

Date: 2013/0530 Category: 業界ニュース
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Kendall-Jacksonを中心とするJackson Family Winesが、La Cremaブランドを拡大するそうです(Jackson Family Wines Eyes Luxury Pinot Noir, Extends La Crema | Shanken News Daily)。

La CremaはJackson Familyの中ではKendall-Jacksonに次ぐ規模のワイナリ。とはいってもKendall-Jacksonが2012年に310万ケースも生産しているのに対して、La Cremaは85万ケースですから大きな開きがあります。

La Cremaの強みは20ドルを超える価格帯のワインを中心としながら、近年の不況に耐えて成長してきたこと。2012年は2011年よりちょっと減ったものの、2008年に比べればそれでも20%増えているそうです。

同ブランドの今後の動きとしては、オレゴンのピノ・ノワールとモントレーのピノ・グリを出していくことが決まっています。Jackson Familyはここ数ヶ月でオレゴンの畑を積極的に購入しているそうで、La Crema以外のブランドでもオレゴン・ピノをやる可能性があるのかもしれません。

一方、ピノ・グリはカリフォルニアでは現在シャルドネに次ぐ2番目の生産量の白ワインとなっており、その動きに合わせたものと思われます。
Date: 2013/0529 Category: 音楽系
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サントラは買うか買わないかまだ迷い中ですが、NHKから出ているムックは買いました。新品の最後の1冊。ラッキーでした。

あとは『潮騒のメモリー』出ないのかなあ? とりあえずYouTubeに上がっているのを聞いています。これ、2日に分けて放映されたのをわざわざつなげてアップしてくれた労作。






Date: 2013/0528 Category: おすすめワイン
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Wassy's傘下のパシフィックワインセラーズでラベル不良ワインの30%割引セールをやっています。

30%オフセールはこちら

オーストラリアものが多いですが、スーヴェランのシャルドネやヘンドリーのアンオークト・シャルドネ、個人的に大好きなFoxgloveのシャルドネと、シャルドネはカリフォルニアの出物がいろいろ。




Foxgloveではジンファンデルもあります。これは飲んだことないけど興味津々。



ほかにもいろいろありますのでチェックしてみてください。
Date: 2013/0526 Category: グルメ
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昔は漬物系はあまり得意ではなかったのですが、年とともに美味しさがわかるようになってきたようです。
水茄子

今日はたまたま買ったばかりの漬物が2種類あったので、両方出してちょっと豪華な晩御飯。写真はないけどおかずで作った牛肉と大根の煮物も意外と?好評でした。

漬物の1つは水茄子。関東ではあまり見かけませんが、関西では人気のなすです。浅漬の瑞々しいのにちょっと醤油と七味を付けて食べると美味しい(そのままでも十分美味しいですが)。なぜだかワインショップで売っていたものです。



もう1つの漬物はキムチ。ごく普通の白菜キムチですが、以前テレビで見たことがある川崎の「慶」という店のもの。

食べてみると、最初に軽い甘味を感じますが、後からじわっと辛さが来ます。旨味たっぷりで本当においしいキムチです。普段家で食べている生活クラブのキムチもかなり美味しいですが、それよりも甘味がある分、万人向けの味になっています。値段は少々高いですが、人気が頷けます。



↑今ページ見たら6月から1パック500gを400gに減らす実質値上げだそうです。円安のせいだとか。
Date: 2013/0525 Category: おすすめワイン
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Melville、Brewer-Clifton、Diatomと押しも押されぬワイナリでワインを作るGreg Brewerが、より親しみやすい価格でワインを提供したいとして始めた新プロジェクト。以前の記事で紹介しましたが、国内でも販売が始まりました。

日本では、Gregが懇意にしている杉本氏のCh. Igai Takahaブランドの1つとしてCrossed Wingという名前になります。ブドウはHappy Canyonの畑から提供を受けるソヴィニョン・ブランです。

Date: 2013/0523 Category: 業界ニュース
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乙武洋匡さんが銀座のイタリアンレストランで入店拒否されたことが話題になっています(当初のTwitterのやり取りなどをまとめた記事「【Twitterで激白】乙武洋匡氏が車椅子を理由にレストランで入店拒否されたと告白 / レストランは謝罪と弁明」乙武さんがブログに書いた記事「イタリアン入店拒否について」)。

乙武さんが怒った理由は、入店を断られたことそのものよりも、店側の対応の悪さによるものだと思いますが、そもそも店として車椅子のお客さんにどこまで対応するか、というのはなかなか難しい問題だと思います。特に、都心では地下や2Fで階段しかアクセスがなく、スタッフもほとんどいない、といった店はありふれていますし。

では、これが米国だったらどうでしょう。

米国では父ブッシュの時代にできたAmericans with Disabilities Act(ADA)という法律があります。ここでは雇用や公共施設などで身体障害者差別を禁じることが記されており、レストランもTitle III—Public accommodations (and commercial facilities) に含まれています。

それによると、この法律よりも後に作られる建物では「アクセシビリティ・ガイドライン」を満たさないといけないほか、既存の建物でも、障害を取り除くことが“大きな困難でない”(原文は“easily accomplished without much difficulty or expense”)場合は、対応しないといけないことになっています。

今回の乙武さんのケースではビルにエレベーターがあるもののレストランがある2Fには止まらない形になっていたとのこと。おそらく米国であれば店側に非があるという判断になったのではないかと思います。

米国は、人種差別問題が大きな問題であったことからか、差別の撤廃を法律的に定める傾向が強く、人種・宗教・性別などで賃金の差別をしてはいけないなど、かなり多くの決まりがあります。障害者についても法律的に守られ、実際の社会でも日本より不自由が少なく暮らせるようになっている感じがあります。

ただ、訴訟大国の米国では、こういった決まりを逆手に取ろうという輩も登場します。Jarek Molskiという人は1985年にオートバイの事故で障害が残ったのですが、カリフォルニアで障害者用の駐車場の不備や手すりの不備など400以上もの訴訟を起こしました。

彼が相手にするのは中小の事業所だけ。前述の“大きな困難でない”という部分の曖昧さを突いたものでした。大きな会社にとっては“大きな困難でなく”できる解決策も中小にとっては大変であるということを逆手に取ったのでした。

最終的には、彼は裁判所で「ゆすり」であるとされ、それ以上の訴訟ができなくなったのですが、既にそれまでに大半が和解に持ち込まれており、232件の弁護を担当した弁護士の報酬だけでも1000万ドルを超えたと推測されています。

実は、彼の訴訟の対象にはワイナリも含まれていました。カリフォルニアワイン・インスティテュートの堀賢一さんによると、「『玄関にスロープが付いていない』『車いす用のトイレがない』『車いすでトイレに入ったら、トイレットペーパに手が届かず、不快な思いをした』等の理由で20以上のワイナリーに対して訴訟を起こし、膨大な慰謝料を手に入れ」たとのこと。

ある、ソノマのワイナリのオーナーは「裁判所経由の訴状で知らせるのではなく、訪問時に『車いすからではトイレットペーパーに手が届かないので、設置位置をかえてほしい』といってくれれば、すぐ変えるのに」と言っていたそうです。

こういうことがあるため、小規模のワイナリは、テイスティング・ルームを設けて一般に公開するのに及び腰になってしまっているそうです。一部のワイナリでメーリング・リスト・メンバーだけに公開を限っているところがあるのは、こういう問題があるからかもしれません(この場合は一般公開ではないのでADAの適用範囲ではなくなります)。

法律で守られているが、やや行き過ぎの面も出てしまう米国と、今の日本、どちらもいい面、悪い面がありますが、日本では「優しい心」を持っていたいと思います。
Date: 2013/0523 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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LAタイムズの記事によると、マーカッサンが2008年のピノ・ノワールのボトル詰めをあきらめたそうです(LA Times - Marcassin will not release 2008 Pinot Noirs; winery blames wildfires)。

20130408-marcassin.jpg

2008年の夏にはワイナリから35マイル北に離れたAnderson Valleyで129件もの山火事があり、そこからの煙が約2ヶ月も北カリフォルニアに広がったという記録があります。

マーカッサンのピノ・ノワールは、分析結果こそ煙の影響は見られなかったものの、香りにはごまかしようがなく煙の影響があり、ボトル詰めをあきらめたとのこと。「『痛い』というしかない」とジョン・ウェットローファー(ワイナリオーナーの一人であり、ヘレン・ターリーの夫)は述べています。

なお、発酵時にブドウの皮を使わない白ワインでは煙の影響は少なかったようです。

ところで、より煙の元に近かったAnderson Valleyはどうなっているかというと、精製やフィルターを使うことで、なんとか影響を減らしたりしたようですが、バルクワインとして売ってしまったワイナリもかなりあったようです。

カリフォルニアは山火事多いので、こういう影響も出るのですね。
Date: 2013/0522 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌をやめたAntonio Galloniの新サイトVinousがオープンしました。会員制で年間120ドルというのはWine Advocate誌の99ドルよりも高い、かなり強気の設定。
Vinous

カリフォルニアではナパの2010年のワインを中心とした総括記事とレビューが公開されていますが、記事、レビュー、レイティングどれもWine Advocate誌の204号で公開された内容と同じなようです。

なお、期間限定なのかどうかよく分かりませんが、現在のところ登録なしでもレビューなど見られる状態になっています。

個人的には、ちょっと微妙かなという価格です。既にWine Advocate、Wine Spectator、Pinot Reportと有料登録してますしねえ。
Date: 2013/0521 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインあらかるとにポール・ラトーのヒリアード・ブルース「アレグリア」2011が入荷しています。

ポール・ラトーはピノ・ノワールとシャルドネ、シラーを専門とするワイナリで、契約した畑からいくつもの単一畑のワインを作っています。有名なPisoniの畑のブドウを使った「ランスロット」では2008年のものがWine Advocate誌で96点、シラーではBien Nacidoの2007年が98点、シャルドネでも最高95点と、高得点のオンパレード。今最も注目されている生産者の1つです。日本には、ピノの目利きでは随一と思われるilovecalwine社が輸入しています。

ヒリアード・ブルースはサンタ・リタ・ヒルズにある畑。2010年の同ワインはWine Advocate誌で92点。ポール・ラトーのラインナップの中では一番早飲み型のワインのようです。生産量はごくわずかなので、入手はお早めに。



「ランスロット」は以前、試飲したことがありますが、ピゾーニのパワーとエレガンスを兼ね備えたとてもいいワインでした。これも期待できます。
Date: 2013/0521 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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Kindleショップで売っている『無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》 』に新しいレビューが付いているのに気づきました。見るとこんなことが書かれていました。
(前略)
"Andy氏のこの本は、目から鱗な事が多すぎてメモりきれない。
今後何度もくり返し読むことになるだろうし、内容をアレンジして使わせて貰いたいとも思うw
この本の中で、特に勉強になったのが、ワイナリーを取り巻く、醸造家や栽培家の相関だ。グスタフ・ニーバムのInglenookをひとつとってみても 歴史と共に様々な形でInglenookに関わる 人々のドラマと繋がりをこの本から学びとれた。
そういった事が、この本には山の様にある!"
(後略)

Amazon.co.jp: 無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》の Caveweb担当さんのレビュー


いや、本当に嬉しいです。励みになります。ただ単に、こういうワインがあります、ということではなく、人を描きたいと思って書いているので、力不足の部分も多々ありますが、こういうふうに読んでもらえたら本望です。

最後には「Andy氏の続編に期待します!」と。

ハードル上がっちゃいましたね。頑張ります。

なお、Kindle版はiPhoneやAndroidでも読めますので、「Kindle持っていないから」といった遠慮はご無用です(笑)。

Date: 2013/0520 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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2007年のドミナスが日本に入って来ています。既に売り切れてしまった柳屋のページによるとわずか25ケースの入荷とのことで、あっという間になくなる可能性が高そうです。

Wine Advocate誌では98点。2002年の99点以来の高得点です(ちなみに2008年は99点!)。レイティングを付けたロバート・パーカーによると、この得点差はスタイルの違いというだけであり、2007年はエレガント、2008年は力強い作りになっているとのことです。

どちらにしても、これだけのワインが1万5000円台というのは破格の値段。ナパのカベルネ系で日本で安く買えるものというと、スポッツウッドとドミナス、そしてシェイファーのヒルサイドセレクトの3つを思い浮かべますが、スポッツウッドの輸入量が激減してしまった今、ナパのカベルネ・ファンであれば、これは手に入れておくべきワインでしょう。

また、パーカーに言わせると、ドミナスはナパとボルドー、しかもポーリアックとポムロールをブレンドしたような味わいだとのこと。ボルドー派にもお薦めできるワインです。


Date: 2013/0520 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天で6月~8月の3カ月、国内の送料分をポイントで還元するキャンペーンが始まっています。先着1500名、キャンペーンの申し込みに975円かかりますが、月に数回使うユーザーなら入って損はないでしょう。限定数なのでお早めに。

申し込みページ
Date: 2013/0520 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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ITジャーナリストの松村太郎さんのユニット茶太郎豆央(ちゃたろう・まめお)による米国西海岸の最新コーヒー事情をまとめた本「サードウェーブ」を読みました。



サードウェーブとは、スターバックスを代表とする「セカンドウェーブ」へのアンチテーゼとして起こった動き。元々、米国でコーヒーというと、いわゆる「アメリカンコーヒー」のような薄くて味気ないものばかりだったわけですが、そこに「グルメ」なコーヒーの楽しみ方を持ち込んだのがスターバックスや、本書でセカンドウェーブの発祥として取り上げているピーツ・コーヒーなどでした。

スターバックスは米国のコーヒー文化を大きく変えましたが、「大量生産・大量消費」という構造は残ったため、フェアトレードの動きに対応が遅れるなど、欠点も現れるようになってきました。

そこで2000年過ぎから起こったのが「サードウェーブ」です。

サードウェーブの特徴を端的にまとめると「コーヒー豆」へのこだわりということになりそうです。

例えば、コーヒーはブレンドせず1つの産地、1つの種類の豆を使うとか、店で焙煎をして、1杯ずつドリップするとか、煎り方は浅煎りが基本とか、いずれもコーヒー豆の特徴を引き出すことを狙っているようです。

バークレーで始まったこの動き、店では「カッピング」といってコーヒー豆の評価をするためのイベントを提供しているところもあるそうで、ワイナリにおけるワインの試飲のようだな、と思いました。

そもそも、コーヒー文化の発展過程も米国のワインの進化と似ているところがあるように感じました。スターバックスやピーツ以前のファーストウェーブの時代というのは、ワインでいうとGalloのHearty Burgandyなど、なんのブドウなのかも分からない、いわゆる「ジェネリック・ワイン」と似ています。

スターバックスなどのセカンドウェーブは、ロバート・モンダヴィなどが出てきて、ブドウ品種を明確にした「ヴァラエタル・ワイン」が広がった1970年代以降に相当します。

そして、サードウェーブは、より繊細な味わいを中心とするピノ・ノワールが流行り、単一畑の個性を引き出すワイナリが増えた2000年以降のカリフォルニア・ワインによく似ています。呼応しているとまでは言いませんが、何かしら空気感の共有があるように思います。

僕は、この本を読むまではコーヒーのサードウェーブについては知らなかったのですが、やはり同じ西海岸での動きだけあって、親近感を持って読むことができました。日本でもこういうコーヒー屋が出てくると面白いと思います。

(そういえばピーツ・コーヒーは一時期日本にも店があったのだけど、知っている人はどれだけいるだろう?)

なお、この本はKindle用になっています。Kindle端末を持っていなくても、iPhoneやAndroid端末で読めます。


こちらもよろしくお願いします。
Date: 2013/0517 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Merry Edwardsは女性ワインメーカーの草分けであり、ソノマのRussian River Valleyを代表するワインメーカーの一人でもあります。ピノ・ノワールが有名ですが、彼女の隠れた実力作がソヴィニョン・ブラン。最初にワインメーカーの職を得たMatanzas Creek以来、得意品種としています。

中でも2007年のソヴィニョン・ブランはWine Spectator誌で96点。ソヴィニョン・ブランとしては同誌で唯一96点以上を取ったワインになりました。2009年の年間9位という輝かしい結果を残しました。

今回は最新ヴィンテージのソヴィニョン・ブランです。

Date: 2013/0516 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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先日、日本橋高島屋で開催していたワインフェアに行ったとき、インポーターのデプトプランニングさんに試飲させてもらって気に入って買ったワインです。

C.G.ディアーリ(C.G. Di Arie)というワイナリは全く知りませんでしたが、シエラ・フットヒルズにあるワイナリ。「浸水キャップ式発酵タンク」という方式を自ら開発して醸造しているワインです。

通常、ワインを作るとき発酵中の液体とブドウの果皮などをよく接触させて味わいを引き出すために、「パンチダウン」といって浮いている果皮を沈める作業をします。

これはアロマを引き出したりするのに役に立つ一方で、繊細さを奪ってしまう部分もあります。そこで、タンクの底から液体を静かに抜き取りタンクの上から優しく入れることでパンチダウンと同じ効果と繊細さの共存を狙ったのが「浸水キャップ式発酵タンク」です。

前置きが長くなりましたが、このジンファンデル、確かに繊細。おそらくブラインドでジンファンデルだと思う人は半分もいないでしょう。香りも色もピノ・ノワール、しかも冷涼なオレゴンのピノ・ノワールかと思うような感じです。味わってみると、かすかな梅っぽさで、あ、もしかしてジンファンデルと思いますが、やはりデリケートな味わい。

これで2000円台というのはかなり秀逸。濃い系ジンファンデルが好きな人よりも、冷涼系ピノ・ノワールが好きな人に飲んでほしいワインです。

Date: 2013/0515 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Rupert Murdock
写真提供: Disney ABC Television Group
メディア王として知られるNews社のルパート・マードックがロスアンゼルスのワイナリMoragaを購入しました(Media Mogul Rupert Murdoch Buys California’s Moraga Vineyards)。

購入金額は公表されていませんが、数カ月前に不動産市場において売却意向が明らかになったときは2950万ドルの値段がついていました。

Moragaはビバリーヒルズの近くにあるベル・エアーのワイナリ。世界でも最も地価が高いところにあるワイナリとして知られています。ソヴィニョン・ブランとボルドーブレンドの赤ワインを作っています。

