ただ、野生酵母を見つけるというだけであれば簡単なことですが、ここではカリフォルニア原産の酵母を探しています。そのために、ワイナリーから最低でも5km離れたところにある畑を回っているそうです。
集めた酵母は、実際にUC Davisの学生が醸造の実験に使っています。2015年は5種類の野生酵母を使い、うち1種類だけが発酵を完了したとのこと。ほかのものはアルコール度数11%~12%のところで発酵が止まってしまいました。
ただ、学生たちによると、市販の酵母を使ったものよりも、できたワインの香りはよかったとのこと。
これらの成果は2016年1月13日にセミナーで発表されます。今後も野生酵母の採集を続けて、将来はそれらをワインメーカーが醸造に使えるようにする計画のようです。
長左エ門商店は獺祭2種類に限り、30日9時までの注文でその日に発送します。
「獺祭 磨き二割三分 遠心分離 おりがらみ」は正月向けの限定品。「米を23%まで磨いた純米大吟醸を通常の圧搾ではなく、圧をかけない遠心分離で搾ったお酒。磨くことで美麗な味わいを、圧によるダメージの少なさがまろやかな味わいを生み出し、そこにオリが絡むことで風味が増しています。」と紹介されています。
尾張一宮・河野酒店は午前中までの注文で当日発送可能。31日にも出荷します。
dancyuで高く評価されたエイリアスのピノ・ノワールがあります。個人的にはピノよりもここの赤ブレンドが気に入りました。ジンファンデル40%、メルロー28%、
カベルネ・ソーヴィニヨン27%、シラー5%のブレンド。ミディアム・ボディで爽やかな酸味があり、おせちにも合うような気がします。
いずれ劣らぬNFLの名プレイヤーですね。3人ともスーパーボウルにも出場しています。でも、それだけでは不正解です。実はこの3人、いずれもワイナリー・オーナーなのです。
ダン・マリーノについては4年ほど前に「スーパーボウル出場QBのワイン」という記事でも取り上げていますが、そのときはチャリティ向けワイン。その後、同記事で紹介しているドリュー・ブレッドソー(ワシントン州でLeonettiのワインメーカーと組んでDoubleBackというワイナリーをやっている本格派)に影響されたのか、ワシントン州でPassing Timeというワイナリーを始めました。
ワインメーカーはAvenniaというワイナリーのクリス・ピーターソンという人。ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンのみです。2012年が最初のヴィンテージで、なんといきなりWine Advocate誌で94点、Wine Spectator誌で93点という高評価を得ています。2013年もWine Advocate誌で92-94点、Vinousのステファン・タンザーが92点。2013年はダン・マリーノの現役時代の背番号13にちなんで「ダンのヴィンテージ」と呼ばれています。
ジョン・エルウェイはナパで7セラーズというワイナリーを始めました。Wine Spectatorの記事によると、ワインはマイケル・モンダヴィのワイナリーで作っているそうです。ワインは米国のAmazon.comで購入できます(日本への輸出はできません)。
この3人の中で唯一の現役プレイヤーであるチャールズ・ウッドソン(今年引退を表明しました)はナパでCharles Woodson Winesというワイナリーをやっています。最初のヴィンテージが2006年ですから、もう10年近くも続けているワイナリーです。2010年のヴィンテージのカベルネ・ソーヴィニヨンはWine Spectator誌で93点。なんと年間トップ100の58位にも選ばれています。
このワイナリーMending Wall(メンディング・ウォール)はアウトポストのDotzler夫妻、Pulido-WalkerワイナリーのMark PulidoとDonna Walkerそして、トーマス・ブラウンによるプロジェクトとなっています。ナパのシルバラード・トレイル沿いにワイナリーはあります。
2014年の4月にワイナリーを作るプロジェクトが始まり、同年秋にはそこで醸造を始めるというタイトなスケジュール(なお、このワイナリーのワイン自体は2012年から作っています)。また2015年7月にはテイスティング・ルームをオープンしています。
全体の雰囲気は素朴な上品さとスティーム・パンクを併せ持ったものだといいます。
なお、ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンとプチ・シラーそれから白(セミヨンとソーヴィニヨン・ブランのブレンド)を作っています。
まだ新しいワイナリーですが、トーマス・ブラウンが手がけていると聞くだけで、何か起こりそうな気配があります。
皇朝の親愛セットはうちでも注文しましたが4人家族で十分過ぎるくらいの量があり、味も良かったです。
人気の焼き小籠包「王府井(わんふうい)」は中華街でも行列のできる店として有名。
サンクトガーレンはいろいろなビールを作っていますが、この既設だとアップルシナモンエール、苦味が好きな人ならIPAでしょうか。セットもいろいろあります。
季節現敵のインペリアルチョコレートスタウトなんていうビールも注文可能です。これはチョコレートが入っているわけではなく、かじるとチョコレートのような風味がある麦芽を使ったものだとか。原料を普通の倍使い、アルコール度数は9%。2年間熟成可能というユニークなビールです。僕は今回これを注文してみました。
見苦しい写真で恐縮ですが、網戸には、結構ホコリが溜まっており、雑巾で拭いてもなかなか取れないし、紙で拭くとボロボロになってしまいます。結構難儀なところです。
これは掃除前、ホコリがかなり付いているのが見えるかと思います。
こちらはメラミンスポンジで軽く1回ぬぐった後。かなりきれいになっています。
スポンジはこのように真っ黒になります。
さすがにこれだけ汚れていると、スポンジを何回か洗う必要がありますが、それでもかなり楽だし、何よりも綺麗になります。
もし網戸掃除がまだでしたらお試しあれ。
私は10問中5問正解。ダメだなあと思っていたのですが、意外と難しい問題だったようで、私よりワインに詳しい人もかなり苦戦している様子。
カリフォルニアワインファンとして、最低限Sidewaysだけは当てておきたいところです。
映画関連では以下の記事も人気です。合わせてどうぞ。
ワイン映画の歴代トップ10は?
調査は近所のパブで小規模に行いました。175mlのワインを370ml、300ml、250mlのグラスで提供し、おかわりする比率を調べました。
その結果、一番大きなグラスだと、中間のものより9%おかわり率が高くなったとか。中間と小さなものは差がなかったそうです。
同じ量でも大きなグラスの方が少なく感じるという錯覚が寄与しているのではないかとのこと。
僕の感覚としてもこの結果は頷けます。また、もう一つ思ったのはグラスワイン175mlって多くない?ってことでした。ボトル4分の1ですよね。自分が普段飲むときは大体6杯取るので125ml。これくらいの量にしてその分安くした方が頼みやすいしおかわりもしやすいような気がするのですがどうでしょうね。さらなる調査を期待します。
元記事:Larger Wine Glasses Encourage More Drinking, Study Finds - WSJ
現在の最新リリースである2012年はスクリーミング・イーグルとしては4回めのWAでの100点。うち3回は2007年、2010年、2012年とここ10年以内で、近年の品質向上+安定がうかがわれます。
また、2006年のヴィンテージからはセカンドワインである「セカンド・フライト」(Second Flight)も投入しています。セカンドワインといいつつ、メルローの比率が高く、カベルネ・ソーヴィニヨンを100%近く使うスクリーミング・イーグルとは一線を画した構成。
こちらも2012年はWAで96点という、セカンドワインとしては極めて高い評価を受けています。
一方で、価格もうなぎのぼり。2011年までは10万円以下だったものが、14万円台という、ハーランなどよりも高い値段になっています。
いろいろ例外過ぎて、普通のものさしでは判断できない領域にいるワイン。飲む機会があるかどうかは分かりませんが、一度くらい飲んでみたいような気はします。クリスマス・イブくらい、ちょっと夢を見てみたいものです。
軽い白、リッチな白、エレガントな赤、ビッグな赤、ロゼ、その他と分野に分かれています。カリフォルニアを中心に米国のワインで選ばれたものを紹介します。
軽い赤からはワシントンのシャトー・サン・ミシェルによるリースリング。このワインは以前飲んだことありますが、なかなかいいワインです。
エロイカ
リッチな白からは自撮り棒使ったカレラ。カレラは米国での評価のほか、日本での価格が安いのも特徴です。特に、セントラル・コーストにわずかながら自社畑のブドウを加えたキュベVもかなりヤウイです。
キュベV
エレガントな赤からはキャッスル・ロック・ピノ・ノワール
もう1つピノ・ノワールです。キングス・リッジ(ヴィンテージ違い)
チャールズ・スミス・メルローもエレガントな赤。
重めのクロからはドライ・クリーク・ジンファンデル(ヴィンテージ違い)
やはりカレラの安さは際立ちます。
考えてみれば、リヴァーズ・マリーのオーナー/ワインメーカーであるトーマス・リバーズ・ブラウンはカベルネ・ソーヴィニヨンで100点を連発しているシュレーダーのワインメーカーなのですから、カベルネ・ソーヴィニヨンが得意なのに決まっています。加えて、その人脈を活かして素晴らしい畑からブドウの供給を受けているのですから、すごいワインができるのも当然です。
そんなリヴァーズ・マリーのカベルネ・ソーヴィニヨン4種とシャルドネ1種(上記リストのトップの98点もの!)がカリフォルニアワインあとりえに一気に出ています。特にシャルドネは税込みでも9000円台。現地価格よりも大幅に安くなっています。ちなみにこの畑は先日飲んだリトライも使っているところ。ほほう、そこで来るか、という感じです。
シャルドネ以外はコロナ・ヴィンヤード2013(95点)、ロア・ヴィンヤード2013(97+点)、カリストガ2013(94点、畑はラークミードだとか)、パネク・ヴィンヤード2013(98+点)。ロア以外は1万円台と、これも実力や希少性を考えたらかなりのお買い得です。
お金があったら全部買い占めたいほどのワイン。
カベルネの中では、西側オークヴィルのコロナが個人的には気になるところ。
【レース前】
朝5時起床。きな粉餅を3つ食べ、3つ携帯用にする。今年も直行バス利用で楽々現地に到着。海に映る朝日がきれいだった。
まずはトイレエリアに直行。さすがにまだ人もさほど多くなく、すぐに用を足せた。その後は屋内に移動。こちらはごった返していたがなんとかスペースを見つけて足首にテーピング。テーピングはしなくても走れるけど、自分にとってはルーティンであり、テーピングすると気持ちがレースモードになってくる。
その後はもう一度トイレに行き、荷物を預けて集合場所へ。
今回はBブロック。前回のCブロックはボリュームゾーンですごい人数だったがAやBは大分少ない。これだったらもっと屋内にいてBブロックの最後でも良かったかもと思う。
というのはなにしろ寒い。北風が強く凍えてくる。
8時40分ころスタート位置に移動。スタートのゲートまで近いのにまた感動する。
車椅子とハーフのスタートを見送り、いよいよ9時が近づく。「後1分」とのアナウンスがあるがその後一向に始まらない。後から事件のことを知ったが、そんなことは分からず、早くしてくれと思うばかり。5分遅れてついにスタート。
【レース編】
最初の1kmは5分30秒くらいのゆっくりした入り。Bブロックなら周りはずっと速い人かと思ったがそうでもないようだ。
以下、時間はランナーズアップデートによる10kmごとの記録と、スマホのGPSによる記録をミックスして書いています。
2km、3kmと少しずつペースが上がる感じ。ここは無理することなく、基本的には集団のペースに乗って走ることにする。ところで、スタート前に大分体が冷えたのでやはりトイレに行きたくなった。最初のトイレは結構混んでいる感じだったので4km過ぎの2番めのトイレへ。ここで約2分のロス。
レースプランでは最初の15kmは1km5分で走るつもりだったが、トイレロスがあったため、最初の5kmは約27分。ただ、これくらいのロスは後で取り返せると思っていたので、焦ることなく、レースプランを守ることを心がける。
5kmを過ぎてからはだんだん気温も上がってくる。5km~10kmは24分50秒程度。いいペースだ。10kmで最初のジェルを摂取。
10km過ぎでランナー仲間の応援団に遭遇。自然に気合が入る。
10km~15kmは24分44秒。想定ペースよりわずかに速いが、悪くない。
15km過ぎてピッチを上げ、いよいよ巡航モードに入る。これでどこまで押せるかがこのレースがうまくいくかどうかに大きくかかっている。
18km、19kmと江ノ島が近付くと沿道の応援も増え、気持ちいい。江ノ島で折り返し。15km~20kmは23分50秒程度。
20km過ぎでふたつ目のジェル。中間地点を過ぎ、22kmのところでkm5分ペースと比べた借金がなくなっていた。サブ3.5はほぼkm5分ペースなので、やっとそれに追いついた格好だ。20km~25kmは24分3秒程度。
26km付近で再び応援団に遭遇。砂漠でオアシスを見つけたような気分。とてもうれしい。
気持ちをリフレッシュし、そのまま巡航モードを続ける。調子は悪く無い。ただ、期待したほどペースは上がっていない。4分40秒台の前半を狙っていたが、実際には4分50秒前後だったようだ。25km~30kmも24分3秒程度。
30kmで最後のジェル。カフェイン入りで気合を入れる。
34km付近から西湘バイパスに入っていく。いよいよここからが正念場だ。景色はいいが、応援がなく、給水も少ない。バイパスに入る上り坂を無心で上がっていった。
時計をチェックすると、km5分ペースに対して貯金が約1分半。これで焦った。
42kmをkm5分で走るとちょうど3時間半。ただ、フルマラソンにはまだ195mある。km5分ペースだと約1分。1分半の貯金というのは、実際には30秒の貯金に過ぎない。しかも、このときはちゃんと計算ができず、貯金は1分半必要だと勘違いしていた。つまり貯金はゼロだと思ったのだ。
もちろんここから先、km5分以下でずっと走れればサブ3.5は実現できる。ただ、疲れてきているし、東京マラソンでは最後km5分半くらいまで落ちた。それを考えると、そこまでに30秒の貯金をさらに作っておかなければいけない。
ここからの一番きつい区間でそれができるのか? 正直厳しいと思った。でもまだ諦めるわけにはいかない。ここまで来たら頑張るしかない。幸い、息はかなり上がっているが、まだ足は動いているような気がする。とにかくピッチを落とさないことだけを意識して懸命のスピードで走ることにした。
30km~35kmは24分20秒程度。やはり少し落ちていたようだ。
ここを走ったことがある人はわかると思うが、西湘バイパスの上はとにかく距離が長く感じられる。目標がほとんどないので進んでいる感じも乏しい。35km、36km…1km過ぎるたびに、まだ35kmか、まだ36kmか、と思う。37km手前でゴール地点の大磯プリンスホテル前を通過。ここから39.6kmの折り返しまでが一番きついところだ。
股関節が痛い。大腿四頭筋も痛み始めた。ずっと振り続けている腕はしびれて感覚がなくなってきた。
38km、39km…反対車線に40kmの表示が見える。ようやく第2折り返しが近づいてきた。
折り返して最後の給水。残り約2.5kmを走り抜くため、ここだけは足を一瞬止めてしっかりとドリンクを飲み干した。
36km~40kmは24分30秒程度。ちょっと遅れてきてはいるが、この区間をkm5分切れたのは後から考えると大きかった。
41kmのところでちらっと時計を見ると3時間22分30秒くらい。「これなら行ける?」と初めて思った。とにかく必死に走る。
いつ倒れても不思議ではない状況だったが、幸いにして倒れずに済んだ。西湘バイパスから大磯プリンスホテルに入る側道を曲がり、いよいよフィニッシュへ。
最後の小さな上り坂。さすがにここでは余力がなく、上がった直後は初めてピッチが落ちてしまう。でも残りは100mほど。しゃにむにゴールに向かう。
ゴールゲートの時計を見ると、まだ3時間29分台。やった、ということはグロスでも30分切ったんだ、とやっと実感。ちょっと泣きそうになりました。手元の時計では3時間28分13秒(速報では3時間28分9秒)。
水とメダルをもらい、チップを外してもらったらもう動けなくなった。その後は荷物を持とうとしては足が攣り、靴を脱ごうとしては足が攣り、体の向きを変えようとして足が攣り…と足攣り大会状態。特に右足はふくらはぎ、すね、土踏まず、甲といろいろなところが攣って、そのたびに筋肉がぼこぼこ形を変えて相当気持ち悪いことになっていた。
というわけで悲願のサブ3.5を5回めのフルマラソンで達成しました。
次は3月に静岡マラソンです。今回は特にタイムの目標はなく、自己ベストの更新を目指します。
全米最高のレストランに選ばれたとはいえ、ここはあくまでもテイスティング・ルーム。料理がオーダーできるわけではありません。1日3回(11時、1時、3時)に開かれるワインと料理のペアリングのメニューがあるだけです。
現在のメニューを見てみましょう。
その日に採れたホタテをソテーしたものにリゾットを添えた最初の皿にはソーヴィニヨン・ブラン、キュウリのガスパチョにはヴィオニエ、ココア・トルテッリには赤ブレンド、ミスジのステーキにはジンファンデル、チョコレートのデザートには酒精強化ワイン。
どれもとても美味しそうです。日本でこれだけの料理とワインを頼んだら1万5000円くらいかかってしまいそうな気がしますが、ここのペアリングは68ドル。
なるほど、これは人気があるわけですね。ソノマに行かれる際は「ランチ」の候補としていかがでしょう。もちろん予約はOpenTableで。
「スター・ウォーズ エピソード7 フォースの覚醒」を12月18日10時半からの初回で見てきました。以下はネタバレにならない程度の感想です(これまで公表されている内容は含んでいます)。
・BB-8は可愛い、健気。よく走るのにビックリ。うちにも欲しい。
・レイはきれい、勇敢、かっこいい。今の時代のヒロインとしてすごくいいと思う。
・ストームトルーパーの衣装?結構バリエーションがある。注意深く見ると面白い。
・ハンソロはさすがだなあ。
・ミレニアム・ファルコンの登場は熱くなる。会場で拍手が巻き起こった。
・R2が大きく見える。
・過去作と比べて一番変わっていないのはチューバッカ(笑)。素晴らしいブレなさ加減。
・IMAXはやっぱり良い。3Dであることより、そのサイズで映像の中に入り込める。なので前の方の席がいいと思う(今回は3列目)。
・他の映画の予告編は見たくなかった。イメージ悪くしただけだと思う。
・スター・ウォーズをこれまで見たことないという人は、エピソード4と5だけでも見ておいた方がいい。できたら4〜6。1〜3は見ていなくても構わない。
・映像的には4〜6の世界観に近い。2とか3のSFっぽさがないのがいい。
・というわけで4〜6のファンはエピソード7満足するはず。1〜3のファンは素朴な感じを受けるかも。
僕は大好きです。多分もう一回は見に行く。
銘柄を公開しないことで、この価格を実現しているそうですが、ヒントが出ています。
赤1
4500円のナパ産赤ブレンド。生産者はWAで最高95点。
赤2
3400円のレアシラー。生産者はWAで99点連発。7つのブランド持ち。
赤3
NOBUグループでバイザグラスで提供されているピノ
白
NZの、某国際ワイン品評会ナンバーワンに選ばれた生産者のソーヴィニヨン・ブラン
ロゼ
5年の熟成もの
このうち赤3本は、かなり推測できました。
赤1は、多分「ナパ・ヴァレーでボトル5000円以下のお薦めワイン」に書いたワインの1つです。想像通りであれば、かなりの実力派です。
赤2はワシントンですね。生産者はチャールズ・スミスで間違いないでしょう。ただし、ここで作っているシラーは種類が多すぎて特定は困難です。多分これ、というのはありますが書かないでおきます。WAで95点前後のワインを山ほと作っている生産者ですから、これもかなりいいものでしょう。
赤3はNOBUのワインリストを見ればわかるでしょう。今年、大きな話題になったワインブランドです。ピノとしては甘めというのがもっぱらの評判なので、そこでちょっと好みが分かれるかも、という気がします。
正直に言って、この3本でも1万円の価値は十分ありそうです(実際希望小売価格の合計も1万円を超えています)。お買い得ワインセットとして、いかがでしょうか。
JAL国際線 - お食事・お飲み物(ファーストクラス)
のページから飲み物を検索すると表示されるPDFにかかれています。
日本人によるお酒を紹介する「日本の匠」というコーナーで、ワインとしては侍のほかに、ニュージーランドでワインを作るKusudaさんのワインが入っています。日本酒や焼酎もあり、日本酒は十四代の大吟醸と黒龍の大吟醸、焼酎は森伊蔵と百年の孤独。このほかワインボトルに詰めて販売する超高級日本茶として有名なロイヤルブルーティーの「クイーン オブ ブルー」も入っています。いずれ劣らぬ日本を代表する銘品であり、侍がその一角に入ったということはすごく名誉だと思います。
先日のWine Enthusiast誌Cellar Sellectionに入ったのも快挙ですが、こちらもそれにまさるとも劣らない快挙です。
残念ながらすべてカリフォルニアというセレクションではありませんが、ピノは3本中2本、シャルドネも1本はカリフォルニアです。
ピノのセットもシャルドネのセットも3本で6000円台とおさいふにも優しいです。年末年始でワインを飲む機会に合わせていかがでしょうか。
いまだとワインバッグのプレゼント付きなようです。
まず、設定画面を開き、一番下の「詳細設定を表示…」をクリックします。
プライバシーのところの「コンテンツの設定」をクリックします。
「通知」のところの「例外の管理」をクリックします。
Facebookのところを消してしまうかブロックすればOK。→消すとまた聞いてくるので「ブロック」が正解です。
参考:3分でわかるルディ・クルニアワン「ワイン偽造」事件
犯人であるルディ・クルニアワンには
懲役10年に加え、追徴金が200万ドル、被害者への賠償金が280万ドルといった判決が出ていますが、彼の残したワインがこのほど処分されました。
偽造されたワインについてはテキサスで破壊されました。元記事にはその動画も載っています。
また、鑑定によって正しいワインと認められたものはオークションで売られました。総額は150万ドルに達し、落札率も98%と高かったそうですが、個々の落札額は相場より低めだったとか。やはり、いくら鑑定を受けているからといって、偽造犯の持っていたワインですから、ちょっと気持ち悪く感じられてしまうのでしょうね。
2012年の評価については「オーパス・ワン2012年は2007、2010と並ぶ高評価」で詳しくまとめているので、そちらをご参照ください。
簡単にまとめるならば、2011よりもずっと高評価で、2000年以降では2007、2010と並んでトップ3に入るヴィンテージと言えそうです。
ただし、価格は高止まり、というか右肩上がり傾向。2010年で最低3万円を超え、2011年で3万2000円~3万3000円くらいから、2012年は3万5000円以上となります。
ここが楽天最安。在庫もあります。
オーパス・ワンの代わりになる候補としては以下のものはいかがでしょう。
価格を抑えたいなら、ドミナス2009(WAで97点)がお薦めです。100点取った2010だと4万円を超えます。
あるいはインシグニア2012(WAで96-100点)。
シャペレーのプリチャード・ヒル2012はWAで99点。
それにしても、いいカベルネは軒並み高くなりましたね…
昨年の同じ調査も記事で書いていますが(米国の若者は「モスカート」と「シャンパーニュ」を好む)、とても分かりやすく上手にまとめています。
今年の結果だと例えば、ミレニアル世代は他の世代より倍以上ロゼが好きだそうです。特に夏の暑い時期に好んで飲んでいることがわかります。
ぜひ、他の結果も見てみてください。
コパ・ディ・ヴィーノのカップのサイズは187ml。通常のワインボトルの1/4です。カップの素材はペットボトルでです。品種は赤がカベルネ・ソーヴィニヨンとメルロー。白がモスカート、シャルドネ、ピノ・グリージョ、リースリング。それからホワイト・ジンファンデルがあります。価格はいずれも1個あたり600円で、7種類のパックや人気3種が3つずつ入った9本セットなどがあります。
ワンカップワイン通販ショップ「コパ・ディ・ヴィーノ COPA DI VINO」
正直に言うと、米国での1本当たり3ドルという価格と比べると、ちょっと高いなと思います。ここはもう少し頑張ってほしかったところ。大手でないと難しいとは思いますが…
似たようなものでは、以前記事に書いた「人気上昇中、積み重ねできる1回分用ワインボトル」があります。こちらの方が、ボトルをつなげられるなど、パッケージング的には優秀な感じです。
ところで、日本酒のワンカップ大関は東京オリンピックの年である1964年に誕生したそうです。ワインと比べると大きく進んでいたわけですね。
最初からクリスマスデザインのものはスパークリング・ワインの種類を選べないのですが、カスタマイズ可能なものではシャンパーニュやロジャーグラートのスパークリング・ワインなども選べます。
営業日、中3日必要なので、水曜日の午後5時までにオーダーすれば火曜日発送。クリスマス・イブに間に合わせるなら、そのあたりがギリギリでしょう。
参考:Littorai Wines: 才人Ted Lemonの率いるエレガント派の急先鋒
シャルドネはB.A. Thieriot(B.A.ティエリオット)とCharles Heintz(チャールズ・ハインツ)。B.A.ティエリオットは自社畑、チャールズ・ハインツはデュモル、ウィリアムズ・セリエム、ケスナー、フラワーズなど10を超えるワイナリーがブドウを購入するソノマ・コーストの人気畑です。
B.A.ティエリオットは出汁のようなうまみを感じる作り。かなり酸が強く、人によってはすっぱすぎると思うかもしれないレベルです。カリフォルニアワインというよりもブルゴーニュのようなワイン。時間がたって温度が上がってくると非常にバランスのよさを感じます。
一方、チャールズ・ハインツはより果実味をしっかりと感じられる作り。でも全く甘ったるくはなく、非常にクリーンな印象を受けました。個人的にはこちらの方が好みですが、良し悪しというよりも好みの問題でしょう。
ピノ・ノワールはアンダーソン・ヴァレーのSavoy(サヴォイ)とCerise(セリース)。ソノマ・コーストのPlatt(プラット)、Mays Canyon(メイズ・キャニオン)、Pivot(ピヴォット)、Hirsch(ハーシュ)、Haven(ヘイヴン)の7種。
サヴォイもかなりブルゴーニュっぽいピノ・ノワール。「うすうま」という言葉が頭をよぎります。スパイスも感じ、なかなかいい感じのワインです。
セリースは、サヴォイに果実味をプラスしたような感じ。美味しいです。時間が経つと酸がより強調されてきます。それが嫌でなければ、お薦めです。
プラット、メイズ・キャニオン、ピヴォットは、どれも悪く無いんだけど若干印象が弱く、次のハーシュに飛びましょう。
ハーシュ(Hirsch)は素晴らしいワイン。酸味と果実味のバランスが絶妙にいいです。ボリューム感もありながら、酸がきれいに余韻を残す感じ。個人的にはこの日のダントツトップです。他の人もこれがベストだと思った人は多いようです。
ヘイヴンは、このワインナップの中では圧倒的に果実味が強く、ジャミーでし。ボリューム感のあるピノ・ノワールが好きな方にはお薦めです。カリフォルニアワイン・ファンにはこれが一番という方もいらっしゃいました。
非常に貴重な機会。ありがとうございました。
ピアス氏病は、一度感染してしまうと治療法がないため、感染そのものを起こさないようにする方法が広く使われています。具体的に言うと、菌を運ぶガラス羽シャープシューターを苗木の販売所などで、全量検査して、卵にしろ、成虫にしろ、入っていかないようにしています。
今回大発生したのは、青緑シャープシューターという、地元のシャープシューターが媒介になったためだとのことです。
ピアス氏病は特に、シャルドネやナパなどの葉が付く時期が早いブドウで感染が目立つほか、温かい冬に感染しやすくなるそうです。エル・ニーニョの今年はいろいろと条件が整いつつあります。
気になる状況が続きます。
この場所は、サンフランシスコとソノマの間にあるマリン郡に位置しており、その名もスカイウォーカー・ランチと付いています。4700エーカー(1900ヘクタール)という広大な土地ですが、たったの15エーカーだけが開発されています。
スカイウォーカー・ランチの中にはブドウ畑もあり、ワイン用のブドウが作られています。そして、それを使ってワインを醸造しているのは、なんとフランシス・フォード・コッポラ監督のワイナリー。
できたワインはスカイウォーカー・ランチの名前を付けて売られています。少量ながら日本にも入ってきているこのワイン。18日のスター・ウォーズ新作を祝って飲んでみるのも一興でしょう。
今年の選出は
Clayton Kirchhoff, 32歳、Aluvion Wines, Kirchhoff Home Ranch Winery
Leah Jørgensen, 41歳、Leah Jørgensen Cellars
Alex Kanzler, 29歳、Kanzler Vineyards
Scott Shapley, 46歳、Flywheel Wines
最初の人はクレイトン・カーチョフ(キルヒホッフでは? という指摘。確かに)と読めばいいのかな? サクラメント近くのクラークスバーグというところでブドウ畑を持っている一家の出身。スペインのドメニオ・デ・ピングスで収穫を経験したときに、クラークスバーグがワールドクラスのテンプラニーリョの産地になると確信したとのこと。現在は家族経営のKirchhoff Home Ranchのほか、個人ブランドのAluvionでテンプラニーリョ、シュナン・ブラン、アルバリーニョを作っています。
2番目の人はリー・ジョルジェンセンと読めばいいのでしょうか。女性です。オレゴンのポートランドにワイナリーがあります。オレゴンといえばウィラメット・ヴァレーのピノ・ノワールというのが99%の人が持つイメージでしょうが、この人はオレゴンでカベルネ・フランを作っているのです。白のカベルネ・フランが一番人気だとか。かなり興味深いワイナリーです。
3番めは唯一知っている名前。ソノマ・コーストの人気畑カンツラーのワインメーカーです。カンツラーについては「Kanzler Vineyards: 21世紀のロキオリ? ソノマ・コーストの大人気畑」や「最近飲んだワイン――Kanzler Pinot Noir Sonoma Coast 2007」で紹介しています。アレックスは創設者夫妻の息子です。カンツラーの2代目ワインメーカーとして活躍しています。
最後のスコット・シャープリーは、実はサンタ・ルシア・ハイランズの大人気ワイナリー「Roar」のワインメーカーです。自身のブランドのフライホイールでは、近隣のシャローンからブドウの提供を受けています。作っているのはグルナッシュ、ムールヴェードル、シャルドネ、ピノ・ノワールなど。
個人的に一番気になるのは2番めのオレゴンのカベルネ・フラン。白ワインはどんな味なのでしょうか。
証明商標とは、商品が特定の品質や原料などの特性を持っていることを示す標識。有名なものだとウールマークなどがあります。おそらく今後、ナパ・ヴァレーのロゴをワイナリーなどが付けられるようにするのではないかと想います。
今回の取得には5年の歳月がかかったとのこと。「Napa」をトレードマークに使っているワイナリーなどが、Napa ValleyのAVAの求める基準に合っているかどうかを調べるために50以上のワイナリーから聴取を取るなどの努力がされたようです。
赤はカベルネ・ソーヴィニヨンとピノ・ノワール、白はシャルドネとソーヴィニヨン・ブラン。どれも押しなべて高い評価を得ているのも特筆できます。どこに持って行っても恥ずかしくないワインとして、今後オーパス・ワンに並ぶようなプレミアムの地位を得るかもしれません。
歴代のワインメーカーも錚々たる顔ぶれです。ヘレン・ターリー、マーク・オーベール、ヴァネッサ・ウォン、そして現在はリュック・モルレ。これだけの才人がワインを作るのですから、いいものができるのも頷けます。
ソーヴィニヨンではカリフォルニアワインとしての最高得点95点を取ったことがあります。このワインは93点です。
カベルネ・ソーヴィニヨン系ではなんといってもこれが注目株。
注目度は低いかもしれませんが。ソノマの心意気を感じるのがパヴォです。なお「レスプリ・デ・パヴォ」は若木のブドウで作られたワインです。
ピノ・ノワールではソノマ・コーストの自社畑が注目です。
実は実力トップとも言われているのがシャルドネです。
1つは「幻」。私市(きさいち)友宏さんがソノマで作るワイナリーです。ピノ・ノワールが人気で、スパークリングはわずか1056本の生産。ピノ・ノワール99%のロゼ・スパークリングです。
もう1つはシャトー・イガイタカハの「閃」(ひらめき)。シャトー・イガイタカハの中でも異色なこのワインはカリフォルニアではなくニュージーランド産。ニュージーランドでワインを作る大沢さんとシャトー・イガイタカハ、どちらも10周年を記念して作ったスパークリング。「閃」は門構えの左右がシャトー・イガイタカハの杉本さんと、大沢さん。中央の「人」の字が2人を結びつけたニュースキャスターの宮川俊二さんを意図しているとのことです。
日本ワインへの注目が高まっていますが、日本人が海外で作るワインも要チェックです。
彼女はパルメイヤー( Pahlmeyer)傘下のウェイフェアラー(Wayfarer)でコンサルタントを務めるかたわら、自身ではカトレア(Cattleya)というワイナリーを営んでいます。さらには夫のジェフ・ピゾーニ(!)とともにシェアード・ノーツ(Shared Notes)というワイナリーで2種類のソーヴィニヨン・ブランを作っています。
コロンビアの出身でボルドーでワイン作りを学んだという才人。パルメイヤーのジェイソン・パルメイヤーは「彼女は天才だ」と評しているそうです。
日本にもウェイフェアラーのワインは入っています。
このほか、SFクロニクルは注目のワインメーカーも発表しています。それはまた別記事で。
2015年2月に日本に進出し、大きな話題になったブルーボトルコーヒー。4月に全米一*1の人気ベーカリー「タルティーン」を買収して日本にも出店する予定を立てていました。その両者が合併を解消したことが明らかになりました(Blue Bottle and Tartine Bakery Halt Merger - Eater SF)。
*1 #1 Tartine Bakery, San Francisco from The 10 Best Bakeries in America
*2 全米一のパン屋が日本上陸延期を決めたワケ
合併するよりも「別々の会社でいる方が合理的」、という判断に至ったとのことです。
日本人にとって朗報なのは、これで頓挫していたタルティーンの日本進出が実現しそうなことです。サンフランシスコにある本店のリニューアルや、市内での店舗拡大に加え、ロスアンゼルス、ニューヨーク、東京での出店を計画中だとしています。
Vogueの記事(Rising Star: Chad Robertson of San Francisco's Tartine Bakery & Cafe - Vogue)によるとタルティーンのパンでは通常75%くらいの加水率のところを85%、ときには90%にまで上げるのだそう。記事は極めて扱いづらくなるのですが、結果が全然違うと。タルティーンのレシピ本では一番基本的なベーシック・カントリー・ブレッドのレシピだけで38ページを費やしているそうな。それだけ細部にこだわったパン、食べてみたいものです。
赤ワインを飲んだ後、頭痛を引き起こす人は世界中にいます。この現象は「Red Wine Headache(RWH)」と呼ばれています。これについて理由を解析した記事がありました(Why do you get a headache after drinking red wine? - Health News - NorthJersey.com)。
まず、多くの人が目の敵にするのが「酸化防止剤」として使われる「亜硫酸塩」です。残念ながらほとんどの場合、酸化防止剤は頭痛の原因ではありません。ごくわずか酸化防止剤にアレルギーを持つ人がいますが、疑わしいと思う人はドライフルーツを食べてみてください。ワインよりも多くの亜硫酸塩を含んでいます。これで頭痛を起こさないとしたら酸化防止剤は頭痛の原因ではありません。また、白ワインも酸化防止剤を含んでいますから、赤ワインだけに起こる頭痛の理由にはなりません。
もうちょっと可能性が高い物質としては「ヒスタミン」があります。ブドウの皮に含まれているため赤ワインの方が白ワインより多く含んでいます。アレルギーの人などはより敏感に作用される可能性があります。
これが理由かどうかを調べるには抗ヒスタミン剤を服用してからワインを飲んで、そうでないときと違いがあるかどうかを調べてみるのがいいとしています。
「タンニン」も赤ワインには白ワインより多く含まれています。ただ、赤ワインの中でもタンニンの量は大きく変わります。頭痛の原因としては考えにくいところです。
品質が低いワインという可能性もあります。安ワインには低品質のブドウが含まれていたり、不純物も多く入っているかもしれません。それらが頭痛を起こす可能性があります。
とはいえ、一番疑わしいのはアルコールによる「脱水症状」です。赤ワインでも白ワインでも起こることですが、他の原因よりはるかに可能性が高いでしょう。ワインを飲むときは水もたくさん飲むようにするのが一番の解決策です。
というわけで、結局赤ワインだけが頭痛を引き起こす要素はあまりないのです。これも都市伝説の1つなのかもしれません。
アップデート中のため、アプリの起動もできません。一回削除して再インストールしてみようと思ったのですが、削除しようとしても、「“Instagram”を削除すると、そのすべてのデータも削除されます。」に対して「削除」としたところでやはり止まってしまいます。
八方塞がりで1週間ほど放置していたのですが、Facebookで愚痴ってみたところ樋口さんから、「いろいろやっていたら削除できて再インストールできた」と聞いたので、また試してみました。
今度は「削除」の後、止まった状態のときにiPhoneをリセット(電源オン/オフでも同じでしょう)。
再起動したら無事にアプリが削除できていました。
そこで再インストールしたら、再設定することもなく、そのまま動作しました。
これでいつもうまくいくかどうかは事例が少ないので保証はできませんが、困ったときは1つの方法として試してみる価値があると思います。
今、ワイン消費のトレンドを作っている「ミレニアル」世代から、1995年以降に産まれた「次世代」への移行がその焦点となります。
調査によるとこの世代はテクノロジーに敏感な点ではミレニアルと共通ですが、より起業家精神に富み、損得に敏感でクールな製品を好む傾向があるとのことです。
この世代の57%が飲酒可能な年齢になったらワインを飲みたいとしているとのこと。
日本では若い人ほどワインを飲まなくなっているような気もするのですが、ちゃんとした調査はないでしょうかねえ。
フランス語で声という意味を持つこのワイナリー、イタリア系品種を専門に作るパルミナとは異なり、フランス系の品種、特にピノ・ノワールに特化しています。また、「声」というワイナリー名は元々音楽をやっていて、音楽とワインの親和性の高さを感じていたスティーブが、音楽への想いを込めて付けたものだそうです。
最初のリリースはピノ・ノワールのロゼ(30ドル)のほか、Rabel Rebel(40ドル)、Satisfaction(75ドル)、Reflektor(95ドル)という名の3つの単一畑ピノ・ノワールとなっています。最上級のReflektorはブリュワー・クリフトンの「Mechado Vineyard」のブドウを使ったもの。アントニオ・ガッローニのヴィナスでは既に95点という高い評価を得ています。
正規品:[2010] ドミナス Dominus |
100点にこだわらないなら2009年の方がずっとお得です(WAでは97点)。これならばオーパス・ワンより1万円も安く済みます。
正規品:[2009] ドミナス Dominus |
パーカーのレビューを見る限り、2010はもちろん2009も相当美味しそうです。熟成能力もほぼ互角。どちらも今飲んでおいしく、20年以上の熟成ができるワインです。
シュナンブラン、半辛口と書いてありましたが、ほのかな甘みと爽やかな酸味で結構美味しかったです。シラーは飲みそこねました(^_^;)
調べてみたところ、このワイナリーはムンバイの北東200kmくらいのところにあるようです。かなり暑いのではないかと思ってしまいますが、標高が700m近くあるようで、暑さが和らいでいるのでしょう。
それでも気温は寒いときで8〜10度。夏は30〜32度。かなり温暖です。夏の気温は日本の方がむしろ暑いかもしれませんが、冬はだいぶ暖かです。
そこで、ここでは秋から冬にかけてブドウを育てているようです。収穫は12月〜2月くらいだとか。雨が降る季節との兼ね合いもあるのでしょうかね?
キワモノでもなんでもなく、真っ当に美味しいワインだったので、どこかで見かけたら試してみることをお薦めします。
前の記事では次のように書いています。
前ヴィンテージの2008年はWine Advocate誌で99点という高い評価であったのに、国内の価格は最安で1万6000円台と、とても割安なワインでした。2009年も引き続き97点という高い評価ですが、価格は税込みで2万2000円~と上がっています。
ただ、次の2010年は同誌で初の100点を取っており、値段はさらに上がるか、あるいは国内ではスキップされるでしょう。
実際にはスキップはされませんでしたが、価格はやはり倍に上がっています。こうなると2008年の99点で1万6000円台というのが、ますます安く見えますが、もう売っていないものを今更惜しんでもどうしようもありません。
とはいえ税抜きで4万5000円というのはWine Advocate誌で100点を撮ったワインとしては安い方です。特にナパのカベルネ系では6万円台、7万円台が当たり前でしょう。
ちなみに、この後のヴィンテージは2011年が89点、2012年が98+点、2013年が100点と続きます。価格も乱高下するのでしょうか。
2009年のドミナス購入はこちらをご参考に
前ヴィンテージほどではないですが、まだまだお得なドミナス
最初はただのボトル用カバーかと思ったのですが、そうではなく本物の着物として作られています。
こだわりのポイントは
・ボトルにかぶせるのではなく、着付けが必要
・着物の生地には本物の西陣金襴(きんらん)を使用(材質はポリエステル)
・帯留めには伊賀くみひもを使用(芸者・舞妓は江戸打紐)
・着物をしまう際の包み紙に土佐和紙「雲竜紙」を使用
・箱は印籠式の桐箱
と、まさに本物の着物と同じです。私も先日娘の成人式用の着物として妻が使ったものなど、着物をいくつか見たので本物の素晴らしさを間近に体感したのですが(例えば桐箱に入っていたものはそうでないものより明らかに保存状態がいい)、これだけこだわれば、おみやげとしてもかなりの価値があると思います。
ちなみに、着物はなで肩の人の方が似合いますが、これは怒り肩のボルドータイプの方が着せやすいそうですよ。
上記サイトのほかWassy'sでも販売しています。
電子書籍のセールでは、B級な作品ばかりということもあるのですが、今回の早川書房のはさすが。すごい作品が目白押しです。
特にSFファンというわけではない僕も傑作だと思った伊藤計劃の「虐殺器官」や「ハーモニー」、円城塔のいかにもらしい作品である「Self-Reference ENGINE」。冲方丁の「マルドゥック・スクランブル」は個人的には本屋大賞を取った「天地明察」よりも面白いと思っています。
そしてそして、一番好きな作家の一人である皆川博子さんの作品も3つあります。「死の泉」は彼女の耽美系の作品の中でも白眉。皆川ワールド全開の作品です。本格ミステリ大賞を取った「開かせていただき光栄です」と、その続編である「アルモニカ・ディアボリカ」もあります。
ほかにももっとSF系の作品などたくさんありますが、その編は詳しくないので割愛します。逆にお薦めがあったら教えて下さい。
なお、栗本薫のグイン・サーガがずらっと並んでいて圧倒されました。
現在、ワインライフ株式会社のサイト「takaha.jp」では5種類のセットが約1万5000円引きの格安になっています。
ポール・ラトーですから、どれもはずれはないでしょう。高品質のワインを買いたい方にはお薦めです。
Ch.igai Takaha / Paul Lato 心 5種セット
合成コルクを採用した理由はブショネをなくすため。シェーファーはコルクの改善に30年間取り組んでおり、ブショネの原因となるTCAの除去に98~99%成功しています。しかし、それでも十分ではないと考えて、より完璧な方法として合成コルクを使うことにしました。
ディアムの合成コルクはコーヒー豆からカフェインを除くのと同様のクリーンで安全な方法を使っており、さらにナチュラル・コルクと同等の酸素透過性を持っているとのこと。さまざまな代替品の中でディアムを使ったのはそのためです。
シェーファーは採用にあたって7年間テストを行いました。また、消費者のワインの飲み方を調べたところメルローとシャルドネの大部分はリリースから2、3年で飲まれていることがわかりました。それがこの2つで合成コルクを最初に採用した理由です。
このように、満を持して投入した合成コルクですが、消費者からの反応は皆無だったとのこと。行き届いた説明に満足したのでしょうか。それともそもそも合成コルクかどうか気にしていないのでしょうか。
多分後者ではないかと思うのですが、これが合成コルクではなくスクリューキャップだったらどうだったでしょうね。
近年はナチュラル・コルクの品質も上がっており、一時ほどブショネの問題は騒がれなくなりましたが、このように少しずつ合成コルクなどの代替品利用が進んでいくのでしょうか。
例えばトップ5のワインを見ると1位がキャンティで2位がプチ・シラー、3位がリースリング、4位がテンプラニーリョ、5位がマルベックとメジャーな品種を見事にはずしています。7位に入ったレイミーのシャルドネ・リッチー2012がむしろ異彩を放つほど。
中でも目立つのが2位のプチ・シラー。18ドルのワインです。ワイナリーはマイケル・デイヴィッド(Michael David)。7デッドリージンというジンファンデルで有名なロウダイ(ロダイ)にあるワイナリーです。プティ・プティ(Petite Petit)というこのプチ・シラーは同誌のレイティングで94点。深みある味わいでありながら、決して濃すぎることがなく絶妙なバランスを保っているそうです。サーカスの象をあしらったポップなラベルに騙されることなかれ、とのこと。
このワイナリー、ロバート・パーカーのお気に入りでもあり、米国で最もコスト・パフォーマンスが高いワイナリーの有力候補だと述べています。賢い消費者は覚えておくべきだと。今回のワインも91点とかなり高い評価です。日本での価格も3000円程度ですから、気になります。
トップ10のカリフォルニアワインはこのワインと前述のレイミーの2つ。レイミーは65ドルと大分値段が上がりますが、評価も97点と相当なものです。こちらも日本で入手可能。レイミーのリッチーはまだ飲んだことないですが、リッチーはすごく好きな畑の1つです。
Napa Valley Quiz: Test your knowledge - Decanter
私は一応90%(9問正解)。全問正解できなかったのは残念ですが、記憶におぼろげなところがあったのでしょうがないでしょう。
このブログを丹念に読んでいれば全問正解できる!と言いたいところですが、2番のネタについては取り上げていませんでした。それ以外は、そのもの、あるいは近いことが書いてあると思います。
なので、ヒントとネタバレを合わせて関連情報を挙げておきます。
Q1の解答
Q2
Q3のヒント
Q4の解答
Q5の解答
Q6:これは直接の答えは書いていないかも。拙書「無敵のカリフォルニアワイン講座《ナパ篇》」に取り上げているワイナリーの数からある程度推測できるかと思います。
Q7のヒント
Q8:これは何回も取り上げていますが、最近の記事はこれ。
Q9:どこかで書いていると思うのですが、自分でも発見できませんでした^^;
Q10の解答
なお、今回も1万5000回限定なので、期間内でもクーポン使用数を超えて使えなくなる恐れがあります。お早めにどうぞ。
クーポンの取得はこちらから(多分、PC限定です。スマホの場合は楽天のトップから「まち楽」を探して、そのページからかながわ県ふるさと割のページへのリンクを見つけてください)
対象商品の一覧はこちら(これも多分PCでないとちゃんと動かないかも。「【神奈川県_物産展】」で検索してみてください)
サンクトガーレンでは人気の湘南ゴールドは、今品切れのようですが、クリスマス用の「アップルシナモンエール」があります。焼きリンゴ500個を漬け込んだという労作。
中華街では新興勢力の皇朝や王府井、老舗の江戸清や聘珍樓などがあります。
皇朝の点心セットは、我が家のギフト定番。うちの母は友達にあげるためにわざわざ電車に乗って買いに行ったとか。
王府井の焼き小龍包は、中華街でいつも行列ができています。
江戸清の豚まんはたぶん中華街の豚まん一番人気。フワッフワの生地が特徴で、お皿くらいの大きさがあります。
聘珍樓は今さら言うこともない名店中の名店ですね。
このほか、テレビでもよく取り上げられる「おつけもの慶」も3割引です。注文から発送まで2カ月くらい待たないといけないようですが…
シニュレーロのワインが自社畑のブドウを基本として作られているのに対して、これらは基本的に購入したブドウを使うことでコストを抑えています。さらにトリムはナパ以外も使った「カリフォルニア」のワイン、エッジとフューズはどちらもナパのブドウだけですが、エッジがリリース直後から飲みやすいスタイル、フューズがよりトラディッショナルなスタイルを目指しています。
価格はそれぞれ3000円前後、4000円前後、5000円前後。
ゴシック系の書体を使ったシンプルでエレガントなラベルはなかなか秀逸だと思います。加えてワイン自体もいい出来です。2012年のものだと、Wine Advocate誌でエッジが88点、フューズが89点、2013年ではエッジが89点、フューズが90-92点。いずれも、その価格帯のものとしてはいい評価です。特にエッジについてはパーカーは「大ブレイクしたワイン」と評価しています。
私も、この秋のナパの試飲会で非常に印象に残ったワインの1つ。5000円以下でカベルネ・ソーヴィニヨンを探すときは、ぜひ候補に入れてください。
さっそく本を確認してみました。
もう、びっくりぽんです。
最初に登場する21ページから28ページまではほとんど五代友厚の話です。読んだはずなのにその名前はすっかり頭から抜け落ちていました。
長沢鼎は幕末に薩摩藩から英国に留学した一行に加わっていたわけですが、この留学を藩に建白したのが五代友厚なのです。それだけでなく、建白に先立って長崎のグラバー邸で知られるグラバーと直接かけあって留学を実行に移し、さらには留学生とともにロンドンに渡っているのです。
薩摩藩は五代友厚の建白を受けて開成所を開設して、若者にオランダ語や英語などの学問を教えました。長沢(当時の名前は磯長彦輔)はそこで英語を学んだことで最年少の留学生として選ばれたのでした。
本当に五代さんがいなかったら薩摩藩から英国への留学生もいなかったでしょうし、後のブドウ王も誕生しなかったでしょう。産みの親といっても過言ではないほどの貢献です。
実を言うと「あさが来た」の原案である『土佐堀川』にはそれほど五代さんは出てきません。五代さんが気になる人は『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ』を読んだ方がいいと思いますよ。これはまじです。
参考:カリフォルニアの「ブドウ王」長沢鼎のセミナーに参加しました
ところで、余談ですが、朝ドラとカリフォルニアワインとの関係ということでは、「マッサン」も見逃せません。「カリフォルニアワインを勉強していた『マッサン』」に書いているのでご覧いただけたら幸いです。
残念ながらマッサンこと竹鶴政孝さんは長沢には会っていないようですが、もし会っていたら竹鶴政孝(マッサン)→長沢鼎→五代友厚→広岡浅子(あさが来た)→村岡花子(花子とアン)と、リンクが広がったのにと、さらに妄想が広がりました。
パリスの審判の映画としては2008年の「Bottle Shock」がありますが、「Bottle Shock」については試飲会の主宰だったスティーブン・スパリアなどから非難の声があがっています。
今回の映画は、ジョージ・テイバーの「パリスの審判 カリフォルニア・ワインVSフランス・ワイン」にもとづいており、オフィシャルな作品という位置づけになりそうです。
脚本は、カラテキッドや「雲の上で散歩」などで有名なロバート・ケイメン。彼は自らケイメン・ファミリー・ワイナリーのワインメーカーとしても働いています。
ただし、俳優などはまだほとんど決まっていないもよう。2016年の収穫時期を予定している畑でのロケについてもまだどこで行うか決まっていません。「1970年代のナパに見えるところを探している」とのこと。
10月4日までの52週間の販売実績で見ると、「レッド・ブレンド」がメルローを600万ドル上回り、カベルネ・ソーヴィニヨンについで2位になりました。「レッド・ブレンド」はこの期間中14%販売を伸ばしているのに対し、メルローは3%ダウンしているとのこと。
販売量で見ると、トップは今もメルローで990万ケース。レッド・ブレンドは650万ケース。メルローは1本平均5.62ドルだったのに対し、レッド・ブレンドは8.64ドルだったので金額ベースで逆転しました。
レッド・ブレンドの代表的なブランドはApothic、Ménage a Trois、Cupcake、14 Handsといったもの。日本ではあまり馴染みがありません。
【アポティックは売っていました】
評論家のスティーブ・アシモフはレッド・ブレンドの流行について、初心者のワイン・ドリンカーが買っているのではないかと分析しています。ちょっと甘めの親しみやすい味付けに、覚えやすい名前、キュートなラベルといったものでコンシューマーが買いやすいワインになっているのではないかとしています。
未熟なブドウと過熟なブドウでワインを醸造して比べたところ、タンニンの量には違いがありませんでした。
様々に条件を変えて試したところ、唯一タンニンに影響があったのはイクステンディッド・マセレーション(果皮や種と果汁との接触期間を長くすること)だけでした。
研究者はワインメーカーに、この結果を受け入れて収穫時期について再考してほしいと語っています。
ちょっと驚きの結果ですね。タンニンについては量だけでなく「丸いタンニン」といった表現もあるので、その実態が何であるのかも合わせて明らかにしてくれると、さらに説得力が上がるのではないかと思います。
米国のワインについてピックアップしておきます。
11位:Big Table Farm Pinot Noir Willamette Valley(95点、40ドル)
12位:Limerick Lane Zinfandel Russian River Valley (94点、32ドル)
14位:Bergström Pinot Noir Ribbon Ridge Le Pré Du Col Vineyard (95点、60ドル)
17位:Turley Petite Syrah Howell Mountain Rattlesnake Ridge (95点、44ドル)
19位:Dehlinger Pinot Noir Russian River Valley Altamont(95点、60ドル)
20位:Meiomi Pinot Noir Monterey-Sonoma-Santa Barbara Counties (92点、22ドル)
28位:Baer Ursa Columbia Valley (94点、39ドル)
29位:Tenshen White Santa Barbara County (92点、20ドル)
31位:K The Creator Walla Walla Valley(94点、55ドル)
34位:Tenet Syrah Columbia Valley The Pundit (92点、25ドル)
35位:Rombauer Chardonnay Carneros(93点、36ドル)
38位:Soléna Pinot Noir Willamette Valley Grande Cuvée (92点、25ドル)
40位:Pomelo Sauvignon Blanc California (90点、12ドル)
42位:Keplinger SUMŌ Amador County(95点、70ドル)
45位:Colene Clemens Pinot Noir Chehalem Mountains Margo(93点、36ドル)
48位:Calera Chardonnay Central Coast (90点、20ドル)
57位:Altamura Cabernet Sauvignon Napa Valley(95点、90ドル)
59位:Rodney Strong Cabernet Sauvignon Alexander Valley Rockaway Single (94点、75ドル)Vineyard
60位:Roederer Estate Brut Anderson Valley L'Ermitage(93点、48ドル)
65位:Chappellet Cabernet Sauvignon Napa Valley Signature (93点、56ドル)
68位:Booker Syrah Paso Robles Fracture(94点、85ドル)
78位:Chateau St. Jean Cabernet Sauvignon Alexander Valley (91点、30ドル)
86位:Ravines Riesling Finger Lakes Dry Argetsinger Vineyard (92点、30ドル)
97位:Orin Swift Machete California (93点、48ドル)
オレゴンのピノが11位と14位に入り、イヴニングランドと合わせると20位以内に3本入りました。2012年や2013年の良ヴィンテージのワインが出てきたためでしょう(一覧にヴィンテージを入れるのを忘れました^^;)。
25ドル以内のワインが6本入りました。注目は今年ケイマスのワグナー家がブランドを売却して話題になったMeiomi(メイオミ)が20位と上位に入ったこと(参考:ケイマスのワグナー家が大ヒットピノ「メイオミ」を売却、その意味するところは?)。ちょっと甘さを残したのが特徴だというここのワイン、しかもピノ・ノワールが92点を取っています。生産量は31万7592ケースと相当の量です。日本にも入っています。
12ドルのポメロのソーヴィニヨン・ブランが40位に入ったのも注目です。日本へはいぜんはilovecalwineが輸入していましたが、現在は打ち切りになっています。
日本で人気のカレラのシャルドネ、セントラル・コーストは48位です。ヴィンテージは2013。近年のセントラル・コーストは侮れません。価格的にも米国で20ドルのものが2000円台前半なのですから現地価格並みです。
ロデレールのエルミタージュはカリフォルニアのスパークリングでは最高峰の1つでしょう。ヴィンテージは2007。プレミアムなスパークリングの中では安い方だと思います。今年のホリデーシーズン用にいいと思います。
写真の右のワインです。左は近年人気の赤のブレンドもの。
グラスに注ぐと、色はかなり濃い目。パット見はピノ・ノワールっぽくありません。すみれの花の香り、味わいはイチゴやラズベリーなどの赤系の果実味に、キャラメルを焦がしたような甘い風味が混じります。
シリアスなピノ・ノワールというより、日常的に楽しく飲めるピノ・ノワールですね。酸っぱい系なのかと思ったらそうではなく、カリフォルニアっぽさを感じるワインでした。2000円前後のピノ・ノワールとしては十分な出来かと思います。
ワインの市場として有名なLiv-exという会社があります。ここで出している指標(株式市場の日経平均とかダウ平均に相当するようなもの)にLiv-exのFine Wine50や同100、同1000などがあります。Fine Wine50であれば代表的なワイン50種のLiv-ex上で取引された平均価格を指標とするものです。
4年ほど前と比べるとこれらの指標は概ね60%、すなわち4割ほど値下がりしているのですが、カリフォルニアワイン(Liv-ex上ではオーパス・ワンやドミナスが代表的な取引される銘柄となっています)は逆に4割くらい値上がりしています。
上の図は2011年6月の価格を100としたときのLiv-ex50、ドミナス、オーパス・ワンを並べたものです。
これ以外に、スクリーミング・イーグルやスケアクロウといったセカンダリー・マーケットで人気が高い銘柄もやはり値上がりが激しくなっています。
値上がりの結果、これまで高値の象徴的存在だったボルドーと比べて、カリフォルニアの方が高くなる現象が起こっています。例えばWine Advocate誌で100点を取ったドミナス2010は、同じく100点を取ったポンテ・カネ2010と比べて1本あたり1万5000円ほども高くなっています。またオーパス・ワン2004はオー・ブリオン2004と比べて5%ほど安くなっています。
これらのことからLiv-exのレポートでは「ゴールデン・ステートは、どこかでその輝きを失うかもしれない」と締めています。
ちなみに、日本での小売価格を見ると、オーパス・ワンは世界の市場にほぼ追随した動きを見せていますが、ドミナスはそうでもないようです。先日「前ヴィンテージほどではないですが、まだまだお得なドミナス」という記事を書きましたが、Wine Advocate誌で100点を取って世界的に品薄な2010を次に控えており、そこでは大幅に値上がりする、あるいはそもそも輸入されない可能性が高いと思っています。ドミナスに関しては今が入手しどきかもしれません。
数字だけを見れば、96点で195ドル、1785ケースということで、2位のクィルシーダ・クリークの96点、140ドル、4125ケースや3位のイヴニングランドの98点、70ドル、1176ケースと比べて上に来そうにはないのですが、数字に現れない「Xファクター」があったということなのでしょう。
注:Wine Spectatorのトップ100は、ワイン自体の味の評価(レイティング)に加え、価格(安いほうがいい)、生産量(多い方がいい)、およびそれ以外の「Xファクター」で判断することになっています。
何はともあれ、カリフォルニアワインのファンとしては1位は嬉しいことです。なおワイン・オブ・ザ・イヤーがカリフォルニアワインに与えられるのは2012年のシェーファー・リレントレス2008以来。3年ぶりとなります。
さて、このワインですが、ソノマをベースにするピーター・マイケルが初めてナパで購入した畑のブドウで作ったワイン。2011年が最初のヴィンテージで、これが2年めです。畑は以前ショーケットが持っていたもので、Wine Advocate誌で近年100点を含む高得点を連発しているBevan(ビーヴァン)もこの畑のブドウを使っていました(Bevanのショーケットは2011年が最後となった模様)。
日本にも少量ながら1位のワインそのものが入っています。
そういえばジェームス・サックリングのトップ100でも、カリフォルニアワインの中ではこのワインがトップでしたね。
3位のイヴニングランド・ピノ・ノワール "セブン・スプリングス・ラ・スルス(ゴールド・ラベル)" イオラアミティヒルズ2012(Evening Land Pinot Noir Eola-Amity Hills Seven Springs Vineyard La Source 2012)は、個人的には今年の1位を取るのではないかと睨んでいたワイン。98点という点数はWSでは滅多に出ません。2012年のイヴニングランド セヴン・スプリングスは高得点のオンパレードで、無印のピノ・ノワール セヴン・スプリングスは96点、シャルドネのラ・スルスとサマム(Summum)も96点を取っています。
イヴニングランドは2007年にマーク・ターロフ(Mark Tarlov)という映画監督が設立したワイナリー。オレゴンのほかソノマ・コーストやブルゴーニュでもワインを作っていましたが、現在はその後購入したセヴン・スプリングス・ヴィンヤードのワインに注力しているようです。マーク・ターロフは既にワイナリーを去り、現在のオーナーはサンディやドメーヌ・ド・ラ・コート、またIPOBでの活動でも知られるラジャ・パー。ラジャ・パーとこれらのワイナリーで一緒にワインメーカーを務めるサシ・ムーアマンも携わっています。また、コンサルタントとしてコント・ラフォンのドミニク・ラフォンが加わっていますが、現在の役割ははっきりしていません。いろいろな意味で、今オレゴンで一番注目されているワイナリーと言っていいでしょう。
ピノ・ノワールのラ・スルスは日本にも入荷はあるものの、現行ヴィンテージは2011。ただし、難しいヴィンテージであり、評価はもう一つです。
【追記】さすがWassy'sさん、早くも現物2012を入手されています。こちらからどうぞ。
楽天ショップも。
2011年はこちらから。