マードックの狙いは定かではありませんが、まずはワイン・ビジネスについて学ぼうとしているようです。
Date: 2013/0513 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ちょっと前の記事ですが、ウォールストリート・ジャーナルに、ワイン・コンサルタントについて書かれたものがありました(What Winemaking Consultants Really Do | On Wine by Lettie Teague - WSJ.com)。

ワイン・コンサルタントというと圧倒的に有名なのがミシェル・ロラン。この記事が書かれたきっかけもボルドーのシャトー・フィジャックがミシェル・ロランをコンサルタントとして雇ったことでした。それが明らかになったときに、多くの人がフィジャックのワインが「ロラナイズド」されることを懸念したのですが、コンサルタントに本当にそんなパワーがあるのかどうか、ということを調べたかったとのことです。

ミシェル・ロランが契約しているワイナリの数は200とも言われています。ロラン自身へのインタビューによると、ブラインド・テイスティングでロランのワインと他のワインを並べてテイスティングしたときに、100%違うと思われた方がロランのワインだったという例があるように、「ロラナイズド」されたワインについては否定的でした。

カリフォルニアのポール・ホブズ(南半球など40近くのクライアントがいます)は「クライアントと地域を反映したワインを作りたい」とやはり特定のスタイルを持つことには否定的でした。

このほか、キホーテやフィッシャー、ジェリコ・キャニオンなどのアーロン・ポット、フィリップ・メルカなども登場し、なかなか興味深い記事になっています。

一番多くの人の関心を引きそうなのは報酬についてでしょう。記事によるとロランの報酬は年間10万ドルから25万ドル(一部はタダとの話も)。アーロン・ポットは月額1万ドル、フィリップ・メルカは月額8000ドル。それだけの価値があるのだとすれば、やはりすごいことです。ちなみに評論家から高い得点を得るとボーナスがもらえることもあるそうですが、以前は92点以上だったのが今は95点以上になっているとか。

コンサルタント志望の若者は多いそうですが、確かにうまくいけばおいしいビジネスなのかもしれません。
Date: 2013/0512 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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Kindle Direct Publishingで本を販売すると、通常販売価格の35%、KDPセレクトを使えば70%のロイヤリティ収入が得られます。日本の口座を登録すれば、1000円以上で入金してくれますので、「無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》」でも細々ながら収入が上がってくる状態です。

ただ、何も考えないで手続きをすると米国での源泉徴収で30%も引かれてしまいます。35%のはずのロイヤリティが実質24.5%まで落ちてしまうのですから結構大問題です。

これを避けるには、米国の納税者番号を取得して、アマゾンに提出します。先日重い腰を上げて手続きしたところ、なんだかんだで1ヶ月くらいかかりました。手間を惜しまず早めにやっておくのがいいと思います。

手続きはちょっと面倒ではありますが、アマゾンのサイトに書いてあるのに従っていけば大丈夫です。

» 続きを読む

Date: 2013/0512 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年5月23日、大阪の「ザ・リッツ・カールトン大阪」でAmerican Wine Dayというイベントが開かれます(American Wine Day)。

150種類以上の米国産ワインが試飲できるというこのイベント、一般向けは19時からで5000円。試飲代のほか軽食や抽選会のエントリーも付いています。

また、昼間には業界向けの試飲会も開かれるとのこと。こちらも参加者を募集中だそうです。

うまくいったら関東でも開かれる可能性があるとのことで、関西方面の方、ぜひ参加をお願いします。
Date: 2013/0510 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーが自身の掲示板に、現在のワイン市場における問題点を挙げています。「お前が言うか」という向きもあるでしょうが、どんなことが挙げられているのかひと通り訳しておきます。

  1. 25ドルを超える価格のワインは相変わらず売れない
  2. コストパフォーマンスの高いワインはいろいろなところで作られる。しかし、主として南米、スペイン、南仏、南イタリア、東欧(ブルガリアに気をつけなさい)、南オーストラリア、南アフリカが依然として牽引役である
  3. ワインの販売と流通を仕切るのは依然としてワイン業界、特に議会に影響力を持つ卸売業者だ
  4. ワインのレイティングやスコアはこれまで以上に重要だ。しかし評点があふれる中で影響力を持つのは、わずかなソースに限られる
  5. ボルドーのフューチャーは次の偉大なヴィンテージが出てくるまで瀕死の状態だろう
  6. ワインを長期間セラー熟成させて楽しむ人達は絶滅の危機に瀕している。果実味を重視し、早くから楽しめるワインへと好みが移っているからだ
  7. 二酸化硫黄無添加ワインなどの馬鹿げたものをありがたがる風潮は自然消滅しつつある
  8. ワイン業界で力を持つものへの一極集中はこれまで以上に危険なレベルに達している
  9. ワインの劣化は依然として流通過程で起こる。低温輸送や倉庫の費用を無駄と思う流通業者のためだ
  10. 若い世代はクラフトビールなどを飲むようになり、ワインは勉強して楽しむに値しないと考えつつある


1番に関してはだいぶ情勢が変わりつつあるような気がします。後はそれなりに当たっているようにも思いますが、みなさんの意見はどうでしょうか?
Date: 2013/0508 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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サンタ・ルシア・ハイランズ(Santa Lucia Highlands)を代表するワイナリの1つがRoar(ロアー)です。

この地域を一躍有名にした畑がPisoniであることは、たびたび紹介していますが、Pisoniの畑を作ったGary Pisoniの幼なじみがGary Franscioni(ゲイリー・フランシオーニ)。彼のワイナリがRoarです。Pisoniの兄弟的位置付けの畑であるGarys'(二人のゲイニーによることが由来)、Rosella(ゲイリー・フランシオーニの奥さんの名前)の二つの畑でRoarだけでなく、多くのワイナリから人気のピノ・ノワールを産み出しています。

2007年にはSiduriのAdam LeeからAugust WestのEd Kurtzmanへとワインメーカーが代わり、人気もますます高まっています。

というわけで、米国での人気により日本への入荷数はどんどん減っていっているのが実情です。今回はピノ・ノワールはSanta Lucia HighlandsのAVA名義のもの(といっても中身はGarys'とRosella'sとSierra Mar)と、シャルドネがSierra Marだけという事態に陥っています。追加の入荷も期待薄なので、買うなら「今でしょ!」状態です。

なお、このSierra Marというのは2007年に植えた比較的新しい畑ですが、標高が高く風が強いところで、元Wine Advocate誌のAntonio Galloniによると「ジェームズ・ボンドの映画のオープニングに登場しそう」なドラマチックな畑だそうです。
Date: 2013/0507 Category: グルメ
Posted by: Andy
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自宅の家電製品の中で一番古かったオーブン・レンジがついに壊れてしまい、買い換えることになりました。

選択基準は主に下の3つ。
・これまでオーブン・レンジが入っていた食器棚内のスペースに収まる(奥行き42cm以内が必要)
・オーブンと電子レンジを比べたら電子レンジを使う頻度の方が圧倒的に多いので、そちらの機能を重視
・でも、スチーム・オーブンもはやりなので欲しい
・価格は2万円台~3万円台

電気屋に行っていろいろ見たところ、電子レンジ機能はパナソニックと日立が比較的良さそうでした。他の機能と併せて選んだのは日立のMRO-LS8。白と赤があって赤が欲しかったのですが、入荷が1ヶ月先とのことで、結局ネットで購入しました。



過熱水蒸気によるオーブン機能で唐揚げもできるということだったので、さっそく試してみました。結果としては、唐揚げとは違うけど似たようなものが出来上がり(笑)

・粉をつけすぎると白く残る、少なすぎると唐揚げっぽくならないので加減が難しい
・鶏の胸肉を使ったが、油が落ちて身がしまるので、固くなりがち。もも肉の方が向いているだろう
・皮の部分はカリッとなって美味
・油で揚げるのよりあっさりめの味になるので、下味はしっかり付けた方が美味しい。
・オーブンに入れたら、出来上がるまで手が空くのでかなり楽できる

メニューにはもも肉のハーブ焼きみたいなのもあったので、そちらの方が向いているかもしれません。まだ全然使いこなせていませんが、少なくとも電子レンジ機能は期待通りのものがありそうです。
Date: 2013/0506 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのピノ・ノワールの畑の中でも人気が高いのがピゾーニです。ブドウの提供先が一流のワイナリに限定されているのがその理由の1つ。ピゾーニ創設者のGary Pisoniは、品質が気に入らないワイナリには供給を止めてしまうほど品質保持を徹底しています。

日本にもピゾーニの畑のワインはいろいろ入ってきていますが、比較的入手困難なものの1つがキャピオー(Capiaux)。創設者のSean Capiauxは、Pine Ridge、Peter Michaelなどで働きながら1994年にピノ・ノワール専門のブランドCapiauxを立ち上げた人。現在はCapiauxのほかナパのハウエル・マウンテンにあるO'Shaughnessy Estateのワインメーカーをしています。

柳屋にそのキャピオーのピゾーニ2010年が入荷しています。キャピオーの説明には「ピノではかの英雄サー・ピーター・マイケルの元で、ピゾーニからの 『ムーラン・ルージュ』 を完成させ」とありますが、Moulin Rougeは1997年が最初のヴィンテージ。Sean Capiauxは1996年から2000年まではニューヨークに住みながらCapiauxとニューヨークのいくつかのワイナリでワインを作っていたので、ちょっと外れていそうな気がします。

わずか269ケースの生産で、ワイナリでは売り切れのワイン。これを逃すとまず入手はできないでしょう。

Date: 2013/0506 Category: 業界ニュース
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ポスター
ソノマのRussian River Valleyにおけるワインの歴史を当事者の証言で紐解くドキュメンタリーが6月にPassport of Pinotイベントで上映されます(Documentary about the Rise of the Russian River Valley Wine Region)。以下がその予告編。



この短い予告編だけでもJoe Rochioli Jr.(ロキオリ家で果樹園からブドウ畑への切り替えを推進し、ピノ・ノワールを植えた人)やDavis Bynum(RRVのピノの先駆者)、Burt Williams(Williams Selyemの創設者)などが登場しており、個人的にはとても気になる内容です。

というのも、このところワイナリ紹介ブログの方ではRochioliWilliams Selyemといったワイナリを書いており、RRVの歴史について、いろいろ思いを馳せていたところなのです。

上映は6月7日。場所はSanta RosaのVintner's Innです。詳しくはサイトで。

また、6月8~9日のPassport to Pinotイベントはこちらで。
Date: 2013/0504 Category: 業界ニュース
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castillodiamarosa.jpg
写真提供:jimg944

ナパ・ヴァレーのワイントレインがワイナリ見学を組み込んだツアーを追加しています(Napa Valley Wine Train launches tour to Castello di Amorosa : St. Helena Star)。

今回増えたのはCastillo di Amorosa(カスティーヨ・ディ・アモローサ)。ピクニック・エリアで人気のワイナリV. Sattuiのオーナーが作ったワイナリで、イタリアはトスカーナ地方のお城を模した建築がユニークなところです。

ツアーはランチ・トレインとセットになっており、ランチの後列車を降り、バスでツアーに向かい、ワイナリ見学後はバスでナパの駅まで戻ります。ナパ到着は16時なので、サンフランシスコから公的交通機関を使って日帰り可能です。

なお、現在提供されているワイントレインとセットのワイナリツアーは、これを含めて計6つ。他のツアーは
・Raymond(毎昼提供)
・Grgich Hills(毎昼提供)
・Domaine Chandon(金~日昼提供)
・RaymondとZD(月~木昼提供)
・Grgich Hills(土日の夜提供)
となっています。

詳しくはワイントレインのサイトで。
Date: 2013/0502 Category: おすすめワイン
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カリフォルニアワインあらかるとにCh. Igai Takahaのサムライ・ビューティ2011が入荷しています。これまでと同様、Greg Brewerの手によるシャルドネですが、名義上はこれまでのDiatomではなく、Brewer-Cliftonからということになります(樽を使っているので、樽を使わないDiatomの決まりから外れてしまうのが理由だそうです)。

1樽限りの醸造(約300本)なので、これを逃すと入手は難しいかもしれません。

また、同時に「オフクロ・ビューティ」も入荷。これはCh. Igai Takahaのナパさんこと杉本さんがご自身のお母様にプレゼントするために作ったワイン。Brewer-Clifton、PalminaのSteve Cliftonが醸造したピノ・ノワールです。畑はBrewer-CliftonやPaul Latoが単一畑のピノ・ノワールを作っているZotovich Vineyardですから、品質は折り紙つき。

Date: 2013/0502 Category: 業界ニュース
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19世紀に始まった老舗ワイナリMayacamas Vineyardsを、元スクリーミング・イーグルのオーナーであるCharles Banksが買収しました(Charles Banks and Partners Buy Mayacamas Vineyards)。

買収価格は公開されていません。

Charles Banksはもともと実業家でNFLのセントルイス・ラムズなどを持っていました。2006年にStanley Kroenkeと共にScreaming Eagleを買収、サンタ・バーバラのJonataも買い取りました。その後、2009年に両ワイナリかれ手を引いていました。

今回の買収後、ワインメーカーは元スクリーミング・イーグルのワインメーカーだったAndy Ericksonに変わる見込み。

老舗ながら地味なイメージが拭えないMayacamas Vineyards。ここのポテンシャルに何を見出したのか分かりませんが、スター・ワインメーカーを迎えてどのように変わっていくのか興味深いところです。
Date: 2013/0429 Category: 業界ニュース
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ナパの観光協会であるVisit Napa Valleyがこのほど発表した2012 Napa Valley Economic Impact Studyによると、2012年にナパを訪れた観光客は294万人だったそうです(Studies: 3 million annual Napa Valley visitors spend $1.4B – North Bay Business Journal - North San Francisco Bay Area, Sonoma, Marin, Napa counties - Archive)。観光客がナパで消費した金額は14億ドル。そのうち3分の2は食事とワイン・テイスティングだったとのこと。ナパの住民一人当たりで換算すると1万27ドルに上るとのことで、「ディズニーランドの次」といわれる観光地としての底力は大したものです。


(画像はVisit Napa Valleyによる)

観光客がナパに滞在した「人日」で見ると2005年が470万人日だったのに対し、2012年は490万人日と向上。うち、200万人が日帰りだったそうです。

実際に消費した額でみると、小売が4億9400万ドルと35.4%を占めてトップ。次いで宿泊が3億2700万ドルで23.6%、食事が3億100万ドルで21.6%でした。

また、観光客がナパで好むものは「景色の美しさ」が37.3%でトップ、次いでワインが34.9%。アウトドアのアクティビティも人気でした。

観光客のうち92.9%が「多分」「確実に」また来るとしており、満足度が非常に高いことが伺えます。


ナパに行く際は本書を忘れずに…

Date: 2013/0428 Category: おすすめワイン
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紆余曲折を経て、Wine Adovocate誌最新号でアントニオ・ガッローニによるソノマ・レポートが掲載されました。レビュー掲載本数は812本。昨年の約2割増です。

今回は、2011年のワインのレビューが加わっています。2011年はカリフォルニアでは珍しいほどの低気温だった年。収量は少なく、ワインの品質も懸念されていました。

結果としては、やはり全体的にアルコール度数が低く、酸が強いワインが多くなっているようです。しかし、ワインの出来が悪いわけではなく、2010年よりもいい出来のワイナリも少なからずあるとのこと。例えばガッローニは、Kistlerのピノは2010年よりも2011年の方が良くなりそうだとしています(ちなみに今回Marcassinのレビューはありません)。

レイティングを見ると96点以上は3本と少なく、ちょっと寂しさは否めないのですが、95点のところには興味深いワインが勢揃いしています。

中でも興味深かったものの1つが、最近日本への輸入が始まったKutch(クッチ)。2011年のピノ・ノワールがこぞって90点以上と高く評価されています。95点と一番店が高かったMcDougall Ranchは日本未輸入ですが、Savoyが93点、Sonoma Coastが90点。どれも2010年より2011年の方が点が高くなっています。2011年は除梗なしのブドウの比率を上げ、樽熟成の期間を18ヶ月から10ヶ月へと短くしたのが功を奏したようです。ただ、残念なことにSavoyの2011年はこのワインの最終ヴィンテージ。代わりに2012年からはHirschが、2013年からはAlder Springsが加わるとのことです。



Date: 2013/0425 Category: グルメ
Posted by: Andy
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以前紹介した讃岐のきつねうどん。大きくてふわふわで甘いきつねがたまらないのですが、期間限定のため今月いっぱいで販売終了です。

ただいま、この店全品ポイント10倍中なので、今月中に忘れずに注文するのが吉です。でないと来年の3月まで食べられません。

1セット4食分。2セット買うと送料無料になりますよ。

Date: 2013/0422 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Melvilleのワインメーカーであり、Brewer-Clifton、DiatomといったプロジェクトでSta. Rita Hillsを代表するピノ・ノワールやシャルドネを作ってきたGreg Brewer(グレッグ・ブリュワ)の新プロジェクトが判明しました。

Diatomの「漢字」ラベルやシャルドネSamurai Beautyなどでグレッグと親しいナパサンこと杉本隆英さんによると、これまでよりもリーズナブルな価格で楽しめるワインを作ることで意見が合ったとのこと。

その結果できたのはSanta BarbaraはSanta Barbaraでも海から一番遠く、ボルドー品種に向いたHappy Canyonのソヴィニョン・ブランでした。畑はHappy Canyonの実力派ワイナリStar Laneだそうです。

生産量は120ケース。半分をグレッグが米国で売り、半分を杉本さんが日本で売ります。

米国のワイナリ名は「Tako」。「蛸」です。
Tako

日本でのワイン名は「Crossed Wing」。Ch.igai Takahaの1ワインという位置づけになります。価格は2860円の予定。5月18日に販売を開始します。同日開かれるワイン会がお披露目になります。
Crossed Wing

米国のTakoは既に販売が始まっているようです。
Date: 2013/0419 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋で3ヶ月ぶりのアウトレット市が始まっています。ラベル損傷ものや、輸入停止による処分ものなどで格安のもの。今回はちょっとびっくりするようなワインが並んでいます。

まずは、2002年のDalla Valle Maya(ダラ ヴァッレ マヤ)。なんとWine Advocate誌で100点のものが7万5000円。もちろん1本限り。