2位のクィルシーダ・クリーク・カベルネ・ソーヴィニヨン2012(Quilceda Creek Cabernet Sauvignon Columbia Valley 2012)はワシントン州を代表するカベルネ・ソーヴィニヨン。Wine Advocate誌では過去3回(2003、2005、2007)満点を取ったワインであり、2012年も98点という高い評価。2010年ころまでは争奪戦が激しすぎて日本への入荷があっても「瞬殺」でしたが、現在はそこまでの入手難ではありません。
2位を取った2012年も国内入荷しています。なかなか現行ヴィンテージがあるワインはないので貴重です。
こちらは「100点」もの
ワインにおけるにおい(香り)はさらに重要だ。おそらく人がワインに感じる美味しさの半分以上がにおいによってもたらされているのではないだろうか。個人的にも、素晴らしいワインに出会ったとき、それを口の中で味わうよりも、香りをずっと嗅いでいたいと思うことがしばしばある。
『においと味わいの不思議 知ればっもっとワインがおいしくなる』は、タイトルに「におい」と「味わい」と入っているが、実際には味覚ではなく嗅覚に焦点を当てた本である。
においという、非常に感覚的であり、難しい対象を、科学的にかつ分かりやすく解説している。といってもバリバリの技術書といった体裁ではなく、ワインが好きで香りに興味を持つ人であれば、だれでも面白く読めるだろう。また、それで目からウロコの1枚2枚は落ちるのが確実だと思う。
興味深かったポイントをいくつか紹介しよう。
・においの実態は化学物質である(まあ当然でしょう)
・ワインのかおりは500種類以上の化学物質からなる
・シャネルの香水には単体では嫌なにおいのアルデヒドが入っている
・におい嗅ぎガスクロマトグラフィーで物質ごとの香りを分析できる
・物質によって人間に感じられるしきい値は大きく異る。
etc
においについてはわからないことがたくさんある。何がわかっていることで、何がわかっていないことなのかを知るためだけでも本書を読む価値はあると思う。
過去のWine Spectator年間トップ100でのマウント・エデンを見ると、
1998年白およびスパークリング部門の22位(Mount Eden Chardonnay Edna Valley MacGregor Vineyard 1996、91点)
1999年年間43位(MOUNT EDEN Chardonnay Edna Valley MacGregor Vineyard 1997 、91点)
2007年年間29位(MOUNT EDEN Chardonnay Edna Valley Wolff Vineyard 2004、92点)
2008年年間13位(MOUNT EDEN Chardonnay Santa Cruz Mountains 2004、94点)
2010年年間11位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2006、96点)
2011年年間13位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2008、95点)
2012年年間26位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2009、94点)
2014年年間11位(MOUNT EDEN VINEYARDS Chardonnay Santa Cruz Mountains 2011、95点)
1990年代はエドナ・ヴァレーのものがコスト・パフォーマンスの高さで選ばれていましたが、2008年以降はエステートのシャルドネが品質の高さで上位に入るようになってきました。それにしても13位2回、11位2回ということで今回は悲願のトップ10入りとなりました。
個人的にもここのシャルドネは大好きです。サンタ・クルーズ・マウンテンズのシャルドネではリッジ、マウント・エデン、ヴァーナー/ニーリーがトップ3だと思いますが、どれもとてもクリーンで、酸がきれいに伸びてくる印象のあるワイン。その手のシャルドネが好きな方にはお薦めです。
日本ではまだ現行ヴィンテージは2011ですが、Wine Spectatorのレイティングは今回と同じ95点。どちらかというと難しい年である2011年に95点を取る方が賞賛できるような気もしないでもないですが。
ということでここのワインが気になる方は2012年を待つことなく2011年のものをお楽しみいただけたらと思います。
カリフォルニアでは24位に入ったピーター・マイケルのオークヴィルが最高。カリフォルニアで選ばれたのは、ほとんどがナパのカベルネ・ソーヴィニヨンです。
トップ10は以下の通り。
1. Marchesi de' Frescobaldi Brunello di Montalcino Castelgiocondo 2010
2. Muga Rioja Prado Enea Gran Reserva 2006
3. Bodegas Caro Mendoza Caro 2012
4. Montes Syrah Apalta Valley Montes Folly 2011
5. Ata Rangi Pinot Noir Martinborough 2013
6. F. E. Trimbach Riesling Alsace Grand Cru Geisberg 2009
7. Ciacci Piccolomini d'Aragona Brunello di Montalcino Pianrosso 2010
8. Hugel & Fils Riesling Alsace Grossi Laüe 2010
9. Flametree Chardonnay Margaret River SRS 2014
10. Fattoria Le Pupille Toscana Saffredi 2012
4位と5位のワインは楽天で売っていました。24位のピーター・マイケルもあります。
前ヴィンテージの2008年はWine Advocate誌で99点という高い評価であったのに、国内の価格は最安で1万6000円台と、とても割安なワインでした。2009年も引き続き97点という高い評価ですが、価格は税込みで2万2000円~と上がっています。
ただ、次の2010年は同誌で初の100点を取っており、値段はさらに上がるか、あるいは国内ではスキップされるでしょう。
難しい年となった2011年は打って変わって89点(ただし、パーカーは、このヴィンテージの中では成功していると書いています)。2012年は99点、2013年は2度目の満点となっています。
ポイントが極端に上下しているので今後の予測は難しいですが、今の価格水準であれば、オーパス・ワンなどと比べて、コスト・パフォーマンスで優位に立っていると言えそうです。
オールド・ヴァインと、自社畑のベッドロック・ヘリテージについては既に紹介していますが(ベッドロック第4弾は待望の自社畑もの)、今回は残るパガニ・ランチとロレンツォです。特にパガニ・ランチはWine Advocate誌で94-96と、このヴィンテージのジンファンデルの中では一番の高評価。期待できます。ロレンツォについては同誌のレビューはこのヴィンテージは出ていないようですが、個人的にはベッドロックの中でも一番好きなのがロレンツォです。
ベッドロックなんて知らないよ、という人はこちらの記事をご参考に。
ついに来た!「天才」Morganが作るBedrockが国内正式輸入開始
Bedrock Wine: 5歳からワインを作る天才の夢を載せるワイナリ
オーパス・ワン2012年の評価もほぼ出揃ったようです。
訂正:2015年末に2012年の評価が出ました。96点と2010年に続いて過去最高タイの評価です。詳しくは「WA222号でオーパス・ワンやモンダヴィ・ファミリーのワインに高評価」を御覧ください。
米国最大手雑誌のWine Spectator誌の評価は93点。あまり高くないようですが、同誌はオーパス・ワンについては全般に辛めの点数です。2000年以降の評価でみると最高は2007年の94点で、これはそれに次ぐ高評価です。2011年の89点と比べるとかなりこちらが上です。
元Wine Advocateのアントニオ・ガッローニが主宰するVinous(ヴィナス)では96点という高評価。これは2010年の97点に次ぐ、歴代2位の評価です。2007年も96点の評価です。
このほか、元Wine Spectatorのジェームス・サックリングは97点を付けています。ジェームス・サックリングの2004年から2011年までのオーパス・ワンの評価は92、92、95、93、94、93、96、92となっています。2012年は2010年の96を超えた歴代最高評価となります。
評論家や雑誌によって、点数の上下はさまざまですが、おしなべて言えることは2011年はあまり評価が良くなく、2012年は明らかにそれよりも上。近年では2010年と2007年が概ね高評価ですが、それと並ぶか、それを上回るほどのレベルということです。
ですから、2012年が出てきたら2011年に手を出すよりは2012年を買った方がいいでしょう。
【追記】2013年はさらに高い評価がでています。「年間トップなど、高評価続くオーパス・ワン2013」をご覧ください
この動画ほどではありませんでしたが(もっと激しく振った方がよかったみたい)、簡単にしかもきれいにつるんと剥けました。
これはなかなかすごいです。お試しあれ。
すみません。不勉強でこのワイン全然知りませんでした。
ワイナリーのサイト(Alias Wines - Killer Wines made in a Top Secret location deep with a volcano.)によると、このワイナリーはナパをベースにした3人のワインメーカーが大手ワイナリーで働きながら、副業で始めたもののようです。本名は明らかにせず、ブドウのソースも公開していません。
とにかくリーズナブルな価格で美味しいものを作ろうとやってみたら、意外なほど人気が上がってしまったとのこと。3人のうち、こちらを専業にした人も出てきたとのこと。それでも匿名主義は変わらず続けています。
ピノ・ノワールは新しくラインナップに加わったもののようで、このほかにシャルドネ、カベルネ・ソーヴィニヨン、メルロー、赤のブレンドを作っています。ピノ・ノワールは2000円台ですがそれ以外は1000円台。これは気になりますね。特にピノ・ノワールはすぐ売り切れそうです。
以前、「ワイナリーツアーにも価格破壊を起こすUber」という記事を書きましたが、そこで紹介しているUberWineというサービスは、従来のリムジンをそのまま置き換えるようなものでした。それに対して、既にナパやソノマではUberを使って現地まで行き、次に移動するときにはまたUberを別途呼ぶといった、貸し切りでない使い方が増えています。サンフランシスコのUberではナパが一番多い目的地となっているほどです。
Uber以外にはLyftやGroundLinkといったサービスも使われています。また、タクシーライセンスを持っていない車が乗客を乗せるUberXも低価格の選択肢として人気です。テンプル大学の調査によると、UberXのサービスがある市ではそれがない市より、飲酒運転による交通事故死が3.6~5.6%低くなっているとのことで、飲酒運転を避けるためにこのサービスが使われている可能性があります。
ただ、いいことばかりではありません。例えばソノマの奥の方など、Uberを呼んでもなかなか来ないという場合が頻繁にあるようです。Jordanワイナリーによると、Uberを使う客は予約した時間に大幅に遅れることが多く、逆に試飲後も1時間近く待たされることが多いといいます。ソノマの場合、運転手の多くはサンタ・ローザ周辺におり、そこから遠いところでの近距離の移動には消極的だとのことです。
ソノマではこのほか2016年にサンタ・ローザまで開通予定のSMARTという電車が注目されています(ソノマについに電車が走る!将来はSFから接続も)。Uberなどの低価格タクシーとSMARTの併用で、よりスマートな移動ができるようになるかもしれません。
ただ、ランニング用の5本指ソックスは高い。一番気に入っているRxLのだと1足1500円以上もします。
高くても長持ちするならいいのですが、大体2カ月くらい履くと穴が開きます。少々の穴なら我慢してそのまま履きますが、それでも1シーズンに3~4足履きつぶす感じです。なお、僕の月間走行距離100km~150km程度。それほどたくさん走っているわけではありません。
もうちょっと手軽に履き潰せる靴下がないかと思って見つけたのがグンゼの5本指ソックス。なんと税込みでも410円です。それでいてアーチサポートも付いています。滑り止めがないのはRxLのより劣る点ですが、練習用であればほとんど問題ありません。色もきれい。
さっそく30km走ってみました。若干厚めですが、特に汗をかくこともなく(吸汗+消臭機能があるそうです)、気持よく30km走れました。
サイズは25~26cmと書いてありますが、実際には25~27cmです。RxLの同サイズのより指も入れやすく履きやすいです。
まだ耐久性はわかりませんが、仮に1カ月しか持たなくてもコスト・パフォーマンスは今までのを上回ります。練習用はこの靴下でいこうと思います。
レイティング94というのもすごいですが、それ以上にすごいのが2015年の「セラー・セレクション」に選ばれていること。セラー・セレクションとは、今すぐ飲むには適していないが、セラーに置いて熟成させて飲みたいワインということです。これの年間トップ100の96番に選ばれています。
これはすごい名誉なことです。杉本さん、おめでとうございます。
なお、侍はこのほかWine Advocate誌では92点、Vinousでは93点と、代表的な評論家からいずれも高い評価を得ています。
何かというと、スペインのスパークリングワイン「カヴァ」の生産者「ロジャーグラート」のカヴァのセットなのです。
このカヴァ、通常はブレンドして使うシャルドネとマカベオ、チャレッロ、パレリャーダという品種をそれぞれ100%で作ったもの。すなわち品種そのものの味わいが楽しめます。そして、Wassy'sが提唱しているのは、さらにこれをブレンドして自分の好みのカヴァにしたら面白いんじゃない、ということ。
100%という字を大胆にあしらったボトルもおしゃれだし、パーティでブレンド大会とかやったら楽しそうに思います。
しかもバラバラに買ったら4本で12960円のところがセットでは10500円とかなりお得になっています。
Amazonでも購入できます。
ナパのワインがボルドーのトップ・ワインのトップ・ヴィンテージに負けない世界で最良の品質を達していること、またそのために栽培から収穫、醸造まで果てしない手間をかけ、施設にも投資をしていることを認めた上で、パーカーの知り合いの多くのワイン愛好者が、価格の上昇にナパ離れを始めたことを指摘。「ナパ・ヴァレーのプロデューサーは、価格の問題を真剣にとらえるべきである」と締めています。
中でもロバート・パーカーが担当したナパやソノマは良ヴィンテージの2013年のワインが中心となったこともあり、100点ワインが30本近く出るという高得点ラッシュでした。
ジェブ・ダナックが担当するサンタ・ルシア・ハイランズやサンタ・クルーズ・マウンテンズはそこまでのレイティングインフレ状態ではないですが、やはりいいヴィンテージのワインが中心となったことから高得点ワインが相次いでいます。
特にサンタ・ルシア・ハイランズではピゾーニ(Pisoni)、ルシア(Lucia)、ロアー(Roar)といった地域を代表するワイナリーがそろって高得点。ロアーのピゾーニ・ピノとピゾーニのピゾーニ・ピノが96+点を得たほか、ルシアのゲイリーズ・ピノとスーザン・ヒル・シラーが96など…。書くのが面倒になったので、95点以上のワインの一覧だけ載せておきます。
サリヴァンは1979年にナパのラザフォードで設立されたワイナリー。家族経営で自社畑のブドウを中心にワインを作っています。カベルネ・ソーヴィニヨンは100%自社畑。2006年のカベルネ・ソーヴィニヨンは、ワイナリーリリース価格65ドル(約7800円、税抜き)のところが税込みで3974円となっています。
これはちょっと驚くべき安さですね。
10月限定発売の「びっくり箱セット」も気になります。1本5000円換算ですが、レビューでは倍以上の価格のものも入っていたとか。
新たに追加するのはサンタ・リタ・ヒルズのピノ・ノワールとシャルドネ。おそらくヒルトが近年購入したRadienとBentrockという畑のブドウを使ったものと思われます。2014年が最初のヴィンテージで、2016年あるいは2017年に発売します。価格は45ドル程度とのことで、ヒルトのワインとしては入門的な位置付けになりそうです。
ピノ・ノワールについては既にWine Advocate誌でレビューされており、91-94点と評価されています。これまでのものよりは早飲み型だとのこと。また、名前はCool Handとされています。
ヒルトはこれまでオールド・ガード、ヴァンガードという2種類のピノ・ノワールおよびシャルドネを作っています。ブドウはサンフォード&ベネディクトなどから購入しており、樹齢の高いものから作るのがオールド・ガード、若い樹のブドウから作るのがヴァンガードとなっています。
Wine Advocate誌ではシャルドネが最高95点、ピノ・ノワールが最高94+点と高い評価を得ています。サンタ・バーバラで将来を嘱望されるワイナリーの1つとなっています。
グレッグは、ブリュワー・クリフトンを立ち上げた1997年の後、ロン・メルヴィルと出会い、メルヴィル・ワイナリーの立ち上げ時から協力してきました。1999年が最初のヴィンテージです。
2002年のピノ・ノワール「テラス」(Terraces)がWine Advocate誌で95点と評価されるなど、2000年台半ばまでにサンタ・リタ・ヒルズを代表するワイナリーになりました。サンタ・リタ・ヒルズのAVAができたのが2001年ですから、ブリュワー・クリフトンやシー・スモークなどと並んでこのAVAのブランドに大きく貢献したのは間違いありません。
グレッグは、メルヴィルを辞めた後もブリュワー・クリフトンは続けます。またワインライフ株式会社の杉本さんと手掛けるシャトー・イガイタカハ(Ch.igai Takaha)のワインメーカーも引き続き担当します。2016年2月にはシャトー・イガイタカハのワインメーカーとしての来日も予定されています。
また、メルヴィルのワインメーカーは創設者ロン・メルヴィルの息子であるチャド・メルヴィルが担当する予定です。チャド・メルヴィルは自身のブランド「サムサラ」(Samsara)も手がけています。
カリフォルニアのベイエリアに住む15歳の少年が作ったハロウィーン飾りが物議をかもしています。近所の住民から、音がうるさく、展示内容が不適切だとクレームを付けられており、現在市の認可を待っている状態です(認可されるかどうかは米国時間の28日に決まる予定)。
この少年がハロウィーンの飾り付けを作るのはこれが3年め。これまでにアラメダ郡のフードバンクに1000ドルの寄付と600ポンドの食料の寄付を成し遂げてきたそうです。
それにしても、15歳が作ったとは思えない怖さです。数えきれないくらいの時間を費やしたという彼の努力は報いられるでしょうか。
今回は12月に公開されるスター・ウォーズの最新作「The Force Awakens」のパロディです。いやいや、よくここまで作りこんだなあという感服さ。ぜひご覧になってください。
1.2.3.4.5.
はい、できましたか。答えはJean-Charles Boisset(ジャン・シャルル・ボワセ)です。
いかにもフランス人という名前のジャン・シャルルですが、実際フランス生まれのフランス人であり、ボワせ家といえばブルゴーニュ最大のネゴシアンという名門なのです。で、彼はそこの米国法人であるボワセ・ファミリー・エステートの社長なのです。しかも、驚くべきことに奥さんはガロのワインメーカーであるジーナ・ガロ。二人の間には双子の子供がいます。
カリフォルニアでは、その名もJCBワインというワイナリーをやっているほか、傘下にデローチ(DeLoach)、ブエナビスタ(Buena Vista)、レイモンド(Raymond)などのワイナリーを持っています。
これらのワイナリーを傘下に入れた後、JCBは大鉈を振るって改装に励みました。例えばブエナビスタはカリフォルニア最古のワイナリーという特徴を生かして、博物館仕立てにしています。
というわけで、いろいろ気になっていたのですが、最近相次いでこれらのワイナリーの訪問記が出ていたので紹介します。
1つはソノマ在住のカフマン恵美子さんがFacebookに投稿したブエナビスタの訪問記。
Buena Vista... - Wine Talk by Emiko Kaufman
もう1つはSFクロニクルのサイトに出ていたレイモンドの訪問記です。
This could be Napa’s weirdest wine experience - SFGate
ブエナビスタの訪問記では、カーヴや博物館を見学していますが、そのほかに自分でワインをブレンドするようなコースもあると紹介しています。「ソノマに、ここでしか体験できないツアーをするワイナリーが登場しました」と恵美子さんは書いておられます。
そして、レイモンドの方ではまさにそういったブレンディングのコースの体験記となっています。
また、ちょっと前ですがWassy'sのハダノリさんがレイモンドを訪問したレポートも面白いです。
[ハダノリ現地レポ]レイモンド(前半)知ってたーー! | オンラインWassy's ワシ等の日々。
[ハダノリ現地レポ]レイモンド(後半)~衝撃~ | オンラインWassy's ワシ等の日々。
JCB自身についてはこれらの記事には出ていませんが、山本昭彦さんのブログ(まんま和食のミーナとジャン・シャルル・ボワセの勢い - ワインレポート)には「ジャン・シャルルは、きらびやかなハリウッドスターのような服を着て、やり手ビジネスマンのようによくしゃべる。とてもフランス人とは思えない」と書かれています。
では、ワインを作る人というよりビジネスマンなのかというと実はそうでもないのです。幻ワインの私市さんのブログ(Jean-Charles Boisset : 幻ワイン醸造日記)には
ところで彼が訪れた理由は、畑をどうしても見たい、と言うことだった。
彼はその眺望と畑のコーディネーションが気に入ったらしく、畑の頂上から ワンダフル!ワンダフル!を連発していた。
「あと羊の姿があれば完璧だ。」と付け加えた。
というのも、彼はバイオダイナミック信奉者だからだ。フランスに所有する葡萄畑の90%はバイオダイナミックで栽培されている。
とあり、ほかにも彼が熱烈にワインを語る様子が描かれています。
いろいろな意味で興味をひかれる人です。
なお、本ブログで紹介した記事のいくつかを並べておきます。
政略結婚? ジーナ・ガロとジャン・シャルル・ボワセが結婚
Galloの4代目は双子
生まれ変わったRaymond
ソノマとブルゴーニュのブレンド・ピノをジャン・シャルル・ボワセが発売
Buena Vistaが歴史的建物保全で受賞
ブエナビスタが、楽しさ満載のワイン作り道具博物館をオープン
DeLoach Vineyards: 経営破綻から再生し、名声高めたワイナリ
ところで、先日のカリフォルニア・ワイン試飲会で、JCBの広報(一部で滝川クリステル似の美女と言われています)の方と再会して、ワイン一通り試飲しました。どれもレベル高かったのですが、特に印象に残った2本を最後に紹介します。
1つはデローチが作る幻ヴィンヤードのピノ・ノワール。先ほどの私市さんの畑のピノ・ノワールです。JCBが畑を見に行ったのもこのワインがあるからです。非常にきれいでおいしいピノ・ノワール。
もう1つはJCBのシャルドネ。No.81と付いていますが、この番号はJCBが初めてカリフォルニアに来た1981年にちなんだもの。ブルゴーニュに負けないシャルドネが作れると確信した年なのだそうです。
では30年前のカリフォルニアワインて、どういう時代だったのでしょうね。
有名なパリ・テイスティングが1976年。揺籃期から成長期に向かうのが1980年代です。
中でもエポックメイキングだったのがオーパス・ワン。最初のヴィンテージが発売されたのが1984年です。
50ドルという当時としては考えられないくらいの高価格もさることながら、そもそも、カリフォルニアのワイナリーとボルドーのエスタブリッシュメント中のエスタブリッシュメントであるムートンが、対等に組んだことが、カリフォルニアにとっては名誉なことでした。
オーパス・ワンのライバルとしてはドミナスが1985年ころの発売(最初のヴィンテージは1983年)。インシグニアやハイツのマーサズは1970年代。最初のカルト・ワインと言われるグレース・ファミリーは1980年ころに発売されたようです。
このほか、シャルドネで一世を風靡したケンダル・ジャクソンの発売が1983年でした。甘みを少し残したアメリカ人好みの味付けど、当時としてはちょっとだけ高級感がある5ドルという価格で大人気となりました。
一方、ピノ・ノワールはまだ雌伏の時代です。カレラの設立は1970年代ですが、まだまだ無名です。オー・ボン・クリマが1982年。ウィリアムズ・セリエムのピノ・ノワールがカリフォルニア・ステート・フェアで金賞を取ってブームになるのが1987年。
大体こんなところでしょうか。
なお、この辺の話は全部『無敵のカリフォルニアワイン講座』に載っております。この記事もそれを検索しながら書きました。
この研究ではまず「ミネラルが豊富」だとされるワインを分析して「ミネラル」を感じさせる要因と思われる物質を調べます。そして、その物質を故意に添加したワインをプロにテイスティングしてもらうことで、実際にそれらの物質が「ミネラル」になっているのかどうかを調べます。
その結果、土壌の「ミネラル」とワインに含まれる「ミネラル」を感じさせる成分にはなんの関係もないことがわかりました。また、土壌であればミネラルは少ない数の科学物質で決まるところ、ワインではさまざまな物質の組み合わせがミネラルにつながっているようです。
サン・スペリーはロバート・スカッリが1989年に設立したワイナリー。フランス出身のスカッリ家はアルジェリアなどでワイナリーを営んでおり、1982年にナパに土地を買って米国でのワイン作りに参入しました。1600エーカーの地所を所有しており、自社畑のブドウでシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、シラー、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンなどを作っています。サステイナブルなワイン作りにも早くから取り組んでいます。個人的には、ここのソーヴィニヨン・ブランは結構好きでした。
売却は10月中に完了する予定ですが、オペレーションや管理には大きな変更はないとのこと。
売却の理由は不明ですがロバートは「サン・スペリーをこのような有名でラグジュアリーブランドを理解しており、このプロパティを強化していくであろう会社に譲ることができて嬉しい。彼等が私のビジョンであるナパのシャトーのありかた、ワールドクラスのエステート・ワインを作ること、品質を向上させ続けていくこと、を引き継いでいくと信じている」とコメントしています。
シャネルはボルドーのローザン・セグラ(メドック第2級)など3つのワイナリーを持っていますが、フランス以外でのワイナリー所有は初と思われます。
そこで、ハーラン・エステート、スクリーミング・イーグルといったカルトワインとヴェリテがどちらが好みか投票するというアトラクションをしたそうです。
こんな対決に参加した人が羨ましいですが、結果はヴェリテがトップ、2位がスクリーミング・イーグルでした。
これをもってソノマがナパに勝ったというのも短絡的ですが、ソノマのカベルネ・ソーヴィニヨンもナパに負けない力を持っていることは改めて証明できたと言えるでしょう。
今回のイベントを主催したジャクソン・ファミリーのジュリア・ジャクソン(創設者ジェス・ジャクソンの娘)は、ソノマはいつも歴史の背後におり、実際にはナパよりも長い歴史を持っているにもかかわらず、まだ揺籃期にあると語っています。
ナパにおける「パリスの審判」に匹敵するような何かが必要なのかもしれません。
エルニーニョは赤道近くの東太平洋の水温が上昇する現象。これが起こると米国西海岸では雨が多くなり、荒れた天気になりやすくなります。
ここ十数年では1997年から1998年にかけての冬が典型的。カリフォルニア各地で洪水が起こり、春から秋にかけても不順な天気が続きました。カリフォルニアワインでは珍しいオフヴィンテージといわれました。
写真提供:NASA
この図は1997年と2015年の10月における海面の変位を表したもの。水温が上がると水が膨張するため、海面が上がります。これを見ると、かなり広範囲に上がっている様子が伺えます。
写真提供:NASA
こちらは海面温度の記録(平年との差分)。1950年以降のエルニーニョの年のデータをプロットしています。7月から9月までの平均は、今年の場合平年よりプラス1.5度。これを上回っているのは1982年(プラス1.6度)、1997年(プラス1.7度)しかありません。
というわけで、状況としては強いエルニーニョになる気配が濃厚であると言えます。ただ、NASAはエルニーニョについての知見が十分でないため、断言はできないとしています。
このレストランにお誘いいただき、馬肉を堪能してきました。食べるのに専念していたので写真の出来はよくありませんが、ご勘弁を。
ここはコース料理のみで6500円飲み放題込みとなっているのですが、今回は6人でワインを6本持ち込ませていただきました(持ち込み料は不要です。グラスもたくさん出してもらえました)。
こちらが持ち込んだワイン。かなりすごいラインナップです。
まずは乾杯でドン・ペリニヨン2004。泡がきめ細かく、はちみつのようなフレーバーを感じました。陶酔してしまいそうな味わい。
で、前菜からぶっとびそうな美味しさなのです。とくに右下の「オビ」は脂の融点が低く、室温で置いておくだけで溶けていってしまうとのこと。舌に乗せると良質のマグロの中トロを食べているかのような感じで、重くない脂がまことに美味でした。
ウニを乗せたものやチーズとキャビアを乗せたものも美味しいです。馬肉は牛肉と比べても脂は少なくあっさりとしているので、ちょっと油を補うような食材と相性がいいようです。
ワインはリッジのシャルドネ、モンテベッロ2007に移ります。リッジのシャルドネは透明感を感じるようなきれいさがあるのですが、これは熟成してきて旨味が増してきている感じです。ほどよい樽もいいです。生肉ともよく合います。
あっと忘れていましたが、これは前菜のしじみ汁。はまぐりくらいある巨大なしじみが美味しいです。
これは、見た目はあまりよくありませんがレバーです。これも普通のレバーの概念を覆すような味わい。ちょっとサクサクっとした食感です。
ワインはこのあたりでローラン・ルーミエのクロ・ヴージョ2002に。これもとてもバランスがよく美味しいです。すごくきれいなピノで状態の良さを感じます。
部位は忘れましたが、ニンニクのスライスとネギが乗っています。こういった薬味系とも馬肉は相性がいいです。
馬肉とエリンギの天ぷら。あっさりと塩でいただきます。
緑色のはニラのソース。白髪ネギもとても美味。やっぱり薬味系との相性がいいです。
ワインはベルトラン・アンブロワーズのコルトン・シャルルマーニュ2004。これも美味しいです。
軍艦になっているのは「タテガミ」という部位。とても貴重なものです。食感も面白くとてもおいしい。
料理はいよいよロースト系に。
右下のしめじは超美味。ローストして出てきた汁があふれだす寸前の状態をいただきます。カブやしいたけも旨味が閉じ込められてとても美味しいです。
ワインはサクサムのジェームス・ベリー・ヴィンヤード2005。シラー系のブレンドです。濃いけど重くなく美味です。
30cmくらいある巨大な長なす。秋なすの美味しさは言うまでもなく。
そしていよいよ馬肉のロースト。これはやっぱり赤ワインがあいます。噛むと旨味がじわっと出てくる感じ。脂はすくないのですが、味が濃いです。
もういっちょ。
ワインは最後のブレスラーのカベルネに。もう大分酔っぱらいです。
締めのご飯。秋はきのこが美味しいですね。
そしてデザート。なんだかわかりますか? なんとかき氷なのです。さっぱりといただきお腹いっぱいでした。
本当に貴重な体験でした。
That. Just. Happened.
Behold, perhaps the best play of the year: http://t.co/jUe0r7ujjX
— ESPN (@espn) 2015, 10月 16
念のためYoutubeも貼っておきます。
何が起こったのかわからんという人はこちらの拡大画像をどうぞ。
HOW DID HE CATCH THIS?!?! https://t.co/TfhzKDpAat
— SportsCenter (@SportsCenter) 2015, 10月 16
いや、すごいですね。アメフト観戦歴は35年くらいになりますが、こんなのは初めて見ました。試合はこのキャッチをしたスタンフォード大学が勝っています。
スタンフォード大学というと、今ではIT系の人材を輩出している学校として知られていますが、実はアメフトでも名門。西海岸のPac-12カンファレンスに所属しており、ここのカンファレンスの優勝チームが出場するローズボウルにも常連となっています(近年では2012、2013年シーズンに出場)。
特にクオーターバックでは名選手を出しており、古くはハイズマン賞(大学の最優秀選手賞)を受賞し、NFLではオークランド・レイダースでスーパーボウルにも勝ってMVPに選ばれたジム・プランケットや、スーパーボウルで2回勝ったデンバー・ブロンコスのジョン・エルウェ―が卒業生。現在活躍中の選手だとインディアナポリス・コルツのアンドリュー・ラックがいます。
そこで、2014 Digital Wine Communications Conferenceという会議において、出席者にブレタノマイセスに汚染されたワインとそうでないものを飲んで評価するという実験が行われました(The great Brettanomyces taste test | meininger.de)。
出席者はジャーナリストやブロガーなど、ワインについてはかなり詳しい人々。ワインはボルドー産のもので、3種類が供されました。1つはブレタノマイセスが含まれていないもの、1つは少し加えたもの、もう1つはさらに強く加えたもの。出席者にはブレタノマイセスについては告げず、3種類の別々のワインを試飲すると説明しています。
その結果、ブレタノマイセスがないものを一番好みとした人はわずか1/4未満。大多数は多く加えたものを一番好みだと評価しました。
また、ワインの味わいについてはブレタノマイセスが入っているものの方が「複雑」で「リッチ」だと評価する人が多く、一方で入っていないものは「テロワール」を感じないと評価されました。
いわゆる自然派ワインにはブレタノマイセスに汚染されたものが、かなりの頻度で含まれていますが、その人気はもしかしたらブレタノマイセスに誘導されたものなのかもしれません。
また、ナパのフリーマーク・アビーで長年ワインメーカーを務めるジェリー・ルーパーは、かつてナパのカベルネにわざとブレタノマイセスを加えることもあったといいます。味わいをよりボルドーに近づけるためだったそうです。
あなたはブレタノマイセス入りのワイン、賛成ですか、反対ですか?
先日、パソ・ロブレスで収穫量が平年の半分という記事を書きましたが、これは極端な例にしろ、量的には少なめだった地域が多いようです。パソ以外ではソノマが平年より2〜3割減と少なく、一方でナパは平年並みと地域による差が大きかったようです。
どこも収穫時期は極めて早く、それでいて、品質は素晴らしいとのこと。まあ、生産者による品質の評価はどこまで信用していいか分からないところもありますが。近年、軽い味わいへの志向が強くなってきているのにマッチしそうな気はします。
また、過去3年が豊作でバルクワインはややダブつき気味だったので、多少量が減ったことは、問題ではなさそうです。
まずは動画をご覧ください。
キーボードがイルミネーションになっているのがかっこいいです。壁紙やスクリーンセーバーももちろんスター・ウォーズ。スペシャルコンテンツだけで1000点を超えるとか。
また、Windowsのシステム音もR2-D2の声などスター・ウォーズのものになっていたり、銀河標準語であるオーラベッシュのフォントが入っていたり、ゴミ箱アイコンがデス・スターだったりと、マニア心をくすぐります。
CPUはCorei5、15.6インチのフルHDディスプレー、メモリ8GB、HDD1TBとパソコンとしてもかなり強力。
パソコン買ったばかりでなかったら、欲しかったなあ。
Star Wars™ Special Edition Notebookに興味ある方はこちらから
パソロブレスにあるクロニック・セラーズというワイナリーのワインです。ハロウィン用の特別仕様というわけではなく、普段からすべてのワインがこういうテイストのラベルになっています。
上の写真の左がプチシラーが87%入ったもので、これがスパイシーですごく美味しかったです。次点がプチシラーとシラーがほぼ半々の「Sofa King Bueno」。これもいいワインです。どちらも希望小売価格は3000円台。
ですが残念ながらネットで販売しているところはないようです(一般小売では高島屋に置いてあるとのことです)。
インポーターはここでしょうか? がんばってください。
マボロシの自社畑はロシアン・リバー・ヴァレーにありますが、スパークリング用には、より冷涼なアンダーソン・ヴァレーやソノマ・コーストのブドウを中心に使い、自社ブドウをブレンドしているとのこと。ピノ・ノワール99%(シャルドネが1%)のロゼ・スパークリングです。
わずか88ケース、1056本しか製造していないとのことなので、購入はお早めに。
在庫切れで購入できませんが、奥さんのレベッカさんによるスパークリングもあります。美味しいですよ。
レイモンド・ダンカンは10月9日、コロラド州デンバーの自宅で亡くなりました。84歳でした。
彼はスポッツウッドを創設したノヴァック夫妻と大学時代の友人で、その招きによって1972年にナパを訪れました。すぐにいくつかの土地を買い、ワインメーカーのジャスティン・メイヤーと出会ってシルバー・オークを設立。ナパのオークヴィルとソノマのアレキサンダー・ヴァレーでカベルネ・ソーヴィニヨンを作り始めました。熟成にアメリカン・オークの樽を使った独特のスタイルは米国内で非常に人気が高く、毎年のようにレストランにおける一番人気のワインとなりました。「Life is a Cabernet!」という標語でも知られています。
1999年にはトゥーミー・セラーズ(Twomey Cellars)を設立。メルローやピノ・ノワールなどに手を広げました。
ウォルター・シュグは10月10日、ソノマの自宅で亡くなりました。80歳でした。
ドイツからの1950年台にカリフォルニアに移り住んだウォルターは当初ガロで、その後はジョセフ・フェルプスでワインメーカーとして働きました。ジョセフ・フェルプスのフラグシップであるインシグニアを最初に作ったのも彼でした。後にメリテージと呼ばれるようになったカベルネ系ブレンドの最初のものでした。
その後独立してソノマのカーネロスにシュグを設立。ピノ・ノワールのパイオニアとして活躍しました。
お二人のご冥福をお祈りします。
レポートを作成したのはThe Comité National des Conseillers du Commerce Extérieur de la France (CNCCEF)。それによると中国の偽ワインは、「本物のワインが1本あったら、偽ワインも1本以上はある」というほど大きな市場になっているとのこと。また、偽ワインが横行することが、中国のユーザーのワイン離れを招いている面もある、とのことで対策が急務としています。
ただ、偽ワインにはなかなか有効な対策がなく、国家間の微妙な問題もはらむため、このレポートは作成後、一度葬られてしまったとのこと。今回は「密かに」公開されたもようですが、今後どのように波紋が広がるのか気になります。
本サイトでの記事は以下のようなものがあります。
Copain Wines: 様々な地域のブドウから優秀なシラー、ピノを作る
IPOBミニインタビューその2――ウェルズ・ガスリー/コパン・ワインズ
コパンのシラーがむっちゃうまくて値段も上々
アントニオ・ガッローニのVinousが選ぶ「コスパ・ワイン」
個人的にはシラーのトゥス・アンサンブルがイチオシでした。
今年の収穫は例年より早いことはわかっていましたが、ここまで収穫が減るとは多くのワイナリーも思っていなかったようです。特にシラーは悲惨な状況だそうです。
原因もはっきりしていません。
例えば旱魃が続いたことで塩分が集積したことや、7月の嵐、6月のヒョウなどが影響しているのではないかという意見もあります。ただ、今のところ5月に非常に気温が低く、雌しべがきちんと生育しなかったことが最大の原因ではないかと見られています。比較的収穫が多かったところは、地形的な要因で、5月に開花しなかったところだとのことです。
このワイナリーではワインの試飲だけでなく近隣の農産物の販売も行う予定。カーネロス・ハイウェイ沿いです。
週に480のビジターを見込んでいますが、この地域では大人数になるため、交通渋滞などが懸念されています。
ただ、このプランはホスピタリティであるという考えから認めようとしている人も少なからずいそうで、今後認可が下りるかどうかが気になります。
この装置「GOfermentor」は、水槽の中に使い捨てのプラスチック製バッグを入れ、そこにブドウを入れて醸造します。水槽にはもう1つ空気で膨らんだりしぼんだりする袋が付いており、それを使って自動的に醸造用のバッグをコントロールしてパンチダウンなどの代わりにします。
GOfermentorのサイトに載っていた図を掲載します。
この技術、特に人手が足りない中小のワイナリーにとって朗報になりそうです。
ワインについては以下のように書かれています。
ボトルワインについては 8 年目、清酒、焼酎については 11 年目までの関税撤廃期間を設定
つまり、8年かけて関税をなくす予定だということです。
ではワインの関税はどれくらいかかっているのでしょうか。
一般税率としては
15%又は125円/Lのうちいずれか低い税率。ただしその税率が67円/Lを下回る場合は67円/L
また、課税価格の合計額が20万円以下の貨物に課せられる簡易税率では「70円/L」となっています。
つまり750mlのボトルの場合、最大で93.75円、簡易税率では56.25円の関税がかかっています。これが8年後にはなくなるということです。
ボトルあたりが1000円以下というような安ワインでは、93.75円は馬鹿にならないですね。売値で100円近く安くなるかもしれません。
一方で、ボトル3000円を超えるような高級ワインではほとんど影響はないでしょう。関税よりも重要なのは為替です。例えば30ドルのワインだったら1ドル3円安くなれば、90円値段が上がるわけです。これだけで関税分は吹っ飛びます。
ここ数年で1ドル40円くらい円安になったことを考えたら、関税がなくなるのは小さな変化でしょう。
そこで見つけたのが「RP-HJE150」というイヤホン。Amazonなどでのレビューも上々です。しかもAmazonでは送料込みで600円台という安さ。迷わずこれを注文しました。
いかにもAmazonという巨大な箱で届いたこのイヤホン、600円台だということを知ると、ちょうどiPhoneのイヤホンが断線したという下の子(1年半で2回めは多すぎると思う!)、iPhoneを新調した妻(iPhone付属のイヤホンは耳から落ちやすいので嫌だということ)、学校で使うイヤホンがほしいという上の子と、結局家族全員次々と同じイヤホンを買うことに。
しかも全部別々に注文したので送料すみません>Amazon
色の種類が豊富なので、同じ型番とはいっても区別できない心配はないし、なかなかいい買い物でした。
で、いまさらですが、以前買ったときの購入履歴を調べたら、なんということはない、前回も同じ型番のイヤホンでした。ただ、前に買ったときはこんなにカラバリなかった気がします。そこは随分進化したのでしょうね。また、価格は送料含めて1500円くらい。そのときは楽天のとあるショップで買ったのですが、今でも楽天で買ったら大体それくらいなので、Amazonの安さが際立ちます(ちなみにヨドバシではポイント10%還元を含めるとAmazonよりちょっとだけ安いです)。
それにしても、これだけ進化が速い分野で5年以上同じ型番のものが作られているというのはちょっとびっくりでした。それだけ人気があるということなのでしょうね。
という記事でお薦めしたワインの1つであるフープラのカベルネ・ソーヴィニヨンが柳屋で「今3000円台で飲めるナパのカベルネ」のイチオシになっていました。
個人的にはフープラのシャルドネも飲んで欲しいなあと思っています。ナパのワインとしては珍しいほど、押し出しが強くない、非常にバランスの取れたワインです。
国内初輸入、オークヴィルのワイナリー「Hoopes」(フープス)
も御覧ください。
参加店のリストはこちらからどうぞ。
By the Glass Promotion
同じようなバイ・ザ・グラスのキャンペーンは春にもありますが、そちらはカリフォルニア全体を統括するワイン・インスティテュートによるもの。秋に開催されるのはナパ・ヴァレーに特化しています。
この機会にさまざまなナパのワインをグラスで飲んでみてはいかがでしょうか。
既に米国では定番製品の1つといってもいいような状況で、販売数も最初の数年で2万~3万ユニットを目論んでいたものが、10万ユニットを超えています(A Coravin Wine Device in Every Kitchen? | News | News & Features | Wine Spectator)。
そのコラヴァンに新製品「Model Two」が登場しました。
コラヴァンはコルクに小さな穴を開けてそこからワインを注ぐのですが、その針を刺す部分のハンドルが大きくなってより使いやすくなったのが特徴的。これまでの製品は業務用が6割で家庭用が4割程度の販売だったのですが、今回は家庭用が8割を狙っています。
価格は330ドルで従来の300ドルよりわずかに上がっています。
なお、気になる日本への輸入については、以前以下のような記事を書いています。
Coravinの輸出対象国に日本が入っていない理由が判明しました
それから状況が変わったのかどうか定かではないのですが、実際には並行輸入品として日本に持ち込まれています。
今年の試飲ワインは
Gloria Ferrer Sonoma Brut NV
Robert Mondavi Fumé Blanc 2013 Napa Valley
Wente Vineyards Riva Ranch Chardonnay 2013 Monterey
Dierberg Pinot Noir 2011 Santa Maria Valley
Ridge Geyserville 2011 Sonoma County
Napa Cellars Cabernet Sauvignon 2013 Napa Valley
青山校のスケジュールは
10月24日(土)(昼) 14:00~16:00 紫貴 あき
11月8日(日)(昼) 14:00~16:00 三木 香奈
11月28日(土)(昼) 14:00~16:00 紫貴 あき
12月13日(日)(昼) 14:00~16:00 三木 香奈
1月23日(土)(昼) 14:00~16:00 紫貴 あき
2月7日(日)(昼) 14:00~16:00 三木 香奈
2月27日(土)(昼) 14:00~16:00 紫貴 あき
3月6日(日)(昼) 14:00~16:00 三木 香奈
大阪校のスケジュールは
10月28日(水)(夜) 19:00~21:00 鷲谷紀子(受付終了)
11月29日(日)(昼) 14:30~16:30 鷲谷紀子
2月6日(土)(昼) 14:30~16:30 鷲谷紀子
3月6日(日)(昼) 14:30~16:30 鷲谷紀子
今年の注目は東京校の講師で三木香奈さんが入っていること。彼女の講義は絶対楽しいと思いますよ。僕も受講したいですが、受講したことある人はダメなことになっています。
なお、私が参加した3年前の記事です。
アカデミー・デュ・ヴァンのカリフォルニアワイン講座、噂にたがわぬお得でした
日時:10月14日(水)午後5時~6時30分
場所:セルリアンタワー東急ホテル B2 ボール・ルーム(東京・渋谷)
料金:1000円(税込み)
時間は1時間半と短いですが、たった1000円で60を超えるワイナリーのワインを試飲できます。
どうしてこんなに激安なのかというと、昼間は業界向けの試飲会をやっており、そのまま一般向けに開放するという形を取っているからです。
なお、当日は年齢を確認できる公的な書類(免許証など)が必要です。お気をつけ下さい。
参加希望の方は以下のFacebookのイベントで「行く」をクリックしてください。執筆時点で130名申し込んでいるので、もう残りはあまりないと思います。お早めに。
カリフォルニアワイン グランド・テイスティング 2015 東京
ベッドロックのオールド・ヴァインが3000円台は激安です。
ポール・ラトーのピノ・ノワールは1万円超えるのが普通のところが税込み8618円という安さ。Wine Advocate誌では94点です。また、コブやジョージ、サークといった新進気鋭のワイナリーのピノ・ノワールもかなり安くなっています。
シャトー・イガイ・タカハではロゼや漢字シリーズなどを紹介します。漢字シリーズが4000円台から飲めるのは奇跡的。最高級の「園」でさえ6000円台です。
1970年代からのオーナーであるイーガンとギロッティ家は、そろそろ後継者に引き継ぎたいということで売却を決めたとのこと。
立地の素晴らしさや広さなどから、売却額は2億ドルを超えるのではないかと予想されています。
近年売却されたナパのホテルでは1部屋あたり100万ドル前後で取引されており、Vintage InnとVillagioは合わせて192部屋あることから、これだけでも2億ドル近くになると考えられます。さらにV Marketplaceもあることから、それを上回ることは確実でしょう。
おそらくナパでは過去最高額の取引になると考えられています。
Jはオペレーションが拡大しすぎてしまい、売却に至ったのですが、ワイン作りから離れたことが耐えられなかったようです。
チュヘイラム・マウンテンはウィラメット・ヴァレー内の同名のAVAにある老舗のワイナリー。日本にも入荷しているチュヘイラム・ヴィンヤーズとは別のワイナリーです。
近年、カリフォルニアのワイナリーがオレゴンのワイナリーを買収するケースは増えています。例えばケンダル・ジャクソンは2013年にウィラメット・ヴァレーの4つの地所を購入しており、仏資本も入っているイヴニング・ランド(最初はソノマ・コーストだった)はオレゴンのセブン・スプリングスのワインで大人気になっています。ウィリアム・フォーリーも2014年にフォー・グレイスイズというワイナリーを購入しています。
温暖化でピノ・ノワールの産地が涼しいところに向かっている流れの1つなのでしょうか。
2014年にはさまざまな非営利団体に合計で690万ドルを超える資金援助をしています。その中には学校教育への貢献や、低所得者への還付金といったものも含まれています。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは2014年のナパの地震の後には1000万ドルの寄付をしています。より最近では、ナパにも影響があった山火事ヴァレー・ファイアーの被害者救済で25万ドルを提供しています。
派手なことが目に付くナパですが、こういった形で地元への還元ができているのはいいことですね。
娯楽用マリファナをいち早く解禁したコロラド州で、酒類の売上にどういう影響があったか、ワイン業界ファイナンシャル・シンポジウムで報告がありました(Weed's Effect on Wine Sales)。
それによると、マリファナの解禁によって、当初酒類の売上は落ち込んだとのこと。しかし、その後の旅行客の増加や若者の移住の増加によって、落ち込み以上のプラス効果があったとのこと。
25%の物品税が課せられているマリファナの税収は、既に酒類からの税収を超えているそうです。
また、酒類の流通業者がマリファナについても流通を担えるのではないかと、検討しているそうです(現在はマリファナは消費者へ直接販売されている)。
最大斜度60度というとんでもない傾斜地に115年前に植えられたジンファンデルの畑です。トラクターで耕すのも、命がけです。キャタピラがついているトラクターでさえ、ズリ落ちていってしまうことが珍しくないのですから。
ビデオの中には、トラクターがずり落ちて貴重なジンファンデルの古木をなぎ倒してしまうという衝撃映像もあります。ぜひご覧になってみてください。
)。
Uberはスマホのアプリで簡単に車が呼べる上、運賃が従来のタクシーよりも3割程度安いことで急成長を遂げました。ワイナリー観光でも同様で、従来のリムジンのサービスが4人の客が乗れるセダンで1時間60ドル~くらいだったものが、1時間35ドル~(4人まで。6人までは45ドル~。また距離によって高くなる場合がある)と最大4割も安くなります。例えば1時間40ドルとして朝10時から夕方6時まで4人でツアーに行くとすると、合計320ドル。一人あたり80ドルと1万円程度で済むことになります。
ユーザーにとっては飲酒運転の危険がなく、慣れないところで道を調べる必要もないなど、メリットはいろいろあります。これまでの価格では二の足を踏んでいた人でも、これなら使って見ようかと思う場合もあるでしょう。
サンタ・バーバラがうまくいけば、次はナパやソノマかもしれませんね。
ワインの世界では、今のところ遺伝子組み換えによるブドウは使われていない(詳しくは後述)。したがって、遺伝子組み換えがどうのこうのという議論はほとんどなく、どちらかというと、有機栽培であったり、バイオダイナミクス(ビオディナミ)だったりによる、いわゆる「自然派」をどう評価するかの方が、はるかにワイン好きの心を揺さぶるトピックであろう(なお、個人的には自然派だからワインが美味しくなるとは全く思っていない。美味しいワインが結果的に自然派であることは珍しくないが、だからといって自然派を積極的に選ぼうという考えはない)。
ところで先日、カリフォルニア在住の知り合いのブログに「non-GMO」についての記事が載っていた。
例によって、"GMO"が何かを知らないのに「不健康なもの」という洗脳が進行中のアメリカ。"non-GMO"ラベルの付いた食品が売れている様子。
Organic vs. non-GMO - Hole In The Wall
奇妙なことに、オーガニック(有機栽培)のものは定義上すべて「non-GMO」であるにもかかわらず、もはや「Organic」は「non-GMO」よりもマーケティング的な価値が低くなっているらしい。それで、オーガニック陣営は新たに「Non-GMO & More,」というラベルを付けることを検討しているとか。なんだかもう笑い話のような展開である。オーガニックやnon-GMOという言葉の価値は、健康であったり環境であったりではなく、マーケティングであることを端的に示しているような気がしたのである。
ついでにいうと、この記事について以下のようなやり取りをしており、GMOについてもうちょっとちゃんと知るべきだと思い始めた1つのきっかけとなった。
@andyma 私は応援してますよ、GMO。頑張って無罪を証明して欲しい、seriously :-)
— Naoto Sato (@naotoj) 2015, 8月 20
前置きが長くなったが、そんなおり「レビューズ」から表題の『誤解だらけの遺伝子組み換え作物』の献本を受けた。
本書の編者である小島正美氏は毎日新聞の編集委員。元々、どちらかというと遺伝子組み換えに反対する陣営に共感を持っていたのが、実際に栽培する現場の取材を続けるうちに「転向」して遺伝子組み換え作物についての正しい知識を啓蒙することを目的とするようになった。
前半は国内の学者や農家、ジャーナリストが遺伝子組み換え作物についてさまざまな角度から考察している。後半は『The Lowdown on GMOs』という電子書籍の翻訳。遺伝子組み換え作物に関する論文の精査や、カナダ・米国などの現状の報告などからなる。
本書の内容をまとめると、遺伝子組み換え作物に反対する陣営は、概ね以下のような理由を付けている。
・GMOは健康に害を与える(ラットに与えると奇形になる)
・人為的に遺伝子を変えることは自然の摂理に反している
・GMO栽培は環境に悪い(除草剤に耐性がある作物を栽培すると、除草剤を大量に使うため)
・GMOは巨大資本によって開発されており、農家はそういった巨大資本に搾取されている
このうち健康への害については、奇形ラットの実験を発表した「セラリーニ」氏についてはアンチGMOの立場からはたびたび取り上げられるものの、学術的には完全に否定されており、他のGMOが健康に害を与えるという論文もまともなものはないというのが実情と見られる。
また、医薬品では既に遺伝子組み換えは珍しくなくなっている。特に糖尿病の治療で使われる「ヒトインスリン」は使用実績も長く、糖尿病患者にとってはなくてはならないものだが、それで健康に害が出たという話はないようだ。なお、医療において期待が高いiPS細胞も一種の遺伝子組み換えである。
もちろん、今後登場する遺伝子組み換え作物がすべて安全だとは言い切れない。しかし少なくとも現在生産されているものについて、実際に悪影響を与えている証拠はないと考えるのが自然だ。
二番目の自然の摂理については、生物の進化そのものが遺伝子の変化によるものであることから、人為と自然の違いを分けることは困難である。ある生物に他の生物の遺伝子を組み込むことが不自然と考える人が多いが、それも自然界で実際に起こっていることでもある。
三番目の環境への悪影響については、従来型の農薬を使った農業と比べてむしろ使う薬剤は減っており、悪化しているとは言えない。もちろん有機栽培と比べれば、良くない面はあるだろうが、有機栽培で全人類の食料を賄うのは無理であり、農家にとってもそれは多大な負担を強いることになる。
四番目の巨大資本による搾取については、実際にGMOの作物を作っている農家に取材した話からは、全くそういうことがないと。例えば、ある会社のGMOの作物を作った翌年には、別の会社の作物を選ぶといった選択肢は農家にある。実際にGMOで栽培をする農家が増えているという現実は、少なくとも農家にとっての経済的合理性はGMOにあるということだろう。
本書を読んで感じたのは、遺伝子組み換え作物をいたずらに避けるのではなく、もっと経済的合理性に委ねられるようにすべきだということである。例えば日本において、北海道など農地が広いところでは、農家にとっての労力が少なくなる遺伝子組み換え作物のニーズがあるはずだ。しかし現在はその自由もない。日本の農業のこれからのために、もしかするとこれはとっても不幸なことなのかもしれない。
最後に話をワインに戻そう。実はワインでも遺伝子組み換え作物は研究されている。特に有望視されているのは病気への耐性があるものや、少ない水で育つもの(コーンでは実用化されている)だ。例えばピアス氏病には治す方法がなく、これまでは水際作戦というか、媒介する虫が広がらないようにすることで、病気の蔓延を防いできたが、ピアス氏病に耐性があるブドウが作られれば、労力はだいぶ減らせる可能性がある。
また、少ない水で育つブドウは、旱魃が続くカリフォルニアでは朗報となるかもしれない。
ただ、ここでもやはり反対陣営はいる。先日もアルザスでGMOの実験をしていた農場にバイオダイナミクスでブドウを作っている農民が侵入して破壊したというニュースがあった(Why GMO viticulture isn’t such a big deal | LE PAN)。
ワインは農産物の中でも安いものと高いものの価格差が大きい。750mlのボトル1本が数100円のものから数十万円のものまである。価格差およそ1000倍である。そのため、バイオダイナミクスなどによる農家の労力の増加が比較的価格に転嫁しやすいように思われる。遺伝子組み換えによるブドウができたところで、味が従来のものより少しでも劣っていれば、採用する農家は少ないだろう。したがって、遺伝子組み換えブドウが登場しても経済的合理性から採用されない可能性はかなりある。
だからワインは安全とか、そういうことを言いたいわけではない。あくまでも経済的合理性によって農家が選択できる余地を与えるべきであろうということが言いたいことだ。もちろん、安全性についてはこれまで通りの基準を満たすとして。
本書を読んで、遺伝子組み換えについてもっと正しい知識を持つ人が増えることを期待したい。
1つは赤ブレンドのコンプリケイテッド・レッド。グルナッシュとシラーを中心にしたブレンドです。先日のグルナッシュ・デーから、グルナッシュは個人的に次の課題の1つと思っているので、ぜひ試したいワインです。
もう1つは白ブレンドのアヴェイラブル・ホワイト。ソーヴィニョン・ブランとマスカットのブレンドです。こちらは残念ながら輸入終了とのことで、現在特価になっています。日本では今飲まないと飲めないワイン。
ナパが世界に名だたるワイン産地になったのには様々な理由がありますが、ロバート・モンダヴィが果たした役割は極めて大きいと思います。
今、ナパに多くの観光客が行くのも、ロバート・モンダヴィがワイナリーを観光地として様々な手を打ったからですね。
改めてその功績に感謝したいと思います。
リプトンというと、割と安価で購入できる黄色いティーバッグや、コンビニなどで売っている紅茶ドリンクのイメージしかなかったのですが、昨年からサー・トーマス・リプトンという名のシリーズとして高級茶葉も市販するようになったそうです。
そして、今回はパウダータイプでお湯に溶かして簡単に本格的な味わいが楽しめるロイヤルミルクティーのシリーズを発売したとのこと。
僕はここ数年はコーヒー派から紅茶派へ転向して、毎年20種類くらいのいろいろな紅茶を楽しんでいます。なので、この発表会もとても楽しみでした。
帝国ホテルで開かれた発表会は、エントランスから重厚かつ高級な雰囲気。
今から125年前、1890年にリプトンを作ったサー・トーマス・リプトンの写真もあります。
発表会はまず、サンドアートに合わせてサー・トーマス・リプトンの生涯を紹介しました。サー・トーマス・リプトンは、自らスリランカやインドの産地に行って、自社茶園を作り、品質の高い茶葉を安定供給できるようにしたのが大きな功績だったようです。それによって、紅茶が一部の貴族のものから、だれでも飲めるものになっていったとか。
世界で10人しかいないというマスターブレンダーの江間さん。毎年試験があるそうなので、マスターブレンダーであり続けるためにはたゆまぬ努力が必要そうです。江間さんはそのためお酒も飲まないとのこと。
発表会では、ダージリンの中でも一際高級なクオリティ・ダージリンと、アッサムティが試飲できました。クオリティ・ダージリンはさすがに香り高くおいしい。
発表会後は場所を移して、5種類の紅茶を試飲して自分でブレンドを作るという体験会です。
まずはカップから自分のカップに大さじ1はいくらいの紅茶を移して試飲する体験。ワインのテイスティングと同じで、音を立てて空気と一緒に飲み込むことで香りを引き出すそうです。
紅茶は、サー・トーマス・リプトン・シリーズのクオリティ・ダージリン、普通のダージリン、アッサム、アールグレイ、オレンジペコーの5種です。
クオリティ・ダージリンは、マスカットのような特徴的な香りが顕著です(マスカテル香というそうです)。普通のダージリンはより、紅茶のコクが感じられるもの。
ミルクティなどに使われるアッサムはボディがしっかりした味わい。アールグレイはこの中では唯一香りを付けた紅茶で、柑橘系の香りが爽やかです。オレンジペコーは優等生的。突出した要素はありませんが、バランスよく飲みやすい紅茶です。
この中から2種類を選んでブレンドするのですが、これがなかなか難しい。クオリティ・ダージリンやアールグレイのような香りが高いものは、下手をすると味わいがぶつかって喧嘩してしまいます。
結局、クオリティ・ダージリンとオレンジペコーをブレンドしたのですが、味わい的にはブレンドで良さを引き出すというよりも、無難なおとなしい感じになってしまいました。
おみやげでは新製品のパウダーティもいただきました。これがあなどれないおいしさです。茶葉が細かく砕いて入っているとのことで、ミルクのコクと紅茶のコクがマッチしています。難点は、おいしくてすぐに飲み終わってしまうこと。普通紅茶入れたら30分くらいかけてゆっくり飲むのですが、これは5分くらいで飲み終わってしまうので、美味しいのに満足感が弱いという…
紅茶の世界は、香りの高さの楽しみ方など、ワインと親和性が高いように感じています。昼間の紅茶。夜のワイン。ワイン派の人は、いろいろな紅茶をためしてみると世界が広がりますよ。
多分、単一品種のグルナッシュのワインを飲むのは初めて。これまでは大体シラーなどにブレンドしたものでした。
なので、これがグルナッシュの味わい、というのはまだわからないのですが、シダーヴィルのグルナッシュは、とても上品な味。ピノ・ノワールのような赤系の果実味がありますが、酸味はピノ・ノワールほどなく、日本食によく合う味でした。香りもすばらしい。
船橋の山城屋さんで購入できます。
参考:今年からはノリアに専念します――ナカムラ・セラーズ中村倫久社長
Wassy'sによると、5%ゲヴェルツトラミネールが入ることで、ソーヴィニョン・ブランとしてはやわらかな味わいになっているそうです。日本食を意識したノリアならではの作りなのでしょう。
シャルドネが純米吟醸なら、こちらは"大吟醸"。やらわかく口の中でほどけ溶けていくような柔らかい酸とほんのりと余韻の中に残る果実の甘さはまさにソレ。
ソーヴィニヨンブランといえばもっと酸のしっかりとした辛口なイメージのはずなんですが、このソーヴィニヨンブランでありながら、そこには無いテイストは一体どこから?