写真が載っていますが、ラベルにかなり大きな傷があります。ただ、中身は変わりません。プレゼントにするのでなければOKでしょう。



もう1つラベルにキズありのものですが、アイアンホースのウェディングキュベが4500円。普通セールには出ないワインです。



三つ目はアリエッタのオン・ホワイト・キーズ2011。ソヴィニョン・ブラン約80%とセミヨンのブレンド。このヴィンテージはセミヨンに貴腐菌が付いたそうです。Wine Advocateでは93点。米国で80ドルするのが5000円を切るビックリ価格です。ラベルの傷もなく、輸入停止による価格。五線譜のラベルは音楽する人へのプレゼントにもいいでしょう。



このほかウォルター・ハンゼルやシャスール、フォックスグローブ(個人的には超お薦め)などもあります。ともかく全部売り切れごめんなので、お早めにどうぞ。
Date: 2013/0419 Category: グルメ
Posted by: Andy
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ナパさんこと杉本隆英さんが作るワインCh. Igai Takaha。その新作ワイン会が5月18日に東京で開かれます。主催は昨年12月のパーティと同じくG.G. Wineさん。会場は東京ミッドタウンのcanoviano cafe。今回はディナーではなくランチ会です。

詳しくはこちらをどうぞ。ワインは…。なお、今回は私は残念ながr欠席です。

1. Takaha Rose Ji Yoon 2012
2. Takaha SB Crossed Wing 2012
3. Takaha CH "Jewel Wish" 2011
4. Takaha CH "Samurai Beauty" 2011 侍
5. Takaha PN "Divine Wish" 2011
6. Takaha PN "Emerald Beauty" 2011 園

また、5月16日には名古屋でワイン会があります。会場は和食の店「円居」さん。こちらのラインナップは

Ch.igai Takaha Spakling Blanc de Noirs ¥5,800
Diatom Chardonnay 2011 鼓動 ¥ 5,300
Ch.igai Takaha Pinot Noir Emerald Beauty 2011 ¥ 8,800
Ch.igai Takaha Cabernet Sauvignon Dragon Beauty 2008 ¥ 9,800
Hilliard Bruce Chardonnay 2010 ¥ 6,800

Hilliard Bruce Pinot Noir 2010 sun ¥ 7,800

Date: 2013/0419 Category: グルメ
Posted by: Andy
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フレンチプレス
写真提供:wickenden
写真はイメージであり、スターバックスで提供しているものとは異なります

4月16日の日経朝刊にコーヒーをプレス式で入れるのが広がりつつあるという記事がありました。プレス式は試してみたいと以前から思っていたのですが、記事の中に
大手のスターバックスコーヒージャパンの店舗でも「顧客から要望があれば、プレス式での提供に応じる」という。

とあり、トライしてみることにしました。

レジで恐る恐る「プレス式でお願いしたいのですが」と伝えたところ、さすがに珍しい注文なのか、店長らしき人を呼んできました。そこでわかったことは、サイズは選べずTallサイズで390円。豆の種類は自由に選べるようなのですが、何があるかよくわからず、結局その日のドリップコーヒーで出していた「スリー リージョン ブレンド」を選びました。また、テイクアウトするかどうかは聞かれなかったので、そのオプションもないようです。
レシート

席で待つこと5分あまり。フレンチプレスの抽出器具と大ぶりのカップ、そして小さな紙コップが運ばれてきました。紙コップは最初に注ぐときにそちらに入れるためのもの。多分最初はカスが多いのでしょう。

コーヒーをカップに注ぎ、飲んでみます。まず分かるのは香りの高さ。特に普通のドリップよりも香りの種類も多いように感じました。味わいも普通よりも芳醇です。

コーヒーの入れ方もさることながら、香りにはカップの要素も大きいように思いました。ワインもそうですが、大ぶりなものの方が香りを感じるのには適しています。

飲んでいる途中で店長さん(らしき人)が同じコーヒーをドリップで入れたものを紙コップで少し持ってきてくれました。比較用です。

比べるとドリップのほうが味も香りも平板な感じがしました。明らかに違いはあります。

なかなかいいです。プレス式。時間に余裕があるときは、また注文してみようと思います。豆も選ばないとね。心なしか、店を出るときも「コーヒー通」っぽく見られているような気がしました(笑)。
Date: 2013/0418 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vines誌はこのほど2012年における米国のワイナリの消費者への直接出荷についてのレポートを公開しました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Annual Report on Direct Wine Shipping Available)。それによると2012年の直接出荷の出荷額は14億7000米ドルと、輸出額の14億3000米ドルを上回り、順調に伸びているようです。

ワイナリのサイズで見ると年間5000ケース以上50000ケース未満の小規模ワイナリが出荷額の約半分を占めました。小規模ワイナリの生産量は全体の5%しかないことを考えると、直接出荷が小規模ワイナリにとっては非常に大きな要素であることが分かります。ただ、2011年と2012年の出荷額を比較すると中規模や大規模のワイナリの方が伸び率が大きくなっています。大きなワイナリにとっても、少しずつ直接出荷の波が来ているのでしょうか。

ぶどう品種別で見ると、出荷量ではカベルネ・ソヴィニョンが20.4%でトップ。次いでピノ・ノワールが16.1%、赤のブレンドが15.3%と、この3種で過半数に達します。さらに、出荷額ではカベルネが31.8%、赤ブレンドが19.0%とこの2つだけで過半数。カベルネの単価の高さが伺えます。またピノ・ノワールの16.6%を加えると全体の3分の2を占めます。

また、地域別ではカリフォルニアが出荷量の82%と大半ですが、さらにナパだけで33%、ソノマも21%とこの2地域で過半数です。ボトルの平均単価が56.87ドルと高いナパは、出荷額では49%に上ります。

ソノマではピノ・ノワールがトップ。前年より26.9%増と全体を牽引しています。
Date: 2013/0416 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌が、前同誌のレビュアAntonio Galloniを契約不履行と名誉毀損で訴えるとしていた件で両者が和解しました。

過去記事「ロバート・パーカー、アントニオ・ガッローニを提訴へ、ソノマ・レポートの問題で」で記したように、2013年2月にWine Advocate誌をやめたアントニオ・ガッローニは2月末発行の同誌にソノマのレポートを掲載することになっていました。それが棚上げになって、アントニオ・ガッローニは自身のサイトに掲載する意向を示したことから、提訴するとしていました。

ロバート・パーカーによると、4月末の同誌でソノマ・レポートを掲載。5月にはイタリアのピエモントのレポートもサイトに載せるとのこと。

ガッローニのテイスティング能力の高さについては衆目が一致するところであり、こじれた形で両者が別れることには懸念していた人も多いと思います。今回の和解は両者にとって最善だったのではないでしょうか。

なお、ガッローニ側からは和解についてのアナウンスは出ていません。
Date: 2013/0416 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Sine Qua Non(シン・クワ・ノン)は米国のワイナリの中でも孤高の存在です。ロスアンゼルス近郊のVenturaという街にワイナリを構え、異常なほどのこだわりを持ってワインを作っています。これまでWine Advocate誌で得た100点ワインの数が13というのはハーラン+ボンドの9本を超えて圧倒的な多さです。

シン・クワ・ノンには毎年ワインの名前やラベルを変えるという特徴もあるのですが、その中でもデザートワインMr. Kのシリーズだけは別扱い。これはシン・クワ・ノンのオーナーであるマンフレッド・クランクルとアロイス・クレイチャーという人との共同プロジェクトだったのです。

Mr. Kにはシャルドネをベースにしたノーブルマン、セミヨンをベースにしたストローマンなどがあります。Mr. Kの中でも100点を2回取っていますが、残念ながらアロイス・クレイチャー氏が亡くなったことで2006年を最後に作られなくなってしまいました。

今回は、そのMr. Kの2002年のノーブルマン。Wine Advocate誌で94点というのはこのシリーズの中ではそれほど高い方ではありませんが、それでも十分なレベルです。米国では100ドル以上が当たり前ですが8280円というのは激安。ワイナリ価格の85ドルを実質上回っています。デザートワイン、あまり飲む機会はないかもしれませんが、これは抑えておいた方がいいワインです。

Date: 2013/0414 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニア在住の日本人「かんちゃん」こと神田真さんが作る「0906」のピノ・ノワール。2011年のヴィンテージが登場しています。

2011年はRussian River Valley(RRV)のRetrospectという畑のブドウを使っています。2006/2007年はRRVのAmber Ridge、2008/2009年はSonoma CoastのTwo Pisces、2010年はSonoma CoastのBohemianという畑でした。今回の畑はAmber Ridgeにほど近いところ。Sonoma Coastに比べると少しあたたかいのではないかと思いますが、アルコール度は13.8%と抑えめな作りになっています。

Date: 2013/0414 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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シェールガス/オイルは、エネルギー産業に大きな影響を与えていますが、ワイン業界にもとばっちりが来るかもしれないという話があります(Fracking Impacts Wine Industry - Central Coast News KION/KCBA)。

カリフォルニアのセントラル・コーストの沿岸のシェール層にも150億ガロンにも上る原油が埋蔵されているとのことで、その開発に期待する向きも多いようです。この埋蔵量は現在シェールガス/オイルの主な産地になっているテキサス州やノースダコタ州を超えて、米国最大のものだとか。

ただ、シェールガス/オイルの発掘で使う「水圧破砕」法は、地下水の汚染につながる懸念があります。実際、シェールガス/オイルを発掘しているところの近くでは水道水にメタンガスが混入するなどの現象が生じているとの話もあります。

カリフォルニアではブドウの生育期に雨がほとんど降らないため、灌漑を行うところも少なくありません。このときに使う水が汚染されると、どういうことになるのか。これまでのところ、影響自体がきちんと評価されていない状況のようです。

拙速に進むのは、怖い感じがします。
Date: 2013/0411 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Eコマースにもいろいろありますが、ワイナリに出資してワインを安く買えるサービスNaked Wineが英国で健闘しているようです(「クラウドファンディング方式」で成功したワイン販売ECサイト「Naked Wines」|海外ECサイト事例に学ぶ、売上アップのノウハウ|ネットコンシェルジェ)。

詳しくは紹介記事を見ていただきたいところですが、「エンジェル」と呼ばれる出資者はワインを25%以上のディスカウントで買えたり、1ケース買うとおまけのワインが1本もらえたりするというメリットがあります。出資額は毎月20ポンド(約3000円)。解約時には積立の残った分はすべて返金されるのでリスクはありません。すでに10万人を超えるエンジェルがいるとのことで、顧客満足度が高いことが伺えます。

集めた資金は、ワイナリへの購入保証に使うことで価格を下げたり、ワイナリがよりよいブドウや樽などを使えるようにするために使われたりしています。

サイトを見るとワインごとに「リピート買いしたい比率」を公開しているなど、情報をいろいろとオープンにしているようです。それが人気に結びついているような気がします。
Date: 2013/0410 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋にスクリーミング・イーグルのセカンドワイン「Second Flight」が入荷しています。今回リリースされた2006~2009のヴィンテージがそれぞれ2本。

5万9800円という価格はワイナリ価格の225ドルと比べると高いですが、正規代理店の価格が6万2500円とのこと。少なくともオークションなどで入手したものを販売している並行輸入品が8万円超なのよりは大分安いです。

ちなみにWine Advocate誌での評価は2006と2007が94、2008が92、2009が94です。1stのワインよりもメルローの比率が高いとのことですが、スクリーミング・イーグルらしさも十分にあるそうです。レビューを書いたアントニオ・ガッローニは2006年を「スーパーインプレッシブ」と評しています。

売り切れてたらごめんなさい。

Date: 2013/0410 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌をやめて自サイトに専念するアントニオ・ガッローニが3月末にナパを訪問。2012年ヴィンテージの第一印象を述べています(Napa Valley 2012 - A First Look - Antonio Galloni)。

昨年秋の収穫ですから、まだ当然ワインは最終ブレンドまでは行っておらず、ワイナリによって段階もやり方もバラバラな時期。テイスティングで得られるものもワイナリによって大きく違うようです。例えば、Bondでは畑ごとの特徴を感じとり、HarlanやOvidではブレンド前のコンポーネントを味わいとるとのこと。

また、Abreuでは収穫を18回に分けて行いましたが、ここでは収穫単位で醸造しているとのこと。同じブロックのカベルネ・ソヴィニョンを収穫時期ごとに違う樽から試飲することによって、新たな知見が得られるとしています。

2012年は、近年でも珍しいほど何も問題がなかったヴィンテージと言われています。フルボディでビッグなワインになっているかというと、現在のところそうでもないようです。きめ細かいタンニンと洗練された味わいを今のところ感じるとのこと。

次は4月末にナパを訪問するとのこと。
Date: 2013/0408 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wineglass
毎年春の風物詩、カリフォルニアワインの「バイザグラス」が始まっています(カリフォルニアワイン バイザグラスプロモーション|ゴールデン・ステート -カリフォルニア ワイン-)。

このキャンペーン、レストランにカリフォルニアワインをグラスでサーブしてもらうもの。参加レストランには覆面の審査員が訪れ、評価します。上位10店は秋にカリフォルニア旅行が得られるので店側もがんばります。

顧客にとっては、いつもよりも多くの種類のグラスワインがサーブされることで、いろいろなワインを少しずつ楽しむといった飲み方が可能になります。

参加は関東・関西合わせて約250軒。上記サイトより確認ください。また、店舗によって開催期間が異なることがあります。5月だけ開催といったところもあるので注意してください。

それにしても、このキャンペーンももう18回目になるとのこと。すごいですねえ。
Date: 2013/0406 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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ソノマのRussian River Valleyで重要なワイナリの2つ、KistlerとKosta Browneの紹介記事を書きました。

Kistler Vineyards: 高級ピノ/シャルドネの代名詞
Kosta Browne Winery: ピノ時代の寵児になった21世紀的ワイナリ

どちらも結構がんばって書いたつもりです。足りない点や誤認などありましたらご指摘ください。
Date: 2013/0406 Category: グルメ
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Andyの写真 - ミイル(miil)
Andyの写真 - ミイル(miil)
昨年、神保町の「丸香」で食べてから、さぬきのきつねうどんのファンになりました。お揚げがとにかく大きくてふっくらとしているのです。これまでのきつねうどん観を完全に覆されました。

いつも、半生うどんを取り寄せている亀城庵でもきつねうどんを期間限定で売っているので、今回初めて買ってみました。太打ちうどんとかけだしとお揚げが4人分で2580円。1人前640円だから、丸亀製麺できつねうどん食べるよりもちょっと高いです。

果たして味はどうでしょうか?

上の写真でわかるように、お揚げの大きさは十分。下のうどんが全く見えません。端をかじって、その穴からうどんを引き出しつつ食べます。うどんもここのはおいしいと思います。多分これまで20~30回くらいは買っているはず。香川県出身の知り合いもここで買うと言ってましたから、クオリティは保証付です。

うどんをちゅるちゅる、きつねをはむはむ。きつねはかなり甘い味付けですが、それがかけだしと相まって、おいしいです。ちなみにかけだしも化学調味料不使用とのことで、とても品のいい味です(ここの店の安いつゆはそんなに美味しくないのですが、これは別格)。丸亀製麺できつねうどん食べるよりずっといいです。ちゅるちゅる、はむはむ、ごくごくで、あっという間に完食。結構お腹いっぱいになりました。

家族からも、これはまた買ってくれというリクエストが入りました。4月いっぱいまで限定なので早めに買わなければ…

なお、2セット買うと5000円以上になるので送料無料になります(最初から2セット買えば良かった^^;)。

Date: 2013/0405 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Miuraというと「三浦」としか思い浮かばない皆さんこんにちは。

ランボルギーニの「ミウラ」を思い出す人もいるかもしれませんが、実はそちらが正解です。ランボルギーニのミウラも、こちらのMiuraも語源は同じ。スペインの有名な闘牛牧場の名前です。Miuraを作ったエマニュエル・ケミジ氏はスペイン育ち。父親が闘牛に関わっていたことから付けた名前だといいます。

このケミジ氏、リッツ・カールトンでワインのディレクタなどをしていた人ですが、1989年にマスターソムリエの試験に一回で合格したという才人。なんでも1回で合格した人はこれまで7人しかいないそうです。また、同年にCalifornia Restaurant Writers Associationからはソムリエ・オブ・ザ・イヤーの称号を受けています。

ケミジ氏が1995年に、Saintsburyのワインメーカーのバイロン・コスギ氏の協力を得て作ったのがMiuraです。バイロン・コスギ氏は2001年にSaintsburyをやめ、その後自身のブランドを立ち上げましたが、今でもMiuraのコンサルタントを続けています。

Miuraはシャルドネとメルローとピノ・ノワールを作っていますが、中でも中心はピノ・ノワール。Garys'、Pisoniといったサンタルシアハイランズの畑のものを得意としています。ここのフルボディタイプのピノのスタイルにPisoniが合っているのでしょう。例えばWine Advocate誌では2008年のPisoniが94+と評価されています。

前置きが長くなりましたが、今回かわばた酒店では2009年のPisoniが税込みで9009円。日本ではPisoniというと1万円を超えるのが通例ですから、かなり安い価格です。エッチングを使った印象的なボトルデザインも秀逸です。

Date: 2013/0404 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カリフォルニアのStag's Leap Wine Cellarsなども保持する、ワシントン州最大のワイナリがシャトー・サン・ミシェルです。質量ともに名門の名に恥じないワイナリです。

そこのプレミアムワインがCol Solare。イタリアのAntinoriとの合弁によるボルドー系ブレンドのワインです。シャトー・サン・ミシェルがカリフォルニアにおけるロバート・モンダヴィのような立場であり、言わばこのワインはカリフォルニアにおけるオーパス・ワンのようなものです。

日本への輸入は少なく、たまに売り出されるても1万円台の後半が当たり前でしたが、今回は1万円を切る価格。ワシントン州のカベルネ・ソヴィニョンはQuilceda Creekを筆頭に、非常に高く評価されていますから、カリフォルニアワイン・ファンとしても気になるところです。

Date: 2013/0404 Category: おすすめワイン
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ソノマのワイナリからもう1つ紹介しておきましょう。Vérité(ヴェリテ)はKendall-Jacksonを擁するJackson Familyの一員。ソノマ・ヴァレーを除くソノマでは珍しい、ボルドー系ワインの専業メーカーです(詳しくは「Vérité Winery: ボルドー系ソノマ・ワインの雄」)。