その秘密は5%。
なんと、ゲヴュルツトラミネール。
まさかこの後味の余韻は5%だけブレンドされたゲヴュルツから来るものだったとは…。
(Wassy'sメルマガより)
新しいオーナーはワシントンにあるNoble House Hotels & Resortsなど。ナパの River Terrace Innなど18の施設を保有しているそうです。
ワイントレインの従業員などはこれまで通り勤務につきます。
ワイントレインといえば先日、黒人女性らのグループを、車内で騒いだとして、途中下車させ、大きな問題になったのが記憶にあたらしいところ。ただ、売却の話し合いはそれまでにも持たれていたとのことで、今回とは無関係だとしています。
なお、これまでのオーナーだったDeDomenico家は、元のギラルデリ・チョコレートのオーナー。
シエラ・フット・ヒルズではMurphysという町に避難勧告が出ており、ワイナリーがクローズせざるを得なくなっています。Mountain Ranchというジンファンデルの畑は実際に火事の被害を受けてしまったそうです。
レイク・カウンティではShed Horn Cellarsで一部の建物が焼けたなどのワイナリーの被害がでています。
不幸中の幸いと言えるのが、今年の収穫の早さです。大部分の収穫を終えたワイナリーが多いことから、煙によるワインへの影響は、今のところ心配するほどではなさそうです。
ただ、ヴァレーファイアーにしても、まだ15%しか鎮火していないので、今後が気になる状況は続きそうです。
カリストガには避難してきた人たちが溜まっており、Highway29もカリストガより北は通行止めになっています。
また、ナパでも北東部のポープ・ヴァレーやハウエル・マウンテン方面など一部で自主的に避難が行われています。
鎮火の見通しは立っていません。
動画は山火事の脇を車で脱出しながら取った動画。すごい迫力です。
ラジオ・コトーってカタカナで書くとドクターコトーみたい、って思いました(笑)。
ヴェリテは畑や品種などブレンドの妙によって素晴らしいワインを作るのに対して、こちらは単一畑、しかもカベルネ・ソーヴィニヨン100%と方法論は対照的ですが、Wine Advocate誌では最高99点を取っており、実力は折り紙つきです。
また、ナイツ・ヴァレーといえば、これも満点ワインを輩出しているピーター・マイケルの本拠地のあるところ。山沿いの標高の高いところの畑が、素晴らしいカベルネ・ソーヴィニヨンを生み出します。
ヴェリテもピーター・マイケルも4万~5万円くらいはしますから(それでもナパのワイナリーに比べてまだ割安感がありますが)、なかなか手を出せませんが、アナコタは1万円台前半ですから、高級カベルネ・ソーヴィニヨンの中ではまだ何とかなる価格帯です。
畑はヘレナ・ダコタとヘレナ・モンタナの2つ。ヘレナ・ダコタの方が少し標高が低い畑です。現行の最新ヴィンテージは2010。Wine Advocate誌の評価ではヘレナ・ダコタが96+、ヘレナ・モンタナが95+。
ただし、注意がいるのはどちらもとても長熟型のワインであるということ。ロバート・パーカーはヘレナ・ダコタ2010の飲み頃を2013年~2063年!となんと50年の幅で取っており、ヘレナ・モンタナに至っては2023年までは存在を忘れておきなさい、としています。
なので、買ってすぐ飲みたい人には不向きなようですが、熟成させたらきっと凄いワインになるでしょう。
このインターンは、醸造学科の学生で、ナパで就職しようと考えています。今年の収穫時期にとあるナパのワイナリーでインターンをしており、その体験を寄稿した記事です。
ほかのワイナリーに来ているインターンと交流したり、いろいろ楽しそうではありますが、ワイナリーにおける仕事は掃除につぐ掃除。ひたすら掃除だと書いています。
そういえばフリーマンのアキコさんがワイン作りを手伝うようになったきっかけも掃除だと言っていました。ワインメーカーのエド・カーツマンさんが、あまりにもいつも掃除ばかりしているので、掃除だったら手伝えると思ったのが、今ではワインメーカーになってしまったのです。
ワイン作りの最大の敵は雑菌ですから、それだけ掃除が大事なのですね。いいワインになればなるほど、フィルターや清澄も行わないですから、雑菌に侵される危険は大きいのだろうと思います。
それにしても水不足が続く中で、それだけ多くの水を使って掃除をするのは、ちょっとつらいところではありますね。
市場価格は12本で1800ポンドと、2011年とほぼ同等。日本円に換算すると1本当たり2万7885円という計算になります。
この価格はLiv-exによると過去10ヴィンテージで最低レベルです。
ただし、日本市場で見ると、オーパス・ワン2011の最低価格が3万4000円程度。2010年よりも値上がりしています。また、過去10年で見ても2011年が一番高いレベル。日本市場におけるオーパス・ワンの価格は国際市場とは別のメカニズムによって決まっていると想像されます。
また、評論家の評価でみるとジェームス・サックリングは2012年に97点を与えています。これは2010年の96点を超えて過去最高の点数。ヴィナスのアントニオ・ガローニも96点を付けているそうです。
そこの2012年シラー・ヴァーナス(Verna's)が柳屋で税抜き3000円台の特価になっています。
理由はヴァーナス自体の終了によるもの。ヴァーナスはメルヴィルのワインの中でもコスト・パフォーマンスの高さで知られていますが、畑はサンタ・リタ・ヒルズではなく、その北のロス・アラモスにあります。それを売却してしまったため、ヴァーナスは今後(最終ヴィンテージは2013年の模様)作られなくなってしまったのです。
なお、このワイン、Wine Advocate誌のジェブ・ダナックは94点という高い点数をつけています。ヴァーナス・シラーとしては2008年の95点に次ぐ高い点数。価格からしたら信じられないワインであり、買うのに悩む必要はない、と書いています。
このオークションはSonoma Wine Country Weekendのメインイベントとして開催されているもの。Auction Napa Valleyと同様、ワイナリでのディナーなどが含まれた出品が多かったようです。
オークション・ロットの中には、子どもたちの読み書き能力を向上させるために寄付をつのる「ファンド・ザ・フューチャー」といったものもありました。これだけは通常のオークションとは異なり、一番の人が落札するのではなく、それぞれの寄付の総額として落札する形になります。このロットだけで190万ドルを集めました。
大橋健一さんは山仁酒店社長で、読売オンラインにも連載を持っています(旬のワイン)。ワインだけでなく、日本酒でも様々な資格を保有しています。マスター・オブ・ワインの論文は『東京の高級寿司店におけるワインリスト。その現状と変化の可能性』というものです。読売オンラインにもワインリストに関する記事があったので、その辺りの内容が入っているのでしょう。これからのますますの活躍に期待したいと思います。
なお、日本人としては以前、英国在住の田中麻衣さんがマスター・オブ・ワインになっています。また、マスター・オブ・ワインの認定時に日本在住だった人としては、ネッド・グッドウィン氏がいます(現在はオーストラリア在住)。
参考:日本が唯一のマスター・オブ・ワインを失ったわけ
試飲会中央にあったテーブル。ナパのマップが描かれそこで作られているワインが並べられています。面白い試み
今回の試飲会は、10月11月に開催するナパのワインの「バイ・ザ・グラス」キャンペーン向けのワインをレストランに選んでもらうのが主な目的。なのでグラス売りに向かない高額ワインはそもそもほとんど出ていません。その中でも特に5000円以下のワインを中心に試飲しました。なお、この「バイ・ザ・グラス」は毎年春にやっているのとは別物です。春は「カリフォルニアワイン・インスティテュート」が主催。秋は「ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズ」が主催です。
希望小売価格5000円以下で「これは美味しい」と思ったワインを以下に挙げます。なお、試飲会に出ていた5000円以下のワインでも、試飲できていないのも多数あるので、漏れはご容赦あれ。
・ビューラー・ジンファンデル
・クヴェソン・シャルドネ
・フープラ・シャルドネ
・フープラ・カベルネ・ソーヴィニヨン(正式価格は未定ですが)
・テイクン(これは5000円ちょっと超えてますけど挙げておきます)
・エッジ・カベルネ・ソーヴィニヨン
・フューズ・カベルネ・ソーヴィニヨン(これも本当はちょっと5000円超えます)
・スポッツウッド・ソーヴィニョン・ブラン
・パイン・リッジ・ディジョン・クローン・シャルドネ
・ルナ・サンジョベーゼ(あまりサンジョベーゼっぽくはないですが)
・テキストブック・シャルドネ
・テキストブック・メルロー
・テキストブック・カベルネ・ソーヴィニヨン
・ジラード・ジンファンデル
白は少し面白みにかけるかなあというのが正直な感想ですが、赤の5000円以下でも結構面白いものがあったのが今回の収穫でした。皆様も見つけたらお試しあれ。
カリフォルニアでももちろんグルナッシュは作られていますが、グルナッシュを主品種とするワインは極めて限られているのが実情です。グルナッシュでロバート・パーカーから複数回満点をもらっているシネ・クア・ノンのような存在もありますが、これは例外的です。
比較的入手しやすいものを挙げておきます。
また、シダーヴィルを輸入しているミッツィー村田さんはスペシャルセットを販売しています。
せっかくの機会なのでみんなで楽しみましょう。
スワンソンはナパにおけるメルローのパイオニアとして知られているワイナリーです。売却にはブランド、ワイナリー、テイスティングルーム、在庫、一部の畑が含まれていますが、100エーカーにおよびオークヴィルの畑は対象になっていません。今後も創設者のクラーク・スワンソンが畑の面倒を見るそうです。
なお、売却の理由についてはワイナリーの「適切な保護者が必要だ」ったからだそう。クラーク・スワンソンの家族は冷凍食品のビジネスを営んでいるとのことで、後継者問題は、後を引きそうです。
いまどきサマーセール? と思うかもしれませんが、こうなったのには理由があります。
柳屋のメールによると、以下のような展開があったとか。
≪7月11日≫
▼弊社より、毎年恒例、D.C.のサマー・セール開催をお知らせ。
↓
≪7月15日≫
▼僅か四日後、正規輸入元より9/1からの一挙三割もの値上げが発表。
↓
≪7月16日≫
▼その翌日、各方面からの確保発注でインポーター在庫が瞬時完売。
↓ 慌てたインポーターは、緊急で「空輸」にてワイナリに発注。
↓
≪7月17日≫
▼当店在庫も全量完売。一週間でセール終了(涙)
↓
≪8月某日≫
▼緊急「空輸」追加ぶん日本到着。
↓
≪その翌日≫
▼空輸分即日完売。(空輸分は、「つなぎ輸入」のため少量だった)
↓
≪先月末≫
▼「船便」輸入分日本到着。在庫こそ潤沢となったものの、正規イン
↓ ポーターでは、値上げ発表直後に在庫切れを起こしてしまった事
↓ に対するお詫びとして、一ヶ月間、旧価格での出荷継続を発表。
↓
≪で、本日≫
▼当店でもセール再開に至った・・・というわけ。
つまりインポーターからの9月出荷分まではこの価格ですが、その後は3割も値上がりしてしまうのが確実です。ワイナリー価格は33ドルですから3割上がってもまだ格安な感じはありますが、今の激安価格ではなくなります。
そのドコモが、食べることが好きなユーザー向けに作ったサービスが「dグルメ」。その説明会に参加してきました。
dグルメは食べログ+クックパッド+ABCクッキングスタジオからなるサービス。外食を代表するサービスの食べログと、内食を代表するサービスのクックパッド、それに28万人が学ぶというABCクッキングスタジオと、ナンバーワンのサービスを集めた形です。さらに、独自の「ニュース」のコーナーでは話題のレストランだったり、クックパッドの節約レシピだったりといったさまざまな情報が毎日更新されています。
月額料金は400円。はたしてそれだけの価値はあるのでしょうか。
まず、料理を作るところで見ると、dグルメではクックパッドのプレミアム会員(月額280円相当)向け機能である人気順の検索が使えます。クックパッドの最大の難点は、レシピが玉石混交なこと。レシピと自分の味覚が合わないことも少なからずあります。人気順検索によって、レシピの信頼性を上げられます。
また、ABCクッキングスタジオはdグルメ用にオンラインでレシピや料理法の動画を見られるようにしています。特に料理の基礎から学びたい人にとっては、クックパッドよりも役に立つでしょう。
料理を食べる方に関しては、食べログによるプレミアム会員向け(月額300円相当)の2種類のクーポンが利用できます。1つは食事代が20%以上安くなる「プレミアムクーポン」と、ランチが500円で食べられる「ワンコインランチクーポン」です。
ワンコインランチクーポンでは例えばこんな海鮮丼も500円で食べられるのです(銀座の屯という店のもの)。
ワンコインランチについては実際に試してみました。
こちらの店の「鶏塩まぜそば」780円が500円になります。
お店には食券の自販機がありますが、それは使わず、直接お店の人に「食べログのワンコインランチクーポン使えますか」と聞く必要があります。まだ、発展途上のサービスであり、使う人もほとんどいないようで、クーポン発券した後、それを使用済みにしなければいけないのに何も言われない(自分でやりました)など、慣れていない様子が伺えました。ラーメン自体はとても美味しく、500円で食べられたのは有りがたかったです。
ただ、現在地から近くの店が検索できないなど、サービスの作りとしてはまだまだこなれていない感じがしました。おそらく、今後どんどん改善していくのだと思いますが(説明会の場でもテーブルごとにドコモの担当者がついて、質問やサービスへの希望などを聞いていました)。
ワンコインランチは月2回(1つの店は最大1回)までと制限がありますが、これだけでも月額料金の元は取れるので魅力的ではあります。残念ながら、私の職場は繁華街から遠いのであまり恩恵に預かれそうにないのですが。
dグルメ、サイトを使っていると、まだほかにも改善すべきところはあるように思いましたが、一緒に成長していくつもりでサービスを使うのもいいかなあという気がしました。
事件の後、ワイントレインのCEOが謝罪し、次に来たきたときには独占乗車を提供すると約束しました。
これで一件落着かと思いきや、女性たちが恥をかかされたとして、女性側の弁護士が50万ドルの倍賞を求める考えであることが明らかになりました(Napa Valley Wine Train Facing $5M Lawsuit From Black Women)。
正直、ここまでくると強欲に感じられます。女性側は人種差別をされたということを訴求ポイントにするのでしょうが、本質的には人種差別の問題ではないような気がします。
これについてはW.ブレイク・グレイ氏がブログに書いたものが参考になります(The Gray Report: Loud people in wineries or Wine Trains: A socially dangerous dilemma)。
要は落ち着いて楽しみたい人たちと、パーティ気分で来る人たちとの違いということです。女性のグループがワイントレインで大騒ぎをしたとき、周りの人が「ここはバーじゃないんだから」と諌めたのに対して、「いや、ここはバーよ」といって騒ぎ続けたのが、そう考えた根拠と考えられます。
いったいどうなるのでしょうか。
こうなると、むしろセレックの方が安く感じますが、セレックは気難しいワインなので、買っても数年は待たないといけないのがちょっと難点です。本数も少ないので入手はお早めに。
セレック98点で1万5000円台はお買い得感があります。10年以上待てば最高のワインになるでしょう。
ミルズは96点。一番優等生的なイメージがあります。
ド・ヴィリエは95点。高くなってもお買い得です。これも長熟タイプ。
ライアンは94点。今飲むならド・ヴィリエよりライアンでしょう。
ジェンセンは圧倒的に入手困難。この値段でもすぐに売り切れるでしょう。
実は一番お買い得なのはこれ。95点で4000円台は激安レベル。
テルデスキ・ランチの畑。日本にも輸入されているロレンツォ・ヘリテージがここのブドウで作られています。
アマドール郡にあるイソーラ・ヴィンヤードのジンファンデル。糖度は24度にも達しています。
モーガンが一番好きな樹の1つだというもの。エヴァンゲロ(Evangelho)の畑にある自根のマタロ。砂地で、根本あたりの砂が風で吹き飛ばされてしまっています。
ベッドロック・ヴィンヤードの古木から収穫されたもの。多品種が混じっています。
現時点では97点のシービスケット(ゾトヴィッチ)・ピノ・ノワールなどもまだ日本で買えますので要チェックです。
97点の「白ピゾーニ」。わずか6樽の製造です。
シャルドネの「心」はレビューなしですが、97点のイースト・オブ・エデン(ピゾーニ)と96点のスヴニール(シエラ・マドレ)のブレンドですから、美味しくないはずがありません。
ベル・ドゥ・ジュール(ヒリヤード・ブルース)のシャルドネは96点。マーク・オベールを彷彿とさせるという、フルボディのワイン。
ピノ・ノワールでは最高評価となった97点のスエルテ(ソロモン・ヒルズ)
同じく97点のシービスケット(ゾトヴィッチ)
「赤ピゾーニ」は95+。飲み頃になるまで、2~3年は必要そうなワインです。
96点のアティカス(ジョン・セバスチャーノ)。この畑は今後注目になりそうです。
セントラル・コーストは、好ヴィンテージの2013年のワインが中心です。700本近いワインが掲載されているサンタ・バーバラではポール・ラトーのワインに軒並み高評価が付いているほか、カレラ、ブリュワー・クリフトンなどが高く評価されています。
ポール・ラトーはピノ・ノワールのシービスケット・ゾトヴィッチ・ヴィンヤードとソロモン・ヒルズ・ヴィンヤード・スエルテ、シャルドネのイースト・オブ・エデン・ピゾーニ・ヴィンヤードが97点など、95点以上が12種という高評価でした。ピノ・ノワールの「心」は94点。シャルドネの「心」は残念ながらレビューなしです。
なぜかサンタ・バーバラに入っているカレラはピノ・ノワールの単一畑が2012年、その他は2013年のレビューです。ピノ・ノワールではセレックが98点、ジェンセン、ミルズが96点、ド・ヴィリエが95点、ライアンが94点、リードが91点。セントラル・コーストのピノ・ノワールは91点、シャルドネは90点とこちらも安定しています。単一畑のシャルドネも95点と高評価。
ブリュワー・クリフトンではシャルドネのAcin(エイチン?)とピノ・ノワールのハプグッドが96点など。
スクリーミング・イーグルのオーナーが作るワインとして注目されているホナタ(Jonata)、ヒルト(Hilt)では、ヒルトのピノ・ノワール・オールド・ガード2013が93+、同ヴァンガードが91+。ホナタのシラーを中心としたラ・サングレ・デ・ホナタ2012が97点、カベルネ・フランを中心としたエル・アルマ・デ・ホナタが96+など。
また、シャトー・イガイタカハの侍シャルドネに92点、ピノ・ノワールの園にも92点といういい評価が出ています。アルコール度数が16%を超えることから、近年の軽い味わいを求める人には合わないかもしれないという点が指摘されていますが、どちらもフルフレーバーで快楽主義的に美味しいワインであると書かれています。
残り56時間で目標の6割程度と、厳しい状況かと思ったのですが、1日締め切りを延長したこともあり最終日に出資目標を達成。15万ドルの目標のところ16万3792ドルの出資となっています(まだ終了まで時間があるので、もっと増える可能性があります)。
微力ではありますが、私も出資したので、今後のプロジェクトの進行を楽しみにしたいと思います。
その「知恵泉」にも出演されていた『長沢鼎 ブドウ王になったラスト・サムライ』の著者である多胡吉郎さんのセミナーに参加しました。主催は長沢の名前が付いたワインを販売する布袋ワインです。
「ブドウ王」と呼ばれた長沢ですが、「~~王」と呼ばれるには、その分野でただ優れているだけでなく、リーズナブルな価格で優れた製品を出す必要があると多胡さんは説明します。
実際、長沢のワインはさまざまなコンテストで賞を取ったばかりでなく、日本や欧州にまで輸出されていきました。欧州に輸出したカリフォルニアワインとしては最初のものだったと言います。
長沢の生涯については、書籍を読んでいただきたいのでここでは割愛しますが、セミナーではこの書籍の執筆秘話も紹介され、非常に興味深いものがありました。
この本は「ファクション」と言われるような、事実をベースにしながら一部脚色を加えて小説仕立てで書かれています。完全にファクトだけで書かれたノンフィクションよりも、読みやすいのが特徴です。
半面、どこまでが本当でどこからが脚色だかわかりにくいところもあるのですが、本書では少なくともファクトに反するような脚色は入れていないとのことです。
生涯結婚しなかった長沢ですが、本書では一部恋愛感情的な描かれ方をしている部分もあります。もちろん証拠があるわけではないのですが、当時の長沢の状況や書き残したものなどから判断して、そういった描写を加えたそうです。
また、セミナー中に布袋ワインが輸入する「パラダイス・リッジ カナエ・ザ・グレープ・キング シャルドネ」の試飲もありました。
ラベルには長沢の写真が、裏ラベルには簡単に長沢の生涯が書かれています。
ほどよい酸味と適度な樽香があり、とても飲みやすいワインでした。
ファウンテングローブの建物で唯一現存している「ラウンド・バーン」です。
"Fountaingrove Round Barn" by Frank Schulenburg - Own work. Licensed under CC BY-SA 3.0 via Commons.
長沢は1933年に禁酒法が開けた後、わずか数ヶ月でこの世を去りました。その後は、第二次世界大戦に伴う日本人排斥もあり、ファウンテングローブは解体してしまいました。残念なことです。
ベラ・ユニオンはナパのラザフォードにある著名畑ベラ・オークスの隣に位置し、そこに25エーカーのカベルネ・ソーヴィニヨンの畑を持っています。ただ、ワインはここのブドウだけでなくハウエル・マウンテン、スタッグス・リープ・ディストリクト、セントヘレナのブドウもブレンドして作られています。
ワインはカベルネ・ソーヴィニヨンのみ。2012年が最初のヴィンテージです。
ファー・ニエンテの姉妹ワイナリーはほかに、単一畑にこだわるニッケル&ニッケル、貴腐ワインのドルチェ、ルシアン・リバー・ヴァレーでピノ・ノワールを作るアンルートがあります。
タルボットは1982年にカーメル・ヴァレーで設立されたワイナリー。1990年にサンタルシアハイランズに移転しました。1994年に買ったスリーピーホローの畑はセントラルコーストを代表する畑の1つ。ここのシャルドネで世界一の称号を受けたこともあります。また、ローガン、カーリーハートといった人気ブランドも持っています。
今回、ガロに売却した理由は明らかにしていませんが、世代交代的な何かだったのでしょうか。
ガロは近年プレミアムなワインにも力を入れており、今年は既にソノマのJを買収しています。
ワイントレインのCEOが100%ワイントレイン側が悪いと謝罪しています。
シチュエーションからすると、そう持っていくしかないのでしょうね。危機管理のコンサルタントに対応を依頼したそうです。ドラマでやっている「リスクの神様」を地で行くような話ですね。
このプロジェクトについては既に「1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる」という記事で紹介しています。ただ、現在ノ出資額は約8万ドルと、目標の15万ドルには届きそうにありません。
15万ドルに満たない場合もプロジェクトは引き続き行われますが、作る品種の数が減るなどの変更が余儀なくされるおそれもあるかもしれません。
ぜひ、あなたもこの「ポープルシューム」プロジェクトにご協力ください。出資額は最低25ドルから。新たに、59ドル出資でこの畑からの最初のヴィンテージのワインをもらえたり、135ドルで最初のヴィンテージのマグナムと、ブドウの命名権といったものがあります。あなたも夢を追いませんか?
プロジェクトは以下のリンクからご覧ください。出資もこちらから。
POPELOUCHUM VINEYARD: 10,000 GRAPES FOR A NEW WINE | Indiegogo
事件が起こったのは8月22日。読書クラブの友人だという11人の黒人女性グループがナパのワイントレインに乗車しました。
ところが折り返しのセントヘレナ駅で、係員から下車するようにと申し渡されました。警察官も脇に待機していました。
All I have to say is I'm so HAPPY my mother Elaine Morris wasn't on this train cause we might be needing bail money right about now... #lovemymama #shelivesinme #sometimesshecomesout
Posted by Lisa Renee Johnson on 2015年8月22日
女性は非常に恥ずかしい思いをしたとしており、この処罰には人種的な差別も含まれているのでないかと感じ、ソーシャルメディアに投稿しました。
女性側によると、確かに列車の中ではちょっと羽目をはずしたものの、周りから顰蹙を買うほどではなかったといいます。
一方、ワイントレイン側は、何人かの乗客からクレームが来て、途中下車を申し入れたとしています。また、警官が待機していたのは、途中下車のときに、事故などが起きないようにするためだとのこと。
ワイントレインはさらに失策を犯します。この女性のFacebookに自己正当化のコメントをスタッフがしてしまったのです。この投稿はすぐに削除されましたが、女性が「魚拓」を取っていたため、新たな炎上の火種となってしまいました。
Posted by Lisa Renee Johnson on 2015年8月23日
ソノマ・コーストのハーシュ・ヴィンヤーズ(Hirsch)での収穫風景をジャスミン・ハーシュさんがインスタグラムにアップしたものを紹介します。
ブドウの実を摘むピッカーは頭にヘッドライトをつけています。遠くから見るとホタルのようだとジャスミンさんは書いています。なかなか幻想的な写真です。
2枚めの写真は、実際に作業をしているところです。闇の中にヘッドライトの光が輝き、ピッカーたちのハサミの音が響きます。ときおり、歌うような声で、ピッカーたちが声を掛け合うとありますが、どういう感じなんでしょうね。
3枚めは収穫した実の選別をしているところでしょうか。ジャスミンさん、とっても楽しそうです。
理由は、創業者であるスティーブとケイシーのぺぺ夫妻が老齢で引退するため。畑はナパのホール(Hall)が作ったピノ・ノワール用のブランド「ウォルト」(Walt)に15年リースすることになっています。その後はもしかするとクロ・ペペ復活ということもあるかもしれません。
クロ・ペペの歴史は意外と新しく、1994年に土地を購入してブドウを植えました。サンタ・リタ・ヒルズでは9番目の畑でした。1998年に最初の収穫をして、畑を拡張。当初は他のワイナリーにブドウを売っていました。顧客の中にはオー・ボン・クリマ、シドゥーリ、ローリングなど著名なワイナリーが数多く含まれています。
2000年からは息子のウェス・ヘーガンがワインメーカーとなってワインを作ってきました。ウェスは様々な雑誌で表彰を受ける有力なワインメーカーになりました。
今後はウェス・ヘーガンはJ. Wikesというワイナリーでワインを作るとのことです。
また、ローリング、APヴァン、シドゥーリ、リキッド・ファームには今後もブドウを提供するとのことです。
ちょっと気になったので、拡大してみました。
すると、なんと一番下には「Santa Lucia Highlands」とあり、左上には「Pinot Noir」と書いてあります。
ただ、中央下にある「emos」というワイナリーは聞いたことがありません。
それで調べてみたところ、emosは少女時代や東方神起などが所属するSMエンターテインメントの創業者であるイ・スマン氏のプライベート・ラベルのようです。日本で言えばジャニー喜多川さんがワインを作る、みたいな感じでしょうか。
ナパのワインでemosブランドで販売しているものがあったり、以前はフランスのサン・テミリオンでワインを作ったという話も出てきました。カリフォルニアのテメキュラに畑を買ったというようなニュースもありました。サンタ・ルシア・ハイランズ関係のニュースはなかったので、どこかのワイナリーで作ってもらったのでしょうか。ちょっと気になります。
代表的なのがエスカ(Esca)という病気。 ChlamydosporaとTogninia minimaという真菌によって引き起こされます。夏ごろに葉っぱに濃い赤や黄色の斑点が出るのが特徴だそうです。
試算によるとフランスでは畑の12%もがエスカなどの幹の病気に感染しており、毎年5〜6%が植え替える必要があるとか。年間10億ユーロに相当する影響を与えているというから、事態は深刻です。
カリフォルニアも例外ではなく、多かれ少なかれどの畑でも幹の病気は見つかるとのこと。
これらの病気が流行りだした原因はまだ明らかではないのですが、フランスの栽培者では、亜ヒ酸ナトリウムを使った農薬が2001年に禁止されたのが理由ではないかと考えている人が結構いるようです。
また、接ぎ木に使う「オメガ方式」(継いだ部分の形がΩ形になる)がよくないという説もあります。コストは安いのですが、幹の導管を壊してしまいがちだからだとのこと。
このほか、剪定の影響を示唆する人もいます。
ともかく、手をこまぬいていたら、フィロキセラの二の舞になりかねないとのことで、対策は待った無しの状況です。
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特徴は、特に中華街のものが充実していること。
今や中華街でも大人気店となっている皇朝のセットは、うちでもよくギフトに使っているもの。美味しいし、種類もたくさん入っているので喜ばれます。
王府井の焼き小龍包も、今中華街で大人気。行列しています。
江戸清の豚まんがネットで買えるのは今回初めて知りました。ここの豚まんはとにかく大きくて、フカフカの皮が美味しいのが特徴です。
聘珍樓が出ているのも今回初めて知りました。値段は高いですが、品質は中華街でも指折りです。
中華街以外では、行列ができるキムチの店としてテレビでもよく取り上げられる「慶」なんかもあります。
日本で初めてクラフトビールを作ったサンクトガーレンもあります。ここも楽天に出ているのは知らなかったです。湘南ゴールドが入ったフルーツビールはかなり美味しいです。
湘南ゴールドとサイダーのセットなんかもあります。これいいね。
一番高価なのがこれ。50kgあるホンマグロの頭です。66万9600円が46万8720円と20万円以上安くなります!(笑)
というわけで在庫整理のセールです。当然今回限り。ロゼラズのシャルドネが税込み3132円というのは、こういうケースくらいしか考えられないので、お薦めです。
ちなみにオーガスト・ウエストのロゼラズ・シャルドネは通常価格でこれくらい。
カリフォルニアワインあとりえでは6本で送料無料です(クール便代200円は別途)。
普通ワインメーカーが載せる写真はきれいに完熟したブドウばかりですが、そうでないブドウもあるのだよ、ということで3つのブドウの例です。
一番左は、一見なんでもなさそうですが、色が淡く未熟な果実です。このレベルのものは捨ててしまうしかないとのこと。
中央は、かなりしなびてきている様子。レーズン化が始まっています。選果時に弾くこともあるけど、入れてしまうこともあるとのことです。
右側は見るからに実の数が少ないです。春に天候が不順だと、開花が均一でなくこのようなブドウになってしまうそうです。
いくらカリフォルニアの条件が恵まれているからといっても、こういったブドウが全然できないわけではありません。
ナーリー・ヘッド(Gnarly Head)シャルドネ、ガイサー・ピーク(Geyser Peak)メルロー、およびクレーン・レイク(Crane Lake)モスカートが差し止められたワイン。理由は残留農薬が規定値を超えていたとのこと。
ただ、ロシアは政治的に敵対する国の製品販売を禁止してきた過去があり、今回もその1つではないかと見られています。ロシアと米国は昨年ウクライナ紛争が始まって以降、緊迫した関係が続いています。
ロシアは今月、グルジアワインについても安全性の基準に違反したとのことで、両国の輸入に関する合意を振り出しに戻すとしています。
おそロシア。
この映像は1978年のライブだそうで、画質はひどいですが、この難しい曲をライブで歌ってしまうだけでも、ケイト・ブッシュはすごいと思ってしまうのであります。実は、生まれて初めて買ったCDがケイト・ブッシュであり、彼女には結構思い入れがあります。
そんなわけで、少女時代の新しいCDタイトルが「Lion Heart」だと聞いてちょっとびっくりしたのでありました。
少女時代といえば、昨年秋にジェシカが脱退。その後の12月に行われた東京ドームライブには僕も行ったのですが、歌唱力の面では彼女が抜けた穴は結構大きいなあと感じてしまったのでした。
その後に出したシングル「Catch Me If You Can」は、かなりハードな曲調とダンスでちょっと一般受けしにくい曲でした。若干迷走気味なのかと心配になっていたのですが、この7月に出したシングル「Party」と、新アルバム「Lion Heart」では、かなりポップで親しみやすいラインに戻ってきたようです。
これも結構耳に残る曲ではあり、ライブで見るとかっこいいのですが。
Partyは掛け声をいれやすいし、MVではなんと水着も披露。久々のアイドル路線の曲です。
Lion Heartもサビがポップで親しみやすいです。
一方で、Partyとカップリングだった「Check」は妖艶路線。
というわけで、ケイト・ブッシュはもちろん素晴らしいのだけど、少女時代の「Lion Heart」も悪くないよという話でした。個人的にはParty推し。
で、ついでに書くとこのあたりの曲はApple Musicでは聴けません。音楽聴くのはApple MusicよりYoutubeの方が楽しい。
<日時> 2015年9月9日(水)19時~21時
<場所> リヴィエラ青山 2F
東京都港区南青山3-3-3
TEL:03-5411-6660
<会費> 8000円(税別) ー前売りチケット制
<チケットご購入はこちらから>
http://www.hoteiwines.com/go/?Ticket_20150909
カリフォルニアワインがメインではありますが、今回は輸入を始めるチリのワインも登場します。
布袋ワインズが扱っているワイナリーの一覧はこちら。そうそうたる名前が並んでいます。長澤鼎の名のついたワインなんかもあります。
Courtesy NASA/JPL-Caltech
上の写真は8月5日における太平洋の海水温です。白や赤のところが水温が高い部分です。エル・ニーニョが大きな影響を及ぼした1998年の前年同時期の海水温は下の写真。
かなり似たような感じですが、今回の方が白い部分が広い模様です。
今回のエル・ニーニョは現在のところ1950年以降最強のものとなりそうだとのことです。
エル・ニーニョが発生すると、偏西風が強まり、通常メキシコや中央アメリカに雨をもたらす雲がカリフォルニアにまで到達するようになります。
旱魃に悩むカリフォルニアにとっては恵みの雨ですが、一方で、1998年のエル・ニーニョでは洪水や土砂災害で17人が亡くなるなど、災害のおそれも増えます。
どっちに振れても極端な天候になりそうな気配ではあります。
それによると、住民のうち46%がワイナリーに「非常に良い」と評価し、42%が「良い」と評価しているとのこと。合計で88%が肯定的な評価をしています。また、ワインビジネスが地元に良いイメージを与えているかどうかについても83%が肯定的な評価をしており、否定的な評価は2%にとどまっています。
ワインビジネスによる雇用創世や経済活動にについてはナパでは76%、ソノマでは52%が重要だと考えています。
ただし、すべてが肯定的というわけではなく、例えば交通渋滞の原因になっているかどうかについては、ナパで63%がそう考えているといった結果も出ています。それにしても、経済活動のプラス効果を考えている人よりは少ないので、大問題とまでは言えないのではないかという印象です。
そこで米国のスタックテック社が考えた新しいボトルをウォルマートが採用、2014年11月に発売しました。人気レポーターのジュリアナ・ランシックとのコラボで「Xo, G」というのがブランド名です。人気は上々で、スタックテック社の売上は50%伸びているとのこと。
どんなボトルかは下の写真や動画をご覧ください。
1つのボトルは通常の1/4の187ml。飛行機の中で飲むワインと同じ量です。これが4つ積み重なった形で販売されていて、それが9.97ドルです。
積み重なったボトルはプラスチックでラップされていますが、それをはずしてもボトルはつながったままです。ただ重ねているだけでなく、ロック機構があるため、それをはずさなければ崩れることはありません。
外したボトルは上のシールをはがして飲みます。
ワインのパッケージングとしては大いに「あり」ではないかと思います。飲む方にとっては1回分だけを開けられますし、ボトルもなかなかおしゃれな感じです。4つ積み重ねて販売や配送ができるので、従来のワインの売場にも置きやすいでしょう。もっと、高級なワインでも採用すると面白いのではないかと思います。
実際、スタックテック社は4ボトルで30ドルのElectric Sky Wineという新しいブランドも投入しています。
ワインを作る側にとっては、従来のボトルを変えるのは抵抗が大きいでしょうが、大きなブランドはもっといろいろなチャレンジをしてほしいですね。いつまでも750mlのボトルの時代ではないと思います。
例えばビールでも、昔は「大ビン」が当たり前でしたが、今はお店で見かけるくらいですよね。日本酒も一升瓶を見ることはだいぶ少なくなりました。ワインにももっと動きがあっていいでしょう。
ピアス氏病は1990年代からカリフォルニアでも広がったブドウの病気で、ガラス羽シャープシューター(GWSS)という昆虫が媒介します。南カリフォルニアのテメキュラではこの病気のせいで、多くのブドウ畑が壊滅してしまいました。
この病気が恐ろしいのは感染したブドウを治す方法がないこと。これまではGWSSが広がらないように、苗木屋などで木を1本1本チェックしてGWSSの成虫や卵がないかどうかを調べることで感染の拡大を防いできました。
また、ピアス氏病に耐性を持つ接ぎ木用の根の開発も進んでいますが、まだ実験段階です。
今回の新たなアプローチはGWSSではなく、病気を起こす細菌そのものをなんとかしようというものです。
細菌に感染するウイルスを一般にファージ(正式にはバクテリオファージ)といいます。今回はピアス氏病を引き起こすファージを4種類使って細菌の活動を抑制させます。これまでの実験では、ピアス氏病に感染した木にこのファージを与えたところ、細菌の数は減ったそうです。
ルートストックやこういったアプローチがうまくいくことを期待します。
今のところロッキー・ファイアーほどは大きくならなさそうですが、ナパにも近いところなので心配です。
旱魃が続いているので、今後も山火事には注意が必要になりそうです。
「うまさぎっしり新潟の旅」はこちらから
普通のふるさと割の旅行は、旅行社のサイトでクーポンを取得して、それを使って予約する形ですが、新潟の場合は、予約を取ってから県に申し込む形。1アクション加わりますが、その代わり1人1泊最大2万円まで、宿泊費の半額が補助されます。他の県だと4万円以上で最大2万円引きとかのクーポンが多いですが、半額なのでこちらの方がお得度が高いです。今回の旅行でも4人で2万7000円補助が出ます。
ただし、補助額は1月あたり1億円まで。2015年9月から2016年1月までの5カ月のうち、既に10月までは締め切っています。11月も残りわずか。でも1月などはまだだいぶ余裕があるので、スキー旅行などに使うのもいいのではないでしょうか。
このプロジェクトについては既に「1万種の品種を作るランドール・グラームの壮大なプロジェクト、クラウド・ファンディングで出資者募集中、あなたの名前がブドウに付けられる」という記事で紹介していますが、現在1カ月の出資募集期間のうち22日が過ぎました。ただ、出資額は6万275ドルと、目標の15万ドルの40%に現在のところとどまっています。
15万ドルに満たない場合もプロジェクトは引き続き行われますが、作る品種の数が減るなどの変更が余儀なくされるおそれもあるかもしれません。
ぜひ、あなたもこの「ポープルシューム」プロジェクトにご協力ください。出資額は最低25ドルから。100ドル出資すれば、自分が好きな名前を新しいぶどう品種に付けられます。
プロジェクトは以下のリンクからご覧ください。出資もこちらから。
POPELOUCHUM VINEYARD: 10,000 GRAPES FOR A NEW WINE | Indiegogo
シャトー・イガイタカハのワインには、ラベルに漢字を使った漢字シリーズと、家紋をあしらった家紋シリーズの大きく2種類がありますが、グレッグ・ブリュワーは漢字シリーズのワインを作っています。基本的にサンタ・リタ・ヒルズにあるブリュワー・クリフトンと共通の自社畑のブドウを使っています。
ラベルの漢字は杉本さんの奥様美代子さんによるもの。ただし「侍」だけは隆英さんの字を使っています。また、ラベルは上部が白、下部がグレーになっていますが、実は単に上下を分けているのではなく、このラインはサンタ・リタ・ヒルズの背骨ともいえる246号線を表現しているのだそうです。
動画では言及されていませんが、漢字ラベルは元々グレッグ個人のプロジェクトだったダイアトムのために作ったものでした。グレッグが2012年でダイアトムを終了したため、イガイタカハに移管することになりました。そういう意味でも、この漢字シリーズはサンタ・リタ・ヒルズを代表するワインメーカーであるグレッグ・ブリュワーの一番ピュアなワインだと言えるでしょう(グレッグの他のプロジェクトであるブリュワー・クリフトンにはもうひとりのワインメーカーであるスティーブ・クリフトンがいますし、メルヴィルは雇われワインメーカー)。
動画でグレッグは、漢字ラベルのそれぞれのワインにエモーションがあり、それを表現するようなクローンを選んでいると言っています。「侍」の場合、侍の歴史と精神、モチベーションを表現すべく2つのクローンを使っています。1つはクローン4で、こちらはシャープな味わいをもたらします。もう1つはクローン76で、こちらは暖かさや気持ちの豊かさを表現しています。
「園」はクローン37だけを使ったワイン。クローン37は暖かさや優しさを表現するとともに、パワーもあり、ピュアな味わいもあります。なお、クローン37はメリー・エドワーズ・セレクションと呼ばれているクローンで、著名ワインメーカーのメリー・エドワーズがマウント・エデンのワインメーカーだったときに、UC Davisに枝を提供して広げたクローンです。
なお、この動画の完成を記念して、侍と園のセットが通常より2000円安い1万5000円になっています。8月末までの限定。なお、Vinousのアントニオ・ガッローニは侍に93点、園には94点という高い評価をしています。
なんのこっちゃと思う人もいるでしょうから、元の論文も紹介しておきます(Microbial biogeography of wine grapes is conditioned by cultivar, vintage, and climate)。この論文ではワインのブドウに付いているバクテリアや菌類を調べています。付いているバクテリアの種類と、ブドウの種類やヴィンテージ、気候といったパラメータとの、関連を調べると、かなり関係している。つまり、テロワールの違いによってバクテリアのグループ化ができることがわかってきました。
現在のところ、これらのバクテリアがワインの味わいに影響していくのか、あるいは単にさまざまなパラメータの違いによって付いているバクテリアが違うだけなのかはわかっていません。今後の研究で明らかになってくるのかもしれません。
ドミナス2008はWine Advocateでは99点。税込み1万円台はバーゲンです。
ベリンジャーのカベルネ・リザーブも1万2000円と安いです。
ハドソンのシャルドネは7000円。美味しいシャルドネが飲みたい季節です。
ナパに行ったときに、ここに挙げられているレストランに行けば、ワインメーカーに会えるかもしれませんね。
フィリップ・メルカ
特別なとき:Press
カジュアル:Goose and Gander
アイリーン・クレーン(ドメーヌ・カーネロス)
特別なとき:Bouchon
カジュアル:Hog Island Oysters
ティム・モンダヴィ
特別なとき:French Laundry、Auberge du Soleil
カジュアル:Angele、1313 Main、Zuzu
ジェニー・ワグナー(Emmolo)
特別なとき:Press
カジュアル:Ciccio
ダン・ペトロスキ(ラークミード、Massican)
特別なとき:French Laundry
カジュアル:Ad Hoc
キャシー・コリソン(コリソン)
特別なとき:Farmstead
カジュアル:Market
クリス・カーペンター(カーディナル、ロコヤ)
特別なとき:Bistro Jeanty
カジュアル:Cook St. Helena
エリザベス・ヴィアンナ
特別なとき:Bistro Don Giovanni
カジュアル:Rutherford Grill
複数から名前が挙がったレストランはフレンチ・ランドリーとプレス。プレスはワインリストがものすごく充実していて、Inglenookなどレアなオールド・ヴィンテージもあるそうです。400gのサーロインステーキで62ドルなので、料理はめちゃくちゃ高いわけではありません。
また、フレンチ・ランドリーのほかブション、アドホックと、トーマス・ケラーが経営するレストランが3つ入っています。さすがですね。フレンチ・ランドリーは予約が取れないレストランとして有名で、料理も高いですが、ブションやアドホックはそれほど高くありません。ブションであればメインディッシュは30ドル前後からありますし、アドホックは4皿のコースで52ドル。
メルローが見直されているのは、高品質なものが増えてきているから。ダックホーン(Duckhorn)、トゥーミー(Twomey)、フランシスカン(Franciscan)、ルイス(Lewis)、パルメイヤー(Pahlmeyer)、シェーファー(Shafer)など、いずれもナパ産のメルローです。
メルローの復権は数字からも確認されており、2014年はワイン販売額の8.3%がメルローだったそうです。ピノ・ノワールは4.6%。
フランシスカンは、2013年のヴィンテージで初めてリザーブのメルローを作ります。主にレストランでの需要に向けてのものだそうです。また、以前記事に書きましたが、ダックホーンはフラグシップのスリー・パームズ・ヴィンヤードを自社で買い取りました。このように高級メルローに力を入れる動きがあるようです。
メルロー生産者にとっては、この10年は辛い時期だったかもしれませんが、それまで増えていた品質の低いメルローが淘汰されたという点では、必要な痛みだったのかもしれませんね。
このレストランで20年近く働いているのが伊東賢児支配人兼シェフ・ソムリエ。数々の賞を受賞した経験を持ち、ワインスクールでの講師歴も長い、人気と実力を兼ね備えたソムリエです。
ワイン歴やカリフォルニアワインへの思いなどを伺いました。
――ワイン歴を教えてください。
伊東;1989年ころに、名古屋のヒルトンホテルに勤めていて、ワインに興味を持つようになりました。
最初は、白ワインから入って、ボルドーの赤ワインなどを飲むようになりました。最初に買った格付けのワイナリーはシャトー・ランシュ・バージュだったと思います。
また、米国資本のホテルなので、カリフォルニアワインのフェアがときどきありました。それでカリフォルニアワインについても勉強したくなりました。名古屋にサントリーのソムリエ・スクールがあったので、そこに通って勉強していました。
1991年にはソムリエになりました。当時の試験は筆記式でした。ソムリエの番号が651番。「むごい」番号で気に入らなかったものでした。1995年にシニア・ソムリエを取ったときは222番でした。当時はまだ、ワイン・エキスパートもなかったですし、今とは大きく違っています。
――3桁というのは凄いですね。
伊東:バブルがはじけた後だったので、どちらかというといろいろなホテルでソムリエは縮小気味だったのです。ヒルトンでも従業員はたくさんいたのですが、サービス指向の方が多く、ワインの専門職は一人だけでした。
ソムリエに受かった後、コンクールに出たところ、予選を突破して23歳にして「ベストヤングソムリエ賞」をいただきました。
すると外資なので、ワインは全部お前が見ろということになりました。ワインリストを作ったり、業者と交渉したりといったことも自分でやるようになりました。
そこでカリフォルニアワインとも一層触れ合うようになりました。例えばシェーファーのメルローとか、美味しかったですねえ。ケイマスも大好きでした。ケイマスは値段も安くて、ワインバーでのボトルの価格が6000円でした。だからいつも飲んでましたね。
――それにしてもあっという間に出世なさったわけなのですが、ソムリエ職が向いていたのでしょうか。
伊東:昔から歴史、特に世界史が好きでした。ワインについても歴史を紐解いて調べていくのが楽しかったのです。
――カリフォルニアワインの知識はどのように高めていったのですか。
伊東:当時は田辺由美さんの本くらいしか情報源がなかったので、それをバイブルのように読んでいました。また、カリフォルニアワイン・インスティテュートが主催するカリフォルニア・ワイン・コンクールというのがありました。それに出たりもしていました。
1993年には実際にカリフォルニアに行きました。インポーターのジャーディンが主催するツアーに参加して行きました。ボーナスでお金が入るとそういったツアーに参加してましたね。シミ、ドミナス、ドメーヌ・シャンドン、ケイクブレッド・セラーズ、ハイツ、ペドロンチェリ、ソノマ・クトラーなどに行きました。
ワインショップでグッズを買い込むのも楽しかったです。
ところが帰る日の朝方にとんでもないことが起こったんです。近所で大砲を打っているかのような音がして、独立記念日でもないしなあ、と思ったら、ヨントヴィルのガソリンスタンドが爆発していたのです。
いったん避難してくださいというので、近くのデニーズで待機していたところ、町が封鎖されて入れないとのことで、着のみ着のままで帰国することになりました。中には手荷物がパスポートだけという人もいたくらいです。残りの荷物は後日、手元に戻りましたが、大変なことでした。
また、カリフォルニアでは野菜がおいしいことや、気候が地中海性で日本と全く違うことに驚きました。
畑もいろいろ見ましたが、特に丘陵地の畑には魅せられました。
――アメリカのレストランはどうでしたか。
伊東:量は多いですね(笑)。素朴な料理が多いですが、野菜にしても肉にしても素材がいいのは印象的でした。日本人オーナーのレストラン「テラ」は美味しかったです。
発見もありました。ケイクブレッドのオーナーの自宅で「うちのカベルネ・ソーヴィニヨンとチョコレートとダークチェリーのケーキが合うんだよね」と言われて、実際に食べてみたらすごく合っていました。
カリフォルニアって面白いと思うのは、いいと思ったらやってしまえる環境がありますよね。旧世界だと自由がないですから。
――ヒルトンには何年までいらっしゃったのですか。
伊東:1995年までです。その後、「ステーキのあさくま」で会長付きのワインコンサルタントとしてワインの品揃えや、サービスマニュアルなどをやっていました。実験店舗でいろいろやってみました。実際に私がサービスに入ったら、ワインの売上が250%伸びたんです。それで、250%は無理にしても170%くらいでできるように、マニュアルなどを整えました。
その後は、ポメリー・ソムリエスカラシップというコンテストで優勝して、フランスに3カ月留学しました。
戻ってきてからは、タトゥー東京という店で働きました。そこはニューヨークに本店があって、クリントン元米大統領がサックスを吹いたことがあることでも知られています。
そして19年前に、ソムリエ世界一になった田崎さんに請われて、今のシェ・イノで働くことになりました。
――シェ・イノのようなフランス料理のレストランにおいて、カリフォルニアワインはどうなのでしょうか。
伊東:シェ・イノにはワインが大体1万本くらい在庫であるのですが、その中にはカリフォルニアワインも1500本くらいあります。フランスワインの次に多いです。料理本来の味に負けない味わいがあります。
インシグニアとかアルファ・オメガなどが人気があります。グラスでペドロンチェリのソーヴィニヨン・ブランもよく出ます。
実は、あえてオーパス・ワンはおかず、ほかのワインをお薦めしています。オーパス・ワンの品質が悪いということではなく、オーパス・ワンを置くとそればかりになってしまうので、ほかのワインにも目を向けてもらうためです。
――伊東さんにとってカリフォルニアワインはどうでしょうか。
伊東:カリフォルニアにはまた行きたいです。カリフォルニアワインはどんどん良くなっています。また、個人的にロックが好きであり、その親和性もありあす。
カリフォルニアは、旧世界のワインと比べると自由な発想でいいものを作ることができます。ハーランなどは、ビジネスプランを徹底して作っていますよね。どうしてこういうふうにワインを作っているのかがわかると、お客様にワインを薦めやすくなります。
結局、作り手の気持ちを伝えることが大事で、そのワインをお客様に好きになってほしいと思うからです。
――思い出に残っているカリフォルニアワインはありますか。
伊東:10年くらい前に飲んだ、1978年のインシグニアは忘れられない味わいでした。ハイツのマーサズも独特の味わいで記憶に残っています。
関連サイト:Chez Inno-シェ・イノ 京橋
インタビューを終えて:グラン・メゾンのシェフ・ソムリエということでちょっと緊張しましたが、非常にきさくな方で、楽しくお話させていただきました。いつかはシェ・イノで食事をしたいなあと思いました。
●過去のリレー・インタビュー
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
好きなワインを選んでいったら自然派に行き着きました――オーシャンワイン 早坂恵美社長
ロバート・モンダヴィさんに畑で叱られました――桑田士誉(あきたか)さん
プリチャードヒルとメルカに注目しています――ワイン蔵TOKYO中川正光オーナー
今年からはノリアに専念します――ナカムラ・セラーズ中村倫久社長
来日でワイナリーとのコネクションを深めています――中川ワイン 中川誠一郎社長
それでも一般的にはボトル1本数百円というのがビールの相場だと思いますが、中には300ドルを超えるような価格のものもあります。
米国でクラフトビールの先駆け的存在であるサミュエル・アダムスが作るユートピアというビール。現在、Wine-Searcherでの平均価格は300ドルとなっています。
「超高額!!世界の最高級ビールまとめ | おすすめビールまとめ」という記事にはもっと高額なビールも載っていますが、それらは数十本といった極めて限定的な本数だけ作られているもの。
ユートピアは2004年に初めて作られ、その後も不定期ではありますが、作られ続けています。最近では2013年に1万5000本作られており、超限定品を除けば世界で最も高価なビールといってもいいのではないでしょうか。
このビール、樽熟成したものをブレンドして作られます。一番古い樽は1994年にまで遡るとのこと。普通のビールと異なり、泡はありません。アルコール度数は25度もあります。ビールというよりもポートやシェリー、コニャックなどに近い味わいだといいます。食後酒としてちょっとずつ飲むようなビールです。
ボトルも銅でできた極めてユニークなもの。どんなビールなのか味わってみたいものです。
その中で、「究極のトースター」として話題のバルミューダのトースターで焼いた食パンを試食できるブースがありました。
バルミューダのトースターは焼くときに少量の水を入れることでスチームを発生し、ふっくらと焼けるといいます。
普通のトースターで食パンを焼くと、焼きあがった瞬間はいい感じなのですが、1分もするとへなっとしてしまい、美味しさが半減してしまいます。
今回試食したものは、外はパリっと、中はふわっと仕上がっており、文句の付け所がない焼き上がりでした。
なお、パン自体は、銘柄は聞いていませんが、スーパーやコンビニなどで売っているようなごくごく普通の角食パンで、6枚切りくらいの厚さでした。
どうせだったら4枚切りくらいの厚いパンや、パン自体がもっと美味しいもの(例えばセントル・ザ・ベーカリーの角食パンとか)だったら、もっとよかったのになあとちょっと思いました。
でも、バルミューダの実力はさすがです。2万円台はトースターとしては高価だし、一度に2枚までしか焼けないのは我が家では困りますが、二人家族だったら欲しくなりそうです。
balmuda トースター |
先陣を切ったのはやはりスパークリングワイン用のブドウで、ロシアン・リバー・ヴァレーのVineyard Elevenが7月29日に収穫を始めています。翌日にはカーネロスのグロリア・フェラーも収穫を開始。8月3日にはドライ・クリーク・ヴァレーのAmistaがシャルドネの収穫を始めました。
既に、サンタ・リタ・ヒルズなどでも収穫が始まっており、今年はカリフォルニア全域で早い収穫となりそうです。品質的には問題なさそうな今年の状況です。
収穫の早さにはIPOBなど、軽いワインへの志向が強まっているトレンドも関係あるのでしょうか。ちょっとそんなことも想像しています。
ところで、昨日山火事の記事を書きましたが、ゼパルタス(Zepaltas)はレイク郡にソーヴィニヨン・ブランの畑を持っていて、影響が懸念されています。畑自体が火事にあわなくても、煙が立ち込めることによって、ワインにも煙のフレーバーが付いてしまうからです。数年前にはそれで、フィルタリングによって煙のフレーバーを除いたことがあったそうですが、今年はどうなるか。今は状況を見ているようです。
そういえば、マーカッサンも数年前に煙の影響でピノ・ノワールを作るのをやめたことがありました。
避難した人も1万2000人を超えています。3000人近くの消防士が消火にあたっていますが、奥深いところで苦戦を続けているようです。
乾燥しているだけに、火を止めるのは大変そうです。
ボンドのメイトリアークはハーラン系のワインで圧倒的に安いワインですが、それにしてもこれは安いです。米国でも150ドル。
デュモルは1万円以下でいろいろ出ていますが、アイダンのデビュー・ヴィンテージを紹介しておきます。
コルギンのIX(ナンバー・ナイン)エステートは2004年と2006年。4万円台は今からは信じられないくらい安いです。2004はWAで97点。2006は100点!です。2006は試飲したことありますが、無茶苦茶おいしいです。
WA100点の超常連シュレーダーのベクスとファー・トカロンが税抜きでは1万円切るというとんでもない価格です。といってもこれはハーフボトルなのですが、それにしても安いです。
これも今や高嶺の花になってしまったサクサム。1万円前後の価格は大バーゲンです。もうこの価格では買えないでしょう。
さて、そういうときにどうすればいいか。ニューヨークのミシュラン三ツ星レストラン「イレブン・マジソン・パーク」のソムリエは、ボトルの首を熱した鉄の輪で切り取るという荒業を紹介しています。
その後はガラスの屑が入らないよう、漏斗とペーパーフィルターを使って中身を濾してデキャンティング。
最後の最後の方法といった感じですね。
サター・ホームのオーナーであるトリンチェロによると、これまでに販売したホワイト・ジンファンデルの総額は60億ドルにも達するとか。現在でも毎年300万~350万ケースものホワイト・ジンファンデルを売っているとのことです。
ホワイト・ジンファンデルの誕生は偶然によるものでした。発酵が途中で止まってしまい、ピンク色でほのかに甘いワインになってしまったのを、しょうがなくて売りだしてみたら大ヒットになったというエピソードが伝えられています。
ホワイト・ジンファンデルは、ジンファンデルに格下イメージを与えた点でマイナスもありますが、これが売れたおかげで、当時重要視されていなかったジンファンデルの畑が引き抜かれずに残ったというプラスの面もあります。そういう意味では感謝しないといけないですね。
レスベラトロールは、赤ワインぬ含まれる代表的なポリフェノール。いわゆる「フレンチ・パラドックス」(フランス人に心臓疾患が少ないのは赤ワインを多く飲むためだということで、世界的な赤ワインブームを起こした現象)を初め、赤ワインの健康効果と言われるものの大半はこの物質に由来しています。
うつ病は、米国においても重要な病気となっていて、米国内において約1480万人の患者がおり、15歳から44歳がかかる疾患として最多になっています。
近年の研究で、うつ病は脳の炎症によって引き起こされるという説が有力になってきています。そして、この炎症を防ぐのにレスベラトロールが役に立つというのです。
ラットを使った実験によると、大きくて凶暴なラットと共存するラットの中には、うつ病的な症状や、炎症を起こすものがいます。
それに対して、ラットにレスベラトロールを与えながら実験したところ、うつの症状も炎症も見られなかったとのことです。ラットに与えられたレスベラトロールは人間に換算すると赤ワイン6杯分くらいとのことです。
ワインメーカーのポール・ドレイパーがリッジに務めるようになったいきさつなど、さまざまなエピソードが書かれています。また、リッジの抑制の効いたスタイルは、リッジが競争が激しいナパから離れていることで可能になったのではないかと書かれています。
ヴィナスのアカウントを持っていないと、レイティング部分は読めませんが、それでもかなり読む価値があります。
昨年末に、シャトー・イガイタカハを含む、ワインライフ株式会社のワインをいっぺんに試飲する機会があったのですが、その中でも「侍」とピノ・ノワールの「園」の2本のシャトー・イガイタカハのワインが抜きん出ていました(なお、ポール・ラトーの「心」だけは試飲に含まれていません)。なお、アントニオ・ガッローニは侍に93点、園には94点をつけています。
今回のセールはヴィンテージは2012年ということなので、そのとき試飲した2013年とは異なりますが、どちらも好ヴィンテージなので、お薦めなのは間違いないです。
アルファベット順に挙げたものがこちら。
Au Bon Climat
Calera
Chanin
Drew Family
Melville
Qupe
Ridge
Sandhi
Saxum
Tablas Creek
この中で比較的無名なのはChanin(シャナン)でしょうか。グレイ氏が以前から推しているギャヴァン・シャナンという若者のワイナリーで、過去に「弱冠26歳にして2つ目のワイナリを手に入れるGavin Chaninとはどういう男か」という記事を載せています(なお、この記事で書かれている新しいワイナリーはLutum Winesとなりました)。
また、先日の101のワイナリーのトップ4がここにも名を連ねています(オー・ボン・クリマ、カレラ、リッジ、タブラス・クリーク)。どれも有名なワイナリーですが、鉄板の選択といえるのでしょう。
新しいワイナリーですが、カベルネ・ソーヴィニヨンはWine Advocate誌で95点と高評価。ソーヴィニヨン・ブランもWine Enthusiast誌で90点という高い評価です。
先日のWassy'sさんの試飲会にも出ていたので、試飲しましたが、非常にきちんと作られた良いワインでした。
で、私も気付いていなかったのですが、昨年Wine Advocate誌で100点を取った新進気鋭のワイナリーBevan(ビーヴァン)がありますが、その100点のワインの1つが、スカーレットを作っているマガー家の畑のブドウを使っているのです。ロバート・パーカーも「ビーヴァンのワインで圧倒され、マガーの名前を刻み込んだ」と書いています。
それくらい素材のいいワインですから、スカーレットも今後さらに注目を集めるのではないかと思います。そして、現時点ではビーヴァンのワインの10分の1の値段ですから、かなりお買い得になっているはずです。
掲載基準がちょっとわかりにくいのですが、基本的には訪問可能なワイナリーに絞っていると思われます(そうでないと、ハーランだったり、ピーター・マイケルだったりが入っていない理由がよくわからないので)。
その上で、順位はワインのクオリティを中心にしています。ヴィンテージごとの出来不出来の差が小さいことや、コスト・パフォーマンスも考慮に入れているとのことです。
元記事には、101個のワイナリーについてそれぞれの説明がスライドショーで載っていますが、ここではトップ20のワイナリー一覧だけを紹介しましょう。
# 20 Schramsberg Vineyards, Calistoga, Calif.
# 19 Duckhorn Vineyards, St Helena, Calif.
# 18 Bonny Doon Vineyard, Santa Cruz, Calif.
# 17 Corison Winery, Napa Valley, Calif.
# 16 Shafer Vineyards, Napa Valley, Calif.
# 15 Linden Vineyards, Linden, Virginia
# 14 Domaine Drouhin Oregon, Dayton, Ore.
# 13 Matthiasson Winery, Napa Valley, Calif.
# 12 Caymus Vineyards, Rutherford, Calif.
# 11 Littorai, Sebastopol, Calif.
# 10 Robert Sinskey Vineyards, Napa, Calif.
# 9 Leonetti Cellar, Walla Walla, Wash.
# 8 Smith-Madrone Vineyards and Winery, St. Helena, Calif.
# 7 Heitz Cellars, St Helena, Calif.
# 6 Dunn Vineyards, Angwin, Calif.
# 5 Woodward Canyon Winery, Lowden, Wash.
# 4 Calera Wine, Mt Harlan, Calif.
# 3 Au Bon Climat Winery, Santa Barbara, Calif.
# 2 Ridge Vineyards, Cupertino, Calif.
# 1 Tablas Creek Vineyard, Paso Robles, Calif.
どうでしょう。あなただったらどういう順位を付けますか?
ぜひ出資して夢を追いましょう。
Astiはアレキサンダー・ヴァレーに535エーカーの土地を持っており、それも今回ガロのものになります。また、代表的なブランドであるスーヴェラン(Souverain)もガロ傘下になります。
そのランドール・グラームが新たに始めようとしているのが1万種の新しい品種を育てて、そこから次世代のグラン・クリュとなるようなブドウを見つけようというプロジェクト。
例えば、旱魃に強かったり病害に強かったり、あるいはとにかく味が良かったりといった品種を見つけるのが目的です。
畑の場所はカレラのあるホリスターからほど近いサン・ホアン・バティスタの近辺。ランドール・グラームはそこにポープルシュームという畑を作っています。
ただ、現在のところ、開発に必要な費用が賄えないというのが問題になっており、そこでインディゴーゴーというクラウド・ファンディングのサイトで出資者の募集を始めました(POPELOUCHUM VINEYARD: 10,000 GRAPES FOR A NEW WINE | Indiegogo)。
出資額は最低5ドルから。75ドル~100ドルの出資では、新しい品種に自分の名前が付けられて、その品種のカッティング(挿し木用の枝)がもらえるといった特典があります(75ドルのものは既に募集定員に達しています)。このほか250ドルでリリース・パーティに参加できる特典だったり、800ドルでポープルシュームでの4人のディナーが食べられる特典などがあります。
なお、プロジェクトには約10年を見込んでいます。
最後にランドール・グラームからのメッセージをご覧ください。
ブルース・コーンは畑の隣の地所に住み続けるものの、ワイン作りからは手を引き、ドゥービー・ブラザーズなど音楽関係の仕事に注力するとのことです。
Vintage Wine Estatesは家族経営でクロ・ペガス、ヴィアンサ、ジラードなどのワイナリーを保持しています。
Wikipediaによると、このキノコっぽいなにかは
実際は、産膜性酢酸菌のコロニーが形成したセルロースゲルであり、真のキノコのような真菌の子実体ではない。酵母のZygosaccharomyces sp.と酢酸菌のAcetobacter xylinumが主菌相であったことが報告されている。
紅茶キノコ - Wikipedia
とのこと。ナタ・デ・ココも同じような物質でできているので、少なくとも体に悪いものではなさそうです。
ちょっと酸味のある、この飲み物、日本ではとうに廃れてしまいましたが、先日ソノマ在住のカフマン恵美子さんから「米国ではコンブチャ(Kombucha)という名前で流行っている」という話を聞いて、えー!?と思ったものでした。
そうしたら、なんと、会社の近所のナチュラルローソンにも売ってました。コンブチャ。
思わず、店内で確認してしまいました(無断撮影すみません>ナチュラルローソンさん)
一本400円とは、結構強気な値付けですね。フレーバーによって缶の色が異なっています。
日本でもまた流行るのでしょうか?
例年通り、口火を切るのはMumm(マム)。通常は8月の半ばに収穫を始めることが多いのですが、2013年の8月1日、2014年の7月30日と、過去2年もかなり早い収穫開始でした。
今年の7月22日は、1997年の7月23日を超えて、過去一番早い収穫開始だといいます。
収穫を早く始める理由の1つは旱魃。今年はさらに19日、20日に34℃くらいまで気温が上がったことで収穫を早めるそうです。
それだったら電子書籍で読むのはどうでしょう。リーダー持っていなくてもスマホのアプリで読めますよ。
しかも電子書籍版は安いです。『火花』は通常1296円ですが、Kindleや楽天Koboなど電子書籍なら1000円。さらに楽天Koboでは7月26日まで30%引きのクーポンが出ているので、700円で買えてしまいます。最近は文庫でももっと高いのいっぱいありますから、かなりお買い得。
楽天Kobo版「火花」はこちらから
このワインを作っているのは日本人の桃井隆宏さん。
このワインを現在販売しているCWGのページには、以下のように説明があります。
2010年の春、東京・麻布十番にあった「カリフォルニア ワイン ガーデン(CWG)」においてカリフォルニアの気鋭醸造家エド・カーツマン氏と運命的な出会いを果たし、テレビ業界から転身し醸造家への道を志す。
同年の秋から渡米しカーツマン氏に師事、氏が手掛ける「オーガスト・ウエスト」「ロアー」「フリーマン」等で醸造を学ぶ。
カリフォルニアと日本を往復しながら2012年にピノノワールを専門とするプライベートレーベル「アーサーセラーズ」を立ち上げる。
ファーストビンテージのリリースは2014年。今年リリースしたセカンドビンテージはワイン品評会「日本で飲もう最高のワイン」においてプラチナメダルを受賞。
現在はエド-カーツマン氏が手掛ける「オーガスト ウエスト」「サンドラー」でシャルドネ、シラー、グルナッシュ、ジンファンデルなどの醸造にも携わっている。
先日記事を書いたフリーマンのアキコさんが学んだのもエド・カーツマンさんですし、エドさんのワインは日本人の心を打つものがあるのかもしれないです。僕自身もエドさんのワインは大好きです。
このワイン、現在は上記CWGとアーサー・セラーズのオンラインショップでのみ購入できるようです。
価格は税抜き4860円と、かなりお買い得。アーサーセラーズのFacebookページの説明によると、実はブドウは有名なキーファー・ランチから購入しているそうです。キーファー・ランチの名前の使用権をコスタ・ブラウンが握っていることから、それを付けられないとか。
まず、ニューヨークのレストランではワインの持ち込みを許していることはほとんどありません。そして、ワインの価格は基本的に市価の3倍です。これより安く値付けをするソムリエは首になってしまいます。したがってお買い得なワインというのは、在庫整理か、レストランが戦略的に行っている場合にしかありえないのです。
このため、レストランは、値段が簡単に分かるような、知られたワインをリストに置くことを避ける傾向があります。自然派ワインが増えている理由の1つがこれです。
自然派ワインはSO2を使っていないものがあるなど、熟成には不向きなことが多く、早くリリースされる上、新樽もめったに使わないことから、コストが比較的かからなくなっています。したがって値段も安く、レストランにとっても利幅を大きく取りやすいのです。
また、ダルトンはニューヨークの場合、欧州から大西洋経由で直接入荷するため、パナマ運河を通る西海岸よりもコンディションが優位だと言います。それが自然派が強いもう1つの理由になりそうです。
ニューヨークでは、高いワインの需要が多い傾向もあります。例えば200ドルのワインを注文する人は、同じ品質の80ドルのワインには目もくれず、200ドルのワインにしか興味を示しません。
そのため、ニューヨークのレストランはさまざまな価格帯のワインを用意しておく必要があるのだそうです。
西海岸では40ドルから75ドルのワインがリストに多く載っているのとは大きく違います。
このほか、端々に「ヒップ」かどうかという話が出てきます。ニューヨークでワインを飲む人は「ヒップ」なワインを好むのだそうです。
なかなか素人には敷居の高そうなニューヨークのワインシーンです。
エル・ニーニョが起こると一般的にはカリフォルニアでは雨が増え、気温があまり上がらなくなります。近年だと1998年がエル・ニーニョの年として知られています。ワインの品質にとってはエル・ニーニョはマイナスです。
しかし今回は、カリフォルニアを空前の旱魃が襲っている状況であり、エル・ニーニョは水不足を解消するのに役立つのではないかと期待されています。
その目算通りいけばいいのですが、元記事によると、不確定要素が多くてなんとも言えないそうです。
両方とも100点を取ったのがマーカッサン(Marcassin)とピーター・マイケル(Peter Michael)の2つ。これに続くのがオーベール(Aubert)とキスラー(Kistler)、デュモル(DuMOL)の3ワイナリーで、この5つで全部です。
相撲で言えばマーカッサンとピーター・マイケルが横綱で、後の3つが大関クラス。これだけ高評価の割にはデュモルは比較的安価で入手できます。
例えばシャルドネで98点を取った2010年のEstateは日本では1万円を切る価格で売られていました。
今回はピノで98点を取った2012年のFinn(Estateが55%、Occidental Road Vineyardが45%)が1万円台で出ています。
ただし、元々生産量が少なく、日本に入ってくる本数も限られているので、いつでも買えるワインではありません。見つけたときに買わないと、入手できないと思っていた方がいいでしょう。
犯人は、eCellarという顧客管理システムに侵入してカード情報を盗んだ模様。盗まれた数は25万に達するとのことです。盗難時期は5月末。
現在判明している、盗難があったワイナリーは以下のもの。
【ソノマ】
Martinelli Winery, Windsor
Reprise Wines, Sonoma
【ナパ】
Cain Vineyard and Winery, St. Helena
Clif Family Winery, St. Helena
Corison Winery, St. Helena
Charles Krug Winery, St. Helena
Flora Springs Winery & Vineyards, St. Helena
Gemstone Vineyards, Yountville
Heitz Wine Cellars, St. Helena
Jessup Cellars, Yountville
Larkmead Vineyards, Napa
Outpost Vineyards, Angwin
Palmaz Vineyards, Napa
Peter Michael Winery, Calistoga
Pride Mountain Vineyards, St. Helena
Rombauer Vineyards, St. Helena
Round Pond Estates, Rutherford
Signorello Estate, Napa
Silverado Vineyards Winery, Napa
Spring Mountain Vineyard, Napa
Summers Estate Winery, Calistoga
Turley Wine Cellars, St. Helena
【サンタ・クルーズ・マウンテンズ】
Rhys Vineyards, Santa Cruz
収穫の総額は1973円に4000万ドルだったものが2000年には17億5000万ドルに達し、現在では30億ドルを超えるところまで成長しました。特に近年の急成長は2011年の不作の後で、畑の手当を増やしたことが貢献しているとのこと。
地域別に見ると、ナパは2014年のカベルネ・ソーヴィニヨンが1トン当たり6000ドルで、6万7000トンが醸造されました。1995年の3万3000トン、1500ドルとくらべて、量で倍、単価で4倍となっています。特に2005年から2011年はほとんど総額が変わらなかったのに、2012年以降の3年で1.5倍にもなっています。
ナパでは1995年以降、カベルネ・ソーヴィニヨンの作付けが87%増えているのに対し、メルローは25%増、ピノ・ノワールは19%増、シャルドネは21%減となっています。
ソノマではピノ・ノワールの価格は1995年のトン当たり1000ドルから2014年には3250ドルと3倍以上に高騰、量も1万3000トンから4万7000トンへと4倍近い伸びになっています。
その結果、総額で見るとナパのカベルネ・ソーヴィニヨンよりも急激な成長を示しています。特に2005年から2011年は8500万ドルでほぼ一定だったのに対し、2012年には1億6000万ドルと一気に増えました。
2011年の不作の後の2012年の反動は、想像していた以上のものがあったようです。
元記事には他にもデータが掲載されていますので興味がある方はご覧になってください。
米国では20ドル弱くらいの価格ですから、日本の2000円台は元々高くないのですが、「酒のさとう」ではさらに期間限定で送料無料、しかもクール便込みとなっています。これで税込み2100円台は激安です。
同梱も送料無料になりますから、自社畑の「マウント・ハーラン・シャルドネ」と飲み比べて見るのもいいかもしれません。ちなみにこちらはWine Advocate誌で94点。これで4000円台もかなりの安さです。
新しい入居者になりそうなのは料理学校として有名なカリナリー・インスティテュート・オブ・アメリカ(CIA)。現在はナパのセント・ヘレナにグレイストーンという元ワイナリーの建物を持っています。CIAはCOPIA後でも教室を開くほか、料理グッズの博物館や、ヴィントナーズ・ホール・オブ・フェイム(カリフォルニアワインの名誉の殿堂)の展示にもしていく意向。なお、グレイストーンも使い続けます。
COPIAの再開発については、シアトルのトライアド・デベロップメントという会社が引き受けていたものの、詳しい内容は決まっていませんでした。
今回はファースト・ストリートの北側をCIAが買い取り、南側をトライアドが買い取って、ショップやレストラン、家屋などにしていくとのこと。再開発全体は4〜5年かかりますが、CIAはすぐにでも入居するそうです。
COPIAは元々、ワインと食事、アートの融合を目指して作られたので、CIAによって元の姿に近くなるとも言えます。実際にCOPIA建設時にCIAはロバート・モンダヴィからアプローチを受けたそうです。そのときは時期尚早として断ったのが巡り巡って、復活しそうです。
これでうまく行けば、天国の故ロバート・モンダヴィさんにとっても本望ではないでしょうか。
ラインストーンは12色から選べ、ミックスしたものも選択できます。
また、デザインはウェディングや出産など、シチュエーションごとにいろいろ用意されています。
女性へのお祝いに使ったら喜ばれそうです。
ちなみに、スパークリングワイン以外のワインや日本酒、さらには焼酎のボトルのデコも用意されています。日本酒や焼酎はスワロフスキーとはミスマッチなような気もしますが、一升瓶だと迫力はありますね。人気の獺祭もありますよ。
ワグナー家のワインとしてはケイマスのほか、さまざまな品種をブレンドしたコナンドラムや、サンタ・ルシア・ハイランズで作るメル・ソレイユなどが知られていますが、メイオミについては知らない人が多いのではないでしょうか(なお、日本でも販売しています)。それもそのはずで、2006年が最初のヴィンテージ、という短い歴史のブランドなのです。それがまたたく間に50万ケースを超える大ヒットブランドになってしまったのです。
ワイン・スペクテーターのコラムニストであるマット・クレイマーがこれについて分析した記事を書いています(What Does the Meiomi Sale Tell Us About the American Way of Wine? | Drinking Out Loud | News & Features | Wine Spectator)。
彼によると、ヒットの理由は「甘さ」だとのこと。実際、残糖がどれだけあるのかはわかりませんが、マット・クレイマーは、このワインの最大の特徴は「甘さ」だと感じているようです。
古くは有名なケンダル・ジャクソンのシャルドネに始まり、米国で大ヒットするワインはどれも甘さが特徴となっているとクレイマーは指摘しています。それに「ピノ・ノワール」という高貴さを感じるぶどう品種とが相まって、大ヒットにつながったそうです。
ちなみに、メイオミはピノ・ノワール100%ではなく、97%程度。残りはリースリングやグヴェルツトラミネール、シャルドネ、グルナッシュなどだそうです。そのあたりも人気の秘密なのかもしれません。
私はちょっと遅れていったのですが、それでも多分100種類近くのワインを試飲しました。普段は飲まないカリフォルニア以外のワインなどもこの機会にと思っていろいろと試してみました。
その中で、これはと思ったワイン10本を紹介します。
●パトリック サリヴァン パブ ランブルスコ NV
最初からいきなり「変な」ワインですが、オーストラリアやニュージーランドの一風変わったワインを数多く輸入しているワインダイヤモンズが輸入しているオーストラリア・ワインです。ランブルスコを使った微発泡の赤ワインで、ボトルは500ml。王冠で閉じられています。
これが口当たりがよく、ぶどうジュースのようにすいすい飲めてしまいます。500mlでもあっという間に飲みきってしまいそうな危険なワイン。夏に冷やして飲むのに最高だと思います。SO2不使用とのこと。
●レコール No. 41 メルロ [2011]
ワシントンのメルローです。カリフォルニアのメルローにありがちなだれたところが全くなく、メルローの良さが素直に出たワイン。正直、これ飲んでメルローはワシントンにかなわないなと思ってしまいました。
●ドメーヌ・セリーヌ ピノノワール エヴェンスタッド リザーヴ [2011]
オレゴンらしい品のいいピノ・ノワール。値段は安くないですが、それだけのことはあります。いつも飲みたいというのではないですが、たまにはオレゴンもいいなあと思いました。
●シャトー ミラヴァル ロゼ[2014] ジョリー ピット&ペラン
ブラッド・ピットが南仏で作るロゼです。有名過ぎて手垢が付いた感じもありますが、品質は十分。2000円台で買えるのだから文句のつけようがありません。セラーに入れにくそうなボトル形状が最大のネックでしょうか。
●マウント ディフィカルティー ワインズ ローリング メグ ピノノワール[2013]
ニュージーランドのピノ・ノワールです。え、これで4000円(参考小売価格)?と思ってしまった高品質なピノ。実売は3000円台だからさらに驚きです。
●リヴァース マリー ピノノワール スーマ オールド・ヴァイン [2013]
やっと出てきたカリフォルニアワイン(笑)。リヴァース・マリーのワインはどれも美味しいですが、中でもこれはトップキュベ的なワイン。豊かな果実味はカリフォルニアならではですが、冷涼な地区のワインなので、きゅっと引き締まってタイトな印象もあります。熟成したらむちゃくちゃ美味しくなりそうなワインです。
●テイクン レッド ナパ・ヴァレー[2012]
噂のテイクンですよ。美味しいですね。1万円くらいするのかと思ったら5000円台でちょっとびっくり。コスト・パフォーマンス高いです。デザインも高級感があるので、お持たせにもいいかも。
●ピラミッド・ヴァレー・ヴィンヤーズ カルヴァート ヴィンヤード ピノノワール[2010]
今飲んで美味しいピノ・ノワールということではこれが一番だったかも。Wassy'sの鳥居さんのお薦めだったのですが、よかったです。
●スターレーン ロゼ 2014
非売品のロゼです。ワイナリーの人が自ら抱えて持ってきたそうな。味的にはミラヴァルよりこっちの方が好きでした。
●ロコヤ カベルネ・ソーヴィニヨン NVVA オークションラベル1997
こんなの美味しくないはずがないですよね。熟成もいい感じに進んできていて、でもまだ溌剌としたところもあり、言うことないです。ごちそうさまでした。
ホワイトハウスからの打診は実は6年前にあったとのこと。ダニエルさんという専属のソムリエ(ワイン・ディレクター)から直々に電話をもらって、フリーマンのワインを使いたいと言われたといいます。電話を受けたアキコさんは当初いたずらでは、と思ったそうですが、ホワイトハウスにワインを納品したことがある周囲のワイナリーに聞いたところ、確かにその人はホワイトハウスの人だとのこと。しかし、結局実際のワインのオーダーがあったのは6年後の今年のことでした。ワインのサンプルを所望されて送った後、シャルドネを8ケース注文されたそうです。しかし、実際に何に使うのかは1週間前くらいまで知らされなかったとのこと。また、ホワイトハウスから公式の発表があるまでは口外無用と厳しく言われたそうです。
今回の目玉の第一弾は、そのホワイトハウスで使われたのと同じ2013年のシャルドネでしたが、このほかの目玉として、初登場の自社畑のピノ・ノワールも登場しました。
フリーマンは設立当初から、さまざまな畑と契約してブドウを供給してもらっていましたが、2006年にワイナリーの周囲に8エーカーのピノ・ノワールを植え付け、グロリア・ヴィンヤードと名付けました。グロリアという名前は、土地の以前の持ち主の名前であり、またアキコさんがご主人と出会ったきっかけとなったハリケーンの名前でもあったとのことです。
最初のうちはこの畑のブドウはロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールに使っていましたが、2013年に初めて単一畑としてワインを仕上げました。この日のピノ・ノワールとしては2011年のアキコズ・キュベと並んで1ランク上の味わい。特にグロリアは酸のトーンが高く、凛とした印象がありました。
フリーマンのワイナリーには上水道が来ておらず、生活水はすべて井戸水を使っています。畑のしみとおった水がそのまま井戸水となることから、畑は農薬を使わず、有機栽培を行っているそうです。
自社畑としては、このほかにワイナリーから6.4km海よりのところに「ユウキ・ヴィンヤード」を2007年に始めています。こちらもピノ・ノワールのみ。こちらはソノマ・コーストのAVAになります。2014年にはこちらも単一畑のワインになる見込み。アキコさんは冷涼なピノ・ノワールが好きなため、好みで言えばグロリアよりもこちらだそうです。
これらによって5000ケースの生産量のうち約7割は自社畑になるそうです。生産量は変わらず、自社畑が増えた分、契約畑は減らしているとのこと。
ワイン会では国内未発売のロゼも登場しました。フリーマンではピノ・ノワールを作るときに醸造を始めてから2日たったところでジュースの一部を抜き取ります。それによってよりスキンコンタクトを高めて味わいを抽出できるそうなのでうが、このときに抜き取ったジュースで作ったのがこのロゼです。ワイナリーに来た人にだけ出していたワインだったのですが、美味しいのにどうした売らないのかと言われて販売するようになったとのこと。フレッシュでエレガントでとてもおいしいロゼでした。
フリーマンのワイン、当初はエド・カーツマン(現サンドラー、オーガスト・ウエスト)がワインメーカーでしたが、アキコさんは掃除の手伝いから始まって2010年にはワインメーカーとして独り立ちしました。アキコさんは今でも「エドさんに教えてもらったとおりにやっているだけだから」と謙遜しますが、既にフリーマンとしての味わいを確立したように思います。自社畑が増える来年以降も楽しみです。
この蛾の幼虫は名前の通り、ブドウの葉を葉脈だけになるまで食べ尽くしてしまうそうです。結実への影響やカビ害などの悪影響もあるとのことで、6月24日に成虫が見つかって以降、ナパ郡は、ブドウ農家などに幼虫の発見を依頼しています。
なお、ここでは写真は載せませんが、「Western Grapeleaf Skeletonizer」で画像検索すると、かなり気持ち悪い写真が見られます。幼虫は黄色と紫の原色で、きれい、と思う人もいるかもしれませんが。
僕は今、画像検索のページを見て、かなりぞわぞわしています。
レインボーはLGBT(レズビアン、ゲイ、バイセクシュアル、トランスジェンダーの頭文字を取ったもの)を象徴する色だからというのがその理由です。
カリフォルニアは言うまでもなく、以前よりLGBTを認める風土が強いところですが、中でもソノマはLGBTフレンドリーな地域として知られています。
例えばGay SonomaやOut in the VineyardはLGBT向けのソノマの観光案内のサイトです。また、6月にはゲイ・ウイークエンドも開催されています。もちろん、ソノマで結婚式を挙げることもできます。
LCBTの方は旅行先としてソノマを候補にしてみてはいかがでしょうか。
ハーランは中川ワインが輸入していますが、プロモントリーては未輸入なので、並行輸入品です。また、ハーランはワインの出所を明らかにするため、ラベルにシリアルコードを埋め込んでいるとのこと。その気になれば、このワインがどのメーリング・リスト・メンバーから漏れたのかなど、調べられるそうです。
初登場でWine Advocate97点を取った実力はいかがでしょか?
Jordanではカベルネ・ソーヴィニヨンで清澄を行いますが、必ずしも毎年やるわけではなく、タンニンが強いヴィンテージなどで味わいをまろやかにするために使うとのこと。近年では2011~2013年は清澄を行っていますが、その前2008~2010年はしなかったとのこと。
清澄に使う玉子は1樽あたり75個。1ヴィンテージでは2200個になるというから、結構な数ですね。残った卵黄で作るアイスクリームが美味しそうです。
ワインについては以前の記事「ポール・ラトーの「心」に新ヴィンテージ、ソーヴィニヨン・ブランとロゼを追加」に書いていますが、2013年のシャルドネに加え、2014年のソーヴィニヨン・ブランとロゼが出ています。ピノ・ノワールは秋のリリースになりました。
シャルドネは1200本の生産のうち360本が日本向け。2013年は2012年よりもいいヴィンテージと見られていますから、Wine Advocate誌で96点を取った2012年よりも期待できるかもしれません。
ソーヴィニヨン・ブランとロゼは2014年で、600本すべてが日本向け。米国で売られている2014年のロゼ「Manga Girl」はWine Advocate誌で92点を取り「素晴らしいロゼで、最近飲んだものの中のベストの一つ」とレビュアーのジェブ・ダンナックは書いています。ロゼ好きなら逃したくないワインでしょう。
これまでは道路からエントランスが見られるだけだったのが、建物の中まで見られるようになります。現在のところ78のワイナリーと10のブルワリーが入っているとのこと。
以下は画面のいくつかです。
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ナパの2005年(一部ソノマのボルドー系ワインもあり)では9本が満点。そのうち1本(ヴェリテのラ・ジョワ)を除いては、今回新たに100点になったワインでした。
とはいえ、銘柄的には100点の常連ばかりです。ヴェリテ(Verite)ではラ・ジョワ(La Joie)のほかル・デジール(Le Desir)も満点。このほかシュレーダー(Schrader)のオールド・スパーキー(Old Sparky)とCCS、ハンドレッド・エーカー(Hundred Acre)のアーク・ヴィンヤード(Ark)とカイリ・モーガン(Kyli Morgan)。ロコヤ(Lokoya)のマウント・ヴィーダ―(Mt Veeder)。エイブリュー(Abreu)のトレヴィロス(Thorevilos)とコルギンのカリアド。
目立つのはまず、ヴェリテ2本とロコヤで3銘柄100点を取ったケンダル・ジャクソン・グループ。コルギンのカリアドはエイブリューの畑を使っていますから、こちらも合わせて2本が満点。
満点以外ではソノマのナイツ・ヴァレーにあるアナコタ(Anakota)が99点を取ったのが目立ちます。高額ワインがひしめくなか、これは100ドルしないワインです。
アナコタはヴェリテのワインメーカーであるピエール・セランのワイナリー。つまりこれもケンダル・ジャクソン・グループです。日本にも輸入されていましたが、現在は扱いがないようです。
どんなグッズなのかは、まず写真を見てください(Ülloのツイッターおよびインスタグラムから)。
Wrapping up another awesome night of intro-ing Üllo to wine lovers. Can't wait for the next one! #wine @MNML_Studio pic.twitter.com/FdHp9gV14w
— Ullo (@UlloWine) 2015, 6月 17
Healthtech startup @UlloWine wants to make your wine a little more health-conscious http://t.co/rUtd768jYj pic.twitter.com/y97aXENloo
— Blue Sky Innovation (@ChicagoBlueSky) 2015, 5月 15
デカンターの上に乗っているコーヒーフィルターみたいな「ポッド」が本体で、これによって酸化防止剤(SO2)だけを取り除くとのこと。ポッドは1つがワイン1本分で、残念ながら1回しか使えません。価格は量産時に2.5ドルを目指しています。
酸化防止剤は、ワインを飲んだときの頭痛の原因ではないかと想像している人がたくさんいますが、実際には頭痛のほとんどは酸化防止剤が原因ではありません。ただ、酸化防止剤アレルギーの体質の人もわずかながらいます。
ウーロを使うと、ワインの中の酸化防止剤は10ppm以下になる(これは醸造中に自然に作られる量と同じくらい)とのことですが、完全に除去はできないので、アレルギー体質の人には向かないかもしれません。
冒頭に紹介した記事ではワイン・ジャーナリストのW.ブレイク・グレイ氏が、シャルドネとピノ・ノワールでウーロを使ったワインとそうでないワインを試飲しています。
彼の感想としては、シャルドネはウーロを使っていないものの方が、熟成香などもあり、好ましく感じたとのこと。ピノ・ノワールはウーロを使った方がフレッシュな味わいで美味しかったそうです。
ウーロの開発者であるジェームズ・コーナッキ氏によると、一般には白ワインの方がウーロを使ったものが好まれる傾向が強く、赤ワインでは意見が割れるそうです。
あなたはこのグッズに300円払いますか?
今年のナパの雨量は500mm程度。雨が降ったタイミングもよかったことから、ブドウへの悪影響はほとんど出ていないとのことです。
その理由の一つにはTuleという新しいシステムもあります。UC Davisで開発されたこのシステムはブドウの葉が蒸散する水蒸気の量を測定し、適切な灌漑の量を決めるというもの。1つのセンサーに年間1500ドルほどかかりますが、それで10エーカーをカバーできるとのことです。
このほか、海水温が上がったことにより、湿度がわずかながら上昇していることもブドウにとってはよいそうです。
セントラル・ヴァレーなどはもっと大変な状況があるだろうと思いますが、ナパは比較的恵まれた状態と思われます。
首都圏
Grahm's Cafe (グラムズカフェ) | カリフォルニア |
BEER&WINE GRILL銀座ライオン | 洋食 |
熟成肉専門 但馬屋 虎ノ門ヒルズ | ステーキ |
レストラン インディゴ | カリフォルニア |
ディズニーアンバサダーホテル エンパイア・グリル | カリフォルニア |
関西圏
ワインバー&レストラン ブルディガラ | フレンチ |
東心斎橋 イルピアット | イタリアン |
トップ オブ キョウト (リーガロイヤルホテル京都内) | フレンチ |
ビストロ・カフェ・ド・パリ | フレンチ |
ガミーラ | イタリアン |
グループ賞
日比谷Bar | バー |
アイマニア / マルガリータ、ビストロvinvin | イタリアン |
ということで昨年(カリフォルニアワイン バイ・ザ・グラスキャンペーン優秀店が発表される)と受賞店が全く変わっているのが面白いところです。
多くの店でアンコール・プロモーションとしてバイ・ザ・グラス・キャンペーンと同じ内容のものを7月上旬まで提供しています。
時期などはこちら(冒頭のリンクと同じです)をご参照のこと。
こちらがインポーターごとのリスト
先日紹介したスカーレットや、大好きなベッドロック、さらにはリバーズ・マリーの「スーマ」なんてすごいワインもあります。新進気鋭のテイクンも出てますね。
カリフォルニア以外に、オレゴンやワシントンも充実しているし、Wassy'sが得意とするニュージーランドもたくさんあります。僕はこの機会に、このあたりを中心に試飲したいなあと思っています(申し遅れましたが、私も参加させていただきます)。
このほか、Wassy'sブースではスペシャルワインが数々提供されます。
今、明らかになっているのだと
2000 SINE QUA NON THE BOOT White
1997 LOKOYA CS ナパヴァレーオークション限定品
1999 JOSEPH PHELPS ナパヴァレーオークション限定品
ニュージーランドからは
1996 Morton Estate Black Label Hawkes Bay Chardonnay
2000 Puriri Hills Clevedon Estate
LOKOYAの97なんて素晴らしいでしょうね。もちろんジョセフ・フェルプスも。言わずもがなですが、どちらもWAで100点を取ったことがある超一流ワイナリーです。もちろんSine Qua Nonも!