Wine Advocate誌で100点のワインが7種というのは、ソノマでは最多。ほかに100点を取ったのはシャルドネで5本100点になったMarcassinがあるだけです。

Véritéのワインは日本にも少量輸入されていますが、近年のものは5万円近くとさすがに高価になっています。また、極めて長熟型のワインなので、評価が高いからといって新しいヴィンテージのものを買うのが賢明かどうかは、悩ましいところです。

ウメムラには1999年のLa Muse(ラ・ミュゼ)が入荷しています。メルロー中心のポムロール・スタイルのワイン。Wine Advocate誌では97点の評価です。価格は税込みでも1万円台と、今後は出そうにない安さです。

Date: 2013/0403 Category: おすすめワイン
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最近、ソノマのワイナリ情報をがんばって更新しています。ブログには更新情報を流していないので「カリフォルニアワインの玄関口」のトップページで確認していただけたらと思います。

昨晩更新した中で興味深かったのがGeorge Wine Company。全くワイン作りと関係のないニューヨークのトレーダーから転身したGeorge氏の奮闘ぶりに心打たれました。

年間800ケースも作っていないのに、300ものレストランのリストに乗っているという人気のワイン。小売にはほとんど出回らないのは当然です。

それでも日本にわずかながら入荷しているわけですから、日本にいることをありがたく思いましょう。

Date: 2013/0403 Category: 業界ニュース
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Antonio Galloniが退任してから空白だったWine Advocate誌のカリフォルニア担当がようやく決まりました。

新しいレビュアは3人予定されていますが、うち1人が今回決定。Jeb Dunnuckというエアロスペースのエンジニアで「The Rhône Report」というローヌ系ワインのレポートをWebで発行しているそうです。

ローヌはこれまでロバート・パーカーが担当しており、パーカーが最も得意とする分野の1つでしたが、今回はパーカー自身がJebに惚れ込み、ローヌ担当を明け渡すことになりました。Jebはこのほか南仏、ワシントン、そしてカリフォルニアのセントラル・コーストと南カリフォルニアを担当します。セントラル・コーストの記事は8月末の予定です。

一方、北カリフォルニアについては、パーカー自身が示唆していたように、パーカーが返り咲きます。ただし、ペンディングになっていたソノマのレポートについては白紙のまま、パーカーによる次回のレポートは12月末の予定となっています。これに伴い、従来12月だったナパのレビューは10月になります。

なお、イタリアを担当する予定の新しいレビュアとスペイン・チリ・アルゼンチンを担当する新しいレビュアについては、今回は公表されませんでした。
Date: 2013/0402 Category: 業界ニュース
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Patz & Hallが創立25周年を迎え、記念のビデオを制作しています。ビデオの内容はほとんどジョークみたいなものですが、ワイナリを作った4人全員出演。Donald Patzさん以外は、これまであまり見たことがなかったのでなかなかおもしろかったです。また、Gary PisoniやLee Hudsonなど、著名な畑のオーナーも友情出演しています。畑のオーナーとの関係が良好であることを示しているようです。



個人的にはPatz & Hallのワインを初めて飲んだのは1999年のことでした。1998年のNapa Valleyのシャルドネでしたが、ピュアな果汁に感激したのを今でも覚えています。当時はまだ米国にいたときでしたが、日本に帰ってからも、一時はセラーの半分近くがここのワインで埋まるほど買っていました。

今は、自分の興味も分散しているため、たまに買う程度ではありますが、やはり好きなワイナリの1つであることは間違いありません。

(蛇足)昔、冗談でパッツ・アンド・ホール・アンド・オーツなんて言っていたことがありましたが、ビデオ見て、同じようなことを考える人はいるもんだなと思いました(笑)。
Date: 2013/0401 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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お買得ワイン2本まとめて紹介します。

1つは言わずとしれた「ドミナス」。セカンドワインのナパヌックではなく1stの方です。良ヴィンテージとして知られる2002年でWine Advocate誌ではドミナス最高タイの99点を取っているヴィンテージ。米国でも225ドル以上するのが1万8000円という激安。ちなみに99点のレビューが書かれたのは昨年のこと。それまでは96点の評価でした。パーカーによると「virtually perfect」とのこと。飲み頃は2032年ころまで。今飲んでも美味しいでしょうけど、熟成させて飲んでみたいものです。



もう1つはダイアトムが作る「サムライ・ビューティ」。ダイアトムのシャルドネに特注で古い樽を使って、マロラクティック発酵を加えた、日本向け専用のキュベです。ダイアトムでは樽を使わないというのがポリシーなので、実際には別のワイナリの名前が記されているはずです。どこだか分かりますか?
2011年のヴィンテージは生産量24ケースとごくわずか。入手はお早めに。

Date: 2013/0330 Category: おすすめワイン
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Mount Eden(発音はマウント・イーデンが近いですが、日本では通称マウント・エデン)はサンタ・クルーズ・マウンテンズにあるワイナリ。元々は1940年台にMartin Rayという人が興したワイナリで、カリフォルニアの歴史を勉強すると必ず登場する由緒あるワイナリですが、ここ4、5年で日本でもすっかり人気になりました。

きっかけは2008年のシャルドネ・エステートがWine Advocate誌で95点を取ったあたりかと思います(それとも2005年の96点のとき?)。その高評価でいて、日本での価格は5000円台~と比較的リーズナブル。味わいもコテコテではなくとてもバランスが良くて日本人の好みに合いやすいのかもしれません。

シャルドネだけでなくカベルネ・ソヴィニョンやピノ・ノワールも安定して高評価を得ています。

今回は2010年のピノ・ノワール・エステートが入荷。これもWine Advocate誌で96点と高い評価です。ワイナリ価格55ドルに対して6500円というのもありがたい価格。

ただし、WAでレビューしたAntonio Galloniによると、飲み頃は2020年(!?)からとのこと。セラーで熟成を待てる人向きかもしれません。

Date: 2013/0329 Category: おすすめワイン
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日本でも人気が高いSanta Barbara Winery。オーナーのPierre Lafondが手がける上級版のワイナリがLafond Wineryです。サンタ・リタ・ヒルズのブドウを使った室の高いシャルドネやピノ・ノワールを作っています。そのシャルドネが税抜き2500円。格安です。


Date: 2013/0329 Category: 業界ニュース
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サンタ・バーバラのサンタ・リタ・ヒルズAVAを拡大する提案が2月25日、Alcohol and Tobacco, Tax and Trade Bureau(TTB)に提出されています(Should Sta. Rita Hills Be Larger? | News | News & Features | Wine Spectator)。

この提案は現在は同AVAの少し東側にPence Ranchという畑を持っているBlair Pence氏によるもの。同氏はこの畑のブドウをAu Bon Climat、Brewer-Clifton、Pali、Hitching Postといった有名なワイナリに売っています。AVA名を付けてワインを売る場合にも15%以内であれば、AVA外のブドウを入れられるという規定に沿ったものですが、同氏は自身のブドウがAVA外であるという理由で不当に価格が抑えられていると感じているとのこと。そこで自社畑がAVAに入るよう提案を出したわけです。

ところが地元の協会であるSta. Rita Hills Winegrower Alliance(SRHWA)には、相談もなく地域外のコンサルタントを雇って提出したことから、同協会は大反発。提案に反対の姿勢を強めています。

地勢的に言うと、現在のAVAが西向きの斜面になっているのに対し、拡大提案の領域は南向き斜面であり、海からの影響が大きく違うと、協会側は主張しています。拡大が品質を下げてしまうことにつながると、地域のブドウ全体の価格に影響すると懸念しています。

同じような例では、GalloがRussian River Valleyの拡大を提案し、受け入れられた、というものがあります。

私の意見としては、協会の言うことが道理に則っていると思います。ただ、拡大によってイメージが悪化する心配はあまり要らないかと考えています。一般のイメージは、AVAの平均レベルよりも、ハイエンドのワインによって印象づけられるような気がするからです。

どうなることでしょうか?
Date: 2013/0328 Category: おすすめワイン
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ワインショップ・フィッチでWilliams-Selyem(ウィリアムズ・セリエム)のピノが7000円台と安く出ています。Russian River ValleyやSonoma CoastというAVA版ではありますが、国内では破格の価格でしょう。

Date: 2013/0328 Category: 技術系
Posted by: Andy
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このサイトにブログを導入してから10年経ちました。当時は従来型のHTMLのサイトにブログが加わる形。2004年に第2世代のブログにしたときも同じでした。現在の形(ワイナリ紹介のブログ+このブログ)というブログオンリーの形式になったのは2006年2月からです。

初代のブログはBloggerというシステムを使っていました。これは一種のASPですが、生成したHTMLを自分のサイトに埋め込むという形。サイトが重く、文字化けも多く、使いにくいシステムでしたが、当時は主流の1つでした。Googleに買収されたくらいですから、当時の期待の高さがわかるでしょう。

というわけで、自サイトにはHTMLだけ置けばいいので、実は今でも密かに置いてあります。最初の投稿はこちらから(Andy's Memorandam)。

20130328-weblog1.jpg

2003年3月25日にブログの開設報告を書いて、実質的な最初の記事は3月27日。今や人気ワイナリで入手も難しくなったRoarを「気になるワイン」として紹介しています。

4月には、これも2ドルワインとして定着した「Two Buck Chuck」を紹介しており、モンダヴィの苦境についても書き始めています。

今からみても、なかなかいい線をついている記事が多いように思うのですが、どうでしょうか?

サイト開設からは、今年の8月で14年。結構いい年月が流れてしまったものです。いつまでサイトが続くのかは神のみぞ知ることですが、カリフォルニアワインの普及を願う気持ちは変わっていないので、今後も地道に続けて行きたいと思います。
Date: 2013/0328 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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英国のMaster of Wine協会がリッジ(Ridge)のポール・ドレーパー(Paul Draper)を2013年Winemaker's Winemaker Awardに選出しました(ポール・ドレイパー、MWワインメーカーに選出 : ワインニュース : ドリンク&ワイン : グルメ : YOMIURI ONLINE(読売新聞))。

この賞は2011年に始まったもので、これまでピングスのピーター・シセック、ペンフォールズのピーター・ゲイゴが受賞しています。MWによるパネルとこれまでの受賞者によってポール・ドレーパーが選ばれました。

ポール・ドレーパーはスタンフォード大学で哲学を学び、パリ大学で学んだ後、北イタリアで2年過ごしてチリに小さなワイナリを作りました。1969年以来、リッジのワインメーカーを務めています。

カリフォルニアにおいては、単一畑のワインの先駆者であり、Monte Belloのカベルネや、様々な畑のジンファンデルなどで知られています。あまり知られていないところでいうと、今はAraujoの畑として知られているカリストガのEisele Vineyardのブドウで、最初に単一畑のカベルネ・ソヴィニョンを作ったのはRidgeでした(1971年)。

1976年のパリ・テイスティングではRidgeのMonte Belloは赤ワイン10本中の5位。30年後の2006年の再戦では見事に1位に選ばれています。

米国のワインメーカーの中でも多くの人が実力を認め、尊敬する人ですから、今回の受賞は喜ばしいことと思います。
Date: 2013/0326 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Martinelliの輸入停止による在庫処分で、昨日Bondi Home Ranchのピノが半額で出ているという記事を書きましたが、さすがに即日完売だったそうです。今日はMartinelli Roadのシャルドネ。Martinelliはシャルドネもフルボディ・タイプですが、個人的にはピノより印象が上です。これも超お買い得。お早めに。

Date: 2013/0326 Category: 技術系
Posted by: Andy
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ワイン好きの人なら、家にコルクがたくさんあったりするのではないかと思いますが、コルクにパーツをさして、ちょっとした人形にするものがあります。


1種類600円というのはちょっと高い気はしますが、こういうのもたまにはありかなと思います。
Date: 2013/0326 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマと一口に言っても広うございますが、中でもソノマ・コーストと言うと、海沿いだなあというぼんやりとした印象や、Flowersなどいくつかのワイナリの名前が出てくるくらいで、やや取りとめもない地域になっている感があります。

それをどうしよう、というわけではないのですが、ソノマ・コーストへの入り口的位置にあるセバストポールに新しいビジネス・パークThe Barlowが4月に誕生します(The Barlow | The Butcher. The Baker. The Candlestick Maker)。

ビジネス・パークと言っても工業団地的なものではなく、小売もあるし、ワイナリもあります。現在25のテナントが決まっていますが、うちワイナリは5つ。Kosta Browne、Wind Gap、MacPhail、La Follette、Marimar Estate、と「おっ」と思うような名前が並んでいます。

使い方はワイナリによって様々で、テイスティング・ルームとして使うところもあれば、Kosta Browneのように一般客は受け入れず、ワイン醸造のために使うところもあります。

ほかにもさまざまな店が入るので、ソノマ・コースト観光の一大拠点として人気が出そうな気がします。
Date: 2013/0325 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ヘレン・ターリーがコンサルタントを勤めるMartinelliがなんと日本への輸入停止になってしまうそうです。なんとか次の代理店が決まることを期待したいものです。

という残念なニュースではあるのですが、そのための半額セールを柳屋でやっています。対象はBondi Home Ranchのピノ。ヘレン・ターリー自身のワイナリであるMarcassinへもブドウを供給している畑。Marcassinであれば2万3万は当たり前のところがなんと今回は4500円です。

この機会に買っておきましょう。なお、Martinelliのピノは濃厚なタイプ。ブルゴーニュ的な繊細なワインとは一線を画していますので、そういうピノを期待する人は手を出さないのが吉です。

Date: 2013/0325 Category: 健康
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昨日は初めてのフルマラソン「2013板橋Cityマラソン」に出場しました。結果はネットで4時間34分47秒(グロスで4時間42分40秒、いずれも速報値)。完走こそは果たしましたが4時間切ることを目標の1つにしたので、苦い結果でした。

結果

ラップを見てもらえば分かるように35kmまでは安定したまずまずのペースで走っています。ただ、35kmから40kmの5kmは31分超と大幅ダウン。今から思えば、給水を2、3回取りそこねたことなどで脱水症状になっていたのではないかと思います。栄養補給もきちんとしていたつもりでしたが、後からチェックしたら意外と補給用のジェルが減っていなかったので足りなかったのかもしれません。

それでもネットの時間で40kmが3時間44分2秒。4時間は切れるタイムでした。しかし、結果的に41km手前で転倒。足も攣って動けなくなってしまいました。そこで30分近くストップ。もうリタイアかと思いましたが気を取り直して見れば、まだ4時間台だし、残り1kmなら歩いてもゴールできるので、なんとか足を引きずりながらゴールインしました。

いろいろ反省点はありますが、一生懸命走った結果の転倒なので、しょうがないでしょう。次回はこの教訓を活かしたいと思います。
Date: 2013/0323 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Fodor誌が選ぶ米国のスモール・タウン・ベスト10にソノマのヒールズバーグが選ばれていました(10 Best Small Towns in America | Travel News from Fodor)。

選ばれた町は
Healdsburg, California
Bozeman, Montana
Sedona, Arizona
St. Augustine, Florida
Provincetown, Cape Cod, Massachusetts
Brattleboro, Vermont
Traverse City, Michigan
Door County, Wisconsin
Galena, Illinois
Walla Walla, Washington

ワインカントリーではヒールズバーグのほかにワシントンのワラワラも選ばれています。

ヒールズバーグはRussian River ValleyやDry Creek Valleyの中心地。確かに小さな町ですが、Dry Creek Kitchenなど有名なレストランもあり、おしゃれなイメージがあります。ワイナリのテイスティングルームも点在しています。選ばれる価値がある町だと思います。
Date: 2013/0323 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・パーカーが主宰するWine Advocate誌が、前レビュアでカリフォルニアなどを担当していたアントニオ・ガッローニを提訴することが明らかになりました。(Robert Parker's Wine Advocate sues Antonio Galloni for fraud and defamation
)。

ガッローニは2013年2月末に発行されたWine Advocate誌にソノマのレポートを書く予定になっていましたが、「まだ情報を集めている途中で間に合わない」という理由でレポートを提出しませんでした(過去記事1過去記事2)。その、約束不履行およびWAへの名誉毀損に対する提訴というのが今回のアクションです。一説によると彼に支払った年俸30万ドルのうち7万5000ドルを返却するよう求めるとのこと。

ガッローニはレポートができたら、自サイトに無償で掲載すると以前表明しており、こういった動きにつながることは、私も心配していました。ガッローニが優秀なレビュアであるという点では、多くの人が認めるところでもあるので、立つ鳥後を濁さずで、行ってほしいものだと思います。
Date: 2013/0322 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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Vin du 268にダイアトムの「美夜」「鼓動」「風音」2011が入荷しています(CWGにも)。ワイナリの最後の在庫だそうで、売り切れたらもう次の入荷はありません。

迷ったら買っておきましょう。ただ、すぐ飲むよりも少し寝かしてから飲んだほうがおいしいワインだと思います。

Date: 2013/0321 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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昨年から評判だった映画「桐島、部活やめるってよ」のDVDが出ていたので、レンタルで見ました。

話は、バレー部の部長だった桐島が部活をやめた、という話があり、その後数日の様々なエピソードを様々な生徒の立場から描いていくというもの。バレー部の男子、野球部をやめた男子、桐島の彼女、映画研究会のオタク男子、吹奏楽部の部長女子といった、それぞれの目を通して1つのエピソードが繰り返し登場するのが面白いところです。

原作だと、それを生徒ごとに短編の形にしているのですが、映画ではどちらかというとエピソードを主軸として、それを生徒ごとに描いていく形。原作よりも映画の方が面白く感じました。

特に秀逸だったのが映画研究会の撮影で、腹を抱えて笑ってしまった場面もいくつかありました。

また、高校生活における「スポーツができるやつがかっこいい」的な部分が、この作品における主テーマの1つなのですが、そのあたりの描き方は「ああ、こういうことあるよなあ」と多くの人が共感すると思います。

あと、レンタルDVDでは特典映像として、本編とは全く独立した映画研究会の10分ほどのストーリー(シチュエーションだけ決まっていてセリフはすべてアドリブだそうです)があったのですが、これがなかなか秀逸。セル版では、帰宅部と女子部のものも入っているとのことで、それ見るために買ってもいいかなあ、という気になりました。