★日時★ 7月9日(木)夜7時スタート
★場所★ PATINASTELLA(パティナステラ)さん
東京都渋谷区神山町11-15 神山フォレスト1F
★参加費★ 10,000円(税込)
申し込みはこちらから。
楽しみましょう。
参考:
キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ
スティーブ・キスラーの新ワイナリは、ちょっとガセっぽかった
キスラーの新ワイナリ、さらに続報
その後、キスラーのワインメーカーの座もジェイソン・ケスナーに譲り、キスラーからは実質的にほとんど手を引いてしまいました。
一方で、新ワイナリーのワインは高評価を受けています。キスラーのピノ・ノワールについては、以前から熟成能力に不満を持っていたスティーブ・キスラーは、大分違う作りを目指しているように感じます。
パーカーがスティーブ・キスラーの「オキシデンタル」に高評価
そのオクシデンタルのWAで98点を取ったSWKとキュベ・エリザベスが柳屋に入っています。新しいスティーブ・キスラーのワインに興味がある方はぜひ。本数はごく限定です。
この記事では(1)ビール向けのタンブラー、(2)小さめのワイングラス、(3)ボルドー向けのワイングラス、(4)ブルゴーニュ向けのワイングラス、の4種類のワイングラスで「スーパーでワンコインくらいのカジュアルな国産ワイン」、「華やかな香りが特長の軽めの輸入ワイン」、「力強い味わいの輸入ワイン」を試しています。
カジュアルな国産ワインとして選ばれたのは「酸化防止剤無添加のおいしいワイン 赤」。これがいわゆる日本産のブドウを使った「日本ワイン」なのかはわかりません(多分違うでしょう)。軽めの輸入ワインは「ジョルジュ デュブッフ ボジョレー 2013」。力強い輸入ワインは「ロス ヴァスコス グランド レセルブ 2013」、チリのボルドー系ワインです。
結論から言うと、無難なのは(3)のボルドー向けグラス。写真からすると、おそらくリーデルのVinumシリーズのボルドーでしょう。(4)のブルゴーニュ向けグラスは、香りのボリュームは一番強く出るが、一方で、バランスが取れない味わいに感じられがちだとのこと。
これはわかりますね。ブルゴーニュ向けのグラスはやっぱりある程度いいピノ・ノワールでないと力を引き出せないような気がします。
また、この記事では触れていませんが、グラスの大きさだけでなくガラスの厚みなどによっても味わいは大きく変わることが知られています。ガラスが薄いものの方が美味しく感じられます。
そういったもろもろを勘案して、やっぱりリーデルのVinumのボルドーは何か一つグラスというときには一番役に立つグラスでしょうね。ステムのない「オー」シリーズも味わいはほとんど変わらないのでカジュアルなシチュエーションでは便利です。
あと、最近評価急上昇中のZaltoも気になります。ちょっと値段高いですけどね。
リーデル (RIEDEL) VINUM ヴィノム ボルドー 6416/0 |
パシフィックワインセラーズではこのワインの大ヒット記念として、超品薄のヴァーナー単一畑ものの「隠し在庫」を放出しています。
ところで「エル・カミーノ」の情報を探していたら面白いブログ記事を見つけました(2013 Varner Chardonnay – El Camino Vineyard, Santa Barbara County | The Wine House San Francisco)。The Wine Houseというサンフランシスコのワインショップによるものです。
この記事によると、ヴァーナーがこの新作を作った理由は、これまでのワインがあまりにも品薄で、ワインが欲しいという人に「もう売るものがないんです」と伝えるのが辛くなったからだとか。人柄が伺えるようで面白いです。僕もメールで問い合わせてみようと思いつつ、忘れていました(今度送ってみます)。
味わいは、ヴァーナーの特徴とも言えるきれいな酸を持ちながら、サンタ・バーバラ特有のトロピカルフルーツの風味があるそうです。これまでのヴァーナーの延長線上というよりも、このワインとしての味わいを楽しむのが良さそうです。
安さの秘密は、このヴィンテージが最後になること(シドゥーリがケンダル・ジャクソン・グループに買収された副作用のようです)、米国での納品先の予定がなくなってしまったこと。余ったものを全量日本のインポーターが輸入したそうです。
というわけでもちろん、インポーター在庫限りの破格値。お早めにどうぞ。
写真はマウント・ヴィーダ―にあるラジエ・メレディス(Lagier Meredith)の早朝の風景。ちょうど朝日が登ってくるところです。きれいですね。
ちなみに英語ではsea of cloudsと言うようです。
The summer solstice countdown begins
Posted by Lagier Meredith Vineyard on 2015年6月17日
先日、本ブログで京橋ワインでの同ワインを紹介したところなので、確認したところ、残念ながら柳屋の方は税抜きで2980円。税込みだと3218円でした。京橋ワインは税込みで2700円なので500円の差があります。
というわけで一応柳屋のリンクも貼っておきますが、今のところは京橋ワインをお薦めしておきます。リースリングと併せてどうぞ。
東日本大震災を契機に始まったイベントで、義援金は共生地域創造財団やPeace Projectなど、東北復興のために寄付されます。パーティでも東北の食材を生かした料理などが提供されます。
場所は東京・神楽坂のアグネスホテルアンドアパートメンツ東京。
日時は
1日目 2015年7月10日(金) 19:00~21:30開催
開場・受付スタート18:30〜
2日目 2015年7月11日(土) 17:00~19:30開催
開場・受付スタート16:30〜
となっています。参加費はいずれも1万円(税込み)。
申し込みはワインエイド | 申込フォームから。
ワインは100種類以上が提供されるほか、プレミアムワインは有料とはいえ格安でグラス販売されます。また、とてもお買い得なチャリティーワイン福袋は毎年大人気です。
カリフォルニアワインのインポーターも多数参加されるイベントです。例えば、昨年はボンドのヴェシーナや、ポートフォリオがグラス1500円という、とても格安で提供されていました。
昨年のワインリストは「ワインエイド | ワインリスト」でご覧いただけます。近々2015年のものもアップされると思います。
リットン・スプリングスは1900年初頭に作られた畑でジンファンデルが70%、プチ・シラーが15%など、畑に様々な品種が混ぜて植えられているいわゆるフィールド・ブレンドになっています。
このワイン、品質は申し分なく、ジンファンデル系ワインの最高峰の一つと言っても過言ではないのですが、国内ではちょっと値段が高いのが短所でした。
それがいま、5000円強と現地価格の40ドル前後とほとんど変わらない価格で売っている店があります。ハーフボトルでももっと高い場合があるので、見間違えかと思いましたが750mlとちゃんと書いてあります。
どうしてこの値段にできたのか気になるところではありますが、ジンファンデル好きなら要チェックです。
なお、店の紹介ページには直輸入で安くしている旨が書いてありますが、リッジの場合、親会社が大塚食品なので、他の会社に卸すことはほとんど考えられないんですよね。
ワインを飲む人にもいろいろなタイプがあると思いますが、こういった定期購入サービスを頼むのはどういう人でしょう。おそらく、ワインのことを知りたくて、近所のスーパーのワインではちょっと満足できないけど、ネットショップで自分で選んで買うのはあまり自信がない、とかそういう感じではないかと想像します。
月2本で1本2000円というのは、そういうユーザーを考えればなかなかいい線ではないでしょうか。普段は1000円以下のワインを飲んでいるけど、もうちょっといいワインを飲んでみたい。そういう期待を抱くと思います。
ワインのセレクトはワインスクールとして有名なアカデミー・デュ・ヴァン。田中一民専務が選定しているとのことです。また、ワインのコメントは人気講師の紫貴(しだか)あきさん。カリフォルニア・ワインの講師も務める方で、私も講義を受けたことがあります(「アカデミー・デュ・ヴァンのカリフォルニアワイン講座、噂にたがわぬお得でした」)。
さて、申し込みをするとすぐにワインが送られてきました。今回は初回プレゼントの「リーデル オー リースリング/ソーヴィニヨン」のペアグラスが付属します。これだけで定価3780円(並行輸入品でも2400円程度)しますから、大変お得です。リースリング用のグラスはちょうど欲しかったところでもあり、嬉しかったです。
今回の2本はフランスはローヌの赤とイタリアの白。赤から飲みました。
Les Violettes du Roy(レ・ヴィオレット・デュ・ロワ)2011年。シラーとグルナッシュからなるワインです。写真でラベルにちょっと傷があるのはうちのセラーから出したときに付いたもので、送られてきたときはきれいな状態でした。
色は明るめの赤。若干濁りがあります。飲んでみるとカリフォルニアのシラーのようなふくよかさよりも、ブラックペッパーなどスパイスの味わいが目立ちます。これは料理に合わせて飲むワインですね。なお、グラスはリーデルVinumのボルドー用です。
実はワインと一緒に合う料理のレシピが付いていて、この赤用に載っていたのは「ふっくらハンバーグ バルサミコ赤ワインソース」でした。バルサミコもひき肉もなかったので、ハンバーグではなく新玉ねぎとチキンをローストして、照り焼き風のソースで合わせてみました。
これはこれで、若干甘みのある照り焼きソースが、ワインのスパイシーな味わいといいマッチでした。
白ワインの方はイタリア土着品種のグレコというワイン。
色はきれいな黄金色。味わいはアプリコットや白桃のようなフルーツと、割と強い酸味。ヴィオニエとソーヴィニヨン・ブランを足して2で割ったような感じといえばいいでしょうか。こちらには「イカとズッキーニの冷製カッペリーニ」がレシピとして載っています。
残念ながら魚介系のおかずが用意できなかったので、あまり白ワイン向けの料理と合わせられなかったのですが、それでもワインは十分に楽しめました。
まお、グラスはプレゼントのリーデル オー リースリング用を使いました。若干小ぶりですが、白ワイン用のグラスとして応用範囲が広く使えます。スパークリングワイン用としても良さそうです。先日、Vinousに載っていたグラスのお薦めの記事で、白ワイン用にはリースリング向けのグラスを持っておくとよいとあったので、自分でも欲しくなっていたところでした。これまで白ワイン用には普通のワイングラスを使っていましたが、やっぱりリーデルはいいですね。味わいが鮮烈に感じられます。
今回の2本はどちらも2000円のワインと考えたら十分なレベルでした。特に土着品種のグレコの方は、へええ、こんな品種もあるのかと思いました。自分では絶対に選びそうにない、こういうワインが飲める機会があるというのが、こういった定期購入サービスの一番の魅力でしょうね。
グラスプレゼントもあるし、セレクションが趣味に合うかどうか、何ヶ月か試してみる価値はあると思います。これまでの配布ワインを見たところ、カリフォルニアがなかったのはちょっと残念でしたが。
これまではピノ・ノワール、シャルドネ、セミヨンがありましたが、このほどソーヴィニヨン・ブランが登場しました。ヴィンテージは2001。
詳しいことがほとんどわかっていないですが、カリン・セラーズのソーヴィニヨン・ブランは以前、1997年のヴィンテージがWine Advocateで90点などを取っています。
スカーレットというと、最近新しい翻訳が相次いで出て話題になった『風と共に去りぬ』が思い浮かびますが、全然関係なく、オーナーの娘の名前だそうです。ただ、その娘さんをモデルにしたのかと思われるラベルは秀逸です。
ワインも高く評価されており、2012年のカベルネはWine Adovocateで95点を受けています。
新橋のワインバー「ワイン蔵」のオンラインショップにここのカベルネがクール便込みで送料無料になっています。ソーヴィニヨン・ブランもあります。
【ワイン蔵ONLINEキャンペーン】新商品!送料無料(クール便)!マガーファミリーセラーズ|ワイン蔵TOKYOのブログ
スカーレットというと、最近新しい翻訳が相次いで出て話題になった『風と共に去りぬ』が思い浮かびますが、全然関係なく、オーナーの娘の名前だそうです。ただ、その娘さんをモデルにしたのかと思われるラベルは秀逸です。
ワインも高く評価されており、2012年のカベルネはWine Adovocateで95点を受けています。
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参考:Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲
このほど販売が始まった新ヴィンテージでは、ピノ・ノワールは秋のリリースに移り、その代わりといってはなんですが、ソーヴィニヨン・ブラン2014とロゼ2014が加わっています。ソーヴィニヨンとロゼはそれぞれ600本(ケースじゃないですよ)の生産量すべてが日本でだけ販売されます。シャルドネ2013は1200本生産のうち360本が日本向け。米国内の840本は既にメーリング・リストで全部売れてしまっています。
シャルドネについては、2012年のブレンド比率がSierra Madre(50%)、Hilliard Bruce(30%)、Pisoni(20%)だったのに対して、Sierra MadreとPisoni
の2つのブレンドに変わっています。実は単一畑も含めて2013年からはHilliard Bruceはなくなったしまったそうです。
ポール・ラトーとしては初(多分)のソーヴィニヨン・ブランはGrimm's Bluffというサンタ・バーバラのハッピー・キャニオンにある畑が中心。いわゆるソーヴィニヨン・ムスクがメインになっているそうです。
ロゼはDrumCanyon、John Sebastiano、Zotovichを中心にPisoniを少量加えたもの。品種はピノ・ノワールです。
販売はCh.igai Takaha | シャトー・イガイタカハのサイトから。
中川誠一郎社長は、ここの二代目。父親の中川一三さんから家業を引き継ぎました。ただ、苦労知らずの二代目社長というわけではありません。他の会社での経験も長く、社長を引き継いでからも戦略を持って、経営を改善しています。
また、先日には「ボトルの中には夢がある」というカリフォルニア・ワインの本も出されています。
ワイナリーとの付き合いや、カリフォルニア・ワイン・ファンを増やす方法などについて話を伺いました。
――中川ワインの設立経緯から教えてください。
中川:設立は1985年です。父親の中川一三が始めました。最初に輸入したのはフランスワインだったと思います。プリムールに興味があったようなので。
その後、あるカリフォルニアのブローカーと知り合いになり、そのブローカーに紹介されたワインを輸入するようになりました。初めのうちは、今は扱わなくなってしまったシャトー・ウォルトナーや、ハンゼルなどを入れていました。1994年からハーラン・エステートを扱い始めました。
そのころまではカリフォルニアだけでなく、フランスワインも取り扱っていました。しかし、この規模のインポーターだと、もっと特徴を持たないといけないと考えました。1つの分野で最強になりたいと思い、1995年ころからカリフォルニアにさらに軸足を移すことにしました。
現在では、カリフォルニアとオレゴン、ワシントンで約95%を占めています。
――初期に取り扱っていたワイナリーはほかにどのようなところがありましたか。
中川:ダックホーン、コングスガード、オー・ボン・クリマ、ペドロンチェリなどです。カレラやシェーファーなど、扱わなくなってしまったワイナリーもありますが、大部分は残っています。
――中川ワインに入社されたのはいつ頃でしょうか。
中川:2002年ころです。それまでは、さまざまな会社で働いていました。
働いている間に、ワインに触れる場面がしばしばありました。ワインを身近に感じる人が増え、その人達が会話の潤滑剤としてワインを使うようになってきました。特に、日本のハイエンドな人たちが、会合にワインがないとうまくいかない、ワインがあると便利、ワインを知っていた方が得、というようになってきたのです。
このようにワインがコミュニケーションのツールとして重要であることが面白いと思い、入社しました。
――入社後はどのような仕事をされましたか。
中川:最初のころ、ブローカー経由でワインを入れていたと言いましたが、ワイナリーと直接コミュニケーションできず、手数料も相手の言うがままに払っていました。
我々から話をしたことは相手にねじまげて伝えられますし、相手が言ったこともこちらにはそのまま伝わりません。これではいけないと、ワイナリーとの直接契約に変えていきました。今ではほとんどが直接契約になりました。
――中川ワインというとカルトワインというイメージもあります。これは戦略的に狙っているのですか。
中川:そうですね。本当はカルトワインを作る会社によるリーズナブル・ゾーンが売り上げとしては重要なんです。例えば、カルトワイン中のカルトワインと言えるスケアクロウは年間入荷数はわずか12本です。1本5万円の売上があるとしても全部売れて60万円です。カルトワインだけでは食べていけません。
もっと大量に販売できるワインが商売としては重要です。今のラインナップで言うとオー・ボン・クリマやダックホーンなどが、それに当たります。
そうは言ってもカルトワインがないと話題には上らないですから、ハーランを初めとするフラグシップのカルトワインをラインナップにそろえているのです。
――中川ワインは様々なカルトワインを扱っています。コルギンやスケアクロウなどを始めた経緯を教えてください。
中川:スケアクロウは紹介です。このクラスになると紹介でないと話もしてもらえません。生産量は非常に少なくて、毎日ラブコールを受けている。米国の需要だけで手一杯で日本に輸出する必要もない。うちの取引先には、輸出先は日本だけというワイナリーも珍しくありません。
スケアクロウのときは紹介された後、2009年のプレミア・ナパ・ヴァレー・オークションで60本を8万ドルで落札し、2011年のプレミア・ナパ・ヴァレーでは同じく60本を12万5000ドルで落札するという当時の記録を作りました。それで「気に入った、ワインを売ってあげるよ」と言われて入荷したのがわずか12本です。パークハイアットなどに1本ずつ入れたらそれで終わりです。ワインリストにも乗せられないでしょう。
コルギンは以前他社で扱っていたのですが、担当者がやめてしまったのです。その後、うちに声がかかったのでした。ワイナリーとの契約は今でも、きちんと契約書を交わすのではなく、人と人との間の信頼関係で成り立つところが大きいのです。それぞれのワイナリーをきちんとケアしていかないと、離れていってしまうことがあります。
ダナ・エステートは、ナパの寿司屋でたまたまオーナーを見かけ、思い切って声をかけて契約にこぎつけました。
中川ワインの取り扱うワインはナパのものが中心であり、ナパに行けば大部分のワイナリーに会えます。例えば、毎年プレミア・ナパ・ヴァレーのオークションに行きますが、そこでほとんどのワイナリーに会えます。これはネットワーク維持の要の1つです。
こちらから訪問して顔を見せることによって、相手も「もっとこちらからできることはないか」と日本に来たがるようになります。それで来日して売り上げが上がれば、ウイン-ウインじゃないですか。最近はそういう関係になっています。
――今は年間いくつくらいのワイナリーが来日しているのですか。
中川:多いですよ。2015年は6月までの6カ月で20社を超えています。
スケアクロウも昨年来日してくれました。自社のワインがどういうところで売られているのか知りたいというのもあったでしょうし、日本の地位が上がっているのもあります。日本はハードウエアもソフトウエアもそろっています。セキュリティもいいし、何より食事が美味しいです。食事の種類はほとんど無限にあります。来日したワイナリーが「私はこんないい経験をしたからあなたも行ったらどう」と口コミで伝えることで、他のワイナリーも日本に来るのが楽しみになります。
日本は消費者やソムリエの質が高いのも、ワイナリーの方々にとっては魅力です。業者向けのセミナーがちゃんと時間通りに始まることなど、他の国ではなかなかありません。質問も的を射ているし、飲み方もきれいです。そういったことが評価されています。私は日本の消費者や業者さんに助けられています。
――話は戻りますが、100近くのワイナリーをケアしていくのは大変ではないですか。
中川:そうですね。今はメールで連絡できるので、大分楽にはなっていますが。昨年のナパの地震のときなどは、少しでも早く「Are you OK?」のメールが打てるかどうかが大事なのです。一週間後に連絡するのでは何の意味もありません。
逆に、東日本大震災のときの向こうからの連絡も早かったです。2日間で40以上のワイナリーからお見舞いのメールが来ました。中には、原子力発電所の問題があるから、うちに避難してきたらどうか、と言ってくれたところもあります。
――そういった連絡はご自身でされるのですか。
中川:もちろん広報がいますから、すべてを自分でするわけではないですが、重要な場面では必ず自分が相手と向き合うようにしています。直接電話したり、直筆で手紙を書いたり、会いにいったりと、肝心なところは自分でやることが大事です。
――扱うワイナリーは今後増やしていくのでしょうか。
中川:もちろん増やしていきたいとは思っています。ただ、やたらめったら増やすわけにはいきません。一つのワイナリーが日本に根付くのに3年はかかります。考えなしに増やしてしまうと結局これまでのワイナリーのケアがおろそかになってしまいます。新しいものに飛びつくことよりも、既存のワイナリーで売れていないところをケアしていくことの方が大切です。
ワイナリーからすれば、日本で売ってもらっているという気持ちもありますが、一方で、日本に売ってあげているという気持ちもあるのです。
――カリフォルニアワインをもっと普及させるには何が必要ですか。
中川:一番大事なのは飲んでもらうことですね。フランスワインが好きな人でも飲んでもらえば良さはわかりますから。だからその機会をいかに提供できるかがポイントです。
フランスワインが好きな方でも、特にボルドーが好きな人は狙い目だと思います。フランスはこのところ、あまり良くないヴィンテージが続いています。比べたらカリフォルニアがいいと思う人は多いでしょう。
食事とのマッチングで言えば、まだフランスに一日の長がありますが、例えばバーカウンターで一人で飲むようなシチュエーションなど、ワインが中心になるときであれば、カリフォルニアワインが勝る可能性があります。
あと、ワインを提供する温度がものすごく重要ですね。赤ワインを氷で冷やしていると、一般の方は意外に思うかもしれませんが、日本は室温が25度くらいと高いので冷やさないとダメなんです。そこは気を使わないと美味しく飲めないですね。口に含んだときに心地よい冷たさがあるくらいがいいんです。
――カリフォルニアワインを飲んでもらう機会を増やすには何をしたらいいでしょう。
中川:うちではワイン会をしょっちゅうやっています。特にフランスワイン通と言われている方をよく招いています。
それで、フランスワインを好きな方に「何がお好きですか」と聞くんです。例えば「シャトー・ラトゥールが好きです」と答えたら、それを最初に出します。そうすると「え、ラトゥールって最後に飲むもんじゃないの?」と驚かれ、それでラトゥールを飲んで「やっぱり美味しいねえ」となるわけです。
ところが、その後、カリフォルニアのいいのをどんどん出すと「これ、いいね」となり、その後またラトゥールを飲んでみると「今日のラトゥールはなんだか水っぽいねえ」と思ってしまったりするんです。
結局、ワイン会が終わるころまでにカリフォルニア・ワインのボトルは全部空になるのに、ラトゥールだけは空かずに残ってしまったりします。
ちょっと、意地悪ですけどね。そんなことをすることもあります。
こんな感じで政治家の方や大きな会社の社長さんなど、発言力がある人をファンにしていっています。
――ワイン会はどれくらいの頻度で開いているんですか。
中川:多いときは週に3回くらいやります。人数は大体8人くらい。それより多くなると1つのボトルを分けたときの量が少なくなってしまいますし、会の中で話題が分裂してしまいます。一つのまとまりになるには8人くらいが適正です。
我が家では父親の代から50年くらい、こういう感じでワイン会を開いています。いろいろな方の栄枯盛衰も見てきました。
――今までで思い出に残るワインは何ですか。
中川:ワインは何を飲んだかよりも、どういうシチュエーションで誰と飲んだか、どういう気持で飲んだかの方が大事ですよね。例えば、私の場合、結婚を決めたときにオスピス・ド・ボーヌのワインを飲んだので、それはもちろん美味しかったですが、そのときに別のワインを飲んだとしても、やはりすごく美味しく感じたと思うんです。だから、どのワインが美味しかったかというのには答えはないですね。
ただ、コングスガードでジョン・コングスガードが樽から飲ませてくれたシャルドネは最高でしたね。あれは忘れられない味でした。
――インポーターをされていて良かったと思った経験は。
中川:ワインに携わっているので、とても大事な局面に呼んでもらえることが多いんですね。雲の上の方に呼ばれることもあります。そういうのは嬉しいですね。
関連サイト:中川ワイン - カリフォルニアワイン
インタビューを終えて:さすがトップ・インポーター。様々な名士との交流など、これまでのリレー・インタビューで紹介してきたような個人経営の小さなインポーターとは、違う世界が広がっていました。人と人とのコネクションが重要なワイナリーとの付き合いで、トップ外交の重要性も感じさせられました。
●過去のリレー・インタビュー
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
好きなワインを選んでいったら自然派に行き着きました――オーシャンワイン 早坂恵美社長
ロバート・モンダヴィさんに畑で叱られました――桑田士誉(あきたか)さん
プリチャードヒルとメルカに注目しています――ワイン蔵TOKYO中川正光オーナー
今年からはノリアに専念します――ナカムラ・セラーズ中村倫久社長
6月27~28日にはロシアン・リバー・ヴァレーで「パスポート・ウィークエンド」が開催されます(Russian River Valley Winegrowers Announce Exclusive Experiences ...)。普段は一般にオープンしていないところも含め、30を超えるワイナリーが特別なテイスティングを提供します。
7月31~8月2日にはソノマ・コーストの太平洋岸地域のワイナリーからなる「ウエスト・ソノマ・コースト・ヴィントナーズが「WOW(ウエスト・オブ・ウエスト」という祭りを開催します。場所はセバストポールのThe Barlow。8月1日と2日にはグランド・テイスティングも開かれます(WOW Sebastopol, CA | West Sonoma Coast Vintners – Wineries and Growers of Sonoma County)。
8月8日にはソノマ・コーストの南東部(サンパブロ湾方面)のワイナリーによるペタルマ・ギャップ・ワイングローワーズが「ウインド・トゥ・ワイン」フェスティバルをペタルマで開催します(Inaugural Wind to Wine Festival Announced by Petaluma Gap ...)。今回が初めての開催となるイベントです。メイン・イベントのグランド・テイスティングには30を超えるワイナリーが参加します。
そのアキコさんが来月一時帰国。表参道のワインハウス南青山で一般参加可能なパーティが開催されます(「フリーマン」メーカーズパーティ)。
日時 2015年7月8日(水) 19:00-
場所 ワインハウス南青山
東京都港区南青山3-15-13 B1
参加費 8500円
電話 03-6804-6166
予約は電話のみ。先着順となります。
ワインはフリーマンの
・ソノマ・コースト・ピノ・ノワール・ロゼ
・涼風・シャルドネ
・ソノマ・コースト・ピノ・ノワール
・ロシアン・リバーバレー・ピノ・ノワール
がそれぞれ1杯ずつ(おかわりは800円)。涼風・シャルドネはヴィンテージも含めて晩餐会で使われたのと同じワインです。なお、チケット制なので、飲む順番などは自分で決められます。
このほか
・アキコズ・キュヴェ・ピノ・ノワール
・グロリア・ピノ・ノワール
は1杯1000円で飲めます。
料理はビュッフェで提供されます。内容は
・前菜として生ハムとメロン、チーズ、カクテルシュリンプ
・パテドカンパーニュとシーフードテリーヌ
・名物八兵衛の寿司カウンターでのおこのみ握り寿司
・小イカとカラスミのパスタ
・ミラノ風サフランリゾット
・サーモンのグリル グリーンピースのソース
(料理の内容は仕入れ状況などによって変更される場合があります)。
このほか特別価格(通常7390円の涼風・シャルドネが5100円など)でのワインの即売会などが開かれるとのことです。
長澤鼎については、このブログでも何回も取り上げていますが、明治維新のころに薩摩藩から英国に留学した若者の一人でした。一緒に留学した仲間の一人には、後に文部大臣になった森有礼もいました。
長澤鼎は英国から米国にわたり、あるキリスト教の派閥の創始者に心酔します。当初は東海岸で、後にソノマでワインを作り、ブドウ王とまで呼ばれるほどになりました。
今日の前編では恐らく、ソノマに移る前あたりまでの話が出てくるのではないかと思います。
本は何冊かでていますが、映像ものは珍しいです。永久保存版ですね。
昨年は鹿児島に英国留学生の記念館ができ、今年は長澤鼎のワイナリーと同じ名前を持つ、Fountaingrove(ファウンテングローブ)がAVAになりました。これを機会にもっと知られるようになって欲しいですね。
パラダイス・リッジ シャルドネ ”カナエ ザ ・グレープ・キング” 2012 750ML (アメリカワイン)(白ワイン) |
2カ月ほど前にInstagramに投稿された画像が以下のもの。
投稿した人は、最初はドッキリカメラか何かではないかと疑ったようですが、実際にその形でサーブされていたとのこと。
実は、National Geographic誌には2008年に既に哺乳瓶でワインを出す店の記事が載っていました。
All (Baby) Bottled Up in Montmartre – Intelligent Travel
税金を低くするためではないか、とかいう理由も載っていましたが、それにしてもちょっとなんだかねえ、という感じです。で、普通にグラスから飲むよりも酔いやすいそうですよ。経済的?
それによると、ワイン・グループがベンジガーに興味を持った最大の理由は観光客だったとのこと。ベンジガーはソノマ・ヴァレーでも人気のワイナリーであり、特にトラムを使った畑のツアーはとてもポピュラーです。それが理由でワイナリーを買ったとのことです。
ワイン・グループはこれまでよりも高級な路線に踏みだそうとしており、ベンジガーはその最初のワイナリーとなります。
インタビューでは彼らがベンジガーとビジョンを共有していることが強調されていますが、実際そのまま続くでしょうか。資本の論理で変わらないことを期待します。
順に挙げましょう。
1.ワインを勝手に注ぐウェイター
レストランでワインをボトルで飲んでいるときに、頼んでいないのに勝手に注ぐウェイターがいますよね。特にボトルにあと少しだけ残っているときに、勝手に注がれるといらっとするのはわかります。次のワインを頼むように急かされているようでもあるし、2人以上で飲んでいたら、最後はだれが飲むって決めていることもあるかもしれません。酒量も人によって違いますしね。
2.「キュレーション」されたワイン・リスト
この記事では、単にワインの選択をこだわったということよりも、ワイン・リストをゴテゴテと飾り立てたものを指しているようです。ワインの説明が、事実を並べることよりも美辞麗句で着飾ったようになっているのが著者をいらっとさせていると思われます。まあ、もしかしたらそういうリストをみて「素敵」って思う人もいるのかもしれませんがね。
3.「えせ」コレクター
高名なワインや家が高得点を付けたワインをただ集めたようなワイン・コレクターのことです。まあ、誰しも高得点のワインには興味があるわけですし、ボルドーの1級やロマネ・コンティ、カリフォルニアであればハーランやオーパス・ワンといったワインは飲んでみたいと思うのは自然なことだと思います。ただ、「コレクター」というレベルにまでなるのであれば、やはりもっと自分の好みというのがでてきてしかるべきでしょうね。
4.適温で提供されないワイン
これはすごくわかります。冷えすぎの白ワイン。温かすぎる赤ワイン。冷えすぎはまだいいんです。置いておけば温まってきますから。でも温度が高過ぎるのはどうにもなりません。理想的には適温よりちょっと低いくらいの温度で提供されて、飲んでいるうちに適温になるのがいいと思います。温度による味わいの変化も楽しめますしね。
余談ですが、現在コルギンの社長を勤めるポール・ロバーツさんはコルギンやその前のハーランで来日していますが、セミナーで供する温度にはとても厳しかったそうです。セミナーの途中に、「部屋の温度が2度高い」とメールを送ってくるほどだったとか。すごいですね。
5.ワインの「得点」に頼るワインショップ
これもわかりますね。日本では逆に得点も書いていないことが多いようですが、情報の一部としては必要だと思います。
6.ワインの味わいを説明しすぎる試飲スタッフ
テイスティング・ルームのスタッフがワインの説明をするときに、試飲コメントのように細かく話してしまうことです。例えば「このワインは桃、梨、プラム、シナモントーストの味わいがあり…」といった感じで。味わいの感じ方は人によって違いますから、ここまで言われると、それを感じなかったときに、すごく罪悪感を持ってしまいます。
7.ワインの教師
ワインを教える人はたくさんいますね。資格を持っている人もいればそうでない人もいるでしょう。著者は、ワインは言葉で教わるより飲んで学べということを言いたいようですが、ちょっと微妙なところですね。やっぱり知識は何かしら教える人がいた方がいい場合もありますし。
最後に、私が考えるこういうのはちょっと、というのは、楽しくない話をする人ですね。ワインはやっぱり楽しく飲みたいですから。
量的には2012年から3年続いた豊作です。その中でも2014年は旱魃が続いたことの影響や、かつてないほどの早い収穫時期を迎えたことの影響が懸念されていました。
ガッローニによると、2012~2014年の3ヴィンテージで見ると、一番良くないのが2012年だとのこと。以前の記事によると、2011年の不作の後の豊作で、量の確保に走ってしまったワイナリーが多く、そのために質が下がったり、量が多すぎて醸造が追いつかなくなったりしたところがあったようです。
2013年は質・量ともに申し分のない良ヴィンテージ。おそらく21世紀に入ってからで見てもベストの一つでしょう。
それでは2014年はどうだったでしょうか。
ガッローニによると2014年は2013年に似ているものの、もう少し軽い仕上がりでタンニンも弱めになりそうだとのこと。トップクラスのワイナリーでは2013年に匹敵するできだそうです。2013年が長熟型でタンニンが強いのに対し、2014年の方が若いうちから飲みやすいワインになっているようなので、飲み方によっては2014年の方が美味しく感じられるかもしれません。
ほかの地域のできはどうなのでしょうね。気になります。
ワインの種類はなんと150種類以上! しかも試飲し放題。料理はフィンガーフードが用意されているそうです。
なんといってもこの種類ですからね。1種類10mlしか飲まなかったとしても全種類制覇したらボトル2本分になってしまいます。なかなか前種類は難しいと思いますが、それを目指してがんばってください。
以下が、Wassy'sからのお願いです。
(^▽^) グラスにはちょこっとしかお注ぎしません。
→全種類すべて飲んでいただきたいと思ってます。
全員に行きわたったなーーと言う時点でおかわり禁止令が解かれます。
(^▽^) 酔っ払ったらあかんのです。
→ スマートに飲んでこその全種類制覇です。
(^▽^) カウンター前でスタッフを独り占めは禁止です。
→150名様全員とお話ししたいと思います。いくら好みでも一人のスタッフ
だけをガッツリ羽交い絞めにしている所を見つけたら指導が入ります。
(^▽^) スタッフの話が長いねん。と思ったら即座に通報お願いします。
→ハダノリが飛んで行って、“キミ、話おもろないねん。”とバッサリ切ります。
(^▽^) アンケートは必ずお書きください。
→ アンケート回収するために東京行ってるようなもんです。
(^▽^) アンケートに食べ物が少ない。と書かれても増えません。
→ 大阪人、いっつもそれ書くねん (ーー;)
(^▽^) 周りの迷惑になるような強い香りをまとってのご来場は控えてください。
→ 思わず“くさっっ”と言ってしまいますので。m(_ _)m
(^▽^)お酒の飲める年齢に達した方以外のご来場は出来ません。
→ お酒は二十歳になってから♪ お兄さん若く見えますけどね。
(^▽^) とりあえず、、、否、必ず!!!【楽しんでください】
→ ワインはそういうもんでしょ。
★日時★ 7月9日(木)夜7時スタート
★場所★ PATINASTELLA(パティナステラ)さん
東京都渋谷区神山町11-15 神山フォレスト1F
★参加費★ 10,000円(税込)
申し込みはこちらから。
今回の目的は観光客の増加。セールス・アンド・マーケティング・ディレクターのマイク・マッケヴォイは「ナパはワイン・ツーリズムの中心地となっているが、うちはそれに乗り遅れていた」と語っています。
そのため、今回の改築では醸造用のタンクが置いてあったところを5つのテイスティング・ルームにしました。様々な人数のグループに対応できるようにするとのことです。
私がジョセフ・フェルプスを訪問したのは、もう20年も前のことですが、予約のみで割と狭いところに詰めて座らされ、敷居が高く感じたものでした。
今後は、もっと訪問しやすいワイナリーになりそうです。
なお、この場所でワインを醸造したのは2006年まで。それ以降は近隣の施設に移っています。
先日は柳屋で紹介しましたが、カリフォルニアワインあとりえにもほぼ同価格で入っています。送料はこちらの方が安いです(柳屋は店に取り置きすれば送料ゼロになりますが)。
おそらく3000円~5000円のジンファンデルとしては、これとベッドロックのオールド・ヴァインが双璧といっていいのではないでしょうか。
ベンジガーは1980年に創設されたワイナリー。1990年代からビオディナミ(バイオダイナミック)に取り組んでおり、デメター社による認証も受けています。ワインの価格帯で言うと20~80ドル程度と比較的高価格帯のものが中心となっています。また、トラムに乗った畑のツアーが人気の観光客にも評判がいいワイナリーです。生産量は14万ケース弱。
それに対して、ワイン・グループはフランジアなど、低価格のワインを中心と
する巨大資本。年間6000万ケースを製造しています。
一見ミスマッチに見える両社ですが、ワイン・グループは近年収益性の高いプレミアム・ワインに力を入れるようになっており、2008年に立ち上げたカップケーキというブランドは年間300万ケースにまで成長しています。
今回の買収にあたっては、ビオディナミによるブドウ栽培を続けることと、従業員を解雇しないことを条件としています。ベンジガー家では、創設者のマイク・ベンジガーはこれを機に引退しますが、ワイナリーに残るメンバーもいます。
ソノマでは今年になってから、シドゥーリをケンダル・ジャクソンが、「J」をガロが買収と、いずれも家族経営のワイナリーが売却されています。シドゥーリの場合はマーケティングにかける手間を減らしたいというのが動機だったようですが、Jとベンジガーの場合は、世代交代期になってきたことが理由の一つではないかという気がしています。今後もこのような売却は増えるのかもしれません。
昨年の記事は「Auction Napa Valley、落札総額が2年連続の最高値更新」
メイン・イベントとなるライブ・オークションでの最高額ロットはオーパス・ワンの35ヴィンテージのマグナムボトルセットに2週間のワイナリーツアー(欧州、米国)を加えたもので、オークション中に3セットまで拡張されました。トップ3の合計額は240万ドルで一つのロットの落札額として過去最高となりました。
落札額は地域の健康や教育のために寄付されます。
パライソのワインはヴィノスやまざきが輸入販売していますが、京橋ワインではヴィノスやまざきとの提携によって同社輸入のワインを扱っているとのこと。ワインによってはヴィノスやまざきより安くなっており、このピノ・ノワールの場合は500円も安いです。
元々コスト・パフォーマンスの高いワインですから、この価格はかなりお得です。送料500円ですから(クール代除く)、2本以上買えばヴィノスやまざきで買うより安くなります。
このほか、パライソのリースリングも結構好きです。リースリングを飲む頻度はあまり多くないですが、たまに飲みたくなるワインです。
今回はコルクにレーザーで刻印をするところ。ワイナリーに行っても既に刻印済みのコルクしか置いてないですから、普通は見ないところですよね。
短いビデオですが、ちょっと珍しいのでシェアしておきます。ソースはFacebookのGrgich Hillsのページ。
Of course we use only high grade cork and we thought you’d enjoy seeing how we brand each of those corks.
Posted by Grgich Hills Estate on 2015年6月4日
ターリーはまた、単一畑の高価なものが多いのですが、その廉価版で比較的若い木のブドウから作られるジュヴナイルがあります。これの非常に評価の高い2013年版が入荷されています。
どれくらい高評価かというと、Wine Advocate誌では94点、Wine Spectatorでも90点を超えています。ロバート・パーカーは「単一畑でないからといって下に見てはいけない好例だ」と書いています。
日本の価格でも税抜き3000円台。かなりお買い得なワインです。
僕も先週あたりから、そろそろこの2013年が入ってくるのではないかとウォッチしていました。グッドタイミングです。
何が意外かというと、①サンタバーバラ産であること、②単一畑でありながら価格が3000円台(税抜き)と安いこと、③ヴァーナーブランドだけど自社畑ではないこと、などです。
畑の名前はエル・カミーノ。サンタバーバラのロスアラモス地区にあります。サンタリタヒルズなどと比べると温暖な地区で、そのためマロラクティック発酵なしで作られているそうです。
発酵に使うのもステンレスタンクが75%、大樽が25%と、従来の小樽発酵と異なっています。
これらを合わせて考えると、従来の単一畑と、フォックスグローブ(セントラルコーストから購入したブドウで、ステンレスタンクを使い、マロラクティック発酵なしで作られています)の間的な存在になるのでしょうか。
それでも、ヴァーナーブランドを付けているのですから品質には自信があるのでしょう。気になります。
そのブエナビスタがワイン作りの道具を集めた博物館を開きます(Buena Vista Winery officially unsheaths its Tool Museum | Sonoma Index-Tribune | Sonoma News, Entertainment, Sports, Real Estate, Events, Photos, Sonoma, CA)。以前にも報じていましたが、いよいよグランドオープンとなったようです。非常にエンタテイメント色の強いもので、これによって「テイスティング、歴史、バーチャルリアリティ、ブロードウェイのショー」がこのワイナリーだけで経験できるようです。
どのようにエンタテイメント的かというと、創始者の「伯爵」に扮した俳優がツアーガイドをしたり、博物館では道具類が音楽に合わせて動いたり、といったことのようです。ディズニーランドの「カントリーベアジャンボリー」のようとも書かれていましたが、こればっかりは実際に見てみないと分からないですね。
ちなみに道具類はボワセ家(ブルゴーニュの有力なネゴシアン)から運んできたものが多いとのことです。
ジャン・シャルル・ボワセは、ブエナビスタだけでなく、経営破綻したデ・ローシュ(デ・ローチ、DeLoach)を復活させ、自身のJCBブランドではブルゴーニュとカリフォルニアのブレンドワインなどユニークなものを作っています。奥さんはガロのワインメーカーであるジーナ・ガロ。これだけ手を広げていると、よほど浮ついた人なのかと思いきや、ワイン作りにも真摯に取り組んでいるようです。非常に興味深い人です。
かなり長い記事で、IPOBのラジャ・パーの話に始まり、IPOBに批判的なロバート・パーカーの話、ニューヨークのソムリエの話、またナパでIPOBのメンバーになっているマサイアサン(Matthiasson)や、反対にパーカーから高い評価を得ているシェーファー(Shafer)の話などが書かれています。
これを読むとIPOBのワインについて、米国でどのように受け取られているか、なんとなく雰囲気が分かるような気がしました。
興味深く感じたのは、ニューヨークで以前はほとんどいなかったソムリエが、今は1つのレストランに複数のソムリエがいるほど増えているということ。彼らの中にIPOBのワインを支持する人が多いことが、それまでの「パーカー・ポイント」一択的なワインの選び方から変わってきた一因になっているようです。
カリフォルニアワインは自由な半面、何かがブームになると、皆一緒くたにそちらに流れる傾向があると思っています。例えば1990年代のメルローのブームだったり、2000年前後のカルトワインのブーム(凝縮度をエルために、収穫を極端に遅らせることが問題になった時期もありました)だったり、映画『サイドウェイ』以降のピノ・ノワールのブームだったり、…。
IPOBはまだそこまで極端な動きになっていないのが逆に健全な気がします。
作り手としては、IPOBのような酸が強くアルコール度が低いスタイルを目指すのか、従来のカリフォルニアワインのような酸が少なく果実味の強いスタイルを目指すのか、どこかに自らのスタイルを決めることは必要でしょう。
しかし、我々コンシューマーは別に「~~派」になる必要はないのです。IPOBのワインを楽しむ一方で、パーカーが高得点を付けたナパのカベルネを楽しんでも、何の問題もありません。ワインの飲み方も、食事に合わせるだけでなく、ワインを単独で飲んだっていいわけです。
そういったことを含めて、自由なカリフォルニアワインをこれからも楽しみたいと思ったのでした。
以下は余談ですが、この記事を読んで米国がうらやましくなった点もあります。
まずはNYタイムズのような一流紙に、これほどしっかりとした、読み応えのあるワインの記事が載っていること。日本の新聞だったら、長くてもこの4分の1くらいの記事でしょうし、内容ももっと誰でもわかるようにと、マニアにとってはつまらないレベルに抑えられてしまうと思います。
もう1つは、この記事に200を超えるコメントが付いていること。ざっと見たのですが、日本のコメント可能なメディア(例えばハフィントンポストなど)に付くコメントがやたら感情的だったり、揶揄するようなものだったりするのが多いのに対し、ほとんどがまっとうな意見でした。
日本のワインシーンでは、こういった記事もなかなかなければ、それについて議論する土壌もないというのが寂しく感じます。
2012年は税抜き4000円台で売っているショップもありましたが、2013年は6000円台が避けられないでしょう。シャルドネの価格は明らかになっていませんが、こちらも値上げされるでしょう。
メイン・イベントは6日に開かれるライブ・オークションですが、それ以外に前日に行われるバレル・オークションやインターネットで参加できるEオークションもあります。
Eオークションについては日本など海外からも入札可能です。約200ロットとかなりのロットが出展されていますから、落札のチャンスもあるかもしれません。
一覧はこちらからご覧ください。→2015 Auction Napa Valley E-Auction Lots
日本からでもオークション・ナパ・ヴァレーの雰囲気を味わってみてはいかがでしょうか。
それ以外も、ミウラのピゾーニ、マウント・エデンのエステート・シャルドネなど、普通はセールに出ないようなものが、出ています。必見。
概ね30ドル以下のワインが選ばれています。日本に入っているワインもかなりあります。日本だと5000円クラスになる場合もあり、必ずしも安ワインとはいえませんが、値段の割に満足度が高いワインではあると思います。私が好きなワインも結構入っています。
【白】
2012 Walter Hansel Chardonnay Estate, 90 points
2013 Calera Chardonnay Central Coast , 90 points
2013 Foxen Chenin Blanc Ernesto Wickenden Vineyard Old Vines, 90 points
2012 Foxglove Chardonnay, 88 points
2013 Luli Sauvignon Blanc, 89 points
2013 Palmina Malvasia Bianca, 90 points
2012 Lioco Chardonnay Sonoma County, 88 points
【赤】
2013 Copain Syrah Tous Ensemble, 90 points
2013 Turley Zinfandel Old Vines, 91 points
2012 Andrew Murray Esperance, 90 points
2012 Tablas Creek Patelin de Tablas, 90 points
2012 Ridge Three Valleys, 89 points
2012 Rivers-Marie Pinot Noir Sonoma Coast, 93 points
2012 Bedrock Zinfandel Sonoma Valley Old-Vine, 90 points
【ロゼ】
2013 Copain Rosé of Pinot Noir Tous Ensemble, 90 points
2013 Calera Vin Gris of Pinot Noir, 90 points
目立つのは、IPOBメンバーのワイナリーが提供するバリューワインが多いこと。カレラ、フォックスグローブ(ヴァーナーのバリューワイン)、リオコ、コパンがIPOBメンバーです。16ワイン中6ワインがこれらのワイナリーのワインになっています。
日本に入っているワインも多いので、ぜひ試してみてください。
IPOB以外では。
1997年から1998年にかけて起こった、20世紀最大のエル・ニーニョのときにはカリフォルニアは気温が低く、荒れた天気の日が続きました。その結果、1998年は難しいヴィンテージになりました。ここ20年ほどの間では2011年と並んで困難なヴィンテージだったと思います。
旱魃が続く今の状況では天気が荒れるデメリットよりも雨が降るメリットの方が大きく感じられますが、雨が増えるかどうかは分からないとのこと。
恵みの雨となってくれればいいのですが。
まずは先日「ハーラン2世が初来日、“難しい”2011年の出来は?」という記事で紹介したハーラン関係のワインです。
ハーランといえば、エステートのほかにセカンドワインのメイデンを作っています。また、兄弟プロジェクトとして、ナパの様々な単一畑のカベルネを作るボンド(Bond)、ナパの西側の丘に新たに開拓しつつあるプロモントリー(Promontory)があります。
なお、プロモントリーについては「ハーランの「プロモントリー」、リリース価格は400ドル!」「ハーランの新プロジェクト「プロモントリー」いよいよ発売か」「Harlanの新プロジェクト「Promontory」が明らかに」をご覧ください。
今回のワイン「マスコット」は、先日来日した息子のウィル・ハーランによるプロジェクトで、ハーラン、ボンド、プロモントリーの若木(樹齢8~15年程度)のブドウを使ったもの。タイトルではサードワインと書いてしまいましたが、実際にはハーラン以外のブドウも入ったオリジナルなワインです。国内入荷はわずか120本とのこと。
購入はCalifornia Wine Garden / 2009 THE MASCOT Napa Valley Red Wine (ザ・マスコット ナパヴァレー レッドワイン)から。
次は、ナパのオークションもの。毎年春に開催されるプレミア・ナパ・ヴァレーは、業界向けのオークションで、出品されるワインはプレミア・ナパ・ヴァレーのラベルが付けられます。夏のオークション・ナパ・ヴァレーは一般向けのお祭りで、ワインだけでなく旅行やディナーなどが入ったパッケージとして出品されるものが大半です。それに対して、プレミア・ナパ・ヴァレーは純粋にワインだけのオークションで、ワイナリーはこのオークション用に特別なワインを作るのです。
ヒューイット/プロベナンス カベルネ・ソーヴィニヨンは2つのワイナリーの共作によるもの。ヒューイットのラザフォードの畑と、ヨントヴィルにあるスリーピング・レディーという畑のブレンドになっています。20ケースしか作られていないレア品です。
最後はスーヴェランのマグナムのカベルネ。ワイン自体はレアではないですが、インポーターの倉庫に眠っていたという点でレア物。インポーター変更によって放出されましたが、マグナムで8000円台と格安です。スーヴェランは地味ですが、いいワインを作るワイナリー。かなりお買い得。
前回の調査は2012年(そのときの記事は「2012年のナパの観光客は300万、9割以上が『また来たい』」)。2012年の観光客が294万人だったのに対し、2014年は約1割増えて330万人。特に外国人旅行客が88%と顕著な伸びを示しました。
観光客が消費した額は16億3000万ドル(約2000億円)。そのうち72%にあたる12億ドルはホテルの宿泊客による消費でした。ホテルの宿泊客は1泊当たり389ドルを使っており、その大部分はワインやレストランでの消費でした。
また、観光客の平均年齢は39.4歳。半分以上が年収10万ドル(1200万円)以上であり、平均は16万5070ドル(約2000万円!!)でした。
1980年にソノマのロシアン・リバー・ヴァレーに畑を購入し、ソヴィニョン・ブランとシャルドネ、メルローを作ってきました。
2007年に畑の一部を植え替えてピノ・ノワールの栽培を開始、そのワインがついに登場しました。
柳屋によると「【R.R.V.産×5,000円未満】という階級内では、最高クラスのクオリティです」とのこと。日本人らしい、芯がありながらも一歩控えめな味わいの中井さんのピノ・ノワール、楽しみですね。送料無料のセットもあります。
内容は2本のビデオ(それぞれ5分~7分程度)を見て、クイズに答え、宿題を提出するというもの。ビデオはフランス語で、英語の字幕を付けられます。
英語の字幕だとなかなか頭に入りにくいので、それなりにハードです。宿題も結構大変です。でも、ちゃんと習ったことがないので勉強になります。
サンタ・クルーズ・マウンテンズで一番有名なワイナリーといえばリッジ(Ridge)。モンテベッロの畑のカベルネ・ソーヴィニヨンはカリフォルニア最高のカベルネの1つとして高く評価されています。あの1976年の「パリスの審判」から30年後に行われた再戦ではモンテベッロの1971年が1位に輝いています。
リッジはカベルネも、ソノマを中心とする古木のジンファンデルもいいのですが、実はモンテベッロの畑で作るシャルドネもすばらしいのです。ヴァーナー以上にレアなのが難点ですが、ピュアな味わいはヴァーナーに勝るとも劣らないレベルです。
もう1つ、忘れてはならないのがマウント・エデン。
参考:サンタ・クルーズ・マウンテンズのテロワールを表現したMount Edenのワイン
ここのワインはエドナ・ヴァレーのブドウで作るもの、メインの自社畑で作るもの、メインの自社畑から数km離れた畑で作るもの(ドメーヌ・エデン)と3つのラインがありますが、特に飲んで欲しいのはメインの自社畑のマウント・エデン・エステート。カベルネ・ソーヴィニヨン、シャルドネ、ピノ・ノワールとあり、一番人気はシャルドネです。
これも本当にピュアな味わいで、素晴らしいワインです。シャルドネのリザーブもありますが、まずはエステートのシャルドネから飲むのが王道でしょう。
ヴァーナー、リッジ、マウント・エデンに共通するのは、とても酸がきれいでピュアな味わいであること。これがサンタ・クルーズ・マウンテンズの特徴だ、と言ってしまえるほど経験がないのですが、すくなくともこの3ワイナリーについては期待を裏切られることはないでしょう。
基本的には、白ワイン用、ピノ・ノワール(ブルゴーニュ)用、カベルネ(ボルドー)用の3種類のグラスを持っておくのがいいとしています。
スパークリングワイン用のフルートグラスは使わず、白ワイン用を利用します。ほとんどの場合、そちらの方がおいしく感じるのだそうです。
また、リースリング用のグラスをこれに加えておくのも良いそうです。香り高い白ワインのほか、スパークリングワインやジンファンデルにも使える、とのこと。
グラスのブランドとしては、リーデルのVinumが無難な選択。入手しやすいし、値段もそれほど高価ではありません。リーデルのソムリエ・シリーズはスタイリッシュですが、高価であり壊れやすいのが難点。
Zalto(ザルト)というグラスもいいそうです。下部が突き出た独特の形状をしており、リーデルとくらべても細身ですが、以外に丈夫であるとのこと。リーデルと比べると多くの場合、こちらのグラスが勝つそうです。
日本だと、ちょっと高価ですけどね(ソムリエシリーズと比べたら全然安いですが)。
父の日のプレゼントなどにいいかもしれません。
ナパの歴史や気候などを学ぶほか、以下のワイン5種類の試飲があります。
Black Stallion Winery, Chardonnay, 2013
Cakebread Cellars, Merlot, 2012
Beringer Vineyards, Cabernet Sauvignon, 2011
Darioush , Cabernet Sauvignon, 2011
Somerston Estate, Cabernet Sauvignon, 2011
場所は
Jプレゼンスアカデミー 研修センター
〒107-0062 東京都港区南青山 3-1-31 NBF南青山ビル 5階
最寄り駅は外苑前です。
講師は村田みづ穂さん。現役フライトアテンダントである一方、先日のIPOBセミナーやハーラン・エステートのセミナーでは通訳を務めており、自身でワインの輸入もされています。私も親しくさせていただいていますが、頼りになる講師だと思います。
なお、残席わずかとなっています。
このセミナーは年4回開催するようなので、満席時には次の回にトライしましょう。
これまで、ケリー・マーフィー、マイケル・ヴァーランダーおよび、ワインメーカーのアンディ・スミスが共同オーナーでしたが、マイケル・ヴァーラーンダーの持ち分をケリー・マーフィーがすべて買い取ったとのことです(Change in Ownership Interests at DuMOL)。
近年では自社畑を増やしており、近頃グリーン・ヴァレーにあるマーシャル・ランチというリンゴ畑を購入しています。この畑はデュモルのこれまでの自社畑に隣接しており、今後シャルドネやピノ・ノワールを植樹する予定です。
また、2014年のヴィンテージからナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを作り始めました。ナパの中では比較的涼しいクームズヴィルやスプリング・マウンテンのブドウを買っているそうです。2015年にはオークヴィルのカベルネも作り始める予定です。
ロシアン・リバー・ヴァレーはカリフォルニアのピノ・ノワールの名産地であり、ウィリアムズ・セリエムやロキオリを初めとして、1990年代から2000年代初頭の黎明期を担ってきました。今でも、これらのワイナリーは素晴らしいピノ・ノワールを作っていますが、全般的に言えば、ロシアン・リバー・ヴァレーのピノ・ノワールは、アルコール度が高く、濃い味わいのワインになりがちです。これは気のせいというわけではなく、実際に以前は13%台のアルコール度だったワインが近年では14%台になったていることがしばしばあります。
この記事では、どうしてそうなっていったのかを、様々なワイナリーへと取材から分析しています。
例えば、剪定の方法の変化。かつては「California sprawl」と呼ばれる、雨傘のように開いた形の剪定が多く、ブドウの実は日影で成長していました。それが枝を縦に伸ばす剪定に変わったことで、ブドウの実が日光に直接さらされるようになっているといいます。
クローンの変化もあります。90年代後半から植え付けられることが増えていったDijonクローンは、熟すのが早く、涼しい土地に向いているといます。ロシアン・リバー・ヴァレーでは、やや強くなりすぎるようです。
また、ロキオリではかつて天然酵母で醸造していたのが、今は培養酵母に変わっています。天然酵母時代は糖度23で収穫したときに、アルコール度が12%くらいだったのが、今の酵母では13.9%にも達するとのことです。
このほか、気候の面でも、以前より気温が上昇しており、ロシアン・リバー・ヴァレーはリージョンIからリージョンIIに変わったというデータがあるそうです。
ただ、これら全てがネガティヴというわけではなく、例えば、剪定の変化はブドウの病気を減らしているそうです。メリー・エドワーズなど、IPOB的なアルコール度を下げる運動に懐疑的なワインメーカーもいます。
読み応えのある記事ですので、一読することをお勧めします。
過去のハーラン・セミナーについては以下の記事をご参照ください。
Harlan EstateオーナーBill Harlan氏来日記念セミナー
ハーラン・エステートの4ヴィンテージを試飲して感じたこと
右がウィル・ハーラン氏、左がドン・ウィーバー氏
ウィル・ハーラン氏は1987年の生まれ。デューク大学を卒業後IT系の企業を立ち上げていましたが、ファミリービジネスのパッションを感じてハーラン・エステートの後を継ぐ決意をしたそうです。ビル・ハーラン氏は常々「200年計画」としてワイナリーを家族のビジネスとして永続させていきたい旨を表明していましたから、その意向に沿ったものと言えるでしょう。父親についてはメンターであり、共に学んでいると、帝王学を施している様子が伺えます。ワイナリーの今後についても、大きく何かを変えるということはなく、より土地を学んで漸進的によくしていくつもりであると言っていました。
またドン・ウィーバー氏からはワイナリー周りの写真を使って、畑の特徴などの説明がありました。
ビル・ハーラン氏が故ロバート・モンダヴィとフランスの銘醸畑を回って、いいワインを作るためにはヒルサイドの畑でないといけないと思ったという話は有名ですが、ただ、斜面というだけでなく非常に多様な畑であることが説明されました。
例えば、畑の標高は低いところで65mですが、一番高いところは374mにも達しています。また、単調な山の斜面というより丘の上に近い立地であり、斜面の向きも南だったり東だったり西だったりと様々です。
ワイナリーの建物よりも東側は火山性の土壌であるのに対し、西側は海洋堆積物の土壌になっています。
下にあるのがマーサズ・ビンヤード、奥のユーカリの樹も見える
この写真はナパの霧の雰囲気が分かるとともに、下にハイツのマーサズ・ビンヤードとその周囲のユーカリが見える点でも面白い写真だと思います。
和の雰囲気を持つゲストルーム
さて、今回の試飲は2011年のハーラン・エステートとセカンド・ワインのメイデン、それからバックヴィンテージとして2006年と2007年のハーラン・エステートが供されました。
2011年のハーランとメイデンは6月に国内出荷が始まる予定。メイデンは他国には輸出されていないとのことで、日本市場を大事にしていることが分かります。
2011年はナパとしては異例に雨が多く、気温が低い年で、通常は2000ケースくらい作るハーラン・エステートをこの年は850ケースしか作らなかったとのことです。
2011年のメイデンは、今飲んでおいしいワイン。もちろん若くてタンニンも強いですが、とてもアロマティックで酸が豊かなワインです。いわゆるナパのカベルネ・ソーヴィニヨンのイメージとはちょっと違うかもしれません(なお、畑の植樹比率はカベルネ・ソーヴィニヨンが70%でメルローが20%、カベルネ・フランが8%、プティ・ヴェルドが2%)。
2011年のハーラン・エステートはWine Advocate誌のレイティングが93点と、このワイナリーにしては低かったのですが、予想以上にいいワインでした。確かにほかのヴィンテージと比べるとおとなしめの味わいかもしれませんが、エレガントであり、ビロードのような舌触りはハーランならではのもの。むしろほかのヴィンテージよりも早い段階から美味しく飲めるワインかもしれません。とてもなめらかで重さを感じないワインでした。以前に試飲したものだと2005年の印象と似ているように思います。
2006年のハーラン・エステートは4年前にも試飲していますが、強さと美しさを兼ね備えた素晴らしいワイン。特に余韻の長さは驚くほどでした。すべてが高レベルでまとまっている印象。
最後は2007年のハーラン・エステート。Wine Advocate誌では100点がついているワインです。非常にスムーズなワインですが、今回の試飲では強さや余韻の点で2006年にちょっと負けているような気がしました。閉じている時期だったのかもしれません。以前のセミナーでドン・ウィーバー氏は「6~8年で一回閉じることがある」と言っていましたので、そういうタイミングだった可能性が高いと思います。
ハーランのボトルを持って
最後に余談ですが、ウィル・ハーラン氏が日本に着いてからこのセミナーまで1日足らずだったのですが、その間に既にラーメンを2回食べていたとのこと。どんなラーメンが好きなのか気になります。
特に人気の高い3ブロックのブレンドもの(シャルドネのホリーズ・キュベ、ピノ・ノワールのスリー・ブロックス)は入手困難なので、早めの購入を薦めます。それから2010年のピノは1種類だけありますが、2011年より評価高く、価格も1000円以上安いのでチャンスですよ。
ヴァーナー/ニーリーはIPOBのメンバーの1つでもあります。先日のIPOBイベントの際にインタビューもさせていただきましたが、とてもユニークなワイナリーでした(IPOBミニインタビューその3――ロバート・ヴァーナー/ヴァーナー・ワイン)。
この価格帯では最良のピノ・ノワール/シャルドネの1つであることは間違いありませんし、サンタ・クルーズ・マウンテンズの冷涼感のようなものを味わえるワインでもあります。
なお、Wassy'sでは店長のハダノリさんがワシントン州訪問中につき、現在ワシントン州のワインがポイント2倍になっています。
米国がこの法律を変えない場合、数多くの米国からの輸出品に多額の関税が課せられることになります。その中にはワインも含まれており、100%の関税が予定されています。カナダは米国からのワインの輸出先として一番大きな市場であり、カナダのワイン市場の中でも米国ワインが最大のシェアを持っています。このままだと米国のワイン業界全体に深刻な打撃が加わることになります。
食肉のラベル付けルールとは、米国内で販売する食肉の起源を記さないといけないというもので、このルールをなくすことについては、米国内の消費者グループなどから反対の声があります。
日本に直接関係することではありませんが、米国ではワイン業界全体の浮沈にかかわることとみなされています。
楽天モバイルで格安スマホ/格安SIM初体験記その2――格安スマホの設定は案外簡単だった
楽天モバイルで格安スマホ/格安SIM初体験記その3――格安スマホはiPhoneを置き換えられる?
楽天モバイルで格安スマホ/格安SIM初体験記その4――楽天モバイル最安プランはどれだけ使えるか
もどうぞ。
格安SIMと格安スマホ(Zenfone5)で、iPhoneをどれだけ置き換えられるかのモニターを始めて約2カ月経ちました。使用感もだんだん安定してきています。また、自宅に無線LANの中継器を導入したことで、これまで無線LANが届かなかった寝室などでも無線LANが使えるようになりました。
その結果、iPhoneとの併用中とはいえ、月3.1Gバイトの制限も全く問題なくなっています(18日までに0.9Gバイト使用)。iPhoneの2年縛りがとけたら、格安スマホ+格安SIMにしようかと思っています。
ただ、現在楽天モバイルからモニターで借りているZenfone5には大きな問題があることも分かりました。ストレージ容量が少ないのです。
市販されているZenfone5は16Gバイトと32Gバイト版がありますが、今使っているのは8Gバイト。そのうち約半分の3.98GバイトはAndroidが使っており、ユーザー領域は4.02Gバイトとなっています。アプリをインストールすると、データなど一部はMicroSDカードに移せます(アプリにもよります)が、本体で使う分も少なからずあります。その結果、残りが400Mバイトを割り、新たなアプリをインストールしようとすると、容量不足としてインストールできなくなってしまったのです(インストールしようとしたアプリ自体はそれほど大きなものではありません)。
この時点でインストールしてあるアプリはプリインストールを含めて100個くらい。十分と思うかもしれませんが、iPhoneの方はアプリ400くらい入っていますから、それに比べると全然少ないし、まだ辞書のような容量が大きなアプリはほとんど入れていません。
結局、内部ストレージ8Gバイトでは足りないと言わざるを得ないでしょう。これから格安スマホを買う人は、ストレージ容量注意してください。なお、楽天モバイルが用意している端末の中ではZenfone5とArrowsの2つが8Gバイトでした。
他の格安SIMの会社のセット端末でもArrowsやLG G2 miniは8Gバイトのものが多いので要注意です。
この機会にと思い、カリフォルニアワイン業界の有名な方々に、厚かましいと思いつつも、サイトの推薦コメントをお願いしてみました。ありがたいことに、ワイン・インスティテュート駐日代表の堀賢一さんや、ナパヴァレー・ヴィントナーズの日本事務所など素晴らしい方々から、コメントをいただき、掲載いたしました。
カリフォルニアワインの玄関口#推薦の言葉
からご覧ください。
受講するにはまず「EMMA」への登録が必要です。
登録してログインしたら、「MOOC #OWU: Open Wine University (Université de la Vigne et du Vin pour Tous)」のページから「ENROLL」します。
これで手続きは終了です。今のところ英語での受講方法が不明ですが、おそらく字幕を使うのではないかと思っています。
受講期間は5週間。オンラインのセミナーのほか、ビデオ・ブログや試飲も含まれるとのこと。
というわけで僕も手続きはしてみました。
そのペルソナはジョー&ジョー、ジェシカ、ジェイクと名付けられています。
ジョー&ジョー(Joe & Jo)は通常10ドル以下のワインを買います。年齢は50代の男性または女性で、子供もいます。収入はあまり多くありません。ワインの知識はあまりないことを自覚しており、食料品店でワインを買います。ワイン・アプリでの価格チェックは怠らず、割引やクーポンでワインを買います。モットーは「おいしいワインは安くなければ。ワインは楽しんでリラックスするためのもの」。
ジェシカは10ドル~15ドルのワインを好みます。収入は比較的多く、年齢は40代前半の女性です。ワインの知識は人よりもあると思っています。ワインを買うときはコストコやTarget(米国の安売りストアの1つ、日本で言えばイオンみたいな感じかな?)に行きます。ソーシャルメディアで友人とワインの話をしたり、ワインのレビューを読むのも好きです。モットーは「友達や自分自身をおいしいワインでもてなしたいわ」。
ジェイクは15ドル以上のワインを買います。収入は比較的高く、男性で年齢は30代後半。自分でもワインのエキスパートだと思っています。ワインショップ、食料品店、コストコなどさまざまなところでワインを買います。オンラインやワイナリーのテイスティング・ルームでもよくワインを買います。技術に詳しくワインのソーシャルメディア・サイトやワインアプリを駆使して情報を集めたり交換したりしています。モットーは「世界の最高のワインを味わいたい」。
高頻度のワインドリンカーと一口に言っても、実はいろいろなスタイルがあるということを明らかにしているのは興味深いところです。
日本でも、こういった分析はされているのでしょうかねえ? サントリーとかは、やっていそうな気もしますが、公表されているものはなさそうです。
おそらくカリフォルニアワインを好む人は、ワイン飲み全般とはまた違うプロファイルになりそうですが、どちらも知りたいですね。
なお、調査手法など詳しいことは原文をご覧ください。
先日は、ダックホーンのワインの中でも品質の高さで知られるスリーパームズ(Three Palms)を購入したことを明らかにしました。
スリーパームズは1800年代には、サンフランシスコの「コイト・タワー」に名を残すリリー・コイトが所持していた土地。ランドマークとなっている3本の椰子の木はその次代に植えられたものです。
1967年にその父を購入したアプトン家がブドウを植えました。現在の樹齢は平均20年ほどだそうです。83エーカーのうち73エーカーがブドウ畑になっており、全量をダックホーンが買っています。
目玉はリトライ。オーナーのテッド・レモンが直々にワインを注いでくれます。通訳付きですので、いろいろ話を聞けるチャンスです。リトライのワイン各種の他にもいろいろ試飲できるようです。
申し込み方法などは、以下の案内をご覧ください。
日時:5月25日(月)19:00-21:00(21:30閉場)
会場:リビエラ 青山
〒107-0062 東京都港区南青山3-3-3
(地下鉄外苑前徒歩3分)
料金:¥8,640(税込)
ワイン・料理:
リトライのシャルドネ、ピノ・ノワールのラインナップ、布袋ワインズのニューリリースワインを含む約60種のナパの高級ワインなどカリフォルニアの銘醸ワイン、南米のユニークな高品質ワインをお楽しみ頂けます。
リトライ試飲(予定)ワイン:
http://www.hoteiwines.jp/winery/winery_detail.cfm?dmnID=51
※リトライのブースでは醸造家テッド・レモンが皆様をおもてなし致します。
(通訳:三木香奈)
直前のご案内で誠に恐縮でございますが、ユニークで美味しいワインがたくさん登場いたしますので、何卒皆様のご意見を頂ければ幸いです。
ご参加希望の方は下記リンクよりお申込み、または下記アドレス宛メールにてお申込み下さい。
どうぞよろしくお願い申し上げます。
■お申込みサイト(英語のみ):
http://www.hoteiwines.com/go/?Ticket_20150525
■お申込み、お問い合わせメールアドレス(日本語・英語):
office@hoteiwines.com
考えてみれば、パリ・テイスティングから来年で40年経つわけですから、世代交代しても全然不思議ではないのです。
幼いころからワインに囲まれて育ってきた彼らにとっては、欧州へのコンプレックスのようなものもなく、カリフォルニアオリジナルなワインを作るようになってきています。
その1つが今回紹介するテイクン。カルロ・トリンチェロと助手ジョシュ・フェルプスによるプロジェクトです。カルロ・トリンチェロはその名の通り、ナパのトリンチェロ・ファミリーの末裔。ジョシュ・フェルプスはドミナスの初代ワインメーカーだったクリス・フェルプスの子供です。
この二人が作っているワインがテイクン「Taken」。カベルネ・ソーヴィニヨンを中心とした赤ワインのブレンドを作っています。2012年ヴィンテージはWine Advocate誌の評価で93点。
パーカーは「このワインの名前はリーアム・ニーソンの同名の映画(邦題は『96時間』)から取ったものではなさそうだが、疑いなく、私はこのワインに夢中になっちゃった(taken)よ」と、ちょっとポップなレビューを書いています。takenという言葉は女の子が男の子に夢中になって周りが見えなくなっている様子を意味しているようです。日本語にしたら「メロメロ」?古いか。
しかも、他ショップでは出なかったシャルドネもあり、中でも一番人気のホリーズ・キュベまで入っています。また、ピノ・ノワールでは2010ヴィンテージのものもあります。
●シャルドネ
●ピノ・ノワール(2011年)
●ピノ・ノワール(2010年)
なお、参考までにWine Advocate誌でのレイティングは
2012年のシャルドネ
ビー・ブロック 96
ホーム・ブロック 94
アンフィシアター・ブロック 95
ニーリー・ホリーズ・キュベ 96
2011年のピノ・ノワール
ヒドゥン・ブロック 92
アッパー・ブロック 91
ピクニック・ブロック 90
2010年のピノ・ノワール
ヒドゥン・ブロック 92
ヴァーナー・スリー・ブロックス 95
2011年にNBAを引退した後、ワイナリー・ビジネスを始めたヤオ・ミンは、高額なワインなどで注目を集めました(参考:元NBAスター姚明の289ドルワインをめぐるあれこれ)。
出資をつのる理由については明らかにされていませんが、中国本土でのワイン販売が以前ほどでなくなってきたので、米国での販路を広げるのではないか、などと言われています。
2014年の観光収入は約16億5000万ドル。2013年よりも4000万ドル、およそ2.4%上回りました。5年連続の成長となっています。
2014年の伸びは税収にすると500万ドル。1家庭あたり760ドルの収入に相当するとのことです。
観光客の一番の目的はワインですが、決してそれだけではないそうです。景色の美しさがあり、そこで飲むワインだからこそ美味しく感じるということが観光客をひきつけているのだとか。
海外からの観光客も伸びており、観光客全体の10~15%になっています。一番伸びているのは中国人で、このほか北米、日本、オーストラリアからも多くの観光客が来ているそうです。
エチュードといえば、アラウホやダッラ・ヴァッレなどカリフォルニアワインの「カルト」と呼ばれたワインの多くに携わったトニー・ソーターが初めて自身のワイナリーとして作ったところ。個人的にも思い出深いワイナリーの1つです。
既にソーターはオレゴンで自身の名前を付けたソーターを立ち上げており、エチュードからはほとんど手を引いていますが、それにしてもちょっとさびしいですね。
まず、試飲会の感想ですが、予想以上に美味しいワインが多かったです。個人的に特に印象に残ったのはハーシュですが、ドメーヌ・ド・ラ・コートやリオコ、ビッグ・ベイスン、ウインド・ギャップなどもまた飲みたいと思うワインでした。
IPOBは濃い、アルコール度が高いピノ・ノワールへのアンチテーゼとして始まったこともあり、薄くて酸っぱいワインが多いのではないかと、実はちょっと心配していた面もあったのですが、実際に試飲会で出ていたワインは、予想以上にカリフォルニアらしいワインでした。カリフォルニアらしいというのは、いい意味で果実味が豊かなワインが多かったということです。IPOBがカリフォルニアの良さを殺してしまっているという批判は当たらないように思いました。
一方で、IPOBのワインについてテイスティング・コメントを書くのはなかなか大変でした。バランスの良さというのをコメントに落としこもうとしてもいい表現が出てきません。自分自身のテイスティング能力の低さを思い知らされました。
ところで、米国では「サードウェーブ」と言われる新しいコーヒー屋のブームが起きていました。これとの類似についても改めて強く感じました。
二昔まえまで、アメリカでコーヒーといえば、いわゆるアメリカン・コーヒーのような薄い風味のないものばかりでした。それに対して「セカンドウェーブ」として出てきたのがスターバックスなど「シアトル系」のコーヒー屋です。これらは米国のコーヒーのレベルを大きく上げましたが一方で、やや画一的な味わいになってしまった面も否定できないでしょう。
そこで登場したのがサードウェーブです。コーヒー豆を比較的浅煎りにして、ワインで言えばテロワールをより感じやすいようにしていることなど、IPOBでよく聞かれた「畑の味わいを引き出す」ワインに通じるような気がしました。味わい的にも濃く強い味わいのシアトル系に対して、浅煎りで薄い味わいのサードウェーブと、従来のカリフォルニアワインに対するIPOBの立ち位置によく似ています。
また、IPOBは比較的若い人がよく飲んでいるという話がありました。そのあたりもサードウェーブに通じるところがあるような気がします。
サードウェーブ・コーヒーの代表的な店の1つブルーボトルは先日日本でも店を開き、大変なにぎわいになっているといいます。IPOBもカリフォルニアワインを引っ張るような存在になるのでしょうか。
なお、ラジャ・パーはワイナリーを経営する傍ら、ミナ・グループのレストランでワイン・ディレクターを務めています。
ラジャ・パーについては過去記事をどうぞ。
IPOBミニインタビューその4――ラジャ・パー、サシ・ムーアマン/サンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コート、ピエドラサッシ
全カリフォルニアが注目するIPOB、創設者ラジャ・パーが語る
IPOBのLiocoとSandhi、Domane de la Côteを試飲
参加したワイナリーは76(71ロット)。ワインは590ケースでしたから、ケース当たりの平均落札額は782ドル、1本65ドルと割と落ち着いた線だったようです。
ちなみに、ナパの「プレミア・ナパ・ヴァレー」の今年の落札額は600万ドル。1本あたり286ドルです。元々高額のカベルネが中心のナパと比較的安価なピノ・ノワールやジンファンデルが多いソノマとの違いもあるでしょうが、盛り上がりという面ではまだナパが大分上回っている印象があります。
なお、落札額が一番高かったのはジョセフ・スワンとコスタ・ブラウン、ウイリアムズ・セリエムのコラボレーションによるワイン、およびウイリアムズ・セリエムの10の畑の7つのクローンのブレンド「Reverence」。ともに2万4000ドルでした。ただ、これはどちらも20ケースのロットでしたから、1本当たりに換算すれば100ドルとなっています。
ソノマでは、初開催の今回のオークションのほか、一般向けのソノマ・ハーベスト・ワイン・オークションを9月に開催しています。
ナパと比べれば、普通の人でも参加しやすそうな雰囲気があります。
前回、2年ほど前に行ったときに食べ放題の店が増えているのに驚きましたが、その傾向はさらに強まっているようです。安いところだと1000円台で130品ほどの中から注文して持ってきてもらう「オーダー式食べ放題」が時間無制限で食べられます。
そういうところでもいいかとは思ったのですが、さすがに1000円台の食べ放題で本当に美味しい中華を期待するのは無理でしょう。いくつか調べてみると「皇朝」や「招福門」といった人気の高い店の食べ放題は、やはり2800円台と、値段と品質はそれなりに連動しているようです。
せっかく行くのですから、美味しいものは食べたいので、しっかりしてそうな店を探したところ、老舗の「横浜大飯店」や「大珍樓」といった店でも食べ放題をやっていることがわかりました。
ただ、横浜大飯店は4月から値上がりして一人3750円。6人で行ったら2万円を超えるのはちょっと辛いです。
そこで、「大珍樓」の食べ放題2880円を予約して行きました。なお本館と新館があり、新館は食べ放題のみ、本館はアラカルトをやっているフロアもあるようです。今回は本館へ。
ここは2時間の制限はありますが、一度に注文する数の制限や、来たものを食べてからでないと次の注文ができないといった制限はありません(実際、安いところの中にはそういった制限で実際に注文する数を抑えているところがあるようです)。
2時間真剣勝負で食べました。その数35品。ポーションは小さめなので、基本的にどれも2皿ずつ頼んでいます(北京ダックなど、ものによっては個数で注文します)から、70皿くらい食べたことになります。お腹いっぱいすぎです。
中でも美味しかったものを紹介します。
皮付き豚バラ肉、これは絶品でお代わりしたので計4皿食べています。
しいたけのエビすり身乗せ。しいたけのものは全般に美味しかったです。
蟹卵のせ焼売。焼売ではこれがベスト。
冷やし蒸鶏のネギ生姜ソース。これもお代わりしました。
窯焼きチャーシュー。これもお代わりした品。
五目チャーハン。チャーハンが美味しいと嬉しい。
香港風細麺やきそば。僕はチャーハンよりこっちが好き。絶品
鶏と椎茸の煮込み。これも椎茸。
黒酢豚。カリッと揚げた豚に濃厚な黒酢をからめています。ちょっと味濃いけど美味しい。
チンゲンサイのクリーム煮。野菜は「カスタマイズメニュー」として、白菜・レタス・チンゲンサイ・青菜をクリーム煮、オイスターソース、塩炒めのどれかにしてもらえます。野菜物が少なめだったので、もっと頼めばよかった。
これだけ美味しいものを一杯食べられると食べ放題はいいですね。
アルバムも置いておきます(いくつか写真がないものもあるみたいなので、実際はもっと頼んだのかも)。
健康に悪そうなものばかりを食べているという印象がある米国ですが、オーガニックな食品の市場は急激に伸びています。世界における2018年のオーガニック食品の市場は1615億ドルと2013年の倍に達する見込みですが、そのうちの4割を超える662億ドルが北米市場とみなされています。
ただ、この記事の筆者が調べたところによると、オーガニックが環境に良いとは限らないとのこと。オーガニックな農業では、化学合成された農薬の代わりに自然の物質を使いますが、自然の物質だからといって、体や環境にいいとは限らないわけです。例えば、じゃがいもの緑色になった部分に含まれるソラニンという物質は人体に害がありますし、ボルドー液という有機農業で使われる農薬には硫酸銅が含まれています。これを大量に撒くことによって「ブドウ畑散布者の肺」と言われる症状を引き起こすことがあるといいます。
化学合成された農薬については、副作用なども詳しく調べられており、使う容量などもきっちりと制限されていますが、有機のものについては、そこまで詳しく調べられておらず、無節操に使われているケースもあるようです。
では消費者としたらどうしたらいいのでしょうか。
この記事の筆者は、有機農業であるかどうかを問わず、小規模生産者のワインを買うことを薦めています。大規模になればなるほど、農薬を大量に撒く傾向があるからだそうです。小規模なところではそういった使い過ぎはほとんどないとのこと。
そういえば、以前あるワイナリーで「有機農業にしないのか」と聞いたところ、「有機にするとかえって環境にダメージを与えるからやらない」と言われたことがありました。今回のものに通じるのかもしれません。
話はちょっとずれますが、最近増えている大手メーカーの「酸化防止剤無添加」のワイン。これも「自然で体にいい」ものと受け取られがちですが、疑問を持っています。大手メーカーがどうやって酸化防止剤を入れずにワインを作っているのか分かりませんが、すくなくとも濾過によって微生物を取り除いているのは確実でしょう。そもそも、これらのワインはかなりの低価格で売られており、おそらく輸入した濃縮果汁を還元して作ったワインだと思います。酸化防止剤を付加する普通のワインとくらべても、工業的に作られたワインであることは否めないでしょう。
オーガニックにしろ、酸化防止剤無添加にしろ、あまりマーケティング的に使われているケースについては、あまり鵜呑みにしてはいけないような気がします。
参考:テスラ、電気自動車の次は蓄電池で世界を変える(page 3) - エネルギー - 日経テクノロジーオンライン
テスラはパナソニックなどと巨大な蓄電池工場を建設中であり、それを自動車だけでなく、家庭用や産業用の蓄電池にも使っていくもよう。ジャクソン・ファミリーはケンダル・ジャクソンだけでなく、傘下の複数のワイナリーにこの蓄電池を設置し、総容量は4.2MWに達するとのことです。
既に設置済みの太陽電池と組み合わせることで、電気代をこれまでの4割に相当する200万ドル節約できるそうです。ただし、この蓄電池だけによるメリットがどれだけあるのかは明らかにしていません。
通常、太陽電池は設備の電力を賄うのと同時に、電気が余っているときは電力網に売電することで電気代を節約します。今回の蓄電池を使うと、電気が余っているときは蓄電池に保存できるので、従来の電力網に依存する割合が減るのが大きなメリットなのかと思います。
太陽電池など再生可能エネルギーの増加は、電力網の安定運用にとっても課題となりつつあり、今回の蓄電池はその問題の解決にもつながるものだと思います。
ヴァーナー(3ブロックのブレンドもの)は売り切れてしまいましたが、ニーリー(単一畑の単一ブロック)は3種類ごくわずかですが残っています。
IPOBの提唱者の一人であるラジャ・パーのワイナリー。ラジャ・パーはサンタ・リタ・ヒルズにサンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コートと2つのワイナリーを持っていますが、サンディが購入したブドウで作っているのに対し、ドメーヌ・ド・ラ・コートは自社畑。サンタ・リタ・ヒルズの中でも海に近く、涼しくて風が強く、石灰岩がある特別な場所です。
参考:IPOBミニインタビューその4――ラジャ・パー、サシ・ムーアマン/サンディ、ドメーヌ・ド・ラ・コート、ピエドラサッシ
ドメーヌ・ド・ラ・コートのサンタ・リタ・ヒルズも、自社畑のブドウだけを使った「エステート」のワイン。ドメーヌ・ド・ラ・コートの入門用としてもいいと思います。50%除梗し、新樽は全く使っていません。アルコール度も12.5%と低いですが、決して薄いワインではなく、力強さとエレガンスを両立した素晴らしいワインだと思います。
IPOBについては、カリフォルニアの良さを殺してワインを作る意味は無いといった非難の声もあります。このワインを飲むとカリフォルニアの良さもきちんと出ていて、なおかつ甘かったりくどくなったりしていないということが理解できるのではないかと思います。ぜひお試しください。
シェフとしては料理の鉄人で知られる森本正治氏が招かれ、ホワイトハウスのシェフと共同で料理を作ったとのこと。下の写真は1皿目として作られた「トロ・タルタル」(写真は森本氏のインスタグラムから)。
この料理に合わせて提供されたのがフリーマンのシャルドネ「涼風」2013です。
このほか、メインの和牛(ただし米国産)の料理にはモルレ・ファミリーのジョリ・クール・ピノ・ノワールが出されました。アイアン・ホースのロシアン・リバー・キュヴェも提供されたそうです。
ワインがどれもソノマ産というのも興味深いところです。
サンノゼ・マーキュリーの記事によると、多くのワインはナパのビッグなスタイルではないですが、繊細さとバランスがあって美味しい物もたくさんあるとのことです。
ただ、すべてのワインがいいとは言えないので、慎重に選ぶ必要があります。例えば水はけがあまりよくない畑は選ばない方がいいでしょう。新樽をふんだんにつかったものも避けた方が良さそうです。
一方で、斜面の畑はいいものが多いようです。
お薦めとして上げられているのは
2011 Ladera Howell Mountain Reserve Cabernet Sauvignon ($90)
2011 Smith-Madrone Spring Mountain District Cabernet Sauvignon ($48)
2011 Spottswoode "Family Estate" Cabernet Sauvignon ($150)
2011 DominusおよびNapanook
です。
すべて自社畑ですが、ヴァーナーは単一ブロック、ニーリーは3ブロックのブレンドになっています。
●ブラッドリー・ブラウン/ビッグ・ベイスン・ヴィンヤーズ
――バランスの取れたワインをどう定義しますか。
ブラッドリー:香りが複雑であること、いきいきとした果実味があること、を大事にしています。
――それを実現するのに大事なことは何でしょう。
ブラッドリー:収穫のタイミングはとても重要です。それが数日異なるだけでワインは全く違った味わいになってしまいます。
●スティーブ・マサイアソン/マサイアソン・ファミリー・ヴィンヤード
――バランスの取れたワインとはどういうものですか。
スティーブ:いろいろな味わいの調和が取れていることです。食事と合わせて飲んでおいしいことも大事です。
――ナパのワインを作っていますが、シャルドネにとっては暑すぎることはないですか。
スティーブ:シャルドネの畑があるオーク・ノールのあたりは海からの霧の影響が強いので、シャルドネも大丈夫です。また、フレッシュさを保つため、マロラクティック発酵は全く行わないか、行っても少しにしています。
●ジェイソン・ジャーディン/ハンゼル・ヴィンヤーズ
――バランスの取れたワインには何が重要ですか。
ジェイソン:テクスチャとハーモニーです。ハンゼルにはカリフォルニアで最も古いピノ・ノワールの樹があるなど、古い畑も多くあります。その歴史を引き出すことも大事です。
――具体的な手法は何かありますか
ジェイソン:やり方はいろいろありますが、大事なのは「信じること」です。
●ジェームス・オンティヴェロス/ネイティブ9
――ネイティブ9はどういうワイナリーですか
ジェームス:ネイティブ9とは9世代目という意味です。牧場をやっていたところを1997年にブドウ畑にしてワイナリーを始めました。
――バランスの取れたワインには何が必要ですか。
ジェームス:味わいの調和ですね。そのためには適切な畑が大事だと思っています。
●キャロル・ケンプ/レッド・カー
――レッド・カーは最初はLA近辺のワイナリーでしたね。ソノマに移転したのはなぜですか。
キャロル:最初に何年かワインを作ってから、自分で畑を持つことが大事だと思うようになりました。それで見つけたのがソノマ・コーストでした。
――ワインの味わいも以前はもっと濃い、いわゆるカリフォルニア的なものだったと思います。
キャロル:そうですね。そういう意味では最初と比べるとすべてが変わったと言えると思います。
今回のワインの目玉はファイラ(Failla)。先日から紹介しているIPOB(In Pursuit of Balance)のメンバーです。希望小売価格9000円のハドソン・ヴィンヤードのシャルドネが税抜き5980円など、かなりの割安です。
このほか、シャスールの「リッチー」のシャルドネなど、白ワイン好きには見逃せないワインが出ています。
一方、赤ワインではレイヴンズウッドのフラグシップ「オールド・ヒル」が特価。ワイナリー価格60ドルのワインが税抜き4500円になっています。樹齢100年を超える古木の畑のワインです。
――ペイ・ヴィンヤーズについて教えて下さい。
ニック:私とヴァネッサは1990年にUCデイヴィスで知り合いました。その後、ヴァネッサはピーター・マイケルなどで働き有名なワインメーカーになりました。
96年にソノマ・コーストの最も北のアナポリスというところの、海から6kmほど離れた場所で土地を買いました。98年に12ヘクタールの畑を作り、今は21ヘクタールまで広がっています。ヴァネッサは2001年からペイに専念しています。
――ヴァネッサさんはとても有名なワインメーカーですが、ピーター・マイケルから、このような小さなプロジェクトに移った理由は何でしょうか。
ヴァネッサ:自分で様々なことをコントロールできるからです。ただ、天気だけは自分でコントロールできないので大変です(笑)。
――畑はとても涼しそうなところにありますね。
ニック:ここの畑は標高200~250mくらいのところにあります。ここの気候で面白いのは、標高が低いほど霧などの影響が大きくて気温が低くなることです。また、ある標高を超えると今度は標高が高いほど気温が低くなります。ペイの畑はちょうど霧が届く限界くらいにあります。
――ワイン作りの特徴を教えて下さい。
ヴァネッサ:除梗をせず、天然酵母だけを使っています。
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試飲したワインの中ではソノマ・コーストのシャルドネは花の香りが愛らしく、何度も飲みたくなるようなワイン。一方エステートのシャルドネはミネラル豊かで芳醇な味わい。
ピノ・ノワールもソノマ・コーストのものは香りの豊かさが特徴的でした。また「アマ」というエステートのピノ・ノワールは、うまみを強く感じるワイン。どのワインもさすがの出来栄えでした。
それによると、持続可能な畑は現在自己申告で58%。宣言から1年、目標まで4年にして早くも過半数に達しました。
ちなみに、今年1月に公表された年次報告では自己申告で43%、サードパーティーの認証済みで33%。そのときと比べても15ポイントと急激に増えています。
Sonoma Country Winegrowersはさらに、次世紀に向けた『100年ビジネスプラン』を策定するとのこと。
これまで地域のプランディングについては大きくナパの後塵を拝してきたソノマですが、この分野では、かなり頑張っている印象です。
オーナーのジム・クレンデネンは日本びいきで、数えきれないほど日本に来ています。また、長女でワイン名に名前が使われているイザベルさんは、日本のマンガが大好きだそうです。
インタビューは白ワイン3種(2013ミッション・ラベル・シャルドネ、2011ニュイ・ブランシュ、2012ヒルデガード)、ピノ・ノワール3種(2012ミッション・ラベル、2011ノックス・アレキサンダー、2011イザベル)を試飲しながら行いました。
なお、このインタビューのスピンオフとして「オー・ボン・クリマのラベルはなぜ三角形なのか」という記事を書いています。併せてお読みください。
――最初はミッション・ラベルのシャルドネですね。
ジム:ミッション・ラベルは中川ワイン用に専用で作っているワインです。ドリュー・カタオカさんという墨絵の画家にラベルを描いてもらっています。ブドウはビエン・ナシードです。
――ほかのビエン・ナシードのワインと、ラベル以外にも違いがあるのですか。
ジム:作るときから別々です。ミッション・ラベルでは保存・熟成用の樽は、新樽を使いません。寿司に合うワインです。
――次はヒルデガードですね。
ジム:これはピノ・グリ50%、ピノ・ブラン30%、アリゴテ20%のブレンドです。ピノ・グリとピノ・ブランはビエン・ナシードから、アリゴテはル・ボン・クリマという自社畑のものです。
――白ワインの最後はニュイ・ブランシュです。
ジム:ブドウはビエン・ナシードとル・ボン・クリマが半々です。ビエン・ナシードの分は、すべてディジョン・クローンのシャルドネを使っています。また、ル・ボン・クリマのブドウは繊細さを出しています。
――ニュイ・ブランシュは以前は「新樽200%」などといってカリフォルニア・スタイルのワインでした。今は大分エレガントになった気がします。
ジム:はい。このワインは最初、評論家がオー・ボン・クリマのワインを高く評価しないのに対抗するために、評論家好みのスタイルで作ったのでした。しかし、2000年ころに作り方を変えて、今のスタイルになっています。名前を、ただのニュイ・ブランシュから「ニュイ・ブランシュ・オー・バージュ」と変えたのが、そのときからでした。
――ピノ・ノワールのミッション・ラベルも作り方は違うのですか。
ジム:ピノ・ノワールのミッション・ラベルでは茎を全く入れないで作っています。やや土っぽく、スパイシーなニュアンスのあるワインです。
ピノ・ノワールの場合、自社畑の3つのブロックがそれぞれニーリー、それらをブレンドしたものにヴァーナーという名前が付いています。
コスト・パフォーマンスでは最高の部類に入るのではないでしょうか。IPOBのワインを知るためにもいいワインだと思います。
――リオコのワイン作りについて簡単に教えて下さい。
マット:テロワールを意識したワインを作っていきたいと考えています。現在、メンドシーノ、ソノマ、サンタ・クルーズの畑からワインを作っています。
――自社畑はありますか。
マット:いいえ、自社畑はありません。いい畑を探して契約しています。畑のハンティングでドライブをして回るのは楽しいですよ。
――(ピノ・ノワール ソノマ・コースト ラグーナ2012を試飲して)このワインの特徴を教えて下さい。
マット:ラグーナというのは、このワインの畑のあたりがロシアン・リバーの沼地が点々とする地域であることを示しています。ワインは明るく、フレッシュで赤い果実のピリッとした感じがあります。これがソノマ・コーストのピノ・ノワールの特徴でもあります。
――(ピノ・ノワール ソノマ・コースト ハーシュ・ヴィンヤード2012を試飲して)ハーシュの味わいはとても好きです。これもいいワインですね。
マット:ハーシュは、先ほど言ったソノマ・コーストの特徴に加え、可愛らしさもあり、またパワフルでもあります。
――(シャルドネ ハンゼル・ヴィンヤード2012を試飲して)これも美味しいですね。ハンゼルが他社にブドウを分けているとは知らなかったです。
マット:リオコはワインのインポーターをしていた私と、有名なレストラン「スパゴ」のワイン・ディレクターであるケビン・オコナーによるワイナリーです。「スパゴ」はハンゼルにとっては大お得意様。そこでワイン作りを始めると決めたときに、このブドウを使いたいと考えて電話してみました。その結果、うちだけがハンゼルの畑のブドウを購入するようになりました。
――IPOBのセミナーでハンゼルの2000年のシャルドネを試飲しました。とてもいいワインでした。熟成についてはどう考えていますか。
マット:熟成に耐えるワインであることも大事にしています。
――今回のイベントは大盛況でしたが、米国でIPOBはどのように受けとめられていますか。
マット:毀誉褒貶いろいろあります。ワインを売るためだけにやっているのだろう、と言われることもあります。
――売るためにIPOBに入るのなら、ラベルにロゴを入れたりすることもありえますか。
マット:(笑)。それはありません。そもそもIPOBは2年に1回の審査があるので、2年後も会員かどうかは分からないのです。
――IPOB最初の海外イベントとして日本を選んだ理由は何ですか。
ラジャ:日本人はすべてにおいて、バランスが取れています。食事は特にそうです。また、日本人は洗練されていますし、IPOBのようなフィロソフィーを理解してくれます。
――ドメーヌ・ド・ラ・コートとサンディについて説明してください。
サシ:サンタ・リタ・ヒルズでは246号線沿いとサンタ・イネズ川沿いに畑があります。我々はその中でもサンタ・イネズ川沿いの畑に興味を持っています。246号線沿いは砂地の土壌が中心になるのに対し、サンタ・イネズ川沿いでは粘土と海の堆積物が中心となります。また、川を挟んで北と南で斜面の向きなど、いろいろな違いが出るところも面白いです。
ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑はその中でも最も海に近い西側の土地で、この地域では珍しい石灰質の土壌があります。
――地図を見ると、川の南側に意外と多くの畑がありますね。北斜面になるので日照的には不利なような気がしますが。
サシ:そうですね。我々は川の南側の畑はシャルドネに適していると考えています。
――ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑は海に近いので、風も相当きついと思います。畑の列は風が抜けるように東西(風は西側から吹く)方向に作るのですか。
サシ:いいえ、南北方向に作ります。一番海側の1列で風を受け止めるのです。したがって、その1列だけはブドウのできは悲惨なものになります。また、風からブドウの樹を守るために、1エーカーに4000本の密植をしています。
――ほかには何か特徴がありますか。
サシ:クローンですね。ドメーヌ・ド・ラ・コートの畑ではディジョン・クローンは使っていません。マウント・エデン、カレラ、スワンといったカリフォルニアで昔から使われているクローンを使っています。特に、ブルームス・フィールドという畑では、これら3つのクローンを1列ごとに植える形になっています。
――サンディではサンフォード&ベネディクトの畑のワインを作っています。他のワイナリーとの違いをどのように出していますか。
ラジャ:うちでは特に古い樹のブロックを使わせてもらっています。
――ピエドラサッシのシラーも美味しいですね。
サシ:ピエドラサッシでは、ワインのスタイルがビッグになりすぎないように、早い時期に収穫をします。また、アロヨ・グランデにあるリム・ロックという畑は非常に珍しい自根によるシラーが植わってます。樹齢も30年を超えています。
――IPOBが最初のイベントをサンフランシスコで開いてから4年経ちました。米国のワイン愛好者の好みは変わってきていると思いますか。
ラジャ:少しずつ変わってきています。特に、若い人はIPOBをよく受け入れています。古くからワインを飲んできた人の好みは正直に言ってなかなか変わりません。それでも若い世代に受け入れられているのはいい徴候だと思います。
1982年にジム・クレンデネンが現オーハイのアダム・トルマックとワイナリーを立ち上げたとき、まだワイナリーの名前が決まっていませんでした。そこで2人で100個もの名前を考えました。
アダムはフランス語の名前は嫌だといって、スペイン語やドイツ語などの名前を候補として挙げていました。一方で、ジム・クレンデネンが挙げた候補の1つがAu Bon Climatでした。
ラベルのデザインはアダムの兄のリチャード(もしかしたら名前聞き間違えかも)が担当していました。彼が考えたのが正三角形のラベルです。
そのラベルにAu Bon Climatの文字を3段に配列すると、とてもきれいに並びました。また、頭文字の「ABC」というのもアメリカ人にとっては分かりやすく響きます。そこでリチャードが、この名前に決めた、と言って名前が決定したそうです。
名前が先にあって、ラベルを作ったのかと思っていましたが、実はそうではなかったのですね。ちょっと意外な話でした。
これ以外の話については、別途ミニインタビューを掲載する予定です。
――ヴァーナーの畑について教えて下さい。
ロバート:自社畑は6ヘクタールあり、それを3つのブロックに分けています。標高は200m~300mで、海からの霧が覆う場所です。土壌の上部が粘土層になっています。
――3つのブロックはどう違うのですか。
表面の土壌の深さや、涼しい風の入り方、気温が異なります。
――ワイン作りについて教えて下さい。
我々のワイン作りは極めてシンプルです。灌漑はありません。カバー・クロップ(地表を覆う草)はありません。酵母も野生のものです。
――シンプルですが、とても難しそうです。
ロバート:確かにそうです。一番重要なのは準備です。冬の間の剪定でほとんどが決まります。
多くの畑では、ブドウの樹が育ってきてから、こっちの枝を残すとか、こっちを落とすとか、ここの葉っぱは日当たりに影響するから取ってしまおうといったことをします。
うちではそういったこともしません。極めて慎重によく考えて剪定をしておくことで、実をつけるブドウの枝が適切な方向に伸びるのです。したがってブドウが伸び始めてからはほとんど何もしません。
――それはすごいですね。クローンは何を使っていますか。
ロバート:シャルドネはクローン4とウェンテです。ピノ・ノワールはディジョン・クローンの150と777です。
――ディジョン・クローンは濃いワインになりすぎるという意見もありますが。
ロバート:その通りです。環境によっては濃いワインになってしまいます。ディジョン・クローンでいいワインを作るためには、適切な日光と冷たい空気が必要です。ヴァーナーの畑はその条件を満たしているのです。
――ところで、ワインの名前がヴァーナーだったり、ニーリーだったり分かりにくいのですが。
ロバート:ヴァーナーは生産者の名前で、ニーリーは土地の持ち主の名前なのです。
――フォックスグローブもありますね。
フォックスグローブは自社畑ではなく購入したブドウで作っています。畑はセントラル・コーストでいくつかの畑と契約しています。
ワイン作りもヴァーナー/ニーリーとは全く別の方法です。ヴァーナー/ニーリーであれば高価な樽を使いますが、フォックスグローブでは樽を使いません。どうやって最小限のコストで、美味しいワインを作れるか考えて取り組んでいます。
収穫時期はヴァーナー/ニーリーよりも早くなります。畑が暖かいところにあるからです。
――私もフォックスグローブはすごく好きなワインです。
ヴァーナーとは異なりますが、これはこれでとても楽しいです。
――バランスの取れたワインとはどのようなものだと考えていますか
ウェルズ:アルコール度が高すぎず、煮詰めたような味わいにならないことは必要だと考えています。繊細で、土地の感覚が得られるようなワインにしたいです。また、畑とヴィンテージの違いが表現できるようなワインであることも重要だと考えています。
――コパンはアンダーソン・ヴァレーに畑を持っていますね。どうしてアンダーソン・ヴァレーを選んだのでしょうか。
ウェルズ:ワイナリーを始める前、サンフランシスコでWine Spectator誌の試飲コーディネーターをしていました。そのときにリトライ(Littorai)のテッド・レモンによるアンダーソン・ヴァレーのワインをテイスティングしました。それがとても美味しく、アンダーソン・ヴァレーのワインを作りたいと思いました。
――今回のイベントはピノ・ノワールとシャルドネに品種を絞っていますが、コパンはいいシラーも作っていますね。
ウェルズ:シラーは北ローヌのスタイルが好きで、シャプティエでワイン作りを学びました。甘くなく、果実味も抑えめのシラーで、カリフォルニアの一般的なスタイルとは異なっています。個人的にはすごくシラーが好きですが、売るのは大変です。
――今でもシラーを売るのは難しいのですか。
ウェルズ:ピノ・ノワールは映画『サイドウェイズ』以降、よく売れるようになり、放っておいても売れていきますが、シラーはそうではないです。
――今回、日本食もいろいろ試されたと思いますが、コパンのワインに合う食事は何だと思いますか。
ウェルズ:しゃぶしゃぶはピノにもシャルドネにも合うように思いました。マグロの刺し身は古いシャルドネに合わせたいですね。
今回はハーシュ・ヴィンヤーズについて聞くとともに、IPOBについても伺いました。
――今回はIPOB初の米国外でのイベント開催です。最初の国外のイベントとして日本を選んだのはなぜですか。
ジャスミン:日本人はいろいろな意味で洗練されています。料理も洗練されていますし、ワインの知識も豊富です。味覚も優れています。「うまみ」を生み出したのも日本です。
――お父さんのデイビッド・ハーシュがソノマ・コーストに土地を買ったのは1978年だったと聞いています。当時は近隣には全くブドウ畑もなかったわけですが、どうしてこの土地を選んだのでしょうか。
ジャスミン:ワインを作ろうと思っていたわけではなく、その場所が気に入ったから買ったのです。実際、最初からブドウを植えていたわけではなく、最初にブドウを植えたのは1980年でした。結果的にはとてもラッキーでした。
――ハーシュとしてワインを作り始めたのは2000年代になってからですね。その理由を教えて下さい。
ジャスミン:デイビッドは根っから農作業が好きで、ブドウを作っていました。いいブドウを作るためにはワインを作る経験も必要だと考えてワイン作りを始めました。
――今でもワイン作りよりも他のワイナリーへのブドウ供給が中心ですか。
ジャスミン:今は半々です。
――現在はピノ・ノワールとシャルドネを作っていますが、他の品種は作らないのでしょうか。
ジャスミン:個人的にはシラーやシュナン・ブランもすごく好きです。ですが作り手としてはピノ・ノワールとシャルドネにフォーカスしていきます。
――今回のイベントは大盛況でした。これほど大きなイベントになることを予想していましたか。
ジャスミン:いえ、まったく。ラジャ・パーとIPOBを始めたきっかけは、ただのおしゃべりでした。今回はとても驚きました。
――米国のワイン愛好者の好みも変わってきていますか。
ジャスミン:少しずつ変わってきているのを感じています。
――最後に、昨年大怪我をされたお父さんの現在の状況を教えていただけますか。
ジャスミン:ひどい怪我でしたが、大分回復してきて、今は退院しています。現在は病院に近いヒールズバーグにいますが、もうじき家に帰れると思います。
――それは良かったです。
ジャスミン:父のことを聞いてくれてありがとうございます。
コロラド州で建築会社を経営した後、ナパで1973年にジョセフ・フェルプス・ワイナリーを立ち上げます。1974年にはボルドータイプのブレンド「インシグニア(Insignia)」を作り始めます。このタイプのワインとしては最初のものであり、オーパス・ワンを5年先んじていました。
このほか、今は売却してしまいましたがローヌ系品種にもいち早く取り組んでいました。
近年ではソノマにフリーストーン(Freestone)を立ち上げ、ピノ・ノワールとシャルドネを作っています。
2005年に息子に後を譲り、引退生活を送っていました。
ロバート・モンダヴィなど創設者名を冠したワイナリーの多くが人手に渡るなか、ここは極めて安定して経営している感があります。
また、インシグニアを筆頭にワインも常に高い評価を受けています。
安らかに
試飲会以外に開催されたセミナーではオーハイ、ハーシュ、オー・ボン・クリマ、ハンゼルの4ワイナリーの代表者がワインにおけるバランスについて語り合いました。コーディネーターは西麻布「ルエ ヴェル ロール」のソムリエである千葉和外さんでした。
セミナーでの試飲ワインはピノ・ノワール8種
オーハイが2013年と2007年のフェ・シエガ
ハーシュが2011年のリザーブ・エステートと2007年の「サン・アンドレアス・フォールト」
オー・ボン・クリマが2011年と2005年の「ノックス・アレキサンダー」
ハンゼルが2012年と2000年のエステートでした。
IPOBはIn Pursuit of Balanceの略。「バランスを追求」したワインを作ろうとするグループなわけです。
では、そのバランスとは何か。セミナーではそこを中心に4人が語りました。
オーハイのアダム・トルマックは、オー・ボン・クリマをジム・クレンデネンとともに立ち上げたという経歴がある重鎮。彼の話で面白かったのは、バランスが取れたワインの特徴を語るときに「アルコール度数が低い」とか「果実味が強くない」といった「~が低い、足りない」という要素を取り上げる傾向があるが、そうではなくて「もっと~」といったプラスの表現をしていきたい。具体的に言うと、もっとテロワールをよく表現したワインであることを目指しているようです。
オーハイのワインは今回のセミナーの4つのワイナリーの中では最も力強いものでした。特に2007年の方はそれが目立っていましたが、そのころはまだバランスよりも味を強く引き出すことを中心に考えていたようです。
ハーシュのオーナー、デービッド・ハーシュの次女であるジャスミン・ハーシュは、IPOBはIPOT(In Pursuit of Terroir)の方が良かったのかもしれないとコメントしていました。確かに、このセミナー以外にもいろいろな方に話を伺ったのですが、土地を表現するということは多くの人が共通して語っていたことでした。
ハーシュのワインは、個人的には今回の4ワイナリーの中では一番好きでした。2011年は香りが素晴らしく、2007年は熟成して旨味が出てきていました。
オー・ボン・クリマのジム・クレンデネンはビエン・ナシードの畑のブドウで作っているノックス・アレキサンダーを提供。2011年はとても酸がきれいでエレガントなワイン、2005年は結構熟成していい感じになってきていました。
1990年に畑の植え替えを決断して畑を作りなおしたのが今のワインにつながっているとのことでした。
最後のハンゼルは1950年代からピノ・ノワールを作ってきたカリフォルニアでは歴史t機なワイナリー。今回試飲に提供した2012年と2000年のピノ・ノワールは、作り方は全く同じとのことでした。違いはヴィンテージだけ。しかし、味わいは相当に違います。
2012年は優等生的な美味しいワイン。一方「15年が一区切りになる」(ジェイソン・ジャーディン社長)というように2000年は紹興酒のような熟成した味わいになっていました。
セミナー以外にもいろいろな方から少しずつ話うかがったので、それらは別記事で紹介していきます。
通常、生物の進化、すなわち遺伝子の変化は雌雄の交配によって起こります。ところが、今回の発見では、遠くはなれた種であるウイルスによって、遺伝子が変化しています。通常の進化というよりも、遺伝子操作による変化に近いそうです。
ウイルスは生物の細胞に寄生して増殖します。寄生された生物がそれを持ちこたえられないと死んでしまいますが、生き残る過程でそのウイルスを自らの遺伝子に取り込んで、傷を塞ぐ役目を果たすそうです。
ブドウは通常、雌雄の交配ではなく、接ぎ木によって増やします。接ぎ木の場合は遺伝子の変化がありません。それでも品種が多様化する理由の1つがここにあるのかもしれないと考えられているようです。
このルールは、ワインがAVAに表記する州に隣接する州で醸造や瓶詰めなどを行った場合にも、その州名を付けていいというもの。例えば、カリフォルニア州のワインをオレゴンやネバダなどで醸造してもカリフォルニアと名乗れることになります。
なお、州名を名乗るためには、州内のブドウを75%以上使っていないといけないというルールについては変更ありません。
新しいルールが提案された背景には、オレゴンとワシントンの州境に近いオレゴン州の「Rocks District of Milton-Freewater」AVA策定時の意見があるとのこと。近くにあるワシントン州内のカスタム・クラッシュを使って醸造したいというワインメーカーからルールの緩和を求められたそうです。
昨日までがコメントの期限でしたが、42個のコメントの中では反対がやや賛成よりも多いといったところのようです(Regulations.gov - Docket Folder Summary)。
ちょっとルールを緩めすぎのような気もしますが、どういう決定になるでしょうか。
被害が大きかったHeritage Oakワイナリーでは、ジンファンデルの収穫が30〜50%も減る恐れがあるとのこと。暴風による影響が今後に響くならばさらに減るかもしれないそうです。
残念なのは、旱魃解消にはなんの助けにもならなかったとのこと。
一番興味深い「バランスの取れたワインとは何か」という質問に対しては、「アルコール、酸、果実味、タンニンのハーモニーだ」と答えています。したがって、アルコール度が15%でバランスが取れたワインもあるのだと。
そのオーパス・ワンでワイン作りに携わった2人が作るワインに新ヴィンテージが出ています。
1つはポートフォリオ。元オーパス・ワンで現在もロバート・モンダヴィでワインメーカーを勤めるジュヌビエーヴ・ジャンセンズさんによるプライベートな作品です。リレー・インタビューでも紹介しています(ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長)。
生産量はオーパス・ワンの100分の1程度の200ケース。それだけ手をかけて作っているワインです。画家のご主人が描いたラベルも味わいがあり、オーパス・ワンと並べても全く引けをとらないワインです。
もう1つはコンティニュアム。故ロバート・モンダヴィの次男であるティム・モンダヴィのワインです。ティムはモンダヴィ、オーパス・ワン両方のワインメーカーを勤めていましたが、モンダヴィがコンステレーション・ブランズに買われたことで、新たにコンティニュアムを立ち上げました。ロバート・モンダヴィが最後に携わったワイナリーでもあります。
当初はモンダヴィの銘醸畑トカロンのブドウを使っていましたが、最新ヴィンテージではプリチャード・ヒルにある自社畑のブドウに100%切り替わっています。こちらも生産量は少ないですが、品質ではオーパス・ワンに全く引けを取りません。
あんまり紹介しない、高額ワインを取り上げたついでに、今カリフォルニアでも最もプレミアム度が高いかもしれないワインを挙げておきます。
それはスケアクロウ。ワイナリー自体は新しいですが、畑はナパの中でも最も古いと言われています。かつてはイングルヌックに使われていた畑です。既にWine Advocate誌でも100点を取っており(2007年)、品質も折り紙つきです。
このワイナリーについてはほとんど知識がありませんが、ジャンシス・ロビンソンが「Who makes the best Pinot Noir?」という記事においてLemelson, Six Vineyards 2006 Willamette Valley, Oregonを65本のピノ・ノワールの中から好きだったもの5本の一つに選んでします。
なお、柳屋ではウェンテのヘイズ・ランチというシャルドネを1500円2本で送料無料にしています。同梱ワインも合計12本まで送料無料になるので、併せ買いをお薦めします。
ブランドや在庫、一部の畑は対象外であり、今後もフォン・ストラッサーとして、ワインを作っていくそうです。また当面は売却した醸造設備を借りる形で場所も変わらないとのこと。また、売却した畑のブドウも購入して作るとのことですが、その部分は契約外なので、ずっと続くかどうかは不明です。なお、売却先は明らかにしていません。
オーナーのルビー・フォン・ストラッサーは今後、コンサルティングワインメーカーに仕事を増やすとしています。
状況から想像すると、資金繰りが厳しくなったか、マーケティングに疲れたか、という感じを受けてしまったのですが、どうなのでしょうね。
先日のキュヴェソンの売却は既に軸足をカーネロスに移しているので、当然の帰結と思いましたが、今回はあまり前向きではなさそうな気がします。
クイズを挙げておきましょう。いずれも○か×かで答えてください。
1.TTBはソーシャルメディアを広告チャネルと考えている
2.ワイナリーが使うソーシャルメディアは、21歳以上が8割を超えていないといけない
3.ワイナリーがブロガーに無料サンプルを渡して記事を書いてもらった場合、ブロガー試供品であることを書かないと、ワイナリーも罰せられる
4.ワイナリーは自身のワインが買えるショップを一つだけソーシャルメディアに載せていい
こたえはどうだと思いますか?
1は○、2は×、3は○、4は×。が正解です。
1は正しいです。したがって広告メディアへの出稿と同じ制限が課せられます。例えば「ワインを飲むと健康にいい!」みたいなことは書いてはいけません。
2は×。正解は80%ではなく71.6%でした。TwitterやFacebookはこの制限をクリアしています。
3は○。正解。ブロガーもワイナリーも罰せられます。
4は×。一つだけではなくリストで挙げればOKです。
結構いろいろ厳しいですね。関心がある方は目的レベルなどが変わるところなので頑張ってください。
オーナーの中村倫久(のりひさ)さんは、元はホテルで働いていました。仕事でサンフランシスコに行ったのがきっかけでワイン作りを志すようになり、ついにその夢を実現しました。この3月に一時帰国されていたときに、話を伺いました。
――ワインとの出会いについて教えてください。
中村:オペラ歌手の五十嵐喜芳(きよし)が私の伯父でした。伯父は西麻布に「マリーエ」というイタリアンのレストランを持っており、子供の頃からお祝いごとというと、このレストランに行くのが通例でした。その席には必ず藁で包まれたキャンティのボトルがあり、私にとってはそれが楽しい時間の象徴でした。
卒業旅行のときに実際にイタリアで1カ月貧乏旅行をしました。帰国間際にミラノで兄に飲ませてもらった1981年のバルバレスコは思い出に残っています。新鮮な果実が詰まった感じがして、ワインはただの飲み物ではないと、初めて感じました。
――サンフランシスコにはホテル日航の仕事でいらしたのでしたよね。
中村:はい、ホテル日航に就職し、1999年にサンフランシスコに行きました。ワインへの入り口がイタリアだったこともあり、最初はカリフォルニアワインを低く見る気持ちもあったのですが、週末ごとにワイナリーを回っているうちに、魅力を感じるようになりました。1年間で170くらいのワイナリーを見学しました。
――ワインの勉強はいつ頃始めたのですか。
中村:ワイナリー巡りをするうちに、だんだん作ることに興味を持つようになってきました。そして、UCデイヴィスで勉強することがワイン業界への入り口だと考えました。UCデイヴィスの専門課程に入学し、2002年から2004年まで通いました。
――ワイン作りには化学や生物などの知識などが必要だと思いますが、専門だったのですか。
中村:いえ。大学は文系だったので、全然勉強したことがありませんでした。専門課程に入る前に履修している必要があったので、最初の1年はその勉強に使いました。日本の大学のときよりも相当勉強しましたね。
UCデイヴィスのワイン学科は1学年25人位。最終的には、ある教授に気に入ってもらえたのが入学できた理由の1つかと思います。
――そしてワイナリーで働き始めた。
中村:在学中にKoves NewlanとPine Ridgeで収穫時期に働きました。卒業する年にはNapa Wine Companyの実験室に働き口を見つけ、フルタイムで働くようになりました。
Napa Wine Companyはカスタム・クラッシュと呼ばれる業態で、様々なワイナリーに施設を貸してワインの醸造を行います。ここは特に「カルト・ワイン」と呼ばれるようなワイナリーのワインも数多く作っています。勤めていたのは1年半ですが、通常のワイナリーの5年分くらいの経験ができたと思います。
実験室には常にいろいろなサンプルが運び込まれます。それを分析し、結果を元に試飲し、検討するといった作業を続けました。ワイナリーによってワイン作りの考え方はやアプローチは様々であり、それらを詳細に見られたのはいい経験でした。とても楽しかったです。
――その後Artesaに移られたのですね。その理由は何ですか。
中村:カスタム・クラッシュだと、どうしても第三者的になってしまい、作るワインに対する愛情が欠けてしまうんです。それで1つのワイナリーで働きたいと思いました。2005年にラボのマネージャーとして入り、翌年には運良くアシスタント・ワインメーカーになりました。
Artesaは8万ケースくらい作っていました。カーネロス、アトラス・ピーク、アレキサンダー・ヴァレーと3つの別々の地域に自社畑があるのが魅力でした。
2010年からNoriaを始めましたが、そのかたわら2012年から2014年にはJamieson Ranch Vineyardsでワインメーカーとして働きました。ただ、Noriaの生産量が当初の300ケースから2014年には1300ケースに増えたこともあり、今年からはNoriaを再優先として仕事をすることにしています。
実は、今年からLarson Familyというワイナリーのワインメーカーもするのですが、あくまでもNoriaが中心でということで了解をもらっています。
――Noriaを始めたきっかけは何ですか。
中村:米国にはNapa Wine Companyのようなカスタム・クラッシュがあるので、設備を持たなくてもワインを作るチャンスがあります。そこで機会をうかがっていたのですが、リーマン・ショックによって米国の景気が悪くなり、いいブドウが手に入る状況ができました。
サンジャコモの畑はArtesaでも使っており、共感できて信頼できるところとして選びました。
――最初からピノ・ノワールとシャルドネで行くつもりだったのですか。
中村:いえ、最初にどういうワインを作りたいか考えました。マーケティングも考えないといけないし、日本の食文化も強く意識しました。特に海外に出てからは日本文化を意識することが増え、日本食に合うワインを作りたいと思いました。その結果、ピノ・ノワールとシャルドネになりました。
――醸造はNapa Wine Companyを使っているのですか。
中村:Napa Wine Companyは、うちのような小さなところでは利用できません。ワイナリーの中には生産設備を有効利用するために、自社で使わない分を他社に貸しているところがあります。そうようなワイナリーの中から、ドミナリーというワイナリーを選びました。
ところが、ここが翌年破綻してしまい、今はSilenus Vintnersというところを使っています。最初に働いたKoves Newlanとジェネラル・マネージャーが同じ人なのです。ドミナリーのワインメーカーとは人間関係をうまく作れなかったこともあり、よりよい人間関係を作れることを重視しました。
――破綻したワイナリーで、ワインが差し押さえられるようなことはなかったのですか。
中村:そうなんですよ。先方としては顧客を離したくないので、ワインを引き上げようとしたら拒否されたんです。最後は弁護士をたてて解決しましたが、一週間くらいは眠れない日々が続きました。
――Noriaを中川ワインで扱うようになったのはいつからですか。
中村:最初の2010年のワインを発売した2012年2月からです。Artesaが日本進出を検討したことがあり、そのときに中川ワインの社長とお会いしました。残念ながら話がまとまらなかったのですが、その後もナパにいらしたときにお会いしたり、中川ワインの社員旅行のときに話をする機会をもらったりと、交流が続いていました。
そこで、初めてワインを作ったときにも連絡を取りました。試飲したいということだったのでワインを送りました。「ぜひやりましょう」と扱ってもらえることになりました。
現在は75%くらいが日本で販売、残りは米国で5つくらいのレストランとショップ1軒に卸しています。当初は日本は30%くらいと考えていたのですが、中川ワインがたくさん売ってくれました。逆に、米国分はあまり残らないという状況でした。
昨年増産して米国のマーケットにもこれからはもっと足を運ぶ必要があります。円安によって日本でのワインの価格は上がります。日本は大事ですが、ビジネス面ではメインのマーケットではいけないと考えています。今後は米国70%くらいに持っていきたいです。
――これからは米国での販売活動もしないといけないとなると大変ですね。
中村:そうなんですよ。一番頭が痛いのはセールスですね。ワインはブランドが大事ですよね。どこに売ってもいいというものではなく、イメージを上げないといけないのです。例えば、高級レストランで採用されたら、それをWebサイトで宣伝できます。将来は流通業者を使うことも考えていますが、最初は自分でセールスやマーケティング活動をしていくつもりです。2015年がその元年となります。
Silenusは自身のブランドのワインも作っており、テイスティング・ルームを持っています。そこではカスタム・クラッシュの顧客のワインも注いでいるのですが、これまでは余ったワインがなかったので、Noriaは入れていませんでした。現在、許可を申請しており、それが認められれば、SilenusでNoriaを試飲できるようになります。
――マーケティングは専門なのでしょうか。
中村:実は違うのです。セールスはまだホテルでの経験がありますが、マーケティングは本当に大変です。
最近はWebサイトをリニューアルしたり、知り合いに協力してもらってFacebookの更新をしたりと、SNS方面にも力を入れています。妻にも手伝ってもらっています。
――これまで会って印象的だった人を教えてください。
中村:Noriaに専念することを決めたときに、今一番輝いているワインメーカーのトーマス・リバーズ・ブラウンとセリア・ウェルチに会いに行ったんです。成功しているワインメーカーの中には、1つのワイナリーに腰を据えて取り組んでいる人と、どんどん新しいところに挑戦する人がいますが、この2人はどちらも後者にあたります。
どうして彼らがそこまで突き進めるのかを聞いてみると、お金がほしいからではなく、とにかくワインが心から好きなんです。評論家のスコアもほとんど気にしていなくて、好きなことをやって、それが結果になるとさらに自分が好きな方向に行ける。ワイン作りへの情熱のすごさを感じました。それで、自分が今後進むべき方向も明らかになりました。
――Noriaではシャルドネとピノ・ノワール以外に作ることを考えていますか。
中村:昨年増産したときにソーヴィニヨン・ブランとフリーストーン産のピノ・ノワールを始めました。自分の中ではソーヴィニヨン・ブランは大吟醸というイメージでずっとやりたかったものでした。フリーストーンはオキシデンタル/フリーストーンということで最近注目されている地域です。とても涼しく、ラズベリー系のピュアな味わいのピノ・ノワールができるので、日本食に合わせたいというNoriaのコンセプトにも合います。
将来はナパのカベルネ・ソーヴィニヨンを作ることも考えています。そうなると、Noriaのコンセプトには合わないので、別のブランドで作ることになります。Nakamura Cellarsという会社の下で複数のブランドをやっていきたいと思います。2015年には、現在人気が高まっている赤ワイン・ブレンドのワインを作る予定です。
関連サイト:
Noria Wines
インタビューを終えて:
中村さんにお会いするのはこれで2度めです(参考「中村さんの作る「ノリア」のワイン会に行って来ました」)。とても気さくで、よくしゃべる方で、ノリアの親しみやすい味にも、その人柄が現れているような気がします。これまでは、ノリアは副業的な位置付けでしたが、今年からはメイン。米国での販売も増やします。その分、責任もやらなければいけないことも多くなります。これがさらなる成功に結実すると信じています。
なお、インポーター・インタビューとして始めたこの連載ですが、インポーター比率が大分下がったので「リレー・インタビュー」という名称に変更いたします。カテゴリーも新設しました。
●過去のリレー・インタビュー
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
好きなワインを選んでいったら自然派に行き着きました――オーシャンワイン 早坂恵美社長
ロバート・モンダヴィさんに畑で叱られました――桑田士誉(あきたか)さん
プリチャードヒルとメルカに注目しています――ワイン蔵TOKYO中川正光オーナー
さて、来週には日本で初のIPOB(In Pursuit of Balance)のイベントが開かれます。事前の申し込みは相当たくさん来ているようで、僕もとても楽しみにしています。
今回、会ってみたい人の一人が、IPOBの設立に携わったハーシュ・ヴィンヤーズ(Hirsch Vineyards)のジャスミン・ハーシュさん。
そろそろ質問項目の準備とかもしなきゃなあと思いながら、昔のインタビューの動画を見ております。
彼女、結構早口なので(往々にして女性は早口なのですが)、ちゃんと聴き取れるか若干不安です。
で、この動画は2011年ですから4年前のもの。このブログでIPOBを最初に紹介したのは2012年ですから、それよりもさらに1年前です。当時は、ここまで大きなものになるとは思わなかったでしょうね。
参考:IPOBって知ってますか? 知らなかったら覚えておきましょう
4月と5月の2カ月間、さまざまなレストランでカリフォルニアワインをグラスワインとして提供します。今年で19回目。優秀店に選ばれた店舗はカリフォルニアへのワイン研修がプレゼントされるので、参加店舗は結構がんばります。
今年は関東と関西で合わせて約230の店舗が参加しているとのこと。
カリフォルニアワイン バイザグラス キャンペーンのリンクから参加店舗や開催時期(店舗によって異なります)をご確認ください。
カリストガのテイスティング・ルーム
キュヴェソンは2004年からカーネロスにも醸造設備を持っており、近年完成したカーネロスのテイスティング・ルームは自社畑に隣接したもので、景色の素晴らしさで高く評価されています。
courtesy of Deb Harkness
キュヴェソンはカーネロスに醸造を移して以降、カリストガの設備は「カスタム・クラッシュ」として他のワイナリーに賃貸ししており、売却後もカスタム・クラッシュはそのまま続くとのこと。
カリストガの設備の新しいオーナーは、デベロッパーのクリスウェル・ラドヴォン社。今後はフェアウインズ・エステート・ワイナリーという名前に変更するそうです。
ラインナップは以下のものですが、今回日本にピンク・フロイドの『狂気』のものが入ってきています。
1) ピンク・フロイド 「ダーク・サイド・オブ・ザ・ムーン」(狂気)
Pink Floyd The Dark Side of the Moon Cabernet Sauvignon
2) ローリングストーンズ 「フォーティ・リックス」
Rolling Stones Forty Licks Merlot
3) ポリス 「シンクロニシティー」
The Police Synchronicity Red Wine Blend
4) グレイトフル・デッド 「凍てついた肖像」
Grateful Dead Steal Your Face Red Wine Blend
5) ウッドストック
Woodstock Chardonnay
価格も手頃だし、ラベルも元のアルバムの世界観をそのまま活かしています。
個人的にも中学生高校生のころ、何度聴いたか分からないくらい好きだったアルバムのものなので、かなり心惹かれています。
ロック関係というとストーンズのワインは以前からありました。高いです。
Cruzuというこのクラウドファウンディングのサービスによると、ワインでクラウドファウンディングを使うことには3つのメリットがあります。
1つはワイナリーと顧客との関係が緊密になること、2つめには顧客にとって通常よりも条件のいいサービスが受けられること、3つめには顧客にとってワイン作りのプロセスに、より関与できたり体験できたりすること。
いくつか公開されているプロジェクトの中には既に目標額を達成しているものもあります。「2013 Napa Valley Cabernet Sauvignon by Kian Tavakoli - Cruzu」というプロジェクトは7500ドルの目標で、現在7835ドル。残りは1000ドルのナパツアーを含むものがあるだけです。
このプロジェクトの場合、60ドル以上するワインが作られている畑のカベルネ・ソーヴィニヨンが25ドルで入手できます。それが人気の理由と思われます。
なお、ワインが国外へも送付してもらえるかどうかは不明です。多分難しそうな気がします。
これはワイナリーに併設したもので20分間のショーを見ながら、見学する。
入場料は25ドル。
ブエナ・ヴィスタの現在のオーナーはジャン・シャルル・ボワセ。オーナーになって以降、ワイナリーの修復に務め、歴史的価値を伝えることにも力を入れています。
パーカーは先日、ボルドーの「プリムール」の評価から引退することを発表しました。これまで、プリムールの評価がその価格に大きな影響を与えており、さらにワインの実際のリリース後に評価が変わることで、また影響がでていました。
Photo courtesy of winestem
記事では、パーカーが評価を変えたことによる価格の増減に注目し、その割合が以前より下がっているとしています。
また、2009年のプリムールの評価では90点未満だったワインと100点のワインとで、プリムール価格は7倍近くの差があったのが、2014年のプリムール評価では5倍近くと、差が小さくなっています。
このようなことから、記事ではパーカーの影響力が下がっているとしています。
とはいえ、絶大な影響力があるという点では今も昔も変わっていません。今年からプリムールを担当するニール・マーチンがどのような評価をするのか、またその影響力がどうなるのか、あるいはアントニオ・ガッローニのヴィナスなどの新メディアがもっと影響力を持つのか――。パーカーのプリムールからの引退は、ワイン評価誌の混沌の時代の始まりになるのでしょうか。
Photo courtesy of Joyce cory
それによると、これから水不足対策に10億ドル以上をかけていくとのこと。
水利用の制限もこれまで以上に厳しくなります。例えば、レストランなどでは客から求められない限りは水を出してはいけないとか、ホテルではタオルやリネン類を毎日洗濯しないというオプションを提示しないといけないとか。
車を洗うときには、自動停止機能が付いたノズルが付いていないといけないとか、歩道を水で洗い流してはいけないとか、噴水類は水をリサイクルして使わないといけないとか…
この旱魃、どうなっていくのでしょうか。
目標額は2万ドル。ペタルマに場所を借りて改装し、テイスティング・ルームをオープンするのに必要な額だとしています。
ペタルマにある1975年に植えられたTopolosというビオディナミの畑のジンファンデルなどを作っています。
カリフォルニアのワイナリーではテイスティング・ルームにおける直売が収入の50%に達するという統計があり、このワイナリーを続けていくために、テイスティング・ルームが必要だと考えているとのことです。ワイン作りはサンタ・ローザで行っていますが、そこは倉庫のようなところで「ロマンティックではない」とのこと。地元のペタルマでのテイスティング・ルームを希望しています。
出資は10ドルから。日本からでもできるはずです。例えば3500ドルを出資するとヘリコプターあるいは飛行機によるツアーが楽しめます。
(写真は今回のワインとは無関係です)
その結果、勝者はスクリューキャップ。コルク派にとってはかなりショッキングな結果となりました。特に、イタリアでは2012年までDOCGに格付けされるワインではスクリューキャップの使用が禁止されており、この結果には驚いた人が多かったようです。
ワインはいずれもオーストラリア産のもので
Henschke Hill of Grace Shiraz 2004
Cullen Diana Madeline Cabernet Sauvignon/Merlot 2004
同2005
Yalumba The Signature Cabernet Sauvignon/Shiraz 2003
Brokenwood Rayner Shiraz 2001
の5種。いずれもコルクとスクリューキャップの両方のものが供されています。
ブラインド・テイスティングしたのはイタリアのソムリエやパナマのワイン専門家、アルゼンチンのソムリエなど各国の専門家です。
イベントを主催したのはオーストラリア人のタイソン・ステルツァーというワイン・ライター。14冊の本を書いており、Wine SpectatorやDecanterなど数々の雑誌に寄稿、国際的な賞も何回も受賞している人です。また、Vinitalyというのはイタリア最大のワイン・イベントだそうです。
スクリューキャップはワインのコルク臭(TCA汚染)の問題が広がった2000年代初期に、解決策として注目されるようになりました。特に、オーストラリアやニュージーランドでは大半のワインがスクリューキャップを利用するようになっています。
一方で、スクリューキャップは全く空気を通さないためコルクよりも熟成しないのではないかという意見も多くでました。実際にこれまで見た記事では、スクリューキャップのワインはフレッシュさを保つ一方で、熟成していかない、としたものがほとんどでした。
近年では、コルクの品質が向上し、以前ほどTCA汚染の問題も取りざたされなくなっていることから、スクリューキャップの採用は進んでいないように思います。
今回の結果がスクリューキャップへの意識を変えるきっかけになるのかもしれません。
楽天モバイルで格安スマホ/格安SIM初体験記その2――格安スマホの設定は案外簡単だった
楽天モバイルで格安スマホ/格安SIM初体験記その3――格安スマホはiPhoneを置き換えられる?