以下は参考のために、ブクログに書いた書籍版の感想を載せておきます。
でたときから気になっていた小説だが、最近映画化されて、そのインパクトあるタイトルがここかしこで話題になっているので、改めて読んでみた。

青春小説は数あれど、このような作りのものは珍しいのではないかと思う。このような、というのは高校生活における「ヒエラルキー」がテーマの1つになっていること。

イケメンだったり、スポーツが上手といった、ヒエラルキーの上位にいる生徒と、映画研究会でちょっと恥ずかしいタイトルの映画を作っている下位の生徒。多くの小説では、その1つの層にだけ焦点を当てることで、ヒエラルキー自体からは目をそらしている。それに対して本書では、それをストレートに表現してしまっているのだ。

バレーボール部の部長でありながら、部活をやめた桐島。彼は結局、表には1回も登場しないが、部活をやめるというのは、ヒエラルキー的には1つ下がったということなのだろう。

とはいえ、身も蓋もない話ではなく、最後には皆に救いがある。さわやかで良かった。
Date: 2013/0320 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ウメムラにケイマスのスペシャルセレクションやターリーのハインが大量に入荷しました。どちらも1990年代から2000年初頭の絶頂期のものが中心。値段は張りますが、それだけの価値のあるワインばかりです。

ケイマスのカベルネ・ソヴィニョン スペシャルセレクションは、このワイナリのフラグシップ。個人的な印象としてはシェイファーのヒルサイドセレクトと似た、お手本的なかっちりとしたタイプのカベルネ・ソヴィニョンです。Wine Spectator誌で2回Wine of the Yearを取った唯一のワイン。今回はそのうちの1つ1990年のものも1本入荷しています(もう1つは1984年)。


一方で、TurleyのHayneは、Turleyが手がける数多くの畑の中でもフラグシップ的位置付けのもの。ジンファンデルとプティ・シラーがありますが、どちらもWine Advocate誌では最高97点と、この品種としてはトップのレイティングを取ったことがあります(ジンファンデルではほかに、MartinelliのJackass Hillがあるのみ、プティ・シラーはこれが唯一)。今回はプティ・シラーが様々なヴィンテージで入っています。97-99点という評価の1994年に加え、96点以上をとった1997、2000、2001、2004年のヴィンテージもあります。

Date: 2013/0320 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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コッポラのワイナリがソノマのワイナリGeyser Peak(ガイサー・ピーク)の畑とワイナリ設備を購入したことが明らかになりました(Coppola buys Geyser Peak Winery facilities, vineyards | PressDemocrat.com)。コッポラにとっては生産量を増やすことが目的だそうです。

Geyser Peakのブランドは引き続き親会社であるオーストラリアのAccolade Winesが持ち続け、ワイナリをリースで借りてワインを作るほか、テイスティング・ルームもリースで借りるとのこと。

話がちょっとややこしいのですが、Geyser Peakの設備や畑を所有していたのはEPR Propertiesという会社。この会社は近年売却を積極的に行なっており、今回の売却もその方針の1つだったようです。
Date: 2013/0319 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2013年3月14日、シャトー・モントレーナの創設者であるジム・バレットが亡くなりました。86歳でした(James L. Barrett, Owner of Chaeau Montelena Passes Away)。

ジム・バレットはロスアンゼルスで新聞の販売店を20年位上勤め、1972年に世界に通用するワイナリを作るためにナパにやってきました。

ナパのカリストガで打ち捨てられたシャトーと、ブドウ畑を発見。そこを購入してシャトー・モントレーナを始めました。そして1976年のパリ・テイスティングで1973年のシャルドネが1位を取るに至ったわけです。

1982年にはワインメーカーをMike Grgichから息子のBo Barrettに交代。現在に至ります。

4月2日にはナパのカーネロスにあるMeritage Resort & Spaにおいて公開の告別式が執り行われる予定です。
Date: 2013/0317 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ピノ・ノワールやシラーで人気のワイナリ「Red Car」。ラベル・デザインもセンスを感じる「オシャレ感」のあるワイナリです。これまで日本の正規インポーターがなかったのですが、それが決まったことにより、これまでより輸入価格も大分下がりました。

ここのワインのスタイルは、果実味を重視したもので、比較的早飲み向きなようです。ソノマ・コーストにいくつかの畑を所有しています。畑のマネージャーは、ソノマではこの人ありと知られているUlises Valdez(ウリセス・バルデス)。

ワインはメインストリームとなるのが「トロリー」というブランド。赤いトロリーが印象的なラベルです。より普及ラインが「ボックス・カー」。赤字で大きく「Box Car」と書かれています。

それ以外のワインは「リザーブ」扱いで、それぞれ畑以外の名称が付き、ラベルも毎年変わるというSine Qua Nonのような体裁を取っています。

今回はトロリーとリザーブのいくつかが輸入されているようです。また、Red Carというと赤ワインのイメージが強いですが、今回シャルドネも入っています。

ただし、正規輸入開始といっても、元々生産量が多いワイナリではないので、輸入量も多くありません。早めに入手が吉でしょう。

Date: 2013/0315 Category: 読書感想
Posted by: Andy
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春は勉強を始める季節。ワインの勉強がしたくて本を読む人もいるでしょうが、ここでは勉強よりも楽しくカリフォルニアワインが分かる本を紹介したいと思います。絶版のものもありますが、幸いなことにアマゾンではマーケットプレースで中古品も簡単に買えます。いい時代になったものです。

●最高のワインをめざして―ロバート・モンダヴィ自伝
カリフォルニアワインを有名にした一番の立役者が亡くなったロバート・モンダヴィです。90年代半ばに書かれたこの自伝はまさにモンダヴィが絶頂期を迎えようとしていたころのもの。何よりも50台という普通ならば人生の後半になってからが、モンダヴィにとってはカリフォルニアワインを一流にするための始まりだったことに驚かされます。


●ロマネ・コンティに挑む―カレラ・ワイナリーの物語
90年代から日本で人気のワイナリであり、一時期低迷するも近年かつて以上に人気・実力を兼ね備えるようになったのがカレラです。カリフォルニアのピノ・ノワール好きでカレラを飲んだことがない人はほとんどいないでしょう。そのカレラについて書かれた唯一の本がこれ。著者のド・ヴィリエの名前は、現在6番目の単一畑で使われていますから、オーナーのジョシュ・ジェンセンにとっても本書の意味合いは大きいのでしょう。


●パリスの審判 カリフォルニア・ワインVSフランス・ワイン
カリフォルニアワインにとって過去最大のエポックメーキングなできごとが1976年のパリ・テイスティング。これについて詳細に書かれたのが本書です。「ブティック・ワイナリ」が次々と興った当時のナパの雰囲気も伝わってきます。本書については、以前レビューを書いています。


●カリフォルニア・ワイナリーの四季
今回紹介する中では最も古い本ですが、中古も安いのでぜひ読んで欲しいのがこれです。ソノマのワイナリIron HorseのオーナーであるJoy Sterlingさんが書いた、カリフォルニアのワイナリにおける1年間を記したもの。さしづめ、南仏プロヴァンスの12か月 (河出文庫)のカリフォルニア版といったところです。これを読むとIron Horseに行きたくなります。


●無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》
最後は手前味噌で恐縮ですが、ナパのワインについては本書以上に詳しく書かれたものは日本にはありません。ワイナリ150個を掲載しているのが白眉ですが、それ以外にカリフォルニアワインの基礎や、ぶどう品種、歴史といったものもひと通り分かりますし、ワイナリに行くときのティップスもあります。ヘレン・ターリーなど著名なワインメーカーの経歴をまとめた資料も貴重だと思います。なにせ、書いた本人も分からないことがあると、まずこの本を調べるくらいですから(笑)。Kindle端末のほか、iPhone/iPadやAndroidでも読むことができます。

Date: 2013/0315 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジンファンデルの由来については、イタリアのプリミティーボに非常に近く、クロアチアが起源であるということがわかっていますが、まだ謎が多いブドウの1つです。そのジンファンデルに新たな名前が加わりました(History underscores Zinfandel)。

その名はTribidrag(トライビドラッグ?)。古くは15世紀に遡る由緒ある品種です。

ジンファンデルのDNAの研究で、上記の由来を発見したのは当時UC Davisの教授だったCarole Meredithですが、彼女は2003年には学術の世界からは引退してナパでLagier-Meredithワイナリをやっています。Caroleは、このTribidragという過去のブドウとのDNAの一致の発見にも貢献しており、ジャンシス・ロビンソンの近著「Wine Grapes」にもジンファンデルのオフィシャルな名前としてTribidragが出ることになりました。

Caroleはこの名前を新しいワインに使うことを申請、まだブドウの品種名としては認められていないため、プロプライエタリな名前として使うことが承認されました。

ジンファンデルは、これまでなんとなく第一級のワインではないようなイメージが作られています。今回、実は由緒あるブドウであることが分かったわけで、イメージ向上につながるのでしょうか? どこの馬の骨かと思ったら、実は高貴な血筋だったというのは、お伽話でよくある話ですが、面白いですね。
Date: 2013/0313 Category: 業界ニュース
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Bonny Doonのオーナー兼ワインメーカーであるRandall GrahmがRhone Rangersのグループから生涯功績賞を受賞することになりました。受賞ディナーは3月22日にサンフランシスコで開かれます(Randall Grahm to Receive Lifetime Achievement Award)。

Randall GrahmがフラグシップであるLe Cigare Volantの最初のヴィンテージは1984年。シャトーヌフ・デュ・パプに敬意を表して作ったといいます(ラベルの空飛ぶ葉巻は1954年に定められた「UFOはシャトーヌフ・デュ・パプの領域に入ってはいけない」という法律に賛同したもの)。当時はグルナッシュが赤か白かも皆知らない状態だったそうです。

相変わらずシラーは米国では売れないといったことはありますが、少なくともハイエンドの市場では一定の人気を固めています。Bonny Doonの功績はかなり大きいでしょう。
Date: 2013/0312 Category: 健康
Posted by: Andy
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今年の箱根駅伝で日体大が30年ぶりに優勝したのは記憶にあたらしいところ。特に強風吹き荒れた往路で、風に負けない力強い走りを見せたのが印象的でした。

その走りを支えたのが体幹トレーニングだということで、ランニングマガジンcourir(クリール)の2013年4月号で、そのトレーニング方法が紹介されていました。

試しにやってみたところ、書かれている回数の半分でもきついきつい。腹筋が筋肉痛です。これは毎日やったら効果あるだろうと、走らない日も、ちょっとでもやりたいと思っています(回数は少なくてもいいと書いてありました)。

目指せシックスパック!?


Date: 2013/0311 Category: 業界ニュース
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ソノマにあるRiver's EndというレストランがTravel and Leisure誌による「米国で最もロマンティックなレストラン」の1つに選ばれています(America's Most Romantic Restaurants)。

Russian Riverが太平洋に注ぐ河口近くにあるこのレストラン、夕日が沈むのを見るのに最適なのだそうです。ダンジネスクラブなど海の幸もおいしいようです。宿泊もできるので、夕方から一晩ここで過ごすのもいいかもしれませんね。


大きな地図で見る
Date: 2013/0310 Category: おすすめワイン
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ちまたで流行っているという女子会。自宅で開くというパターンもかなり多く、その場合、飲み物はたいていワインだといいます(筆者おじさんにつき、これらは全部伝聞です、笑)。

ワインに詳しい人ならともかく、そうでないと何を買ったらいいのか悩んでいる人も多いだろう、とのことで、女子会向けワイン(ただし、カリフォルニアワインに限る)を選んでみました。

選択基準としては、(1)価格帯は2000円台~3000円台が基本、(2)何かしらありきたりでない部分がある、(3)美味しい、といったことを考えています。

なお、実店舗で売っているワインももちろんありますが、カリフォルニアワインについてはネットで買うほうが確実です。店舗を持っている店でもネットの方がはるかに多くのワインを売っているからです。例えば神田の柳屋には私もよく行きますが、店頭に並んでいるカリフォルニアワインはせいぜい100種くらいでしょう。同店の場合、ネットで買っても店頭取り置きにすると送料がかからないので、私はそれを使うことが多いです。(柳屋のサイト)

では本題に移りましょう。

» 続きを読む

Date: 2013/0307 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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私の記事が載ったから、ということではありませんが、先日の記事を書いてすぐ、アントニオ・ガッローニが自身のサイトにソノマの記事についての釈明を書いています(Sonoma update - Antonio Galloni)。

それによると、パーカーが2月の号にソノマのレビューが載るとしたのは誤りで、新編集長のリサ・ペッロッティ-ブラウンが書いた「2月には間に合わない」という方が正しかったようです。

また、意図的にソノマの記事を延期したわけではないとのこと。2月15日に、ソノマの記事ができたらWine Advocate誌の読者用に自サイトに無償で掲載したいとWine Advocate誌に提案したところ、却下されたと書いています。

現在のところ4月頭にソノマのレビューが完成する見込みであり、その際には自サイトで無償公開するとしています。

うーん、ちょっと勝手な言い草という感じがなきにしもあらずです。このまま着地するのかどうか微妙な気がします。
Date: 2013/0306 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパに新しいワイナリ
Macdonald Vineyardsが誕生します。現在はメーリング・リストへの登録を受付中。

オーナーはGraemeとAlex Macdonald。Graemeは畑の管理とワインメーカーも兼ねています。畑はロバート・モンダヴィやSchrader Cellarsで知られるTo-Kalonです。1954年に彼らの家族が植えたもので1966年以降、モンダヴィにブドウを提供していました。それを自身のワイナリで使うことにしたわけです。Doug Wilderというライターは2009年のヴィンテージに95点、2010年に94点をつけているとか。

To-Kalonという名前は19世紀にH.W. Crabbという人がつけたもの。現在はその土地をMondaviとAndy Beckstofferが引き継いでいますが、Mondavi分の一部がMacdonaldによるものだったということなのでしょうか。いろいろ気になるところのあるワインです。
Date: 2013/0306 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2月末にWine Advocate誌205号が発行されましたが、予定されていたソノマのレポートは結局掲載されず、同誌を辞したAntonio Galloniの記事としてはイタリアだけが載っていました。

今号から同誌の編集長になったLisa Perrotti-Brown MWは「1月にAntonioに記事をリクエストしたところ『まだ2012年の情報を入れているところで2月の号には間に合わないだろう』と言われた。再度リクエストはしたが、この記事がAntonioからもらえるかどうかは確約できない」と同誌の掲示板にコメントしています。

2月にAntonioが同誌を離れることが判明した際、パーカーは「ソノマは掲載される予定だが、Antonioからまだもらっていない」とコメントしており、Lisaのコメントとの齟齬が気になります。

AntonioのWine Advocate誌との契約がどういう形だったのか、Antonioがソノマで試飲する際に、Wine Advocate誌のライターとして試飲したのではないだろうか、などいろいろ疑問もあります。少なくともソノマでワインを試飲用に提供したワイナリは、これがWine Advocate誌の2月の号に掲載されるものと思っていたでしょう。

今後の同誌がどうなっていくのか。カリフォルニアはパーカーが全域をカバーするのか、それとも他のライターと分担するのか、など、今後の動向から目が離せません。
Date: 2013/0304 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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楽天スーパーセールを見ていたら、謎のカリフォルニアワインを発見しました。酒屋さんの地下倉庫に25年間保管してあったというものです。マグナムボトルで価格は1500円。

名前は「California Colony」と書いてあります。ワインの名前は「Chablis」(笑)。1881という数字はワイナリができた年でしょうか。

怖い物見たさで買ってみる? いやいやマグナムボトルあっても困るし(笑)
Date: 2013/0303 Category: おすすめワイン
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楽天スーパーセールで特別安くなっているわけではありませんが、先日から柳屋で謝恩特価になっているのがワイルドホースのピノ・ノワール。税抜き1980円は安いです。この価格帯のピノ・ノワールというと、このところカレラ・セントラルコーストの独擅場でしたが、ようやく対抗馬が出てきた感じです。



柳屋では正規輸入が始まって3000円台になったWalter Hanselのシャルドネも狙い目。シャルドネの名門です。

Date: 2013/0302 Category: おすすめワイン
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3月3日の0時0分から3月5日の1時59分まで50時間、楽天のスーパーセールがあります。この機会にいろいろな店で買うとポイントが大きく上がるのと、セール用の特価商品が魅力です。

とりあえず、ここからエントリーはしておきましょう

ワインでは、今回も素晴らしいワインを多数スーパーセール用に半額で出してきたVin du 268さんははずせません。
Vin du 268のスーパーセール特価ワイン
ハート・オー・ザ・マウンテンのピノ・ノワールやケネス・クロフォードのシラー、カリフォルニアではないですが1959年のシャトー・マルゴーなんていうのもセールで出ています。


他の店でのカリフォルニアワインの超目玉はShaferのHillside Selectが1万2000円というもの。ボルドーで言ったら5大シャトーに匹敵するような実力のワインですよ。紹介しないで自分で買ってしまおうかとも思いましたが、一応紹介しておきます。当然1本限定。



Date: 2013/0301 Category: イベント
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレー・ワイントレインで2013年5月3日、ハイジ・バレットのワインメーカー・ディナーがあります(Celebrity Wine Maker Dinners - Try New Varietals, Appelations, and Meet Celebrity Wine Makers | Napa Valley Wine Train)。

ワイントレインの中でも一番見晴らしがよく、高級な「Vista Dome Car」でのディナーとワインが付属して174ドル。通常のVista Dome Carのディナーが144ドルですから、わずか30ドルでハイジ・バレットと一緒の車両に乗れるお得なパッケージです。

ナパの出発が6時半。5月上旬の日没は8時ですから、行きは明るいままナパの景色が堪能できるはずです。気候も暑すぎず、いいときですね。

日本はゴールデンウィークですから、狙い目ですね。3日に日本発でも十分に間に合います。
Date: 2013/0301 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ジンファンデルで有名なTurley Wine Cellarsにおいて、長年ワインメーカーを務めてきたEhren Jordanが辞めたことが判明しました(Ehren Jordan Departs Turley Wine Cellars | Exploring Wine with Tim Fish | Blogs | Wine Spectator)。

理由は、自身のブランドであるFaillaに専念すること。FaillaではTurleyとは異なり、シャルドネ、ピノ・ノワール、シラーを作っていますが、2012年の収穫が大量にあり、そちらに専念しないといけない状況になったとのことです。

Turleyで彼の右腕を務めてきたTegan Passalacquaの成長や、オーナーLarry Turleyの長女であるChristina Turleyがマーケティングなどを担当するようになったことも、Ehren Jordanにとっては、心置きなく辞められる形につながったようです。

なお、喧嘩別れではなく、友好的に辞めたとのこと。

参考までにLarry TurleyはMarcassinなどで有名なHelen Turleyの兄。ワイナリ発足時はHelenがワインメーカーでしたが、すぐにEhrenに引き継いでいました。
Date: 2013/0228 Category: 業界ニュース
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Chateau Montelenaの建物がカリフォルニア州の記念として史蹟に認定されました(Chateau Montelena added to national historic list : The Weekly Calistogan)。

理由は2つ。1つは1888年に完成した石造りのワイナリそのものの出来がすばらしいこと。もう一つは1976年のパリ・テイスティングでここのシャルドネが白のトップだったこと。

オーナーであるBarrett家では、当初はワイナリの建物を登録しようと、歴史資料をかき集めて申請をしたそうです。ところが州側から逆にパリ・テイスティングのことを織り込むようにと言ってきたとか。

このテイスティングまではナパがカリフォルニアワインの中心地であるという認識はなく、セントラル・ヴァレーのモデストなどが中心地になっていました。ナパに注目が集まるようになったのもその功績の1つだったわけですから、妥当な判断だと思います。
Date: 2013/0227 Category: 業界ニュース
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ナパの春を彩るイベントPremiere Napa Valleyオークションが2月23日に開催されました(Premiere Napa Valley 2013 - Experience the Excitement)。落札額合計で昨年の310万ドルに迫る304万ドルを達成しました。

出展されたワインの大部分は2011年産。2011年は気候が安定せず、難しい年でしたが、オークション結果ではまあまあだったようです。

オークション・ロットの落札最高額はBevan Cellars/Chateau Boswell Wineryによるもので7万5000ドル。次いでReynolds FamilyとShaferのどちらも5万ドル。
Date: 2013/0224 Category: 業界ニュース
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英Decanter誌の記事によると、フランスワインの90%から残留農薬が検出されたとのことです(French study finds pesticide residues in 90% of wines | decanter.com)。

検出された農薬は主に、遅い時期に使われる防カビ剤によるもの。テストは2009年と2010年のボルドー、ローヌ、アキテーヌ地域の300本を対象に行なっています。

それぞれは、健康に害があるレベルではありませんが、蓄積されていったときにどういう影響があるかは、まだ分からないそうです。

なお、ワインインスティテュート日本代表の堀賢一さんによると、「カリフォルニアでは硫酸銅等の防カビ剤を畑で使うことはないので、消費者には混同してほしくない」とのことです。
Date: 2013/0224 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Aubertのワインで知られるReuling Vineyardが、ついにワインをリリースしました(ワイナリのサイト)。本ブログでは2012年12月にPress Democratの注目ワイナリとして紹介しています。

ラベル

ReulingはこれまでPeter MichaelとAubertにブドウを卸していました。Peter Michaelは2007年と2008年にle Capriceというピノ・ノワールを作っており(2009年以降は自社畑で同じブランドを使用)、AubertはReulingの名を冠してワインを出しています。Aubertでは2005年と2008年のシャルドネがWine Advocate誌で99点、2007年のピノ・ノワールが同誌で98点など、輝かしい実績を残しています。

Reulingが今回リリースしたのは2011年のピノ・ノワールと2012年のロゼ。価格はそれぞれ70ドル、25ドル。シャルドネは来年初のリリースとなります。

ワインメーカーはMatt(Matthew) Taylorという人。以前はナパの名門Araujoでワインメーカーをしていました。バイオダイナミクス(ビオディナミ)の信奉者で、ソノマのFront Porch Farmというバイオダイナミクスの農場に参画しているほか、兄のSeanと経営しているTaylor Cellarsがあります。

現在はメーリングリストの登録を受付中。将来はPisoniのように高嶺の花になるかもしれませんよ。
Date: 2013/0223 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパ・ヴァレーは気球に乗ってぶどう畑を空から見るツアーが昔から人気ですが、近年ソノマではヘリコプター・ツアーが登場しているそうです(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Bird)。

Santa RosaにあるSonoma Helicopterという会社が提供しているもので、現在はHealdsburgにあるMozzoccoワイナリのテイスティングとセットになったものや、Clos du Boisのテイスティングとセットになったものなどがあります。

例えば、Grouponのクーポンでは15分のフライトとClos du Boisのテイスティングとセットになったものが、二人で249ドル(定価は550ドル)。

Clos du Boisのビジター・センター・マネージャーによると、このツアーはとても成功しているとのこと。顧客満足度が非常に高く、ワインも良い印象を与えることが多いそうです。

1人1万円ちょっとくらいだったら、乗ってみたいという人は結構いるでしょうね。僕も機会があったら試してみたいです。
Date: 2013/0222 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインの名誉の殿堂(The Vintners Hall of Fame)の表彰式がナパのCulinary Institute of Californiaで開かれました(Parker Humbled By Hall of Fame Induction)。

選出された4人のうち2人は故人、1人は体調不良で欠席。唯一メリー・エドワーズだけが出席というちょっと寂しい表彰式だったようです。

で、この欠席したのがロバート・パーカー。先日欧州に行ったときに背中を痛めたままよくなっていないとのことでした。

パーカーといえば、本ブログでも何度も取り上げているように、先日右腕だったアントニオ・ガッローニが去って、その穴埋めに苦慮しているところ。

実はパーカーは、名誉の殿堂入りしたこともあり、カリフォルニアに恩を返すために、再びナパとセントラルコーストの担当に復帰する構えであることを表明しています。

ここで下手なレビュアを採用して購読者の信頼を失うよりは、その方がいいだろうと思います。
Date: 2013/0221 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine-Searcherのサイトに、先日Wine Advocate誌をやめたAntonio Galloniへのインタビューが掲載sれていました(Q&A: Antonio Galloni, Ex Wine Advocate Critic)。インタビュアはW. Blake Gray氏です。

それによると、新しい同氏のサイトはマルチメディアを駆使したものであり、100点スケールの点数をつけるとのこと。

購読料については検討中だそうですが年間70~100ドルを考えているそうです。

もし、無人島にいくとしたときに持っていくワイン(desert island wineというのですね)としては、1996 Krug Clos De Mesnilと2004 Giacomo Conterno Barolo Riserva Monfortinoを挙げています。このほか1997 Philip Togni Cabernetも最近飲んですごくよかったとか。今後のレビューにも期待します。
Date: 2013/0220 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Opus Oneの最新ヴィンテージ2009の入荷が始まっています。Opus Oneの価格は2000年あたりでは3万円近くしていたのが、その後値崩れして2005~2007のヴィンテージでは1万円台が最安値になっていました。2008年で再び2万円を超えるようになり、2009年も最安2万円強といったところ。

YOMIURI ONLINEの記事「オーパスワンの販売・マーケティング副社長が初来日」には、
「2011年に東京事務所代表の康子キャドビーさんを駐在させる前は、価格競争になり、ブランドイメージが損なわれていた。品質を保持する適正な供給網や価格の維持が重要だ。我々は今以上に量を売る必要はない。ネゴシアンと協力しながら、適正な販売を続けていく。」

と副社長のコメントがあり、今後も値上がり基調が予想されます。

また、同記事には
ワイナリーでのみ販売されるセカンドワイン「オーヴァーチュア」は、たまにネットショップで販売されることがある。それを防止するため、購入者のメールアドレスのチェックなどを厳密に行っているという。

という記述もありました。オーバーチュアについては全く同感で、ワインショップは、なぜオーパス・ワンがこれを一般に販売しないかをよく考えるべきだと思います。

今のところ、このあたり(送料込みで税込み21,980円)が最安です。2008よりちょっと上がっているでしょうか。
Date: 2013/0219 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Facebookが2012年秋に米国のユーザー向けに始めた「ギフト」の機能で、ワインも取り扱い始めています。ワイナリの寄せる期待は極めて大きいのですが、これからどう発展していくのでしょうか?(Facebook steps into the wine business | PressDemocrat.com

Facebookのギフト機能は次のように使います。送る側が購入すると、受け取る側にメッセージが届きます。ギフトを受け入れて住所をFacebookに登録するとギフトが届けられます(mixiの年賀状の機能にも似てますね)。仲の良い友人に高級なギフトを送るというより、10ドルくらいのカジュアルなギフトに使われることが中心になっています。

9月に始まったこの機能、12月半ばにワインもギフトストアに並ぶようになったそうです。現在のところ、Blackbird、Clos du Bois、Robert Mondavi、Wild Horseなどが加わっています。

ただし、この機能、まだ爆発的に使われているわけではありません。Blackbirdのマーケティング・マネジャであるVictoria Amatoによると「5ドルから10ドルのものを売っている会社は、期待よりも低い売上になっているだろう」と現状を見ています。同ワイナリでは今のところ1日3~4オーダーがFacebook経由。ベストケースのシナリオで年間100ケース程度にとどまりそうです。

Blackbirdは当初Amazon.comでの販売を考えたのですが、Amazonではどうしても価格一辺倒の勝負になりがちであり、価格が検索でまるわかりになってしまうことを危惧してFacebookに乗り換えました。スロースタートだからといってやめるつもりはさらさらありません。

まだFacebookで売っていないワイナリも「Facebookは、ほしい製品をほしいときにほしい人に提供できるすばらしい機会」(JのStacy Bannett副社長)と寄せる期待は大きいようです。

ギフト機能はまだ日本では提供されていませんし、米国のようなギフト文化もないので、日本でも同じように進むかどうかは分かりません。ただ、ウォッチしておく必要はあるでしょう。
Date: 2013/0219 Category: ワイナリ訪問
Posted by: Andy
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2013年3月21日、22日にナパで「Histric Wineries Tour」というツアーが開催されます。ナパの歴史あるワイナリの訪問に加えて豪華なランチが付くという内容(Historic Wineries Tour | The History Center)。価格は2日で425ドル。どちらか1日では235ドル。宿泊などは含まれていません。

訪問するワイナリはBeaulieu、Chateau Montelena、Del Dotto、Far Niente、Trefethenの5つ。実はいずれもHamden W. McIntyreという人の設計になるもので、重力を使って、ワインを流す先駆けの設計だそうです。

各ワイナリのツアー時間は1.5時間とたっぷり。半分が見学で半分が試飲になります。

ランチは極めて豪華でミシュラン三つ星のMeadowoodおよび、French Laundryなどで修行したシェフがいるDel Dottoでの食事です。1日だけのツアーの場合はどちらかを選ぶことになります。

いいですね、このツアー。お金と時間があったら参加したいものです。
Date: 2013/0218 Category: 健康
Posted by: Andy
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もう1週間も前ですが、初めてハーフマラソンの大会「赤羽ハーフ」に出場しました。練習で20kmから30kmくらい走ることはあるので、完走は問題ないところでしたが、タイムもまあまあ。40代男子の中では半分よりちょっと上の記録でした。

今回の目標は、だんだん速度を上げる「ビルドアップ」の走りをすること。来月フルマラソンに出るので、そのときを想定して後半に強い走りをしたかったのです。

想定では最初の5kmが1kmあたり5分40秒(フルマラソンで4時間を切るぎりぎりの速度)、次の5kmが1kmあたり5分30秒、次の5kmが1kmあたり5分20秒、次の5kmが1kmあたり5分10秒、そして最後の1kmちょっとが1kmあたり5分と上げていく予定でした。

実際には最初は人が詰まって、狭い橋の手前で立ち往生したりして想定以上に遅い立ち上がりでした。ただ、人が空き始めた4kmあたりからは予定以上に速くなってしまい、10kmの時点では想定より1分以上速くなってしまいました。

とにかくビルドアップが目的ですから、その後も速度を上げていかざるを得ず、15kmから先は全力疾走に近いような感じでした。

結果的には、1kmあたりの速度だと凸凹がありますが、5kmあたりではビルドアップを達成。15~20kmでは5km25分も切りました。また、1kmごとのラップでも20kmからの1kmが最速でした。目標を達成して想定タイムを上回ったのでまずは満足でした(タイムはネットです)。
ハーフマラソン

上がkmあたりのラップ。Runkeeperによるものなので誤差もありますが、そこは目をつぶって。

以下は自分メモとして、やってよかったこととよくなかったこと。
・1kmごとの想定タイムを手に書いていったのですが、これは良かったです。ペースを把握し、上げるか下げるか考えるのに一番役立ちました。
・RunkeeperとRuntastic Proを併用。1kmと5分ごとの音声アナウンスを入れました。普段の練習では5分ごとのアナウンスが役立つのですが、初めてのコースでは1kmの方が有用。5分ごとのアナウンスは不要でした。
・RunkeeperのCurrent Speedは何を測定しているのか不明。前回のラップとの差分を知りたいのですが、微分を計算しているもよう。
・知り合いに教えてもらったfinetrackの肌着とアームカバーを使ったのですが、これは良かった。アームカバーは暑くなったら手首のところに持って行くと荷物にもならずによかったです。
・足首は固定テープでテーピングしましたが、安心して走れてよかったです《はがすのは痛かった)
・膝とハムストリングスはキネシオテープでテーピングしましたが、効いているのかどうかよくわからなかった。もうちょっと勉強が必要です。
・足の甲の皮が剥けてしまったので、絆創膏が必要。
・ランフォトを見たら、左肩が下がりまくってカッコ悪い。意識して直したい。
Date: 2013/0216 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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2012年のカリフォルニアの収穫の速報値が発表されました(最終は1か月後)。それによると2012年のワイン用ブドウの収穫量は4014トン。過去最高だった2005年の3756トンを超える豊作でした。

クラッシュレポート

また、1トンあたりの価格も過去最高の769ドル。2011年、2012年と2年連続上昇です。これまでの最高が2011年の637ドルでしたから、実に2割以上の上昇。

収穫量を品種別に見るとシャルドネがトップで55万8795トンから73万4864トンと、これも急上昇。2番めのカベルネ・ソヴィニョンも38万4302トンから49万5662トンに上昇。

構成比で見るとシャルドネは2011年の14.4%から16.8%へと2.4ポイント上昇。カベルネ・ソヴィニョンの9.9%から11.3%に上がっています(ワイン以外のブドウも含む)。以下、順位はジンファンデル、メルロー、フレンチ・コロンバード、ピノ・ノワール。ピノ・ノワールは昨年の9位から6位と急上昇しています。

逆に順位が下がったのはトンプソン・シードレスやフレンチ・コロンバード。トンプソン・シードレスは主にレーズン用、フレンチ・コロンバードは安ワインに使われています。ワインの高級品志向が強まっている感じがします。
Date: 2013/0215 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Advocate誌をやめたAntonio Galloni(アントニオ・ガッローニ)の新サイトがオープンしています(Antonio Galloni - Home)。

Antonio Galloni

それによるとカバーするのはイタリア、シャンパーニュ、カリフォルニア、ブルゴーニュとこれまでのWine Advocate誌でのカバー範囲を踏襲するようです。

今後登場する記事の予定では、「Sonoma: New Releases」「California Syrah on the Big Stage」が現在のところ挙げられています。

ここで気になるのが今月末に予定されているWine Advocate誌最新号でのGalloniの記事です。ロバート・パーカーによると、2月28日あるいは3月1日の公開予定で、Galloniによるソノマのレポートが含まれることになっています。ただ、まだ原稿が提出されていないとのことで、このままなし崩し的になってしまう恐れもありそうです。

Date: 2013/0213 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ニューヨーク・タイムズによると、Wine Advocate誌でカリフォルニアなどのレビューを担当するAntonio Galloniが同誌を辞めることが判明しました(A New Web Venture for Antonio Galloni - NYTimes.com)。

Antonio Galloniは2011年8月の196号からカリフォルニアを担当。それまでのイタリア/シャンパーニュに加え、ブルゴーニュのコート・ドールとシャブリまでも担当範囲にし、パーカー後継の第一人者と見なされていました。それだけに今回の辞任は影響が大きく、後任がまだ決まっていないということからも、今後の混乱が予想されます。特にユーザーにとっては、レビュアには長期間の一貫性が最も求められる要素であり、ようやくGalloniのレビューに慣れてきたところでの辞任は、今後のWA離れにつながるおそれもありそうです。

辞任の理由としては、もっとワインを広げるために、自分の独立性を維持してレビューを書きたいとのこと。昨年発表された同誌の体制変革により、編集長がロバート・パーカーからシンガポール在住のリサ・ペロッティ・ブラウンに変わったことも一因として挙げています。

なお、パーカーは記事が出る数時間前に、辞意を伝えられたとのこと。ただ、新しいWine Advocateの社員になることを拒んでいたことから辞めるのではないかという感触は持っていたようです。今後もGalloniを応援すると、大人の対応を見せています。
Date: 2013/0212 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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カベルネ・フランを中心としたブレンドMayaで知られるDalla Valleのカベルネ・ソヴィニョンがウメムラに大量入荷しています。古いものは1986年、ちょうどよく熟成した1990年代のものが揃っています。

Dalla Valleのカベルネ・ソヴィニョンはMayaに比べると格下に思われがちですが、Wine Advocate誌で最高98点を付けるなど、決して評価が低いわけではありません。それどころか、今の点数は過小評価されている可能性もあります。

例えば2002年のカベルネ・ソヴィニョンはパーカーが2005年に92点と評価しましたが、2012年に97点と大幅に点を引き上げ、「7年前の点数はひどく過小評価したものだった」と反省しています。ちなみに、このワインの再評価での飲み頃は2017年~2042年。恐るべき長熟型です。1990年代のものも、まだまだ若いかもしれません。

ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [1986]750ml
ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [1993]750ml
ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [1994]750ml
ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [1995]750ml
ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [1996]750ml
ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [1997]750ml
ダラ・ヴァレ カベルネ・ソーヴィニヨン [2002]750ml
ダラ・ヴァレ・カベルネ・ソーヴィニヨン [2004]750ml
Date: 2013/0211 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ちょっと目を離していると、どんどん新しいワイナリが出てくるのがカリフォルニアの面白さでもあり、取っ付きにくいところでもあるのですが、特にセントラルコーストのピノ・ノワールは、その傾向が強く感じられます。