もどうぞ。
さて、このシリーズもこれで最後の記事です(の予定)。モニターで使用している楽天モバイルの格安SIM。月2.1Gバイト、3日間で360Mバイトの高速通信制限はどこまで使えるでしょうか(4月からは月3.1Gバイト、3日間で500Mバイト)。
結論から書くと、思ったよりも使えました。すくなくとも速度は十分実用的だったし、使い方に気をつければ3.1Gバイトでやりくりするのも無理ではないでしょう。ただ、本当にほしいときに高速通信が使えない恐れもあるので、実際に契約するならもう1つ上のプランを選びそうです。
楽天モバイルには専用のアプリがあり、それを使うと、その月の高速通信使用量や3日間の使用量が簡単に分かります。また、高速通信機能を一時的に使わない、といった設定も簡単にできます。
これは、使い始めた次の日に撮ったもの。午後2時の時点で138Mバイトと、360Mバイトの制限に引っかかりそうな勢いで使っています。
これには理由があります。①前の記事で書いたように、Android初挑戦の身として最初にアプリをダウンロードしまくったこと、②モニターなので、最初は使用量制限を気にせず、どこまで使えるか試したかったこと、③自宅の無線LANを使う設定をまだしていなかったこと、です。
実際に、この後速度制限に入りました。速度制限時は最大200Kビット/秒での通信になりますが、思ったよりもストレスを感じずに使えました。例えば、メールの閲覧やFacebookの閲覧(写真表示は多少遅くなります)くらいなら、あまり問題ありません。大きなデータをダウンロードしたりアップロードする用途でなければ、制限に当たっても何とかなると思いました。
なお、速度制限時は楽天モバイルアプリの表示は次のようになります。
ところで、格安SIMの中には「初速バースト」あるいは「初速ブースト」と呼ばれる機能を持つサービスがあります。例えば、IIJmioは正式にそれを表明しています。何かというと、「低速状態でもはじめの一定量だけ高速通信できる『バースト転送』」です。これによって高速通信が制限されているときも、比較的快適に使えるというのです。
楽天モバイルは、公式にはこの機能をサポートすると表明していません。しかし、イベントで登壇したネタフルのコグレさんによると、低速通信時に速度を測ると明らかに200Kビット/秒を超えているときが結構あり、初速バーストがあるのではないか、とのことでした。
私は速度計測はしていませんが、低速通信時でもそれほどストレスを感じなかったのは、初速バーストのせいなのかもしれません。
さて、前の記事に私の普段の使い方として以下のような用途を挙げました。
・FacebookやTwitterといったSNSの閲覧と書き込み
・GmailやExchangeのメール閲覧と送信
・グーグルマップを使ったカーナビ
・Dモーニングでコミックを読むこと
・ラジオ番組のポッドキャストを聴くこと
・KoboやKindleのアプリで電子書籍を読むこと
・食べログの検索
・クックパッドでレシピ検索
・写真を撮ってSNSにアップ
・YouTubeで動画を閲覧
・ランニングをGPSでトラッキング
・電車の時刻表を検索
・天気予報を閲覧
・日経電子版やSmartNewsなどニュースを閲覧
この機会に何をするとどれくらい使っているのか簡単に調べてみました。
その結果、予想されたことではありますが、圧倒的にデータ量が多かったのが「YouTubeで動画を閲覧」です。
50分ほど動画(主にミュージックビデオ)を見たところ、600Mバイト程度も使ってしまっていました。あっという間に制限突破です。
一番容量が多い7Gバイトのプラン(4月からは10Gバイト)でも3日間で1.2Gバイト(4月からは1.5Gバイト(多分))なので、この勢いだと、それも超えてしまいます。実際、私自身、普段使っているauのiPhoneで同じように動画を見てすぐに速度制限になってしまったことがあります。
つまりこのような使い方は格安SIMか否かにかかわらず無理があります。長時間の動画視聴は無線LANが使えるときだけにするべきでしょう。
次に多かったのがDモーニングのダウンロードで、1号トータル200Mバイトくらいになっていました。これも2.1Gバイトで使うにはちょっと厳しいですね。とはいえ1週間に1回のことですから、無線LANがあるところでダウンロードすればいいのですが。
同じように、ほぼ毎日ダウンロードするポッドキャストも50Mバイトくらいあるので、原則無線LANがあるときにダウンロードします。これは通常のiPhoneでも同様で、無線LANがないところではダウンロード自体できないのが普通です。
ちなみに、これはまだZenFone5では使っていないのですが、iPhoneでLISMO WAVEを使って1時間くらいラジオを聞いたら、20Mバイト程度使っているようでした。同時間のポッドキャストよりは通信量が少ないようです。
このほか、比較的データ量が多かったのがグーグルマップによるカーナビ。とはいえ1時間くらい使って20Mバイト程度でしたから、使う頻度を考えてもそれほど気にするレベルではなさそうです。
まとめておきましょう。
・最安プランで動画閲覧はちょっときつい。
・どのプランを使っても長時間の動画閲覧は制限を超えるので、無線LANを使うべき。
・大容量データのダウンロードを原則無線LANにすれば最安プランでも結構使える。
・楽天モバイルにはおそらく初速バーストがあり、低速通信時もストレスは少ない。
通信量制限をあまり気にしながら使うのも楽しくないので、自分で契約するとしたら、中間のプラン(4月からは月間5Gバイト)を選ぶと思います。音声付きSIMにしても月間2,150円(データSIM+SMSなら1,570円)です。
今のau iPhoneがLTEプラン934円+LTEフラット5700円+LTEネット300円-auスマートバリュー934円=月額6000円ですから、通信料はおよそ3分の1。
やはり格安SIMはかなり魅力的です。
なお、最初の記事では割愛しましたが、格安SIMサービスは乗り換えが比較的容易なのも特徴です。キャリアのサービスはたいてい「2年縛り」があり、その2年を過ぎても最初の1カ月の間にプランをキャンセルしないと、また2年使い続けないといけないのが普通です。
格安SIMの多くは最初の1年だけの縛り。それを超えたらいつ解約してもいい、というのが普通のようです。
そういった自由度も魅力の1つと思います。
定価1万1000円が5500円と半額。元の値段が高すぎるのではありません。米国で買っても70ドル(8400円)するワインですから、特別のディスカウントです。
なお、スリー・シスターズはマーカッサンも使っている畑。マーカッサンのシャルドネなら3万円も…
なお、シー・リッジ・メドウというのは畑の中の区画名。二つある区画のうち、片方だけが使われたときに、区画名を入れているそうです。
楽天モバイルで格安スマホ/格安SIM初体験記その2――格安スマホの設定は案外簡単だった
楽天モバイルのSIMカードでZenFone5を使い始めて10日間ほど経ちました。これまでiPhoneしか使っていなかったのを、原則としてZenFone5を使うようにしてきました。これまでの状況を報告します。
視点は2つ。1つは、格安のAndroid機はiPhoneの代わりとしてどこまで使えるか、という視点。もう1つは楽天モバイルの月間2.1Gバイト(3日間で360Mバイト)という制限はどれだけ使い物になるか、という視点。
まず、前者についてですが、これまで使った範囲ではZenFone5、合格です。この10日間でやったことをざっと挙げると、
・FacebookやTwitterといったSNSの閲覧と書き込み
・GmailやExchangeのメール閲覧と送信
・グーグルマップを使ったカーナビ
・Dモーニングでコミックを読むこと
・ラジオ番組のポッドキャストを聴くこと
・KoboやKindleのアプリで電子書籍を読むこと
・食べログの検索
・クックパッドでレシピ検索
・写真を撮ってSNSにアップ
・YouTubeで動画を閲覧
・ランニングをGPSでトラッキング
・電車の時刻表を検索
・天気予報を閲覧
・日経電子版やSmartNewsなどニュースを閲覧
など。ゲーム系はあまりやりませんが、それ以外は割と普通なのではないかと思います。
ほとんどのもので、iPhoneで使っているアプリがAndroidでもあったので、20個ほどアプリをダウンロードしたら、概ねiPhoneで普段やっていることができるようになりました。
ちょっと手こずったのが通知関係で、iPhoneのように設定のところに集約されていないので、アプリごとに設定する必要がありました。最初はミュートにする方法がわからず、音が出る通知を全部削除してしまうなど、試行錯誤も数多くありました。今でもまだ最適な設定を探っているところです。
ただ、今のところすべてを乗り換えるところまでには至っていません。1つはこれまでのiPhoneのアプリ資産。7年も使っていると有料アプリも数多くあり、1000円を超えるアプリもいくつか入っています。辞書が代表的。これらをむざむざ捨ててしまうのはもったいないし、Androidで高価なアプリを買うのも、二重投資のようで気が進まないので、今のところZenFone5には辞書アプリは入れていません。
格安スマホに変えるときに限りませんが、これまでキャリア(通信事業者)のメールアドレスを使っている人は、使えなくなるので要注意です。キャリアのメールアドレスとは、ドコモだったらdocomo.ne.jp、auだったらezweb.ne.jpで終わるようなアドレスです。
格安SIMのサービスではメールアドレスはついてこないので、自分でgmailなどのアドレスを用意しておく必要があります。
もっとも、この問題はMNPでキャリアを変えるときにも発生するので、既にキャリアのメールアドレスは使っていないという人も結構いるでしょう。僕の場合もキャリアのアドレスは、普段使っていないので、そこは乗り換えの障壁にはなりません。こういう事態に備えて、ひごろから、キャリアのアドレスは使わず、gmailなどを使うようにすることをお薦めします。
ただ、サービスの中にはキャリアのアドレスがないと困るようなものもあるかもしれません。そういったサービスを使っている場合は格安スマホへの乗り換えはやめたほうがいいでしょう。
もう1つ面倒なのがLINEです。Facebookなど、多くのWebサービスはiPhoneでもAndroidでもIDとパスワードを入力すれば、並行して利用できますが、LINEは2台以上で同じアカウントを使えないのです。
完全に乗り換えてiPhoneでは元のアカウントを使わないというのであれば、いいのですが(その場合もメールアドレスを登録しておく必要はあります)、並行して使いたい場合は困ります。
僕の場合もiPhoneで今のアカウントが使えなくなるのも嫌なので、仕方なくAndroid用に新しいアカウントを取得しました。ただ、ここにも問題があります。
1つはSMSの受信です。LINEでアカウントを取るときはSMSで4桁の数字を受け取って入力する必要があります。今回はSMSがあるサービスなので問題なかったのですが、データオンリーのSIMでSMSが使えないと困ります。
もう1つは年齢認証です。LINEは年齢認証にドコモやauなどのキャリアを使うのです。これをクリアできないと、IDを検索して友達になることができません。すぐ近くにいる場合はQRコードなどで友達になれますが、遠隔地の人と友達になるのはちょっと面倒です。既存のアカウントを含めたグループを一回作ってから友達になる、などの手順が必要になります。
なお、LINEの年齢認証は、一回クリアすれば機種を変えても大丈夫なので、どこかで余っている携帯電話回線があれば、それを使って最初にアカウントを取得して、そこから格安スマホに変えるといった方法もあります。
このようにLINEはいろいろと面倒ではありますが、とりあえず使えないわけではないので、格安スマホを使えない理由とまではならないでしょう。
長くなりましたので、楽天モバイルがどれだけ使えるかは次の記事に回します。
なお、今回のZenFone5および楽天モバイルのSIMカードは楽天モバイルのモニターとして無料で利用しております。
映画『サイドウェイズ』で一躍有名・人気になったサンタバーバラですが、意外にも旅行者の数は伸び悩んでいます。
理由の1つがワイナリーにテイスティングルームを作るのが困難なこと。許可を得るのが極めて難しいのだそうです。一方で、ガスやオイルの水圧破砕プラントが点在していたり、巨大カジノがあったりと、ワインカントリーの風情を楽しむ環境とはほど遠いものが目立ちます。
サンタ・イネズ・ヴァレーの地域計画委員会の委員長だったボブ・フィールドという人がその元凶と見られています。不適切な場所でアルコールを提供することが旅行者の安全を損なうと考えているのだそうです。
一方で、サンタバーバラ郡のワイン産地からは離れた、海沿いのサンタバーバラの町では「サンタ・バーバラのダウンタウンに集合テイスティング・ルームがオープン、サンディも参加」という記事で紹介したように、数多くのテイスティングルームが作られています。おそらく、上記のような規制を嫌ったものなのでしょう。これ自体はいい試みだと思いますが、旅行者が実際にワインカントリーを見ずに帰ってしまうとしたら残念なことです。
上記記事には、このほか、逆に人気がありすぎるナパの悩みなども書かれていて読み応えがあります。ぜひご一読を。
Wine Institute Statement on Possible Arsenic Litigation - The Wine Institute
Wine Institute Fact Sheet on Arsenic - The Wine Institute
それによると、ヒ素は空気、土壌、水などに自然に含まれています。米国ではワインやビール、その他酒類については制限が決まっていませんが、TTBで測定しており、他国の制限に合っていることを確認しています。
例えば、日本ではワインに残留が許されるヒ素の濃度は1ppm(=1,000ppb)。水道水は米国と同じ10ppb。今回、水道水を超えるヒ素が測定されていますが、日本の基準は大幅に下回っています。
なお、カナダやEUでも基準がありますが、今回のものはそれらの制限も下回っています。
前の記事を書いたときから、うさんくさい感じはしましたが(なので最後に「火のないところに水煙といった感もありますが」と書いています)、やはり気にする必要はなさそうです。
J Vineyards and Wineryは1986年にジュディ・ジョーダンが設立しました。近隣にある人気ワイナリーJordanとは、親戚関係にあたります。
ジュディ・ジョーダンは今回の買収について、「会社が一層の高みに登るための最適な組み合わせだ」と述べています。ガロもJも、家族経営の企業で、品質のバランスを重視していることなど、共通点が多いとしています。
ソノマに大きな勢力を持つブランドというと、ガロのほかに、先日シドゥーリを買収したケンダル・ジャクソンがあります。ケンダル・ジャクソンの場合は、買収したワイナリーの独自性を伸ばすことを重視している感がありますが、ガロはどちらかというと、ガロ・ブランドの中に丸め込んでしまうような感じがあります。
杞憂に終わればいいのですが、Jのスパークリングは、このブログでもたびたび紹介しているように、私も大好きなブランドなので、今後が気になります。
私自身はiPhone 3Gから、かれこれ6年ほどのiPhoneユーザー。Androidは使ったことがありません。格安SIMは本来、どの機種でも利用できるはずですが、iPhoneの場合、アップルが販売するものだけがSIMフリーになのですが、現在はアップルは販売を中止しています。私のはauなので格安SIMは利用できません。
なので、もし私が格安SIM、格安スマホに乗り換えるとしたら、iPhoneではなくAndroid機にせざるを得ないのです。今回は、その予行演習として、ZenFone 5と付き合っていくつもりです。
なお、ZenFone 5は楽天モバイルがSIMカードとセット販売している4機種のうちの1つ。価格は8GBモデルで2万6400円で、一番安い機種となっています。
ほかには富士通のARROWS M01、シャープのAQUOS SH-M01、ファーウェイのAscend Mate7がセット機種として用意されています。これらをセットで買う場合、SIMカードを入れるだけで利用できるため、手間がほとんどかかりません。
さて、これがZenFone 5の箱です。安っぽさはありません。箱を開けるのがちょっと分かりにくい(引っ張るだけなのですが)。
本体を取り出したら、背面のプラスチックの蓋を開けます。すると中央にSIMカードを入れるところがあります。
SIMカードと並べてみました。SIMカードはクレジットカード大のカードにくっついており、切り離して装着します。
裏蓋をしめ、電源を入れたら「APN設定」をしていきます。設定方法を示します(画面の状態は初期状態とは異なります)。
まず、下の中央をタップしてアプリ一覧を表示します。
設定アプリを開きます。
その他を選びます。
モバイルネットワークを選びます。
アクセスポイントを設定します。
「楽天ブロードバンド通話SIM」を選びます。
これで設定は完了です。スマートフォンとして使えるようになります。
やっているときはナンノコッチャという感じもありましたが、作業自体は簡単なのでSIMカードを入れて設定するまで10分もあればできるでしょう。
この後は、iPhoneの代わりにどこまで使えるかを書いていく予定です。
運営しているのは格安市外電話サービスの老舗だったフュージョン・コミュニケーションズ。同社は2007年に楽天グループ傘下に入っており、楽天モバイルのほか、スマートフォンから格安に電話をかける楽天でんわ、スマートフォンで「050」番号の電話を利用する「SMARTalk」(スマートーク)といったサービスを提供しています。
さて、格安スマホや格安SIMがどういうものなのか、最初に説明しておきましょう。
携帯電話の事業者というと、日本ではNTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンクの3社があります。これ以外の会社が携帯電話の事業者になりたいと思っても、まず無理です。全国に基地局を作るのに巨額が必要ですし、通信に使う周波数も空いていません。
そこで、既存の事業者の基地局などを利用して携帯電話サービスを提供できるような仕組みができました。それを使って提供する事業者を「MVNO」といいます。格安スマホ、格安SIMはいずれも、こういったMVNOによるサービスです。実際にはドコモ、ソフトバンク、auどれかの基地局などを使ってサービスを提供しています。楽天モバイルの場合はNTTドコモを使っています。したがって、NTTドコモの電波が入るところであれば、楽天モバイルも利用できることになります。
なお、SIMというのは通信事業者との接続に必要な情報を記録したもので、携帯電話機やスマートフォンには「SIMカード」という小さなカードが入っています。MVNOが提供する安いSIMカードを「格安SIM」、格安SIMを入れるスマートフォンを「格安スマホ」と呼んでいます。
格安SIMがあれば、今持っている携帯電話機やスマートフォンのSIMと交換して使えるんじゃないの? という当然の疑問が湧くわけですが、今のところ、携帯電話機やスマートフォンの大部分は、その特定の事業者のSIMしか認識しないようになっています。これを「SIMロック」といって、どこのSIMでも使える電話機は「SIMフリー」といいます(最近のドコモの端末はSIMフリーが増えているとのことです)。
本来、MVNOを使うには格安SIMだけで済むはずが、このような事情からSIMフリーのスマートフォンと一緒に販売されることが多くなっています。それを「格安スマホ」と呼んでいるわけです。
さて、格安SIMを選ぶには、いろいろポイントがあります。例えば楽天モバイルの料金表を見てみましょう。
SIMには、通話SIMとデータSIMの大きく2つがあり、料金はかなり違います。またデータSIMにはSMSありとなしとがあります。
通話SIMというのは、普通の携帯電話の通話機能があるものです。090などで始まる電話番号が使えるため、MNPを使って現在使っている電話番号を変更せずにMVNOに変更できます。
データSIMは通話機能がありません。ただ、今は携帯電話自身の通話機能を使わなくてもSkypeなどを使って通話が可能です。前述の「SMARTalk」を使えば電話番号も割り当てられます。データSIMを使うことも十分考えられるでしょう。
データSIMのSMSありとなしではありの方が少し高くなりますが、よほどの事情がない限りSMSありを選ぶべきです。携帯電話のSMS機能は、ユーザーの認証手段として多くのサービスが利用しているからです。例えばLINEの登録時にSMSを使って携帯電話に4桁の数字を送ります。それを入力することで、その番号が実際にそのユーザーの番号であることを確認するわけです。グーグルなどがセキュリティ強化のために採用している「2段階認証」も同じようにSMSを使います。
1か月の通信料によって、複数の料金プランを用意しているのが普通です。楽天モバイルの場合、2.1Gバイト、4Gバイト、7Gバイトとなっていましたが、2015年4月からは料金を変えずに3.1Gバイト、5Gバイト、10Gバイトまで使えるようになりました。
実はこの新料金、イベントの当日に間に合わせるようにがんばって調整をして発表したものだそうです。その後、他のいくつかのMVNOも追随しましたが、イベント時点では楽天モバイルが一歩リードした形になっていました。
なお、2.1Gバイトなどのデータ量ですが、LTEを使った高速通信のデータ量を意味しています。このリミットを超えても200kビット/秒という速度では、通信可能です。
また、1か月のリミットのほかに、3日間のリミットもあります。例えば2.1Gバイトのプランでは3日間の高速通信量が360Mバイトを超えると、次の日1日は200kビット/秒でしか利用できません。ちなみに4月からはこれも500Mバイトに増量しています。
ここまでは、あるサービスの中でのプランの違いについて書いてきましたが、ではどのサービスを選ぶのがいいのでしょう。
イベントでプレゼンした携帯総合研究所のxeno氏によると、細かい料金の違いはあまり気にしない方がいいとのことでした。それよりも通信の品質や、サービスを常に改善しているかといったことを見たほうがいいとのことです。
通信の品質については、昼休みの時間が一番如実に差が出るとのこと。基地局は同じドコモであっても、その背後のネットワークの性能差があるわけです。そしてxenoさん自身の測定データによると、楽天モバイルはかなり優秀です。快適に使えるかどうかの境という10Mビット/秒(上の図で中央の線)を混雑時でもほぼ達成しています。
実際の製品や1週間使った感想については今後の記事で掲載予定です。
通称「インディアン・カジノ」と呼ばれる、アメリカ先住民族によるカジノは、先住民族が土地を取得してしまうと、地域の土地利用のルールの管轄外となって、オープンを阻止できなくなります。そのために、事前に警告をしているとのことのようです。
参考:インディアン・カジノ - Wikipedia
今回のカジノ建設の動きは、ポモ・インディアンとIntegrated Resort Development LLCというラスベガスの会社によるものです。
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズは、カジノ用の土地取得に対抗するため10万ドルを用意しているとのこと。さらに10万ドルを追加する準備もしているとのことで、問題の重要性がうかがわれます。
提訴したのはケヴィン・ヒックスという人。ワインの流通ビジネスに15年携わった後、BeverageGradesというワインの分析をする研究所を作りました。そこで1300本を超えるワインボトルを調べた結果、およそ1/4のワインで環境保護庁が許可しているよりも多くのヒ素が含まれることを発見したといいます。
彼によると、安いワインほどヒ素が含まれる量が多い、という法則があるとのこと。
なお、訴えられた側の1つであるThe Wine Groupは、水とワインの許容レベルを同列に比較することはできない(水の方が飲む量が多いから)と述べています。また、今回一番多く含まれるとしたものも、カナダでワインに許容されている量の半分に過ぎない、とのことです。
火のないところに水煙といった感もありますが、どうなりますでしょうか。
しかもケース買いなら送料無料。シャルドネは現在売り切れています。
このワイン、ロケットニュース24でも取り上げられています(【コスパ最強】KALDI(カルディ)で600円くらいで売ってる格安ワイン『レッドウッド』が本当に美味しすぎて辛い / 2日で1本空け続けているレベル | ロケットニュース24)。
僕も、この価格帯のワインとしては、良い線をいっていると思います。
アルコール控え目、でも香りは控えずに 14 Mar 2015 - wine_articles
小原陽子さんの、このサイトではほかにもジャンシス・ロビンソンのサイトの無料公開記事を翻訳掲載しています(もちろんジャンシス・ロビンソンの許可を得ています)。勉強になる記事がいろいろあります。
ロバート・モンダヴィの肝煎りで始まったこのプロジェクトは、モンダヴィの経営が傾いた一因でもあり、ナパの負の歴史の象徴的な意味合いももっていました。
建物の販売先がようやく決まったことで、新たな一歩になるような気がします。
なお、購入したのはシアトルにあるトライアド・デベロップメント。今後3~5年をかけて改装する予定だといいます。新しいテナントのほか、家もできるとか。
今後に期待します。
カリフォルニアの話が大部分を占めているのですが、中でも興味深かったのがイングルヌックの試みです。多くの畑が2月か3月に剪定を行うのに対し、12月に剪定を始めてしまいます。それによって芽吹きが早まり、8月末か9月には完熟して収穫できるようになります。これによってアルコール度が下がって、よりバランスが取れたワインができるというのです。
イングルヌックの現在のワインメーカーは2011年にシャトー・マルゴーから来たフィリップ・バスコール。2ヴィンテージ見てきた後、上記の結論に達したそうです。剪定を早めることで、霜の害などに襲われる危険は増えますが、それは意に介さないそうです。逆に、収穫を遅くするとブドウの一部がレーズンのようにしなびてしまいますが、そちらの方が問題だと考えています。
これがうまくいくかどうか、未知数ではありますが、少なくともジャンシス・ロビンソンは2013のルビコン(イングルヌックのフラグシップ)に深く感銘を受けたそうです。
このほか、キャプサンディがベリンジャーのプライベート・リザーブで使われていたステート・レーンの畑を買い取った後、植え替えをするために、最適な列の方向を探るのに人工衛星のデータを使った話など、いろいろ興味深いことが載っている記事です。
というわけで、今週のワイン動画はソノマ・コーストのラジオ・コトーからです。冬の間、畑の間を埋め尽くしていたカバークロップを刈り取っています。どうして、こんなことをするかというと、インポーターの山村さんによると
冬の間、雨による土の流出などを塞いでいたカヴァークロップは、発芽が始まると、霜がカヴァークロップに降りて冷気を貯めないように刈り取るのだそうです。刈り取った草は自然に土に還し酵素を補う役目もあり!お疲れさま~!
なんだそうです。
2つめの動画は刈り取ったあと、土地を耕しているところです。当たり前ですが、ブドウ作りは農業だと感じるところです。
名称は「Santa Barbara Wine Collective」。Babcock(バブコック)、Fess Parker(フェス・パーカー)、Ca’ Del Grevino(カデル・グレヴィーノ)、Sandhi(サンディ)、Paring(ペアリング)、Qupe(キュペ)が参加しています。
IPOBの主要メンバーとして注目を集めているサンディにとっては、ここが唯一のテイスティング・ルーム。以前はロス・オリヴォスにも試飲できるところがあったのですが、Santa Barbara Wine Collectiveのオープンに伴い、そちらはやめたようです。
アーバン・ワイン・トレイルには他にも多くのテイスティング・ルームがあるので、LA近辺に行ったら、足を延ばしてみてはいかがでしょうか。
Wine Tasting in Santa Barbara — Santa Barbara Urban Wine Trail
ワイナリーのリストにも書かれていないこのワイン、主にレストラン向けに作られているようですが、必ずしも毎年生産されているわけではなさそうです。
税込でも3000円台と通常のメルローよりも1000円安い価格。AVA表示はナパ・ヴァレーですが、実際にはオークヴィルのブドウがほとんどを占めているようです。
ワインメーカーがこのワインについて語っている動画があり、「バイ・ザ・グラスに向いたワイン」であること「ローストチキンやバーガー、マッシュルーム」などに合うことなどと言っています。
ナパを代表するメルローのプロデューサーであるスワンソンのものですから、品質は信頼できるでしょう。かなりお値打ちなワインだと思います。
こちらが通常版です。
ナパで2月に開かれるプリミア・ナパ・ヴァレーと同様、ソノマ郡バレル・オークションは業界向けのオークション。ワイナリーはこのオークション用に特別のロット(5ケースから20ケース)を用意します。
カリフォルニア最古のワイナリーがソノマにあるように、ソノマには古い畑が多く残っています。一番古い樹の残るブロックからのワインなどがその例です。
例えばセゲシオはホーム・ランチの畑の中で一番古い1985年に植えられたブロックからのジンファンデルを出品します。ウィリアムズ・セリエムは「ヘリテージ・クローン」と呼んでいる古い樹からのブドウ(畑はロキオリやアレンなど)をブレンドした特別なワインを作ります。
このほかユニークなものでは、ジョセフ・スワンとウィリアムズ・セリエムとコスタ・ブラウンがそれぞれスワン・クローンのワインを持ち寄ってブレンドする「三位一体」のワインを出品します。
ワインについて詳しくは「2015 Wine Lots | Sonoma County Barrel Auction」に記されています。
また、現在オークションへの参加者も受付中です。
調査は2014年10月に行っており、前回は2年前の2012年に行っているようです。ただし、タイトルにある1本当たりの購入額の変化については、記事中では示されていないので、もうちょっとデータを出してくれたらなあという感じがします。
調査対象は20代~60代の男女1000人で男女各年代100人ずつになっているようです。ランダムサンプリングでしょうから、ネット調査としては対象はあまり偏っていないことが想像されます。
1カ月に飲むワインの平均本数は20代~50代は30代が落ち込んでいる以外はあまり変わらず、60代が突出して多くなっています。時間的および金銭的余裕があることが大きいのでしょう。
とはいえ、1本当たりの購入額は1000円未満が全体の47.3%。年収800万円以上の世帯で見ても34.0%を占めています。全体の9割以上が2000円未満ですが、年収800万円以上の世帯では2000円以上のワインを買う人が17.0%とかなり多くなっています。
国別に見ると日本が43.5%と圧倒的に多いです。ちょっと意外な感じもしましたが、1000円未満の「国産ワイン」というと、実際には果汁やマストを日本に運んで、日本で醸造しているものもかなり含まれそうです。
米国は1.9%と8位。寂しいですね。これが10%に達するくらいになってほしいと思います。
今月から始まる修理ですが、完了までには2年ほどもかかる見込みとのこと。費用もどれだけかかるかわからないそうで、まだまだ多難が予想されます。
歴史的建造物であるだけに、外観に影響を与えずに補修する必要があるのでしょうね。元の姿に戻る日を楽しみにしたいと思います。
記事によるとブームが始まったのは2001年にオリン・スウィフトの「プリズナー」が出たことから。ただ、この「プリズナー」、計算して作られたというより偶然の産物だったといいます。
2000年が難しいヴィンテージで、ジンファンデルなどいくつかのブドウ品種が余ってしまったため、ブレンドしてみたというのがその真相。最初は385ケースしか作られなかったそうです。それが2008年には8万5000ケースにまで成長しました。
なお、2009年にオリン・スウィフトはプリズナー・ブランドを売却。現在はPrisoner Wine Companyというところが作っています。
ブレンド物の人気が上がったのは、単独品種のワインに比べるとまろやかな味わいになりやすいこと。また、価格も抑えめなものが多くなっています。
プリズナーは価格的にはハイエンドに入ってきますが、もっと安価なものではモーガン・トゥエイン・ピーターソンが作るシェバンなどが注目されています。
シェバンは安価ながら、ブドウは自社畑のものなどが中心。1ランク上の味わいになっています。
先日、マリン郡でピアス氏病を媒介する虫を発見という記事を掲載しましたが、そのときにも書いたように一時はフィロキセラの再来、あるいはそれ以上にひどいことになるのではないかと恐れられていました。実際にカリフォルニアのテメキュラ・ヴァレーではブドウの60%を抜かざるを得なかったと言います。
2002年にブドウの樹の栽培者によるアセスメントが投票で認可され、その後も2005年、2010年と更新されています。2015年の今年の春にも更新が予定されています。
例えば、ガラス羽シャープシューターの広がりを防ぐ活動にはこれまで5億ドルを超える額が使われています。
また、ピアス氏病に耐えるような品種も開発されており、まもなく実用化ができそうだとのことです。
こういったところには米国の底力を感じます。
このワインバーのオーナーが中川正光さん。苗字から推測された人もいるかもしれませんが、日本屈指のカリフォルニアワインのインポーターの一族の生まれです。といっても、そのインポーターの系列としてワインバーをオープンしたわけではありません。経営的には全く独立しています。
ワインバーをオープンした経緯や、注目するワインなどについて話を伺いました。
――ワイン好きになられたきっかけを教えて下さい。
中川:慶應義塾大学を卒業した後、ベンチャーキャピタルのジャフコに就職しました。会社の仲間と自宅で飲んだときに開けたキスラーのシャルドネがとてもおいしく、忘れられない味になりました。自宅のセラーにあったワインで、今となっては畑もヴィンテージも分からないのですが。
カリフォルニアワインのビジネスをやっている家でしたから、それまでも親に薦められてワインを飲むことはありましたが、本当においしいと思ったのはそのときが最初でした。
――それから、ワイン蔵TOKYOを始めるまでの経緯を教えてください。
中川:ジャフコには結局6年いました。その後、アンティークの勉強をするためイギリスで2年修行をしました。帰国後、アンティークの店をやるつもりだったのですが、妻にもっとアクティブな仕事をしてほしいと言われ、ワインバーを開こうと思いました。
――なぜ新橋なのでしょうか。
中川:最初は銀座に店を出すことを考えて、2カ月物件を探しました。ただ、銀座はワインバーが多く、なかなかいい物件もありませんでした。
あるときふと新橋を通ったら、とても活気があり、ワインバーが少ないことに気付きました。新橋らしくない店を作ったらニーズがあるのではと考えました。カリフォルニアワインのワインバーに来そうな顧客層を考えたとき、新橋は行きやすい場所にあるといった調査もして、新橋に決めました。オープンしたのは2007年7月3日です。
最初の3カ月はかなり苦しく、その後も2年間は赤字でしたが、今は黒字になっています。
――どのようなお客さんが多いですか。
中川:やっぱり出張などでカリフォルニアに行ったことがある人が多いです。日本に帰ってきてカリフォルニアワインが飲めるところとしていらっしゃいます。
また、ここはレストランではなくワインバーなので、2軒目として選ばれる方も多くいます。食事に合わせてワインを飲むというよりも、ワインだけを楽しまれるお客さんが多いので、比較的濃い味のはっきりしたワインが好まれる傾向があります。
――こだわっていることはありますか。
中川:現場主義ですね。カリフォルニアに年に1回は行って、新しい情報を得ています。店のスタッフにも順番にカリフォルニアに行ってもらうようにしています。
――カリフォルニアではどういうワインに注目していますか。
中川:ナパの変化が面白いと思っています。次々と新しいワイナリーが出てきています。店を始めたころは、シャトー・モンテリーナとか、スタッグス・リープ・ワイン・セラーズといったパリ・テイスティングのころからのワイナリーが幅を利かせていましたが、最近では新しいワイナリーの名前をお客さんからもよく聞くようになってきました。
また、ワインの産地としてはナパのプリチャードヒル、ワインメーカーではフィリップ・メルカに惹かれています。メルカが作るワインはインパクトがあります。先日行われたプリミア・ナパ・ヴァレー・オークションで1番高額のロットになったBrand(ブランド)は、メルカが作るプリチャードヒルのワインで、日本ではうちくらいしか置いてありません。オークションで1位になったのを知ったときはやったと思いました。
プリチャードヒルではこのほかOvid(オービッド)や、Gandona(ガンドナ、ワインメーカーはフィリップ・メルカ)、Continuum(コンティニューム)などにも注目しています。
ピーター・モンダヴィ(ロバート・モンダヴィの弟でチャールズ・クリュッグのオーナー)の息子のマークが、妻や娘たちとやっているAloft(アロフト)のワインもいいと思っています。ハウエル・マウンテンのワインでトーマス・リバーズ・ブラウンがワインメーカーです。
――ピノ・ノワールはどうですか。
中川:うちのスタッフはみんなピノ・ノワールが好きです。私の家系は濃いカベルネが好きな傾向があり、私もそうなのですが、最近はピノ・ノワールも飲むようになりました。
ilovecalwineの海老原さんが入れているピノ・ノワールはマニアックで美味しいので私は「海老ピノ」と呼んでいます。ピゾーニなど、美味しいですね。
――注目している品種はありますか。
中川:ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンはどうしても高価になってしまうので、コスト・パフォーマンスがいいシラーとジンファンデルに注目しています。
シラーではZaca Mesa(ザカ・メサ)やOjai(オーハイ)のものが店ではよく出ます。
ジンファンデルではGirard(ジラード)やMacauley(マコーリー)のものが好きです。Girardはほかの品種もコスト・パフォーマンスがいいですね。
――私もGirardのジンファンデル好きです。以前ワイン蔵TOKYOに来たときもGirardのワインを注文しました。
中川:うちでは、Girardにお願いしてオリジナルラベルのワインも作っているんですよ。ラベルのデザインには片岡鶴太郎さんに描いてもらった絵を使っています。
――お店をやっていて良かったと思うことは何ですか。
中川:やっぱりお客さんに喜んでもらったときですね。特に、好みを教えてもらって出したワインを美味しく思ってもらえることが一番です。私が選んだワインがお客さんの好みに合わない場合は、お代をいただかずに別のワインをお出ししています。
とにかく一口でもいいからカリフォルニアワインを飲んでいただき、知ってもらうことが私の使命だと考えています。
関連サイト:
カリフォルニア専門ワインバー 銀座・新橋「ワイン蔵 TOKYO」
インタビューを終えて:
インタビューをしたのは「ナパ・ヴァレー・ワイン・バイ・ザ・グラス・プロモーション2014」の表彰式があった日。レストラン・ワインバー部門で4年連続最優秀賞という素晴らしい結果をだしています。インタビュー中も、お客さんへの目配りは怠らない点なども「現場主義」の現れに感じました。それがバイ・ザ・グラスの結果にもつながったのでしょう。インタビュー中にごちそうになったMacauleyのジンファンデルもGirardと似たふくよかな味わいで、美味でした。
過去のインポーター(とショップ)インタビュー記事
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
好きなワインを選んでいったら自然派に行き着きました――オーシャンワイン 早坂恵美社長
ロバート・モンダヴィさんに畑で叱られました――桑田士誉(あきたか)さん
スケアクロウといえば、いにしえのイングルヌックでも使われていたナパで最古と言われるカベルネ・ソーヴィニヨンの畑を持つことで知られています。
インタビューでは、その畑の作られた経緯や、ワイナリーを始めたきっかけなどが語られています。特に面白かったのはワインメーカーであるセリア・ウェルチにまつわるあたり。彼女は他にクライアントを多く抱えすぎているからという理由で1回は断ったものの、持っている畑がJ.J. Cohnの畑であるということを知って絶句し、他のクライアントを断ってでもワインメーカーになることにしたそうです。
このほか、スケアクロウという名前に決めた理由や、パーカーが98点を付けたことで、一夜にしてメーリング・リストが0から6000まで増えてしまった話などが語られています。
ガラス羽シャープシューターはブドウの木など多くの樹木にとって害悪となるピアス氏病という病気を媒介することで知られています。感染すると治す方法が見つかっていないことから、致命的な病気として、一時期は第二のフィロキセラになるのではないかと恐れられていました。その後、当局の懸命な努力によりシャープシューターの広がりを防いだことで、これまでのところ大規模な被害にはいたらないでいます。
今回はヴェンチュラ郡の苗木屋から送られてきた木の中にガラス羽シャープシューターが見つかったとのこと。フィールドで見つかったわけではないので、即感染というわけではありませんが、それでもニュースになるくらい重要なことではあります。
今後も感染が広がらないことを祈るばかりです。
しかも、ここのシラーは価格も控えめ。同誌で最高94点を取っている「Verna's(ヴァーナス)」は米国で20ドル台。日本でも3000円台で入手可能です。ただし常に品薄なのが難点。
今日紹介するエステートのシラーは2012年が9年ぶりの生産となったもの。Wine Advocate誌で95点です。94点のヴァーナスよりもミネラル感があるのが特徴だそうです。ちなみにメルヴィルの評価は元々南仏のワインのレポートで名を馳せたジェブ・ダナック。シラーの点数も信頼をおいていいでしょう。
税抜き価格で4000円台はお買い得な品質のワインです。
Napa Greenは土地利用とワイナリーの2種類の認証からなります。土地利用については2004年、ワイナリーについては2008年からプログラムを始めています。既に年間330万ケースのワインが認定されたワイナリーから産出されているとのことです。
似たようなプログラムとしては、昨年ソノマが2019年までに100%持続可能なワイン作りにすると表明、現在各地域でアクションプランや認証プログラムを策定しています。
ナパは既に使われている認証プログラムがあり、それを全面採用するところが、違いであり、わかりやすいところだと思います。
昨年6月に申請が出てから、8月29日までコメントを受け付けていましたが、総コメントは4件。実はそのうちの1件は私が書いたものでした(だれでも書き込みはできます)。今回公開された文書には「あるコメントでは、提案されたAVAの成立が長沢鼎の名誉を称えることにつながるため、それをサポートする。長沢はファウンテングローブの畑とワイナリーを管理し、1900年代初期の最も重要なワインメーカーの一人だった」とありますが、これが私の書いたコメントでした。
今回のAVA認定では、特にコメントが大きな役割をしたようには見えませんが、一応特筆してもらったということで、ちょっとは効果があったのではないかと思っています。
何はともあれ、AVA認可サれたこと、よかったです。
ただ、毎日1リットル(夏場は2リットル)ものお茶を持っていく下の子の場合、紅茶はほとんど飲まず、フレーバーティもさんぴん茶(ジャスミンティ)など一部のものに限られます。
そこで大体、烏龍茶、さんぴん茶、玄米茶、煎茶、ほうじ茶あたりをルーティンで回しているのですが、ここのところほうじ茶を切らしていました。
以前は我が家のほうじ茶としては紀ノ国屋の「香り棒茶」というのが定番だったのですが、近所の紀ノ国屋が閉店してしまったため、簡単に買えなくなってしまったのです。ネットスーパーもありますが、送料かかりますし…
ところがふと思い立って検索してみたら、同じものが見つかったのです。
紀ノ国屋のネットスーパーで「香り棒茶」を調べると「葉桐」と書いてあったので、これで検索したら、楽天などのネットショップを出していることがわかったのです。
【楽天市場】厳選の静岡茶 取寄せ専用店:葉桐
店の商品を見てみたら、同じ商品名のものがありました。パッケージも同じです。100gが2つで送料込み1080円と価格も紀ノ国屋で買うのとさほど変わりません(このお茶、美味しい割に安いのも魅力です)。
これからほうじ茶は、これで行こうと思います。このお茶、「棒茶」とあるように茎が中心なのですが、すっきりとした味わいで、多少濃く入れてもエグみがほとんどありません。それでいてコクもしっかりとあるのです。すっきり系が好きな人なら、絶対に好みに合うと思います。
ジョン・ボネは、昨年「The New California Wine」という本で、カリフォルニアワインの様々な裏話を暴露し、注目を集めました。IPOB(バランス追求派)グループの主導者の一人でもあり、モーガン・トウェイン・ピーターソンなど新世代の作り手を数々紹介してきた功績もあります。
参考:読書感想――「The New California Wine」ジョン・ボネ、バランス追求派はカリフォルニアワインを変えるのか
実は、ジョン・ボネは現在新たに「The New French Wine」という本を執筆しているそうなのですが、上記の本と、今度の本の出版元がやっているオンライン雑誌が「PUNCH」なのです。現在はワインの記事はあまりなく、どちらかというとライフスタイル誌的な感じでジョン・ボネの記事とマッチするのかどうか、よくわかりませんが、今後を見守りたいと思います。
ハードカバーは高いですが、Kindle版は1000円台です
ロキオリはソノマのロシアン・リバー・ヴァレー(Russian River Valley=RRV)の重鎮と言うべきワイナリー。1968年にこの地域としては最初(と思われる)ピノ・ノワールを植えています。
一番最初にピノ・ノワールを植えたイースト・ブロックは既にすべて植え替えられてしまいましたが、翌1969年に植え始めたウェスト・ブロックはまだ1/3ほど最初の樹を残していると言われています。
当初はブドウ栽培だけでワインは作っていなかったロキオリですが、1980年代にはゲイリー・ファレルの手を借りてワイナリーにもなりました。またウィリアムズ・セリエムによる1985年のロキオリ・ヴィンヤード・ピノ・ノワールがカリフォルニア・ステート・フェアーで1位を取ったことが、現在のロシアン・リバー・ヴァレー隆盛のきっかけとなったのでした。
ソノマのピノ・ノワールの中でも特別なワインと言っていいでしょう。
動画はこちら:Robert Mondavi Winery
なお、Facebookの中の動画につき、閲覧にはFacebookのアカウントが必要です。
このほかにもリューリングやヒリヤード・ブルース(ワインメーカーはポール・ラトー)のロゼなどが気になるところです。
このワイン、これまで国内ではセット販売しかありませんでしたが、Wassy'sで単品販売されています。米国ではメーリング・リストであっという間に売り切れたワイン。味わいだけでなく、希少性でも貴重です。
取り上げているのは
・メンドシーノ
・レイク郡
・ソノマ・コースト(太平洋岸)
・シエラ・フットヒルズ
・ロウダイ
・サンタ・ルシア・ハイランズ
・パソ・ロブレス
・サンタ・リタ・ヒルズ
それぞれ、地域の案内へのリンクが付いています。
個人的には、すべて行ってみたいですが、あまり馴染みのないシエラ・フットヒルズやレイク郡あたりが面白そうに感じます。
レイミーは自身のレイミー・ワイン・セラーズのほか、数多くのワイナリーでコンサルティングをしており、ソノマで一番忙しいワインメーカーではないかと言われるほどの人。特にレイミー・ワイン・セラーズのシャルドネはカリフォルニアでもトップクラスの一つと目されています。また、ナパでドミナスの立ち上げに携わったことでも知られています。
今回、新たに作ったサイドバー・セラーズには、レイミーの長女も参加。若い世代に向けた、より普及価格帯のワインを提供します。
最初に売り出すワインは3種類。ロウダイのケルナー(ドイツワインでよく使われる品種)、レイク・カウンティーのソーヴィニヨン・ブラン、ロシアン・リバー・ヴァレーのシラーを使ったロゼ。いずれもビンテージは2014で、価格は25ドル。今後はグルナッシュなども追加する見込み。
以前にもガロによるコンシューマーの調査を掲載しましたが、米国の若者の嗜好は、これまでとは大きく違うように感じます。日本の若者のワイン嗜好がどうなのかも気になります。
落札総額は600万ドル。昨年の590万ドルの記録をかろうじて上回りました。ボトルあたりの平均額は286ドル。
例年通り、中川ワインが上位の落札者に名前を連ねています。
それにしても、すごい価格ですね。以前はプレミア・オークションもののワインがショップで販売されてきたりしていましたが、もう難しいでしょうね。
マクドナルドのことだからワインには無関係なように思ってしまいがちですが、実はポテトが足りなくなったのは米国の港湾における労働者のストライキのせい。これによって、米国からのワインの輸入もかなり滞っており、インポーターにとっては胃の痛むことが多かったようです。
労使交渉がなかなか進まずストライキが長期化していましたが、ようやく暫定合意に達したというニュースが出ていました(米港湾労使交渉が暫定合意 西海岸、物流停滞解消へ)。
西海岸の各港湾では既に大量の積み荷が滞留しており、仮に最終合意に達してもしばらくは輸送の遅れは続きそうだ。
とのことで、すぐに問題解決とはいかなさそうですが、ようやく先が明るくなってきたように感じます。ただ、積み荷が港湾に滞留しているということは、ワインのコンディションも心配です。
余談ですが、マクドナルドでポテトが足りない期間に販売していたカーリーフライが美味しかったので、ぜひ復活して欲しいと思ってます。
剪定のビデオを見るといつも思うのは、これって本当に力仕事だな、ということ。畑で働くみなさん、お疲れ様です。
ニューヨーク新店のほか、鳥幸や、今後オープンする予定のピッツァ店(聖林館柿沼氏との業務提携によるもの)などでもシャトー・イガイ・タカハのワインを提供すします。
東京レストランツファクトリーは「JAPAN QUALITY」を世界に発信することを目指しており、カリフォルニアワインでありながら日本の「侘び・寂び」を感じられるシャトー・イガイ・タカハは、その戦略に合うワインとして選ばれたもようです。
シャトー・イガイ・タカハはこれまで生産のほとんどを日本で販売(ハワイでも一部販売)してきましたが、これを機会に米国本土でも展開していく予定だといいます。
シャトー・イガイ・タカハ、特に漢字シリーズのワインはアントニオ・ガッローニにVinousでも総じて90点を超える評価を受けており、ワインの品質的には十二分にやっていけると思います。
日本文化の発信とうまく呼応できるといいですね。
個人的にも、もうコルクの時代は終わるのではないかと思っていましたが、近年は品質が向上したコルクが増え、思ったほどのコルク離れは起きていないように感じます。
という流れを後押しするかのように、コルク関連の記事が2つ出ていたので紹介します。
1つは、コルクがワインの熟成にポジティブな効果を与えているという説(Cork releases beneficial phenolics to wine)。コルクがワインと接することによって生じる化合物が、樽と同様の熟成の効果を与えているという説です。Amorimというコルクの会社の研究者が述べているものですが、まだ証明されたものではありません。個人的にはちょっと眉につばを付けておいた方がいいのかも、という気もします。
【追記】本記事公開後、上のリンクの記事は消されてしまったようです。やっぱり大分怪しげな感じがします。
もう1つはコルク利用を謳うことが、販売促進につながるというもの。100%コルクというコルクの宣伝基金がボーグル、コッポラ、ガーギッチ・ヒルズ、ジョーダン、ラザフォード・ランチの5つのワイナリーと組んで調査しました。
それによると、サンフランシスコ・ベイエリアでコルクを使ったラジオ宣伝とインターネット広告を行ったところ、同地区での売り上げが6.4%増加したとのこと。同じ期間にトップ200のブランドで見ると5%下がっているので、コルクの宣伝が大きな効果をもたらしたと考えられます。
Wineries Increase Sales When Promoting Their Use of Cork
信濃屋の方が在庫が多いので、柳屋が売り切れた際はチェックしてみることをお薦めします。
フォアマン カベルネソーヴィニヨン[1994]はナパの初期からの有名ワインメーカーであるリック・フォーマンによるワイン。今が熟成のピークでしょう。
バッチオデヴィーノ ナパヴァレー[1998]はサンジョベーゼが26%入ったユニークなブレンド。今では日本輸入ありません。
バッチオデヴィーノ ナパヴァレー[1998]BACCIO DI VINO[1998] |
パオレッティ ノンプラス ウルトラ[1998]は、ワシントンの雄です。
パオレッティ ノンプラス ウルトラ[1998]PAOLETTI NON PLUS ULTRA[1998] |
オーベールのお宝ワインがいろいろあります。
ローレンはむちゃくちゃおいしいです。
リッチーももちろん。
キャプサンディのこれはメルロー主体。メルローやフランが好きな方ならはまるかも。
参考:Sine Qua Nonのマンフレッド・クランクルがバイクで大事故、一命を取り留める
その後は順調に回復して、このほど退院。自宅療養に切り替わったそうです(
Sunday News Shorts: Krankl Recovering and Supreme Fatigue )。
何はともあれ、順調なようでよかったです。
過去には「ディック・バーミールがナパに新テイスティング・ルームを開設」という記事で取り上げていますが、ディック・バーミールは2009年からワイナリーを運営しています。
また、今回アウトポストのワインメーカーだったアンディ・ジョーンズもバーミール・ワインに参加しました。本気で取り組んでいる感じがします。
しかも、このワイン、店長のリキさんが試飲して、美味しくなっているのでポイント10倍にした、というありがたいものです。
少々長いですが、試飲コメントを引用させていただきます。
ミントに赤い小さな果実と鉄分などミネラル感を予感させる香り。
迷いを少々感じた香りは、口に含んでみると一掃させる。コーヒー、ブラックカラント、なめし皮で温もりを感じ滋味に溢れ、香りに感じたミントは幻であったかのようで、まろやかさは後頭部から暖めてくれるような、飲み心地を楽しませてくれる。
余韻には、高級なスピーカーから流れる超重低音な心地よいリズムを感じるようだ。
そこそこ美味しかったアヒルがまるで白鳥になったかのようだ。
少々助走が長く必要で、抜栓後30分以上放置かデキャンターの後にお楽しみいただく事をお勧め致します。
美味しいワインを飲むには手間を惜しまない、まさにその見本のようなワインです。強くお勧めいたします。
ほかのポイント10倍ワインはこちら
ロバート・パーカーのWine Advocate誌と同様、有料会員向けのワインレビューを中心としていますが、動画などは無料で見られます。
埋め込みはできないので、最近の動画からソノマのアップデートとLittorai(リトライ)のテッド・レモンへのインタビューへのリンクを紹介します。
Sonoma Update | Vinous - Explore All Things Wine
Littorai’s Ted Lemon on 2013 and 2014 | Vinous - Explore All Things Wine
恐らく、消費者としてより興味深いのはソノマの方でしょうか。ナパに比べてカベルネ・ソーヴィニヨンのコスト・パフォーマンスが優れていることや、2013年のヴィンテージなどについて語っています。2013年は概ね良好なヴィンテージですが、ピノ・ノワールに関しては、出来不出来の差が大きくなっているとのこと。個々のワインのレビューを参考にした方が良さそうです。また、シャルドネは総じて素晴らしい出来になっているようです。
ブリュワー・クリフトンについては、先日オーナーシップの交代のニュースがありましたが、グレッグ・ブリュワーがその報告とともに、今回の試飲のワインを持っていったとのこと。
ブリュワー・クリフトンのワイン作りの特徴は、除梗をしないことと、新樽を使わないことにありますが、近年のワインでは、スタイルがより洗練されているとのこと。
グレッグ・ブリュワーによると、ワイン作りが変わったのではなく自社畑への移行によって、土地にあったクローンが分かってきたことにあるそうです。クローンの違いは非常に重要で、それによって味に丸みがまし、官能的な味わいになってきたそうです。
2012年のサンタ・リタ・ヒルズ・ピノ・ノワールはWine Spectator誌で94点を取り、昨年の年間8位になりましたが、2013年も93~95点と、2012年に匹敵する美味しさのようです。
日本では入手困難なブリュワー・クリフトンのワインですが、同じ畑で同じ作り手のワインとしてシャトー・イガイ・タカハの漢字シリーズがあります。特に、2013年の「園」は除梗なしで作られているのでブリュワー・クリフトンにより近いかもしれません。昨年私が試飲した中ではピカイチのワインでした。
2014年からはネオ・エモーションという会社の社長として、神奈川や沖縄を中心に回転すしチェーンを切り盛りされています。
桑田さんに、カリフォルニアワインにまつわる思い出などを語っていただきました。
――桑田さんのワイン歴を教えてください
桑田:1985年にホテルニューオータニに就職をし、1989年にメインダイニングのトゥールダルジャンで働いていました。そのときに米国のホテルでの研修があり、サンフランシスコのノブヒルにあるスタンフォード・コートに1ヶ月半滞在しました。
当時、スタンフォード・コートのフォルノーズオーブン(Fournou’s Ovens)というレストランに、ピーター・グラノフというマスターソムリエがいました。彼は、後に最初のインターネット・ワインショップであるVirtual Vineyardsを立ち上げます。
この人にワインを教えてもらって、飲むようになりました。今でも覚えているのが、最初にコストプラスというスーパーで買ったワインで1987年のモントレーのLoganというシャルドネでした。値段は9ドル66セント。ラベル剥がしを持っていなかったので、自分でペンでラベルに書かれていることを写しとっていました。
そのレストランでは常時10数種類のカリフォルニアワインをグラスで出していました。仕事が終わったあとに、それらを試飲させてもらい、アイアン・ホースやときにはBVのプライベート・リザーブを経験しました。また、ナパに一緒に行き、当時モンダヴィ傘下に入ったばかりのヴィションのハーベスト・セレモニーでワインメーカーのマイケル・ワイズ(現在はGrothのワインメーカー)やティム・モンダヴィ(現在はContinuumのオーナー・ワインメーカー)に紹介してもらって、一緒に写真を撮ってもらいました。10年くらいたって、その写真を見て、こんなすごい人と写真を撮ってもらったのかとあらためて思いました。
ピーター・グラノフには、ブドウの味を教えてもらったり、土地について教えてもらうなど、いろいろ勉強をさせてもらいました。
日本に帰った後、2年間はイタリアンのレストランで、イタリアワインに没頭しました。その後、辻調理師専門学校に転職しました。ここではヒュー・ジョンソンのポケット・ワインブックの翻訳を出していました。私はホテル学校の職員だったのですが、米国に学校を作るというので、志願してワシントン州に行きました。1992年1月のことです。
それから2年間の滞在中は飲みまくりの日々でした。近所のスーパーやコストコなどはもちろん、サンフランシスコやロスアンゼルスのショップなどでもワインを物色して歩いていました。ポケット・ワインブックの翻訳をしているチームから質問を受けると、そのワイナリーについて調べて答えていました。ピーター・グラノフさんのところにも、ときどき遊びに行きました。
ピーターに教わって、モンダヴィが作り始めたスパークリングワインを買ったり、ロバート・シンスキーのピノ・ノワールを飲んだりしました。
ヴィンテージのワインを飲んでみようと思ったのもそのころです。ナパのオーベルジュ・デュ・ソレイユで1976年のジョセフ・フェルプス・インシグニアを飲みました。オリがすごいワインでした(笑)。それをきっかけにジョセフ・フェルプスのワインをオタク的に飲んでいました。
ピーターから「どうせカリフォルニアワインを勉強するなら、もっと珍しいものも飲んでみたらいいよ」と言われてレイト・ハーベストのワインもいろいろ飲みました。
カフマン恵美子さんを紹介してもらったのもそのころです。彼女の書いた「カリフォルニアワイン・パスポート」は、バイブルのように、読み漁り、丸暗記しては飲み、丸暗記しては飲みを繰り返していました。
2004年からは東京の高田馬場でイタリアンとフレンチのレストランをやっていたのですが、カリフォルニアワインを仕入れまくっていました。インポーターのワイン・リストに知っているワイナリーの名前を見つけると、うれしくてうれしくて、どんどん入れていました。
――イタリアンやフレンチの店でカリフォルニアワインを売るのは難しくないですか?