Paul Latoは、ここで取り上げるのは今さら感があるかもしれませんがWine Advocate誌で最高98点(2007年のBien Nacidoのシラー)を取っている大注目株です。ピノ・ノワールでも最高96点(2008年のPisoni、通称Lancelot)です。

ただし、Paul Latoは生産量が少なく、人気も高いため、入手は容易ではありません。値段も高いです。特に日本では見つけたらすぐに買うくらいの勢いでないと入手できないと思います。

そこでもう一つ注目なのがHilliard Bruce。ここのコンサルタントとしてPaul Latoが参加しています。こちらもWine Advocate誌では最高93点。2010年のシャルドネと2008年のMoonというピノ・ノワールです。

こちらも生産量は少ないですが、日本での価格も7000円前後とPaul Latoに比べれば大分安くなっています。

柳屋に入荷されたのは一瞬でなくなったようですが、California Wine Gardenではまだ在庫があります。なお、ここは会員価格が大分安くなっているので、会員登録してログインしてからご購入なさることをお薦めします。

2010 Hilliard Bruce Vineyards Chardonnay Sta. Rita Hills (ヒリアード・ブルース シャルドネ)
2010 Hilliard Bruce Vineyards Pinot Noir Sun Sta. Rita Hills (ヒリアード・ブルース “サン” ピノ・ノワール)

柳屋に再入荷しました。これが最終だそうです。

Date: 2013/0210 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ロバート・モンダヴィのカベルネ・ソヴィニョン・リザーブの紹介ですが、今度は新しいヴィンテージではなく1997年。1990年代では1994年と並んで、いいヴィンテージと言われています。Wine Advocate誌では92点の評価。無茶苦茶高いというわけではありませんが、十分にいい評価です。

カリフォルニアで最初にワインを飲み始めたころ、「何買ったらいいかわからなかったらモンダヴィを買っておけ」と言われたことなど思い出します。リザーブでないカベルネ・ソヴィニョンは、よく飲みました。ラベルを見るだけで懐かしさを感じます。

ご存知の方も多いと思いますが、モンダヴィのラベルにはワイナリの建物が描かれています。ロバート・モンダヴィがワイナリを作った当時、ナパを訪れる観光客はわずかでした。ロバート・モンダヴィは最初から観光客を呼び寄せることを考えて、著名な建築家Cliff Mayにデザインを頼んで、カリフォルニアのミッション風の、このワイナリを作りました。いかに慧眼かと思います。そういったナパの歴史に思いを馳せながら飲みたいワインです。

Date: 2013/0210 Category: 業界ニュース
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Hawk Wakawaka Wine Reviewsというブログに、Greg Brewerへのインタビュー記事が載っています。MelvilleやBrewer-Cliftonの話はなく、完全にDiatomに注力した内容。また、単に話を聞くだけでなく畑に一緒にいったり、ワインをテイスティングした感想なども書かれており充実した記事になっています(Escaping Convention: Calibrating to Stark Conditions, a Conversation with Greg Brewer | Hawk Wakawaka Wine Reviews)。

記事は畑の様子から始まります。カリフォルニアで、良い畑といわれるところの多くは斜面にありますが、Sta Rita Hillsでは平らな土地が比較的多くなっています。かつては海底だった砂地が多く、海からの強い西風が吹き付けることによって、ブドウは東側に傾いています。痩せた砂地と冷たい強い風といった極端な環境があるので、通常は斜面によってもたらすような極端な環境が要らないのだとGregは説明しています。

記事はワインの醸造の話に移っていき、GregがDiatomで取っている低温で極端にゆっくりと醸造するスタイルを説明しています。

最後はテイスティング。この人のコメントは米国人にしては感覚的で、ちょっと神の雫的な感じがあります。静まり返った自宅にいるような感じになる、といったコメントを付けています。Diatomのワインの表現としては、すごく分かるような気もしました。

ちょっと長いですが、面白い記事なので時間があるときに読んでみてはいかがでしょうか。
Date: 2013/0209 Category: おすすめワイン
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先日、6000円台のMondavi Cabernet Reserveを紹介しました。昨年の秋からときどき8000円を下回る値段で登場するこのワイン。あまりの安さに怪しい噂も出回っていると聞きます。状態が悪いワインではないかとか、中には盗品なのでは、とか。例えば欧州経由で安く入荷し、赤道越えで熱があたってしまった、というような噂もあるようです。

このブログでは検証することはできませんが、先日のショップに問い合わせたところ、少なくとも欧州経由ではないとのこと。また、吹いたような形跡もないとのご返事をいただきました。もちろん、これだけで疑いがすべて晴れるというようなことではありませんが、ご参考までに。


Date: 2013/0208 Category: 業界ニュース
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カリフォルニアの家族経営のワイナリの中でも長い歴史を持つWenteが130周年を迎えました(Wente Vineyards Celebrates 130th Anniversary)。設立は1883年ですから日本だと明治16年。結構な古さです。

このニュースによると「米国で最古の、継続的に運営している家族経営のワイナリ」とあります。ちょっとわかりにくい表現なのでちょっと説明します。もっと以前からある家族経営のワイナリとしては、1858年設立のGundlach Bundschuがあります。ですが、ここは1919年~1933年の禁酒法の時代はワイナリを閉じているのです。Wenteはこの時代も続いていたということで「継続的に運営している」という言葉が入るわけです。

カリフォルニアワインの歴史においては、Wenteはその古さ以上に、シャルドネのクローンがあります。1912年にフランスから持って来られたもので、現在でもWenteクローンはカリフォルニアのシャルドネの中でかなりの割合を占めています。

Livermore Valleyという、サンフランシスコから東側のちょっと離れたところにあるので、なかなか行く機会がないところではありますが、地道に続いているいいワイナリですね。
Date: 2013/0207 Category: おすすめワイン
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Dominusの1999年が税抜き12,400円で出ています。Wine-Searcherによると平均価格は140ドルとのことなので、それよりも安くなっています。米国の最安でも110ドルくらいですからかなり安いです。

1990年代後半はDominusの評価はあまり高くなく、Wine Advocate誌でもロバート・パーカーが付けているのは88点。ただ、当時はカルトワイン全盛期。エレガントでフランス風の味わいと言われるDominusには不利だったかもしれません。なお、同誌の編集長になったLisa Perrotti-Brownは2010年に91点を付けています。

Date: 2013/0206 Category: 業界ニュース
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Harlan Estateのマネージング・ディレクターであるDon Weaver(ドン・ウィーバー)氏が来日、ハーラン・エステートのワインを一度に4ヴィンテージも試飲できるセミナーが開かれました。
Don Weaver

以前、HarlanとBondのセミナーに参加したことがありましたが、このときのHarlanは2ヴィンテージ。4ヴィンテージを同時にというのは米国でも開かれたことがないそうです。
ワイン


前回のセミナーでは土地を選び、畑を作り、ワインを試作し、Harlan Estateとして世に出すまで、信じられないほどの努力と辛抱を重ねてきたことが印象的でした。今回もその印象はさらに強化されました。

Bill Harlan氏がOakvilleの西側の斜面に土地を購入したのは1984年。山の麓からやや登り始めたところであり、当時はそこは畑でもなんでもなく、ただの森でした。そこを切り開いてブドウを植えられるようにするまでは、まさに汗水たらして作業する必要がありました。Don Weaver氏は、ワインはおしゃれなものに考えられているが、実際にはこういった地道な労働に支えられているのだと言っていました。

セミナーではそのころの写真が数多く映しだされました。映されたものを撮ったので画質は悪いですが、一部を紹介します。

畑1
畑2
トラクタ

また、Opus OneやInsigniaといった、比較的生産量の多い、複数の畑のブドウをブレンドするワインでは、年ごとの味わいがあまり変わらないようにブレンドしていますが、単一畑のHarlan Estateではヴィンテージによって「ワインのムード(雰囲気)」が変わるとBill Harlanは言っているそうです。毎年共通する畑の個性と、こういったヴィンテージによる違い、それらを試飲で見ていきます。

さて、試飲は「続き」で。

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Date: 2013/0205 Category: おすすめワイン
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ロバート・モンダヴィのカベルネ・ソヴィニョン・リザーブ2009がワインショップ フィッチで税込6436円という値段で出ています。Wine Advocate誌では94点を取っているワイン。もう訳が分からないレベルです。

昨年からモンダヴィのカベルネ・リザーブがやたら安く出るときがあってモンダヴィのカベルネ・リザーブがまさかの7000円台とか、まじ安すぎ!モンダヴィ・カベルネ・リザーブが冗談のような6000円台とかって記事を書いたことがありましたが、そのレベルもさらに超えてしまいました。

ただ、おそらくこの価格は超円高の1ドル70数円のときに米国から仕入れているものだと思います。1ドル90円を超えた今からの仕入れではこの価格は難しいでしょう。これ以上安くなることはないと思います。

いや、それにしてもお買い得ですよ、これは。

Date: 2013/0205 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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柳屋にメルヴィルのVerna'sシャルドネ2010が入荷しています。税抜きで2380円という安さ。Verna'sというのはメルヴィルの自社畑なのですが、ロス・アラモスにあるせいか、価格が20ドル前後と安く、コスト・パフォーマンスの高さで知られています。

2010のシャルドネはWine Advocate誌では88点。2004年から2009年までは90点以上を続けていたことを考えるとちょっと低めにも見えますが、十分でしょう。

Date: 2013/0205 Category: 業界ニュース
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ワインメーカーネタが続きますが、SFクロニクル紙で、注目のワインメーカーを集めた記事がでていました。


Winemaker to watch: Tadeo Borchardt of Neyers - SFGate
Winemaker to watch: Katy Wilson of LaRue
Winemaker to watch: Anthony Yount of Kinero
Chris Pittenger: winemaker to watch
Winemaker to watch: Tadeo Borchardt of Neyers

いやいや、ちょっとびっくりするほどマニアックですね。知っているワイナリは1つもありません。クロニクル記者の気合を感じます。

よかったら1本でも2本でも記事を読んでみてください。
Date: 2013/0204 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ナパやソノマの1970年代頃を描く書籍はいろいろありますが、これからの時代を担っていく新世代のワインメーカーをフィーチャーした本というのはあまりないと思います。新刊「Rock and Vine」はまさにそういう本。以下のワインメーカーを紹介しています。

Joe Wagner of Wagner Family Made Wine (Belle Glos, Meiomi, Caymus)
Angelina Mondavi of Dark Matter
August Sebastiani of The Other Guys
Jordan Kivelstadt of Free Flow Wines
Morgan Peterson-Twain of Bedrock Wine Co.
Nicole Marchesi of Far Niente
Jason Exposto of Futo
Dalia Ceja of Ceja Vineyards
Ben Flajnik, Danny Fay and Mike Benziger of Envolve Winery
Christina Turley of Turley Wine Cellars
Tony Leonardini of BNA Wine Group

結構、二世が多いですね。先日紹介したSFクロニクルのワインメーカーオブザイヤーもそうですが、ナパやソノマで育ち、小さい時からワインがある生活に触れてきた世代がこれからどのようにカリフォルニア・ワインを発展させていくのか、とても興味深いところです。

なお、サイトにいくとサンプルチャプターのPDFがダウンロードできます。かなりカラー写真も多く、パラパラ見るだけでも楽しそうです。
Date: 2013/0203 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋のアウトレット市にジョーンズ・ファミリーのカベルネ・ソヴィニョンが出ています。ヴィンテージは2008年。1万3800円(税抜き)というのは、米国での小売が130ドルくらいすることを考えたらかなり安い価格です。

ジョーンズ・ファミリーといっても馴染みがない人が多いのではないかと思いますが(すみません、「無敵のカリフォルニア・ワイン講座《ナパ編》」でもハイジ・バレットのところに出てくるだけでした)メンバーがすごいです。初代ワインメーカーがハイジ・バレット、現在のワインメーカーがSchrader Cellarsで100点ワインを連発しているトーマス・ブラウン。畑のマネージャーがデイビッド・エイブリュー。St. Helenaにある自社畑でカベルネ・ソヴィニョンを作っています。

この2008年はWine Advocate誌では94+点。

なお、楽天市場は「お買い物マラソン」中。複数ショップで買うとポイントが倍付けになっていきますので下のリンクからエントリーをお忘れなく。
お買い物マラソンエントリーはこちらから

それから、柳屋のアウトレット市ではフォックスグローブのシャルドネ残っています。普通の1000円台のワインとは一線を画す出来ですから、飲んだことない人はぜひお試しを。特に、きりっとしたシャルドネが好きな人に向きます。

Date: 2013/0131 Category: 業界ニュース
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米国の著名ワインショップK&Lの運営するオークションにScreaming Eagleのセカンドワイン「Second Flight」が出ています(2006 - 2009 Screaming Eagle )。

2006年から2009年までのSecond Flightが2本ずつ、計8本が専用の木箱に入ったセットです。メーリングリストで購入した人が放出したものと見られます。

気になる値段ですが、最低入札価格が2800ドル。1本平均350ドルです(現時点では入札ゼロ)。セカンドワインとしてはむちゃくちゃ高いですが、Screaming Eagleがリリース価格で850ドルすることを考えれば、大分お買い得です。

なお、Wine Advocate誌では2006年と2007年が94点、2008年が92点、2009年が93点と高い評価を得ています。Screaming Eagleが90%近くカベルネ・ソヴィニョンで作られているのに対し、こちらはメルローが3割以上。それでも、Screaming Eagleの片鱗を味わえるワインに仕上がっているようです。

今入手すれば、稀少価値は抜群。350ドルが安いのか、高いのかはどうでしょうか。
Date: 2013/0131 Category: 技術系
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Windows XP/Vista/7からWindows 8 Proへのアップグレード版が1月31日、すなわち今日までの限定で格安になっています。Amazonでの価格は4985円。2月からの通常版は2万4525円ですからなんと8割引。正直、Windows 7からはわざわざアップグレードしなくていいと思いますが、XP/Vistaはこれがチャンスかも。

というわけで、僕も買っておきました。


Date: 2013/0130 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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いくつかセール情報まとめておきます。

柳屋ではKosta Browneの単一畑ピノ・ノワールが出ています。税込みでも1万5000円切るのですから以前に比べたらずいぶん安くなったものです。国内に出回る量は少ないですから、この機会にどうぞ。ヴィンテージは2010年。現状Kanzlerは売り切れGap's Crownは3本、Koplen3本、Keeferは4本。


続いてもう1つ柳屋からセールコーナーにあるEroica。ワシントン州のリースリングです。



さいごはモンダヴィのカベルネ・リザーブ。1996年のもの。30周年ワインです
Date: 2013/0128 Category: 業界ニュース
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ワイナリにとって大きな課題であり希望でもある消費者への直接出荷が増えているそうです(Direct sales of wine rose 10 percent last year | PressDemocrat.com)。2012年のカリフォルニアのワイナリによる直接出荷は総額14億6000万ドル。2011年より10%増加しました。

消費者への直接出荷は、小売やディストリビューターを使うよりも利益率が高く、中小のワイナリにとっては死活を左右するものとなっています。しかし米国では禁酒法以来のしがらみで、直接出荷を許していない州が残っています。ただ、それも時代に移り変わりで次第に減りつつあるようです。1997年には直接出荷を許しているのは17州に過ぎなかったのですが、2012年には39州にまで増えました。

スマートフォンに代表される技術の進歩も消費者との直接のコミュニケーションを後押ししています。例えばメールに動画を埋め込んでサイトへのアクセスを誘うなどで、メールが大きな勧誘手段となっているそうです。
Date: 2013/0127 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ニールセンが米国のソーシャルメディアで語られるワインの種類について、約2年間調査を行いWine Market Councilで発表したそうです(Chardonnay, Moscato Get Social Media Buzzing)。

それによると、米国で一番ポピュラーな品種はシャルドネ。これはそりゃそうだろうというところですが、次がモスカートというのはちょっとびっくりです。モスカート・ダスティに代表される微発泡の甘口ワインで、ソーシャルメディアをよく使う若い女性に人気なのが、その理由ではないかと分析しています。

ただし、ソーシャルメディアの言及がセールスに結びついているとは限りません。ShirazとMalbecを比べると、ソーシャルメディア上ではShirazが2倍以上人気ですが、実際には過去1年でMalbecの売上は伸びていますが、Shirazは17.9%も落ちています。同様に、よく売れているPinot Grigioよりも落ち目のRieslingの方がソーシャルメディア上では多く言及されています。

これらについては、すべての言及がポジティブなものではないことが理由ではないかと考えているようです。

このあたりの分析から次に人気が上がるのが何か分かったりすると面白いとおもいますが、まだまだそこまでは行っていないようです。
Date: 2013/0125 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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柳屋で「ワケあり!アウトレット・ワイン処分市」が始まっています。ラベルにキズありなどのものですが、ワインの中身には問題ありません。

今回はラインナップかなり充実。ここは売り切れるの早い(また、なくなると別のワインが登場することもよくあります)ので、迷ったときは「買い」が正解でしょう。

現在のラインナップから目に付くもの(大部分ですが)を挙げておくと、WAで95点のテンスレーのシラーが4000円台とか、Foxgloveのシャルドネ(樽ナシが好きな人には超お薦め)が1000円台とか、エスタンシアのピノが1000円台とか、フランシスカンとシミの定番ものが2180円とか(いずれも税抜き)。

まずはチェックしてみてください。
Date: 2013/0125 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Napa Valley Vintnersが新しい教育プログラム「Napa Valley Rocks」を公開しています(Napa Valley Rocks: The Napa Valley Appellation Education Program)。ビデオを中心とし、パワーポイントなどのプレゼン資料もあります。ビデオは英語だけですが、資料には日本語のものもあります。

中身はさすがによくできています。Napa Valleyは世界的に有名なワイン栽培地域の中でもとても狭いことなど、知らないこともいろいろありました。動画の英語も分かりやすいので、多くの人がこれで付いてこれるでしょう。

カリフォルニアの中でナパが圧倒的に有名になっている理由としては、このようなNapa Valley Vintnersのプロモーションやエデュケーションの努力がかなり多くの要素を占めていると思います。ナパのこういう面については、他の地域も見習ってほしいものです。
Date: 2013/0124 Category: ワイン本
Posted by: Andy
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AmazonのKindleストアで売られている『無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ編》』に初めてコメントが付きました。うれしい!(ステマではありません、念のため)