桑田:そこはやっぱりウェイターの力なんです。イタリアのワインも置いていますが、「何かお薦めは」と聞かれたときに、イタリアワインのこれが好きなら、カリフォルニアのこれはどうだろうなどと想像して薦めます。
また、初めての場合はスタッグス・リープ・ワイナリーのワインをよく薦めていました。オーナーのカルロス・ドマーニについて「イタリアの大ボスみたいな人がカリフォルニアワインを作っていまして、この人のプチ・シラーが美味しいんですよ」などと言って飲んでもらっていました。ドマーニの娘さんが、ナパの有名なレストラン「テラ」の曽根さんの奥さんなので、その話題を出しつつ、さらにいろいろなワインを薦めていました。
ソノマでワインを作っている私市さんの「マボロシ」も、インポーターのデプト・プランニングさんから仕入れて、かなり売りました。それをきっかけで私市さんなどワインメーカーを呼んだワイン・イベントもいろいろやりました。
その後、ヒルトン東京の責任者になりました。中国料理のレストランが有名なのですが、そこで私市さんのワインを出しました。料理にワインを合わせるのではなく、ワインに合わせて料理を考えて出すといったことをしていました。
――一番思い出に残っているワインは何ですか?
桑田:やっぱり最初に自分のお金で買って飲んだLoganのシャルドネですね。開けて飲んだときに、味がよくわからなかったんですよ。今思えばあんな味だったんだろうなと思うのですが、当時は樽の香りも強いしスパイシーだというくらいしか感じなかったのですが。
それ以外にワインではないですが、初めて収穫したシャルドネの実を食べたときの甘さや、赤ワインの実を食べた時の渋みなどは鮮烈に覚えています。
日本人が一生懸命作ったワインを飲むのも嬉しいです。私市さんの2005年のピノ・ノワールは衝撃的な出会いでした。それから、ソノマでワインを作っている中井さんは高校の先輩なんです。
――好きなブドウの品種は何ですか。レイト・ハーベストがお好きなようですが。
桑田:レイト・ハーベストは冷蔵庫でキンキンに冷やして飲んだりといった、一人のときに飲むのが好きです。
品種ではヴィオニエがいいです。独特の感じが好きなんです。特にワイナリーにはこだわらないのですが。ヴィオニエを見かけるとついつい買ってしまいます(笑)。
一時期はピノ・ノワールにはまっていました。特にトニー・ソーターが作っていたエチュードのワインは好きでした。エチュードではピノ・ブランもよく飲みました・オレゴンのボー・フレールやドゥルーアンなども好きでした。
――今のお店ではワインは出していませんか。
桑田:今は出していません。もし出すとしたら国産ワインがいいかなあと思っています。
――思い出深いワイナリーはどこですか?
桑田:タリー・ヴィンヤーズに行ったときのことはよく覚えています。畑を案内してもらったあと、ワイナリーに行くと、違うラベルを貼った樽がいくつもありました。オー・ボン・クリマとかフィドルヘッドとか。その後、ロスアンゼルスのワインショップでそれらのワインが実際に店頭に並んでいるのを見て、ここで取れたブドウがこうなるのか、と思いました。
このほか、ナパに行ったときに、一人で畑にちょっと入ったら、顔の長いおじいさんに「そこは入っちゃだめだよ」と叱られたことがあります。後から考えたら、あれはロバート・モンダヴィさんだったなあ、というのを覚えています。
関連サイト:
和ダイニング/回転寿司のネオ・エモーション|三浦三崎港直送のマグロ・鮮魚をお楽しみください
インタビューを終えて:
カリフォルニアワイン・ファンの方とお酒を酌み交わすことはもちろんよくありますが、このように思い出を深く語っていただくことは意外とないものです。非常に楽しく、貴重な経験をさせていただきました。思い出に残るワインは、パーカーが高得点を付けたワイン…などではなく、やはり「体験」なのだな、ということを改めて思いました。
私がこのサイトを続けている最大の理由は、カリフォルニアワインのファンを増やしたいということなのですが、このような「体験」をもっと多くの人に持ってもらうにはどうしたらいいだろうかと、自問しています。
過去のインタビュー記事
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
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好きなワインを選んでいったら自然派に行き着きました――オーシャンワイン 早坂恵美社長
特に、1万円前後のサクサムは、もうここくらいしか残っていないでしょう。デュモルの品揃えもよく、単一畑ものが1万円前後です。
ほかにも、古いものでは掘り出し物がありそうです。
メルヴィルの2012年は高評価の連発。シラーの「ドンナ」が99点、ピノ・ノワールの「ブロックM」が97点と、メルヴィルとしては、これらの品種の最高評価を得ています。「サンディーズ」の96点も2004年の「テラス」以来の得点。
レビューを見るとサンディーズは、一番果実味が全面に出ており、60%除梗しているとのこと。飲み頃の記載はありませんが、若い時期から美味しいタイプのピノ・ノワールと思われます。
スモール・ロット・コレクションと呼んでいる、生産量の少ないワイン。400ケース足らずなので、日本にはよく入荷してくれたという感じです。
代わりに伸びている品種はソーヴィニョン・ブラン、メルロー、カベルネ・ソーヴィニヨンだそうです。
ただし、品種に限定しないと赤ワインブレンドが最高でした。昨年は2013年から11.7%も成長しているといいます。ただし、市場全体を広げる力はなく、メルローのシェアを奪った結果と思われます。
スーパーボウル、ゲームも何年に一度というくらい素晴らしかったのですが、それ以上に話題になっているのが、ケイティ・ペリーのハーフタイムショー。
といってもケイティ・ペリー自身ではなく、途中の曲でバックダンサーとして登場したサメの着ぐるみダンサーのコンビです。特に、左側のサメはそのちょっとずれた踊りで「Left Shark」としてGoogleの急上昇キーワードで米国6位になるほど。
こちらがハーフタイムショーのパフォーマンス。これ以外もすごく面白かったです。
テレビ番組にまで出演しています。
ワインについて詳しいことは前記事「ピーター・マイケル99点シャルドネ入りセットで実質現地価格以下」で書いたので、そちらをご覧ください。
ともかく、すぐ売り切れると思うのでお早めに。
ピーター・マイケルは現在カリフォルニアでは唯一ピノ・ノワールとシャルドネでWine Advocate誌の100点を取ったワイナリー。100点のワインは日本入荷なしあるいは既に売り切れの状態です。マ・ベルフィーユ2012は99点と、わずかに100点には及びませんが、ほぼそれに迫る内容。
2種類のセットはいずれもカベルネ・ソーヴィニヨン系とのペア。1つのペア相手は従来からのナイツ・ヴァレーの自社畑レ・パヴォ2011。もう1つのペア相手は、2011年に新たに加わったピーター・マイケルとしては初めてのナパのワイン「オー・パラディ」。ダッラ・ヴァッレのMayaの畑に近いカベルネ・フランが24%加わっているのが特徴。珍しさからか、市場価格はこちらの方が上です。
今回のセット、どちらも税抜き3万9000円ですが、米国の価格だと340~360ドル以上。今の為替レートだとこちらの方が安くなります。
セット数は1~2セットなので、早い者勝ちです。
とはいえ、一の傳はちょっと値段が高いのが難点なのですが、福袋を期間限定個数限定で販売しています。
やや小ぶりの西京漬けの詰め合わせ(一番人気の銀だらが必ず入っています)に加えて、一の傳特製の「うまいもん」2種以上が入って、定価6000円以上のものが3900円とかなりお得です。
AからFまで6種類のセットがあります。どのセットに何が入るかは秘密。またひとり1つまでの注文です。
以前、この福袋買ったことありますが、「うまいもん」もどれも外さない味わいでした。
株式を購入したのは著名なレストラン「チャーリー・トロッター」などでソムリエをしていたケン・フレドリクソンらのグループ。これまでのオーナーだったグレッグ・ブリュワー、スティーブ・クリフトン、クリスタル・クリフトン(スティーブの妻でセールスを担当)は10%ずつの株式を持ちます。
株式売却後もワイン作りなどの体制には影響はありません。グレッグは「売却によって畑の開発が続けられるとともに、新しい出資者の経験を活用できる」としています。
ブリュワー・クリフトンのサンタ・リタ・ヒルズ・ピノ・ノワール2012は2014年のWine Spectator誌トップ100の8位に入っており、おそらくセールス的には困っていなかったのではないかと思われます。前向きな売却であることを期待するばかりです。
なお、スティーブ・クリフトンはイタリア系品種を手がけるパルミナ(Palmina)でもワインを作っています。またグレッグ・ブリュワーはメルヴィル(Melville)のワインメーカーを勤めるとともに、シャトー・イガイ・タカハのワインメーカーとしても活躍しています。
アントヒル・ファームズについては「ウィリアムズ・セリウム出身の3人が作るコスパ高いピノ/シラー」という記事で紹介していますが(ケイネズにもちょっと触れています)、ラベルのデザインなど、ケイネズにかなりよく似ています。
AVAものは3000円台のピノ・ノワールですが、自社畑のブレンド。アントニオ・ガッローニのVinousでは90点。非常にコスト・パフォーマンスが高いワインです。
自社畑「セリーズ」のピノ・ノワールはVinousで94点。5000円台はお買い得です。
このブログでもかつて「パーカー認定,一番「ホット」なアメリカのワイナリはどこ?」という記事でアリゾナのワイナリーを紹介したことがあります(以前のブログでも紹介した記憶がありますが、データが残っていません)。
こんな地域ではありますが、ワイナリーの数は増え続けています。2004年に9ワイナリーだったものが2012年には60、現在は83にまで達したとのことです(A mile high, bone dry and thriving: Arizona’s growing wine industry)。Sonoitaというのが州内の唯一のAVAです。
タリーのフラグシップとなる自社畑がリンコンとローズマリー。特にローズマリーは非常に高く評価されています。Wine Advocate誌では2005年から2012年のピノ・ノワールで95点以上が6回、同期間のシャルドネも同じく95点以上が6回となっています。
中でも良ヴィンテージの2012年はピノ・ノワールが98点、シャルドネは95点。ピノ・ノワールについてはWine Advocate誌のジェブ・ダナックが「このヴィンテージのトップの1つ(賭けてもいいが、これまでカリフォルニアで作られたピノの中でもトップの1つだと思う)」としています。ピノ・ノワールで新樽比率が30%、シャルドネでは20%ですから、濃いだけのワインでないことは容易に想像できます。どちらも生産量は400ケース台。多くの入荷は望めないので、購入はお早めに。当然ながら既にワイナリーでも売り切れです。
2007年のピノ・ノワールは95+の評価。
開催は6月4日~7日。
4日(木)がウェルカム・パーティ
5日(金)がバレル・オークションとディナー
6日(土)がライブ・オークション(メインイベント)
7日(日)がワイナリーのオープンハウス
となっています。
チケットはバレル・オークションだけ参加できる限定チケット(4月15日発売)が500ドル。木曜日のパーティと金曜日のバレル・オークション、日曜日のオープンハウスに参加できるチケットが1500ドル。土曜日のライブ・オークション(前後の食事やダンス・パーティを含む)と日曜日のオープンハウスに参加できるチケットが1700ドル。
全イベントに参加できるチケットが3000ドルで、最後に木曜日と金曜日のメドウッド・リゾートへの宿泊や送り迎えなどを含むVIPチケットがカップルで1万5000ドルとなっています。
ナパで一番派手なイベント。参加すれば一生ものの経験ができるのではないかと思います。
チケット申し込みはこちらから
昨年のオークション結果報告はこちら
Auction Napa Valley、落札総額が2年連続の最高値更新
*IPOBについては以下の過去記事をご参考に:
IPOBって知ってますか? 知らなかったら覚えておきましょう
全カリフォルニアが注目するIPOB、創設者ラジャ・パーが語る
IPOBのLiocoとSandhi、Domane de la Côteを試飲
読書感想――「The New California Wine」ジョン・ボネ、バランス追求派はカリフォルニアワインを変えるのか
大阪は4月14日(火)にリッツ・カールトン・ホテル大阪で、東京は4月16日(木)に東京アメリカンクラブで試飲会を行います。時間はどちらも19時~21時。参加費は8000円。「IPOBの生産者と語り合いながら、ワイン約100種類を、ビュッフェスタイルの軽食とともにお楽しみ頂けるフリー・テイスティング形式のパーティです」とのことです。
お申し込みは以下のリンクから。
大阪会場
東京会場
参加予定のワイナリーは以下となっています。
Au Bon Climat Winery, Big Basin Vineyards, Ceritas, Chanin Wine Company, Cobb Wines, Copain Wine Cellars, Domaine de la Cote, Failla, Flowers Vineyard & Winery, Hanzell Vineyards, Hirsch Vineyards, LIOCO, Littorai Wines, Lutum Wines, Matthiasson Family Vineyards, Mount Eden Vineyards, Native9 Wines, Ojai Vineyard, Peay Vineyards, Red Car, Sandhi Wines, Twomey Cellars, Tyler Winery, Varner, Wind Gap Wines, Ceritas
IPOB発起人の一人であるHirsch Vineyardsのジャスミン・ハーシュさんも来るのが楽しみです。
それによると、2013年の輸出相手先トップはEU(合計)。6億1725万ドルで31%も上昇しました。2位はカナダで4億5357万ドル。こちらも12%増えています。
日本は3位で1億159万ドルでしたが前年比7%減。4位の香港も12%減です。ただし、香港への輸出は実質的には中国市場に流れており、香港と中国を合計すると1億5476万ドルで日本を大きく上回ることになります。
前年急上昇したベトナムは12%減の1億2728万ドルで9位。
ハンバーガー・チェーンCarl's JrのCMはひたすらアメリカンにゴージャス。ハンバーガーもむちゃくちゃでかいですが、「オール・ナチュラル」が売りだそうな。食べてみたい。
バドワイザーのCM。動物が受けるのは日本だけではありません。
スーパーボウルのCMを集めたサイトも多数登場します。日本のテレビ中継ではCMが見られないのが残念です。
ここはカリフォルニアワインはあまり置いていないショップですが、オーパス・ワンには力を入れています。15%還元を入れれば税抜き実質3万円を切ります。
全ショップ5倍はこちらからエントリー
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京橋ワインはカリフォルニアワインのイメージあまりないかもしれませんが、近年はシャトー・イガイ・タカハのワインやilovecalwine輸入のワインなど、ピノ・ノワールやシャルドネ系を中心に、結構いいものを入れるようになっています。
いくつかお薦めのワインを挙げておきます。
ベッドロックは最新の2013ではなく、輸入元完売の2012が残っています。もし飲んだことなければこの機会にぜひ。ロレンツォは長熟型、オールド・ヴァインはどちらかというと早飲み型です。
先日激安で紹介したマリマー・トーレス。そのときの価格よりは高いですが15%を考慮したらほぼ同等です。
近年、Wine Spectator誌で98点などのワインを輩出しているオレゴンのイヴニング・ランド。これもWSで93点、WAで90点。しかも現地価格より安いです。
マルティネリのピノ。15%引かなくても現地価格以下です。ボンディ・ホーム・ランチはWAで93点。
15年熟成していてニューリリースという変態的なワインを出しているカリン・セラーズ。セミヨンは一番人気です。WAで93点。
シャトー・イガイ・タカハのワイン、特に漢字シリーズはセールアイテムにはめったになりません。
最後は1本だけ1万円超のワインから。コブのピノ・ノワールはその価値があるワインです。
買収金額は明らかになっていません。シドゥーリのオーナーでワインメーカーだったアダム・リー(Adam Lee)は、今後最低3年間はワインメーカーを続けることになっています。共同オーナーでアダムの妻のダイアナは経営から退きます。
買収には、ブランドのほかワイナリ設備や在庫などを含んでいます。シドゥーリの兄弟ブランドでシラーを専門で手がけるノヴィ(Novy)も含みます。
ケンダル・ジャクソン・グループは近年、ラ・クレマ、ハートフォードなどピノ・ノワールに力を入れています。シドゥーリは、その戦略の一貫と言えるのでしょう。
また、アダム・リーにとってはワイン作りに専念できるというメリットがありますが、記事には正直に「複雑な気持ちだ」と書かれています。
私も少々驚きましたが、買収先としては比較的いい選択肢であるように思います。まず、ケンダル・ジャクソンもソノマを最大の拠点としていること。次に、ヴェリテやロコヤなど、ケンダル・ジャクソン傘下のワイナリは、いいワインを作り続けていること。資本の論理で無理やりワイナリーの方向づけを変えるといったことはなさそうです。
マウント・エデンといえばシャルドネが有名ですが、このカベルネ・ソーヴィニヨンも素晴らしいワイン。サンタ・クルーズ・マウンテンズのカベルネ・ソーヴィニヨンとしては、リッジと双璧と呼んでも過言ではないレベルです。
ちょうど、先日輸入元の中川ワインの試飲会で2010年のヴィンテージを試飲したところですが、非常にバランスが良く、上質の味わいでした。ここのシャルドネと同様、派手な味わいというよりは玄人好みの味だと思います。
もう、それ以上、言うこともないんだけど、3種類あるうち、イチオシはオレンジ。2番めはコニャック。コニャックはちょっと大人向けの味わいです。
500円しないですが、量もたっぷり入っています。トリュフはおいしいけど高くてちょっとしか食べられないのが不満というチョコ好きの人に特にお薦めします。
今だとヴァレンタイン用で専用スリーブ入りのものも売っています。値段は普通のと一緒なので、お得感あります。
カルディの店舗ならどこでも置いてあると思います。カルディで一番人気だそうですよ。ネット通販でも送料500円とあまり高くないので、遠くの人へのプレゼントや、近くにカルディがない人なら利用価値あります。
そのトアー・ケンワード氏がこのたび初来日。そのセミナーに参加してきました。
トアー・ケンワード氏は1970年代前半にはサンタ・バーバラでジャズ・クラブを経営。また、料理本の著作もあったそうです。スーザンさんも何冊か料理の本を書いています。
1975年にナパを訪れ、当時のまだ牧歌的だったナパに惹かれて、ベリンジャー(Beringer)に職を得ました。以来27年間、広報担当として最後は副社長にまでなりました。
ベリンジャーでは、少量生産の特別なワインを作る経験や、欧州でのワイン作りの研修などの経験をし、UC Davisでワイン作りを学びました。また、ケイマスのチャック・ワグナー氏を始め、多くの人脈を築き上げました。
トアー・ケンワードでは、「北カリフォルニアで最高の畑」を選んで契約し、ワインを作っています。シャルドネでは唯一ソノマの畑としてキスラーやパッツ&ホールのワインで知られるデュレル(Durell)や、カーネロスのハイド(Hyde)、ハドソン(Hudson)といった超有名な畑、カベルネ・ソーヴィニヨンでは100点ワインを輩出しているベクストファー・トカロン(Beckstoffer To-Kalon)などの畑と契約しています。こういった畑との結びつきに役立ったのがベリンジャー時代の人脈。例えばベクストファーのオーナーであるアンディ(Andy Beckstoffer)とは、一緒にサンフランシスコ49ersの試合を見に行く仲だそうです。
また、畑はすべてエーカーあたりの契約。ブドウの重量ではないので、収量を極めて小さくして最高のブドウを作っています。ただ、収量は単純に減らせばいいというわけではなく、畑ごとに最高のバランスを得るための方法を経験から判断しているとのこと。畑によってはトアー氏自ら畑で働く人達に指示を出しているとのことです。契約している12の畑を回るのは、トアー氏にとっては「最高の遊び場」と、仕事を楽しんでいる様子が伺えました。
ワインメーカーはジェフ・エイムズ氏。ドイツ生まれでシュレーダーなどでトーマス・リヴァース・ブラウンに師事。2003年からトアーのワインメーカーを務めています。
試飲では、まだ米国でもリリース前で初お披露目だという2013年のシャルドネ2種(デュレルとハドソン)、2012年のナパ・ヴァレー・カベルネ・ソーヴィニヨン、それからワイナリーの蔵出しで2005年のベクストファー・トカロン・カベルネ・ソーヴィニヨンが供されました。
デュレルは花の香りや柑橘系の香り、ふくよかで華やかな印象を持つシャルドネ。一方、ハドソンはフレーバーもタンニンもしっかりとしてミネラルを感じるシャルドネ。今飲むならデュレル、熟成させるならハドソンに魅力を感じました。個人的にはデュレルのようなシャルドネ、大好きです。どちらも300ケースの生産量。
なお、シャルドネではウェンテ(Wente)クローンをどちらの畑でも使っているとのこと。人気があるディジョン(Dijon)クローンよりもブドウの房が小さく、フレーバーが凝縮するのだそうです。
ナパのカベルネ・ソーヴィニヨンは非常に滑らかでバランスの良さを感じるワイン。カシスやブルーベリーなど青系の果実にブラックペッパーなどスパイスを感じました。とても飲みやすく、料理にも合わせやすいカベルネ・ソーヴィニヨンです。スーザンさんはカベルネ・ソーヴィニヨンをラム肉に合わせるのが好きだと言っていました。
最後の2005年のベクストファー・トカロンは圧巻。グラスに鼻を近づける前から香りが漂ってきます。熟成によって醤油のような旨味も出てきています。とてもしっかりした印象のワインであるのと同時に、ビロードのようなテクスチャの滑らかさに驚きました。トアー氏は、「アカデミー賞のレッドカーペットのよう」とそのテクスチャを表現していましたが、それが誇張でないくらい素晴らしく、また余韻も長いワインでした。なお、ベクストファー・トカロンの場合、ブドウの木の枝(シュート)1本につき、わずか1房しか実を付けさせないようにしているとのこと。
トアー氏の飾らない人柄も魅力的で、非常にいいセミナーでした。これまでトアー・ケンワードのことはあまりよく知りませんでしたが、想像以上にワインも美味しく、スピットするつもりが、大分飲んでしまいました(汗)。
今回のセミナーについては船橋の山城屋さんのサイトでも紹介されています。
オークションでは50個のロットが競売される予定、それぞれのロットは5ケースから20ケースで、このオークション用に作られたものに限ります。ナパでいうと春に行われるプレミア・オークションに近い形です。
まだ、開催場所も決まっていないというから、なんだかバタバタ感がありますが、ソノマも頑張って欲しいので成功を期待します。
ガラスびんには、メーカーや工場など、さまざまな情報が記されています。ガラスびんに問題が生じたときに、原因が追求できるよう、いつどこで作られたのかなど由来を追跡できるようになっています。
こういった情報をボトル詰めのときに記録しておくと、ボトルの刻印から、何のワインが入っているべきであったのか、簡単にわかるようになるはずです。
記事では、これからそういったデータベースを作っていくことを提案していますが、実際問題これらの刻印はどれくらい役に立つのでしょうか。
「日本ガラスびん協会」に問い合わせたところ、以下のようなことが判明しました。
刻印の内容についてはメーカーごとに違っており、標準化はされていません。記事で例として挙げている米国O-I社(同社は全世界のガラスびんの半分を生産する超巨大多国籍企業)ではボトルの刻印の読み方を簡単ですが公開しています(PDF)。
また、メーカーを表す刻印は、パント・マークといって、データベースがあります(PDF)
これが有効に働くための壁は高そうですが、偽造対策の1つとなり得ることはなんでもやったほうがいいと思います。
ページの上部には
ピーター・マイケル ピノ・ノワール "マ・ダンスーズ" [2012]+ソーヴィニヨン・ブラン "ラプレ・ミディ" [2013]×2本+カベルネ・ソーヴィニヨン "オー・パラディorレ・パヴォ" [2011] 計4本セット
と書いてあったのですが、それをよく見ず
下部に
■[RP100点] ピノ・ノワール マ・ダンスーズ [2012]×2本
├[RP93点] ソーヴィニヨン・ブラン "ラプレ・ミディ" [2013]
└[選択可] カベルネ "オー・パラディ or レ・パヴォ" どちらか [2011]
…の計4本セットです。
と書いてあったのを採用してしまいました。大変申し訳ございません。
Wine Advocate誌でピノ・ノワールとして100点を取ったのはカリフォルニアではピーター・マイケルが唯一。前回のものは日本入荷なしでしたが、今回のマ・ダンスーズ2012年は国内にも入ってきています。
柳屋ではなんとそのマ・ダンスーズ2012が
残りはソーヴィニヨン・ブランの「ラプレ・ミディ」2013が2本とカベルネ・ソーヴィニヨン「オー・パラディ」または「レ・パヴォ」2011のどちらか。「オー・パラディ」はピーター・マイケルとしては初めてナパのオークヴィルに買った自社畑のワインです。これも興味深いワイン。
今回は、ナパの観光で有名なホットバルーン(熱気球)の遊覧飛行風景です。
ちょっと面白いのはウェアラブルのカメラとして人気が高いGoProに自撮り用の棒を付けて撮影した映像であること。
普通は、熱気球から見た風景だけの映像になるところですが、熱気球に乗っている人を自撮りしながら、周囲の風景も見えるという映像はなかなか面白いです。
熱気球の雰囲気も分かるので、これから乗ってみたいという人にも参考になるでしょう。
オレンジワインの生産者の多くはいわゆる「自然派」のワイナリーです。
先日、山本昭彦さんのブログで取り上げられていたのはスコリウム・プロジェクトのワイン。ソーヴィニョン・ブラン100%で作られています。
色調はややオレンジがかった程度。濁っている。オレンジの皮、ブドウの種、酵母の香り。上品でほのかな甘み。余韻に苦みが残るが、アクセント程度。グラヴナーほど強烈ではなく、いいバランスを保っている。コクとウマミがあり、グラスがどんどん進むタイプの軽やかな味わいだ。ナパのはずれスイサン・ヴァレーのブドウを使っている。
ナパの自然派、スコリウム・プロジェクトのオレンジワイン
スコリウム・プロジェクトはSFクロニクルの記者ジョン・ボネによる「The New California Wine」にも大きく取り上げられた先駆的なワイナリーです。
このほか、カリフォルニアではありませんが、オーストラリアのワイナリー「ヤウマ」の「無理しないで」というワインも気になっています。かのネッド・グッドウィンの会社が輸入しているワインです。ワインメーカーのジェームズが日本に来たときに、日本人があまりにも真面目にワインを飲んでいるのに驚いてこの名前を付けたとか。
どちらもかなり「とんがった」ワイナリーです。このところ諸事情によりワイン購入を差し控えていますが、再開時にはぜひ飲んでみたいワインです。
ワインが発見されたのはノース・カロライナ州にあるプライベート・セラー。ただし、だれが盗んだのかは明らかでなく、まだ犯人は逮捕されていません。
警察は詳しい情報の公開を控えているとのことで、犯人が逮捕されないと、これ以上のことはわからなさそうです。なお、犯人はレストランの関係者という可能性を示唆しているとのことです。
盗んだものの、処分するのは難しかったのでしょうかね。まずはワインが見つかってよかったです。
カリフォルニアワインあとりえにはピゾーニの本家本元、ピゾーニのピゾーニが入っています。記事執筆時点で残り1本。非常に個性的なワイン。
一方、柳屋にはメルヴィル(Melville)でWine Advocate誌から96点をもらった「Sandy’s」。こちらも気になります。
ピノ好きにとっては悩ましい日で続きそうです。
RaenはResearch in Agriculture and Enology Naturally(農業と醸造における自然の研究)の意味であると同時に雨のレインも意味しているそうです。雨が最終的にブドウを作るというロバート・モンダヴィの言葉を元にしているとか。世界最高レベルの洗練されたピノ・ノワールを作ることを目標にしています。
そのために選んだ土地はソノマ・コースト。フォート・ロス・シーヴュー、オキシデンタル、ソノマ・コースト、の3つのピノ・ノワールを作っています。全部で400ケース弱という生産量です。メーリングリスト登録者向けに販売しており、既に最新ヴィンテージは全商品売り切れています。
父親のティムとは仲違いしたわけではなく、コンティニュームは父に任せて新しいことをやりたいということのようです。実際ティムも年中Raenに来てアドバイスをしているようです(ダンテによると「僕らの趣味にはあまり合っていない」とのこと)。
生産量が少ないので日本への輸入は難しそうですが、飲んでみたいですね。
ベッドロック・ヘリテージはBedrock Vineyardという自社畑のワイン。この畑は1888年から1895年に植えられたといいますから、古いものは120年以上という樹齢になります。55%がジンファンデルで30%がカリニャン。残りの15%はなんと20種類もの品種からなるというフィールド・ブレンド。わずか750ケースの生産量です。
2013年のものはWine Advocate誌で93-95点と、このワインとしては過去最高のレイティングです。2024年までが飲み頃というのはジンファンデル主体のワインとしてはかなりの長熟型と言えるでしょう。
なお、ワイナリーでは既に2013年ものすべてのワインが売り切れになっています。
また、ベッドロックの入門用として最適なオールド・ヴァインも2013年ヴィンテージになっています。こちらも92点と高い評価。平均樹齢80年以上のさまざまな畑のブドウのブレンドです。Bedrock Vineyardのブドウも含まれています。
まずはスタンダードなソムリエナイフを使ったワインの開け方。
次は、スパークリング・ワインの開け方。決して先週のビデオのようなひどいことはしないようにしましょう。
最後はコルク抜きがないときの開け方です。いざというときにどうぞ。
これまでのところソノマ郡全体で5万9722エーカーのブドウ畑があるうち、43%に相当する2万5987エーカーが「持続可能」と判断され、33%に相当する2万1491エーカーがサードパーティからの認証を受けています。
今回の宣言により、これらが一時的な目標でなく、長期にわたって維持していくものであることをさらに印象付けることになると思います。
他の地域にもこういった動きが広がるのかどうか気になります。
今回の旱魃を木の年輪から調べて見ると、800年ころにあった旱魃に匹敵する少なさとのこと。少々の雨ではびくともしないようです。カリフォルニアの32%はまだ「例外的な旱魃」に属するといいます。
例えば、4年間の総雨量で下位20%に入らないようにするには、セントラル・ヴァレーで平年の倍といった雨量が必要だそうです。
先はまだまだ長そうです、
取り上げらているのは
シャペレー(Chappellet)
フロッグズ・リープ(Frog's Leap)
ハンゼル(Hanzell)
プライド・マウンテン(Pride Mountain)
セインツベリー(Saintsbury)
ジョーダン(Jordan)
ストーニー・ヒル(Stony Hill)
サン・スペリー(St. Supery)
ボニー・ドゥーン(Bonny Doon)
の9ワイナリー。おそらく、どれも聞いたことがあるワイナリーでしょう。そしてちょっと懐かしい感じです。
例えば、ジョーダンはレストランの人気ワインでは必ず上位に入りますが、作っているワインはアレキサンダー・ヴァレーのカベルネ・ソーヴィニヨンとルシアン・リバー・ヴァレーのシャルドネだけ。それを何十年も変わらず続けています。
マニア的には単一畑や特別なブロックのワインなどについつい目が行きがちですが、最良のブドウをすべて1つの商品につぎ込むという姿勢も見習いたいものです。
他の8ワイナリーも、いいワインを続けて作っているところ。改めて評価したいですね。
ソノマではドライ・クリーク・ヴァレーのパイオニアであるジョン・ペドロンチェッリ(John Pedroncelli)が89歳で亡くなりました。ペドロンチェッリの父親がブドウ畑を購入してカリフォルニアに移住してきたのは1927年。まだ禁酒法の時代でした。当時ジョンは2歳。1949年にペドロンチェッリ・ブランドでジンファンデルを作り始めました。2014年のヴィンテージもワイン作りを手伝ったとのことです。
ナパではフォルカー・アイゼル(Volker Eisele、ヴォルカー・アイズル)が77歳で亡くなりました。ワインもさることながら、土地の保全に力を尽くしたことで知られています。また、ワイナリーのあるChiles ValleyのAVA確立にも携わりました。
また、サンタ・バーバラではゲイニー・ヴィンヤードのダニエル・ゲイニーが89歳で亡くなりました。ミネソタ生まれで、サンタ・イネズ・ヴァレーに土地を買ったのは1962年のこと。現在のゲイニー・ランチです。1984年にワイナリーを作っています。
皆様のご冥福をお祈りします。
コスタ・ブラウンはダン・コスタとマイケル・ブラウンが作ったワイナリー。単一畑のピノ・ノワールで大成功を収め、2000年代の寵児となりました。そして、2009年にVincraftからの出資を受け、60%の株式はVincraftが持つようになりました。
今回は、Vincraftの株式をJ.W. Childs Associatesという会社とスワップ取引によって交換したとのことです。詳細は明らかになっていませんが、Vincraftは出資額よりも遥かに多い金額を得た模様です。
新しいオーナーの出資先を見ると、かなりバラバラであり、おそらく経営に口を出すようなことはないのではないかと思います。
Vincraftはコスタ・ブラウンのほか、ゲイリー・ファレルにも出資していますが、そちらについては特にアナウンスはありません。
最初は笑えるもの。Facebookでもシェアしたので既に見た人も多いかもしれません。シャンパーニュやスパークリング・ワインを開けるときに、サーベルでコルクを飛ばす「サーベラージュ」という方法があります。セレモニー的なものですが、場は盛り上がります。それをテレビで実演しようとして派手に失敗する動画です。
男の人がタオルで自分の手や服だけ拭いて、女性がそのままというのが味わい深いですね(笑)。
もう1つはナパで新世代のワイナリーが増えているという話。2世、3世の若者たちがどんどん新しいワイナリーを作っています。「ミレニアル」と呼ばれる1990年代に生まれた若者をターゲットとするため、比較的安価でワインを作るなど、いろいろな工夫をしているようです。
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今回の激安は、インポーター交代によって旧インポーターが放出したもの。新インポーターの価格は値上げが決まっていますので、この価格は本当に今回だけのものと思われます。
売り切れ前にお早めに。
自社畑はすべて有機栽培。ビオディナミの認証も受けています。そこで作られたシャルドネ、ピノが現地価格より安くなっています。
「ラ・マシア」というブランドでDon Miguel Vineyardのブドウを100%使用しています。
シャルドネはワイナリー価格で35ドル、ピノ・ノワールは44ドル。いずれも現在3000円台になっています。
他のインポーターと大きく異なるのは併設しているレストランで消費するワインが中心になっていること。横浜駅近くの「家(うち)バルCru」という店で、気のおけないスタイル。ワインだけでなく日本酒や焼酎なども提供しており、近所のサラリーマンなどで賑わっています。
社長の早坂恵美さんは雑誌のライターから転身したという変わり種。笑顔が素敵な女性で、インタビュー中にもしばしばお客さんから声をかけられていました。
――ワインの輸入を始めた経緯を教えてください
早坂:インポーターを始める前は、STORYという雑誌でライターをしていました。当時ロワールで自然派のワインを作っていた新井順子さんにインタビューをしてボワ・ルカのソーヴィニョン・ブランをいただき、体になじんで美味しいと思いました。
そのとき初めてワインていいな、と思いました。いろいろなお酒を飲んでいましたが、ワインに特化して興味を持つようになったのはそれからです。2008年のことでした。それから新井さんのワインの教室にも通うようになり、どんどんはまってワインの仕事をやってみようかと思いました。その教室では出資してくださる方にも出会いました。
ですから、最初はフランスのワインから入っていったのです。カリフォルニアワインは親しみやすいので、それを取り扱おうと考えました。2009年に会社を設立して、コネクションもなしにカリフォルニアに飛び立ちました。
――初めに行ったワイナリーはどこでしたか。
早坂:何のコネクションもルートもなく、とりあえずネットでワイナリーをツアーしてくれる方を探してオーガニックもしくは環境保全型農業の畑でぶどうを作っているワイナリーに連れて行ってもらいました。
その中で、あまりマニアックすぎず、日本と取引がないワイナリーを探しました。
あるナパのレストランでソムリエに「こういうワインを探している」と伝えたところ、そのソムリエがワインリストに載っていないCopain(コパン)のピノ・ノワールを飲ませてくれました。飲んでみたら探していた味わいだったので、契約することになりました。現在は弊社では扱わなくなっていますが、コパンが最初のワイナリーの1つでした。
その後、VinAsiaのSuzuki Yukoさんからの紹介でCru(クリュ)、Sosabe(ソサベ)、WendTaylor(ウェンドテイラー)などいろいろなワイナリーと契約するようになりました。そういうわけで、当初からラインナップはあまり変わっていません。
――ワイナリーを選ぶ基準は何ですか。
早坂:うちのワインはとんがったものはないんです。食べ物と一緒に飲むワイン、人と一緒に飲むワインです。フード・フレンドリーなワインを選んでいます。
結果として、ほとんど誰も知らないようなワイナリーが多くなっています。新規の取引先からうちを選んだ理由を聞いたところ「誰も知らないから」と言われたこともあります。さすがに笑ってしまいました。
――とんがったワインがないとおっしゃいましたが、サクサムも扱っていますね。
早坂:ここはたまたま扱うようになりました。ワイナリーというと牧歌的なイメージがあると思いますが、ここは荒野のようなワイルドなところにあります。さらに、ワイナリーには楽器があって、そこでライブを開いてしまうようなこともあります。こんなところで素晴らしいワインができるなんてと驚きました。
――自然派のワインにこだわる理由は何ですか。
早坂:カリフォルニアワインの知識がすごくあったわけではなく、いろいろ飲んでいった中で、体に馴染んで美味しいと感じたのが自然派のワインでした。
完全に無添加ということにこだわっているわけではなく、ワインメーカーが保存料をある程度必要だと思うのであれば、それは受け入れますし、ブドウにうどんこ病が流行ったら農薬を使うことがあるのも分かります。
逆に自然派のワインの中には、癖の強い香りがあるようなものもありますが、そういうのは苦手です。自然派だから好きなのではなく、好きなワインを選んでいったら自然派になったのです。
――レストランを併設しています。最初からその計画だったのですか。
早坂:最初の事業プランにはなかったのです。当初は個人レベルでこじんまりと通販しようと思っていました。ただ、同じ場所でレストランを一緒にやろうとしていた人が手を引いてしまい、仕方なく両方並行で進めることになりました。
大変でしたがレストラン5年めで、やっと安心して任せられるスタッフになりました。昨年まではフレンチ・レストランだったのですが、回転が悪く、仕込みに時間がかかり、原価率が高すぎたため、気軽に使えるレストランに切り替えました。
現在は、このレストランでいい状態のワインを出すことがビジネスモデルの中心になっています。自分の子供に飲ませたいワインということを基準に選んでいます。
うちのワインを買ってくれる顧客にはホテルなどが多いのですが、「不機嫌にならない」ワインだということで選んでもらっています。
レストランやホテルでワインを提供することを考えると、抜栓したときに硬いワインは扱いにくいんです。うちのワインはお店にとってもお客さんにとっても楽なワインなのです。
――お薦めのワインを教えて下さい。
早坂:うちで扱っているものは5000円~7000円くらいのものが多いのですが、その中で低価格帯で健闘しているのがソサベのジンファンデルです。カリフォルニアのジンファンデルというと、濃厚な味わいのものが多いですが、これはとても優しく、Frog's Leapのジンファンデルなどによく似た味わいでした。オーナーの人柄もよく、「このジンファンデルなら食事に合う」と思って扱うようになったものです。
クリュのピノ・ノワールとシャルドネは、カリフォルニアワインとしてはエレガントでバランスが良く、気に入っています。
ダンシング・コヨーテはすごく面白いワインで、十数種類の珍しいブドウを使ったワインを作っています。初めは面白がっていろいろ入荷していたのですが、今はプチ・シラーとアルバリーニョ、ヴェルデホというスペインでよく作られている品種など、いくつかに絞っています。うちの子供が最初に美味しいといったのが、ここのワインでした。
幻ワインの私市さんの奥様であるレベッカさんが作るスパークリング・ワインも扱っています。私市さんに「うちはスパークリングがなくて」という話をしたらこれを扱わせてもらえるようになりました。
――これからどういうワインを扱いたいですか。
早坂:ワインのしきいを下げたいんです。うちで扱っているワインで3000円くらいのものは、うちのレストランならその値段で出せますが、ほかのレストランだとどうしても4000円、5000円といった価格帯になってしまいます。もっと気軽に飲めるワインを増やしたいと思っています。
ワインがもっと食卓に登場して、肉じゃがとワイン、缶ビールじゃなくてワイン、みたいになるといいですね。
――ほかに目標はありますか。
早坂:扱っているワイナリーの方を招いてワインメーカーズ・ディナーを開きたいと考えています。
また、うちのスタッフをカリフォルニアに連れて行って、どういうところでどのようにワインが作られているか見せたいです。彼らが一番直接お客さんに接するので、そのときに、もっとうちのワインの良さを伝えられて、それでお客さんにファンになってほしいのです。
――ワインの商売をやられていて、一番嬉しかったことは何ですか。
早坂:やっぱり、これまでワインは苦手と言っていた人が、うちのワインを飲んでワインに興味を持つようになったときですね。このワインはジンファンデルと言うんだよとか、これはカリフォルニアで作られているんですよとか、1つひとつ興味を増やしていってもらえると嬉しいです。
関連サイト:
オーシャンワインのサイト
家バル・クリュのページ
インタビューを終えて:
インタビュー中、「うちはこだわりないから記事にならないんじゃない」と語る早坂社長。いえいえ、十分こだわりがありますよ。気軽に美味しくワインを飲んでほしいという気持ち、強く伝わりました。
過去のインポーター(とショップ)インタビュー記事
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
共通するのは2人ともジンファンデルの新世代の担い手であること。ベッドロックについては、本ブログでもたびたび紹介していますが、ソノマを中心とした古木の畑の価値に改めて注目し、すばらしいジンファンデル(多くはフィールド・ブレンドによるブレンドもの)を生み出しています。
ターリーのティーガン・パッサラクアは、ナパの生まれですが、モーガンのようなワイン一家ではなく、大学でも建築を勉強したという人。その後、ワイン作りを勉強しながらターリーにインターンで入り、今にいたります。かつては濃厚一直線のワイン作りで知られたターリーですが、近年はバランスが取れたワインに変わっており、再び高く評価されるようになっています。
オキシデンタルについては昨年の10大ニュースでも取り上げていますが、スティーブ・キスラーが1年前に明らかにしたピノ・ノワールの新プロジェクト。ソノマ・コーストのペタルマ・ギャップにある65エーカーの自社畑からのワイン。従来のキュベ・キャサリン、キュベ・エリザベスがオキシデンタル・ブランドに移行しています。また、今回新たにSWK Vineyardというワイン(畑は従来と同じですが、標高が高いところのブドウを使っているようです)が加わりました。
今回は2012年のレビューでしたが、キュベ・エリザベスとSWKが98点という高評価でした(キュベ・キャサリンは93点)。なお、キュベ・エリザベスではこれまで2000年と2005年に99点、1999年に98-100点が付いています。
また、パーカーが特筆しているのはアルコール度数の低さ。非常に凝縮したワインであるにもかかわらず、アルコール度数が13.6~14.2度に抑えられているとしています。
キスラーのピノ・ノワールについては、スティーブ・キスラー自身が以前のものについて熟成力に疑問があると考えており、オキシデンタルについては、その反省に立ったワイン作りが行われているようです。
今回の福袋は4本入りで値段は2万円台からとかなりの高級路線。各セット1つずつしかありません。また、4本のうちの1本については銘柄が明らかになっています。送料込みです。
ファヴィアのソーヴィニョン・ブラン「ラ・リーニア」2013が入ったセット。
マリリン・メルロー1998が入ったセット。残りの3本は1980年代のカベルネとのこと。マリリン・メルローが定価6000円(現在のワイナリー価格は200ドルだけど)という扱いなので、残りの3本は1本当たり1万5000円(税抜き)という計算。そちらの方が気になりますね。
スポッツウッド2010(Wine Advocateで100点)が入ったセット。これも残りが気になります。
後のセットはスペシャルワインとしてワシントンのワインが入っています。
2015年最初の記事として、2014年の本ブログ的10大ニュースを取り上げます。
10位 ガロの調査
米国の若者は「モスカート」と「シャンパーニュ」を好む
12月に多くのアクセスをもらった記事です。調査の内容も面白かったですが、インフォグラフィックスによる見せ方も参考になりました。また、アクセスの大部分がソーシャルメディア、特にFacebookから。Facebookの力を感じた記事でもありました。
9位 長沢鼎
カリフォルニアの「ワイン王」になった長沢鼎などを紹介する「薩摩藩英国留学生記念館」が開館
アカデミー・デュ・ヴァンで長澤鼎のセミナー開催
「ワイン王」長沢鼎の「Fountaingrove」、AVAとして復活なるか?
2014年は鹿児島のいちき串木野市に「薩摩藩英国留学生記念館」が開かれるなど、長沢鼎の功績が見直された年でもありました。伝記本が複数出版され、アカデミー・デュ・ヴァンでセミナーが開催されました。また、米国ではゆかりの名前を持つFountaingrove AVAが申請されました。
8位 IPOB
全カリフォルニアが注目するIPOB、創設者ラジャ・パーが語る
IPOBのLiocoとSandhi、Domane de la Côteを試飲
読書感想――「The New California Wine」ジョン・ボネ、バランス追求派はカリフォルニアワインを変えるのか
物議を醸すSFクロニクルの年間トップ100
2013年ころから台頭してきたIPOB(In Pursuit of Balance)が、日本でもプレゼンスを増してきました。2014年には初めて国内でセミナーが開かれました。米国ではSFクロニクルのジョン・ボネによる『The New California Wine』が大きな話題になりました。SFクロニクルの年間トップ100発表にも、その影響から、さまざまな意見が出ています。
7位 旱魃
カリフォルニアの旱魃、ナパでは軽減されたもよう
そうは言ってもまだまだ旱魃は深刻そうです
カリフォルニアの旱魃は消費者にとっても人事ではない
カリフォルニアの地下水利用制限条例がついに施行
カリフォルニアに恵みの大雨、ただし旱魃の解消にはほど遠く
カリフォルニアは100年に一度と呼ばれるような旱魃に見舞われました。最近の大雨で大分解消したという話もありますが、まだ予断は許さない状況だと思います。今すぐワインに影響するというものではありませんが、長期的な気候変化は気になります。
6位 心ワイン
Paul Latoの新作は「心」、シャルドネとピノ・ノワールを試飲
WA214号発表、ポール・ラトー、カレラなどに高得点
ポール・ラトーの「心」、完全限定36セットを販売
2014年に試飲したワインの中でも特に印象的だったのがポール・ラトーの「心」でした。ワインライフの杉本さんとのコラボで作ったワインで、通常単一畑しか作らないポール・ラトーが初めてブレンド品として作ったものです。特にシャルドネは「柑橘系の香りが素晴らしく、味わうとパイナップルなどトロピカルフルーツのフレーバーも感じます。ミネラルもしっかり。それでいて全くくどさがなく、爽やかささえ感じるワイン」でした。WAでも96点と高得点でした(個人的にはもっと高い点が付くのではないかと思っていましたが)。ワインライフの杉本さんのワインとしてはシャトー・イガイ・タカハのピノ・ノワール「園」も素晴らしく、こちらはアントニオ・ガッローニのVinousで94点が付いています。
アントニオ・ガッローニがシャトー・イガイ・タカハのワインを高評価
5位 オキシデンタル(キスラー)
キスラー謎のオーナー変更とスティーブ・キスラーの新ワイナリ
スティーブ・キスラーの新ワイナリは、ちょっとガセっぽかった
キスラーの新ワイナリ、さらに続報
キスラーの新プロジェクト「オキシデンタル」来ました!
「ガセネタ」ではなかったケスナーのキスラー・ワインメーカー就任(で記念セール継続)
スティーブ・キスラーの新しいプロジェクトがオキシデンタル。2013年末に発表されたWine Advocate誌のレビュー中に記されていたものですが、意外と米国の記事でも取り上げたものがなく、周辺の情報を聴きこんで記事にしたものです。大きな記事ではないかもしれませんが、あまりほかでは取り上げられていない話を書いているつもりです。
4位 ベッドロック国内輸入開始
ついに来た!「天才」Morganが作るBedrockが国内正式輸入開始
最近飲んだワイン――ベッドロック、オールド・ヴァイン・ジンファンデル2012
ベッドロック3本目は「パガニ・ランチ」
ロバート・パーカーの2014年ベストワイン、「コスパ賞」にベッドロックの廉価版
2010年に「今後「カルト」になるかもしれない三つのワイナリ」という記事で初めて取り上げたBedrock。2014年早々には「Bedrockは、今いちばん気になっているワイナリの1つなんだけど、どこか日本に輸入しないのだろうか」とつぶやいており、3月に輸入開始後も、いろいろ取り上げています。ワイン自体期待を裏切らないものでした。
3位 ナパの地震
速報:ナパでM6の大地震。ワインに大きな被害が出た模様
ナパでM6の地震、ワインの被害まとめ
地震被害のナパ市ダウンタウンをクアッドコプターで空撮、被害が一目瞭然
ナパ・ヴァレー・ヴィントナーズが地域支援へ
オバマ大統領、ナパの地震を「大規模災害」と宣言
次に起こるナパの大地震はマグニチュード7クラスも!
ナパの地震、地震国日本に住む身にとっては全く人事ではないです。人的被害がほとんどなかったのが不幸中の幸いでした。
2位 インポーター紹介記事
全都道府県でワイン会をやっていきたい――ワインライフ 杉本隆英社長
4000円以下で美味しいワインを紹介していきたい――アイコニック アンドリュー・ダンバー社長
顔の見えるオンラインショップでありたい――Wassy's鷲谷社長、波田店長
ソノマの美味しいワインを日本に紹介したい――ソノマワイン商会 金丸緑郎社長
神様が背中を押してくれているような気がしました――ilovecalwine 海老原卓也社長
ワインとの“出会い”を大事に――ミライズ 清家純社長
5月末から、概ね月1回のペースでのんびり輪を広げていっています。ちょっと間が開いてしまいましたが、次の紹介記事も近々公開できると思います。
1 ネッド・グッドウィンによる日本のワイン市場の記事
日本が唯一のマスター・オブ・ワインを失ったわけ【追記あり】
ネッド・グッドウィン氏の記事にいただいた感想から
日本のワインシーンは本当に閉鎖的か? ネッド・グッドウィンの記事に米ライターが反論
3月29日に公開した「日本が唯一のマスター・オブ・ワインを失ったわけ」は、元々英語のサイトに掲載された記事でした。重要な内容を含んでいると思ったのですが、英語だと読む人が限られるだろうと思って、翻訳許可をもらい掲載したものでした。時間優先で訳したため、だいぶ拙い部分や誤訳(本質的なところではないです)もありましたが、ソーシャルメディア(TwitterおよびFacebook、はてなブックマークなど)を中心に、かなり多くの反響を得ました。この記事だけでトータル3万以上のページビューがあり、記事単位のページビューでももちろんトップでした。
個人的にも、この記事の掲載を契機に、自分のスタンスをそれまでよりももう少しジャーナリスティックなところに置くようになっています。インポーター紹介を始めたのもその1つですし、業界向けの場所にも時間と許可があれば、出席するようになりました。米国ではVinographyのAlder YarrowやGray ReportのW. Blake Grayなど、ジャーナリスティックな活動をしているブロガーが何人もいますが、そのスタンスを目指したいと思っています。なので、最近は「ブロガーのAndyです」と自己紹介するようになりました。
さてさて、2015年はどういう年になりますでしょうか。楽しい記事がたくさん書けるといいな、と思っています。