ナパ

Amazonで売るメリットには、紙の本と並んで検索されることに加えて、このようにコメントが付くこともありますね。

役に立つものが作れるよう、これからも精進します。

なお、Kindleストアで買った電子書籍はKindle端末だけでなくiPhone、iPadやAndroidでも読めます。米国ではPC用のビューワもあるのですが、まだAmazon.co.jpには対応していないようです(ということはAmazon.comで買えば読めるのかな?)。

というわけで、これからもコメント大歓迎です。

Date: 2013/0122 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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SFクロニクルがWinemakers of the Yearを先日発表していました(Winemakers of the Year: Arnot-Roberts)。Arnot-RobertsというワイナリのDuncan Arnot MeyersとNathan Robertsの2人です。

このワイナリ、私は初めて名前を聞いたのですが、かなりユニークなワインを作っています。例えばGamay Noir、Trousseau、Ribolla Giallaといったマイナーのブドウ品種だったり、白ワインのフィールドブレンドによるワインだったり。カリフォルニアワインの歴史で登場するMartin Rayの作った畑のピノ・ノワールもあります。大部分のワインのアルコール度数が12%台というのも、カリフォルニアでは非常に珍しいものです。

ワイナリはソノマにありますが、この2人はナパ育ちの幼馴染。それぞれKongsgaardやLittoraiで修行してからこのワイナリを始めましt。生まれたときからワインに触れて育ってきた世代が、どこの真似でもないオリジナルなワインを作り始めたといったところでしょうか。
Date: 2013/0120 Category: テイスティング・ノート
Posted by: Andy
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かなり豪華なワイン会に出ました。年に2回の贅沢です(前回はこちら)。場所は前回と同じく麻布台のアフェット。ワイン1本1本に合わせて料理を作ってくださいました。

ワイン
ワインリストは
Ch. Igai Talaha Charming Wing Blanc de Noirs
Schramsberg 03 J.Schram
Ridge Monte Bello Chardonnay 06
Marcassin Chardonnay Marcassin Vineyard 2000
Littorai Pinot Noir Savoy Vineyard 05
Melville Pinot Noir Carrie's 01
Dunn Vineyards Napa Valley Cabernet Sauvignon 86
Joseph Phelps Insignia 95

最初のCh. Igai Takahaのブラン・ド・ノワールは年末のワイン会でも飲んだもの。フレッシュさとブラン・ド・ノワールの芳醇さが生きたいいスパークリングです。

シュラムスバーグはスパークリング専業ワイナリで、J.Schramはここのトップキュベ。2003年のものが現行最新ヴィンテージです。ナッツの香りが出てきていい感じ。先日飲んだIron Horseのように、もっと熟成させて飲んでみたいワインです。

RidgeのMonte Bello ChardonnayはSanta Cruz Mountainsらしいピュアな酸味とパワーが合わさったすばらしいシャルドネ。最近はこういうシャルドネが大好きです。

次は「白猪」ことマーカッサン(マーカッシン)のMarcassin Vinyeard。ここのワイナリのラベルはイノシシの絵の入ったものと文字だけのがありますが、こちらはイノシシ版。自社畑だけこのラベルということでいいのかな?
これはさすがのワイン。香りが素晴らしく、グラスから30cm離れていても香ってきます。他の方の感想にもあるように、塩味(いわゆるミネラルっぽさでしょうか?)を感じます。

ここからは赤です。
Littoraiのピノはとてもきれいなワイン。カリフォルニアらしい果実味も豊かです。人気があるのがよく分かります。

MelvilleのCarrie'sは、10年以上経っていることを感じさせない果実味をまだ持っていました。これも美味しいのですが、ちょっとLittoraiに食われてしまったかも。

Dunnは長熟型のカベルネ・ソヴィニョンで有名なワイナリ(詳しくはこちら)。25年以上経っていますが、まだヘタっていません。きれいに熟成してきています。最近のカベルネと比べると酸味を重視した作りになっているような気がしました。素晴らしい。

PhelpsのInsignia 95はInsigniaらしいInsignia。Dunnよりかなり色が濃いです。黒系の果実を強く感じます。インクのような味わい。力強いワインです。さすが。

今回もおいしい料理とワイン、堪能しました。
Date: 2013/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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「2ドルのチャック(Two-Buck-Chuck)」の愛称で知られる、米国のチェーン店Trader Joe'sで売られる低価格ワインCharles Shaw。カリフォルニアの価格が従来の1.99ドルから2.49ドルに上がったそうです(Two-Buck Chuck Price Goes Up | Los Angeles Business Journal)。

元々、カリフォルニア以外の州では2ドルよりも高く売るところも多かったのですが、今回の価格変更で2.49~3.79ドルになったそうです。

えー、看板に偽りありじゃない、と思ったのですが、Charles Shawが登場してからもう11年。その間、一度も値上げしなかったというのを褒めるべきでしょう。

今回の値上げは、コストの増加を反映したものだそう。これで質を落とさずに済むとしています。
Date: 2013/0118 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wines & Vines誌によると、2012年末のワイン業界は景気のいい終わり方をしたようです(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - Wine Industry Ends Year on High Note)。

例えば、winejobs.comの求人数は前年より16%増えたとか、12月のワイナリから消費者への直接販売は前年より23%増、通年でも10%増だったとか。

リーマン・ショック後、冷え込んだとされる20ドル超のワインで見ても2012年12月の売上は3000万ドルで前年より500万ドル増、2008年と比べると倍以上に増えています。

共同購入型クーポン・サービスで売られるワインも増えています。日本でも急増し、問題が多発したものの最近は落ち着きを見せているこのタイプのクーポンですが、2012年12月にこれらのサービスでワインを売ったワイナリの数は前年の4倍にも達したそうです。
Date: 2013/0117 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインのラベルにもいろいろありますが、Ridgeのラベルほど個性的で分かりやすいものはないように思います。シンプルで、スーパーの棚の中でも簡単に見つけることができます。



では、このRidgeのラベルと有名な化粧品などのブランドであるエスティローダーに共通するものは分かりますか?



デザインをしている人ならすぐにわかるかもしれませんが、エスティローダーのロゴで使っているフォントとRidgeのラベルのフォントは同じなのです。

Optimaというこのフォント、1958年にドイツLinotype社のヘルマン・ツァップさんが開発したもの。フォントは大きく分けると明朝系のセリフとゴシック系のサンセリフがありますが、これはサンセリフのフォント。ただ、セリフ系のような味わいもあり、上品さとゴージャスな感じを持ったフォントだとして、ファッション系を中心に、とても人気があります。

Ridgeは1962年のワイナリ創設以来、このフォントを使っています。Jim Robinsonさんという人がラベルのデザインを担当したそうです。米国でOptimaフォントを使った先駆けの1つであり、西海岸では一番初めだったとのことです。

なお、2002年にはOptimaを改良したOptima novaというフォントが作られています。これは、ヘルマン・ツァップさんと日本人のフォント・デザイナー小林章さんによるものです。下の本の表紙にも、そのフォントを使ったデザインがあるのが分かるでしょうか?


Date: 2013/0115 Category: 音楽系
Posted by: Andy
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前回の記事が意外と好評だったので、再び同ネタで。

きゃりーぱみゅぱみゅの新曲「ふりそでーしょん」は、前のファッションモンスターほど好きではないけど、悪くはないです。サビに入る手前のところが好み。PVとは全然関係ないけど、きゃりーぱみゅぱみゅはサメ好きということを知って喜んでおります(笑)。


一方、少女時代は韓国で久々の新曲「I got a Boy」をリリース。いつの間にか家にCDがありました(笑)。念のため、僕が買ったのではありません。

まあ、めまぐるしい曲ですが、歌詞を見るとドラマ仕立てという感じのようです。最近ちょっとダンスが同じような傾向ばかりだなあと思っていたところ、この曲ではストリート風の味付けで、これまでとは大きく変わっています。ファッションも可愛いし、どちらかというと見て楽しむ曲という感じです。

ダンスというと最近一部で評価が高いらしいのがモーニング娘。の新曲。普通のPVも見ましたが、メンバー個人個人の魅力はあまり感じないので、マスゲームに徹したダンス・バージョンの方が面白いです。個を引き立てる方向の少女時代とは逆張りですが、彼女らは彼女らで頑張ってるのだなあと思います。
Date: 2013/0114 Category: グルメ
Posted by: Andy
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1カ月前の2012年12月12日、12並びの日が結婚20周年でした。ちょっと遅れましたがたまには子どもたちを置いてディナーに行こうということで、青山の「フロリレージュ」に行って来ました。ワインは持ち込ませていただいています。

Andyの写真 - ミイル(miil)
1本目のワインは、Iron HorseのBlanc de Blancs LD 1990。Iron Horseのスパークリングの中でも限られた年にしか作られない限定品です。これは初めてIron Horseに行ったときに買ったもの。8年熟成してから、澱を抜いて出荷されたものです。ワイナリでテイスティングしたときはシャルドネ100%のピュアさが引き立つものでしたが、それから14年ほど経った今では、黄金の液体と化していました。

もちろん、泡も健在。熟成したスパークリングらしくナッティな風味が出ていますが、ひねた感じは全くなく、とてもきれいに熟成しています。これは本当にすばらしいスパークリングです。機会があればまた入手したいものです。

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Date: 2013/0113 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ひところほどのネームバリューはなくなったかもしれませんが、やはりキスラーというとシャルドネでもピノ・ノワールでも一目置かれる存在であるのは間違いないところです。

シャルドネだとノワゼッティエールが、たまに6000円台でも見かけるなど、まだ入手しやすいものがありますが、ピノ・ノワールでは1万円を切ることはめったにありません。

今回ウメムラでラッシャン・リバー・ヴァレーのピノが税込み9996円とかろうじて1万円切り。このブランドではこれ以下にはおそらく下がらないと思います。なくなる前にどうぞ。

Date: 2013/0112 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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ソノマのワインはユーザーにどのように受け取られているかを調べたレポートがSonoma County Vintnersの会合で発表されました(Sonoma County's chardonnay a hit; pinot noir doesn't fare as well)。調査はナパのSt. HelenaにあるWineOpinions社によるものです。

調査は最もワインをよく飲み、また高いワインをしばしば飲む米国民を対象に行いました。

その結果、ソノマは品質およびコスト・パフォーマンスでどちらもトップ3に入った唯一の地域となり、20ドル以下のシャルドネでもトップの評価でした。

ただ、ハイエンドのピノ・ノワールではナパやオレゴンのウィラメット・ヴァレーに遅れを取りました。

また、およそ半分のユーザーはRussian River ValleyやAlexander Valleyのワインをたまに飲みますが、RockpileやGreen Valley、Bennett Valleyといった名前を知らない人も半数いました。

ナパでピノ・ノワール? と思ってしまいますが、ハイエンドのワインはナパという印象は強いのかもしれないですね。Napa Vintnersという強力な組織を持つナパと比べるとソノマはブランドの売り出しが弱い感じがします。ソノマのマーケティングももっと頑張ってほしいものです。
Date: 2013/0111 Category: グルメ
Posted by: Andy
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三が日は、1年の中で唯一日本酒を飲むのが慣例になっており、その後も飲み会前後で休肝日だったりして、なかなかワインを開ける機会がありませんでした。10日は誕生日だったので、さすがにそろそろ何か開けようかと。



料理はチキンの胸肉を塩麹で漬け込みオリーブオイルで焼いたもの。塩麹とオリーブオイルって相性がいい組み合わせです。ワインは白でも十分合いそうですが、今日はピノ・ノワールにしました。

ワインはこれ。0906 ピノ・ノアール ボヘミアン・ヴィンヤード 2010。ペンギンのラベルです。


きれいで、いいピノです。こんなワインがこれからも飲めるように頑張ります。
Date: 2013/0109 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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カリフォルニアワインのアジアへの輸出についての記事がWines & Vinesに載っていました(Wines & Vines - Wine Industry News Headlines - California Wine Exports in 2013)。

2012年の1月から10月までの輸出量を2011年の同期間と比べていますが、それによるとアジアでは日本への輸出額が9533万ドルと前年の8172万ドルから16.7%上昇、シェアも7.2%から8.1%へと広がりました。カリフォルニアワイン・インスティテュートでは日本は成熟した市場と位置づけています。

一方、2011年にシェアが11.8%だった香港は34%も減少してシェアも7.5%。日本が再び首位に立ちました。

その他のアジア諸国で目立つのはベトナム。1265万ドルから1937万ドルへと5割を超える急上昇ぶりです。ベトナムは輸入したワインにかけられる税金を80%から55%へと減らしたことが輸出増につながったようです。
Date: 2013/0105 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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前の記事で登場したShibumi Knollというワイナリについて調べてみました(Shibumi Knoll - Welcome)。

Shibumiというのはどう見ても日本語で、ワインとの絡みでいうとタンニンの「渋み」なのかと思ってしまいます。ところがワイナリのサイトでは「A Japanese term most closely translated to "effortless perfection", “understated elegance”, or “perfect peace”」とShibumiの意味が説明されています。どうやら、「渋い男性」といった形で使われる「渋み」のようですが、それにしても"effortless perfection"というのは、ずいぶんニュアンスが異なるような気がします。

この、「Shibumi」という単語、同名の小説から取ったものだそうです。



Amazon.co.jpのレビューではかなり評価の高い本書、発行されたのは1980年台ですが、Shibumi Knollのオーナーはその本を愛読しており、そこでワイナリの名前に採用したとのことです。なお、X-FactorのワインはソノマのRussian River Valleyのブドウを使っていますが、ワイナリはナパのSt. Helena。畑は以前Vineyard29のAida Vineyardだったところの一部だそうですから、かなりいいところのようです。
Date: 2013/0104 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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Wine Spectator誌の選ぶWine of the Yearではレイティングや値段、生産量といった数字で表される要素のほかに、何かを感じるワインとして「X-Factor」を加味しているとされています。

じゃあそのX-Factorって何かというと、よく分からないのではありますが、同誌カリフォルニア担当のJames Laube氏が、自身が選ぶ2012年のトップ10X-Factorワインを公表しています(My Top 10 X-Factor Wines of 2012 | James Laube)。

以下がそのワイン。MarcassinやShafer Hillside Selectといった誰でも思い浮かべるトップワインのほかに、温故知新のHeitz Martha'sやWilliams-SelyemのRochioli(これだけヴィンテージが1992年!)、FaviaやLagier Meredith、Rivers-Marieといった新進気鋭のワインなど、結構バラエティに富んでいます。

また、耳慣れないワインとして「Shibumi Knoll」なるものがあります。「渋み」?いったいなんでしょう。これについては別記事で取り上げたいと思います。
・Black Kite Pinot Noir Anderson Valley Angel Hawk 2009 (94 points, $70)
・Edge Hill St. Helena Estate Mixed Blacks Field Blend Napa Valley 2010 (92, $125)
・Favia Rompecabezas Amador County 2008 (95, $65)
・Heitz Cellar Cabernet Sauvignon Napa Valley Martha's Vineyard 2007 (94, $200)
・Lagier Meredith Mondeuse Mount Veeder 2010 (93, $42)
・Marcassin Pinot Noir Sonoma Coast Blue-Slide Ridge Vineyard 2007 (97, $90)
・Rivers-Marie Cabernet Sauvignon St. Helena Panek Vineyard 2009 (95, $75)
・Shafer Cabernet Sauvignon Stags Leap District Hillside Select 2002 (97, $190)
・Shibumi Knoll Chardonnay Russian River Valley Buena Tierra Vineyard 2005 (97, $45)
・Williams Selyem Russian River Valley Pinot Noir Rochioli Vineyard 1992 (97, $50)
Date: 2013/0101 Category: おすすめワイン
Posted by: Andy
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ワインスタイルで新春福袋を各種販売しています。

ここの福袋はブドウ品種が1種類だけで、自分で選択できるということと、ワイン雑誌による得点が90点以上のワインだけを集めているということが特徴的。好きな品種ではずれのないワインを安く買えるという点では福袋会の優等生かもしれません。

ワインスタイルの福袋ページ
Date: 2013/0101 Category: 業界ニュース
Posted by: Andy
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みなさま、明けましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。年末は大掃除で忙殺され、更新もできなかったのですが、今年はがんばりたいと思います。

で、毎年恒例の10大ニュースを最初の記事で取り上げます。

10位。カリフォルニアにバランスの時代が到来か?
IPOB(In Pursuit of Balance)というグループができたことに象徴されるように、カリフォルニアでもパワー一辺倒からバランスの時代へと変革が始まったような気がします。Wine Advocate誌のカリフォルニア担当がロバート・パーカーからアントニオ・ガローニに代わったことも影響しているのかもしれません(関連記事)。

9位。Inglenook、45年ぶりの復活
Coppolaが旧Inglenookのワイナリを買い取ったのが1975年。そのときからの悲願だったInglenookブランドを36年ぶりに2011年に買い取り、2012年にはInglenookを冠したワインが登場しました。ワイナリ名も変更し、新時代が到来しようとしています(関連記事)。

8位。Kenzoがいよいよ本領発揮か
David AbreuにHeidi Barrettという現在考えられる最高のメンバーでワイナリを始めたKenzo Estate。当初は日本人の成金が…みたいな印象もありましたが、2012年にはWine Spectator誌で注目のニューフェースに選ばれたり、念願のエステート・ボトルがリリースされたりと、いい話が増えている感じです(関連記事)。

7位。ついに景気上昇か
リーマン・ショック以降ワイン業界も高額ワインが売れないなど、難しい時期が続いていましたが、2012年にはついに反転に転じた感じです。さらに、2011年の収穫が少なかったこともあり、ブドウ不足による値上げという話も出てきています(関連記事)。

6位。Shafer RelentlessがWS誌のWine of the Year
Shafer Relentlessはシラー飲まず嫌いの人に飲んでほしいシラーです。まじで美味しいです。なのでWine of the Yearは理解できるのですが、このワイン、柳屋でしばらくセールになっていたのです。5000円台ですよ、5000円台。このブログでも2回くらい紹介しましたから、この値段でも瞬殺ではなかったようです。というわけでこのブログのお薦めに乗っておくといいことがある(かもしれない)ということです(関連記事)。

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